姫川友紀「クロワシさん]

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18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:13:22.68 ID:aPzeCzsW0
飛鳥「…理解ってくれたかい」

美玲「やばい奴がいるんだよッ!」

友紀「スタッフの人なのかな…?プロデューサー、何か知らない?」


P「…あぁ、クロワシさんか!」

美玲「…へ?」


クロワシさん「…どうも……」ペコリ

19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:13:52.25 ID:aPzeCzsW0

友紀「くろ」

美玲「わし」

飛鳥「…さん?」



友紀「誰?」

飛鳥「知り合いかい?」

P「いや違うけど」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:14:35.93 ID:aPzeCzsW0
P「えーっと…今年から、いーぐるすがたまに黒いユニフォーム着てる時あるんだけど。美玲は知らないか?」

美玲「ぅえ…っと、何となく…見たことあるような、ないような…」

P「ホームで黒ユニ着て試合する日のことを、ブラックいーぐるすデーって呼んでるらしいんだけどさ」

飛鳥「…フム」

P「その時だけ特別に現れる、楽天の新しいキャラクターだよ」

友紀「あぁ、なるほど!つまり、ねこっぴーみたいな…」



友紀「キャラクタァ!!?」

飛鳥「!?」

美玲「はァ!?」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:15:12.31 ID:aPzeCzsW0
美玲「嘘だッ!」

P「嘘なんかつかないよ」

美玲「だって!露骨に人間じゃないかッ!」

飛鳥「これをキャラクタ扱いするのは、流石に無理があるだろう…」

P「ちゃんと公式サイトにも乗ってるんだぞ」

友紀「もっとこう…マスコット的な感じじゃないの、普通」

P「俺に言われても」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:16:03.81 ID:aPzeCzsW0
P「それに、すごいんだぞクロワシさん。観てた今年の試合は、今のところ3戦全勝だ」

美玲「絶対嘘だッ!」

P「本当だってば」

飛鳥「仮に本当だとしても…彼との因果関係は無いに等しいだろう」

P「いやでもさぁ、見てたら勝つってなんかすごくね?」

友紀「そりゃちょっと羨ましいけど…」



クロワシさん「あ、あの…」

P「?どうかしましたか」

クロワシさん「…その……」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:16:42.68 ID:aPzeCzsW0

クロワシさん「なんか、すみません……」



友紀「謙虚だ!」

美玲「声が小さいッ!」

飛鳥「普通に喋るのか…」

24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:17:32.08 ID:aPzeCzsW0
P「あぁいえ、こちらこそ騒がしくしてしまってすみません」

クロワシさん「…」ペコリ

P「ほら、友紀」

友紀「ぅええっ!?は、はい!」

P「今日の始球式でお邪魔させてもらってます、うちの姫川です。よろしくお願いします」

友紀「ぅ…よろしく、おねがいします…」

クロワシさん「…そう、だったんですか…こちらこそ、お願いします…」



美玲「ま、マジメだッ」

飛鳥「頭に乗ってるものがなければ、もう少しマシな絵面なんだが…」

25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:18:17.88 ID:aPzeCzsW0
P「今日はいつ頃の出番なんですか?」

クロワシさん「ええと…最初と、あと中盤頃、ですかね…」

友紀「…」

P「最初…というと、始球式も見ていただけるんでしょうか」

クロワシさん「はい…お話には聞いていましたし…是非見たいと、思ってます…」

P「そうですか!それはよかった…」

友紀「…」



美玲「…あ、友紀が戻ってきたぞッ」

飛鳥「耐え切れなくなったのだろう…無理もない」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:18:53.84 ID:aPzeCzsW0
友紀「なんか普通のおじさんだった」

美玲「うん。ウチも、見ててそれは分かった」

飛鳥「まるで楽屋の挨拶回りのようだったよ」

友紀「キャラクターの筈なのにね」

美玲「アレで良いのか…?」

27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:19:34.90 ID:aPzeCzsW0

prrrr...


P「っと、電話だ。すみません、失礼します」

友紀「ええっ!?ちょっと、行っちゃうの!?」

P「すぐ戻るから。本番まで、少し待ってて!」タタタ

友紀「待ってってば!置いてかないでよぉ…」


バタン


友紀「…プロデューサーのばかーー!」

美玲「えぇ…」

飛鳥「…」

クロワシさん「…」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:20:54.46 ID:aPzeCzsW0
クロワシさん「…」

友紀「…」

飛鳥「…」


美玲「…おい、どーするんだこの空間ッ」ヒソヒソ

飛鳥「…どうと言われても…友紀に任せるよ」ヒソヒソ

友紀「任されても困るよぉ…」ヒソ

飛鳥「今日の主役だろう?…それに、この中では一番年長なんだ、こんなに頼もしいことはない」ヒソ

友紀「あっズルい!こんな時だけ年上扱いして!」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:21:35.28 ID:aPzeCzsW0
飛鳥「ズルくない。現状、それが一番丸く収まるだろうという判断さ。…なに、本番までの時間を稼いでくれるだけで良い」

美玲「…なんか、アスカの扱いが一番辛辣な気がするんだけど…」

飛鳥「ボクは彼を、マスコットキャラだと認めた訳じゃない。それだけのことだよ」

美玲「うーん…。でも確かに、友紀がいくのが一番良いような気がするッ」

友紀「美玲ちゃんまで!?最近の14歳ってみんなこうなの!?」

美玲「だってウチ、あいつと会話する自信ないんだモン…」

友紀「あたしだって1人じゃ嫌だよ!公平にいこう、公平に」

飛鳥「しかしだ。この状況で、どうやってフェアな人選ができるというんだい…?」

美玲「あ、それなら簡単だッ!じゃーんけーん……」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:22:02.40 ID:aPzeCzsW0
――


飛鳥「…」

クロワシさん「…」



友紀「…やっぱ、あたしが行くべきだったかな」

美玲「じゃんけん弱いアスカが悪いッ」

友紀「ちょっと罪悪感が…」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:22:44.80 ID:aPzeCzsW0
飛鳥「(…これが、俗にいう言い出しっぺの法則、というヤツなのか)」

飛鳥「(友紀に押し付けるような妙な真似、しなければよかった)」

飛鳥「(…良いだろう。これが、天が与えし試練だと言うのならば…望むところだ、受けて立とうじゃないか…!)」

クロワシさん「…、…?」



友紀「すっごくマジメな顔で何か考えてるよ、飛鳥ちゃん」

美玲「クロワシさんも困惑してるな」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:23:43.50 ID:aPzeCzsW0
飛鳥「…さて」

クロワシさん「…」

飛鳥「初めまして、かな…フフッ。まずは自己紹介をするとしよう。ボクはアスカ、二宮飛鳥だ」

クロワシさん「はぁ…どうも……」

飛鳥「…先程から、ずっと考えていたことがある。…宮城という緑あふれるこの地でこうして巡り合ったのは、果たして偶然なのだろうか…ってね」

クロワシさん「は、はぁ…?」

飛鳥「宮城に…しかも、野球を観に、だなんて。それまでのボクなら、絶対にあり得ない選択肢だった。…ハズなんだ。にも関わらず、ボクはキミとこうして会話を重ねている」

飛鳥「キミのキャラクタとしての在り方に、思うことは多々あれど…。こうして出会ってしまったのも何かの縁。あるいは、星の導き。そうは考えられないだろうか…」

クロワシさん「…?」



友紀「あっ、これクロワシさんのためにもあたしが行くべきだったやつだ」

美玲「遠慮ってやつを知らないのかアスカはッ!」

友紀「会話になってないんだよなぁ…」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:24:57.84 ID:aPzeCzsW0
飛鳥「…しかし。こんな奇妙な巡り合わせも、そうはないね」

飛鳥「キミの名前、"クロワシ"だったかな…フフ。なかなかカッコいいじゃあないか」

クロワシさん「…そうですか」

飛鳥「アスカ。飛ぶ鳥と書いて、飛鳥。…同じく鳥を名に持つ者として、何かシンパシーめいたものを感じるよ」

飛鳥「もし良ければ、聞かせてくれないだろうか。キミの名は…そして、キミに課せられたストラテジーには。一体どんな想いが込められているのかを」

クロワシさん「…はぁ」

飛鳥「…」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:26:15.59 ID:aPzeCzsW0
クロワシさん「…えぇと」

飛鳥「…」

クロワシさん「……」

飛鳥「…」

飛鳥「……」

飛鳥「…きょ、」


飛鳥「今日は、良い天気、だね…」



友紀「諦めちゃったよ」

美玲「が、頑張れ…ッ」

友紀「あんなに普通な話題を出す飛鳥ちゃん、あたし初めて見た」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:26:52.89 ID:aPzeCzsW0
クロワシさん「…二宮さん?」

飛鳥「…ム。あぁ、そうだが」

クロワシさん「あ…やっぱり、ニノさんでしたか…」

飛鳥「にの?」

クロワシさん「先日は、お世話になりました…」

飛鳥「…は」



友紀「ちょっ、えっ!?」

美玲「知り合いだったのかッ!?」

友紀「まさかの展開!」

36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:27:31.45 ID:aPzeCzsW0
飛鳥「ちょ、ちょっと待ってくれ…?ボクとキミは初対面のハズでは…」

クロワシさん「テレビなんて、初めてだったもので…あの時は緊張してしまって…」

飛鳥「だから…」



美玲「しかも番組で共演してたのかッ!」

飛鳥「外野の2人!少し静かにしていてくれないかっ!」

友紀「知らばっくれてあたしに押し付けてたの!?飛鳥ちゃん酷い!」

飛鳥「ご、誤解だ…!ボクは本当に何も知らない!」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:28:19.53 ID:aPzeCzsW0
クロワシさん「…あ、勘違い…?」

飛鳥「…あぁ、そうだね。間違いなく、完全に、キミの人違いであると。ボクはそう思う」

クロワシさん「二宮違いでしたか…すみません…」

飛鳥「…うん。誤解が解けて、何よりだよ…」



飛鳥「…何なんだアイツは!」

友紀「ニノさんって誰のことだろ」

美玲「さぁ?」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:28:58.49 ID:aPzeCzsW0
――


美玲「…」

クロワシさん「…」



友紀「次は美玲ちゃんの番だね」

飛鳥「…一体何だろうね、この時間…」

39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:29:28.40 ID:aPzeCzsW0
美玲「な、なぁ…」

クロワシさん「?」

美玲「その…頭のソイツ、何なんだ?」



飛鳥「訊いたな」

友紀「訊いたね」

飛鳥「ずいぶん直球な物言いだ」

友紀「さすが美玲ちゃん」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:30:23.74 ID:aPzeCzsW0
クロワシさん「…えぇっと……」

美玲「いーぐるすだし、鷲なんだよなッ?多分。でも、なんで頭になんか乗っけてるんだ?」

クロワシさん「…」


クロワシさん「……わ、」

美玲「わ?」

クロワシさん「わかりません…」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:31:20.71 ID:aPzeCzsW0
美玲「…いやいや、分からないってことはないだろッ!」

クロワシさん「…ええと、」

美玲「上と下のどっちが本体かとか、鳥の名前とか、何かしらあるだろッ!」

クロワシさん「…」

美玲「…なんか答えろよッ!!」



友紀「飛鳥ちゃんの時もそうだったけどさ。基本的に聞いても答えないんだよね、あの人」

飛鳥「トークNGの指示でも出ているのだろうか…」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:31:55.03 ID:aPzeCzsW0
クロワシさん「……!」

美玲「ん、どうし……!?う、これはッ?」

友紀「あぁ!頭のクロワシの目が!」


クロワシさん「…!」ギラギラ


飛鳥「光っている…だと?これは、一体…」

美玲「な、なんだよ急に?もしかして、怒っちゃったのかッ…?」

43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:32:50.99 ID:aPzeCzsW0
クロワシさん「あ、いえ…別にそういう訳では」

美玲「違うのかよッ!」

クロワシさん「たまに光らせると、良いみたいで…」

美玲「…だからッ!そういうのがなんでかってのを知りたいんだよコッチはッ!!」



飛鳥「理解できない」

友紀「あたしも」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:33:28.94 ID:aPzeCzsW0
クロワシさん「…あの、ですね」

美玲「おっ!なんだなんだ?」

クロワシさん「その……」

美玲「…じれったいなッ!なんだよぉ!?」


クロワシさん「そういう設定、あまり決まってなくて…」

美玲「…もったいぶってそれかッ!!」



飛鳥「なるほどね」

友紀「道理で答えてくれない訳だよ」

飛鳥「答えないのではなく、アンサーが用意されていない故の、梨の礫だったということか…」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:34:09.56 ID:aPzeCzsW0
クロワシさん「…あ、でも…」

美玲「?」

クロワシさん「そちらのフードと、役割は似てるかもしれないですね…」

美玲「…」


美玲「…い、」

美玲「一緒にすんなーーッ!!」ガルル



飛鳥「…限界だな。友紀、回収だ」

友紀「ほいきた」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:34:50.30 ID:aPzeCzsW0
美玲「何なんだッ!何なんだアイツ!」ウガー

友紀「まぁまぁ。悪気はないんだよ、きっと」

飛鳥「しかし…少しずつだが、見えてきたね」

友紀「何が?」

飛鳥「ヤツの生態がさ」

友紀「生態って」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:35:57.27 ID:aPzeCzsW0
――


友紀「…」

クロワシさん「…」



美玲「大トリかぁ…」

飛鳥「ワシだけにね」

美玲「やかましいわッ」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:36:36.51 ID:aPzeCzsW0
友紀「(うーん…悩んでても仕方ないよねっ)」


友紀「どうもっ!さっき、うちのプロデューサーからも紹介ありました、姫川ゆっきーですっ!」

クロワシさん「…どうも……」


美玲「あ。そういえばウチ、名前言ってないな」

飛鳥「必要性を感じるのなら、後で名乗ってくると良いさ」

美玲「…別に、良いや」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:38:04.01 ID:aPzeCzsW0
友紀「今、パ・リーグとのコラボで楽天担当やらせてもらってるんです!」

クロワシさん「…」

友紀「それで、始球式にも呼ばれちゃってさ!お仕事で野球に関われるの、すごく嬉しいんだっ!」


友紀「まぁ…本来の推し球団はキャッツなんだけど。どっちも応援してるよってことで!」

友紀「おじさ…じゃなくって。クロワシさんは、どこの球団のファンなのかな?やっぱり、いーぐるす?」



美玲「…なんか、いつも通りの友紀だなッ」

飛鳥「あぁ。あの分け隔てのなさ…。彼女の良いところの1つでもあるからね」

美玲「…ふーん?さて、どうくるか…」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:38:33.46 ID:aPzeCzsW0
クロワシさん「…野球は、そんなに…」

友紀「えっ」

クロワシさん「すみません…あまり詳しくなくて…」

友紀「そんなぁ…」



美玲「楽天のキャラクターなんだよな…?」

飛鳥「野球に詳しくないボクが言うのもなんだが…それはどうなんだ…」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:39:09.82 ID:aPzeCzsW0

友紀「…で、でも!楽天の試合、観てるんでしょ?」

クロワシさん「服が黒い日だけ…」

友紀「観てて誰か好きな選手とか…ポジション!ピッチャーとかキャッチャーでどこがお気に入りとか!なんか無いの!?」


クロワシさん「…投げてる人が変わったなぁ、ぐらいは…」

友紀「嘘でしょ」



美玲「おいッ!いくらなんでも、あんまりじゃないかッ!?」

飛鳥「…同情するよ、友紀…」

美玲「責任者出てこいッ!ウチがひっかいてやるッ!」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:39:44.10 ID:aPzeCzsW0
クロワシさん「でも…」

友紀「…うん」

クロワシさん「ホームランが出ると、かっこいいと思います…」

友紀「…!」

クロワシさん「…あと、ヒットも…」



美玲「なんかほるひすみたいなこと言い出したぞッ」

飛鳥「小学生並み…というより、野球素人のボク並みの感想じゃないか」

53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:40:27.14 ID:aPzeCzsW0
友紀「そう!それだよ、おじさん!!」

クロワシさん「…え?」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:42:00.15 ID:aPzeCzsW0
友紀「良いよねぇ、ホームラン!1球で試合の雰囲気が変わるっていうかさぁ!」

友紀「逆転のホームランなんかはまさにそれでね?4番の一発が出た時なんかは、もう興奮しすぎて爆発しそうになっちゃうくらいだもんっ!」

クロワシさん「…!」

友紀「他にも、先頭打者で打線に勢いをつけるホームランでしょ?逆転の狼煙を上げる一発だってあるし!」

友紀「ダメ押しの追加点でホームランなんかしたら、試合も決まっちゃったりさぁ…!」



美玲「…すごい、一気に空気を換えた…ッ」

飛鳥「…いやはや、流石だね。好きが生み出すエネルギー…これほどとは」

美玲「やっぱり野球、大好きなんだなッ。友紀って」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:43:29.29 ID:aPzeCzsW0
友紀「…それでねそれでね。あたしは、ライナー性のホームランのが好みなんだけど、どうかな!」

クロワシさん「……?」

友紀「そりゃ、インコースをガツン!って叩いて確信する当たりも良いんだけどさー。技術を生かした、技ありの打球も捨て難いなぁって思う訳よ!」


友紀「低い弾道で、ギュンッて伸びてくボール見てると、いっけーッ!!ってなるでしょ?だからさ…」

クロワシさん「…、……」



美玲「…あっ、内容が専門的になってきて、付いて行けなくなってるッ!」

飛鳥「そろそろ引き剥がした方が良いかもしれないね…」

56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:44:03.05 ID:aPzeCzsW0


ガチャ


P「おーい、友紀ー」

飛鳥「…遅かったね」

美玲「時間かッ?」

P「うん、そろそろ着替えとかスタンバイの時間だってさ」

友紀「そっか、もうそんな時間かぁ!」

P「…あ、なんか話してた?すみません、邪魔して」

クロワシさん「あ…いえ……」

友紀「じゃあね、おじさん!また野球トーク、しようねっ!」

57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:44:31.50 ID:aPzeCzsW0
飛鳥「トークというか…」

美玲「こっちが一方的に喋ってるだけの時間だったような…」

P「?」

友紀「よーし、やるぞー!!」


――

58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:45:32.78 ID:aPzeCzsW0
――


友紀「たっだいま〜!」

飛鳥「やぁ、お疲れ様」

美玲「ナイスピッチだったぞッ!」

友紀「ありがと!…へへ、なんかすっごく良いマウンドだった!」

飛鳥「…場所によって違うものなのかい?」

友紀「うん!土の感じとか、バッターの見え方とか!全然違うんだよ?」

飛鳥「へぇ…面白いね」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:46:17.09 ID:aPzeCzsW0
友紀「さ、あとは思いっきり試合を観るだけだー!」

美玲「おぉーッ!」

友紀「そうと決まれば…おねえさーん!こっちこっちー!ビールと、コーラ2つね〜!!」

飛鳥「…フフッ。ブレないな、キミは」

美玲「いつも通りだなッ!」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:47:35.62 ID:aPzeCzsW0
美玲「…あ」

飛鳥「どうしたんだい?」

美玲「ほら、あそこッ!」

飛鳥「あそこ?……ム」

友紀「クロワシさんだ!」

飛鳥「目立つね…」

美玲「本当に試合観てるんだな…ッ」

友紀「…あ、ビール飲んでる」

飛鳥「頭以外は、中年男性そのものじゃないか」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:48:37.95 ID:aPzeCzsW0
――――
――



バッターアウッ!


美玲「…うあぁー!負けたー…ッ」

友紀「いやぁ、惜しかったねえ」

美玲「3塁まで進んで、もう一歩で同点だったんだけどな…」

友紀「でも、良い試合だったね!お互いに、追い付け、追い越せ!ってさ」

飛鳥「…フフ、これが守護神というヤツか。頼りになる」

友紀「あれ。飛鳥ちゃん、さふぁては知ってるんだ」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:49:13.99 ID:aPzeCzsW0
飛鳥「…まぁ。少しは」

美玲「あっ!アスカお前まさかッ、ほーくすのことちょっと調べてるんだろッ!」

飛鳥「何のことかな」

美玲「蘭子の推してるチームだからって!ウチと一緒にいーぐるす応援するんじゃなかったのかッ!?」

飛鳥「…推測だけでモノを喋るのは、賢明とは言えないな。たまたまだよ、たまたま」

美玲「そう言ってぇ!」

友紀「まぁまぁ美玲ちゃん、怒らない怒らない」

美玲「うーッ!」ガルル
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:49:52.29 ID:aPzeCzsW0
飛鳥「…そういえば、」

美玲「?」

飛鳥「途中から、姿が見えないね」

友紀「誰が?…ってあれ、ほんとだ」

美玲「…あっ!クロワシさんがいないッ!」

友紀「いつの間に居なくなったんだろ…」

64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:50:42.91 ID:aPzeCzsW0
飛鳥「これまでに、彼が観ていた日は全て勝っていた…と聞いていたが」

友紀「居なくなってるんじゃ、判断しようがないなぁ」

美玲「…いやいやッ、勝利の女神じゃないんだから…」

飛鳥「あんな女神がいても困るけどね」

友紀「でもマスコットキャラって言うにはちょっと…おじさんくさすぎるというか…」

美玲「ホントに何だったんだアイツは…」

飛鳥「…少なくとも、」

友紀「?」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:53:36.18 ID:aPzeCzsW0
飛鳥「口数の少ない、シャイなヤツだったが…少なくとも、彼もまた。ボクらと変わらぬ1人のヒトなのだということだね…」

友紀「…」

美玲「…」



友紀「球団キャラクターに対するまとめ方じゃないよ…」

美玲「あんな見た目だもんな…」

友紀「帰ろっか」

美玲「おうッ」



飛鳥「終わりだよ」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/02(日) 18:56:50.20 ID:aPzeCzsW0
姫川友紀「スマート&スピリット」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1496681178/

続いた。続けてしまった。無理やり締めた。


Koboスタの新アイドルことクロワシさんをよろしくお願いします

ロッテの魚もよろしくね

おわり

67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/03(月) 00:38:30.28 ID:DfuakoX50
そっか、地味にクロワシさん初敗北か
この三連戦はお互いにダメージ受けまくってて次のカード大変そう
おつおつ
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