【安価・ダンロンV3】モノクマ「安価で紅鮭団を盛り上げるよ〜」

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51 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/04(金) 02:16:01.40 ID:VrNqu4mSO
駄目だ、寝惚けてるとひとり言でsage忘れる…。
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/04(金) 05:22:14.07 ID:4+VjbJgzO
乙!
主のペースでやってくれれば充分だが1週間くらい空くなら報告あると安心する
53 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/05(土) 00:44:30.94 ID:1o66auHSO

>>52
ありがとうございます。投下出来ない時も最低で週に1回はレスするようにします。
54 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/05(土) 00:46:52.98 ID:1o66auHSO

テロップ【11日目・午後】


─寄宿舎の中─


ウィーン

天海「ここにいたんすか、最原君」

最原「…天海くん」

天海「今朝の一件以来、姿を見掛けなかったから心配してたんすよ」

最原「それなら大丈夫だよ。あの後、部屋に王馬くんが来てくれてね。結局しばらくそのまま過ごしたんだ」

天海「王馬君が?」

最原「うん。…とにかく、ショックで部屋に閉じ篭ってたとかじゃないから安心して」

天海「だったらいいんすけど」

最原「それより天海くん、今って暇かな」

天海「特に用事や約束は無いっすよ」

最原「じゃあ今からふたりで出掛けない?昨日は折角誘ってくれたのに断っちゃって悪かったからさ」

天海「そんな、気にしなくていいのに…でも、そういうことなら是非」

最原「よかった」

天海「最原君は、おでかけチケットで今まで行けなかった場所にも行けるようになったことは知ってるっすか?」

最原「王馬くんから聞いたよ。いざどこにでも行けるとなると悩むよね」

天海「俺は最原君の研究教室に行ってみたいっす」

最原「うん、天海くんがそれでいいなら」

天海「決まりっすね」
55 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/05(土) 00:55:36.04 ID:1o66auHSO

─超高校級の探偵の研究教室─


最原「こういう落ち着いた雰囲気自体は嫌いじゃないけど…置いてある毒薬とか殺人事件のファイルで台無しなんだよね」

天海「そこは探偵の研究教室っすから、仕方無いっすよ」

最原「やっぱり探偵ってこういうものにも慣れてないといけないのかな」

天海「俺はそういう部分も最原君のいいところだと思うっす」

最原「…探偵としてはどうなんだって感じだけどね」

最原(僕は手持ち無沙汰に本棚のファイルを手に取ってはぱらぱらと捲っていった)

天海「あの、最原君」

最原「あっ…ごめん、放ったらかしにしちゃって」

天海「いえ、お構い無く。…それより、赤松さんのことでちょっとお話が」

最原「赤松さん?」ドキ

天海「彼女がああなってしまった理由なんすけど…どうやら本人も判らないみたいで」

最原「それって赤松さんがそう言ってたの?」

天海「らしいっすよ。でも俺がその話を聞いたのは百田君からっす。どうやら、百田君と春川さんと赤松さんでみんなに説明して回ったみたいっすね」

最原「百田くんたちが…」

天海「ま、俺は言われるまでもなく最原君を信じてたっすけどね」

最原「え?」

天海「流石に恥ずかしいんで2度は言わないっすよ」

最原(天海くんってそういうこと言ったりするんだ…あんまりそんなイメージ無かったけど)

天海「最原君も特に心当たりは無いんでしょう?」

最原「…うん」

天海「やっぱりそうっすか。あそこまで嫌われるようなことをした憶えがある相手にいつも通り接するなんて、最原君に出来るはずないっす」

最原(あ、信じてたってそういうことか)

最原「でも、それなら何が原因なんだろう」

天海「…実はオレ、ひとつ思い当たる点があるんすよ」

最原「えっ本当に?!」

天海「あー…すみません。思わせ振りなこと言うだけ言って悪いんすけど、まだ確証が無いから言いたくないんすよね」

最原(天海くんとはそれなりに仲良くなったつもりでいたけど、こういうところは相変わらずだな)

天海「いつか絶対話しますんで、今はちょっと訊かないでください」

最原「うん…待ってるよ」

最原(この後はオススメの推理小説の話だったり、モノクマの愚痴だったり、他愛の無い話で盛り上がった)

天海「今日は最原君と話せてよかったっす。それじゃあ、一緒に寄宿舎に戻りましょうか」

最原「うん」
56 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/05(土) 01:05:07.80 ID:1o66auHSO

─校舎玄関前─

入間「はあ…どうしよ…身体が熱いよぉ…このままじゃアタシ…」

ギィッ

最原「あ、入間さんだ」

天海「なんだか具合が悪そうっすね?」

入間「さっさささ最原ぁ?!」ビクゥ

最原「うわぁ?!」ビクゥ

入間「なんなんだよ…もう訳解んねーよぉ…」プルプル

天海「こっちの科白っす」

入間「ダサイ原ぁ!オレ様はテメーの誘惑なんかに負けねーからな!」ダッ

タッタッタッ…

最原・天海「……」

最原(何がなんだか分からないけど、もの凄く人聞きの悪いことを言われたような気がする…)
57 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/05(土) 01:08:54.27 ID:1o66auHSO

短いですがこれで今回の分は終わりです。どこまで書いたら投下するかいつも悩む…。
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 06:42:07.45 ID:mdhq2lPiO
乙!
天海頼りになるな
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 19:28:11.12 ID:lxi0OPyQo
そろそろ勘のいい連中はそこはかとない違和感に気づいてそう
60 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/06(日) 00:49:08.91 ID:plBW+tLSO

レスありがとうございます。

>>58
「頭のいいキミ」ですからね!

>>59
ぶっちゃけスタッフ側もあんまり隠す気ないですよね。
61 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/06(日) 00:50:19.14 ID:plBW+tLSO

テロップ【数十分前】


─校舎玄関付近─


星「……」

赤松「」ションボリ

星「…おい、赤松」

赤松「星くん?」

星「朝のこと、まだ引き摺ってるみてーだな」

赤松「……」

星「人に話せば少しは楽になるかも知れねーぜ…俺でよければ聞いてやるが、どうする?」

赤松「…うん、お願い」
62 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/06(日) 00:57:20.63 ID:plBW+tLSO

─超高校級のピアニストの研究教室─


赤松「昨日のお昼過ぎぐらいからだったかな。いきなり具合が悪くなったから、最初は風邪でも引いたのかと思ったんだよね。熱の出ない風邪っていうのもあるらしいし」

赤松「目眩がするわ吐き気がするわ頭痛がするわでもう散々でさ。午後から最原くんと遊ぶ約束をしてたんだけど、結局ドタキャンするはめになっちゃったし」

星「それは本人に直接断りを入れたのか?」

赤松「ううん、一刻も早く部屋で休みたかったから、偶々傍を通りかかった東条さんに伝言を頼んだんだ」

星「なるほどな」

赤松「でもどれだけ寝ても全然よくならなくて…それで、なんとなく気付いちゃったんだよ。気分が悪いのは最原くんのことを考えてるせいだって」

赤松「昨夜体育館に行かなかったのも彼と顔を合わせるのが怖かったからなの。でもずっと避け続けることも出来ないし、朝は普通に食堂に行ったんだけど…」

星「あんなことになっちまったって訳か」

赤松「私、最原くんに凄く酷いこと言ったのにまだ謝れてなくて…でもこんなんじゃ直接謝ることも出来ないし…」ポロポロ

星「本当に辛いなら今は無理することも無いんじゃねーのか?突然そうなったんなら突然戻らないとも限らねーからな」

星「それより、お前さんは一旦落ち着いた方がいい。アイツのことを考えるだけで吐くほど苦しむようなら、何か他のことを考えて気を紛らわせてみたらどうだ?」

星「都合のいいことに、ここにはアンタの好きなものがあるしな」

赤松「でも、最原くんにピアノを教えたことや一緒に連弾したことまで思い出しちゃいそうだし…」

星(こいつは重症だな…色々な意味で)

赤松「気を遣わせちゃってごめんね」

星「別に…こんな俺にも出来ることがあるならしてやりたいって思っただけだ」

赤松「そっか」フフッ

星「…何が可笑しい」

赤松「何も可怪しくなんて無いよ。ただ、ちょっと前までの星くんだったらそんなこと言わなかっただろうなって思っただけ」

星「…そうかよ」

赤松「ねえ星くん。今は折角キミといるんだから、ピアノのことを考えるよりキミの話を聞きたいんだ」

星「俺の話だと?」

赤松「そうだね、猫の話なんてどう?私も猫は好きだし。思い出すのが辛いとかじゃなければ、星くんが前に飼ってたっていう猫の話をして欲しいな」

星「まあ…たまにはいいだろう」

赤松「えへへ、やった」
63 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/06(日) 01:09:56.34 ID:plBW+tLSO

テロップ【一方その頃…】


キーボ(入間さんに手を握られた時、ボクはかつて懐いたことの無かった感情を自覚しました)

キーボ(そしてボクは思いました。もっと色々な人と交流して刺激を受ければ、ボクのAIはより人間的な感情を持つようになるのではないかと)

キーボ(そうすればボクが心から笑えるようになる日も遠くありません)

キーボ(そのためにボクが今すべきことはひとつ…)


─カジノ─


キーボ(カジノでコインを稼いで、おでかけチケットと交換することです)

キーボ(このパズルゲームならボクでもそこそこ出来そうですね)

ザクッ ザクッ ザクッ テーロテーン♪


テロップ【ラブホギャンブラー2号誕生の瞬間であった】
64 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/06(日) 01:30:06.01 ID:plBW+tLSO

テロップ【11日目・夜】


─最原の部屋─


ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン

最原「百田くんか…」

ガチャッ

百田「終一!トレーニングするぞ!」

春川「……」


─裏庭─


百田「おーし!まずは腹筋200回だ!」

最原「えっと…それは僕にはかなりキツいから、20回を10セットやるとかじゃ駄目?」

春川「実際そっちの方が効率いいしね」

百田「お前ら解ってねーな。とにかくやり遂げようっつー気概さえありゃ、限界なんて幾らでも越えられる…つまりこれは精神の鍛練なんだよ!」

最原「身体を鍛えるためのトレーニングじゃないの?!」

百田「大丈夫だ、お前さえその気になりゃこんなの朝飯前だ!」

最原「えぇ…」

最原(結局ボクは、さっさとノルマをこなして暇そうにしている春川さんからの視線に耐えたりしながら、なんとか腹筋200回をこなした)

最原「腹筋痙りそう…」

百田「途中で何度かバテたりしてたみてーだけど、まあそんなもんか。よくやったな」

春川「最原、反ったりしてよく筋肉を伸ばしておきなよ」

最原「うん…判った」

百田「…なあ、終一。もう耳に入ってるかも知れねーが、お前にいい知らせと悪い知らせがある」

最原「悪い知らせは、赤松さんがああなった原因がなんなのか全く判らないってこと?」

春川「なんだ、やっぱりもう知ってたんだ」

最原「いいニュースの方は心当たりが無いな…」

百田「それはな、赤松はお前を嫌いになったんじゃねーってことだ」

最原「……」

春川「私はそっちの方が厄介だと思うけどね。だって、嫌いになった訳でもないのにあんな風になるなんて…異常だよ」

最原「せめて、何か手掛かりがあればいいんだけど…」

最原(天海くん…彼は一体何に気が付いたんだろう?)

百田「ま、終一が悪いんでも赤松が悪いんでもなけりゃ収まるところに収まるだろ」

春川「はぁ、それが寧ろ厄介なんだってば…」
65 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/06(日) 01:37:13.11 ID:plBW+tLSO

今回の投下分は終わりです。次くらいで久々に安価出来そうです。

書き込む前に一応確認はしてるはずなのに、ところどころ天海の一人称がオレになってたり最原の一人称がボクになってたりしてますね…。
モノキッドの一人称がミーっていうのは正直頭からすっぽり抜けてました。ごめんなさい。
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 01:40:18.54 ID:e8XZ5Chfo
全然気にならなかったから平気

67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 20:01:02.36 ID:za4BKT8iO
キーボェ……良い話かと思ったら残念ロボに
68 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/07(月) 17:04:37.19 ID:RPQ16zkSO

>>63
訂正

×キーボ(カジノでコインを稼いで、おでかけチケットと交換することです)

○キーボ(カジノでコインを稼いで、デートチケットと交換することです)
69 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/07(月) 17:08:52.14 ID:RPQ16zkSO

レスありがとうございます。

>>66
そう言っていただけると助かります…ですがなるべく気を付けるようにはします。

>>67
みんなと仲良くなるにはお金(コインとメダル)が必要なので仕方無いですね。
70 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/07(月) 17:10:38.78 ID:RPQ16zkSO

テロップ【12日目・朝】


─食堂─


王馬「美味しそうな海老フライだねー。いいなー食べたいなー」

最原「明日にでも作って貰えばいいじゃないか…」

王馬「隙ありっ」パク

最原「あ」

王馬「うん、なかなかだね」モグモグ

最原「王馬くん、僕が持ってるフォークから直接食べたら危ないよ」

王馬「東条ちゃんが言いそうなこと言わないでよ。いっそオレのパパになる?」

最原「それは嫌だな…」

王馬「たはー、即答だね!」

最原(そもそも、よく他人が使ったフォークをそのまま口に入れられるな…新しいフォーク出そう)カチャ

最原「ていうかそれ、ニンジンのグラッセだけど」

王馬「何言ってんの?見れば判るよ?」

最原「王馬くんがそれで満足したなら別になんでもいいんだけどさ」

王馬「そもそも男ふたり…しかも相手は最原ちゃんだなんていうシチュエーションで美味しくご飯が食べられる訳無くない?」

最原「…それをキミが言うの?」

王馬「嘘だってば。最原ちゃんと一緒に食べるなら豚足だって世界一美味しい食べ物です」

最原「そっちの方が嘘臭いよ」

王馬「うん、だって嘘だからね」

最原(ある程度は覚悟してたけど、やっぱ王馬くんとふたりで朝食って結構キツいな…)

王馬「ねえ最原ちゃん、話は変わるけどアンジーちゃんと何かあった?」

最原「…アンジーさん?なんで?」

王馬「アンジーちゃん、なんでか急に最原ちゃんにベタベタしなくなったからさ」

最原(少し前までのアンジーさんより、今の王馬くんの方がベタベタしてきてるような気がしなくもないけどね…)

最原「まあ言われてみれば最近アンジーさんと話した記憶が無いし、後でちょっと声を掛けてみようかな」

王馬「もし振られたらオレが一方的に傷を舐めてあげるから安心して当たって砕けてきなよ」

最原「別に告白しに行くんじゃないんだから…」
71 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/07(月) 17:21:27.39 ID:RPQ16zkSO

テロップ【十数分後】


─校舎玄関付近─


最原「アンジーさん、ちょっといいかな」

アンジー「んー?何かなー?」

最原「もしよかったら、これから一緒に出かけようと思ったんだけど…」

アンジー「あー、それは神様が駄目って言ってるから無理だよー」

最原「神様が?」

アンジー「うん、しばらくは終一に声を掛けられても着いて行くなってー」

アンジー「だからアンジーを誘うのはもう止めて欲しいんだよねー。アンジーの方から誘うまで待っててくれたらそれでいいからさー」

アンジー「ちゃんと言われた通りに出来るよね?だって、神様の言うことは絶対だもん」マジトーン

最原「……」

アンジー「それじゃあねー、ぐっばいならー」ノシ

タッタッタッ…

最原(曖昧な理由で断られた上に二度と誘うなって言われた…)

最原(いや、曖昧な理由なんかじゃない。神様が言った体にしてるってことは、多分アンジーさん自身がもう僕とは遊びたくないって思ってるんだよな)

最原(…嫌われちゃったのかな?)
72 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/07(月) 17:29:37.99 ID:RPQ16zkSO

星「最原」

最原「あ…星くん」

星「今から俺の研究教室で身体を動かさねーか?いい気分転換になるぜ」

星「それに、話しておきたいこともあるしな」


最原(星くんが、僕に?一体なんだろう)

最原「うん、だったらご一緒させて貰」

???「だーれだ」ガバッ

最原「うわっ?!」

最原「…声でバレバレだよ、王馬くん」

王馬「にしし…だよね」パッ

王馬「最原ちゃん、アンジーちゃんに振られたんでしょ?傷付いた?死にたくなった?」

最原「別に告白した訳じゃないってば…それより、僕は星くんと出掛けるからキミに構ってられないんだけど」

王馬「なんで?オレと遊んでくれないの?」

最原「だって、先に声を掛けてくれたのは星くんだし…」

王馬「ふーん…あっそ」

最原(なんだかえらく不機嫌になったな…)

王馬「じゃあもういいよ。好きなだけ星ちゃんに慰めて貰えば?」

最原「えっと…今からは無理だけど午後なら空いてるよ」

王馬「もういいって言ってるじゃん。八方美人も大概にしないといつか刺されるんじゃない?」

星「王馬。最原がそこまで言われなきゃならないようなことをしたのか?」

王馬「…嫌だなー、冗談が通じないんだから」

王馬「ふたりの邪魔しちゃ悪いし、オレはもう退散するね」

タッタッタッ…

星「一体なんなんだ?アイツは…」

最原「なんでも自分の思い通りにならないと気が済まないんじゃないかな?」

星(いつもと比べて妙に余裕が無かったというか…)

星(俺の思い過ごしならいいんだがな)
73 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/07(月) 17:42:09.14 ID:RPQ16zkSO

─超高校級のテニス選手の研究教室─


最原(星くんからラケットの振り方やフットワークについて教わった後、彼とテニスの試合をした。…とは言っても当然ながら全く勝負にならなくて、僕はなんとか球を打ち返したり避けたりするので精一杯だった)

最原「はー…やっぱり…はー…強いね…」

星「無理して喋らない方がいいぜ」

つスポーツドリンク

最原「ありがとう…」

最原(明日は筋肉痛だろうな)ゴクゴク

星「最原、そのまま楽にしてて構わないから俺の話を聞いてくれ」

最原(そういえば話があるって言われたんだったっけ)

星「話っつーのは他でもない赤松のことだ。昨日の午後、余りにも落ち込んでるアイツを見かけたもんで事情を訊いたら、その日の朝のことを随分気にしてたみたいだったぜ」

最原「赤松さんが…」

星「アンタに直接謝りたいけど、今はそれが出来ないって…苦しそうだった」

最原「……」

星「こういう時周りの人間はアイツに何をしてやるべきなのか、正直俺にはさっぱり見当が付かない。…ただ、アンタはとにかく待っていて欲しいんだ。アイツが謝れるようになるまでな」

最原「…うん」

最原(星くんの言っていることは解る…けど、僕は待っているだけでいいのか?他に出来ることは何もないのか?)

星「ふう…やれやれだぜ」

最原「…なんていうか、星くんって変わったよね」

星「おいおい、いきなりどうしたんだ?」

最原「少し前までは話しかけても『俺に関わるな』なんて言ってたのに、それが今では僕と赤松さんの間を取り持つようなことをしてくれてるでしょ」

星「…確かに俺は変えられちまったのかも知れない」

星「お節介などっかの誰かさんにな」
74 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/07(月) 17:50:26.42 ID:RPQ16zkSO

テロップ【数十分前】


キーボ(カジノでモノクマコインを増やしてデートチケットと交換することが出来ました)

キーボ(コインが余ったので他の景品も幾つか交換してみました。これはプレゼント用にしましょう。ボク自身が欲しかった物は既に最原クンから貰っていますしね)

キーボ(これで準備は万全です。さて、誰を誘いましょうか?)


久々に視聴者アンケート(安価)の出番です。但し、キーボは内なる声を視聴者の貴重なご意見と認識していないため、必ずしもその通りに行動するとは限りません。

誰を誘いますか?(人物指定・最原と星と入間は実質除外)
安価↓1
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 17:54:02.26 ID:Sau3D45ZO
百田
76 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/07(月) 18:00:29.40 ID:RPQ16zkSO

安価ありがとうございます。
今回の投下は一旦終わりにしてしばらく書き溜めてきます。
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 19:06:17.52 ID:XrXd8Ro/o
乙!次も楽しみにしている
しかしこのSSの星くんかっけーな
78 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/08(火) 17:06:04.03 ID:0HBY6TVSO

>>77
ありがとうございます!かっこいいキャラをかっこよく書くのは難しいので、正直「コレジャナイとか言われたらどうしよう…」と思いながら書いてました。
79 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/08(火) 17:07:32.88 ID:0HBY6TVSO

キーボ(内なる声は百田クンに会いに行けと言っています)

キーボ(彼は意外と鋭いですから、入間さんに何か心境の変化があったとしたらそれに気付いているかも知れません)

キーボ(流石内なる声…合理的な判断です)

キーボ(そうと決まれば早速百田クンを誘いに行きましょう)


─カジノエリア入口周辺─


キーボ「百田クン、ちょっと時間を頂いてもいいですか?」

百田「キーボか。丁度暇だったから構わないぜ」

キーボ「ではボクとどこかに出掛けましょう。場所はキミが決めていいですよ」

百田「んじゃ、あそこにすっか!」
80 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/08(火) 17:12:48.64 ID:0HBY6TVSO

─超高校級の宇宙飛行士の研究教室─


百田「いやー何度見ても惚れ惚れするぜ!やっぱ男なら誰でも一度はこういうのに憧れるもんだよな!」

キーボ「ボクは一応無性別なせいか、こういったメカメカしい雰囲気は好きではありませんがね…」

百田「人に決めさせておいてそれかよ…これだから女ってやつは」

キーボ「無性別なのをいいことに都合よく男扱いしたり女扱いしたりしないでください」

百田「まあ、SFでは偶に宇宙船が生命体ってパターンも見るが、そういうのもある意味夢があるな!」

キーボ「宇宙船が生命体ですか…」

キーボ(……)CPUシコウチュウ

キーボ(それはそれで気持ち悪いですね)

百田「で、何かオレに話があるんじゃねーか?」

キーボ「…どうして判ったんですか?!」

百田「なんとなくそういう雰囲気だったろ」

キーボ(やはり宇宙に轟くなんとかは伊達ではありませんね…!彼なら、ボクが知りたいことの答えを持っているかも)

キーボ「実は昨日、初めて入間さんからデートに誘われたんですけど…あ、この件は他言無用でお願いしますよ」

百田「おう!男…と、ロボの約束だな!」

キーボ「その時の入間さん…なんと言いますか、様子が変だったんですよね。それこそ今日はオイルの雨が降るのかと思ったくらいです」

キーボ「彼女は恐らく最原クンのことが好きなはずなのに…同等かそれ以上の好意をボクに寄せていると勘違いしてしまいそうでした」

百田「それは具体的にどんな感じだったんだ?」

キーボ「それはですね…」

カクカクシカジカ

百田「なるほどな」

キーボ「やっぱり変ですよね?」

百田「だな。いや、元から変な奴ではあったけどよ」

キーボ「そういうのともまた違うんですよね」

百田「変と言えばアイツ、最近どうも終一を避けてるみてーなんだよな」

キーボ「言われてみれば…確かにそんな気もしますね」

百田「赤松みたく終一のことが嫌で避けてるって感じでもねーし、なんなんだろうな?」

キーボ「肝心なところは百田クンにも分かりませんか…弱りましたね」
81 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/08(火) 17:23:04.11 ID:0HBY6TVSO

百田「オメーは入間の気持ちが知りたいのか?」

キーボ「はい。ですが、ボクはまだ人の感情を完全には理解出来ていないので…」

百田「あのなキーボ、程度の差はあれど人間だって他人の気持ちなんて分かんねーぞ」

キーボ「しかし、ボクはロボットで皆さんとは訳が違いますし、共感能力も低くて…」

百田「そういう問題じゃねー。他人の気持ちが分からないことの何が悪いんだ?そんな当たり前のことを恥じる必要なんてねーだろ。それは人もロボも同じだ」

百田「大事なのは寧ろ、自分なりに相手の気持ちを想像したり、コミュニケーションを図ることの方だろ?」

百田「分からねーがゆえに、時には擦れ違ったりぶつかり合ったりして…みんな、そうやって成長してくんだ」

キーボ「百田クン…」

百田「つまりなんだ、お前も頑張れってことだよ」

キーボ「ネタ切れなのかいきなり雑になりましたね」

キーボ「…ですが、今の話はちょっと今後の参考にしてみます」

キーボ(皆さんと交流する上での方針も、なんとなく見えてきたような気がしなくもないですしね)

百田「いい顔してんな」

キーボ「はい、お陰様で。…そうだ、よかったらこれを受け取ってくれませんか?」

つ宇宙のたまご

百田「お、いいチョイスじゃねーか。ありがとな、キーボ」

キーボ(この後は、百田クンから宇宙の凄さや好きなSF作品について聞かされながら過ごしました)


テロップ【同時刻】


─入間の部屋─


入間「…………」

入間「んっ……」

入間「最原……最原ぁ……」
82 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/08(火) 17:26:45.12 ID:0HBY6TVSO

短めですが今回の分はこれで終わりです。
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 18:15:55.35 ID:QqMcAPZqo
入間は一体なにしてるんですかねぇ……
乙です
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 20:43:35.44 ID:8jNI/tHco
意地でもイイ話にはさせないぞという鋼の意思を感じる
85 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/10(木) 12:11:19.99 ID:os29VvvSO

レスありがとうございます。

>>83
お察しくださいと言う外ありませんね…。

>>84
そうですか?スレ主としては特にそんなつもりは無いんですけどね(棒)
86 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/10(木) 12:12:31.53 ID:os29VvvSO

テロップ【12日目・午後】


最原(王馬くんのことは気懸かりだけど…『もういい』なんて言われた以上、今から会いに行っても神経を逆撫でしちゃいそうなんだよな。怒るポイントがいまいち分からないのも怖いし)

最原(どうせ明日の朝になったら嫌でも顔を合わせるはずだし、話をするのはその時でもいいよね)

最原(それより今は他に話を聞きたい人がいる…彼女ならアンジーさんについて何か知っているかも)


─校舎玄関付近─


最原「夢野さん、ちょっといいかな」

夢野「んあー、最原か。どうしたのじゃ?」

最原「夢野さんと話がしたくて」

夢野「…そうか。ではウチの研究教室に行くぞ」


─超高校級のマジシャンの研究教室─


最原「あの、夢野さん」

夢野「なんじゃ?」

最原「実はアンジーさんのことなんだけど…」

夢野「なるほどな。ウチを誘ったのはアンジーについて訊きたかったからか」

最原「…えっと、ゴメン」

夢野「全く…前にも似たようなことを言った気がするが、謝るくらいじゃったら誘わなければよかろうに。めんどい奴じゃな」

夢野「そもそもお主に謝られる筋合いなど無いわい。理由がなんであれ、こうして久々に最原と過ごせるのは…なかなかどうして悪くない気分じゃ」

最原(なんか言葉がいちいち胸に刺さるというか、罪悪感を煽られるな…)

夢野「で、なんの話じゃったかの?」

最原「アンジーさんの話だね」

夢野「そうじゃったな」

夢野「丁度2日ほど前からかのう?それくらいを境にして、アンジーは最原に対する興味を失ったようなんじゃ。それどころか嫌って避けているようにすら見えるのう」

最原「その理由は判らないの?」

夢野「ウチも疑問に思って本人に直接訊いたんじゃが、あやつは『やっぱり終一はアンジーのお婿さんには相応しくなかったのかも…って神様が言ってるんだよねー』と話しておったぞ」

最原(赤松さんと同じで…やっぱり明らかな理由や原因は無いのか?)

夢野「しかし最原よ、アンジーはお主を嫌いたくて嫌っている訳ではないと思うぞ」

最原「…どういうこと?」

夢野「ここ最近のアンジーは、ひたすら作品の制作に没頭したり、最原の代わりによくウチを誘って出掛けるようになったり…とにかくお主を忘れようと必死なようで、見てて痛々しいんじゃ」

夢野「ウチはアンジーのことも最原のことも好きじゃから…んあっ、す、好きと言っても変な意味ではないぞ?!」

最原「うん、友達としてってことでしょ」

夢野「……」

夢野(即座に肯定されるのも少し複雑じゃな…)

夢野「話の途中じゃったな…ふたりが仲よく出来ないのは悲しいが、せめて最原にはあやつを嫌わないでいて欲しいんじゃ」

最原「夢野さん…僕はそう簡単に、好きな人を嫌ったりなんて出来ないよ」

最原「あ、好きっていうのは…」

夢野「判っておるから皆まで言わんでいい」

夢野(しかし最原よ、現にアンジーや赤松は…いや、そんなことを考えても仕方無いかの)
87 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/10(木) 12:23:38.13 ID:os29VvvSO

夢野「さて、折角じゃから今回はお主にとびきりの魔法をかけてやろう。都合のいいことにMPの補充も出来てるしの」

最原「それって…」

夢野「お主を笑顔にする魔法じゃ」

最原(そう言った夢野さんは僕の目の前で様々な手品を披露した。僕はいつの間にか時間も忘れて…彼女の魅せる『魔法』に見入っていた)

最原「凄い…凄いよ夢野さん!」パチパチパチ

夢野「かーかっか!ウチの手に掛かればざっとこんなもんじゃ!」

最原(自分の研究教室に僕を来させたのって、始めからこれを見せるつもりでいたからなのかな。きっと、僕を元気付けるために…)

最原(なんだか最近は皆に気を遣わせてばかりだな)

夢野「んあー、MP切れでだるい…もう動きとうない…」

最原「いきなり元気が無くなったね…僕も手伝うから、片付けはちゃんとした方が」ガッ

最原(夢野さんが手品に使った旗か何かだろうか?僕は紐状のものに足を取られて漫画みたいに派手に転んで…)

夢野「んあっ?!」ドンッ

最原「うわあっ?!」ドテッ

最原(そして漫画みたいな状況に陥ってしまった)

最原「いたた…夢野さん、大丈夫?」

夢野「だ、大丈夫ではないが、お主が優しくしてくれれば…」

最原(夢野さんの発言に思わず首を傾げてしまったがそれも一瞬で、僕は自分たちが今どういった状態なのか理解することが出来た)

最原(夢野さんを巻き込んで地面に倒れて…丁度僕が彼女を押し倒したような恪好になっているのだ)

最原「わっ、ゴメン!」ガバッ

夢野「んあ?」

最原「足場が悪くて転んじゃって…こういうことになるからちゃんと片付けないと駄目なんだよ」

夢野「…そうか。確かにそれは駄目じゃな」

最原「夢野さん、立てそう?」

夢野「…いや」

最原「えっ、どこか怪我しちゃったの?」

夢野「腰が抜けてしまってな…」

最原「……」

最原(それから僕は、夢野さんに指示を仰ぎつつも結局ひとりで片付けをするはめになってしまった)
88 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/10(木) 12:32:53.55 ID:os29VvvSO

─校舎玄関付近─


最原(研究教室の跡始末が終わった後、僕は未だに動けないでいる夢野さんを抱き上げて寄宿舎まで送ってあげることにした)

最原(茶柱さんに見付かったら投げ飛ばされかねないな…道中で彼女に出会さないよう祈るしかない)

夢野「悪いのう、最原。お主のために魔法を使ったはずが、こんなことになってしまうとは…」

最原「夢野さんの研究教室が寄宿舎からそこまで遠くなくてよかったよ。それに夢野さんは軽いし」

夢野「……」

最原(あ、照れてる)

最原「夢野さん、今日はありがとう。超高校級のマ…法使いの魔法が見れたのは勿論よかったんだけど、僕は何よりキミの気持ちが嬉しかった」

最原「アンジーさんのことを教えて貰ったり、笑顔になる魔法をかけて貰ったり…して貰うばっかりだったね」

夢野「何を言っておる。ウチの方こそお主には現在進行形で世話になりっ放しじゃろうが」

最原「そっか、じゃあお互い様だね」フフッ

夢野「ああ、お互い様じゃな」



???「…………」
89 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/10(木) 12:37:04.58 ID:os29VvvSO

テロップ【一方その頃…】


─百田の部屋─


百田(入間の奴は何を考えてるんだか…結局キーボが好きなのか?終一が好きなのか?)

百田(終一を避けてキーボに思わせ振りな態度を取ってる割には、ターゲットを絞ったって感じでもねーしな)

百田(まあ入間はアレだが、そこはキーボの頑張り次第でどうとでもなるか)

百田(つまりなんだ、頑張れキーボ)

百田(しかし入間以外にも最近様子が可怪しい奴は多いよな。赤松といい王馬といいアンジーといい天海といい…いや、天海は可怪しいってほどではないかも知れねーが…でもやっぱり…うーん)

春川「百田、何ぼーっとしてんの?」

百田「ワリぃな、ちょっと考え事だ」

春川「全く、今は私といるっていうのに…」

百田「ほんとゴメンな。よし、じゃあ次は好きな星座の話でもすっか」

春川「それはアンタがしたいだけでしょ…まあ、別にいいけどさ」
90 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/10(木) 12:39:49.01 ID:os29VvvSO

今回の投下はこれで終わりです。
今更気付いたんですがライト使用対象の圧倒的あ行率…。
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 14:17:45.93 ID:H/GB33grO
おつ、不穏な空気が漂うなか百田とハルマキはほのぼのとしてんなw
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 16:27:20.92 ID:dTXa3M29O
おつー、いつも楽しみにしてます
夢野とのやりとりに微笑ましく思ったところでの不審な人影が怖いな
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 20:31:20.75 ID:o0fe+a4Io
???……よしわかったぞ超高校級の???である天海が正体だな!
94 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/12(土) 01:26:52.89 ID:Jhdj1ZgSO

レスありがとうございます。

>>91
今回の場合、そのふたりは基本的に外野ですからね。

>>92
ひとりでも待ってくださる方がいると思うとやる気が出ますね。今度の更新も頑張ります。

>>93さんのスーパーひみこちゃん人形はボッシュートです。
95 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/12(土) 01:28:30.72 ID:Jhdj1ZgSO

テロップ【百数十分前】


─超高校級の発明家の研究教室─


入間「よし、メンテナンスはこんなもんでいいか」

キーボ「…はい」

キーボ(入間さんの激しいボディタッチ…もといメンテナンスは既に経験済みでしたが、昨日のことを意識してしまって以前より却って気恥ずかしい思いをしました)

入間「キーボ、そもそもお前を今日ここに呼んだのは他でもねー。新機能を付けるためだ」

キーボ(入間さんがボクに新機能を?一体どんなトンデモ機能なんでしょうか…)

入間「それはな…味を識別する機能だ!」

キーボ「…アジってtasteの味ですか?horse mackerelの鯵ではなく?」

入間「味覚…即ち水溶性の物質の刺激作用が主として舌の表面に分布する味蕾に与えられることにより生じる感覚を、お前にも体験させてやるっつってんだよ」

入間「つーか魚のアジって英語でそう言うんだな」

キーボ「もしかして、ボクが物を食べたいと言ったからですか?」

入間「まあな。食べる機能は流石に難しいがせめてそれくらいはと思ってな」

キーボ「…嬉しいです!ありがとうございます!」

入間「礼は機能を実装した後にしろ。但し、オレ様への賛辞は24時間受付中だからそっちは遠慮しなくていいぜ!ひゃーっひゃっひゃ!」

キーボ(正直どういう風の吹き回しかと思いましたが…こういうところはいつもの入間さんですね)

入間「差し当たってやらなくちゃならないのは舌の改造だ。現状、単なる発音器官でしかないそれに特殊な超小型センサーを全部で5個取り付ける。で、お前の舌は味質・嗅覚・温覚・圧覚・触覚を感じられるようになる訳だ」

キーボ「何かボクがするべきことはありますか?」

入間「しばらく口を開けてりゃそれでいいぜ」

キーボ「そのしばらくが具体的にどれほどの時間なのかは判りませんが…意外とキツそうですね」

入間「それくらいは我慢しろ」

キーボ(舌を使えないせいで、ボクはしばらく入間さんの真剣な顔を黙って見詰めながら過ごしました)

入間「取り敢えずセンサーをふたつ付けたぜ。残りは完成してからな」

キーボ「あ、全部出来てた訳じゃなかったんですね」

入間「素人には解んねーだろうが、ひとつ造るのだって結構大変なんだからな」

キーボ「いえ、充分仕事が早いというか凄いと思ってますよ」

入間「凄いのは当たり前だから誉め言葉じゃねー」

キーボ「そうですか…でしたら、お礼と言ってはなんですが、これを受け取って貰えませんか?」

つテディベア

入間「……あー」

キーボ「その反応はお気に召さなかったパターン…ですよね」

入間「いや、別に構わねーよ。見返りが欲しくてやってるんじゃねーし」

キーボ「……」

入間「…じゃあ先に戻ってるぜ。オ、オレ様は忙しいんだからな」

バタン

キーボ(入間さん…やはりプレゼントのせいでしょうか?確かによく考えたら、普通の女の子が普通に喜びそうな物を彼女が欲しがるはずありませんでしたね)

キーボ(これからは人に物をあげる時も内なる声に訊いた方がよさそうですかね?しかし百田クンは、試行錯誤する過程こそが大事というような主旨のことを言っていましたし…)

キーボ(もう少し、自分で考えてみましょう)
96 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/12(土) 01:38:44.87 ID:Jhdj1ZgSO

─最原の部屋─


ピンポーン

最原(…誰だろう?百田くんたちがトレーニングに誘いに来るには早い時間だしな)

ガチャ

入間「……」

最原「……」

入間「最原ぁ…」ウズッ

最原「あ、うん」

入間「明日、朝飯を食ったら体育館前のベンチがある所で待ってろ…ばっくれんじゃねーぞ」ウズウズ

最原「え?それって」

バタン!

最原(…ドアを閉められた)

最原(遊びに行く約束ってことでいいのかな?でも入間さん、いつもより様子が変だったような…)
97 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/12(土) 02:34:30.29 ID:Jhdj1ZgSO

テロップ【一方その頃…】


─超高校級の美術部の研究教室─


コンコン

アンジー「開いてるよー」

ガチャ

王馬「やっほー、アンジーちゃん。なんていうかこう…凄いオブジェだねー」

アンジー「そうでしょー?神ってるでしょー?」

王馬「うん、マジヤバイって感じ。…でさ、そんなアンジーちゃんに話があるんだよね」

アンジー「お、小吉もとうとう神様を信じる気になったのかなー?」

王馬「その話をしたいのは山々なんだけど、残念ながら今回は別件なんだ」

王馬「…オレ、さっき最原ちゃんと夢野ちゃんがイチャイチャしてるところを偶然見ちゃったんだよ。夢野ちゃんなんてお姫様抱っこなんてして貰って、デレっとしちゃってさ。アンジーちゃんの神様に誓って言うけど、これはほんとだよ」

王馬「ねえねえ、あのふたりって付き合ってるのかな?アンジーちゃんはどう思う?」

アンジー「ふーん…小吉はなんでその話をアンジーにしようと思ったの?」

王馬「だってさ、ちょっと想像してみなよ。ふたりがくっついたら、アンジーちゃんはひとりぼっちになっちゃうんじゃない?」

アンジー「…アンジーはひとりじゃないよー?いつも神様と一緒だからねー」

王馬「夢野ちゃんを奪られちゃってもいいの?」

アンジー「……」

王馬「話は変わるけど、アンジーちゃんが最原ちゃんを避けるようになったのって、モノクマーズに何かされたせいだよね。これはキミも薄々感付いてたんじゃないかな?」

王馬「もし夢野ちゃんがアイツらに何かされたら…今度は夢野ちゃんがアンジーちゃんを嫌いになっちゃうかもよ?オレだったら、そうならないように常に夢野ちゃんを見張るけどねー」

アンジー「結局、小吉は何が言いたいの?」

王馬「うん、それはねー…夢野ちゃんってなんか魚のアジっぽいと思わない?」

アンジー「アンジーはそうは思わないなー」

王馬「そっかー…共感を得られなくて残念だよ。じゃあオレは部屋に戻って寝るね!」ノシ

バタン

アンジー「……」
98 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/12(土) 02:40:26.76 ID:Jhdj1ZgSO

今回の分はこれで終わりです。途中で寝オチしかけましたがスレ主は元気です。
味覚の説明はブリタ○カ国際大百科辞典から引用しました。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/12(土) 09:48:57.16 ID:QfhT1xHWo
おっつおつー
王馬ってホント王馬だわ(意味不明)
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/12(土) 10:55:07.60 ID:KdlpTWL5O
おつー
王馬が外堀を埋めてきている……さすが首を絞めてでも振り向かせる男
101 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/13(日) 23:12:52.97 ID:NyPM2QESO

>>99
王馬はなんかもう王馬としか形容出来ませんよね。

>>100
王馬がアンジーを煽ったのは、単なる夢野に対する八つ当たりです(偶々機嫌が悪い時に見せ付けられてムカついた)。
102 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/13(日) 23:13:54.73 ID:NyPM2QESO

テロップ【13日目・朝】


最原(今日も王馬くんとふたりで朝食を食べることになっている。今、彼と顔を合わせるのは少し気不味いから、僕はいつもより重い足取りで食堂に向かった訳だけど…)


─食堂─


王馬「うぅ…ぐすっ…」ポロポロ

最原「……」

王馬「ねえ、前にも話したと思うけど、オレは生まれつき食べ物の味が判らないんだよね。だから、想像もつかないんだけどさ…好きな人と食べるご飯ほど美味しいものって無いんでしょ?」

王馬「大好きな最原ちゃんとご飯を食べてるっていうのに、オレはキミと『美味しいね』って笑い合うことも出来ない…こんなのって…こんなのって…!」

王馬「うわあぁぁぁん!」ウエアアアンヴ(ジュル)ヤェャァァァ↑アイィヤエ↑ヤゥィゥ

最原「僕の記憶違いじゃなければ…キミは確か甘いものと甘辛いものが好きだったよね」

王馬「うん、そうだよ!憶えててくれたんだね!」ケロッ

最原(この通り、王馬くんは妙に機嫌がいい…ように見える)

最原「王馬くん、何かいいことでもあったの?」

王馬「えっ、なんで?」

最原「はっきりとは言えないんだけど、昨日僕と揉めた割にはなんかすっきりした顔をしてるっていうか」

王馬「そのことなら気にしなくていいよ。オレも全然気にしてないし」

最原「キミがそう言うなら…」

最原(今に始まったことではないけど、やっぱり王馬くんって何を考えてるのか全然分からないな)

王馬「あ、やっぱ今の無し」

最原「え?」

王馬「今日オレと遊んでくれなきゃ許してあげないよーだ!」

最原「…午後からでもいい?」

王馬「構わないけど、また誰かと約束したの?」

最原「というか、入間さんから一方的に呼び出しを食らったんだよね」

王馬「そんなの無視すればいいじゃん」

最原「そういう訳にもいかないでしょ」

王馬「優しいなー最原ちゃんは。そんなんだから付け込まれるんだよ」

最原「意味が解らないって…」
103 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/13(日) 23:23:10.25 ID:NyPM2QESO

テロップ【数分後】


最原「ごちそうさまでした」ガタッ

王馬「じゃあ最原ちゃん、また後でね!13時頃にプール前だよ!間違えちゃ駄目だからね!」

最原「そんなに念を押さなくても大丈夫だよ。…またね」

ギイッ バタン

王馬「……」

王馬(そろそろいいかな)ガタッ

王馬(オレの読みが正しければ、この辺りのどこかにあるはずなんだけど)キョロキョロ

王馬(例えばテーブルの下とかに…あった)

盗聴器「」

王馬(案外あっさり見付かったねー。これだと最原ちゃんにバレるのも時間の問題なんじゃ?ま、オレには関係無いからどうでもいいけど)

王馬「おーい。そこのキミ、聞いてるんでしょ?」

盗聴器「」

王馬「別にオレは怒ってないし最原ちゃんにチクる気も無いよ。…それより、さっきの話聞いてたよね?」

王馬「ってことは、オレが直接手を下さなくてもアイツはキミがなんとかしてくれるよね。いやー手間が省けて助かるよ。なんてったって悪の総統は忙しいからね!」

王馬「オレの話はこれで終わり。じゃ、健闘を祈ってるよ」
104 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/13(日) 23:33:03.91 ID:NyPM2QESO

テロップ【一方その頃…】


─体育館への廊下─


夢野「最原!」タッタッタッ…

最原「夢野さん、そんなに慌ててどうしたの?」

夢野「実は、今の内にお主に言わねばならんことが…」ゼエゼエ

???「」タッタッタッ…

???「ひーみこ!」ガバッ

夢野「んあっ?!」

最原「…アンジーさん」

アンジー「にゃははー、つーかまーえたー」ギュー

夢野「アンジー、ウチは最原に話があるんじゃが…」

アンジー「うんうん、神様はなんでもお見通しだよー。『秘密子はこれからずーっとアンジーと一緒にいるから、終一とはしばらく会えない』って言いに来たんだよね?」

夢野「……」

最原「…夢野さん、それって本当?」

夢野「……ああ、実はそうなのじゃ」

最原「!」

アンジー「秘密子ー、そんなことより勝手にアンジーから離れちゃ駄目でしょー?」

夢野「それは…すまなかったのう」

アンジー「うんうん、素直に謝れる秘密子はいい子だねー。神様も今回は許してくれるってさー」

アンジー「じゃ、そろそろ行こっか」

最原「あの、夢野さん…」

夢野「最原。お主にはウチが付いていなくても大丈夫じゃろう」

最原「……」

夢野「最後にお主を笑顔にすることが出来てよかったと、ウチは思っておる」

夢野「しばしの間…さよならじゃ」

アンジー「ぐっばいならー」ノシ


最原(勝手に満足して勝手にいなくなるのならまだいい。でも、自分が傍にいる必要は無いと言う夢野さんは寂しそうだった)

最原(彼女の態度に思うところが無い訳ではない。それでも僕は…そんな彼女にかけてやる言葉を何ひとつ見付けられなかった自分が、何より腹立たしかった)

最原「…早く体育館に行かなきゃ」
105 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/13(日) 23:36:04.81 ID:NyPM2QESO

短めですが今回の投下はここまで。
>>101にレスに対するお礼を書き忘れてました…すみませんありがとうございます。
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 22:13:38.01 ID:4cHu4ufSo
怖い(小並感)
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 23:46:44.72 ID:nkc3v/QJo
おつー
アンジーも王馬も元々ベクトルの違う怖さがあるしな
しかし予想以上に人間関係拗れてきてハラハラする
108 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/15(火) 23:10:35.77 ID:pDTUTIqSO

レスありがとうございます

>>106
色々心当たりがあるせいで何に対する感想なのか…。

>>107
マンネリ防止のためのテコ入れですからギスギスは必然ですね。
109 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/15(火) 23:14:35.72 ID:pDTUTIqSO

─体育館前─


入間「」ソワソワ

最原「入間さん、先に来てたんだね」

入間「ひぃやあっ?!」ビクゥ

入間「きゅ、急に声かけんじゃねー!」ドキドキ

最原「…声をかける前に声をかけていいか声をかけるべき?」

入間「そういうことじゃねーよ…もういいから、とにかく中に入るぞ」

ギイッ

最原「……」

最原(やっぱりなんか怪しいんだよな、入間さん。遊びに誘う時も場所決めは基本的に人任せだった彼女が、こうして僕を体育館に呼び出したこと自体不自然だし…何より単純に挙動不審だし)

最原(もしかして、入り口周辺に罠でも仕掛けてるとか?)キョロキョロ

入間「……」スッ

バチィ!

最原(…え?)ドサッ

入間「へへ…やった…やったぜ!」バチバチ

最原(不意に背中に衝撃が走ったと思ったら全身の力が抜けて…僕は地面に倒れ伏していた)

最原(せめて状況を確認しようと思って辛うじて首を回すと、青白い火花を散らしているスタンガンをうっとりした表情で握る入間さんの姿があった)

入間「…悪いようにはしねーから、大人しくしてるんだぞ」ガポッ

最原(入間さんはまだ痺れて動けない僕に、猿轡のようなものを噛ませた)

最原「…──!──!」

最原(僕は口を塞がれて初めて、誰かに助けを求めなければと思った。せめてもの抵抗でなんとか声を上げようとしたが…なぜか呻き声ひとつ出ない)

入間「助けを呼ぼうとしても無駄だぜ?それはオレ様特製のサイレンサー機能付きギャグボールだからな」

最原「……」

入間「ここまで来りゃあ、後はこっちのもんだな」ズルズル…

バタン

最原(入間さんは僕の身体を体育館の中まで引き摺って行くと、後ろ手に扉を閉めた)

入間「ふふ、やっとふたりきりになれた…!」ストン

最原(動きを封じるためか、入間さんは仰向けに転げている僕の腰の辺りに乗った。そして彼女の顔が段々僕の顔に近付いてきて…)

入間「」フー…

最原「?!」ビクゥ

入間「マジで童貞丸出しって感じの反応だな」レロッ

最原「──!」ゾクゾクッ

最原(耳に息を吹きかけられて、舐められた。思わず叫びそうになったけど相変わらず声が出ない)

入間「まあ気にすんな。童貞原が童貞なのは判りきってたことだし…テメーはただおったたせてりゃそれでいいんだよ」ムニュッ

最原「!」

最原(入間さんは僕の手を取ると自分の胸に押し当てた。重い?というか、圧迫感が凄い…!)ムニムニ

入間「あんっ…そ、そんな興奮すんなよぉ」

最原(彼女を押し退けようとしても痺れと筋肉痛のせいで思うように動けないし、手の位置が位置なだけに意図せずして胸を揉み込んでしまう…)

入間「それじゃあ、下脱がせてやるからな…」
110 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/15(火) 23:24:13.70 ID:pDTUTIqSO

最原(ほんとにもう温かいし柔らかいし入間さんの吐息に肌の匂いに色っぽい表情に僕の感覚は侵されて…いやいやいや落ち着け最原終一)

最原(僕が今、入間さんに襲われてるのってやっぱりそういうことなんだろうか?冗談じゃないぞ…幾らなんでも、初めてでこんな雰囲気もへったくれも無いのは嫌だ…!)

最原(でも僕だけじゃ入間さんをどうすることも…)

ギィッ

???「…最原君!」ダッ

入間「だ、誰だ?!」

???「ちょっと、何してるんすか!」グイッ

入間「うわっ…邪魔すんじゃねーよ、天海!」

天海「入間さん、最原君から離れて貰ってもいいっすか?無理矢理はよくないっすよ」

入間「うるせー!つーか、む、無理矢理じゃねーし…ごごっ合意の上だ!」

天海「そうなんすか?最原君」

最原「──!」ブンブン

天海「やっぱり嘘じゃないっすか。…あ、これ外しちゃいますね」ガポッ

最原「ぷはっ…ありがとう、天海くん」

天海「いえいえ。ひょっとしてお邪魔だったっすか?」

最原「いや、助かったよ」

最原(正直な話、全く残念じゃないといったら嘘になるかも知れないけど…)

天海「という訳っすから、いい加減諦めるっす」

入間「で、でもぉ…」

天海「恋人同士でも性行為の強要なんてしちゃいけないのに…況してや好きでもない人相手なら尚更っすよ」

入間「……」

天海「入間さん。このこと、キーボ君にバラされたら困るっすよね?」

入間「」ギクッ

最原「えっと、話がいまいち見えてこないんだけど…もしかして、入間さんはキーボくんが好きなのに僕にこんなことをしたの?」

天海「ええ、その認識で間違いないかと」

入間「う、うるせー!つーか考えてもみろよ?グラビアアイドルはオカズにしても恋愛対象になるかっつーとまた別だろ?!それと同じなんだよ!」

天海「仮にも女子の発言とは思えないっすね」

最原「…とにかく、こんなことはもうしないで欲しいんだ」

天海「もしまた最原君に手を出したりしたらその時は…判ってるっすよね?」

入間「うぅ…分かりました」
111 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/15(火) 23:34:21.24 ID:pDTUTIqSO

最原「ごめん…疲れたから一旦寄宿舎に帰るね」

天海「立てるっすか?」

最原「うん、なんとか」

入間「オ、オレ様も…」

天海「入間さんはちょっとここに残ってください。訊きたいことがあるんで」

入間「なんだよぅ…オレ様だって誰でもいい訳じゃねーんだからな…!」

天海「その言葉、そっくりそのままお返しするっす」

最原「…もう行くね」フラッ

天海「はい。お気を付けて」

ギイッ バタン


入間「…で、何を訊きたいんだ?このヴィーナスボディのスリーサイズか?」

天海「大したことじゃないっすよ…入間さん、ここ最近モノクマーズに何かされませんでした?」

入間「モノクマーズ?…ああ、そういやなんか突然ピンクの光を浴びせられたな」

天海「それはいつのことっすか?」

入間「確か一昨々日の昼頃だな」

天海「じゃあ最後にひとつ。それ以前に似たような体験をしたことは?」

入間「以前…はねーな。その後モノクマに同じようなことをやられたくらいで…」

天海「…なるほど。俺からの質問は以上っす」

入間「なんでそんなことを訊きやがんだ?新手のナンパか?」

天海「特に答える必要は無いしナンパでもないっす」
112 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/15(火) 23:44:26.41 ID:pDTUTIqSO

テロップ【数分後…】


─校舎玄関付近─


真宮寺「おや、最原君。とても疲れたような顔をしているけど何かあったのかい?」

最原「うん…色々とね」

真宮寺「そうやって言葉を濁すということは、具体的には話せない何かがあったみたいだネ」

最原「……」

真宮寺「深入りする気は無いから安心していいヨ」

最原「…うん」

真宮寺「ねェ、最原君はもう周りの人たちの変化には気付いているよネ?」

最原「それって、赤松さんやアンジーさんのこと?」

真宮寺「彼女たちもそうだけど…僕が気になるのは寧ろ入間さんと王馬君の方だネ」

最原「入間さんと王馬くん?確かに最近様子が変な気もするけど…」

最原(でもそのふたりが変なのって出会った時からずっとなんだよな)

真宮寺「どうやらまだ判っていないみたいだネ」

最原「判っていないって、何が?」

真宮寺「赤松さんたちは自然とああなった訳じゃない…恐らく、何者かの手に依って心を弄られているはずだヨ」

最原「!」

真宮寺「だって、そうでもないと説明が付かないでしョ?まあ、これは僕の憶測でしかないから、信じるも信じないも好きにしたらいいんじゃないかな」

真宮寺「…それじゃあ、僕はそろそろ失礼するヨ。引き留めたりして悪かったネ」

最原「ううん…じゃあね」


真宮寺(最原君は入間さんと王馬君の異変には気付いていないようだネ。僕の口から言うべきことじゃないと思ったから黙っていたけど)

真宮寺(誰かを愛するということは素晴らしいことだけど…あのふたりはまだ熱に浮かされているだけ。所謂恋に恋している状態であって、本当に相手を愛しているとは言い難い)

真宮寺(特に王馬君は、嘘だらけの自分の中に確かなものが出来て上付いているようだし)

真宮寺(…さて、君たちは一体どんな美しさを見せてくれるんだろうネ?)
113 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/15(火) 23:53:45.76 ID:pDTUTIqSO

テロップ【一方その頃…】

キーボ(さて、今日も誰かと交流したいところですが…どうしましょうか?)

キーボ(こういう時は内なる声に訊くのが一番ですね)


誰を誘いますか?(人物指定・百田と天海と入間は実質除外)
安価↓1
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/15(火) 23:58:35.72 ID:OG0APJky0
さいばら
115 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/16(水) 00:03:32.96 ID:6MqoP7XSO

安価ありがとうございます。
今回の投下は一旦終わりです。
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/16(水) 00:42:24.63 ID:HNiFehL1o
おっつおつー
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/16(水) 07:38:13.48 ID:TkJMX90EO
おっつおつー
天海の安定感以上に姉さんが絡まないからか是清の頼もしさが凄いな
118 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/17(木) 17:08:15.52 ID:mr+lgFlSO

レスありがとうございます。乙も嬉しいです。

>>117
姉さんのことさえ無ければ、怪しい恪好をしていて多少言動が変で民俗学に詳しく人間観察が趣味なだけの高校生ですからね。
119 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/17(木) 17:10:18.48 ID:mr+lgFlSO

キーボ(さいばらと聞こえた気がしましたが、最原クンのことでしょうか?)

キーボ(最原クンとは既に仲良くなっていますし、今更誘うまでもないような気もしますが…しかし彼は今や人気者ですから、会える内に会っておいてもいいかも知れません)


─寄宿舎の中─


キーボ(中庭に最原クンの姿が見当たらなかったので部屋まで来てみました。ここにもいなければ彼は既に外出している可能性が高いですね)

ピンポーン

ガチャ

最原「…キーボくん?」

キーボ「ここにいましたか。最原クン、暇なら僕と一緒に過ごしてくれませんか?」

最原「うん、いいよ。何をしようか?」

キーボ「ボクはなんでも構いませんよ」

最原「だったら、ちょっと行きたいところが…」


─超高校級の探偵の研究教室─


キーボ「キミも自分の研究教室にはよく行くんですか?」

最原「ううん。この場所はあんまり好きじゃないからね」

キーボ「そんなところに他人を誘ったんですか?」

キーボ「…今、絶対に『人じゃないだろ』って思いましたよね」

最原「…なんか、ごめん」

キーボ(あ、でも人に決めさせて文句を言うのって余りよくないんでしたっけ)

キーボ「そもそも、今日はどうしてここに来ようと?」

最原「質問が多いね。いや、いいんだけど。…実はちょっと気になることがあってさ」ペラッ

最原「……」

キーボ(最原クンは、本棚のファイルを手に取るとそのまま集中し始めてしまいました)

キーボ(『気になること』とは一体なんなのでしょう?しかし自分から話さないということは、ボクには話すべきではない判断した可能性もありますが…)


最原に『気になること』について訊きますか?
安価↓1
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/17(木) 17:20:01.20 ID:zHJMPCb7O
きかない
121 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/17(木) 19:58:32.21 ID:mr+lgFlSO

キーボ(内なる声は訊かなくていいと言っていますね…)

キーボ(直ちに訊かなければならないということもありませんし、取り敢えず今は止めておきましょう)

キーボ(…しかしずっとこのままというのも気不味いですね。ボクから何か話題を振りましょうか)

キーボ「あの…そのファイルには何が載っているんですか?」

最原「殺人事件の詳細だよ」

キーボ「えっ?!」

最原「僕もまだ全部は確かめてないけど、多分ここにあるファイルの全てが殺人事件について纏めたものだと思うよ」

キーボ「…考えてみれば探偵の研究教室ですしね」

最原「これには事件で用いられたトリックが詳細に書かれている…危険な物なのに、向こうの棚の毒薬と同じで簡単に使えるし持ち出せてしまうんだ」

キーボ「それは危ないですね。誰かが悪用してしまうかも知れないのに…」

最原「そうなんだよ。処分しようとしてもモノクマが元に戻しちゃうみたいでどうにも出来なくてさ。だからせめてあるものを把握して、何かが無くなった時に直ぐ判るようにしておこうと思ったんだ」

キーボ「そうだったんですか。…しかしボクを放ったらかしてまで没頭するのは感心しませんね」

最原「…ごめん、それもそうだね。だったら何か話そうか?」

キーボ「でしたら、プレゼントのコツを教えていただきたいです」

最原「プレゼントか…好きな物にしろ嫌いな物にしろ、贈りたい相手の才能や性格や服装をよく観れば大体判るんじゃないかな」

キーボ「なるほど。他には何かありますか?」

最原「コツってほどじゃないんだけど、王馬くんと入間さんとアンジーさんは比較的変な物が好きってイメージがあるから、こんなもの誰にあげたらいいんだって物があったら僕は取り敢えずその3人にあげることが多かったよ。…これ、みんなには内緒だからね?」

キーボ(この後も、最原クンとプレゼントの話題でしばらく盛り上がっていました)
122 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/17(木) 20:12:43.13 ID:mr+lgFlSO

テロップ【一方その頃…】


─サイバーな中庭─


モノファニー「平和な恋愛観察バラエティだったはずなのに、雲行きが怪しいわね…」

モノスケ「いやいや、お父やんも言うとったけどこんなん本編に比べたらどうってことないやろ」

モノキッド「せいぜい痴情の縺れで最原が刺されるかどうかってところだな!」

モノダム「ヤッパリ、人ノ気持チヲドウコウスルナンテ、間違ッテイタンダヨ」

モノタロウ「テコ入れ全否定だね」

???「面白そうな話っすね。俺も交ぜて欲しいっす」

モノスケ「ん?誰かなんか言うたか?」

モノダム「イヤ、今ノハ…」

天海「やっと見付けたっす。折角だし、ちょっとお話しましょうよ」

モノファニー「…キャアァァァ!」ビクゥ

モノタロウ「わぁいお話!オイラお話大好き!」

モノキッド「そんなこと言ってる場合じゃねーだろ!」

天海「時間は取らせないんで」

モノタロウ「それで、どんなお話をするの?」

モノファニー「ああもう…」

天海「そうっすね、3日前にキミたちが俺らにしたことについて…なんてどうっすか?」

モノダム「ナ、ナンノコトカ分カラナイヨ」

天海「キミたちモノクマーズが何をしたのか、目星は大体付いてるんすよ?」

天海「赤松さん、入間さん、王馬君、アンジーさん、そして俺…この5人は、3日前にキミたちから何かの光を当てられてからというものの、それぞれが不可解な心の変化を体験しているっす。これはキミたちの仕業としか考えられないっすよ」

天海「…本題はここからっす。俺は例の光を浴びせられた時、なんていうか既視感を覚えたんすよね。前にも同じことをされたような…そんな漠然とした感覚…」

モノファニー「もしかして、天海クンが言っているのは思い出しライトの光を当てられた時のことかしら?」ヒソヒソ

モノダム「彼モミンナト同ジヨウニ記憶ヲ上書キサレテイルカラ、ソノ時ノコトヲ憶エテイルハズガナインダケド…」コソコソ

モノスケ「アイツは前回から何度も浴びてる分、頭では忘れていても身体が覚えとったんちゃうか?」ムニャムニャ

モノタロウ「それってそんなものなの?」ボソボソ

天海「他の4人は以前に同じことをされた記憶は一切無いらしいっす。自分の才能を思い出せないことといい、なんだか俺だけ変っすよね?」

天海「ねえ…俺は一体何者なんすか?」スシザンマイ

モノクマーズ「…………」
123 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/17(木) 20:20:04.60 ID:mr+lgFlSO

安価ありがとうございました。
今回の投下は終わりです。

それにしても(単に間違えたからとは言え)スレタイではトートロジーってまで安価スレであることを主張しているのに、実際は余り安価の出番が無いんですよね…。
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/17(木) 21:53:46.57 ID:ZlY66Xao0
おっつおつー
ここから急展開になるのかな?目が離せないね
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/18(金) 00:04:39.81 ID:5zq8BzIdo
おつー
ロボと他者の扱いが然り気無く雑な最原好きだw
126 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/20(日) 00:08:54.87 ID:zLvNkukSO

レスありがとうございます。

>>124
モノクマーズ(番組スタッフ)のせいということが分かったところで直ぐにどうこう出来る訳では無いので、そういう意味での進展はまだ先ですね。

>>125
それくらいでないとあの面子全員と仲良くなるのはある意味難しいのかも知れません。
127 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/20(日) 00:10:33.97 ID:zLvNkukSO

突然ですが問題です。
>>109の入間はスタンガン等をどこに隠していたのでしょうか?

1.待ち合わせ場所周辺
2.特に描写は無かったが実はその時身に付けていたウェストポーチ
3.胸の谷間
4.スカートの中

答え:狛けぇこたぁいいんだよ!
128 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/20(日) 00:16:18.08 ID:zLvNkukSO

テロップ【数十分前】


─赤松の部屋─


赤松「……」

赤松「…はぁ」

ピンポーン

赤松「?」

ガチャ

ゴン太「赤松さん、一緒に虫さんでなごもうよ!」

赤松「えっ」

ゴン太「えっと…最原君と色々あってからずっと元気が無かったから、ゴン太にも何か出来ないかと思って」

赤松(どうしよう…100%好意で言ってくれてることだし、虫が好きって言っちゃった手前断れないよ…)

白銀「地味に私もいるよー」ヒョコッ

赤松「あ、白銀さん」

赤松(ゴン太くんの陰に隠れて気付かなかった…)

白銀「ねえ、ゴン太君の研究教室には蝶々とかの可愛い虫さんもいたよね?」

ゴン太「研究教室にいる虫さんはみんな可愛いよ!」

赤松「あの…私は虫さんの中でも特に蝶が好きだから、蝶を見せてくれたらすっごく嬉しいな〜」

ゴン太「そっか、分かったよ!それじゃあゴン太は先に行って準備してくるね!」ノシ

タッタッタッ…


白銀「ごめんね、赤松さん。出来れば止めてあげたかったんだけど、ゴン太君ったらあんなに張り切っちゃってさ」

赤松「ううん、白銀さんがフォローしてくれたお陰で正直助かったよ」

白銀「それじゃあ、わたしたちも行こっか」
129 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/20(日) 00:28:27.38 ID:zLvNkukSO


─超高校級の昆虫博士の研究教室─


赤松「わぁ、翅が透明な蝶がいるなんて知らなかったよ」

ゴン太「この子はスカシマダラさん。生まれつき殆ど鱗粉が無い種類なんだ」

スカシマダラ「」ジー…

白銀「わたしはこっちの蝶が好きだなー」

ゴン太「アオスジアゲハさんかぁ。青色が奇麗だよね」

アオスジアゲハ「」ヒラヒラ

ゴン太「こっちのベニスズメさんも色が素敵なことで有名なんだよ」

ベニスズメ「」パタパタ

赤松(確かに色はピンクで可愛いかも知れないけど…蛾だからちょっと気持ち悪いかな)

ギイッ

王馬「ゴン太ー、遊びに来たよー」

赤松「あ、王馬くん」

王馬「おっと、先客がいたみたいだね」

ゴン太「王馬君も一緒になごもうよ!」

王馬「番組のルール上、デートってふたりきりじゃないと駄目なんじゃないの?」

白銀「別にそんなことは無いみたいだよ」

王馬「いやーダブルデートなんて照れちゃうねー」

白銀「言われてみれば地味に男女比が2:2だね」

ゴン太「王馬君はどんな虫さんが好きなの?」

王馬「そうだね、ハリガネムシとかカッコいいと思うよ!」

テロップ【※ハリガネムシ─体長は普通10〜40cmの細長い針金状で黒褐色。幼生はカマキリやバッタなどの昆虫類の体腔に寄生し、成虫すると寄主の体外に出る。滅多にあることでは無いが、人間に寄生した例も報告されている】

ゴン太「ごめん…ここにハリガネムシさんはいないんだ」シュン…

王馬「あっそうなんだー、残念だなーアハハ」ボウヨミ

赤松(やっぱり嘘なんだ…)
130 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/20(日) 00:38:16.37 ID:zLvNkukSO

王馬「まあ、オレは部屋の角の方で勝手になごんでるからお気遣い無く」

ゴン太「うん、分かったよ」

白銀「ねぇゴン太君、この蝶はなんて名前なの?」

ゴン太「あ、その子はね…」

ワイワイ キャッキャッ

王馬「」ソロー…

王馬「」パカッ

カサコソ

赤松「あれ?何この毛玉…」

タランチュラ「」カサコソ

赤松「きゃあぁぁぁっ?!」ビクゥ

白銀「赤松さん、どうし…って、なんで蜘蛛が?!」

王馬「あ、タランチュラそっちに行っちゃってた?」シレッ

ゴン太「王馬君がトリクイグモさんをケースから出しちゃったの?」

王馬「いやぁうっかり手が滑ってさー」

王馬(赤松ちゃんは蜘蛛っていうか大半の虫が苦手みたいだけど…最原ちゃんに対する拒否反応はこれの比じゃなかったよね)ニヤッ

白銀「王馬君…赤松さんが困ってるのがそんなに面白いの?」

王馬「うん、面白いよ」ニヤニヤ
131 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/20(日) 00:45:24.81 ID:zLvNkukSO

短いですが今回の投下はここまで。
ハリガネムシの説明の大半は百科事典マ○ペディアからの引用です。
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 10:32:28.39 ID:yHTlxq3zO
おつー
スタンガンはスカートに隠してたな間違いない
133 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/21(月) 12:14:32.26 ID:D84B8Q8SO

レスありがとうございます。

>>132
入間のスカートなら中が四次元ポケットのようになっていてもなんら可怪しくはないですよね。
134 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/21(月) 12:16:09.28 ID:D84B8Q8SO

テロップ【13日目・午後】


─プール前─


王馬「もー最原ちゃんったら遅いよ!12時30分に集合って言ったのに!」

最原「約束の時間は13時でしょ?」

王馬「にしし、バレちゃったかー」

最原「相手が王馬くんでもなければ、自分の記憶の方を疑うんだけどね」

王馬「でも、オレ本当に待ちくたびれたんだからね!ほらほら、早く水着に着替えようよー」

王馬「あ、更衣室まで競争しない?」

最原「プールサイドで走ったら危ないよ」


─室内プール─


最原「結局ここで何をするの?」

王馬「説明の前にまずはこれを受け取ってよ」

つエレキテンペスト

最原「…これ、いつだったか僕がキミにあげたやつじゃないの?」

王馬「最原ちゃんに貰ったのはこっちだよ」チャキッ

王馬「それはオレからのプレゼントってことで」

最原「2挺のエレキテンペスト…つまりこれでお互いに撃ち合うと」

王馬「そ、水鉄砲使ってやることなんて決まってるよね」

最原「じゃあそこら中に置いてある色水の入ったバケツは?」

王馬「リロードポイントだよ。命中した時判り易いから弾は色水にしようと思って。オレが紫で最原ちゃんが青だから間違えないでね」

最原「手が込んでるね…王馬くんが用意したの?」

王馬「うん、プールの水に食紅を溶かして作ったんだ」

王馬「目をやられないようにちゃんとゴーグル着けてね」ピュー

最原「ちょっ…言ってる傍から顔を狙わないでよ」

王馬「なんで?もうゲームは始まってるんだよ?」ピュッピュッ

最原「この…!」ピュー

王馬「うわっぷ!口に入った…」ペッ

王馬「にしし…次は本気でいくからね!」

最原(この後滅茶苦茶エキサイトした)
135 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/21(月) 12:26:42.30 ID:D84B8Q8SO

─プール前─


王馬「身体に付いた食紅落とすの大変だったねー」

最原「ほんとにね…」

王馬「キミのお陰で今日はつまらなくない1日になったよ」

最原(真宮寺くんは、王馬くんも赤松さんやアンジーさんと同じような状態になっているって言ってたけど、全然そんな感じしないんだよな)

最原(心なしか情緒不安定になったというか、ちょっとしたことでころころ機嫌がよくなったり悪くなったりすることは増えたけど…大した変化とは思えない)

最原(一緒に半日過ごしても結局何も分からず終いで、ただ筋肉痛が悪化しただけだったな)

最原(いや、だけってことは無いか。楽しかったし)

最原「そういえばプールの跡片付けはどうするの?」

王馬「前以て東条ちゃんに依頼してあるよ」

最原(東条さんにはお世話になりっ放しだな…今度何かお礼をしないと)

王馬「という訳で、東条ちゃんのところに行ってくるよ。オレたちが使い終わったら直ぐにでも掃除したいって言ってたからさ」

最原「うん、分かったよ」

王馬「最原ちゃん、また遊ぼうね!」ノシ

タッタッタッ…
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 12:28:53.53 ID:u4pE+IHlo
王馬はコロシアイじゃなきゃ少しウザいだけでかわいいんだけどな
137 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/21(月) 12:35:27.04 ID:D84B8Q8SO

─最原の部屋─


ピンポーン

ドンドンドン!

クサイハラ!イルノハワカッテンダカラナ!

最原(入間さんか…出来れば居留守を使いたいけど…)

ドンドンドン!!

最原「今出るからドアを叩かないでよ!」

ガチャ

最原「」スー…

最原「どうしたの?」スキマ5センチ

入間「ったく、そんなに警戒しなくてもいいだろーが」

最原「そりゃ警戒もするよ…」

入間「お前、プールに行ったんだろ?」

最原「うん、行ったよ」

入間「じゃあまだ洗ってない水着とか…持ってたりしねーか?」

最原「……」

最原(確かに自分で洗おうと思って持ち帰った海水パンツがあるけど、それを入間さんに話していいのか?)

入間「なあ、頼むよ…もうお前には何もしねーし、そんなんで済むなら安いもんだろ?」

最原(なんだか段々可哀想になってきたな…。それをキミが言うのかって感じではあるけど、まあ入間さんにしては低姿勢だし)

最原「分かったよ…ちょっと待ってて」パタン

ガサゴソ

ガチャッ

最原「はい、これでいいんだよね?」

つプールバッグ

入間「おう…へへ、確かに入ってんな」

最原(入間さん…前から変な人ではあったけど、流石にこれは可怪しいよな?)

入間「れ、礼は言わねーからな」
最原「いいよそんなの」

最原(どちらかと言えば謝って欲しい)

入間「それじゃあ、しばらく会うことはないだろうな…」クルッ

タッタッタッ…

最原(なんか、凄く疲れた…)
138 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/21(月) 12:41:06.40 ID:D84B8Q8SO

短いですが今回の分は終わりです。
自分で書いておいてなんですが、食紅の水溶液で身体に色が付いたりするんですかね?
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 13:18:08.61 ID:F5RsHcS+0

やったことないけどシロップとかはつくしつくんじゃない

王馬が正攻法で仲良くなろうとしてて笑う
赤松にも直球で嫌がらせしてるし
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 13:46:06.25 ID:DsV2NZMuo
おつー!普通に楽しそうなやりとりに和んだ
このスレの更新いつも楽しみにしてます
141 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/23(水) 12:12:05.22 ID:cIHS7hySO

レスありがとうございます。

>>136
確かに本編に比べたら可愛いものですが、そのウザさだけでも割りと致命的な気がします…。

>>139
なるほど、安いかき氷で舌に色が付いたりしますしね。
ライトを浴びて以降の王馬は基本的にその時々の感情で動いてます。悪の総統にあるまじき単純さですね。

>>140
そう言っていただけると嬉しいです。
でもでもー、小吉が楽しそうにしてるのは上げて落とされるフラグだって神様が言ってたよー?(ネタバレ)
142 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/23(水) 12:18:45.23 ID:cIHS7hySO

>>54
亀訂正

×天海「最原君は、おでかけチケットで今まで行けなかった場所にも行けるようになったことは知ってるっすか?」

○天海「最原君は、デートチケットで今まで行けなかった場所にも行けるようになったことは知ってるっすか?」

なんで1・2とV3で名称違うんですか(逆ギレ)
143 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/23(水) 12:21:16.43 ID:cIHS7hySO

テロップ【数時間前】


─カジノエリア入口周辺─


天海「春川さん、ちょっといいっすか?」

春川「いいけど、アンタが私に何か用?」

天海「実はちょっと相談したいことがあって…ふたりきりで話せるところに行きたいんすよ」

春川「……」


─超高校級の暗殺者の研究教室─


天海「単刀直入に言うっす。春川さんは拷問をすることは出来るっすか?」

春川「畑違いだけど出来なくはないよ。でも、門外漢でいいならそういうのは王馬の方が得意そうだけど」

天海「正直あの人に借りを作るのは嫌っす」

春川「それもそうだね」

天海「訊かれる前に言うっすけど…俺が拷問して欲しいのはモノクマーズなんすよ」

天海「赤松さんがああなったのはモノクマーズのせいと見てまず間違いないっす。指示を出したのはモノクマでしょうけどね」

春川「…!」

天海「それでさっき問い詰めてみたんすけど、以前のお尻ペンペンがよっぽど応えたのか全然口を割らなかったんすよね」

春川「は?お尻ペンペン?」

天海「ああ、あの場に春川さんはいなかったんでしたっけ。モノクマーズが何かやらかした時モノクマにされたらしいっすよ」

春川「ていうか、アンタの口からそんな単語が飛び出すとは思ってなかったから面食らったんだけど…まあ、いいから続けて」

天海「はい。逆に考えれば、これは彼らに痛みを感じる機能が備わっている証拠っす。モノクマと違ってスペアが無いのなら、人間でいうところの死に対する恐怖のようなものもあるでしょうし」

春川「確かにアンタの言う通りなら、モノクマーズを拷問して情報を引き出すのも可能なのかも知れないけど…」

天海「何か問題が?」

春川「まずひとつ。私は人間ならともかくロボの拷問なんてやったことないから上手くいく保証は無い」

春川「そしてもうひとつ。もし仮に上手くいってアイツらが吐きそうになったとしても、その前に消される可能性が高いと思う」

天海「消されるっていうのは、俺たちの方ではないっすよね?」

春川「勿論。殺人はリスクが高過ぎる」

春川「それに、アイツらだったら造る時に自爆装置でも中に仕込んでおけば、遠隔操作でいつでも木端微塵に出来るでしょう」

天海「そうっすね、あんなロボを造れるのならそれくらい出来ても可怪しくないっす。おまけにこの学園は番組スタッフの監視下に置かれていますし、タイミングを見計らって破壊することだって訳無いはずっす」

春川「そうなると、スペアの存在しないアイツらから情報を得る機会は永遠に失われる」

天海「つまり、春川さんは無理に拷問をするべきではないと考えてる訳っすか」

春川「モノクマーズが口を滑らせるのを待った方がよっぽどマシだと思ってるよ。今までだって、放っといても勝手に失言してたし」

天海「…やっぱりオレ、気持ちが先走っちゃってたみたいっすね」

春川「そんなに情報が欲しかったの?」

天海「ええ、色々と事情がありまして」

春川「ふーん…まあ、深くは訊かないでおくけど」
144 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/23(水) 12:36:50.17 ID:cIHS7hySO

天海「春川さん。つまらないものっすけど、よかったら相談料として受け取って欲しいっす」

つメープルファッジ

天海「お菓子なんすけど、甘過ぎるせいかこれ好きな人ってあんまりいないんすよね。春川さんも食べないなら、子供たち用にどうぞ」

春川「そっか。ありがたく貰っておくよ」

春川(嬉しいけど、私自身の好物だとは言い辛い…)

天海「あの…重ね重ね申し訳無いんすけど、ひとつ訊いていいっすか?」

春川「今度は何?」

天海「春川さんって百田君のどういうところが好きなんすか?」

春川「……は?」カオマッカ

天海「あっ、いえ、必ずしも恋愛的な意味でなくていいんで」

春川「ちょっと…私が百田を恋愛的な意味で好きなの前提みたいな体で話進めないでくれる?!」カッカッ

天海「落ち着いてください!そんなこと一言も言ってないっす!」

春川「殺されたいの?!」

テロップ【しばらくお待ちください】

春川「…いきなり取り乱したりして悪かったよ」

天海「いえ、俺の言い方も悪かったっす」

春川「百田の好きなところを言えばいいんだっけ?」

天海「はい」

春川「アイツってバカでデリカシーも無いけど…その分いい意味で細かいことを気にしないっていうか、器が大きいんだよ。私が抱え込んでいるものをなんとなく察して気にかけてくれて、暗殺者だって明かしてからも当然のように受け入れてくれた」

天海「そんな百田君だから春川さんも秘密を打ち明けたんすね」

春川「アイツがしつこく纏わり付くから、本当のことを話してもう関わらないように言うつもりだったんだよ。…でも、今思えばなんだかんだで私は期待してたんだろうな」

天海「まあ、その時には百田君がそれしきで退くような人じゃないって大体判ってたでしょうしね」

春川「結局、私は人の温もりに飢えていたんだと思う。そんな時にアイツが差し伸べてくれた手は余りにも温かくて…縋らずにはいられなかったんだよ」

天海「なるほど」

天海(話を聞く限り、心細い時に支えてくれたのが大きいっぽいっすね。百田君が最原君…と、春川さんの精神的な支えになっている現状を考えると、そういう意味では俺の付け入る隙は無さそうっす)

天海(後は多少の強引さも重要みたいっすけど、俺にはなかなか真似出来ることじゃ…)
145 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/23(水) 12:51:16.65 ID:cIHS7hySO

春川「そもそも、なんでそんなこと訊くの?」

天海「…そうっすね、最原君って今でこそみんなと仲良くしてるっすけど、最初の方はずっと赤松さんや百田君にくっついてたじゃないっすか」

春川「まあ、そうだね」

天海「今でも彼が特に懐いてるのってそのふたりでしょう?」

春川「それは否定しないけど…よく歳の近い同性を子供か小動物みたいに言えるよね」

天海「彼らってどことなく雰囲気が似ていたりして、相通ずる部分があるような気がしません?」

春川「うん、分からなくもないよ」

天海「それで思ったんす。最原君の好みのタイプってそういう人たちなんじゃないかって」

春川「……え?」

天海「それで思ったんす。最原君の好」

春川「いや、聞こえなかったとかじゃないから」

天海「それは失礼したっす。…で、最原君と同じく百田君と仲のいいキミの意見を伺おうと」

春川「何?アンタ、最原の理想になりたいの?」

春川(自分で言って鳥肌立った…)

天海「ええ、出来れば。でもそれはあくまで手段であって、目的は最原君と今以上に仲良くなることっす」

春川「今のままじゃ駄目なの?」

天海「それじゃ嫌なんすよねー…」

春川(天海って…こんなに気持ち悪い奴だったっけ?)ゾワゾワ

春川「ていうかさ、だったら私じゃなくて最原に直接訊けばよかったじゃん」

天海「それは流石にちょっと恥ずかしいっていうか…」

春川「あっそ…よく分からないけど」

天海「春川さんの意見も非常に参考になりましたし。キミさえよければ、もっと話してくれないっすか?」

春川(別にコイツに付き合ってやる義理は無かったけど…メープルファッジ貰ったし、もう少しだけ百田のいいところについて教えてあげることにした)
146 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2017/08/23(水) 12:59:37.34 ID:cIHS7hySO

キーボ(偶にはボクから誘おうと思って入間さんに声をかけましたが『忙しいから』と断られてしまいました)

キーボ(仕方が無いのでまた他の誰かと交流を深めることにしましょう)


誰を誘いますか?(人物指定・最原と王馬と春川と天海と入間は実質除外)
ちなみに夢野かアンジーを誘うと漏れ無くもう片方も付いてきます。
安価↓1
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 13:11:05.24 ID:DO6GJqvMo
キルミー
148 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/08/23(水) 13:17:13.35 ID:cIHS7hySO

安価ありがとうございます。
今回の投下は一旦終わりです。

149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 13:37:20.52 ID:fjIyt0EY0

天海が気持悪くて腹筋が図書室行った
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 14:17:15.07 ID:0X2Pv0clo
まだギリギリホモってないレベルだと思うんだが
気持ち悪い呼ばわりされててワロタ
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