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ジャン「もしかして俺、入れ替わってる!?」
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33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/16(木) 23:04:19.07 ID:/iEd3DI70
ザワザワ ガヤガヤ
らいなー「あぁ、もう人が来たな。ジャン、来い。」
べるとると「今日の授業の説明するから…」コソッ
ジャン「おう、じゃあなモブ下!ありがとよ。」
まるこ「……」
モブ下「う、うん…」
らいなー「今日の授業は一時間目が…」
ジャン「…」フム
まるこ「………」
まるこ「……(人に嫌われようとしていないジャンを見ると…彼は、本当は好かれるべき人間じゃないのかと、思わされる…)」
まるこ「…………(じゃん……君だって、本当は優しくて、無駄な喧嘩は嫌いで、好きなものは好きだって正直に言えるいい奴なのに…)」
べるとると「………」
べるとると「(…邪魔、だなぁ……。)」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/19(日) 22:22:58.69 ID:hyZbdxs+0
_____________昼休み
まるこ「あれ?ジャンは?」
べるとると「らいなー、同じ教室だろ?」
らいなー「あぁ、便所だとよ。移動教室はやっぱりややこしいよなぁ…」
まるこ「じゃあここで待ってれば来るかな」
べるとると「……」
___15分後
らいなー「…遅いな…」
べるとると「……」
まるこ「…あ、ジャンに電話をかけてみたらどうかな。せっかく使い方を教えたわけだし。」
らいなー「ハッ、そうだった。かけてみるか…」
プルルルルル
???『もしもし?』
らいなー「…!?(ジャンじゃねえ、誰だ?)」
???『いやぁ助かったよ、こいつさぁ、携帯のロックはずせっつっても外してくれなくてさぁ。でもそっちから掛けてくれりゃ世話ねえよな、優等生!』
らいなー「おい、誰だお前。」
???『校舎裏だ。さっさと来いよ。』ブチッ
三人「……」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/19(日) 22:42:05.47 ID:hyZbdxs+0
___________校舎裏
モブ助「いやぁ、しかしお前も強情な奴だよ…いくら殴っても、携帯使わせてくれねぇんだもんな」
ジャン「……わから、ねぇんだよ……クソが…。」
モブ助「はぁいいんだよ、もうその冗談は。うぜぇ……さぁてと、優等生君は来るかね。」
ジャン「………」
ジャン「(5人で一気に襲い掛かってくるとは卑怯な奴らだ……ただ、こいつらは素人…市民と同じ…命が危険に脅かされる心配はねえ。)」
__________教室前
まるこ「は…!?助けに行かない…?!」
らいなー「あぁ。俺らが行ってどうする、喧嘩は避けられん。」
べるとると「……じゃんの意思に背くことはしたくないから……」
まるこ「ッ…何がじゃんの意思だッ!!!二人の意思だろ!?」
べるとると「…まるこ…」
まるこ「らいなー!場所を教えろ!僕一人でも行く!!」
らいなー「……」
まるこ「らいなー!!!」
らいなー「…中等部校舎の、裏庭だ。好きにしろ。」
まるこ「……」ダッ
べるとると「…らいなー、」
らいなー「わかってる。本当の場所は真反対の高等部校舎裏だ。昼休みの残り時間じゃ、中等部まで行ったらもう間に合わねえだろ…」
らいなー「アイツにも…ジャンにも悪いが、これでいいんだ。じゃんだって…わかってくれたんだからな…。」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/19(日) 22:55:19.48 ID:hyZbdxs+0
_________校舎裏
モブ助「おい!何で来ないんだよ!!」
ジャン「俺が知るかよ…」
モブ助「クソが!!」
ジャン「……」
ジャン「…お前ら…何でらいなーとか…あいつらを狙うんだよ、あいつら…悪さするようなタイプでもねえのに…」
モブ助「……ハァ?お前何言ってんだ?」
モブ助「何しらばっくれてんだ?知ってんだぞ俺らは…お前らが、俺の仲間をボコったからだろうが!!」
ジャン「……は?いや…あいつらがそんなことするか…?何かの勘違いじゃ…」
モブ助「オメーもその場に居ただろうが!!俺らが!最初に!この学校で!名を上げるはずだったのによぉ!!お前らのせいで俺らは内申もこの学校内での立ち場もヤバイんだぞ!?」ガッドカッ
モブ助「それなのにっ、らいなーもべるとるとも…まるこの野郎も、平気で優等生ぶりやがって!!暴力沙汰も被害者面しやがった!!!」ガッ、ガッ
ジャン「っぐ………ぅ……!」
モブ助「俺らは退学になったっていいんだ…アイツら三人やってやる!!だからあいつらの親友のテメーをこうしてさらってきたってのに…」
ジャン「………」
モブ助「何で来ねえんだよ…!」
ジャン「……(知るかよ…俺が聞きてえよ、クソ痛ぇ…)」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/19(日) 22:59:30.80 ID:hyZbdxs+0
____________
キーーンコーーンカーーンコーーン
モブ助「……!!」
モブ助「あ、あいつら…結局放課後まで来なかった…!」
ジャン「……」ゼェゼェ
モブ助「オメー…親友じゃなかったのかよ…」
ジャン「……」
「もう行こうぜ」「ちょっとやりすぎだろ」「先公に見つかったら面倒だぞ」「こいつを人質にする作戦は失敗だな」「次どうする?」「やっぱ直接あいつらを…」
モブ助「……お前……それでよく、やってられんな、こんな役目…」
ジャン「…(役目…?何のことだ…?)」
モブ助「行くぞ、オメーら。」
ジャン「………(何だってんだよ…どいつもこいつも…)」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/19(日) 23:07:41.76 ID:hyZbdxs+0
らいなー「ジャン!!」
ジャン「…!」
べるとると「だ、大丈夫?ひどい…口が切れてる。水、飲めるかい?」
まるこ「ごめんッ……」
ジャン「おめ、ら……」
らいなー「アイツら、電話で間違った場所を伝えやがってな…走り回って探したら、こんな時間になっちまった」
ジャン「えっ……あ、そ…そうなのか…?」
らいなー「あぁ。本当にスマン…」
まるこ「……っ、」
べるとると「……まるこ。わかってるだろ…」
まるこ「っ……くそ……」
らいなー「起きれるか?」
ジャン「あぁ……、う…!」クラァ
まるこ「!」
ジャン「…くそ…」ドサッ
らいなー「……入れ替わったか」
べるとると「…どう説明して、辻褄を合わせようか?」
まるこ「…………………。」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/20(月) 00:28:09.04 ID:cRafMz8l0
______________夜 104号室
まるこ「(ジャンにはひどいことをしたな…)」
まるこ「(じゃんも…知らないうちに傷だらけになって、可哀そうに…)」
じゃん「…まるこ。お前また難しいこと考えてんのか?」
まるこ「えっ?」
じゃん「眉間にしわよってんぞ。何だよ、好きな女でもできたか?」
まるこ「い、いや…そんなことないよ」
らいなー「そうだろ、まるこは今から受験で忙しいんだ。そんなことをやってる暇はない。」
べるとると「そうだよ…頑張るって、僕ら一緒に決めただろう?」
まるこ「あ、う、うん…そうだよ、じゃん。」
じゃん「ふーん。恋愛は、励みになると思うけどな。ま、いいわ。俺もう寝るかな…」
らいなー「…なぁ、じゃん。」
じゃん「あ?」
らいなー「お前は、どんな場所に行ってるんだ?入れ替わってる間…」
じゃん「……貧相なところだよ。よく思い出せねぇんだけど…お前とかの、そっくりがいる。毎回あっちに行くと全部綺麗に思い出すんだけどな…ここに戻ってくるとうまく思い出せねぇ。ただ…怖いやつが居る世界だってことはわかった。あと…パラレルワールド、なんだろうな。ここの。」
べるとると「パラレルワールドって…平行世界のこと?」
じゃん「そっ。今度俺が入れ替わったら、もう一人の俺に教えてやっといてくれ。精神病だとかそういった疑いをかけられると面倒だからよ!」
らいなー「…ふうん」
じゃん「じゃあ、マジでもう寝るわ。体中痛ぇし…クソ、あっちの俺は鍛えてるくせに弱ェのかよ…」ブツブツ
じゃん「じゃあ、おやすみな」
三人「おやすみ、じゃん。」
まるこ「……………」
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/20(月) 00:38:10.47 ID:cRafMz8l0
まるこ「………」
まるこ「……(昔は……真反対だった…。僕は…僕らは、いつも泣き虫のじゃんを守って……)」
_________________回想 数年前
じゃん「うわぁああん!」
らいなー「また殴られたのか?」
じゃん「げ、げーむ、とられたぁあ…!」
べるとると「また…よく来るあのいじめっ子?」
まるこ「じゃん、泣いてちゃだめだぞ!ほら、僕らがいっしょに行ってあげるから。取返しに行こう!」
じゃん「う"ん…!!」
まるこ(僕ら三人はいつもじゃんをいじめっ子から守っていた。)
まるこ(じゃんは、いつも泣いてばかりで…同い年なのに、まるで僕らはお兄ちゃんだった。)
まるこ(小学生の高学年になって、じゃんも泣く回数が減って来た。それでも、よくいじめられていて…じゃんは、いい子だった。)
らいなー「今日は何して遊ぶ?」
べるとると「カードゲームしようよ…この間の」
まるこ「いいね、面白そうだ!」
じゃん「あー…悪い、今日母ちゃんが風邪ひいちまっててさ。家帰って飯作ってやらねえとなんだ…」
まるこ「えっ。おばさん大丈夫?」
らいなー「つうかじゃん、お前……いいやつだよなぁ」
べるとると「どうしていじめられるんだろうね」
じゃん「う、うっせーよ!ばか!これでも最近鍛えてんだからな!!」
まるこ「あはは!」
じゃん「笑うんじゃねぇよ、まるこ!!」
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/20(月) 00:54:53.94 ID:cRafMz8l0
まるこ(じゃんは、本当に模範的ないい子だった……と、思う。あのころからちょっと、口は悪かったけど…)
まるこ(中学生になって半ば……僕たちに、大きな変化があった。らいなーとべるとるとは、親に大学を決められて…遊ぶ暇なんてないと、強く言われたらしい。僕も、政治家になりやすいような頭のいい大学をいくつか挙げられて、そこに行くことを強制された。)
まるこ(それを、じゃんに伝えたら…あいつは、笑いながら、すごいな!って……)
まるこ(そして、あの事件だ……あの事件から、僕らの関係性は、大きく崩れた。)
まるこ(あれは、高校にはいってすぐの事だ…校舎裏で、知らない生徒がいじめられてて……)
じゃん「何してんだオメーら」
不良「あ?なんだオメーら」
らいなー「複数で弱い者いじめか?感心しないな」
不良「うるせぇなぁ、じゃあお前がやるか?サンドバッグ。」
べるとると「…らいなーは、強いよ。」
じゃん「力の差も見てわからねぇのかよ…」
まるこ「うわ、いじめられてるの中等部の子だよ…ほら、もう行っていいから。」
不良「おいおい何勝手に獲物逃してくれてんだ!」
まるこ(お決まりみたいなやり取りをして、僕らは不良グループ六人と喧嘩した…)
まるこ(その時はもう、じゃんもだいぶ強くて…戦力だった。)
まるこ(決着は、僕らの勝ちでついた。動けなくなった不良生徒のうち、一人は殴り飛ばされたときにやってしまったのか、骨が折れてた。)
まるこ(投げたのはらいなーだった。らいなーは、人の骨を折ったということに焦ってた。)
まるこ(そして、じゃんがいきなり僕らを殴った。理由は、僕らにはすぐわかった。)
まるこ(先生が駆け付けた時、立っていたのはじゃんだけだった。)
じゃん「俺がやりました。」
まるこ(じゃんは、1週間の停学処分を受けた。骨の折れた子は自主退学をした。それから、寮の室内でじゃんは謝り倒すらいなーと、僕たちに言った。)
じゃん「今後お前らに降りかかる喧嘩とか、全部俺が相手する。お前ら良い学校行くんだろ。じゃあ、喧嘩なんてすんなよ。絶対だ。何があっても、手出すな。絶対俺を呼べ。」
らいなー「で、でも、それじゃお前の進路は…」
じゃん「昔助けてもらった恩返しだ、それに…俺は別に馬鹿大学に行ってもかまわねえし、何なら高卒で働いたっていいんだよ。」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/20(月) 01:01:51.26 ID:cRafMz8l0
べるとると「君一人で、全員を相手にするの?」
じゃん「なんだよ、俺には出来ねえってか?わかった、今後俺が負けたらお前らは好きにしていいぜ。その代わり俺が負けるまでは約束は守ってもらう。」
まるこ「じゃん…どうして、そこまで…」
じゃん「はっ、知るかよ。強いて言うなら、俺は勉強漬けの日々は御免なんだよ。嫌われたほうが楽だ。それに、あの喧嘩はでかかった。お前らは間違いなく逆恨みされる。俺が居ねえと、お前ら良い大学いけねえだろ。でも、そうだな…俺が落ちぶれたら、お前らが養ってくれよ。なーんて…」
まるこ(じゃんは冗談を言って、そのまま寝てしまった。ただ、僕はらいなーとべるとるとがそれを冗談だと捉えていないと、顔を見てすぐにわかってしまった。)
まるこ(二人は、ああそんな名案があったのか、何て天才なんだろうこいつはって顔をして、目を輝かせていたんだ…)
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/20(月) 19:17:36.69 ID:2WrOC0qf0
君の名は!?
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