牙狼 女神ノ調

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33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 00:02:50.24 ID:2zMIUzba0
オルバスに追い付かず、焦る虎太郎。

オルバス「ふはははッ、見つけたぞ!」

オルバスの視線を、虎太郎も追う。すると、かつて自分たちの住んでいたアパート。その屋上に、幼い虎太郎が一人で立っていた。

それをみて、虎太郎は思い出した。そういえば、何か不思議な気配を感じて、屋上に出てきたのだ。そして――――黄金騎士に出会った。

虎太郎はオルバスに切りかかろうと轟天に鞭を撃つが、届きそうにない。そして、鎧の時間ももう限界が近づいていた。

虎太郎「オルバス、闇に去れ!」

ならば。と、虎太郎はオルバスに向けて牙狼剣を投げ飛ばした。オルバスは、それを、あっさり避けた。

虎太郎「しまった……」

絶望する虎太郎。鎧が解けるのを感じながら、虎太郎はオルバスを見上げた。そして、輝きを見た。

月明かりで輝く金色が、虎太郎の投げた牙狼剣をキャッチし、元々持っていた牙狼剣と合わせた二本の牙狼剣でオルバスを切り裂いた。

虎太郎「牙狼……まさか……」

着地した虎太郎の前に、牙狼が舞い降りた。

牙狼「……君の剣だ」

虎太郎「ありがとう、ございます」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/19(月) 00:37:57.12 ID:4Z0JE7260
ザルバ(虎太郎)「希もだが、こうして若い雷牙の気配を感じると、過去に来ているって実感が湧くな」

雷牙「そうか……未来から来たのか」

虎太郎「はい。申し遅れました、俺の名は――――」

雷牙「いや、いいよ。未来で会えるんだろ? なら、その日を楽しみにしていたいな」

虎太郎「――――はい!」

ザルバ(虎太郎)「そうだな、ゆっくり挨拶している暇もない。虎太郎、邪気が薄れかけてる。このままだと帰れなくなるぞ」

虎太郎「なら、早く戻らないと……雷牙さん、挨拶できないのでこれだけ言わせてください。あなたの望みは、もうすぐ叶います」

虎太郎は牙狼の鎧と轟天を召還し、学校に向けて戻っていった。

雷牙「望みが叶う……か。どういうことだろう?」

ザルバ(雷牙)「さあな?」

マユリ「おい、雷牙」

牙狼の鎧を解いた雷牙の背後から、マユリが話しかけた。

雷牙「マユリ? どうやってここに?」

マユリ「媚空にここに移動させてもらった」

雷牙「そうだったのか。どうする? せっかく東京に帰ってきたんだ。希にあっていくかい?」

雷牙は久方ぶりに会っていない愛娘の顔を思い浮かべながら提案するが、マユリはそれに首を横に振った。

マユリ「いや、それはこの後一度クロウたちの元へと戻ってからだ」

雷牙「何かあったのか?」

35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/21(土) 23:58:40.08 ID:x6zuiHBD0
マユリ「ゲートがつながった先で、二人の魔戒騎士がホラーの大群と戦っていた。一人の女性を守りながらな。クロウも媚空もその手助けをしている」

雷牙「なんだって!? なら急がないと」

マユリ「まあ、話は最後まで聞け。片方の騎士は、双剣使いの長髪の男。もう一人は……赤鞘の剣をも持った騎士だ」

雷牙「まさか……」

マユリ「行こう。希を祖父母に合わせてあげないとな」

雷牙「ああ!」

鎧を、そして轟天を召還して、その背に乗った二人は道を急ぐのだった。

一方、音の木坂に帰ってきた虎太郎はμ'sの面々に迎えられていた。

希「虎太郎君、お疲れ様。その様子を見る限り、大丈夫だったみたいやね」

虎太郎「はい、雷牙さんに助けられました」

希「お父さんに?」

虎太郎「駆けつけてくれたようでした」

希「そうなんか……なら、ウチにも来てくれるかな?」

虎太郎「いや……むしろ雷鳴館に帰ってこいって言われると思います、聞いた話だと、確かこの時期のはずなので」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/18(金) 23:00:44.54 ID:Fa+fXPYt0
希「え?」

ザルバ「おい、虎太郎。無駄話はそこまでだ。邪気が霧散してきている。このままでは、帰れなくなるぞ」

虎太郎「ああ。わかってるよ、ザルバ。希さん、すみませんが、この札で門を作ってくれませんか? 未来のあなたが作ったものなので、あとは法力を流すだけでいいので」

希「ええよ……ウチ、未来でこんなお札作れるようになるんやね……」

虎太郎「凄腕の魔戒法師ですからね、それくらい当然ですよ」

虎太郎はμ´sメンバーの方に向き直り、頭を下げる。

虎太郎「危険なことに巻き込んでしまい、申し訳ありません。そして、ありがとうございました」

にこ「……帰るのね」

虎太郎「はい」

にこ「……頑張りなさいよ」

虎太郎「ありがとう、姉さん。この時代の俺をよろしく」

にこ「言われなくてもわかってるわよ、大事な弟なんだから」

他のメンバーも虎太郎に一言ずつ述べて、希の方へと向き直る。

希はそれを確認して、札を使って門を作った。

虎太郎「ありがとうございます、希さん。未来で待っててください」

希「もちろん、ウチは黄金騎士を支える法師なんやろ?」

虎太郎「いえ、そうじゃなくて……あの……」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 10:14:14.82 ID:0yLC0hAR0
首をかしげる希と、そんな希に何かを言いたそうに頬を赤く染める虎太郎。

周りのメンバーはその様子から何かを察して、温かい目で二人を見つめていた。

虎太郎「あーもう! つまりはこういうことです!」

虎太郎は希の唇に己の唇を合わせた。

希は目を見開く。

虎太郎「それでは、皆さんお元気で!」

虎太郎は希から離れると、赤い顔を隠すようにすぐに鎧と轟天を呼び出してゲートに飛び込んだ。

希は己に何が起きたのかを理解できず、そのまま直立していたが、にこがポンと肩に手を触れると小さく悲鳴を上げて我に返った。

にこ「弟をよろしくね、義妹」

希「いやいや、にこっち! ええの? ウチ虎太郎君といくつ違うと思ってるん!?」

にこ「あの子がいいならいいんじゃない? あんたならよく知ってるし、それに、あんな虎太郎を支えてくれるんでしょ?」

絵里「良かったわね、希。あんなイケメンな彼氏ができるなんて」

海未「おめでとうございます、希。しかし、健全なお付き合いをしないとだめですよ?」

真姫(10近く離れてる子で、しかも未成年とお付き合いになったら健全じゃいないと思うのは私だけなのかしら……)

ことり(真姫ちゃん、それ以上は考えちゃいけないよ。それに未来の希ちゃんが虎太郎君を好きとも限らないし……)

花陽(けど、今の希ちゃんはまんざらじゃなさそうだよねぇ……)

凛「三人とも、こそこそ何のお話してるにゃ?」

花陽「何でもないよ、凛ちゃん」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 11:02:43.77 ID:0yLC0hAR0
そして、未来。

虎太郎は音ノ木坂の屋上へと降り立った。

虎太郎「……どう、ザルバ。戻ってこれた?」

ザルバ「ああ、快適な旅とは言えなかったけどな……さすがに今回は俺様も疲れた。、とっとと帰って休むぞ、小僧」

希「せやね。皆、虎太郎君を待ってるよ」

虎太郎「希さん、迎えに来てくれたんですか?」

希「繋がったゲートがこっちから閉じないように維持をしてたからずっといたんよ。気付かなかった?」

虎太郎「すみません。戻って来るのに必死だったので……」

希「仕方がないよ、あんな大物と戦って、時間移動もしたんやから」

希は虎太郎の頭をなでる。

希「お疲れ様。おかえりなさい」
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