海未ちゃんミニ四駆SS

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/28(水) 00:41:56.59 ID:iJzY/lRUO
以前書いてて完結したんですが、最近また新しく外伝書き始めたんで、本編も加筆修正して貼り直します
コロコロ好きな方は良かったら読んでください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498578116
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/28(水) 00:45:00.88 ID:iJzY/lRUO
〜海未(ずっと思ってたんですがミニ四駆の肉抜きって本当に意味があるんでしょうか…)〜





絵里「ああっ……!」ぐにっ

海未「絵里!何度も言っているでしょう!肉抜きの時にはちゃんとピンバイスを使ってください!」

絵里「ごめんなさい……」


キコキコキコ…シュッシュッ


海未「ふぅ……できましたよ真姫」

真姫「ありがとう!流石は海未ね、この精密な仕上がり……」

真姫「早速テスト走行させてくるわ!」


ギュギュギュイッギャア………ッ


海未(私はミニ四ファイターと土屋博士を信じて、幼い頃からただひたすらミニ四駆の改造に青春を捧げてきました……)


海未(ですが…………)


海未(最近思うのです…………)


真姫「やったわ!海未お手製のフロントスポイラーがダウンフォースを更に高めてるわね!コーナリングでの安定感がさっきまでとはまるで違うわ……」


海未(実はあんまり………いや、全く意味がないんじゃないのかって………)

絵里「すごいわね真姫………その地を這うような走り!正にコーナリングモンスターね……」ゴクリ…


海未(しかもこの二人は私の受け売りでそれっぽい専門用語にやたら詳しくなってしまいましたし)


真姫「この様子ならあともう少し車体後方を軽量化した方がボディバランスが良くなりそうね」


海未(いや、むしろ肉抜きってマイナスな気すらしていたんです、壁にぶつけるとすぐポキってなりますし)

絵里「ハラショー!私も早くヘッドライトの肉抜きを終わらせてテストランしなくちゃ!」キコキコキコ…


海未(思えば………………)


3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/28(水) 00:46:13.61 ID:iJzY/lRUO

〜〜〜〜〜〜

じゃん☆


穂乃果(12)「できたー!」

ことり(12)「わあ、可愛い?」

穂乃果「キラキラペンで窓の所を塗ってみたんだっ」


海未(12)「穂乃果!あなたは何てことを!それでは車体の受ける気流が乱れてマシン本来のパフォーマンスがーー」


穂乃果「んもおっ!いちいち海未ちゃんはめんどくさいよっ!気流とか穂乃果よくわかんないし!」


ことり「これはこれで可愛いし私は好きなんだけどなぁ?」


穂乃果「海未ちゃんだって海賊さんのシールいつも貼ってるじゃんっ」

海未「こ、これは気流に最も影響が少ないボディサイドだからいいんです!」

穂乃果「ちぇっ、一緒じゃん!ぶーぶーっ」ムスッ



海未(くっ……!この素人達は……!何も分かっていないじゃないですか!)


穂乃果「いっけぇ!ほのダガーX !!」キャッキャ

ことり「速い速いっ?」キャッキャ


〜〜〜〜〜〜〜〜



海未(いや、何も分かっていないのは私の方だったんですね……)


海未(ミニ四ファイターなどという幻想に踊らされ、土屋博士などというおっさんを盲信し……)


私は………親友の言葉に耳を傾けようともしなかった……
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/28(水) 00:47:21.90 ID:iJzY/lRUO
真姫「気に入ったわ、このセッティングなら次の大会こそ入賞は間違いないわ」


海未(そして……)


絵里「ついに真姫もデビュー戦ね!大会の前にはタイヤをポッケに入れて温めておくのよ!」



海未(今度は私が、大切な友人を間違った道へと……)



海未(私は………私はどうすれば………!)ググッ


……



希「ミニ四駆の改造かぁ……」



海未「はい、私が信じてきたものとは一体 何だったのでしょうか………」


希「分かるよ海未ちゃん……うちもスライドダンパーローラーが出た時は千円握りしめてプラモ屋にダッシュしたもんだよ」



海未「うう、絵里や真姫に私はなんて事を……」

海未「真姫はやたらダウンフォースって言いたがりますし、絵里なんて軽量化にハマり過ぎてシャーシまで削りだす始末ですよ……」


希「それは重症やね……」

希(そもそも何で高校生にもなってミニ四駆やっとるんやろ……)


海未「希ぃ!私は彼女達にどうやって償えばいいのですか!?」


希「いや、普通に謝ったらいいんやないん……」

海未「そんなっ!あの2人はμ'sでも特にプライドが高いんです……」


海未「肉抜きで速くなったのは気のせいだったなんて知ったら……」


海未「ああっ!考えただけでも恐ろしいです!」

希(うわ、めんどくさ……)



希「なら海未ちゃんが幕引きしてやったらいいんやないん?」


海未「そ、それはどういう意味でしょうか?」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/28(水) 00:47:43.74 ID:AELyvr3J0
したらばじゃないぞ
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/28(水) 00:49:39.88 ID:iJzY/lRUO
undefined
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/28(水) 00:51:00.35 ID:XGo2BZ+To
>>1
アンチはしたらばに引きこもってろ
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 00:53:46.01 ID:iJzY/lRUO
undefined
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 00:57:27.18 ID:iJzY/lRUO
ギュルギュルギュイッギャアア……


絵里「見て……」



真姫「何よ………これ………ッ!?」


絵里「ご想像の通りよ!ヘッドライトから入った気流がバッテリーとモーターを直接冷却するようになってるの♪」

真姫「す、すごいじゃない!これならどんな過酷な耐久レースでもマシンにかかる負担が大幅に軽減されるわ!」


ガラガラガラ…


絵里「あら、海未 遅かったわね」

真姫「丁度いいとこに来たわ、エリーのマグナムが良い具合に仕上がったのよ!」


海未(はぁ………)
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 00:59:29.42 ID:iJzY/lRUO
絵里「ふふ♪ 驚きで言葉も出ないってわけね! 」

海未(違いますよ……どれだけ都合の良い解釈なんですか……)


海未「………今日は………」


海未「……2人に大切なお話があります。」


真姫「何? 今度の大会の事? 」




海未「私達……音ノ木ソルジャーキッズは……」



海未「次の大会を持って、終わりにします。」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:00:33.78 ID:iJzY/lRUO
絵里「ええっ!?」


真姫「そんな……うそ……でしょ……」


絵里「そんな……何で急に!?」

真姫「そうよ……!納得いかない!」



海未「……いいですか、2人共……」


海未「私達はそもそもスクールアイドルなんです」


絵里「え………?!」


海未(いや、何でそこで驚いてるんですか……)


海未「だから……その……きりが良いかと思ったのです」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:03:18.29 ID:iJzY/lRUO
真姫「どういう事?」


海未「私達は限りある時間の中で高校生活を過ごしているんです、それはスクールアイドルもミニ四駆も同じです」


海未「だからこそ次の大会で私達が優勝を飾り、伝説のまま表舞台からフェードアウトと……」


海未(ああ、正直 自分でも何を言っているのかよく分からなくなってきました……こじつけにも程がありますね )



絵里「ふむ、一理あるわね……」

海未(理なんて一切ありませんが絵里ならそう言ってくれると思っていましたよ!)


真姫「確かにそうかもしれない……」

海未(末っ子もやっぱり乗っかってきましたか、ここまで予定通りです)


海未「だからこそ……!次の大会は悔いの残らぬ様にベストを尽くしましょう!」


絵里「ええ!私のマグナムも最後にひと暴れさせてあげなくっちゃね!」


海未「そうと決まれば特訓です!私は大会に向けて作戦を考えておきますので」


海未(勿論作戦なんてありません、とにかく速ければ勝てるんですよ……)



海未(お願いだから……これで終わらせてください)



目を覚ますんです……! 絵里、真姫……!
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:04:27.29 ID:iJzY/lRUO
〈 1数週間後……秋葉原 某デパート屋上 〉


司会のお姉さん「さあさあさあ!ついにやって来ちゃったよぉー!!」


司会「このエリア最強を決めるアキハバラカップのぉぉ……」


司会「開幕だぁあーー! ! !」




絵里「ついにこの日がきたわね//」ワクワク



真姫「これが会場?」


海未「どうしました真姫?」



真姫「いや、意外と小さいのね……大丈夫かしら」


海未(ん……??)
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/28(水) 01:05:41.78 ID:iJzY/lRUO
絵里「今回は個人戦よ!お互いにベストを尽くしましょ!」


海未「それはそうなんですが……」


海未「絵里……その……」


絵里「どうしたの?」



海未「……指ぬきグローブは遠慮していただけませんか?しかも赤って……」


絵里「ああ、これ?」

海未(仮にも高校3年生なんですよ、私まで痛い奴と思われかねません//)


絵里「これでね、モチベーションを上げてるのよ!」


ギュッ……手首コキコキ……


絵里「よし……!いけるわ……!」


海未(いくのはマグナムですよ……あなたのモチベーションは何も関係ないんです……)


真姫「さあ、まずは予選突破ね」


海未「ではエントリーしてきますね」


15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:07:00.14 ID:iJzY/lRUO
ズヒァアアアギュイイ……

少年A「いっけー」

少年B「わー、負けたー」


海未「ふん……所詮は素人ばかりの大会、これは楽勝のようですね」




真姫「……………。」


海未「どうしました真姫?」



真姫「ねぇ………」


海未(まさか怖気付いたのでしょうか、真姫にしては弱気ですね)

海未「大丈夫ですよ、いつも通りやればーー」



真姫「違うの……」


海未「はい……?」



真姫「皆……走ってないわ……。」



海未(走る?走るって……?ああ!まさか……!)



真姫「マシンと一緒に走らなくていいの??」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:07:39.25 ID:iJzY/lRUO
海未(ああ…………!)



絵里「バカね!私達はスタートしたら見守るだけよ?」

真姫「ええ!そうなの!?」

海未(うわぁぁ……///昔の私と同じ勘違いをしていた様ですね)


絵里「待ってる間は退屈だから、私は一応マシンを応援してるけどね!」



真姫「はは……そう……なんだ……」


海未(明らかにテンションガタ落ちしていますね……)


絵里「あ、次は私と真姫の番ね!ちょっと行ってくるわ」


絵里「海未……応援、頼んだわよ!」


真姫「……」


海未(真姫はもう完全に戦意喪失していますね、どれだけ一緒に走りたかったんですか……)
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:08:26.11 ID:iJzY/lRUO
絵里「いくわよ……、マグナァアムッ!!」カチッ


ギュギュギュイッギャア……



真姫「………」カチッ

絵里「ちょっと真姫!走る前には何か気合い入れなさいよ」


真姫「え……?」

海未(ええいっ!余計な事はいいですから、皆見てますよ/// )


真姫「じゃぁ………一応………」


真姫「力を貸して……ソニック!」

絵里「ハラショー!その意気よ、ソニックもきっと力を貸してくれるわ♪うんうん!」


司会「あの……それでは各自スタートポジションに」


絵里「あ……すいません!行くわよ真姫」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:09:40.79 ID:iJzY/lRUO
ドクン…ドクン………



司会「レディ………」スッ


ゴーーッ!!


「いっけぇえ………!!!」ヒョイッ


ギュギュギュイッギャアア……


司会「さあ、始まりましたぁ!!まず先頭を走るのはぁ!??」


絵里(ふふ……)ニヤリ


司会「ハリケーンソニックだぁ!!!速いっ!速すぎるぅぅ!!」


絵里「って、あれ……??」

真姫「駆け抜けるわよ!ソニックッ!!」


海未(まぁ当然ですね、真姫のソニックは私が駆動系をセッティングしてありますから)
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:10:28.56 ID:iJzY/lRUO
司会「そしてぇ!先頭グループに遅れをとっているマシンが一台!」


トロトロ………


絵里「マグナム!………何でよっ!?」



海未(はぁ……やっぱり)


海未(調子にのって3.5:1の超速ギアに最高速特化のレブチューンモーターなんて組むからです……)


海未(ストレート至上主義なんて幻想に過ぎないんですよ……ここにもミニ四ファイターとコロコロの犠牲者が……)


絵里「くっ……!ここからよ!」


トロトロ……


海未(ここからも何もありません、永遠と続く平らな真っ直ぐ道なら兎も角 )


海未(日本のコースでは、まず確実に最高速まで持っていく事は不可能……)
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:11:27.54 ID:iJzY/lRUO
海未(だったら……)



ギュギャアギャギャギャアアアッ……!


真姫「やったわ!このまま逃げきるわよっ!」

海未(4:1ローギアでトルクフルに組んである堅実的な真姫のソニックの方が圧倒的に有利で速いんです)


海未(この予選ブロックは真姫の圧勝で決まりですね)


真姫「あと少しよっ!何よ、簡単じゃない♪」


ギュギュギュイッギャア……ポロッ……



真姫「え……?」


司会「あーっと!コレは!?」


海未(ぐっ……、バカなっ?!)


司会「フロントローラーが片方落下した様でぇすっ!!」


真姫「何で!?こんな時に!?」


ギュギュギュイッギャア……ぴょんっ!


海未「コースアウト!?そんな……有り得ません……!」



司会「やはりミニ四駆は何が起こるかわからなーい!!んでぇ予選通過はぁーー!?」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:12:38.49 ID:iJzY/lRUO
絵里、真姫「う、うう……」グスッ



海未「絵里は兎も角……何で真姫まで……」


海未「真姫!さてはあなた……直前にセッティングをいじりましたね?」

真姫「し、してないわよ!」


海未「では、一体何でこんな……!」



絵里「……」ボソッ


海未(ん……?)


海未「絵里??どうしたのですか俯いて……」


絵里「………なさぃ……」


絵里「あの…………ごめんなさい………」


真姫「はい?」


絵里「前からちょっと触ってみたくて………」


海未(………?)
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:13:14.81 ID:iJzY/lRUO
絵里「昨日、真姫のソニックをこっそりいじってたら」



絵里「壁にぶつけちゃって……その時に……」


絵里「………ね………///」


海未( ね// って、まさか………!)



絵里「シャーシのローラー留める所にちょっとヒビが……」



真姫「そのままにしてたってわけ!?」



絵里「………一応……ボンドで………」



真姫「はぁぁぁ…………」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:14:18.12 ID:iJzY/lRUO
海未(このぉぉ………!)


海未「だったら……!何故早く言わなかったのです!!」




絵里「………んん……」



絵里「…………んぐっ……」じわっ



海未「え……?」


絵里「………だってぇ……」グスッ



絵里「真姫にバレたら絶対嫌われちゃうって……」ポロポロ


海未「あ、あなたは小学生ですかっ!!」


絵里「うあああ!!ごめ……なさ……ひぐっ……」



24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:15:12.86 ID:iJzY/lRUO
海未(あ〜あ……)



海未(ここまで来ると笑えてきますね、真姫も若干 半笑いになってますし……)



真姫「エリィ……」



真姫「私は怒ってないから……ね……?」


真姫「マック買ってあげるから……、一緒にいきましょ」ナデナデ


絵里「……うぐぅ………真姫ちゃあん!!」ぎゅっ


真姫「はいはい……沢山ポテト頼んであげるから」


真姫「って訳だから……、ちょっとお昼ご飯食べてくるわね」


海未「はい、後は任せて下さい」


海未「さて…………」


カチャッ…………パカッ………


海未「…」スッ


海未「あなたを引っ張り出すのも久しぶりですね…」


司会「それでは次のブロックの予選の方はーー!」


海未「いきますよ……」


海未「………ガンブラスターXTO………ッ!!」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:16:30.42 ID:iJzY/lRUO

……………

………




絵里「遅くなったわ、ほら海未の分もポテト!買ってきたわよ!」


海未「それはありがとうございます、早速いただきます」パクパク



海未(ふう……それにしても……)

真姫「今度からは触っていーから、ちゃんと言ってよね!」



絵里「もう……わかってるって♪」


海未(すっかり元気になったみたいですね、この切り替えの早さは見習いたいものです)



真姫「所で海未……予選はどうだったの?」



海未「ああ、無事に通過できましたよ、そしてもうすぐ決勝です」スチャッ



真姫「ん……これ!?」



真姫「いつものマシンと違う!」


絵里「あら、真姫は初めて見るんだっけ♪」


海未「これはガンブラスターXTO……私のメインマシンです」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:17:10.18 ID:iJzY/lRUO
真姫「あ……!」


真姫「モーターが!前についてるわよ!?何なのコイツ!?」


海未「これはFMシャーシという特殊な機構をしてまして……」

海未(そう……フロントにマウントされたモーターが最大の特徴で、その構造上…車体を引っ張り上げる様なとてもパワフルな走りが魅力なんです)


海未(当時の私は、この剥き出しのモーターとトライダガーを彷彿とさせるデザインの虜になってしまったものです……ふふ)



海未「さて……そろそろ出番でしょうかね」


絵里「期待してるわよ、海未」

真姫「私達の分まで頼んだわよ」



海未「ええ……分かっていますよ……」スタスタ…


クルッ…



海未「 軽く……、捻り潰してきます……。」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:18:26.38 ID:iJzY/lRUO
司会「それでは各ブロック通過者による決勝戦っ!」

司会「各自スタートポジションへ!!」


海未「……いきますか……」カチッ



「わあ!」


海未「ん……?」


「お姉ちゃんのマシン、初めて見たぁ♪♪」


海未「ああ、今の方々はあまり知らないでしょうね」


海未「ふふ……」クスッ


「ん〜?」


海未(だから……2度と忘れる事が無いように……)


海未(その記憶に刻み込んであげますよ!絶望的なまでの実力の差というものをっ!)



「へぇ、かっこいいなぁ」



「でもね……」ニタァ…



勝つのは……わたしだよ……

………………

…………

28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:19:21.62 ID:iJzY/lRUO
司会「さぁ!それでは表彰台に上がっていただきまっしょー!!」


司会「今大会ぶっちぎりのタイムを叩き出した期待のルーキー!」



絵里「………海未……っ」

真姫「………そんな……」



司会「若きレイスティンガーの使い手っ!その名は〜!?」


司会「桜内梨子ちゃああん!!おいでおいでぇ?」



梨子(11)「は〜い!」トテトテ
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:20:42.54 ID:iJzY/lRUO
パチパチパチ!


海未「ッ………」


司会「今日は誰と来たのかなぁ?!」


梨子「えと……ママと来ましたっ」


司会「そっかぁ!それにしても速いねぇ!」ナデナデ


梨子「えへっ//」




海未(信じられません………)



海未(この私が……ガンブラスターが手も足も出ないなんて……)



海未(こんな……事が………)


司会「そして2位の海未お姉ちゃんにも拍手をー!!」


パチパチパチ……


梨子「ああ……!さっさのお姉ちゃんだぁ!」


海未「…………」


梨子「2位だったんだね!おめでとう!」


海未「は……はは、どうも……」


30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:21:59.26 ID:iJzY/lRUO



梨子「全然気づかなかったよぉ!」





海未「え……… 」





梨子「あまりに………遅すぎて………!」


海未「な……………!? 」





梨子「じゃあ、またね」



………2位の………お姉ちゃん………?


…………………


……


海未「………」


絵里「お疲れ様、良い走りだったわ」

真姫「ええ、流石は海未ね」


海未「……すいません……大口を叩いておきながら。」


海未(そうです……)


………仇討ちどころか、この有様なんて………
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:22:59.66 ID:iJzY/lRUO
絵里「その……惜しかったわね//」

真姫「ちょっと寂しいけど、これでミニ四駆とはお別れね…//」


海未「絵里………真姫………」



海未(私は……何をやっているんでしょう……)


海未(大切な友人を悲しませた挙句……あんな幼女に無様に敗北し……)


絵里「今日は打ち上げね!さぁ、マックにでもいきましょ」

真姫「またマック?もう嫌よ」



海未(私は………私は……………!)ギリッ



ミニ四駆を何も分かっちゃいなかった……!!



絵里「なら海未はどこのマックがいい?」



海未「……待って下さい……!」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/28(水) 01:24:36.26 ID:Z70TxqbD0
クソSSって感じ
こんなのが人気あるの?
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:24:49.64 ID:iJzY/lRUO
真姫「え………?」


海未「このままなんて……!」


海未「音ノ木ソルジャーキッズに、敗北は許されないんですっ」


絵里「海未………?」

真姫「それって……」



海未「2人共……もし良ければもう少しだけ……」


海未「私のわがままに付き合ってもらえませんか?」


絵里「海未……!」

真姫「ふっ!当たり前じゃない!」


海未「ありがとうございます、絵里、真姫!」


絵里「なら今日は反省会も兼ねてマックにでもいきましょ!」

海未「ええ、私も先程のポテトでは少々物足りないと思っていた所でした」


真姫「もう……海未まで!」



海未(あの幼女………確か名前は桜内梨子さんとおっしゃいましたね……)



海未(見ていなさい……この私に土をつけた事…… )


海未( 必ず後悔させてやりますよ……)





そう………いつか必ず………


あなたを……!



…………………………。
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:25:28.62 ID:iJzY/lRUO
ー数日後ー


海未「まず1つ……絵里……」

絵里「っ……!」


海未「あなたの課題が浮き彫りになりましたね」


絵里「私の?」


海未「ストレート重視も軽量化も大いに結構です、ですが……もう少しトータルバランスというものを意識してください」


絵里「それはつまり何かしら?」


海未「やり過ぎなんです、改良ではなく"改造"なんですよあくまで」


海未「あなたは、何かを求めるあまりに他を犠牲にし過ぎているんです」



絵里「それは……確かにあったかもしれないわね」


絵里「ほら私って不器用な性格だから//1つの事に夢中になっちゃうじゃない?」テレッ


真姫「何カッコつけてんのよ、いーから気をつけなさい」


絵里「あ、はい……。 って真姫まで何よ!」



海未「そして真姫」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:26:47.52 ID:iJzY/lRUO
真姫「私も?」


海未「あなたは特に問題ありませんが、もう少し経験と知識を積んでいきましょう」


真姫「分かってるわ……私に足りないものはそこね」


海未「そろそろあなたも自分で状況を見極めてセッティングを出せるようにならないとですね」

絵里「うんうん、期待してるわよ♪」


真姫「こんな時だけお姉さんぶるんだから……」

絵里「失礼ね!私はいつもソルジャーキッズの参謀よ!」


海未「そして私は……」


真姫「あの幼女にリベンジね」


絵里「でもどこにいるか知ってるの?」


海未「はい」

真姫「早いわね……!!」


海未「彼女はどうやら秋葉原にあるメイド喫茶に通っている常連らしいのです」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:27:39.99 ID:iJzY/lRUO
真姫「小学生のくせにませた子ね」


海未「私もガンブラスターのセッティングが整い次第、再戦を申し込むつもりです」

絵里「随分慎重ね、なら私達が1度様子を見にいってみましょうか?」



海未「絵里……」


海未「絶対にやめてください」


絵里「何でよ?」


海未「いいから……もう1度念を押しておきます」



絶対に………メイド喫茶には………


G"のミナリンスキーには近寄らないように……



海未「では、今日はこの辺で失礼しますね 」


ガチャッ………

………

37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:28:32.07 ID:iJzY/lRUO
真姫「何だったのかしら……ミナリンスキーって?」


絵里「ふふん♪♪ 」


絵里「何も糞も、行ってみればわかるわ!」


真姫「ちょっと!今さっき念押しされたばかりじゃない!」


絵里「フリよフリ!海未はああ見えて笑いには貪欲だから」


真姫「そうなの……?」

絵里「そうよ、どんだけ付き合いがあると思ってるの♪ 私には分かるわ!」


真姫「私もそんなに変わらないはずなのに……流石はエリーね……」


絵里「そうと決まれば早速いってみるわよ!」ガタッ


…………




〈 秋葉原 〉


絵里「確かここら辺にあったような〜」


真姫「ごほっ……けほっ……」

絵里「あら真姫、どうしたの?」


真姫「なんでもないわ……」

真姫(うぅ、風邪かしら……昨日からちょっと調子が)ジュル…


絵里「おっと、あったわ!」


真姫「ここね……」



カランカラン…♪


メイド「おかえりなさいませご主人様さま〜」

絵里「ハラショー!ただいま!」


真姫「メイド喫茶なんて初めて来た……」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:29:53.01 ID:iJzY/lRUO
絵里「私もよ、それにしても皆 可愛いじゃない」


メイド「こちらの席へどうぞ〜」


真姫「ふうん……まぁ、普通の店内ね」



絵里「よっこいしょっと 」カタッ


真姫「しかし、あの幼女が一体どこにいるっていうわけ?」

絵里「いたわ!」


真姫「え……どこどこ……?!」


絵里「あの……奥の席……」


真姫「えっ?………何かやってる……」





「ご主人様!はい、あ〜ん」ヒョイッ

パクッ………モグモグ

梨子「おいしいよぉ// あの……今日もアレを//」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:30:58.50 ID:iJzY/lRUO
真姫(アレ……?)ジーッ

絵里(何よアレって……)ジーッ



「今日もいっ〜ぱい頑張ったねぇ?りこちゃん偉い〜よちよち」ぎゅ〜

梨子「うぅぅ//」ブルブル



真姫「ねぇ、何やってるのあれ……」


絵里「さぁ……でも、ちょっと羨ましいかもしれない……なんてね//」








梨子「所で…………」



梨子「さっきから人の事をずっと見ているお姉さん達は何者ですか………?」


絵里、真姫「………!」


(あっ……真姫ちゃん、絵里ちゃん……何でぇ……!?)ササッ


梨子「私に何か用ですか……」


真姫「っ…………」

絵里「あなたがここにいるって聞いたから、わざわざ様子を見に来てあげたのよ」


梨子「ああ……、試合の申し込みとかですか?」

梨子「最近多いんですよね、そういう人達……」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:47:22.56 ID:iJzY/lRUO
真姫「相手は私達じゃないわ……園田海未よ」


(海未ちゃん??何で海未ちゃんが梨子ちゃんと……?)


梨子「何だ……この前の2位のお姉さんのお友達でしたか」


絵里「そうよ……もう少ししたらね、海未があなたなんか、ぶっちぎってあげるんだから!」


梨子「…………それは……無理ですね………」


真姫「どういう意味よ!」


梨子「そういう野良試合の申し込みばかりで正直ウンザリなんですよ」


梨子「それに……」


絵里「………?」


梨子「ここがどこか、お姉さん達は分かっているんですか?」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:48:04.68 ID:iJzY/lRUO
真姫「どこって……メイド喫茶でしょ」


梨子「そうですね……ただ普通のメイド喫茶ではありません」指ぱっちん!


ウィー…ガショ…


真姫「何?奥に隠し部屋が……!?」

絵里「あれ……コースがある……」



梨子「そう、表向きはメイド喫茶……ですが……」



梨子「実態は……ミニ四賭博の聖地なんですよ、ここ……」


真姫「何……それ……」



梨子「そうだ……、せっかくここまで来てもらったんです」


梨子「だから……ゲームをしませんか…… 」



絵里「ゲーム?」



梨子「そう……闇のゲームですよ……!」ニヤリ


42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:48:38.76 ID:iJzY/lRUO
梨子「ミナリンスキーさん」


(うわ……この空気、やっぱり登場しないといけないよね……いやだぁぁ)


梨子「ミナリンスキーさん!」


(うぅぅ………)グスッ


バッ……


ことり「このミニ四賭博のディーラーを務めさせていただいております……」(変声)

ことり「ミナリンスキーですっ」


真姫「…………!!」

絵里「あなたは!!」


ことり(んん、やっぱりバレバレだったかなぁ……)


絵里、真姫「何者……?!」


ことり(せ〜ふ!意外とバレてなかったぁ!)

43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:49:53.64 ID:iJzY/lRUO
真姫「これが……海未の言ってたミナリンスキー……」ゴクリ…


絵里「私には分かる……こいつ……ただのメイドじゃない!」

梨子「だからディーラーですって」


ことり「あの〜、私は何をすれば……」


梨子「ああ、ゲームは簡単です」


梨子「今からミナリンスキーさんとミニ四駆で勝負をしてもらい……」


梨子「もしお姉さん達が勝ったら、再戦をうけましょう」


絵里「……!」

真姫「それ……本当ね……?」


梨子「私は嘘は嫌いなんです、約束しますよ。ただし……」

梨子「負けた時は……そうですねぇ……」



梨子「お姉さん達のマシンを破壊します」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:50:35.82 ID:iJzY/lRUO
真姫「そんなっ……」

絵里「何ですって!?絶対いやよ!絶っ対いや!」


ことり(やめてよ梨子ちゃあん……私もやだよぉ……)



梨子「そうですね…負けるのが怖いなら断ってもらっても構いませんよ♪」

絵里「ッ………」ピクッ

ことり(むしろ断ってっ!挑発に乗っちゃーー)


絵里「ソルジャーキッズも随分舐められたものね」

真姫「エリー!?」



絵里「その勝負、受けて立つわ!」




梨子「ふふ、そうこなくっちゃ?」

ことり(ふぇぇ……断ってよぉ……私も立場上 負けられないんだよぉ……)


梨子「では、ルールを説明しますね」


コトッ…


絵里「電池?」

真姫「アルカリじゃなくてマンガンね」


梨子「そう、これはただの速さ比べではありません」

梨子「この電池をバッテリーにして電池が尽きるまでの周回数を競う……」



梨子「……ミニ四耐久デスマッチ……」



絵里「耐久……」

真姫「デスマッチ……」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:51:12.69 ID:iJzY/lRUO
梨子「そうです……まぁ、ヒントをあげるとすると」

梨子「スピードよりも走破性と冷却性が鍵となってきますね」


絵里「冷却は何となくわかるけど……走破性?」


真姫「エリー……コースを見て」



絵里「ん……かなり起伏があるわね」


真姫「そう、ヒルクライムが幾重にも続くあのコースはとにかくパワーが要る」


真姫「そしてその分バッテリーや駆動系に掛かる負荷も高い、それで走破性と冷却性……」

梨子「ご明答、そういう事です」


梨子「ミナリンスキーさん、準備は整いましたか?」



ことり(仕方ない……切り替えよう。)



フッ……………


ことり「はい……。」スチャッ


絵里「何か急に雰囲気が変わったわね…」


真姫「あのマシンは?!」


絵里「あれは……」

絵里「………ブロッケン G〈ギガント〉………」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:51:52.42 ID:iJzY/lRUO
真姫「名前からして特にヤバそうね……」


絵里「海未と同じFMシャーシのパワー型マシンよ」


真姫「……なるほど……」



ことり「こちらは……いつでもいけます……。」


絵里「ちょっと待って……!こっちは作戦会議っ!」


コソコソ…


絵里「どうしよう……」

真姫「はい……?」


絵里「冷却は兎も角、燃費や走破性なんて考えた事なかったわ……」

真姫(まぁ、普通はあまり気にしないわね)


絵里「うわぁぁ……どうしよう……」


真姫「………」


真姫「現状、まず間違いない事が1つだけあるわ」



絵里「何?」



真姫「私が出た方がまだ勝ちの目がある」

絵里「ちょっと!どういう意味よ!」

真姫「いや、マシンの話よ……ソニックの方がパワーがあるから」


絵里「い、一理あるわね……!」


真姫(で……………問題は冷却ね……………)


真姫(あっちのマシンなんてモーター剥き出しじゃない、ズルすぎるわ )


真姫(これを何とか……何とか、何とか……)


真姫「あ………そうだ!」


真姫(んしょ……よいしょ……)ガサゴソ


……………

………




絵里「待たせたわね!」


梨子「それでは……両者スタートポジションに」



絵里「真姫、任せたわ」

真姫「やれるだけやってみる」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:52:25.66 ID:iJzY/lRUO
梨子「レディ……」




真姫「頼んだわよ!ソニックッ!」カチッ


ことり「いこっか………ブロッケンG……。」カチッ





ゴーーーッ!!!


「いっけぇえーーっ!!」ヒョイッ



ギャギャギャギュィア……シュアーッ……


絵里「始まったわね 」



梨子「まず、先行は……」




ギュルギュルアアアッ……



真姫「よし……!そのまま逃げきるわよソニック!」


絵里「何か知らないけど幸先いいんじゃないの!」



梨子(ふふ……ここまではいつも通りですね)




48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:53:05.60 ID:iJzY/lRUO

〈20周目〉


ギュギャアギャギャギャアアアッ……


真姫「よし、いいペースよ」



絵里「だけど……不気味ね……」

真姫(ええ……後ろをピッタリついて追ってくるミナリンスキーのマシン……)


真姫(何か、あるのかしら……)



ことり「……そろそろ弱ってくる頃かなぁ……。」





〈40周目〉


ギャギャギャギュィッ……


ことり「ふむ………。」

梨子「おかしいですね……」


梨子(ソニックの方は、そろそろモーターもバッテリーも放熱に限界がくる頃のはずなんですが……)


真姫「ふふっ……効いてるみたいね!」


ことり「え………。」


真姫「カウルにモーターが包まれてるから……こちらが不利とでも思った………?」


梨子「まさか………?!」





真姫「貼ってきたわ………」



真姫「私の冷えピタをバッチリとねっ!!」


ことり「なっ………!」

絵里「流石は真姫ね!かしこい!とにかくかしこい!」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:54:15.23 ID:iJzY/lRUO
梨子(がっ……!そんな手がっ………!)


梨子(確かに、空冷以上の冷却性があるのは間違いないですが……)


ことり(柔軟な発想力が武器ってわけだね………。)


真姫「さぁどーするわけ!このトサカ女!!」



ことり「え………、えっと……」




ことり「…………それ……わたし………?」


絵里「どう見てもあなたしかいないでしょ!バカ……?」クスッ


プツン………………。


ことり(友達だから遠慮してたのにさ……)



ことり( トサカ女はあんまりだよ……)





ことり「なら……やってやりますよぉ……。」


真姫「ふん、今更何を……」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:55:03.40 ID:iJzY/lRUO
ことり「ブロッケンちゃん!」

ギャギャギャギュィッ……


絵里「ブロッケンGが!ソニックの横まで上がってきた……!?」


真姫「な、何する気よ……」


ことり「何って………」





ことり「こう………するんですよっ!!」


ガギィーン!……ギ?ギギ?ギギュアア……!


真姫「ソニックッ!!?」


絵里「ソニックが……横からプレスされて壁に!」



梨子(後はこのままプレスし続けて、相手のスタミナを奪って終了)

梨子(これがいつものパターンです)



ことり「ちょっと予定外だったけど……」


ことり「ここからどこまで楽しませてくれるのかな……?」


ことり「まきちゃん……♪」


真姫「くぅっ……!」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:56:51.41 ID:iJzY/lRUO
グギギギッ……



真姫(っ……! まずい……!)


ことり「ふふぅ……♪」


絵里「真姫ぃ……!」


ギャギャギャギュィッ……

真姫(今は、耐えるのよ……)


真姫(あっちだって……もう限界は近いはず……!)



〈42周目〉

梨子「壁に抑えつけられたまま、もうすぐ2周目ですか……」


ことり(中々しぶといなぁ……)


ことり(多分、凄く駆動系のバランスが良いんだ…こんな相手は初めてだよ)


ギュギュギュギュア……


真姫(海未の整備のおかげね……普通ならもうとっくに止まってるとこよ )


ことり(こっちも、だいぶ苦しくなってきてる……)

真姫(冷えピタ分だけ放熱はまだこっちがマシだけど……)


ことり(ここからは………)

真姫(意地の張り合いね……)


〈45周目〉

ギュア………ギュルギュルアアアッ……



真姫「っ……まだいける……!」

ことり「くううっ……」


絵里「あれから5週目………これ、どっちが優勢なのかしら……」


梨子「若干ミナリンスキーさんが有利……といったところですかね…。」


梨子(いくら何でもしぶと過ぎるわね……正に執念の走り……)




梨子(………西木野真姫……か……)


梨子(ふふ、この人は見どころがありそうね)



ですが……
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:57:28.21 ID:iJzY/lRUO

〈46周目〉

トロトロ………


ことり「だいぶスピードを殺した……!」


真姫「ちぃ……ッ」


ことり(そろそろこっちも逃げなきゃ……下手したら共倒れだよ……。)


ことり「ブロッケンちゃん!」


ギャギャギャギュィッア…………


絵里「ブロッケンGが……!?」


梨子「プレスじゃ共倒れと踏んで、このまま逃げきる作戦に切り替えたみたいですね」


絵里「よーし!真姫っ!今よ〜!」



梨子(あらら……)


キュロ……キュロ……



真姫(ソニックは……バッテリーの限界よ……)






〈ブロッケンG……50周目 〉


カタカタ…………カタ………ピトッ……。


ことり「ここまでかぁ……お疲れ様ブロッケンちゃん」


梨子「ミナリンスキーさんは50周目でストップ 」



梨子(そしてソニックは………)


カタカタ……


真姫「49周目……!あと少し……」


カタ………カタ……………ッ


真姫「ソニック……!? 」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 01:58:20.54 ID:iJzY/lRUO
絵里「…………そんなっ」


ことり「……もう坂を登る力も残ってないみたいですねっ」


真姫「くっ………………!」



梨子「これで…………ジ・エンドですね………。」








真姫(万策尽きた……打つ手なし………)



真姫(ここまでか………)



ことり「……万事休す……かなっ……?」



真姫(くそっ………!私が迂闊だったから!不甲斐なかったから……!)


真姫(こんな……こんな形でソニックとお別れなんて……)ググッ


カタ………カタ………


真姫「へ…………」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 02:00:03.45 ID:iJzY/lRUO
真姫(ソ、ソニック………?)


………カタ……………カタカタッ……




梨子「あれは……」




絵里「ソニックが……まだ動いてる!?」


梨子「え……」



絵里「ソニック………」


カタッ………グギギ…………



真姫(………あなたは………)





そっか……


まだ……………走りたいんだよね…………!


真姫「っ………!」



だったら……諦めないッ………!!絶対に!!






真姫「…………諦めないッ…………!!」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/28(水) 02:01:49.35 ID:iJzY/lRUO
ことり「え……」


真姫「まだよ……!」


真姫「ソニックッ!!あなたの力はそんなものなのっ!!」


………カタ……………カタカタ………ッ



真姫「あなたは!この私の!」


真姫「西木野真姫のパートナーなんでしょ!!」


絵里「真姫……!」



真姫「だったら………」


真姫「もっと……根性見せなさいよ………」



……カタ……………


真姫「ソニックは……誰にも負けない……」


真姫「私のソニックは…………!!」



………カタ…………ッ……



世界で一番………!


速いんだからぁああっ!!!


カタ…………カタ…………カタカタカタン………ッ


ことり「っ……!?」

梨子「まさか……」


ギュルギュルギュアアッアアアアアアッ………………!!



絵里「坂を……! 」

ことり「登り始めたっ!?」
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