渋谷凛「GANTZ?」 その3

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202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/09(月) 21:06:34.11 ID:Qo/gjZQqO
乙乙
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/25(土) 23:10:23.64 ID:QkpDIJX/0
保守
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/09(土) 21:54:46.28 ID:auSjxfEy0
凛は急に視界が暗転したことに驚き咄嗟に身を起こす。

凛「何が!?……ここは?」

凛にはその場所が見覚えがあった。

何度か訪れたことがある部屋。

西の家だった。

凛「転送……された? 西の部屋?」

西「あァ……そーだよ……」

凛が振り向くと西が頭を押えながらソファーに倒れこむように座っていた。

西が押さえる手から血が溢れていて怪我をしていることに気がつくと。

凛「怪我してる……大丈夫?」

西「あァ……大した怪我じゃねぇよ……クソッ……」

西は忌々しげな表情で、光のキーボードを展開して高速で打ち込み始める。

凛「何をしてるの?」

西「あのクソ野郎をぶッ殺してやる……舐めやがッて……この俺をこんな目に会わせてただで済むと思うな……俺に手を出したことを後悔させた上で殺してやる……」

凛は宙に浮かび上がるモニターの表示を見て、西が玄野に対して何かしようとしているのだと気がつく。

凛「ちょっと……玄野をどうするつもりなの?」

西「ブッ殺してやるンだよ……死にたくても死ねねえような殺し方だ……あのクソ野郎には生まれてきたことを後悔させてやる……」

目を血走らせながら高速でタイピングを行なう西の手を柔らかな感触が伝わった。

凛が西の手を握っていたからだった。

西は咄嗟に凛の顔を見るが、凛の顔を見た西は今まで血走った目でモニターを凝視していた視線を凛に向けていた。

その表情をありえないようなものを見るものに変化させて。

西「お、おい……お前、まさか……」

西は凛の表情を見て何かに感づいてしまっていた。

凛の顔はこの数日見ていたものとは全く違い何か憑き物が落ちたようなそんな顔。

西は先ほどまで抱いていた玄野への殺意などどうでもよくなるほど焦燥を抱いていた。

そして、次に凛が出した言葉で自分の予感が正しかったことを悟る。
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/09(土) 21:56:02.90 ID:auSjxfEy0
凛「西……もう、止めよ……」

西「」

凛の言葉に西は途轍もない喪失感を感じ、どこまでも落ちていくような感覚に捕らわれた。

凛「もうこんなこと止めよう……私達のやってる事は間違ってるよ……」

西「………………」

凛「誰かを殺すなんて駄目……私達はそんな事すら分からないくらい狂っていた……」

西「…………ろ」

凛「もう沢山の人を殺してしまった……償いの方法なんてどうすればいいかも分からない……」

西「……めろ」

凛「私達は「止めろォォォッ!!」」

西は凛の胸倉を掴みその場に押し倒して馬乗りになった。

西「ふッざけんなァッ!! お前ッ!! 今更何言ッてやがンだよ!?」

凛「西……」

西「もう少しなんだぞ!? もう少しでこのクソみてーな世界をぶッ壊して俺達の新世界を作りだせるンだぞ!! お前もワカッてンだろ!? 俺達の力はもう誰にも止められねェし俺達が望めば何だッてできる!!」

西は顔をゆがめながら絶叫を続けていた。

西「お前だッて望んだ事だろ!? 誰も傷つかない世界を作るッてよォ!! そんな世界をもう少しで作り出せンだぞ!? それを今更止めるッて何考えてンだよ!?」

凛「…………」

西「なァ、考え直せよ、お前だッて望んだ事だろ? 俺達が新しい世界を作ッてその世界で俺達は一緒に夢を……」

西の叫びは少しずつ懇願に近いようなものになっていた。

凛の身体の上に跨り、いつの間にか凛の頭の横に両手をつき、西は凛の顔を至近距離で覗き込みながら懇願していた。

しかし、凛が放った言葉は西の望むものではなく、

凛「もう……私は誰かを殺したくなんてない……」

西の顔が歪んだ。

凛「私達がやろうとしてたことはこれからどれだけの人を殺していくかも分からないような血塗られた道……私にはもうそんな恐ろしい事は……できない」

西の目元が痙攣し始める。

凛「今までやってきたことを考えたら今更何を言っているのかって話かもしれないけど……もう私は誰も殺したくないし、誰かを殺した上で手に入るような未来なんて……ほしくない」

西の口元も痙攣し始め歯軋りが始まった。

凛「西……もうこんなこと止めよう……私達のやっていたことは……」

西の手が震えながら動き始めた。

凛「間違ってる」

西「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/09(土) 21:56:36.88 ID:auSjxfEy0
絶叫と共に西の手が凛の首に伸びて凛の細い首を締め付けた。

凛に馬乗りになりながら、凛の首を絞めながら西は絶叫を続けた。

西「クソックソックッソォ!!!! 意味ワカンねェ!!!! 何なンだよ!? 何でそーなンだよォッ!!!!」

凛「……西」

西「お前は違うだろ!? お前は俺と一緒だろ!? なのに何でそんな事言うンだよ!? お前はもッと悪魔みてーなヤツでそんな事を言うワケねーンだ!! 目を覚ませよッ!! なァッ!!」

凛は西に首を絞められながらも息苦しさも何も感じていなかった。

先ほどの玄野との戦いで破壊された西のスーツでは凛を害する事などできなかった。

振り払おうと思えばいつでも振り払えるのに凛はあえて西にされるがままになりながら考えていた。

凛(こんなに必死になってる西は始めて見る……)

凛(でも、言っている事とやっている事が噛み合ってない……)

凛(私を説得しようとしているのに、私の首を絞めて私を殺そうとしている……)

凛(でも……それに気付いてない……言ってる事とやっている事が分かってない……)

凛(……まるで、さっきまでの私……)

凛の瞳には西が自分の姿のように見えていた。

鬼のような形相で自分の首を絞めてくる西。

しかし、その姿が自分自身を見ているようで胸が苦しくなる。

凛(私にはみんながいてくれた)

凛(みんながいたから私は正気に戻れた)

凛(でも、もしも……みんなと出会えなくて……あの部屋で一人ぼっちでいたら……)

凛(私は……)

凛は気がついたら西を抱きしめていた。

凛の中の世界で卯月がそうしたように凛も西を抱きしめていた。
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/09(土) 21:57:02.87 ID:auSjxfEy0
西「ッ!?」

凛「私達は似たものどうしなんだよね……」

西「な、何やッてンだよ!? は、離せ!!」

凛「もしも、私とあなたの立場が逆だったら……今のあなたは私だったんだろうね」

西「お、おいッ!! 離せッて!!」

凛「みんながいてくれたから私は正気に戻ることが出来た……でも、あなたは止めてくれる人がいなかったんだよね……」

西「き、聞けよッ!! おいッ!!」

凛「今のあなたを見てると自分自身を見ているようで辛い……道を間違ってしまったままどこまでも進んでいく私を見てるようで……」

凛に抱きしめられながら身動き一つ取れない西は混乱していた。

玄野に敗れ、煮えたぎるような激情をぶつけようとしていた所に、凛が完全に自分と決別する言葉を出した。

それによって西はかつて無いくらいに自分の感情を爆発させていたのだが、凛に抱きしめられることによってその激情が急速に小さくなっていった。

西(な、なンなンだよ!? なンでコイツは俺を抱きしめてンの!?)

西(い、意味ワカンねェ……なンなンだよ……)

激情が薄れ、少しずつ西は何かが自分の心から溢れてくるのを感じていた。

西(コイツが何か言ッてるけど頭に入ッてこねェ……)

西(暖かくて……柔らかくて……)

いつの間にか西は目を閉じていた。

感じるのは凛の体温と鼓動。

身動き一つとれない、いや西はすでに自分から動こうとしていなかった。

凛の言葉も何も頭に入ってこない。

ただ柔らかい感触と鼓動に包まれて目を瞑りその感覚に身を委ねて、無意識に一言呟いた。

西「…………ママ」

それと同時、西に急激な脱力感が襲い掛かった。

玄野に与えられた傷、凛によって与えられた精神的ショック、さらには凛に抱きしめられることによって感じた不思議な安心感によって急激に意識を飛ばしてしまった。
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/09(土) 21:57:36.90 ID:auSjxfEy0
西「……」

西「……あ」

西が目を覚ましたとき、視界に朝日が入り込みその目を細める。

少しして目が慣れてくると、西の目に凛の顔が映し出された。

凛「起きた?」

西「あ、ああ」

自分の顔を覗き込んでいる凛、そして今の自分の体勢が凛の膝を枕にして眠っていたことに気が付いて慌てて飛び起きるが、自分の手がしっかりと凛に握られていることで凛から離れようにも離れれない状態になっていた。

西「お、おま!? 何で手ェ握ッてンだよ!?」

凛「え……? あなたが眠ってる間ずっと私の手を握り続けてたんだけど……」

西「はァ!?」

離そうとしても手が離れない。

西は意識して指を動かすことによって漸く凛の手を離し凛から距離を取った。

だが、そうすると何故か西は喪失感に襲われて更に距離をとる前に立ち止まってしまった。

西「……何だ……これ……?」

凛「大丈夫?」

立ち上がって自分の手を見続ける西に凛は声をかけてそっと肩に手を触れた。

西「ッ!」

反射的にその手に触れた西は、凛の手に触れたその状態で再び固まってしまった。

西(なん、だよ……なんで俺、こんな……)

西(こいつの手を握ってると……安心できる……?)

西(……ママの手みたいに)

凛「ねぇ、大丈夫なの?」

西「あァ……」

凛「そっか……」

西は凛の手を握りながら呆然としていた。

握り締めてくる西の手を軽く握り返して凛は西に声をかけ始めた。
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/09(土) 21:58:08.29 ID:auSjxfEy0
凛「ねぇ、西」

西「……あ?」

凛「あなたはどうしてこの世界を壊そうとするの?」

西「……なんだよ急に」

凛「私達、結構長い間一緒にいたけどさ、そういう話しなかったでしょ。何だかあなたのこと知りたくなっちゃって、さ」

西「…………」

西はすでに冷静になっていた。

凛が心変わりしてしまったことにも何故か冷静に受け止められていた。

そして凛の質問にも正直に話し始めていた。

西「……お袋が自殺したんだ」

凛「っ!」

西「……俺にとッて母親はこの世界で唯一の大切な人間だッた。優しくて、俺を認めてくれて、笑顔が綺麗で……生きる意味だッたンだよ」

西「だけど、クソみてーな父親が浮気して、他のクソ女と一緒になッて、お袋は壊れちまッた。……壊れたお袋が自殺するまで時間はかからなかッたよ……」

凛「そう……」

西「その後俺も後追い自殺をした。生きる意味なんて何にも無くなっちまッてなー……だけど俺は死ねなかッた」

凛「それでガンツの部屋に……」

西「ああ。そンでそッからはもう死のうとも思わなかッた。死んでも死ねねー、何度死んでもああやッて生き返らされるんじゃねーかッて、死んで逃げることも出来ねーのかよッて」

西「そッからはもう結構自暴自棄になッてた。こんなクソみてーな世界、お袋もいなくなッちまッた世界に何の意味があるんだッて……俺の周りにいる人間は全部クソ。目に付く奴等も全部クズ。あの部屋に来る連中も同じよーな奴等ばッかりだッた」

西「いつもいつも思ッてたよ。こんな世界滅びちまえばいいッて。お袋が死んでしまッた世界はいらねーッて。俺の存在を否定するようなこんな世界はなくなッちまえッて」

凛「そう、なんだ……」

西は小さく笑った。

それは自分の本心をどうして打ち明けているのか? という自虐の笑みだったのかもしれない。
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/09(土) 21:59:15.12 ID:auSjxfEy0
西「何でこんな事話してるんだろーな……はははッ」

凛「ま、待って、あなたがこの世界を憎む理由がお母さんの死なら、あなたのお母さんを生き返らせて……」

西は更に自虐気味に笑った。

西「出来なかッた」

凛「っ!!」

西「ガンツのデーターのどこにも、お袋はいなかッたんだ」

凛「そん、な……」

西「……ッ!」

呆然とした凛の顔を見ながら西は口元を歪ませて言葉を発する。

その表情は何かを期待するようなものであった。

西「あァーそういえばよォ……お前の両親の事だけどよォ……」

凛「え?」

西「お前の両親のデーターも存在しなかった」

凛「…………う、そ……だって……」

西「島村と本田のデーターは確かに見つけた。だけどよォ、お前の両親のデーターを見つけたッて俺は言ッてねーぞ? その様子だとお前の両親も生き返るッて勘違いしてたみてーだな」

凛「…………」

凛が頭をたれて西から凛の表情が見えなくなった。

西「あ? どーしたんだよ? ショック受けてンのか?」

凛「……」

西「笑えるなァ! ハハハッ! そーだ! 島村と本田のデーターも消してやるよ! そーすればもうアイツ等を再生する事はできねェ!!」

凛「…………」

凛の手が西の手首を握り締める。

西「その後はアイツ等だ! 北条と神谷も頭ン中の爆弾を起動してブッ殺してデーターも消してやるよ! そーすればお前は一人だ! この世界でお前は一人になる!!」

凛「…………」

凛の手は西の手首から離れて、西の首元まで伸びていった。

西「そーなればお前はどーするんだろーな? またこの世界を壊そうとするんじゃねーのか? 絶ッてーにそーなるだろーな! 俺もお前に殺されるかもしンねーけどもうどーだッていい。俺はお前がブッ壊れる姿を見てから死んでやるよ! ハハハハハハッ!!」

凛「…………」
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/09(土) 22:00:06.44 ID:auSjxfEy0
凛が伸ばした腕は西の首をすり抜けて、西の両肩にそっと触れられた。

西「……おい、なんだよ……」

凛「もう、止めよ」

凛はどこまでも悲しげな顔で西を見つめていた。

西「……俺はお前のトモダチを殺すッて言ッてンだぞ?」

凛「お願い、そんな事言わないで」

西「……おい、俺を殺さないと本当に全員殺すぞ」

凛「……お願い。もう誰かが死ぬとか、そんな事嫌なんだ……」

西「…………なら俺を殺せよ」

凛「……殺せないって」

西「………………クッソォ!!!!」

西は凛の手を乱暴に振り払ってソファーに深く腰を埋めた。

両手で顔を覆いながら小さく震えて。

西「……もう、駄目なのかよォ」

凛「西……」

西「せッかく……もうちょッとで……お前と一緒に……」

凛「……」

凛は西の前で立ち尽くして西の様子を伺っていた。

西はしばらく顔を伏せていたが、やがて顔を上げて凛を見て呟いた。

西「さッきのは嘘だ。お前のトモダチには手をださねーよ……」

凛「……うん」

西「何だよ……その気の抜けた返事は……」

凛「信じてたから」

西「……お前の両親を再生できねーッてのは嘘じゃない」

凛「……うん」

西「……納得できるのかよ?」

凛「出来るわけないよ……でも……もう、無理なんでしょ?」

西「……あァ」

凛「……」

西「……はァ、なンか……もう疲れちまッた……」

大粒の涙を零して声も上げず泣く凛を見ながら西は全身の力を抜いてソファーにもたれかかっていた。
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/09(土) 22:00:46.17 ID:auSjxfEy0
西「……お前さ、これからどうすンの?」

凛「……これから?」

西「ああ。お前にはもう帰る場所なんかどこにもねーだろ……家も無い、テロリストとして全国指名手配のお尋ね者で、お前の手は血に汚れきッてるンだ……何をどーするのかと思ッてな」

凛「……まずは、卯月と未央を再生する。それからは、私のしたことに対して責任を取って行こうと思ってる……」

西「意味ワカンねー……俺達がした事の責任なんてお前一人でどーすることができると思ッてンだよ」

凛「沢山考える……私一人じゃなくてみんなにも意見をもらって一番いい方法を見つけたいと思ってる」

西「ワカッてンのか? 俺達がブッ殺して来た奴等は国や社会の重要な位置を締めてる奴等がほとんどだッた。そんなヤツ等がいなくなッて今の世界がどれだけ混乱するか……俺達がトドメを刺さないでももうこの世界は壊れるかもしれねーッてのに、そんな事に対する責任なんて取れるわけねーだろ」

凛「……それでも」

西「デモじゃねーよ。お前何にも考えてねーンだろ? ワカッてンだよ、お前が行動するときは先の事はほとんど考えねーで行動するッて」

凛「う……」

西「もう陽の当たる所で何かできるなんて思うな。やるならやるで先の先まで考えろ。お前は考えもコロコロコロコロ変わるンだからよ」

凛「うぅ……」

西「……俺が言えるのはそンくれーだ」

西は立ち上がり手元に光のキーボードを展開すると高速で何かを打ち込み始める。
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/09(土) 22:01:28.13 ID:auSjxfEy0
凛「ちょっと、何を……」

西「……安心しろよ、もう世界を支配するとか考えてねェ、何かどーでもよくなッた」

凛「え?」

西「……お前にもガンツの制御方法は最低限教えておいたから俺がいなくても再生やら転送やらできッだろ?」

凛「っ!……どこに行くつもりなの?」

西「……ワカンねェよ。お前は責任を取るとか言ッてッけど、俺はそんな馬鹿な事考えねーから、テキトーに人間のいない所で生きて行くか、それともどッかでの垂れ死ぬかのどッちかだろーな……もうお前には関係ねー事だ」

凛「……」

西「……おい、手を放せよ」

凛「……嫌だ」

西「放せッて」

凛「嫌だよ……」

西「放せッてンだろ!? 何なンだよ!? お前はもう俺を見限ッてアイツ等と一緒に行くンだろーが!? 俺を捨てたくせに今更何なんだよ!?」

凛「……一緒にさ」

西「あァ!?」

凛「あなたも一緒に……私は、あなたとも一緒に生きて行きたい……」

西「ッ!…………それこそふざけんな、だ。何で俺がお前なんかと……」

凛「だって……放っておけないんだよ……」

西「は?」

凛「私にとって……あなたも大事な友達だって、そう思ってるから……」

西「…………はッ、バッカじゃねーの?」

凛「馬鹿じゃないよ……真剣だから」

西「……」

西は展開した光源を全て消してもう一度ソファーにドカッと腰をおろした。

手をつかんでいた凛も体勢を崩して西の隣にストンと座る。

西は凛と密着してその体温を感じながら、
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/09(土) 22:01:57.67 ID:auSjxfEy0
西(一体なんなんだろーな……)

西(さッきはこいつの事、一瞬ママみたいに思えたのに……)

西(ただ……はッきりワカッちまッた事がある……)

西(俺、こいつと一緒に何かしてーンだ)

西(世界を支配するッてのもこいつが本気でノッて来てから俺も本気になッた)

西(こいつがその気じゃなくなッたら、どうでもよくなッた……)

西(それで……こいつが俺を引き止めてくれたことが……嬉しい……)

西(一緒に生きて行きたいなんて言われて……嬉しかッた……)

西(ママみたいな女なのに……何か違ッて……一緒にいたいヤツ……)

西(…………)

凛「西?」

西「……なァ、本当に俺達みたいな人間がもう一度やり直せると思うか?」

凛「! うん、思うよ」

西「そッか……」

凛「うん」

西(……どうせもう何もねーンだ。それならこいつの傍で、こいつの行く末を見届けてやるのも悪くねェな……)

西と凛はお互い寄り添いながら差し込む朝日を眩しそうに見続けた。

二人の瞳には今まであった真っ暗な闇は無く、差し込む朝日のような光が映し出されていた。
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/09(土) 22:02:30.52 ID:auSjxfEy0
今日はこの辺で。
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2017/12/09(土) 22:23:35.52 ID:b+tH1jKWo

西君に救いがあって本当に良かった……
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/09(土) 22:45:56.74 ID:dhNORgkt0

この世界情勢まだカタストロフィ前なんだよな
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/25(月) 14:15:47.04 ID:qopBQtRIO
西くんも救われそうな展開でよかったわ
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/31(日) 17:19:53.36 ID:8+ViXghwo
おつおつ
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/15(月) 23:24:58.40 ID:3+oZiS950
保守
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/22(月) 19:51:16.64 ID:f2dn8/bj0
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2018/02/02(金) 23:19:50.05 ID:d572ILh+o
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/09(金) 22:40:38.29 ID:UyA24OAy0
まっています
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/24(土) 06:26:15.42 ID:pHNAt84X0
保守
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/14(月) 17:57:29.81 ID:d7sA7Zal0
上げ 続け
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 13:16:37.46 ID:5mqT5upm0
【最悪のSS作者】ゴンベッサこと先原直樹、ついに謝罪
http://i.imgur.com/Kx4KYDR.jpg

あの痛いSSコピペ「で、無視...と。」の作者。

2013年、人気ss「涼宮ハルヒの微笑」の作者を詐称し、
売名を目論むも炎上。一言の謝罪もない、そのあまりに身勝手なナルシズムに
パー速、2chにヲチを立てられるにいたる。

以来、ヲチに逆恨みを起こし、2018年に至るまでの5年間、ヲチスレを毎日監視。

自分はヲチスレで自演などしていない、別人だ、などとしつこく粘着を続けてきたが、
その過程でヲチに顔写真を押さえられ、自演も暴かれ続け、晒し者にされた挙句、
とうとう謝罪に追い込まれた→ http://www65.atwiki.jp/utagyaku/

2011年に女子大生を手錠で監禁する事件を引き起こし、
警察により逮捕されていたことが判明している。
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 13:17:17.60 ID:5mqT5upm0
>>226
>私こと先原直樹は自己の虚栄心を満たすため
>微笑みの盗作騒動を起こしてしまいました

>本当の作者様並びに関係者の方々にご迷惑をおかけしました事を
>深くお詫びいたします

>またヲチスレにて何年にも渡り自演活動をして参りました
>その際にスレ住人の方々にも多大なご迷惑をおかけした事を
>ここにお詫び申し上げます

>私はこの度の騒動のケジメとして今後一切創作活動をせず
>また掲示板への書き込みなどもしない事を宣言いたします

>これで全てが許されるとは思っていませんが、
>私にできる精一杯の謝罪でごさいます

http://i.imgur.com/QWoZn87.jpg
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 13:17:56.61 ID:5mqT5upm0
>>226
>私が長年に渡り自演活動を続けたのは
>ひとえに自己肯定が強かった事が理由です

>別人のフリをしてもバレるはずがない
>なぜなら自分は優れているのだからと思っていた事が理由です

>これを改善するにはまず自分を見つめ直す事が必要です
>カウンセリングに通うなども視野に入れております

>またインターネットから遠ざかり、
>しっかりと自分の犯した罪と向き合っていく所存でございます

http://i.imgur.com/HxyPd5q.jpg
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 13:18:28.86 ID:5mqT5upm0
>>226
ニコニコ大百科や涼宮ハルヒの微笑での炎上、またそれ以前の問題行為から、
2013年、パー速にヲチを立てられるに至ったゴンベッサであったが、
すでに1スレ目からヲチの存在を察知し、スレに常駐。
自演工作を繰り返していた。

しかし、ユカレンと呼ばれていた2003年からすでに自演の常習犯であり、
今回も自演をすることが分かりきっていたこと、
学習能力がなく、テンプレ化した自演を繰り返すしか能がないことなどから、
彼の自演は、やってる当人を除けば、ほとんどバレバレという有様であった。

その過程で、スレ内で執拗に別人だと騒いでいるのが間違いなく本人である事を
確定させてしまうという大失態も犯している。


ドキュメント・ゴンベッサ自演確定の日
http://archive.fo/BUNiO
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/10(火) 22:48:38.22 ID:CqtXVdro0
続きが読みたい
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/18(木) 23:07:57.76 ID:74Nba3uM0
きっと更新がある
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/19(金) 04:17:13.81 ID:EareozG20
落ちない限り待ってる
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/06(月) 18:39:45.58 ID:9XJ7g0F+0
保守
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