【アイマス】P「それぞれのアイドルマスター」

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1 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 13:54:02.91 ID:HuUPeYnzO

高木「あー、そこでこっちを見ている君!」


高木「そう君だよ、君! まぁ、こっちへ来なさい」


高木「ほう、何といい面構えだ。ティンときた!」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1501563242
2 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 13:55:01.76 ID:HuUPeYnzO

高木「私がこれから語るのは、765プロと961プロ、決して結び付くことの無かったふたつの線を繋ぐ物語だ」


高木「765Pと961Pという2人の悠久の旅人が、未来を築いていく」


高木「なあ君、こんな世界があってもいいじゃないか」


高木「このコンテンツも12年。ここらで、その歴史を濃縮してみるなんていうのは……」


高木「……いかんいかん、大げさになってしまったようだ」


高木「ま、肩の力を抜いて、冗談半分にでも聞いてくれたまえ」
3 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 13:56:43.46 ID:HuUPeYnzO

高木「おっとそれからこの物語の前に、以下の注意事項を見ておいてほしい」



【XENOGLOSSIA】【シンデレラガールズ】【ミリオンライブ!】
【765P&961P「ふたりのプロデューサー」 のリメイクである】



高木「特にXENOGLOSSIAの要素はかなり強めだ。未視聴でも問題ないが、君に合わなかったらすぐに中断した方が良いだろう」


高木「この機会に視聴してみるのもいいと思うよォ」


高木「本当にいろいろとメンドクサイ世界だが……受け入れてほしい所だ」
4 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 13:59:41.14 ID:HuUPeYnzO

高木「それでは君にこの物語の登場人物を少しだけ紹介しよう」



天海春香……ゼノグラシアから逆輸入。本家とは違い、雪歩と真を「雪歩ちゃん」「真ちゃん」と呼ぶ。性格は本家とゼノグラシアのハーフぐらい。961プロ所属。


菊地真……ゼノグラシアから逆輸入。一人称が「ボク」なこと以外はまったく別人。961プロ所属。


萩原雪歩……ゼノグラシアから逆輸入。961プロ所属。


如月千早……若干ゼノグラシア要素を引き継ぎ、雪歩との関わりが深い。雪歩を「雪歩」と呼ぶ961プロ所属。


765P……765プロのプロデューサー。美希・響・貴音のユニットを率いてIA大賞を狙う。


961P……特例で961プロ始まって以来のプロデューサーに就任した男。新米。


黒井……ジュピターに961プロを去られ、己の信念を失う。961Pをプロデューサーに雇い、ユニットをデビューさせた。



高木「それから、おおまかな役職は2ndのもので考えてくれたまえ」
5 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:00:19.63 ID:HuUPeYnzO

高木「おっともうこんな時間か!私が長々と喋ってしまったな」


高木「前もって言っておくが、好奇心が無くなったら、途中で中断してもらってもかまわない」


高木「御覧の通り、私の話は冗長なのでな……」


高木「……それじゃあ、また物語の中で会おう」





高木「そうそう言い忘れていたよ」

高木「アイドルマスター、12周年おめでとう」
6 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:00:56.39 ID:HuUPeYnzO


―――――

―――



7 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:01:27.33 ID:HuUPeYnzO


―――ここは765プロ。


8 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:02:11.66 ID:HuUPeYnzO

TV<クロイプロカラ、シンユニットデビュー!!


美希「あ、見て見て!この娘たち、961プロの新ユニットなの」


響「前に雑誌で見かけたな。“モンデンキント”と“わんつ→ているず”だっけ」チラッ


TV<マミダヨーン!! ウッウー!!タカツキヤヨイデスー!
9 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:03:13.73 ID:HuUPeYnzO

貴音「話には聞いておりましたが、亜美の姉妹である、双海真美はこの人物なのですね」


響「ホントに亜美そっくりだぞ」マジマジ


美希「ねーねープロデューサー、このユニットどう思う?」
10 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:05:11.84 ID:HuUPeYnzO

765P「かわいい。プロデュースしたい」


貴音「プロデューサー、スカウトはなりませんよ?この方々は961ぷろのあいどるです」


響「同じIA大賞を狙ってくるユニットだもん、自分たちもうかうかしてられないなー!」


765P「やる気があるのは良いことだ。俺たちも頑張ろう」


765P「よし、んじゃあ仕事行こうか」


美希「はいなの!」スタッ
11 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:06:12.99 ID:HuUPeYnzO

TV<ツヅイテハ、モンデンキントニヨル ビネツエスオーエス デス!


美希「それにしてもこのモンデンキントって娘たち、みんなおっぱいちっちゃいねー」


響「その視点はどうなんだ、美希」
12 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:06:43.83 ID:HuUPeYnzO

―――――

―――



13 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:07:13.52 ID:HuUPeYnzO

――場所は変わって、ここは高木社長の通うバー。カウンターには高木と黒井社長の姿がある。

偶然に会した2人は、一体どんな会話を交わしているのか。

14 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:08:05.80 ID:HuUPeYnzO

高木「いやぁ〜驚いたよ〜!まさか961プロから新ユニットがふた組も!」


高木「なんせ同時にふた組もデビューしたんだからねぇ!」


黒井「……温存していただけだ。ジュピターが消えた今、新たに我が社の看板となるのは、あの子達だ」


黒井「お前たちには二度と負けん……真の王者が誰だか思い知らせてやるからなっ!!」


高木「しかし…竜宮小町に歌唱対決で一度敗れただけで、ジュピターを手放すなんて、お前はどうして……」


黒井「奴らが勝手に離れていっただけだ!分かったようなことをいうな……!」


高木「……そうか」
15 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:08:48.16 ID:HuUPeYnzO

高木「それで、お前のユニットは竜宮小町とフェアリーを超えていく算段はあるのかい?」


黒井「貴様に話すような理由もないが……」


黒井「今夜会ったのも何かの縁だ。一つ教えてくれてやろう」


高木「もったいぶるねぇ。話してくれよ」


黒井「……ジュピターの自立型アイドルユニットの体制を省みた結果」


黒井「………」


黒井「……モンデンキント、わんつ→ているず、には新たにプロデューサーを付けることになった」
16 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:09:17.24 ID:HuUPeYnzO

―――――

―――



17 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:09:47.59 ID:HuUPeYnzO


―――ここはとあるホール。今日はここで、モンデンキントとわんつ→ているずがミニライブを開催していた。

小さいながらも満員になった客席。歌の披露を終えた真美の声が会場に響く。

18 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:10:24.08 ID:HuUPeYnzO

真美「会場の兄ちゃん姉ちゃーん!!」


やよい「わんつ→ているず、これからもよろしくお願いしまーっす!!」


\ワーーーーーー!!!ヤヨイチャーン!!マミー!!/


やよい「うっうー!次はモンデンキントのみんなだよー!!」


\フゥゥゥゥゥ!!/
19 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:11:15.74 ID:HuUPeYnzO

961P「お疲れ様。二人とも、素晴らしいライブだったね」


やよい「あっプロデューサー!お疲れ様ですーっ」


真美「ねーねー兄ちゃん!真美たち、ちゃんと出来てたかな?」


961P「ああ、とても素敵だったよ。本当は今一緒に喜びたい所だけど...」


961P「モンデンキントが終わったら、合同ステージもあるからな。気を抜かずに行こう」
20 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:12:36.33 ID:HuUPeYnzO

春香「さあフィナーレだよー!みんな!!」


\ワァァァァァァァァ!!!/


雪歩「ラストの曲は、私達モンデンキントの新曲…」


真「『恋だもん〜初級編〜』を歌うよ」


千早「最後まで、応援よろしくお願いします!」


\オォォォォォォォォォォォ!!!!/
21 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:13:05.91 ID:HuUPeYnzO

かくして、961プロのミニライブは大団円を迎えた。

ステージ袖では成功を喜びあうアイドル達の姿。

デビューして一カ月足らず。駆け足で彼女たちは成長を遂げている
22 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:13:42.75 ID:HuUPeYnzO

春香「お疲れさまでした!」


961P「両ユニット混合のステージも大成功だな。みんな、本当にいいライブだったぞ」


千早「プロデューサーのおかげです。デビューから私達をここまで導いてくださったからこそ…」


春香「そうですよ!プロデューサーさんのおかげです!ねっ雪歩ちゃん!」


雪歩「……zzz」


春香「って立ったまま寝てるし!!」ガーン
23 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:14:16.20 ID:HuUPeYnzO

…… 一方で、上手く回らない歯車もある。



真「…萩原、今日は小さなミスが目立ったぞ」


雪歩「…はい、すいません」 シュン


真「ステージの上であまり余計なことを考えるなよ。ミスしたらボク達は終わりなんだ」


真「特に萩原は如月を意識しすぎだ。お前が歌を届ける場所はどこだ?」


雪歩「…分かってます。私だって、あの人に迷惑はかけたくないです…!」


真「ボクの言いたいことは言ったから。ひきとめて悪かった」スタスタ…
24 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:14:43.28 ID:HuUPeYnzO

―――――

―――


25 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:15:39.12 ID:HuUPeYnzO

―――場面は再び765プロ……

全てのアイドルユニットが目指す“頂”、『アイドルアカデミー』から通知が事務所に届いていた。

26 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:16:35.52 ID:HuUPeYnzO

小鳥「プロデューサーさん、今年度のIA大賞の詳細が届いてますよ!」


765P「ありがとうございます、音無さん。律子には俺から伝えておきますね」


高木「いや〜今年は竜宮小町にフェアリーと、765プロからもノミネートが確実だろう!!」


高木「嬉しい限りだね、きみィ」ハッハッハ…


小鳥「今年は、765プロがIA大賞を勝ち取れますよ!」


765P「はい!とにかく俺は全身全霊でフェアリーをプロデュースします!」


765P「他のユニットに負けないためにも」



765P「そして、竜宮小町に並び立つためにも……!!」
27 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:17:07.22 ID:HuUPeYnzO

―――――

―――


28 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:18:13.99 ID:HuUPeYnzO

ここはとあるロケ地―――


「……ありがとうございます、IA大賞ですか」


「電話の内容は聞いたわね、みんな」チラッ


律子が訊く。


「んっふっふ〜、亜美たちならヨユーで大賞とっちゃうっしょー!」


「ヘラヘラするのは感心しないけど、大賞取る気はあるわ」フンッ


「そうね♪みんなと一緒が楽しいっていう気持ちなら、私たちは誰にも負けないもの〜♪」ニコニコ


「頼もしいわ。その意気よ……さあ、ますます忙しくなるわね!」




強い風が、彼女たちの髪を揺らしていった。


それはきっと、新たな世界まで吹きわたる風―――

29 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:19:11.02 ID:HuUPeYnzO




【imas-12thAnniversary SS長編】


「それぞれのアイドルマスター」



30 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:19:45.82 ID:HuUPeYnzO

961プロからモンデンキント、わんつ→ているずの両ユニットがデビューして、4ヶ月が経った。

軌道に乗り勢いを増す961プロ。圧倒的な実力でファンを増やしていく765プロ。

両者とも芸能界を盛り上げる先頭だ。


そんな中、アイドルユニットの頂点を決める闘いが、始まろうとしていた……
31 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:21:00.26 ID:HuUPeYnzO

―――――

―――


32 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:21:53.59 ID:HuUPeYnzO

―――ここは都内撮影スタジオ。

雪歩が初めてファッション誌の表紙を飾ることになり、961Pと雪歩の2人が訪れていた。
33 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:22:40.74 ID:HuUPeYnzO

961P「雪歩、お疲れ様」


雪歩「ふぅ、いつもより緊張しました……」


961P「実は、俺もカメラを持ってきたんだ」


961P「衣装のままで、記念に一枚撮ってもいいかな?」


雪歩「大丈夫ですよ。可愛く撮ってくださいね」ニコッ


パシャッ
34 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:23:37.62 ID:HuUPeYnzO

961P「雪歩はどっちかっていうとモデル業に光るものがあるよ」


961P「もちろん、ステージやメディア系が良くないって訳じゃないけど」


雪歩「うーん、その通りだと思います」


雪歩「私は……舞台に立つといつも自意識に苛まれるんです」


雪歩「私を見に来てる人はいない……そんな自意識に」
35 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:24:14.51 ID:HuUPeYnzO

961P「……?どうしてかな。そんなことはないと思うけど」


雪歩「本当ですね。理由に心当たりがあるとすれば…」


雪歩「……私がどうしてアイドルなのか、実はよく分かってないからかもしれません……」


961P「雪歩……?」


雪歩「すいません、変なこと言っちゃって。次の現場に向かいましょう」
36 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:24:43.06 ID:HuUPeYnzO

―――――

―――


37 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:26:12.06 ID:HuUPeYnzO


―――また別の日。ここは、真が出演する舞台の稽古現場。

新人であるにも関わらず、高度な演技をする真に、プロデューサーは見入っていた。
38 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:26:53.97 ID:HuUPeYnzO

<キュウケイデース!


961P「真、すごいじゃないか!監督も『実力のある子だ』って褒めてたぞ!」


真「別に。誰に言ってんの」プイ


961P「別にって……真、かなり練習したんじゃないか?」


961P「そうじゃなきゃ、あれだけパーフェクトな演技は出来ないだろ」


真「……今日はボクは役者として呼ばれたんだ。ミスをしないのは当たり前なんだよ」


真「ミスしたらそこで終わり。普段がアイドルだから褒められただけだ」ツン
39 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:27:33.24 ID:HuUPeYnzO

961P「でも、普段から一人でストイックにレッスンもやってるし、もっと力を抜いてもいいと思うぞ…?」


961P「俺たちは仲間なんだから、他のみんなも頼ったりしてさ……」


真「ボク達は自分一人の才能を試す世界にいるんだ」


真「一人で上に登れないヤツはどうしようもないんだよ」
40 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:28:07.60 ID:HuUPeYnzO

―――――

―――


41 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:28:42.08 ID:HuUPeYnzO

―――視点は変わってここは765プロ。

ついにIA大賞からノミネートユニット発表の通知が届いた。事務所を緊張が覆う。

42 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:31:33.20 ID:HuUPeYnzO

小鳥「IA大賞の運営から、ノミネートされたユニットの発表通知が届いてます!」


高木「おおぅ、ついにきたか…!」ガタッ


765P「音無さん、結果を教えてください」ドキドキ…


高木「……」ドキドキ…


小鳥「ノミネートされたのは、876プロの『ディアリースターズ』を筆頭に…」


小鳥「…魔王エンジェル、ニュージェネレーション、315プロに移籍したジュピター…」
43 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:32:59.77 ID:HuUPeYnzO

高木「音無君、765プロは...」ドキドキ…


小鳥「…765プロからは、フェアリー、竜宮小町の2組ともノミネートされています!!」


765P「やった…!」グッ


律子「ふぅ…少し解放された気分です」


高木「キミたち、まずは大変ご苦労だった。これからも一層の活躍を期待している!」


律子「プロデューサーとフェアリーには悪いですが、大賞は私達竜宮小町がいただきますよ」 ニヤッ


765P「む、フェアリーだって譲る気はさらさらないさ」
44 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:33:37.47 ID:HuUPeYnzO

高木「ああ、音無君……通知を見せてもらえんかね?」


小鳥「はい、いいですよ?」スッ


高木「ありがとう……どれどれ」



高木(961プロからは、わんつ→ているず、だけか……)
45 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:34:03.86 ID:HuUPeYnzO

―――――

―――


46 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:34:57.16 ID:HuUPeYnzO

―――ここは961プロ内に存在する、アイドル部門の事務所。

IA大賞ノミネートユニットが発表されたため、ミーティングが行われていた。
47 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:36:56.25 ID:HuUPeYnzO

千早「……私達はノミネートされなかったのね」


雪歩「千早さん……」


春香「モンデンキントもデビューからあんなに頑張ったのになぁ……」


961P「残念だけど……でも、このIA大賞だけが世間の評価のすべてじゃない」


真「……納得いかないよ、こんなの」


961P「真、結果は結果だ。今回は少し運が無かっただけだ」


961P「……わんつ→ているずは来週ノミネート公式発表会が、船上ライブと共に行われる」


961P「大賞を取るにはその会場での良いアピールが不可欠だ。それに向けて準備していこう」


「「はいっ!」」


961P「それから……」


961P「モンデンキントにはひとつ提案がある」
48 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:40:42.02 ID:HuUPeYnzO

961P「765プロ、竜宮小町と一戦交えようかと考えている」


雪歩「竜宮小町との直接対決……ですか?」


961P「そう。まだ具体的なイメージが掴めている訳じゃないが、ステージバトルをオファーしようかと思う」


真「向こうが簡単に勝負を受けるもんか」


961P「たしかに今じゃただの妄想の内だ」


961P「言ったようにIA大賞はすべてではないが、注目度は比類なきものがある」


961P「毎年IA大賞にノミネートできなかったユニットは露出が少なくなってしまう傾向はある」


961P「ジンクスから脱却するには、俺たちはここでアピールするべきなんだと思う」
49 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:41:16.23 ID:HuUPeYnzO

千早「……私も、何もしないよりはその案に乗りたいです」


春香「私もです!モンデンキントが負けていないんだってことを証明したい!」


961P「ありがとう。雪歩と真はどうかな」


雪歩「千早さんがそれを望むのなら、私もついていきます」


真「……やるからには勝つ」
50 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:41:42.01 ID:HuUPeYnzO

―――――

―――


51 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:42:21.18 ID:HuUPeYnzO

―――ここは765プロの劇場。

フェアリーと竜宮小町のノミネート決定を、未来達が祝福していた。

52 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:43:42.03 ID:HuUPeYnzO

未来「みなさんIA大賞ノミネート、おめでとうございます!!」


美希「ありがとうなの!」アハッ!


翼「いいなぁ〜私もIA大賞候補アイドルなんてなりたいなぁ〜」


静香「翼はもう少しお仕事頑張らないと……」


翼「そうだね……フェアリー、応援してますよ!」


響「自分たち、劇場のみんなの分もがんばってくるからね!」


貴音「舞台は違えど、私達の心はひとつ、ですよ」
53 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:45:50.97 ID:HuUPeYnzO

未来「船上ライブのTV中継楽しみにしています!」


あずさ「うふふ、私達も船の上でライブなんて楽しみだわ」ニコニコ


伊織「船の上ならさすがにあずさも迷子にならないわね」


翼「この前飛行機で迷子になってたあずささんなら分からないですよ〜」
54 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:46:37.94 ID:HuUPeYnzO

亜美「亜美たち、トップアイドルになっちゃうっぽいよ?」


律子「はぁ...あんたはそうやってすぐ調子に乗るんだから...」


765P「亜美も頑張ったんだ。少しくらい気を抜いてもいいじゃないか...」


律子「だ・め・で・す!...まったくプロデューサーは亜美に甘いんですから!!」


765P「フェアリーの3人みたいなパーフェクトなアイドルと接してると、 時々亜美のアホさが必要になるんだよ」


亜美「うあうあ〜!兄ちゃんそれってどーゆうことだYO!」
55 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:47:06.41 ID:HuUPeYnzO

―――――

―――



56 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:47:44.02 ID:HuUPeYnzO

―――再び視点は変わり、ここは961プロ 社長室。

竜宮小町との共演の許可を、黒井社長が出すかどうか。

もしGOサインが出れば、765プロと961プロが関わりを持つのは、実にジュピター移籍後ぶりのこととなる。
57 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:49:09.36 ID:HuUPeYnzO

黒井「...お前が高木の所のアイドルと共演を望むとはな」


961P「IA大賞にノミネートされたユニットに注目が集まっている今こそ、 一度剣を交える時期かと」


黒井「だが、IA大賞前のこのデリケートな期間に、歌唱対決はリスクの面から、765側が拒否する……」


黒井「……いや、その可能性はない、ということか」


961P「……765プロは必ず乗ってきます。相手が我々ですから」


黒井「フン、こんなところで昔買った恨みが功を奏すとはな」


黒井「モンデンキントのLive×Aliveの出演を許可する。 相手が格上だろうと、無様な負けは許されない」


黒井「分かったな」


961P「……承りました」
58 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:49:57.88 ID:HuUPeYnzO

黒井「765プロ側には貴様が接触するのか?」


961P「はい。その予定です」


黒井「奴らは我々を警戒しているぞ。そうやすやすとは疎通ができないだろう」


961P「……乗り越えてみせます。今後のためにも」
59 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:50:43.48 ID:HuUPeYnzO

黒井(しかし……ここからがモンデンキントの正念場だろうな)


黒井(このステージバトルで彼女たちの亀裂がどうなるか……)


黒井(ヤツは、持ち堪えるだろうか…それとも……)
60 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:51:11.41 ID:HuUPeYnzO

―――――

―――


61 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:51:41.54 ID:HuUPeYnzO

―――そして、IA大賞ノミネート公式発表&船上ライブ開催の日が訪れた。

後にこの日は、961プロと765プロの距離を縮めたターニングポイントともなる。

62 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:52:50.98 ID:HuUPeYnzO

律子「あら、涼!」


涼「あ、律子姉ちゃん!竜宮小町もノミネートおめでとう!!」


律子「あんた達もついにIA大賞ノミネートまできたのね」


涼「最初876が選ばれたって聞いたときはびっくりしたけど……でも、大賞も狙っていくからね!」


律子「いや、あんた大賞無理でしょ」ヤレヤレ


涼「えっ!?」


律子「だって大賞をとるのは――」


律子「私たちだから」
63 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:54:39.40 ID:HuUPeYnzO

♪〜 キミが触れたから七彩ボタン 〜♪ 


伊織「船の上のみんなー!こんばんはー!!」


亜美「亜美たち、IAノミネートしちゃったZE☆」


あずさ「それでは竜宮小町の七彩ボタン、聴いてください♪」


\ワァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!/
64 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:55:12.13 ID:HuUPeYnzO

―――そして全てのノミネートユニットがライブを終えた。

会場には、プロデューサーを見失ってしまったやよいのうろたえる姿があった。

65 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 14:57:57.38 ID:HuUPeYnzO

やよい「うう〜プロデューサー、どこいっちゃったのかな……」オロオロ



伊織「ちょっとそこのアンタ!!」



やよい「はわっ!?私ですか?」


伊織「あんたが961プロの高槻やよいね!」


やよい「……?」


伊織「今年のIA大賞は今度こそ765プロ、そして竜宮小町がいただくわ」


伊織「もう961プロには後れを取らないわよ」


やよい「……よく分からないですけど、私たちも負けないようにがんばりまーっす!」


やよい「ええっと、竜宮小町さんの……」


亜美「おでこサンシャイン」ボソッ


やよい「おでこサンシャインさん!」


伊織「そうよ!私がおでこサンシャイン……って違うわよ!!」
66 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:00:26.72 ID:HuUPeYnzO

真美「あれ〜?そこにいる真美にそっくりな美少女は...」


亜美「お?この亜美にそっくりなぷりちーな声は...」


美希「あれ、デコちゃん、そこにいるの、961プロの子だよね?」


亜美「うあうあ〜!ミキミキ空気読んで登場してYO!」



美希「しっぽがふたーつ!のやよいちゃんだよね? 近くで見るとちっちゃくてますますカワイイの!!」


やよい「えっと……えへへ……」


伊織「美希!なに仲良くなってるのよ!相手は961プr……」


美希「天使なの!スリスリしちゃうね!!」スリスリ


伊織「話を聞けー!!」プンスカ!
67 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:02:12.05 ID:HuUPeYnzO

美希「改めましてやよいちゃん、ミキはフェアリーのミキなの!!」


やよい「水瀬伊織さん、星井美希さん、双海亜美ちゃん!初めまして高槻やよいです!」


真美「真美って呼んでねー!もしくはビューティフルクイーン!」


伊織「はぁ……なによ、961プロなのにまったく毒気ないじゃない……」


やよい「あのー、765プロさんと961プロって」


伊織「……何かあったかって?」
68 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:02:58.63 ID:HuUPeYnzO

伊織「……アンタは知らないのね……」


やよい「……えっ?」


美希「んー、やよいちゃんはまだ、気にしなくていいの」


伊織「むしろこれからのことを考えると、知らないままの方がいいかもね」
69 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:05:23.87 ID:HuUPeYnzO

亜美「まみー!あの有名な普通すぎるアイドルがいたYO!」


真美「ぴにゃ〜」


亜美「なんで急にモノマネしたか分からないけど、似てるー!」



美希「そういえばミキもまだ未央に会ってなかったの」


伊織「……アンタ達遊びに来たんじゃないのよ」ハァ…
70 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:06:06.44 ID:HuUPeYnzO


――― 一方その頃、迷子になってしまったあずさを探しに、貴音と響は船内を歩きまわっていた。

71 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:08:00.66 ID:HuUPeYnzO

響「あずさぁー……どこにいったんだー!!」


貴音「困りましたね……船から降りていないといいのですが…」



渋谷凛「……我那覇さんに、四条さん?」


響「あれ……凛!久しぶりだね!!」


モバP「おう、響、貴音。ノミネートおめっとさん」ヒョコッ


響「あ、一緒だったのか」


貴音「ふふっ。ぷろでゅーさー、そのお言葉、お返しいたします」
72 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:09:25.16 ID:HuUPeYnzO

響「CGプロもすっごい大きくなったよね!」


モバP「いやぁ、事務所立ち上げ当時にお前たちが手伝いにきてくれたおかげだよ」


モバP「765Pにもいろいろとノウハウを勉強したしな」


凛「私達が走り続けられたのは765プロのおかげです」


凛「これからも、フェアリーは私たちの目標ですよ…!」ニコッ


響「へへ、どういたしまして!」
73 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:10:15.91 ID:HuUPeYnzO

響「ところで、卯月と未央はどこにいるんだ?」


モバP「おたくの亜美と、その姉にさんざん遊ばれてるよ」アッハッハ…


貴音「それで二人で、でーとしているという訳ですね」


凛「四条さん……!」アタフタ


貴音「ふふ、じょーくですよ、凛」クスッ





モバP「そういや、さっきあずさを見かけたけど……」


響「ほんと!?どこにいた?」


モバP「ああ、確か……」
74 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:11:21.78 ID:HuUPeYnzO

―――――

―――





響「モバPの言ってた所に来たけど」


貴音「何故かぷろでゅーさーがいますね……」


響「プロデューサーと一緒にいるのは…?あずさじゃなさそうだ」
75 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:12:00.74 ID:HuUPeYnzO

―――それは響と貴音が来る少し前のこと。

ついに961Pが765Pに接触していた。
76 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:13:22.57 ID:HuUPeYnzO

961P「あの、少しよろしいでしょうか」


765P「えっと…あなたは……」


961P「初めまして、わたくし、961プロでプロデューサーをしております。961Pです」


765P「…!! …765プロ所属フェアリーのプロデューサー、765Pです」


961P「唐突ですが、ジュピター時代の件は本当に申し訳ありませんでした」


765P「…あなたも関わりが?」


961P「私がこの立場に就いたのは、ジュピターが961プロを辞めたあとです」


961P「……ですが、数々の妨害行為が765プロに行われたことは聞いております」


765P「……」
77 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:14:38.34 ID:HuUPeYnzO

961P「今日は、勝手ながら765プロさんとの今後のお話をさせて頂きたくて参りました」


961P「……私もアイドル達も、これからの765プロさんとの活動に支障をきたすことを望んでいません」


765P「今後は妨害しないから一緒に仕事してくれ、と?」


961P「はっきりおっしゃいますね……言い訳がましいですが、今のアイドル達に罪はありません」
     

961P「モンデンキント、わんつ→ているずは共に765プロとの共演を希望しています」


961P「765プロと961プロが、力を合わせることができないかと、本気でそう考えています」


765P(ウチの力がついてきたことから、反撃を恐れての停戦か?)


765P(それとも純粋に友好を求めているのか...)
78 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:15:29.45 ID:HuUPeYnzO

765P「今日この場で、『分かりました』とは言えません」


765P「こちらは一方的に攻撃されたのですから、すぐに信頼できるものでもないでしょう」


765P「ですが、あなた方が本当に和解の道を探ろうとしているのならば」


765P「今後も連絡をください。話を重ねましょう」


961P「……!ありがとうございます……!」ペコリ





(物陰)

響(961プロのプロデューサーだったのか)


貴音(響、なぜ私達は隠れて盗み聞きをしているのでしょうか……)


響(だって、二人とも怪しいぞ!)


貴音(今怪しいのは間違いなく私達だと思いますが……)
79 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:16:16.84 ID:HuUPeYnzO

765P「ところで、何故急にこのお話を?」


961P「……今日のような機会を逃したら、私たちはニュートラルに対面出来ないと危惧したのです」


961P「私は961プロの人間ですから、まずアポをとる時点で警戒されてしまうでしょう」


961P「そうなってしまえば、お互いの本音も届き難くなってしまうのではないかと」


765P「そうですか……たしかに、そうかもしれません」
80 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:17:06.64 ID:HuUPeYnzO

961P「竜宮小町のプロデューサー……秋月さんには、実は一つ、オファーを伺いました」


765P「律子に、ですか?」


961P「はい……あるテレビ番組のご共演のお願いです」


961P「突然の持ち掛けでしたから、ご迷惑をおかけしてしまいましたが…」


961P「門前払いではなく、一度持ち帰ってみる、とご提示くださいました」


765P「へぇ…律子が……」
81 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:17:56.07 ID:HuUPeYnzO

765P「俺たちは、昔よりは仕事を選べるようになりました」


765P「このオファーにも乗るかどうか、選択することはできます」


765P「もし、考えた結果、見送らせて頂くことになっても、問題ないですね?」


961P「はい。もちろんです」





(物陰)


響(竜宮が961プロと共演かぁ……)


貴音(また何か、企みがあるのでしょうか)


響(貴音もそう考えるよね。ちょっといきなりすぎだぞ)


貴音(しかし……)


貴音(あちらのぷろでゅーさーは、黒井社長とは異なる空気を感じますね……)
82 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:23:27.51 ID:HuUPeYnzO

―――――

―――


83 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:23:53.91 ID:HuUPeYnzO

―――ノミネート公式発表会の翌日。

765プロでは、961Pからのオファーに対する捉え方の会議が行われていた。
84 : ◆SMTwadriDM :2017/08/01(火) 15:24:54.87 ID:HuUPeYnzO

律子「……というわけなんですけど」


小鳥「モンデンキントと竜宮小町のステージバトルのオファー、ですか……」


765P「律子の考えは?」


律子「普通のユニットなら、この時期にステージバトルをするのはリスクが高いですが……」


律子「でも、こっちは竜宮小町ですし、TVのゴールデン枠生放送でアピールできると考えると……」 


律子「……でも相手は961プロですしー……」ウーン


765P「なぁ律子、961プロのプロデューサーと話してみて、どうだった?」


律子「えっと……そこそこ丁寧な人…でした。あと友好的、かな?」


765P「だよな。向こうからこれほど友好的に接近されたことは今までなかった」


律子「それは、裏をかえせば罠かもしれない……ということですか?」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 11:02:04.39 ID:CwkOor/1o
はよ
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/06(月) 20:15:04.47 ID:TXA/63KCo
まだー?
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