ブライアン・ホーク「鷹村に復讐する」

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204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 23:47:44.68 ID:l+cbKimIo
>>203
残念だか俺らみんな僧なんだきっと
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/03(木) 22:45:39.23 ID:ZSVKOHnM0
保守。
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/04(金) 02:26:48.22 ID:tpp02uf4O
エタったかな?
まぁこのタイトルじゃ鷹村を倒すか鷹村と再戦しかないからな再戦にしてもまぁお互いが良いところでENDしかないしな
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/04(金) 07:42:02.73 ID:4e1xLGo/o
エタった言いたいだけだろ君
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/04(金) 08:05:40.61 ID:9wZqqmRtO
いつまでも待っているんで続いて下さい
209 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 06:52:29.29 ID:ok1p45Uz0
(試合前日・記者会見)

ホーク「……」

バイソン「……」

会場に着くといきなり二人は、互いに目の前まで歩み、視線で火花を散らし合う

パシャッ!パシャパシャッ!

カメラマンたちは、睨み合う二人の撮影を行う

記者1「おお、二人とも気合入ってるな」

記者2「無理もない、バイソンもホークも、着実に順位を上げている」

記者3「再びタイトルマッチのチャンスを手に入れるには、ここで勝っておかないとな」

記者1「ミスターバイソン!この度の試合について何か」

バイソンはホークを睨みながら、ゆっくりと口を開く

バイソン「まさか、あのブライアン・ホークとやり合えるとは夢にも思わなかったよ。心から光栄に思う」

記者たち「おおお…」

ホーク「……」

バイソン「オレの出身はデトロイトだけど、スラムで育った」

バイソン「お互い似た境遇で育ってきたが、勝利への執念は負けない」

記者1「センキュー、ミスターバイソン!」
210 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 06:53:31.97 ID:ok1p45Uz0
記者1「それでは、続いてミスターホーク、今回の試合について何か」

ホークもバイソンを睨みながら、口を開く

ホーク「……オレは今回の試合の前にアラスカへ修行にいってきた」

ホーク「寒かったよ。そして自然の厳しさを知った」

ホーク「シロクマに襲われたのさ」

記者たち「……!?」

ホーク「まあ、殺して食べちゃったんだけどね」

記者たち「」

ホーク「おおっと、動物愛護団体に訴えるのは後にしてくれよ?」

ホーク「目の前にいる牛を、じっくりいたぶって」

ホーク「殺してやるからさ。オレの楽しみを奪わないでくれ」

ホークはそう言うと不敵に、煽るように笑う

ホーク「このオレと似た境遇で育ってきただと?笑わせるな」

ホーク「オレとお前じゃ根本的に性能が違うだろ?牛は牛らしく、全身バラされて、オレの胃袋でオネンネしてな」

ホークはそう言い終えると、舌を出しながら中指を立てる

バイソン「……」ニヤッ

記者たち(煽られているのに、バイソンが微笑んでいる…余裕だな)

バイソン「アル中の廃人の癖に、よく吠えるじゃないか」
211 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 06:55:29.63 ID:ok1p45Uz0
ホーク「あ?」

ガシッ

ホークはバイソンの胸ぐらを掴む

バイソン「……カモーン」ニヤニヤ

ホーク「いまココで牛肉解体ショーをおっ始めてもいいんだぜ?」

バイソン「フン、それでオレに負けて、また廃人に戻るんだろ?鷹村やオレに怯えながら日々を過ごすのか。かわいそうに」ニヤニヤ

ホーク「ファァァック!!!!!」ブンッ

ホークが殴りかかるが、それを抑えるミゲル達

ミゲル「止めるんだホーク!!」

トレーナー1「落ち着け!!」

トレーナー2「ここで相手を殴り飛ばしたって、鷹村には会えないぞ!」

ホーク「フー!フー…!!」

敵トレーナー「こらバイソン、その辺にしておけ」

バイソン「そうだな。こんな所で乱闘をしても意味がない」

バイソン(リングの上で決着を付けなければ、鷹村に会うチャンスは永遠に来ない)

ウォーリー「ホーク!落ち着いて!」

ホーク「おお…ブラザー…」
212 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 06:56:39.41 ID:ok1p45Uz0
(翌日)

実況「今宵、闘牛VS鷹の、命がけの闘いが始まる」

ワァァァァ!!!

実況「果たしてどちらが勝つか!?」

〜〜〜〜〜

そのころ、鴨川軍団はジムにあるテレビに注目していた

一歩「いよいよ始まる…」

板垣「あれ、鷹村さんがいませんが」

一歩「え?そういえば昨日もいなかったような」

木村「何やってんだあの人は。さては旅にでも出たか?」

青木「でも今回の試合は、特等席で観るって言ってたぜ」

青木「わざわざソファを空けて、俺達全員、後ろで立ってみてるのによ…」

木村「あーもう!アホくせぇ!知るか!座って見ようぜ!」

青木「全くだ!せっかく気をつかってやったのによ!」

全員、ソファに座る

一歩「……みなさんは、どっちが勝つと思いますか?」

木村「難しいな、なにせあのバイソンも、鷹村さんを苦しめた相手だからな」

青木「会長もタオル投げたしな。オレと木村が全力で阻止したけど」

板垣「下手すれば今頃、統一チャンピオンはバイソンになってましたね」
213 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 06:57:30.41 ID:ok1p45Uz0
司会「青コーナー!ブライアン!ホォォォク!!」

ウオォォォォ!!!

煙幕が勢いよく飛び出る

今回も美女達が、ホークを囲みながら歩んでいく
しかし一つだけ、いつもと違う点がある

観客1「なんだアレは」

観客2「変なガウン…」

観客3「おい…あれ、シロクマの毛皮じゃないか!?」

ホーク「……」

〜〜〜〜

木村「」

青木「」

一歩「あ、あれって…まさか、クマの毛皮…」

板垣「……鷹村さんの真似でもしてるんですかね?」

木村「そういえば、アラスカで修行にいったとき、クマを食ったとか言ってたな」

青木「あれ、ジョークじゃなかったのかよ…」
214 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 06:58:03.01 ID:ok1p45Uz0
司会「赤コーナー!リチャード…バイソォォン!!!」

ウオォォォォ!!!

アメリカバイソンの衣装を身にまといながら、胸をボコボコと叩く
そして意気揚々と、リングへ向かう

相手セコンド「油断するなよ」

バイソン「油断?できるハズないさ。相手はあのブライアンホークだ」

相手セコンド「うむ」

バイソンとホークは互いにガウンを脱ぎ終えると、ゆったりとした歩調で、相手の目の前へ接近する

そしてゼロ距離になった所でストップする

ホーク「……」

バイソン「……」

カーン!

実況「いま、ゴングが鳴った!!」
215 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 06:59:07.33 ID:ok1p45Uz0
ホーク(前座ではウォーリーが、世界ランカー相手に2ラウンドでKO勝ちだった。流石だぜブラザー)

ホーク(オレも2ラウンド以内に倒す…!!)

バイソン「……」サッ

バイソンは後ろへバックすると、ゆっくりと左腕を下げる
そして左腕は振り子運動を始める

実況「さあ、さっそくバイソンお得意のデトロイトスタイルが披露される!」

バイソン「……」ブンッ

実況「フリッカーの嵐がホークを襲う!!」

ホーク「……」スッ

バイソン「……!?」ブンッ

ホーク「……」スッ

実況「おおっと!バイソンの目にもとまらぬ鋭いフリッカーが!全く当たらない!!」

バイソン(バカな!?このオレのジャブを、初見で潜りぬける奴なんて…今までいなかった!)

ホーク(フリッカー対策は充分にしてきたよ)

ホーク(吹雪の中、ウォーリーを相手にね)

ホーク(ついでに、オレの新兵器を見せてあげるよ)クンッ

バイソン「…?今度はなにを」

クンッ…クンクン

ホークは右腕で前をガードし、左腕を前に突き出す
突き出された左腕は、僅かにクンクンっと上下に揺れている

バイソン(独特な構えだ…)
216 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 07:00:08.44 ID:ok1p45Uz0
ホーク(オレは鷹村に負けてからも、日本人を馬鹿にしていた)

ホーク(だが、このスタイルは日本人から学んだ物)

ホーク(おかげで、銃を手に入れた気分だ)

ホーク「フン!」

バキュン!!

鋭いコークスクリューがバイソンを襲う

バイソン「うぉぉ!?」

鮮血が宙に舞う

実況「なんだ今のパンチは!」

ポタ…ポタポタ…

バイソン(左瞼から…血が…?)

バイソン(……!!まずい!!ガードを…!!)

デトロイトスタイルから一転、すぐにガードを堅め、被弾に備える

バイソン(覚えているぞ。ホークの復帰戦は…2ラウンド10秒…TKO勝ち…)

バイソン(あの時とパターンがそっくりだ!!まずい、こんな序盤から目をやられたら…)

バイソン(オレのスタミナや意志とは関係無しに、試合が終わってしまう…!!)

〜〜〜

青木「あ、あれは…」

一歩「沢村さんのバレット…!!」

板垣「なんでアイツが使えるんだ!!」

木村「たしかにあの構え、攻撃。間違いなく沢村のバレットだな」
217 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 07:01:01.11 ID:ok1p45Uz0
ホーク「どうした、顔面ばっかり守っちゃって」

ホーク「ボディがガラ空きだぜ!!」

ボゴォォ!!!

バイソン「ぐぁぁ…!!」ガクッ

バイソンは膝を崩しかけるも、辛うじて耐える

バイソン(な、なんてパンチだ…!!)

ホーク「おいおい…オレの新兵器は、まだ他にもあるんだぜ?」

ホーク「こんな所で…終わらせるなよ!!」

ボス!ボス!ボゴォォン!!

バイソンのボディに数発当てていく

バイソン「ぐふぅぅ…」

ガード越しからでは見えないが、バイソンは苦悶の表情を浮かべる

バイソン(練習嫌いの男が努力を積み重ねると…こうも化けるのか…!!)
218 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 07:03:35.20 ID:ok1p45Uz0
カーン!

実況「1ラウンド終了です!」

実況「言うまでもなく、このラウンドはホークが優性です!」

ミゲル「素晴らしいじゃないか」

ホーク「だろ?オレはあのフリッカーに、まだ一度も被弾していない」

ホーク「バイソンの奴、左瞼きれて焦ってたぜ?オレの復帰戦での出来事を思い出してるのかな?」

ミゲル「油断は禁物だ。相手の動きをよく見た上で攻めるんだ」

ホーク「ああ、分かってるよ。別に舐めてるワケじゃない」

ホーク「現にあいつは、何発もボディを殴られてるのに、結局ダウンしなかった」

ホーク「打たれ強いよ、バイソンは」

ホーク(だがオレにはまだ秘密兵器がある)

〜〜〜

カーン!

審判「ボックス!」

実況「さあ2ラウンド開始です!!」

バイソン(左瞼は、セコンドのおかげで、なんとか治まってきた)

バイソン(このまま顔面ばかり守ってても、結局は相手の思うつぼだ)

バイソン(フリッカーでせめるのみ!!)

ホーク(どうやら、腹をくくったようだね)
219 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 07:04:32.72 ID:ok1p45Uz0
ホーク(だがいいのかな?また瞼が切れちゃうかもよ?)

ズバァァン!!

ホーク「ぐっ…!!」

ポタ…

ホークの左瞼が切れ、血がマットに落ちていく

実況「バイソン、2ラウンド開始早々、逆襲をはじめる!!」

ホーク「やるじゃないか、それでこそだよ」

バイソン「……」シュッ

ズバァァン!!ズバァァン!!

ホーク「ぐっ…さっきよりもハンドスピードを上げてやがる…!」

ホークの左瞼にフリッカーが直撃していく

ホーク「いい加減にしろよ、このままじゃオレがTKO負けになっちまう」

ホーク「銃を乱射する!!」

バキュン!バキュン!バキュン!

バイソン「ぐぅぅ…!!!」

実況「ホーク!負けじとバイソンの左瞼を集中攻撃!!」

バイソン(まずい…また出血してしまう…)

バイソン(だがあの高速のスクリューブロー…簡単には回避できん)

バイソン「ええい!攻めまくるのみ!!」

ズバァァン!!ズバァァン!!

ホーク「くっ…早い…!!」

バイソンのフリッカーが、ホークの顔面を襲う
220 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 07:05:21.62 ID:ok1p45Uz0
ホーク「だんだん慣れてきたよ」サッ

バイソン「む」

序盤の様に、ホークは再びフリッカーを軽やかに避けていく

ホーク「銃に撃たれて死ね!バイソン!」

バイソン「オレも慣れて来たよ」サッ

ホーク「ッ!?」

バイソンも、ホークのバレットを避けていく

ホーク「ぐっ…ちょっと回避できるようになったからって…調子に乗ってんじゃねぇよ」

バキュン!

バイソン「うおぉ!!」

ボタボタ…

バイソンの左まぶたの傷口が開く

バイソン(しまった…!!)
221 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 07:05:58.36 ID:ok1p45Uz0
ホーク(フィニッシュだ!!)ブンッ

バイソン「……大振りすぎるぜホーク」

ボォォン!!

ホーク「ぐぅぅ!!」

ホークの右ストレートに対し、鮮やかなカウンターを決めるバイソン

ミゲル(焦っているようで、ちゃんと状況判断が出来ている。さすが元WBAの王者だ)

ホーク(フン、カウンターを決めたところで、奴がピンチなのは変わりない)

ホーク(……そろそろ、新兵器の第二段といこうか。今度こそフィニッシュを決めるために)
222 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 07:07:13.28 ID:ok1p45Uz0
ホーク「……」

ホーク「……」チラッ

バイソン「ん?」チラッ

ホークは、よそ見する
それに釣られて、バイソンもよそ見

観客1(なんだ?)

観客2(ん?)

ホーク「……」

バイソン「……」

観客「……」

本来の予定なら、ここでホークはフィニッシュをしかけるハズだった
奇襲をしかけ、バイソンは窮地に追いやれていたハズだった

だが会場にいる全員が、思わずそのまま固まってしまう

ホーク「」

バイソン「」

観客「」

全員が絶句した
223 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 07:08:35.42 ID:ok1p45Uz0
鷹村「付き添い悪いな京姉、それに渡。オレ様は海外旅行は初めてで、英語もサッパリなんだよ」

京香「良いのよ守ちゃん。気にしないで」

渡「久々に守兄さんに会えたんだもん。むしろ嬉しいよ」

鷹村「そうかそうか、へへへへへ…」

ジーッ…

鷹村「ん?んん??なんだ、全員、こっちを見ている様な」

渡「ほ、本当だ」

京香「……どうやらバレちゃったみたいね」

渡「最前席だし、無理もないか」

鷹村「ああ。それにオレ様は世界チャンピオン様だからな。目立って当然だ」

実況「な、なんと!あのミドル級の統一王者!鷹村選手が会場にいます!!」

ウオォォォォ!!!

実況「アメリカ現地の観客も思わず驚いています!!」

〜〜〜

一歩「」

板垣「」

木村「ドコに行ってたのかと思ったら…あの野郎!アメリカまでいって観にいってたのか!!」

青木(ツッコミが追いつかない)
224 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 07:10:57.37 ID:ok1p45Uz0
バイソン(鷹村…わざわざ、アメリカまで来ていたのか)

バイソン(しかも家族連れか)

ホーク「」

バイソン(ん?)

ホーク「」

バイソン(なんだ…ホークの様子がおかしいぞ)

ホークは全身から嫌な汗が溢れ出す
小刻みに体は震え、足をガクガクと震わす

バイソン(ホークの顔色が見る見る悪くなっていく…)

バイソン「……」

ボゴォォン!!

ホーク「ッ!?」

バイソンのアッパーが炸裂する

ホーク「」ガクッ

そのまま膝を崩し、うつ伏せに倒れる

ミゲル「ホーク!!!」

ウォーリー「ッ!?ホーク!!」

審判「ワン!ツー!スリー…!」

審判の声が会場に響く
だがホークの脳内は、審判の声よりも、鷹村への恐怖心でいっぱいだった

ホーク(な、なんで…アイツが…)ガクガク
225 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/09(水) 07:11:24.57 ID:ok1p45Uz0
今日はここまで
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 08:09:43.48 ID:k4w6TUzUo
ガン見
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 09:03:47.86 ID:8rNXwSpLo
笑っちまったぜ畜生
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/09(水) 09:59:40.97 ID:NEaJ1Tns0
待ってた。
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 10:00:45.82 ID:aoOVzgVN0
ホークがよそ見習得したのかと思った
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 10:06:54.70 ID:+TQ0mVSRO
久しぶりで乙です
確か宮田も観客席に因縁の相手見つけて調子崩したっけ
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 18:54:44.47 ID:d+bHRtFxO
光景がリアルで目に浮かぶわ
鷹村の行動力なら実際にやりそう
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 21:35:54.96 ID:8phcNhCMo

青木のよそ見もいざという時に決まらなかったな
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 02:25:44.88 ID:QuHlxPhDO
バイソン(しかも家族連れか)ひだり
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 02:26:38.36 ID:QuHlxPhDO
バイソン(しかも家族連れか) ←間違ってはいない
235 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 07:20:20.81 ID:QKC5T3Qd0
ミゲル「ホーク!立つのだ!ここで立たなければ…」

ミゲル「鷹村とは戦えない!」

ホーク「……」ムクッ

審判「フォー!ファイブ!シックス!」

ホーク「……」グッ

ホークは辛うじて立ち上がり、ファイティングポーズを構える
しかし、相変わらず足をガクガクと震わせている

バイソン(ホークほどの男が、あのアッパー1発で足に来ているハズがない)

バイソン(精神的動揺だろうな)

バイソン(どうやらウワサ通り、鷹村との闘いで、メンタル面を破壊されてしまったようだな)

バイソン(まあ、それでも復帰した根性は認めよう…だが)

バイソン(オレもまた、あの男との再戦を望んでいる)

審判「ボックス!」
236 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 07:24:19.15 ID:QKC5T3Qd0
ホーク(鷹村が…なんで、なんでここに…)ガクガク

バイソン「フン!!」

ズバァァン!ズバァァン!ズバァァン!

ホーク「ぐぅぅ!!」

実況「バイソンのフリッカーが炸裂!!ホーク、なぜかガードを下げたままだ!!」

ミゲル「ガードを下げるな!逃げろ!フリッカーを回避するんだ!」

バイソン「フン!!」

ズバァァン!ズバァァン!ズバァァン!

ホーク「うっ…」ガクッ

実況「ホーク!早くも2回めのダウン!!」

ホーク(またダウンしちゃったよ…立たないと…)

ホーク(立って、立ち上がって…勝つんだ…)

ホーク(勝ったら…そしたら…そしたら…)

鷹村「……」

ホーク「ひぃぃ!?」

ホーク(あいつと殺し合いしないといけないのか…!!)ガクガク

審判「セブン!エイト!…」

ミゲル「良いのかホーク!一生、女を抱けない生涯になるぞ!!」

ホーク「っ!!」ムクッ

審判「ナイン!」

ホーク「やれるよ」グッ

審判「……ボックス!」
237 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 07:25:44.43 ID:QKC5T3Qd0
カーン!

実況「第二ラウンド終了です!ホーク、ゴングに救われた〜!」

ホーク「」ガクガク

ホーク「会場に鷹村が…」

ミゲル「うむ、私もさっき確認した」

ホーク「どうしよう…殺される、殺される…」ガクガク

ミゲル「ホーク!」ガシッ

ミゲルは、縮こまっているホークの肩に両手を置く

ミゲル「良く考えるのだ、イーグルにせよバイソンせよ、鷹村を苦しめた相手だ」

ミゲル「その彼らを相手にキミは、力をしっかりと見せ付けている」

ミゲル「己の力を信じるのだ!君ならやれる!」

ホーク「」ガクガク

ミゲル「ホーク!」

〜〜〜〜

相手セコンド「まさか鷹村が来ていたとはな」

相手セコンド「あの動揺をみるに、やはり鷹村に負けてからは廃人になっていたようだな」

バイソン「……」

バイソン「この試合に確実に勝てる方法を思いついた」

相手セコンド「なに?」

バイソン「正直、あまり気が進まない方法だがな」

バイソン「おれは何としても、鷹村と再戦したい。そのためなら何だってするさ」
238 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 07:27:14.68 ID:QKC5T3Qd0
カーン!

実況「さあ第3ラウンドです」

バイソン「……」スッ

鷹村「む?」

実況「おおっと?バイソン、ロープを背にしているようだが…?何がしたいのでしょうか」

ホーク「……?」

バイソンの意図を理解できずにいるホークは、ゆっくりとバイソンに近づいていく
だが、そのバイソンの目の前まで辿り着くと、ビクッと体を震わす

ホーク「……!!」ガクガク

バイソン(どうやら作戦は成功したようだな)

バイソン(おれの背後には、ロープの先には鷹村がいる)

バイソン(動揺して、試合に集中できないよな?ホーク)

バイソン(悪くおもうよ。おれは何としても鷹村と戦いたいんだ)

ズバァァン!ズバァァン!ズバァァン!

ホーク「うっ…ぐっ!!」

実況「フリッカーの嵐!ホーク、まともに喰らってしまう!」

バイソン(まるで試合に集中できていない。この勝負…勝った!)

ボゴォォン!!ボゴォォン!!

フリッカーを止めてボディブローを数発

ボゴォォン!!

そしてトドメと言わんばかりのアッパー

ホーク「」ガクッ

実況「ホーク、ここでダウ〜ン!」
239 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 07:30:06.91 ID:QKC5T3Qd0
ミゲル(駄目だ…もはや、わたしの声も届いていない)

ミゲル(だがここまできて諦める訳にはいかない。どうする…どうすれば)

ホーク「……」ガクガク

ホーク(もう楽になっちゃおうかな)

ホーク(戦うことも、そして女を抱く事も諦めて)

ホーク(……でもそのあと、何が残る)

審判「ワン!ツー!スリー!」

ホーク(何のために復帰した)

ホーク(何のために努力してきたんだ)

審判「フォー!ファイブ!」

鷹村「帰ろうぜ。京姉、渡」

京香「え?」

渡「まだ終わってないよ?」

鷹村「こんな試合、見る価値ねぇよ」

鷹村「序盤は良い内容だったのによぉ、残念だぜ」

ホーク(……?ドコへいく)

ホーク(なぜ背を向ける、どうして席から離れていく)

ホーク「待てよ…」

審判「シックス!セブン!エイト!」

ドォォン!!!

ホークは勢いよく、マットを拳で叩き付ける
音は会場中を響かせる

ホーク「タカムラァァァァァァ!!!!!!!!!!」
240 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 07:31:40.15 ID:QKC5T3Qd0
観客「……!!」

審判「っ!?」

ホークの叫び声に誰もが言葉を失う
審判も思わずカウントを止めてしまう

ホーク「まだ…まだやれるぞ」

審判「あ、ああ…」

バイソン(眼が生き返っている)

バイソン(仕方がない、ここからは覚悟をもって望むとしよう)

審判「ボックス!!」

ホーク「うぉぉ!!」ゴゴッ

実況「ホーク、合図と同時に接近する!!」

バイソン(インファイトでくるのか?いいだろう)

フリッカーを仕掛けるバイソン、だがホークは猪突猛進ながらもフリッカーの嵐を避けていく

バイソン(流石じゃないか…もう懐まで。ここは右で打ち下ろしを)

左ジャブのフリッカーを止め、右を打ち下ろすバイソン
それに対しホークは右腕を振り上げようとする

バイソン(アッパーだな。いいだろう。カウンターで迎え撃つ!)

ボゴォォォン!!

バイソン「ぐっ…!」

ホーク「ぐあ…」

二人のパンチが、互いの顔にジャストミートする
241 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 07:32:32.07 ID:QKC5T3Qd0
バイソン「ぐっ…」ガクガク

バイソン(足に来ている…だが、この程度なら少し休憩すれば回復できる)

バイソン「それよりも…」

ボゴォォン!

バイソン「〜〜ッ!?」

実況「バイソンとの相打ちにも負けず、ホークのリバーブロー!」

バイソン(ガードを、ガードをかためて…)

ホーク「そんな柔なガードで防げるかな?」ブンッ

ホークは再びアッパーを仕掛ける
その軌道は丁度、相手の両腕の間に衝突し、ブロックをこじ開けていく

バイソン「なっ…」

ボゴォォン!

バイソンの顔が天井へと向く
だがホークの猛攻はとまらない

ホーク「フン!フン!フン!フン!」

ボゴォォン!ボゴォォン!ボゴォォン!ボゴォォン!

実況「ホーク!バイソンにダウンをさせない勢いで、集中打を浴びせていく!!」
242 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 07:33:17.06 ID:QKC5T3Qd0
審判「ホーク!ストップ!」

ホーク「フン!フン!フン!フン!」

ボゴォォン!ボゴォォン!ボゴォォン!ボゴォォン!

審判「ストップだ!ストップ!」ガシッ

ホーク「離せぇぇ!!」

審判に両腕で動きを塞がれる
それと同時に

バイソン「」ドスッ

バイソンは頭からマットに沈む

ホーク「ぜぇぜぇ…!!」

審判「…!!これは」

審判「……」サッ

実況「ここで審判は両手をクロスさせる!」

カーン!カーン!カーン!カーン!カーーン!

実況「バイソン、続行不能により試合終了!!勝者、ブライアン・ホーク!!」
243 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 07:34:23.50 ID:QKC5T3Qd0
観客1「うそだろ…あの元世界王者の男を…わずか3ラウンドで…」

実況「まだ意識を取り戻していない様です」

実況「いま、タンカーで退場していきます」

相手セコンド「バイソン…」

バイソン「」

ホーク「はぁはぁ…ぜぇぜぇ…」

女性「ミスターホーク、今回の勝利おめでとう!」

実況「ここで勝利インタビューです」

ホーク「……」

女性「今回の試合のご感想は?」

ホーク「……」

女性「あの、ミスターホーク?」

ホークはゆっくりと歩いて行く
そしてロープの目の前まで辿り着くと、ジッと一点を見つめる

鷹村「……ふん、ちったぁやるじゃねぇか。見直したぜ」

ホーク「……」

観客1「おおお…」

観客2「あの二人が睨み合っている」

しばらく睨み合ったあと、ホークはインタビューを無視したまま、終始黙って会場をあとにする
244 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 07:35:07.30 ID:QKC5T3Qd0
(控え室)

ホーク「……」

ホークガール1「お疲れ様ホーク」

ホークガール2「どう?今夜は私たちと楽しめそう?」

ホークは黙って首を横に振る

ホーク「インタビューしてきた女も、良い女だった…でも、立たなかった。前回は半立ちくらいはしたのに」

ホーク「オレは、まだちゃんと完治してない」

ホークガールズ「ホーク…」

ミゲル「……とりあえず、今日はよく頑張ったね」

ホーク「……」

ミゲル「あとは鴨川が、我々のメッセージに答えてくれるか、否か」

ホーク「次は、間違いなく…鷹村となのかい?」

ミゲル「君はイーグルを7ラウンドで、そしてバイソンをわずか3ラウンドでKO勝ちした」

ミゲル「今後、君との対戦を避ける者が続出するだろう」

ホーク「どの道、戦う相手は奴しかいないのか…」
245 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 07:36:14.26 ID:QKC5T3Qd0
(2日後・鴨川ジム)

鷹村「おれ〜のパンチは、ダイナマイト〜ブンブンブン!」

ガラッ

鷹村「よー!」

一歩「鷹村さん、びっくりしましたよ!」

青木「目を疑いましたよ」

鷹村「む、どうやらお前らも気付いた様ようだな。ハハハハ!」

鴨川「……」

鷹村「お、ジジイ」

鴨川「ついさっき、交渉成立した」

一歩「え!?」

板垣「じゃあ、まさか」

八木「ブライアン・ホークとの再戦が決まったよ」

木村「とうとう、決まっちまったか…」

鴨川「試合は3ヵ月後じゃ。覚悟はできておるな?」

鷹村「勿論だ」

鴨川「ホークの復帰後、闘って来た相手…その全てが、鷹村と戦ってきた相手じゃった…」

鴨川「しかも全員が、貴様を苦しめてきた者たちばかり」

鴨川「これは、ミゲルゼールとブライアンホークからの…もう一度闘って欲しいと言うメッセージじゃ!」

鴨川「わしは、それに答えようと思った」

鷹村「同感だ。オレ様も、気持ちに答えるつもりだ」

鴨川「さぁ、ロードーワークへ行くぞ!鷹村!」

鷹村「おう!」
246 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 07:38:13.63 ID:QKC5T3Qd0
ミゲル「……交渉を終えてきた」

ミゲル「試合は三ヵ月後」

ミゲル「だが焦る必要なはない。まずは2週間の休養を」

ホーク「……」ガクガク

ミゲル「震えている場合じゃない。現実を受け止める時がきたのだ」

ホーク「おれは…死ぬ…三ヵ月後…殺される…」

ホーク「けっきょく女を抱く事もできず…おれは…死ぬ、殺される」

ホーク「死ぬんだ…死んでしまうんだ…」ガクガク

ミゲル「ウーム…」

ミゲル「ウォーリー!」

ウォーリー「なに?ミゲル」

ミゲル「君も世界ランカーと戦ったダメージがあるはずだ。君にも2週間の休養を命ずる」

ウォーリー「そっか」

ホーク「……」ガクガク

ウォーリー「ホーク!」

ホーク「……?なんだいウォーリー」

ウォーリー「僕も2週間休む!いっしょにドコか遊びに行く!」

ホーク「……」

ウォーリー「この辺、くわしくない。ドコか連れてって!ホーク!」

ホーク「……」

ホーク「ああ、良いともブラザー」

ホーク(だがドコへ行こうか)

ホーク(……ひとまずマイタウンにでも行くか。近くにバスケットコートもあるし)
247 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 07:39:19.66 ID:QKC5T3Qd0
今日はここまで
次回は日常&特訓回
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 07:45:51.87 ID:/fuF6TCTO
乙です
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 08:16:23.06 ID:0WYSLFjIo

ピンチではあるけどよそ見を隠せたのは大きいはず
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 09:09:36.95 ID:d8s0vHYeo
よくできてて面白いのにタンカーで毎度笑ってしまう
前にも同じ誤字があったのでお節介しとくと、担架であってタンカーじゃないぞ
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 12:28:23.01 ID:gbefZepLO
試合後三ヶ月でまた試合って早すぎないか…
そんな簡単にダメージって抜けないよ
252 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 18:41:43.23 ID:QKC5T3Qd0
感想と指摘どうも
誤字を直しておきます

試合期間も早すぎるって事なので、こちらも訂正文3レスほど載せて起きます
(休養期間は2週間→1ヶ月。試合は3ヶ月後→5ヶ月後に変更)
253 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 18:43:10.64 ID:QKC5T3Qd0
>>243(訂正)

観客1「うそだろ…あの元世界王者の男を…わずか3ラウンドで…」

実況「まだ意識を取り戻していない様です」

実況「いま、担架で退場していきます」

相手セコンド「バイソン…」

バイソン「」

ホーク「はぁはぁ…ぜぇぜぇ…」

女性「ミスターホーク、今回の勝利おめでとう!」

実況「ここで勝利インタビューです」

ホーク「……」

女性「今回の試合のご感想は?」

ホーク「……」

女性「あの、ミスターホーク?」

ホークはゆっくりと歩いて行く
そしてロープの目の前まで辿り着くと、ジッと一点を見つめる

鷹村「……ふん、ちったぁやるじゃねぇか。見直したぜ」

ホーク「……」

観客1「おおお…」

観客2「あの二人が睨み合っている」

しばらく睨み合ったあと、ホークはインタビューを無視したまま、終始黙って会場をあとにする
254 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 18:44:42.06 ID:QKC5T3Qd0
>>245(訂正)

(2日後・鴨川ジム)

鷹村「おれ〜のパンチは、ダイナマイト〜ブンブンブン!」

ガラッ

鷹村「よー!」

一歩「鷹村さん、びっくりしましたよ!」

青木「目を疑いましたよ」

鷹村「む、どうやらお前らも気付いた様ようだな。ハハハハ!」

鴨川「……」

鷹村「お、ジジイ」

鴨川「ついさっき、交渉成立した」

一歩「え!?」

板垣「じゃあ、まさか」

八木「ブライアン・ホークとの再戦が決まったよ」

木村「とうとう、決まっちまったか…」

鴨川「試合は5ヶ月後じゃ。覚悟はできておるな?」

鷹村「勿論だ」

鴨川「ホークの復帰後、闘って来た相手…その全てが、鷹村と戦ってきた相手じゃった…」

鴨川「しかも全員が、貴様を苦しめてきた者たちばかり」

鴨川「これは、ミゲルゼールとブライアンホークからの…もう一度闘って欲しいと言うメッセージじゃ!」

鴨川「わしは、それに答えようと思った」

鷹村「同感だ。オレ様も、気持ちに答えるつもりだ」

鴨川「さぁ、ロードーワークへ行くぞ!鷹村!」

鷹村「おう!」
255 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 18:46:53.24 ID:QKC5T3Qd0
>>246(訂正)

ミゲル「……交渉を終えてきた」

ミゲル「試合は5ヶ月後」

ミゲル「だが焦る必要はない。まずは1ヶ月の休養を」

ホーク「……」ガクガク

ミゲル「震えている場合じゃない。現実を受け止める時がきたのだ」

ホーク「おれは…死ぬ…三ヵ月後…殺される…」

ホーク「けっきょく女を抱く事もできず…おれは…死ぬ、殺される」

ホーク「死ぬんだ…死んでしまうんだ…」ガクガク

ミゲル「ウーム…」

ミゲル「ウォーリー!」

ウォーリー「なに?ミゲル」

ミゲル「君も世界ランカーと戦ったダメージがあるはずだ。君にも1ヶ月の休養を命ずる」

ウォーリー「そっか」

ホーク「……」ガクガク

ウォーリー「ホーク!」

ホーク「……?なんだいウォーリー」

ウォーリー「僕も1ヶ月お休み!いっしょにドコか遊びに行く!」

ホーク「……」

ウォーリー「この辺、くわしくない。ドコか連れてって!ホーク!」

ホーク「……」

ホーク「ああ、良いともブラザー」

ホーク(だがドコへ行こうか)

ホーク(……ひとまずマイタウンにでも行くか。近くにバスケットコートもあるし)
256 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/08/11(金) 18:47:21.33 ID:QKC5T3Qd0
訂正終了です
続きの執筆してきます
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 18:54:53.77 ID:29SGiRXzO
乙です
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 20:01:38.56 ID:HenMW9uAO
>>255でホークのセリフが訂正しきれてないぞwww

続き楽しみに待ってるで
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 22:40:09.99 ID:ZZa3NzFnO
いかん幕之内と宮田のss読んだせいで一歩がモーホーに変換されてしまう
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/12(土) 04:38:28.88 ID:4ZTFT/pbO
原作でもほぼ似たようなものなのでセーフ
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/07(木) 21:51:11.98 ID:fd+Lqc6o0
保守
262 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/09/29(金) 07:35:43.49 ID:fYZmWBtl0
1レスだけ訂正文を投下し、前回からの続きを投下します
間隔が空いてしまったから、軽くあらすじを↓

・鷹村の登場で激しく動揺するも、気持ちを持ち直す
・元王者のバイソンを3ラウンドでKO
・試合後、恐怖心が蘇るホーク。ミゲルから、ウォーリーと共に休養を命じられる
263 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/09/29(金) 07:36:52.29 ID:fYZmWBtl0
>>246(訂正)

ミゲル「……交渉を終えてきた」

ミゲル「試合は5ヶ月後」

ミゲル「だが焦る必要はない。まずは1ヶ月の休養を」

ホーク「……」ガクガク

ミゲル「震えている場合じゃない。現実を受け止める時がきたのだ」

ホーク「おれは…死ぬ…5ヶ月後…殺される…」

ホーク「けっきょく女を抱く事もできず…おれは…死ぬ、殺される」

ホーク「死ぬんだ…死んでしまうんだ…」ガクガク

ミゲル「ウーム…」

ミゲル「ウォーリー!」

ウォーリー「なに?ミゲル」

ミゲル「君も世界ランカーと戦ったダメージがあるはずだ。君にも1ヶ月の休養を命ずる」

ウォーリー「そっか」

ホーク「……」ガクガク

ウォーリー「ホーク!」

ホーク「……?なんだいウォーリー」

ウォーリー「僕も1ヶ月お休み!いっしょにドコか遊びに行く!」

ホーク「……」

ウォーリー「この辺、くわしくない。ドコか連れてって!ホーク!」

ホーク「……」

ホーク「ああ、良いともブラザー」

ホーク(だがドコへ行こうか)

ホーク(……ひとまずマイタウンにでも行くか。近くにバスケットコートもあるし)
264 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/09/29(金) 07:39:29.21 ID:fYZmWBtl0
(ニューヨーク・スラム街・バスケットコートにて)

ホーク「よっと!」

鮮やかにシュートを決めるホーク

ウォーリー「ホーク凄い!何回もシュート決めてる!しかも離れた所から!」

ホーク「ハハハ、これはスリーポイントって言うんだ」

ウォーリー「僕もスリーポイント決める!」シュッ

ガンッと音を立てて、ボールはウォーリーの元へ返ってくる

ウォーリー「スリーポイントできない!難しい!」

ホーク「なーに、ウォーリーなら練習をすれば、すぐにできる様になるさ」ダンダン

ホーク「フン!!」

ズドォォン!!

颯爽と走り、ホークは力強くダンクを決める

ホーク(あー…久々にやったぜ。バスケットボール)

ホーク(いつの頃からか、みんな、オレの存在にビビッて、バスケの相手してくれなくなったなぁ…)
265 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/09/29(金) 07:41:20.49 ID:fYZmWBtl0
ウォーリー「よーし!ぼくもダンク!決める!」

ホーク(ウォーリーは小さいが、ダンク位は余裕だろうな)

ウォーリー「とう!!」

ホーク(なっ!?おいおい、フリースローラインからジャンプだと!?)

ウォーリー「てりゃ!」

ズドォォン!

ウォーリー「やった!ダンク成功!」

ホーク「さ、流石だぜブラザー…」

ホーク「オレも、やってみるかな。フリースローラインから…」ダダッ

ガンッ

ホーク「ぐっ…」

ボールはリングに直撃し、ホークは思わず体勢を崩す

ホーク「うぉぉ!!?」ドンッ

ウォーリー「ホーク大丈夫!?」

ホーク「ああ、背中から落ちたが、なんてこと…」

ビキキ…!

ホーク「グッ…!!」

ウォーリー「ああ…やっぱり痛めてる…!」

ホーク「いや、これは背中からの痛みじゃない」

ホーク(バイソンと闘ったとき痛みだ…)

ウォーリー「そっか。でも無理するのよく無い。今日は終わりにしよう!」

ホーク「ああ。そうだな」
266 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/09/29(金) 07:42:23.31 ID:fYZmWBtl0
(地下鉄にて)

ウォーリー「ハンバーガーって料理、おいしいね!」

ホーク「食べたのは初めてかい?」

ウォーリー「うん!でもポテトは何回か食べた事ある」

ホーク「お前の故郷じゃ味わえないからな。よく味わっておけ」

ウォーリー「……それにしても、なんだかジロジロ見られてるけど?」

不良達「……」ジッ

ホーク「ハハハ、そりゃ俺達は有名人だからな」

ホーク「でも1人で地下鉄には乗るなよ?ここは危ない場所だからな」

ウォーリー「うん!」

不良達(お前が一番危ないよ)

ホーク「明日はどうする?」

ウォーリー「今日みたいに、またバスケやって、地下鉄のる!」

ホーク「オーケーブラザー」
267 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/09/29(金) 07:43:31.74 ID:fYZmWBtl0
数日後、スラム街のバスケットコートで、二人は仰向けになりながら、空を眺める

ウォーリー「ぜぇぜぇ、汗で全身がビショビショだ」

ホーク「室内プールにでもいくかい?」

ウォーリー「いくいく!」

ホーク「よーし、なら休憩を終えたら行こう」

ウォーリー「……」

ホーク「……」

ホーク「そういや」

ウォーリー「ん?」

ホーク「ウォーリー、なんでボクシングを続けてるんだ」

ウォーリー「え?」

ホーク「ミゲルとの出会いがキッカケってのは知っている。だが、ボクシングは辛いし大変だろ?」

ホーク「何よりお前は、おれと違って普段は温厚だ。なぜ危険を冒してまで闘う」

ウォーリー「えーとね、はじめはミゲルにボクシング教わって…練習楽しくて、強くなる度に自信もついて」

ウォーリー「プロで活躍すれば、有名になれるって聞いたから、だから続けてきた」

ホーク「栄光が欲しかったのか」

ウォーリー「ううん、そうじゃない」

ホーク「ん?じゃあ一体…」
268 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/09/29(金) 07:44:40.75 ID:fYZmWBtl0
ウォーリー「僕の故郷、だんだん壊れてきてる」

ウォーリー「環境、もっと大事にしてほしい。自然を守って欲しい」

ウォーリー「だから有名になることで、その事、訴える」

ホーク「」

ホーク「そ、それが…お前の闘う原動力なのか…」

ウォーリー「うん」

ウォーリー「あ、でもボクシング自体は大好き!もっと強い相手と戦いたい!鍛えて強くなりたい!」

ホーク「……」

ホーク「く…くく…」

ホーク「ハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

ウォーリー「あ!ひどい!」

ホーク「ソーリー、悪気はなかった」

ホーク「いいぜ、その夢…オレも一緒に追いかけてやるさ」

ウォーリー「え?」

ホーク「まずはオレが再び世界チャンピオンになる。そして言ってやるのさ」

ホーク「おれのブラザーの故郷を大事にしろってな」

ウォーリー「ホーク…」

ホーク「……そう思ったら、次の試合、負けられないよな」ブルッ

上機嫌だったホークは途端に顔色を青くして、小さく震え、小声で呟く
269 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/09/29(金) 07:46:03.06 ID:fYZmWBtl0
ウォーリー「ありがとうホーク」

ウォーリー「でも、僕の夢に付き合わなくて良い」

ホーク「おいおい、寂しい事いうなよ」

ウォーリー「これは僕の闘いだから、僕自身で目的を達成しないと」

ウォーリー「ホークにはホークの闘いある」

ウォーリー「勝って、気持ちよくなりたいんでしょ?」

ホーク「……ああ、気持ちよくなりたい。またエクスタシーを…感じたい」

ウォーリー「なら、気持ちよくなるために、闘わないと。僕の夢のためじゃなくて」

ウォーリー「それに、ホークがテレビで、僕の故郷について訴える姿、似合わない」

ホーク「ん?」

ウォーリー「ホークは、ヒール役のほうが似合ってるでしょ?」

ホーク「……」

ウォーリー「……」

ホーク・ウォーリー「ハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

二人は天に向かい笑い出す

ホーク「ああ、間違いないぜ」

ウォーリー「でも心配いらないよ。僕はホークの見方だから」

ホーク「それはお互い様だぜ、ブラザー」
270 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/09/29(金) 07:46:52.98 ID:fYZmWBtl0
2週間後、二人は映画館に来ていた

ウォーリー「まだ始まらないの?」

ホーク「ああ、ポップコーン食べて待っているんだな」

ウォーリー「なに読んでるの?」

ホーク「雑誌さ」

ホーク(おれの事が書かれてたから、気になって買ってみたが…)

ホーク(チッ、いつの間にパパラッチどもが。オレとウォーリーの有意義なる時間を…勝手に許可なくとりやがって。見つけたら殺す)

ウォーリー「映画、観終えたらどうする?」

ホーク「そうだな。地下鉄乗って移動して、またバスケでもするか」
271 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/09/29(金) 07:48:36.13 ID:fYZmWBtl0
映画を見終え、バスケットコートに到着する二人
だがそこには思わぬ人物が待っていた

ウォーリー「ホーク、あの人たしか」

ホーク「……」

ホーク「殺されにきたのか?」

バイソン「フン、殺し損ねた男が言う言葉か?」

ホーク「あぁ?」ビキッ

バイソン「ま、死に掛けたのは事実だがな」

バイソン「試合後は丸1日意識を失い、先日退院したんだ」

ホーク「なぜ俺達がここにいることが分かった」

バイソン「その手に握られた雑誌に答えが書いてあるぜ」

ホーク「何しにきた?」

バイソン「気分転換にニューヨークに訪れるつもりだった。その途中、雑誌みてたら偶然、お前の記事を見つけた」

バイソン「ココに来たのは気まぐれさ」

ホーク「ほう、お前は気まぐれで自殺する男なのか」

バイソン「ノー、オレは気まぐれで復讐をする男さ」

ホーク「あぁぁ!?」ビキビキ

バイソン「おいおい、ここはリングじゃなくてコートの中だ」

バイソン「オレも故郷のスラム街で、よくストリートバスケはやった」

バイソン「ここは殴り合いじゃなくて、バスケットでもしないか」

ホーク「望むところだ」
272 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/09/29(金) 07:50:10.06 ID:fYZmWBtl0
数時間後

ウォーリー「ホーク!外は真っ暗だよ!」

ホーク「ぜぇぜぇ…おれの勝ちだ」

バイソン「チッ…入院さえしてなければ」

バイソン「ま、良い運動になった。ホテルに帰るよ」

ウォーリー「僕達も帰ろうか」

ホーク「ああ」

バイソン「……」

バイソン「約4ヵ月後に、鷹村と闘うんだって?」

ホーク「ああ、お前に勝ったからな」

バイソン「全くよ、困っちまうぜ。どいつもコイツも」

バイソン「ライバルが多すぎて、誰から挑めば良いのやら」

バイソン「イーグル…鷹村…そしてお前…」

バイソン「どうしてオレよりも高い場所にいるんだ」

ホーク「フン、とっとと引退するんだな」

バイソン「しない」

バイソンは振り向いて、後ろにいるホークと向き合う

バイソン「力ある限り、何度でも挑む」

ホーク「……」

バイソンは再び前を向いて歩き出す

バイソン「応援しに行くぜ、ホーク。お互いスラム育ちで、同じアメリカ人だからな」

ホーク「良いのかい、オレの応援なんかして」

ホーク「オレとの再戦を熱望してるんだろ?次、闘ったら完全に壊れるぜ、お前」

バイソン「そういう台詞は、鷹村に勝ってから言うんだな」

ガチャッ

金網のドアを開けて、バイソンは静かに去って行く
273 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/09/29(金) 07:51:21.73 ID:fYZmWBtl0
(しばらして、ジムにて)

ミゲル「久しぶりだ。よく体は休めたかな?」

ホーク「ああ」

ミゲル「一応、聞いておくが、どんな休日をすごしてたのかな」

ホーク「毎日、バスケやって、映画見て、時々プールでのんびりしてたさ」

ウォーリー「地下鉄のって、いろんな所を観光してたよ」

ミゲル「バスケはやりすぎてはいないな?」

ホーク「別に丸1日やってた訳じゃないさ」

ホーク「本当は、女も抱きたかったんだがな…まだオレは…」

ミゲル「分かっている。そのためにここまで闘ってきたのだろう」

ミゲル「さあホーク。鷹村との闘いに備え、特訓だ」

ホーク「ああ」

ウォーリー「僕の試合はきまった?」

ミゲル「うーむ、それがまだ。どうやら君もだいぶ警戒されてるようでね、避けられ始めてる」

ウォーリー「ええー!じゃあリカルドとやりたい!」

ミゲル「いまの君じゃ絶対に勝てない。それに世界ランク1位にならないと駄目だ」

ウォーリー「ええぇぇ!?」

ミゲル「焦る必要は無い。君には王者になる才能があるからね」
274 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/09/29(金) 07:52:00.42 ID:fYZmWBtl0
今日はここまで

本当は特訓編も書いておきたかったけど、だいぶ間隔が空いてしまったので一先ず、日常編だけでも
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 10:36:11.43 ID:pe4gErsjO
乙です
次回も期待してます
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 18:17:37.03 ID:Lqiw4Via0
おつおつ待ってた
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/29(金) 18:26:54.94 ID:sd4mskA20
乙です。待ってました。
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 18:37:01.14 ID:1Q73ftVLo
乙乙
原作一歩はウォーリーと再戦するのかな?
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 09:02:14.27 ID:FVFvyahkO
ウォーリーと一歩の再戦は無いだろうな
それよりイタガキとのスピード対決は見たいな
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 19:53:13.05 ID:mWIQnD0DO
もうホークとウォーリーの純愛ssとして読んでる
ホークがタチなのかネコなのかそこが気になる
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 18:03:28.71 ID:rCm3bKxA0
ウォーリー全く試合決まらないのか
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/06(月) 10:36:18.04 ID:vFbYXS8g0
保守
283 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:39:47.55 ID:qLmMJ8uq0
ホーク「フン!!」

ボゴォォン!

ジムメイト「ぐあぁ…!」ドサッ

ホーク「おい、ミゲル。もっとまともなスパーリングパートナーを用意してくれ」

ホーク「このままじゃ、全員潰れちまうぜ?」

ジムメイト達「」

ミゲル「むむむ」

スパーリングを行っていたホークだが、大半のジムメイトを数秒でノックダウンしてしまっていた

ウォーリー「じゃあ僕、相手する」

ホーク「ブラザーか…お前とて容赦はできないぜ?」

ウォーリー「望むところだよ!」
284 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:41:13.27 ID:qLmMJ8uq0
カーン!

ホーク「第2ラウンド終了か、早いな」

ウォーリー「ゼェゼェ、やっぱり強いやホーク」

ホーク「ハハハ、お前のスピードと技術もなかなかだぜ」

ミゲル「……」

ホーク「ん?どうしたミゲル、やけに汗だくじゃないか」

ミゲル「いや…そんなこと」

ホーク「若きホープが壊されないか心配だったのかい?」

ミゲル「うーん、まあ、君の破壊力は桁違いだからな」

ウォーリー「心配性だなミゲルは」

ホーク「まあ、ミゲルの心配ももっともだ」

ホークは自分の拳を見つめる

ホーク「おれは、ウォーリーにだけは、殺人許可証を使いたくない」

ミゲル「……」

ミゲル(ホークの力は圧倒的だが、多分、無意識に加減をしているだろうな。さぞ闘いづらいだろう)

ミゲル「出かけてくる」

ホーク「スパーリングパートナーを探しに行くのかい?」

ミゲル「ああ。しかし君はすでに、ミドル級の選手たちから避けられ始めている」

ミゲル「スパーリングでさえもな」

ホーク「じゃあどうする」

ミゲル「避けられてはいるが、全くあてが無い訳ではない。交渉してくる」
285 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:42:09.92 ID:qLmMJ8uq0
(そのころ、日本では)

一歩「フン!フン!」

一歩は土手で、体を無限(∞)の軌道を描いていた

鷹村「こんな真夜中に特訓か」

一歩「っ!鷹村さん、どうしたんですか」

鷹村「眠れなくてな。おれも特訓しにきた」

一歩「あんなに特訓してたのに…まだ体が動くなんて…」

鷹村「フン、今更おどろくことでもあるまい」

そういって、鷹村はシャドーを始める

鷹村「フッ…フッ…!」シュシュッ

一歩(よし、僕も引き続き)

再び体を無限の軌道を描く
そしてその反復運動に、小さな変化を加える

一歩(横…横…ここから、斜め…斜め…)

鷹村「……」

一歩(縦の変化も加えて…また横…斜め…横…斜め…)

鷹村「調子良さそうだな」

一歩「え?」

鷹村「新型デンプシー、調子良さげだな」

一歩「い、いや〜鷹村さんにそう言われると、照れちゃうなぁ…」
286 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:43:24.94 ID:qLmMJ8uq0
鷹村「その技が決まれば、世界ランカーの猛者共さえも、ひとたまりもない」

一歩「は、はは…でも、まだまだですよ」

一歩「会長が望む形に、もっと近づかないと。もっと努力を」

鷹村「……その必要ない」

一歩「え?」

鷹村「悪い事は言わない。次の試合で引退しろ」

一歩「ま、まだそんな事を」

鷹村「確かに強力な技だ。パターン化した旧型デンプシーより、攻略も難しくなった。カウンターも簡単には決まらないだろ」

鷹村「だがな、いまのお前は」

一歩「壊れてません!!!」

一歩の叫びが土手に響く

一歩「僕は壊れてません…大丈夫…大丈夫…」ワナワナ

鷹村「……分かったよ。もう何も言わない、今度こそな」

鷹村「人間、明確な目的を持っちまうと、それを止めるほうが困難ってもんだ」

一歩「……」

鷹村「だからこそ、一度ぶっ壊れたあの男も、帰って来たんだ」

一歩「ブライアンホークの事ですか?」

鷹村「ああ」
287 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:44:48.63 ID:qLmMJ8uq0
鷹村「やつは、オレ様と闘うまでは、ほとんどダメージを受けていない」

鷹村「精神的にぶっ壊れてたんだ。ずっとな」

鷹村「それはある意味では、パンチドランカーや網膜はく離なんかよりも、もっとたちが悪い。闘志そのものが萎えちまってるからだ」

一歩「それでも…ホークは帰ってきた」

鷹村「ああ。何が奴を奮い立たせてるかは知らんが」

鷹村「あそこまで分かりやすく。オレ様への復讐を誓っているのなら」

右拳を前に突き出し、ブンッと音をたてる

鷹村「それに全力で答えるつもりだ」

鷹村「そして勿論、全力で叩きのめす」

鷹村「身も心も、全てを破壊する…二度とボクシングなんてやらないと、思いたくなる位にな」

一歩「……」

鷹村「ボクシングってのはそういう世界だ。だから一歩」

鷹村「引くなら今のうちだ。全て失い、手に負えなくなる前に」

一歩「手に負えなくなる前に!新型で相手を倒します!」

鷹村「……そうか。まあ、ガンバレや」

一歩「鷹村さんも!頑張ってください!」

鷹村「言われなくてもそうするつもりだ」
288 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:46:00.70 ID:qLmMJ8uq0
鷹村「少し、休憩する」

一歩(凄いな、まだ帰らないんだ…)

鷹村「どうした?もう遅いぞ」

一歩「ぼ、ぼくも残ります!」

鷹村「それ以上はオーバーワークだぜ」

一歩「……」

鷹村「フン」

ゴンッ!ドス!

一歩「痛っ…痛い!なんで殴るんですか!」

鷹村「お前に言われたくないと、顔に書いてあったからだ」

一歩(理不尽だ。図星だけど)

〜10分後〜

鷹村「……こうかな」

グルン…グルン…

一歩「え、その動きは」

鷹村「フン!フン!フン!フン!」

一歩「な、なんて力強い動きなんだ…」

鷹村「ぜぇぜぇ…どうだ?」

一歩「えっと、初めてですよね?」

鷹村「ああ、デンプシーなんざやったことない」

一歩「初めてとは思えないですよ!」

鷹村「そうか…しかし、よくこんな単純パターンで、国内王者にまでなったな」

鷹村「オレ様はまだ、ここで練習していくが、お前はどうする」

一歩「残ります!」

鷹村「お前も本当、意地っ張りだよな。普段は気弱なくせに」
289 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:46:50.63 ID:qLmMJ8uq0
(一ヵ月後・アメリカにて)

ジムメイト1「すげぇなあいつ…」

ジムメイト2「さすが、ホーク相手に7ラウンドまで張り合った男だ」

ミゲル「デビット・イーグル…」

イーグル「くっ…フン!」

ホーク「……」

イーグルを相手にスパーリングをする事になったホーク
ホークの目はすでに、悪魔のごとく真っ赤にそまり、イーグルを本気で殺す勢いだった

ホーク「フン!!」

ボゴォォン!

強烈なアッパーで、イーグルを襲う

イーグル「グゥ…!」

カーン!

ミゲル「3ラウンド終了」

イーグル「お役に立てたかな?」

イーグルはヘッドギアを外す
290 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:48:16.05 ID:qLmMJ8uq0
ミゲル「うむ、国内で彼を相手に出来るのは限られている。感謝する」

イーグル「ホークには是非、勝って欲しいからね」

イーグル「アメリカの誇りにかけて…」クルッ

ボゴォォン!!

イーグル「うっ…!!」

イーグルは爽やかに振り返ると、顔面に凄まじい衝撃が走る

イーグル「うっ…うぐぅ…」

ミゲル「ホーク!なにをやっている!」

ホーク「ふぅ…ふぅ…ふぅ…」

ギラギラと真っ赤に染まった目で、イーグルを睨むホーク

ホーク「もっと闘わせろ…もっと!殴らせろぉぉ!!!」

ミゲル「やめるんだホーク!もう終わりだ!」

ホーク「どけミゲル!そいつを殴らせろぉぉ!!」

ウォーリー「ホーク!もう終わりだよ!」

ホーク「……おお、ブラザー」

興奮しきったホークの真っ赤な目は、正常な目へと変わっていく

ミゲル「やれやれ、ウォーリーがいなかったら、どうなっていたか」

ミゲル「3日間も、彼のスパーリングに付き合ってくれてありがとう」

イーグル「こちらこそ、良い勉強になった」

イーグル「だが、僕はあまりココにはいない方が良さそうだ。彼は僕の事を何故か嫌っているようだし」

ミゲル「うむ…そうだな。あまり長くいるとトラブルを起こしかねない」

ミゲル「さて、次のスパーの相手はどうしようか」

イーグル「それならいるじゃないか。もう一人、彼に近い力を持つものが」

ミゲル「……」

イーグル「少なくとも、僕よりは気が合うと思うよ」

ミゲル「どうかな。さらに面倒な事になりそうな気がするが」

ウォーリー「ありがとねイーグル!ホーク、また強くなった!」

イーグル「いやいやこちらこそ、君の活躍も期待してるよ」

ホーク「おい、次にウォーリーに話しかけたら殺すからな」
291 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:49:03.62 ID:qLmMJ8uq0
(数週間後)

ミゲル「怪我の具合は?」

バイソン「もうとっくに癒えている。特訓もしてるし、コンディションも悪くない」

ホーク「またお前か」

バイソン「ああ、またオレだ」

ホーク「ストーカー野郎」

バイソン「黙れ異常者」

ホーク「あぁ?」ピキッ

バイソン「……」ニヤニヤ

ホーク「リングへ上がれ、マゾヒスト」

バイソン「ああ分かったよ、臆病者」

ミゲル「二人とも、落ち着け」ハラハラ
292 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:49:45.92 ID:qLmMJ8uq0
ミゲル「ほら、ふたりとも、ヘッドギアをつけるのだ」

ホーク「……」

バイソン「……」

ジッと、手に持ったヘッドギアを見つめた後、二人はほぼ、同じタイミングでヘッドギアをリング外へ、放り投げる

ミゲル「なっ…!?」

ホーク「分かってるじゃねぇか」

バイソン「お前こそ」

ミゲル「やめ」

ドゴォォン!!

二人の拳が交差し、互いの顔面が歪む

ホーク「ゴォォ…ォ…!」

バイソン「ウゥゥ…!」

ミゲル「ウォーリー!ウォーリーはいるか!」

ジムメイト1「ウォーリーはロードワーク中だ…」

ミゲル「くそ!こんな時に限って…」
293 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:50:41.83 ID:qLmMJ8uq0
ホーク「オラァァ!!」

バキュン!バキュン!バキュン!

ホークの銃弾のようなジャブが、バイソンを襲う

バイソン「フン!フン!」

負けじとバイソンもフリッカーで応酬

ホーク(相変わらず、すげぇフリッカーだ。ジャブとは思えない位に重い)

バイソン(この銃撃戦のようなジャブの打ち合い…スリルで良いが…長期的にはきつい)

バイソン(アッパーで…!)

ボゴォォン!!

バイソン(ぐっ…こいつも…!)

ホーク(同じ事考えてたか…!)

ほぼ同じタイミングで、アッパーを打ち合う
互いの頭部が、天井に向く

ミゲル「もう3分がたつ…ゴングをならせ!」

カーン!

ホーク「ウオォォ!!」

ミゲル(まずい!ホークの闘志が消えていない!)

バイソン「……」ガシッ

バイソンはホークの両腕を掴み、動きを制止させる

バイソン「おっとここまでだ」

ホーク「ヘッドギア外してまで闘志を剥き出しにしてたくせに、今更なにを言ってんだよ」

バイソン「ここでダメージを蓄積して、鷹村戦に影響が出たらどうするんだ?」

ホーク「っ!?」ビクッ

血走っていたホークの目が、とたんに怯えた目に変わる
294 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:51:15.37 ID:qLmMJ8uq0
ミゲル「まったく、ホークを心配するなら初めから、ヘッドギアを装着しなさい」

バイソン「ソーリー、つい興奮してしまって…」

ミゲル「2ラウンドは無し」

バイソン「え、そうか…じゃあまた明日か?」

ミゲル「いや、悪いがもう君には任せられない」

バイソン「手厳しいね」

ミゲル「君がまた興奮して、ヘッドギア無しでやられたら困るんだ」

ホーク「」ガタガタ

バイソン「人が変わったように小さくなっているが、大丈夫か?」

ミゲル「あれでもだいぶ、マシにはなったんだ」

ミゲル「前は名前を聞いただけで発狂し、ビデオを見ただけで気絶してたからな」

バイソン「……」

バイソン「そうだ。帰る前に、彼とレストランに行ってもいいかい?」

ミゲル「……私と同伴なら構わん」

バイソン「別に喧嘩しないさ」

ミゲル「それでもだ」
295 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:52:06.33 ID:qLmMJ8uq0
(レストランにて)

ホーク「……」

ホークは黙ったまま、ステーキをカットしていく

バイソン「おいおい、野獣がずいぶんと情けない姿に見えるぜ」

ホーク「あ?殺されてぇのか」

ミゲル「やめるんだ二人とも」

ホークは、ナイフをバイソンに向ける

バイソン「違う、お前を倒したい」

バイソンも対抗するように、フォークを向ける

ホーク「前に言ったよな。次におれと本気でやりあったら、間違いなく壊れると」

バイソン「それで壊れるなら本望だよ」

ホーク「なに?」

バイソン「オレはまた世界王者になりたいんだ」

バイソン「イーグルも、鷹村も、そしてお前も倒してな。本当の意味での世界王者に」

バイソン「リスクは承知だ。ボクシングとはそういう者だ」

ホーク「……」

バイソン「だからお前も、いつまでも怯えてるな」

バイソン「鷹村はオレを倒すのに6ラウンド掛かった。満身創痍のオレだったが、リングから下りる時は、自分の足で下りた」

バイソン「だがお前は、オレに対し、わずか3ラウンドでKO勝ち。しかも病院送り」

バイソン「自身、持てよ」

ホーク「……」

バイソン「同じスラムの出身者としちゃ、何だかんだオレは、お前に勝って欲しい」

ホーク「ふん、お前はデトロイトだろ」

バイソン「でも同じアメリカ人だ。絶対王者アメリカの力、見せ付けて欲しい」
296 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:52:47.24 ID:qLmMJ8uq0
バイソン「それじゃ、またスパーリング呼んでくれよ」

ミゲル「気が向いたらね」

ホーク「……」

ホーク「ジムに戻っても良いかい?」

ミゲル「今日はもう充分だ」

ホーク「鷹村のビデオがみたい」

ミゲル「そうか、なら付き合おう」

〜〜〜

ホーク「なあ、鷹村には何か弱点はないのか?」

ミゲル「なんだ、何度も観ているのに気がつかないのか?」

ホーク「ん?」

ミゲル「以前闘ったときにも、分かったはずだ」

ミゲル「鷹村の弱点、それは」

ミゲル「スタミナだ」
297 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:53:57.56 ID:qLmMJ8uq0
ホーク「っ!そうか、奴はたしか減量で苦しんでいた」

ミゲル「だが彼は、目には見えない力を秘めてもいる」

ホーク「ああそうだ。なぜかあいつは、追い詰めるたびに、妙な力を引き出していた」

ミゲル「バックボーンだよ」

ホーク「なに?」

ミゲル「積み重ねた事が、力となる。君と鷹村との差はそこにあった」

ミゲル「君は前回の試合でも、途中、彼の意志の強さに怯えていたね?」

ホーク「あ、ああ」

ミゲル「減量苦に加え、君は散々と鷹村と鴨川を罵倒してきた」

ミゲル「メンタルというのは時に奇跡を起こす。特に日本人はそのメンタルが凄まじく強い。世界でもトップクラスに」

ミゲル(ゆえに、体も壊れやすくもあるが…)

ホーク「……努力なら負けてない」

ミゲル「そうだ。君は以前の物とは全く違う。積み重ねてきた」

ホーク「じゃあ、もっと練習しないとな」ガタッ

ミゲル「ホーク!これ以上はオーバーワークだ!」

ホーク「シャドーならいいだろ?」

ミゲル「うーむ…30分な」

ホーク「よし」

ホーク(努力だけが…恐怖を打ち消してくれる…)

シュッシュッ…!!

黙々とシャドーを開始する
298 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:55:57.46 ID:qLmMJ8uq0
(時は遡り、試合1ヶ月前。日本)

鷹村「ぜぇぜぇ…!!」

真夜中に土手で、鷹村はひたすら走っていた
すでに、鷹村の肌はガサガサになっている

一歩「鷹村さーん!」

鷹村「おう一歩。お前も毎夜毎夜、飽きないな」

一歩「鷹村さんだって、日中、殺人的なメニューをこなしてるのに」

鷹村「言っただろ、寝れないんだ」

一歩「……」

一歩「まだ一ヶ月前なのに、もう体重クリアしてるんですよね?」

鷹村「ああ。ジュニアミドルの頃に比べれば、今の減量なんざ、軽いもんだしな」

鷹村(少し、飛ばし過ぎた感はあるがな)

一歩「会長、心配してますよ」

鷹村「問題ない」

鷹村「気力もいつもより充実している。いつでも闘える」

鷹村「うっ…」フラッ

一歩「鷹村さん!?」

鷹村「大丈夫だ。家に帰って、水飲めば充分だ」

一歩「……」

鷹村「心配すんなよ。ジュニアミドルの頃なんて、水すら飲めなかった」
299 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:57:34.61 ID:qLmMJ8uq0
(翌日)

鴨川「あと2週間トレーニングを積んだら、そこからは回復に努める。練習はそこそこにやればええ」

鴨川はバイク乗りながら、走る鷹村に声をかける

鷹村「ぜぇぜぇ…バカヤロウ、相手はブライアンホークだ。休むヒマなんざねぇよ!」

鴨川「じゃが飛ばしすぎじゃ!」

鷹村「そんなのいつもだろ!」

鴨川「今回は特にじゃ!」

鷹村「ぜぇぜぇ…」ピタッ

鷹村はストップし、息を整える

鷹村「噂は聞いてるぜ、あいつ、人が変わったみたいに努力してるってな」

鴨川「む…」

鷹村「ま、試合を見てれば分かるけどよ」

鷹村「ジジイ、言ってたよな?努力が報われるとは限らない。だが成功者は皆、努力してるってよ」

鴨川「うむ…」

鷹村「あいつは、ろくに練習もせずに、オレと張り合った」

鷹村「オレが言いたい事、わかるよな?」

鴨川「……ああ。わかっちょる」

鴨川「わしも正直、眠れぬ日々が続いとる」

鴨川(鷹村もじゃが、小僧の事も心配じゃしのう)

鷹村「勝つのはいつだってオレ様だ。奴はオレ様には勝てない」

鷹村「……だが、練習を怠れば話は別だ。少しでも怠けたらオレ様は負けてしまう」
300 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 02:59:13.46 ID:qLmMJ8uq0
鴨川(鷹村…すまぬ、わしに力があれば、すぐにでも階級を)

鷹村「……ああ、そうだ。言っておきたい事が」

鴨川「む?」

鷹村「その…オレ様もこれまで、散々、階級あげろと文句言ってきたが」

鷹村「いま振りかえりゃ、ずっと防衛を続けて良かったかもな」

鴨川「これまで散々、無意味な防衛と言っていた癖に、どういう心境の変化じゃ」

鷹村「覚醒したブライアンホークを、この手で叩き潰す事ができるんだからな」

鴨川「鷹村…」

鷹村「まあ、防衛やってて楽しく感じた事は少ないが」

鷹村「今度の試合は、今まで一番の試合にしたいと思っている」

鷹村「だからよ」ポンッ

優しく鴨川の肩をたたく

鷹村「この闘いが終わったら…今度こそ、階級あげてくれや」

鴨川「……ああ、努力しよう」

鷹村「ま、どうせホーク戦が終わっても階級、変わらなそうだけどな」

鴨川「な、なにお!?」

鷹村「期待しないで待っててやる」

鴨川「ぐぬぬぬ!見ておれ!絶対に交渉を成立させてみせるからのう!」

鷹村「言ったなぁ?守ってくれよ。ま、期待してないけど」ニヤッ

鴨川「上等じゃ!」
301 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 03:02:40.24 ID:qLmMJ8uq0
(その頃、アメリカにて)

ウォーリー「待ってよ!ホーク!」

ミゲル「困ったな、ホークの姿が見えない」

この日、ミゲルは自転車に乗りながら、ウォーリーとホークのロードワークに付き合っていた

あたり一面、霧が掛かって前がよく見えないでいる

ウォーリー「そういえばさ、明日には日本に向かうんだよね?」

ミゲル「うむ。東京のとあるジムでお世話になるつもりだ」

ウォーリー「僕も同伴だって聞いたけど、試合無いのに行くの?」

ミゲル「うむ、君はホークの精神的な支柱になっている」

ウォーリー「そっか。頑張ってホーク応援する!」

ミゲル「それと、前座の選手も、海外からそのジムに訪れるそうだ」

ミゲル「君はその前座の選手の、スパーリングパートナーになってほしい」

ウォーリー「ふーん。どんな人?」

ミゲル「フィリピンのジュニアライト級王者のエレキ・バッテリーと、インドネシアのライト級王者のパパイア・ダチウの相手をしてもらう」

ウォーリー「なんか…強そうだね!」

ミゲル「遠慮はいらない。全力で相手をしなさい」
302 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 03:04:31.70 ID:qLmMJ8uq0
ホーク「ぜぇぜぇぜぇ…!!!」

真っ白い霧の中、ホークはわき目も振らず、走り続ける

ホーク(怖い…怖い…怖い…)

ホーク(闘いたくない…日本にいきたくない…)

ホークの心臓の鼓動は、激しく高鳴る

ホーク「うお!?」ドサッ

ホーク「くそ、こけちまった…」

ホーク「膝を擦りむいた…血が出てる…痛ぇ…」

ホーク「……」

ホーク(なぜだ、なぜ、オレはこんな想いしなけりゃならないんだ)

ホーク(どうしてこんな、惨めな思いしなきゃならないんだ)

ホーク(酒飲んでもハイになれねぇ…EDで女も抱けねぇ…つらい練習に耐えるしか無い日々…)

ホーク(チクショウ…チクショウ…)

ホーク「チクショゥゥゥゥ!!!」

四つん這いのまま、やり場の無い怒りで叫ぶ

ホーク「ぜぇぜぇ……ぜぇぜぇ……」

ホーク「そうだ…鷹村、お前のせいだ…」

ホーク「殺してやる…絶対に殺してやる…」
303 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/11/09(木) 03:05:15.60 ID:qLmMJ8uq0
今日はここまで

次回は来日、ウォーリーのスパーリング戦、記者会見、鷹村とホークの入場あたりまで
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