【ポケモン】リーリエ「アローラ一武道会…?」

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1 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:01:45.39 ID:i35cCdbY0
リーリエ「? なんですか、そういうポケモンバトルの大会があるのですか?」

グラジオ「いや、人間同士が闘う本来の意味での武道大会だ。明日、アーカラ島のロイヤルアベニューロイヤルドームを貸切って開催される」

リーリエ「はぁ、そうですか。   …でもそれがどうかしたんですか?」

グラジオ「この大会の優勝者にはミヅキが贈呈されるんだ」

リーリエ「・・・は、い?」

グラジオ「ミヅキはタチの悪いヤミ金業者から法外な利息からなる多額の融資を受けていたらしい」

グラジオ「その返済の方法として、今回こういう形で身売りされることになったそうだ…」

リーリエ「そ、そんな…!ひどいです!ひどすぎます!ミヅキさんは物じゃありません。嘆かわしい…!」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1510588905
2 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:02:23.57 ID:i35cCdbY0
グラジオ「……借金の理由についてだが、どうやらミヅキは、」

グラジオ「GXバトルブーストのSRリーリエを入手しようと、カードをBOX買いしたまでは良かったものの、」

グラジオ「天文学的な確率で、封入されているBOXを外し続け、」

グラジオ「ムキになってカード買い続けた結果、気づけば借金まみれになっていたそうだ…」

リーリエ「可哀想なミヅキさん!○フオクか何かでカードをオトすという考えはなかったのでしょうか!」

リーリエ「…しかし!!  それならばその大会、わたしも参戦致します!」

リーリエ「ミヅキさんが変な人のものになってしまったら大変です!わたしが必ずお助けして見せます!」

3 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:02:53.69 ID:i35cCdbY0
―アローラ一武道会・大会当日 ロイヤルドーム―

―――ワイワイガヤガヤ

グズマ「優勝するのはこのグズマ様だぜぇ!!」

ハウ「おれねー、勝つー」

ビッケ「フフフ、決勝でお会いしましょう…!」

カキ「望むところだ…」


リーリエ「……。…予想以上に凄い参加者数ですね。みんな、ミヅキさんが欲しいんでしょうか?」

グラジオ「なんでもアローラの人口90%が大会参加を表明しているそうだ。そして恐らく、こいつらはミヅキが欲しいわけではない…」

リーリエ「どういう意味ですか?」

グラジオ「大会優勝の副賞に、ミヅキがポケモンバンクから引き出したジラーチなる幻のポケモンの力で、願いを一つ叶えてもらえることになっているんだ」

リーリエ「・・・・・・願いが一つ・・・、叶う・・・!?」

4 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:03:28.72 ID:i35cCdbY0
グラジオ「…俺達兄妹はミヅキに返しきれない大恩がある故、奴を助けてやりたいのも気持ちも嘘ではないが…」

グラジオ「はっきり言わせてもらえば、俺が出場を決めたのも願いを叶えてもらうためだ」

リーリエ「…に、にいさま…!純粋にミヅキさんのために出場しているのかと思えば…!見損ないました!」

グラジオ「ちなみに俺の願いはUBの毒に侵されたうちの代表の回復などではなく、○○ブキヤから『グラジオwithタイプ・ヌル』のフィギュアを出してもらうつもりだ。これは売れるに違いない。」

リーリエ「…需要はともかくサイズ的ににいさまがヌルさんのオマケですね…」

リーリエ「それにしても可哀想なミヅキさん!そのジラーチさんの力でそもそもの借金を消してもらえば良かったのにと思わずにはいられません!」

グラジオ「……そろそろ、試合開始時刻が近づいてきたぞ…。お前の出番はいつからだ?」

リーリエ「…Aブロック第一試合…。  あ、いきなり試合です…。わたし…!」

グラジオ「まぁ、お前が勝ち残るのは難しいだろうが、せいぜい頑張れ。俺が優勝すればいいだけのことだからな…」

5 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:03:54.18 ID:i35cCdbY0
―ロイヤルドーム リング―

イリマ「アローラ!ご視聴の皆さま!『イリマなんかいりません』のキャッチコピーでお馴染み、アニメの出演の目途が完全に死んだ僕、イリマが本大会試合の模様を皆様にお伝え致します!」

イリマ「ご存じ本大会はポケモンバトルの大会ではなく、人間同士の格闘大会です!」

イリマ「それにちなみまして本日は特別に、人間の代わりにポケモン達をドームの客席に迎えるという趣向をとらせていただいております!」

客席満員のポケモン達「「「グオオーーーッ!!」」」

イリマ「皆さんにも伝わるでしょうか!ポケモン達の熱気に溢れる興奮の様子が!!」

イリマ「まるで人間とポケモンの立場が入れ替わったかのような、薄気味の悪いSFホラー映画でも観ている気分です!正直、僕は怖くなってきました!!」

イリマ「尚、実況席にはゲストとして、イッシュ地方の科学者であるアクロマ氏と、カントー最強トレーナーであるレッド氏をお迎えしております」

アクロマ「よろしくお願いします」
レッド「・・・・・・。」

6 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:04:41.36 ID:i35cCdbY0
リングアナのライチさん「アァーキャ、コォナァアア!! エーテルパラダイス所属ゥウ!リィィィイイイリエェアアア!!!」

客席満員のポケモン達「「「ギャア!ギャアッ!!」」」


リーリエ(……き、緊張します…)テクテク


リングアナのライチさん「アァーオウ、コォナァアア!! アーカラ島所属ゥウッッ!マァアアアアオオオオウウウーーーッ!!!」

リーリエ「!」

マオ「よろしくっす!」


イリマ「Aブロック第一試合はリーリエ選手対マオ選手。いやあ、アクロマさん。初戦から華やかなカードとなりましたね」

アクロマ「はい。ポロリとか無いかなと期待しますね」
レッド「……。」

7 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:05:27.02 ID:i35cCdbY0
マオ「久しぶりっす!リーリエさん! ミヅキさんとハウさんがアーカラに島巡りに来た時に港で逢った以来かな?」

リーリエ「いえ。確かミヅキさんがチャンピオンになった時のお祭りでも、顔を合わせていたかと思います」

マオ「そっかそっか。ごめんごめん! しかし、何故かな?こうして相対していると、あなたとは毎日ように顔を合わせているような気分になるよ」

リーリエ「ひょっとして異世界でわたし達はスクールのクラスメイトか何かだったのかもしれませんね」

マオ「あははは!いいねそれ!  …試合は、どっちが勝っても恨みっこなしだよ!」

リーリエ「あ、はい!お手柔らかに!」

8 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:05:53.38 ID:i35cCdbY0
イリマ「両選手、和やかな雰囲気を醸しながらリングイン」

アクロマ「これから、この二人が傷つけあうとなると、試合とはいえ少々心が痛みますね」
レッド「……。」

イリマ「……まったくです…」

―――カァーン(ゴングの音)

イリマ「今、試合開始のゴングが鳴りました。 …お、マオ選手。拳を突き出してリーリエ選手に近づきます」

アクロマ「拳を突き合わせて、挨拶がしたいんでしょう。マオ選手のスポーツマンシップです」
レッド「……。」

イリマ「リーリエ選手もそれに倣い、マオ選手に近づきま   …!!?」

9 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:06:22.10 ID:i35cCdbY0
マオ「」ニヤリ

リーリエ「?」

―――ビュオッ!!

リーリエ「!」

―――バキィ!!


イリマ「な、なんということだー!!油断して近づいたリーリエ選手にマオ選手、非情の上段回し蹴りーーー!!完全な“だましうち”ですっ!!」

アクロマ「卑怯な!! 完全にリーリエ選手の首を捉えた!!あの蹴りはまるでラランテスの鎌ですっ!!」
レッド「……。」

イリマ「勝ち残るのは一人のみ!情け無用のデスマッチ!これがアローラ一武道大会ですッ!!」

10 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:07:15.09 ID:i35cCdbY0
マオ「くーくっく!ニコニシティからシェードジャングルを往復する食材集めによって鍛えられた健脚から繰り出される蹴りの味はどうかなぁ…!」

マオ「あたしが優勝した暁には、うちのレストランを世界一に…、じゃなくて○○ブキヤに『マオwithアマージョ』のフィギュアを造ってもらうんでっす!」

マオ「スイレンがポケカでSRカード化してしまった事であたしの優位性は失われてしまい、もう後が無いんでっす!この大会に優勝して他の女子キャラに差をつけてやるっす!」

マオ「だからリーリエちゃん、悪く思わないでね!  …だって始めに言ったよね!『恨みっこなし』ってさ!」


―――「ええ…。別に構いませんよ。勝つのはわたしですから…」


マオ「!!?」ギク!

リーリエ「ふふふふ。随分と軽いキックです」ニヤリ

マオ「ば…、馬鹿なっ!!」」

11 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:07:45.32 ID:i35cCdbY0

イリマ「あ、ああっと!?リーリエ選手!腕組みした直立姿勢まま、マオ選手の蹴りを受け切っております!あの蹴りを受けてまったく微動だにしていません!!」

アクロマ「あの“だましうち”は躱せなかったのではなく、あえて躱さなかったのかとでもいうのか!?」


リーリエ「えへ。遠慮せずに次は本気で攻撃しに来てもらって構いませんよ?」

マオ「……!」

リーリエ「ふふふ。それとも、さっきの一撃が目一杯だったのでしょうか?」

マオ「…あ、ありえない…。こんな線の細い、いかにもお嬢様な女の子が…、こんなデタラメに強いわけが…!?」

リーリエ「そんなことはありませんよ。それは偏見というものです」

リーリエ「例えばですが、わたしは999.9kgのほしぐもちゃんを背負いながらポニの大峡谷を踏破したことがあります」

マオ「な…何ィ!?」

リーリエ「その上、プロ格闘家ロイヤルマスクであり、ポケモンのわざ受けて研究を行うとかいう頭良いんだろうけどアタマおかしいククイ博士の助手を約3か月、勤めていました」

リーリエ「そのわたしが弱いわけがないじゃありませんか?」

マオ(そ、そうか!)

12 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:08:21.01 ID:i35cCdbY0
リーリエ「でこぴん!」ペシ

マオ「ぐほぉっ!!」


イリマ「おおっと!マオ選手、ブッ飛ばされたー。その距離およそ25メートルゥ。」


リーリエ「試合もつっかえていることです。てっとり早く終わらせてもらいます。」

リーリエ「きー、あー、いー、だー、まーー!!」

――――ズァオ!!

マオ「ぎゃああああ!」

マオ「」バタ


レフェリーの国際警察ハンサム「マオ選手、戦闘不能!リーリエ選手の勝利!」


リーリエ「弱いです!弱すぎます!」

観客席のポケモン達「「「ワァアアアァ…!!」」」


イリマ「拳を突き上げ、ポケモン達の歓声に答えるリーリエ選手。見事一回戦突破!」

イリマ「大会オープニングからまったくとんでもない選手が現れましたッ!!」

13 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:09:01.14 ID:i35cCdbY0
――選手控室――

グラジオ「えー?お前、なんであんな強いの?にいさま、驚いちゃったよ?正直、軽く引いた」

リーリエ「ミヅキさんが手に入るチャンスなんですよ!?負けてたまるものですか!!」

グラジオ「……目的…、変わってないか…?」

リーリエ「そんなことより、にいさまの方の試合はどうだったのです?」

グラジオ「フッ、幼稚園児(♀)に執拗にすねを蹴られてしまい、…惜しくもな…。もう少しの所だったんだが…」

リーリエ「……………。」

グラジオ「惜しかったんだ。接戦だったんだ本当に…。もう一度やれば俺が勝つだろう」

リーリエ「ああそうですか」

グラジオ「お前も幼稚園児(♀)と当たった時は気を付けろ」

リーリエ「ええそうですね」

14 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:09:32.51 ID:i35cCdbY0
グラジオ「ところで、お前の二回戦の相手はどうなんだ?」

リーリエ「間違いなく、勝ちあがってくるのはメレメレ島のしまキングでいらっしゃるハラさんだと思います。」

リーリエ「アローラ相撲の名手で、今大会優勝候補の一人とも目されている強豪です」


カヒリ「み、みんな大変よ!会場モニターをご覧なさい!!」

控え選手一同「「「!!?」」」


―解説席―

イリマ「し、信じられないことが起こりました…!優勝を期待されていた実力者メレメレ島しまキングのハラ選手…。」

イリマ「一回戦で…まさかの敗退……!!」

アクロマ「オーマイガッ…」
レッド「……。」


ハラ「…で…ですな…」バタリ

15 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:09:59.19 ID:i35cCdbY0

イリマ「ハラ選手を48秒という驚異的タイムでマットに沈めたのは…、」

イリマ「アーカラ代表スイレン選手です!」


スイレン「うふふふ…」


イリマ「スイレン選手は次の試合、こちらもまた鮮烈なデビューを飾ったリーリエ選手と激突致します!」

イリマ「本大会二回戦も目が離せません!!」


――選手控室――

控え選手一同「「「……!」」」

リーリエ「ば、馬鹿な…。あのハラさんを秒殺…!」

グラジオ「…リーリエよ…。どうやら次の試合も吹き荒れそうだぜ…。鮮血のサイクロンが、な…!」

16 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:10:26.69 ID:i35cCdbY0
―ロイヤルドーム リング・第二回戦―


イリマ「さぁ、やってまいりました!二回戦大注目のカード、リーリエ選手VSスイレン選手!」

イリマ「両選手すでにリング入りを終え、今まさにゴングを待つばかり!観客席のポケモン達も今か今かと試合開始を待っています!」


スイレン「初めましてリーリエさん。アーカラ島キャプテンの一人、スイレンでございます」

リーリエ「ご丁寧に。リーリエです。」

リーリエ「しかし、こうして直接お話しするのは初めてかも知れませんが、ミヅキさんがチャンピオンになった時のお祭りにはお互い参加していましたよね?」

リーリエ「確かスイレンさんはミヅキさんのお母様と楽しげに談笑されていた記憶があります」

スイレン「あらまぁ、そうでしたか。これは大変失礼を」

リーリエ「何だかわたし達は口調が少々似ているような気がしますね。  …ところであなたの願いは何なのです?」

スイレン「私の願いはカイオーガ&ルギアと釣りで対決するチャンスが欲しい…、じゃなくて○○ブキヤに『スイレンwith オニシズクモ』のフィギュアを造ってもらいます!」

リーリエ「…需要はともかくサイズ的にスイレンさんがオニシズクモさんのオマケですね…」

17 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:11:10.81 ID:i35cCdbY0
―――カァーン(ゴングの音)


イリマ「ただ今、ゴングが鳴りました!先手を取るのは、果たしてリーリエ選手か、スイレン選手か…!   …!!?」


リーリエ「…!」ピヒョン!
スイレン「…!」ピヒョン!


イリマ「両選手、試合開始と同時に、き、消えたーーっ!!」

アクロマ「違う!!お互い、人間の目では捉えられないほどの超スピードで動いているのです!私の目を持ってしても追うのがやっとです!!」
レッド「……。」


――――ガガガガガガ…!


イリマ「り、両者の闘う音だけが、不気味に鳴り渡ります!」


―――ズゴン!!

リーリエ「くっ!」ズザー

18 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:11:55.39 ID:i35cCdbY0

イリマ「ど、どうやらオープニングヒットを決めたのはスイレン選手のようです!打撃を受けてよろめいたと思われるリーリエ選手の姿だけがリングに出現しました!」

イリマ「それにしても、“りゅうのまい”を積んだメガリザードンXのように獰猛なリーリエ選手を打撃戦で圧倒するとは…。スイレン選手…、何故こんなに強いんでしょうか!?」

アクロマ「確か…、スイレン選手にはサンムーンのエンディング内でヨワシ(むれたすがた)を空高くまで一本釣りした写真がありましたね…。」
レッド「……。」

アクロマ「ヨワシ(むれたすがた)の重さはたかだか78.6sですが…、恐るべきは、彼女はそれを細い釣り竿でやってのけたこと…!」
レッド「……。」

アクロマ「つまりスイレン選手は、超スゴいパワーコントロールと超スゴいハンドスピードの持ち主であると超スゴく推理できる…!気を超スゴく全開にすれば、これだけ超スゴいスピードで動けるのもまったく不思議ではない…!」
レッド「……。」

アクロマ「要するに……、スイレン選手、超スゴい…!」
レッド「……。」

イリマ「そ、そうか!」

アクロマ「とはいえ、“はらだいこ”を積んだマリルリのように腕力のあるリーリエ選手に、こうも競り勝てるのは不可解…。これには何か他の仕掛けがあるはずです…!」
レッド「……。」

19 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:12:33.85 ID:i35cCdbY0

リーリエ「くっ…!」

スイレン「ふふふ。わからないという顔をなさってますね?何故、攻撃を喰らってしまったのか?」

リーリエ「……何をしたのです…?」

スイレン「うふふふ……」チョイチョイ

リーリエ「…!」ダッ!


イリマ「ああ!リーリエ選手のキテルグマ並みに凶悪な“メガトンパンチ”がスイレン選手を襲う〜!!」

アクロマ「並みの人間ならば、かすっただけでも余裕で死ぬ威力です!!」
レッド「……。」


スイレン「……リーリエさん? …『この大会、パンチで攻撃するのは反則』ですよ…。」

リーリエ「…ッ!!?」ピタ…!

スイレン「嘘です!」シュッ!

―――バキ!

リーリエ「づは…っ!」

20 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:13:00.56 ID:i35cCdbY0

イリマ「な、何が起こったんだー!リーリエ選手!突然パンチを止め、スイレン選手の反撃をモロに受けてしまったー!」

アクロマ「こ、これは一体…!?」
レッド「……。」


リーリエ「ちっ…!(一度、距離を取らないと…!)」

スイレン「リーリエさん!『足を動かすと失格』になりますよ!」

リーリエ「…えっ!!?」ピタ…!

スイレン「嘘です!!」ビュッ!

―――バキィーン!!

リーリエ「…が、は…!」


イリマ「スイレン選手の“とびひざげり”がヒットォ!リーリエ選手、ドームの壁までぶっ飛んでいきます!」

アクロマ「先程からリーリエ選手の動きがおかしい…。…これは、まさか…!」
レッド「……。」

21 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:13:37.25 ID:i35cCdbY0

リーリエ「……はぁ、はぁ…!」

スイレン「どうです、リーリエさん?これが、私の特性【つりびとのうそ】の力です…」

リーリエ「特性…、【つりびとのうそ】……?」

スイレン「【つりびとのうそ】の効果…。それは、『私の吐く嘘は必ず信じなければならない効果』…。」

スイレン「私の試練を受ける島めぐり挑戦者さん達は、どんなに怪しくても何故か私の言葉の言う通りにしてしまう…」

スイレン「この特性はそんな運命の不文律から発現された能力です」

リーリエ「…なるほど…。これがハラさんを秒殺できた理由…なのですね…。」ペッ!

スイレン「そういうことです。うふふふ」

リーリエ「流石にさっきの緑色のとは一味違うますね…。面白いです」

リーリエ「…ならば、わたしも少し本気を出すとしましょう…!」スッ

スイレン「…?」

22 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:14:15.84 ID:i35cCdbY0

イリマ「おっ…と、リーリエ選手…。かぶっていた白いつば広帽子を取りました…」

アクロマ「…帽子をかぶっていては、視界が狭まりますからね。相手の攻撃を見切るために当然の判断と言えるでしょう」
レッド「……。」

アクロマ「しかし、【つりびとのうそ】の力の前に、そんな小細工が今更、意味があるのかは疑問ですが……」
レッド「……。」


リーリエ「…。」ポイ

――――ズシン!!!!!

スイレン「なッ!!?」


イリマ「な、なんとォ!!り、リーリエ選手の帽子がスタジアムのコンクリート床にめり込んだぁ!!」

アクロマ「な、何百キロあるんだ、あの帽子!! …いや、驚くべきところはそこじゃない!!」
レッド「……。」

アクロマ「今まであんなものをかぶりながら、リ−リエ選手は闘っていたというのか…!?」
レッド「……。」

イリマ「か、観客席のポケモン達からもザワザワと大きなどよめきが起こります!!」

23 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:14:47.11 ID:i35cCdbY0

リーリエ「えへ。これで楽になりました。あれをかぶっていると肩がこるのです。」ゴキゴキ

スイレン「ば、バケモノめ…! しかし、私の特性【つりびとのうそ】がある限り、あなたに勝ち目なんてありませんよ!!」

リーリエ「ふふふ。なるほど、特性…ですか。確かにあれは厄介です」

リーリエ「ならばその素敵な切り札を魅せていただいたお礼に今度は、わたしの特性を御覧に入れますよ」

スイレン「…!? あ、あなたにも特性が?」

リーリエ「……わたしの特性はポケモンでいう所のフォルムチェンジ系…」スッ

スイレン「!?」

リーリエ「はああああ!」


―選手控室―

控え選手達「「「一体、何が起こるんだ…!」」」

ククイ(フフフ…!飛ばしているなぁ、リーリエ…!)

ハプウ(まさかアレを二試合目で観ることになるとはのう…。余程の相手と見える…)

24 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:15:17.58 ID:i35cCdbY0
―リング―

リーリエ「はっ!」

――――ボッ!!

スイレン「か…、」

スイレン「変わった…。」

リーリエ「これがわたしのゼンリョクの姿。」シュインシュインシュイン…


リーリエ「・・・がんばリーリエです!」


イリマ「うおおおおおお!!リーリエ選手、へ、変身?しましたぁ!!!」

アクロマ「なんて戦闘力なんだ…! ま、まだ上昇していく…!…素晴らしい…!!」
レッド「……。」

25 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:15:49.32 ID:i35cCdbY0

がんばリーリエ(以下Gリーリエ)「今のわたしのパワーはノーマル状態のざっと1000倍です。」

スイレン「な、なんですって…!」

Gリーリエ「残念ですが、嘘ではありません。」

スイレン「な、なんというゴリラ!  くっ!」ドシュウ


イリマ「スイレン選手!たまらずリーリエ選手から間合いを取ります!!」


スイレン「くそったれ!パワーがあなたならスピードは私です!一生かかっても追いつけませんよ!」

スイレン「!!」

―――ギッ

スイレン「まっ まさか!」

Gリーリエ「これはこれはおひさしぶり」


イリマ「り、リーリエ選手!容易くスイレン選手を先回りだー!」

26 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:16:22.12 ID:i35cCdbY0

スイレン「わ、『わたしを攻撃するのはルール違反』です!!」

Gリーリエ「ひゃあ!」ビッ

―――ズドン!

スイレン「おあっ!!  な、何故、わたしに攻撃ができるんです…!?」

Gリーリエ「特性【つりびとのうそ】はもう効きませんよ」

Gリーリエ「そういった特殊能力は自分より下か、ある程度近しいレベルの相手にしか通用しないのです。」

Gリーリエ「今のわたしの立ってる場所はあなたの特性の遥か先です。」

スイレン「あ、あああ…!!」

Gリーリエ「釣れない態度でごめんなさいね。」

27 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:16:52.06 ID:i35cCdbY0

Gリーリエ「がんばリーリエきあいだまーー!!」

――――ドウッ!!

スイレン「ぎゃあああ!」

スイレン「」バタ

レフェリーの国際警察ハンサム「スイレン選手、戦闘不能!リーリエ選手の勝利!」


イリマ「決着ゥゥーーーーッ!!リ、リーリエ選手の逆転勝利だーー!!!」


Gリーリエ「弱いです!弱すぎます!」

観客席のポケモン達「「「ワァアアアァ…!!」」」


アクロマ「それにしてもリーリエ選手、それなりに苦戦していたくせに何という言い草でしょう!」
レッド「……。」

28 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:17:42.79 ID:i35cCdbY0

―――このようにしてアローラ一武道大会はその後も進行していった。


マーマネ「僕の特性は【ひらいしん】!電気攻撃を吸い寄せ、吸収する効果!」

マーマネ「僕の試練で選択肢を間違えると、僕だけ電気でおしおきされてしまうことに由来する特性さ!」

リーリエ「わたしは電気攻撃なんてしません!」バキィ

マーマネ「し、しまったああ!」

アクロマ「リーリエ選手の勝利です!」


―――多くの戦士達がこの日この場所で、血と汗と鼻水と涙を流し、そして…、散っていった…。


ハウ「おれねー、ハウゥゥウゥッッッ…!!!!」

イリマ「あーっと!リーリエ選手、会心の“けたぐり”がハウ選手の急所に当たった〜っ!!」

レフェリーの国際警察ハンサム「ハウ選手、戦闘不能!リーリエ選手の勝利!

29 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:18:12.45 ID:i35cCdbY0

―――リーリエにも様々な特性使い達が、その眼前に立ちふさがったが、


アセロラ「アセロラちゃんの特性は【ふろうふし】!その名の通り、年を老いず不死身になる特性!」

アセロラ「『アセロラちゃん、実は凄い年寄りなんじゃないか』というファン考察から起因しているんだよ!」

Gリーリエ「ならば降参するまでコテンパンにし続けるだけです!!」

アセロラ「ふぇえええぇん…!おくちあんぐりぃい……!!」

レッド「…………。」


―――リーリエはその圧倒的なヒロイン力で、強敵(とも)たちを次々と血祭りィに上げていった。


Gリーリエ「10倍ぇカイオーガ拳きあいだまー!」ポヒー

ザマス「やなかんじぃーー!」

Gリーリエ「弱いです!弱すぎます!」

観客席のポケモン達「「「ワァアアアァ…!!」」」


―――そしてついにリーリエはアローラ一武道会決勝まで見事、勝ち進んだのである・・・!!

30 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:18:43.69 ID:i35cCdbY0
――選手控室――

グラジオ「決勝進出、やったなリーリエ…!フッ、兄として鼻が高いぞ…!」

リーリエ「ふっふっふ…。わたしともあろう者がドキドキしてきました。……あと一回勝てば、ミヅキさんを……!」ブツブツ

グラジオ「ミヅキの事は置いといて、お前、願いの方はどうするつもりなんだ?」

リーリエ「ああ…そんなのありましたね…。どうしましょう?わたし、特に叶えたい願い事なんて無いですよ?」

マオ「あ、じゃあ○○ブキヤのフィギュア化を願ったら?」

リーリエ「もうされてます、わたし。」

スイレン「…え?」

リーリエ「ついでに言えばポケカのSR化も、初期リーリエとがんばリーリエのイラスト違いで2回収録されています。シングル価格がポケカ基準ではかなりの高値が付いて、ちょっと話題になりました」

リーリエ「それから、ねんどろいど化もされていますね」

アセロラ「そ、そうなんだ…」

31 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:19:12.41 ID:i35cCdbY0
リーリエ「なんだったら、『がんばリーリエwithコスモウム』のフィギュア化でも願いましょうか?…まぁ、そんなもの特別願わなくても勝手に商品化するような気もしますけど」

リーリエ以外の選手達「「「・・・・・・・・・・。」」」

リーリエ「なんにせよ、願い事なんて優勝してから、ゆっくり考えれば良いことです…」

リーリエ「Bブロックを勝ち抜き、決勝戦に踊り出て来るのは恐らく…、クク…、ロイヤルマスク選手…!」

リーリエ「流石のわたしでも正直、勝てる自信はない最強の相手です…!」


マーレイン「み、みんな大変だ!会場モニターを観てみたまえ!!」

控え選手一同「「「!!?」」」

32 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:19:38.25 ID:i35cCdbY0
―解説席―

イリマ「し、信じられないことが起こりました…!優勝候補筆頭クク…、ロイヤルマスク選手…」

イリマ「準決勝戦で…敗退……!!」

アクロマ「アンビリーバボー…」
レッド「……。」


ククイ「…だ…だぜ…」バタリ


イリマ「ククイマスク選手を37秒という驚異的タイムでマットに沈めたのは…、」

イリマ「国籍不明!謎の覆面戦士!イニシャルY選手です!!」


イニシャルY「フフフフ…!」

33 : ◆eSYjoTh2KA :2017/11/14(火) 01:20:12.54 ID:i35cCdbY0

イリマ「ロイヤルククイ選手を破ったY選手は、Aブロックを勝ち抜いたもう一人の決勝進出者リーリエ選手との対決を迎えます!」

イリマ「いよいよ、アローラ一武道大会もクライマックスですッ!!!」


――選手控室――

控え選手一同「「「……!」」」

リーリエ「ば、馬鹿な…。あのククイ博士を秒殺…!」

グラジオ「…リーリエよ…。どうやら隠れ潜んでいたようだぜ。とんでもないジョーカーが、な…!」

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