川崎「あ……あたしと付き合ってくんない?」 八幡「!?」

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1 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 13:10:33.14 ID:NY6HWb/fO


[授業中]


教師「こんな感じで日本というか先進国が高翌齢化してきてるんですよ」

教師「それで日本は遠くないうちに、ひとりのおじいちゃんおばあちゃんを、だいたいふたりで支えなくちゃいけないくなるんだよね。それに生涯未婚率も年々上がってて……」


川崎(はぁー。結婚しないで大志たちを大学まで入れきれるかなぁ)

川崎(今の社会じゃ、大学出てても正社員になれないこともあるし、やっぱり結婚して共働きしないとやってけないのかもしれない)

川崎(でも男子どころか女子ともろくに話したこともないあたしじゃ結婚なんてとても……)

川崎「うーん…………」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1506226233
2 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 13:19:13.16 ID:NY6HWb/fO


[下校・校舎裏]


川崎(これまで誰とも付き合ったことないってかなりやばい気がする……)

川崎(ちょっとだけ練習しよう!)

喉「ん゛っん゛ん!」

川崎(ここならあんま人通らないし大丈夫だよね……(キョロキョロ))

川崎(まずは目を閉じて……相手をイメージする……)

川崎(…………なんであいつ(八幡)のイメージが……(ムスッ///))

川崎(まぁ練習相手にはちょうどいいか。どうせただのイメトレだし)

川崎「ねぇ、ちょっと(ボソッ)」


八幡「……? えーっと、か、かわ…………川崎か(汗)。どうした?」


川崎(ただの妄想なのにやけに声が鮮明な気がする…………なんでだろ……ううっ……)

川崎(……あまり深く考えないでおこう)

川崎「あんたってさ、彼女とかいんの?(ボソッ)」


八幡「はあ? なんでそんな」


川崎「(威圧)」


八幡「い、いません……(汗)」
3 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 13:21:24.55 ID:NY6HWb/fO


川崎「……じゃあ好きな人とかは?(ボソッ)」


八幡「そりゃ………………、べつに居ない、けど………………」


川崎「…………なら、さ、その…………あ、あたしと付き合ってくんない?///(ボソッ)」


八幡「!?!?!!!???」


川崎「…………あ、返事は今じゃなくてもいいから」


八幡「………………な、なあ、それって何かの罰ゲームで言わされてんのか?」


川崎「は? んなわけないじゃん(イライラ)」

川崎(こいつイメージでも卑屈……)


八幡「ほんとか? (超思考)……まあお前が中学生がするような悪質な外道行為をするとは思えないけどさ……」


川崎(どこまでも卑屈だなぁ……。ていうかこの反応ってNOってこと?)

川崎「それ、断ってんの?(威圧)」


八幡「いっ、いや、そういうわけじゃねえんだけど……」

八幡「そうだな、じゃ、じゃあよろしく……」


川崎「……よろしく」

川崎(ふぅ……こんな感じかぁ)

川崎(まあこれじゃほとんど妄想だし、あたしに都合よく話が進んじゃってるんだろうけど)
4 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 13:23:09.07 ID:NY6HWb/fO


八幡「……なあ川崎、気になってたんだが……」


川崎「なに?」


八幡「なんで目つぶってんの?」


川崎(なんでってあんたをイメージするために決まっ(ぱちっ))

川崎「んん!!??!?!?」


八幡「な、なんだよそんな顔して……」


川崎「えっ、あんた、……ん? え???」


八幡「?? マジでどうしたんだよ。俺がOK出すと思ってなっ、ちょ、なっ、なんだっ(ペタペタ)」


川崎「ほ、本物!?(ペタペタ)」


八幡「な、なんだよお前……」

八幡「(超思考)………………さっきの告白って結局嘘なの?」


川崎(え、ええええ?? どどどど、どうしよう……)

川崎(つまり私が脳内のこいつと話してるつもりが、たまたま現実にこいつが居て、うまく話が進んじゃったってことでしょ?)

川崎(どうすれば……)

川崎(でもこれはチャンス。OKを出してくれたわけだからもうこのまま勢いでいくべきなのかもしれない)

川崎「…………いや、嘘じゃない。ほんと。ただ、OK出してもらえるとは思わなかったからちょっと驚いて……」


八幡「そっ、そうか……よかった」

八幡「んじゃ…………改めて、よろしく(ペコッ)」


川崎「……う、うん///(ペコッ)」
5 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 13:30:20.91 ID:NY6HWb/fO


[比企谷家・ソファ]


ニュースキャスター『あの大進行からはや10年が経とうとしております。私たちはあの惨劇から……』


八幡(ヤバい……。なにがヤバいって脳味噌が事態を処理しきれなくてあらゆる物事を「ヤバい」の一言でしか抽出できないところがヤバい)

八幡「あ゛あ゛あぁぁ…………(バタバタ)」


小町「ただいまー………………なに? どしたの?」


八幡「とにかくヤバい……」


小町「へぇー……(暗黒微笑)」


八幡「はぁぁぁあ…………(バタバタ)」


小町「ねえねえ、なにあったの? 自慢の妹である小町ちゃんに教えてくれてもいいんじゃない?」


八幡「…………(ピタッ……)。うーん…………」


小町「ねえねえねえねえ(ちょんちょん)」


八幡「我が愛しの妹でもダメだ。てか、どうせそのうちお前んとこに情報いくと思うぞ」

八幡(川崎→大志→小町って感じでな)


小町「えー! お兄ちゃんのくせにもったいぶるのー?」
6 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 13:31:57.20 ID:NY6HWb/fO


八幡「なんだお兄ちゃんのくせにとは!」

携帯「ピピッ!」

八幡「ん……(チラッ)」


小町「…………(ジッ)」


八幡「すまん。ちょっと出る」


小町「…………」

小町「うん。いってらっしゃい」


八幡「おう…………」



八幡(これは……いつか終わりがくるんだろうか……)
7 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 13:33:45.38 ID:NY6HWb/fO



[川崎家・リビング]

衣服「ぱた……ぱた……」

川崎「はあ………………」


ニュースキャスター『これまでにも世界各地で小規模な進行がありましたが、それが日本で起こったことはいまだなく国民の危機管理の……』


川崎(うわあああああ………………)

川崎(告白してしまった…………)

川崎(明日もまた学校なのに……)

川崎(……あっ。明日はあたしバイト休みだったか……)

川崎(京華たちを大志にお願いして、もしあいつの部活ないなら………………)

川崎「ん゛〜〜…………(シュー)」


大志「姉ちゃん」


川崎「あぁ………………、ん? どうしたの大志」


大志「いや、洗濯たたみながらでいいよ」

大志「今日なんか嬉しいことでもあった?」


川崎「はっはあ? なんでそんな……」


大志「うちに帰ってからずっとうめき声っていうかため息ついてるから……」


川崎「………………………………じ、実は」
8 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 13:38:46.41 ID:NY6HWb/fO
undefined
9 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 13:41:01.41 ID:NY6HWb/fO


[学校・朝のSHR前]


八幡(うっわ。教室入りづれえ)

八幡(しかし行くしかない……)

八幡「(ガラガラ)。(スタスタ)……」


川崎「(チラッ……)」


八幡(や、やべ。目が合った……)

 (超思考)

八幡(挨拶すべきか? 本来はすべきなんだろう。しかし俺がその「本来」のことをしてしまうと、無駄に周囲が反応してしまう)

八幡(リア充「なんであの底辺が一端の人間みたく朝の挨拶してんの?」ってなふうにな)

八幡(由比ヶ浜ならまあ普段話しかけてくれるから、ちょっとした挨拶くらいどうともない)
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/24(日) 13:42:01.28 ID:NY6HWb/fO


八幡(だが川……川端? え、えーっと……か、か……川崎は孤高の存在だ。カーストに組み込むかどうかは微妙ではあるが、俺よりもクラス内での立場は上になるだろう)

八幡(俺と川……川崎は滅多に会話をしない。そんな奴らがある朝突然挨拶しあってたら、周囲は疑問に思うはずだ)

八幡(その周囲が戸部みたいなのばかりならなんら問題はないがこの場には由比ヶ浜がいる)

八幡(いつもの葉山グループが固まって会話をしていて、由比ヶ浜の声がその辺りから聞こえてくるが、いま川崎と目が合った状況であちらを伺うのは、要らぬ誤解を招く要因となる)

八幡(由比ヶ浜はアホだが察しのいい子だ。俺と川崎がいつもより親しげにしていればすぐにそれを察知するだろうし、最悪俺らの関係が暴かれる)
11 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 13:50:17.17 ID:NY6HWb/fO


八幡(あいつならすぐに雪ノ下のところへ情報が飛び、部室で2対1の尋問を受ける羽目にあうのは明白)

八幡(しかしながら川崎のことを考えると、付き合い始めて1日も経たないうちに、「目が合ったのに挨拶もしない」なんて冷めた態度を取ると問題がある)

八幡(…………そうか。人は言葉などなくても意思の疎通をすることが可能だ。ジェスチャー、手振り、パントマイムという手がある)

八幡(目配せというのもあるにはあるけれど……それは悪手か。ただのチラ見は印象がいいとは思えない)

八幡(声であれば確実に由比ヶ浜に感知されてしまうだろうが、身振り手振りならば……)

八幡(いや待てよ。普通に軽い会釈というか、頭をコクッと少しだけ下げるだけで良くね?)

八幡(無駄な思考時間だった……)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/24(日) 13:51:31.06 ID:NY6HWb/fO


八幡(人は動きの大きいもの、動作が素早いものに反応し、目で追ってしまう)

八幡(だから、由比ヶ浜が俺のことを視界に捉えているか否か不明だが、もし見られていたとしても気づかれないように、最小限の動きで、早くない動作を心がけなければ)

八幡「(コクッ……)///」


川崎「ッ……(コクッ……)///」


八幡(やっべーめちゃくちゃ顔が熱い。川崎も顔が若干赤くなってるし俺も同じように赤面してしまっているのかもしれない……)

八幡(これ見られたらぜってーバレる)

八幡(もし、リア充どもが同じことをしていたら俺でも確実に察してるもん……)

八幡(でもまあ由比ヶ浜にさえ見られてなければどうにでも……(チラッ)」


由比ヶ浜「(ジッ……)」


八幡(めっちゃ見てるぅぅううう!?!!?(スッ……))
13 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 13:52:47.95 ID:NY6HWb/fO


八幡「(すわっ……)」

椅子「ガタッ」

八幡(ヤバい。完全に見られてた……。とっさに視線を切ったがこれは……(チラッ))


由比ヶ浜「(ジッ……)」


八幡(う、うわああああああ…………)

八幡(なんでまだ見てんだよあいつ……)

八幡(ば、バレてるのか!? マジでこれだけのアクションですべてを見通したのか?)

八幡「(チラッ)」


由比ヶ浜「(ジッ……)」


八幡(……よかった。今度は俺を見てないな……。でもどこ見てるんだ?(スーッ)」
14 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 14:04:53.45 ID:NY6HWb/fO


川崎「…………///」


八幡(かっ、川崎!!?? しかもなんであいつまだ赤面してんだよ……)

八幡(昨日俺に告った時ずっと目瞑ってボソボソ喋ってたし、あいつはこういう感じのが極度に苦手ってことなんだろうか……)


由比ヶ浜「(チラッ)(ジーッ)」


八幡「!!!!(スッ)」

八幡(ま、またこっち見てきやがった! しかもあいつがあまりしない無表情……)

八幡(これって…………マジでバレちまったのか……?)
15 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 14:06:21.78 ID:NY6HWb/fO


[学校・帰りのSHR]


由比ヶ浜「ねぇヒッキー、今日部活行く?」


八幡「今日は………………ちょっと用事があるから……」


由比ヶ浜「……わかった。アレ?」


八幡(人は鏡だ。大抵の場合こちらが清く出れば清く返す。そして相手へのわずかな不信から含みが漏れれば、相手は不信を返す)

八幡(なるべく素直に話す。でも情報は最小限)

八幡「……それとは別件。じゃな」


由比ヶ浜「うん。またね」
16 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 14:07:41.98 ID:NY6HWb/fO


[校舎裏]


八幡「よう」


川崎「(コクッ)」


八幡「あー…………今日時間ある?」


川崎「うん」


八幡「どっか行く?」


川崎「う、うん」


八幡「じゃ、じゃあ行こうか」
17 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 14:15:55.08 ID:NY6HWb/fO


[移動中]


八幡「…………なぁ川崎」

八幡「これだけは言わせて欲しいんだが、俺、これまでの人生で彼女できたことが一度もなくてどうすりゃいいのかいまいちわからん」


川崎(か、かか、か、彼女……彼女……)

川崎(あたし……こいつと付き合ってるんだよね…………)

川崎「…………あ、あたしも……」


八幡「? それって……これまで誰かと付き合ったことないってこと? お前が?」


川崎「それどういう意味?(威圧)」


八幡「あっ、いや……(ガクブル)」

八幡「だって……お前……けっこう美人だしモテそうだから……」


川崎(……び、美人? あたしが?///)

川崎(こいつなりのお世辞言ってくれてるんだろうなぁ……)

川崎「別に……そういうのいいから」

川崎「それで……、あたしは誰かと付き合ったことは……ない……けど……」

川崎「…………告られたこともないし」
18 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 14:20:58.87 ID:NY6HWb/fO


八幡「マジか」


川崎「…………」


八幡「…………」


川崎(間が持たない……。今までそんなに人と関わりを持たなかったから会話の繋ぎ方がわからない……)

川崎(こいつもあんまり会話とか得意そうじゃないのに自分から話振ってくれたし、次はあたしから話さなきゃ……)

川崎「そ、そう言えばさ、あんた部活は大丈夫なの?」


八幡「ん? あー、依頼があるまではほとんど菓子食ってお茶飲んでってくらいだし」


川崎「ああそっか。受動的な部活だからね」

川崎「……ゆ、結衣のこと気にしてたけどさ、付き合ってるの知られるのは……まずい?」


八幡「まずくはねぇな……たぶん……」

八幡「(超思考)……いや、まずいな。かなりまずい」


川崎「…………なんで?」
19 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 14:27:28.99 ID:NY6HWb/fO


八幡「まず由比ヶ浜は変に気を遣ってくるだろうからやりづらい」


川崎「あー……。それはあるかも」


八幡「それに海老名さん。あの人に知られると俺もお前もしんどいことになる」


川崎「……うん。想像できる……」


八幡「他の奴らは別に俺らに絡んでこないから問題ないが、もっともヤバいのは戸部だ」

八幡「あいつは何でもかんでもでかい声で喋っちゃうから俺たちのクラス内での居心地が最悪だ」

八幡「それに俺らが付き合ってることに関して変に絡んできそう」


川崎「それは…………うん。避けたいかも」


八幡「でもそのうちバレるだろうな」


川崎「……そっか。どこでクラスメイトと鉢合わせするかわからないのか」

川崎「わざわざ避けて会うのもアレだし……」

川崎「うぅ……姫名の絡み避けられないじゃん……」
20 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 14:28:43.62 ID:NY6HWb/fO
八幡「……あんまやりたくはねぇけど、葉山にひとこと言えば収められる……。というか、あいつが勝手に察してどうにかしてくれそうだな」


川崎「なにその信頼」


八幡「そんな奴だろ?」


川崎「まあ……そう、かな?」

川崎(映画館……)


八幡「映画館あるけど、無難に映画観るか?


川崎「んー。そうだね」
21 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 14:30:40.56 ID:NY6HWb/fO


[劇場前]


八幡「(ジーッ)」


川崎(あいつ、なぜかプ◯キュアの劇場版の広告を凝視してる……)

川崎「観たいの?」


八幡「え、ん? な、なにが?(汗)」


川崎「…………(ジッ)」


八幡「……ほ、ほかにおもしろそうなもんは……」


川崎「…………別に妹たちも観てるしこれでいいよ?」


八幡「え、マジ?」

八幡「……いや、でもデートで見るもんじゃないわ」

八幡「ありがとな」


川崎「そ……」

川崎「じゃあ……」
22 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 14:33:11.19 ID:NY6HWb/fO


[フードコート]


八幡「(パクモグ)……」

川崎「(パクモグ)……」

川崎(黙って食事しちゃってる)

川崎(なにか話さないと)

川崎「…………映画、よかった……」


八幡「(モグモグ)……ああ。予想してた展開と全然違くてけっこう驚いたわ」


川崎「あーわかる。途中から一気に流れが変わってったよね……」


八幡「そうそう。やっぱ主人公の──」


川崎(ふ、普通に話せてる……)

川崎(こいつ、意外と話せるんだ)

川崎(ちょっと違うか。もともとこいつは話せるんだけど、話す機会があんまなかったんだ)

川崎(こいつ……いつも本読んでるからか、物語のいろいろなところに気づいてて、話聞くのおもしろい……)

川崎(楽しい……)
23 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 14:39:28.93 ID:NY6HWb/fO


[川崎家前]


川崎「わざわざありがと……」


八幡「いいよ。さすがに……夜道を女子ひとり歩かせるわけにはいかないだろ」


川崎「そ……だね」

川崎「…………今日はほんとに楽しかった」

川崎「あ、ありがと///」


八幡「あ、ああ。お、俺も楽しかったぞ……///」


川崎「……うん。よかった……」


八幡「……」


川崎「……」


八幡(てか空気やべーよ俺が何か言わないとだな)

八幡(こ、こういう時はまたデ、デートしよう的なことを言うんだろうか……)
24 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 14:40:32.42 ID:NY6HWb/fO
八幡(今日は実際テンプレなデートだったけど楽しかったわ……)

八幡(リア充どもがデートしてんのほんっと目障りでしかなかったけど、やってみたらやってみたでめっちゃ楽しいし……)

八幡(本心でこいつとまた遊びたいと思う)

八幡「なぁ、また都合が合えば……遊びに行こう」


川崎「…………うん」


八幡「…………メアド、交換しねぇか?」


川崎「……あ、うん。(トコトコ)」

川崎「携帯……貸して」


八幡「あ、ああ。……はい(スッ)」


川崎「……」

携帯「ポチポチ、ポチ。ポチポチ」

川崎「はい」


八幡「サンキュー」

八幡(登録名は沙希か)

八幡(いつかは下の名前で呼ばなきゃだよなぁ……)

八幡(ハードルたっけぇ…………)


川崎「…………それじゃ、明日」


八幡「ああ。明日」


川崎「気をつけて……」


八幡「おう。じゃあな」
25 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 14:42:14.54 ID:NY6HWb/fO


[比企谷家]


八幡「……ただいまー」


小町「おかえりー。初めてのデートはどうだった?」


八幡「いや情報伝わるの早すぎじゃない?」

八幡(あいつのシスコンぶりを忘れていた……)


小町「まさかお兄ちゃんが人と同じように誰かと付き合えるとは……小町感激すぎて涙が……」


八幡「言い過ぎだろ酷ぇよ(スタスタ)」

ソファ「ギシッ」


小町「でもお兄ちゃんが大志のお姉ちゃんと付き合えるとはねー?」

小町「はぁ……あんな美人なお姉ちゃん憧れるぅ」


八幡「なにお姉ちゃんって。話が飛躍し過ぎじゃない?」


小町「ねぇお兄ちゃん。ちょっと真面目な話になるんだけど」


八幡「なんだよ」
26 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 14:44:20.86 ID:NY6HWb/fO
小町「お兄ちゃんが今後沙希さん以外の人と付き合えると思う?」


八幡ハート「グサッッッッ!」

八幡「うっ………………それは……………………」


小町「これがラストチャンスになる可能性はすっごーーーーーーーーーーーっく、高いんじゃない?」


八幡「まぁ……だろうな……」


小町「このチャンスを逃したらお兄ちゃんは生涯未婚の社畜まっしぐらだよ」


八幡「なっ、なんだと! それはダメだ。それだけは避けたい……」

八幡「俺は……ヒモになりたい……」


小町「それはちょっと……」

小町「沙希さんは家事だいたいできるらしいし、ちょー美人さんだしお嫁にするなら文句ないよ」

小町「小町が沙希さんとの結婚を許可してしんぜよう……」


八幡「許可いただいても相手がその気じゃなかったらどうしようもねぇよ」


小町「でも沙希さんから告白したんでしょ?」


八幡(こいつどこまで知ってんだ……)

八幡「……だとしても結婚は話が違う」

八幡「今の時代、結婚したがらない奴も少なくないらしいしな」


小町「な、なにそれ! なんでなの?」


八幡「俺が知るかよ」
27 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 14:45:43.88 ID:NY6HWb/fO
小町「お兄ちゃんが今後沙希さん以外の人と付き合えると思う?」


八幡ハート「グサッッッッ!」

八幡「うっ………………それは……………………」


小町「これがラストチャンスになる可能性はすっごーーーーーーーーーーーっく、高いんじゃない?」


八幡「まぁ……だろうな……」


小町「このチャンスを逃したらお兄ちゃんは生涯未婚の社畜まっしぐらだよ」


八幡「なっ、なんだと! それはダメだ。それだけは避けたい……」

八幡「俺は……ヒモになりたい……」


小町「それはちょっと……」

小町「沙希さんは家事だいたいできるらしいし、ちょー美人さんだしお嫁にするなら文句ないよ」

小町「小町が沙希さんとの結婚を許可してしんぜよう……」


八幡「許可いただいても相手がその気じゃなかったらどうしようもねぇよ」


小町「でも沙希さんから告白したんでしょ?」


八幡(こいつどこまで知ってんだ……)

八幡「……だとしても結婚は話が違う」

八幡「今の時代、結婚したがらない奴も少なくないらしいしな」


小町「な、なにそれ! なんでなの?」


八幡「俺が知るかよ」
28 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 14:55:22.02 ID:NY6HWb/fO
小町「お兄ちゃんが今後沙希さん以外の人と付き合えると思う?」


八幡ハート「グサッッッッ!」

八幡「うっ………………それは……………………」


小町「これがラストチャンスになる可能性はすっごーーーーーーーーーーーっく、高いんじゃない?」


八幡「まぁ……だろうな……」


小町「このチャンスを逃したらお兄ちゃんは生涯未婚の社畜まっしぐらだよ」


八幡「なっ、なんだと! それはダメだ。それだけは避けたい……」

八幡「俺は……ヒモになりたい……」


小町「それはちょっと……」
29 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 14:57:01.89 ID:NY6HWb/fO
投稿できてるのかできてないのかわからぬ……
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 14:58:38.07 ID:59KJo2Bco
>>8
ここ抜けてる
31 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 15:34:31.20 ID:NY6HWb/fO
>>30
文字数多すぎて投稿できなかったから分割して投稿し直したよ
32 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 15:36:57.30 ID:NY6HWb/fO


(前文:八幡「俺が知るかよ」)


小町「うーん……。とりあえずその辺はこっちで探ってみるよ」

小町「小町が全力でバックアップするから背中は任せて!」


八幡(気を許したら後ろから刺されそう……)

八幡「……まぁ、頼む」


小町「まっかせて!」


八幡(不安だ……)

八幡(小町の考える策に不備があるとかじゃなく、どこかで嵌められて、躊躇いなく後戻りできない袋小路に蹴り落としそう)

八幡(不安だ…………)

携帯「ピピッ!」

八幡「!?」

八幡(嘘だろまたか……)


小町「(ジッ……)」

小町「…………また出るの?」


八幡「ああ。悪りぃ」
33 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 15:38:34.62 ID:NY6HWb/fO


[川崎家]


川崎(お、おやすみってメール……送っても変じゃないかな……)

携帯「ポチポチポチポチ」

川崎(……………………送信!)
34 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 15:40:05.62 ID:NY6HWb/fO


[???]


八幡「はぁ…………はぁ………………」

八幡(2日連続はけっこうくるな)

八幡(……メール。小町か?)

八幡「川崎……」

八幡(もう深夜2時か……。さすがに起きてないだろうな)

八幡(いちおう返信はしておこう」

携帯「ポチ…………ポチ……ポチポチ……ポチ」

八幡『すまん寝てた。おやすみ』

八幡(こんなんでいいんだろうか……。一度内容を小町に見てもらうべきか?)

八幡(それは違うか……。よし)

八幡「……………………送信(ボソッ)」
35 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 15:48:19.94 ID:NY6HWb/fO
ほな、また……
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 15:54:03.27 ID:3xn1U7prO
クソスレ立てんな
糞八幡豚
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 17:40:03.30 ID:gYW6NLGs0
俺ガイルスレは変なの湧くこと多いけど完結させてくれ
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 19:20:15.30 ID:lkwuHhOgO

晩飯は済んだだろ
続きを早く頼む
39 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 22:52:12.39 ID:wUmnEHnQO


[奉仕部部室]


八幡(あれから何回かデートしたが……)

八幡(ヤバいな川崎超可愛い……)

八幡(今更ながらパンツを見てしまったことが申しわけなくて発狂しそうになる……)

八幡「あ゛あ゛ぁ……」


雪ノ下「……その死にかけた鳥のような声を出すのはやめてくれないかしら。腐敗した空気が充満するのだけれど」


八幡「……はいはい」


由比ヶ浜「……そういえばヒッキー。最近部活来る頻度減ったよね。何かあった?」


八幡「まぁ…………」

八幡(変に隠すと勘繰られそうだ)

八幡「……あった」


雪ノ下「(ジッ)」


由比ヶ浜「(ジーッ)」


八幡「……なんだよ」
40 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 22:54:17.36 ID:wUmnEHnQO


雪ノ下「会話の流れから、あなたにあったその『何か』を話すっていうのがわからないのかしら?」

雪ノ下「それだからコミュ障と呼ばれるのよ」


八幡「お前にだけは言われたくねぇなそれ……」


由比ヶ浜「それで、なにがあったの?」

由比ヶ浜「話したくないならいいんだけどさ……」


八幡(絶対に話したくねぇけど話さないと空気が悪くなる空気になってんじゃん)

八幡「…………」

八幡(心拍数がっ……。プレッシャーが大きすぎる)

八幡(話すべきなんだろうか……いやしかし……)

八幡(う…………)


扉「ガラガラッ!」


平塚「失礼」


雪ノ下「先生、入る前にノックを……」


平塚「あー悪い。次からは気をつけよう」


八幡「それで何の用ですか……」


平塚「進行についてさ」
41 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 22:57:24.91 ID:wUmnEHnQO


八幡「……」


雪ノ下「……」


由比ヶ浜「……」


平塚「どうやら、この頃様子がおかしい」


八幡「ですね。そのせいでこっちは2連勤っすよ」


雪ノ下「そうですよ先生。これでは学業に支障が……」


平塚「……冗談はいい。比企谷、お前はどう考えている」


八幡「……また、来るんじゃないですかね。あれが」

八幡「というか、そっちである程度予測できてるんじゃないですか?」


平塚「ああ」

平塚「昨日はフランスで5等級が出現した」


由比ヶ浜「えっ、そんな……また……」


雪ノ下「それは……予兆なんでしょうか」


平塚「おそらくな。上もそう考えている」


八幡「…………俺らは学校を続けてても大丈夫なんですか?」


由比ヶ浜「先生……」


平塚「問題ないさ」

平塚「……………………今の所はな」


由比ヶ浜「…………そうですか」


平塚「また何かあれば報告に来る。ではな」
42 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 22:58:31.12 ID:wUmnEHnQO


[廊下]


平塚「(スタスタ)」

平塚「……盗み聞きはよくないぞ」

平塚「…………川崎」


川崎「(ビクッ)」

川崎(物音も立ててないし、こっちも見てないのになんで……)

川崎(部室の外から聞いてたけどさっきの会話って一体……)
43 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:00:19.57 ID:wUmnEHnQO


[デパート]


川崎「これ、似合う……かな」


八幡「……そうだな、それの白なら似合いそう」


川崎「こっち?」


八幡「うん。そっちの方がいい」


川崎「じゃこれにする……」


八幡「おう」


川崎(……服選び真面目にやってくれてる……」

川崎(なんだろ……ただ買い物してるだけなのに楽しい……)

川崎「服はこのくらいでいいかな。会計してくる」


八幡「ああ俺が出すよ」


川崎「いっ、いいよ。これくらいは……」


八幡「遠慮しなくていいぞ。ブラックな代わりに高給なバイトしてるから」


川崎「いや、でも……」


八幡「俺の金の使い道なんて本とか日用品くらいだし、勝手に溜まってくんだよ」

八幡「どうせ金使うなら有意義に使いたいからさ」
44 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:02:30.38 ID:wUmnEHnQO


川崎「ありがと……///」

川崎(あたしの家計を考えてくれてるんだよね……)

川崎(申し訳ない気もするけどそれ以上に嬉しい……)

川崎「次は……書店?」


八幡「ああ。行こうか」


川崎「うん」


八幡「うわマジか」


川崎「なに?」


八幡「あれ……」


川崎(あれは……クラスメイトの葉山と……その囲い。こっちに向かって歩いてきてる)

川崎(それなりに離れてるのに戸部がうるさくてここまで声が聞こえる……)


八幡「戸部の声でかすぎだろ……」


川崎「確かに……」


八幡「どうするここは一本道だから引き返すか……? いや、逆を向いても後ろ姿でバレるな……」


川崎(後ろ姿でバレる?)

川崎(ああそっか。あたしくらい髪長い子ってそんないないし、髪色も特徴あるから……)

川崎「それなら道戻った方がマシなんじゃない?」
45 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:04:00.22 ID:wUmnEHnQO


八幡「…………いや、俺に考えがある。そのまま進むぞ」


川崎「……わかった」


八幡「(ジーッ)」


川崎(葉山をガン見してる。どういう意図?)


八幡「(ジーッ)」


川崎(どんどん近づいてくる……。道幅もそんなにないからすれ違ったら確実に見られる……)


八幡「(ジーッ)」


川崎(なにを狙ってるの……?)


八幡「(ジーッ)」


葉山「(チラッ)。(ジッ…………)」


川崎(葉山が気づいた……。めっちゃ見てる)

川崎(あれ、葉山が戸部たちに声をかけて引き返してく……)

川崎(???)
46 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:05:27.77 ID:wUmnEHnQO


八幡「さすが葉山だぜ……」


川崎「今のは?」


八幡「葉山に察させたんだよ」

八幡「あいつなら俺たちの状況を見て、引き返してくれると思った」


川崎「それは……戸部たちがあたしたちに絡むことを避けて?」


八幡「ああ。俺らと戸部たちが接触することで起こりうる諸々の問題を導き出して、それを回避したんだ」


川崎「そんなことわかるの?」


八幡「あの葉山だぞ?」


川崎「すごい信頼だね……」

川崎(本当にすごい信頼……)

川崎(葉山とこいつ、ほとんど接点がないと思ってたんだけど)

川崎(………………あの信頼関係、羨ましい……かも……)
47 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:07:22.13 ID:wUmnEHnQO


[学校・トイレ]


八幡「(ジャー)」


葉山「ヒキ谷くん。となり失礼するね」


八幡「俺が奥のトイレ使ってんのになんでわざわざ隣に来て、さらに失礼するんだよ」

八幡「失礼だって自覚してんならあと2個は開けてやれよ。ここ以外空いてるだろ」


葉山「…………比企谷。君は川崎さんにあのことを話しているのかい?」

チャック「ジッ」

葉山「(ジャー)」


八幡「………………なんの話だ」

チャック「ジッ」

八幡「(スタスタ)」

蛇口「ジャババ」


葉山「……まさか、俺が気づいてないなんて思ってないだろ」

葉山「………………奉仕部、ね」

葉山「部活というより……部隊、じゃないかい?」


八幡「お前ッ!」
48 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:09:19.58 ID:wUmnEHnQO


葉山「別にそのことについて口出しするつもりはないし、口外もしない」

チャック「ジッ」

葉山「(スタスタ)……、君は選べるかい?」

葉山「民衆の命と、川崎さんのどちらかを」

水道「ジャバジャバ」


八幡「……葉山……どういうつもりだ………………」


葉山「学校でそんな殺気出さないでくれよ。俺は一般人なんだよ?」


八幡「答えろ。どういうつもりだ」


葉山「…………」

葉山「このまま続けるのなら、川崎さんと別れるべきだ」

葉山「川崎さんをとるなら、辞めるしかない」

葉山「そう言ってるんだよ」


八幡「なんでだよ。そんなのどっちも……」


葉山「……君の……いや、人の手はそこまで大きくない。それだけは覚えておいたほうがいい」

葉山「いつもの君なら、よく見えていたはずなんだけど(スタスタスタ)」

葉山「…………選択を強いられた時、もし君が彼女を選ばなかったら、きっと君が持っているその感情は──」



八幡「……………………」
49 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:11:02.36 ID:wUmnEHnQO


[水族館]


八幡「うわこの魚、目が死んでる」


川崎「ちょっとあんたに似てるかも」


八幡「どこがだよ」


川崎「目」


八幡「……」


川崎「お土産とか買う?」


八幡「そうだな。記念に買ってくか」

携帯「ピピッ!」

八幡「!!」
50 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:11:55.02 ID:wUmnEHnQO


川崎「ッ」

川崎(なに……めっちゃ怖い顔してる……)


八幡「………………」

八幡「川崎」


川崎「どっ、どうしたの?」


八幡「マジで悪い。急用が入った……」


川崎「……そうなの?」


八幡「本当にすまん。ちょっと行ってくる」


川崎「今すぐなの?」


八幡「ああ……」


川崎(かなり深刻そう……。デートの途中だけどこれは仕方ない……か……)

川崎「じゃあ今度埋め合わせよろしく」


八幡「助かる。もう日が沈んでると思うから帰りは気をつけてな」


川崎「……ん。じゃ」


八幡「おう」
51 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:13:31.08 ID:wUmnEHnQO


[比企谷家・八幡の部屋]


川崎「……」


八幡「……」


小町「おにーちゃーん! 行って来まーす!」


八幡「お、おーう!」


川崎(…………どうしよう…………。ついに家来ちゃった……)

川崎(しかも小町ちゃんは今日友達のお家にお泊まり……)

川崎(親が帰宅するかどうなのかわかんないけど……)

川崎(うぅ…………)

川崎(緊張しすぎて頭まわんない……)


八幡「……お茶入れてくる」


川崎「…………うん」


ドア「ガチャ」
52 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:15:58.90 ID:wUmnEHnQO


川崎(も、もしいくとこまでいっちゃったらどうしよう…………)

川崎(最近は手を繋げるようになったけど……キ、キスもまだだし…………)

川崎(あ、あぁ……)

川崎(心臓がバクバクしてる……ん〜〜…………)


八幡「どういうことなんだよ!(ボソッ)」


川崎(電話してるのかな? めちゃくちゃ怒ってるみたいだけど……)


八幡「さすがに生活に支障がですぎだ」


川崎「……」


八幡「俺なしで繋げな……」

八幡「5等っ……んな、国内にか!?」

八幡「………………ああ。……わかってる」

携帯「パタッ」

八幡「………………………………」

八幡「くそっ……………………………………」


川崎「……」


八幡「(スタスタスタ)」

ドア「ガチャ」

八幡「……………………川崎」
53 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:17:13.67 ID:wUmnEHnQO


川崎「…………どうしたの?」


八幡「親が帰ってくるっぽい……」


川崎「あ……。……じゃ出たほうがいい、よね」


八幡「ああ。マジですまん……(バッ)」


川崎「あっ、頭下げなくても……!」


八幡「ほんとに……最近こんなことばっかで…………すまん」


川崎「……いいよそんなの気にしなくても」


八幡「……ありがとう」

八幡「送るわ」


川崎「うん……」
54 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:18:36.30 ID:wUmnEHnQO


[夕方・公園]


川崎「すごい……」

川崎(夕日が海と空を赤く染めながら水平線に
沈んでいってる。ほんとに絶景って感じ)

川崎(休みの日に遠出した価値はある)

川崎(時間がゆっくり進んでる……)


八幡「人も全然いなくてよかった。ベンチもちょうど西向きだし」


川崎「そだね……」


八幡「…………」


川崎(すごくいいムード……)


川崎「(ワクワク……)」


八幡「…………川崎」


川崎「……ッ。なに?///」


八幡「……お前には話さなくちゃいけないことがある」
55 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:19:45.17 ID:wUmnEHnQO


川崎(……そんな感じじゃないみたい。とってもシリアスな声……)

川崎「……なに?」


八幡「…………大進行って、知ってるよな」


川崎(いきなり!?)

川崎「……うん。知ってる」

川崎「…………たしか、ちょうど10年前ぐらいに起きた侵略のこと……で合ってる?」


八幡「そうだ。合ってる。」

八幡「約10年前に、世界各地で謎の生命体が発見されたんだ」

八幡「仮に奴らのことをメンシュハイトって名で呼んでる」

八幡「メンシュハイトは有機物だろうが無機物だろうが関係なく、無差別に周囲を破壊する」

八幡「あいつらは10年のあの日以来、日本では観測されていない……ことになってる」


川崎「海に囲まれてるからって話だったね。オーストラリアには出てるんだけどね……」
56 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:21:38.39 ID:wUmnEHnQO


八幡「そうなんだ。でも、海で囲まれてるからメンシュハイトが現れないなんてことはない」


川崎「日本にもそいつらが出てるってこと?」


八幡「…………そういうことだ」

八幡「あの日以来、人類は奴らと戦い続けてる」

八幡「もちろん日本も例外じゃない。あの日から奴らの侵略が止まったことなんて一度もない」

八幡「毎日必ず、世界のどこかに現れている」


川崎「なんであんたがそんなことを……」


八幡「メンシュハイトは祈って消えてくれるもんじゃない。話し合いで破壊をやめてくれはしない」

八幡「武力で圧するしかないんだ」


川崎「………………もしかして」


八幡「……俺は防衛軍に所属してる」

八幡「国民にバレることなく、秘密裏に奴らを始末しているんだ」
57 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:23:20.99 ID:wUmnEHnQO


川崎(これは本当の話? まさかこいつがこんな嘘をつくとは思えないし……)

川崎(でもにわかには信じきれない……)


八幡「信じられないのもわかる。俺だって唐突にこんなこと話されたら何言ってんだって思う」

八幡「最近、メンシュハイトの出現率が上がってきて、さすがに国も誤魔化しきれないレベルだ」

八幡「近いうちに少しずつ情報が解禁されるだろうな」

八幡「だからそれを直接自分の目で見るまではこんな突飛な話は信じなくてもいい」


川崎「…………うん。でもなんであんたが? 高校生なんかより………………きちんと訓練された軍人の方がいいんじゃないの?」
58 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:24:47.97 ID:wUmnEHnQO


八幡「…………奴らに対抗する手段としてもっとも有効なのが、奴ら自身を素材にして造られた専用の武器だ」

八幡「それは……まあ平たく言えば使用者のエネルギーを消費して力を増す」

八幡「そのエネルギーってやつはゼイレって呼ばれてるんだが、若ければ若いほどゼイレの貯蓄量は高い。だけど、若すぎるとコントロールができずに暴発する」

八幡「でもそのゼイレってのは、大抵の人間が20歳を迎える前あたりから、目に見えて減少していくんだ」

八幡「そこで、若すぎず、衰えすぎずの年代の『中学校後半から大学生前半』が主力として集められてる」

八幡「もちろんガキよりプロの手腕って思うだろうが、そんなテクニックを軽く超越しちまうパワーがある」

八幡「とまあこんな理由だ……。俺以外にも学校に数人防衛軍のやつがいる」
59 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:25:53.50 ID:wUmnEHnQO


川崎「えっ、そうなの?」


八幡「ああ。今の時代、誰が防衛軍になってもおかしくない」

八幡「……そんなことより」

八幡「俺が今までデートすっぽかしたのはほとんどこれのせいだ」

八幡「だから許してくれなんて言わないけど、それを伝えておきたかった」

八幡「ほんとにごめん」


川崎「……いいよ。けどさ、その話聞く感じ、あたしたちの会う時間はどんどんなくなってくってことだよね?」


八幡「そうなる……」


川崎「…………そっか」
60 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:35:55.40 ID:wUmnEHnQO


[川崎家]


川崎「ただいまー……」


大志「姉ちゃん! ヤバいよ! マジでヤバい!」


川崎「? どうしたの?」


大志「メンシュハイトが日本にも出るかもしれないんだって!」


川崎「えっ!?」


大志「日本には10年前の大進行のときに一回出たきり現れたことねえのに……」

大志「国が、突然街中にメンシュハイトが出たときに、逃げこめる施設とか作ってくらしい」


川崎(あいつ…………本当に…………)
61 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:38:04.63 ID:wUmnEHnQO


[学校・放課後]


八幡「川崎」


川崎「(コクッ……)」

川崎(ここ数週間はデートする回数が一気に減ったなぁ)

川崎(こいつも気にしてるみたいで、下校だけはほぼ毎回一緒に帰ってくれてる)

川崎「時間ある?」


八幡「今のところは。またいつ呼び出されるかわからん」


川崎「そっか……じゃあアイスクリーム屋に寄るだけなら大丈夫、かな?」


八幡「それくらいなら全然余裕だろ」


川崎「良かった///」

川崎「じゃああっちの方にあるから行こっ」


八幡「おう」

八幡「その店ってどんなアイス売って──」

携帯「ピピッ!」


 ──ズドン!

 ──ドン!
62 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:39:30.91 ID:wUmnEHnQO


川崎(爆発!? 地面が揺れてる……)


八幡「大丈夫か!(ガバッ)」


川崎「あ、ありがと……///」


八幡「やっべぇ…………」


川崎「…………もしかして……」


八幡「……メンシュハイトだ」
63 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:40:46.89 ID:wUmnEHnQO


[商店街近く]


八幡「おら!(シュッ)」


メンシュハイト「がっ!」


八幡(メンシュハイトは人型だ。初めて見る人間にはあまり殺している場面を見られたくはないが……)

八幡「どんだけ湧いて出るんだっ」


川崎「こ、こいつらがメンシュハイト……。生で初めて見た……」


八幡「見てて気持ちいもんじゃねぇからあんま見ないようにしろよ」


川崎「うん……」


八幡(緊急用の組み立て式簡易装備で戦ってるが、正直これがどのくらい持つのかわからない)

八幡(銃があれば川崎を安全に守れたんだが、あいにく剣タイプのものしか持ってない)

八幡(そこまでしっかり作られたものじゃないから、早めに支部に行って装備の交換と川崎の安全を確保しないと……)
64 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:42:08.57 ID:wUmnEHnQO


八幡(しかし……)

八幡「ふっ!」


メンシュ「ぐぅっ……!」


八幡(もともとこいつらは日が沈んでから出てくるもんだ)

八幡(でも今日はなぜか日があるのに出てくる)

八幡(それどころかいつもの数十倍近くが出現している……)

八幡(明らかに異常だ)

八幡(いつ5等級以上が現れてもおかしくない……。早く川崎を退避させないと……)

八幡「川崎、今から防衛軍の支部に向かう」


川崎「わ、わかった」


八幡「ここからだとけっこうあるから……すこし辛抱してくれ」


川崎「(コクッ……)」


メンシュ「(バッ!)」


八幡「またかっ!(ザッ!)」


メンシュ「ぐっ……く…………」
65 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:45:12.02 ID:wUmnEHnQO


八幡(こんな数じゃ死体の処理もまともにできねぇ……)

八幡(国中が……パニックになる)
66 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:46:42.70 ID:wUmnEHnQO


[防衛軍基地支部前]


八幡「はぁ………………はぁ………………」

八幡(ろくな装備無しに戦ったせいでボロボロだ……)

八幡「(チラッ)」


川崎「すーっ…………すーっ…………」


八幡(怪我と疲労とストレスでもう寝てるみたいだな)

八幡(川崎に怪我させちまった…………。彼氏失格だ…………)

八幡(…………不謹慎だが…………川崎のおっぱいめっちゃくちゃでかいしやわらけぇ……。確かめたことはないが由比ヶ浜並みにあるんじゃねぇのか)

八幡「……はぁ…………はぁ…………着いた………………」
67 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:48:25.23 ID:wUmnEHnQO


[防衛軍基地支部内部]


隊員「ひ、比企谷くん!? まさかその装備で戦ってたの……?」


八幡「……はい。……平塚隊長も近くにいなかったので武器の補充ができませんでした」


隊員「そうでしたか……。その方は?」


八幡「身内です。すみませんこいつの保護をお願いします」


隊員「了解しました。比企谷くんは休まれますか?」


八幡「いえ、装備を整えてすぐに戦線に戻ります」


隊員「そうですか。助かります」


八幡「そいつのこと、頼みます」


隊員「任せてください! ちょっと、手伝って」


隊員B「うっす」


川崎「…………んっ………………」
68 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:49:38.08 ID:wUmnEHnQO


八幡「川崎!(ダッ)」

八幡「お、おい。支部に着いたぞ、もう大丈夫だ」


川崎「比企谷……」

川崎「へ……? あ…………ここがそうなんだ…………」


八幡「お前はしばらくここで休め。怪我の治療も一緒にしてもらう」


川崎「…………ん。わかった」

川崎「………………あんたは?」


八幡「俺は戻らなくちゃいけない。そもそも戦闘員がすくねぇからな。こんだけの数処理しきれない」


川崎「………………ねぇ…………」


八幡「なんだ」


川崎「…………………………行か、ないで………………」


八幡「……っ!」

八幡「それは……」


隊員「(チラッ)」


隊員B「……(ジッ……)」
69 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:51:38.35 ID:wUmnEHnQO


川崎「……………………ごめん。なんでもない………………」


隊員「比企谷くん……(ボソッ)」


八幡「……………………」


 ──

『君は選べるかい? 民衆の命と、川崎さんのどちらかを』

『…………選択を強いられた時、もし君が彼女を選ばなかったら、きっと君が持っているその感情は──』

 ──

葉山『……欺瞞だ』
八幡「……欺瞞、か」


八幡(葉山はこういう状況になる可能性を考え言っていたんだろうか)

八幡(俺は…………)

八幡(この気持ちは、偽りなんかじゃねぇ)

八幡(……たとえそうだとしても、俺には使命がある)

八幡「悪い」
70 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/24(日) 23:53:02.55 ID:wUmnEHnQO


川崎「………………」


八幡「行かなきゃ……」


川崎「………………うん…………」


八幡「(スタスタ……)」


川崎「……気をつけて…………(涙)」


八幡「…………っ」

八幡「(タッタッタッタッタッ)」

八幡「(グッ……)」

八幡(彼氏失格だっ! それどころか、俺は人としても終わってる!)

八幡「くそっ!」
71 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/24(日) 23:54:10.69 ID:wUmnEHnQO
続きは明日の夜ごろに…… ほな、また……
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 02:52:16.77 ID:dz9qZFfpO
あえて言うまい。面白かっ「た」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 02:55:31.58 ID:UegY5qMpo
色々気になることはあるけど
進行じゃなくて侵攻なんじゃ?
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 06:46:03.14 ID:GjO2j2k0o
上等な料理にハチミツをうんたらかんたら
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 06:49:46.26 ID:6wfJnpev0
乗っ取り?
76 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 06:52:00.42 ID:3ZnMU27wO
HACHIMANを書きたかったんや……
77 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 06:56:31.24 ID:3ZnMU27wO
>>73
こいつら攻めに来てる訳じゃない(っていう設定)だから侵攻じゃないかなと思って
78 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 07:00:58.94 ID:3ZnMU27wO
>>75 違うで けっこう冒頭から進行進行言ってるよ
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 19:54:09.12 ID:xtD/U4gjO
こうなるのは序盤のニュース番組連打で分かってたことだった
でももしかしたら面白いのかもと思って読んでみた
案の定面白くなかったよ
じゃあね
80 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/25(月) 20:35:42.21 ID:rAQ2h7MRO


[医務室]

川崎(最低だ……あたし……)

川崎(あいつが戦場にいるかどうかで生存者の数は大きく変わるはず……)

川崎(それなのにあたしは身勝手な理由で引きとめようとした……!)

川崎(彼女として……人として失格だ…………)

川崎(あいつは今、命をかけて人を救ってるのに……あたしはただベッドで横になってるだけ……)

川崎(大志たちもどうなってるかわからない。あたしじゃ、この状況で探しに行くこともできない)

川崎「なんでっ、こんな……っ!」

川崎「………………(しゅん)」

川崎「……………………比企谷…………(ボソッ)」
81 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 20:37:20.26 ID:rAQ2h7MRO


[避難所]


京華「はーちゃん!」


八幡「よう。久しぶりだなけーちゃん」


京華「さーちゃんはこっち!(グッ)」

京華「(とことこ)」


八幡「おおっ」

八幡(第二次大進行で川崎の家は崩壊してしまった。しかし俺の家は無事)

八幡(あの大進行から一週間が経ったが、いまだ学校が再開されるという兆しはない)

八幡(大進行の影響か、メンシュハイトは不定期に大量発生し、俺ら防衛軍は家に帰ることすらままならない状況だ)

八幡(けど無理やり休みを取って来た。数時間だけだが)
82 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 20:38:43.62 ID:rAQ2h7MRO


八幡(それと、同時に世界中で行方不明者が数え切れないほど出ている。今では第一次大進行と呼ぶ10年前の大進行でも、同じように行方不明者は続出した)

八幡(俺の家は、父親が行方不明。母親、小町に怪我はない。カマクラは無事)

八幡(川崎の様子と、彼女の家の状況の確認もしたいがために俺はここに来た)


京華「さーちゃん!」


川崎「……ん、あんた……………………」


八幡「……久しぶり」
83 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 20:39:33.85 ID:rAQ2h7MRO
なかなか辛辣やな……
84 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 20:40:37.88 ID:rAQ2h7MRO


[避難所付近]


八幡「ちょうどベンチがあるし座ろう」


川崎「……うん」


八幡「…………」


川崎「…………なんであたしがここにいるってわかったの?」


八幡「家に行ったら……その…………」

八幡「……近くの避難場所調べて、家から近いのはここかなと思って」


川崎「そっか……。あんたの家は大丈夫だったの?」


八幡「大丈夫だった。ただ、父親が行方不明だ」

八幡「母親は会社のストレスと、父親のことでショックを受けたせいか病んじまって引きこもってる」

八幡「小町も両親がこれで俺も家にいないから帰るたんびに泣いてる」

八幡「…………大丈夫なのは家だけだったよ」
85 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 20:42:07.97 ID:rAQ2h7MRO


川崎「…………ごめん(ボソッ)」


八幡「…………まあ、これから頑張って立ち直るさ」

八幡「………………………………どれどけ時間がかかってもな(ボソッ)」

八幡「お前のとこは?」


川崎「あたしの家族は大丈夫だった。大志が怪我しちゃったけどそれくらい」


八幡「そっか……」

八幡(それは良かった、なんて言えない)

八幡(川崎は家を失っている。家族が健在ならばどうにでもなりはするのだろうが、人生設計は大きく狂い、軌道を戻すにしてもロスは大きい)

八幡(元から歩いていた道は随分と遠ざかってしまったのだ)

八幡「大学……行けんのかな」


川崎「わかんない……」
86 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 20:43:20.50 ID:rAQ2h7MRO


八幡「……だよな」

──超思考──

八幡(現在、全世界の学校が休校中だ。なにせ下手に外を歩かせてメンシュハイトに襲われようものなら責任を問われてしまう)

八幡(教師たちは教師たちで、公務員として復興のため色々やらされていて授業どころではない)

八幡(人類には今、被害者しか存在していない)

八幡(だからこそ誰もが団結し、助け合い、抗おうとしている)

八幡(いつか助けられたから、今助ける。いつか助けられるため、今助ける)

八幡(助け合いが連鎖して、互いが強く結びつき、誰もが協力し、共生しながら強く生きている)

八幡(皮肉なことに平和が終わってしまってやっと、人々が求める社会が訪れた)
87 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 20:49:39.85 ID:rAQ2h7MRO


八幡(しかし、やはり影はあるものだ)

八幡(助け合いの輪が広がるのと比例するように、犯罪は増えていく。政府の腐敗も露呈していく)

八幡(人の清い光が強くなるほどに、醜い影もまた色を濃くする)

八幡「世の中、うまくいかないもんだな……」


川崎「そう…………だね…………。…………世の中のことを高校生のあんたが語るにはまだ早いと思うけど」


八幡「まぁな」


川崎「…………………………」

川崎「あの…………さ…………」


八幡「なんだ?」

八幡(思いつめたような表情だな。相談事だろうか)


川崎「あたしたち……もう、別れよう」
88 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 20:50:30.50 ID:rAQ2h7MRO


八幡「……ッ!? は、なんでだ?」

八幡(んな、なんでいきなり……)

八幡(………………いや、いきなりなんかじゃないのかもしれないな)

八幡(……思い返せば思い当たる節はいくつもあるんだ……)

八幡(だけど…………俺は…………)

八幡(俺は、川崎のことが好きだ)

八幡(初めはそんな意識などなかった。誰かと付き会えれば彼女いない歴史=年齢というレッテルを剥がしとることができるから、なんてくだらない思いがあった)

八幡(だけど今は違う。本当に好きだ。ありえないくらい好きだ)

八幡(誰よりも好きだ。これまでの人生でこんだけ人を好きになったことがないってくらい好きなんだ)

八幡(……だからこそ、選ばなくてはいけない)

八幡(だからこそ、俺は……)
89 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 20:51:29.08 ID:rAQ2h7MRO



川崎(心臓がうるさい。プレッシャーがすごすぎる……でも、言わなきゃ……)

川崎「あたしたち……もう、別れよう」


八幡「……ッ!? は、なんでだ?」


川崎(すごく驚いてる……。いきなりだったし仕方ないか……)


八幡「…………」


川崎(…………悩んでる……みたい)


八幡「…………」


川崎(あぁ……心臓がうるさい……。答えなんて最初っからわかってるのになんで緊張してるんだろ……)


八幡「……そうだな」


川崎「(ビクッ)」
90 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 20:52:24.61 ID:rAQ2h7MRO


八幡「………………………………その方がいいのかもしれない………………」


川崎「…………………………うん」

川崎「………………じゃ、戻る」


八幡「…………ああ」


川崎「(スタスタスタ)」

川崎「………………ッ」

川崎「(スタスタスタ)」


京華「さーちゃん……?」


川崎「……けーちゃん…………」


京華「…………どうして泣いてるの?」


川崎「えっ……?(ポロポロ)」

川崎「(フキフキ)」

川崎「……なんでもない。暇なの? なんかして遊ぼっか」


京華「んー、はーちゃんと遊んであげる! はーちゃんは?」


川崎「……まだ、外にいるかも」


京華「行ってくる!」


川崎「気をつけてね」


京華「うん!」
91 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 20:53:51.66 ID:rAQ2h7MRO


川崎(そっか……)

川崎「(ポロポロ)」

川崎「う…………」

川崎(そっか……あたし…………)

川崎「うっ…………うぅ……ひぐっ…………」

川崎(あいつに、「別れたくない」って、言って欲しかったんだ……)

川崎「……えほっ…………うっ………………」

川崎(あたし、あいつのこと……)

川崎(……本気で好きだったんだ)
92 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 20:55:15.16 ID:rAQ2h7MRO


[防衛軍基地支部]


平塚「比企谷、昇進おめでとう」


八幡「どうも。ありがとうございます」


平塚「最近はずいぶんと熱心にメンシュハイトを討伐をしているな」


八幡「……そういう仕事ですから」

八幡「それにメンシュハイトの出現も異様に増えてますし、狩れるだけ狩らないと」


平塚「そうだな。だが他の隊員たちもメンシュハイト狩りには精を出しているんだよ。お前だけがずば抜けてメンシュハイトを[ピーーー]ことに執心している」
93 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 20:56:01.85 ID:rAQ2h7MRO


八幡「何か問題でも?」


平塚「いや、メンシュハイトが減り、世界が平和に近づくのはいいことだ」

平塚「だが無理をしているように見えるぞ」


八幡「無理なんてしてませんよ」


平塚「そうか……」

平塚「…………なにか」


八幡「……」


平塚「忘れたいことでもあるのか?」


八幡「…………」

八幡「……そうかも、しれないです」
94 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 20:58:15.48 ID:rAQ2h7MRO


  ◇


[防衛軍基地支部・小会議室]


平塚「…………昨夜日の暮れから、オーストラリアにメンシュハイトが大量発生した」


由比ヶ浜「また大量発生ですか……」


雪ノ下「……」


八幡「……」


平塚「ああ、また、だ。だが、今回はこれまでよりも規模が大きい。そして……」

平塚「特異な個体が目撃されている」


雪ノ下「5等級以上は確定なんでしょうか」


八幡「そのレベルならアメリカが軽々始末してくれてそうだけど」


雪ノ下「確かにそうね。……そもそもあの大進行から5等級なんてあちこちで目撃・撃破されているはず。ただ5等級が出ただけで騒いだりはしない…………」


由比ヶ浜「…………もしかして……4等級越えだったり……?」


平塚「今の所詳細は不明なんだ。しかし、その可能性は大いにあるだろう……」
95 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:00:21.64 ID:rAQ2h7MRO


八幡(等級とはメンシュハイトにつけられたランクだ。種類は6等級から1等級まで用意されており、数が小さくなればなるほどにヤバい)

八幡(普段みるメンシュハイトは6等級。ごく稀に5等級が現れる)

八幡(6から5にかわっただけだが、たった1等級の幅はかなり大きい。マグニチュードとかそのレベルだ)

八幡(人類史で最も手強かったメンシュハイトの等級は3等級。第一次大進行の際に出現したとされる)

八幡(各国が総力を挙げて討ち倒し、世界滅亡は免れた)

八幡(なんでそんな強い奴が1等級じゃないのか。それは、「最悪の事態」を想定しているからだろう)

八幡(テストの返却時に「どうせ低い点数だろうなぁ」なんて予防線を張っておくことで、実際に点数が低かった時のダメージを緩和するあの心理と一緒だろう。知らないけど)

八幡「……もしかして援軍っすか」


平塚「そうだ」
96 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:01:27.93 ID:rAQ2h7MRO


由比ヶ浜「えー……。4等級がいるかもしれないとこに行くとか……うわぁ…………」


雪ノ下「はぁ……」


平塚「そういうことだ」


八幡「……」
97 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:03:11.43 ID:rAQ2h7MRO


[オーストラリア北部・森林]


八幡(くそ暑い……。雨降ってないのはいいけど流石にきついぜ……)

八幡(視界は悪いし蒸し暑い。もう装備捨ててぇよ)

八幡(今進んでんのは……150名くらいか。顔合わせの時には200名近くいたから残りは後ろか)

八幡(まず平塚隊の人員が奉仕部だけってなかなか問題だよなぁ。あいつら2人ともバックアップ専門だし、戦闘員とかほぼ俺だけでやってるぞ)

八幡(まあでもあいつらの増幅回路と支援がなきゃろくに立ち回れないんだけどな。マジで三位一体。三人寄れば文殊の知恵)

八幡「なぁ、そっちのバックアップが集まってるとこってどうなってんの?」


雪ノ下『ほとんど本部の管制室ね。緊張感がすごくて呼吸が苦しいくらいだわ』


由比ヶ浜『ほんとだよー。てか外国の人、歳同じくらいなはずなんじゃないの? 大人ばっかだよ』


八幡「それが世界の基準だ。日本人は童顔なんだよ」


雪ノ下『メキシコサラマンダー…………いわゆるウーパールーパーに見られる幼形成熟ね」


由比ヶ浜『え?? どういうこと?』
98 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:04:32.21 ID:rAQ2h7MRO


八幡「外人が老けてんじゃなくて、日本人の見た目が若いってことだ」


由比ヶ浜『あー、なるほどー』


雪ノ下「言ってること始めと同じじゃない……」


女性の声『────────────!!』


八幡「うわっ!」

八幡(なんだ外国語?)

八幡「どうした!」


由比ヶ浜『あはは、なんかヒッキーの心拍数が安定しすぎてて、緊張感が欠けすぎてるって注意されたっぽい』


八幡「あーなんかモニターをまとめ監視してる人とかか」

八幡「てかなんで言葉わかったんだ?」


雪ノ下『こっちのディスプレイに日本語で送られてきたわ』


八幡「なるほどねぇ……」

八幡「じゃ、気ぃ引き締めて行くか」


由比ヶ浜『うんっ!』


雪ノ下『ええ』
99 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:06:14.72 ID:rAQ2h7MRO
八幡(あれから何時間経ったんだ……)


雪ノ下『比企谷くん、後方は他の隊員が始末したわ』


八幡「了解! おら!(ザシュッ!)」


メンシュ「ガァァ……!」


メンシュ「ぐっ……うっ!」


由比ヶ浜『やっぱその武器強いねー』


八幡「だよな。全然壊れそうにないし好き放題振れる」

八幡(前に5等級を始末した際に、もっとも貢献した俺の部隊に、報酬でそのメンシュハイトの死体が贈与されたが、マジでラッキーだったわ)

八幡(まぁまず死体を研究してからこっちに渡すって話だったから、しばらくしてようやく届き、そして加工されたのがこの刀)

八幡(他の国でも5等級となると弾丸にして消費するのはもったいないからと、ダガーとか装備の一部に組み込んだりとかしてるらしいしな)

八幡(でもよりによって刀とは……開発部はわかってるぜ……)

八幡(刀をぶん回して無双するのは男のロマンだからなぁ)
100 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:07:57.14 ID:rAQ2h7MRO


雪ノ下『2時の方向から一体。銃で大丈夫』


八幡「おう。(パンッ)」


メンシュ「ガッ……!(パタッ)」


由比ヶ浜『そろそろ減ったかな』


雪ノ下『前衛部隊はまだ交戦中みたいだけれど、しばらくは落ち着けそうね』


八幡「発生源の中心部には後どのくらいで着くんだ」


由比ヶ浜『今の進軍ペースなら1時間くらいかな』


八幡「了解」


雪ノ下『ん、もう少し進んだ場所に川があるからそこで数分の休憩をとるそうよ』


八幡「あー、川あるわあそこか」
101 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:09:52.81 ID:rAQ2h7MRO


八幡「ふぅ……」


八幡(やっと休憩か……)


八幡(ここに来るまで交戦ばっかりだったけど、他の国の奴ら強すぎて全然ペースが落ちない)

八幡(俺もだが、みんなほとんど疲労はないみたいだな。これなら異常発生が収まるまで殲滅し尽くせそうだ)

八幡(しかしこいつら、本当に俺と同じくらいの歳かよ……。髭生やしてるやつなんて30代のおっさんにしか見えねぇよ)


由比ヶ浜『ヒッキー!』


雪ノ下『比企谷くん!』


八幡「どうした」

八幡(他の奴らにも連絡が入ったみたいだな。みんな耳に装着した無線の指示を聞いてる」


雪ノ下『ありえないほどのゼイレを保有する個体が観測されたわ! おまけにそちらに接近中』


八幡「なっ!」


由比ヶ浜『これ、平塚隊長の言ってたやつっぽい。……今度はちゃんと観測できてる』

由比ヶ浜『……推定等級は………………2等級……………………』


雪ノ下『………………』


八幡「んなっ……馬鹿な…………」


雪ノ下『…………いま審議が行われているわ。おそらく、すぐに撤退の指示が出されるでしょうね』


由比ヶ浜『だからもう動けるように準備してて!』


八幡「オーケー……」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 21:10:53.30 ID:U0qw6ijeO
小町と母親だけじゃ心配な比企谷家に川崎家を受け入れる展開じゃないのを見て読むのをやめました
103 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:11:47.20 ID:rAQ2h7MRO

八幡(重装備ではないから、2、3個装備を付け直してポーチを装着して……これでいいか)

八幡(ほかの隊員たちも動けるように準備してる。それにさっきまで静かだったのにざわめきが大きい)

八幡(マジで2等級なんてのが来るのか……? 観測機の故障を祈るばかりだ)


影「サーーッ」


八幡「!?」

八幡(今、地面を滑るように影が動いていった……)

八幡「(バッ)」

八幡「……なッ」

八幡「雪ノ下……由比ヶ浜、空に……なにか居る……」


雪ノ下『そんな…………』


由比ヶ浜『うそ………………』


八幡「おい!」

八幡(周りもざわめき出した。ん!? 空の にいた奴が降下してる)


???「(スタッ……)」


八幡「謎の個体、河原の岩に着地した。戦闘態勢に入る……」
104 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:13:34.12 ID:rAQ2h7MRO

八幡(真っ白な……メンシュハイト? ここからじゃちょっと遠くてやっきり見えない)

八幡(ほかの隊員たちもすでに戦闘態勢に入っている)

八幡(……すげぇ緊張感だ。この場にいる全員が白いメンシュハイトの一挙手一投足を監視している)


雪ノ下『比企谷くん…………こちらのレーダーで追っていた件のメンシュハイトの反応が消失したわ…………』

雪ノ下『……そして、その場所への出現が確認された。推定2等級のメンシュハイト…………』


八幡「……指示は」


雪ノ下『……待機、だそうよ』


由比ヶ浜『……いきなりのことで審議が止まっちゃったみたい……。とりあえず指示が出るまではなるべく動かずその個体を刺激しないようにって』


八幡「了解……」

八幡(全員が銃を向け、息を飲んでいる。ヤバい。鳥の声もしねぇし、風も起きねない。静かすぎで鼓膜の裏から心臓の音が聞こえてくる)

八幡(くっそ……。なるべく動かないようにって、こんな緊張状態何分も続けられねぇよ。早く指示を…………)


男性隊員「はぁッ……はぁッ……」


八幡(なんだあいつ……。わりと近くの男の隊員がめちゃくちゃ震えてる)
105 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:15:05.41 ID:rAQ2h7MRO
男性隊員「はぁッ……はぁッ(ガチャ)」


八幡(銃を構えなおした……。あいつ呼吸が乱れまくってるが大丈夫か……? 周りにいる同じ部隊は白いメンシュハイトに釘付けで男の体調が悪いことに気づいてない……)


男性隊員「はぁッ……はぁはぁはぁ(ギッ……)」


八幡(人差し指が動いてる……まさか引き金を……!?)

八幡「おい! やめ──」


銃声「パァン!」


八幡「(バッ)」

八幡(着弾……したのか?)

八幡(出血したのかどうかも確認できねぇな)


白メンシュハイト「(チラッ)」

レーザー「ビィィンッ!」

 ──バキバキバキィッ!


八幡(極大レーザーの攻撃!? ……隣の部隊が森の一部とともに消滅しちまった…………。なんて破壊力だ)


男性の声「うおおおおおお!」


男性の声「ファイァァアアアア!!」


八幡(待機って指示だろうが!)
106 : ◆hr9g98PXaA [sage saga]:2017/09/25(月) 21:16:40.69 ID:rAQ2h7MRO
八幡(巻き込まれないように伏せておくか(バッ))


──ドドドドドンッ!!

──ビィンッ!!


雪ノ下『比企谷くん!!』


由比ヶ浜『ヒッキー!!』


──バキバキバキバキ!!

──ドドドドドンッ!!

──ビィィィンッ!!

 …………


八幡(銃声が減っていく……戦力がジリ貧だ……)

八幡(早く! 早く収まれ!)


レーザー「ビィィン!」


八幡「うおお」

八幡(あ、頭の上をレーザーが横切った……。あっぶねぇ……)


──ドンッ!


八幡「爆発っ!?」


由比ヶ浜『今の(ブチッ)』
107 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/25(月) 21:18:17.57 ID:rAQ2h7MRO


 ──ヒュー


八幡(よりにもよってメンシュハイトの方に飛ばされてる!)

八幡「(ドサッ!)」

八幡「痛っ……!」

八幡(ああ、これ、ダメな奴だ……。爆発と落下のせいで怪我が……)

八幡「………………あ?(チラッ)」


白メンシュ「(チラッ)」


八幡(女の子……? ほとんど人間と同じ姿じゃないか…………)

八幡(…………こんな女の子を……。場違いな感情なのかもしれないが…………可哀想……だろ…………)


白メンシュ「(スッ……)」


八幡(なんで……そんな………………悲しそうな顔、するんだ……………………(ガクッ))
108 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:19:54.43 ID:rAQ2h7MRO
続きは明日の夜に……
ほな、また……
109 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/26(火) 20:54:33.89 ID:0DhoCUkQO

[病院]

川崎「はぁ……はぁ……(ダダダッ)」

川崎「はぁ……ここ、か…………」

扉「ガラガラ」

川崎「失礼……します……」


 ──ピッ……ピッ……ピッ……


八幡「………………」


川崎「あ……あぁ……………………(ポロポロ)(フラフラ)」


八幡「………………」


川崎「ごめんなさい…………(ガクッ)」

川崎「比企谷…………(ぎゅっ)」
110 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 20:55:54.19 ID:0DhoCUkQO


川崎(1週間ずっと昏睡状態って聞いたけど……)

川崎(絶対に目を覚ます……よね)

川崎(このままずっと起きないなんてことはないはず)


扉「ガラガラ」


小町「……あ、沙希さん。来てたんですね」


川崎(こいつの妹の……)

川崎「う、うん」


小町「……わざわざありがとうございます(ペコッ)」


川崎「いや、別にそんな……」


小町「…………唐突なんですけど沙希さん」


川崎「な、なに」


小町「結婚とか考えてます?」
111 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 20:57:05.71 ID:0DhoCUkQO


川崎(けけけけけけ、結婚?)

川崎(結婚って婚姻のこと……だよね……)

川崎(結婚……なぜ結婚……)

川崎「ま、まぁ一応は……」


小町「そうですか……」


川崎「ど、どうして?」


小町「いえ、なんとなく気になったので」


川崎「そ、そう……」

川崎「(チラッ)」


八幡「………………」

──ピッ……ピッ……ピッ……


川崎(結婚……か……)


小町「(ジッ……)」


川崎「(クルッ)」


小町「(スッ……)」
112 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 20:58:39.18 ID:0DhoCUkQO


川崎「お花とか持って来た方がいいよね。あたし急いでたから何も持って来てなくて……」


小町「気にしなくて大丈夫ですよ。お兄ちゃんは交友関係がミジンコの全長より狭いので人が来てくれただけで喜びます」


川崎「そ、そう……」

川崎(言い過ぎじゃない? でもこんな冗談が言い合えるくらい仲がいいってことかな)

川崎(人にはブラコンブラコン言うくせに……)

川崎(というかこいつの話ではちょっと病んでるみたいな感じだったけど……けっこう普通に見える。取り繕ってるだけ……かも知んないけど)

川崎「……いつ頃に目が覚めるかとか……わかんないかな」


小町「それがまったく。体の怪我の方はあと2、3ヶ月はかかるそうですけど」
113 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 20:59:41.17 ID:0DhoCUkQO


川崎「そんなに……」

川崎(前線で戦ってるから常に命の危険があるんだ……命があっただけマシなのかもしれない)


小町「じゃ、小町は帰ります。沙希さん、またお兄ちゃんに会いに来てくださいね!」

扉「ガラガラ」


川崎「……うん。また来るよ」


小町「ありがとうございます! それでは!」

扉「ガラガラバタン」


川崎「次来るときは……お花、持って来るから」


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……
114 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:01:15.73 ID:0DhoCUkQO


[病院]


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……


川崎(もうすこしで2週間か……。こいつが戦地で倒れてから3週間になるのかな)

川崎(毎日通ってるけど、一向に目を覚まさない……)

川崎「ねぇ、いつになったら目を覚ますの?」


八幡「………………」


川崎「…………」

川崎「……そういえば今朝はあんたのお母さんが来てたよ」

川崎「すっごく疲れてた。……それに泣いてたよ」

川崎「あんたが早く起きないと、あんたのお母さんも小町ちゃんもつらいよ」

川崎「…………あたしも、つらいんだから……」


八幡「………………」
115 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:02:32.94 ID:0DhoCUkQO


川崎「……この先、何日も、何週間も、何か月も、何年もこのままなんて…………嫌だよ………………」

川崎「……またいっしょに……デートしたいよ………………」

川崎「もっとたくさんお話ししたいよ…………(ポロポロ)」

川崎「ねぇ…………」


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……
116 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:03:40.23 ID:0DhoCUkQO


[川崎家]


川崎「……ただいま」


大志「姉ちゃん!」


川崎「……ん?」


大志「ニュース見た!?」


川崎「いや……」


大志「なんか、インドで1等級のメンシュハイトが出たらしいんだよ!」


川崎「いっ、1等級?」

川崎(最近オーストラリアで、初の2等級が出たって話だったのに……)


川崎(人が勝てる相手なの……?)
117 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:04:43.06 ID:0DhoCUkQO


[奉仕部部室]


雪ノ下「どうぞ」

紅茶「コトっ」


由比ヶ浜「ありがとゆきのん」


雪ノ下「先生もどうぞ」

紅茶「コトっ」


平塚「悪い」


雪ノ下「(スゥ……)それで、どうして比企谷くんを一般の病院へ? 軍の方で様子を見た方が良かったのではないですか?」


平塚「あいつの家族の状態を考えるとなぁ。あの家族から比企谷まで取り上げてしまったら、もう元どおりにはならないだろうからなぁ」


由比ヶ浜「……ヒッキーのお家でなにか……?」


平塚「………………。父親が行方不。母親は日常生活に支障が出るほど精神を病み、妹も若干病んでしまっている」

平塚「比企谷がいてどうにか形をとどめている」

平塚「寝たきりになってしまって、すこし不安定になっているかもしれないがな……」
118 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:05:48.67 ID:0DhoCUkQO


由比ヶ浜「そうだったんですか……」


雪ノ下「病室であった時にはそのような素振りはありませんでしたが……」


平塚「比企谷がお前たちに自分の傷を晒したことがあったか?」


雪ノ下「…………」


由比ヶ浜「…………」


平塚「そういう兄弟なんだよ、彼らは」

平塚「それよりも……あいつが欠けてしまって私らの部隊は休暇か……」


由比ヶ浜「いつも使ってる小会議室すら使わせてもらえませんしね……」


雪ノ下「他の機能しない部隊も、無理やり休暇を取らされたようだし……一体なんなのかしら」


由比ヶ浜「他の部隊と統合とかはないんですか? さすがに人手が足りてないのに隊員を休ませるって効率が悪い気がするんですけど……」
119 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:06:50.69 ID:0DhoCUkQO


平塚「まぁ……上が、防衛軍のブラック化を防ぐために尽力してるんじゃないか?」

平塚「適当に違う環境に放り込んだり、精神をすり減らしているやつの精神をさらに削ったりして、簡単に人を使い潰せないのさ」

平塚「なかなか替えのない仕事だからなぁ」


由比ヶ浜「日本企業の闇が垣間見えちゃった……」


雪ノ下「しかしこれからどうしましょうか……」


由比ヶ浜「なんも仕事させてくれないしねー(ぐだー)」


平塚「そうだな……」

平塚「他の休暇中の部隊は……慰安旅行、鍛錬、復興の手伝いなんかをしているな」


由比ヶ浜「ヒッキーがいないのに慰安旅行はちょっとね」


雪ノ下「鍛錬といっても私たちは戦闘員ではないから適切ではないわね」


平塚「なら、……復興の手伝いだな」

平塚「念のために装備やらは持って行こう」
120 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:08:10.02 ID:0DhoCUkQO


[テレビ]


ニュースキャスター「インドで出現した推定1等級のメンシュハイトですが、依然として東北東に進み続けています」

ニュースキャスター「このメンシュハイト、ときおり姿を完全に観測できなくなるそうですが、どういったことが起きているのでしょうか」


防衛軍幹部「彼らは異次元からやって来ていると言われています。ですので、元の世界とこちらの世界を彷徨っているのだと考えられます」

防衛軍幹部「他には瞬間移動だとかゼイレ化しているだとか、様々な予想がされています」

防衛軍幹部「しかしながら、決定的な証拠がなく憶測の域を出られません」


ニュースキャスター「そうなんですか……」

ニュースキャスター「それと、このメンシュハイトの進路についてですけれども、もしかすると日本へ到達するのでは、と言われています」

ニュースキャスター「メンシュハイトが海をまたいでやってくることはありえるのでしょうか」
121 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:09:23.64 ID:0DhoCUkQO


防衛軍幹部「少なくともこれまでの記録で海を越えたということはないです」

防衛軍幹部「ですが、今回出現した推定1等級のメンシュハイトに、私たちの常識がどれだけ通用するのかはわからないです」

防衛軍幹部「メンシュハイトが我が国へ来ることはないなどと無責任に断言することはできません」

防衛軍幹部「国民の皆様は、『もしも』を想定し、近くの避難所や避難経路の確認、そして備蓄もしっかりとしましょう」


ニュースキャスター「はい。といことで、続いてはメンシュハイト襲来の際の対応と、非常食の──」
122 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:10:10.95 ID:0DhoCUkQO


[テレビ・中国からの中継]


リポーター「な、なんということでしょう!」

リポーター「インドに出現後、ネパールを横断し中国に突入したメンシュハイトですが、中露合同の部隊が壊滅状態に陥りました!」

リポーター「危険区域ギリギリの場所でカメラを回していますが! すぐ近くまでメンシュハイトが来ているのか、轟音と揺れが大きくなっています!」

リポーター「ッ!? あっ、あれは! メン──(ブチッ)」
123 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:11:01.28 ID:0DhoCUkQO


[テレビ・中国からの中継]


ニュースキャスター「えー、推定1等級のメンシュハイトは中国国土を東へ横断し、日本海へと近づいている状況です」

ニュースキャスター「中国からの応援要請により、各国の防衛軍が中国へ向け──」
124 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:11:35.14 ID:0DhoCUkQO


[マンション]


平塚『……緊急の召集がかかった。ただちに支部へ来るように』


雪ノ下「…………はい」
125 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:12:38.52 ID:0DhoCUkQO


[病院]


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……


由比ヶ浜「……はい。わかりました。すぐに行きます」


川崎「…………結衣、あんた………………」


由比ヶ浜「………………」

由比ヶ浜「…………このトランクケース、ヒッキーの装備が入ってるの(チラッ)」

由比ヶ浜「………………いちおう置いてく。もし……、もしヒッキーの身が危なくなったら……」


川崎「…………あたしが守る」


由比ヶ浜「…………うん」

由比ヶ浜「……それの中に入ってる銃は無理だと思うけど、剣なら使えると思う」

由比ヶ浜「でも、危なくなったらまず逃げて」

由比ヶ浜「……ヒッキーを…………お願い(バッ)」
126 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:13:44.02 ID:0DhoCUkQO


川崎(あ、頭下げなくても……)

川崎「…………うん」

川崎「…………………………命に代えてもあたしが守る」


由比ヶ浜「………………それじゃっ(ダッダッダッダッ)」


川崎(……結衣、泣いてた……)

川崎(もしかして…………(チラッ)」


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……


川崎(……そっか………………)

川崎「…………絶対に守るよ」

川崎「あんたがあたしを守り抜いたみたいに……」

川崎「…………今度はあたしの番……だね(ぎゅっ)」


八幡「………………」


川崎「……好きだよ………………八幡……………………」


八幡「………………」
127 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:14:26.73 ID:0DhoCUkQO


[  ]






















八幡(……………………………………)













八幡「………………………………声……………………………………?」















128 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:15:49.15 ID:0DhoCUkQO


[防衛軍基地本部]

 ──ガヤガヤガヤガヤ

観測員「メ、メンシュハイトの反応消えました!」


司令官「またか!?」

司令官「……アメリカの軍は捉えていないのか」


観測員B「……どの国の観測機も捉えられていないようです」


海老名「……ヤバいですよーこれかなりヤバいです!」


司令官「どうした!」


海老名「対象のゼイレと思わしき波長がですね…………」


司令官「まさか…………」


 ──ガヤガヤガヤピタッ……


海老名「……韓国にて……観測されました………………」

海老名「…………数秒後に実体化すると思われます」


司令官「………………いよいよまずい状況になってきたなぁ……(グッ……)」
129 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:16:46.93 ID:0DhoCUkQO


[病院]


  ──ビーーーーッビーーーーッ


川崎「な、なに?」

川崎(外から聞こえるけど何かの警報?)

窓「ガラガラッ」


 ──ビーーーーッビーーーーッ


アナウンス『推定1等級のメンシュハイトが日本に出現しました』

アナウンス『場所は、中国地方、鳥取』

アナウンス『繰り返しお伝えします──』


川崎「あ、ああ……嘘…………」


八幡「………………」
130 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:17:34.23 ID:0DhoCUkQO


[比企谷家・リビング]


小町「…………(ジーッ)」


アナウンサー『ええ、メンシュハイトは上陸後北上を続け、現在は岐阜県に突入したところです(焦)』

アナウンサー『凄まじい速度で移動を続けています(焦)』

アナウンサー『このまま都心部へ進行する恐れがあり、国は──』


小町「…………(ジーッ)」
131 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:18:42.14 ID:0DhoCUkQO


[ゲームセンター]


 ──ガンガンガンガン♪


戸部「っべー! 隼人くん今の警報聞いたっしょ!? アイツ静岡まで来てんだって! これマジで千葉来ちゃうんじゃね!?」


大和「そんな縁起でもないこと言うなよ……」


葉山(姫菜からメール……?)

葉山(ポチポチ……ポチ……)

葉山(「今すぐ避難して!」…………か)


大岡「これって避難とかした方がいいんじゃね?」


戸部「それな!」


大和「さすがに千葉には来ないと思うんだけどなぁ……」


大岡「念のためだって!」


戸部「………………海老名さん今どこいんだろ……(ボソッ)」


葉山「…………」
132 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:19:40.42 ID:0DhoCUkQO


[防衛軍基地支部]


平塚「まっずいなぁ…………」


雪ノ下「どうされたんですか?」


平塚「静岡の東端でメンシュハイトの反応が消えたそうだ」


由比ヶ浜「ま、まさか………………」


平塚「…………千葉にやって来る可能性がおおいにある」


由比ヶ浜「そ、そんな……」


雪ノ下「わ、私たちはどうしたら……」


平塚「ゼイレの供給要員……くらいだな。比企谷がいないのではそのくらいしかできないだろう……」


由比ヶ浜「ヒッキー…………」


雪ノ下「……比企谷くん……」
133 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/26(火) 21:22:25.00 ID:0DhoCUkQO


[病院]


 ──ビーーーーッビーーーーッ

アナウンス『推定1等級のメンシュハイトが千葉県に出現しました』

アナウンス『県民の皆様は、落ち着いて、速やかに──』


川崎「そっそんな………………」

川崎「(チラッ)」


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……
134 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:25:52.00 ID:0DhoCUkQO
書き溜めてた分は全部投稿したから次から更新の量は少なくなると思う
また明日の夜に…… ほな、また……
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/26(火) 21:50:22.62 ID:TEgh4lXLO
おつ
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/26(火) 23:54:34.38 ID:zVZPvqC+O
なぜオリジナルでやらないの?
137 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 06:14:34.06 ID:qdIwBeIGO
>>135
ありがとう!
138 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 06:18:10.83 ID:qdIwBeIGO
>>136
HACHIMANを書きたかったのと、八幡川崎も書きたかったから一緒に書いたンゴ……
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 15:01:23.16 ID:ZWoVKnFDO
ええんやで
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 15:43:07.32 ID:52e8JPUB0
おもろいやん
141 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:02:48.57 ID:R7ZbQ7ePO


[  ]


 醜い。目に映る景色はどこを見ても異様で吐き気を誘う。

 空は血を啜(すす)ったような深紅。建造物は内蔵で形作られたかのようで脈動(みゃくどう)している。


 私は……何を…………。

 脳の奥に霧がかかり、記憶を探ろうとすれば頭痛がした。

 ああ、気持ちが悪い。

 呼吸すらままならないほど空気が汚い。

 私を取り囲む何もかもが、汚い。

 ──こんな醜悪(しゅうあく)なものは壊してしまえ。


 私が腕を振るうと、周囲に立ち並ぶさながら臓器のようや建造物が弾け、飛び散った。

 世界からすこし、汚物が減った。


 私は世界を浄化させたのだ。

 もっと、もっとこの世界から醜さを奪い、美しさを取り戻さなければならない。


 私は必死に腕を振るう。


 刻一刻と、穢(けが)れた空気は私の肺を蝕(むしば)む。

 滾(たぎ)る魂の熱が冷めぬうちに、わずかでも目に映る不浄なすべてを取り除きたい。

 その一心で私は進む。
142 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:03:57.96 ID:R7ZbQ7ePO


 つまめるほどの小さな輝く玉が、流星群のように私の体を捉(とら)えた。


 この輝き……懐かしい。

 そして、美しい。


 暗く醜い世界でただこれだけが煌めいて、清々しい。


 そしてまた光の群れは、数え切れぬほどに私へと吸い込まれる。


 光の出所を見遣れば、人の形をとった異形の生き物が立っていた。

“それ”の構える何かから光は発生しているらしい。


 なぜだろうか。もう体が動かない。

 ただ、孤独な私の中には暖かな懐かしさがあった。


 倒れる。気持ちの悪い地面へ体が打ち付けられる。

 ──いや、気持ち悪くなどない。これは……。


 ……これは、アスファルト、だ。


 弱り、自己が薄れゆく中、異形な生き物を見上げる。


 銃を手にした若い少女が立っていた。

 もちろん、人の子だ。


 朧(おぼろ)げな視界で空を見た。


 白い瞬(またた)きが散らされた濃紺の空には、大きく輝く銀の月が浮かんでいた。

 その空に違和を覚える。


 私はもう眠ろう。


 閉じた瞼はもう開くことがなかった。
143 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:12:10.63 ID:R7ZbQ7ePO
↑俺ガイルに関係ない人物だから書き方変えたけど気にしないでええで
144 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/27(水) 18:17:26.43 ID:R7ZbQ7ePO


[病院]


 ──ドゴォォォン!


川崎「!?」

川崎(もしかして近くに来てるの!?)

川崎(ど、どうしよう……)


 ──ドタドタドタ!


女性「キャァァァァアアア!!」


女性「皆さん押さないように!」


男性「さっさと行け!(怒)」


子供「お゛母゛さ゛ぁ゛ぁぁぁん(号泣)」


川崎(え、もしかして避難してる?)

川崎(でも下手に動いたらどうなるか……)

川崎(それにピンポイントでこの病院の近くを通るとは思えないしじっとしておくべきじゃないかな……)
145 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/27(水) 18:20:52.58 ID:R7ZbQ7ePO


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……


──ドゴンッ!!


川崎(揺れ!? かなり大きい!)

川崎(もしかしてこの病院にめちゃくちゃ接近してる……?)

川崎「…………ッ」


 ──ゴン! ドン!

川崎(揺れが大きくて立ってられない…………。仕方ない)

川崎「(スタタッ)」


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……


川崎「ごめんっ!(ブチブチッ)」

川崎(点滴とか勝手に取るのはまずいのかもしれないけど、これがあると逃げられない!)

川崎「……ッ、よっこいしょ…………重…………」


八幡「………………」
146 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/27(水) 18:29:44.22 ID:R7ZbQ7ePO
川崎(ていうか筋肉すご…………(照)。防衛軍だから鍛えてるのか…………)

川崎(そんなことより! トランクケース!(ガッ)」

川崎(これも重い…………)

川崎(でも持って行かなきゃ…………(ズッズッズッ))

扉「ガラガラ」

川崎「(ズッズッズッ)」


男性「(ドカッ!)」


川崎「痛っ」

八幡「(ドサッ)」

トランクケース「ゴトンッ」


男性「邪魔だクソ女!」


川崎「……(憤怒)」


男性「ひっ(ダダダッ)」


川崎「ごめん…………」


八幡「………………」


川崎「よいしょ……」

川崎(背負い直すのも体力使うなぁ……。そうだトランクケースも……(ガッ))

川崎「…………(ズッズッズッ)」
147 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:39:22.83 ID:R7ZbQ7ePO


[病院玄関]


川崎「はぁ……はぁ……」

川崎(どうにか外に出れた……)

川崎(いろんなとこで煙が上がってる……)

川崎(どこに逃げ──」


 ──ドガンッッ!!!


川崎「(グラッ!)」

川崎(やばっ、倒れそう!)

川崎「(バッ!)」

川崎(う、嘘……病院が崩壊して瓦礫が……(チラッ))


八幡「………………」


川崎「ごめんっ!(ひょい!)」


八幡「(ドサッ!)」


瓦礫「ドガァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!! …………」
148 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:53:37.89 ID:R7ZbQ7ePO


[防衛軍基地支部]


由比ヶ浜「あ…………そんな………………」


雪ノ下「……………………ッ」


平塚「なぜよりにもよってあの病院を……ッ」

平塚「くそっ!」


由比ヶ浜「どうしよう…………ヒッキーも……沙希も……………………あぁ………………(ガクッ)」

由比ヶ浜「あの場に残さずに…………無理にでも基地に連れて来るべきだったんだ…………」


雪ノ下「……………………」

雪ノ下「…………そんな簡単に諦めてはいけないわ」

雪ノ下「2等級メンシュハイトに誰よりも接近したのにも関わらず死ななかった男なのよ…………」

雪ノ下「こんな簡単に死ぬはずない……」


平塚「…………」


雪ノ下「私は比企谷くんと川崎さんを信じるわ」

雪ノ下「私たちは今やるべきことをやりましょう」


由比ヶ浜「………………」

由比ヶ浜「…………………………うん」


平塚「…………私が行こう」


由比ヶ浜「えっ」


平塚「私ではゼイレの貯蔵は底が知れる。それに、現在指揮を執っているのは本部の奴らだ」

平塚「若者に混ざり微々たるゼイレを供給する人間がひとりいなくなったところで、戦況は変わらない」


雪ノ下「な、なら私たちもっ」


平塚「お前たちは残れ」

平塚「ではな…………(カッカッカッカッ)」
149 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 19:10:54.55 ID:R7ZbQ7ePO


[ゼームセンター前]


大和「おっ、おい、すぐ近くに来てるみたいだぞ!(ダッダッダッダッ)


大岡「ほ、ほら! やっぱさっさと避難しとくべきだったんだ!(ダッダッダッダッ)


葉山「そんなことより走れ!(焦)(ダッダッダッダッ)」


戸部「んなわかってるべー!(ダッダッダッダッ)」


瓦礫「ドガァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!! …………」


大岡「なんだっ!?」


葉山「病院が……」


戸部「そんな……粉々に…………」


大和「……病院ってことは…………病人が………………」


大岡「そんなの気にすんな! 自分の命優先だ!」


大和「…………ッ」


戸部「…………ッ」


葉山「…………ああ、そうだ。まずは自分の命を最優先で守らなくちゃいけない(……グッ)」

葉山「だから今は走れ。人を助けるのは自分が助かった後だ……」


戸部「ああ」


大和「おう」


大岡「お、おう! それが正しい!」
150 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 19:56:16.02 ID:R7ZbQ7ePO


[防衛軍基地本部]


観測員「対象、現在千葉で暴れまわってます!」


司令官「くっ……どうにかここで東京への進行を食い止めなければ…………」

司令官「もし東京にこの規模の被害があれば…………日本は機能しなくなるぞ…………」


 ──シーン……


海老名「あっ優美子?(ボソッ)」


三浦『なに?』


海老名「今何中?(ボソッ)」


三浦『……ゼイレの回復待ちだけど』


海老名「今千葉にメンシュハイトが来てるんだけど、メンシュハイトのそばに……」


三浦『……………………もしかして隼人?』


海老名「……うん。戸部くんたちと走ってる」


三浦『ちょっとその映像こっちに寄越して』


海老名「りょーかい」
151 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 20:01:01.93 ID:R7ZbQ7ePO
[住宅街]


戸塚「えほっえほっ……」

戸塚(復興のお手伝いに来たのに……なにこれ………………)

戸塚(メンシュハイトが近くを通ったせいで通り道にあった大きな病院が………………)

戸塚(病院には怪我した人たちがたくさん………………助けに行かなきゃ……!)
152 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 20:12:50.62 ID:R7ZbQ7ePO


[病院玄関・瓦礫下]


川崎「んっ…………」

川崎「いったぁ…………」

川崎(全身がズキズキする……)

川崎(比企谷は……!)


八幡「………………」


川崎「……よかったぁ…………」

川崎(背負ったままだと庇えないからとっさに地面に投げちゃったけど……なんとか生きてるみたい……)

川崎(あれ、瓦礫に埋もれてるはずなのにそんなに重くない……それに光も…………)

 ──ガバッ!

川崎「うっ……まぶしっ……」


戸塚「川崎さん!?」


川崎「あ、とっ戸塚?」


戸塚「うわぁ傷だらけ……。今出してあげるからもう少し頑張って! よいしょっ!(ドカッ)」
153 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 20:14:26.99 ID:R7ZbQ7ePO


川崎「う、うん……」

川崎(そういえば体が動かない…………瓦礫に挟まって動けるスペースがないんだ……)

川崎(戸塚が来てくれてなかったらどうなってたか……)


戸塚「よ……っ(ドカッ)。……出られる?」

右手「スッ」


川崎「……ん(コクッ)(ガシッ)」

川崎(んしょ……っ。出られた!)

川崎「ね、ねぇ、下に比企谷が!」


戸塚「えっ(バッ)」

戸塚「はっ、八幡!」


八幡「………………」


川崎(八幡…………)
154 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 20:28:39.43 ID:R7ZbQ7ePO


戸塚「川崎さん、僕じゃ力不足だから一緒に引っ張り出して欲しい」


川崎「わかった!」


川崎・戸塚「「よいしょ……っ、よいしょ……っ、よい……しょっ!」」


八幡「(ズズズ……)」


川崎「け、怪我はない……よね。良かったぁ……(ぐだっ)」


戸塚「でも川崎さん……川崎さんの体……」


川崎「…………いいよ。あたしは」

川崎(破片で身体中切っちゃったけどこのくらい……)

川崎(アドレナリンだっけ。それのおかげであんま痛くないし)

川崎「あれ(グラッ)」


戸塚「あっ、危ない!(ガッ)」


川崎「……あ、ありがと…………」


戸塚「無理しちゃダメだよ……。メンシュハイトはまだ近くにいるけどもう戻ってくるとは思えないからここで八幡と休んでて」


川崎「うん……」


戸塚「それじゃ(タッタッタッ)」


川崎(他の人を助けに行っちゃった……)

川崎(それにしても……よく潰されて死ななかったなぁ……(チラッ)」

川崎(ああ、病院、完全に崩壊したんじゃなくて上の方が崩れちゃっただけか……)

川崎(不幸中の幸い、か)
155 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/27(水) 21:07:48.94 ID:R7ZbQ7ePO


平塚「川崎!」


川崎「平塚先生!? どうしてここに?」


平塚「お前……その傷…………」


川崎「あたしは大丈夫です」


平塚「そうか……比企谷は?」


川崎「大きな怪我はしていないですね……」


平塚「はぁ……心配かけさせて……」

 ──ピピピピピ

平塚「失礼」


川崎「いえ」


平塚「はい。こちら平塚。…………な……っ! では近隣の…………いや、しかし……………………………………」

平塚「………………了解しました」


川崎「…………どうかしました?」


平塚「………………奴の進路上に大規模避難所がある…………」

平塚「……避難所は最高でも2等級までを想定して作られた建造物だ」

平塚「…………」


川崎「じ、自衛軍の人は!?」


平塚「…………あのメンシュハイトを追って、衝突のたびに壊滅させられている…………」

平塚「あのメンシュハイトが大規模避難所へたどり着く前に駆けつけられる隊員は……私と……」

平塚「…………比企谷しかいない」
156 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 21:50:16.86 ID:R7ZbQ7ePO
続きは明日の夜に…… ほな、また……
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 22:56:07.11 ID:cHdOsK0So
おつ
158 : ◆hr9g98PXaA [>>157]:2017/09/28(木) 06:28:49.55 ID:7fdG0fQgO
サンクス!
159 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/28(木) 06:30:11.18 ID:7fdG0fQgO
>>155
自衛軍ちゃうくて防衛軍ンゴ……
160 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/28(木) 18:50:25.54 ID:zshRe47yO

川崎「で、でも……比企谷は…………」

川崎「先生じゃどうにかできないんですか!」


平塚「……ゼイレが衰え始めた私では到底戦力になり得ない」

平塚「…………だが、行かない理由にはならないな」

平塚「できないからやらないなど、そんな無様な姿は晒さない」


川崎「それなら行っちゃダメです……! そんな命を無駄にするような……」


平塚「……無駄ではないさ」

平塚「仮に私が死んだとしても、それは意義あるものだ」

平塚「ちょうど装備もあるようだし……(チラッ)」

平塚「借りるぞ、比企谷(ガチャガチャ)」


川崎「あ…………」


平塚「こいつは……なかなか食うな。数分持つか……?(シュッ)」

平塚「ではな」


川崎「待ってください!(ガバッ)」


平塚「…………待てないさ。私はあいつを止めなければならない(バッ)」


川崎「ッ」


平塚「……(ダッダッダッダッ……)」


川崎「嫌だ……どうして…………」
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 23:40:56.09 ID:ugiH8Cga0
次は川崎と付き合ってからの日常だけを書いてくれ
162 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 00:18:18.91 ID:3g8v4/+hO


[防衛軍基地本部]


観測員「だ、誰だ!」


司令官「……。なぜ大人が単身で向かっているんだ……あれでは………………」


海老名「…………先生……なんで…………」


司令官「たしか付近にあとひとり学生がいただろう!」


海老名「彼は2等級のメンシュハイトとの交戦で昏睡状態にあります……戦えるような体じゃ…………」


観測員B「くっ、援軍はまだか……これでは間に合わない…………ッ」
163 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 00:19:57.71 ID:3g8v4/+hO
すまんちょっと忙しくて書けなかった
あしたまた続き書くで
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 01:02:27.20 ID:55XMUQ40o
気を悪くしないでほしいんだが、本当に前半の日常パートは誰も文句言ってないんだよ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 01:37:59.87 ID:GpeQJtWBo
二次創作に文句て
信じられないくらいバカか
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 06:17:46.70 ID:8B8PqgLpO
>>161
どうしてもサキサキの人には見劣りするんで・・
167 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 07:30:13.43 ID:3g8v4/+hO
言い訳なんだがSS初投稿だからすこし大目に見てや……
168 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 07:35:56.40 ID:3g8v4/+hO
>>166
参考までにその作品教えてクレメンス
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 08:36:03.58 ID:GpeQJtWBo
あの人後半くどくなるから読まなくなったな
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 08:41:10.97 ID:cn/1meClo
八幡「初詣?」小町「うん!」
八幡「三つの謎?」
あと「しっぽ?」「見た?」ってやつはまだ続いてるんじゃないかな
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 08:49:38.37 ID:GpeQJtWBo
八幡「なんだ、かわ……川越?」沙希「川崎なんだけど、ぶつよ?」

八幡「クリスマスイベントが中止?」

この2つでアドリア海のエースになった人
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 10:15:04.67 ID:qD5XK5q2O
むしろ評価されてんのは居候の方じゃね?

でもこの人はクロスものとか非日常はやらないからここの>>1とは方向性違うでしょ
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 10:15:31.48 ID:seMaO/cro
おもしろい(小並感)
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 10:31:03.44 ID:cn/1meClo
結局好みが別れるから好きなのだけ読んどけっつーことだね
175 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 22:46:25.85 ID:kIOtHkUIO


[病院玄関]


川崎「ぁぁ………………」

川崎(どうしたら……………………)

川崎(………………)

川崎(………………ああ、そうだ。あまりのことで忘れてた)

川崎(あたしはこいつのことを守らなきゃいけない)

川崎(大人数の命をどうこうしようなんてあたし程度が考えたところでどうにもできないんだ)

川崎(……とにかく安全な場所へ…………)

川崎「……っ、よいしょ…………」

川崎(……………………遠くへ…………)
176 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 22:58:29.98 ID:kIOtHkUIO


[千葉大規模避難所]


 ──ゴォォォオオオン!


民衆「うわあっ」

民衆「きゃー」


大志(やっぱ姉ちゃん携帯とらねぇ…………(チラッ))

大志(姉ちゃん以外は家族みんな避難できたのに……)

大志(どこかに避難できてたらいいけど……)
177 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 23:07:05.71 ID:kIOtHkUIO


[商店街]


川崎「(ズキンッ)痛…………っ」

川崎「はぁ……はぁ……」

川崎(身体中が痛い……。さっきまでは気にならなかったけど、結構きつい……)

川崎(人気(ひとけ)がないし、2割くらいの建物が崩壊してる。心細くて気力もどんどん削がれる……)

川崎(足も頭も痛い。全身がズキズキして一歩踏み出すのが辛い)

川崎「はぁ……はぁ……はぁ……」

川崎(それでも歩かないと…………こいつは、あたしが守るんだ…………)
178 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 23:26:33.41 ID:kIOtHkUIO


八幡「…………か…………わ……さき………………」


川崎「!?」


八幡「…………下ろして……くれ……」


川崎「だっダメ! 今はとにかく逃げなきゃ……」


八幡「…………とりあえず、俺を置いて……携帯を見ろ…………」


川崎「…………なんで?」


八幡「……ずっと鳴ってたぞ。家族からじゃねぇのか」


川崎「っ!!」

川崎「…………一旦下ろすね」


八幡「ああ……(ドサ)」


携帯「ポチポチ……」

川崎「っ…………」

川崎(本当だ……何回も家族から電話が…………)

川崎(大志の留守電がある……聞いてみよう(ポチ)」


大志『もしもし姉ちゃん? 俺ら商店街の奥にある大規模避難所に来てる。もしこの留守電聞いたら折り返──』


川崎「嘘………………」


八幡「(ジッ……)」


川崎「嘘…………嘘……………………」

川崎「(クルッ)」

川崎(大志たちが…………あそこに…………?)
179 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 23:50:52.98 ID:kIOtHkUIO


八幡「どうしたんだ川崎」


川崎「………………」

川崎「大志たちが…………あそこの大規模避難所にいる…………」


八幡「………………」


川崎「大志も京華も……家族が……みんな…………」

川崎「そこに……1等級のメンシュハイトが…………向かってる……。でも、あの施設は………………最高でも2等級までを想定してるって…………だから……………………」

川崎「だから…………………………」

川崎「あああぁぁぁぁああああ……………………(ペタン)」

川崎(もう……何も考えられない…………)

川崎(大志が…………みんなが…………死んじゃう……………………)

川崎(終わりだ…………なにもかも………………終わりだ…………………………)

川崎(なんで…………どうしてあたしはこんなにも無力なの………………)

川崎「なんでっ……………………(ポロポロ)」


八幡「………………」


川崎「うっ………………うぅ………………(ポロポロ)」


八幡「………………」


川崎「みんなぁ…………あぁ……ひぐっ…………(ポロポロ)」


八幡「………………」


川崎「ごめん……えほっ……うぅ……………………ごめんなさい…………(ポロポロ)」

八幡「…………ッ」

八幡「………………(グググッ)」


川崎「んふっ、えほっえほっ…………うっ、あぁ…………(ポロポロ)」


八幡「……(スタ……スタ……)」


川崎「……ひぐっ…………うぅ…………うっ(ポロポロ)」


八幡「(ピタッ)」

八幡「川崎(ポンポン)」


川崎「うぐ…………んっ……?(ポロポロ)」


八幡「心配しなくていい……」

八幡「しばらくここにいてくれ」

八幡「……俺があいつを…………ぶっ倒す」
180 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/30(土) 00:41:16.87 ID:EkiK4F1EO


[病院前]


戸塚「あれっ、八幡!? 動いて大丈夫なの?」


八幡(瓦礫の下敷きになったぽい人が広い場所に座らされてる……。この全員を戸塚が……?)

八幡「ああ。なぁこのあたりでトランクケース見なかったか?」


戸塚「あれじゃないかな。落ちてた荷物はあそこに集めてあるから、あっちに置いてなかったらわからないな」


八幡「助かるぜ戸塚」


戸塚「いいよいいよ。それよりどうしてトランクケース?」


八幡「ちょっとな」

八幡(あった……!)

八幡(平塚隊長がなんかガチャガチャやってたが俺の刀だけ持ってったのか……)

八幡(先生のゼイレを考えると、武器と同時に装備の機能まで使えないからな……)

八幡(とりあえずこれを装着してっ(ズババッ)」


戸塚「えっ……」


八幡「よし!」

八幡(システム起動)

八幡(…………よし、ゼイレはある程度吸っただろうから補助を作動させて……)

八幡「待ってろ……!(ダダダダダダダダッ!)」


戸塚「えっ? えっ!? 八幡!?」
181 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/30(土) 12:03:57.93 ID:EkiK4F1EO


[千葉大規模避難所付近]


平塚「くっ…………」


メンシュハイト「…………」


八幡「隊長!(ダダダッ)」

八幡(一帯が瓦礫の海だ……。


平塚「比企谷!?」


八幡(あれが例のメンシュハイト……)

八幡(……ただの子供にしか見えねぇ)

八幡(……とりあえずは隊長を回収だっ(バッ))


平塚「うおっ、な、なにを!」


八幡「安全な場所へ(ダダダッ))


平塚「お前っ、まさかアレと戦うつもりか!」


八幡「…………(ダダダッ)」


平塚「…………ふっ、そうか。…………私はもう限界が近くてな。替わりが欲しかったところだ」
182 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/30(土) 12:05:27.75 ID:EkiK4F1EO


八幡「間に合ってよかったです…………」


平塚「ああ本当にだ。あと数分もすれば判断力が完全に鈍ってやられていたな」


八幡「戦闘員を引退したのに無理するからですよ」


平塚「……その通りだ」


八幡「(スタッ)。隊長はここにいてください。武器は持って行きます」


平塚「……ああ」

平塚「…………ひとつ、いいか。奴の行動パターンだが」

平塚「『読みやすい動き』の一言だ。けれども、勝てない。次にどうくるかわかっていても、力の差がありすぎて対応しきれない」

平塚「こちらで相手の動きをコントロールしようとも、避けるのに精一杯でどうにもできなかった……」


八幡「……わかりました。それじゃ、休んでいてください」


平塚「ああ……任せたよ」


八幡「はい(ダッ)」
183 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/02(月) 00:09:30.60 ID:6qRxb5VaO
しばらく忙しくて続き書けなさそう……
すまん
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 00:22:11.88 ID:mGEYnzjC0
ええんやで待っとるで
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 01:06:37.84 ID:S7MdMo4QO
楽しみにしてる!
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 05:47:03.69 ID:3SC5j+QlO
なあに気にするな
SS書き手にとって「突然忙しくなって更新が遅くなる」のと「突然書きためてたデータが消える」のと「突然事故や病気になる」のはよくあることだ
187 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/03(火) 08:43:09.48 ID:yRRBELQMO
助かる
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 13:51:54.07 ID:b1HBVHXGO
謎のオリジナルよりもンゴとかキモすぎる
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/04(水) 23:10:06.70 ID:90dgmCLv0
追いついた
見てるで
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 11:44:31.94 ID:aTLoTJdco
しずちゃんも歳には勝てんかったか
191 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/06(金) 00:45:52.00 ID:5BeJpYq/O
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/06(金) 09:12:14.75 ID:wY/foiIOo
えぇ〜サキサキにこう言われたらもう待つしかないじゃん・・・
193 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/09(月) 20:11:35.23 ID:DfI2lJQEO


 ──


「昇進、本当におめでとう。だが、適度に体を休めるように。無理して好転することは何もないからな」


「…………休みたい気分じゃないんで」


「……………………」

「…………メンシュハイトとはどこから来るのか、ゼイレとは何か、考えたことはあるだろう?」


「まあ、そうですね。…………質問の焦点は……判明していない部分、であってますか?」


「そうだ。正確には……」


「判明してるんですよね」


「…………ああ」
194 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/09(月) 20:15:35.47 ID:DfI2lJQEO


「もう10年も経ってます。サンプルが不足しているようなことはないはず」

「いつまでも自分の敵も武器も知らないままでいられないでしょ」


「人間は臆病だからな……。恐怖を前に目を閉じるか、怯えぬよう根を暴くか、あるいは己を欺くか……。そうして安らぎを得る」

「…………此度の人類は、真実を求めた」


「…………まぁ、みんなうすうす気づいてますよ。その真実ってのに」


「…………」


「あんな間近で死体を見て、メンシュハイトがいかなる生物なのかわからないはずがない」

「……人から生まれる強大なエネルギーのありかを察せないはずもない」


「…………おそらく、私は還暦どころか中老にすら届かないかもしれない」
195 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/09(月) 20:21:12.36 ID:DfI2lJQEO


「……」


「……歳を重ねるごとにわかってしまうんだよ。もうすぐそこまで終わりが迫っていることが」

「そして君は……このままなら、今の私の歳と並ぶことなく尽きる」


「…………」


「……休息は必要だ」

「………………ではな」


「………………もう、人類に休んでる暇はないですよ」


「…………」


 ──
196 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/09(月) 20:23:50.50 ID:DfI2lJQEO
時間はかかるけどしっかり完結させるで
ほな、また……
197 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/09(月) 20:24:57.37 ID:DfI2lJQEO
すま上げるわ
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/10(火) 05:21:26.89 ID:V2O9xYFFo

気長に待っとるで……
199 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/10(火) 22:08:18.62 ID:EF3UfJhIO


[千葉大規模避難所前]


海老名『リンクできた。ゼイレ供給開始します』

海老名『15分後に日本防衛軍が駆けつけるからそれまではなんとか持ちこたえて!』


八幡「了解」

八幡「……戦闘、開始する(ダッ)」


海老名『…………なんか私がサポート頼まれたから詳細話すね』

海老名『対象の身長は140センチ程度。小柄。歩行速度は日本人平均以下だけど、だいたい1時間おきに数キロから数百キロ転移する』


八幡「なんだよそれやべぇな……。運良く避難所に着く前に転移しねえの?」


海老名『これまでのパターンから次の転移は30分から40分後。残り時間と進行方向から……確実に避難所は通過する』


八幡「…………」
200 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/10(火) 22:09:50.03 ID:EF3UfJhIO


海老名『攻撃方法は、接触した物質の爆破。物体と接触した部分だけが爆破してるみたい。自身に対する爆破のダメージはおそらくないかな』


八幡「普通に歩いてるように見えるけど足裏は攻撃通るのか?」


海老名『うーん………………。足裏への攻撃はまだ確認されてないから試す価値はあるかも』


八幡「了解」

八幡「平塚先せ……隊長の話だと普通に戦って勝てるとは思えないんだが。何か対抗策は立ってないのか?」


海老名『研究チームが検証中。今がってる案で一番現実的なのは……ゼイレ枯渇を狙う、とか』

海老名『正直それ以外の案は、検証のしようがなくてね…………』


八幡「じゃあそれで行くわ。ついでに今俺が検証出来そうな案を伝えてくれ」


海老名「わかった。それじゃ……」
201 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/10(火) 22:11:04.61 ID:EF3UfJhIO


[比企谷家]


リポーター『先ほどの青年が戻ってきました! 女性隊員から受け取った刀状の武器を持って駆けていきます!』


ニュースキャスター『彼ひとりで大丈夫なんでしょうか……』

ニュースキャスター『……あ、はい。はい。…………大規模避難所から、住民がでてきたとの報せがありました』

ニュースキャスター『避難所の出入り口は小さいですので全員が退避するまでかなりの時間が……』


小町「え…………」

小町「…………(ダダダッ)」

小町「……お兄…………ちゃん…………?」
202 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/10(火) 22:14:50.06 ID:EF3UfJhIO


[大規模避難所]


男「さっさと行け!」


女「はやくして!」


男「テメェ押すんじゃねぇ!」


女「子供が!」


男「黙れ!」


女「みなさん落ち着いて!」


男「止まるんじゃねえぞ…………」


大志(くっ、自己中なやつらばっかりだ! 自分を優先する人間が多すぎて施設外への排出が非効率的になってる)

大志(こんな圧迫されちゃ、小さい子供じゃなくても圧死する!)

大志「……ッ」

大志(姉ちゃんはいないんだ……)

大志(俺が……家族を守らなきゃ……)
203 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/10(火) 22:16:03.28 ID:EF3UfJhIO


[防衛軍基地支部・休憩室]


由比ヶ浜「疲れた……。休憩室に来るのも一苦労だね…………」


雪ノ下「ええ……」


由比ヶ浜「どうしよう……。ヒッキー無事かな……」


雪ノ下「隊長が向かったのだから……きっと、大丈夫よ。それに、川崎さんもいるのでしょ?」


由比ヶ浜「うん……だけど……」


三浦「ちょっ、ふたりとも!」


由比ヶ浜「あっ優美子」


雪ノ下「私もかしら」


三浦「あのモニター!(ずびしっ)」


雪ノ下「……………………ッ」


由比ヶ浜「……………………どうして、ヒッキーが……」
204 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/10(火) 22:17:10.98 ID:EF3UfJhIO
ほな、また……
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 06:28:34.65 ID:3lQB8oN/o
乙やで……
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 17:28:55.22 ID:6Cp4/KIKo
SSが投稿されるようになること、それはもちろん嬉しいけど
一方で間が空きすぎたせいか
ttps://novel.syosetu.org/135923/(R-18注意)
みたいなのも出てくるようになって
コンテンツを食いつぶされるようでそれが悲しい
207 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/13(金) 00:20:13.97 ID:MDnKtC92O


[大規模避難所前]


1等級メンシュハイト「……(てくてく)」


八幡「対象に最接近……第一撃、仕掛ける(ダダダッ)」


海老名『……んっ!』


八幡(左足を地面から離した瞬間に、地面すれすれから斬り上げる)

八幡(…………ッ! 今!(シュッ)」


 ──キン……ッ!


海老名『避け──!』


 ──ドンッ!!!


海老名『……比企谷くん!!』
208 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/13(金) 00:21:22.04 ID:MDnKtC92O


八幡「…………」

八幡「(ガバッ)…………回避成功した。俺は大丈夫。しっかし硬え……」

八幡「それに爆発の威力やべえし……。もろに食らったら体の5、6割は持ってかれそうだ」

八幡「……」


1等級「……」


八幡「……メンシュハイト、ノーダメージっぽいわ」


海老名『……そうだね……。比企谷くん、相手が臨戦態勢に入る。気をつけて』


1等級「(クルッ……)」


八幡「……おう」

八幡(次は顔面に……!(シッ!))


 ──ドンッ!!!!


八幡「っぶね(ゴロン)」
209 : ◆hr9g98PXaA [sage saga]:2017/10/13(金) 00:22:47.32 ID:MDnKtC92O


1等級「……(スッ)」


海老名『離れて!』


八幡「(ザッザッザッ)」


 ──ドドドドンッ!


八幡(……! 爆風に押される……)

八幡(立て直して……攻撃再開だ)

八幡(次は眼球!(ダダダッ)(ザンッ!)」


メンシュハイト「…………」


八幡「……ッ」

八幡(サイドステップで回避!(ササッ))


 ──ドンッ!!!!
210 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/13(金) 00:23:58.08 ID:MDnKtC92O


八幡(次は首筋!(シュッ!))


 ──ドンッ!!!!


八幡(次は……、……ッ! 爆風で舞った粉塵の向こうから手が……反撃か)

八幡(傍を走り抜けて回避っと)

八幡(今度はアキレス腱!(シュッ!)同時に攻撃範囲から離脱(サササッ)」


 ──ドンッ!!!!


八幡(攻撃の強弱で爆発の大きさが変わってるわけじゃないな)

八幡(次は側頭部だ(シッ!))


 ──ドンッ!!!!


八幡(攻撃箇所でも爆発の大きさに影響なし……)

八幡(ゼイレを込めたらその分大きくなったりしないのか?)

八幡(一度退避しよう(シュシュシュシュッ))


1等級「…………」


八幡(追っては来ない……か)

八幡「海老名さん」


海老名『……』


八幡「海老名さん!」


海老名『……あっ、はいはい。ごめんね。……ちょっと戦闘のレベルが高くて呆然としてた……』
211 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/13(金) 00:25:50.75 ID:MDnKtC92O


八幡「…………。いま打ち込んでみた感じ、攻撃の強弱で爆発の大きさに変化はなし。次はゼイレの出力変えて攻撃してみる」


海老名『了解。もしゼイレの量を増やしてありえないくらいの大爆発とかすると危険だから慎重に』


八幡「ああ(ダダダダダッ)」

八幡(こいつ、平塚隊長の言った通り読みやすい攻撃だ(シュッ)」


 ──ドンッ!!!!


八幡((ゴロンッ)だけど一撃でももらえば最悪戦闘不能になる)

八幡(爆風で飛び散る瓦礫も洒落にならない威力だ。デカイのが直撃すれば痛手を負うかもしれない(ザシュッ))


 ──ドンッ!!!!!


八幡(攻撃を当てること自体は容易。そのかわり、攻めきれない)

八幡(こいつが反撃のペースを上げるようなことがあれば、致命傷は避けられても手傷は増え続けコンディションは悪化し続ける)

八幡(そして……対応しきれなくなる)

八幡「……ッ(ヒュッ)」


 ──ドンッ!!!!!!


八幡(一度離脱しよう(ザッザッザッザッ))
212 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/13(金) 00:27:40.03 ID:MDnKtC92O


海老名『……ゼイレの出力と爆発の規模、比例してる』


八幡「みたいだな」


海老名『そういえば、検証できそうな案なんだけど……』

海老名『鞭か輪っか状の武器持ってる?』


八幡「いや」


海老名『うーん、そっか』


八幡「それってどういうのに使うんだ?」


海老名『メンシュハイトを縛るか、体の一部にはめて、武器の耐久値が尽きるまで半永久的に爆発させ続ける……っての』

海老名『これまで比企谷くんほど接近した兵がいなかったから試すなら今がチャンスかなって』


八幡「……無理だろ」


海老名『……やるだけやってみたいじゃん?』


八幡「てかそんなハメ技みたいな案の立案者誰だよ絶対ゲーマーだろ」


海老名「えー……立案者は………………小田くん、だね」


八幡「モンハン野郎…………」

八幡「次は」


海老名『えー、まず、落とし穴に落とす。落下して地面にぶつかる時にメンシュハイトは爆発。それで穴が広がって、また落ちる。地面に衝突した瞬間に爆発。穴がまた広がって……って、爆発の連鎖を使ってエンドレス採掘地獄……とか』

海老名『これは一度試そうとしたんだけど、メンシュハイトが落とし穴にたどり着く前に転移しちゃって…………』
213 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/13(金) 00:28:26.65 ID:MDnKtC92O


八幡「……また似た手の案だけど…………」


海老名『うん…………これは田原くん…………』


八幡「モンハンコンビいい加減にしろよ。それよりあいつらも防衛軍だったのかよ」

八幡「でもまあ……どっちも悪くはねえけど。……実現は難しいな」

八幡「小田の案は手持ちがなくて無理。田原の案は地震を引き起こしそうでリスクが高い。こっちも無理だ」


海老名『じゃあ……口の中を直接攻撃するってのは?』


八幡「あー、やってみる」


海老名『ほかに目、鼻、耳、肛門、とか』


八幡「目はやったけど他と変わらなかったぞ。多分粘膜への攻撃はそんな関係ないかもしれないな」


海老名『そーかもだね……』


八幡「まあ試すだけ試すしかねえな(ダダダダダッ)」
214 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/13(金) 00:30:37.25 ID:MDnKtC92O
ほな、また……
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 03:14:41.70 ID:9Tjwutfbo
おもろいなぁ……乙やで……次も楽しみに待っとるわ……
216 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/14(土) 11:38:11.32 ID:TjS86gLzO


[防衛軍基地本部]


八幡『ダメだわ。やっぱ攻撃通らねえ』

八幡『ほかに試せそうなのは?』


海老名「ごめんほかにはもう……」


八幡『……了解』


海老名「こっちでもっと調べてみるね」


八幡『このペースだと……』


海老名「……わかってる」


八幡『それじゃ(プツッ)』


司令官「……海老名隊員……彼が、君の言っていた『昏睡状態にあった隊員』、で間違いない……のか……?」


海老名「…………はい。1か月近く目を覚まさなかったはずなんですけど……」


観測員「……寝起きにしては動きがよすぎる」


観測員B「あっ、彼が比企谷くんか!?」


観測員C「比企谷?」


伝達員「最近昇進しまくってたあの……」


観測員C「オーストラリアの生き残りってこの子だったのか……」


司令官「…………今日までの期間で、あの時受けた傷が完全に癒えたとは思えない。それでこの実力か……」


観測員「彼のおかげで足止めはできていますが、このままだと…………転移前に…………」


司令官「……ああ。…………援軍が来るまでは彼に耐えてもらわなければならない……」


海老名「比企谷くん……」
217 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/14(土) 14:51:50.58 ID:TjS86gLzO
218 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/14(土) 14:56:07.90 ID:TjS86gLzO
↑なぜか書き込めなかったからテストで送信した



ほな、また……
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/14(土) 15:11:07.34 ID:/xwx7uSSO
>>55
進行wwwwwwwwww
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 17:04:54.81 ID:Z1QoC2Fho

絵もいけるじゃん!待ってるぜ!!
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/15(日) 02:27:03.93 ID:UZJOCY8Ko
まてや、絵もいけるんならRきて挿絵込みのハチサキ書いてくれ
222 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/15(日) 11:48:12.20 ID:ysYdYCjvO
>>220
サンクス!
223 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/15(日) 11:59:57.99 ID:ysYdYCjvO
>>221
エロ絵描かないから描けないねん……すまんな……
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 20:29:16.90 ID:MUrdrvW4o
SSが投稿されるようになること、それはもちろん嬉しいけど
一方で間が空きすぎたせいか
ttps://novel.syosetu.org/135923/(R-18注意)
みたいなのも出てくるようになって
コンテンツを食いつぶされるようでそれが悲しい
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名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


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