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北の果てで
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86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/14(水) 09:26:25.80 ID:RyfRHwcf0
再開します
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/14(水) 10:09:48.21 ID:RyfRHwcf0
片付けを終えると腕時計を確認する。船が来る昼頃はそろそろだ。コートを羽織り準備をして執務室に戻ると、Верныйが居ないことに気が付いた。
「プリンツ、Верныйはどこに行ったんだ?」
「ん?Верныйなら先に部屋に戻ったよ?」
「そうか、なら良かった。もうすぐ船が来る、俺は桟橋に行ったと伝えておいてくれ」
「提督、僕も―――」
「時雨はここで待機だ。迎えは俺一人で大丈夫だ」
「…うん」
「それじゃ、任せたぞ」
「行ってらっしゃい」
部屋の外へ出る。不気味なぐらい静かな館内、この静かさが将来的に賑やかな声で騒がしくなっていることを願う。外に出れば雪によってできた道を進んでいく。少しでも道を外せば腰まで雪に埋まることになる。桟橋まで歩いてくると向こうの方から2つの大きな船影が見える。それはゆっくりと大きくなってくる。
10分も待っていると船は桟橋に到着した。橋がかけられ資材運搬用の車両が何十台も出てくる。元帥は最後に艦娘を連れて梯子から降りてきた。
「やあ明戸君、調子はどうだ?」
「まぁまぁです」
「何事もないようで何よりだ。先に連絡入れた艦娘達というのはこの3人だ」
一番前にたっている大きな女性と後ろに隠れている艦娘が二人、何故隠れているのだろうか?
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/14(水) 11:05:04.23 ID:RyfRHwcf0
「この子達は今あまり精神状態が良くなくてな、そっちでカウンセリングや息抜きを任せる。すまない、押し付けるような形となった」
「いえ問題無いです。既に3人分の部屋は掃除してありますので」
「助かる。では私はまだ本土でやることが残ってるからな、あとは頼んだぞ」
そう言って元帥は駆け足で船に乗り込んでいく。運搬用の車両も運び終わったのか次々と船のなかに戻っていき、最後の一両が乗り込んだかと思うと橋が上がって出港していった。
「さて、それじゃ3人とも俺についてきてくれ。君たちと同室を願う子もいるから仲良くしてくれよ?」
3人とも頷いてはくれたが返事はしてくれない。まだあったばかりだからだろうか。それに1人、やたらこっちに敵意を向けてくる子がいる。
「えっと3人の名前は分かってるんだが、顔と名前が一致しない。今のうちに教えてくれないか?」
3人ともなかなか口を開かない。かなり気まずい空気になったところで、一番背の高い子がようやく口を開いた。
「私が戦艦『長門』だ。そして軽巡『酒匂』に一番背の低いのが駆逐艦『雪風』だ」
これで名前がわかった。そして、誰が敵意を向けてくるのかもわかった。雪風が敵意の目でこちらを睨んでいる。これでは当分近付かない方が良さそうだ。時雨に何とかしてもらうとしよう。
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/14(水) 11:05:34.16 ID:RyfRHwcf0
ここまで
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/14(水) 13:02:44.00 ID:WMaJyXmiO
乙
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/19(月) 17:52:06.31 ID:CScGkMtA0
再開です
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/19(月) 19:48:55.65 ID:CScGkMtA0
3人を執務室まで連れてくると、二人の姿が見えず、Верныйが1人で暖炉の前で座り込み火掻き棒で中の薪を弄っていた。
「Верный、他の二人はどうしたんだ?」
「入渠設備の掃除に行ったよ。私たちは暇だからね」
後ろにいる3人をВерныйが視認すると火掻き棒を直し、外していた帽子をもって立ち上がった。そのまま扉から出ていこうとする。
「そうだ司令官、少し雪風を借りていくよ」
「ああ分かった、雪風も俺と居るより同じ艦娘と一緒の方が良さそうだしな。名簿には最低でも名前があれば十分だ」
「ありがとう。それじゃあ雪風、行こう」
「え、あ…うん…」
手を力強く握って雪風を連れていった。とりあえず椅子に座り名簿を取り出す。
「何か記載しておいてほしいことはあるか?」
「私は特に無い、酒匂は何かあるか?」
酒匂は長門の言葉に対して首を横に振っていた。それほど話したくないのだろうか、そう考えると少し傷つく。
「これでよし、さてこの鎮守府だが特に何もしないで良い。と言うよりは何もできないが正しいな」
「どういうことだ?」
「資源もさっき補給されたが最低限しかないからな、演習も出撃も緊急時以外は出撃しないことに決めた」
二人は安心したような顔をした。
「そうか、それで私たちの部屋はいったい…」
「Admiral!今戻ったよー!」
プリンツが扉を勢いよく執務室の扉を開ける、後ろから時雨がやれやれといった顔で扉を閉めていた。
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/19(月) 21:05:55.36 ID:CScGkMtA0
「長門ー!酒匂ー!」
二人はプリンツの姿を見るとさっきまで険しかった顔が笑顔になった。
「プリンツ!」
「ユージンちゃん!」
3人とも抱き合って、会えた喜びを分かち合っているのだろうか。この3人の関係性をよく分からないこちらからすると久しぶりに会えた艦娘としか思えなかった。
「3人ともいい感じの雰囲気になってるところ水を指して悪いが、良いか?」
「あ、ごめんごめん」
「3人は以前どこかであったことがあるのか?」
「ううん、会った記憶は無いの。でも、会いたいって気持ちがあって…よく分かんない」
「そうか、まあその辺りも調べていくとしよう。プリンツ、二人を部屋に案内してくれるか?」
「もちろん!」
プリンツが楽しそうに二人と手を繋いで出ていった。名簿をしまい一息つく。昨日と今日で艦娘が6人になった、まだ食っていない朝飯を食べてから後々のことを考えよう。食材は何があっただろうか
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/19(月) 21:06:26.80 ID:CScGkMtA0
ここまで
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/20(火) 15:02:13.09 ID:u9ALKsVI0
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