【ガルパン】響け! キス・マイ・アス!

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40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/21(土) 20:31:47.71 ID:npUXR/oAo
期待
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:10:14.55 ID:7JPgH1JlO

梓(灯りが消えた! 真っ暗……自分の手さえも見えない……)

梓「先輩、いますか? いますよね?」


 「 うん、いるよ」


梓「わ、声はすぐ側に聞こえるのに、姿はちっとも見えない」


 「 不思議だよね 」


梓「え、ええ……それはいいんですが、新しいルールって何をどうしたら……?」


 「 …… 」


梓「先輩?」


 「 …… 」


梓「せ、先輩? どうして黙って──」
 

 「 フゥ〜〜 」


梓「ひゃっ!?」

梓(……!? 先輩が私の耳に息を吹きかけた!?)

梓「な、なにを──」


 「 えい、えい 」 ツンツン、コチョコチョ、


梓「あひ! あひゃひ、なにするんですかぁ!」


 「 ──きひ、いひひ…… 」


梓「へ……」

梓(……)

梓(え!? 今の先輩の笑い声!?)

梓「な、なんですかそのヤンチャな笑いかたは──ひゃぁ!? 今度はおしり!?」
 

 「 にしし 」サワサワサワ、


梓「もう! 先輩!」

梓(べ、勉強のしすぎでおかしくなっちゃったのかな)


 「 きゃぁは、いししししっ……」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:11:02.00 ID:7JPgH1JlO


梓(ま、まぁ先輩が楽しそうにしてくれてるのは嬉しい……だけど……!!)


梓「っ……ひぃぃ……」


梓(……暗いっ、どこから何されるか全然わからないっ──なにこの感覚っ……すごく怖い……! ぞわぞわするぅ……!)

梓「っ、先輩って──ほんっと、先輩って、先輩ぶってるくせにほんとは子供なんだからぁ!」


 「 うひ、ひ……。…… 」


 「 ………… 」


梓(次はどこから──……、……ぁえ……?)

梓「せん、ぱい?」


 「       」


梓(き、急に静かになった)

梓「あ、あの──」

 
 「 ……だめ、かな 」


梓「え……?」

梓(あ、先輩、私のすぐ後ろに、いる)


 「 やっぱりもっと先輩らしく──年上らしく──ちゃんと高校生らしくしてないと、……情けないかな 」


梓「……!」


梓(……しまった、馬鹿──私の馬鹿……)

梓(せっかく先輩が──)


梓「先輩、あの、いいんです。いっぱいいっぱい、はしゃいでください」

梓(幼いころみたいに、はしゃいでくれてたのに……)


 「 ごめんね、久しぶりに、梓ちゃんと会えて……楽しくて 」


梓「私も楽しいですよ。だからもっと──」


 「 ──ううん、いいの。」


梓(……)


 「 もう、大丈夫だよ。ありがとう 」


梓「…………」

梓(あぁ、まただ……)


 ──梓「先輩は、これからも全部、我慢していくんですか。寂しい事も、甘えたい事も」──

 ──みほ「うん、そうだよ。そうしなきゃいけないと思う」──


梓(どうして──)

梓(どうしてそこまで打ち明けてくれるのに、どうして結局私には甘えてくれないんですか?)

梓(どうして最後には隠してしまうんですか? こんな所につれてきて、おかしなルールを勝手に作っておいて……!)
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:12:23.45 ID:7JPgH1JlO
梓「っ」

梓「……っっ」

梓「……〜〜〜ッ」

梓「……ぁ、あぁぁっ……!」


梓(暴力──)

梓(いっそ先輩に暴力をふるってしまいたい──)

梓(甘えてくださいって、我慢しないでくださいって、──先輩の服を全部びりびりに破いて先輩の皮膚を全部ははがしてむき出しにした先輩のやんちゃな気持ちに私の身体を隅から隅までなすりつけてしまいたい!)


梓「……ッ」

梓(だめ、衝動っ、抑えてっ……!!)


 ──────すぅ……はぁ……──



梓(私の感じ方は、──きっと、間違ってる)

梓(認めなきゃいけない。だって──)

梓(だって私は──先輩のお姉さんには、最後までなれなかった)

梓(だから……)

梓(貴方なら──まほさんなら、どうするんですか、こんな時)

梓(ちっとも素直になってくれない先輩に──甘えたいクセに甘えてくれない先輩に──貴方なら何ていうんですか……!?)

梓(──……)

梓(……)


 ────……


梓(そうだよ……きっとあの人は、こうする……)

 すっ

梓(先輩の頭のてっぺんに、優しく手を添えて)

 ふぁさ

 「 ん……梓ちゃん……? 」

梓(それから、ゆっくりと撫でながら──)

 さわ、さわ……

 「 ぁ…… 」

梓(きっと、こんな感じの事を言うんだ)

梓「みほ」

 「 ……! 」

梓「偉いよ、みほ」

 「 ………… 」

梓「勉強、頑張るんだぞ」

 よし、よし


梓(──無責任! 先輩の本当の気持ちも知らずに……!)

梓(きっとそのせいで先輩は、我慢ばっかりを……っ)

 よし、よし、よし……
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:13:01.20 ID:7JPgH1JlO
よし、よし、よし……

梓(……。)

梓(だけど、先輩がそれを望んでるんだとしたら?)

梓(もし、そうなら……)

梓(……)

梓(私の考えは、全部私の我儘で……だったら……)

梓(先輩が、それを望むなら、お姉さんのやり方が──やっぱり、一番いいのかな──)



 ……じゃあ──────だとしたらわたしはこの一年間……いったい、何をやってたんだろう──────────





 「 ……駄目……! 」





梓「……え?」



 「 やだ、駄目、梓ちゃんは……お姉ちゃんには、ならないで……」



梓「……、は……?」



 「 梓ちゃんはずっと──そのままでいて 」




梓「……!? どういう──」


 


 「 お姉ちゃんになれなくて、お姉ちゃんになりたがる梓ちゃんのままでいてよぅ…… 」




梓「 ──────!! 」




梓(──一寸先も見えあい暗闇の中──けれど私は、私の感情の火花が散るのを確かに見た──)

梓(初めには強烈な怒りがあって──少しすると、先輩への憐れみや、理解からくるもどかしさが湧き上がり──そして──何段階かの混沌を経た後、最後の瞬間に微かにまたたいたのは──これは…………母性?)

梓(すべてほんの一瞬の閃光だったはずなのに、コンマに刻まれた時の連なりの中で、それらは次々と発する色を変えていく──)


梓(その輝きに照らされて、先輩の瞳が私を見つめている)

梓(その寂しげな瞳の中に私がいる。まほさんじゃない。そこにいるのは、間違いなく──私だった──)


梓「──っああっ、もぉぉぉおっ……! なんなんですか!! 」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:13:29.86 ID:7JPgH1JlO
ガッ!

 「 きゃっ……!? 」

梓(乱暴に抱きしめるくらいのことは──させてもらいますっ!)

 「 や、梓ちゃん、あ…… 」

梓「分かりました、分かりましたから先輩の我儘、全部ききます。だから先輩も──自分の言った事くらいは、守ってください」

 「 え…… 」


梓「自分から言い出したルールぐらいは、最後まできちんと守ってもらいますからっ」

 
 ──パッ


梓(──灯りがついて、暗闇が消えた)


みほ「あ、梓っちゃん、もう、終わっちゃったから……」


梓(そんなこと……知りません!)


梓「いいですか、次は、ちゃんと、守ってくれますか」

みほ「え」

梓「守ってくれますかっ、先輩が決めたルールですよっ」


梓(先輩を抱きしめたまま、先輩の少し朱くなっている耳元へ直に言葉をぶつける)


みほ「……はい」


梓(先輩のその戸惑たような敬語が、なんだか私には、ちょっぴり可笑しく思えた)


 ──────。


ペパロニ「はぁい、お疲れさ──」

梓「ペパロニさん!」

ペパロニ「んぁ?」

梓「追加でもう一回、入れますか!」

ペパロニ「あぁいいよ。お客さんの待ちもないし」

梓「じゃあ、これ、500円ですっ」

 ちゃりんっ♪

ペパロニ「あいあい、毎度あり〜。……お?」

みほ「……」

ペパロニ「にひひ……、西住さん、なんか顔赤くない?」

みほ「……っ、な、何でも……ない、です……」

ペパロニ「いひひ〜、楽しんでくれてるね、結構結構! よぉし、サービスで時間を倍にしとくっすよん♪」

みほ「あぅ……」

梓「ありがとうございますっ」


 ──────。
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:14:06.83 ID:7JPgH1JlO
 フッ……

梓(また、暗闇。けれどもう、はこれっぽっちも怖くない)


 ──私がお姉ちゃんにしたことは、全部、私がお姉ちゃんにしてほいしこと──


梓(──やってあげます。私はお姉ちゃんにはなれないけれど──だからこそ、やってあげますっ)


梓(先輩は、お姉さんには──こんなこと、したくてもできないんだ……!)

梓(私じゃなきゃ──できない!)


梓「えい!」ツンツン!

 「 きゃっ!? 」


梓「えいえいっ」ツンツンツン!

 「 や、梓ちゃっ……」


梓「えいえいえい、えいっ」プニプニ

 「 んっ、あっ 」


梓(先輩も、早く──)


 「 ……っ、も、もぉっ! 」 チョンチョン

梓「ひぅっ!?」


梓(──やったぁ!)


 「えいっ!」 チョメチョメ

梓「ひゃあっ」

梓(そうです、先輩もっと……もっと楽しみましょう、恥ずかしがらずに!)



 「──きひっ、えひ、いひひ……!」



梓(……! きたぁぁぁ!!)  


 「──きゃ、あは──あははは……!」

梓「先輩、負けないですよォ!」ツンツン!

 「 あひっ……あひゃ!」スリスリスリ!



 ツンツン、ツンツン──

   ──スリスリ、サワサワ


梓(楽しいですか、先輩──私はとっても楽しいですよ──────)

 「 きゃひ……! 」



 ──────。
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:15:05.23 ID:7JPgH1JlO
梓(──そろそろ明りが灯くころかなぁ? もっともっと、先輩とこうしていたいけど──)


 「 …… 」ツンツン、ツンツン……

梓「ひゃうっ……んもう、先輩、さっきからおしりばっかり」


 「 …… 」ツンツン、ツンツン……

梓(……? というより、おしり以外は一切触ってくれない……?)


 「 …… 」ツン……

梓「……」

梓(──あ……)


   
 ──私がお姉ちゃんにしたことは、全部、私がお姉ちゃんにしてほいしこと──


梓(……)

梓「──先輩」


 「 …… 」

梓(……。まほさんなら、多分、……気が付かないふりをして──それがまほさんの優しさなんだ。きっと……)

梓(だけど私は──まほさんじゃない……)

梓(……)

梓(先輩、やっと少しだけわかりました。先輩が私に──何を求めていたのか……)

梓(……)

梓(……いいですよ、しかたないです。尊敬する先輩の我儘なら……聞かなきゃです……)




梓「──先輩、見たいです」

梓「先輩のおしり──見たいです」

梓「見せて、くれますか……?」


 「 ……っ 」


梓(……やっと……ここまでこれた──)

梓(アンツィオの皆さんの、おかげです。恥ずかしがり屋の先輩のために──こんな暗闇を養子してくれて──)


 ──パッ

梓「あっ!?」

梓(灯りが……)


みほ「……あ、梓、ちゃん……」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:15:47.56 ID:7JPgH1JlO

梓(……、あは、先輩、前髪がメチャクチャですよ)

梓(──けど、もう、『ルール』は適用されないのかな)

梓(いつもの先輩に、戻っちゃうのかな──)


みほ「……」


梓(……先輩……)


みほ「梓ちゃん」

梓「はい」

みほ「よかったら、今夜、私の家……一緒に泊る?」


梓(──!)

梓(せん……ぱい……!!)


みほ「一緒にお勉強、とか」

梓「は、はい! 私も中間テスト、近いですから────!」

 ──────────







 ガタンゴトン、ガタンゴトン……

< 次は〜大洗、大洗〜



梓「先輩、学園艦が見えてきましたよ。何度見ても大きいです」

みほ「……」


 ガタンゴトン、ガタンゴトン……


梓「……? 先輩?」

みほ「……梓ちゃぁん」

梓「わ……どうしたんですか?」

みほ「今日の事……いろいろ振り返ってたらなんだか恥ずかしくなってきちゃった……」

梓「……」

みほ「私、こんなのでいいのかなぁ……」

梓「まぁ……ほかの人には、見せないほうがいいかもしれないですね」

みほ「梓ちゃんには、いいの?」

梓「はい。もう隠しても遅いですから」

みほ「う……」

梓「先輩……お泊りはやっぱり無し、とか、聞かないですよ」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:16:19.40 ID:7JPgH1JlO
みほ「う〜……」

梓「……。コホン、あ、アー」

みほ「?」

梓「『考えすぎだ。みほは、みほらしくあればいいんだ』……えへ、似てます?」

みほ「〜〜〜っ! もう! お姉ちゃんの声真似、禁止!」

梓「あはは、痛いです、叩かないでくださいよぅ」


<大洗〜、大洗〜

 キキイィィィイッィ……ブリュゥ〜ーーーー


梓「あ、ほら、着きましたよ」

みほ「もう……。えと、梓ちゃん一度お家に帰るんだよね?」

梓「はい。お勉強道具とか着替えを取ってきます」

梓(……それと、一応わたしもお風呂でおしりを洗っておこっかな……)

 ──────────────。



 




梓「さって──先輩の家の前に着いた……」

梓「……」

梓(うー……、別に緊張することなんかないんだけど──なんか緊張してきた……)


梓(先輩のおしり──お風呂や温泉では何度もみてる。けど今回はそれとは違う)

梓(……)

梓(どんなシチュエーションで、見るんだろう……)

梓(多分……寝る時だと思うけど……)

梓(電気を消して、一緒のベッドでお休みをいって、それから、お布団の中で先輩がパジャマをぬぐ……のかな?)

梓(先輩は恥ずかしがり屋だからなぁ、きっと、なかなか脱いでくれないんだろうな。布団の中で、もたもたもたもた……)

梓「ふふ……」

梓「……」

梓「──私はどうして、先輩のおしりを見るんだろう」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:17:00.70 ID:7JPgH1JlO
梓「……」

梓(そんな事、考えるまでもない)

梓(私と先輩だから──だよっ)

梓「……よしっ」

梓(見よう。堂々と見よう。誰にも自慢はできないけれど──私はこれから、私の尊敬する先輩のおしりをみるんだ……っ)

梓「梓、いけっ……パンツァー、フォーっ!」

 ぴんぽ〜〜〜〜〜ん

梓(とりあえず一緒にお勉強をして、ご飯を食べて……落ち着け落ち着け……)


 ──かちゃっ


梓(……っ)


みほ「──梓ちゃん」

梓「せ、先輩、来ました」

みほ「……。」

梓(……ん?)

みほ「あのね……すごく申し訳ないんだけど……」

梓「へ?」

みほ「その……お母さんが、また──」

梓(──……!!!)

梓「……嘘……」

みほ「……。うん、ごめんね、嘘、なんだけど……」

梓「へ」

梓「…………」

梓「──先ぱぁいっ! もう!」

みほ「あはは、許して。……お母さん来てないかなーて、ちょっぴり思っちゃってたのは本当だけど……」

梓「往生際がわるいです」

みほ「そうだね、見苦しいね。さ……入って」

梓「おじゃましますっ、もー……私だって、結構緊張はしてるんですから……」

みほ「そっか……。……。……お姉ちゃんと見せ合いっこしたときは、緊張なんてしなかったんだけどなぁ……」

梓「……」

梓「……当たり前です。私は、先輩のお姉さんじゃないですから。……なれませんでしたから」

みほ「梓ちゃん……」

梓「私はあくまで、先輩のお姉さんになりたい後輩……です。そのほうが──いいんですよね」

みほ「……」

梓「けど、だからこそ──先輩のおしりを見れるなら、それって、姉妹以上なんじゃないかって──私は思ってますっ……!」

みほ「……!」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:18:04.63 ID:7JPgH1JlO
みほ「梓ちゃん……梓ちゃんはすごいね。うん、私なんかよりもずっとずっとお姉さんだよ」



梓(──じゃあ、私の事をお姉ちゃん呼んでくれますか──?)



梓(……はは)

梓(……うん、そうじゃ、ないんだよね。先輩のお姉さんはまほさん一人。それは絶対に、変えられないんだ)

梓(……はぁ〜あ)

梓(それだけの事に気付くのに──一年以上もかかっちゃったんだなぁ……)

梓(せめて、その時間は無駄じゃなかった、って思いたい。私は今、ここにこうして──いる、だから、無駄じゃない……って)


 とた、とた、とた


梓「しつれいしまぁーす、荷物、ここに置かせてもらいますね」


みほ「うん



みほ「……えっとじゃあ──私のおしり、見る?」


梓「……」


梓「……えっ!?」

梓(も、──もう!?)


みほ「うん。さっき、お風呂に入って体だけは洗ったの──だから、すぐのほうが、梓ちゃんにもいいかなって……」

梓「も……もっと、時間が遅くなってからかと……思ってました」

梓(まだ、外も明るいのに……)

みほ「でも……この後梓ちゃんにおしりを見せるんだって、そう思うと、なんだか勉強にも集中できなそうで」

梓「な、なるほど……」

梓(……っ)

梓「わかりましたっ、じゃ、じゃあ……っ」


みほ「ん……」


杏(先輩は小さくうなずくと──部屋の奥のカーテンを閉めに歩いていく──)

梓(私は、先輩のその細い背中とほっとぱんつのおしりがリズムよく形を変えるのを見つめながら──たかまる鼓動に戸惑いつつ……)

梓(あぁ、人生はこんなものなんだろうなぁと、分かったようなことを考える)

梓(いつだって、覚悟を決める瞬間は唐突にやってくるんだ)

梓(敵の奇襲、味方のピンチ、そして絶好の逆転チャンス──それらはみんな、こっちの気持ちなんて考えてはくれない、何の前触れもなく、唐突に、その瞬間は訪れるんだ──)
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:18:32.89 ID:7JPgH1JlO
 シャッ

梓(カーテンが閉められて、けれど部屋の中はまだまだ薄暗い。ブラックボックス展の闇とは比較にもならない。窓際にたたずむ先輩の姿が、はっきりと見える──その少し恥ずかしそうな、表情だって)

みほ「じゃ、えっと……脱ぐ、ね?」

梓「は、……はいっ」

 
 ……しゅる……


梓「……っ」

梓(先輩が、恥じらいの滲むしぐさで、パンツを下ろしていく──太ももから、膝をこえて、拗ねへ……)

梓(今はまだ、かがんだ先輩の後頭部のせいで、お股の辺りはみえないけれど──この数秒後にはもう──先輩の──お腹が──)


梓(──心臓の鼓動が体全体に広がって意識までもが脈動してる。どくん、どくん、どくん、どくん、視界までもがなんだかぐらぐら揺れている)



みほ「……っ、えへへ、はずか──しいね」

梓「……っ……」



梓(そして二人きりの部屋の中、今、輩の形のいい下半身が、そのすべてを、私の眼前に──)


53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:21:09.04 ID:7JPgH1JlO
まとめサイト様へ

>>36について
下記の部分は全部削除してください。




 ──────────





梓(──茨城に初雪が舞ったこの日──)

梓(多分、私はもう二度どと──先輩のおしりには触れさせてもらえないのだろう──だけど、それはしかたがない。自業自得だ。調子の乗ってしまった私が、全部いけないのだ──)





 ──────
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:22:46.08 ID:7JPgH1JlO






 ────────────────。














梓(……ハァ〜〜〜〜〜〜。この時に調子にのらんきゃなぁって……ハァ〜〜〜〜〜〜、ぜーんぶ、もう後の祭りなんだけどね〜……)












 ──────────────。







まほ「──みほっ、お願いだから! どいて! おしりを放して!」

みほ「やだぁー! このままうつ伏せでいーのっ、もっともっとお姉ちゃんのおしり見るのー!」

まほ「後でまた見せてあげるから! いまは一度おしまい! ね!?」

みほ「どうしてぇ?」

まほ「だ、だって……お、おならがでそうなのっ」

みほ「うん、いいよぉ?」

まほ「へ」

みほ「お姉ちゃんのおヘソからおならがでるの、みほ見たいもん! えい、おしり開けぇー!」グィグィ

まほ「ひぃ、……だ、だめーっ、絶対駄目っ、やだー!」ジタバタ!!

みほ「見るのー! 見たい見たいー!」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:23:14.26 ID:7JPgH1JlO
まほ「ほ、ホントに怒るよーっ! みほっ!!」


 げしっ!!


まほ「──あっ、ご、ごめんみほ、足が当たって……」


みほ「……」


まほ「……み、みほ……?」

みほ「…………〜〜〜〜〜っ!」

まほ「ちょ、み──」


みほ「ぴやあぁあぁああぁぁあぁあぁぁぁあぁぁぁあ!!!!!!!」

みほ「蹴ったぁ! おねぇちゃんが蹴ったぁ〜〜〜!! ふぇぇぇぇぇぇえええええっんん!!」


まほ「み、みほぉ、ごめんねみほぉ! わざとじゃなくて……」

みほ「ピギャペェェェェェェェェェェェェェェェェ!!」

まほ「あわわわわ……」


 ──ガラっ!!


しほ「こら! 何を騒いでいるの!」

まほ「お、お母様!」

しほ「みほはどうして泣──って、まほ! なんて格好をしているの!!」

まほ「えっ!」

しほ「ちゃんとパンツとずっずを履きなさい! はしたない……!」

まほ「わぁっ、あわわ、ごめんなさい、ごめんなさい……」

みほ「ぴぇぇぇぇぇぇぇぇお姉ちゃんが蹴ったぁぁぁぁぁ!!」

しほ「……? まほ、どういうこと? ケンカをしたの? ちゃんと説明をなさい」

まほ「違う、そうじゃなくて……そうじゃなくてぇ…………ぐずっ」

しほ「泣く暇があったら早くズボンをはきなさい!」

まほ「ひぐっ!!」(ビクッてなって肛門に力)

   <ぷぅ〜〜〜っ……

まほ「ひゃぅっ……!?」

しほ「…………、まったく……なさけないっ……」

まほ「……!」ガーーーン!

まほ「……っぐ、ひぐぅっ……うぇっ……」

しほ「泣いてはなりません!!」

まほ「っ、……っ……!!!! ……ぴぇぇ゛ええ゛ぇぇ゛ぇぇ゛ぇぇぇええぇま゛ほ゛は゛わ゛る゛く゛な゛い゛の゛に゛ぃぃぃ゛ぃぃ゛ぃぃ゛ぃぃぃ!!」

みほ「ベギャアアアアアアアアアおねえじゃんがげっだああああ!」


しほ「……ハァ……なんなのですか、もう……」


菊代「あらあらあら〜」トタトタトタ




 ──お姉ちゃん……あの時は本当にごめんね──今ごろになって、ようやくわかったよ……お姉ちゃんがあの時、おならを我慢しながらいったいどんな気持ちでいたかが──────────



 ────────────────
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:23:41.24 ID:7JPgH1JlO
 ちゅんちゅんっ……ちゅんっ……


梓(ん……もう、朝五時……起きなきゃ……)

 ごそ……

梓「ふぁぁぁぁ」

みほ「──スゥ……スゥ……」

梓「……」

梓(先輩、まだ怒ってるかなぁ……)

梓(──)

梓(私は昨日、おそらく──ううん、間違いなく、世界でだれも見たことのないものを見たのだと思う)

梓(……つまり──)



梓(先輩のおしりの穴から、先輩のおならが噴き出す、そのまさに瞬間を──)

梓(……)


梓「人間の身体って、すごいなぁ……」


梓(──今でも、目に焼き付いている)


梓(振動──そう、いくつものヒダ達の微細な振動の輪舞──)

梓(なぜ、おならはあんな音をたてるのか。子供のころかずっと不思議だった。だけど──その過程と全機構を、私は目の当たりにした)

梓(と同時に、いやだいやだと懇願する先輩の声もまた、耳に残ってる……)


梓(……。)

梓(私はどうかしてたんだと思う)

梓(もっとも、私と先輩の関係そのものがそもそもどうかしていたのかもしれない)

梓(とにかく、私はすっかり、のぼせて、頭がおかしくなり──あの一時、私は先輩の全部を、自分のものにできたように勘違いをしていた)

梓(先輩の命も、心も、そして──尊厳までも)

梓(結果──先輩は激怒した)


梓「当然だよ……」


梓(見たこともないくらいに怒り狂って、私に同じことをして報復をした)

梓(つまりは──私をすっぽんぽんにし、私をベッドに腹ぶせの四つん這いにさせて、それから、私がオナラをするまで──私のおしりをがっちり放してくれなかった──)

梓(……。)



梓(私、すごいこと先輩にしちゃったし、させられちゃったんだぁ……)

梓(……その後の勉強の、空気が重い事重い事……)

梓(はぁ……お詫びに、飛び切り美味しい朝ごはんをつくります──ゴメンね、先輩……)



 ──────────。
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:24:10.37 ID:7JPgH1JlO
梓「ふぅ〜、もうしばらくで、おいしい朝食の完成だよっと……」

梓(先輩、もーちょっと、寝ててくださいね、一応これはサプライズですから……)


みほ「──ふぁぁぁぁ」


梓「……あ゛っ」

みほ「……。いい匂いがする」


梓(……サプライズ、失敗……)


梓「お、おはようございます、先輩……」

みほ「……」


梓(返事をくれない……怒ってる、よねぇ)


梓「あのぅ……昨日は本当にごめんなさい。」

みほ「……」


梓(はぁ、しばらくは口、きいてくれないかなァ……)


みほ「……。夢を、見たの」

梓「え……」

梓(……?)

梓「夢、ですか」

みほ「うん」

梓「ど……どんな夢ですか」

みほ「……。梓ちゃんには教えない」

梓「そ、そうですか」


梓(……うぅ)


みほ「だけど──」

梓「?」

みほ「だから、許してあげる」

梓「へ?」

みほ「お姉ちゃんに免じて──昨日のことは許し上げる。でも、二度とは許さないから」

梓「へぁ、……あ、ありがとう、ございます……」

みほ「もう少し寝る。ご飯できたら、起こして」

梓「は、はい……」

みほ「……」


 とた、とた、とた……


梓「……」

梓(…………???????????)
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:26:23.39 ID:7JPgH1JlO
──────


梓(朝食ができた後、先輩を優しく起こしに行き──ウェイクアップストレッチの補助と、髪をとかすこととを厳命された。もちろん私はうやうやしくその申しつけに従う。その間に朝食が冷めたけど──たぶん、わざとの意地悪だろう。怒れません)

梓(テーブルを囲んで一緒に朝ごはんを食べ、美味しいご飯のおかげで先輩は少しだけ機嫌を直してくれた。単純で可愛い。一緒にベーグルをほおばりながら、今日の休日の予定を、二人で相談しあった。嬉しい。ケンカしたまま帰りたくはなかったもの。今日一日だけは、先輩の家で勉強をして帰ることにした……)


みほ「梓ちゃん、とってもお料理上手なんだね」

梓「えへへ、ありがとうございます」


梓(──マッシュルームサラダをほおばる先輩の唇──その唇に、先輩の肛門が重なる)

梓(それだけじゃない、先輩のオナラの香りの強い印象、口の中に広がる得たいのしれない風味──そして、唇でたしかに感じた、先輩の肛門の感触──あらゆるイメージが、先輩の笑顔に重なる──)

梓(先輩は気付いていないかもしれないけど──昨日、怒り狂った先輩が私の顔にヒップアタックをしたとき──私は先輩のおしりに顔をうずめていたのだ──その時、私はたしかに唇で、先輩の肛門に触れた──)

梓(……世界中の誰にもいえない、先輩にすら怖くて言えない、私だけのとっとき秘密だ)


梓「……」

梓(先輩の肛門──少しも汚く思えない)

梓(それはきっと──先輩がかつて幼いころ、お姉さんの肛門をしきりに見たがった、その愛情と同じなのだろう)



みほ「……梓ちゃん、唇のはしに、ドレッシングがついてるよ」

梓「へぁ?」

みほ「ほら、ここ……」

 ぐじ……

梓「あ……えへへ」

みほ「もう……ふふ……」



梓(……きっと先輩も、私の笑顔に、私の肛門を重ねているのだと思う。それくらいに、昨日の出来事は忘れられない──)

梓(先輩と私は、お互いの肛門を感じあい、そしてケンカをし、そうして今、仲直りをしつつある。他の誰とも経験したことのない特別な記憶──そういったもので、少しずつ私達は結ばれていく)

梓(姉妹の絆は、甘い金平糖や可憐な草花で結ばれるわけじゃない)

梓(それよりもはるかにもっと具体的で共感的なもの──匂い、味、痛み、暖かさ、そして感情──それらを共に積み重ねて、少しづつ少しづつ紡がれていく。だとしたら──)

梓(一月の朝、外は寒いけれど、部屋の中は暖房で暖かく)

梓(先輩と私は、少しだけ姉妹になった──)






ガールズ&パンツァー 〜響け! キス・マイ・アス! 〜

おわり
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 21:29:15.21 ID:7JPgH1JlO
以上です。ありがとうございました。
くぅつか。

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少女達(+1)が暗闇であれこれします。
【ガルパン】ブラックボックス展 in アンツィオ
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