叔母「今日からもココに住んで」男「ラブホテルですね」

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126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/18(金) 11:05:42.41 ID:tO8ns5V90
>>124
>>1かな?
6月待ってる
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/05(火) 15:55:41.25 ID:V7Bi2RBDO
女「…………」

「ゴハン一緒たべよ〜〜」

「ゴメーン! 今日はカレシと食べるからさ、明日でもいい? いいよね? じゃまた〜!」

「あっ! あんにゃろー! 一昨日も同じこと言っとったクセにぃ!」プンスカ

「すぐまた分かれるクセよぉ〜〜〜!!」

女「別にいいじゃない、ほら、さっさと食べちゃいましょ」

「む〜〜女ってばドライよね〜〜」

女「そう? べつに普通だと思うけど」パカリ

「でも呆れるわ。最近、魂胆ミエミエの急ごしらえカップル多すぎでしょ」

「遠足、近いしね〜〜思い出、つくりたいしね〜〜」

女「………」モグモグ


ぴたり


女「…ひとつ質問があるんだけど」

「なにさ?」

「どしたよ?」

女「カップルの定義って何? 男女が付き合うってどういうコトなの?」

「おぃぃ…いきなりどうしたよ、この娘…」

「女ちゃんもパリピったりしたい感じ?」

女「パリピ…? そんな静電気みたいなコトじゃなくて、真面目に答えてよ。付き合うって何?」

「ドキドキだよ! 心わくわく、キャピキャピが恋心で付き合うってことだよ!」キャルルルルン☆
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/05(火) 15:57:14.77 ID:V7Bi2RBDO
女「きゃぴ…」

「ほら出たよ、妄想甚だしいキャラが…一人前にカレシ作ってから言えよソレ」

「アンタに言われたくないんですケド〜〜〜」

女「じゃあ一緒に居て、キャピれて、ドキドキして、心わくわくすれば付き合うってコトなのね?」

「ん? ま、まあ、間違っちゃいないと思うけど…」S

「あれあれぇ〜〜? もしや女ちゃんも好きな人いるとかぁ〜〜〜?」

「マジで? あっ!! アレか委員長か?! チョット前に噂になってたの!」

「あ〜〜〜! でもアレって結局は男女の仲直り作戦だって、女が勝手にゲロってなかった?」

女「え? まあ、それはそうだったけど、今はちゃんと付き合ってて…」


「だ、だよな? そんな素振り全く見せてないしアリ得るわけ…」

「ラブラブなところ一切見てないのにアリ得るわけ…」


「「──ハァッッッ!!!?」」



〜放課後・公園〜


キィコ キィイコ

女「……ハァ」

男「そういや遠足が近いけれど、女さんの班はきちんとまとまってる?」

女「え? まあ、普段から話す娘が揃ったから」

男「へぇ、それは良かった」ニコニコ

女「………」じぃー
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/05(火) 15:58:13.67 ID:V7Bi2RBDO
『付き合ってる自信が湧かない?! んだそりゃ!?』

『気にしてんの? だったらガッツリいけ! ガッツリ! 女ちゃんならヨユーっしょ!?』


女(まったく、言いたい放題言ってくれるわ。出来るならやってるわよ)

女(でも、違うのよ。私とコイツとの関係ってそう簡単に…)

キィコ…

女「ねえ」

男「思うんだけど、班の構成はやっぱりランダムじゃなく──どうしたの?」

女「ウソは嫌い。だから、正直に話して欲しいの」キィコキィコ…

男「え…」

女「この数日間…いや数ヶ月…ずっと思ってた、けれど口にはできなかった」ギュッ

女「だって、怖いもの。口にした瞬間に疑問が答えに変わっちゃうじゃない」

女「でもガマンの限界」スッ

女「学校の帰り、一緒に遊んだ時、…とか、訊くべきタイミングはいっぱいあったけど」

男「……」

女「今回ばかりは聞かせてもらうわ」


ガシャン ユラユラ…


女「───貴方、もしかして住む場所ないでしょ?」



男「…………どうしてわかったの?」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/05(火) 15:59:06.63 ID:V7Bi2RBDO
女「やっぱり! つか、ハァッ!? なんで住む場所なくなるワケ!?」

男「うぐッ、うまく誤魔化せてると思ってたんだが……」

女「フツーわかるでしょッ!? 毎回毎回、九時まで公園で粘られちゃ色々と疑うわよッ!」

男「ぐッ…ごめん、実は…寝るまで話し相手が欲しかったんだ…」クッ…

女「まさか公園で寝泊まりしてるの!?」

男「もろもろ事情がありまして…」

女「いや、どんな事情があればホームレスになるのよ…」

男「でも、あと一日なんだ。あと一日過ごせれば、ちゃんとラブホテルに戻れるんだ」

女(それはそれでどうなのだろう…)

男「ははは。それにしても、まさか君に見破られるなんて」クス

女「…どういうコトよ」

男「うん。女さんには隠し通すつもりだったんだけど、まあ、バレちゃ仕方ないよな」

女「はぁ? なんで隠すワケ? 心配されたくないとか、言いたいの?」ゴソゴソ

男「それもあるけど」チラ

女「………」ピッポッパッ

男「誰に電話してるの、それ?」

女「私の家だけど?」prrrrrr

男「ほらやると思ったッ! お馬鹿! どうしてすぐ無茶な行動しようとするんだ君は!?」パシッ

女「ちょッ、コラ! 返しなさいよ!」

男「だめだめだめ! どうせ家に泊まらせようと考えてるんだろう!?」ピッ
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/05(火) 15:59:57.33 ID:V7Bi2RBDO
女「あ、当たり前じゃない! どうして止めるのよ…!?」バシッ

男「そ、それは……」ポリポリ

女(!! なに、その顔、普段はまったく気にしないクセして、そーいうのは意識する、の?)チ、チラ

男「だって、君のご両親をどう言い包めるかが難題になってくるし」ウーム

女(想像以上に真面目な答えだった……)

男「やっぱり面倒事は増やさないでおこう。女さんの気持ちは十分にありがたいけどね」

女「じゃ、じゃあまた公園で過ごすの? ていうか今までどうやってきたのよ…」

男「うん。実はそのための準備は色々と揃えていてね、ほら、みてごらん」ガサゴソ

男「寝袋に缶詰、そして虫除けスプレーに太陽電池灯もある。どうだ、これで完璧だろう?」ニコ

女「…もしかして実は楽しんでたり、してる?」

男「え? そんなことないよ?」キラキラキラ

女(満ち足りた顔してるけどッ! …ハァ、ダメだわ、もう色々とダメだ)

男「フンフーン♪」カチャカチャ

女(ラブホに住むぐらい大胆で、親を脅すぐらい機転が利くのに、こーいう変なとろこで頑固)

女(…覚悟、きめるか)

女「男」がしっ

女「本当は言いたくなかったんだけど、もうこれ以上、貴方の暴走を止める方法が思いつかないから言うけど」

男「おっと、説得しようとしても無駄だよ。何を言われても俺は今日を凌ぎ切るつもりだから」

女「貴方、ちょっとくさい」

男「…………」

【女宅で泊まることが決定しました】
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/05(火) 16:04:01.68 ID:V7Bi2RBDO
女宅


女「紅茶がいい? それとも緑茶? 珈琲?」

男「あっ、いやいやいや! 別にお構いなく! 気にしないでいいから、うんッ!」ブンブン

女「あっそ。じゃあテキトーに決めちゃうから、そこら辺に座ってて」スタスタ

男「う、うん…」


男「……むぅ…」キョロキョロ


女「なに人んちで、ウムウム唸ってるのよ」ジトー

男「どぅわぁッ!? 戻ってくるの早くない!?」ビックゥウウ

女「すぐそこキッチンなんだから、当たり前でしょうが」じー

男「……いや、ね、人の家に上がるのは緊張せざるを得ないというか」

女「ラブホに住んでるくせに?」

男「むしろそんなところに住んでるからだよ。普通の家ってのが逆に新鮮に感じてしまう」

女「相も変わらずよくわかんないわね、貴方の感性って」コトリ

男「自分でもそう思う。……あ、どうも、いただきます」ズズッ

女「それに高校生の身分で路頭に迷うとかあり得る? なによ、仮居が居心地悪いから逃げ出してきたって」

男「うぐッ」

女「ケルケルさんにも嘘をついて、保護者の叔母さんにも嘘ついて公園で過ごしてたとか」

女「ってか今までどう誤魔化してたの? 友人宅に泊まるなんて、バレそうなものだけど」

男「公衆電話を介して他人の声を模した録音を流し、携帯電話から友達の存在を偽装した、かな?」

女「用意周到すぎる…」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/05(火) 16:15:55.68 ID:V7Bi2RBDO
男「こっちも本気だったからね、うん」ウムム

女「それは、どうして?」ジッ

男「えっと、つまり居づらかった理由? それは…」

女(そう。貴方は分け隔てない性格してる一方で、変に距離を保とうとする)

女(私みたいな奴に話しかけるクセに。…学校じゃ一人も友達ができない、変なやつ)

男「うーん、なんていうかなぁ、こう…居場所に加わる違和感? というか、緊張感というか…」

女「緊張感ね…」

男「だから……まぁ、うん、いろいろと思うところがあって逃げ出したっていうか……」

女「そ。ま、いいわ。とりあえずそういうコトだっていうことで」

男「えっ? そ、そんなんで良いの…?」

女「良いの! それよりお腹空いてない? 公園で寝泊まりじゃろくなゴハン食べてないでしょ」

男「まぁ……コンビニ弁当の残飯を貰ってたけど……」

女「ろくなもんすぎないソレ!?」

男「店員のお姉さんが恵んでくれてね…あれは絶対に俺の境遇を勘違していた目だった…」ホロリ

女「舐めてたわ…貴方の徹底した逃げっぷり、チキンオブチキンね…」

男「ごめん。ここは遠慮するべきだろうけど…」ぐぅー

女「クス。別に良いんだってば、私が勝手に連れ込んだんだから、貴方も自由に過ごしなさい」スッ

男「女さん…」

女「それに遠慮なんて要らないでしょ。だって私たちは───」

ピタ

男「私たちは?」

女「なっ、なんでもないっ! ちょっくらトイレ行ってくるわっ!」ダダッ

男「別に言わなくてもいいよソレ!?」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/05(火) 16:16:46.14 ID:V7Bi2RBDO
すんませんでした
できれば毎日数レス投下予定

ではではノシ
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/05(火) 16:53:40.11 ID:KI+eLhFJO
待ってた‼
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 18:51:13.55 ID:tx6jkmtXo
ひさしぶりぃ
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 21:19:31.14 ID:e2bHc06MO
毎日とは
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/18(月) 03:14:48.23 ID:pA/I+sYL0
続き待ってるよ
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/06/21(木) 16:57:54.16 ID:Nn4J21Kl0

やっぱり面白いな
続きを待ってます!
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/30(土) 18:13:24.18 ID:BRPtN1Js0
毎日じゃなくて毎月なんだろうな
次も楽しみ
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/14(土) 04:50:59.99 ID:qfLXKU1h0
マダー??
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/19(木) 00:15:20.18 ID:u2GcuEhXO
女(もうもう、まったくもう! 私というやつはいつも余計な一言を…!)ズンズン

女(さっさとご飯の準備して気分を切り替えようっと、冷蔵庫…中身はっと…)

ガチャ

女「って、アレ? ……ウソでしょ?」ピタ


〜スーパー〜

女「ごめんなさい…まさか一つたりとも食材が無いなんて…」ズーン

男「そこまで気にすることないと思うけどな…」セイセイ

女「き、気にするわよ! ああまで食わしてやる、なんて豪語しておいてコレだもの!」

男「うーん、俺的には一から食費に関われて嬉しいけどね。後々の精算とかが楽だし」

女「……すーぐそうやって大人っぽいこという」ジトー

男「俺は面倒なことが嫌いなの。女さんだってそうだろう?」

女「む。っていうか、別に買い物についてこなくても良かったのよ?」

男「人の家で留守番とか怖すぎだろ…もし家族が帰ってきたらどう説明するんだ…」

女「え? 誰も帰ってこないけど?」


スタスタ ラッシャイマセー 


男「………は?」

女「まあ男手ありゃ荷物運びは楽よね。お言葉に甘えて買い物かごは貴方に持ってもらおうかな」フフ

男「オイ待って、ちょい待って」ガシッ

女「きゃっ?! な、なによ…!? ジャンケンで決めようってワケ!? だったら受けて立つわ!」

男「違うッ! そこじゃなく、──誰一人? 帰ってこない? 両親どころか、お姉さんも?」

女「じゃなきゃ家に誘わないでしょ!」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/19(木) 00:16:16.16 ID:u2GcuEhXO
男「……なんで?」

女「いや、アンタこそどう説明するつもりだったの? お姉ちゃんなんて絶対反対するでしょ?」

男「……先生、実家ぐらしなの?」

女「そうだけど──あ、これ言っちゃダメなやつだったわ…わぅ、忘れなさい! 良いわね!?」

男「い、いや、それは良いんだ、俺がいいたいのは、今夜は俺と君が二人きりなのかって話で…」

女「当たり前じゃない、そんなことも分からなかったワケ?」フッ

男「アンタやっぱりバカなんじゃないのか!? ドヤ顔するんじゃない!」

女「なっ、なんで私が責められなきゃいけないのよ!?」ガーッ

男「コッチはモンモンと君のご両親に対してどう説明つけるか考えてたんだぞ!?」

女「ハァッ!? 公園で言ってたこと本気でだったの!?」

男「当たり前じゃないか!」

女「当たり前じゃないわよ! 極秘裏よ、秘密のお泊まり会ってコトになるの!」

男「ぐっ、がっ、君は……!」

女「まだなにか!?」

男「ッ……俺は、男、なんだぞ…」ボソリ

女「っ!」

男「本当にそれでいいのか…って話で…提案は嬉しかった、けど…君は本当に…」

女「…………バカなんじゃないの」

男「え…」

女「なによ、それこそ今更じゃない…当然な顔して、家に上がってきたクセに…いまごろになって意識して!」


女「───私も、どうしたら良いのか分からなかったのに……」ぐすっ


男「ぉぉぉう…」パクパク…
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/19(木) 00:17:01.10 ID:u2GcuEhXO
女「なによ…っ…私だってキチンと考えて、言いたいことガマンしてたんだから…っ」プルプル

男「ごめん、ごめんね、女さん」

女「い、いいわよ別に。説明不足なのは認める、あと言いたいこと言えてスッキリしたんでしょ、ふんっ」プイ

男「そう、なんだけど、そうじゃなくって…」

女「……?」

男「俺ってそういや、君との関係をきちんと言葉にしてなかったなって」

女「え…」

男「だから、ちゃんと今、この場で──」


「ね、良いわねェ、若い子は」クスクス

「秘密のお泊まり会ですって、かわいい〜」

「おかーさん、あれなーに?」

「青春よ、青春」


男&女「ッッッ〜〜〜〜〜〜!!?!?!?!?!!!」

女「いッ! いまッ! それッ、聞かなくちゃダメかしらッ!?」

男「そそそそそうだねッ!? ここッ、スーパーだし、入り口だしッ!?」

女「とりあえずご飯買うわよッ!? ねっ!? ほら行きましょ!?」バヒューン

男「ちょっ!? 早いって!? ま、待ってくれ!」

〜〜〜

女「はぁ〜ッ……ホント、嫌になるわ…」グテー

女(急に文句言い出したと思ったら、これまた急にこッ! 告白ッ、の返事…とか…?)カァァ

女「だぁ〜ッ…もうッ! なんなのよアイツは!」ガシガシガシ
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/19(木) 19:48:35.50 ID:+l/A1dt8O
ひゃっはー続ききてたー
乙なのよ
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 23:46:03.04 ID:2P2GV5F70

読んでくる。
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 23:48:55.88 ID:2P2GV5F70
よっしゃあ
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/24(火) 13:29:30.69 ID:Wye1euTw0
待ってたよ!
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/25(土) 15:29:59.36 ID:HYSVpqkK0
1か月たったか
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/27(月) 01:47:47.53 ID:B1mUKKPu0
1か月が早いな。。。続き待ってるよ!
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/05(月) 08:57:01.95 ID:kYmOzZja0
11月やで
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/10(月) 12:16:11.35 ID:IbyqLq8x0
12月
もう更新ないかな
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/03(日) 16:21:51.46 ID:XwZRdDw20
2月だな
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/21(金) 08:17:33.17 ID:KYN3NGMDO
でも。

女(ちゃんと考えててくれたんだ。あの時のこと、ちゃんと忘れずに言おうとしてくれた)クス

女「まったく。真面目なんだか不真面目なんだか、よくわかんない奴よね───」

女(──ってヤバ! また暴走してアイツのこと置いてきちゃった、今はどこに…!?)キョロキョロ


「お? どこかで見たと思えば、昨日シフト中に会った『お弁当くん』じゃない?」

男「え!? あ、コンビニの店員さんの…同僚さん、ですよね?」

「そうそう! ウチ、スーパーでも働いてるんだ。今日はフツーにお買い物?」

男「まあ、そんな感じです」

「案外、普通に生活してるんじゃない。アイツがキミを公園から拾ってきたと知った時は、一時はどうなるかと思ってたけど」カラカラ

男「ひ、拾ってきた…いや俺、野良生物とかの類じゃないんで…」

「いや野良の類でしょ〜〜。ガツガツ弁当食べてるキミ、まんま懐いてきた猫そのものだったしさ〜〜」

男「うう…その節は本当にありがとうございました…」

「いやでも割と本気でさ、元気そうでよかったよ。…大丈夫? お金ある? お姉さん、ここのスーパーのシフトすぐ終わるけど」

男「は、はい?」

「ウチでご飯食べさせてあげよっか? あ、心配ならアイツ連れてくるし、それに寝るところ無いなら泊まってってもいいけど?」ニコニコ

男「へ? あ、いや今日は────」


がしっ


男「おわっ!? ……女さん?」

「お?」

女「駄目、でしょ。今日はうちに泊まるって───いっ、言ったじゃない!!」
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/21(金) 08:34:53.51 ID:KYN3NGMDO
男「…………」

女「………ぁ…」かぁぁ

男「うん、良いんだ、わかってる。キミがね、そーいうコトをぶっちゃっけるって、堂々言い切るってさ」カァァ

女「ごめん…また考えなしに発言した…」パッ

「おやおや〜〜?」じぃー

男「うぐッ」ビクッ

「ふむふむ。どうやら案外、やり手な感じかなキミ?」キラリン

男(不当な評価を受けてる気がするがッ、傍から見て妥当な評価な気がして否定しづらい……!!)ダラダラダラ

「今日は飼い主さん居たわけだ。あはは、今度気が向いたらお姉さんのところに流れてきても良いよ? これ住所ね!」バーイ☆


スタスタ


女「……流れるの?」チラ

男「何も言わないでくれ。俺の状況、そうとう変だって、わかってるから。言わないでくれ……」ズーン

女(変も何も、他人の言うこといちいち気にする性格がラブホに住むから、らしくなくなるんじゃない……)じー

男「ご、誤解するんじゃないぞ! 一応は感謝として受け取るだけで、本当に住所をたどっていくわけじゃないからな!」

女「……」

男「視線に信用性を感じない…!!」

女「よくもまあ、ああも私に返事をしようとした輩が即座に他の女性に言い寄られてちゃあねえ……」じー

男「……晩ごはん、俺が作るってことで納得しませんか?」

女「荷物持ちも貴方」

男「……了解です」

女「皿洗いもしなさい。きちんと寝床は用意してあげるわ、ちゃんとね」
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/21(金) 11:15:16.35 ID:858e3SZpO
きたー
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/22(土) 00:32:33.14 ID:WUvhJ4T4O
男「わかりました…全身全霊を込めてピッカピカにさせていただきます…」ペコォー

女「よろしい。では早速ながら買い物かご忘れたから取ってきなさい、十秒以内に」ぴっ

男「りょ、了解です!!」

ババッ ダダー!

女「……いい加減に覚悟決めるか、わたしも」


〜〜〜


トボトボ…

女「………」

男(ああ、無事に買い物済ませても、なんて気まずい空気…今までのこと、これからのことを考えたら…)

女「ねえ」

男「はいッ! なんでしょうか!?」ババッ

女「何よその反応。まあ一応、聞きたいことがあるの。うちに着く前にどうしても貴方に聞いておきたくて」じっ

男「な、なに?」

女「ちゃんと答えてくれるって、約束できる? きちんと答えるって自信持っていえる?」

男「そう前置きされるとかなり警戒するんだが…ま、まあ居候の身だし、覚悟を持って答えようじゃないか」

女「……すき?」

男「ぇ?」

女「あたしのこと、すき?」

男「いや待ってくれ!? それって、まず、答えても何も俺はキミに改めて返事をしようとしてただろ!?」

女「まどろっこしいのよね、正直。今そう思ったの、突然に」

男「唐突なダンディズムを発揮しないでくれよ…!!」ドッドッドッドッ
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/22(土) 00:50:52.48 ID:WUvhJ4T4O
女「そんなあたしってキライ? だめな女?」チラ

男「うぐッ」

女「だからすぐに返事できなかった? ……だから、微妙な距離で誤魔化し続けてた?」じっ

男「……ッ」ドッドッドッドッ

女「──こんな横暴で空気読めなくて、雑で馬鹿な私だから、アナタは好きになってくれない?」


ぴたり


男「それは違う」

女「……うそよ」

男「嘘じゃない。確かにキミは横暴で暴力オンナで、後ろからドロップキック決めてくるヤバイ奴だ」

女「あのね、泣くわよ? 意外とわたし、泣き虫なんだから」

男「それも知ってる。あとアホみたいに負けずキライで誰彼構わず、なりふり構わず、迷惑考えず突貫していく」

女「うぐッ」

男「これは全部事実だ。覆しようもない現実で、いまさらなかったことにもできないし、…やめることだってできないだろうし」

女「…何が言いたいのよ」

男「だから! …だから俺はキミに、悪くないって、言いたいんだよ」

女「…………」きゅっ…

男「──それでいい、そのままの女さんが俺はすっ、すきだって……ことを…」カァァ

女「…男…」

男「あ〜〜もうッ、なんてことを唐突に聞き出すんだ…!? 顔、どうなってるのか想像もつかない…消えてなくなりたいぃい…」ズーン

女「……」ぽやぽや

男「おいこら、そこ。一人でポヤポヤするんじゃない、俺にも聞いてきたんだからそっちも聞かせてくれ!」
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/22(土) 01:01:42.56 ID:WUvhJ4T4O
女「え? わたし? …私の気持ちってこと?」

男「そうだよ! この際だ、言いたいこともあるんだろうし全部ココでぶっちゃければいい、なんだってバッチコイだ!」(ヤケクソ)

女「私の……気持ち……」

女(私の思うアナタの好きなところ。私が好きになったアナタの部分)ぽやー


ドキドキして、静電気みたいにパリピって、心が暖かくなる、ぽやぽやとした気持ち。


女「アナタの好きなところは……」




それは、




女「…………うんん??」ピタリ

男「…………なんでそこで黙るんだ?」

女「あれ、待って、ちょっとここまで出かかってるんだけど」

男「おい。人に対する気持ちを魚の骨ごときで例えるな、……え? ちょっとまってマジで言ってるの?」

女「違うのよ!? あれ!? ん〜〜〜!? そうだ! アナタの好きなところって言えば、そう! 顔、とか…!」じぃー

男「う、うん。まあ良いんじゃないか? そ、そーいう好きってのも普通でいいと思うから…」

女「……いや別に……私好みの顔じゃない、気がするわ……」

男「俺のフォロー返してくれ」

女「…………」ダラダラダラダラダラダラダラダラ

男「あのさ、参考までにっていうか、実際のところを聞いておきたいんだけどさ、良いかな」

女「ハイ」
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/22(土) 01:14:18.48 ID:WUvhJ4T4O
男「もしかして俺って実は……正直なところキミに好かれてない? ラブ的な意味で……」

女「ばっっ!?!? そんっ、なことぉー……!? ないって、いうかぁー……!?」キョドドドドド

男「泳いでる泳いでる。すっごい目が泳いでる」

女「超超超だいすきなんですけど!? 馬鹿にしないでくれる?! アナタに好きって言われたら超嬉しかったし!?」

男「大体のことろ、異性に好きって言われたら普通に嬉しいよね」ジトー

女「ほぐぅ!? でもアナタに告ったじゃにゃい!? あれは嘘だって言いたいわけ?! 私の気持ちなのに!?」

男「だからその告ったときの気持ちを今、聞いているんだろう」ジトトー

女「でも、だからっ、──だってすきなの! 大好きって言葉になにか言葉で表せなきゃいけない法律でもあるんですかーー!? ありませんよねーー!?!?」

男(段々とキャラが崩壊していってる……)

女「良いじゃない別に! 言葉にしなくたって言い表せなくたって! わたしが、アナタを好きだって言いたい、言わせたいの! それで十分なの!」ガーッ

男「……思ったんだけどさ、それってつまり…」ボソリ


女「イヤーーーーーーーーーーーッ!!! それ以上は言わないでぇーーーーーーーーー!!」ズバァッ!


男「座り込んで耳をふさいでも駄目だ、言わせてもらう」グイッ

女「ひぃいぃい〜〜ッ!?」ズササッ

男「言うよ」じー

女「や、やめっ…やめて…っ!」ブンブンブン

男「それってさ」


男「なんか恋に恋してない、それ」


女「」カッキーーン

男(ものの見事に固まってしまった……)
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/22(土) 01:28:01.54 ID:WUvhJ4T4O
男「いや、あの、そこまでショック受ける指摘だった? これ?」

女「それは禁句なの…」

男「禁句なんだ…」

女「お姉ちゃんがね、言ってたの『恋はきちんと測りなさい。重さと距離と、その意味を』って」

男「あの先生がそういった関連話すると、色々と重みがあるなあ…」

女「決して恋に恋しちゃいけないの。それだけはきちんと考えて、馬鹿なあたしも慎重にやらなきゃって思ってた」

男「うーん、待ってくれ。確かに俺がそうだとは言ったけれど、まず、色々と先延ばしにしたのは俺じゃあないか」

女「……今はアナタの謝罪も素直に受け取れない……」ズゥーン

男「気にするなあ。だったらこう、納得したら? ……俺が好きだって言って、嬉しかったから付き合うって……」テレテレ

女「……じゃあ言うわよ」

男「お、おう?」

女「貴方、私が今まで散々と悩んでたのに、いざ考えてみれば『なんか違和感ある』って言い出して何も思わないの?」

男「…………………………」

女「どうよ?」

男「俺も自信が無くなってきた……だと……!?」

女「でしょーーーー!?!?! なんか違うのよ! 私と貴方、付き合うって、好き合うってなんか違和感すごい!」

男「さっきまでは暖かい気持ちと恥ずかしさでいっぱいだったのに、なんだろう…違和感…恐怖…意味がわからない!?」

女「そうそうそう!!」バシバシバシ

男「こ、こんなことってあり得るのか…!? そ、そうかコレがキミが感じたっ、そのなんていうかっ───」


男&女「…………なんだろう?」コテリン


男「ともかくっ、なんともし難いよくわからない感情に囚われてしまった、とみて良いのか…?」
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/22(土) 01:44:36.93 ID:WUvhJ4T4O
女「…思うのよ、わたし。これって案外、勝負ってことにならない?」

男「そうか! なるほど! ごめん、実は何言ってるのか全然わからない。大丈夫?」コクコク

女「お互い告白した、好きかもって思えた、でも違和感があるから──微妙になってる」

男「……まさか」



そう、最初から気づいてたんだ。

クラスメイトに相談したときから、いや、もっと前から、貴方と出会ったときから運命づけられていた。

わたしたちはやっぱり頭がおかしい関係性、だってこと。



女「好きになったほうが、負け」ニヤリ

男「……本当に、すごいね君って」

女「良いじゃない、それってとっても素敵なことよ。告白の有無を一瞬で終わらせない私たちってすごいじゃない!」フフン

男「……うん、すごいね、それを面と向かって否定で居ない俺はもうなんだっていいさ……」ホロリ



【女宅お泊り編 後半に続く】


第十六話 終
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/22(土) 01:53:47.48 ID:WUvhJ4T4O
〜オマケ〜

店員(ふぅあ〜〜〜…やあっとシフト終わった、お酒買ってかえろーっと)フワワ

店員「んむ?」チラ


「──それでいい、そのままの女さんが俺はすっ、すきだって……ことを…」カァァ

「…男…」


店員(おやおや〜? 弁当くんと、飼い主ちゃんだ。こーんなところでイチャイチャと、青春だなあ〜)

店員(彼ってやり手のヒモ男子かと思えば、案外、純愛まっしぐらだったのね。お姉さんちゃちゃ入れちゃうところだったわ、危ない危ない)

店員「若いっていいね〜〜……んん? 雰囲気ちょっと、変?」チラ


「もしかして俺って実は……正直なところキミに好かれてない? ラブ的な意味で……」

「超超超だいすきなんですけど!? 馬鹿にしないでくれる?! アナタに好きって言われたら超嬉しかったし!?」

「良いじゃない別に! 言葉にしなくたって言い表せなくたって! わたしが、アナタを好きだって言いたい、言わせたいの! それで十分なの!」


店員「……………………………………………」


「貴方、私が今まで散々と悩んでたのに、いざ考えてみれば『なんか違和感ある』って言い出して何も思わないの?」

「俺も自信が無くなってきた……だと……!?」

「でしょーーーー!?!?! なんか違うのよ! 私と貴方、付き合うって、好き合うってなんか違和感すごい!」

「さっきまでは暖かい気持ちと恥ずかしさでいっぱいだったのに、なんだろう…違和感…恐怖…意味がわからない!?」

「そうそうそう!!」バシバシバシ

「こ、こんなことってあり得るのか…!? そ、そうかコレがキミが感じたっ、そのなんていうかっ───」


「…………なんだろう?」コテリン



店員「いや普通に初めて付き合うのが怖いだけでしょ。くっそーイチャつきよってからに」
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 01:55:07.42 ID:WUvhJ4T4O
色々と復活しまし、した、つもりです…

気まぐれに投下します… ではではノシ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/22(土) 18:59:36.96 ID:x6fMrLSoo
叔母さんとの恋を望んでた読者が8割だったのにな
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/23(日) 10:11:20.96 ID:LeKoYF98o
>>165
それはたしかにあるな
男が叔母の写真を持ってるとことかでどう恋愛にもっていくのかなとずっと思ってたから
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 21:56:39.22 ID:R72HjMtg0
おつ
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 12:19:08.95 ID:zBELQWr+o
やっと追いついた

169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/24(水) 10:46:04.11 ID:f+9dp1z00
更新乙
やっぱり面白い
次回もよろしく
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/19(水) 14:48:21.07 ID:1YXdgwyk0
まだか
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