【安価】地方契約兵たちの小規模な冒険【コンマ】

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52 : ◆1WEjI0bkj6 [saga]:2017/10/03(火) 22:49:18.67 ID:ussHpXwo0
受付には、頭を剃り上げた禿頭の中年男が座っていた。
猛禽類を思わせるような鋭い目に、いかつい鉤鼻とガッシリとした大きい口を持つかなりの強面だが、実は彼は戦闘員ではない。

彼の名はガド、フォレストサイド警備隊、情報処理部の副部長を務めており、契約兵達への依頼の斡旋や情報の提供を行っている。

「おはようございます、ガド副部長」

「ん? おう、ルナミリア、目ぼしい依頼は見つかったか」

ルナミリアの声に、ガドは笑みを返した。
威圧感のある外見とは異なり、ガドはかなり面倒見が良く、真面目な性格だ。

ルナミリアがこの街で住処を借りる際にも、彼には大いに世話になったものである。

「はい、この墓荒らし対策の依頼を受けてみようかと思うのですが……」

「ふーん、これか………ちょっと待ってな」

そう言ってガドは、机から様々な資料が綴じられた紙の束を取り出し、素早く捲っていく。

「お、あった。 墓荒らしは……お前も知っての通り、二ヶ月前にこの街の共同墓地から遺体を盗み出したのが最初の犯行だ。 
そして、最初の犯行の十日後にコルト村っていう小さな村の墓所から一体。 更にその二十日程後、パークタウンから、もう一体盗む出してやがる」

「コルト村に、パークタウン……両方とも、この街の南に位置する町村ですね」

「ああ、二つの場所の距離もそう離れてねえし、警備隊としては犯人の拠点がフォレストサイド南方面にあるんじゃねえかと考えてる。 
だから今は、その方面に重点を置いて犯人を捜索しているところだな。 ……ただ、今回お前さんにやってもらいたいのは、その手伝いじゃねえ」

「えっ? ど、どういうことですか?」

ルナミリアはガドの真意を掴めずに聞き返す。
依頼書には確かに、墓地の警備と記されてあった。 
ならば、犯人が遺体を盗みに来る可能性が高い地域の墓地を見張ることが自分の任務なのだと、ルナミリアはガドの話から予想していた。

ガドは少し言いにくそうにしながら、地図に記されたある村を指さした。

「実はお前さんには今夜から明後日の夜まで、この村の墓地を見張って貰う。 
フォレストサイド東に存在する人口二百人程の小さな村……バード村をな。 犯人の出現地域からは離れているし……この村に犯人が出撃する可能性は
低いだろう」
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