城ヶ崎美嘉「本番開始前、駄弁り場」

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1 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/31(火) 15:15:17.22 ID:Rmn8FgqLo
===
P「それでは皆さん。本日のステージもどうぞよろしくお願いします」

美嘉「任せといてよプロデューサー。ドーンと大船に乗った気でいなってば!」

P「ありがとうございます。城ヶ崎さんはいつも頼もしく……助かりますね」

P「出番が近づけば呼びに来ますので、自分はこれからスタッフとの打ち合わせに――」

美嘉「うん、行ってらっしゃい! そっちも頑張ってね」

P「では、後ほど」


美嘉「じゃーね★」

ガチャ、バタン。スタスタスタ……。

美嘉「……さてと!」

美嘉「それじゃあみんな、今日のライブもプロデューサーの期待に応えられるよう頑張ろう!!」

奏「うふ」

志希「にゃは♪」

周子「はっは〜ん?」

フレデリカ「トレビアーン?」


美嘉「――って、み、みんなして何なのその顔はさ」

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2 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/31(火) 15:16:57.32 ID:Rmn8FgqLo

周子「何だかんだと訊かれれば――」

志希「見たぞ聞いたぞ冷やかすぞっ♪」

フレデリカ「まるで新婚みたいな美嘉ちゃんに、乗ってらっしゃい見てらっしゃい!」

周子「お代は見てのお帰りねー♪」

美嘉「ちょ、ちょっと! 別にさっきのはそーゆーヤツじゃなくて!!」

奏「やれやれ、とんだ泥船じゃなければいいけれど」

美嘉「奏まで!!」

美嘉「だ、大体その泥船の横にはでっかくさ、"LiPPS"って文字があるんだけど――」


奏「そう、奥様は女子高生だったのです! ……なんてね」

美嘉「聞いて! アタシの話をさ!!」

フレデリカ「初々しいよね」

志希「初物だもん」

美嘉「はつっ!?」

周子「まぁまぁ皆まで言わないの。美嘉ちゃんは派手さの割に乙女なんだし傷ついちゃう」
3 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/31(火) 15:19:10.04 ID:Rmn8FgqLo

フレデリカ「そうだそうだ、周子ちゃんの言う通りひげ剃りなんだし傷つけちゃう!」

志希「あっ、イチ抜けするのはズルくなーい?」

奏「それにひげ剃りじゃなくてカミソリでしょ?」

美嘉「……どっちも違う、カリスマだよ」

フレデリカ「やだもー、そんなの」

奏「分かってるわ」ニコッ

美嘉「知ってた! こうなることは知ってたのに……!」


周子「まっ、そんな恋愛大先輩の美嘉ちゃんをね、業界の後輩として私らは立ててかなきゃイカンと思うワケ」

フレデリカ「そうだね先輩、教えてよー」

奏「年上彼氏を物にする方法」

志希「私たち興味ありまくり〜……にゃははっ♪」

美嘉「みんなね、そうやってバカにするけど変わんないぞ? アタシと芸歴、変わんないぞ!?」

美嘉「それにカリスマだって言うんなら、もう少し敬意を持ってよね!」
4 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/31(火) 15:20:21.03 ID:Rmn8FgqLo

周子「そかそかそか」

フレデリカ「なるほど、つまり――」

志希「美嘉ちゃんは肩書き勝負を所望すると」

美嘉「いや別に、勝負を望んでるワケじゃなくて……」

志希「はいはいはーい! あたし海外留学飛び級生!」

奏「モデルにドラマに引っ張りだこの人気女優」

周子「実家は老舗の和菓子屋で、小さい頃から客商売♪」

フレデリカ「おまけに外国人とのハーフだよ?」

美嘉「待って、後半に行くほどズレてない?」

美嘉「てか、最後のヤツは完璧にタダの出自だし!」
5 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/31(火) 15:21:40.73 ID:Rmn8FgqLo


奏「あらまぁ、美嘉ったらそれを言っちゃう?」

周子「あたしたちに聞いちゃう? 言わせちゃう?」

志希「しょーがないなー。それじゃ、フレちゃん先生お願いします」

フレデリカ「任されよう! ……美嘉ちゃんがデビューする前にモデルしてた。黙ってるだけで通行人が振り向く程の美貌持ちー♪」

奏「ホント、"黙ってられる"間だけね」

フレデリカ「なぁーにさー! 喋ってたって人目は惹くよ?」

周子「そりゃアンタが騒がしすぎるからだ」

志希「言えてるー♪」指差し

フレデリカ「冴えてるー♪」指差し返し

四人「Oh! LiPPSー♪」チャッチャッ♪(指鳴らし)


美嘉「言っとっけど、絶対流行んないからソレ!!」
6 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/31(火) 15:23:05.85 ID:Rmn8FgqLo

フレデリカ「――さてと、美嘉ちゃん弄るのももう飽きたねー」

奏「一応、出番までは大人しく待機しましょうか」

美嘉「はぁっ!? あ、アタシのやり切れないこの気持ちは――」

周子「おっ、そういや志希ちゃん香水変えたー?」

志希「変えたー。流石鼻敏いねぇ」

美嘉(聞いてっ!)


奏「また志希のオリジナルブランドなの? この前貰った試作品、現場で好評だったわよ」

美嘉「……えー? 香水変わってる?」

フレデリカ「変わってるよねー。今日の香りはフンフンフフーン♪」

フレデリカ「ズバリ、シャルルとゴーギャンだーっ!!」

周子「知ってる! 画家の名前でしょ?」

志希「ついでに適当なんじゃにゃーい?」

フレデリカ「当ったりー! 奏ちゃん、みんなにキッスくばったげてー」

奏「もう、しょうがないわね。……ちゅっ♪」投げキッス

美嘉「なんでアタシに!?」」
7 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/31(火) 15:23:55.60 ID:Rmn8FgqLo

美嘉「ってか、みんな香水の話は……」

フレデリカ「降水? 雨なんて降って無いよー」

奏「変わりに飴ならあるけどね。みんなものど飴食べるかしら?」

周子「食べるっ! いやー、今朝はなにも食べて無くてさぁ」

奏「……お腹は膨れないんじゃないかしら?」

美嘉(しかものど飴なんだよな〜)

志希「そうそうそうだ。お腹が膨れるって言ったらさ、こんな話があるんだけど」


志希「便秘だとお腹が張るじゃない? これを上手いこと利用して胃袋の圧迫に使えればさ」

周子「もしかして……食欲が減る?」

フレデリカ「するとあれかな、体重が落ちる?」

志希「そう、名付けて便秘ダイエット! ……って、トンデモ研究が最近ね〜」

美嘉「ちょっと−、真面目な顔で何言いだすかと思ったら――」

奏「志希、その話詳しく」

美嘉「掘り下げるのっ!?」
8 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/31(火) 15:26:04.51 ID:Rmn8FgqLo

奏「あら気にならない? それだけ溜めるということは、もちろん解消法もあるワケでしょ?」
周子「あっ」

志希「なるほど察し」

フレデリカ「アルミサッシ」

美嘉「え〜! ……もしかして奏も今そうなの?」

奏「ううん。私は快調そのものだけど、"奏も"ってことは美嘉アナタ――」

美嘉「う゛っ」

志希「お腹の張り具合からして、今日で二日目程度と見た」

周子「え? あのお腹入ってんの!?」

奏「見えないわよね」

フレデリカ「全然細いよー、羨ましっ」

美嘉「……なんだろう。褒められてるハズなのに嬉しくない」


フレデリカ「お! フレちゃん長年の疑問が急に解けた!」

周子「ほう、一応聞いておきましょうか」

美嘉「……どーせろくでもない話だろうけど」

フレデリカ「アイドルはトイレに行かないってアレさ、原因は多分便秘だよねー」

志希「それか、衣装でするのが面倒だからだ」

奏「案外大衆のイメージが作られる発端ってそんなものかもしれないわね」

周子「それ言っちゃ、シモの話で盛り上がるアイドルってのもイメージ的にはどーなのよ?」

美嘉「それも華の十代がね」

周子「なにおう? 悪かったな〜、十八で!」

志希「十八で!」

フレデリカ「十九で!」

美嘉「待って、なんでアタシ急に怒られてんの!?」
9 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/31(火) 15:27:11.59 ID:Rmn8FgqLo

周子「とにかく話を戻せばさ、ちょっと小腹が空いてるんだ」

周子「誰か朝ご飯をミーにプリーズ、プリーズ? グッドモーニング!」

フレデリカ「オー、ハウアーユー!」

志希「I'm fine thank you♪」

奏「And you?」

美嘉「り、リピートプリーズ」

周子「アターシ、オ腹、ヘテルネー」

フレデリカ「出前頼むアルか? 何食べるネ?」

志希「あたしたち、超メガトン盛りのエビチリを用意してくれるトコ知ってるよー?」

奏「待った二人とも。それはライブ終わりの打ち上げでね」


美嘉「……あ、そうだ。ガムなら一枚あるけど――」

周子「ガム?」

フレデリカ「美嘉ちゃんカリスマなのに出して来る物が超フツー」

志希「平々凡々」

奏「人並みね」

美嘉「嫌ならあげないっ! アタシが食べる!」

奏「……と、言われても」

志希「元からあたしたち」

フレデリカ「いらないよー?」

周子「ちょいとお姉さん方や、それだとトバッチリがこっち来るんだけど」
10 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/31(火) 15:27:53.89 ID:Rmn8FgqLo

コンコン、ガチャ。

P「皆さん、そろそろ出番ですから移動の方をお願いします」

美嘉「あ、了解プロデューサー! ……って、えっ? はっ!? も、もうそんな時間!?」

周子「落ち着きなよ美嘉ちゃん。ガム分はサポートしたげるから」

志希「そうそう志希ちゃんたちもついてるし」

奏「今日のステージ、大船に乗ったつもりでいていいわよ?」

フレデリカ「何てったって、仲間だもんねー!」

P「……だ、そうですよ」

美嘉「みんな……!」


美嘉「……全く毎回毎回みんなはさ、マイペースって言うかなんというか」

美嘉「楽屋で出番を待ってる間、一時も気が休まらないのは困るけど――」

美嘉「でもホント……賑やかにしてくれて、アリガト★」

四人「どーいたしましてっ♪」

美嘉(だって未だにライブの直前って、滅茶苦茶緊張するんだよねー)
11 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/10/31(火) 15:29:28.99 ID:Rmn8FgqLo

フレデリカ「それじゃ、みんなで一緒にぶちかまそー!」

周子「右手出してー」

志希「円陣組んでー」

奏「美嘉も、準備は万端かしら?」

美嘉「と、当然っしょ? カリスマだし!」

フレデリカ「じゃ、いっせーのーでっ!」


美嘉「Oh! LiPPSー♪」チャッチャッ♪


P「……じょ、城ヶ崎さん。お一人で一体何を――」

美嘉「ちっ、違うの! これは、そのっ、なんていうか!!」

奏「……ふふ♪」

志希「にゃは♪」

周子「はっは〜ん?」

フレデリカ「美嘉ちゃん、流石にソレは流行んないかなー♪」

美嘉「あ、あ……ア・ン・タ・達・はぁ〜っ!!」

美嘉「肝心な時に裏切っちゃって! 絶対許さーんっ!!」


N『しかし美嘉の緊張は完全に吹き飛び、ステージは大成功を収めることになるのだった』


おわり
12 : ◆Xz5sQ/W/66 [sage]:2017/10/31(火) 15:35:29.67 ID:Rmn8FgqLo
>>3訂正
〇周子「まっ、そんな恋愛大先輩の美嘉ちゃんをね、業界の後輩としてあたしらは立ててかなきゃイカンと思うワケ」
×周子「まっ、そんな恋愛大先輩の美嘉ちゃんをね、業界の後輩として私らは立ててかなきゃイカンと思うワケ」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/12(日) 23:10:23.23 ID:6S27BAXe0
おつなのよー
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