【けものフレンズ】 かみひこーきてき

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1 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:13:56.78 ID:4XiddDYG0



あのきょだいセルリアンとの戦いから、すうしゅうかん!

アライさんたちは今日も大忙しなのだ!

ヒトと会うため、海のむこうに行きたいかばんさんのため……


バスの“曲がってないアレ(タイヤ)”を、急いで探すのだぁ!



………
…………
………………




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1503728036
2 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:16:00.24 ID:4XiddDYG0



キコキコキコキコ……

アライ&フェネック「わっせ!わっせ!わっせー!」


アライ「……うぅ〜」

アライ「ピッカピカなのが全然、見つからないのだぁ〜!」

フェネック「まんまるいの、なーいねーぇ」

アライ「このままでは……このままでは……」


アライ「“ぱーてぃー”の日に間に合わないのだぁ!」



3 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:19:11.84 ID:4XiddDYG0



フェネック「そーかもねーぇ」

フェネック「でもアラーイさーん、焦ったってどうにもなんないよー」

フェネック「それに今日はもう空が暗くなっちゃったからさぁ、そろそろ皆のところに帰ろうよー」

フェネック「明日はきっと、見つかるさー」

アライ「ぐぬぬ〜……」


アライ「アライさんは……今日も手ぶらなのだ……」


……
…………
………………


4 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:21:05.58 ID:4XiddDYG0



――ゆうえんち


アライ「うぅ……」

フェネック「アラーイさーん、元気だしなよー」

アライ「アレがないと……かばんさんは海のむこうで困ってしまうのだ……」

アライ「だから……はやく見つけなきゃだめなのだぁ……」

フェネック「そうだねーぇ」

フェネック「でもアレって一体、どこにあるんだろうねー」

アライさん「見当もつかないのだ……」



キャッ キャッ


フェネック「……んー?」



5 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:23:05.62 ID:4XiddDYG0



コツメ「きゃははっ、たーのしー!」

プレーリー「ふむふむ、こうでありますな!?」

サーバル「そうそう、そうだよ!」

かばん「皆さん、とても上手ですっ」


サーバル「あーっ、そこにいるのはアライグマとフェネックじゃない!」

かばん「あ、こんばんは〜」

フェネック「おーおー、噂をすればーなんとやらー」

アライ「ま、まずいのだ!かばんさんの前でこの話題はしーっなのだ!」

かばん「?」



6 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:25:10.85 ID:4XiddDYG0



アライ「こ、こんばんはなのだっ」

フェネック「こばんはー」

サーバル「こんばんは!」

フェネック「ふたりともー、ここでみんなと何してるのさー」

かばん「えへへ、実は……」


かばん「みんなでコレ、作ってたんですっ」

フェネック「これってー……」

アライ「あ、あれなのだ!セルリアンと戦ったとき、サーバルが投げたあれなのだ!」

サーバル「そう!」



7 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:28:00.57 ID:4XiddDYG0



かばん「ちょうどさっき、博士さんに聞いたんですけど……」

かばん「これは“紙”でできてるから、“かみひこーき”って言うそうなんです」

アライ「かみひこー……き……」

アライ「……!」

サーバル「実は私もあの時、かばんちゃんが前に見せてくれたものを真似して作ったんだよ!すごいでしょー!」

アライ「かみひこーき……!」

フェネック「……?」



8 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:29:37.67 ID:4XiddDYG0



フェネック「かばんさーん、それの作り方……アライさんにも教えてあげてよー」

アライ「ふぇ!?」

かばん「いいですよ!アライさん、こっちにどうぞ」

アライ「ほ……ほんとにいいのかぁっ?」

かばん「もちろん!」


アライ「やるのだー!かみひこーき、作るのだぁ!」

サーバル「さっ、フェネックも一緒に!」

フェネック「ありがとー」



9 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:30:47.74 ID:4XiddDYG0



アライ「できたのだ!」

アライ「アライさんが一番、遠くまで飛ばしてみせるのだぁ!」

プレーリー「負けないのであります!プレーリー式かみひこーきで必ず勝つのであります!」

コツメ「しょうぶだー!たーのしー!」



アライ「ふぇ〜っ、真下に向かって飛んじゃったのだぁ!」

プレーリー「ぶわーっ!私の頭に!頭に落ちたのでありますうぅぅヴぇーへーへぇぇッ!!」

コツメ「わーい!バラバラになっちゃったぞー!」

サーバル「ふにゃあ!色んな飛び方をするんだね!すっごーい!」

かばん「え、えーと……」


かばん「ここはこうで、もっとこう……」

フェネック「あははー」



10 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:31:47.64 ID:4XiddDYG0



アライ「もう一度、作り直すのだぁ!」

フェネック(アライさん、元気になってよかったよー)


……
…………
………………


11 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:32:53.10 ID:4XiddDYG0



アライ「もともと飛ばなかったものを、飛べるように作りかえてしまうなんて」

アライ「やっぱりかばんさんは凄いのだ!」

フェネック「そうだねーぇ」


アライ「……フッフッフ〜」

フェネック「?」


アライ「実は、アライさんはさっき……あの“かみひこーき”を見て」

アライ「とても良いことを思いついてしまったのだ!」

フェネック「思いついたー?」



12 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:34:26.53 ID:4XiddDYG0



アライ「フェネック、もう曲がってないアレは探さなくていいのだ!」

フェネック「んー?」

フェネック「それはいったい、どういうことさー」


アライ「今すぐ博士たちに、火山への“とざんきょか”をもらいに行くのだー!」

フェネック「……」



フェネック「アラーイさーん、まってよー」


……
…………
………………


13 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:35:31.68 ID:4XiddDYG0



博士「だめなのですっ」

助手「だめなのです」

アライ「えぇ〜っ!?」

フェネック「えー」


博士「あの山は神聖な場所なのです」

博士「おいそれと入山を許可するわけにはいかないのです」

助手「するわけにはいかないのです」

助手「相応の理由がない限りは」

アライ「り、理由なら……ちゃんとあるのだ!あの山には……」


アライ「あの山の頂上には……!」



14 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:36:21.81 ID:4XiddDYG0




アライ「“おおきなかみひこーき”がつきささっているのだぁ!」



博士「……」

助手「……」

フェネック「ほー」




15 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:38:15.79 ID:4XiddDYG0



博士「実に馬鹿馬鹿しいのです」

助手「ちゃんと食べているのですか?」

アライ「ア、アライさんは本当に見たのだぁ!」


アライ「かばんさんを追いかけて山に入ったあのとき!」

アライ「火口の近くに、かみひこーきの形に良く似たおおきなモノが、確かにあったのだ
!」

フェネック(んー……そういえば……)

アライ「あれはきっと、昔のヒト……かばんさんのご先祖さまたちが作った“かみひこーき”に違いないのだぁ!」

博士「はぁ……」

助手「はぁ……」


16 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:39:10.67 ID:4XiddDYG0



博士「よーく思い出してみやがれです、それはきっと雲か何かを見間違えたに決まっているです」

助手「決まっているのです」


アライ「し……信じてほしいのだ!」

アライ「もし“おおきなかみひこーき”に乗ることができれば……空を飛ぶことができれば!」

アライ「陸地を走らなくても、海に浮かなくてもいいのだ!バスよりもすごいのだ!」

アライ「そしたらきっと、かばんさんも大喜びしてくれるに違……」

博士「……」

助手「……」

アライ「うっ……」



17 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:40:40.07 ID:4XiddDYG0



博士「そもそものこと、空を飛ぶという行為は我々“トリ”と呼ばれる種の特権なのです」

博士「いくらヒトが“かみひこーき”を飛ばすことはできても、トリの助けを得ないで空を飛ぶことはできないのです」

助手「できないのです」

助手「いくらヒトでも、お前らや我々のようにできないことはあって然るべきなのですよ」

アライ「う〜!」


フェネック「アライさーん、だめだよー諦めよー?」

アライ「で、でも……!」

助手「そうです、諦めるのです」

博士「そんなことを考えている暇があったら、とっととまんまるなモノを探してくるのですよ」


アライ「ぐ……ぐぬぬ〜……!」

フェネック「……」



18 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/26(土) 15:41:59.04 ID:4XiddDYG0



信じてもらえなかったのだ……

博士たちはきっと、かばんさんやアライさんたちが空を飛ぶのが悔しいだけなのだ!

アライさんはただ、かばんさんに喜んでほしいだけなのに……


もうこうなったら、アライさんの実力で……!

ゼッタイに博士たちのハナをあかしてみせるのだぁ!


……
…………
………………


19 : ◆9l/Fpc6Qck [sage]:2017/08/26(土) 15:42:44.64 ID:4XiddDYG0
きょうはここまでです

ありがとうございます
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 15:50:24.65 ID:jyesSF3hO
おつ
嫌な予感MAXなんだが
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 20:53:11.54 ID:Fsjd7MAGO
おつ
ただ紙飛行機って単語は1話でかばんちゃんが言ってたような?
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 21:21:34.61 ID:lWwKoD0O0
アラ虐だよね?
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 23:27:29.77 ID:+eyzzCRyO
おつ
続き楽しみ
24 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 04:25:55.97 ID:gKl8EkDT0
>>21
すっごーい!どうして分かったのー!?


……第一話を見返す作業が足りなかったようです

ほんとすみません勘弁してくださいなんでもしますから
25 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 04:27:23.23 ID:gKl8EkDT0
>>7





かばん「これ、“かみひこーき”っていうんですけど……」

かばん「もともとは、昔のヒトが遊びのために作ったものだったらしいんです」

サーバル「さっき博士たちがそう教えてくれたんだ!ね、かばんちゃん!」

かばん「うんっ」

サーバル「名前も、“かみ”って言うものでできた“ひこーき”だから“かみひこーき”なんだって!」

フェネック「ほー」

サーバル「あれ……かみ?ひこーき?なんだろ、全然分かんないや!」

アライ「かみひこー……き……」

アライ「……!」

サーバル「実は私もあの時、かばんちゃんが前に見せてくれたものを真似して作ったんだよ!すごいでしょー!」

アライ「かみひこーき……!」

フェネック「……?」



26 : ◆9l/Fpc6Qck [sage]:2017/08/27(日) 04:31:05.68 ID:gKl8EkDT0
>>7の内容を、上記レスにすげ替えて頂けると幸いです

大変失礼いたしました
27 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 04:38:09.54 ID:gKl8EkDT0



――翌朝、サンドスターの火山


アライ「わっせ!わっせ!」

フェネック「……アラーイさーん」

フェネック「やっぱり、博士たちに無断で山に登るのはマズかったんじゃないかなー」

アライ「うぅ〜……で、でも!」

アライ「みんなホンモノの“かみひこーき”を目にすれば、きっと信じてくれるのだ!ほめてくれるのだ!」


アライ「それに、フェネックもこうしてついて来てくれたのだ!」

アライ「怖いモノなんて、何もないのだぁ!」

フェネック「……」

フェネック「こうなったら、とことんつきあうよー」



28 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 04:42:26.23 ID:gKl8EkDT0



アライ「つ、ついたのだぁ……!」

フェネック「ほーほー」





フェネック「すごいよアラーイさーん、そういえばあったよこんなのー」

アライ「はーっはっはぁ〜!」


29 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 04:49:05.42 ID:gKl8EkDT0



アライ「さっそく、これを持って山を降りるのだ〜!」

フェネック「はいよー」



……
…………
………………



アライ「重すぎてびくともしないのだぁ……」

フェネック「だめみたいだねーぇ」

アライ「一旦、ジャパリまんを食べながら休むのだ……」

フェネック「さんせー」



30 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 04:55:19.19 ID:gKl8EkDT0



アライ「もぐもくっ、もぐもくっ」

アライ「うぅ……アライさんの作った“かみひこーき”はもっと軽かったのだ……」

フェネック「……」



フェネック「……これってさー、もしかして」

フェネック「“かみ”じゃないんじゃないのー?」

アライ「な、なに〜!?」



31 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 04:59:55.00 ID:gKl8EkDT0



ペタペタ

コンコンッ


フェネック「なんか冷たいしー、明らかに重いしさー」

アライ「ってことは、これは“かみひこーき”じゃないのかぁ!?」

アライ「飛べないのかぁ!?」

フェネック「それはわからないよー、“かみひこーきてきなもの”ってところだねー」

フェネック「でもー……このままじゃ持って降りられたとしても、飛ばし方がわからないよー」

アライ「ぬぐぐ……」



32 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 05:05:55.81 ID:gKl8EkDT0



フェネック「それに、どうしてこんなものが山の頂上にあるのかなー」

アライ「そ、それは……」

アライ「き、きっと……山登りを面倒くさがったかばんさんのご先祖さまが、楽をしようとしたのだ!」

フェネック「あーその線、アリかもー」

アライ「……」


アライ「と、とにかく!ここまで来て考え事をしても仕方がないのだ!」

アライ「ジャパリまんを食べ終わったら、早速うんぱんを再開……」

アライ「る……の……」

フェネック「……アライさーん?」


33 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 05:11:56.90 ID:gKl8EkDT0



アライ「大変なのだー!アライさんの食べかけのジャパリまんが、どこかに消えてしまったのだー!」

フェネック「あちゃー」


アライ「きっと落として、どこかに転がって行ってしまったのだ!」

アライ「フェネックもいっしょに探すのだぁ!」

フェネック「あーいよー」


……
…………
………………


34 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 05:19:22.78 ID:gKl8EkDT0



フェネック「ジャパリまーんジャパリまーんっ」

フェネック「どーこだーいじゃぱりまーん」



「フェ、フェネックぅ〜!」



フェネック「お、これはアライさんの声だねぃ」



35 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 05:28:47.36 ID:gKl8EkDT0



フェネック「アラーイさーん、見つかったー?」

アライ「そ、それどころではないのだ……!」

アライ「“かみひこーきてきなもの”のお腹の下に、こんなものが落ちていたのだ!」

フェネック「んー?」

フェネック「おー、なんだか大きなジャパリまんだねー」


“250lb-Low-Drag General-Purpose bomb”


アライ「見たこともない、不思議な模様もついているのだ!」


コンコン!


アライ「固いのだ……」

フェネック「ジャパリまんじゃないみたいだーねー」



36 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 05:37:01.02 ID:gKl8EkDT0




アライ「でも……これはきっと、この“かみひこーきてきなもの”が運んできたに違いないのだ!」

アライ「かばんさんのご先祖さまが作った、“おたから”なのだ!」

フェネック「すごいよアライさーん、大発見だよー」

アライ「ふっふ〜ん!」


グググ……


アライ「すごく重いのだ……でも、この重さならなんとか転がして持って帰れそうなのだ!」

アライ「“おたから”を見れば、博士やみんなも“かみひこーきてきなもの”があることを信じてくれるはずなのだ!」

フェネック「おー」



37 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 05:38:27.72 ID:gKl8EkDT0



フェネック「じゃーさ、この“かみひこーきてきなもの”はひとまず置いていこーよー」

フェネック「みんなに事情を説明してー、別の日にみんなの力で運ぶのさー」

アライ「それがいいのだ!」

アライ「困難は群れで分け合うのだー!」



38 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 05:44:31.97 ID:gKl8EkDT0



ゴロゴロゴロ……

アライ&フェネック「わっせ……わっせ……」


アライ「それじゃ、今から山を降りるのだ!」

フェネック「はいよー、頑張ってい……っ」

アライ「……?」


アライ「フェネック?どうしたのだ?」

フェネック「……アライさーん、今から降りるのはマズいみたいだよー」

フェネック「下、見てー」



39 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 05:45:29.12 ID:gKl8EkDT0



セルリアン赤「グォボ……グォボ……」

セルリアン青「グチョ……グチョ……」


ゴワ…… ゴワ……


アライ「せっ、セルリアンなのだ……」

アライ「た、たくさんいるのだ……!?」

フェネック「登山道、どうやらふさがれちゃったみたいだよー」



40 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 05:46:40.96 ID:gKl8EkDT0



アライさん「フェネックぅ……ど、どうしようなのだっ」

フェネック「うーん、あっちには気付かれていないみたいだしー」

フェネック「ここでやり過ごすしかないかなー」

アライ「わ……わかったのだ……」


パッ

ゴロ……ゴロ……

ゴロゴロゴロッ


フェネック「あー」

アライ「ふえぇ〜っ!?」



41 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 05:48:14.53 ID:gKl8EkDT0



アライ「お、おたからが……」


ゴロゴロゴロゴロゴロ……ッ!


アライ「転がり落ちて行ってしまったのだ!手を離しちゃったのだぁ〜!」

フェネック「アライさーん、大声だしちゃだめだよー」


青セルリアン「……ギョロッ」

赤セルリアン「……ギョロッ」


アライ「き、気付かれてしまったのだぁ〜!」

フェネック「だから言ったじゃーんかー」

アライ「ご、ごめんなさいなのだぁ!」



42 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 05:49:34.90 ID:gKl8EkDT0



グチョッ グチョッ


アライ「ひわわ……向かってきたのだぁ……」

フェネック「……」



ゴロゴロゴロ……ッ

グチョッ グチョッ



アライ「フェネックぅ……!」

フェネック「アライさーん……」



ゴロゴ――ガッ










ピカッ



43 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 05:50:23.22 ID:gKl8EkDT0




たくさんのセルリアンが山を登ってきて、もうだめだって思ったのだ

フェネックもきっと、そう思ったのだ


でも、でも


アライさんが目にしたそれは、セルリアンよりずっとこわくて

たすかったはずなのに、なぜかとてもこわくて




44 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 05:51:47.44 ID:gKl8EkDT0




登ってきたセルリアンたちのそばにあった岩に、おたからがぶつかって

いきなりふくらんで、ぴかってなって


どんって、おおきなおおきな音がなって

体を強くおされたような、へんな感じにつつまれて



気がついたら、たくさんのセルリアンはいなくなっていて



かわりに、たくさんの火がそのまわりに広がっていたのだ




45 : ◆9l/Fpc6Qck [saga]:2017/08/27(日) 05:53:34.84 ID:gKl8EkDT0




アライさんは、かばんさんのご先祖さまが作ったものなら

きっとみんなのためになると思ったのだ

みんなのところに、持っておりようとしたのだ



こんなものが――みんなのいるところで、こうなってしまっていたら?



かばんさんのご先祖さまはなんで――こんなものを作っちゃったのだ?




……
…………
………………



46 : ◆9l/Fpc6Qck [sage]:2017/08/27(日) 05:54:26.85 ID:gKl8EkDT0
きょうはここまでです

ありがとうございました
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/27(日) 06:19:03.02 ID:56WDeTIgO
おつ
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/22(日) 17:42:15.87 ID:V2II/tIZO
保守
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