【安価】 ガンダムビルドファイターズトライ・アズールU【艦これ×GBF-T】

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379 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/02/25(日) 02:20:22.92 ID:DwROrLi0O
《その夜 神通・萩風の部屋》


天津風「じゃあ今は眠ってるだけ、ってことね」

朝雲「ええ。納得の上でね」

萩風「しかしいつ外的要因によって目覚めるか分からないんです」

霞「なら尚更明日の試合に出せないじゃない」

海風「はい。戦闘中に今日みたいな事が起これば…」

萩風「それならそれで、何とか出来る秘策があります。そして私には彼女達、特に嵐と言う人へのアドバンテージがあります」

愛宕「アドバンテージ?」

海風「確かに心理的なアドバンテージ、彼女が萩風さんを狙うのに多少の躊躇、もしくは全く攻撃できなくなる可能性もありますが…

あまり良い手とは言えません。理に適ってはいますが個人的には嫌悪を抱きたいくらいには」

萩風「分かっています。あまりフェアではありませんし、私でも気が引けますよ。

私が彼女に持つアドバンテージは… 『もう一人の記憶』なんです」

神通「もう一人の記憶?」

萩風「私の中の『もう一人の私』、その記憶が先程多少こちら側に流入してきて… その中には彼女との戦闘経験の記憶がありました。

一度や二度だけでなく、数十回近くのバトル経験が『前の萩風』と彼女の間にはあったようです」

天津風「じゃあ今のアンタはアイツを知り尽くしてる、ってこと?」

萩風「ええ。さらに言えば『以前の萩風』と今の私では戦闘スタイルが全く異なります」

霞「じゃあ一方的に相手を知り尽くした状態、ってことになる…」

瑞鳳「しかも相手は過去に引き摺られて、今の戦い方に対応出来ない。確かに萩風ちゃんはあの子にアドバンテージがある」

神通「少し卑怯な気もしなくはありませんが…」

愛宕「さっきの心理作戦よりは遥かにマシね。 それに萩風ちゃんの実力は相当よ。アドバンテージがなくてもあの三人に引けは取らない」

海風「では最終確認を。 編成は…」


ファイター選択
・朝雲:『シームルグ』
・萩風:『ガンダムエクシアルベルム』
・三人目 直下

選択可能ファイター
・海風:ウイングガンダム・アズライト
・霞:ブラストアクロスZZ
・天津風:ガンダムハルートボーライド or シューティングスターガンダム(改)

条件:とくになし。『天津風』を選択の場合機体を明記すること(シューティングスターを選択の場合、強化改修有り)。
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 09:57:01.84 ID:7aCXCKMK0
海風
381 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/02/27(火) 01:53:19.09 ID:HurrnIiiO
海風「戦闘指揮は海風、そして残りは朝雲さんと萩風さんとなります」

霞「…その編成、大丈夫なの?」

天津風「ウチのアレな部分を凝縮して煮込んだような編成じゃない…」

神通「頭が少々痛くなってきました…」

海風「失敬な」

瑞鳳「確かに一番クセが大きい編成ね。だけど機体はウチのツートップが揃ってる」

愛宕「アズライトバーストの圧倒的な爆発力を持つ『ウイングガンダム・アズライト』と同じくNT-Dと『コード・ブレイヴ』で機体ブーストを掛けられる『シームルグ』…

ジャスティスとZZもかなり高い性能だけど、この2機は出自が出自なだけに他と一線を画してるわね」

瑞鳳「そしてエクシアも追随出来るだけの性能は持ってる。流石、私の愛娘なだけあるよ」

萩風「お母様…」

天津風「それって私のハルートの性能が評価されてないような…」

瑞鳳「そう言う意味じゃないよ。ハルートは素の状態なら一番速い、それに運動性もかなり高いし。

逆に言えばこのイカれた機体が勢ぞろいしたチームで引けを取って無い時点で凄いと思う。ウイングとシームルグがイカれてるだけ」

霞「じゃあこの編成は『そこまでやらないと倒せない敵』用ってこと?」

海風「はい。 戦闘分析によれば3人は… 正直、おバカです」

一同「…」

海風「だけどそれは『余計な思考』を持ち合わせないという意味、守りを気にせず攻めてくるタイプだと思います。

それに余計な事を考えないからその分迷いが無い、単純な戦闘能力はかなり高いかと」

神通「ですがこれはチーム戦… 単純な、単機に頼った戦い方では勝てません」

海風「それを此処まで貫いてきた時点で相当、だと考えられますが… だけど、それもここで終わらせてしまいましょう。

我々は『戦術』を以って彼女達を打ち倒します。瑞鳳さん、例のブツを」

瑞鳳「あいよ」ドサッ

朝雲「何これ、ジュラルミンケース?」

萩風「これは?」

瑞鳳「ウイング、シームルグ、エクシア用の強化パーツだよ。 先行して3機分だけ完成させてきたのよ。

ZZ、ジャスティス、ハルート、ストライクの分は追って完成させるから、先に出来たブツの確認よろしく」


機体強化装備
・ウイングガンダム・アズライト 直下
・シームルグ 下3
・ガンダムエクシアルベルム 下5

※あまり無茶苦茶、また現在の機体から変化が大きくなるようなものは却下させて頂きます
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/28(水) 01:33:35.30 ID:Ymn2Tt2X0
・メッサーツバーグラズールスタイン(ドライツバーグラズールスタイン)

メッサーツバーグの改修型で銃口からビームサーベルを展開可能。
軽量化のため威力は落ちたがある程度出力を絞れば連射が出来る。
さらにツインバスターライフルと連結することで高出力ビーム砲以外に巨大なサーベルにもなる。
またメッサーツバーグ自体にエネルギータンクが有り、本体の粒子は消耗しない。
数はドライツバーグ2つ分、計6本。ラズールスタインはドイツ語で青い石を意味する。

・ウイングアズライトシールド

従来のシールドにアブソーブ機能と対実弾用粒子フィールド生成機能を追加したもの。
外観はノーマルのものと変化は無い。


射撃武装が足りないからこれくらいなら追加しても大丈夫だろう…
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/28(水) 02:34:48.48 ID:DsFH9HREO
踏み台
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 01:42:41.98 ID:hADJlLLN0
アームド・アーマーAW(アークウイング)
背部に装備するための新型ウイング。ウイング自体にもサイコフレームが再現されておりNT-D発動時は連動して装甲がスライドする。
以前のものより大型化し出力が強化、運動性能が大幅に向上した。
また予備バッテリーも兼ねておりコード・ブレイヴにより本体が粒子を使いきってもこちらの粒子を使えば継続して戦闘可能に。
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/01(木) 03:25:45.80 ID:DjE7JwZNO
踏み台
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 14:28:30.52 ID:Wp9Fe5X+0
GNHW/R
バックパックのマガノイクタチストライカーを改修し、元の機能そのままにGNランチャーを二つ装備している。
射程と貫通力に特化した作りとなっており、ビームが細く弾速も速いため目視が難しくなっている。
ただし、狙いをつけるために相応の狙撃能力は必要となっている。
また、分離しオートパイロットで支援機扱いで動かすことも可能。
387 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/02(金) 02:39:12.89 ID:GldtNKBOO
瑞鳳「まずウイング用のはこれ。メッサーツバーグの強化型武装『メッサーツバーグラズールスタイン』」

海風「名前長くないですか?」

霞「『ラズールスタイン』はドイツ語で『青い石』、つまり『アズライト』も含んでる。ドイツ語で揃えるならこうなっちゃうのよ」

天津風「どうしてそんな事知ってるのよ」

霞「私これでもドイツ系のクォーターよ。言ってなかった?」

朝雲「聞いて無い」

神通「ですが前にドイツ語でチーム名考えたり、ニーチェの原文をそのままドイツ語で読んだりしていました」

霞「ま、単語と日常会話ぐらいしか分からないからほぼ役に立たないけど。続けてください、瑞鳳さん」

瑞鳳「ウイングは射撃武装が少なかったからね。それを補うための武器がこれ。 改良点は軽量化による取り回しの改善。代わりに威力は落ちたけど連射が利くようになってる。

あと近接戦に持ち込まれても良いようにビームサーベル発振機能とツインバスターライフルとの連結時に砲撃以外に巨大サーベルを形成できるって能力も追加した」

萩風「ですがこれ、アズライトの特性に反しているのでは? 『アズライトバースト』が完全な性能を発揮するには粒子を溜め込む必要が…」

瑞鳳「だからメッサーツバーグ自体に粒子タンクを埋め込んでる。つまり本体からのエネルギー供給無しで使えるのよ。

で、それを合計6丁。ドライツバーグ二つ分用意しておいた」

海風「ではこのシールドは?」

瑞鳳「『ウイングアズライトシールド』。見た目は変化無いけど蒼龍さんのDXのシールドと同じ『アブソーブシステム』を新しく内蔵しといた。これで敵のビームはほぼ効かない。

ただそのせいで実弾に弱くなっちゃったんだよね」

神通「本末転倒では?」

瑞鳳「だからもう一つの機能として対・実弾用粒子フィールド形成機能を追加した。 これでビーム・実弾への対策は完璧よ」

霞「徹底的ね…」

瑞鳳「次に『シームルグ』用のはこの『アームドアーマーAW(アークウイング)』。今までのV字ウイングをちょっと大型化したの。

推力比は20%増し、大きく機動性が上がってる」

朝雲「この装甲… もしかしてNT-Dに連動しているんですか?」

瑞鳳「うん。サイコフレームを作りこんで、本体がNT-Dを発動するとこっちも変形して装甲がスライドするの。

でもコレの真価は『コード・ブレイヴ』の『発動後』に発揮する」

萩風「発動後、とは?」

瑞鳳「シームルグには欠点があって、『コード・ブレイヴ』発動時の大出力砲撃、『プラフスキー・ステラ・ストレイターレット』を放つと本体の粒子が尽きるまで放射が止まらないのよ。

強制的に粒子をカットする機能を付けたけどほぼ焼け石に水でその後も極端に性能が低下しちゃって… だからこのアークウイングにジェネレーターを付けた。本体の粒子が尽きたら、こっちから粒子を供給して継戦できるようにね」

天津風「確かにそれなら全力を発揮できる… 良い装備ね」

瑞鳳「そしてエクシアのは『GNHW/R』、エクシアのバックパックに追加機能を施した装備だよ」

萩風「これは、ランチャーですか?」

瑞鳳「このGNランチャーは貫通力と射程に特化して、しかもビームが細い上に弾速も速い。見切るには相当の視力が要る。

その分狙撃技能もそれなりに要するけど…」

萩風「私なら問題ありません。狙撃の訓練は受けています」

瑞鳳「そしてもう一つ、オートでの自律戦闘機能。バックパックを切り離すと支援機として扱うことが出来るってこと。

本体が格闘を挑んでる間にコソコソ隠れながら狙撃支援、なんてこともやれるよ」

萩風「私向け、と言う訳ですね」

瑞鳳「まず第一陣はこんな感じ。第二陣はもう少し待っててね」

愛宕「ここまでの装備だと、後がちょっと怖いわね…」
388 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/05(月) 02:19:19.76 ID:DQehqA8HO
《選手宿舎屋上》


朝雲「…何よ、急に呼び出して」

嵐「その… すまなかった。萩の事、何も考えて無くて… 自分の事ばっか考えて、萩を傷つけちまった」

朝雲「謝るべき相手は私じゃ無い。ま、人の制止を無視したのには怒ってるけど… 二度としないなら良いわよ。

それより、『前の萩風』について教えて貰え無い? 私は『今の萩風』しか知らない、だから友達として前のあの子についても知っておきたいの」

嵐「…アイツは世話焼きな癖に、妙に怖がりでいっつも俺の後ろに居たんだ。

野菜が大好きで甘いもんが苦手で… でも明るくていつも居て楽しかった。だけど俺が中学に入るのと同時に居なくなった… 初めは連絡が取れてたんだ。でも急に連絡が途絶えて…」

朝雲「事故にあって、再会した時には今まで知ってる萩風は居なくなったって訳か… まあ、アンタが困惑する気持ちも多少は分かるわ」

嵐「ああ… なぁ、アイツは本当に萩なのか…? 俺には何か、違うような… 他人になったような気がするんだ」

朝雲「そうね… 私には答えられない質問よ。だけど一つ言えるとすれば… あの子の心は、魂は本物よ。例え記憶が無くても、以前とは違っていたとしても…

あの子が『萩風』である限り、偽物も本物も無い。 私はそう思ってるし、あの子を信じてるから」

嵐「そうか… 良い友達を見つけたんだな、アイツも…」



朝雲「立ち聞き、良くないわよ」

萩風「気配は完全に消していたのですが…」

朝雲「ええ、気配はね。 私と萩風、さっきのリンクがまだ完全に切れてないみたいなのよ」

萩風「道理で、私もここが分かった訳ですか」

朝雲「…さっき記憶が流れ込んだって言ったわね。 多分もう一人にも同じ現象が起きてる筈よ」

萩風「はい… 私の記憶を垣間見て、どうやら真相に辿り着いてしまったようで…」

朝雲「そう…」

萩風「今ギリギリ形を保っていますが、次に覚醒すれば確実に…」

朝雲「消える、のね。 ねぇ、意識を一時的に覚醒を遅らせることって出来る?」

萩風「彼女の人格が弱ってる今なら出来ますが…」

朝雲「…」

萩風「…私と、同じこと考えてますね」

朝雲「そうみたい」

萩風「一つ、聞かせてください」

朝雲「何よ」

萩風「彼女、嵐さんに言った言葉… 偽りはありませんか?」

朝雲「無いわ。 私は信じてる、萩風を。一人の友として、チームメイトとして… ううん、それ以上の存在として」

萩風「例え私が昏睡病のキャリアーを葬ってきた、血塗られた人間だとしても?」

朝雲「勿論。 贖罪が要るなら、私も付き合ってあげる。 罪も重責も一緒に背負って分かち合う、萩風を信じるって決めた時そう決めたから」

萩風「そうですか… その答えが聞けただけで、満足です。 私が貴女を守り抜く、そう誓いましたが…

改めて言わせてください。 私と共に、未来を壊すために戦ってくれませんか?」

朝雲「良いわよ。 全部ぶち壊してやるから。 アンタと一緒に、ね」
389 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/05(月) 03:08:04.09 ID:/dAFFcgVO
《翌日 大会アリーナ》

『これより東京代表『フリューゲル・ヴェント』対栃木代表『トリオ・ザ・レッド』の試合を開始します』


海風「二人共、準備は?」

朝雲「OKよ。いつでもやれる」

萩風「こちらも、問題なく」


鬼怒「よしっ…!やるよ!」

江風「昨日の借り、返させてもらうぜ…!」

嵐「萩… 例えお前だとしても…!」


Please set your GP Base

Beginning plavsky particle dispersal

Field to "SKY"

Please set your GUNPLA

BATTLE START!


朝雲「朝雲! RX-0[Sm]シームルグ!」

萩風「ガンダムエクシアルベルム、萩風!」

海風「ウイングガンダム・アズライト、海風! チーム・フリューゲル・ヴェント!」

朝雲「出るわよ!」

萩風「行きます!」

海風「出撃します!」


天城「あれは… 『シームルグ』、ですが…」

榛名「バックパック、換装されてますね。天城、念のためデータを取ってください」

陽炎「それだけじゃない。全員新装備持ってる」

長波「追加武装の類だけど… 使いこなせるのか?」

阿武隈「多分出来る筈だよ。あのチームのメンバーならね」


能代「なっ…!? 改RX-0!?」

アドウ「おいおいおいおい… 何がどうなってやがる」

シア「あの機体、間違いなく宮城の…」

ウィルフリッド「コピー機か? いや、だがあの『真紅の戦乙女』が…」

能代「あれは間違いなくオリジナルよ…! 私の知らないタイプだし多少調整は受けてるみたいだけど、あの機体の作り込みや癖は間違いなく…」

能代(どうして…? 確かあの子の機体はストライクで… まさか、前に使ってたガン=カタはまさか先輩の…!?)


朝雲「敵、見えてきたわよ」

海風「そのようです。 各機へ、今回のステージは洋上の空です。遮蔽物などはなく、重力下なので充分注意を」

萩風「ステルスはあまり役に立ちそうにないわね… 敵機識別開始します」


敵編成(機体名・改造内容も併記)
・鬼怒機 直下
・嵐機 下3
・江風機 下5

ベース機条件:機体が元々『赤いMS』であること
改造条件:塗装は赤系統限定
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/05(月) 09:57:37.54 ID:7xrqJiEy0
レイジングアヘッド

GNバルカンx2
GNサブマシンガン
GNメイスx2
GNショートキャノンx2
GNシールド
GNショートビームサーベル
ブシドー専用アヘッドを近接機として別の方向性から改装した機体。
原型機と比べ機動性は少し低下しているが、その分装甲は分厚くなっている。
主武装は鉄血オプションセットの変形メイスを改造したGNメイス。
変形時にはビーム刃を展開することができる。
隠し玉としてトランザムも使えるが、1分しか使えない。
また本人の趣味なのか、所々鬼の意匠が施されている。塗装は原型機と同じ。
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/05(月) 10:42:23.46 ID:7xrqJiEy0
ksk
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/05(月) 11:19:40.11 ID:KmtoLomk0
レコードブレイカー・フルウェポン

右手にムラマサブラスター、左手にピーコックスマッシャー、背中にGキャノン方式でヴェスバー、両手のビームシールドはブランドマーカー、両脚にヒートダガー、右腰にスクリューウェップ、左腰にビームサーベル×2、MEPEを登載したサナリィ製ガンダムの武装てんこ盛り機体

393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/05(月) 22:20:15.79 ID:rOJmprrj0
踏み台
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/07(水) 20:22:47.43 ID:Dz0KOO78O
ハウンド・コンティオ

リグ・コンティオの改造機
原型からの改修点はヴァリアブルメガランチャーのバレルを延長していること。
またゴドラタンのビームトンファーを移植、ゲンガオゾのバックパックを装備している。
395 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/08(木) 01:45:32.82 ID:f4mBP7I1O
萩風「敵機は擬似太陽炉搭載型1、通常型2と断定。目視による機種判別、『アヘッド・サキガケ』『レコードブレイカー』『リグ・コンティオ』と推測」

朝雲「飛べないヤツでも来てくれれば良かったのに…」

海風「しかしチーム名の通り全機赤とは… 機体データ共有開始。各機、事前の打ち合わせ通りに」


敵部隊捕捉

レイジングアヘッド(鬼怒機)
武装
・GNバルカンx2
・GNサブマシンガン
・GNメイスx2
・GNショートキャノンx2
・GNシールド
・GNショートビームサーベル

概要
アヘッド近接格闘型『サキガケ』を近接機として別の方向性から改装した機体。
原型機と比べ機動性は少し低下しているが、その分装甲は分厚くなっている。
主武装は鉄血オプションセット08の変形メイスを改造したGNメイス。 変形時にはビーム刃を展開することができる。
隠し玉としてトランザムも使えるが、1分しか使えない。
本人の趣味として、所々鬼の意匠が施されている。塗装は原型機と同じ。


レコードブレイカー・フルウエポン(嵐機)
武装
・ムラマサブラスター
・ピーコックスマッシャー
・ヴェスバー×2
・ビームシールド(ブラインド・マーカー)×2
・ヒートダガー×2
・スクリュー・ウェッブ
・ビームサーベル×2

概要
F99レコードブレイカーにF90系統の機体の武装を取り付けた機体。主にF97(クロスボーン)のものが多い。
右腕にムラマサブラスター、左腕にピーコック・スマッシャーを保持。
Gキャノン方式で両肩にヴェスバー、右腰にスクリュー・ウェッブ、左腰にサーベル2本を装備。さらに両脚裏にヒートダガー、両腕にブラインド・マーカーが追加されている。
また機体に放熱機構を搭載したことでM.E.P.Eが可能となっている。
しかし武装が多くなっていることでエネルギー消費増加の点や質量増加による運動性の低下は免れられない…


ハウンド・コンティオ(江風機)
武装
・ヴァリアブル・ビーム・ランチャー改×1
・胸部ビーム砲×3
・ビーム内蔵式ショット・クロー
・ビーム・サーベル×2
・ビーム・ライフル×1
・ビーム・シールド×2
・ビーム・トンファー×2
・マルチプル・ビーム・ランチャー×5(バック・エンジン・ユニット)

概要
リグ・コンティオの改修機。他の2機と比較すると改修点は多くない。
原型からの変更点はヴァリアブル・ビーム・ランチャーは原型よりバレルが長くなっており射程が増していること。
またゴドラタンのビーム・トンファーを両腕に、ゲンガオゾのバック・エンジン・ユニットをバックパックに追加装備している。
余談だがコンティオを逆さに読んではいけない。そして決して女性が言って良い言葉では無い(戒め)。



鬼怒「あれ、あの青い機体新型…?」

嵐「エクシアは萩、ウイングは鬼怒の従姉妹だから… アイツか…!」

江風「おいおい… あれ、もしかして宮城のヤツか?」


朝雲「もうすぐ戦闘域よ、良いわね!」

萩風「はい。 追加武装も良好、やれます!」

海風「では今回は天津風さん監修、空中戦術と参りましょう! 全機ブレイク!」
396 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/09(金) 01:35:35.65 ID:UJGAy7wkO
天津風「何で空のステージで私じゃないのよ…!」

霞「仕方無いじゃない。ステージは全部ランダムなんだから」

神通「お母様、愛宕先生。この試合どう見ますか?」

愛宕「大気圏内の高高度戦闘は始めての実戦だから… どれだけその点を活かせるか、ね」

瑞鳳「勝利の鍵は朝雲ちゃんと海風ちゃんが機動力を活かして上手く萩風ちゃんから目を逸らせるか、かな。

二人がステージの雲海や太陽を利用して敵を翻弄、そこからエクシアが奇襲をかけるのが最善策ってところでしょ」


天城「さらに言えば今回のステージ、どれだけ空戦技能を持っているかと言う点が勝敗を分かちますね」

榛名「空中戦は重力がある分宇宙戦とは違いその点を考慮して戦闘をしなければなりません。また空中を『飛ぶ』必要がある為持久戦はエネルギー消費の点を考えても得策ではありませんから…

いかに短時間で敵を殲滅できるか、そして消費を抑えた戦いが出来るかに懸かっています」


鬼怒「敵が2機、突っ込んでくるよ!」

江風「あのウイング…!絶対落としてやる!」

嵐「突っ込んでくるなら、迎撃だ!」


真っ直ぐ敵陣に突っ込むウイングとシームルグ、そして鬼怒達3機は編隊を組んでのビーム砲撃で迎撃を行う。

そしてシームルグがウイングを盾にするように後方に就く。


朝雲「海風、防御任せた!」

海風「了解! アブソーブシステム、展開!」


海風がシールドを前面に翳すと装甲がスライドし内部機構が露にり、殺到するビーム攻撃を『ウイングアズライトシールド』が防ぎ、吸収した。


鬼怒「嘘!?効いて無い!?」

嵐「ビームが、消えた!?」

江風「どンな手品してやがンだ!?」


海風「粒子吸収機構、これなら…! 朝雲さん、やります!」

朝雲「オッケー!まずは牽制、海風!」

海風「ツイン・バスター・ライフル、メッサーツバーグ6基連結完了! これでも受けなさい!」


ツイン・バスター・ライフルに新造武器である『メッサーツバーグ』を全て連結し放つ海風。

吸収した粒子を攻撃に転換した極大のビームは鬼怒達3機目がけて一直線に駆けていく。だが鬼怒達は咄嗟に散開することで攻撃を回避した。


鬼怒「うわぁっ!? ちょ、なんて威力なの!」

嵐「掠ってもヤられるぞ、あの出力…!」

江風「おい、余所見を…」

鬼怒「っ…!」


朝雲「こっちが、本命よ!」


シームルグの持つ『シェーバティール』から放たれるライフリングされた実体弾がアヘッドへと放たれる。

直撃コースの攻撃を辛うじてシールドで防ぐがシールドは一撃で砕け、アヘッドは吹き飛ばされてしまう。


鬼怒「シールドが無かったらヤられてたよ…!」


海風「流石に一撃じゃ倒しきれない…! 朝雲さん、近接戦闘に移行します!」
397 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/09(金) 03:06:48.54 ID:5q/4JGWxO
海風「では作戦通り、朝雲さんはレコードブレイカーを引き離してください!残りはこちらで引き受けます!」

朝雲「ごめん、助かる! こっちが終わるまで墜ちないでよ!」

海風「勿論です! 寧ろそちらも気を付けてください!」


シームルグがレコードブレイカー目がけて加速し、海風は残存する2機へと向かう。

そして朝雲と嵐による1対1、海風と鬼怒・江風による1対2のドッグファイトが始まった。


天津風「…一体、何やってるの?」

愛宕「セオリーを無視して、どうする気なの…?」

瑞鳳「きっと、個人の感情を優先させたんだね」

霞「嵐ってヤツと朝雲、そして萩風の私闘にケリを着けさせようとしてんのよ」

神通「『前の自分』と『今の自分』の決別、きっと萩風が望んだのでしょう」



朝雲と嵐、両者の譲れないものの為に二人は激突する。たった一人『萩風』と言う少女を巡って。

ピーコックスマッシャーから放たれるビームを回避し機体を上昇させる朝雲、太陽を背に急降下を行いながらシェーバティールで実弾を放つ。


嵐「っ…! 嫌な手使いやがって!」

朝雲「避けられた…! 流石に速いわね!」


咄嗟に攻撃を避ける嵐のレコードブレイカー、だがシームルグは追撃を止めない。

シェーバティールから粒子結晶の刀身を形成して切りかかるが嵐はムラマサブラスターで斬撃を防ぐ。


嵐「パワーが、違う…!」

朝雲「このまま押し切る!」

嵐「なら…! コイツを使うしか…!」


機体を後退させる嵐、背部のミノフスキー・ドライブユニットから光の翼が形成されると同時に機体が放熱を始める。

レコードブレイカーの機体が光を帯び、直感的に危機感を覚えた朝雲がシェーバティールの刃を射出したが…


朝雲「分身…!? M.E.P.E!」

嵐「まさか、コイツを使わされるとはな…!」


放たれた刃が切り裂いたのは分身、そしてレコードブレイカーは一瞬で機体を上昇させて回避していた。

だから朝雲も新たな手を打つ。 機体装甲がスライドし、内部のフレームが露出して黄緑の光があふれ出す。


嵐「NT-Dか!やっぱり宮城の…」

朝雲「高速戦闘はこっちも得意なのよ!シームルグの全力、見せてあげる!」



行動安価 直下
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 10:30:14.45 ID:PUSjj/fX0
機動力を削ぐためにスラスターを集中攻撃
399 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/16(金) 03:10:15.21 ID:IcSjGGic0
シェーバティールによる攻撃を間一髪のところで避けるレコードブレイカー。

朝雲の駆るシームルグは分身に惑わされず的確に本体を狙い攻撃を仕掛けていく。


朝雲(やっぱり実弾じゃちょっと遅い…!これがビームなら…!)

嵐「コイツ、なんでこっちの本体が分かるんだ…! M.E.P.Eでセンサーがイカれてる筈だろ!?」

朝雲「なら、センサーに頼らず『目』で見て撃てば良いだけなのよ!」

嵐「この状況で正気かよ!?」


嵐にとっては耳を疑う発言だった。目の前の敵は照準にセンサーを使わず自分の目と腕だけで先程から直撃弾スレスレの弾を放っていたと言う事実。

機動格闘戦においてそれは至難の技であり少なくとも嵐自身は出来ないと思っている。しかし敵対する朝雲はそれを平気でやってのけているのだ。


朝雲(だけど小さい上にすばしっこいわね… これじゃ致命傷は難しいかも)


致命傷を与えるには機動力を封じる必要がある、朝雲は考えた結果『背部のミノフスキー・ドライブ・ユニットの破壊』を考えた。

だがそれはレコードブレイカーを封じるための最良手段でありながら最難関の手段でもある。


朝雲「大丈夫よ… だって私には『見ていてくれる人』が居るんだから!」

嵐「来るか!」


シェーバティールから数発の弾丸がタイミングをズラして放たれる。 レコードブレイカーはその弾を掻い潜ろうと弾丸の隙間を掻い潜り、シームルグとの距離を詰め間合いに入る。

加速性の高いレコードブレイカーだからこそ出来る芸当、そしてシームルグのシェーバティールは取り回しが悪く近接格闘の応戦には不向きであると踏んだ嵐が一気に勝負に出たのだ。


嵐「貰ったぁぁぁぁぁぁっ!」

朝雲「今よっ!」


ムラマサブラスターによる斬撃が振り下ろされようとしたその刹那、2条のビームがレコードブレイカーの翼を貫く。

翼を折られた敵機が失速するのを朝雲は見逃さない。シェーバティールを打撃武装のように振るいレコードブレイカーを殴り飛ばした。


嵐「ッ!? な、何だよ!」

萩風「見ていましたよ、朝雲さん。一時も目を逸らさずに」


レコードブレイカーが姿勢制御を行い体勢を立て直した瞬間、雲間からステルスモードを解除したエクシアが現れレコードブレイカーへと肉薄し右腕のクナイを振り下ろす。

そしてその斬撃はピーコックスマッシャーを切り裂き爆散させた。ピーコックスマッシャーを囮に斬撃を間一髪で逃れた嵐、そして状況がようやく理解するに到る。


嵐「お前がやったのか、萩!」

萩風「貴女はすぐ背中が疎かになる…!前や上だけ見ているから!」

嵐「なっ…!? 萩、お前…」


『前世の自分』の記憶を垣間見た萩風は彼女の癖を知り尽くしている。だから朝雲が最高のタイミング、確実に直撃を与えられる絶好の位置にレコードブレイカーを誘導する瞬間を狙っていたのだ。

朝雲の一挙一動に注目して、通信で言葉を交わさずともその意図を理解して、朝雲がきっとチャンスを作ってくれると信じて。


朝雲「前や上を見るのは結構! でもね、大事な人はすぐ後ろや隣に居てくれるかもしれないのよ!」

嵐「ふざ、けんなぁぁぁぁぁぁっ!」


シェーバティールの銃口に粒子が結晶化し、刀身を形成したシームルグが目にも止まらぬスピードでレコードブレイカーへと迫る。

嵐はその攻撃を切り払おうとムラマサブラスターを構えるがエクシアが『マガノイクタチ』を射出しその両肩を貫き破壊した。


萩風「やって!朝雲さん!」

朝雲「これで、決めるわ!」


撃墜判定(15以上で撃墜) 直下
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/16(金) 07:27:03.47 ID:0CtKaCpp0
はいよ
401 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/17(土) 03:14:09.57 ID:8wNkpo0E0
次の瞬間、粒子の結晶で形成された刃がレコードブレイカーを貫いた。

だがレコードブレイカーはまだ生きており、残るヴェスバーの銃口をシームルグに向ける。


嵐「これで、お前も…!」

萩風「終わるのは、貴女だけよ」


背中からエクシアの左腕に装備されたGNクナイが振り落ろされ機体を両断され、貫いていた粒子結晶が砕けてレコードブレイカーは空から落ちていく。

『自分は前しか見ていない』、前から萩風に告げられていた筈なのに気がつけなかったのだ。だがいつも背中を守ってくれる人が居た筈だったのにもう居ないことに気付いてしまった。


嵐(だからか… もう俺は、一人なんだな)


あの頃の、自分の背中に居てくれた『萩風』は居ない。今目の前に相対する『萩風』はもうあの頃の彼女では無かった。

強くなったと言うべきか、変わってしまったと言うべきかは分からない。だが一抹の寂しさを感じながら、嵐は操縦桿から手を放す。そして次の瞬間、レコードブレイカーの機体は爆散する。


萩風「…」

朝雲「…このバトルを終わらせたら、ちゃんとやらないとね」

萩風「追い討ち、になりませんか?」

朝雲「大丈夫よ、きっと…」


NT-Dを解除したシームルグと一緒に佇むエクシア。青と紫の機体が互いの両隣に立ち、顔を見合わせる。

第一の目的は達したがまだ戦闘が終わった訳ではなく感傷に浸る余裕は無い。まだ海風が2機相手に奮戦している、その援護に向かわなくてはならないのだ。


朝雲「行くわよ!さっさと残りも片付ける!」

萩風「了解! 戦闘を継続します!」





バック・エンジン・ユニットに向けツインバスターライフルを放ち撃ち落とす海風。そして背後から襲い掛かるアヘッドのメイスによる攻撃を連結した『アズライトウイングブレイド』で防ぐ。

チーム内で最高性能を誇る『ウイングガンダム・アズライト』と海風の能力を組み合わせれば全国級の2機すら手玉に取れていた。


江風「なンで墜ちないンだよコイツっ!」

鬼怒「まるでこっちの動きを全部見透かされてるみたい…!」

鬼怒(機動や連携だけじゃない、動作一つ一つも読まれて先手を打たれる… どうなってるの…!?)

海風「保ち堪えれば良いかと思いましたが… 本気でかからないとこちらも少し危うい…!」


このまま防戦を続けて疲弊するのはあまり良くないと考えた海風は動き出す。

機体出力差を活かしてアヘッドを弾き飛ばしコンティオへと肉薄する。当然迎撃しようと胸部のビーム砲を放つコンティオ、それを海風は難なく回避し距離を詰めた。


江風「しまっ…!?」

海風「まず1機!」


メッサーツバーグ6基と連結したツイン・バスター・ライフルから機体の3倍はあろう長さの巨大サーベルが展開され、海風はコンティオへとその刃を振るう。

トンファーを展開してサーベルを受け流そうとするがあまりにも出力に差があり過ぎて防ぎきれず、コンティオはそのままビームの刃で真っ二つにされた。


江風「こンな…!嘘だろ…」

海風「残り1機… 覚悟してください」

鬼怒「こっちだって、負けられないんだから…!行くよ、海風!」


行動安価 直下
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/19(月) 01:23:15.18 ID:1Y1bIntP0
朝雲、萩風を待ち、連携で仕留める
403 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/19(月) 03:02:34.98 ID:zfmOsac60
アヘッドのメイスによる打撃をブレイドで防ぎ切り結ぶウイング。パワーはウイングが上回っており徐々にアヘッドを押していく。

このままでは負ける、そう考え最後の切り札を鬼怒は解き放った。


鬼怒「トランザム!」

海風「っ…!擬似太陽炉の機体なのに…!」

鬼怒「『アレ』を使われる前にカタをつけるよ!」


より赤色化したアヘッドが逆にウイングを押し返す。 だがこの優勢は長くは保たないだろう。

自身の技術力で製作した機体でトランザムを行使できるのは1分が限界、その制限時間内にウイングの『アズライトバースト』を発動される前に海風を倒さないといけないのだ。


鬼怒「このまま、押し切って…!」

朝雲「これでも、喰らえ!」


警報音に気付くが既に遅い。左肩のスラスターにシームルグの放った弾丸が直撃し吹き飛ばされる。

警戒はしていた筈なのにシームルグの存在に気付けなかった、その理由に鬼怒はようやく気付く。


鬼怒「エクシア…!ステルスを使って!」

萩風「流石にシームルグの熱反応は隠せませんでしたが… 赤外線センサーを使わなければ探知は出来ないでしょう!」


シームルグに抱きつく形でエクシアがステルス能力を行使していたのだ。シームルグの並外れた推力ならMS1機抱えたところで大したデッドウェイトにはならない。

だからこそエクシアがステルスに余剰な出力を割けるようにシームルグに掴まり、なおかつシームルグを隠匿すると言う連携が出来た。


海風「二人共、決めます!」

萩風「はい!」

朝雲「わかったわ!」


エクシアがシームルグから離れ、ダガーを投擲するがアヘッドはダガーを打ち払い、そこで生じた隙を逃さずシームルグが腕部を狙撃し両手を吹き飛ばす。

近接の手段を喪失した鬼怒、だがまだビームキャノンは残っておりシームルグへとその銃口を向けた。しかしエクシアがGNピストルUを抜き、連射してもう片方のスラスターを撃ち抜く。


鬼怒「あ…!」

海風「これで…!決めます!」


ウイングが左腕に装備している連結した『ウイングアズライトブレイド』。その一閃がアヘッドの頭部から叩き付けられ、アヘッドは真っ二つに裂ける。

自分より年下でガンプラ経験なんて無い筈なのに。そんな妹分相手に手玉に取られて負ける、少し悔しい思いの鬼怒だった。


鬼怒(成長したね…)

海風「敵機殲滅を確認。戦闘終了です」


BATTLE ENDED

Winner"Flügel Vento"


『Aブロック2回戦、第三試合。勝者、東京代表・『フリューゲル・ヴェント』!』

ワァァァァァァァァァ
404 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/19(月) 04:13:21.68 ID:zfmOsac60
天津風「これで、次は決勝トーナメント…!」

神通「…しかし、これで良かったのでしょうか」

愛宕「萩風ちゃんの事?」

神通「はい。わざわざ彼女と戦うなんて…」

霞「きっと何かしらの考えがあるんだと思いますよ」

瑞鳳「朝雲ちゃんも居るし、きっと大丈夫だよ」

神通「あの二人だからこそ余計心配なんです…!」キリキリ

瑞鳳「ああ、うん… 問題児ではあるけどね。だけど朝雲ちゃん、意外とチーム内じゃ真っ当な考え方の持ち主だから大丈夫じゃない?

何かやらかしたら私が〆るから」



《その後 選手宿舎 屋上》


嵐「…なんだよ、話って」

朝雲「これじゃ昨日のパターンと真逆ね… ま、ここしか話せる場所が無いんだけど」

嵐「用件があるなら早くしてくれ。俺だって帰る準備で忙しいんだよ」

朝雲「用があるのは私じゃ無いわ。この子よ」

萩風「…」

嵐「萩… お前、どこから現れた?」

萩風「気配を消すの得意なんです。そう十年近く鍛えてきましたから」

嵐「え、十年…? どう言う事だよ、お前記憶が…!」

萩風「実は私、『萩風』であって貴女の知る『萩風』ではありません」

嵐「どう言う事だよ… こんなふざけた冗談はやめろよ…!」

朝雲「…この子は今からちょっと後、15年未来からやってきた存在なの。貴女の知る『萩風』が輪廻転生を迎えた、それがこの子よ」

嵐「輪廻、転生…?」

萩風「本来のこの時代の『私』は… 両親と一緒に事故に遭って、植物状態のまま死を迎えて『私』に転生する筈でした。

そこに『私』、『転生した萩風』が存在を成り変わる形で今の時代に来たんです」

嵐「じゃあ何だよ、俺の知ってる萩風はもう…」

朝雲「…」

嵐「…ふざけんなよ。ふざけんな! 返せよ… 萩を返してくれよ!」

朝雲「…それは、私達には出来ない事よ。もう事故の時点でアンタの知る萩風は…」

萩風「だけど、たった一つ奇跡が起きました。貴女が呼びかけたから、私の中に『前の私』の残滓が目覚めて…

先程、貴女の動きを読めたのはその影響… 彼女の記憶を共有しているからなんです」

朝雲「それだけじゃない。まだ『彼女』の残滓は消えて無い」

嵐「消えて無い…?」

萩風「最早風前の灯ですが… まだ彼女の人格は残っています。だけどこの機会を逃せば、二度とチャンスはありません」

朝雲「話したいことがあるなら… 最後に話すことがあるなら、この石を握りなさい」
405 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/20(火) 02:58:23.99 ID:VrQ7eNdx0
《深層意識》


嵐「何だよ、これ」

萩風「私の心の中、と言えば良いでしょうか。表層に彼女の意識を出すことは難しいので」

朝雲「私達はここで待ってる。あっち、微妙に花畑が途切れてるところに彼女が居るわ」

嵐「分かった…!」


朝雲「…萩風はこれで良かったの?」

萩風「ええ。一番大事な人を失くしてしまう痛みは知っていますから」

朝雲「そうね… 瑞鳳さんが死んで、神通先輩は行方不明になって…」

萩風「何も告げずに居なくなられるのは辛いから、本当に… だからこれが私に出来る精一杯、してあげられる最善です」

朝雲「そっか… でもこれが本人にとっては吉なのか、凶なのか…」

萩風「最後に言葉を交わせる、と言う点では吉です。凶の中の吉、でしかありませんが…

だけど、この時代の『本来の私』にとっては最後の救いになると思います」



嵐「萩!」

萩風(オリジン)『え…? あら、し…?』

嵐「ああ…!やっと、やっと会えたな…!」

萩風(オリジン)『嵐っ…!』



朝雲「ここから先は、私達が立ち入るべきじゃないわ。あの二人きりにしましょ」

萩風「…そうですね。私の共有してる記憶も、封印しておくことにします」

朝雲「でもお別れ、か… 人はいつか遅かれ早かれ終わりが来る。大事な人との別れは、相当辛いわよね…」

萩風「…朝雲さんは、耐えられますか?」

朝雲「無理。私これでも寂しがり屋だから」

萩風「そうですか」

朝雲「でも私もアンタといつか別れる日が来る、のよね… 未来を変えたら、どうなるか分かったもんじゃないし」

萩風「その時は… 私の事は忘れてください」

朝雲「嫌よ。忘れる訳ないじゃない。 例え記憶を失くしても絶対に憶えててやる」

萩風「朝雲さん…」

朝雲「言葉に出来なくなっても、記憶が消えていても、多分この手がアンタを憶えてるから。

だから私は絶対にアンタを忘れない。忘れてなんかやるもんか」
406 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/20(火) 03:34:24.84 ID:VrQ7eNdx0
《現実世界》


朝雲「…リンク、切れたみたいね」

萩風「はい… 私も、もう何も感じません」

嵐「…」

朝雲「その… 大丈夫?」

嵐「んな訳、あるかよ…!」

朝雲「そう、よね…」

嵐「だけど… ありがとう、な。アイツと最後に話す機会をくれて」

萩風「いえ… 私は、彼女への『最善』をやったまでです」

嵐「いや、アイツは最後笑ってくれた。 それだけで充分だよ」

朝雲「だってさ」

嵐「それと、アイツから話は聞いた。お前、未来の自分の母親を助けに来たんだろ?」

萩風「はい。その為に、私はこの時代に来ました」

嵐「アイツからの伝言だ。 『絶対に願いを叶えて』って」

萩風「無論、そのつもりです。未来を変える、そしてお母様が死ぬ原因を覆してみせます」

嵐「あとお前、朝雲って言ったな」

朝雲「何よ」

嵐「萩の事、頼んだぞ」

朝雲「分かってるわよ。私の大事なパートナーなんだから」




瑞鳳「で、何か言い訳は?」

朝雲・萩風「ございません…」※正座

瑞鳳「全く、何やってるのよ…!」

神通「散々意識共有の危険性は説明したのに、あまつさえ他の人を巻き込むなんて…!」

瑞鳳「確かにそうしたくなる気持ちは分かる。でも無謀過ぎるのよ。自我が崩壊したらどうする気だったの…!」

天津風「…どうする?助け舟出す?」

海風「いつもの事なので放置しましょう」

霞「ええ。行動事態は理解できなく無いけども、流石に危険に巻き込んだのは擁護できないし」

海風「それに他の人には秘密のことをポロポロ喋っちゃってますからね」


神通(その後、二人はお母様にこってり絞られました。 まあ、萩風が『彼女』の願いを叶えたい気持ちは理解できなくはありませんが…)


第15話『言葉よりも記憶よりも』 終
407 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/20(火) 04:11:08.46 ID:VrQ7eNdx0
次話選択、といきたいところですが…


ここで『ルート分岐』が発生します。16話以降の選択により未来が変動、大筋に変化はありませんが終盤の状況と結末が変化(結構大きい)いたします。

そして第16話において選択した話が、その基点となっており誰の話を選んだかによってルートが変わります。また『あるキャラクターの話』にのみ『2つの分岐』が存在しており、その分岐によって『最高の未来』か『最悪の未来』かに変わってしまうのでご注意を(他のキャラは一本道のみ)


また『最高の未来』へと行く道は…

・『そのキャラクターが主役の話』を選択する
・海風・霞・神通の3人が阿武隈・陽炎・長波と『決勝戦』で戦う
・海風が『ある出来事を乗り越え』、自らの能力の本質に気付く
・霞が覚醒を果たし『ある人物』と感応を行う
・神通が『母親を越える』こと
・全日本選手権が終わるまでに海風が3度目の『浜風との共闘』を行う
・9月1日を迎えるまでに『EXAMに関する全ての出来事』を終わらせる


となります。また『三番目』と『六番目』の出来事は『16話』でしか発生しません。予めご注意を。


では次話選択 ↓多数決で4先取

1.海風編(ルート『Azurite Creator』)『Belive Myself』…海風の前に再度現れるスドウ・シュンスケ。嫌々ながら浜風と再度の共闘をするがその中で自ら
の能力が暴走してしまう…

2.霞編(ルート『Across Fate』)『因縁の終わり』…選手権大会準決勝、戦う相手は一度ずつの敵対・共闘をした『ホワイトクリーン』だった。互いに以前より成長し、その全力を以って6人が激突する…

3.神通編(ルート『Another Heaven』)『変わる未来と』…選手権大会準決勝、その戦いの直前ニムバス率いる一味が襲撃をかけてくる。本来起きなかった出来事、徐々に変動していく未来が神通を蝕む…
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/20(火) 06:43:11.51 ID:aEUmcNyL0
2は罠
という訳で1
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/20(火) 08:11:38.92 ID:XneIVznn0
あえて3
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/20(火) 10:00:58.26 ID:PPvz1yCT0
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/20(火) 11:38:43.80 ID:2Krv5yNnO
1
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/20(火) 12:08:44.07 ID:Smt2z2cg0
1
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/20(火) 18:41:01.19 ID:kM1fCDcXO
1で
414 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/21(水) 02:27:09.37 ID:WU2VAqgA0
海風ルート『Azurite Creator』

第16話『Belive Myself』


《世界選手権用選手宿舎・トレーニングルーム》


海風(射線予測開始、接近に最適な軌道を算出… 見えた!)


ドラグーンの射線を予測し最小限の動作でビームを掻い潜りながらウイングはプロヴィデンスとの距離を詰める。

そしてプロヴィデンスに迫り、翼から『ウイングアズライトブレイド』を抜き放ちプロヴィデンスへと迫っていく。


海風「貰っ… いや、誘い込まれた!」

浜風「見抜かれた…!だけど!」

海風「一々嫌な手を使う…!」

浜風「それは海風もです!」


背後から、デブリの陰に隠れていたドラグーンのビーム砲が放たれたのを察知して回避機動を行い射線から逃がれた。

浜風を相手に、3年の経験差を海風が覆すのは容易ではない。だが彼女は芽生えた『未来予測演算』の力を以って必死に喰らいついている。


浜風「…ふぅ。夕雲、バトルシステムを終了してください。テストはこれで終了です」

夕雲「分かりました。バトルシステム、終了します」


BATTLE ENDED


浜風「海風、ありがとう。これで有意義なデータを取れました」

海風「何で海風が…」

浜風「ニクスの代わりの機体を製作するためのデータ取り、そして同時に『ウイングガンダム・アズライト』のデータ取りも兼ねています」

海風「今更取りますか、普通」

夕雲「どうにも瑞鳳さん曰く『アズライトのデータも欲しい』、とのことで」

海風「ハァ… 瑞鳳さんに整備して貰ってるので仕方ありませんけど… 約束、忘れないでくださいよ」

浜風「分かってます。 昼食に連れて行けばよいのでしょう」

海風(絶対高いの選んでやる…)
415 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/21(水) 03:19:07.71 ID:WU2VAqgA0
浜風(バビロニア学園の戦い以来、ある程度海風とは話すことが出来るようになってきた。

未だに多少棘はあるが態度は柔らかくなってきている。だが懸念事項はそれではない)


浜風「海風、頭の調子に問題は? 頭痛とか、眩暈とか」

海風「貴女に心配される程ヤワではありません。慣らしました」

浜風「そ、そう…? 今の、多分全力行使をしていたと思って…」

海風「先程のは限定予測です。全力なんて10秒も使えませんよ」

夕雲「神通さんに聞いた所、全力時の情報量は読み取った超能力者の脳を一瞬で破壊する情報量だったとか…」

浜風「ELS並…」

海風「人を変異性金属体扱いしないでください」


浜風(未来予測演算、それが海風の能力。 脳の『その時使用していない部分』を全て使って数多の未来を想像する力…

『ゼロシステム』が頭にあるようなものだと瑞鳳さんは言っていた。そしてその能力を全力で行使する事は海風の脳にも多大な影響を与えて…)


海風(確かに今は能力をセーブして使っているから行使出来ているようなものだ。そもそもこの能力は本来ただの『妄想』でしかない。

妄想を、脳に膨大な負荷を与える形でしているだけなのだから能力と言って良いのかすら危ういが。だけど… 最近は制御が少し追いつけていない。鬼怒さんと戦った時も…)


夕雲「では夕雲は瑞鳳さんの所にデータを持って行きます。後は二人でごゆっくり」パタン

浜風「…」

海風「…」

浜風(い、いきなり気まずい… やっぱり二人きりは…)

海風「…何でそんなに狼狽えてるんですか」

浜風「別に狼狽えてなんか… それより、食事に行きましょう。何でもご馳走…」

海風「うなぎ」

浜風「え」

海風「静岡と言えばうなぎでしょう」

浜風「さ、流石にそれは…」

海風「何でも、と言いましたよね」

浜風「それはそうだけど、流石に子供だけでうなぎは…」

海風「冗談です。確か少し街中に行ったところに噂に聞いた静岡限定の美味しいハンバーグのお店があったかと」

浜風「まあ、それなら…」ホッ


イベント 直下
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 07:14:17.33 ID:MG68Mvaf0
ガンプラ学園組と鉢合わせ
417 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/23(金) 03:41:13.42 ID:2HIH/udF0
《街中》

浜風「海風、チーム戦はどう?」

海風「どうしてそんな事を」

浜風「私はチーム戦を出来ません。 私や春雨は本来の大会規定では世界選手権に出場出来ない。

だけど第7回までの実績があるから『特例』として認められているだけです」

海風「貴女がベスト4、そして春雨さん達が優勝をした大会ですか」

浜風「そう。あの選手権以降ルールが細分化されて3on3のU-19の国内大会、そしてそれ以外のオープントーナメント式の世界選手権に分かれた。

だけど私達は国内大会で戦うには『強すぎ』ました。世界大会すら上位に登りつめてしまった私達が学生を相手にうるのはフェアじゃない。見た事のある貴女なら分かる筈」

海風「確かに、バビロニア学園の一件の際に春雨さん達の戦いを見ていましたが… 少なくとも私達では張り合うのは難しいかと」

浜風「だから運営は特例を設けるしかなかった。そして参加レギュレーションに『年齢制限を満たしておらずとも過去の選手権で上位の成績を残したファイターは世界選手権への参加を認める』と言う1文が追加されました。

だけどそれは逆に『私達はU-19の試合に出場出来ない』と言うのと同義語、つまり私達は世界大会の場でしか戦う事が許されません。だからコンビ戦はあってもチーム戦、チームメイトとの3on3は未経験なんです」

海風「…連携で動けるようになるまでは苦労しましたが、慣れてみればとても楽しいです。

多分一人ではガンプラバトルを続けてはいなかったでしょう。 未だに苦労することはありますが、とても楽しいと思います」

浜風「そう… なら良かったです。春雨と一緒に『フレスヴェルグ』を作った甲斐がありました」

海風「装甲の半分くらいしか作って無いと聞きましたが? フレームとクリアパーツの外装、武器は全部春雨さんが製作したとか」

浜風「作業スピードの差があるんですよ… 私がガンプラの素組にHGで2時間なのに春雨はMGで1時間に満たない時間で私より上手くできるし…」

海風「まぁその師匠がPGを1時間で組み上げる猛者ですからね…」

浜風「人外は伝染するって初めて思い知らされました…」


「おいおい… マジかよ。不仲って聞いてたんだがな…」

「アドウさん、女心は複雑なのよ」

「こんな所で巡り合うとは…」


海風「シア、それにキジマさん。あと…」

アドウ「アドウ・サガだ。アイツから聞いてないのか?」

海風「聞いてますよ」

浜風「この三人、確かガンプラ学園の…」

ウィルフリッド「初めまして。キジマ・ウィルフリッドと言います」

シア「同じく、妹のシアです」

浜風「私の方は… まぁ言わなくても分かるでしょう」

ウィルフリッド「ええ。前年度世界チャンプの一角、『最強の戦術家』の名前を持つ日本代表ファイター・浜風。

ガンプラを学ぶ者に貴女を知らない者は居ないでしょう。いずれ貴女とも対戦したいものです」

海風「確かガンプラ学園は午後からの試合の筈ですが…」

シア「そうよ。だから学園で練習してたのよ」

浜風「確かガンプラ学園は静岡市内にありますから練習にはうってつけですね。宿舎のバトルルームは誰に見られるかわかりませんし」

ウィルフリッド「『フリューゲル・ヴェント』が既にベスト4入りを決めている今、我々も負けていられないからな」

アドウ「あの女… 確か神通つったな。伝えておけ、お前は俺が倒してやる、ってな」

海風「あ、はい」

シア「じゃあね、海風。霞によろしく伝えておいて」
418 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/23(金) 04:10:09.83 ID:2HIH/udF0
海風「…まさかガンプラ学園と鉢合わせとは」

浜風「偶然もあるものですね。えと、確かこっちにお店… …海風、そこの建物の陰に」

海風「え…?」

浜風「早く…!気付かれる前に…!」


海風「一体なんですか…!」

浜風「アレを見てください」

海風「ッ…!?」


スドウ「クククッ… やってやるよ…!」


海風「スドウ・シュンスケ…!どうして静岡に…!」

浜風「分かりません。ですが彼はEXAMキャリアー、被害が出るかもしれません。

海風、瑞鳳さんに連絡を。大きな被害が出る前に彼を止めないと。私は彼を追います」

海風「いえ、海風も追います」

浜風「何を… 貴女をこれ以上危険に巻き込む訳には…!」

海風「もうとっくに危険に巻き込まれています。それに『死の因果』の可能性が残ってる人間を一人で行かせられるとでも?」

浜風「それは…」

海風「それに被害を出したく無いのは海風も同じです。しかも海風が彼を追い込んでしまった責任の一端があります。

自分のケリは自分で着けます。もうこれ以上、誰も何も傷つけさせたくはありません」

浜風「海風… 分かりました。ですが決して無理はしないでください。 それと瑞鳳さんと榛名さんへの増援要請も行っておいてください」



海風「ここは… バー…?」

浜風「確かここはガンプラファンが多く集うガンプラバーです。私も一度、飛龍さん達に付き合わされてここに来ました。

そして記憶が正しければ… バトルシステムがあったと思います」

海風「と言う事は… バビロニア学園の時と同じことを起こすつもりですか…!」

浜風「…海風、増援を待ってる猶予はありません。彼を止めます」

海風「言われるまでもありません…!」
419 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/24(土) 03:44:31.33 ID:Boo9/uDJ0
《ガンプラバー》


スドウ「クク… これでシステムは…!」

浜風「残念ですがそこまです」

スドウ「何っ!?」

海風「脱獄犯が白昼堂々とお散歩とは暢気なものですね。それともテロでも起こすつもりですか?」

スドウ「お前か…! お前だけは殺してやらないと気が済まないな… 俺をこんな風にした、お前を!」

海風「逆恨みとは甚だしい… 海風が多少なりとも原因を作ったのは認めますが、それ以外は貴方が招いた結末でしょう。

薬など使わなければ良かった、心の弱さを認めていれば良かった、仲間を手にかけなければ多少なりとも今よりはマシになっていた、でもそうしなかったのは全部自分の責任です」

スドウ「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇッ! 俺は、お前のせいでこうなっちまったんだよ!」

浜風「煽らないで、海風。 スドウ・シュンスケ、大人しく降伏しろ。 今ならまだ警察行きで済ませる。

少なくとも流派・東方不敗の拳を浴びずに、痛い目に合わずに済むうちに降伏するのが身の為だ」

スドウ「ふざけるな!俺は化け物共を殺し尽くすまで止まる気はないんだよ!」ダッ

海風「来る…!」

浜風「海風、後ろに! ナノマテリアル、コントロールスタート!」


ブォン ガキィン!


スドウ「ッ…! 何だ、今のは!? 弾かれて…」

浜風「『クラインフィールド』。 小さなポーチ分のナノマテリアルしかありませんが、対人ならばこれで充分です」

海風「ナノマテリアル…?」

浜風「詳しくはまた後で。 私達にはご覧の通り物理攻撃は通用しません。 貴方に打つ手は無い」

スドウ「チィッ…! なら…!」


Beginning plavsky particle dispersal


パァァァァァァ


浜風「バトルシステムが!?」

海風「ここは市街地の中心部、このまま暴走すれば大きな被害が…!」

スドウ「死にたくなければ俺を倒すか、それとも結晶を破壊するか… どちらか、だ!

だが生かして返すと思うなよ!このバケモノが!」

海風「どちらにしろ戦いは避けられませんね…! 不本意ですが、背中は任せます…!」

浜風「任されました…! 絶対に止めるぞ、海風!」


GUNPLA BATTLE COMBAT MODE EMERGENCY STRAT UP


海風「ウイングガンダム・アズライト、海風!」

浜風「ニクスプロヴィデンス・クロイツ・リバイ、浜風!」

海風・浜風「行きます!」
420 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/24(土) 04:41:34.74 ID:Boo9/uDJ0
フィールドに降り立つ2機のMS、『ウイングガンダム・アズライト』と『ニクスプロヴィデンス・クロイツ・リバイ』が結晶体に向けて直進する。

だがその2機を阻むように高出力のビーム攻撃が放たれるが、プロヴィデンスがドラグーンでフィールドを張ることで威力を弱め、その弱体化したビームをウイングのシールドが吸収した。


海風「ターゲット捕捉… あの時と同じ『百万式』…!」

浜風「あれは警察が押収していた筈ですが…」

スドウ「そうだ!だから返して貰ったんだよ! 何人かは潰してやったがな!」

海風「警察官を手に掛けるなんて、本当の犯罪者に成り下がったようですね」

浜風「ここで倒す…!犠牲になった人達の為にも! 海風!」

海風「言われなくとも!」


現出するコピー体をツイン・バスター・ライフルと6基の『メッサーツバーグラズールスタイン』を連結した一射で薙ぎ払う海風。

そして浜風のドラグーンが百万式の本体へと大量のビームを放ち砲撃形態になっていたメガライドランチャーを粉砕する。


スドウ「何っ!?」

海風「機体性能があの時のままだと思うな!」

浜風「地力はこちらが上、このまま押し通すぞ海風!」

海風「了解!」

スドウ「糞ッ…!」


海風はライフルを投棄し『アズライトウイングブレイド』を両腕で抜き放ち百万式へと右腕のブレイドで斬撃を放つ。

百万式もサーベルを抜いて斬撃を防ぐがパワーで劣る百万式は押されて吹き飛び、そのまま壁に叩きつけられた。そしてその機を逃さず浜風はドラグーンによるビーム砲撃を叩き込む。


浜風「これで… いや、まだか…!」

海風「あれなら全部直撃していた…! やっぱり、再生能力も…!」

スドウ「やったな…! この借りは、今すぐ返してやる! 『EXAM』!」


壁から這い出てきた百万式のカメラが赤く光り、全身から放熱が行われる。二人は瞬時に何が起きたかを理解して身構えた。

本来は使えない筈の『EXAMシステム』、だが彼はナノマシンキャリアーであり『オリジナル』と接続して使用できるのは当然の事だ。


浜風「やはり使ってきますか…!」

海風「EXAMシステム…!」

スドウ「お前達も、これで終わらせてやるよ!」

海風(未来予測演算開始…! 敵行動・動作予測、パターンを可能な限り推測開始!)

浜風「海風!」

海風「分かっています!フォロー頼みます!」


行動安価 直下
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 12:08:02.30 ID:C9j3EW6x0
ドラグーンで逃げ場を無くしつつバスターライフルで消し飛ばす
422 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/25(日) 05:34:15.55 ID:XD4eYRNf0
海風「速い、だけど!」

スドウ「避けた!?」


高速で背後から襲い掛かる百万式の斬撃を左腕のブレイドで防ぐ。並みの人間なら対応出来ない攻撃も海風は余裕で対処出来る。

例えEXAMシステムによる補助があろうとも海風の脳の思考速度を上回らない限り、脳が限界を迎えない限りは彼女を倒すことは難しいだろう。


スドウ「何故だ…!EXAMを使ってるんだぞ!」

海風「確かにシステムは強力で厄介、だけど! 動きのパターンは読めます!」

浜風「それに、複数の敵意には対処出来ない!」


浜風がすかさずドラグーンによる砲撃を行いサーベルを持っていた右腕を吹き飛ばす。

後退を図るスドウの百万式、だが浜風のドラグーンのビームが道を遮り逃げ道を断つ。


スドウ「チイッ…!だが、お前達は再生出来ない!」


ライフルと右腕を再生させてドラグーンをライフルで狙撃しようとする。だが浜風も負けじとドラグーンを巧みに操作して射撃をかわす。

そして浜風が拾っていた『ある武器』をウイングに向け投擲し、それを海風のウイングは掴んで照準を合わせる。


浜風「チャンスは一度、決めてください!」

海風「分かっています!出力最大、メッサーツバーグ全エネルギー解放!」

海風(続いて機動予測開始、敵回避パターンから『必殺』の位置を推定!照準マニュアル設定、プロヴィデンスに緒元データを転送!)

浜風(緒元データ? ここに誘導しろ、と言う事ですか!)


浜風が海風の意図を汲み、ドラグーンを使い百万式を壁際の逃げ難い位置まで追い込んでいく。

その位置に百万式が付いた瞬間、集束していたエネルギーを海風は解放し一撃を放つ!


海風「これで、終われぇぇぇぇぇぇっ!」

スドウ「な、なんだと…!」


一直線に進む極大のビーム砲撃、だが百万式は既に回避は間に合わない。

そして海風の一撃は容易く百万式を呑み込み、周囲一体をも吹き飛ばした。


浜風「今度こそ、塵に返してあげましたよ」

海風「ビルダーの方には申し訳ありませんが… だけど犯罪に利用されるよりは良い結末でしょう」
423 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/25(日) 06:17:07.16 ID:XD4eYRNf0
「ククッ… 誰が終わりだと言った…!」

浜風「直撃したのに…!あれで消し飛ばないなんて、どんなビームコーティングを…!」


視線の先にはボロボロになっていた百万式の姿があった。既に各部に亀裂が入り右脚と左腕は吹き飛んでいる。

海風は機体の損傷状況、そして周囲に飛散している『モノ』でどうやって彼が攻撃を防いだかを見極めた。


海風「粒子結晶により防御、そして粒子結晶でも防げなかったからメガライドランチャーによって威力を無理矢理弱めた…」

スドウ「そうだ…! だがこっちは、再生できんだよ!」

浜風「くっ…!こちらもドラグーンのエネルギーが…!」

海風「なら一人で下がってください!あとはこっちでやります!」

浜風「海風!?」


再生する百万式に向けて連結した『アズライトウイングブレイド』を構えてスドウへと肉薄する。

だがその道を阻むように無数のコピー体が現れるが海風は容易くそれらを切り裂き消していく。


海風(思考速度をもっと上げないと…!)


『ウイングガンダム・アズライト』の直進は止まらない。目の前の全てを薙ぎ払いながら百万式の本体へと迫る。

そして彼女に目がけて百万式の本体がサーベルを構えて突っ込んできた。


海風(来い…! 今なら、コイツと『相討ち』になれる!)


確実にスドウ・シュンスケと百万式を倒す最良の手段、突撃してくる本体と刺し違えてでも彼を倒そうとする海風。

そして互いの機体の距離が近付き、互いに剣を突き立てようとした瞬間、割ってはいる機体があった。


海風「なっ…!?」

浜風「やらせる、かぁぁぁぁぁぁぁっ!」


百万式のサーベルが割って入ったプロヴィデンスの脇腹を貫く。その光景に海風は唖然となった。

何故浜風が割って入ったのか理解出来ない。このままなら自分一人の犠牲で彼を確実に倒せた筈なのに、と。


スドウ「コイツ…!」

浜風「大事な妹を、やらせるか…!」

海風「い、一体何を…!」

浜風(マズイ、致命傷かも… でも海風を守れたなら、それで…)

「良い訳、無いでしょう!」


高速の機体が百万式へと迫り、背後からクローシールドでサーベルを持っていた右腕を引きちぎりプロヴィデンスから剣を抜かせる。

そして百万式を蹴り飛ばして地面へと叩きつけた。 海風の前に立つのは深緑のMS、『改RX-0』の1機。


海風「スレイプニル…!?」

天城「姉さん、二人を連れて後退を!ここは引き受けます! あとニクスの応急処置も!」

榛名「了解!二人共、下がりますよ!」


増援到着
・RX-0[S]スレイプニル
・RX-0[FR]フェンリルtype-R
424 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/25(日) 07:00:28.00 ID:XD4eYRNf0
海風「榛名さん、あの…」

榛名「…何があったかは後で聞かせてもらいます。今はこちらの応急処置が先です」

浜風「しかし今は…」

榛名「動かさないで。致命傷一歩手前ですが、まだギリギリ直せる範囲です。リペアシステム起動、マテリアライズ」


RX-0[FR]フェンリルtype-R
武装
・60mmバルカン×2
・ビームサーベル×2
・タクティカルアームズUL改『イチイバル』
・カレトヴルッフ改『グロッティ』

概要
フェンリルのもう一つの姿で味方の補助、修理に特化した仕様。
スライサービットは取り外されており、大幅に戦闘力がダウンしているがあくまでも前衛で戦うためでは無いので問題はないとのこと。
専用装備はカレトヴルッフを改造した『グロッティ』。カレトヴルッフの戦闘機能の大半を削り、修理に特化させたもの。
通常の修理機能としてパテ等を内臓してはいるが、特殊な能力としては損傷箇所に粒子結晶を損傷箇所に形成することで『補填』することも出来る。
ただしあくまでも一時的な『補填』であり、戦闘で激しい動きをすれば壊れてしまうほど脆弱な結晶しか形成できないというネックも。
『イチイバル』はフェンリル用に新造された装備であり、全仕様共通の装備。応戦する際はもっぱらこちらを使う。


浜風「損傷が、直って…!」

榛名「一時的に損傷箇所を粒子結晶で補填しただけです。本格的な修理は今から…」

海風「あの…」

浜風「大丈夫、多分一時的に頭が熱くなっただけです」

海風「どうして、あの時海風を庇って…」

浜風「当然でしょう。海風は私の妹、私が守らなくてはならない存在ですから」

榛名「だからと言って、身体と機体は大事に扱ってください」

浜風「はい…」

榛名(海風さんの状態、間違いなくあれは『理性の暴走』、海風さんの能力の本質である『脳のリミッター解除』したことがトリガーとなって起きたこと…

なら必要なのは『使いこなすだけの強い心』だけど… 何か本質が違うような気が…)



スドウ「何なんだよ、お前は!」

天城「コード・ブレイヴ! 終わらせます!」


スレイプニルが百万式の四肢を切り落とし、再生を許さぬように破損箇所をズタズタに破壊し歪めていく。

そしてリミッターを解除したスレイプニルは『レーヴァテイン』から巨大な粒子刃形成して、百万式へと振り下ろす。


スドウ「こ、この俺が…!」

天城「簡単に誰かを傷付ける貴方にバトルをする資格はない!天城達の前から、失せろ!」

スドウ「これで勝ったと思うなよ…!」


そして百万式の機体は真っ二つに叩き割られ、大爆発を引き起こす。

しかしそれと同時に粒子結晶が暴走して建物の天井を貫いていく。


天城「不味いですね… 姉さん、バトルシステム強制終了コード入力、脱出します!」

榛名「分かりました!システム強制終了、逃げますよ二人共!」
425 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/25(日) 23:54:18.59 ID:XD4eYRNf0
《屋外》


天城「ケホッ… 姉さん!」

榛名「流石にこれは誤魔化せませんね…」

浜風「ビルが崩落して…」

海風「そうだ… 彼は!?」

天城「逃げられましたね… 知覚出来ません」

榛名「ええ。気配はもうありません」

海風「くっ…!」

浜風「…だけど今回はテロを阻止して誰も犠牲を出さなかった。それだけで充分です」

榛名「今回は榛名と天城が街中に偶然居たから何も起きなかっただけです。さらに偶然『フェンリル』のtype-R用装備を所持していたことで誰も犠牲者が出なかった…

だけどもし持っていなかったとすれば浜風さん、貴女は死んでいました」

浜風「はい…」

海風「それは海風が…!」

榛名「海風さんも、です。 おおよそ『自身と引き換えにでも彼を倒す』と言う予測が『最良の結末』として出てしまったのでしょう。

それは恐らく能力の過剰使用による『理性の暴走』です」

海風「『理性の暴走』…」

天城「能力は通常以上に行使出来るようになりますが命の危険性や肉体への負荷を完全に無視し『効率』だけを重視するようになる状態です。

だから現状で『最適』だと思った行動しか出来なくなってしまう、非常に危険な状態… 本来の自分を見失っている状態とも言えますね」

榛名「暫く未来予測演算は封じた方が良いかと。それと暴走が収まるまでは指揮を執らないように」

海風「しかしそれでは…!」

天城「一番それが危険なんです。理性が暴走している人間が指揮を執ったらどうなると思いますか?

当人には最良の結果になろうとも、周囲にとっては最悪の結末になるかもしれないんですよ? 誰かを犠牲にする重みを背負えますか?」

海風「あ…」

瑞鳳「二人共!…ってあれ、どうしたの?」

榛名「ここではマズイでしょう。人が集まってきました」

瑞鳳「…分かりました。では移動しましょう」
426 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/26(月) 01:05:21.16 ID:JRDi0bHQ0
《旅館 瑞鳳の部屋》


瑞鳳「理性の暴走、ね。それでプロヴィデンスが破損しちゃった、って訳か」

浜風「機体はどうですか…?」

瑞鳳「あと2mmずれてたらアウト。しかもフレームやっちゃってるから全とっかえしないと修復不可能」

浜風「そんな…」

瑞鳳「寧ろどうしたらこんな奇跡が起きるのかが不思議なくらいだよ… 天城さんが間に合って無ければ確実にやられてた」

海風「…」

瑞鳳「…多分、頭がそう判断しちゃったから暴走が起きちゃったんだよね。これで責めるのは少し酷かな…」

榛名「ええ。ですが暴走が起きた原因の中には確実に焦りがあったと思います」

天城「人間、焦ると頭がこんがらがりますから。だけどこの事態は軽くは済ませられないでしょう」

榛名「どうにかして対処しない限り… また暴走が起きれば、次は誰かが犠牲になります」

海風「っ…!」

榛名「『理性の暴走』は榛名に経験はありませんが、『突然変異者』としてなら能力の暴走を引き起こした時があります。

人の心を無差別に読んで、頭をパンクさせて… 精神壊しかけました」

天城(天城は特にありませんが… まあ、基本姉さんとしか感応できないから意味ないですけど)

榛名「『暴走』は時に誰かを巻き込むことがある。それを理解してください。

そして己の力をどうにか出来ない限り能力行使は愚か、バトルも止めざるを得なくなります」


「ここで私の出番ね!」ガラッ


瑞鳳「出てくんな!」バキィッ

大鯨「きゃ〜っ」ドゴォォォォ

浜風「た、大鯨さん!?」

天城「庭の壁越えて雑木林転がり落ちていきましたよ…?」

榛名「あれでも多分死なないのが恐ろしいところですね」

瑞鳳「ハァ… 確かにお母さんは精神制御のプロだけどさ!? シリアス空気壊さないでよ!?ともかく、どうにかしないとね…」

海風(海風が、暴走… ちゃんと、制御できてなかったの…?)


行動選択 3票先取まで↓
・天城&萩風『シスターズ・カウンセリング』
・神通&朝雲『シスターズ・リーズン』
・大鯨&霞『滝・トレーニング』
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/26(月) 02:01:37.26 ID:+K+MImTrO
陣痛朝雲
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/26(月) 09:37:57.50 ID:Q5OZ2e5u0
大鯨&霞
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/26(月) 13:47:17.37 ID:7ZWAAQd9O
1
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/26(月) 17:41:43.19 ID:fu9jepG8O
>>427
まるで陣痛起こしてる朝雲みたいでワロタ
安価は神通&朝雲で
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/26(月) 18:18:22.67 ID:MO/DGH5gO
3
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/26(月) 18:36:18.36 ID:ZOOfrwkO0
大鯨&霞
433 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/27(火) 00:28:49.68 ID:sVuTvGbR0
大鯨「だからこそ私の出番じゃない♪」ガラッ

天城「て、天井!?」

榛名「気が薄いと思ったら… 今のは分身でしたか」

大鯨「YES♪」

海風「分身って…」

大鯨「よっと」シュタッ

瑞鳳「今度は宮城までぶっ飛ばしてあげようか…」パキポキ

浜風「本当に飛ばせそうなのが瑞鳳さんなんですよね…」

瑞鳳「と言うか脇に抱えてる霞ちゃんは何?」

霞「いや、なんか気が付いたら抱えられてて…」

大鯨「ちょっと精神修業に滝行でも、と。準決勝までには帰ってくるけど」

瑞鳳「確かにウチにはお隣の富士山の近くに修業用の別荘と滝もあるけどさ… それはお母さんが決めることじゃないでしょ」

大鯨「だから海風ちゃんの意思も聞いてみないとね」

瑞鳳「じゃあ訳に抱えてる霞ちゃんは何?」

霞「滝行ってどんなのかな、って言ったら気が付いたら抱えられて…」

榛名「本物の拉致じゃないですか」

天城「興味あるって言っただけでこの始末ですよ」

浜風「海風、嫌なら嫌って…」

海風「…いえ、行きます」

瑞鳳「良いの?」

海風「はい。 心が弱いと言うのなら、その心を鍛えなおすしかありません」

大鯨「まぁ今回は瑞鳳がやったようなベリーハードなことはしないから平気平気」

瑞鳳「怪しい… でも海風ちゃんが決めたことなら、そうすべきだと思う」

大鯨「じゃあしゅっぱーつ♪」
434 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/27(火) 03:09:29.68 ID:sVuTvGbR0
《滝》


大鯨「じゃあまず15分の精神統一から」

霞(白装束)「え、そんな短くて良いんですか?」

大鯨「うん。滝行って言うのは長い時間居れば良い、ってものじゃないのよ。別に効果さえ出れば5分でも構わないし」

海風(白装束)「じゃあよくフィクション作品にありがちなのは?」

大鯨「実際の滝行を知らないから適当な感じになっちゃってるのよね。私達から見れば普通は1時間が精々、それ以上はバカよ。

冷たい滝に打たれて体の感覚がなくなっちゃって体冷やしたら元の子も無いじゃない」

霞「じゃあ瑞鳳さんのベリーハードって言うのは?」

大鯨「滝に打たれながら精神統一、そして水の一滴を見極めてその滝を手刀で斬るのよ。ここまで行くと『明鏡止水』の域だから普通の人はやらないけど」

海風「そ、そうですか…」

大鯨「じゃあ時間計っておくからね。よーい、スタート!」


ザァァァァァァァァ


霞「っ…!」

霞(痛いじゃない、これ…!)

海風「…!」

海風(余計な事を考える余裕が…)

大鯨「痛くても我慢、何も考えれなくなった時が貴女達の到るべき場所よ」

霞「…」

海風「…」



大鯨「15分、終わって良いよ〜」

霞「っ、はぁ… 痛い…」

海風「流石に水圧が強いような…」

大鯨「まだ弱いほうの滝よ、これ。流れを少しだけせき止めておいたもの。

はい、二人共体を温めるストレッチして。 あと体を温め易いように生姜湯も用意しておいたわ」

霞「ありがとうございます…」

海風「あの… これで終わりですか?」

大鯨「そうよ? この後はそうね… 座禅とかもやるけど」


イベント選択 直下
1.大鯨『えがお』
2.霞『こころ』
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/27(火) 09:45:03.59 ID:F9fw6/sf0
436 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/28(水) 01:03:49.13 ID:y8fphHwC0
《別荘 大鯨の部屋》


大鯨「ねぇ、どうして『相討ち』と言う手段を選んだの?」

海風「え…?」

大鯨「理性の暴走があったとは言え貴女の『真価』ならそうじゃない方法も見出せた筈よ。

その時貴女が『相討ち』って手段を選んだのは何かあったんじゃないかしら?」

海風「それ、は…」

大鯨「戦いを終わらせなきゃいけないって使命感か、それとも早く終わらせなきゃいけないって焦燥感か…

あるいはそのどっちも、か。 当たってる?」

海風「…」

大鯨「だんまり、ね… じゃあ別の質問。貴女はどうして昏睡病キャリアー、EXAMと戦う道を選んだの?」

海風「…誰も笑えて無いから…」

大鯨「笑えて無い?」

海風「だっておかしいじゃないですか… 身勝手な、頭の狂った誰かの為にチームのみんなが笑えなくなったんですよ…!

誰も彼もが取り繕った笑顔ばかりで誰もかも心から笑えなくなった! 地区決勝の時はまだマシでした… 合宿を終えたあたりから皆おかしくなっていって、バビロニア学園の虐殺で完全に狂った!」

大鯨「…」

海風「天津風さんも朝雲さんも、地区予選の頃はまだ笑ってた… 霞や先輩も、少し翳りはあっても笑えてた…

なのに今じゃ誰も笑えない! 瑞鳳さんや愛宕先生からも本当の意味での笑顔がなくなった!そんなの理不尽で、絶対おかしいじゃないですか!」

大鯨「だから笑顔を取り戻すために戦う、それが貴女の戦う理由?」

海風「海風、間違ってますか? 皆楽しむためにガンプラバトルをやってた筈なのに、ガンプラバトルを殺人の道具にされて…!

人類の進化だとかふざけた事をほざいた連中に何度も襲われて、戦って! アイツ等さえ居なければ皆平和だったのに!」

大鯨「そうね… 彼等は絶対に間違えてる。だからこそ、奪われた皆の笑顔を取り戻したい気持ちも痛いくらいにわかる…

でもね、海風ちゃんは少しだけ… ううん、一つだけ間違えてる事があるの」

海風「どこが間違えてるんですか…!」

大鯨「貴女が選んだ『選択』よ。 海風ちゃんが犠牲になって、誰が笑えるの?

自分の近しい人が居なくなって、それで平和が齎されたところで誰が心から笑うことが出来ると思う?」

海風「…あ…」

大鯨「少なくとも霞ちゃんや神通ちゃん達は笑わない。瑞鳳も愛宕ちゃんも笑わない。

貴女はそれが見えてなかったの。 違う、そもそも自分を勘定に入れてなったのが間違いって言えば良いのかしら」

海風「でも海風は…」

大鯨「自分より他人の笑顔が良いって言うのはわかる。だけど本当に皆の本当の笑顔を取り戻したいのなら、貴女自身も笑えるようにならなきゃいけない。

本当に誰かを笑顔にしたいのなら自己犠牲の特攻や相討ちなんて考えは持っちゃいけないのよ」

海風「…」

大鯨「そして何より… 理性の暴走を起こしたのはその自己犠牲が原因ね。 戦わなきゃいけない使命と早く皆の笑顔を取り戻したい焦燥が生んだ、ちょっとしたミスよ。

理性の暴走は、自分を強く保ってる限りは起こらない。 自分を含めて皆が心から笑える未来を『創る』、その願いを胸に秘めていれば絶対に暴走はしないわ」

海風「大鯨さん…」

大鯨「ただ思い描くだけじゃない。貴女が持つ『ソウゾウ』の力は無限大なんだから。

いつか望んだ未来を、貴女の信じる明日を、その胸の鼓動が止まらない限りは『ソウゾウ』しなさい。それが貴女の、本当の力になるから」
437 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/28(水) 03:59:48.80 ID:y8fphHwC0
《その頃・某所》


「ほう、作戦は失敗したか…」

スドウ「申し訳御座いません。あの化け物共が邪魔さえしなければ…!」

「女子供に負けるとは不甲斐ないな。せっかく見出されたと言うのに、稀少なナノマシンが…」

「言うなトリスタン。貴様も一度は子供相手に手玉に取られただろう」

トリスタン「クッ…!」

「まぁ良い。セルジュ、同士からの連絡は?」

セルジュ「ハッ。真紅の戦乙女に動向は無し、大会にかかりきりのようです。またホエールグループの手の内の者は動向不明、しかし会長が富士山の麓にある別荘に滞在中とのこと。

そしてそこには例の二人、『進化に辿り着いた少女達』が同行しているとの情報が」

「ほう… 残る粒子結晶の数は?」

トリスタン「10個です。いかがいたしますか?」

「では仕掛けるとしよう。しかしたかが二人と言えど『進化に到りし者』だ。全員でかかるぞ」

トリスタン・セルジュ「ハッ!」

スドウ「今度こそ、奴等を葬ってやる…!」



霞「ッ…!」ピキィン

海風「霞?」

霞「敵意が、何か…!」

大鯨「警戒態勢に入ったほうが良さそうね… 瑞鳳や榛名ちゃんたちにもいざと言う時の救援要請も行っておきましょう。

二人共、機体を。私が整備しておくわ」

霞「え、でもこの機体は…」

大鯨「大丈夫よ。私は瑞鳳のガンプラの師匠、見て整備するだけなら出来る。それに瑞鳳謹製のZZ用強化パーツも預かってるもの」

霞「ZZの?」

大鯨「ええ。それに強化改修されて『ブラストアクロスZZ』になった今でも旧ブラスト時のFAパーツは使える。

それに急場凌ぎにしかならないと思うけど、工作室もあるから即応で装備や部品も作れるわよ」

海風「そう言えば瑞鳳さんの家で見たような工作室が…」

大鯨「それに戦力が私含めて3機じゃ心もとないだろうし、予備戦力もね」

如月「今買出しから戻ったけど… あら、確か二人は…」

野分「どうしてここに?我が家の別荘ですけど…」

秋月「どうなんです、お母さん?」

大鯨「ちょっと滝で修業するのにね。皆、機体の用意を。敵襲に備えておいて」


イベント 直下
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/29(木) 23:45:51.64 ID:Rf2xS5XYO
増援(チーム全員と瑞鳳・愛宕・浜風)&新武装到着
439 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/03/30(金) 04:30:28.36 ID:QuYRZEaa0
ガサガサッ

海風「っ…!敵!?」

大鯨「違うわよ。多分この気配は、瑞鳳ね」

瑞鳳「はい正解。まぁお母さんなら気付くよね、普通」

大鯨「あと、瑞鳳以外にも来てるでしょ」

神通「ここ、この時代にもあったんですね…」

萩風「なんだか懐かしい気持ちのような、ちょっと切なくなるような…」

海風「先輩、萩風さん!?」

朝雲「ったく、面白いことするなら私も誘いなさいよ」

天津風「別に精神修業は面白いことじゃないと思うけど」

海風「朝雲さん、天津風さん…」

愛宕「先生も、ちゃんと居るわよ〜」

海風「愛宕先生まで…」

浜風「勿論、私も居ます」

海風「チッ…」

浜風「酷い!?」

霞「いや、暴言吐かないだけまだマシじゃないかしら…」

大鯨「望んだ、のね… 戦うことを」

瑞鳳「うん。 それに私が不在の間にこの子達に何かあったら大変だから、私の側に置いておくって意味合いもある」

如月「あら、一気に増えたわね… でも、お布団足りるかしら…?」

瑞鳳「足りない分は旅館の人に言って借りてきたよ。あと夕飯用の食材と… あと海風ちゃんに、春雨ちゃんからの預かり物」

海風「海風に…?」

瑞鳳「『ウイングガンダム・フレスヴェルグ』の製作に関わったビルダーとして、だって。

フィッティングは出来る用に貰ったデータで調整しておいたから即実戦でも使えるし」

海風「だからあの時データを…」

瑞鳳「ま、データ取りの理由はそれだけじゃないんだけどね」



イベント選択 直下
1.神通『理由』
2.浜風『姉妹』
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/30(金) 09:56:34.86 ID:SdNfNOMe0
441 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/01(日) 05:41:34.65 ID:+kzb1FuD0
浜風編『姉妹』


《夜・別荘の外》


海風「…」

浜風「こんな所に居ましたか。夜は冷えますよ」

海風「別に、貴女に心配される謂れはありません」

浜風「そうですか」

海風「…あの時、どうして海風を助けたんですか」

浜風「え?」

海風「ニクスを大破させ、死の因果に呑まれかけてまで何で助けたんですか。 貴女にも劣り、憎まれ口しか叩かないような、歪な人間を」

浜風「そうですね… あまりよく考えてませんでした。あの時必死になってて、気が付いたら機体が前に出てたもので」

海風「真面目に答えてください…!」

浜風「真面目です。 もしかすれば私も『理性の暴走』が起きていたかもしれません」

海風「え…?」

浜風「あの時、海風なら未来を託して大丈夫だと何処かで考えていたんでしょうね… だからこそ命を賭したのかも」

海風「どうして… また、全部押し付けて逃げる気だったんですか…!」

浜風「そう言うわけではありませんが、そう取られても不思議では無いでしょう… 私は一度、海風から逃げてしまったから」

海風「…」

浜風「海風が『そう』なってしまったのは私の責任です。きっと私がもう少し貴女と向き合っていれば、3年前に貴女を連れ出していれば…

だからその贖いにでもなれば良い、とでも思っていたのでしょうね…」

海風「…もう、その話は済んだ事です。貴女を殴って、もうケリはつけましたから」

浜風「海風、EXAMの事が全部終わったらもう一度ゆっくり話をしましょう。 もう逃げないで、これから私が『姉』として貴女と向き合うために」

海風「構いませんよ。それに『約束』、守ってもらってませんから」

浜風「『約束』…?」

海風「ハンバーグですよ、ハンバーグ。結局食べそびれてます」

浜風「ああ… それくらいなら付き合いますよ」

海風「『妹』との約束、破らないで下さいね」

浜風「変わりましたね、海風… 私が家に居た頃でもそんな事は言わなかったのに」

海風「『今の海風』があるのは全部チームの皆のお陰です。先輩が海風を見つけてくれたから、霞が友達になってくれたから…

天津風さんと朝雲さん、そして萩風さんと出会ってチームを組んで… 居場所が出来て、今の海風を皆が創ってくれたんです」

浜風「良い仲間に恵まれましたね」

海風「だからこそ、海風は何としても守りたいんです。 皆の未来を、明日と言う希望を… その為に、戦うと決めたから。

なんて、言葉では言えますが… 現実では暴走して、死にかけたんですけどね」

浜風「それでも、謳い続けなさい。どれだけ脆くとも、弱くとも… 言葉にする限り、その灯火は絶対に消え無いから。

積み重ねた『これまで』が『これから』に変わるように、謳い続けた願いを力に変えて戦うんです」
442 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/02(月) 03:46:42.54 ID:GE/Ok22W0
パァァァァァァッ…


浜風「海風! 光が!」

海風「あれは… 粒子の光…?」

浜風「瑞鳳さんに報告! それと全員第一次戦闘態勢に移行の通達を!」



《別荘・リビング》

大鯨「どうやら敵はこの一帯をバトルフィールドにするつもりみたいね」

天津風「でもどうやってシステム外にフィールドを形成してるのかしら…」

瑞鳳「バビロニア学園の時と同じだよ。広域に撒いて大気を粒子で満たせばガンプラは動くようになる。

それに新製造された人工の粒子結晶を使って、暴走・膨張させて広域散布させてるの」

朝雲「それって環境に影響とかは?」

瑞鳳「人体や環境に問題は無い。ただしガンプラが暴れた場合の被害は別で、例えばビームが壁に当たったりしたらその箇所は抉れちゃったりするよ」

萩風「結晶か暴走の大本を破壊すれば粒子も大気中に溶けて消えるので残留の心配もありません」

神通「その代わり敵は、地区決勝戦や学園の時のように無人のコピー体を無限生成可能です。

制限もなく、壊れたらすぐ新しいのが現出するのでそこが厄介なところでしょうか…」

瑞鳳「まぁ思考ルーチンはゴミだから大した脅威じゃないけど」

如月「で、現状の戦力が…」


戦力
・ガンダムエピオン・クロイツ(瑞鳳)
・ウイングガンダム・アズライト(海風)
・インフィニットジャスティス・ロンギフローラム(神通)
・ブラストアクロスZZ(霞)
・ガンダムハルート・ボーライド(天津風)
・RX-0[Sm]シームルグ(朝雲)
・ガンダムエクシアルベルム(萩風)
・ギャプラン・カスタム(愛宕)
・RX-0[E]エイクスュリュニル(秋月)
・RX-0[Fv]ファヴニール(野分)
・RX-0[Ra]ラタトスク(如月)
・???(浜風)
・???(大鯨)

野分「13機、4小隊分ね…」

秋月「バビロニア学園の時より戦力が…」

浜風「しかしやるしかありません…!瑞鳳さん、例のものを」

瑞鳳「あいよっと」

海風「それは?」

瑞鳳「前にマフィアぶちのめした時にかっぱら… 戦利品よ。遠隔型バトルシステム、これでガンプラを操れる」

霞「今かっぱらった、って言いかけましたよね」

瑞鳳「さ、さあ? 細かい事は気にしない!」
443 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/02(月) 04:36:29.75 ID:GE/Ok22W0
瑞鳳「じゃあ後は… 各機、機体チェックを。 あとお母さんの機体は?」

大鯨「一応準備はしてあるわ」

朝雲「大鯨さんも戦うんですか?」

大鯨「ええ。一応、瑞鳳と同程度には戦えるつもりだけど」

天津風「それって相当じゃないですか…」

瑞鳳「あとはZZとウイングの強化パーツと… 浜風ちゃんの新型ね」

浜風「もうロールアウトを?」

瑞鳳「うん。 これね」

海風「…どこかで見たような機体ですねぇ?」

瑞鳳「あ、バレた」

神通「そのままウイングガンダム・アズライトじゃ…」

萩風「微調整と装備の変更、それ以外はアズライトの2号機とも言うべき機体でしょう」

瑞鳳「『ウイングガンダムゼロ・クロイツ』、まぁ実質的な2号機と言うか参考にしたと言うか… 機体の装備はファイターにあわせて変えてあるけども。

あと『アズライトバースト』は無いから… ガワだけ似てるだけだから…」


新型
ウイングガンダムゼロ・クロイツ(浜風機)
武装
・ツインバスターライフルクロイツ(サーベル内蔵)
・ビームサーベル×2
・マシンキャノン×2
・ビームガン兼ビームトンファー×2
・ウイングシールド
・クロイツドラグーン(シールド・ドラグーン×1、ウイング・ドラグーン×2)×2
・腰部ドラグーンユニット(シールド・ドラグーン×1、ウイング・ドラグーン×4)×2
・RGシステムtype-Z mode『AZ』

概要
浜風用の新型機であり、ニクスプロヴィデンス・クロイツ・リバイの代替となる機体。
海風機である『ウイングガンダム・アズライト』のデータやパーツを参考に製造され、実質的な2号機に相当する。
武装はアズライトから格闘兵装を大幅に削減、その代わりにドラグーンを積極的に採用することで火力増強を図った。
クロイツドラグーンはビームシールドを展開可能な1基のシールド・ドラグーンとビーム砲を内蔵した2基のウイングドラグーンで構成されており、防御・攻撃が両立した構成。
そしてウイングドラグーンにはツインバスターライフルとの連結機能を有し、計12基のビーム砲を扇状に展開する『ハモニカモード』と直結させて大出力化させる『マグナモード』が存在する。
特殊システムとして『RGシステムtype-Z mode『AZ』』を内蔵。基本は通常のRGシステムtype-Zと特に変化は無いが、追加機能として『あるシステム』との共鳴機能が追加された。
塗装はアズライトの水色の部分をシルバーに変更した以外、アズライトと大差が無い。



海風「…あとできっちりお話しましょうか」

瑞鳳「う、うん… あ、あとは春雨ちゃんからのアズライト用追加装備とZZの強化パーツね」



強化パーツ安価
・ウイングガンダム・アズライト(海風機)用 直下
・ブラストアクロスZZ(霞機)用 下3

機体安価(大鯨機) 下5


機体条件:MSであること、ふざけた機体はNG
改造内容指定:とくになし
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/02(月) 20:35:25.18 ID:CAjdtMCaO
ツインバスターライフルアズライトNEX

ツインバスターライフルを長砲身化しジェネレータを内蔵、威力・射程をアップさせている。
本体とは別のジェネレータを使うことで粒子消費を削減、またメッサーツバーグへの補給機能も追加。


新型アンテナ

索敵、通信機能を強化した頭部のV字アンテナ。
形状はカレトヴルッフフェーダーに付いてるV字アンテナと同じ
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 01:47:47.09 ID:1lLVV8yzO
踏み台
446 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/04(水) 02:48:06.92 ID:cHM8vHgO0
来なさそうなので安価


霞(ブラストアクロスZZ)用新装備 直下
1.フルアーマーtypeD(デストロイ)
2.フルアーマーtypeF(フォートレス)
3.フルアーマーtypeN(ニュータイプ)
4.その他(内容も)


大鯨機 下3
1.グレイフォビドゥン(ベース機:ディープフォビドゥン)
2.オムライジンクス(ベース機:スペルビアジンクス)
3.トールギスベラール(ベース機:トールギスV)
4.その他(ベース機・改造内容・機体名 併記)
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 09:33:56.09 ID:0QHqOQkC0
2で
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 09:48:57.39 ID:0AaDrufo0
3
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 17:50:06.36 ID:ac6QGDGmO
1
450 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/05(木) 02:36:17.82 ID:o4zPDj5Q0
瑞鳳「『ツイン・バスターライフルアズライトNEX』と新型アンテナが海風ちゃん用に春雨ちゃんが用意したものね」

海風「NEX?」

瑞鳳「まぁ新型、とかって意味かな。ツインバスターライフルは砲身の延長による射程と威力の向上、そしてジェネレーターを内蔵して本体からの粒子供給に頼らずに運用出来る。あとメッサーツバーグへの粒子供給機能も追加ね。

アンテナは通信・索敵機能が強化されてるって。あと粒子制御アンテナとしての役割もある、とかないとか」

海風「曖昧ですね…」

瑞鳳「私が作った訳じゃないし、調整はしたけど具体的な効果まではね。 はい次、霞ちゃん用の」

霞「ZZはやっぱりフルアーマーじゃないとね。でもこれ、前と違うような…?」

瑞鳳「幾つか試作した内の一つで、名付けて『フルアーマーtypeF(フォートレス)』。 一部本体の武装を取り外すけど、大丈夫?」

霞「火力落ちません?」

瑞鳳「それを補って余りある大出力にしたから平気平気。それに防御・機動性もちゃんと強化してあるから」

大鯨「あとは… 私の機体ね」

天津風「『フォビドォン』? でもテイルエクステンションが付いてるから『フォビドゥンブルー』の系譜かしら」

大鯨「ガンダムヘッドに戻してるけど一応『ディープフォビドゥン』よ」

神通「『グレイフォビドゥン』、この時代にもあったんですね…」

大鯨「と言う事はこの機体、まだ未来に残ってたのね。 結構年季は入ってるけど、まだまだ現役よ」


自軍参戦

グレイフォビドゥン(大鯨機)
武装
・75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」×2
・テイルエクステンション
・トライデント
・ビームガン内蔵トンファー×2
・アーマーシュナイダー×2

ホエ−ルストライカーtypeY
・装甲内蔵式重刎首鎌「ニーズヘグ」×4
・複合ステルスシステム「ハイパー・コロイド」
・エネルギー偏向装甲「ゲシュマイディッヒ・パンツァー」

概要
大鯨が自分専用に用意している複数機の内の1機。『コククジラ』の名前を冠し、耐圧殻には自作の鯨ステッカーが貼られている。
大鯨自身あらゆる武器や格闘術を使いこなすエキスパートであり射撃武装は最低限のもののみ。
高い可動域を持っており大鯨の『技』を一部再現できるなど完成度は非常に高い。
基本的にはトライデントを用いて戦うが『本気』の際には背中のストライカーを切り離しトンファーのみで戦うことも。
瑞鳳と同じく広い可動やストライカーを好む点、後継者である萩風同様ステルスシステムを用いるなど親子3代に渡る関連が見られる機体となっている。
塗装は名前の元である『コククジラ』と同じ灰色、そして一部が青。

ホエ−ルストライカーtypeY
大鯨が保有しているストライカーの1つで実質フォビドゥン用のストライカー。
ハイパージャマーとミラージュコロイドを組み合わせたステルスシステム『ハイパー・コロイド』を有する。
またゲシュマイディッヒ・パンツァーも展開可能であるため高い防御性能も持つ。


機体強化

FAブラストアクロスZZ(フルアーマーtype-F仕様)
武装
・ダブルバルカン
・ハイ・メガ・キャノン
・ハイパー・ビーム・サーベル(ダブル・キャノン)×2
・大腿部ビームカノン×2
・リフレクターインコム
・ビームキャノン×4
・ホーミング・ビームキャノン×16
・腹部ハイ・メガ・キャノン
・IFジェネレーター×2
・ビーム・バズーカ×2
・Cファンネル×8
・腕部内蔵モーターブレード×2

概要
フルアーマーtype-F(フォートレス)を装備した『ブラストアクロスZZ』の姿。一部武装が交換・取り外されており手持ち武装も変化している。
両肩・両膝にセラヴィーガンダムのGNキャノンを改造した『ビーム・キャノン』を追加、胸部に計8門・両頸部に4門ずつのホーミング・ビームキャノンを内蔵。
両肩装甲内部にはIFジェネレーター、そして腹部にハイ・メガ・キャノンが内蔵され、他にも各部にCファンネルやを装備した。
手持ち武装は『GNバズーカU』を改造したビーム・バズーカに変更し、全砲門での一斉射撃時には周囲一帯が消し飛ぶほどの出力を有する。
そして近接は不得手かと思われるが腕部装甲に内蔵した対・粒子コーティングを施したモーターブレードで応戦可能などの対策も万全。
また装甲各部に小型のジェネレーターやスラスターを内蔵することで出力不足・運動性低下対策もされた。
反面操縦や火器管制の複雑化を招いており、NTとなった霞以外にまともに使いこなせるファイターはほぼ居ない。
451 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/06(金) 01:23:51.95 ID:GG8ZDBnB0
《別荘・外 森の中》


朝雲「…クラッシャー01より各隊、敵軍が所定ラインを通過したわ」

浜風「クロイツ02、了解。 うみ… アズール01、そちらは?」

海風「アズール隊、所定位置に到達。いつでも作戦行動可能」

如月「ブレイヴ01、こっちも交戦準備完了よ」

浜風「よし… では先程の打ち合わせ通り、迎撃作戦を展開します。 アズール隊は別個に行動、残存の小隊は私が引き受けます」

海風「了解。では時間あわせ、3、2、1…」


海風「全機、兵装自由。交戦開始してください!」

浜風「オールウエポンズフリー!オープンコンバット!」

部隊編成
・アズール隊(海風、神通、霞、大鯨)
・クラッシャー隊(朝雲、天津風、萩風)
・クロイツ隊(瑞鳳、浜風、愛宕)
・ブレイヴ隊(如月、秋月、野分)


朝雲「じゃあ初手は私達からやるわよ!」

萩風「ステルス解除! ちょっとど真ん中で暴れてくるので援護を!」

天津風「面制圧なら任せなさい!」


シームルグとエクシア、ハルートが戦端を開く。シームルグが放つ実体弾とハルートのミサイルが前衛に展開する数機を破壊し、その爆煙の中からエクシアが現れ纏めて敵を切り裂いた。

それに続いて3機の『改RX-0』が敵陣へと突入を敢行し、無数の敵機へと攻撃を開始する。


秋月「敵の総数は… バビロニアの時よりは少ないですが…!」

如月「纏めてやっちゃえば良いのよ! ルーメン・キルクス、シュート!」

野分「了解! シャドーマネージング、スタート! こちらも手数で!」


ニムバス「敵が仕掛けてきたか… ではこちらも仕掛けると…」

大鯨「ざんね〜ん。お・バ・カ・さ・ん♪」

トリスタン「何っ!?」


別荘の裏手から現れた4機に大鯨の操るフォビドゥンがステルスを解除し、手に持ったトライデントで襲い掛かった。

その一撃が周囲にトリスタンの操る『ドム』の左腕を貫き、切り落とす。


トリスタン「奇襲とは、卑怯な!」

大鯨「それブーメランよ。大方私達、生身の人間を殺そうとしてた癖によく言えるわね」

トリスタン「黙れ!大義の為ならば…」

神通「何をやっても許される、そんな訳は無いでしょう!」

セルジュ「くっ…!」


屋根の上からファトゥム-02をアローモードで展開した神通がもう1機の『ドム』を狙撃するが回避されてしまう。

一撃を外した神通は即座に切り替え、ファトゥム-02を本体に接続しなおして剣を抜く。


神通「『イフリート改』に『ドム』が2機、それに強奪されていた『スクランブルガンダム』が1機ですか…」

霞「これで4対4… 戦力比は同数よ」

スドウ「お前…! お前も、絶対に殺さないと…!」

霞「…お父さんやお母さんが、あの事故で死んだ人達が、そしてお婆ちゃんがくれたこの命。むざむざアンタなんかにくれてやるかってのよ、このクズ共!」

海風「行きます! ここで一人残さず倒してしまいましょう!」

イベント 直下
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 11:21:14.93 ID:J+lB3hID0
コピー体出現
453 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/08(日) 05:50:58.44 ID:gCnJycX00
大鯨「やぁぁぁぁぁぁぁっ!」

トリスタン「な、何だよコイツ!」

セルジュ「下がれトリスタン!」


セルジュのドムがフォビドゥンの猛攻を受けているトリスタン機のフォローの為にバズーカを放つ。

大鯨はバックステップで回避し、さらに追撃で放たれるバズーカの弾を手に持ったトライデントで打ち払い、トリスタン機へと直撃させた。


セルジュ「しまっ…」

トリスタン「よく狙え!」

大鯨「残念だけど、私相手に『まとも』な戦いが通じるとは思わないことね。今!」

神通「風刃、破斬!」


2機が一瞬、気を取られた瞬間に神通が刀を振るい風を巻き起こす。その風が刃となってトリスタン機とセルジュ機を斬り刻んだ。

だが2機は即座に機体を再生させて、2機との距離を取り態勢を立て直す。


セルジュ「ホエール・グループ会長、お前は一体何者だ…!」

大鯨「そうねぇ… 正義の味方、ってところかしら?」

トリスタン「ふざけるな! 我々こそが正義、『化け物』から『人間』を守る為の…」

大鯨「貴方達のやってる事はただの迫害よ。それに無関係の人間を巻き込んでる時点で最早正義とは言えない。

それに人々に昏睡病を齎す貴方達こそ世間から見て『化け物』ね」

セルジュ「では貴様はどうなのだ!」

大鯨「そうねぇ… 世間から見れば私も充分『化け物』か。でも私は『守護者』、人の理を護る者。

化け物と蔑まれようと構わないし、愛する人が居ればそれで良い。それだけ居れば、私は戦える!」

セルジュ「話にならん… コピー体を使う!」


ドムの周囲に複数の無人機が出現し、一斉に大鯨へと銃口を向ける。だが大鯨は動じず、トライデントを投げ捨てて新たにトンファーを手に取った。

そして無尽蔵に湧き出るコピー体に向け神通が剣を神速で振るい、その衝撃波たる不可視の刃で敵を切り裂く。


神通「コピーは私が引き受けます! 大鯨さんはあの2機のドムを!」

大鯨「可愛い可愛い孫の頼みなら、任せなさい!」


並び立つ大鯨のフォビドゥンと神通のジャスティス。同じ『守護者』の名を背負う者として、血の連なる人間として、同じ敵にその刃を向ける。

そしてジャスティスとフォビドゥンは無数の敵機相手に飛び込む!


大鯨「当代当主・大鯨。『人の守護者』の名において、人の世を乱す悪を討たん! 麒麟、解放!」

神通「後代当主・神通… 『守護』を継ぐ者として、世界を滅ぼす悪を討つ! 天剣、絶刀!」
454 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/08(日) 08:12:52.17 ID:gCnJycX00
side-海風-


海風の操る『ウイングガンダム・アズライト』がブレイド抜き放ち『イフリート改』と切り結ぶ。

しかしウイングの側がイフリートに押され気味となり、海風が苦しい表情を浮かべる。


霞「海風、さがって!」

海風「っ…!」


イフリートへと霞がホーミング・ビームキャノンを放ち、イフリートはその攻撃を後方に跳躍し回避する。

その隙を見て海風は機体を下がらせ再び態勢を整えなおす。そして海風の後退を助けるまで霞が相手をしていたスドウ・シュンスケがニムバスに並ぶ。


海風「ニムバス・シュターゼン…!」

ニムバス「聞いていた程では無いな。所詮はその程度か」

スドウ「その程度かよ、化け物!」

霞「海風、まさか… 躊躇ってる…?」

海風(未来予測演算を使えば暴走するかもしれない… だけど使わないと海風は…!)


能力を使って暴走する恐怖、そして使わなければ『確実な死』が待っていると言う恐怖。その二つの恐怖が海風の心を塗りつぶしていた。

初めてだった、海風がこんなに恐怖を抱いたのは。海風は他人にあまり感情を曝け出す事は少なかった。いつも感情を押し殺して生きていたから。


海風(怖い… 自分が自分じゃなくなるのも、死ぬのも…)

霞「…海風、アンタは後退して。私がアイツ等を倒す」

海風「ですが、それでは…!」

霞「今のアンタに、二人は倒せない。 私なら、多分やれる。 それにまだ、私はアンタに恩を返してない」

海風「霞…」

霞「アンタに庇って貰って命を助けられたから。 だから今度は私がアンタを助ける番よ」


そう言い、霞は2機へと砲撃を行う。 ホーミング・ビームキャノンやビーム・キャノンを使ってニムバス達を攻撃していく。

だが海風は動けなかった。 心の中にある葛藤が、迷いが、恐怖が身体を竦ませていた。


海風(怖い… でもこのままだと霞が…)


このままなら霞は確実にやられる、海風の脳が警鐘を鳴らす。だが今の海風にはどうする事も出来ない。

そんな時、海風の頭の中にある言葉が蘇った。それは大鯨により言われた言葉…


大鯨『理性の暴走は、自分を強く保ってる限りは起こらない。 自分を含めて皆が心から笑える未来を『創る』、その願いを胸に秘めていれば絶対に暴走はしないわ』


海風(自我を強く保つ… だけど、海風には… 違う、海風には絶対に… 叶えなきゃいけない想いがある…!)


皆の笑顔を取り戻す、そう海風は決めたから。 次の瞬間、頭の中がクリアになった。 先程までの恐怖は無い、寧ろ心の中から何かが溢れ出していく。

そして大鯨の言葉の続きを海風は心の中で思い出した。


大鯨『ただ思い描くだけじゃない。貴女が持つ『ソウゾウ』の力は無限大なんだから。

いつか望んだ未来を、貴女の信じる明日を、その胸の鼓動が止まらない限りは『ソウゾウ』しなさい。それが貴女の、本当の力になるから』


海風(海風の『ソウゾウ』… 未来予測は『想像』の力… 違う、海風の力は…!)

海風「応えて… 『ウイングガンダム・アズライト』…!」


これまで共に数多の戦いを駆け抜けた愛機の名を呼ぶ。姿形を『ウイングガンダム・フレスヴェルグ』の時から変えてなおも海風と共にあり続ける宝石の名を冠する相棒。

そして海風の声に呼応するが如く、機体の各部が唸りを上げ、ツインアイが力強く煌いた。
455 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/08(日) 10:04:14.34 ID:gCnJycX00
海風「アズライト… 力を貸して…!今を切り拓く『剣』と、明日を『創る』力を!」


武器のスロットを操作して最後尾の『SPスロット』へと合わせる。この力がどんなものかは海風はまだ知らない。

だけど海風は信じている。この機体を作った浜風と春雨の想いを、この機体を改修し託した瑞鳳の意思を。 そして最も信じるべきものは…


海風(仲間と機体と、自分自身を信じて…!)


そして叫ぶ。自ら信ずるべき愛機の名を、自らが全てを託すべき機体の名を。

今まで以上の最高の一体感が海風にやってくる。 海風は、自らの『力』名を叫んだ。


海風「解き放て!ウイングガンダム・アズライト! アズライト、バァァァァァァストッ!」





愛宕「ちょっと、何アレ…!?」

浜風「蒼い、光の柱…?」

愛宕「あそこ、確か神通ちゃん達の戦線よね!」

瑞鳳「あり得ない… 一体何が起きてるの…?」


萩風「あれは…!」

朝雲「知ってるの?」

萩風「粒子の光… プラフスキー・バースト現象…!」

天津風「プラフスキー・バースト現象…?」

萩風「だけど引き起こすには粒子結晶が必要… いや、これなら辻褄があう…!?」

萩風(『アズライト』は粒子を溜め込む特性がある… そして貯蔵粒子が増えて濃度が増して、結晶に近いクラスになれば…しかも周囲の粒子も取り込んで…! 

だけどアレには『強い意志』、お母様に匹敵する精神力が必要なはず…! 海風さんは、その域に至っていると言うの…!?)



トリスタン「な、何だアレは!?」

セルジュ「まずい、フォローに!」

大鯨「行かせる訳、無いでしょ!」

神通「大鯨さん、アレは!」

大鯨「やっぱり、私の見込んだ通りだった…! 大丈夫、海風ちゃんならきっと操れるから!

私達はこっちの相手を続けるわよ! 私も、本気出しちゃうからね!」
456 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/10(火) 04:06:48.63 ID:GC2TnxV+0
空に昇る蒼い光が消え、光が放たれていた場所には『ウイングガンダム・アズライト』の姿があった。

だが光を放つ前とは姿が大きく変化し各部の装甲に蒼い宝石を鎧のように纏い背中からは宝石で形成された有機的な形状の翼が生えている。


ニムバス「なんだ、アレは…!?」

スドウ「前に戦った時と違う… 何が起きてるんだ…!」

霞「ったく、遅かったじゃない」

海風「霞… 信じてくれたんですね」

霞「仲間を、友達を信じないで何を信じるのよ。もう、大丈夫なのね?」

海風「ええ。ここから先は海風のターンです。反撃開始と行きましょうか…!」

霞「フォローは私がするから好きなだけ暴れなさい!」

海風「任せます! もう勝利の道筋は決まりました! 後はこの手を伸ばすだけです!」

スドウ「ふざけるなよ、この化け物がぁぁぁぁぁぁ!」


スドウの操る『スクランブルガンダム』が『ウイングガンダム・アズライト』に向け右腕でサーベルを抜き放ち斬撃を行おうとする。

しかしかつて『スクランブルガンダム』を操縦した事があり性能を把握しきった海風にとっては悪手だった。


海風「いくら速くても…!」

スドウ「見掛け倒しで…」

海風「もっと速く動けば良いだけです!」


斬撃が振り下ろされるが、スドウの視界からウイングの姿は消えていた。そして次の瞬間、機体に警告が鳴り響くと同時にスクランブルの四肢が切り落とされる。

さらに海風は胴体を瞬時に高速で切り刻み、残った頭部を2本連結させた『アズライトウイングブレイド』振り下ろして粉砕してしまう。


スドウ「なっ…!?」

海風「EXAMは敵意を受信してから動く… なら、それより速く動けば良いだけ…!」

スドウ「だ、だが… まだ再生は…!」

海風「なら、塵さえ残さない!」


メッサーツバーグと連結したツイン・バスターライフルの銃口を残骸へと向ける海風。その銃身を結晶が覆い尽くし蒼く輝く。

海風が引き金を引くと、通常の威力の数倍、それどころか数十倍もの出力の極大のビームが放射され残骸を射線上にあった数本の樹ごと消滅させた。


霞「嘘でしょ…」

海風「…後始末は大鯨さんにお願いしましょう」

ニムバス「何と言う力だ…! だがその様な力、並みの人間が制御出来る訳が無い!」

海風「なら自分を見失わなければ良いだけです! もう、力に溺れたりはしません!」


ニムバスの斬撃をブレイドで防ぎつつ、マシンキャノンをイフリートへと放つ。放たれた銃弾がイフリートの右腕を破壊すると海風はイフリートを蹴り飛ばして地面へ叩き付ける。

そしてツイン・バスターライフルを投棄し『アズライトウイングブレイド』を抜き放ち、2本を合体させた。それと同時にイフリートが再び右腕を再生させ、ウイングと激突した。
457 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/12(木) 05:37:17.83 ID:+mfM/7iz0
ニムバス「この私が、ここまで追い詰められるだと…!」

海風「これが海風の力! この力で、皆の笑顔を取り戻す!」

ニムバス「笑顔だと… ふざけているのか!」

海風「誰が!」


イフリート改が両腕に持っていたヒート・ソードを弾き飛ばしブレイドを使って両腕を切り落とす。

即座に両腕を再生させ、同時に再生させたヒート・ソードで斬撃を放つニムバス、そして海風は即座に反応してブレイドで攻撃から身を護る。


ニムバス「絵空事を掲げて…! 貴様の様な子供に何が出来ると言うのだ!」

海風「絵空事で何が悪い!」


ニムバスの反応、EXAMの動きを越える速さで海風は思考する。海風の力は最早『想像』の力などでは無い。

海風は敵の動作一つ一つを予測し最適な勝利への道を創り出す。暴走しそうな理性を生身の心で押さえ込み、イフリートの胸部に斬撃を加え吹き飛ばす。


海風「理想が現実にするのは簡単じゃ無いのは分かってる… だから海風は!」


左腕に持っていたブレイドを投棄し、右腕のブレイドを両腕で持つ。そして刀身に粒子が集まり結晶が刀身を覆い尽くしていく。

全身のクリアパーツがさらに蒼い光を帯びて、その光に呼応して全身の結晶が眩い光を放った。


海風「戦う! 理想を、願いを、未来を! この手で『創造』する為に!」


結晶化した刀身が伸びていき、その長さは100m近くになる。 さらにその刀身に膨大なエネルギーが収束して、解き放たれようとしていた。

海風は目を瞑り未来を予測していく。頭の中で『最適な勝利』ではなく『最高の勝利』、そして『願う未来』を創造する。


海風「全出力解放… アズライト!」


その声に応えるように『ウイングガンダム・アズライト』は駆ける。 蒼い閃光が夜闇を裂き、敵に向けて一直線へと。

ニムバスが逃れる事は叶わない。どう逃げようと、例え背を向けようとも海風の刃はニムバスを確実に倒せるのだから。


ニムバス「馬鹿な、この私が…!たかが子供に!」

海風「終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


振り下ろされた刃が大量のエネルギーを放出し、一帯ごとイフリートを両断する。

そしてウイングが背を向け、全身の結晶が砕けると同時に背後で大爆発が発生してイフリートを消滅させた。


海風「…これで、終わりです」

ニムバス『くっ… だが、これ、で終わ、り、では無いぞ…! 貴、様に―――を救え、るもの、か―――』

海風「え…?」

霞「まさか… 待ちなさい、ニムバス!」


ダブルゼータがニムバス達を追おうとするが周囲を満たしていた粒子が消失し、地面に機体が落下する。

それと同時に夜が明け、朝日が昇った。
458 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/12(木) 06:48:09.83 ID:+mfM/7iz0
やべぇ、ミスだ…
>海風「理想が現実にするのは簡単じゃ無いのは分かってる… だから海風は!」

正しくは
海風「理想を現実にするのは簡単じゃ無いのは分かってる… だから海風は!」




瑞鳳「蓄積した粒子の濃度が結晶クラスまで高まった結果、バースト現象が起きた… そして操縦者、海風ちゃんの意思に呼応して力を発現させた、ってことね」

萩風「そのようです。海風さんはバーストと能力行使による疲労で眠っていますが」

瑞鳳「…で、その能力をフル行使した結果がこの焼け野原と」

萩風「…一面綺麗サッパリしてますね」

神通「…昨日までここ林ありましたよね?」

瑞鳳「植樹しなおそうか」

萩風「樹が伸びて元に戻るまでにどれ程かかるのやら」

神通「その前に抉れてクレーター化してるので整地も要るかと」

瑞鳳「代金は春雨ちゃんに請求しよう。作ったの春雨ちゃんだし」

萩風「強化したのはお母様です」

瑞鳳「だってこんなイレギュラー過ぎる能力発揮するなんて誰が思う!?」

神通「確かに予想出来ないでしょうけど…」

瑞鳳「しかも完全に制御してこれだからね? 暴走してたら一帯消し飛んでたよ!?」

萩風「…これは誰にも責任はありませんね」

神通「…そうしておきましょう。責任問題で揉めるの嫌ですから」

萩風「お母様、機体の方は?」

瑞鳳「奇跡的に損傷無し、と言うかほぼ損耗が無いのが不思議レベル」

神通「霞さんの言っていた『全身が宝石の鎧に覆われた』、と言う現象が原因では?」

瑞鳳「外装で脆いフレームを強化した、ってことね… とは言え、これからどうするべきか…」

萩風「リミッターは?」

瑞鳳「無理。リミッターなんて仕掛けたら粒子制御に影響が出る。それこそ次に同じ現象が起きたら暴走するよ」

神通「ではこのまましかないと…」

瑞鳳「現状はそうだね。あとは海風ちゃんに意識研ぎ澄ますな、って言っておくくらい?」

萩風「でも先程の戦いで粒子を放出しきった筈では? いくら結晶くらいの濃度でも、あれだけ放出すれば…」

瑞鳳「それがね… 周囲の粒子を取り込んじゃってまた溜め込んだみたい…」

神通「…」

萩風「…」

瑞鳳「…全部終わったら、アズライト封印しよっか」

神通「許可があれば、ですね」

萩風「仕方の無い処置です」
459 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/14(土) 08:01:00.96 ID:ncUSdF8v0
《別荘・寝室》


海風「Zzz…」

霞「…」

朝雲「思いつめた顔して、霞にしちゃ珍しいじゃない」

霞「うっさい能天気」

朝雲「ま、私は『ニュータイプ』なんかじゃないからアンタの考えてる事は分かんないわ。

だけど顔見れば分かる。何かあったんでしょ」

霞「…別に」

朝雲「当てたげよっか? アンタ達はニムバスと戦った、で本人達には逃げられたけど一応倒した。その時に何か言われた?」

霞「何でも無いったら…!」

朝雲「アンタがキレるって事は何かあったに決まってるじゃない」

霞「っ…!」

朝雲「アンタ達の通信、ちょっとだけ混信してきたのよ。『救えるものか』、この単語だけだったけど。

未来を救えるものか、とか人類を救えるものか、とか色々考えたけどさ… 可能性が高いのは…」

霞「『マリオンを救えるものか』…」

朝雲「マリオン、多分EXAMの核にされた人間のことね」

霞「どうして知ってるのよ」

朝雲「瑞鳳さんに聞いてる。まあ『マリオン』って名前は聞かされてないけど」

霞「…ニムバスは、何が目的なのか分からなくなってきたのよ…」

朝雲「そうね… 聞いてる限りマリオンってのを助けようとしてるのか、進化した人間の抹殺か、目的が分からなくなってる。

でも逆に考えなさい。 『どっちも』の可能性があるかもしれないのよ」

霞「どっちも、ってどう言うこと…!?」

朝雲「推測だけどニムバスはEXAMの狂気に呑まれてる部分が大半だけど呑まれてない正気の部分が少し残ってるのかもしれない。

その正気の部分でニムバスはマリオンを内心助けようとしてるんじゃないの?」

霞「…多分、私の感覚だとアンタの推理は合ってる。だけどアイツはEXAMにマリオンを取り込ませた…」

朝雲「…恐らく、取り込ませた『誰か』が居るかもしれない。そしてソイツが宇宙世紀から流れ着いた人間なのかも…」

霞「じゃあ私が、私達が倒さなければならないのはニムバス達じゃなくて… 裏に居る『黒幕』ってことね」

朝雲「そう言う事よ。 そうしないと他の人も、『マリオン』も、助けられないから」


イベント選択 直下
1.朝雲&秋月『救いの手』
2.萩風&野分『羨望』
3.天津風&如月『成すべきこと』
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 09:26:49.90 ID:WTPpldOk0
1で
461 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/16(月) 03:14:26.21 ID:s7BYhj160
side-朝雲&秋月-『救いの手』


朝雲「…救う、って何かしら?」

秋月「は?」

朝雲「いや、こっちの話」

秋月「はぁ…」

朝雲「ただ助け出すだけじゃ『救う』なんて言わないわよね…」

秋月「…きっと人を心から助けることを『救う』と言うのでは?」

朝雲「心から助ける?」

秋月「例えばですけど… 酷い目にあって、その場から助けられても心に傷は残りますよね」

朝雲「まぁ、そうね… PTSDとかある訳だし」

秋月「だから心の傷も支えて助けることが『救う』と言う事になるんじゃないかな、と思いますよ」

朝雲「成る程ねぇ… 何か、見てきたような、経験したことあるような言い方ね」

秋月「ええ。秋月は3度も誰かに助けられ、救われましたから」

朝雲「3度?」

秋月「一度目は姉さんです。 泊地への特攻作戦の際に、死しか待ち受けてない絶望から私達を救ってくれたんです。

共に過ごした時間は長くない筈なのに、そんな人間を助ける為に自分が傷付く事すら厭わないで…」

朝雲「あの人は規格外ね、本当…」

秋月「二度目はお母さんでした。姉さんに拾われてこちら側に来て、行く先の無い私達を保護して引き取ってくれたんです。

食事すら満足に出来なかった私達に『ごく普通の人間としての生活』を与えてくれました。『兵器』扱いされていた私達を『人間』として受け入れてくれたのが何より嬉しかったです」

朝雲「あの人、やる事は突拍子無かったりするけど普通に良い人だから。まぁ10人くらい引き取るなんて財力が規格外だけどさ…」

秋月「ええ。普通にマンション一室軽く貰えたりとか…」

朝雲「…それ普通じゃないわ、絶対」

秋月「ですよね… 一室だけで一体どれくらいお米が買えるのか…」

朝雲「で、三度目って言うのは?」

秋月「それは榛名さんです。 少々色々あって、落ち込んでいた秋月を榛名さんが助けてくれたんです。

その時、私に『エイクスュリュニル』をくれました。自分の機体のパーツを使って、わざわざ作って…」

朝雲「色々が知りたいのよ」

秋月「そこは秘密です。と言うかあまり思い出したくは無いので…」

朝雲「そう…」

秋月「だけど榛名さんにその時言われました。『他人の痛みが分かっていてもそこから救わないと意味は無い』と。

だから秋月も昏睡病と戦う事にしたんです。 誰かの痛みを無くして、そこから救うために」

朝雲「私には真似出来そうに無いわね…」

秋月「榛名さんから聞いてますよ。貴女が妹さんの為に戦ってる事は」

朝雲「だけど私に救えるものは無いわ。ニュータイプでも無いし、特殊な力も無いただの一般人だから」

秋月「それでも手を伸ばせば、きっと届く手はあると思いますよ。 もしかしたらそれが誰かにとっての『救い』になるかもしれません」


イベント選択
1.天津風&如月『成すべきこと』
2.萩風&野分『羨望』
3.霞&大鯨『届く声』
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/16(月) 09:18:55.94 ID:nePgmMBL0
463 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/19(木) 02:32:12.42 ID:tGAOJHU40
side-霞&大鯨-『届く声』


大鯨「そう… ニムバス・シュターゼン、その後ろに黒幕が居るのね。やっぱり私が調べた通りだった…」

霞「調べてたんですか?」

大鯨「私、と言うより青葉ちゃんがだけど。あの子、私が専属で抱えたいくらい優秀よ」

霞「優れた調査能力と人の心を、感情を見通す力… 確かに諜報員としてはかなり凄い…」

大鯨「彼等の過去の経歴を漁ったのよ。『ニムバス・シュターゼン』『セルジュ・ラウ』『トリスタン・トレーダー』…

元PPSE職員、そして『マリオン・ウェルチ』が持つ感応能力とプラフスキー粒子を組み合わせた実験に参加してた」

霞「粒子と感応能力にどんな関係が?」

大鯨「少し前の話なんだけど、PPSEの研究所の事故は知ってるわよね?」

霞「ええ。確か『スクランブルガンダム』の暴走が起きた…」

大鯨「スクランブルが暴走したのは、新型の人工粒子結晶を用いた感応操縦実験が原因よ。ガンダムで例えると、『インテンション・オートマチック』みたいな」

霞「要するに感応波を使って操縦しようとしたら粒子が反応して、スクランブルが暴走したってこと…?」

大鯨「そう言うこと。これは従来の天然の粒子じゃ発生しない、人工粒子だから起きた事なの。

で、その前段階の実験の時に参加してたのがマリオンとニムバス一味だった。でもね、ある時マリオンは倒れちゃった」

霞「え…?」

大鯨「元から身体が強くなかったらしいの。で、無理な実験を繰り返したのが祟って病気になって使い物にならなくなった。

で、要らなくなったから体よくアナハイムの医療系に回され、人体実験の道具にされたみい」

霞「酷い…」

大鯨「そしてその感応波に目をつけたある人間、ニムバス達と同時期に行方を眩ましたあるナノマシン研究者が彼女をEXAMの核にしたんじゃないか、って言うのが私の推測」

霞「じゃあその研究者が…!」

大鯨「一連の黒幕の可能性が高い。 名前は『クルスト・モーゼス』、彼がナノマシン制御プログラムの第一研究者よ」

霞「クスルト・モーゼス…」

大鯨「多分、ニムバス達の当初の目的は多少なりとも情があったマリオンを助け出すことだった。だけど次第にEXAMの狂気に呑まれて、今は多分正気は残ってないと思う…」

霞「じゃあもう、戦いを止めるのは…」

大鯨「無理ね。もう絶対に声は届かない。 だけど届かせられるかもしれない人が一人だけ居る」

霞「誰ですか!?」

大鯨「霞ちゃんよ。 もしマリオンの声を拾えてニムバスに届かせられれば、だけど」

霞「私が…」

大鯨「その可能性を持つのは霞ちゃんだけ。純粋なNTになりつつある霞ちゃん唯一人なの。

もう貴女なら聞こえる筈よ。マリオンの悲しみの声が」

霞「確かに最近、『止めて』、とか聞こえて…」

大鯨「なら可能性はまだある。戦いを止め、一人の女の子を救える可能性が」
464 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/21(土) 02:30:43.41 ID:joxe9w+h0
海風「ふぁ…」

瑞鳳「あ、起きた」

海風「まだ少し眠いです…」

神通「もうお昼前ですが、朝方まで戦闘をしていたので仕方はありませんね」

海風「戦闘… そう言えば被害は?」

萩風「海風さんが薙ぎ払った林以外は特に」

海風「あ、あははは…」

瑞鳳「体調は大丈夫? 気だるいとか、力が入らないとか」

海風「睡眠不足で眠い以外は特に」

瑞鳳「なら良かった」

海風「あの、『アズライトバースト』は一体…」

神通「それはですね…」



海風「つまりアズライトと海風が共鳴して発現した力、と」

瑞鳳「掻い摘んで言えばね。本来の仕様とは違うバースト、『アズライトバースト・イレギュラー』とでも言うべきかな」

海風「しかしこれで下手に『アズライトバースト』を使う事が出来なくなりましたね…」

萩風「そこは大丈夫です。あの現象は人の意思に敏感な人工粒子環境下だから発現した能力、現行システムの天然粒子環境下でなら問題はないかと」

神通「ただ問題としてはアズライトの内部に人工粒子が蓄積してる可能性があるので…」

瑞鳳「その点はそこら辺のバトルシステムに放り込んで粒子全放出させれば問題無いよ。ただそれには時間がかかる」

海風「どれくらいですか?」

瑞鳳「2日。 放出させた後天然粒子をチャージさせて、その後機体を整備して、ってなるとどうも…

アズライトは機体が特殊なの。 他のバーストやRGを持つ機体と比較して」

海風「特殊、ですか」

瑞鳳「アズライトには機体の粒子制御・粒子貯蔵・予備として機体のコアモジュール、システムの核を3つ積んでるの。

フレスヴェルグの時は1つだけだったから上手く粒子の制御が出来なくて自壊寸前までいったからね」

萩風「コアモジュールに1つ、例えミリ単位の傷でもついてしまえば機能を十全に発揮できなくなります。 その為どうしても時間がかかってしまうんです」

神通「機体の外装やフレームに損傷がなくとも、あれほどの粒子放出・制御を行ったコアモジュールにはどんな負荷がかかっているか分かりません」

瑞鳳「だからこそ入念にチェックが要るのよ」

海風「でも二日と言う事は…」

瑞鳳「そう、貴女は準決勝には出られない」

海風「…」

瑞鳳「納得できない?」

海風「そう言う訳では…」

瑞鳳「浜風ちゃんの機体借りる? 装備換装すればアズライトと同仕様になるし」

海風「絶対にNOです」

瑞鳳「だよね〜」

海風「個人的な感情はなんとかなりますが、アレが世界選手権に出られないとなって海風のせいにされても困ります」

瑞鳳「そこは大丈夫だと思うけど…」

神通(浜風さんの機体を使うことに抵抗は無い、と言う事はある程度は浜風さんを認めてるんですね…)
465 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/21(土) 03:50:33.16 ID:joxe9w+h0
《その後 リビング》


愛宕「じゃあ次の試合には海風ちゃんは出れないのね」

海風「はい。それに元々海風は二連続で出場してますから休息も必要でしたし」

天津風「最悪私のシューティングスター貸すわよ」

海風「それなら愛宕先生のギャプランの方が…」

愛宕「ごめんね、私の機体は今瑞鳳に調整して貰ってるところなの」

瑞鳳「今の私の技術なら『アレ』をまともに使えるように出来る。だからその調整にね」

海風「残念です」

天津風「じゃあ私のシューティングスターで…」

海風「バスターソードがあるなら」

天津風「ある訳無いじゃない」

海風「じゃあいいです」

天津風「ちょっと!?」

萩風「それに射撃型のシューティングスターより私のエクシアや姉さんのジャスティスの方が海風さん向けかと」

朝雲「適性のない機体を渡されても困るわよね、そりゃ」

霞「あれ、準決勝のトーナメント分けって…」

神通「! …今日でしたよね?」

全員「!?」

瑞鳳「ヤバッ!? 確か13時からだから… 車飛ばさなきゃ間に合わないじゃん!皆行くよ!」



如月「慌しいわね…」

野分「まさか全員忘れてるなんて…」

秋月「だけど、皆楽しそうです」

大鯨(でも海風ちゃんが目指すのはもっと先、皆が心の底から笑えるようになる世界… 駆け抜けなさい、鼓動が止まらない限り。

その気持ちが偽りでないならきっと誰にもその願いは消せない。 貴女の『創造』の力はきっと『アンリミテッド』に到れるわ)
466 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/21(土) 04:05:19.10 ID:joxe9w+h0
《大会会場》


瑞鳳「皆、大丈夫!?」

霞「っはぁ… こ、呼吸が…」

海風「毎朝、ランニングは、欠かさなかったけど… キツイです…」

神通「…申し訳ありません。部長である私が、完璧に忘れていました…!」

萩風「責任問題ですよ、部長。あと朝雲さんそろそろ背中から降りてください」

朝雲「ちょっと待って…! さっき攣った足が…」

天津風「何やってんのよアンタは… って愛宕先生は?」

愛宕「」チーン

瑞鳳「あちゃー… 日頃の不摂生が祟ってるね。早朝ランニングやらないから…」

愛宕「うぅ… だってぇ…」

阿武隈「…一体何やってるの?」

海風「あ、どうも」

陽炎「大鯨さんから話は聞いてるけど… まさか忘れてたの、抽選会」

神通「はい…」

長波「どうして忘れちゃうかな…」

霞「ニムバス達とやりあってたんだから仕方無いでしょ…!」

阿武隈「あとここ学生オンリーだから瑞鳳さんたちは…」

瑞鳳「あ、そうだった。じゃあ私達は席に座ってるね」

愛宕「ちょっと待って… ま、まだ脚が…」

瑞鳳「いいから行くよ、愛宕先生」ズルズル

愛宕「あ゛〜…」

長波「…見た目と力関係が完全に逆転してるな」

萩風「私でもバーベル片手で持ち上げられるので、それ以上のパワーを持つお母様ならそれくらい当然かと」

陽炎「アンタ達の一族本当訳分かんないわ」

朝雲「しかも冗談でもなくて事実なのもね…」

阿武隈「静かに。もうすぐ抽選会はじまるよ」

天津風「ついに…!」
467 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/21(土) 04:14:38.39 ID:joxe9w+h0
『これより第二回全日本ガンプラバトル選手権・中高生の部、決勝大会の抽選会を始めます』


天城「どう見ます、姉さん?」

榛名「どこが試合をしても激戦は必須、『切り札』を投入しないといけませんね」

満潮「…」


瑞鳳「参戦してるのは… 順当に居るね、ホワイトクリーンもソレスタル・スフィアも」

愛宕「残りのチーム、あそこって…」


『準決勝第一試合、宮城県代表天山学園『ホワイトクリーン』対…』


阿武隈「来た…!」

陽炎「お先、抜けるわね」

長波「対戦相手が怖いけどな」

海風「どこと戦うのでしょうか…」


『静岡代表・ガンプラ学園チーム『ソルスタル・スフィア』』


天津風「なっ…!?」

朝雲「よりによってガンプラ学園と…!?」



ウィルフリッド「遂に来たか…」

アドウ「倒し甲斐があるぜ…!あの連中はよ…!」

シア「でも、勝つのは私達ね」


阿武隈「どうやら、覚悟を決めなきゃね」

長波「ああ。決着、つけなきゃいけないもんな」

陽炎「どんなヤツでも倒す。私達の改RX-0で…!」



第16話『Belive Myself』 終
468 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/21(土) 04:22:36.53 ID:joxe9w+h0
次話選択 ↓3先取

1.『復讐の終わり』…天津風VS霧島

2.『もう一人の蒼き翼』…朝雲VSルーカス・ネメシス

3.『神話の獣と天使と』…阿武隈VSウィルフリッド
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 06:25:39.97 ID:c2MvpU8L0
2
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 07:07:31.53 ID:Yf93BIplO
3
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 09:24:22.35 ID:m9VsG2810
2で
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 09:46:29.65 ID:i2Fw/Xwc0
3
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 10:06:19.54 ID:z3jIT/1MO
3
474 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/22(日) 22:12:48.51 ID:E7RnjH+i0
第17話『神話の獣と天使と』

《2年前 函館港》


「さ、寒い…!」ガクガク

「東北民ならこの程度…!」ガクガク

「滅茶苦茶震えてるじゃないですか…! と言うか何で函館なんですか!?」

「北海道新幹線特集だからですよ…!」

「でも誰も居ないし大雪で市場すらやってないじゃないですか!」

「仕方ありません… 明日には止むそうなので今日は本来明日の予定だったジンギスカンでも…」


コォォォォォォォ…


「っ…!榛名さん、見てください!」

榛名「海の上に、光…? 青葉さん、行きましょう!」

青葉「了解です! ってどうやって?」

榛名「出来るだけ近いところまでです!」



「う… ぁ…」

「もうちょっとで港だから…!」

「糞っ…!何なんだよあの光!」

「私が知るか! 南方に居たと思ったらこんな大雪の海だなんて…!」

「おーい! 誰かー! 電探には近くに船の一隻も居ないから、無理か…!」


青葉「声…! 人…?」

榛名「青葉さん、読み取れますか?」

青葉「ちょっと待ってください…! 3、感情は… 一人は無反応、多分意識がありません。二人は焦りと困惑…?

海の上に居る、と言う事は確実に『艦娘』ですね…」

榛名「転移者… 青葉さん、今から榛名の感応波を全力で周囲に飛ばします。青葉さんはスマートフォンを信号代わりに振ってください」

青葉「前に使ったアプリがそれ用のアプリがありました…! お願いします!」


『聞こ… すか…!』

「な、何!?」

「声! 通信機じゃ…」

『赤… 誘導…!』

「見て! 赤い光よ!」

「誘導してるのか…? だが、どうして…」

「助けるには行くしかないわ!」
475 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/22(日) 23:00:45.05 ID:E7RnjH+i0
榛名「来た…!」

青葉「艦種、恐らく駆逐でしょうか」

「お願い、助けて! 私達庇って怪我をして…!」

「頼む!何でもするから!だから…」

青葉「これは酷い… よく生きてましたね、これ」

榛名「容態は… 脈拍が薄い、止血しないと…! 救急車を呼んで下さい!榛名が応急処置をします!

そこの二人も手伝ってください! そこのバッグに肌着があるのでそれで止血します!」

青葉「もしもし、けが人です!救急車お願いします! 場所は函館港の…」

「あった、この肌着ですか!?」

榛名「ええ。 あと二人はこの人の艤装と貴女達の艤装を外して隠すか投棄してきてください。

『艦娘』なんてものはこの世界には居ません。余計な混乱を招くことになります」

「え…?」

榛名「事情は後で! 早く!」


《数時間後 病院》


「治療は終わりました。応急処置が間に合わなければ危ないところでしたよ」

榛名「そうでしたか」

「…しかしあの怪我は普通じゃない。 体の側で花火が暴発したような傷付き方でしたよ」

榛名「ではそうなのでしょうね」

「…何かあったのか、我々医師は知らなければなりません。場合によっては警察に通報する義務があります」

榛名「…それを言われると少々困るんですよね。こちらも事情はほぼ知らないものでして」

「なら尚更…」

榛名「ではこれで」ドサッ

「は?」

榛名「入院費です。動けるようになるまで束の二つもあれば充分でしょう」

「そ、それは足りてますが…」

青葉「大人しくしていてくださいね〜。眉間撃っちゃいますよ〜」

榛名「選択肢は二つです。受け取って何も見なかったことにするか、鉛玉を受け取るか」

「よ、よろこんで!」



榛名「はぁ… どっと疲れました…」

青葉「小心者なのに無茶するからです」

榛名「主にその言い草は酷いです… 大鯨さんに言われた対処法を実践しただけなのに」

青葉「第一普通ははったりだって分かりますよね。これそこで買ってきた3000円のエアガンですし、普通銃なんか持ってるわけないじゃないですか」

榛名「まぁいきなり背後から音も無く忍び寄られれば誰でも思い込みますよ」

青葉「しかし大鯨さんもちょっとお願いしたらお金出してくれるなんて」

榛名「後が怖いんですよね… あくまでも事情が事情による『貸し』ですから。あとで何させられるやら…」

青葉「1ヶ月はタダ働き覚悟ですね…」
476 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/23(月) 01:36:54.98 ID:h6npTpVE0
《病室》


榛名「危ない状況らしかったですけど今は命に別状はないそうです。傷跡も残る可能性は少ないと」

「そう… 重巡『青葉』、ソロモンの狼… アンタに助けられるとは思わなかったわ」

青葉「狼の名は返上しましたよ。それに隣にもっと『狼』の名前に相応しい人が居ますし」

「助かった… 本当に、ありがとう…!」

榛名「どんな命も生きたいでしょうし、当然のことをしただけです」

青葉「確かお二人は… 呉所属の陽炎型1番艦『陽炎』と横須賀所属の夕雲型4番艦『長波』、そして今眠ってるのが『幌筵の鬼神』こと阿武隈ですね」

陽炎「…その情報、古いわよ。私達は半年前に幌筵に転属したわ」

青葉「ありゃ。1年も経てば情報も腐りますかぁ」

長波「1年…?」

青葉「青葉がこちら側に来たのが去年だからですよ」

陽炎「要領を得ない…」

榛名「ここは貴女達が本来居た世界ではありません。 異世界の一つですよ」

長波「い、異世界だって…!?」

青葉「ええ。異世界で、この榛名さんが今の青葉の主ですよ」

陽炎「あの青葉を手懐けた…?」

榛名「誤解を招く言い方はやめてください。ビジネスライクな関係でしょう」

青葉「まぁ上司と部下の関係ですね。『今の所』は」

榛名「で、仕事の都合で青葉さんと一緒に食べ歩きをしようとしたところで貴女達を発見した次第です。

恐らくあの光は次元の裂け目のようなもの、それに呑まれた可能性が高いかと」

陽炎「次元の裂け目…」

青葉「実はこの世界は色んな平行世界につながる穴ぼこだらけでして、しかも閉じたり開いたりが忙しくて調査が間に合わず観測放置してるんですよ。

恐らく通った裂け目も突発的に出来た代物… 艤装が機能してる状態で転移したのは幸いじゃないですか」

長波「アンタはどんな状況だったんだよ」

青葉「気が付いたらフィッシングです。比喩じゃなくて、マジで」

榛名「あれはウォースパイトが原因なので… いや釣り上げたの榛名ですけど」

陽炎「訳が分からない…」

榛名「ともかく、二人も少し怪我をしているようなので手当をしておきましょう。 青葉さん、ホテルの手配を」

青葉「了解です!」
477 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/23(月) 01:53:19.84 ID:h6npTpVE0
《現在・全日本選手権会場》


『準決勝第一試合、宮城県代表天山学園『ホワイトクリーン』対静岡代表・ガンプラ学園チーム『ソルスタル・スフィア』』


阿武隈「どうやら、覚悟を決めなきゃね」

長波「ああ。決着、つけなきゃいけないもんな」

陽炎「どんなヤツでも倒す。私達の改RX-0で…!」


榛名「…満潮」

満潮「何、出番?」

榛名「スタンバイだけしてください。出すかどうかはあの子達が決めることです」

天城「ソレスタル・スフィアのデータは纏めてあります」

榛名「ではブリーフィングを行いましょう」


阿武隈(ここまで来たんだ… あの時から…!)

陽炎「さて、私達はお先に失礼するわ」

長波「榛名姉からブリーフィングの召集がかかりそうだしな」

神通「どうか武運を」

阿武隈「言われるまでもないよ。私達の敵は倒す、それだけだから」

長波「今は自分達の心配しとけ。 無事に決勝にいけるかどうかのな」

陽炎「ま、決勝で待ってるわよ」


天津風「流石に気合入ってるわね…」

朝雲「今、背筋がゾクッってなったわ」

萩風「気負いすぎてるような気がしますが… 放たれるプレッシャーは尋常ではありません」

霞「今のは、何…?」

海風「霞…?」

霞「執念だけじゃない、何か別の感情…」

神通「執念以外の感情、ですか」

霞「あれは『恩』…?」
478 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2018/04/23(月) 02:24:01.39 ID:h6npTpVE0
《ガンプラ学園用の部屋》


能代「敵は3機の『HGUC ユニコーンガンダム』系統をベースにした改造機『改RX-0』を使ってるわ」

ウィルフリッド「監督、あの『改RX-0』については何か知っているのですか?」

能代「嫌と言う程ね。ガンプラ塾当時、現メイジンですら勝てなかったわ」

アドウ「メイジン相手にかよ!?」

能代「あのシリーズは一つの系統、そして『ガンダムシリーズ』と言う枠組みから外れてる。ガンプラとしては異色過ぎるの。

正直、馬鹿げてるとしか言いようがない。 そもそも全機の共通の特徴の、完全変形機能だけでも狂ってるとしか…」

シア「敵の機体は?」

能代「まずはリーダー機『RX-0[M] マーナガルム』から。 あの機体は『本来の意味のフルアーマー・ユニコーン』ね。

各部に装甲を追加、さらにIFジェネレーターによる高い防御力を持ってる。武器はホーミング・ビームキャノンを脚部に複数、遠隔ドリルユニット『スコール』『ハティ』、それとクローアームとバルカンかしら」

アドウ「アイツ、スピードもパワーも尋常じゃねぇぞ。下手にクローに捕まれば俺達の機体もミンチだ」

能代「そして高い加速能力も持ってる。旋回性能が若干低いのが救いだわ…

アレに真正面から対峙は無理、絶対に正面から単機で戦わないことね」

シア「この翼を持った機体は?」

能代「『RX-0[V] ヴェズルフェルニル』、スピード特化の機体よ。ビームマシンガンと実体剣、そして背中に装備されたMドライブユニットによる光の翼が武器。

この機体の特徴は高い運動性・機動性よ。…正直、スローカメラを使わないと撮影すら難しいわ」

ウィルフリッド「尋常じゃ無いスピード… 私でも完全に捉えるのは難しいな…」

能代「それにファイターも反応が早い。 組み合わせは最悪ね…」

アドウ「そしてラストはステルスか」

能代「『RX-0[G] ガルム』。武器はクローシールドを両腕に、両肩にはビームキャノン… そして最悪の武器、弓装の『グシスナウタル』。

『グシスナウタル』のビームは威力はそこまでではないけど『絶対に直撃する』か『絶対に貫く』かの二つの特性を切り替えられるの。どれだけ逃げても、どんな防御策を練ろうとも無力化される」

ウィルフリッド「さらにステルス特性持ち、中々やりにくい…」

シア「なんて恐ろしいガンプラなの…」

能代「しかも全ての機体が『フリューゲル・ヴェント』の主力の『ウイングガンダム・アズライト』や『シームルグ』に匹敵、もしくは上回ってる。

ファイターも強豪、能力も折り紙つき。油断してもしなくても、足元を掬われかねないわ」
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