【安価・ダンロンV3】モノクマ「安価で紅鮭団を盛り上げるよ〜」

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152 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/26(土) 02:06:22.36 ID:o3ReKgtSO

レスありがとうございます。

>>149
地味に気持ち悪い感じを目指して書いたので(天海ごめん)、そう言っていただけると嬉しいです。

>>150
???「男が男を語るのってこんなに気持ち悪いんだね」

>>151
天海はボクサー王馬と違って後ろ暗さが無い上に元々他人に対して壁を作りがちだった反動で、距離感とか色々狂ってます。
153 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/26(土) 02:08:39.30 ID:o3ReKgtSO

キーボ(キルミー…東条斬美さんですかね)

キーボ(何かと経験豊富そうな彼女の話には興味がありますし、いつもお世話になっているお礼もしたいところですね)


─寄宿舎の中─


ピンポーン

キーボ「……」

キーボ(…出ませんね)

茶柱「東条さんにご用ですか?」

キーボ「茶柱さん。東条さんを捜しているんですが中庭にも自室にもいないようで…」

茶柱「彼女ならまだ厨房にいると思いますよ」

キーボ「そうですか、では厨房に行ってみますね。教えてくださってありがとうございます」

茶柱「いいえ。くれぐれも東条さんの仕事の邪魔はしないでくださいよ?」

茶柱「それでは、転子は夢野さんを誘いに行かねばなりませんので!」ノシ

タッタッタッ…

キーボ(東条さんは厨房ですか…とにかく、行ってましょう)


─食堂─


キーボ「東条さん、ここにいたんですね」

東条「私を捜していたの?何か依頼かしら」

キーボ「時間が空いているのでしたら一緒に出掛けようと思ったのですが…」

東条「丁度皿洗いが終わったところでよかったわ。その依頼、受けさせていただくわね」

キーボ(あくまで仕事という体でないと気が済まないんでしょうか?)

東条「そうと決まればどこかに移動しましょう」

キーボ「ボクはここでも構いませんが」

東条「…我儘を言ってごめんなさい。どうしても他の場所がいいの」

キーボ「そうでしたか。そういうことなら東条さんの研究教室に行きたいです」

東条「手間を掛けさせて申し訳無いわ」

キーボ「いえ、ボクは充電がある限り肉体的に疲労するということは無いので、余り気にしないでください」

キーボ(飲食出来ないボクを気遣って他の場所へ行く提案をしたのかと思ったのですが、どうやら違うようですね…では、一体なぜ?)
154 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/26(土) 02:17:57.39 ID:o3ReKgtSO

─超高校級のメイドの研究教室─


東条「それで、私は何をすればいいのかしら」

キーボ「よろしければ、東条さんのお話を聞かせていただけませんか」

東条「私の話?」

キーボ「ええ、例えばメイドとしての心構えとか…」

東条「そういうのは口より日頃の態度で語るべきものだと思うけど、依頼とあらば答えない訳にはいかないわね」

東条「一言で言い表すなら滅私奉公。メイドなら私情を棄て主人のため公のため尽くすべし。…でもね、私はそれを徹底しきれずに失敗してしまったことがあるのよ」

キーボ「失敗?」

東条「まだ駆け出しの頃、何から何まで世話を焼き過ぎて雇い主を駄目にしてしまったの。その人は大きな可能性を秘めた素晴らしい人物だったのに…」

キーボ「でも、東条さんはその人のために頑張ったんですよね」

東条「ええ、そのつもりだったわ」

キーボ「…つもり、ですか」

東条「当時の私はちょっと浮かれていたのよ。立派な主人が私を頼ってくれるのが嬉しくて、この人の得になることならなんでもしてあげようと張り切ってた」

東条「その裏には、私のサポートさえあればこの人はどこまでも行けるんじゃないかっていう思い上がりすらあったわ。これを私情と言わずしてなんと言えばいいのかしらね」

キーボ(なるほど…その時の後悔が今の東条さんのポリシーに繋がっているのかも知れないですね)

東条「……」

キーボ(東条さん、急に黙ってしまいましたね。何か思い詰めているようにも見えますが…)

東条「やはり……の……なるわ」ブツブツ

キーボ(いや、よく聞くと何か喋っているような…)

東条「……君を……かも知れない……失敗……止めなきゃ」ブツブツ

キーボ「東条さん、どうかしましたか?」

東条「え?」ハッ

東条「…いえ、なんでも無いわ」

キーボ「もしかして何か悩みがあったり…」

東条「本当になんでも無いのよ。仕えるべき相手に要らぬ心配を掛けさせるなんて、メイド失格ね」ギリィッ

キーボ「あの、余り気を落とさずに…あっ、そうだ。これです。これあげますので」

つステンレストレイ

東条「?!…うっ…ぐあぁ」モンゼツ

キーボ(急に苦しみ出した?!)

東条「心中を案じられた上にこんな贈り物まで…東条斬美、メイドの癖にどこまで気を遣わせるのよ…!」

キーボ(これ、プレゼント自体は喜んでくださったってことでいいんですかね)

東条「こうなったら、キーボ君には可能な限り最高のおもてなしを受けて貰うしかないわ…私と過ごしたこと、絶対に後悔させない…!」

キーボ(東条さんから至れり尽くせりのおもてなしを受けて過ごしました。…彼女、やたらピリピリしていましたが本当に大丈夫なのでしょうか?)
155 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/26(土) 02:22:07.52 ID:o3ReKgtSO

短いですが今回はここまで。
ロクに確認せず書いてしまいましたが、キーボに疲労度の概念ってありましたっけ?
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 02:38:28.98 ID:4oIviF3F0
冷静に考えてみ?
ロボットが疲れるわけないだろ
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 07:32:25.43 ID:NsHuUbGlO
流れるようなロ差の流れふいた
疲れた時は甘いものを食べるのが良いぞキーボ
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 09:43:18.45 ID:Es2HUlJDO
>>157
乾電池の砂糖まぶしとか?
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 11:33:22.29 ID:8Ycf/x2hO
おつ、最原くんやライトを浴びた面々に留まらず他のキャラ視点で話を進めてて面白いなー
160 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/28(月) 01:45:18.74 ID:99oQu2LSO

レスありがとうございます。

>>156
ロボの癖に腰を痛めたりしていたので、もしかしたら疲労度も設定されているのかなー、と思いまして。

>>157-158
いい加減にしろ!オイルしか飲めないキー坊にそんなこと言ったら可哀想だろうが!

>>159
群像劇っぽい感じにしたくてそういうつもりで書いているのですが、最原とライト使用対象者間・それ以外のキャラ間の中でも結構出番に差があるんですよね…。
ポンコツスレ主に群像劇はハードル高いってはっきりわかんだね。
161 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/28(月) 01:47:52.54 ID:99oQu2LSO

テロップ【数十分前】


白銀「さっきは王馬君のせいで大変な目に合ったね」

赤松「うん、あんな大きな蜘蛛初めて見たよ…」

白銀「じゃあ口直しって訳じゃ無いんだけどさ、午後からわたしと遊ばない?」

赤松「そうだね、特に予定も無いしご一緒させて貰おうかな」

白銀「場所はわたしの研究教室でいい?」

赤松「いいけど、白銀さんの研究教室ってことは…」
162 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/28(月) 01:52:39.54 ID:99oQu2LSO

─超高校級のコスプレイヤーの研究教室─


赤松「やっぱり、コスプレをするの?」

白銀「勿論だよ。ほら、普段は着られないような可愛い服を着る機会だと思ってさ」

白銀「赤松さんは何か着てみたい服はある?ピンとこないようなら、逆にこういうのは嫌だなっていうのを言ってくれないかな」

赤松「うーん、露出が多かったりあんまりフリフリし過ぎてるのとかはちょっと…」

白銀「ならクラシカルロリータ辺りがいいかなあ」

赤松「ロリータってフリフリしてるやつじゃなかったっけ?」

白銀「まあまあ、わたしに任せておきなって」

白銀「クラロリ系統で赤松さんに似合いそうな服があるの。あのキャラだったら赤松さんとちょっと属性被ってるし…」

赤松(よく判らないけど、やっぱりアニメキャラの衣装なのかな?)

白銀「髪もなんとか地毛でいけそうだね。着替えとメイクが済んだらセットしよっか」

赤松「うん、じゃあお願いします」


テロップ【十数分後】


白銀「奇麗な髪だね。こういう色素の薄い髪って憧れるなあ」

赤松「私は白銀さんの髪の方が奇麗だと思うけど…そんなに長いと毎日洗うだけでも大変じゃない?」

白銀「特に大変だとか面倒だとか思ったことは無いよ」

赤松「なるほどね。そういうのって慣れなのかな?」

白銀「かもね。…後はこの帽子を冠せてっと」

赤松「もう出来たの?」

白銀「ばっちり」

赤松「えっと…どうかな」

白銀「それはまず自分の目で確かめないと。ほら、そこの姿見の前に立って」

赤松「う、うん」

赤松(白銀さんが着せてくれたコスチュームは、想像していたより落ち着いたデザインながら可愛らしいものだった。確かに希望通りの服ではあるんだけど…スカート丈が短いし構造的に胸を強調するような服で結構恥ずかしい)

赤松「こういう服って初めて着たし、ちゃんとメイクをして髪も巻いて貰って…なんだか自分じゃないみたい」ティロッ

白銀「いつもと違う自分になれるのがコスプレだからね」

白銀「それにしても本っ当に可愛い!赤松さんの絶対領域尊い!やっぱり私の目に狂いはなかったよー」

赤松「うん…ありがとう?」カァ

白銀「ねぇちょっと小道具持ってポーズとってみない?」

赤松「…撮影とかしないよね?」

白銀「大丈夫、心のフィルムに焼き付けるだけだから。あ、小道具はこれね」

つマスケット銃のレプリカ

赤松「これってどう持てばいいの?」

白銀「左手はこの辺りに添えて…後、基本的に指は引き金に掛けないでね」

赤松「こうかな?」チャキッ

白銀「うんうん、いい感じ」

赤松(この後もふたりだけのファッションショーは続いた。最初は恥ずかしかったけど、心底楽しそうな顔をしている白銀さんを見ていると私も自然と笑顔になった)
163 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/28(月) 02:02:50.93 ID:99oQu2LSO

テロップ【13日目・夜】


─裏庭─


最原「百田くん…先に言っておくけど、今日はロクにトレーニング出来ないと思う」

百田「なんでそんなこと言うんだよ。出来ないのは出来ないって決め付けてるからだろ?」

最原「でも、今日は昨日以上に筋肉痛が酷くて…」

春川「最原の筋肉痛が悪化したのって、百田が昨夜も同じこと言って無理させたからじゃないの?」

最原「ていうか、今日の午後王馬くんと遊んだ時にはしゃぎ過ぎちゃったんだよ」

春川「…アンタって結構バカなんだね」

最原「なんか、ごめん」

百田「王馬か…」

最原「うん。プールに行ったんだけど、王馬くんがこの間あげたエレキテンペスト…水鉄砲を持ってきてさ。僕も同じ物を貰ってふたりで撃ち合いしたんだよ。これが思った以上に楽しくて」

百田「なあ、終一」

最原「どうしたの?」

百田「……」

最原「……」

春川「……」

百田「…ワリぃ、やっぱなんでもねーわ」

最原「えぇ…うん、まあ分かったよ」

最原(何を言いかけたのか気になるけど、聞かない方がよさそうな雰囲気だな)

百田「終一、困ったことがあったらオレに相談するんだぞ」

最原「なんで急に…でも、ありがとう」

百田「ったりめーだ。オレはお前のボスなんだからな」

春川「話は終わった?」

百田「おう、なんだ?」

春川「最原のメニューだけど、今日はストレッチだけでもいいと思う」

百田「身体壊しちまったら元も子もねーし、偶にはいいか。よし、オレたちも柔軟やるぞ」

春川「じゃあ、まずは開脚前屈…」ペター

百田「お、流石ハルマキだな。でも、もうちょっと脚を広げた方が…」

春川「」ビクゥ

春川「ちょっと、いきなり触らないでよ!」

百田「お、おう…悪かったな」

春川「普通、女子の脚をそんなベタベタ触る?信じられないんだけど」

百田「悪かったって…」

春川「私はいいから最原を看てやってよ」

百田「そうか…お前がそう言うなら」

春川(ああもう、天海が変なこと言うから妙に意識しちゃうじゃんか…)カァ
164 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/28(月) 03:07:10.27 ID:99oQu2LSO

テロップ【14日目・未明】


─超高校級のメイドの研究教室─


洗濯機「」ゴウンゴウン…

洗濯機「」ピー ピー ピー

入間(…終ったか)パカッ

入間(ブツを回収したら洗濯機の電源を切って、後は寄宿舎に帰るだけだな)ピッ
165 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/28(月) 03:19:47.05 ID:99oQu2LSO

─寮エントランス前─


入間(全く、なんでオレ様がこんなコソコソしなくちゃならねーんだ)

入間(もうさっさと部屋に戻って少しでも睡眠を…)

???「あっれー?こんなところに肉便器が落ちてるぞ!」

入間「ひゃあぁん?!」ビクビクゥ

入間「お、王馬…こんなところで何してんだよ」ガクブル

王馬「そういう肉便器ちゃんは?」

入間「オレ様が何してようが勝手だろ…」

王馬「じゃあ質問を変えようか。キミがその手に持っているプールバッグの中身は、最原ちゃんの穿いた水着だよね?」

入間「なっ、なんでそれを」

王馬「図星みたいだね」

入間(コイツ、カマかけやがったな…!)

王馬「もうやっちゃったことは仕方無いし、それを大人しくこっちに渡せば許してあげるよ」

入間「なんだよぉ…ど、どういう意味だよ」

王馬「それ、盗んだんでしょ?」

入間「!ち、違…そうだ、これは拾ったんだよ!」

王馬「オレにそんなバレバレの嘘吐くなんて、いい度胸してるね」

入間「た、頼むよぉ…見逃してくれって…」

王馬「嫌だ」グイッ

入間「やだっ…取らないでぇ」ググ…

王馬「いいから離せ」グイグイ

入間「なんだよ…なんでお前がそんなに怒るんだよぉ…」グググ…

王馬「離せって言ってんだよ!」ガシッ

入間「痛っ!…髪の毛引っ張んなぁ!」

???「入間さん!王馬君!」
166 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/28(月) 03:39:00.01 ID:99oQu2LSO

王馬「…ゴン太」

入間「デ、デカチン…いいとこに来たな。とっととオレ様を助けろ!」

ゴン太「えっと…これはどういう状況なの?」

入間「この当て馬がオレ様の大事な物を奪ろうとしてんだよ…」

王馬「そもそも入間ちゃんが盗んだ物でしょ?」

入間「で、でもぉ…アタシ、これが無いと…」

王馬「で?ゴン太はどうしてここに?」

ゴン太「外で虫さんを探してたんだよ。太陽が出ている間は寝ている虫さんもいるからね。そしたら、入間さんの悲鳴が聞こえてきて…」

入間「…なるほどな」

ゴン太「ねぇ王馬君…入間さん困ってるみたいだし、あんまり頭ごなしに怒らないでもっとよく話を聞いてあげたら?」

王馬「お前は入間ちゃんがこれを使って何したか、想像出来ないからそういう風に言えるんだよ」

ゴン太「その中には何が入ってるの?」

王馬「最原ちゃんの水着だよ」

ゴン太「えっ?!なんで入間さんがそんな物を持ってるの?!」

王馬「盗んだんだってさっき言ったじゃん」

入間「でもぉ、これは違くて…」

王馬「違うって言うなら、その中身を見せてくれないかな」

入間「うぅ…つ、つーか違うんだよ…これはなんにも関係無いんだってぇ」

王馬「今更そんなレベルでごまかそうとするんだ?」

ゴン太「結局どういうことなのか全然解らないよ…王馬君は入間さんが悪いことをしたから怒ってるの?」

王馬「まあそういうことだね」

入間「そうじゃねーよぉ…アタシ悪くないもん…」グスッ

ゴン太「だったらゴン太に詳しい事情を話してくれない?」

入間・王馬「…………」

ゴン太「…ゴン太には話せないようなことなの?」

王馬「そうだよ。デリケートな問題なんだから首突っ込まないで」グイッ

入間「止めて…もう止めてよぉ」

王馬「うるさい」ドンッ

入間「やっ…!」ドテッ

王馬「モノクマ!ちょっと来て!」

モノクマ「はーい」ヒョコッ

ゴン太(モノクマって呼べば来るんだ…)

王馬「これ処分しといて」ポイ

モノクマ「え、本当にいいの?」キャッチ

王馬「いいから」イラッ

モノクマ「はいはい、仰せのままに」ヒョコッ

ゴン太「…行っちゃったね」

入間「……」ボウゼン

王馬「はい、これで一件落着」

入間「うぅ…ひっく…」ポロポロ

入間「もう帰る…」フラッ

ウィーン
167 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/28(月) 03:49:28.17 ID:99oQu2LSO

ゴン太「…王馬君。ゴン太は本当になんにも解らないんだけどさ、それでもひとつだけ言いたいことがあるんだ」

王馬「何?」

ゴン太「キミは嘘を吐いたりイタズラをしたりしてみんなを困らせても、他人に暴力を振るったことは無かったよね?」

ゴン太「女性の髪を強く引っ張って、思い切り突き飛ばして、挙げ句には泣かせるなんて…どんな事情があったとしてもやっちゃいけないと思うし、キミらしくもないよ…!」

王馬「……」

ゴン太「ねえ、キミは一体どうしちゃったの?」

王馬「…そんなの、オレにも解らないよ」ボソ

ゴン太「え?」

王馬「オレ、そろそろ寝るから」

ゴン太「でも…」

王馬「じゃあね」

ウィーン


王馬(オレらしくない、か…)
168 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/28(月) 04:04:04.94 ID:99oQu2LSO

テロップ【一方その頃…】


─隠し部屋─


???「ただいまー」ヒョコッ

???「おかえり。…ねぇちょっと訊きたいんだけど」

???「うん?」

???「王馬君、なんか情緒不安定過ぎない?」

???「あー、それは好感度操作ライトの副作用みたいなものじゃないかな」

???「そんなのあったの?」

???「最原クンのことが絡むと思考力が低下したり、メンタルが弱体化したりするんだよ」

???「なるほど、そうでもないとあの人のあの行動とかちょっと違和感あるしね」

???「そういうこと。今後の布石のためにもこういうのは早めに説明しておかないとね」

???「ならもっと早い段階で言うべきだったんじゃ…」
169 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/28(月) 04:14:46.55 ID:99oQu2LSO

今日の投下お終いです。
「まどマギって確か、攻撃的な性格の娘ほど変身後は露出度高い恪好になるんだっけ?」と書きながら思っていたのですが、これ多分まどマギ全然関係無いフリゲの設定ですね。
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 04:26:00.52 ID:9qce9GRL0
確かに金髪巨乳だが、白銀に赤松がマミさんと属性かぶってるって言われるとちょっと穿った見方をしてしまうな
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 05:24:11.18 ID:RAjpwYt/O
おつー
毎度和やかな空気と不穏な空気の格差が凄いな
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 10:24:34.87 ID:o8YTowDtO
おっつ
なんとなく>>1って成田作品好きそうな気がする
173 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/30(水) 01:01:24.77 ID:5DEkIcxSO

レスありがとうございます。

>>170
そう言えばどっちもぽっちゃりネタ弄りされがちなキャラだよなー、とか思ってないですよ。

>>171
メリハリって大事ですよね。

>>172
2のおまけノベル(ダンガンロンパIFでしたっけ)を書いた方ですよね?
デュラララくらいしか知りませんが群像劇と言えばその人というイメージがあります。
174 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/30(水) 01:03:20.86 ID:5DEkIcxSO

テロップ【14日目・朝】


─食堂─


王馬「……」モクモク

最原(今日はなんだか元気が無いな…最後に会った時はいっそ怖いくらいご機嫌だったのに)

王馬「最原ちゃん」

最原「あ、うん」

王馬「昨日穿いた水着、誰かに盗まれたりしなかった?」

最原「えっ?」ドキ

最原(もしかして王馬くん、入間さんが僕のプールバッグを持っているところを偶然見ちゃったとか?だとすれば、入間さんのことだし要らぬ言い訳で余計に話が拗れてそうだな…)

最原(余り気は進まないけど、下手な誤解をされるよりは正直に話した方がいいか)

最原「誰にも言わないって約束してくれるかな」

王馬「うん」

最原(これは本当…というより、そもそも嘘を吐く余裕が無いって感じだな)

最原「昨日の朝、入間さんに呼び出されたことは話したよね。実はその時に…なんていうか、その」

王馬「襲われかけたんでしょ」

最原「…知ってたの?」

王馬「いつかそうなるような気がしてたんだよ。だから行かなくていいって言ったのに」

最原(そういえばそんなこと言ってたかも)

最原「結局未遂で事無きを得たんだけど…夕方頃、また入間さんが部屋を訪ねてきてさ。なんでか僕がプールで遊んだのを知ったみたいで、使った水着とかがあれば譲って欲しいって言ってきたんだ」

王馬「それで渡したの?」

最原「うん、勿論いい気はしなかったけど直接被害が及ぶよりはマシだと思って」

王馬「…へえ、そうだったんだ」

最原(納得して貰えたかな?というより、こうとしか説明しようがないから分かって貰えないと困るんだけど…)

王馬「ごちそうさま」ガタッ

最原「もういいの?まだ残ってるけど」

王馬「うん、食欲無いし…じゃあね」

ギイッ バタン

最原(王馬くん、どうしちゃったんだろう…)
175 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/30(水) 01:51:31.11 ID:5DEkIcxSO

テロップ【14日目・午前】


─校舎玄関付近─


天海「最原君、ちょっといいっすか?」

最原「天海くん。どうしたの?」

天海「以前、赤松さんがああなってしまった原因について心当たりがあるって言ったのは憶えてるっすか?」

最原「!…勿論だよ」

天海「やっと確信が持てたのでその件についてお話し出来そうなんすよ。今からちょっとお時間頂けます?」

最原「…僕も君に聞いて貰いたいことがあるんだ。場所は僕の研究教室でいい?」

天海「はい、分かったっす」


─超高校級の探偵の研究教室─


天海「まずは俺からいいっすか?」

最原「うん、なんとなくその方がよさそうな気がするし…お願い」

天海「了解っす」

カクカクシカジカ

天海「…という訳っす」

最原「なるほど、そういうことだったんだね」

天海「あんまり驚かないんすね」

最原「実は真宮寺くんが言ってたんだよ。赤松さん達が変わってしまったのは誰かに心を弄られたせいなんじゃないかって。何か根拠があったとかじゃなくて、そうとしか考えられないからっていう理由だったんだけど」

最原「だとすれば、そんなことをするのは番組スタッフくらいしかいないとは思ってたんだ」

天海「真宮寺君、人間観察が趣味だなんて言うだけあるっすね。お役に立てなかったようで残念っす」

最原「そんなことないって。具体的な理由が判明したお陰で仮説が裏付けられたんだから、これは大きな収穫だよ。天海くん、教えてくれてありがとう」

天海「…畏れ多いっす」

最原(それにしても、天海くんの話を聞く限り彼自身も赤松さん達と同じ状態なんだよな?そんな風には見えないけど…まあ、ライトの効果には人に依って違うみたいだしな)

天海「それで、最原君の話はなんなんすか?」

最原「単なる憶測でしかないんだけど…いや、だからこそキミの意見を聞きたいんだ」

最原「研究教室の殆どは11日目に解放されて、今では誰でも自由に入れるけど…それは裏を返せば、僕や春川さんの研究教室に置いてある毒薬や武器を誰でも持ち出せるようになってしまったってことでもあるよね」

最原「危険物を捨てようとしてもモノクマが邪魔してくる辺り、これが単なる不用心ではなくて意図的なものであることは疑いようが無い」

天海「問題になってくるのは、その意図がどういったものであるかってことっすね」

最原「それでさ、天海くんは番組スタッフが最初は僕たちに何をやらせようとしていたか、憶えてる?」

天海「…コロシアイ、っすよね」

最原「モノクマは確か、コロシアイは中止してその代わりに恋愛観察バラエティをやるって言ってたよね」

最原「そして、曰くマンネリ防止のために10日で終わるはずだった番組は今もこうして続いている。すると、10日目にキミたちがモノクマーズに何かされたのはマンネリ防止措置…所謂テコ入れってやつだったんだと思う」

最原「天海くん、ここまで言えば解るかな?」

天海「つまり…俺たちの誰かが人間関係トラブルに因る殺傷事件を起こすよう、スタッフが仕向けていると最原君は考えているんすね」

最原「うん、その通りだよ。恐らくこの番組は元はと言えば、僕たちを閉じ込めて脅した上でバトルロワイヤルとかデスゲームをさせるものだったんじゃないかな」

天海「そんなものを好んで見る人間がいるのかとか、そもそも放送出来るのかとか疑問は残るっすけど…有り得ない話ではないような気がしてきたっす」

最原「ここに連れて来られてからは、僕たちの常識を越えたことばかりだったからね…」

最原「元々僕たちにそんなことをさせようとするスタッフと視聴者なら、痴情の縺れの果てに刃傷沙汰っていうのを望んでも可怪しくはないよね」
176 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/30(水) 02:35:04.68 ID:5DEkIcxSO

天海「…それで、どうします?」

最原「無駄かも知れないけど、取り敢えずモノクマを問い詰めて…」

モノクマ「問い詰めて、どうするの?」ヒョコッ

最原「うわあぁぁぁ?!」ビクゥ

天海「何しに来たんすか?」

モノクマ「キミたち、どうせ僕のとこに来るつもりだったんでしょ?こっちから態々足を運んであげたんだから感謝してよね」

最原(まあ、確かに話は早いっちゃ早いかな…)

モノクマ「キミたち、ボクに言いたいことがあるんじゃないの?」

最原「この際だからさっさと言うけど…赤松さんたちを元に戻せ」

天海「番組側が俺らにしたこと、そしてその目的も判ってるんすよ」

モノクマ「ふーん、それで?」

最原「それでって…」

モノクマ「あのね、視聴者の意向で決まったことを番組スタッフがどうこう出来る訳無いの。なんてったって視聴者アンケートは絶対だからね」

天海・最原「……」

モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!まあ薄々判ってたみたいだけど、言うだけ無駄だったね!」ヒョコッ


最原「えっと…改めて、どうしようか」

天海「危ぶまれるのは奴らが更に何か仕掛けてくる可能性っすね」

最原「だったらまずはこの事実を周知させるべきかな」

天海「そうっすね、みんなが原因を把握しているだけでも混乱は幾らか抑えられるでしょうし、今まで以上にモノクマたちに対する警戒を怠らないよう呼び掛ける必要がありそうっす」

最原(しばらく天海くんと今後の対策を練った)

天海「…まあ、こんなもんすかね。すっかり話し込んじゃったっすけど、それなりに実のある時間になったと思うっす」

最原「じゃあそろそろ寮に戻ろうか」

天海「はい、そうしましょう」


─寮エントランス─


最原(天海くんも赤松さんたちと同じだと聞いた時、ここ最近の天海くんの言動で何か妙だったところは無いかと考えた。結果、彼の行動でひとつだけ引っ掛かる点があったんだけど、さっきはなかなか切り出すことが出来なかった)

最原(本人に訊くなら…今しか無いよな?)

最原「ねぇ天海くん」

天海「はい?」

最原「昨日、入間さんから僕を助けてくれた時なんだけどさ…キミはどうして体育館に来たの?」

天海「…ああ、そのことっすか。校舎の1階をぶらついていたら女子のものらしき悲鳴が聞こえたんで、念のため様子を見に行ったんすよ」

最原(悲鳴っていうか奇声って感じだったけどね…)

天海「そうしたら体育館から助けを呼んでも無駄とか脱がせるとか聞こえてきて、これは穏やかじゃないなと。そう感じて突撃したんす」

最原「そうだったんだ。なんていうか、その節はどうもありがとうね」

天海「いえいえ、最原君のピンチとあらば駆け付けない訳にはいかないっすよ」

最原(…ん?今の発言、何か違和感が…)

天海「それじゃあ、俺はこれで」

最原「…あ、うん。じゃあね」
177 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/30(水) 02:42:22.59 ID:5DEkIcxSO

>>153
訂正

×キーボ(東条さんは厨房ですか…とにかく、行ってましょう)

○キーボ(東条さんは厨房ですか…とにかく、行ってみましょう)

それと、訂正って程ではありませんが>>161の場所は寄宿舎の中です。
178 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/30(水) 02:44:58.00 ID:5DEkIcxSO

今回の分終わりです。
すでんぺわれこして寝ます。
179 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/30(水) 02:56:33.53 ID:5DEkIcxSO

>>175
寝るって言った矢先にアレですが訂正

×最原(それにしても、天海くんの話を聞く限り彼自身も赤松さん達と同じ状態なんだよな?そんな風には見えないけど…まあ、ライトの効果には人に依って違うみたいだしな)

○最原(それにしても、天海くんの話を聞く限り彼自身も赤松さん達と同じ状態なんだよな?そんな風には見えないけど…まあ、ライトの効果は人に依って違うみたいだしな)
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 06:55:13.19 ID:pa1cnSzq0

盗聴器がバレるのも時間の問題っすね
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 15:03:46.84 ID:kTJKDKkvo

頼れる存在だと思っていたら一番怖いぞこの男
182 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/01(金) 12:13:39.25 ID:2hPtj/VSO

レスありがとうございます。

>>180
なんで体育館なんかに行ったんすかね?(すっとぼけ)

>>181
協力的なのはいいんですけど程度問題ですよね。
183 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/01(金) 12:18:41.18 ID:2hPtj/VSO

テロップ【百数十分前】


─超高校級の発明家の研究教室─

入間「んー」

キーボ「どうしたんですか?」

入間「お前のボディを磨いてやろうかと思ったんだけどよ…ピッカピカじゃねーか」

キーボ「東条さんに奇麗にしていただいたばかりですからね」

入間「あのメイドババアにベタベタ触らせたのかよ」ムッ

キーボ「ただの掃除ですよ。入間さんのメンテナンスとは訳が違いますって」

キーボ(東条さんがボクに触れたのは必要最低限でしたからね)

入間「お、おう…そうかよ。へへっ、やっぱ俺様は特別なんだな」テレテレ

キーボ(突然不機嫌になったり照れ出したり…感情の動きが不可解ですね)

キーボ「それより、今回ボクを誘ったのは残りの味覚センサーを取り付けるためですよね?」

入間「ああ。今回の改造でお前は人間と同じように味覚を体感出来るようになる」

キーボ「とうとう…ですね」

入間「これ以上待たせちまうのもなんだし早速取り掛かるか」

キーボ(作業が終わるまでずっと、お互い無言で過ごしました。入間さんは口さえ開かなければ美人なんですから、常に黙っていればいいのに…でも大人しい入間さんなんて最早入間さんじゃないのかも知れません)

入間「よし、完成だ。もう口動かしていいぞ」

キーボ「やっとですか…これで食べ物の味が判るようになったんですね」

入間「次はセンサーが正常に機能するか確認しないとな。準備するからちょっと待ってろ」

キーボ(間も無くして入間さんはあるものを手に戻ってきました)

キーボ「しょうが湯ですか」

入間「一度飲んでみたいって言ってたからな」

キーボ「憶えていてくださったんですね」

入間「まあな」

キーボ「舌を少し浸ければいいんでしたよね。では、頂きます」ペロ

キーボ(仄かな甘さとしょうが独特の風味、そして軽微な刺激を感じました。恐らくこれが辛いという感覚なのでしょう)

キーボ「美味しいです…なんだかしみじみする味ですね」

入間「センサーに異常は無さそうだな。ま、オレ様の発明品にそんなもんある訳ねーけど」
184 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/01(金) 12:30:08.53 ID:2hPtj/VSO

キーボ「そもそも入間さんは、どうしてボクにこんな機能を付けようと思ったんですか?」

入間「えっと…話しても笑わない?」カァ

キーボ「内容にも依るところですが努力します」

入間「…人間ってのは単純な生き物でな、例えば旨い飯を食っただけでちょっと幸せになれたりすんだよ。その幸せをお前と分かち合えないのが…なんていうか、寂しいような気がしたんだ」

キーボ「入間さん…」

入間「あーもう、この話は終わりだ終わり。キーボ、食べ物か飲み物を舐めた後はちゃんとシートで舌を拭いとくんだぞ。ちょっと薬臭いけど我慢しろよ」

キーボ「判りました。…あの、今日は本当にありがとうございました。センサーを造るのだって大変だったでしょう?」

入間「んなこたねーよ。天才のオレ様にかかればちょちょいのちょいだ」

キーボ(入間さんはこう言っていますが、彼女が最近忙しそうにしていたのってセンサーを造っていたからですよね)

キーボ「お礼という訳ではないのですが…これ、受け取ってください」

つがんじがらめブーツ

入間「!」

キーボ「気に入っていただければいいんですけど…」

入間「凄い…嬉しい!」

キーボ(入間さんはプレゼントに目を輝かせると再びボクの方を見て笑顔になりました)

入間「…ありがとう。大切にするね?」

キーボ「」キュンッ

キーボ(そうか…こういうことだったんですね百田クン!)キュンキュン

キーボ(ボクが内なる声に頼らずプレゼントを選んだのは百田クンのアドバイス通りにしたからであって、これもある意味ではボク自身の意志に依るものとは言い難いです)

キーボ(しかし今、ボクは自分でプレゼントを選んで贈ってよかったと心から思っています。百田クンの言葉の本当の意味がやっと解ったような気がします)

キーボ(…また一歩、人間に近づくことが出来たでしょうか?)
185 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/01(金) 12:57:52.60 ID:2hPtj/VSO

─キーボの部屋─


ピンポーン

キーボ(こんな中途半端な時間に一体誰が…)

ガチャ

王馬「やあ」

キーボ「お、王馬クン?」

王馬「何?その、チョコレートが落ちてると思って近付いてみたらゴキブリの死骸だったみたいな顔」

キーボ「その例えがなんなんですか。意味不明ですよ」

王馬「ごめんごめん、物を食べられないキー坊に解る訳無かったよね」

キーボ「確かにものを食べることはまだ出来ませんが…ボクは今日入間さんに味を判別する機能を付けて貰ったんです。飲食が可能になるのも時間の問題ですよ」

王馬「ふーん、そうなんだ。それよりその入間ちゃんのなんだけどさ、なんか最近様子が変じゃない?」

キーボ「そうですね…やはり王馬クンも気になりますか?」

王馬「それ、多分モノクマのせいだよ」

キーボ「ボクがそんな話を信じるとでも?」

王馬「なら入間ちゃんに直接訊いてみればいいよ。最近モノクマーズに変なことされなかったかってさ」

キーボ「……」

王馬「で、どうするつもり?このまま捨て置いていいの?」

キーボ「それは…」

王馬「もしどうにかするつもりがあるなら、オレに協力してくれないかな」

キーボ「今度は何を企んでいるんですか?」

王馬「そういうんじゃないって。ただモノクマにされるがままっていうのもなんか癪じゃん?オレも当事者だからさ」

キーボ「当事者?どういう意味ですか?」

王馬「あーあ、やっぱりロボに人の心の機微なんて判らないんだね」

キーボ「またロボット差別ですか。いい加減にしてください」

王馬「判らないなら判らないで別にいいよ。で、オレに協力してくれるの?」


王馬の申し出を受けますか?
安価↓1
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 13:06:11.51 ID:sqh8PHZb0
受ける
187 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/01(金) 18:17:45.09 ID:2hPtj/VSO

>>185
訂正

×王馬「ふーん、そうなんだ。それよりその入間ちゃんのなんだけどさ、なんか最近様子が変じゃない?」

○王馬「ふーん、そうなんだ。それよりその入間ちゃんなんだけどさ、なんか最近様子が変じゃない?」
188 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/01(金) 18:19:50.10 ID:2hPtj/VSO

キーボ(内なる声は受けるべきだと言っていますが…)

キーボ「協力するのは別に構いませんが、ひとつ約束して欲しいんです」

王馬「何?」

キーボ「入間さんに危害を加えるような真似だけはしないでください」

王馬「大丈夫だよ、そんな事態はオレだって極力避けたいし」

キーボ(絶対にやらない、とは言わないんですね。出来ない約束はしないということなのかも知れませんが…)

キーボ「もし彼女に何かあったら、その舌引っこ抜いて微塵切りにしますからね」

王馬「怖いなあ。入間ちゃんの口の悪さが移ったんじゃないの」

王馬「で、結局引き受けてくれるの?」

キーボ「…分かりました。いいですよ」

王馬「よかった。お陰で少しは楽出来そうだよ」

キーボ「と、言いますと?」

王馬「キー坊が協力してくれなかったらその時はひとりでなんとかしてたってことだよ」

キーボ(これは…王馬クンを見張るという意味でも受けて正解でしたね)

キーボ「結局、ボクは何をすればいいんですか?」

王馬「うーん、立ち話もなんだし取り敢えず部屋に入らせてよ」

キーボ「そういうのは普通、こっちが言う科白でしょう…まあいいですけど」
189 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/01(金) 18:24:13.96 ID:2hPtj/VSO

安価ありがとうございました。
今日の投下はここまでです。
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 12:30:54.34 ID:PBKqvitPO

ここの入間とキーボは絆MAXかな
191 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/05(火) 23:11:48.27 ID:F3eGhjNSO

レスありがとうございます。

>>190
発明家とロボという関係上10日目の時点で既にそこそこ仲はよかったのですが、ライトを浴びた入間がキーボに思わせ振りな態度を取り始めて以降、キーボも入間を意識するようになり急速に距離が縮まっていった感じです。
192 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/05(火) 23:15:23.26 ID:F3eGhjNSO

テロップ【数十分前】


─超高校級の美術部の研究教室─


アンジー「あぁぁ、うっ、あっ!ん、ふあっ、あぁぁぁ!」ガリガリ

夢野(今日もアンジーが神様に身体を貸しているところをこうして見ておる)

夢野(流石にもう慣れたが、髪を振り乱し甲高い声を上げ全身を使いながら作品を創る姿を初めて見た時は驚いたものじゃ)

夢野(単に大きな丸太でしかなかったそれが、アンジーの手に依って何かしらの意味を有する形のものに変わっていく…今回はどうやら彫刻らしい。観たところ、トーテムポールを創ろうとしているようじゃな)

アンジー「んぅ、はあぁぁん!…ああっ…あ…」ガリッ

アンジー「…ふー」ダツリョク

夢野「もう止めてしまうのか?」

アンジー「んー、なんか神様が調子悪いからもう寝るってさー」

夢野「最近の神様は不調続きじゃのう」

アンジー「しょうがないからお話でもしよっかー」

夢野「なんの話をするんじゃ?」

アンジー「うーん、そうだなー…ねぇ秘密子、今回は神様じゃなくてアンジーの話をしてもいい?」

夢野「ウチはどちらでも構わんぞ」

アンジー「…アンジーはね、ちょっと前まで終一と一緒だと胸の辺りがあったかくてぽわぽわしていい気持ちになれたんだー。最初は終一のことを気に入ってる神様が喜んでくれてるからアンジーも気持ちいいのかなって思ってたんだけど、その内アンジー自身が終一といるのが好きなんだって気付いたんだよねー」

夢野「でも、今は違うんじゃな」

アンジー「そうなんだよー。今は終一のことを考えただけでいらいらしていがいがして…とにかく嫌な気分になっちゃうんだよねー」

アンジー「あの時のぽわぽわ、どこに行っちゃったのかなー」

夢野「…アンジーは寂しいんじゃろう?」

アンジー「神様と秘密子がいるから寂しくはないよー」

アンジー「あ、ちなみに秘密子と一緒だとほのぼのするんだー」

夢野「さっきから擬態語ばかりで随分感覚的じゃな」

アンジー「にゃははー、芸術はフィーリングが大事だって神様が言ってたからねー」

夢野(最原の傍には常に誰かがおるが…神様を除けばアンジーにはもうウチぐらいしかおらんのじゃな。やはり、ウチが今アンジーから離れる訳にはいかんな)

夢野(…しかし、本当にこのままでいいんじゃろうか?)
193 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/05(火) 23:26:35.75 ID:F3eGhjNSO

テロップ【14日目・昼】


─食堂─


ギィッ

赤松「あーお腹空いたぁ」

茶柱「赤松さんですか。お先にお邪魔してます」

星「よお、いいところに来てくれたな。流石にこいつとふたりきりは気不味かったんだ」

茶柱「こっちの科白です!何はともあれ、女子が来てくれて本当によかったです」

星「…やっぱり俺は席を外した方がよさそうだな」ガタッ

赤松「折角なんだし星くんも一緒にお昼食べようよ」

茶柱「転子としては赤松さんがいさえすればどっちでも構いませんが」

赤松「絶対みんなで食べた方が美味しいからさ。ね?」

星「……分かったよ」ストン

茶柱「それより赤松さん、聞いてくださいよ!アンジーさんが酷いんです!」

赤松「またアンジーさんと何かあったの?」

星「というより、例の如く茶柱がほぼ一方的に目の敵にしている状態だな」

赤松(なんだかんだで星くんにはもう話したんだ…手当たり次第に愚痴を溢してるのかな)

茶柱「あのですね、昨日の午後に夢野さんを誘ったら『アンジーさんも一緒じゃないと駄目だ』と言われてしまったんです。最初は夢野さんがそう言うならと思ったのですが、どうもアンジーさんが夢野さんを束縛しているようでして」

赤松「束縛って…確かに最近はずっとふたりでいるみたいだけど」

茶柱「アンジーさん曰く『モノクマーズに変なことをされないように見張ってる』とのことでしたが、そんなの転子が夢野さんをお守りすればいいだけの話じゃないですか!しかしそう言っても彼女は納得してくださらなかったんです」

赤松「…モノクマーズ?」

茶柱「そこに反応するんですか?確かにモノクマーズと言っていましたよ」

赤松(もしかして、アンジーさんも…)

星「赤松、どうかしたのか?」

赤松「あ…ごめんね、ぼーっとしちゃって。あんまり気にしないで」

茶柱「しかし本当に酷い話ですよ。全人類の宝である夢野さんを独占するなんて!」

赤松「で、結局3人で遊んだの?」

茶柱「遊んだといいますか、アンジーさんから延々と神様の話を聞かされ続けました。夢野さんも一緒でなければどれだけ苦痛な時間だったか判りませんよ」

赤松「それでも夢野さんといたかったんだね…」

茶柱「ふたりきりにさせて貰えないのは癪でしたが、ふたりきりにしてしまうのはもっと癪だったので」

星「…やっぱり殆どやっかみだな」

赤松「うーん、だよね」
194 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/05(火) 23:35:20.65 ID:F3eGhjNSO

茶柱「それにしても、少し前までは最原さんに絡みに行くことの方が多かったのに、どうして今では夢野さんに掛かりっきりになってしまったんでしょうか?」

星「言われてみれば、アンジーはここ数日で急に最原への関心を失くしたように見えるな」

赤松「あの…多分、なんだけどさ」

茶柱「はい?」

赤松「アンジーさんも私と同じなんだと思う」

星「どういう意味だ?」

赤松「実は、こういうことがあって…」

カクカクシカジカ

赤松「…それで、アンジーさんは彼を避けてるんじゃないかな」

茶柱「俄には信じ難い話ですが他に原因も考えられませんし…きっとそのライトのせいなんでしょうね」

星「アンジーは、モノクマーズのせいで夢野に嫌われ避けられるようになる可能性を恐れているんだろうな」

茶柱「でも、アンジーさんは夢野さんのことを信者のひとりとしか思っていなかったのでは?」

赤松「この学園の中でアンジーさんの言う神様に対してまともに興味を示したのって夢野さんぐらいだもの、なんだかんだで彼女のことは気に入ってると思うよ。誰だって慕われて悪い気はしないはずだしね」

赤松「それに…アンジーさんはきっと、最原くんの件で大切な人を失うことの怖さに気が付いたんだよ」

赤松「好きだった人を自分の意志とは無関係に嫌いになっちゃうのって、大切な人をひとり失うのも同然なんだよ。そんな辛い体験をしたら、もう2度と同じ思いはしたくないって考えて当たり前でしょう?」

赤松「だから、ちょっと過敏になってる部分もあるんじゃないかな」

茶柱(赤松さん、アンジーさんと自分の境遇を重ねてるんですかね…)

赤松「……」

赤松「…ごめん、ちょっと気分が悪くなったからお手洗いに行ってくるね」ガタッ

茶柱「あっ…ごめんなさい、あの人のことを思い出させてしまって」

赤松「ううん、私が勝手に思い出して勝手に辛くなっただけだから」

赤松「直ぐ戻ってくるつもりではあるけど、なんなら先に食べちゃってて」

茶柱「はい、分かりました」

赤松「じゃあまた後でね」

ギイッ パタン

星(会いたい人が近くにいるのに会うことが出来ないっていうのは…それはそれで、俺には想像も付かないくらい辛いことなんだろうな)
195 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/05(火) 23:37:01.74 ID:F3eGhjNSO

投下終了です。
今回は無駄に難産でした。
196 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/07(木) 12:40:45.82 ID:NNofOFWSO

テロップ【14日目・午後】


─超高校級のメイドの研究教室─


洗濯機「」ゴウンゴウン…

コンコン

東条「どうぞ入って」

ガチャ

最原「こんにちは東条さん。キミを誘いに来たんだけど、今って忙しいかな」

東条「あら、貴方だったの。まだ仕事の途中だから少し待って貰うか他を当たってくれないかしら?」

最原「それじゃあここで待ってるよ」

東条「分かったわ。この辺りの篭に入っている服を洗濯機に掛け終わるまで待っていてちょうだい」

パカッ

東条(?…この洗濯機、中に紫の汚れが付着しているわね)

東条(紫といえば昨日王馬君と最原君が使った後のプールが紫と青の食紅で汚れていた…確か色水を弾にして水鉄砲で撃ち合ったと王馬君が言っていたはず)

東条(王馬君の水着には青い色水が染み込んでいた。だとすると、この汚れは最原君が自分で洗うと言っていた彼の水着のもの?)

東条(でも最原君が勝手にここの洗濯機を使うはずがないし…)

東条「ねぇ最原君」

最原「どうしたの?」

東条「貴方、昨日水着を誰かに盗まれたりしなかったかしら」

最原「え?!あの、それは…」

東条「どうやら心当たりがあるようね」

最原(入間さん、王馬くんといい東条さんといいバレバレみたいだけど大丈夫か?こっちとしても大事になるような事態は避けたいし、頼むから気を付けてくれよ…)

最原「えっと…色々事情があって詳しくは話せないんだけど、盗まれた訳じゃないから安心してよ」

東条「…ならいいのだけれど」

東条(最原君の言葉が本当かは判らないけど、本人がああ言っている以上は首を突っ込むべきではないわね)

東条(…取り敢えずこっちの洗濯機は後で奇麗にするとして、今は他のを使いましょう)

197 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/07(木) 12:47:13.72 ID:NNofOFWSO

テロップ【数分後】


洗濯機「」ゴウンゴウン…

最原「終わったかな」

東条「ええ。待たせたわね」

最原「こっちが好きで待っただけなんだけどね」

東条「それで、今回はどうして私のところに?」

最原「実は、いつもみんなのために頑張ってくれてる東条さんにお礼がしたくてさ。特にプランがあったりする訳じゃないんだけど、今日は僕がキミのために何かしようと思ったんだ」

東条「何度も言うようだけどメイドが周囲の人間に尽くすのは当たり前のことよ。だから、そういうのは却って決まりが悪いわ」

最原「だったらこれも依頼だと思ってよ。東条さんのためと言いつつ結局は僕がそうしたいだけだからさ」

東条「そこまで言うなら…分かったわ」

最原「まずはこれを受け取って欲しいんだ」

つキラッと光るシート

最原「前にあげた時も喜んでくれたし、沢山あって困るものでもないと思ったんだけど…」

東条「ありがとう。丁度以前貰った分を使い切ったところだったのよ」

最原「それはよかった。…後、もうひとつ」

つクリスタルバングル

東条「貴方が私にアクセサリーなんて珍しいわね」

最原「東条さん、仕事道具をあげた時が一番喜んでくれるから贈り物をしようと思うとついそういうものばかり選んじゃうんだけど…やっぱりキミも女の子だし、偶にはね」

東条「…そう。嬉しいわ」フフッ

最原「うーん、でも仕事をする時邪魔になりそうだしあんまり着けたりとかは出来ないかな?」

東条「そうね。でも、その代わり大切に取って置くことにするわ」

最原「そっか、ありがとう」

東条「贈った方がお礼を言うなんて変よ」

最原「そうかな。プレゼントしたものを大切にするって言われたら嬉しくなるものだよ」

東条(…こちらとしてはやはり決まりが悪いのだけれどね)

東条「ねぇ最原君、今日は貴方が私のために何かをしてくれるのよね?」

最原「そうなんだけど、何をするかはまだ特に決めてなくて…」

東条「だったら客人を持て成す練習に付き合ってくれないかしら。こういうのは人形相手だと実際の場合と勝手が違って物足りないのよ」

最原「それっていつもと変わらないような気がするんだけど…」

最原(そもそも東条さんぐらいのレベルになるとそんなのはもう必要無いんじゃないか?)

東条「まさか。だって、お持て成しじゃなくてお持て成しの練習なのよ?」

最原「いまいち腑に落ちないけど…それがキミの役に立つっていうならやってみるよ」

東条「ええ、お願い」
198 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/07(木) 12:56:20.72 ID:NNofOFWSO

テロップ【十数分前】


キーボ(手持ちのプレゼントが少なくなってきたので、その辺りに落ちているコインを拾って購買部のガチャガチャを回してきました)

キーボ(今回は誰と過ごしましょうか?)


誰を誘いますか?(人物指定・東条と最原と王馬と入間は実質除外)
相変わらず夢野とアンジーはセットです。
安価↓1
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/07(木) 12:59:43.09 ID:Upc+A2zj0
茶柱
200 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/07(木) 13:02:07.74 ID:NNofOFWSO

安価ありがとうございます。
短いですが今日の投下は終わりです。
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 11:02:04.68 ID:U5OlwaYDO
おつです
あちこちで色んな思惑が動いていて面白いな
202 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/10(日) 21:30:26.88 ID:zA7LPqNSO

レスありがとうございます。

>>201
当たり前のようですが15人もの人間(+αでロボも)がいればそれぞれ15通りの立場や考えがあるものですよね。
203 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/10(日) 21:31:30.60 ID:zA7LPqNSO

─プール前─


茶柱「……」

キーボ「茶柱さん、心なしか元気が無いようですけど何かありましたか?」

茶柱「キーボさん…やはり判ってしまいますか?」

キーボ「もしよかったら相談に乗りますが」

茶柱「そうですね、今はとにかく誰かに話して少しでもこのもやもやを発散させたいんです。よろしくお願いします」


─超高校級の合気道家の研究教室─


キーボ(しばらく茶柱さんから愚痴を聞かされ続けました…が、その中で思わぬ情報を手に入れることが出来ました)

キーボ「つまり、赤松さんが最原クンに嫌悪感を示すようになったのはモノクマーズに妙なライトの光を浴びせられたのがきっかけで…アンジーさんも同じことをされた可能性があると」

茶柱「アンジーさんの場合はまだ本人に確認を取っていないのであくまで可能性なんですがね。しかしそう考えると夢野さんに関する彼女の言動にもなんとなく説明が付くんです」

茶柱「説明が付いたところで、じゃあそれで納得出来るのかっていうとまた別な訳ですけど」プンスコ

キーボ「もしかすると、それは嫉妬という感情ではありませんか?」

茶柱「うぐっ…なかなか痛いところを突きますね」グヌヌ

茶柱「しかしそういうことは余り面と向かってずけずけ言うべきではないですよ」

キーボ「そうですか…それは失礼しました」

茶柱「あなたはロボットなので多少無神経なのは止むを得ないとして、次からは気を付けてくださいね」

キーボ「…茶柱さんまでロボット差別をするんですか?」

茶柱「悔しかったらもっと空気を読めるようになってください」
204 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/10(日) 21:40:44.36 ID:zA7LPqNSO

茶柱「ところでキーボさん。あなた、何か悩みを抱えているのではありませんか?」

キーボ「悩みですか…確かにちょっと引っ掛かっていることはありますが」

茶柱「先程は転子の話を聞いていただいたので、今度はキーボさんのお悩みをどうにかする番ですね」

茶柱「という訳でキーボさん、大人しく転子に投げられてください!」

キーボ「なぜそうなるんですか?!」

茶柱「転子は投げた相手の心を読むことが出来るという特技を持っているのです」

キーボ「合気道の域を軽く越えた技ですね…」

茶柱「当然です。ただの合気道ではなくネオ合気道ですから」

キーボ「それはボクにも通用するんですか?」

茶柱「判らないから試してみたいんです!」ウズウズ

キーボ「結局茶柱さんが投げたいだけでしたか」

茶柱「駄目でしょうか?」

キーボ「いえ、茶柱さんの特技がボクにも効くのかどうかは気になるところですし、寧ろこちらからお願いしたいくらいです」

茶柱「了解です!では失礼して…キエェェェ!」ブンッ

キーボ「うわっ?!」ドテッ

キーボ「いたた…茶柱さん、どうでしょう?」

茶柱「読めました…なんの問題も無く、普通の人間と全く変わらずに…」

キーボ「本当ですか?!」

茶柱(ここまでくると最早転子が凄いのかキーボさんが凄いのかよく判りませんね)

茶柱「あの…キーボさん、最近恋をしていますよね?」

キーボ「えっ、いやそんなことは無いですよ?!確かに気になっている人はいますが…」

茶柱「キーボさんがそう言い張りたいのであれば別にそれで構いませんよ。とにかく、あなたは誰かに対して初めてそういう気持ちを懐いて、今は不安で堪らないんですよね。その人に好かれている自信が無いのでしょう?」

キーボ「…ええ、大体そんなところです」

茶柱「好きな人が出来るとちょっとしたことで大きな喜びを感じられるようになりますが、その喜びは耐え難い苦しみと表裏一体です。これは本当にどうしようもないことなのです。要するに…」

キーボ「茶柱さん」

茶柱「はい」

キーボ「アナタは要するに『フラれてもめげるな』と言いたいんですね?」

茶柱「……早速読めるようになってきたじゃないですか、空気」

キーボ「なぜでしょう、余り嬉しくはないですね」

茶柱「誰もがそういう経験を積み重ねて大人になっていくんです」

キーボ(茶柱さんから空気を読む術について説かれたりしながら過ごしました)
205 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/10(日) 21:50:07.22 ID:zA7LPqNSO

キーボ「あの、この後用事があるのでボクはそろそろ失礼させていただきます」

茶柱「そうですか…まだ喋り足りない気分ですがご用向きとあらば引き止められませんね」

キーボ「今日はありがとうこざいました。これ、よろしかったらお近付きの証しとしてどうぞ」

つトレーニングウェア

茶柱「おお、これはいいものですね!やはりキーボさんは見た目はともかく中身はそこらの男死とは一味違いますね」

キーボ「ボクに性別の概念をどこまで適用するかというのは難しい問題ですが、取り敢えずお褒めに与り光栄です」

茶柱「では、転子は少し自主トレをしてから戻ることにします」

キーボ「はい、お先に失礼します」

ギイッ バタン

キーボ(ボクも早く用事を済ませて帰りましょうか)


─寄宿舎の中─


ピンポーン

入間「だ、誰だ?」ガチャ

キーボ「入間さん、ちょっといいですか?」

入間「キーボじゃねーか。どうしたんだ?」

キーボ「実はふたりだけで話がしたいんですけど…今この場でだと誰かに聞かれてしまうかも知れないので、夜10時半頃に校舎1階の倉庫に来ていただけませんか?」ヒソヒソ

入間「え?そんな遅い時間に人気の無いところに呼び出すって、もしかして…」

キーボ「嫌なら断っても構いませんが」

入間「絶対行く!」

キーボ「分かりました。ではまた後程お会いしましょう」

入間「ああ、またな」

パタン

キーボ(…さて、王馬クンは上手くやってくれるでしょうか?)
206 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/10(日) 22:00:13.82 ID:zA7LPqNSO

テロップ【一方その頃…】


─校舎玄関付近─


最原(東条さんにお礼をするつもりだったのに、結局いつもと何も変わらなかったな)

最原(彼女にとってはそれが一番いいってことなのかな?)

???「あっ」

最原(!今の声は…)

赤松「……」

最原(やっぱり赤松さんだ)

最原「あの…」

赤松「」クルッ

赤松「」タッタッタッ…

最原(やっぱり駄目みたいだな…赤松さんが声を掛けられても無視して逃げるって相当だぞ。判りきっていたことではあるけど改めてショックだ…)

最原(今はその視界に入っただけで彼女を苦しめてしまう。一体、僕はどうすればいいんだろう?)
207 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/10(日) 22:05:41.70 ID:zA7LPqNSO

>>205
訂正

×ギイッ バタン

○ガラッ ピシャン

投稿した後に茶柱の研究教室の扉が引き戸っぽいことに気付くという…。
208 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/10(日) 22:10:33.09 ID:zA7LPqNSO

今回の投下終了です。
改めて今までに投稿した分を見返すと誤字・誤変換・表記揺れ等が酷くて書き直せないのが辛いです。
どこまで訂正すべきなのか…。
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/10(日) 22:11:59.50 ID:2upoiRc3o
全然気付かなかったからいちいち訂正しなくても平気よ
内容に関わる重大なミスの時だけでいいと思う
210 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/13(水) 02:30:08.90 ID:4AJjG/BSO

レスありがとうございます。

>>209
アドバイスありがとうございます。結局は投稿する前に確認しろよって話になるんですけどね。
211 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/13(水) 02:32:03.82 ID:4AJjG/BSO

テロップ【14日目・夜】


─倉庫─


入間「」ソワソワ

ギイッ

入間(来た…!)

王馬「あれ、入間ちゃんじゃん。こんなところでどうしたの?」

入間「ひぃっ?!な、なんでお前がここに…」ビクビク

王馬「既視感のあるやりとりだねー。オレは落とし物を捜しに来ただけだよ」

入間「はぁ…そうかよ」

入間(…こいつさっさとどこかに行かねーかな)

王馬「そうだ入間ちゃん、昨夜…いや、今朝かな?とにかくその折はごめんね」

入間「なんだよ藪から棒に」

王馬「これでも反省してるんだよ。流石にオレも怒り過ぎちゃったし」

王馬「だからといってキミのしたことを完全に許した訳じゃないけど」ボソ

入間「え?」ゾクッ

王馬「まあキミに酷いことをしたのには変わり無いから、そこは謝らないといけないなって思っただけだよ」

入間「別にいらねーよ、そんなの」

入間(却って気味わりーし)

王馬「なんだよー、折角こっちが下手に出てるっていうのにさー」スッ

入間「そんなのテメーが勝手にやってるだけじゃねーか…つーかなんだよそれ」

王馬「ジッポライターだよ。足許が暗いからこれを灯りにするんだ」チンッ カシャン

入間「だったら懐中電灯とかでいいだろうが…」

王馬「それより入間ちゃんさあ、モノクマーズに妙なことをされてから大きな心境の変化があったんじゃない?」

チンッ カシャン チンッ カシャン チンッ カシャン

入間「天海のヤローにも似たようなことを訊かれたけど、それがどうかしたのかよ」

入間(こいつ、なんでジッポの蓋を開けたり閉めたりしてんだ?)

王馬「キミはそれで平気でいられるの?いいように心を操られてムカついたりしないの?」

チンッ カシャン チンッ カシャン チンッ カシャン

入間(なんか…ジッポの音と王馬の言葉がやけに頭に響いて…)ボンヤリ

王馬「人の気持ちを好き勝手に弄り回すのも、それを黙って見過ごすのも間違ってるよ」

チンッ カシャン チンッ カシャン チンッ

王馬「ね、そう思わない?」

シュボッ

入間「…!」

王馬「オレたちは本来の心を取り戻さないといけない。そう思うよね…入間ちゃん?」

ジジ…

入間「……」ボー

王馬「よし、掛かったみたいだね」ニヤリ

王馬(京都弁喋れなくても結構なんとかなるもんだな)カシャン
212 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/13(水) 02:42:40.82 ID:4AJjG/BSO

王馬「入間ちゃん、いい子だからオレの質問に正直に答えて」

入間「……」コクリ

王馬「キミはキー坊が好きなんだよね?」

入間「うん…アタシのダーリン…早く会いたい…」

王馬「じゃあ最原ちゃんは?」

入間「最原のことを考えると…【ピーー】が疼いて…それでアイツをめちゃくちゃに【ズキュン】て【バキュン】したくなって…」

王馬「分かった、一旦黙って」

王馬(一応確認のために訊いたけど、止めきゃよかったかな)チッ

王馬「じゃあ今度はちょっと時間を遡ってみよっか。…まずは4日前まで。さて、キミはどこにいる?」

入間「寄宿舎の部屋…アナウンスで体育館に呼び出された…でもアタシはそれどころじゃなくて、部屋に篭っ」

王馬「後数時間くらい遡って。モノクマーズに何かされたでしょ?」

入間「モノクマーズ…ピンクのライト…アレのせいで身体が熱く…」

王馬「その前後に違う色のライトを当てられたりしてない?」

入間「赤いライト…モノクマにやられた…」

王馬「やっぱオレが浴びたのと同じやつか」

王馬(ここまでは単なる確認でしかない。本番はこっからだね)

王馬「今度はその1日前まで遡ってみよう。キミはどこで何してる?」

入間「アタシの部屋の中…ひとりで発明品のアイディア練ってる…」

王馬(これで入間ちゃんは擬似的にライトを浴びていない時の状態に戻ってるはず)

王馬「キミが好きな人は誰?」

入間「キーボ…アタシはずっと前からアイツのことが…」

王馬「!」

王馬(どういうことだ?入間ちゃんってライトを浴びるまでは最原ちゃんが好きだったんだよね?少なくともキー坊に気がある素振りは一切見せてなかったし)

王馬(ていうか人じゃないじゃん、キー坊。いやそんなことはどうでもいいんだけど)

王馬(ひょっとしたら深層心理に影響が及ぶレベルで心が作り替えられつつあって、もうこんな小細工は通用しないとか?)

王馬(そう言えばオレも、最原ちゃんに対する感情を無理矢理捩じ曲げられたことに関して、ライトを浴びたばかりの時はまだ違和感が強かったけど、今ではそうでもないっていうか…寧ろ『以前から自分はこうだったんじゃないか』と錯覚しそうになる時すらある)

王馬(あれ?もしかするとライトを当てられてから時間が経過する程ヤバいんじゃ?)

王馬(…取り敢えず駄目元でもうちょい戻してみるか)

王馬「入間ちゃん、更に9日前に遡るよ。この学園に来る前だね。キミはどこにいる?」

入間「…どこ?…ここは暗くて何も見えない…アタシの姿すら…誰?…アタシはまだ何者でもない…」

王馬(言ってることが急に支離滅裂になった。失敗か?)

王馬「これ以上やっても意味は無さそうだね。…14日後の今に帰って来て。オレが手を叩いたらキミはいつも通りの入間美兎だ。いいね?」

王馬「1、2の、3」パン

入間「あれ、オレ様は今まで何を…」ハッ

王馬「入間ちゃん、ぼーっとしてたみたいだけど大丈夫?」シレッ

入間「んー、なんか記憶が曖昧なんだよな」

王馬「じゃあオレは他のところを捜しに行って来るねー」

入間「そういや捜し物がどうとか言ってたな。結局見付けられなかったのかよ」

王馬「…うん、まだ当分見付かりそうにないや」
213 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/13(水) 03:30:50.77 ID:4AJjG/BSO

─キーボの部屋─

ピンポーン

キーボ(王馬クンが用事を済ませて戻ってきたのでしょうか?)

ガチャ

王馬「終わったよー」

キーボ「どうでした?」

王馬「特に有用な情報は獲得出来なかったかな」

キーボ「…ところで王馬クン」

王馬「うん、何?」

キーボ「赤松さんやアンジーさんではなく、どうして入間さんだったんですか?」

王馬「あ、もうそこまで知ってるんだ」

キーボ「知ったのはキミに話を持ち掛けられた後ですがね」

王馬「…言っちゃえばさ、オレも入間ちゃんも赤松ちゃんもアンジーちゃんも同じなんだよ」

キーボ「ということはキミもライトの光を当てられたんですね」

キーボ(正直そんな風には見えませんけど)

王馬「そう。で、オレはこのままではいたくないの。だから共通の症状が出てる入間ちゃんに催眠を掛けてヒントを得ようと…」

キーボ「共通の症状とは?」

王馬「えー、そこまで言うの嫌だよ、オレ。後は自分で考えて」

キーボ「…分かりました」

王馬「ねえキー坊」

キーボ「なんでしょう」

王馬「キミはさ、入間ちゃんに元に戻って欲しいの?」

キーボ「…戻してあげたいとは思っていますよ。入間さんの意志にも依りますが」

王馬「答えになってそうでなってない気がするけどまあいいや。早く倉庫に行ってあげなよ、入間ちゃん待ってるから」

キーボ「しかし意外ですね。どちらかといえば彼女のことは時間にルーズな方だと認識していたので」

王馬「約束は10時半だっけ?まだ20分くらい余裕あるよね」

キーボ「とにかく急いで行ってきます。入間さんの無事をこの目で確かめなければなりませんし」

王馬「たはー、オレってほんと信用無いんだね!」

キーボ「日頃の行いが行いですから。では、ボクはこれで」
214 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/13(水) 04:45:07.82 ID:4AJjG/BSO

─倉庫─


ギイッ

キーボ「入間さん、もう来てたんですね」

入間「おう、オレ様にこんな贅沢な時間の使わせ方をさせるのなんてテメーくらいだな」

キーボ(どうやら王馬クンの舌を切り刻む必要は無さそうですね)

入間「そんなことより、今のオレ様を見て何か気付かねーか?」ソワッ

キーボ(今の入間さんがどうかしたのでしょうか?ちょっと記憶の中の彼女と比べてみましょう)

キーボ(……)CPUシコウチュウ

キーボ「ブーツ、ですか?」ハッ

入間「ああ。貰ったやつ早速履いてみたんだけど…どうだ?」テレッ

キーボ「はい、とてもよく似合っていますよ」

入間「へへっ、そうだろうな。この超イカしたブーツがオレ様に似合わねー訳ねーからな」

キーボ「気に入っていただけたようで何よりです」

入間「それで、話っていうのはなんなんだ?」

キーボ「そうですね、まずは質問に答えて欲しいのですが…」

入間「ああ、いいぜ」

キーボ「アナタは最近、モノクマーズに妙な光を浴びせられませんでしたか」

入間「何かと思えばまたその話か。なんかいろんな奴に代わる代わる訊かれんだよな。…確かにやられたぜ。ついでに言うとモノクマにもな」

キーボ「やはりそうですか。では、もうひとつ…」

キーボ「入間さんは、ボクが好きなんですか?」

入間「!…卑怯だぞ、そういうの」カァ

キーボ「この場合、卑怯というのはどういう意味でしょうか」

入間「せめて自分の気持ちを言ってから訊けっつってんだよ」

キーボ「そうですね、メンテナンス等でお世話になっていますし入間さんには感謝しています。言動に辟易させられがちですが、最近はそういう部分も含めて可愛らしいと思うことが偶にあります」

入間「割りと当たり障りの無い言い方だな」

キーボ「これが今のボクの素直な気持ちですよ」

入間「キーボにとってアタシはその程度なの…?」ボソッ

キーボ「何か言いましたか?」

入間「…話が終わったんなら帰りてーんだけど」

キーボ「そうですか。態々呼び出してすみませんでした」

入間「じゃあ、また明日な」

キーボ「お気を付けて」

ギイッ パタン


キーボ(一体どこまでが入間さんの本当の気持ちで、どこまでがそうじゃないんでしょうか?…ただでさえ人の感情に疎いボクには難し過ぎる問題です)
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/13(水) 12:22:35.47 ID:qJVCFR6qO
このSSもっと評価されて欲しいな
216 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/13(水) 23:40:38.74 ID:4AJjG/BSO

レスありがとうございます。

>>215
ではもっと評価されるように頑張りますね。
217 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/13(水) 23:58:51.65 ID:4AJjG/BSO

寝オチして投下終了宣言し損なってました…。続きはまた後日更新します。

ついでにちょっと独り言。
ジッポ催眠は王馬がライトの使用対象に指定されなかった場合の出番確保用のネタとして考えていたものだったのですが、どうしても書きたかったので結局書いてしました。これだけでこのスレを建てた意義の3割は果たしたようなものです。

ではドリエル飲んで寝ます。
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/14(木) 10:01:52.14 ID:CKHF+Idk0
入間が浴びたのはピンクのライトとモノクマの赤いライトだよね
ピンクが性的に最原を好きになる、モノクマーズの赤は最原を好きになるだけど、モノクマの赤いライトは違うのかな
219 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/17(日) 02:01:41.98 ID:h7yy2gFSO

レスありがとうございます。

>>218
モノクマーズが使った赤ライトとモノクマが使った赤ライトが似て非なる物であることは>>24でモノクマが明言しています。
モノクマの赤ライトの具体的な効果については、現時点で十分察しは付くかと思いますが作中でもう少しはっきりさせた方がいいですかね?
220 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/17(日) 02:05:39.43 ID:h7yy2gFSO

テロップ【数十分後】


─最原の部屋─


最原(トレーニングで無茶なメニューをこなしたのは一昨日振りか…疲れたな)

最原(シャワーを浴びるのは明日の朝でいいとして今日はもう寝ようか)

最原「そうだ、その前にアレを…」

最原(確か机の引き出しのどこかに仕舞ってたはず)ガサゴソ

最原「あ…あった」

愛の鍵「」

最原(これを使うと、学園にいる誰かと同じ夢を見ることが出来るんだよね?)ウロオボエ

最原(その誰かが誰になるのかは決められないし実際に使うまで判らないらしいけど、僕は可能性に賭けてみることにした)

最原(夢の中でいいから、また赤松さんと一緒に過ごしたいんだ)

最原(まあ今回は駄目でも2回3回と繰り返せばいつか会えるかも知れないし。出来ればこれで来て欲しいけどさ)

最原(取り敢えずやってみないことには始まらない。…まずはこれを枕元に置けばいいんだよね)スッ

最原(後はベッドに入って寝るだけだ)モゾモゾ

最原(疲れてるせいか、いい感じに眠くなってきた…ありがとう、百田く…)スヤァ

最原「」zzz

最原「あかまつさん…」ムニャ


……

…………

……………………
221 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/17(日) 02:10:46.84 ID:h7yy2gFSO

─ラブアパートの中?─


赤松「……」

最原(嘘だろ…願ったり叶ったりではあるけど幾らなんでも出来過ぎじゃないか?)

最原(よく考えたらこのアイテムってモノクマが用意した物なんだよな。もしかして罠か?そういえば夢の中でも赤松さんから拒絶される可能性を考えてなかったな…)

赤松「最原くん」

最原「あっ、うん」ドキ

最原(赤松さんは僕の名前を呼ぶとこちらにゆっくり歩み寄って来た)

赤松「」ジー

最原(こんなに近付いて大丈夫なのかな?)

赤松「」ガバッ

最原「うわ?!」

最原(…いきなり抱き着かれた。赤松さんは顔を僕の肩に埋めているのでその表情を見ることは敵わない)

最原(彼女の髪が首筋から滑り落ちて、白い項が露わになる。見たところキモいブツブツは無いようだ)

最原「えっと、赤松さん?」

赤松「…このままで」

最原「え?」

赤松「このままでいさせて…」

最原「……」

最原(肩の辺りがじんわりと温かく湿るのを感じて何も言えなくなってしまった。その代わりという訳ではないけど、赤松さんの背に腕を回して強く抱き締め反す。少しでも長く、彼女を夢の中に留めようとするかのように…)


……

…………

……………………
222 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/17(日) 02:15:54.91 ID:h7yy2gFSO

テロップ【15日目・朝】


─最原の部屋─


キーンコーンカーンコーン

モノクマーズ『おはっくまー』

モノキッド『才囚学園放送部からお知らせだぜ!』

モノファニー『朝時間になったわ。よい子はもう起きる時間よ』

モノダム『今日モ1日、仲良ク過ゴソウネ』

最原「…ん」モゾ

最原(もう朝か)ムクリ

最原(夢の中で赤松さんと会えたこと、現実と違って普通に話せたことはなんとなく憶えてるけど、具体的に何が起こったかまでは思い出せない…そこはやっぱり夢なんだな)

最原(目が覚めたら、もう赤松さんとは…)

最原「……」

最原「…シャワー浴びよう」
223 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/17(日) 02:26:36.94 ID:h7yy2gFSO

テロップ【十数分後】


─食堂─


赤松「キーボくん、食べ物の味が判るようになったんだって?」

キーボ「はい、実はそうなんです!皆さんが口を揃えて美味しいと言う東条さんの朝食が楽しみです」ウキウキ

入間「これからはオレ様の飯を少し分けてやるつもりだ」

アンジー「キーボと美兎は最近いい感じだねー。仲良きことは美しきかなって神様が言ってるよー」

真宮寺「神様も請け売りをするんだネ…」

入間「へへっ、そう思うか?電波痴女も偶にはイイこと言うじゃねーか」テレッ

王馬「でもまだまだ食べることは出来ないんでしょー?」

キーボ「…なんでしれっと王馬クンがいるんですか」

星「王馬はここ数日は1時間遅い時間に朝食を食べてるんだったよな」

王馬「うーん、やっぱりお腹空いちゃうし朝ご飯は出来るだけ早く食べたいなって」

夢野「今更じゃな」

東条「困ったわね。朝食の用意を13人分しかしていないわ」ヒョコッ

茶柱「あ、東条さん」

百田「つまりこの中のひとりは食べられねーっつーことか?だったら誰かが終一と」

天海「それなら俺は後でもいいっすよ。最原君と一緒に食べることにするんで」ガタッ

王馬「……」

東条「…そう。分かったわ」

天海「あ、その前にちょっと連絡事項があるんで聞いて貰えないっすか?」

春川「連絡事項?」

天海「食べながらでも構わないっすけど、大事な話なんでちゃんと聞いてくださいよ」

カクカクシカジカ

天海「…てな訳で、モノクマやモノクマーズには今まで以上に用心するように。もしそれでも新たに被害者が出たとしたら、周りの人は落ち着いて対応して欲しいっす」

白銀「なんだか地味に物騒で怖いなあ…」

ゴン太「ゴン太、みんなを守れるように頑張るよ!」

天海「じゃあ、俺はこの辺で」
224 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/17(日) 03:50:36.91 ID:h7yy2gFSO

茶柱「すみません…ちょっとお手洗いに」ガタッ

ギイッ パタン

夢野「……」ソワソワ

キーボ「夢野さんもトイレに行きたいんですか?」

夢野「んあっ?!…あー、そうじゃ、そうなのじゃ」

春川「キーボ、この場に茶柱がいなくてよかったって思えるくらいにはデリカシーの無い発言だよ、それ」

夢野「では、ウチも行ってくるかの」ガタッ

アンジー「秘密子ー、ひとりで大丈夫ー?」

夢野「直ぐに行って直ぐに戻れば平気じゃろう」

真宮寺「天海君にあんな話を聞かされた直後で不安になる気持ちも解るけど、トイレは目と鼻の先だからネ」

アンジー「んー、じゃあ気を付けてねー」

夢野「ああ、心配には及ばん」


─1階女子トイレ─


ギイッ

夢野「転子!」

茶柱「夢野さんですか?まだ転子が使っていない個室が空いているはずですが…」

夢野「そうではない。取り込み中にすまないがお主に話があるんじゃ」

茶柱「…ちょっと待ってくださいね」

ジャー… ガチャッ

茶柱「話というのはなんでしょうか?」キュッ ジャー パシャパシャ

夢野「うむ。実は最原に伝えて欲しいことがあるのじゃ」

茶柱「最原さんに?なんでまた」キュッ

夢野「今、ウチはアンジーから最原接近禁止命令を出されておるからの。…転子にしか頼めないことなんじゃ」

茶柱「そういうことでしたらこの転子にお任せください」フキフキ

夢野「おお!心強いのう。頼んだぞ、転子」

茶柱「それで、最原さんに何を伝えたいんですか?」

夢野「そもそもウチがアンジーの傍から離れられなくなったのは、王馬がそう仕向けたせいらしいのじゃ」

茶柱(あの男死が元凶だったんですね…)

夢野「5日程前から、アンジーは最原の話をするとどことなく嫌そうな顔をするようになったんじゃ。それどころかアンジーのいないところでウチと最原が話すことにすら難色を示す始末でな」

茶柱「やはり天海さんが言っていたモノクマーズのライトのせいでしょうか?」

夢野「今にして思えばそうなんじゃろうな。…そして3日前のことじゃ。ウチは久々に最原からデートに誘われての。最原とふたりで過ごせばアンジーがどう思うかは容易に想像出来たが、あやつから久々に誘われたことが嬉しくてウチは首を縦に振ったんじゃ」

夢野「同じ日の夜、アンジーから呼び出されて最原と会っていたことを咎められた。その上で『これからはアンジーが神様と一緒に秘密子を見張る』と言われてしまっての」

夢野「しかし、詳しくはウチには判らないんじゃが…アンジーの話を聞く限りでは、ウチと最原が一緒にいたことを告げ口したのも四六時中ウチを見張るよう提案したのもどうやら王馬らしくてな」

夢野「王馬が何を考えて動いているのか見えないのはいつものことではあるが、今回ばかりは嫌な予感がしての。最原には『王馬に気を付けろ』と伝えて欲しいんじゃ」

茶柱「なるほど…それにしても、確かに王馬さんの行動原理は謎ですね」

夢野「案外、ウチらの仲のよさに嫉妬したのかも知れんな」

茶柱「それは流石に無いんじゃないでしょうか…」

茶柱(夢野さんがアンジーさんに拘束されては元も子もありませんからね)

夢野「そうかのう?」
225 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/17(日) 04:38:02.34 ID:h7yy2gFSO

茶柱「夢野さん」

夢野「うむ、なんじゃ?」

茶柱「夢野さんは、また最原さんと会えるようになりたいんですよね」

夢野「ああ…そうじゃな」

茶柱(なんだか歯切れが悪いですね)

夢野「しかし、最原はどうなんじゃろうか?」

茶柱「…!」

夢野「ウチが隣にいなくても他の誰かがいるからきっと寂しくはなかろう」

夢野「なあ転子、ウチは本当に最原にとって必要な人間なんじゃろうか?」

茶柱「…そんなの転子に解りませんよ」

夢野「そうじゃろうな…こんな話を聞かせてしまってすまな」

茶柱「でも、いないよりはいた方が断然いいに決まってます」

夢野「……」

茶柱「最原さんだって夢野さんに会えなくて寂しくない訳が無いんです。だって、夢野さんは唯一無二の人間で代わりは誰にも務まらないんですから。あなたにとっての最原さんもそうなんでしょう?」

茶柱「だからきっと…どうにかしましょう、この現状を」

夢野「具体的にどうすればいいかまでは思い付かないんじゃな」

茶柱「うぅ、返す言葉も無いです…」

夢野「じゃが、少しだけ元気が出た。感謝するぞ、転子」

茶柱「いっ…いえ、勿体無いお言葉です…」テレッ

茶柱「あの、転子はそろそろ失礼しますね」

夢野「余り長居するとアンジーに怪しまれるからのう。ウチもついでに用を足したら戻るとするか」

茶柱「はい、ではまた」

パタン


茶柱(今になって夢野さんの問い掛けに対して『転子にとって夢野さんは必要な存在です』と答えた方がよかったような気がしてきました…)

茶柱(しかし夢野さんは全人類の宝ですから、やっぱり抜け駆け乃至それに準ずる行為は控えるべきですよね。だからこれでよかったんです、きっと)

茶柱(まあ、どちらにせよ転子のやるべきことは決まっています)

茶柱(転子は、夢野さんの笑顔のために尽力するのみです)

226 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/17(日) 04:43:49.02 ID:h7yy2gFSO

>>174
訂正

×王馬「昨日穿いた水着、誰かに盗まれたりしなかった?」

○王馬「昨日穿いた水着、入間ちゃんに盗まれたんじゃない?」

後から見返したら、東条にもほぼ同じように訊かれてるのにそっちには黙ってるのが不自然過ぎたので…。
227 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/17(日) 04:48:06.68 ID:h7yy2gFSO

今日の分終わりです。
最原と仲良くしていた夢野に嫉妬した、という発想は茶柱には無い。
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/17(日) 12:05:55.96 ID:g6rEhDKaO
乙です
ここの夢野は面倒臭がらず頑張ってるな
あと前の告白以降天海の動向が気になって仕方がないw
229 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/21(木) 20:30:49.20 ID:oGyZx4TSO

レスありがとうございます。

>>228
スレ主は本編4章以降の頑張ってる夢野が好きなので…。
ま、(状況が状況だし)多少はね?
230 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/21(木) 20:32:46.16 ID:oGyZx4TSO

テロップ【約一時間後】


─食堂─


ギイッ

最原「おはよう、王馬くん…あれ?」

天海「おはようございます」ニコニコ

最原「なんで天海くんが?」

天海「王馬君が『やっぱり今まで通りの時間に食べたい』って言い出したんで代わりに来たんすよ。突然のことで東条さんは13人分の食事しか作ってなかったようでして」

最原「そうなんだ…」

天海「王馬君のことが気になるっすか?」

最原「まあね…単純に言動が妙だというのもあるけど、何より彼は例のライトを浴びているらしいから」

天海(それを言うなら俺もそうっすけどね)

最原「それに王馬くん、昨日の朝会った時元気が無さそうだったし心配なんだよね」

天海「今日食堂に来た時は全然いつも通りに見えたっすよ」

最原「でも王馬くんだからなあ」

天海「まあそうっすね。この場合はどっちなんでしょう」

最原「朝食を食べたら様子を見に…でもアンジーさんの時みたいに避けられそうだな」

天海「結局どうするんすか?」

最原「後でゴン太くんに話を聞いてみようかな」

天海「それがよさそうっすね。…ところで最原君、午後からで構わないんでちょっとお時間頂けません?出来れば作戦会議をしたいんすけど」

最原「作戦会議?」

天海「昨日は殆ど今後の現状維持に話が終始しちゃったじゃないっすか」

最原「それはそれで必要な話ではあったけどね」

天海「だから今度はみんなを戻すにはどうすればいいのかっていうことについてちゃんと考えた方がいいと思ったんす」

最原「なるほど…そうだね」

最原「……」

天海「最原君、何か気になることでも?」

最原「え?いや…キミの意見には全面的に賛成なんだけど、なんていうかその口振りだと他人事みたいっていうかさ」

天海「と言うと?」

最原「…ねぇ天海くん、キミ自身は元に戻りたいって思わないの?」

天海「俺は今のままでも特に困らないっすよ」

最原「だったらなんで…」

天海「最原君は赤松さんたちとまた前のように仲良くしたいんすよね?」

最原「うん、勿論だよ」

天海「なら理由はそれで十分っす」

最原「…そっか」

最原(天海くん、赤松さんたちと比べれば一見普通っぽいけど…この強烈な違和感はなんだ?)
231 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/21(木) 20:42:21.17 ID:oGyZx4TSO

テロップ【十数分後】


最原「ごちそうさまでした」ガタッ

最原「それじゃあまたね、天海くん」

天海「はい、また後ほど」

ギイッ パタン

天海「……」

天海(さて、最原君も行ったことだしさっさとアレを回収しないと)ガタッ

天海(王馬君が最原君とふたりで朝食を食べると言い出したらしいと聞いた時は不安しか無かったっすけど…杞憂に終わってよかったっす。コレは結果的に思わぬ方向で役に立ったっすね)ゴソゴソ

ギイッ

天海「!」

東条「食器を片付けに来たのだけれど、そろそろ食べ終わったかしら」

天海「ああ、東条さんでしたか。申し訳無いんすけどもう少し待って…」スッ

東条「天海君、今ポケットに入れた物を見せてちょうだい」

天海「……」

東条「観念なさい。人に見られては困る物だと既に自白しているに等しいのだから」

天海「気付いてたんすか?」

つ盗聴器

天海「…そう言えば、東条さんは毎日隅々まで食堂を掃除しているんでしたっけね」

東条「誰がどうして仕掛けたのか判らなかったから少し泳がせておいたの。貴方がこのタイミングで回収に来たことで目的も大体察したわ」

東条「怪しいと睨んではいたけど、まさか本当に天海君だったとはね」

天海「どうやら最初から疑われてたみたいっすね」

東条「盗聴器の出所は入間さんの研究教室?」

天海「ええ、こっそりひとつ拝借して来たっす。…それで、どうするんすか」

東条「どうするってどういうこと?」

天海「俺を煮て食うのか焼いて食うのかって訊いてるんす」

東条「貴方のことは別にどうもしないわよ。ただ、ひとつ忠告したいの」

天海「…忠告ね」

東条「誰かのために何かをしてあげたいと思うこと自体は決して悪くないのよ。でも天海君の場合は既に常識的な範囲を越えている。貴方、下手すればいつか最原君を潰すわよ。他でもないその好意で以てね」

天海「お言葉っすけど、キミに何が解るんすか?」

東条「今の天海君のどういったところがどうして駄目なのかってことくらいなら判るわ。私も過去に同じ失敗をしたことがあるから」

天海「俺はキミじゃない」

東条「ええ、そうね。でもそうじゃないの。他山の石という言葉があるでしょう?」
232 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/21(木) 20:52:24.61 ID:oGyZx4TSO

東条「…後、念のためひとつ訊いていいかしら」

天海「なんでしょう?」

東条「最原君の水着を盗んだの、流石に貴方じゃないわよね?」

天海「……あー、そんな風に思われてるんすか」

東条「申し訳無いけど完全には否定しきれないわね」

天海「心外っす。俺はひた向きに彼を慕っているだけっす」

東条「いずれにしても貴方の最原君に対する執着は異常よ」

天海「執着なんて…そんなんじゃないっすよ。勘違いしないで貰いたいのは、俺の最原君に対する感情は恋や性欲とは無縁でどこまでも純粋なものってところっす」

天海「誰よりも彼の近くにいたくて、少しでも長く彼の視線を留めておきたくて、彼のためならなんでもしてあげたい…それだけなんすよ」

東条「……」

東条(どういうことなの…脳が理解することを拒んでいる…彼は一体何を言っているの?)コンラン

東条「つまり…水着泥棒は天海君じゃないってことでいいのかしら?」

天海「当然っす。それと、キミがどうして最原君の水着が誰かの手に渡ったことを知ってるのかは判らないっすけど、その件は一応もう解決してるんで心配には及ばないっす」

東条「何故貴方がそんなことを知っているの?」ウタガイノメ

天海「最原君と王馬君が話しているのを聞いたんす」

盗聴器「」

東条「……なるほどね」

東条(天海君が嘘を吐いているようには見えないし多分水着を盗んだのは彼ではないんでしょうけど…気持ち悪いことには変わり無かったわね)
233 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/21(木) 21:01:59.01 ID:oGyZx4TSO

テロップ【十数分後】


─1階・2階間の階段─


最原(中庭や寄宿舎にゴン太くんはいなかった。他に彼がひとりで行きそうな場所と言ったら自分の研究教室くらいしかないけど…)

???「」タッタッタッ…

ドンッ

最原「うわっ」

???「あ痛っ」

最原「ごめん、大丈夫?」

最原(ぼんやり考えごとをしていたせいで、誰かと階段の踊り場で擦れ違い様にぶつかってしまった。謝ろうと顔を上げると、そこにいたのは…)

最原「あ」

アンジー「お、終一だー」

最原「アンジーさん…」

最原(赤松さんのような判り易い拒絶反応は無いけど、恐らくアンジーさんもライトの影響で僕から距離を置いている。それはつまり、僕の存在が彼女に不快感を催させる可能性が高いということだ)

最原(アンジーさんには色々と訊きたいことがあるけどそういう訳にもいかなさそうだし、ここは黙って立ち去るしか無いか)

アンジー「」クイ

最原(…と思ったその時、いきなり服の裾を掴まれ軽く引っ張られた)

最原「アンジーさん?」

アンジー「」ジー

最原(こちらの心中を他所にアンジーさんは僕の顔をじっと見詰める。彼女にしては滅多に無いくらい真剣な表情だ。…意図が全く読めない)

アンジー「」パッ

最原(しばらくすると、満足したのか飽きたのか服から手を外した)

アンジー「終一」

最原「うん、何かな」

アンジー「どんなに遠く離れても、神様はきっと終一を見守ってるからね」クルッ

タッタッタッ…


最原(…どんなに遠く離れても、か)
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/21(木) 21:05:54.65 ID:xCgoa//90
アンジーの様子がちょっと変わったか?
235 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/09/21(木) 21:07:58.28 ID:oGyZx4TSO

タッタッタ…

アンジー(終一は、一本跳ねた癖毛の天辺から爪先まで相変わらず終一だった。初めて会った時からなんにも変わってない)

アンジー(やっぱり、終一のことを考えるだけで心を紙ヤスリで削られてるみたいな嫌な感じがするようになったのは、アンジーが変わっちゃったせいなんだね)

アンジー(ちょっと前まで終一といるとあったかい気持ちになれたことは確かに憶えてるけど…最近はその感覚を思い出せなくなってきてる)

アンジー(モノクマはアンジーの気持ちを返してはくれないみたいだし、このまま忘れていっちゃうのかな?)

アンジー(でもなんでなんだろうなー。アンジーには神様も島のみんなも秘密子もいるから寂しくなんてないのに)

アンジー(なんだか悲しい、気がする)
236 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/21(木) 21:14:29.84 ID:oGyZx4TSO

>>154
東条のひとり言答え合わせ。


東条「やはり……の……なるわ」

東条「やはり最近の彼の行動は気になるわ」


東条「……君……かも知れない……失敗……止めなきゃ」

東条「あの人はいつか最原君を駄目にしてしまうかも知れない。私と同じ失敗をする前に止めなきゃ」


セコム警察もメイドの立派なお仕事です。
237 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/21(木) 21:19:41.01 ID:oGyZx4TSO

今日の分終わりです。
好感度操作ライトの1番の被害者はある意味天海。
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/22(金) 10:15:56.86 ID:x3zycHZsO
天海が正気に返ったときの反応が気になる
これは間違いなく頭を抱えての悶絶もの
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 17:58:56.08 ID:HVo05EG80
核心を突いてきそうな王馬天海が餌食になったのが面白いな
楽しみにしてます
240 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/28(木) 00:57:02.48 ID:TSBqBInSO

レスありがとうございます。

>>234
アンジーの最原に対する気持ち自体はライトを浴びてから特に変わっていません。
だからこそ彼女なりに思うところが出来たといいますか…。

>>238
出来ればその辺りも書きたいですね。

>>239
実際に餌食になってみなければ分からないこともある…はずです。
王馬は当事者でさえなければ面白がって事態をややこしくしてたと思います。
241 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/09/28(木) 01:07:43.22 ID:TSBqBInSO

前回の書き込みからそろそろ1週間が経ってしまうので生存報告がてらお返事だけすることにしました。
最近は書くペースが遅くてアレなんですが気長に待っていただけると嬉しいです。
242 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/10/04(水) 22:04:47.89 ID:Cag9VAFSO
生存報告。
久々にディスガイア3Rやったら滅茶苦茶楽しくてうっかり時間潰したり、別のSSのネタ思い付いてそっちを書きたい欲と戦ったりしてました。一旦ドツボに嵌まると全く書けなくなるものですね。
オチまでの流れは大体考えてあるので流石にエタることは無い…と思うよ?
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 22:30:51.44 ID:cNN/wZ1sO
乙です
エタらない範囲で好きに書いて欲しいです
244 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/10/11(水) 20:05:04.02 ID:RDZhWeLSO

レスありがとうございます。

>>243
取り敢えずエタらせないように頑張ろうと思います。
245 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/10/11(水) 20:14:38.66 ID:RDZhWeLSO

また生存報告だけというのもアレなので小ネタ投下しておきます。



テロップ【15日目・朝】


─食堂─


入間「あーん」

キーボ「それくらい自分で出来ますよ…恥ずかしいので止めてください」

入間「いいから食え!」ズボッ

キーボ「むぐっ?!」

キーボ「……」モゴモゴ

入間「旨いか?」

キーボ「」チョットマッテクダサイ

獄原「口の中に物が入ってるから喋れないんだね」

東条「キーボ君、キラッと光るシート使う?」

キーボ「」サッ

東条「ああ、ちゃんと自分で持ち歩いていたの」

キーボ「」フキフキ

キーボ「とても美味しいです。それにこれはボク好みの味ですね」

入間「そうだろ?オレ様もこれ好きなんだよな」

赤松(もしかして入間さん、キーボくんが入間さんの好きな食べ物を好むように設定したのかな?)

王馬「それにしてもさ、折角新機能を付けるんなら物の味が判るってだけじゃなくて普通に食べたり飲んだり出来るようにしてあげればよかったのに」

夢野「流石に入間の技術でも厳しかったんじゃろう」

入間「…あんまり認めたくはねーけどその通りなんだよな」

キーボ「ボクの身体は動力とあらゆる機能をこれ以上ないくらいコンパクトに纏めていますからね。皆さんの胃に当たる部分と言いますか、食べたり飲んだりしたものを一時的に溜めておくスペースを確保出来ないんです」

春川「無いなら造ればいいんじゃないの?」

キーボ「しかし造るとなると…」

入間「……」

入間「なあキーボ、お前もっと身長欲しくないか?」

キーボ「脚が長くなるならまだしも胴が伸びるなんて嫌ですよ」
246 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/10/18(水) 03:30:55.40 ID:HS1U8TSSO

生存報告。
そろそろ更新出来そうな気もしますが予定は未定です。
247 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/10/18(水) 18:03:43.08 ID:HS1U8TSSO

─超高校級の美術部の研究教室─


ガチャ

アンジー「ただいまー」

夢野「うむ、おかえりじゃ」

アンジー「トイレくらいそれぞれの階にあればよかったのになー。いちいち1階まで降りなきゃいけないの面倒臭いよねー」

???「こういう時、人間は不便ですね」

アンジー「キーボ、秘密子のこと視ていてくれてありがとうねー」

キーボ「はい、どういたしまして」

アンジー「確か話がまだ途中だったよねー?」

キーボ「いえ、アンジーさんが席を外したのは切りのいいところでしたし、聞きたかったことは粗方教えて貰いましたよ」

アンジー「じゃあなんか他に訊いておきたいこととかあるかな?」

キーボ「では最後にひとついいですか?」

アンジー「もっちもちー。なんでも訊いちゃってー」

キーボ「アンジーさんはモノクマーズのライトを浴びる前の状態に戻りたいと思いますか?」

アンジー「うん、元通りになれるんならなりたいよ。ま、戻れなくても仕方無いかなーって感じではあるけどねー」

キーボ「…そうですか」

キーボ(ボクは入間さんに何をしてあげたいのか、あるいは何をするべきなのか…その答えはまだ見付かっていません)

キーボ(でも、だからといって何もしない訳にはいかない。今のボクにも出来ることがあるはず)

キーボ(まずは入間さんがどういった状況に置かれているのか知ることからです。そのために彼女と同様にライトの影響を受けていると思しきアンジーさんに話を聞いてみたものの、どうやら入間さんとは事情が異なるようですね)

キーボ(本人に聞くのが最も合理的なんでしょうが、こちらから誘っても断られてしまうんですよね…)

夢野「キーボがフリーズしてしまったぞ。処理落ちか?」

キーボ「ちょっと考え事をしていただけです。アナタって偶に結構酷いこと言いますよね」

アンジー「キーボ、聞きたいことは大体聞けた?」

キーボ「あ、はい。ありがとうございました」

アンジー「じゃあ今度は神様の話をしてあげよっかー」

キーボ「そうですね、他に話すこともやることも無いですし」

夢野「ウチも構わんぞ」

アンジー「折角だからキーボもこの機会に入信しちゃおう?」

キーボ「検討させてください」

アンジー「ならキーボをその気にさせるためにも神様のことをいっぱい教えてあげないとだねー」

キーボ(アンジーさんから暫く神様の話を聞かされました。しかしアンジーさん、特に最近は口を開けば神様のことばかりですね…)
248 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/10/18(水) 18:14:25.11 ID:HS1U8TSSO

テロップ【一方その頃…】


─2階廊下─


最原(ゴン太くんの研究教室の前まで来てみたけど…中から話し声が聞こえるな)

???「……は……な人とか……」

???「……よく分からない……家の決めた……がいて……」

???「……の家……なんだっけ」

???「というより……偉い人……」

???「……けど……大丈夫?」

???「……思いだしちゃって……怖かった……」

最原(この声って多分ゴン太くんと王馬くんだよな?流石に張本人がいるのに割って入る気にはなれない…)

最原(取り敢えず今はゴン太くんから話を聞くのは諦めた方がよさそうだ)

最原(そういえば、王馬くんについて何か知ってそうな人がいたんだった。その人を捜しに行ってみよう)


─寄宿舎の中─


ピンポーン

ガチャ

真宮寺「おや、最原君」

最原「真宮寺くん、実はちょっと相談したいことがあるんだけどいいかな?」

真宮寺「へェ…キミが僕に相談事かい。いいヨ、喜んで受けるヨ」

最原「ありがとう」

真宮寺「ここじゃなんだしゆっくり話せるところに移動しようか」
249 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/10/18(水) 18:27:01.30 ID:HS1U8TSSO

─超高校級の民俗学者の研究教室─


最原(王馬くんの件について真宮寺くんに相談した)

真宮寺「なるほどネ。でも、どうしてそんなことを訊こうと思ったんだい?」

最原「例のライトに関してはまだ謎が多いし、とにかく情報収集してそこからみんなを元に戻すヒントを得られないかと思ったんだ」

最原「勿論、単純に彼が心配だっていうのもあるよ」

真宮寺「僕はなんとなく王馬君の事情を察してはいるけど…本当に知りたい?」

最原「そりゃあ、出来れば知りたいよ」

真宮寺「知ることで王馬君との関係が壊れるとしても?」

最原「え?」

真宮寺「別に脅したい訳じゃないヨ。ただ、その可能性が高いから行き過ぎた詮索は止めておいた方がいいんじゃないかって思っただけサ」

最原「……」

真宮寺「という訳で、僕からは具体的なことは喋れないヨ」

最原「具体的じゃなければいいの?」

真宮寺「まァ少しならネ」

真宮寺「…ここ数日間の王馬君は僕にとって非常に興味深い観察対象だったヨ。お得意の嘘や人を食ったような態度で常に余裕ぶっていた彼が、あんなことになってしまったんだからネ」

最原「そうだね、心を弄られたりしたら誰だっていつも通りではいられないだろうからね。現に最近の王馬くんは妙に情緒不安定だったし」

真宮寺「なるほど、キミからはそんな風に見えていたんだ」

最原「真宮寺くんはどうなの?」

真宮寺「僕の見解では、今の王馬君は非常に危うい状態だと思うヨ」

最原「危うい状態っていうと…」

真宮寺「具体的なことは話せないって言ったでしョ」

最原(今日の真宮寺くん、やけに口が固いな。一体なんでなんだろう?)

真宮寺「キミは王馬君のことを知ってどうしたいんだい?彼が心配だって言ってたけど」

最原「もし王馬くんが例のライトのせいで悩んでいるとしたら助けてあげたいよ。他の人のパターンから類推するに、僕も何かしらの形で関係していそうだしね」

真宮寺「助ければいいじゃないか。実際に彼は今ひとりで悩んでいる可能性が高い」

最原「だとしても、どうすればいいか判らないし、そもそも余計なお世話だったら?」

真宮寺「それを確かめるためにも本人から直接話を聞くといいヨ」

最原「……うん、そうだよね」
250 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/10/18(水) 18:37:07.56 ID:HS1U8TSSO

最原「真宮寺くん、相談に乗ってくれてありがとう」

真宮寺「いや、役に立てなくて申し訳無かったネ。お詫びって訳じゃないけど、民俗学の講義で仕切り直しとさせて貰おうかな」

最原「今回はなんの話をするの?」

真宮寺「それじゃあ心について、なんていうのはどうだろう」

真宮寺「脳の一部が感情を司っていることは科学が発達した今でこそ常識とされているけれど、かつて人間の感情は心臓に宿ると信じられていたんだ。例えば…」

最原(心というものが人々にどう捉えられてきたのか、真宮寺くん自身の見解と共に教えて貰った)

真宮寺「…おっと、もうこんな時間か」

最原「そろそろ戻らないとね」


─1階廊下─


真宮寺「お腹が空いてきたから僕はこのまま食堂に向かうことにするヨ。最原君は?」

最原「寄宿舎に帰るよ。持ち出した食べ物がまだ残ってるんだ」

真宮寺「そうかい。だったらここでお別れだネ」

最原「うん、今日はどうもありがとう。また民俗学の話を聞かせて欲しいな」

真宮寺「嬉しいことを言ってくれるネ。それじゃあ、また今度」


真宮寺(…さて、こうなったら後は当人同士の問題だネ。そもそも僕が口を挟むべきことでは無かったんだけど)

真宮寺(王馬君が縋り付こうと手を伸ばしてきた時、果たして最原君はそれを掴むのかな?振り払うのかな?)ゾクゾク

真宮寺(その愛の行く末…確と見届けるからネ)
251 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/10/18(水) 18:40:20.24 ID:HS1U8TSSO

今日の投下終わりです。
前回から1ヶ月近く間が空いてしまいましたが皆さん話の流れとか憶えていますか…?
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