【遊戯王】葵「お兄様。私、彼氏ができました」

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2 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:32:47.68 ID:7aiAwy12o

葵「…」


ガチャッ…


葵「!!」パタパタ

晃「ただいま、葵」

葵「おかえりなさい。お兄様」

晃「遅くなってすまない。寂しくなかったか?」

葵「平気です。お兄様」

晃「そうか」

葵「お風呂にしますか? ご飯にしますか?」

晃「今日は暑かったから、先にお風呂にしようかな」

葵「わかりました」
3 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:33:23.64 ID:7aiAwy12o

〜〜〜


晃「…お、今日の夕飯は肉じゃがか」

葵「お兄様、好きですよね?」

晃「ああ。ありがとう、葵」

葵「あ、お茶出しますね」

晃「…! 葵、ちょっと」

葵「はい?」

晃「…その指の絆創膏は?」

葵「あ…その、包丁で少し切っちゃって」

晃「見せてみなさい」ガタッ

葵「あ、別に大したことは…」

晃「…」

晃「うん、大丈夫か…よかった…」

晃「…本当に良かった…」

葵「あの、お兄様…」

晃「あ、あぁ。ごめん」

葵「…」
4 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:34:06.08 ID:7aiAwy12o

〜〜〜



葵「…それじゃお兄様、行ってきます」

晃「あぁ、車に気を付けるんだぞ」

晃「ハンカチ持ったか?財布は?」

晃「知らない人について行っちゃダメだからな」

晃「それと、門限までには帰って来なさい」

葵「…行ってきます」

晃「あぁ、行ってらっしゃい」
5 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:34:40.39 ID:7aiAwy12o


葵「…」

葵「(最近、お兄様が凄く私のことを気にかけてくれている)」

葵「(それは前からだけど、最近はもっと露骨だ)」

葵「(…確か、プレイメーカーと戦った後に意識を失って、それから…)」

葵「(…こんなことを思っちゃダメなんだけど、ちょっと鬱陶しく感じるときもある)」

葵「(過保護というか…とにかく、ずっと子ども扱いされているように感じる)」

葵「(私、もう高校生なのに…)」

葵「(どうしたらお兄様は、私のことを大人だって認めてくれるんだろう)」

葵「(…)」

葵「(…よし)」
6 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:35:32.73 ID:7aiAwy12o

晃「ふあぁ…」

晃「…おはよう、葵」

葵「おはようございます、お兄様」

晃「…ん、いい匂いがするな」

葵「今、コーヒーを淹れたところです」

晃「じゃあ、頂こうかな」

葵「はい、お兄様。お砂糖は?」

晃「いや、ブラックでいいよ」

葵「どうぞ」

晃「ありがとう」

晃「…」ズズズ…

晃「うん、美味しいな」
7 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:36:07.87 ID:7aiAwy12o

葵「…お兄様?」

晃「ん?」

葵「実は、報告したいことが」

晃「なんだい?」ズズズ…

葵「…あの、お兄様」

葵「私、彼氏ができました」

晃「そうか」

晃「…」ズズズ…

晃「…」

晃「…」

晃「」ブーッ!!

葵「お、お兄様! 大丈夫ですか!?」
8 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:36:43.32 ID:7aiAwy12o

晃「あ、あの、葵、い、今、今なんて」

葵「…彼氏が、できました」

晃「」

晃「」

晃「か…彼氏…彼…カレカレカレ」

葵「お、落ち着いてください、お兄様」

晃「こ、これが落ち着いていられるか!」ガタタッ

葵「あの…」

晃「え? な、なんで?なぜなんだ? 葵?」

葵「…私だって高校生です。恋人くらいできます」

葵「(まぁ、ウソですけど)」

晃「な、何故…?」

晃「昔は…昔は、大きくなったらお兄ちゃんと結婚すると言っていたじゃないか!?」

葵「そんな昔のことを言われても…」

9 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:37:25.15 ID:7aiAwy12o

晃「だ、大体何をやってるんだ? 葵?」

葵「どういう意味ですか?」

晃「その…か、彼氏と何をしてるんだ?」

葵「…」

葵「(…どうしよ、何も考えてなかった)」

葵「(えっと、普通は恋人と何するんだろう)」

葵「(この前ツ●ッターで見たのは…あっ)」

葵「パコりました」

晃「」ガシャーン(カップが割れる音)

葵「(あっ、ちょっと間違えた)」

葵「オフパコしました」

晃「ヒュッ」(魂が抜ける音)

葵「(パコるって何だろう)」

晃「」

葵「…お兄様?」

晃「」

葵「…あ、あの…しっかりしてくださいお兄様」ユサユサ

10 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:37:57.10 ID:7aiAwy12o

晃「…ハッ、わ、私は何を…」

葵「…」

晃「…そうか…葵、そうか…」

葵「あの…お兄様。大丈夫ですか?」

晃「う゛ん゛」

葵「目と口と鼻と耳から血が出てますが、本当に大丈夫ですか?」

晃「だ゛い゛じ゛ょ゛う゛ぶ゛」

葵「(全然大丈夫じゃなさそう)」

晃「…それで、相手は?」

葵「え?」

晃「相手は、その…どんな男なんだ?」

葵「…」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 22:38:17.45 ID:nORGTFwl0
もうやめて!晃のライフポイントはもう0よ!
12 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:38:35.56 ID:7aiAwy12o

葵「…(どうしよう。まさかこんなに突っ込まれるとは思ってなかった)」

葵「(私としては)」


葵『彼氏ができました』

晃『すごいじゃないか葵!葵も立派な大人だったんだな!』

葵『ふふん』ドヤッ


葵「(くらいで終わるつもりだったのに、こんなことになるなんて)」

葵「(…でも、今更ドッキリでしたとか、嘘ついてましたとか言える空気じゃないし…)」

葵「…」

葵「(うん、もうとことんまで行くしかないわね)」
13 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:39:08.36 ID:7aiAwy12o

葵「(となると、この質問にはどう答えるのがいいのかしら)」

葵「(…やっぱり、お兄様と私の共通の知り合いの方が話が早いわよね)」

葵「(それでいて、お兄様からそれなりの信頼がある人といえば…)」

葵「(…あっ)」

葵「…あの、実は」


〜〜そのころ〜〜


遊作「…」カタカタ

草薙「…」カタカタ

遊作「…!!」ガタタッ

―その時、遊作に電流走る―――!!

草薙「遊作?どうした?」

遊作「いや…今、何か凄く嫌な予感が…」

14 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:39:43.28 ID:7aiAwy12o

●つぎのひ


遊作「…」

島「…おーい、藤木ぃー」

遊作「島か。どうした?」

島「いや、財前が何か用事だってよ」

遊作「財前が?」

葵「…藤木君、いる?」

遊作「財前。何か用か?」

島「お? なんだなんだ? 俺、ジャマか?」

遊作「茶化さないでくれ」

葵「ちょっといいかしら?」

遊作「あ、あぁ」

遊作「(…な、何だ…?何か、凄く嫌な感じが…)」
15 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:40:13.95 ID:7aiAwy12o

葵「…藤木君」

遊作「な、何だ?」

葵「私とオフパコしましょう」

遊作「」

島「」

葵「あ、私と付き合ってください」

遊作「」

島「」

葵「あと、オフパコって何かしら」

遊作「」

島「」
16 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:41:06.73 ID:7aiAwy12o

〜〜〜〜

遊作「…なるほど、お兄さんに見栄を張ってしまったと」

葵「えぇ」

島「いや、だからってお前なぁ…オフ…はねぇだろ」 ←知ってる

葵「その、オフパコって何なの?」 ←知らない

遊作「あ、あまり連呼するんじゃない」 ←知ってる

島「あ、あぁ」

葵「…? わかったわ。これからは控える」

遊作「そうしてくれ」
17 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:41:36.63 ID:7aiAwy12o

島「…で、なんでわざわざ藤木のところまで来たんだ?」

葵「…実は、この日にデートすることになってしまったの」

遊作「…あぁ、そういう設定になってるのか」

葵「…お願い、藤木君。一日だけ付き合ってくれないかしら」

遊作「…」

島「おいおい藤木、断るつもりなのか?」

島「お前が財前をどう思ってるのかは知らないけど、男子としては嬉しいことだろ?」

遊作「まぁ、俺も悪い気はしないが…」

遊作「しかし、何も本当にデートまでする必要はないんじゃないか?」

遊作「適当に一日出かけて、帰ってからどうとでも言えばいいだろう」

葵「…それが、その日、お兄様が町中の監視カメラを使って、私たちのデートを観察するって言いだして」

島「えぇ…」


晃『お前たちが健全な付き合いをするか、私の目で確かめなければ気がすまない!』

晃『町中のカメラで、一日の様子を見させてもらう!』


葵「…」

遊作「えぇ…」
18 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:42:12.40 ID:7aiAwy12o

遊作「しかし、一日うまくいったところで、いつかはバレるだろう」

遊作「正直に伝えた方がいいんじゃないか?」

葵「そうだけど…でも、正直に話したら」


晃『なんだ、ウソだったのか。そんな見栄を張るなんて、葵もまだまだ子供だなぁ』

葵『むっかー!』

晃『でも、そんな葵がかわいいよ』

葵『えへへぇ…お兄様ぁ…』


葵「こうなるのが目に見えてるし、何か悔しいじゃない」

島「(あれ…?コイツ、こんなキャラだったか…?)」
19 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:42:42.56 ID:7aiAwy12o

葵「藤木君、お願い。一日だけでいいの」

遊作「…」

島「おい藤木、ご指名だぞ」

遊作「うーん…」

Ai『わかった。一日だけ付き合ってやるか(声マネ)』

遊作「なっ…!」

葵「…! ありがとう、藤木くん」

遊作「いや、これは…」

島「流石だぜ藤木先生。楽しんで来いよな」

遊作「…Ai、貴様…!」

Ai「いーじゃんいーじゃん。俺は一日寝てるから、楽しんで来いよ」

遊作「…ハァ、仕方ないな…」

20 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:43:24.51 ID:7aiAwy12o


●(偽装)デート当日


・・・

晃「…よし、全部映ったな」

晃「(これで、今日一日は葵と藤木君のデートを観察させてもらう)」


・・・

草薙「…遊作は…おっ、いたいた」

草薙「(こんなことにカメラのハッキングをするなんてどうかと思うが…)」

草薙「(ま、こんな面白そうなイベントを逃す方がどうかしてるな)」

草薙「…お、財前が到着したか」


・・・


葵「…お待たせ、藤木君」

遊作「あぁ、おはよう、財前」

21 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:43:55.43 ID:7aiAwy12o


葵「…今日はどこに行くの?」

遊作「そうだな…あまり考えていなかったけど、それじゃあ…」

葵「…待って、藤木君。あなた、いつもその恰好なの?」

遊作「…? あぁ、私服ってあまり持ってなくて」

葵「そう。それじゃあ、洋服でも見にいきましょう」

遊作「え? いや、俺はこれで十分…」

葵「ほかに予定もないんでしょう?」

遊作「…まぁ、そうだな。行くか」

葵「えぇ」


草薙「(おっ、それっぽいじゃないか。ほとんど財前がリードしてるのが気になるけど…)」

22 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:44:30.15 ID:7aiAwy12o

〜〜〜

遊作「…悪いな、わざわざ服を選んでもらって…」

葵「ううん、楽しかったから」

遊作「そうか」

遊作「…歩きっぱなしで疲れたな。ちょっとそこの喫茶店で休むか」

葵「えぇ」

ウィーン
イラッシャッセー

葵「(…どうしよ、何飲もうかな)」

葵「(普段はオレンジジュースばっかりなんだけど…)」

葵「(お兄様が見てるし、藤木君もいるし、ちょっとくらいは大人ぶってもいいわよね)」

葵「(…いや、藤木君は関係ないけど)」

葵「(えっと、この前お兄様が飲んでたのは…)」

店員「ご注文は?」

遊作「ショートアイスチョコレートオランジュモカノンモカエクストラホイップエクストラソース一つ」

葵「ふぁっ」

遊作「…財前?」

葵「へぁ?」

遊作「さっきの礼だ。俺が持つよ。何がいい?」

葵「えっ、あっ、あのっ、エスプレッソで」

店員「かしこまりました」

葵「(…あっ!? 何言ってるの私!? あんなの苦くて飲めるわけないじゃない!)」

23 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:44:58.40 ID:7aiAwy12o

遊作「…」チュー

葵「…」

遊作「…財前? どうした?」

葵「い、いえ、なんでもないわ」

葵「(だ、大丈夫よ。飲んでみたら意外と美味しいかも)」ズズズ…

葵「ヴェー」

遊作「財前? 大丈夫か?」

葵「(にっが! 何これ!? なんでお兄様はこんなの飲んでるの!?)」ズズ…

葵「ヴィー」

遊作「…変えようか?」

葵「え?」

遊作「甘いものって気分でもなかったんだ。それ、エスプレッソだろう?交換しようか?」

葵「…そ、そうね。せっかくだし、私も甘いものが飲みたい気分だったわ」

遊作「じゃあ、新しいストローを持ってくるよ」

葵「あ、ありがとう」

遊作「…ほら」

葵「ん」チューチュー

葵「(…あ、これ美味しい…)」


晃「…葵…葵ぃ…!」グズグズ

草薙「何か妙にいい雰囲気じゃないか…? あれ、本当に遊作か…?」
24 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:45:54.58 ID:7aiAwy12o

〜〜〜


葵「…」スタスタ

遊作「…」スタスタ

葵「…!」ピタッ

遊作「…ん? どうした?」

葵「…」ジーッ

遊作「クレーンゲームなんて見て、どうした?」

葵「…かわいぃ…」

遊作「このテディベアか」

葵「…ねぇ藤木君。あなた、こういうの得意?」

遊作「あまりやらないんだよな…」

葵「そう…」

遊作「いいよ、ちょっと試してみよう」
25 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:46:32.15 ID:7aiAwy12o

〜10分後〜


遊作「…ハァ、ハァ…」

葵「あの…藤木君?ごめんなさい、もう無理かしらね…」

遊作「まだだ…!まだ、俺は負けてない…!」

葵「(意外と負けず嫌いなのね…)」

葵「ねぇ、1回だけ私がやってみても良い?」

遊作「…あぁ、じゃあ代わろう」

葵「…えっと、アームをこの辺に…」

遊作「(しかし、あのアームはあまり強くない…1回だけで持ち上げられるとは…)」

テディベア「グエー吊られたンゴ」

葵「あっ、タグに引っかかった」

遊作「えっ」

ガコン

葵「あっ! やったやった!」ピョンピョン

葵「はぁー…」モフモフ

26 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:47:04.88 ID:7aiAwy12o

葵「あ、ありがとう藤木君…」

遊作「…」

チャリーン

葵「…えっ?」

遊作「見ていたら俺も欲しくなってな」

葵「…ねぇ」

遊作「何だ?」

葵「悔しかったの?」

遊作「…そ、そんなことはない」

葵「(あぁ、熱くなってるわね…)」

遊作「…くっ…」

葵「そこじゃないわ。もうちょっと右よ」

遊作「…この辺か…?」


〜5分後〜


遊作「…」モフモフ

葵「…」モフモフ

草薙「(何やってんだ遊作…!)」

27 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:47:46.86 ID:7aiAwy12o

・ ・ ・


葵「…あ、もうこんな時間」

遊作「そろそろ帰るか?」

葵「…そうね。お兄様、門限には厳しいから」

遊作「じゃあ帰ろう。送るよ」

葵「えぇ」

遊作「…」スタスタ

葵「…」スタスタ

葵「…」ピタッ

遊作「…? 財前?」

葵「…ありがとう、藤木君」

遊作「ん?」

葵「無理に付き合ってもらっちゃって、ごめんなさい」

遊作「…いいさ。それに、こっちも礼を言いたいくらいだ」

葵「え?」

遊作「…楽しかったよ。今日はありがとう」

葵「藤木君…」

遊作「今度は俺の馴染みの店に招待するよ」


草薙「サラッとカッコイイこと言ってるし、さりげなく次のデートまで約束しているだと…!?」

28 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:48:18.54 ID:7aiAwy12o

葵「私も楽しかった。ありがとう」

遊作「あぁ」

葵「…」

遊作「…」


草薙「(あれ…?な、何だこの雰囲気…?)」

草薙「(遊作、まさか…? まさか…!?)」


葵「あの…藤木く…」


「待ったーーーッ!!」

遊作「!?」

葵「えっ!?」


晃「藤木遊作君! それ以上は私が許さん!」

遊作「あ、あなたは…」

遊作「(…財前…だと、ブルーエンジェルと同じだし、下の名前は何か馴れ馴れしいし…)」

遊作「…お兄さん…あっ」

晃「君にお兄さんと呼ばれる筋合いはないッ!!」ダンッ

遊作「(やっぱり)」

29 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:48:51.74 ID:7aiAwy12o

葵「お、お兄様…?何故…」

晃「葵…今日一日、君たちの様子を見させてもらった」

晃「健全なお付き合いのようだし、葵も楽しそうだ」

晃「私から口を出すことはない…と思っていたが…」

遊作「…?」

晃「やっぱり認めん! 君に妹はやらん!!」

遊作「…やっぱりな…」

晃「どうしても葵が欲しいというのなら…この私にデュエルで勝ってからだ!」

葵「お、お兄様…何もそんな…」

晃「すまない、葵…でも、こうしないと私が私の気持ちを整理できないんだ」

葵「お兄様…」
30 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:49:40.66 ID:7aiAwy12o

Ai「…どうするよ、プレイメーカー様。受けるのか?」ヒソヒソ

遊作「向こうはやる気のようだ。受けるしかないだろう」

Ai「デッキはどうする?」

遊作「ダミーのデッキでやるしかないな」

Ai「…なぁ、マジでやるのか?」

遊作「どういうことだ?」

Ai「だって、負けておいた方が都合がいいんじゃないか?」

遊作「…確かに、そういう考えもある」

遊作「1つ。これは偽装デートだ。財前葵も本気ではないだろう」

遊作「2つ。デュエルの結果ならば、財前晃にとっても納得がいく」

遊作「3つ。こうしてデュエルで負けて関係が終われば、仕方なく別れたという結果になる」

遊作「つまり、これまで交際していたという誤解をさせやすい」

Ai「だろ?なら、負けた方が…」

遊作「ただ、俺にはこのデュエルに真剣に挑まなければならない理由もある」

Ai[は?」

遊作「1つ。意図的に負けることは、対戦相手に失礼だ」

遊作「2つ。そもそも、そうやって手を抜けば、彼や財前葵は見抜くかもしれない」

遊作「3つ…」

Ai「…ん?」

遊作「いや、やめておこう」

Ai「何だソレ?」
31 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:50:39.17 ID:7aiAwy12o

遊作「…行くぞ!デッキ・セット!」

晃「来い!」

遊作・晃「デュエル!!」


晃「私の先攻! 魔弾の射手カスパール召喚! 同胞の絆を発動!!」

遊作「(あっ無理だコレ)」

32 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:51:17.32 ID:7aiAwy12o

島「おーっす、藤木」

遊作「島か、おはよう」

島「どうだったよ、この前の偽装デート」

遊作「あぁ…何もなかったよ。フラフラ遊んで別れた」

島「財前も無口だけど、顔立ちは整ってるからなぁ〜。ちょっと羨ましいぜ」

遊作「そうか?」

島「そうだよ」

島「…ん?」

遊作「どうした?」

島「あれ、財前?」

遊作「(また嫌な予感が…)」
33 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:52:20.67 ID:7aiAwy12o

葵「…藤木君、この前はありがとう」

遊作「あぁ、いいよ」

葵「…ごめんなさい。お兄様が大人げなくて…」

遊作「気にするな。あれは負けておいた方が都合がいいだろうしな」

葵「…それで、その…またちょっとお願いなんだけど」

島「何だ?また兄貴に見栄貼っちまったか?」

葵「…ねぇ、藤木君」

遊作「な、何だ?」

葵「あと、島くんも」

島「おう、なんだ?」

葵「…あの、私のセフレになってくれる?」

遊作「」

島「」

葵「あと、セフレって何かしら」

遊作「」

島「」



- おしまい -
34 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:53:16.19 ID:7aiAwy12o

●おまけ


監視カメラ「無理に付き合ってもらっちゃって、ごめんなさい」

監視カメラ「…いいさ。それに、こっちも礼を言いたいくらいだ」

監視カメラ「え?」

監視カメラ「…楽しかったよ。今日はありがとう」

監視カメラ「藤木君…」



リボルバー「はー無理尊い。最高かよ」

鴻上博士「ゆさあお良い…しゅき…」

スペクター「(もう嫌だこのオッサン共…ハノイ辞めてぇー…)」

35 : ◆o8JgrxS0gg [saga]:2017/09/30(土) 22:55:02.93 ID:7aiAwy12o
以上です。デュエル部で遊作のダミーデッキを見て笑う葵ちゃんが可愛すぎるので書きました
なんで誰もゆさあおSSを書かないんですか(憤怒)
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 23:16:20.67 ID:1cqwsP/QO

ハノイのバカツートップは何してんだ…
本編がまるで明るい話にならないのがね…

鬼塚さん明るくして…(白目)
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 23:19:34.66 ID:+dqC3n0C0

葵ちゃん無知かわいい
カリスマデュエリストやってるのに大丈夫なのかこれ
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/01(日) 00:31:27.20 ID:hzQCbkBwo
良きSSだ
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 03:03:58.63 ID:u1SbVh880
カップリング名は気に食わんがss自体は評価する
乙おつ
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