牙狼 女神ノ調

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27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/02(土) 00:12:02.34 ID:zhXdJM5A0
虎太郎「行くぞ、轟天!」

轟天を召喚し、一気に跳躍させるが、その轟天に向けて、オルバスは邪気を放射する。

虎太郎はそれを牙狼剣で反射しようとした。

虎太郎「――――(やばい、威力が……)ぐぁぁあああああああああああああああッ!」

虎太郎と轟天ははじき返され、虎太郎は屋上のフェンスに、轟天は校舎に激突して崩れ落ちた。

鎧が解かれ、虎太郎はうめき声をあげながらその場をのたうち回る。

希「虎太郎君!」

希は虎太郎に駆け寄ろうとするが、虎太郎がそれを手で制止する。

虎太郎「大丈夫です、それよりも、希さんは結界を張って、皆さんの安全を確保してください。もう、あいつの意識も完全に俺に向いたから、ほかの皆さんの拘束も解かれているみたいですし」

虎太郎の言う通り、すでに全員の拘束が解かれていた。一足先に拘束を解かれていたにこと、体力のある絵里と凛、そして穂乃果が、ほかのメンバーの介抱をしている。

希「けど……」

虎太郎「大丈夫ですよ、俺はガロです。それに――――俺、姉さんだけじゃなくって、μ’sの――――皆さんの大ファンなんです。皆さんの歌、未来でも聞きたいから死にませんよ。だから、安心して守られていてください。なんてったって、俺は――――」

虎太郎は魔戒剣を杖に立ち上がり、そして、剣を真上に掲げた。

虎太郎「ガロ〈守りし者〉なんですから」

円を描き、そこから現れた金色を、虎太郎は再び纏う。

虎太郎「今度こそ、貴様の陰我、断ち切らせてもらう!」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/14(木) 22:12:09.06 ID:W17Pz2oL0
虎太郎「轟天!」

虎太郎の声に反応して、轟天は瓦礫の中から抜け出し、虎太郎の元へと駆ける。轟天は虎太郎が自らに飛び乗ると同時に、力強く地面を蹴って、オルバスに向けて飛び上がる。
そんな虎太郎と轟天に向けて、邪気でできた球体を放つオルバス。虎太郎もそれを弾かんと牙狼剣を振るい、轟天は空を蹴って最初の数発こそ避けるが、その弾幕を裁ききれずに、攻撃を食らってしまう。
しかし、それでもなお、虎太郎はオルバスの元に届けようと、自らの足を動かすのだった。

虎太郎「ごめんな、轟天、ありがとう」

ある程度オルバスに近づいた虎太郎は轟天の背を踏み、飛ぶ。そして、オルバスの額に牙狼剣を押し込まんと剣先を向けるが、あっさりと、オルバスの放った強大な邪気によって吹き飛ばされてしまった。
そんな虎太郎の様子を結界内から見つめるμ´sメンバー。

穂乃果「ねえ、希ちゃん。穂乃果たちにできること、何かないの?」

海未「何を言っているのですか穂乃果!?」

穂乃果「だってさ、アニメとか漫画だとさ、あるじゃない? こう、パワーを送る感じの。だから、希ちゃんもそんな感じのできないかなぁって」

希は少し考えた。そして口を開いた。

希「じゃあ、歌おうか」

「「「「「「「「え?」」」」」」」」

希「牙狼の鎧に使われている金属……ソウルメタルって言ってね? あれは使用者の気持ちによって軽さとかそういうのが変わる代物なんよ。だから、うち等の歌で虎太郎君が少しでも元気づけばって気持ちを込めて歌えば、きっと反応してくれる。お母さんも、お父さんを思いで助けたことあるって言ってたから間違いないと思うんよ」

ことり「思いが力になるかぁ、それってとっても素敵だね」

凛「虎太郎君、何が好きかにゃ?」

にこ「もちろん、姉であるこの私がセンターの曲――――」

絵里「いいえ、ここは純粋に応援する感じの――――」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/08(月) 13:52:14.91 ID:QkQuvG0k0
虎太郎「クッ……」

虎太郎は牙狼剣でオルバスの攻撃を弾きながら、何とか攻撃をしていたが、オルバスにダメージを与えるに至っているかはわからず、寧ろ、邪気がどんどん集まっているようにも感じられた。

虎太郎「このままでは……」

焦る虎太郎に、オルバスは一つ、巨大に固めた邪気の塊を放つ。防御態勢は取るが、これを繰ればひとたまりもないと、どこかで諦めのような感情が芽生えたそんな時だった。

歌が聞こえてきた。

ハッと我に返った虎太郎。その攻撃を力いっぱい上空へとはじき返した。それは結界の天井部にあたり、一部が壊れ、その結界の破片が邪気と月明かりと牙狼の輝きに反射して、きらきらと雪のように降ってくる。

虎太郎は振り返った。ボロボロになった音ノ木坂学院の屋上。そこで、女神たちが歌っていた。音響もないのに、その歌声は結界内に強く響き渡り、ライトもないのに、その空間で、一番の輝きを放っていた。

虎太郎「……はは、はははははっ! そうだよな、俺には女神たちが付いているんだ、だから、負けはしない!」

虎太郎の蘇った闘志に呼応するように、舞い降りてきた結界の破片がガロを包み込んだ。そして、その破片はガロの背中へと集約し、翼となった。

その姿に希は覚えがあった。祖母が残したと教えられた絵の中に、よく似た姿の物があったからだ。翼人牙狼と、祖父は呼んでいたそうだ。

虎太郎「行くぞ!」

虎太郎は再びオルバスへと攻撃をしかける。翼を得たことによって、空間内をよりスピーディに移動できるようになったため、先ほどまでとは違う、力を込めた斬撃を仕掛けられるようになったため、ダメージを与えているという手ごたえが、虎太郎には感じられた。

先ほどとは動きがまるで違うガロにオルバスも戸惑っているらしく、なかなか攻撃が定まらない。

しかし、それでも元々の大きさも違ってくるので、どうしても、致命傷になるような攻撃を、虎太郎は与えることができないでいた。

虎太郎「轟天!」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/15(月) 20:50:12.57 ID:zxsNF2670
虎太郎の呼び声にこたえ、地面に伏していた轟天は立ち上がり、大きくその蹄を鳴らした。

それに牙狼剣が反応し、自身の身丈以上の大剣、牙狼斬馬剣へと、姿を変えた。

虎太郎「こいつなら!」

虎太郎は、翼を広げ、先ほど以上のスピードでオルバスに迫る。が、オルバスも虎太郎のスピードに慣れてきたようで、それを追撃しようと邪気の光束を放ってきた。

虎太郎「そんなものに、負けてたまるか!」

牙狼斬馬剣を振り降ろし、それを切り裂きながら、虎太郎は進む。

『なぜ、まだそこまでの力がある!? なぜ、そこまでして人間を守ろうとする!? 人間の邪心はなくなることはなく、お前たちの戦いには終わりはないというのに!? どんなにお前〈牙狼〉が輝こうとも、すべてを照らせるわけではないというのに!?』

虎太郎「たしかに、俺たちの戦いに終わりというものは来ないかもしれない。俺一人では、すべての闇を払えないかもしれない。

しかし、俺は知っている。闇を払えるのは、俺たち魔戒騎士だけではない。人は、自ら輝き、その輝きは、それを見るほかの人間の闇まで払うことができるということをッ!」

虎太郎は背後から聞こえてくる歌を聴きながら、かつて、女神たちが作り出した光景を思い出していた。彼女たちの歌が、ダンスが作り出した、皆が輝いていたあの光景を。

光束が全て霧散し、オルバスはまさかと怯んでしまった。虎太郎はその隙を見逃さなかった。

虎太郎「これで、終わりだぁああああああああああああッ!!」

虎太郎はオルバスの眉間に牙狼斬馬剣を突き刺し、それを思いっきり横薙に振りぬいた。

『馬鹿な、この私が……』

傷から邪気があふれ出し、オルバスはその姿を保つことができずに、徐々に粒子となって崩壊していく。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/05(月) 00:00:40.92 ID:f1eUpxo10
それと同時に結界も消えてゆき、星空が彼女たちの頭上に広がった。

「虎太郎君、やったんだね……」

ゆっくりと屋上に降り立ち、鎧を還す虎太郎。

それと同時に少しふら付いたのを、希が駆け寄って支えた。

「ありがとうございます、希さん」

「ええんよ、お疲れ様。よく頑張ったね」

「いえ、皆さんの歌のおかげです」

「本当よ。虎太郎、感謝しなさい。伝説のスクールアイドルである私たちの生歌を独り占めできたんだから!」

「それ、自分で言って少し恥ずかしくないかにゃー?」

「こら、二人とも喧嘩を始めない。虎太郎君、お疲れ様」

「絵里の言う通りです。二人とも、今は戦いつかれている虎太郎を労わろうと――――」

「まあまあ、海未ちゃん……虎太郎君、本当にお疲れ様」

「帰ったらごはんにしよう。おにぎり作るね」

「私も、鞄にほむまん入ってるから、それでお疲れ様会しようよ!」

「もう、その前に虎太郎の傷の手当でしょ? 応急処置くらいならできるから、ここでしちゃうわよ」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 01:03:37.13 ID:MlYrvKF40
虎太郎「いえ……それはもうすぐ後になりそうです……」

つけていたウエストポーチから包帯を取り出した真姫を制止した虎太郎。

その視線を追った全員が驚いた。最初の形態よりもずっと小さいが、黒い霧の塊のような姿になったオルバスが、中に浮いていたのだ。

虎太郎「あれだけ強大な邪気だと、封じ込めきれなかったか……」

魔戒剣を構える虎太郎。

オルバス「まさか……あれほどの強大な力をもってしても破られるとは……黄金騎士、私はあなたの力を見くびっていたようだ……」

虎太郎「そうか。なら、次は相手の力を見た目で判断しないようにするんだな。覚えていればの話だが……」

オルバス「ええ。……しかし、まだ、私にはお前を倒す手段がある……!」

ザルバ「負け惜しみだな。そんな消えそうな、搾りかすみたいな体で何ができる」

オルバス「……先ほど、あなたの剣で斬られたときに、あなたという存在の力が流れてきました。そして――――あなたよりも弱いが、あなたと全く同じ力の波長を、この時代からも感じる……!」

虎太郎「俺と同じ……? まさか……ッ!」

オルバスはにやりと口元を歪め、飛んで行った。

虎太郎「轟天、頼む!」

虎太郎は魔戒剣を投げて、空中で回転する魔戒剣に飛び込む。牙狼の鎧と轟天が召還され、牙狼剣を回収した虎太郎はオルバスを追う。
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 00:02:50.24 ID:2zMIUzba0
オルバスに追い付かず、焦る虎太郎。

オルバス「ふはははッ、見つけたぞ!」

オルバスの視線を、虎太郎も追う。すると、かつて自分たちの住んでいたアパート。その屋上に、幼い虎太郎が一人で立っていた。

それをみて、虎太郎は思い出した。そういえば、何か不思議な気配を感じて、屋上に出てきたのだ。そして――――黄金騎士に出会った。

虎太郎はオルバスに切りかかろうと轟天に鞭を撃つが、届きそうにない。そして、鎧の時間ももう限界が近づいていた。

虎太郎「オルバス、闇に去れ!」

ならば。と、虎太郎はオルバスに向けて牙狼剣を投げ飛ばした。オルバスは、それを、あっさり避けた。

虎太郎「しまった……」

絶望する虎太郎。鎧が解けるのを感じながら、虎太郎はオルバスを見上げた。そして、輝きを見た。

月明かりで輝く金色が、虎太郎の投げた牙狼剣をキャッチし、元々持っていた牙狼剣と合わせた二本の牙狼剣でオルバスを切り裂いた。

虎太郎「牙狼……まさか……」

着地した虎太郎の前に、牙狼が舞い降りた。

牙狼「……君の剣だ」

虎太郎「ありがとう、ございます」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/19(月) 00:37:57.12 ID:4Z0JE7260
ザルバ(虎太郎)「希もだが、こうして若い雷牙の気配を感じると、過去に来ているって実感が湧くな」

雷牙「そうか……未来から来たのか」

虎太郎「はい。申し遅れました、俺の名は――――」

雷牙「いや、いいよ。未来で会えるんだろ? なら、その日を楽しみにしていたいな」

虎太郎「――――はい!」

ザルバ(虎太郎)「そうだな、ゆっくり挨拶している暇もない。虎太郎、邪気が薄れかけてる。このままだと帰れなくなるぞ」

虎太郎「なら、早く戻らないと……雷牙さん、挨拶できないのでこれだけ言わせてください。あなたの望みは、もうすぐ叶います」

虎太郎は牙狼の鎧と轟天を召還し、学校に向けて戻っていった。

雷牙「望みが叶う……か。どういうことだろう?」

ザルバ(雷牙)「さあな?」

マユリ「おい、雷牙」

牙狼の鎧を解いた雷牙の背後から、マユリが話しかけた。

雷牙「マユリ? どうやってここに?」

マユリ「媚空にここに移動させてもらった」

雷牙「そうだったのか。どうする? せっかく東京に帰ってきたんだ。希にあっていくかい?」

雷牙は久方ぶりに会っていない愛娘の顔を思い浮かべながら提案するが、マユリはそれに首を横に振った。

マユリ「いや、それはこの後一度クロウたちの元へと戻ってからだ」

雷牙「何かあったのか?」

35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/21(土) 23:58:40.08 ID:x6zuiHBD0
マユリ「ゲートがつながった先で、二人の魔戒騎士がホラーの大群と戦っていた。一人の女性を守りながらな。クロウも媚空もその手助けをしている」

雷牙「なんだって!? なら急がないと」

マユリ「まあ、話は最後まで聞け。片方の騎士は、双剣使いの長髪の男。もう一人は……赤鞘の剣をも持った騎士だ」

雷牙「まさか……」

マユリ「行こう。希を祖父母に合わせてあげないとな」

雷牙「ああ!」

鎧を、そして轟天を召還して、その背に乗った二人は道を急ぐのだった。

一方、音の木坂に帰ってきた虎太郎はμ'sの面々に迎えられていた。

希「虎太郎君、お疲れ様。その様子を見る限り、大丈夫だったみたいやね」

虎太郎「はい、雷牙さんに助けられました」

希「お父さんに?」

虎太郎「駆けつけてくれたようでした」

希「そうなんか……なら、ウチにも来てくれるかな?」

虎太郎「いや……むしろ雷鳴館に帰ってこいって言われると思います、聞いた話だと、確かこの時期のはずなので」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/18(金) 23:00:44.54 ID:Fa+fXPYt0
希「え?」

ザルバ「おい、虎太郎。無駄話はそこまでだ。邪気が霧散してきている。このままでは、帰れなくなるぞ」

虎太郎「ああ。わかってるよ、ザルバ。希さん、すみませんが、この札で門を作ってくれませんか? 未来のあなたが作ったものなので、あとは法力を流すだけでいいので」

希「ええよ……ウチ、未来でこんなお札作れるようになるんやね……」

虎太郎「凄腕の魔戒法師ですからね、それくらい当然ですよ」

虎太郎はμ´sメンバーの方に向き直り、頭を下げる。

虎太郎「危険なことに巻き込んでしまい、申し訳ありません。そして、ありがとうございました」

にこ「……帰るのね」

虎太郎「はい」

にこ「……頑張りなさいよ」

虎太郎「ありがとう、姉さん。この時代の俺をよろしく」

にこ「言われなくてもわかってるわよ、大事な弟なんだから」

他のメンバーも虎太郎に一言ずつ述べて、希の方へと向き直る。

希はそれを確認して、札を使って門を作った。

虎太郎「ありがとうございます、希さん。未来で待っててください」

希「もちろん、ウチは黄金騎士を支える法師なんやろ?」

虎太郎「いえ、そうじゃなくて……あの……」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 10:14:14.82 ID:0yLC0hAR0
首をかしげる希と、そんな希に何かを言いたそうに頬を赤く染める虎太郎。

周りのメンバーはその様子から何かを察して、温かい目で二人を見つめていた。

虎太郎「あーもう! つまりはこういうことです!」

虎太郎は希の唇に己の唇を合わせた。

希は目を見開く。

虎太郎「それでは、皆さんお元気で!」

虎太郎は希から離れると、赤い顔を隠すようにすぐに鎧と轟天を呼び出してゲートに飛び込んだ。

希は己に何が起きたのかを理解できず、そのまま直立していたが、にこがポンと肩に手を触れると小さく悲鳴を上げて我に返った。

にこ「弟をよろしくね、義妹」

希「いやいや、にこっち! ええの? ウチ虎太郎君といくつ違うと思ってるん!?」

にこ「あの子がいいならいいんじゃない? あんたならよく知ってるし、それに、あんな虎太郎を支えてくれるんでしょ?」

絵里「良かったわね、希。あんなイケメンな彼氏ができるなんて」

海未「おめでとうございます、希。しかし、健全なお付き合いをしないとだめですよ?」

真姫(10近く離れてる子で、しかも未成年とお付き合いになったら健全じゃいないと思うのは私だけなのかしら……)

ことり(真姫ちゃん、それ以上は考えちゃいけないよ。それに未来の希ちゃんが虎太郎君を好きとも限らないし……)

花陽(けど、今の希ちゃんはまんざらじゃなさそうだよねぇ……)

凛「三人とも、こそこそ何のお話してるにゃ?」

花陽「何でもないよ、凛ちゃん」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 11:02:43.77 ID:0yLC0hAR0
そして、未来。

虎太郎は音ノ木坂の屋上へと降り立った。

虎太郎「……どう、ザルバ。戻ってこれた?」

ザルバ「ああ、快適な旅とは言えなかったけどな……さすがに今回は俺様も疲れた。、とっとと帰って休むぞ、小僧」

希「せやね。皆、虎太郎君を待ってるよ」

虎太郎「希さん、迎えに来てくれたんですか?」

希「繋がったゲートがこっちから閉じないように維持をしてたからずっといたんよ。気付かなかった?」

虎太郎「すみません。戻って来るのに必死だったので……」

希「仕方がないよ、あんな大物と戦って、時間移動もしたんやから」

希は虎太郎の頭をなでる。

希「お疲れ様。おかえりなさい」
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