巌窟王「亜種並行世界!」 アンジー「虚構殺人遊戯:才囚学園ー!」

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621 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/02(火) 17:17:31.34 ID:Zhu15dX40
スパコン室周辺

百田「……入間がいねーぞ」

最原「全力で走ってどっか行ったのかな……彼女の身体能力と走りにくい靴のことを考えると、そんなに遠くまで行けないはずだけど」

最原(一体何を慌ててたんだ?)





入間side


入間「ああ! 忘れてた! 起爆の時限スイッチを切るのすっかり忘れてたぜ!」サッサッ

入間「い、いや大丈夫だ。起爆した後で薬品がまき散らされる設定にしたからな。部品は焼けて元が何だったのかすら判別不可能になるはず……」

入間「よし……よし。大丈夫だ。ちゃんと焼けてる……」

入間(……というか、部品そのものが隠し場所から飛ばないように設定したんだよな。そもそもEMP兵器なんだから物理的破壊力は度外視だし)

入間(まさかあんな音が出るだなんて俺様も計算外……まあぶっつけ本番の急ごしらえだから計算外が起こるのは当たり前だけど……)

入間「……」

入間「……いや。違うな。俺様はてっきり『何かの計算外でエレクトボムから爆音が出たのでは』って焦ったけど……」

入間「なんかそういう感じでもねーな?」

入間「ていうか、さっきから妙に……」





最原side


最原「……焦げ臭い?」

百田「お? そうか?」クンクン

最原「いや……ごめん、気のせいかな……?」
622 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/02(火) 17:22:10.24 ID:Zhu15dX40
夕飯の休憩!
623 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/02(火) 18:05:02.48 ID:Zhu15dX40
校舎一階

最原「……」

百田「……」

白煙「」モクモクモクモクモクモク

最原&百田「火事だーーーッ!?」ガビーンッ

モノクマ「あ。安心していいよ。ついさっき消火したから。流石に本校舎を燃やされるのは困るし……」

最原「げほっ。でも煙の処理ができてないんだけど!」

百田「おいおい! 火元はどこだよコレ!」

最原「百田くん! ひとまず窓を片っ端から開けよう!」

百田「おう!」

最原「……一体誰がこんなこと……」

最原(火元はどこだ? 食堂とか……じゃないな。倉庫も違う)
624 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/02(火) 18:14:02.95 ID:Zhu15dX40
最原「……地下?」

最原(間違いない。煙は地下から来てる。来てるけど……)

最原(地下から爆音? 爆音……おかしいな。致命的に食い違ってる)

最原「……百田くん! ちょっと火元確認してくるよ!」

百田「え? お、おい……ごほっ!」

最原「大丈夫! 危ないと思ったらすぐ戻ってくるから!」ダッ

百田「待っ……ごほっごほっ……」

百田「う……」


ビシャッ


百田「……くそ。こんなときに……!」
625 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/02(火) 18:22:10.20 ID:Zhu15dX40
百田「……ちっ。今日は調子がちょっと回復したと思ったんだけどな。帰ってきてからずっとコレだぜ……」

百田「終一……! 地下に行ったのか?」




最原side

最原「……結構煙は散ってる?」

モノクマ「まあ、体が悪くなるってだけで、致命的に死ぬってほど有害ガスは残ってないね!」

最原「……」

最原(どうする。行くか、戻るか……でも何か、この先にとてつもなくイヤな……悪意のようなものが渦巻いてる気がする)

最原「……行ってみよう。何もなかったら全力で逃げればいい」

最原「多分、僕が確認しなきゃダメな気がする……!」

モノクマ「へえー」

最原「……」タッタッタッ……

モノクマ「……いい勘はしてるねー。無駄だけど」
626 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/02(火) 18:47:39.37 ID:Zhu15dX40
入間side 超高校級のコスプレイヤーの研究教室周辺

入間「……やっぱり変だ。どうなってやがる! なんでサイレンサーが壊されてんだよ!」

入間(いや。それだけじゃねえ。時限装置が持ち去られて一個だけ起爆しなかったエレクトボムがある)

入間(……俺様の計画が事前にバレてた? でも時限装置なんて持ってったところで何を!?)

コツンッ

入間「ッ!」バッ

赤松「……入間さん? どうしたの、顔が真っ青だけど……」

入間「赤松……!」

入間(扉周辺の熱が冷めたのか?)

入間(……大丈夫だ。俺様は誰も殺してねぇ。殺してないんだから、仮にバレたとしてもなんてことはない)

入間(なんてことはない、はずだよな……?)




最原side 地下の図書室

最原「……」

最原「夢野さん」

最原(もう、悲鳴さえ出てこなかった。ただひたすら自分の心が軋んでいくのを感じていた)

最原(目の裏がチカチカして、今にも倒れそうな感覚)

最原(……失われていく現実感)

最原(夢なら……覚めてくれ……)
627 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/02(火) 19:05:04.63 ID:Zhu15dX40
白銀side 一階

白銀(念のため、事前に『入間さんがコロシアイに失敗するバージョン』のパターンも考えといてよかったなぁ)

白銀(ま、パターンとして考えてたのはアンジーさんに絆されて失敗するタイプだったけど。巌窟王さんが壊すとは考えてなかったよ)

白銀(それはさておいて……この子をあそこまで連れて行かないとな)

茶柱「白銀さん! さっさと窓を開けないと……煙くって仕方ありません!」

白銀「……ね、ねえ。茶柱さん。気付いちゃったんだけどさ。この煙、地下室から出てない?」

茶柱「え?」

白銀「炎そのものは消えてるみたいだし、ちょっと様子を見に行きたいんだけど……」

白銀「な、なんかね。とっても、とってもイヤな予感がするの……!」ガタガタ

茶柱「……」

茶柱「いいえ。白銀さんはここで煙の処理を」

白銀「茶柱さん……」

茶柱「大丈夫です! 転子が様子を見てきますから!」

白銀「……えっ?」

茶柱「じゃ、頼みましたよー!」ダッ

白銀「あ! ちゃ、茶柱さん! 待って……!」

白銀「……」

白銀(なんちゃって)ニィィッ
628 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/02(火) 19:07:28.22 ID:Zhu15dX40
休憩します! AP消費しないと!
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/02(火) 19:14:42.73 ID:W5dRJOOm0
ああ、まさか…
630 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/02(火) 20:53:42.59 ID:Zhu15dX40
最原side 図書室

最原「……」

茶柱「……あれっ! 最原さん! こんなところで何を!」

最原「ッ!」バッ

茶柱「……なんです? そんな泣きそうな顔して……」

最原「こっちに来ちゃダメだ!」

茶柱「はあ? 何を言って……う、この臭いは火薬ですか? 火元はどうやらここみたいですね……」

茶柱「……?」

茶柱「別の臭いもしますね。これは腐臭……?」

最原「〜〜〜〜〜ッ!」

茶柱「……最原さん。さっきから本当にどうしました? 何を……!」

茶柱「それ、最原さんの後ろの扉! 赤松さんの事件のときに話題になった隠し扉ですよね!」

茶柱「開いてるじゃないですか! その先に何が……!」

最原「来ちゃダメだって言ってるだろ!」

茶柱「!」ビクッ
631 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/02(火) 21:05:31.00 ID:Zhu15dX40
茶柱「……そこに誰かいるんですか?」

最原「……」

茶柱「……夢野さん?」

最原「うん」

茶柱「……どいてください。転子は、夢野さんを探さないと……」

最原「どかない」

最原「……キミはこの先の光景を見るべきじゃない」

茶柱「どいてください!」ダッ

最原「断る! イヤだ!」


ガシッ ブンッ


ドカッ


最原「あうっ!」

最原(あっさりと投げ飛ばされてしまった)

茶柱「夢野さん! ここにいるんですか! ゆめ……」

茶柱「……あ?」

最原(その先にあるのは……地獄だ)

最原(絶対に見せたくなかった……! なんのために僕は、ここに立っていたんだ……!)
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/02(火) 21:15:58.46 ID:W5dRJOOm0
ああ、夢野…
633 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/02(火) 21:17:57.99 ID:Zhu15dX40
最原(結論から言えば夢野さんは死んでいた。おそらく殺害方法は銃殺。傍にある銃がそれを物語っている)

最原(ただそれだけなら救いはまだあったかもしれない。問題なのは『損壊が酷すぎる』という一点だ)

最原(相互汚染で遺体の状態を悪くするためだろう。傍には腐った果物が大量に置かれていた)

最原(そして血色を失った肌に群がるのは無数のクロバエ)

最原(夢野さんはゆっくりと着実に食べられていた)

最原(食べやすいように、だろうか。胸のあたりからナイフか何かで『穿った』ような痕がある)

最原(……薄く開けられた目に光はもうない。一体最後に何を見たのか知る術もない)

最原(視覚的に、嗅覚的に、あまりにも無残な夢野さんの死体がそこにあった)

茶柱「あ……あ……い、いや……いや、いや、いやああ……」

茶柱「いやあああああああああああああああッ!」

最原(耳も……引きちぎってしまいたかった)



第四章
虚構殺人遊戯:才囚学園、改め、架●●理●園ダンガンロンパ

非日常編
634 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/02(火) 21:19:58.24 ID:Zhu15dX40
今日のところはここまで!
635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/02(火) 21:20:07.90 ID:W5dRJOOm0
とうとう被害者が出てしまったか…
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/02(火) 21:21:14.83 ID:vHXWgIBKo
なんやかんやこの作品では死なないと思ってた……
637 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/02(火) 21:42:14.12 ID:Zhu15dX40
カルデアラジオとか聞いて癒されるといいっすよ!
やはり美海女史は素晴らしいな……ニトクリス一人もうちにいないんすけど……
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/02(火) 22:12:39.38 ID:k8aS0hk60
乙乙、損壊が酷いならまだダミーの可能性はあるな

明日は弓ギルのPUあるから引くよ!
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/02(火) 22:31:59.81 ID:sw3TWrxfo
架空推理学園ならまだ現実に戻ってきてないんじゃね?
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/02(火) 22:35:42.86 ID:tMHh0AHV0
よりによって夢野[ピーーー]か、そうか。しかも転子仕向けるとか白銀許さんわ

裁判どうなんだろうかころ
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 00:39:07.23 ID:QEsmiJEI0
実は死体は偽物で本物はまだどこかに監禁されているという可能性も…
本当に夢野死亡しかも犯人は首謀者て判明したら流石に全員許さんってなりそうだな
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 09:21:25.11 ID:Duov2xoj0
ていうかハエ居るんだ…
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 09:38:45.47 ID:bfsLhrPgO
モノクマファイル次第じゃ凶器は銃ってのともう1つの出口から犯人は女子ってことぐらいしか分からなそう
本編同様誰かに冤罪擦りつけて殺しそう
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 11:37:41.55 ID:lkXEvdCRo
白銀が夢野見つけたって証言してた時点でアウトでしょ
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 11:41:26.39 ID:9H+5ipHCo
いつ死んだかわからないように虫に食わせてるのかな
黒幕なら死亡時刻出さないだろうし
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 12:30:51.58 ID:I1lkQBtg0
622へ
どこか忘れたけどゴン太のとこから白銀がかっぱらってたゾ
647 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/03(水) 17:20:45.93 ID:olPC3sAu0
最原(夢野さん……)

最原(最初は気だるげな口調が特徴的な女の子だったけど、巌窟王さんが来てからは必死に背伸びしていた彼女との思い出がフラッシュバックする)

最原(……ああ、でもダメだ。そのすべてが今から思い出すと優しい記憶なのに……)

最原(その終点が、この地獄で固定されてしまった)

最原(今はただ思い出のすべてが……胸を掻きむしってしまいそうなほどに痛い)

茶柱「いやああああああああああ……うっ……げほっ……げほっげほっ……」

茶柱「あああああああ……! あううううううう……!」ガタガタ

最原「茶柱さん!」

ガバッ

茶柱「ひぐっ……ひううう……!」

最原「それ以上見ちゃダメだ……心が壊れちゃうよ」

最原(とにかく今は茶柱さんだ。こんな光景、見てていいはずがない。抱きしめてでも視線を隠す)

最原(……迂闊に近づかれて現場を荒らされては困るという打算も当然あるけど)

最原(とにかく後で叩き殺されようと構わない。どんな手を使ってでも茶柱さんをこの場から遠ざけないと……!)



ドカァァァァァンッ!


最原「ん!?」

最原(部屋の奥のあたりが爆発して……)

巌窟王「火元はここか!?」ザッ

アンジー「ここかーっ!」

最原(アンジーさんをお姫様抱っこした巌窟王さんが出て来たーーーッ!)ガビーンッ!
648 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/03(水) 17:28:39.13 ID:olPC3sAu0
最原「巌窟王さん!? 何してるの!?」

巌窟王「サーヴァントとは往々にして高校生を横抱きするものだ!」

巌窟王「盾持ちの少女と、赤い弓兵も似たようなことをやっていた!」ギンッ

アンジー「いえーい!」

最原「いやお姫様抱っこについてツッコミ入れたかったのは事実だけど、僕が今聞いてるのは……!」

巌窟王「む? 最原」

最原「え? な、なに?」

巌窟王「茶柱を抱き寄せてるのか……死にたいのか?」

アンジー「後でお祈りは任せてねー」ナムナムー

最原「いや僕もこれはまずいかなと一瞬思ったけど今はそれどころじゃなくって!」

最原「だから! 僕が聞きたいのは……!」

巌窟王「ところでお前、何故ここにいる?」

最原「こっちの台詞!」ガビーンッ!
649 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/03(水) 17:36:47.82 ID:olPC3sAu0
巌窟王「む……お前の後ろに広がる光景は図書室……か?」

巌窟王「なるほど。火元は図書室だったのだな。そして図書室に隣接している部屋など一つしかない……」

巌窟王「お前はついに辿り着いたのか。隠し部屋に」

最原「……あの。巌窟王さん。こっちの質問にも後で答えてもらうけど……」

最原「ひとまず今はアンジーさんを連れて出て行ってくれる?」

巌窟王「なに? 何故……」チラッ

巌窟王「……夢野?」



ピンポンパンポーン


モノクマ『死体が発見されました! 一定の自由時間のあと、学級裁判を開きます!』


ブツンッ


アンジー「……秘密子……なの?」

巌窟王「見るな。アンジー」

巌窟王「……いいだろう。この場はひとまず引き返す」

巌窟王「……」

巌窟王「ふん……限界して初めてかもしれないな」

巌窟王「無念、などと思ったのは」

最原「……」
650 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/03(水) 17:46:26.54 ID:olPC3sAu0
最原「……」

最原(ひとまず、図書室に目を向けてみよう)

最原(……やっぱりだけど、爆発したというよりは、なにか燃えやすい物に火を付けて炎上させたって感じだ)

最原(だって、この図書室の周りは吸音素材が使われていて、音がほとんど外に漏れない)

最原(だとするとあの爆音はなんだったのかっていう謎が生じるけど……)

最原(……その他にも変なことがもう一つ。どうやって火を付けたんだ?)

最原(後で調べてみないとな……)


ガシッ


最原「ん?」

茶柱「汚らわしい。触らないで」ブンッ

最原(直後、景色が上下逆転した。何が起こったのかを瞬時に僕は理解した。覚悟していたから)

最原(床に再度叩きつけられた僕は痛みを感じる間もなく気絶してしまった)

茶柱「……でもまあ、ありがとうございました」

最原(そんな声を聞きながら)
651 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/03(水) 17:48:22.89 ID:olPC3sAu0
休憩します!
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 18:30:22.89 ID:XvYfY/am0
愛憎半ばするダークホース転子さん
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 19:20:53.05 ID:zJwF8Swd0
事件は起こらないって言ったじゃないですかやだー
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 20:18:29.66 ID:Jxb6Lrfs0
清姫「嘘、吐きましたね…焼きます」
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/03(水) 20:20:16.09 ID:FIWBOitR0
前スレで終わるつもりだった短さとはいったい…。ウゴゴゴゴ…
656 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/03(水) 22:00:22.18 ID:olPC3sAu0
嘘なんか吐いてないよ! 私は人生で一度も嘘を吐いたことがないことで近所で有名なんです!
あ、再放送終わったんで再開しまーす!
657 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/03(水) 22:10:16.66 ID:olPC3sAu0
十分後

最原「……ハッ!?」

アンジー「あ。起きたよー!」

百田「終一……!」

最原「……え? あ、あれ……?」

最原(アンジーさんに膝枕されてる……)

最原「……みんな揃ってる?」

春川「うん。死体になってる夢野を含めてもね」

最原「……そっか」

赤松「泣きっ面に蜂だよね。卒業のルールに意味がないってわかった途端に、こんな……」

赤松「酷い。酷すぎるよ……!」

獄原「……」

獄原「クロバエさんをどかすのにちょっと時間がかかる。でも絶対にやってみせるから、みんなは下がってて」

王馬「いやいやー! そんなことしなくっても俺が殺虫剤を撒いて……」

獄原「ごめん王馬くん。思ったよりゴン太は余裕がないんだ」

王馬「ん?」

獄原「……知らなかったよ。悲しみを通り越すと怒りしかないんだね……酷い感情だ」

獄原「紳士には絶対に必要のない知識。永遠に知りたくない感情だったよ」ギリッ

キーボ「ゴン太くん、落ち着いて……!」

スタスタスタ

最原(ゴン太くんはキーボくんの静止を無視して、隠し部屋の中へと入って行った)
658 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/03(水) 22:21:57.91 ID:olPC3sAu0
モノクマ「はいはーい! それじゃあ、ボクの出番かな!」

モノクマ「あ。ゴン太くんには後で誰か渡しといてね! ザ・モノクマファイルー!」

モノクマ「じゃ、ボクはこれで失礼するよ!」

ドロンッ

真宮寺「……これだけ? 初めて死人が出た割には随分とドライだネ」

巌窟王「確かに気になるが、ひとまずモノクマファイルの内容だ」

巌窟王「……ふむ」

最原(被害者は夢野秘密子。死亡推定時刻は夜の午前二時半ごろ。何らかの理由で死後の腐敗が極端に促進されている)

最原(死因は銃撃による失血死。もがいた形跡がほぼないことから、撃たれた直後あたりから気絶したようだ)

最原(……ん? 午前二時半? バカな)

東条「……これは日付が書いてないから紛らわしいけど……もしかして昨日のって意味なのかしら」

白銀「少なくとも、昨日の夜時間周辺の時間に私が夢野さんを見てるから……」

白銀「それよりも前ってことはないと思う」

茶柱「ええ。よく覚えてますとも。白銀さんは確かにそう言ってましたね」

最原(……あれ。なんだろう。このモノクマファイル。なにか……気持ち悪い)

最原(気のせいかな……?)

白銀「……」
659 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/03(水) 22:32:22.05 ID:olPC3sAu0
最原「……夢野さんの死体を見たのって何人?」

百田「茶柱が『直視しない方がいい』って規制したからな。そこまで多かねーよ」

星「……俺は見たぜ。酷い有様だったな……」

星「まったく。タチの悪すぎるブラックジョークだ。できることなら代わってやりてーよ」

星「こんな死に方をしていいヤツじゃない」

王馬「久しぶりだなぁ。星ちゃんからそういう陰気な台詞が飛び出すのって」

星「……」

星「悪かない、と思い始めてたんだ。お前さんたちのことをな」

最原「……」

星「きっかけは……なんだったか……」

星「今となっては思い出す価値もねーな」

赤松「そんな! 星くん、そんな言い方は!」

最原「やめよう、赤松さん。流石にこればっかりはキツすぎるから」

最原「……誤魔化せないよ。この悲しさは……!」

赤松「……」
660 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/03(水) 22:45:50.91 ID:olPC3sAu0
巌窟王「……」

巌窟王「試すのをやめよう」

アンジー「神様?」

巌窟王「……歩むがいい。足掻き続けろ! 魂の牢獄より解き放たれて――お前たちは!」

巌窟王「いつの日か、世界を『変える』だろう!」

最原「!」

巌窟王「実はな。先ほどからカルデアと連絡が付かないのだ。クハハ……進退窮まっているのは俺も同様」

巌窟王「これでどの面下げてお前たちのことを試すと言えようか」

百田「……」

百田「はっ。バーカ。励ますんならもうちょいわかりやすい言葉使えっての」ニヤッ

巌窟王「……フン」

最原「……始めるよ。膝を屈したりしない」

最原「それができたら滅茶苦茶楽だし、できたら本当に、仮に殺されるんだとしてもそうしたいくらいだけどさ……!」

最原「頭からこびり付いて離れないんだよ! みんなで頑張ってきた記憶が! その中にいた夢野さんの声も!」

最原「無理だ……最初から。諦められないんだよ」

巌窟王「……余計なお世話だったようだな?」

最原「そうでもないよ。僕は……必ず真相を暴いてみせる」

最原「絶対に……絶対にだ!」

白銀「……」

白銀(余興だよ。仮に真相を暴けたとしても……終着駅は決まってる)

白銀(……楽しみだなぁ)
661 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/03(水) 22:46:44.82 ID:olPC3sAu0
休憩します!
662 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/03(水) 22:47:36.22 ID:olPC3sAu0
あ……いや違う! APが消費できてない!
このまま今日は終了です!
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 23:35:43.45 ID:+wYaHrRW0
書き込みながらできるようにはよ先頭オート実装してくれんかの
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 00:22:34.70 ID:RO/kie9R0
>>656
>>1
清姫さん、ギルティなんでやっちゃってください
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 10:53:03.46 ID:AbY9M0000
よし聖杯持ってきて夢野ちゃん復活を願おう
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 17:51:32.93 ID:qpV3HXBl0
清姫「これより逃げた大嘘つきを退治します。『転身火生三昧(てんしんかしょうざんまい)』!!」
667 :逆転のアフロ田中 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/04(木) 17:55:22.49 ID:I1Bb8re40
これからはもう嘘つかないよ!
嘘だったら道成寺の鐘に詰めて燃やしちゃってかまわないよ!
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 17:57:54.41 ID:qpV3HXBl0
水着清姫「それは本当ですか…?もし嘘だったら…宝具発動しますね❤」
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 17:58:40.20 ID:AbY9M0000
そういえばモノタロウモノファニーすっかり蚊帳の外だな
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 18:23:49.53 ID:qpV3HXBl0
あ、そう言えば…
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/04(木) 18:25:12.83 ID:qpV3HXBl0
…もしかしてこのSSが逆転の人のSSで初めて全員生き延びないSSになるのかな?
672 :逆転のアフロ安珍 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/04(木) 18:31:16.42 ID:I1Bb8re40
巌窟王「さて。獄原はそろそろクロバエの除去を終えたところだろうか」

百田「確かにそれも大事だと思うけどよ。死体の見分自体はそんな重要でもねーんじゃねーか?」

百田「だってモノクマファイルは今回妙に充実してるだろ?」

最原「……うん。でもそれ、なにかおかしいんだよね」

百田「おかしい?」

最原「だって……えっと、百田くんは夢野さんの状態を見た?」

百田「……実は見てねぇ」

最原「……ちょっとショッキングな内容になるけど、聞きたい?」

百田「ああ。それでいい。遠慮なく話せよ、終一」

最原「ありがとう。じゃあ続けるけど……」

最原「相互汚染狙いの腐った果物の配置。それに並行したクロバエの散布。これらを行ったのはまず間違いなく犯人だと思うけど」

最原「だとしたら、むしろなんでここまでモノクマファイルが充実してるんだろう?」

百田「ん……そうか。巌窟王の二つ目の事件のときは謎解きの鍵になる情報は伏せられまくってたな」

最原「……それにやっぱり、それを引き換えにしても時間がおかしいっていうか」

百田「時間が?」

最原「……ごめん。これ以上は僕自身も言語化できない」

最原(ただひたすら、今回のモノクマファイルが気持ち悪いだけだ)
673 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/04(木) 18:40:01.03 ID:I1Bb8re40
最原(……これは僕たちにとって最悪の可能性だ。できれば絶対に潰しておきたい)

最原「巌窟王さん。ひとまず隠し部屋を調べてみてくれない?」

巌窟王「……別に構わない。だがお前、何を考えている? 具体的に俺に何を見つけさせたい?」

最原「そうだな……ええっと……ロックのかかったパソコンとか、そういうの」

最原「どうにかロックをこじ開けて中身を片っ端から見てほしいな」

巌窟王「まだだ。もっと具体的に言え」

最原「……」

最原「……モノクマファイルを……」ゴニョゴニョ

巌窟王「……」

巌窟王「ここにあると思うのか?」

最原「ここでないと困る。他の場所にあったらお手上げだ」

巌窟王「……いいだろう。まったく。こんなときこそBBの手を借りたいのだがな」スタスタ
674 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/04(木) 18:46:50.38 ID:I1Bb8re40
最原「あとついでに入間さんにも声をかけておけば盤石かな……」

最原(ん。どうやら図書室から出て行ってはいなかったみたいだ。本棚を調べて……)

最原「……」

最原(……焦ってる? なにを探してるんだ?)

入間「どこだ……ないならないで全然構わないけどよ……!」

入間「……あった! よし!」

最原「何を見つけたの?」

入間「ひっ!」

ガシッ

真宮寺「……証拠を隠そうとしちゃダメだヨ」ギリッ

入間「や、やめ……離せ! 離せよお!」ジタバタ

最原「……なにこれ。デジタルの……時計みたいな」

真宮寺「隠そうとしたってことは、逆説的にこれが何か知ってるってことだよネ?」

真宮寺「……話してくれるでしョ?」

入間「あうう、うううううう……!」
675 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/04(木) 18:56:05.21 ID:I1Bb8re40
入間「……俺様の作った時限装置だ……何の時限装置かまでは言わないでもいいだろ?」

最原「時限装置?」

入間「これ単体じゃ何の役にも立たねぇけどな……最低でも何か『発火させるもの』か『起爆させる機構』が必要だ」

入間「まあ……『発火させるもの』を使った装置が一番簡単で用意しやすいんじゃねーの?」

真宮寺「ふーん」

入間「……んだよ! これ以上なにを知りたいってんだよ!」

真宮寺「別に。ただ納得しただけだヨ」

真宮寺「最原くん。実はね、いくつかの本の残骸の中に『燃料の入ったビニール袋が挟まれていた痕跡』があったんだ」

最原「え?」

真宮寺「あと、その袋の端には細長い電気を通すコードが挿入されていた」

真宮寺「最終的にそのコードがどこに向かっていたのかを探していたところだったけど……」

真宮寺「先に入間さんが見つけちゃったみたいだネ」

入間「……」

最原「要は時限発火装置がこの図書室の中にあったってこと?」

真宮寺「おそらく。まあ、ビニールに入った燃料の量そのものは、一つ一つでそこまで多くはなかったはずだヨ」

真宮寺「本に挟み込んでも目立たない程度の薄さだったと思うし……」

真宮寺「時限装置自体は、本棚の奥に隠しておけばコード含めて本に隠れて見えなくなる」

真宮寺「……本を引き抜かれたら一発でバレるっていう最悪の弱点はあったけど」

最原(誰も読まないような本棚を選んで装置を作れば、万が一が起きない限りはバレない、か……)
676 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/04(木) 19:02:57.83 ID:I1Bb8re40
最原「……でもこんな装置を作ったところで意義がない」

真宮寺「死体を燃やすにしたって、隠し部屋ではなく図書室を選んだってところで妙だし」

真宮寺「……確かにこれと言った意義は見つからないよネ」

最原(それ以前に、なんでわざわざ入間さんの時限装置を使ったんだ?)

入間「……」

最原(……なにか様子がおかしいし。あの調子だと、最初からここに時限装置があることがわかってたみたいな……)

入間「な、なあ。もういいだろ。俺様はちょっと……用事があるんだが……」

最原「ごめん入間さん。巌窟王さんと一緒に隠し部屋を調べてくれないかな?」

入間「は?」

最原「入間さんの手があれば、多分あの部屋の捜査ももっと効率的に進むと思うんだけど」

入間「……ざけんな! なんで俺様がテメェらザコどものために……!」

真宮寺「大人しく従っておいた方がいいんじゃない?」

真宮寺「……自分自身の証拠を隠滅するよりかは、他の犯人を挙げる証拠を見つけた方が有意義だヨ。潔白なら猶更ね」

入間「……」

入間「……つるぺたロリの死体はどうなってる?」

最原「あ、えーと……」

最原「……あっ」

入間「?」

最原「多分、大丈夫だと思う。臭いの方はどうにもできないけど、視覚の方なら心配しなくていい」

入間「あー……?」
677 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/04(木) 19:18:02.71 ID:I1Bb8re40
隠し部屋の中

アンジー「……」

入間「……これ。巌窟王のマントじゃねーか」

最原「うん」

最原(夢野さんの死体の上には、巌窟王さんのマントがかけられていた。その近くではアンジーさんが跪いて、両手を組んで祈っている)

アンジー「……神様は優しいから」

入間「……」

巌窟王「入間。暇なら手伝え」

入間「あ?」

巌窟王「モノクマのカラーリングがされたノートパソコンを見つけたが、ハンマーか何かで粉々に壊されている」

巌窟王「お前なら修繕できるはずだ」

入間「……やってやるよ。貸せ」

最原「……」

最原(ここは巌窟王さんたちに任せよう。僕は他にも調べることがある)

最原(正直、入間さんをここに詰め込んだのは足止めの意味もあるし……今のうちに)
678 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/04(木) 19:18:46.67 ID:I1Bb8re40
休憩します!
679 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/04(木) 20:40:06.84 ID:I1Bb8re40
カルデア

アタランテ「……」キョロキョロ

イシュタル「あー、もう。部品持って来いって、美と豊穣の女神のことをなんだと思って……」

ナーサリー「仕方ないのだわ。チューンナップには色々と入用だし……」

ナーサリー「あと足が付かない場所から持ってくる都合上、どうしても……あら。アタランテ」

アタランテ「ナーサリーか。ちょうどいい。最近BBとつるんでいたからな」

アタランテ「BBはどこだ?」

ナーサリー「……何か御用なら私が伝えておくけど、それじゃあダメ?」

アタランテ「む……? 別にそれでも構わんが。アルテミス様からレンタル品を返して来てと言われただけだからな」

アタランテ「そら。マンウィ●のCD各種だ」ガチャッ

ナーサリー「……あら? そんなものBBはもっていたかしら……まあ一応受け取っておくけど」

アタランテ「ではな。よろしく頼むぞ」スタスタスタ

イシュタル「……ちょっと中身見てみましょうか。イヤな予感がするわ」

ナーサリー「私もそう思っていたところよ」カパリッ



血文字の手紙『復旧マダー? by女神同盟カルデアエディション』



イシュタル「」

ナーサリー「」

アタランテ「あ。忘れていた。私もそのCDを聞いたのだが、いい趣味をしている。後で私にも貸して……」ヒョコッ

イシュタル&ナーサリー「……」ガタガタガタ

アタランテ「!?」ガビーンッ!



この後、イシュタルは『食べる物がすべて激辛マーボー豆腐の味になる豆腐ジェノサイドの呪い』を、ナーサリーは『微妙に湿って本のページがよれよれになるジメジメの呪い』を受けた。BBだけは全力で呪いから逃げた。
680 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/04(木) 20:42:44.78 ID:I1Bb8re40
今日のところはここまで!
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 20:53:19.85 ID:qpV3HXBl0
二人が呪われた!?
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/05(金) 14:05:56.17 ID:htk/mPv7O
転子が儀式してキャスター枠で夢野ちゃん召喚しよう
683 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/05(金) 20:09:36.79 ID:C3Foozo70
ちょっと待ってAP消費したらすぐ描くんで……
684 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/05(金) 20:25:19.04 ID:C3Foozo70
図書室

最原「えーっと……真宮寺くん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

真宮寺「なに? 引き続き火事の現場調べてるけど、今のところ特になにも見つかってないけど?」

最原「あ。いやそうじゃなくって。巌窟王さんが破壊した直後の扉から出た入間さんのことを最初に見かけたのって誰だろうって思って」

真宮寺「何故か知らないけど、赤松さんが見つけてたネ。それ以上のことは知らないヨ」

最原「うん。そっか。ありがとう」スタスタ

真宮寺「……ねえ。ちょっとでも僕のこと疑ったりしないの?」

最原「疑ってるけど、今言ったことが嘘じゃないことはわかるよ。真宮寺くん、意味のない嘘は吐かないでしょ」

真宮寺「……なるほどネ。ククク」

真宮寺「それを引き換えにしても無防備すぎると思うのは、僕の余計なお世話かなァ?」

最原「今日は妙に突っかかるね。ごめん、構ってる時間が惜しいからもう本当に行くよ」スタスタ

真宮寺「……ククク」
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/05(金) 20:26:45.48 ID:zogMLb6b0
ああああアラフィフ来てくれたああああああ
686 :おめでとう! ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/05(金) 20:30:13.34 ID:C3Foozo70
女子トイレ周辺

茶柱「……」

最原「あれ。茶柱さん。こんなところで何してるの?」

茶柱「見張りです。見張り」

最原「見張り?」

王馬「さーいはらちゃんっ!」ピョコンッ

最原「え゛」

最原(王馬くんが女子トイレから出て来た!)

最原「お、王馬くん! 逃げて! 茶柱さんにこんなところ見られたら!」

茶柱「ええ。情状酌量の余地なく確実に始末しますね。ただ今だけは別なんです」

最原「……え?」

赤松「あのね。最原くん。あの隠し部屋と、女子トイレが繋がってたんだよ」

最原「えっ?」
687 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/05(金) 20:39:01.45 ID:C3Foozo70
再び隠し部屋

最原「……ああ、本当だ。確かにあの部屋だ」ガチャリンコ

最原(と、同時に、あのときの巌窟王さんがどこから入ったのかもわかった)

最原「巌窟王さん!? なんで女子トイレから入ったの!?」ガビーンッ!

巌窟王「女子トイレから煙が上がっていたのだ。緊急時故に、アンジーを伴って中へと入った」

巌窟王「そこで肉眼ではわからない隙間から煙が出ているのを発見し、隠し扉の存在に気付いたというわけだ」

最原(なるほど。隠し部屋と図書室は隣接しているから、煙が直接的に隠し通路に入って行ったわけか……)

最原(僕たちが一階にかけつけたときにはどこもかしこも煙だらけだったから、一番目立つ煙の発生源の階段を優先したけど)

最原(他の人たちが一階に遅れてかけつけて窓を開けまくったお陰で、二つ目の煙の発生源が見えたってところかな)

天海「……」

最原「……天海くん? どうしたの、凄く顔色悪いけど」

天海「なんでも……ないっす……」

最原「……」

最原(今回は事件が事件だからな。ちょっと調子が悪くなってるのかもしれない)

赤松「……」
688 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/05(金) 20:51:18.85 ID:C3Foozo70
戻って女子トイレ

最原「……あ。そうだ赤松さん。一つ聞きたいことがあるんだけど」

赤松「ん? なに? なんでも聞いて」

最原「あの部屋から出て行った後、一番最初に入間さんを見つけたのが赤松さんだって聞いたんだけど」

最原「どこで見かけたの?」

赤松「超高校級のコスプレイヤーの研究教室周辺だったよ」

最原(……スパコン室より上の階だ)

最原「そこで入間さんは何してたの?」

赤松「……よくわからないよ。ただ何かを見て顔を真っ青にしてたってことしかわからない」

赤松「もちろん、私も訊いたんだよ? 何してるのって。でも全力ではぐらかされちゃって」

最原(テンパった入間さんの顔が目に浮かぶようだな……)

最原(……入間さんは半ば無理やり巌窟王さんに協力させてる。証拠を隠滅される前になんとか調べ尽くしたいな)

最原「ありがとう。助かったよ赤松さん。ちょっと白銀さんの研究教室を見に行ってくるね」

赤松「……」

赤松「ねえ。酷い顔色をしてるのは、キミもだよ? 最原くん」

最原「!」
689 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/05(金) 21:03:13.26 ID:C3Foozo70
赤松「もちろんさ、全員本当に悲しんで、それでも自分の足に鞭打って前に進もうと努力してるから似たり寄ったりだけどさ」

赤松「キミは特別に酷いよ。見ててこっちの胸が痛くなりそうなくらい」

最原「……」

最原「そんなことないでしょ。気分が最悪なのは確かだけど、僕だけが特別ってわけじゃ……」

赤松「ううん。キミは特別。ちょっと頑張り過ぎだよ」

赤松「……背負いすぎだよ」

最原「……だからって立ち止まるわけにはいかないじゃないか」

赤松「最原くん。そこまで頑張るのは、巌窟王さんがいるから?」

最原「ッ!」

赤松「……巌窟王さんが当たり前にやれることは、キミには当たり前じゃないんだよ」

赤松「今回ばかりは膝を折って、泣きじゃくって役立たずになっても構わないと思う」

最原「……赤松さんらしくないな。そんなネガティブなこと言うの」

赤松「私は最原くんを信じてる。やろうと思えばやれる人。それを今までの学園生活で見て来たよ」

赤松「……だから言うんだけどさ。キミ、この学園生活を切り抜けることしか考えてないでしょ」

最原「……え? それ以外に何か考えることってある?」

赤松「出てからのこと」

最原「……出てから?」

赤松「……まさか、ずっとそんな生き方していくつもりじゃないよね?」

最原「は? いや、そんなことは……!」

赤松「ねえ。私はさ、最原くんが心配だよ。その生き方がクセになっちゃいそうで」

最原「……」
690 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/05(金) 21:14:32.43 ID:C3Foozo70
最原「……格好よかったから」

赤松「……」

最原「どんな理不尽にも膝を屈さないあの人が、格好良かったんだ」

最原「困難から目を逸らさない姿に憧れたんだ」

最原「僕は弱いから、ああなれたらどれだけいいかって思ったんだ」

赤松「……そっか」

最原「……できる限り、マネし続けるよ。それでみんなが助かるのなら、それが一番いい」

最原「学級裁判のおしおきが終わったら、最低でも一人欠けちゃうけど……!」

最原「あんな眩しい生き方を見たらさ、膝を屈したくなくなるじゃないか!」

赤松「……私は諦めないことができる。性格的に。少なくとも最原くんより自然にさ」

赤松「だから気付くの遅れちゃったよ。最原くん、よく聞いて」

赤松「……諦めたり、立ち止まったり、投げ出したりすることで守れるものは絶対にある」

赤松「お願いだから、自分の心が壊れる前には絶対にそれを思い出して」

赤松「……ごめんね。キミを止められる私じゃなくって、本当にごめん……!」ポロッ

最原「あ、わ、わ! なんで泣くの!」オロオロ

赤松「なんか……不甲斐なくって……! やること成すこと裏目に出てばっかりだ、私……!」エグエグ

最原「あ、あはは……いいんだよ。そんなことで泣かなくってもさ」

最原「僕は多分、コレでいい」

赤松「最原くん……!」






茶柱「赤松さんを、泣かせましたね……?」ゴゴゴゴゴゴゴ

最原「あっ」

茶柱「死」ブンッ

最原「死!?」ガビーンッ!



グシャッ
691 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/05(金) 21:18:23.73 ID:C3Foozo70
最原(出てから、か……)

最原(出たところで、何があるんだろうな)

最原(滅んだ世界? それとも、それ以外の何か?)

最原(……わからない。ただ、僕に希望があるとしたら外の世界に、じゃないだろうな……)

最原(……じゃあどこに? と訊かれても困るけど)

最原(と、考えながら再び僕は意識を手放した)チーン

赤松「さっ、最原くーーーんッ!」ガビーンッ

茶柱「まったく油断も隙もない」
692 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/05(金) 21:19:58.05 ID:C3Foozo70
今日のところはここまで!
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/05(金) 21:39:46.38 ID:jsXkEIKs0
モノクマ「死体が発見されました」
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/05(金) 21:47:58.00 ID:VmXOa/7Vo
死体が2つ…3章かな
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/05(金) 22:42:54.52 ID:8TMeHb830
この世界の天海はどうなってるんだ?
原作と一緒だけど一章で動く前に事件起こっちゃったから何もできてないだけなのかな

研究教室解放されてるから一周前のこと知ってるのかな
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/05(金) 22:53:47.87 ID:8TMeHb830
ちょっと見直したけどよぉ前スレ35で夢野の死亡フラグたってたんだな…
悲しい
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/06(土) 06:25:40.80 ID:mLfk7SyI0
真っ青になってたのは生存者特典が罠だったことに気づいたからかな?
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/06(土) 06:48:45.58 ID:8yjNS38L0
気がついたらタブが消えてて更新に気づかなかったよジーザス
福袋はイシュタルと沖田さんでした
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/06(土) 08:28:07.96 ID:vQ5Zj4nnO
生前の夢野さんを振り返ってたら本当に色々頑張ってて悲しくなった
隠し部屋に気付いたから殺されたってのが明かされたら聴診器あげた巌窟王と怪我で掃除できてなかった東条さん落ち込みそう
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/06(土) 08:49:13.26 ID:poWpYwt/O
モノクマファイルの違和感ってなんだろうな
日にちがないのはそれ次第で誰かに冤罪被せられるようにしてるとか?
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/06(土) 09:03:34.71 ID:3fUi3hIm0
違和感って言うか、新世界プログラムから出てきた時間とモノクマファイル、白銀の証言が矛盾してるからおかしいんだよねー

白銀の狙いがわからない
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/06(土) 10:45:02.98 ID:AA2hal4o0
最原これもしかしたらカルデアのある世界に行くフラグか?
というか存在も才能も全部フィクションで外の世界に居場所はありませんなんてされたら何人かぐだ男の世界に行くっていう人がいるかもしれん
703 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/06(土) 20:18:07.43 ID:zKxD9rMY0
隠し部屋

巌窟王「……祈り終わったか?」

アンジー「うん。ついでにお別れもしっかり済ませて来たよー」

巌窟王「そうか。ならば……俺の言いたいことはわかるな?」

アンジー「……んー」

アンジー「一緒に捜査できて嬉しい?」

巌窟王「……」アセッ

天海(多分言いたいことをそのままズバリ言い当てられすぎて面喰ってるっすね、アレ!)アワワ

アンジー「今までは神様が被害者だったり、アンジーが被害者だったりして散々だったからねー」

アンジー「アンジーも嬉しいよー?」

巌窟王「……戯言だな」

天海「自分で聞いておいて……」

巌窟王「何か言ったか?」

天海「なんも言ってないっす……」
704 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/06(土) 20:29:51.26 ID:zKxD9rMY0
入間「ノーテンキヤローどもが。人死んでんだぞ」ガチャガチャ

巌窟王「そうだな。だが、死んでしまったものはどうしようもない」

巌窟王「悲しむだけでは人は何もできないからな」

アンジー「……やっぱり神様でもどうにもできない?」

巌窟王「む? クハハ! 『どうにかしたいと思っているのか』と訊かれるかと思いきや! 意外だなァ、アンジー?」ニヤァ

アンジー「……」ムクー

巌窟王「……謝罪しよう。今のは忘れろ」

天海(なんか最近アンジーさんの巌窟王さんへの扱いが上手いっす……)

巌窟王「無理だな。どうにもできない。サーヴァントシステムの根幹をなす聖杯を使ってさえ難しいかもしれん」

巌窟王「かなり広義的な意味で死者の蘇生や過去のやり直しは、おそらく不可能ではないが……」

巌窟王「断言しよう。そんなものを目指すくらいなら、他の何かに傾倒した方が遥かに有意義だ」

巌窟王「この件についてコストにリターンは釣り合わない。絶対に」

天海「可能性はなくもないけど、口が裂けてもお勧めできないくらい酷い道ってことっすね」

巌窟王「それでも進むと言うのなら全力で支援はしよう」ニィッ

アンジー「やだ」

巌窟王「……そうか」

巌窟王「……フン。そうか」シラー

天海「自分で言ったくせに露骨にいじけないでほしいっす!」

巌窟王「いじけてなどいない」
705 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/06(土) 20:39:57.39 ID:zKxD9rMY0
巌窟王「さて。入間の修繕が終わるまでは暇だ。アンジー、捜査を開始するぞ」

巌窟王「天海も手伝え」

天海「あいあい。了解っす」

巌窟王「では……この何か妙なベールに守られた謎のオブジェクトから捜査するか」バサッ

マザーモノクマ「やっほー」

巌窟王「……」バサッ

天海「え? なんで戻したんすか?」

巌窟王「……頭が痛くなってきた」

アンジー「肩こりかなー? 揉むー?」

巌窟王「頼む」

アンジー「ちょっと屈んでー」

天海「……ええと、一体何が……」バサッ

マザーモノクマ「ハロー」

天海「……」バサッ

天海「あの。アンジーさん。俺も頭痛が……」

アンジー「やだよー。今は神様の肩揉んでるんだもん」

巌窟王「……」ハフー

天海「ええーっ……」
706 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/06(土) 20:49:26.15 ID:zKxD9rMY0
五分後

天海「マザーモノクマ?」

マザーモノクマ「そだよー! すべてのモノクマの母……オマエラが予測していたモノクマの生産機構だよ」

マザーモノクマ「あ。一応、今のうちに言っておくね。ボクもモノクマのカウントに入るから、攻撃は校則違反と見なすよ」

巌窟王「仮にそうだとしても、校則を犯してでも破壊する価値があるだろうがな?」ボォゥッ

マザーモノクマ「ちょ、ちょちょちょ……!」アタフタ

天海「確かに俺もコレを壊したい気持ちでいっぱいっすけど、ひとまずそれは保留しておきましょう」

天海「……それに、これがモノクマの本体だと言われてもにわかには信じがたいっす」

巌窟王「実際に作ってみせろ」

マザーモノクマ「あ、ダメ。今は首謀者権限で『一定の操作』にロックがかけられてるから」

マザーモノクマ「仮に首謀者になにかを命令されたとしても、このロックが外れるまでは何もできないよ」

巌窟王「ふむ……コンソールはどこだ……」ガチャガチャ

マザーモノクマ「ああっふーん! いやん、そんなところいきなり……いじっちゃ、らめぇーーーッ!」ビクンビクン

巌窟王「……どうやら声帯認証のようだ。事前に首謀者がかけた合言葉がない限りはロックは解除されないだろうな」

天海「せめていつからロックがかけられたのかくらいは言ってくれるっすよね?」

マザーモノクマ「……」

天海「ダメか……」
707 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/06(土) 21:01:21.75 ID:zKxD9rMY0
天海「でもなんでこんなロックが……首謀者自身にどんなメリットが?」

巌窟王「いつからロックをかけたのか、と問うた時点でわかっているものと思ったがな。それとも目を逸らしているだけか?」

天海「……」

アンジー「アンジーたちが首謀者を追い詰めてるってこと?」

巌窟王「かなり好意的に見るならそうだ。他の見方だと、こうだろうな。首謀者は――」

天海「俺たちの中にいる」

天海「……そして、夢野さんを殺した人と同一人物」

巌窟王「……そうら、わかっていただろう?」

天海「でも夢野さんを殺したのが首謀者なら、ずっと死体を隠していればいい。それをしなかったのは一体なんで……」

巌窟王「二通り考えられる。首謀者自身が外の世界の真実を知らなかった場合」

天海「論外の仮説っす」

巌窟王「もう片方の仮説は……これが俺たちに対する最後の謎であり、最後の勝負だった場合」

巌窟王「俺たちを皆殺しにするつもり、という可能性」

天海「……最悪っすけど、それが一番可能性が高いのでは?」

巌窟王「……さあ。この場合、どうすればいいかわかるか? アンジー」

アンジー「返り討ちー!」キラキラキラ

巌窟王「上出来だ!」ナデナデナデ

アンジー「わーい!」

天海「……それしかないんすかね」

巌窟王「……それ以外の道があるというのなら示してみせろ」

天海(俺は……!)
708 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/06(土) 21:10:51.26 ID:zKxD9rMY0
巌窟王「……」

アンジー「どうしたの神様ー? 難しい顔になってるよー?」

巌窟王「いや……最原が覚えていた違和感の正体に気付いた」

巌窟王「この事件、根本的なところで不和がある」

天海「不和?」

巌窟王「……犯人が首謀者だとしたら、現状の展開のフェアとアンフェアの比率が妙だ」

天海「ん……」

天海(そういえば……犯人が首謀者なら、もっと事件を撹乱する方法があってもおかしくないはずっすよね)

天海(いや。ハッキリ言って、他の誰かに罪を押し付けて逃げ切った上で学園生活を続行なんて『明確な反則』すらやられても気付かなかったはず……)

巌窟王「マザーモノクマ。この質問には答えられるか?」

マザーモノクマ「ん? なぁに?」

巌窟王「入間が直しているパソコンの正体だ」

マザーモノクマ「ああ。あれは……」

マザーモノクマ「……ま、直すことと中身を見ることに関して制限はしないから、自分で確かめれば?」

巌窟王「……いいだろう」

天海「……?」
709 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/06(土) 21:11:46.40 ID:zKxD9rMY0
今日のところはここまで!
710 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/07(日) 10:59:08.11 ID:2u7XNp/j0
春川「……」ジーッ

百田「どうだハルマキ。なにかわかるか?」

春川「……確かに二日間程度ではありえないほどに腐敗が促進されてるね」

春川「これ、相互汚染やクロバエ以外にも、なにか薬品とか使われてるのかも……」

春川「あと、傷口の部分が特に損壊が酷くって、本当に銃殺だったのか怪しいくらいだよ」

巌窟王「傷口というと……」

春川「胸のあたりだね。ナイフかなにかでズッタズタにされて乱暴に『開かれてる』。ジャック・ザ・リッパーなら鼻で笑うような乱暴さだよ」

春川「ここ以外に大した外傷がないことを考えると射入口はまず間違いなくここだったと推測できる」

巌窟王「……今、なんと言った?」

百田「巌窟王? どうした?」

春川「……流石に気づくか。そう。ここ以外に外傷はない」

春川「『銃弾が出て行った形跡がない』ってこと。貫通ではなく盲管。私が『銃殺かどうかも怪しい』って言ったのもそれでさ」

春川「……どうも見つからないんだよね。銃弾が。どこにも」

百田「は? いや、それは変だろ。銃本体がここに置かれている以上、銃弾一つ処分したところで何になるってんだ?」

春川「でもないものはない。口径が小さすぎる銃だと検視してもわからないくらい肉に紛れるってことはあるけど……」

春川「……そこに置いてある銃が凶器ならそれも絶対にありえない」
711 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/07(日) 11:12:00.82 ID:2u7XNp/j0
巌窟王「……大きいな。この型はリボルバーか?」

春川「S&WモデルM500。マニアでなくっとも一般で広く知られているかなり有名な型の銃だよ」

春川「……威力が高すぎてね」

百田「ん? 銃なんだから威力が高くて当たり前なんじゃねーか?」

春川「これは常軌を逸してるんだよ。巌窟王、銃に関しての知識は?」

巌窟王「残念だが『銃という概念』に関してだけだ」

春川「そっか。じゃあザックリ説明するよ」

春川「これ『人を撃つこと』を一切想定してないんだよね。毛皮が分厚いケモノを相手にした史上最強のリボルバーだから」

春川「威力がアホみたいに高いし、その反動も大きすぎて欠陥銃と呼ばれてるくらい扱いにくいんだよ」

巌窟王「……む……? 待て。銃弾は貫通していないのではなかったか?」

春川「それなんだよね。こんなもの使ったら、夢野くらいの体格なら上半身の大半が吹っ飛んでたと思うよ」

百田「……さ、流石に誇張だろ?」

春川「……そう思う?」

百田「おいおい……!」

春川「……まあ、もし万が一、これが本当に使われたとするなら、犯人は相当限定されてたはずだけどね」

春川「これを使って無傷で済むヤツなんて、本当に、生徒の中でも一握りだったろうからさ」

巌窟王「……」
712 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/07(日) 11:21:12.84 ID:2u7XNp/j0
巌窟王「これの出所はお前の研究教室か?」

春川「……え?」

巌窟王「?」

百田「……巌窟王。知らなかったのか? ハルマキの研究教室に、本物の銃は一切置いてないんだぜ?」

巌窟王「何ィ? 一つもか? 一つたりともか?」

春川「不思議なのはそこも、だね。じゃあこの銃の出所はどこなのか……」

春川「……普通の生徒が現状行き来できる範囲に、ここまで本格的な実銃があった記憶はない」

春川「誰かが今までどこかに隠していたか、さもなければ……」

百田「『普通の生徒が行き来できる範囲以外に行けるヤツが犯人』の場合か!」

巌窟王「……」

春川「……なんだろう。この感覚……凄く覚えがあるんだけど……」

巌窟王「春川。お前も感じるか。違和感を」

春川「うん。でも……それだけじゃなくって、なにか凄く既視感があるんだよね」

春川「なんでだろう?」

百田「……?」
713 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/07(日) 11:21:54.52 ID:2u7XNp/j0
休憩します!
714 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/07(日) 17:59:00.08 ID:2u7XNp/j0
巌窟王「他に夢野の死体について何か特徴は?」

春川「右手」

巌窟王「右手?」

春川「……が、なんかよくわからないけどシュレッダーにかけたみたいにぐっちゃぐちゃ」パサッ

春川「袖に隠れて見えづらいかもしれないけど、コレ袖から手が出てないわけじゃないんだよ」

百田(ハルマキは夢野のことを覆っている巌窟王のマントをあげる。巌窟王はそれを覗き見て苦い顔になった)

巌窟王「……指を切断した後で踏みつけたり、更に刃物で破損させたりしているようだ」

百田「……まさかとは思うが、拷問ってことか?」

巌窟王「安心しろ。死んだ後のことだ。出血の痕でわかる」

百田(東条の事件のときに話題に上がってたな、そういや。死んだ後は血流がない、か)

巌窟王「根本的にパーツが欠けているようだ。切断された先が見当たらない」

百田「指がってことか?」

巌窟王「消えているのは人差し指、中指、薬指、だな」

春川「……!」

百田「ハルマキ? 何かに気付いた顔してるぞ。どうした?」

巌窟王「いつもの仏頂面にしか見えなかったが」

春川「いや……大したことじゃないんだけど」

春川「……射入口が胸にあるってことは、夢野は真正面から撃たれたってことだよね?」

百田「それが?」

春川「だとしたら、夢野は犯人の体のどこかを気絶する前に引っかいたかも、と思って……」

春川「……指が犯人を示すカギになるかも」
715 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/07(日) 18:51:25.71 ID:2u7XNp/j0
最原「……ハッ! 本日二度目!」ガバリッ

王馬「あ。起きた。そして東条ちゃんをこの場に引き留めたのが完璧に無駄になった」

東条「いいのよ。図書室の方は白銀さんや真宮寺くんが調べていたから」

最原「どのくらい気絶してた!?」

王馬「大体十分くらいかなー?」

最原「ごめん、急がないと……あ! そうだ! 手が開いてる人は僕とツーマンセル組んでくれない?」

王馬「お供するよっ!」ピカリンッ

最原「……」ヒクッ

茶柱「……転子もついていきます」

最原「ありがとう! 本当にありがとう! 感謝の言葉がそれしか見つからない!」

王馬「ふこーへー」

最原「じゃあ、さっそく行こう! 白銀さんの研究教室周辺に!」ダッ

赤松「あ……行っちゃった。凄い急いでたね」

赤松「……つっ……?」

東条「……赤松さん? どうかしたの?」

赤松「ん? いや、なんでもない……?」

赤松(……腕に引っかき傷? なんで? いつの間に……?)
716 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/07(日) 18:52:13.53 ID:2u7XNp/j0
休憩します!
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/07(日) 18:52:37.26 ID:XRD4+uJY0
おい、これまさか……白銀の奴
718 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/07(日) 19:27:25.41 ID:2u7XNp/j0
白銀の研究教室周辺

最原「……」

最原(巌窟王さんのデバイスがなんで機能しなくなったのかわかった……入間さん……キミと言う人は本当に……)ズーン

王馬「これ、入間ちゃんの研究教室の設計図に書かれてたイリスアゲート・エレクトボムとそっくりそのままな形してるね!」

茶柱「なんです、それ?」

王馬「巌窟王ちゃんとのホームとの連絡手段を完璧にぶっ壊すための発明品だってさ。持続時間は三日って書いてあったかな」

茶柱「は? なんでそんな、何の意味もない発明品がこんなところに……」

最原「何の意味もないってことはないんじゃないかな……」

茶柱「……それ、どういう意味です?」

最原「いや、その……これ、実は元々入間さん発案の発明品じゃなくって依頼を受けて作った品らしくって……」

茶柱「こんな爆弾を一体誰が作ってくれと?」

最原「……」

王馬「それはもちろん嫉妬に狂った、は――」

最原「殺されたくなかったらそれ以上口を開かない方がいいから!」ガバッ

王馬「もがもが」

茶柱「んー?」
719 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/07(日) 19:45:36.27 ID:2u7XNp/j0
最原「でも色々とチューンナップされてるみたいだな。なんかのアクシデントで不発になってる爆弾以外は全部……」

王馬「薬品か何かの影響かな? 砕け散ったパーツがことごとく焼けて判別不能になってるね」

王馬「不発の爆弾がなかったら、コレがなんだったのか俺たちでもわからなかったかも」

茶柱「不発の原因は一体なんなんでしょうか」

最原「……」

最原(タイマー……か? もしかして)

最原(入間さんの手が直接届かない場所で爆発したとしたら、リモートコントロールでの遠隔爆破か、さもなくば時限爆破の二通りだ)

最原(でも、入間さんは明らかに、この爆弾が起動したことに対して慌てていた)

最原(遠隔爆破じゃない。これを解除するのを忘れた末に、うっかり爆発させてしまったという感じだ)

最原(……だとすると、元はコレ、時限式だったんじゃ)

最原「不発の爆弾にはタイマーらしきものが見当たらないよね?」

王馬「……ん? それが? タイマーのない爆弾だってあるでしょ?」

最原(さて。今回の件に関してはどうだろう)

茶柱「……あれ? ねえ。この破裂した爆弾のヤツだけ、パーツの形が変ですよ?」

最原「え?」

茶柱「分量が他より少し多いような……」ヒョイッ

最原「……」



何かの残骸「」ブスッ……



最原「!」

最原(火薬の臭い……!)

最原「茶柱さん!」ガシッ

茶柱「ひゃっ!? ちょっと、いきなり転子から取りあげないで――」

最原「!!」

最原(ああ、くそっ! 迂闊だった! コレは爆弾のパーツなんかじゃない!)ブンッ

最原「伏せて!」ガバリッ

茶柱「きゃあっ!?」

王馬「んー? 今最原ちゃん、何を投げて……あっ」

王馬「ああ、そういうことかよチクショウッ!」バッ




バァンッ!
720 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2018/01/07(日) 19:47:10.94 ID:2u7XNp/j0
今日のところはここまで!
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