バットマン「グランド……オーダー?」

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102 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/25(土) 02:48:29.94 ID:UG/IDuW70
バットマン「……電力量が足りないんだな?」

レオナルド「うん、こっちとしても資材さえあれば発電機も作るんだけどその資材がね……」

バットマン「ならウェインテックから少し運んで来る。あそこには小型リアクターもあったはずだ」

ドクター「ちょ、ちょっとブルースくん……世界的な大企業相手に盗みを働く宣言なんて、キミも肝が据わってるなぁ」

バットマン「……自分の企業だ。盗みにはならない」

ドクター「ははは、ジョークがきつ……え?」


バットマン「私がウェインテックの社長だ。資材なら補給できる」


マシュ「……え?」
ドクター「……え?」
所長「……え?」


レオナルド「あはは、皆して口開けちゃって。見ろよブルース、あの絵面ちょっと面白くないか? 
……ところで、ウェインテックって何?」

バットマン「…………」
103 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/25(土) 02:49:32.98 ID:UG/IDuW70
>>101 一応完全体での復活を果たしたという事にしておいてくれさい
104 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/25(土) 03:01:29.72 ID:UG/IDuW70
ドクター「……うぇうぇうぇウェインテックの社長って言ったら、あのプレイボーイで億万長者の……」

所長「ああああああの、世界の企業が束になっても敵わない財力の……」

マシュ「どどどどどもりすぎデスヨ皆さん、素数を数えて落ち着いて……1,2,3,4,5,6……」

バットマン「……」


――――


バットマン「……落ち着いたか」

ドクター「うん、ようやく落ち着いた。コップの水を5杯くらい飲み干しちゃったけど」

レオナルド「水もタダじゃないんだぞ〜、気を付けたまえ」

ドクター「分かってる、分かってるけどこんな事って……」

所長「……」(復旧作業中)



バットマン「…………名前で気付かなかったのか」

ドクター「いや、社長の名前なんていちいち覚えてないし……あっ、ごめんよ! 傷付ける意図はないんだ!」

マシュ「でも、そうですね……何処かで聞いた事がある名前だな、とは思ってたのに……」

所長「……」(復旧作業中)


バットマン「そんな事はどうでもいい。問題は、ウェインテックに資材を取りに行くとして……バットウィングの飛行可能距離だ」

レオナルド「ほうほう、バットウィング……」
105 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/25(土) 03:09:11.62 ID:UG/IDuW70
バットマン「積載可能重量はおよそ5トン。おそらく一度の往復で十分な資材は入手できる」

バットマン「……だが、問題は燃料、そして機体のメンテナンスだ。ゴッサムシティからここまでの飛行はかなり無理をおしてきた」

バットマン「優秀なメカニックがここに居るなら……」

レオナルド「………………」キラキラキラキラキラキラキラキラ

バットマン「…………」

レオナルド「………………」キラキラキラキラキラキラキラキラ

バットマン「……………………レオナルd」

レオナルド「はいはーいはーーーーい!!! もっちろん、そんな面白そうな改造はダ・ヴィンチちゃんにお任せに決まってる! 
いやあキミは賢い選択をしたよブルース!! やっぱり天才の輝きってのは表に出てしまうものなんだね!!」


バットマン「…………」
106 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/25(土) 03:15:44.79 ID:UG/IDuW70
バットマン「改造しろとは言ってn……」

レオナルド「で、そのバットウィング? は何処にあるんだい!? 早速修理に行かなきゃね!」ワクワクワクワク

バットマン「……カルデアのすぐ近く、出口から40メートルの地点に自動着陸したらしい。いいか、改造するなら先にエンジンを抜いてから……」

レオナルド「出口から40メートルだね、了解! じゃあちょっと行ってくるよ、晩御飯までには戻ると思うから!!」


バットマン「……」

ドクター「……い、いやぁ、うん。彼女、魔改造の腕は超一流だから」

マシュ「……心中お察しします、マスター」

所長「……はっ!?(復旧完了)
ぶ、ブルースが億万長者になった夢を見てたわ、ごめんなさい……」


バットマン「………………」
107 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/25(土) 03:27:00.10 ID:UG/IDuW70
バットマン「この時間に不足電力量の話を詳しく聴いておきたい。ドクター、所長。構わないか」

ドクター「ああ、勿論だ。座って話そう、詳しくなると長いしね」

所長「ええ、話しておくわ。レイシフト一回につきどれほどの電力が消費されるかも話しておかないと駄目ですし」


マシュ「あ、じゃあ私はお茶を!」タッタッ

所長「……わ、わたしは要らないから二人の分だけ……」ビクビク

マシュ「……?? わ、分かりました……?」


――1時間後――


ドクター「……だから、どうしてもここで余剰電力が必要になって来る」

所長「本来なら必要ないかもしれないけど、この電力が無ければ保険が利かなくなるの。つまり、少しでも存在証明を失敗すると、貴方達が戻って来れなくなってしまう」

バットマン「成程、つまりここでバッファをもたせて……」

ドクター「そうだ、余裕は大事だからね。命と電力は秤にかけられないし」

バットマン「分かった」


タッタッタッ

バターン‼


レオナルド「改造が完成したよ、見てくれ! 最高にイカすデザインに仕上がったぜ!」キラキラキラキラキラキラキラキラ

バットマン「…………早いな」

ドクター(マスク越しでも分かるくらい露骨に嫌そうな顔になった……気の毒になぁ)ヤレヤレ
108 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/25(土) 03:37:54.23 ID:UG/IDuW70
レオナルド「見ろよ、この黄金の羽を! そしてこの動力が完全に電力に代替されたクリーンなエンジン部分を!」

レオナルド「出力が落ちる? ノンノン、そんな懸念は天才にとっては全くナンセンスだね! 見たまえ、この機動力! むしろ前のエンジンより良くなってるぜ! わずかな光で即充電も可能!」

レオナルド「宙を翔ける金色の機体、名付けるならそう、『黄金バッt』

バットマン「バットウィングだ」

レオナルド「えぇ〜? でも『黄金バッt』

マシュ「ばっ、バットウィングにしておきましょう! ダ・ヴィンチさんのその名前は何か不味い気がします!」

レオナルド「うーん、天才のセンスは凡人には理解しがたいという事かな……残念だが仕方ない、バットウィングにしておこう」



バットマン「では早速行ってくる。ここからなら東南アジア支部が近い」

マシュ「わ、私も行って良いですか?」

バットマン「……いや、残ってここを守っていろ。何かが無いとも限らない」

マシュ「っ……わかりました、では……気を付けて下さい、マスター」

バットマン「ああ」


バットウィング「」ウィーン

ガタガタッ
ドサッ

バットマン(成程、コックピットも改良してある)

コンピューター『お帰りなさいませ』

バットマン「手動操縦」

コンピューター『了解、手動操縦』
109 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/25(土) 03:45:57.65 ID:UG/IDuW70
ゴォォォォォォォォ……キィィィィィィィィン……

バットマン(垂直離陸、そこからの発進もスムーズ……メカニックとしての腕は確かだな)

レオナルド『やっほーブルース! 快適な旅を送れているかな?』

バットマン「……何をしている」ポチッポチッ

レオナルド『バットウィングの電脳基盤部分を少しいじってカルデアとの無線を繋げておいたよ! いやいや感謝はしなくても良いのさ、天才からのサービスだと思ってくれ!』

バットマン「そうか」カチャカチャ、グイッ

レオナルド『……本当につれないなぁキミは! 今回、キミが一人旅だから少しでも不安を和らげようとしてるんだぜ?』

バットマン「……面白そうな装置があるからいじってしまえ、と」ポチポチ……カチャッ

レオナルド『ギクッ』

バットマン「……別に構わないが、操縦の邪魔はやめてくれ」

レオナルド『も、勿論だとも! その辺は弁えてるさ!』

バットマン「……怪しいものだ」ハァ


…………
110 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/25(土) 03:50:41.52 ID:UG/IDuW70
…………

バットマン(……どこもかしこも変わらない。火の海が地上を飲み込んでいる……)

バットマン(果たしてウェインテックにどれほど使える資材があるか……)


レオナルド『おっ、そろそろ目的地の周辺かな? 降下の準備はOK?』


バットマン「いける。……いや、待て……」

レオナルド『どうしたんだい、ブルース』


バットマン「地上に人が居る。降下する」

レオナルド『えぇっ!? ちょちょ、ちょっと待ちなよ、こっちからは確認できない……』

バットマン「自動操縦」

コンピューター『了解、自動操縦モード。お気を付けて』ウィーン



バットマン「……フッ!」バッ、バサササササササ
111 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/25(土) 04:00:56.80 ID:UG/IDuW70
 真っ赤な景色の中心に、黒い騎士は降り立った。着地の風が周囲の炎を薙ぐ。

 うずくまった姿勢から立ち上がり、騎士は前方、燃え盛る風景の中の背中を見る。

(見られている)

 その人物がこちらを向いていないにも関わらず、バットマンには確信があった。見られている。今、ではない。昨日今日、という話でもない。

 ただ、人類が生まれた時から見られていた……奇妙な、悪寒にも似た錯覚が彼を包んでいた。

「何者だ」

 バットマンの声を聞き、その人物は身体を震わせた。笑ったようにも、驚いて震えたようにも見えた。

 そして、真っ白な髪を揺らしながら、その人物は振り向いた。真っ赤な目が、何も映していない目が、バットマンを見た。

 勝てない。戦意を持つ前から、バットマンは察した。警戒など無意味だと。『アレ』は……人間から遠く離れた場所にいる。


「何者だ」


 だが、彼は問うた。炎の中、『それ』は笑みで頬を引き裂き、口を開いた。


「我が名はソロモン」


 パチリ。炎が爆ぜた。
112 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/25(土) 04:02:15.02 ID:UG/IDuW70
今日はここまでです、寝ますね()
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 08:36:10.22 ID:Fmbru/h+0
面白いぞ
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 10:11:52.31 ID:nEpG7DYi0
(アニメのジャスティスリーグでもあったけど)

ウェインが大金持ちの正体ばらすエピ話好き
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 10:48:27.38 ID:FpWeRG5j0
昨日ジャスティスリーグ(映画)見てきたけど、
戦い慣れてるようでワンパンダウンしたバットマンに草生えた
116 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 13:18:46.05 ID:UG/IDuW70
バットマン「……ソロモンだと? 古代イスラエルの、あのソロモンか」ジリッ

ソロモン「ククク、見苦しいぞブルース。警戒など無意味だ、分かっているだろう……ああ、そのソロモンだとも。魔術王、ソロモンだ」

バットマン「……その魔術王が何故ここに居る」

ソロモン「無論、貴様と話をするために、だ」

バットマン「私と……話?」

ソロモン「クク……そうだ、話だ。この惨劇についての説明と……貴様が何故生き残ったか、その説明をしてやろうというのだ」

バットマン「……!!」
117 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 13:26:53.95 ID:UG/IDuW70
バットマン「お前がこの事態を引き起こした犯人か!」

ソロモン「つまらん言い方をするな、興が覚めるぞ。犯人ではない。創造主だ」

バットマン「何が創造主だ、世界を破壊しつくすのが創造だとでも!?」

ソロモン「ハハハハハハ! 創造の前に破壊有り、当然だ! 人間などという愚かな出来損ないの生き物は破壊されて当然だ!」

バットマン「出来損ないだと……!?」

ソロモン「出来損ないだ! ……その事実は貴様自身、よく分かっているハズだ」

バットマン「…………」

ソロモン「なあ、そうだろう? 貴様の両親が死んだのも、人間という存在のせいじゃないか」

バットマン「……っ!」

ソロモン「限りある命! 苦しみ抜いて果てる狂気! 人生は美しい、限りがあるからこそ……などと美辞麗句で飾り付けてはいるが。貴様の両親は薄汚い路地裏で、コソ泥に殺されたじゃないか」

バットマン「黙れ……!」

ソロモン「美しい死にざま? 違うな、ただ弾丸に腹を貫かれて死んだだけだ! 命乞いして財布を渡していれば良かったのに、無駄死にだ!」

バットマン「黙れ!!」

ソロモン「これはすべて貴様の心の内にある真実だ!」

バットマン「違う!!」

ソロモン「何が違うものか!!」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 13:27:18.30 ID:8qZYt9m5o
ボブ・ケインはバットマンを産み出す時にダ・ヴィンチの飛行翼も参考にしたと聞いたけど実際どうなんだろうな
119 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 13:34:39.84 ID:UG/IDuW70
バットマン「……」ヨロッ

ソロモン「ブルース。世界は狂っている……貴様は狂っていない。分かるだろう? 貴様と私はよく似ている」

バットマン「似ている……だと?」

ソロモン「死は恐ろしい。死は苦しい。死は認めたくない。私達は、死を恐れている」

バットマン「!!」

ソロモン「だからこそだ。ゴッサムシティで腐った犯罪者を相手に、それでも殺人を犯そうとしない貴様を見て……私を理解できる、と直感した。
だからこそ、貴様は生かされた。人理焼却の際、貴様だけを生かすように……苦労したのだ」

バットマン「…………」

ソロモン「こちらへ来い、ブルース。共に新たな人類を作り出そう。無限の命を生み出そうではないか。二度と貴様の両親の二の舞は起こらない」

バットマン「……私は……」

ソロモン「…………」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 13:37:06.26 ID:8qZYt9m5o
ソロモン・グランディかと
121 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 13:43:27.80 ID:UG/IDuW70
バットマン「…………私は」

ソロモン「……」

バットマン「……私は……」


バットマン(……)ピッピッ


ソロモン「…………」

バットマン「……お断りだ!」


バットウィング『武装展開、標的直下』バババババババババ


ソロモン「……それが貴様の答えか」ズドドドドドドド

バットマン(ガトリング砲が通用していない……!?)

ソロモン「ククク、良いだろう。今回は見逃してやる……だが、そういつまでも私の問いから逃げられるとは思わない事だ」ニヤリ

ソロモン「また会おう、ブルース・ウェイン」ブゥン


バットマン「……」
122 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 13:49:38.12 ID:UG/IDuW70
バットウィング「」ウィーン

バットマン「……」バッ

ドサッ

コンピューター『お帰りなさいませ』

レオナルド『無事だったのかい、ブルース!? どうしたのさ、飛び降りたと思ったら急に武装を展開させて……一体何があったんだい!?』

バットマン「……何もない。敵と遭遇、交戦していた」

レオナルド『そ、そうか……まあ無事なら良かったんだ。さっき言ってた人影は?』

バットマン「……目の錯覚だった。このままウェインテックへ直行する」ポチッポチッ、グイッ


バットウィング「」キィィィィィィィィン
123 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 14:00:20.06 ID:UG/IDuW70
…………

マシュ「ま、マスターが敵と交戦!? そ、それで無事だったんですか!?」

レオナルド「ああ、無事じゃないなら無線連絡はできないからね。全く、いつも冷静沈着で何を考えているのやら」

所長「……」バシッ

レオナルド「あっ、ちょっと、その無線機は壊れやすいんだからもっと丁重に……」


所長「ブルース! アンタ何やってんのよこの馬鹿! 敵と交戦するなら生身は最悪の条件でしょう!!」グワッ


ドクター「うわわわ……」キーン
マシュ「ひえっ……」キーン
レオナルド「うおう、ワイルド……」キーン


バットマン『……生身ではない。バットウィングを使った』

所長「そんな屁理屈が通ると思ってるの!? 貴方はカルデア最後のレイシフト要員なの、人類最後の希望なのよ!? もっと自分を重く扱いなさい!」

バットマン『……』

所長「……スーッ、ハーッ……。こちらの予測も甘かったわ。次からはマシュを連れて行かせます。絶対に。いいわね?」

バットマン『……了解した』ブツッ


所長「フン、分かってないだろうけど次からは連れて行かせるわ」


ドクター「ひょえぇ……所長ってあんなに顔を真っ赤にして怒鳴るのか……」

マシュ「ちょ、ちょっと怖すぎましたね……あんなに怒るなんて」

レオナルド「無線機のマイク、壊れてないかなぁこれ……」カチャカチャ
124 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 14:10:28.67 ID:UG/IDuW70
…………

バットマン(人類最後の希望……人類を救う最後の手段)

バットマン(……だが、ソロモンの言葉も否定できない。命が無限になれば、悲劇は二度と起こらない……)

バットマン(……トーマス、マーサ……)

バットマン(その選択を迫られた時、私に決断が下せるのだろうか)

バットマン(何が間違っていて、何が正解なのか……)

バットマン(見分ける事が、できるのか?)


コンピューター『到着しました。ホバリングに切り替えます』


バットマン「…………」ガチャッ

バットマン「……」バッ、バサササササササ
125 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 14:21:57.97 ID:UG/IDuW70
…………

マシュ「……遅いですね、マスター」

レオナルド「うーん、時間的にはそろそろ帰って来てもいいくらいの時間なんだけどね」

ドクター「ひょっとしたら、怒られて帰りにくくなってたり……」アハハ


所長「……」ピクッガチャン


マシュ「お、オルガマリー所長!? ふ、服がコーヒーまみれに……」

所長「……そうなのかしら。私のせい? そうかも……怒鳴っちゃったし……」ブツブツ

ドクター「い、いやだなぁ冗談ですよ冗談……」

所長「……」ブツブツブツブツ


ドクター(うわーわわー、なんか押しちゃ駄目なスイッチ押したかもしれないぞぅ……ブルースくん、早く帰って来てくれ〜!!)


職員B「! 周辺レーダーに感あり! これは……バットウィングです、ネコミ……ブルースさんだ!」


マシュ「む、迎えに行きます!」ダッ

所長「わっ、私も!!」ダダッ

126 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 14:30:11.49 ID:UG/IDuW70
バットウィング「」ゴォォォォォォォォ……

バットマン「……」ガチャッ、スタッ


バットマン(大型リアクター1つ、小型リアクター3つ、資材はまんべんなく大量に……これで当分は保つはずだ)


マシュ「お帰りなさい、マスター!」タッタッタッ

バットマン「マシュ。このコンテナを運ぶ必要がある、手伝いを頼みたい」

マシュ「りょ、了解です!(本当に5トン一杯持って帰って来てる……)」


所長「……お、おかえり」

バットマン「……ああ。勝手な行動を取ってすまない」

所長「あ、そ、そう……いや、反省してるなら良いわ! ……わ、わたしもちょっと、言い過ぎたから……」ボソボソ

バットマン「手を借りたい。所員を集めてくれ、このコンテナを運ぶのにはもう少し人数が必要だ」

所長「あ、え? に、人数? すぐに集めて来るわ!」タッタッ


マシュ「うぅぅぅぅぅぅぅぅ……お、重いいぃぃ……!!」ジリジリジリ


バットマン(一人で押せている……サーヴァントというのはつくづく……)

バットマン(……しかし、手伝うか……)ガシッ
127 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 14:42:16.71 ID:UG/IDuW70
職員達「「「せーのっ!」」」グッ‼‼

コンテナ「」ズリズリズリ

職員A「もう一回!」

職員達「「「せーのっ!」」」グググッ‼‼

コンテナ「」ズリズリズリ


マシュ「うぅぅぅぅぅぅ……!!」ググググググググ

コンテナ「」ズズズズズズズズ


ドクター「力仕事は苦手なんだけどなあ!! 重いし手は痛いし!!」クッ

コンテナ「」シーン

ドクター「ちょっとは動いてよ!」ガーン


バットマン「……」グググッ

コンテナ「」ズズ……ズズ……



所長「うぅん……! くぅっ……う、動きなさいよ!」ダンダン

コンテナ「」シーン



レオナルド「ここで我が発明品、『引き寄せクレーンくん』の出番だ! これをこうして……」ポチポチ

コンテナ「」ズズズズズズズズッ‼

レオナルド「うわっあぶなっ!!」

コンテナ「」ゴォン!


レオナルド「あははは、勢いが良すぎたな。改良の余地ありだね」

バットマン「……運搬完了だ」
128 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 14:51:00.62 ID:UG/IDuW70
…………

職員B「……後は、ここをこうして……」ガチャガチャ、カチリ

リアクター「」グゥゥゥゥゥゥゥゥン……

職員B「やった、やりました!! カルデア内の貯蓄エネルギー量が跳ね上がりました、これならレイシフト可能です!」


ドクター「やった! これでようやく解決に乗り出せるぞぅ!」

レオナルド「まあ元はと言えば私の発明のお陰みたいなところもあるし、感謝はいつでも受け付けているよ!」


バットマン「で、レイシフトはいつだ。今すぐに行くのか」

所長「いいえ、マスターである貴方に多少の疲労が認められる以上、明日に持ち越しよ。カルデアとしても今回が初の能動的特異点サポートになるから、職員ともミーティングをし直しておきたいし」

ドクター「うん、そうなるね。ブルース、マシュ、キミはもう休んでいてくれ。レイシフトの日程はまた追って連絡する」

マシュ「は、はいっ!」

バットマン「……分かった」
129 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 14:55:57.15 ID:UG/IDuW70
バットマン「……」スタスタ

レオナルド「あっ、ちょっと待ったブルース。そのスーツ、ちょっと私に預けてみないかい?」

バットマン「……これを? 何故?」

レオナルド「ほら、前回のレイシフトでボロボロになってるじゃないか。補修ついでに改良とかもしてあげるけど、どうだい?」

バットマン「カラーリングを決して変えないと誓えるなら頼もう」

レオナルド「うっ……か、変えないよ、勿論さ! 天才であるダ・ヴィンチちゃんが、デザインはそのままに素晴らしい機能をつけてあげよう!」

バットマン「……」スッ


ブルース「なら頼む。ただし、あまり妙な機能はつけないでくれ」

レオナルド「もちろん! 出来上がったらキミのところへ持って行くから、是非審査してくれたまえ!」


ブルース(……ルーシャスと一緒に居たころを思い出す)

ブルース「……」フッ
130 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 15:04:47.81 ID:UG/IDuW70
…………

ブルース「……300……301……302……303……」グッ……グッ……


ブルース(モンスターとの戦い。シャドウサーヴァントとの戦い。アルトリアとの戦い)

ブルース(全て、及第点未満の戦いぶりだ。鍛え直すしかない。連中は全員、ウブーより……ベインより強い)


ブルース「……400……401……」グッ……グッ……


ブルース(マシュだけには頼れない。次のレイシフト先で裏切られないとも限らない)


ブルース「……554……555……」グッ……グッ……


………………


ブルース「……中世フランスにおいては、様々な王朝が現れ……」ペラリ、ペラリ

ブルース「……宗教対立が国外との戦争を引き起こす事も……」ペラリ、ペラリ

ブルース「……」チラッ


『03:12』

ブルース(もうこんな時間か……)

ブルース(そろそろ休むとしよう。根を詰めすぎて体調を崩しては元も子もない)


131 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 15:17:13.63 ID:UG/IDuW70
ピピピピ‼ ピピピピ‼

ブルース「……」ムクリ

ブルース「……」チラッ

『07:00』

ピーンポーンパーンポーン

レオナルド『おはようカルデア、お目覚めかな? 朝から館内放送で爽やかな目覚めを邪魔してすまないが、職員、レイシフト要員はみんな管制室に集まってもらいたい。朝食を取りながらミーティングを行うよ』


ブルース「……」スクッ

ブルース「……」スタスタ


…………


マシュ「あ、マスター。おはようございます」スタスタ

ブルース「ああ、おはよう」スタスタ

マシュ「……」

ブルース「……?」チラッ


マシュ「あ、ご、ごめんなさい。なんでもないんです」


ブルース「……怖いのか、マシュ」

マシュ「っ!」ビクッ

ブルース「安心しろ。お前の腕は確かだ。それに一人じゃない」

マシュ「え、えぇ……ありがとう、ございます」

ブルース「……」
132 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 15:20:57.05 ID:UG/IDuW70
ウィーン

レオナルド「おはよう諸君! 今日も寡黙な顔立ちで何より!」

ブルース「……」

マシュ「おはようございます、ダ・ヴィンチさん」


ドクター「おはよう、ブルースくん、マシュ。今日も体調に異常はないかな?」

ブルース「ああ。万全だ」

マシュ「はいっ、いつでもレイシフトできます!」


 スタスタ

所長「集まってもらってありがとう。これから第一回レイシフト前、最後のミーティングを開こうと思います。全員居るわね? ……よし」
133 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 15:29:23.18 ID:UG/IDuW70
マシュ「……」モグモグ

ドクター「……」パクパク

レオナルド「あっそうだブルース、スーツは完成したから持って行ってくれ」モグモグ

ブルース「そうか、ありがとう」


所長「そこ! 無駄話をしない!」

レオナルド「ごめんなさい!」
ブルース「すまない」

所長「まったく……それで、この令呪システムだけど。今回運び込まれた三つの小型リアクター分を消費すれば、最大で三つは使えるわ。だから、ブルース」

ブルース「……?」


所長「聞いてなかったの!? だ・か・ら!! サーヴァントの宝具を即解放させたい時、傷を癒してやりたい時! その令呪が使えるって言ったの!!」

ブルース「……令呪?」

所長「…………」プルプルプルプル


職員A(あー……)
職員B(ネコミミさん……)
職員C(やっちまったよ……)


ドクター「……」(素早く机の下に隠れる)
マシュ「……」(頭を抱えて対ショック体勢を取る)
レオナルド「……」(耳栓を耳に詰める)

所長「ミーティングは!! 何のために!! あると思ってんの!!!」ドッガァァァァァァァアン

134 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 15:41:40.03 ID:UG/IDuW70
所長「ハァーッ……ハァーッ……いい、使う時は……『令呪を以て命ずる』……こうよ……ハァーッ……ハァーッ……」ゼイゼイ

ブルース「……分かった」

所長「……ふぅ。マスターの身体強化ができる使い方もあるけど、基本はサーヴァントに使う事。分かってるわね? 生身は……」

ブルース「分かってる、生身での戦闘はできるだけ避ける」

所長「……なら良いわ。次はサポート班!」

職員達「「「はい!」」」


レオナルド「ま、令呪なんて奥の手もいいとこだからね。あんまり使う機会は無いだろうけど、念のためさ」

ブルース「……」

マシュ「多分、このミーティングの後、右手の甲に刻印を投影されます。それが令呪の目安になるので、参考にはなるかと」

ブルース「……分かった」


所長「……以上が、今回のレイシフトにおける概要となります! 何か質問がある者は!?」

シーン……

所長「……よし、それじゃあレイシフト要員の準備に移るわよ。目標時刻は09:00! それまでに準備を整え、コフィンにスタンバイする事!」

ブルース「分かった」

マシュ「分かりました!」
135 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 15:46:19.54 ID:UG/IDuW70
レオナルド「見たまえブルース、スーツは完璧に直しておいた!」

ブルース「……」スッ

レオナルド「防御力も多少上げた。特にブレーサーは多少の衝撃じゃあ壊れないよ、シャドウサーヴァントの一撃くらいじゃとてもじゃないが無理だね」

ブルース「……礼を言う、レオナルド。完璧だ」

レオナルド「! 良いのさ、また帰って来た時に補修と改善をさせてくれればね!」

ブルース「ああ……また頼む」フッ
136 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 15:47:30.35 ID:UG/IDuW70
ブルース「……」ガチャガチャ、ガチャリ。ガチッ

ブルース「……」ガチ、ガチャ。カチャッ、シュッ

マスク「」

ブルース「……」スッ

バットマン「……」
137 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 15:53:38.01 ID:UG/IDuW70
ドクター「時刻は08:57。ブルース・ウェイン、マシュ・キリエライトの両名ともにコフィンにスタンバイ完了」

職員A「存在証明式を走らせ始めました! 両名の肉体を観測開始!」

職員B「電子機器類に異常無し! 稼働式、全て正常に作動!」

職員C「シバによる時代特定、良好! いつでもレイシフトできます!」

ドクター「所長、あとは貴女の決断だけです」


所長「……レイシフトへのカウントダウンを開始しなさい!」

職員達「「「了解、カウントダウン開始!」」」


ドクター「さーて、ここからだぞ……」ガチガチ

レオナルド「ほら、肩の力を抜いて……キミが一番緊張してどうするのさ」カタカタカタカタ、カタカタ。タンッ
138 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 15:58:04.15 ID:UG/IDuW70
コフィン内「」シーン……


バットマン「……」


ドクター『レイシフト10秒前! 9! 8! 7! 6! ……』


バットマン「……」


ドクター『3! 2! 1!』

バットマン「……」グッ


『0!』
139 : ◆GmHi5G5d.E [saga ]:2017/11/25(土) 15:58:45.46 ID:UG/IDuW70
第一章

邪竜百年戦争 オルレアン

140 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/25(土) 16:00:19.41 ID:UG/IDuW70
今日はこれで終わりです……お付き合い有難うございました。

コメント返してないけど全部見てるし有難いです、あとバッメンはJLでも脆い人間だから良いんだ間違いない。俺は詳しいんだ
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 16:03:49.56 ID:18WfjhOx0
ものすごく長くなりそうだな。
荒らしが沸いたりスランプになったり大変そうだけど、最後までがんばって。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 16:31:02.62 ID:vyGAza2gO


>>141
俺が気に入らないから荒らしって思考はとっとと直した方がいいぞ
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 17:15:31.98 ID:18WfjhOx0
>>142
あ、とか連射したり、わざとageる輩の事言ってるんだけど?
具体例出さないと理解できなかったか、ごめんな?
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 17:23:59.31 ID:vyGAza2gO
どうやら彼には我々には見えない物が見えているようだ
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 19:35:13.77 ID:qmaUacO5O
お?うんこ合戦か?
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 20:18:38.00 ID:txfiPC3+O
水差し合戦やめーや
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 20:57:53.53 ID:18WfjhOx0
>>144
うん。見えるわけないじゃんだってお前目が節穴だろ。
俺が気に入らないから荒らしって何をどう解釈してそんな茶々いれてくるんだ?
正義感ぶって変ないちゃもんつけるなよ。
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 21:29:34.12 ID:uaEc4/1kO
半年ROMれ
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 00:36:39.06 ID:a1rVQp8Qo
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 01:32:09.75 ID:NmnnRVoSo
スーパーマンかグリーンランタンを召喚出来れば勝ち確
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 01:43:25.37 ID:Gx9CYht1o
フェイト呼ぼうぜ
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 02:38:44.24 ID:67SIq/oy0
PS3のバットマンのゲームしかやったことないけど
面白いから頑張って欲しい
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 03:00:16.49 ID:FYJewJ9m0
乙 これからの楽しみが増えた
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 08:32:22.97 ID:ln08NOGS0
エミヤアサシンと相性良さそう。
あ、銃嫌いだからダメかな。
155 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 08:56:57.76 ID:HrKXx+5N0
サワサワ……チュン、チュンチュン……サワサワ……

バットマン「…………」ムクリ

マシュ「ここは……レイシフトが完了したのでしょうか」ムクリ

バットマン「そのようだ。身体に異常はないか」

マシュ「は、はい! 私は大丈夫です!」

バットマン「ドクター、念のためバイタルサインのチェックを頼む」

ドクター『今やってる……うん、異常なしだ。二人とも無事にレイシフトできたようだね。年代特定も進んでる、少しそこで待機してくれ』

バットマン「了解した」


マシュ「……あ……ま、マスター……」

バットマン「どうした」

マシュ「上を……空を見て下さい!」

バットマン「……? ……!!」
156 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 09:07:19.10 ID:HrKXx+5N0
マシュ「ドクター、ドクター!! 上空に謎の光帯が……!」

ドクター『……なんだアレは……巨大な光の輪……? いや、大きすぎるぞアレ! 下手をすれば北米大陸くらいはある!』

バットマン「アレは……」

ドクター『いや、ともかく、アレの解析はこちらに任せてくれ。キミたちは現地の調査に専念してくれ』

バットマン「了解。まずやるべき事は……」

マシュ「霊脈の探索、この時代の人間との接触、周囲の探索……山ほどあります。一つずつこなしましょう」

バットマン「ああ。……いや、警戒しろマシュ」

マシュ「……?」


バットマン「向こうの丘の中腹、何かが動いている。あれは……」

マシュ「兵士……ですね。どうしますか? 接触しますか?」

バットマン「……慎重に行こう」
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/26(日) 09:08:06.49 ID:fFr4elZF0
舞ってた
158 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 09:14:24.58 ID:HrKXx+5N0
兵士A「くそ、魔女の連中め……滅茶苦茶にやりやがって……」

兵士B「ぐっ……もう無理だ、あんな化け物に勝てるわけがねえよ……ぐっ」ドサッ

兵士C「おい、しっかりしろ、おい! もう少しで砦だ、治療を受けられる!」ガシッ


マシュ「ヘイ、エクスキューズミー。こんにちは。わたしたちは旅の者ですが――」

兵士D「……」

マシュ「? あの、すみません……?」

バットマン「すまないが、話を……」

兵士D「ヒッ……敵襲! 敵襲ーーーー!!」


バットマン「……」


兵士A「化け物め、こんなところまで追ってきやがって!」

兵士C「やっちまえ!」

兵士達「「「おう!!」」」


ドクター『ヤッホー、手が空いたから様子を見に……って、なんでまわりを武装集団に取り囲まれてるんだい!?』


マシュ「き、気を落とさないで下さい!」

バットマン「……落ち着かせるために、少しだけショックを与える。殺しは無しだ」スッ

マシュ「りょ、了解です!」ガシャッ
159 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 09:19:07.52 ID:HrKXx+5N0
バットマン「……」ガシッドゴキィ

兵士A「ウッ」ドサッ

バットマン「……」ガッベキィ

兵士D「グエッ……」ドシャア



マシュ「フッ!」ドッ

兵士C「ギャアッ!?」ドドッ

マシュ「やあっ!」ヒュンッ

兵士E「いぎゃ!?」ドムッ


兵士B「も、もう駄目だぁ!! にげろぉぉぉ!!」


兵士達「「「うわああああああああ!!!」」」ダダダダ


バットマン「……少しだけやり過ぎた」

マシュ「お、追いましょう! 次は刺激しないように!」
160 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 09:23:35.51 ID:HrKXx+5N0
マシュ「兵士達が逃げて行く先には……あれは砦でしょうか? ぼろぼろですが……」


ドクター『キミたちが大立ち回りしている間に年代特定が済んだよ! そっちは1431年のフランスだ、休戦中の!』

マシュ「休戦中? ですが、あの砦はどう見ても大戦真っ只中の……」

バットマン「……恐らく、それが特異点の原因だ。今、この国は何かと戦っている。負傷兵を抱えて砦に逃げ帰るなど、休戦中の振る舞いではない」

マシュ「えぇっ!? という事は、この特異点は国同士の戦争に巻き込まれると……?」

バットマン「決めつけるには時期尚早だ。話を聞きに行くぞ」スタスタ

マシュ「あっ、待って下さい! せめてマスクは脱いで……」タッタッ
161 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 09:28:32.12 ID:HrKXx+5N0
バットマン「……」スッ

ブルース「少し話を聞きたい、ムシュー。構わないか」スタスタ


兵士A「ひっ!? あ、アンタは……さっきの化け物か! よ、寄るな!」

マシュ「お、落ち着いて下さい! 危害を加えるつもりはありません!」

兵士A「敵じゃ……ないのか……?」ドサッ


ドクター『……随分簡単に信用するね。理性を取り戻したのか、あるいは……戦う気力もないほど萎え切っているのか』


マシュ「この砦の有様……シャルル七世は休戦条約を結ばなかったのですか?」

兵士B「シャルル王? 知らんのか、アンタ」


兵士B「王なら死んだよ。魔女の炎に焼かれた」
162 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 09:36:38.15 ID:HrKXx+5N0


…………

???「ジル。彼を連れて来て頂戴」

ジル「はい、畏まりました」

???「手は出してないでしょうね、ジル?」

ジル「もちろんですとも。ですが、どうするかはお考えですかな?」

???「……フン、決まってるわ。考えるまでもない些末事です」


――――

???A「……な、なんだ!? 此処は、どこで、お前達は一体……!? 答えろ、答えないか! そこの……ヒィッ!?」ガタガタ

???「ああ、ピエール! ピエール・コーション司教! お会いしとうございました! 貴方の顔を忘れた日は、このジャンヌ・ダルク一日とてございません!」

ピエール「バカな。バカな、バカな、バカな、バカな……!」


ピエール「お、お、お、お前は……ジャンヌ・ダルク!? 有り得ない! 有り得るハズがない!」

ピエール「三日前に死んだハズだ! 殺したハズだ! じ……」


ジャンヌ・ダルク?「地獄に堕ちたハズだ、と?」
163 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 09:41:11.44 ID:HrKXx+5N0
ジャンヌ・ダルク?「かもしれませんね、司教」

ピエール「これは、夢だ。悪夢だ。悪夢以外の何だというのだ……!」

ジル「おやおや、現実から逃避し始めましたぞ。これはいけない。気付けをしなくては」ゴッ


ピエール「ぎゃあああああ!? ひっ、ひっ、ひぃっ……!」

ジャンヌ・ダルク?「さあ、どうします司教? 十字架を握り、天に祈りを捧げなくて良いのですか? 私を罵り、嘲り、踏み付け、蹂躙したくてよいのですか!? 勇敢な獅子のように吼えなくても良いのですか!?」


ピエール「た……」


ジャンヌ・ダルク?「た?」


ピエール「たす、けて。助けてください」ボロボロ


ピエール「何でもします。助けてください、お願いします……!」
164 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 09:48:12.86 ID:HrKXx+5N0
ジャンヌ・ダルク?「あ――アハハハハハ!! ねえ、聞いたジル!? 助けて下さい、助けて下さいですって!!」

ジャンヌ・ダルク?「私を縛り、私を嗤い、私を焼いたこの司教様が!」

ジャンヌ・ダルク?「私は虫のように殺されるのだと、慈愛に満ちた眼差しで語った司教様が、命乞いをしてるなんて!」


ジャンヌ・ダルク?「ああ……悲しみで泣いてしまいそう。だって、それでは何も救われない」

ジャンヌ・ダルク?「そんな紙のような信仰では天の主には届かない。そんな羽のような信念では大地には芽吹かない」

ジャンヌ・ダルク?「神に縋ることすら忘れ、魔女へ貶めた私に命乞いするなど、信徒の風上にも置けません」

ジャンヌ・ダルク?「わかりますか、司教? 貴方は今、自分のことを異端者だと証言してしまったのです」


ジャンヌ・ダルク?「……ほら、思い出して司教。異端をどういう刑に処すか、貴方は知っているでしょう?」ニヤリ


ピエール「……!? 嫌……嫌だ、嫌だ、嫌だ!! 助け……たすけ、てっ……!」

ジャンヌ・ダルク?「残念。救いは品切れです。この時代にはまだ……」


???「まあ待てよ、魔女サマ……」
165 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 09:53:37.18 ID:HrKXx+5N0
ジャンヌ・ダルク?「……チッ。また貴方の面倒な性格が出てるみたいね」

???「面倒かどうかじゃねえ、問題はフェアかどうかだ……コイツは命乞いをしてる。生きたいと言ってる。なら、チャンスをやらねえとな……」

ジャンヌ・ダルク?「……フン、良いわ。せいぜいそのケチなコインでその屑の命運を決めてあげれば?」

ピエール「あ……ああ、ありがとう、ありがとう!! 感謝するよ、お前は恩人だ……」ガシッ

???「おっとぉ、まだ生存と決まったワケじゃねえぞ。見ろ……このコインを」スッ

ピエール「……?」


???「ニブい野郎だな? 焼け焦げてる方……こっちが死で、この綺麗な女神サマが見えてる方が生だ。いいか、これからコイントスしてやる……」

ピエール「……そ、そんな! 待ってくれ! 死にたくない!」

???「オイ、俺はチャンスをやってんだぜ? このコインでテメエの命を五分五分まで持って行ってやってるのに……そんなに嫌なら、魔女サマに譲るが?」


ジャンヌ・ダルク?「……」ニヤリ


ピエール「ひっ……わ、分かった! こ、コインだ、コインにする!!」

???「あぁ、賢明だぜ司教サマ……」
166 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 09:59:27.81 ID:HrKXx+5N0
???「ではジャッジだ! テメエの罪はここで決まる!! 生存か、死刑か! 陪審員の皆さんはどうぞ静粛に! 公平な……裁きの時間だ」

ピエール「…………すまなかった、ゆるしてくれ、私がわるかった……」ガタガタガタガタ

???「…………」キィン

???「……」パシッ


ピエール「…………ど、どうなんだ!?」ガタガタガタガタ

???「……ああ、おめでとう司教サマ」ニヤリ

ピエール「ほ、本当か!? た、たすかっ」


ドォン


???「ここで人生とはお別れだ」カチャリ

ピエール「」ドサッ


ジャンヌ・ダルク?「終わったかしら?」

???「ああ、満足だ」

ジャンヌ・ダルク?「なんでこんな厄介なものが召喚されてしまったのかしら……次の戦場からは貴方も出てもらうわよ、トゥーフェイス」


トゥーフェイス「……ああ、勿論だ」
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/26(日) 10:09:49.32 ID:tGYcAE48O
バッツのヴィランがたくさん出るのかな?
それとも、DC系が沢山かな。
続きが楽しみです
168 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 10:11:43.42 ID:HrKXx+5N0
…………

バットマン「だが、1431年には既にジャンヌ・ダルクは焼かれ、死んでいたハズだ」

兵士A「ああ、だけど生き返ったんだ! 悪魔と取引して!」

マシュ「悪魔……?」

バットマン「それを見たのか?」

兵士B「……俺はオルレアン包囲戦と式典に参加した。だからよく覚えてる」

兵士B「髪や肌の色は異なるが、アレは紛れもなくかつての聖女様だ」

兵士B「イングランドに捕らえられ、火刑に処されたと聞いて俺達は憤りに震えたものさ……ゲホッ、ゲホ」

兵士A「おい、もう喋るな……」


マシュ「……先程言っていた、悪魔とは一体」


ドクター『……待った! 何かが近付いてる、超高速で……この反応は……!!』


バットマン(羽ばたきの音が聞こえる。有翼だ)

ドクター『ワイバーンだ! 群れだぞ……!』

マシュ「行きましょう、マスター!」

バットマン「目視した。対処を始める」ダッ


ワイバーン達「「「ゴギャアアアアアアアア!!!」」」
169 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 10:22:20.84 ID:HrKXx+5N0
ワイバーンA「ガアアアアアアッ!!」

兵士C「くそ、やれ、やれぇ!! 突っ込め!!」


バットマン(あれに肉体での攻撃は悪手。まずは地面に引きずりおろす……グラップネルガンを使う)

バットマン「フッ!」バシュッ

ワイバーンB「グゲッ!?」ズドッ

バットマン「オォォォォォ!!!」グググイッ

ワイバーンB「グギャアアアアア!!!」ドッサァァァアン

バットマン「今だ! マシュ!」

マシュ「やああっ!!」ガガッ

ワイバーンB「ぐげ……」シュウシュウシュウ


170 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 10:22:57.13 ID:HrKXx+5N0

兵士A「お前は逃げてろ!! 戦えないだろ!」

兵士B「ちくしょう……ちくしょう……」ズリズリ


ワイバーンC「ゴギャアアアアアアアア!!」バサッ

兵士B「しまっ……」

ワイバーンC「ガアアアアアアッ!!」ブワァァァァァッ


兵士B(ちくしょう、炎が……)

兵士A「ぐっ!!」ガバッ

兵士B「なっ……お前何やってんだ!!」

兵士A「ぐ、ぐわあああああああああ!!」

ワイバーンC「ギャアアアアアアス!!」


バットマン「フッ」バサササササササッ、ドゴォ

ワイバーンC「ギッ……」グラリ

バットマン「まだだ」クルッドドッ

ワイバーンC「……」ドサッ


バットマン「無事か」

兵士A「あ、ああ、恩に着る……」

兵士B「無事じゃねえだろ馬鹿! 何やってんだ!」
171 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 10:31:06.72 ID:HrKXx+5N0
ワイバーン「ゴギャアアアアアアアア!!」

兵士B「ちくしょう、ちくしょうアイツら何体来やがる……無理だ! 勝てっこねえ! アンタらだけでも逃げろ!」

バットマン「……」

???「そこの御方! 武器を取って!」

兵士B「……!?」

???「私と共に! 戦いましょう!」


マシュ「あ、あの方は……?」

ドクター『おおう、サーヴァントだ! しかし反応が弱いな……彼女は一体』


バットマン「何者かは知らんが、やれるのか」

???「もちろんです!」

バットマン「行くぞ」

???「ええ!」


ワイバーン達「「「ギャアアアアアアス!!」」」
172 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 10:36:38.88 ID:HrKXx+5N0
マシュ「はぁっ、はぁっ……やりました、全敵性体を撃破!」


???「ふぅ……怪我はありませんか?」

兵士C「えぇ、有難う御座います。あの、よろしければ名前……!?」

兵士C「そんな、貴女は……いや、お前は! 逃げろ! 魔女が出たぞ!!」ダダダッ

マシュ「え、魔女……?」

バットマン「……」

173 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 10:40:11.21 ID:HrKXx+5N0
バットマン「あの兵士の反応から察するに、お前がジャンヌ・ダルクか」

ジャンヌ「……えぇ。先程は助けて頂き、ありがとうございます」

ジャンヌ「私はサーヴァント。ルーラー、真名をジャンヌ・ダルクと言います」

マシュ「で、ですが貴女は、魔女になったと……」

ジャンヌ「……その話は、後で。彼らの前で話すことでもありません」


兵士達「「「……」」」


ジャンヌ「こちらへ。お願いします」

マシュ「……マスター」

バットマン「行くぞ、貴重な手掛かりだ」

174 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 10:49:14.07 ID:HrKXx+5N0
………………

スタスタ……スタスタ……ザッザッ、ザッザッザッ

バットマン「森の中にもモンスターが居た事を考えると、かなり侵略は進んでいるようだな」

ジャンヌ「えぇ。見た通り、兵士の士気は最低レベルです。長く続く、一方的な苦しい蹂躙……もはや、事は一刻を争います」

バットマン「……」

ジャンヌ「この辺りで、落ち着きましょう」

ドクター『周囲に敵性体反応なし。安全だね』


――――

マシュ「貴女は、正規の英霊ではないのですか?」

ジャンヌ「……そうですね。まずはその事からはっきりさせましょう」


ジャンヌ「私は確かにサーヴァントです。クラスもルーラー、そのことは理解できています」

ジャンヌ「しかし、本来与えられるべき聖杯戦争に関する知識が、大部分存在していません。知識だけではなく、ステータスも……対サーヴァント用の令呪も、真名看破もできません」


バットマン「お前はいつこちらに来た? サーヴァントなら……召喚、というのを通すものなのだろう」

ジャンヌ「私も、つい数時間前にこちらに現界しました。そして、事情を探るうちにはっきりしたのが……どうやら、この世界にはもう一人、ジャンヌ・ダルクがいるという事」

ジャンヌ「あのフランス王シャルル七世を殺し、オルレアンにて大虐殺を行ったというジャンヌが……」


バットマン「……」
175 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 10:54:31.01 ID:HrKXx+5N0
ドクター『……何故ジャンヌが二人居るか、その理由は定かではないけど、はっきりした事がある』

ドクター『シャルル七世が死に、オルレアンが占拠された。それはつまり、フランスという国家の崩壊だ』

ドクター『フランスは史上初めて、人間の自由と平等を謳った国だ。他の多くの国はそれに追随した』

ドクター『この権利が百年遅れれば、それだけ文明は停滞する……現代の我々が、中世のような生活をしていた可能性だって否定できない』

バットマン「……それが特異点か」

ドクター『そうだね、はっきりした。今回の敵は魔女になってしまったジャンヌ・ダルクだ』

バットマン「……」


ジャンヌ「あの、先程から声だけで姿の見えない御仁が……」

マシュ「失礼、マドモアゼル・ジャンヌ。次は我々の番ですね」
176 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 11:07:35.93 ID:HrKXx+5N0
ジャンヌ「……ワイバーン、そして魔女。認めたくありませんが、恐らく、あの竜達を操っているのは私(ジャンヌ)でしょう」

マシュ「ええ、そうなるのが妥当かと。ですが、問題がひとつ」

ドクター『ああ。問題は、召喚の難易度だ。竜の召喚は最高難易度と言って差し支えないほど難しい。現代の魔術師じゃあまず不可能だし』

所長『なんですって、ロマニ!?』

ドクター『ごご、ごめんなさい! ……でも、難しい。たとえその時代の魔術師でも容易にはいかない』


ジャンヌ「……生前の私は、そのような術には精通していませんでしたし……」

バットマン「……聖杯か」

ドクター『うん、そうだ。恐らく、魔女のジャンヌは聖杯を使って竜を召喚しているね』


バットマン「……大方の把握はできた。問題は、こちらの戦力が少なすぎる事だ」

マシュ「ええ、否定できません。……マドモアゼル・ジャンヌ。貴女はこれからどうするのですか?」

ジャンヌ「一人でも戦います。オルレアンに向かい、都市を奪還する」

バットマン「自殺行為だ」

ジャンヌ「ですが、放っておけません」

マシュ「な、なら一緒に行動する、というのはどうでしょう!? 戦力も増えますし、目的の利害も一致しています!」

バットマン「…………」


ジャンヌ「……確かに、それが理にかなってますね」

マシュ「それでは……改めて、マドモアゼル・ジャンヌ。私達の行動目的は別にありますが、それはそれとして、私達は貴女を助けたい。その旗の下で戦う事を、許して頂けますか?」

ジャンヌ「いえ、こちらこそお願いします。どれほど感謝しても足りないほどです」


ジャンヌ「……ありがとう。私は、一人で戦うものだとばかり思っていました」

バットマン「……いや、戦力が増えて有難い。よろしく頼む」



バットマン(……救国の聖女、ジャンヌ・ダルク。死因は炎。裏切られた際は……炎を使えば通用するはずだ)
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 11:15:05.66 ID:SOcxmhMkO
毎回味方の弱点を探るのはすごくブルースらしいけど、なんかウザいというかモヤモヤする。
178 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 11:19:47.36 ID:HrKXx+5N0
ジャンヌ「まずはこの森を抜け、オルレアンの方へ向かいましょう。周辺の街や砦から情報を集め、奪還の手立てを探る」ザッ、ザッ

バットマン「……慎重だな。焦っているものとばかり」スタスタ

ジャンヌ「……いえ、内心焦っています。もう一人の”私”は、どう考えても正気ではない。そんな怪物が人を支配して、何をするかなど……など想像するのは容易い」

バットマン「…………」


マシュ「ちょ、ちょっと待って下さい……あちらの空を!」

バットマン「……煙?」

マシュ「街が……燃えてる……!?」


ドクター『待て、その先の街にサーヴァント反応だ! す、すごい勢いで遠ざかっていく……駄目だ、反応がロストした!』

ジャンヌ「急ぎましょう、何かがあったに違いない!」ダッ

マシュ「はい! マスター、私達も!」

バットマン「ああ」
179 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/26(日) 11:27:43.19 ID:HrKXx+5N0
バットマン「……」

バットマン(駄目だ。遅すぎた。侵略から時間が経ち過ぎている)


ジャンヌ「そんな……まさか……」

マシュ「……ドクター、生体反応を……」

ドクター『……駄目だ、その街に命と呼べるものは残っていない』

マシュ「そんな……」

バットマン「……」

バットマン(死体、ワイバーンの火炎痕……これをやったのも竜の魔女、ジャンヌで間違いない)

ジャンヌ「いったい……どれほどの憎悪があれば、こんな……」


ドクター『待った!! 先程去っていったサーヴァントが反転して向かってくる! まずい、キミたちを察知したようだ!』

バットマン「数は」

ドクター『……おい、冗談だろ……数は6騎! は、速い! 逃げろ皆! 数で負けてる!!』


バットマン「……いや」


バットマン「もう遅い」
180 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/26(日) 11:34:21.81 ID:HrKXx+5N0
バットマン「……」

バットマン(報告通り、6人だ。白髪で槍を持った男、仮面を被りアイアンメイデンを引きずる女)

バットマン「……」チラッ

バットマン(背丈ほどの十字架を握った女。女装した男騎士。そして……黒い旗を背負った女。アレが竜の魔女、ジャンヌ・ダルクに間違いない)

バットマン(だが、問題はもう一つ……)


???「ハァー、ハァー。会えてうれしいぜ、バットマァン……てめえとも腐れ縁ってヤツだなァ!!」

バットマン(顔の半分が焼け焦げた男。トゥーフェイス)

バットマン「何故ここに居る」

トゥーフェイス「こっちが聞きてえくらいだがな、生憎今はそんな気分じゃねえ。ようやく長年の恨みを返してやれるってもんだ、なあ?」

バットマン「……」ジリッ


ジャンヌ「……」

ジャンヌ・ダルク?「…………」
181 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/26(日) 11:36:11.20 ID:HrKXx+5N0
何故最後はさげた……昼前はこれで終わりです。お付き合い有難うございました。

ブルースが疑いすぎて鬱陶しいそこのあなた! 正常です。ブルースがおかしいんだよどんだけ用心深いんだよ(愚痴)
182 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/26(日) 11:44:15.82 ID:HrKXx+5N0
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%B9

悪役の参考資料を取り急ぎ……これちゃんとURL貼れてますかね
183 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/26(日) 11:45:20.33 ID:HrKXx+5N0
駄目でした……各自での確認を願います(情弱)
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 14:16:11.40 ID:vVvktHJio
貼れてるよ

FGOやってないから教えて欲しいんだけどサーヴァントって誰かが召喚するんだよね?
ここにいるサーヴァントとかクーフーリンとか誰が呼んだの?
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 14:19:31.53 ID:fFr4elZF0
PCと携帯とで微妙にURLとかちゃうんかな。一応、iPhoneからは読めた
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 14:30:52.08 ID:RTMexiJ00
その都度描写しなくても、いざって時に「前からちゃんと疑っていたから対処できてた」でいいんじゃないかな。

原作だって、わざわざスーパーマンと会うたびに毎回クリプトナイト所持をチェックしてるわけじゃないし
187 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2017/11/26(日) 14:45:08.73 ID:HrKXx+5N0
うぅむ、下手に全部描写すると駄目になっちゃうって事ですかね。気を付けてみます

URL貼れてる確認有難いです。誰かが召喚のくだりは恐らく作中でフォローを入れることになるかと(今現在クー・フーリン(術)だけは厳密に言えばそのフォローからは外れるでしょうが面倒なので一緒の扱いで良いです)
188 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 15:00:46.66 ID:HrKXx+5N0
ジャンヌ・ダルク?「……なんて、こと。まさか、まさかこんな事が起こるなんて」

ジャンヌ「……」

ジャンヌ・ダルク?「ねえ。お願い、誰か私の頭に水をかけてちょうだい。まずいの。やばいの。本気でおかしくなりそうなの」ニヤニヤ

ジャンヌ・ダルク?「だってそれぐらいしないと、あんまりにも滑稽で笑い死んでしまいそう!」



バットマン(囲まれてる……いや、あの一点は突破できるか?)

女装騎士「……」ギリッ

十字架聖女「……」ガシッ

バットマン(……問題はタイミングか)スッ



189 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 15:09:05.78 ID:HrKXx+5N0
ジャンヌ・ダルク?「……こんな小娘(わたし)にすがるしかなかった国(フランス)なんて、ネズミにも劣る矮小さね」ギリィ

ジャンヌ「……貴女は……貴女は、誰ですか!?」

ジャンヌ・ダルク?「……それは私の質問ですが。良いでしょう、答えて差し上げましょう。私はジャンヌ・ダルク。蘇った救国の聖女ですよ」

ジャンヌ「馬鹿げたことを……! 貴女は聖女などではない、私がそうではなかったように。そして……そして、何故この街を襲ったのです!?」

ジャンヌ・ダルク?「何故……? 同じジャンヌなら、理解していると思っていましたが」


ジャンヌ・ダルク?「単にフランスを滅ぼすためですよ」


ジャンヌ「馬鹿な事を……」

ジャンヌ・ダルク?「バカなこと? 愚かなのは私たちでしょう、ジャンヌ・ダルク。何故。こんな国を救おうと思ったのです? 何故、こんな愚者たちを救おうと思ったのです?」

ジャンヌ・ダルク?「ここに居るのは……裏切り、唾を吐いた人間達だと知りながら!」

ジャンヌ「それは……」


バットマン(千日手だ。相互理解は不可能……話し合いでの解決は不可)


ジャンヌ・ダルク?「私はもう騙されない。もう裏切りを許さない。そもそも、主の声も聞こえない。……主はもう、この国に愛想をつかしたから」

ジャンヌ・ダルク?「だから滅ぼします。主の嘆きを私が代行します。すべての悪しき種を根本から刈り取ります」

ジャンヌ・ダルク?「フランスが……いいえ、人類が存在する限り、私のこの憎悪は治まらない。あまねく憎悪に喝采を……裏切り者には死を」

ジャンヌ・ダルク?「それが私。死を迎え、新しい存在となったジャンヌ・ダルクの救国方法」


ジャンヌ・ダルク?「貴女の理解は期待していませんよ、私(ジャンヌ)。いつまでも聖人を気取って……」ギリィ

ジャンヌ・ダルク?「憎しみも喜びも見ないフリをして、人間的成長をまったくしなくなったお綺麗な聖処女さまには!!」

ジャンヌ「な……」


バットマン(3で行くぞ)ボソリ

マシュ(え? は、はい!)

バットマン(1……2……)


ドォン


バットマン「……っ」ギャリィン


トゥーフェイス「お見通しだ、コウモリ。なめられちゃ困る」

190 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 15:26:36.43 ID:HrKXx+5N0
ジャンヌ・ダルク?「フン。こざかしい奴が居たものね……良いわ、バーサーク・ランサー。バーサーク・アサシン。相手をしてあげなさい。久々の強敵よ、楽しみなさい」

白髪の男「……よろしい。では、私は血を戴こう」

仮面の女「いけませんわ王様。私は彼女の肉と血、そして臓を戴きたいのだもの」


バットマン(……真名は何だ。血を欲する王……槍……いや、あれは串? ならば結論は出たようなもの)

バットマン(……恐らくあれはヴラド。オスマンのヴラド三世……ヴラド・ツェペシュ)

バットマン(……ならば、それと並んで血を欲する女は?)


ヴラド「強欲だな。では魂は? 魂はどちらが戴く?」

仮面の女「魂なんて何の益にもなりません。名誉や誇りで、この美貌が保てると思っていて?」


バットマン(……若い娘の血を、自らの美貌のために使う。高貴な喋り方。ほぼ間違いない)

バットマン(バートリ・エルジェーベト。ハンガリー貴族……)

バットマン(つまり、どちらとも、吸血鬼の伝説が残るサーヴァントか)


ヴラド「よろしい、ならば私が魂を戴こう! まさか、血を啜る悪魔となり果てて彼女の美しさが理解できるとは……」

エルジェーベト「ええ。だからこそ感動が抑えられない。……自分より美しいものは許さない。いいえ、それより……」

エルジェーベト「私より美しいものの血は、どれほど私を美しくしてくれるのかしら?」


マシュ「……マスター。敵、戦闘態勢に入りました」ガシャッ

バットマン「構えろ。これしかない」


トゥーフェイス「俺も良いか? 良いよなァ、戦うぜ」

ジャンヌ・ダルク?「……フン、好敵手でも見つけましたか。好きになさい、ただし消えるのは許さないわ」

トゥーフェイス「ハァー、ハァー! バットマン!! ようやくだ!!」ザリッ

バットマン「くっ……」
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 15:34:59.39 ID:n9YYOeuxo
>>184
型月特有の面倒くさい設定を長々と説明しないといけないからググれ
ざっくり説明するなら、世界そのものが鯖を呼んだ
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 15:37:17.93 ID:n9YYOeuxo
>>184
返事になってなかったわ
クーフーリンは冬木で召喚したマスター(誰かは不明)が居る
偽ジャンヌに組みする鯖はジャンヌ自身が呼んだ(原作でいうアサシン(小次郎)に近い)
ジャンヌや他の鯖に関しては世界に呼ばれた
193 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 15:43:20.92 ID:HrKXx+5N0
マシュ「くっ……」ガガッガィン‼

ヴラド「なかなか粘るが、あとどれほど保つものか……貴様の鮮血を見るのが楽しみでならないぞ」ヒュンッヒュンッヒュンッ

マシュ(速い……! 盾が追い付かない!)ザッザザッ


ジャンヌ「ふっ!」ブゥン

エルジェーベト「くっ……」ガッギィィィィィ

ジャンヌ「目を覚ましなさい、貴女方のやっている事は自分を貶める行為に他ならない……!」ギリギリギリギリ

エルジェーベト「あら、それがどうかして? 美貌と誇りのどちらを取るかなんて、言うまでもない事でしょう?」ギチギチギチ

ジャンヌ「(目に理性が無い……)はぁっ!!」ギャリリィ


トゥーフェイス「遅いぞコウモリ、鈍ったか!?」パァンパァン、ブゥン

バットマン(以前より身体能力が飛躍的に向上している! 人間ではない!)ザザッ、ババッ

ドクター『解析結果が出た! そこに居るサーヴァントには狂化属性が付与されている、話し合いでの解決は無理だ!』

バットマン「ドクター、私の眼前に居る男の解析を頼みたい」

ドクター『……キミの目の前? うわっ、怖い顔してるなぁ! この人もサーヴァントだ、クラスは……』


バットマン「いや、クラスまでは良い。サーヴァントだな、ならばサーヴァント用の反撃をする」

トゥーフェイス「御大層な口を利くじゃねえか! 反撃なんて許すとでも!?」ブンブン

バットマン(ここだ!)ガッ‼


バットマン「フッ!!」ガシッ、グィィィッ

トゥーフェイス「うお、おぉぉぉぉ!?」グワンッドシャアアアアア


バットマン「……やったか?」ジリッ

トゥーフェイス「っはぁ、やってくれるぜコウモリ野郎が!!」ガバッパァン

バットマン「(なっ……)……っぐ」ドシュウ


マシュ「!! マスター!!」

ヴラド「どこを見ている」ヒュンッ

マシュ「ッ!!」ドッズシャアアア、ゴロゴロ


ジャンヌ「……っ」

エルジェーベト「あらあら、お仲間は倒れたようだけど」クスクス

ジャンヌ「……!!」
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 15:46:14.90 ID:BAqaw/Flo
>>192
なんとなくわかった。サンクス
195 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 15:59:47.43 ID:HrKXx+5N0
ジャンヌ「っマシュ! 貴方達だけでも逃げて下さい!!」

マシュ「で、でもジャンヌさん!」

ジャンヌ「共倒れよりはるかにマシです! さあ!!」

マシュ「……っ!!」

バットマン「……っ……く、マシュ……伏せろ!」ガバッ

マシュ「え、きゃっ!?」チュイン


トゥーフェイス「ちっ、サイレンサー付けてても殺気はバレるもんだなぁ。ならいいさ。次は外さねえように工夫するだけだ……それじゃ、コイントスといくか」

トゥーフェイス「さあ、立ちな嬢ちゃん。運命の時間だ」

マシュ「え……」スクッ

マシュ(か、身体が、勝手に……!?)


トゥーフェイス「ではジャッジの時間だ。テメエの罪はここで決まる……生存か、死刑か。陪審員の皆さんはどうぞ静粛に。公平な……裁きの時間だ」

マシュ(動けない。身体が、動かない)


バットマン「……ぐっ……」ジリッ

トゥーフェイス「……」キィン

トゥーフェイス「……」パシッ


トゥーフェイス「……残念だったな、嬢ちゃん」カチャッ


???「その裁判、待ってくださいな!!」

トゥーフェイス「!?」ザザッ

マシュ「(動ける!)っはぁ、はぁ……!」ドサッ
196 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 16:15:13.33 ID:HrKXx+5N0
???「……優雅ではありません。この街の有様も。その戦い方も。思想も主義もよろしくないわ」


バットマン(あれは……ガラスの……薔薇?)


ジャンヌ・ダルク?「何者です!」

???「貴女はそんなに美しいのに、血と憎悪でその身を縛ろうとしている。善であれ悪であれ、人間ってもっと軽やかにあるべきじゃないかしら?」

ジャンヌ・ダルク?「……サーヴァント、ですか」

???「ええ、そう。嬉しいわ、これが正義の味方として名乗りをあげる、というものなのね!」

???「貴女が誰かは知っています。貴女の強さ、恐ろしさも知っています。正直に告白してしまうと、今までで一番怖いと震えています」

???「それでも……貴女がこの国を侵すのなら、わたしはドレスを破ってでも、貴女に戦いを挑みます」

???「何故なら、それは……」


女装騎士「貴女、は……!?」

???「まあ、私の真名をご存知なのね! 知り合いかしら、素敵な女騎士さん?」


ジャンヌ・ダルク?「セイバー。彼女は何者?」

女装騎士「……」

ジャンヌ・ダルク?「……」答えなさい」

女装騎士「この殺戮の熱に浮かされる精神でも分かる。彼女の美しさは、私の目に焼き付いていますからね」


女装騎士「ヴェルサイユの華と謳われた少女。彼女は……マリー・アントワネット」


マシュ「マリー・アントワネット王妃!?」

バットマン(……という事は、あの騎士の名も自ずと割れる。マリー・アントワネットと接点がある女装騎士……あれはシュヴァリエ・デオン)

マリー「はい! ありがとう、私の名前を呼んでくれて!」


マリー「そしてその名前がある限り、どんなに愚かだろうとわたしはわたしの役割を演じます。我が愛しの国を荒らす竜の魔女さん。無駄でしょうけど質問をしてあげる」

マリー「貴女はこのわたしの前で、まだ狼藉を働くほど邪悪なのですか?」

マリー「革命を止められなかった愚かな王妃(わたし)以上に、自分は愚かな魔女であると公言するの?」
197 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 16:26:01.96 ID:HrKXx+5N0
ジャンヌ・ダルク?「……黙りなさい。貴女如きがこの戦いに関わる権利はありません」

ジャンヌ・ダルク?「宮殿で蝶よ花よと愛でられ、何もわからぬままに首を断ち切られた王妃に、我々の憎しみが理解できると?」


マリー「そうね、それはわからないわ。だから余計に貴女を知りたいの、竜の魔女」

ジャンヌ・ダルク?「……なに?」

マリー「わからないことは、わかるようにする。それがわたしの流儀です」

マリー「だから今の貴女を見過ごせない。ああ、ジャンヌ・ダルク。憧れの聖女! ……今のわたしにわかるのは、貴女はただ八つ当たりしているだけということ」

マリー「理由も不明、真意も不明、何もかも消息不明だなんて、日曜日にでかける少女のようでしてよ?」


トゥーフェイス「ハハハハ! 突然出て来てビビったが、高貴なたとえだ!」

ジャンヌ・ダルク?「黙りなさい!」


マリー「そんな貴女に向ける礼はありません。わたしはそこの、何もかも分かりやすいジャンヌ・ダルクと共に、意味不明な貴女の心を、その身体ごと手に入れるわ!」

マシュ「……な……」

ジャンヌ「え、えっと……はい?」

マリー「あ、しまった。しっぱいしっぱい。誤解なさらないで、今のは単に『王妃として私の足元に跪かせてやる』という意味ですから」


バットマン(……意識か無意識かは分からないが、この少女の演説で徐々に敵が一か所に集められつつある。……これなら脱出できる)ムクリ
198 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 16:34:44.67 ID:HrKXx+5N0
ジャンヌ・ダルク?「……茶番はそこまでだ。いいでしょう。ならば。貴女は私の敵です」


マリー「ええ、ええ。そうでしょう! こちらも分が悪いのは十分分かっています。だから……アマデウス!」

マリー「機械みたいにウィーンとやっちゃって!」


アマデウス「任せたまえ。宝具、『レクイエム・フォー・デス』」グオォォォォォォォ


バットマン(くっ、音波系……いや、こちらに危害は無い……のか?)


エルジェーベト「もう一人……ああ、でもなんて壮麗で邪悪な音……!」

ヴラド「くっ、重圧か……!」


ジャンヌ・ダルク?「ちっ……!」


マリー「それではごきげんよう皆様。オ・ルヴォワール!」タッタッ

マシュ「マスター、走れますか!?」

バットマン「問題無い、行くぞ」ダダッ

マシュ「はい!」ダッ


トゥーフェイス「次は逃げられると思うな! 俺のコインが待ってるぜ!」


ジャンヌ・ダルク?「……ふん。ライダー!」

十字架聖女「……何かしら」

ジャンヌ・ダルク?「追いなさい。貴女の馬なら追いつけるでしょう。戦う必要はありません、居場所を報告してくれれば一気に叩き潰します」

十字架聖女「……了解。追いついてみせるわ」


199 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 16:39:14.01 ID:HrKXx+5N0
ヴラド「……ルーラー。ライダー一人で十分だと考えているのか」

ジャンヌ・ダルク?「十分でしょう。殲滅する、という事だけならライダーの宝具は確実です」

ジャンヌ・ダルク?「……ですが念には念ですね。私は帰還して新たなサーヴァントの召喚に掛かります」

ジャンヌ・ダルク?「貴方たちは好きに暴れなさい。彼らと運よく遭遇したのなら、蹴散らしても良い」

ジャンヌ・ダルク?「……まさか、宮殿で愛でられていた后如きに遅れを取る貴方達ではありませんよね?」



…………
200 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 16:51:53.30 ID:HrKXx+5N0
マリー「ふう。ここまで逃げれば大丈夫かしら?」

マシュ「ドクター?」

ドクター『うん。周辺の反応は消失している。ついでに言うと、そこからすぐ近くの森に霊脈の反応を確認した』

バットマン「了解。すぐに向かう」


マシュ「ですがマスター、銃創の手当てが……」

バットマン「大丈夫だ、スーツが弾き返した」

マシュ「ほ、本当ですか! 流石ダ・ヴィンチさん!」


マシュ「そ、それでは……ジャンヌさん、それから……マリーさん?」コワゴワ

マリー「マリーさん、ですって!」ガッ

マシュ「し、失礼しました。それでは、ええと……」

マリー「失礼じゃないわ、とっても嬉しいわ! いまの呼び方、耳が飛び出るくらい可愛いと思うの!」キラキラキラキラ


バットマン「……」


マリー「お願い、素敵な異国のお方! これからもそう呼んでいただけないかしら……!」キラキラ

マシュ「は、はぁ……ミス・マリーとか、マドモアゼル・マリーとかでは?」

マリー「ダメ。ぜんぜんダメ。マリーさん、がいいのっ! 羊さんみたいで!」


バットマン「…………」


マリー「それで、御用事は何かしら?」

マシュ「ええと、この近くの森に強い霊脈が探知されました。拠点とするため、そこに向かいたいのですが……皆さん、問題ありませんか?」


マリー「もちろん構わないわ。いいですか、アマデウス?」

アマデウス「僕に意見を求めても無駄だってば。キミの好きにすればいい、マリア」


ジャンヌ「分かりました。問題はない、と思います」

マシュ「では、その森で腰を落ち着けて、これから先のことを話し合いましょう」スタスタ


バットマン「……」スタスタスタ……ズキッ

バットマン「……っ……」

バットマン(……流石に外しはしないか、トゥーフェイス……)ドク……
201 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2017/11/26(日) 17:13:41.47 ID:HrKXx+5N0
…………

マシュ「サークル作成、完了です!」

ジャンヌ「ふう。オルレアンに近付くにつれ、魔物達も強くなってますね。どうでしょう、今日はこの辺りで休憩に……」

マリー「そうね、賛成よ!」

アマデウス「ああ、ようやく休憩だ……王妃なのにマリアは健脚すぎる」


バットマン「……少し外す」

マシュ「え? あ、ついていきましょうか?」

バットマン「良い。残って休んでいてくれ」スタスタ


マシュ「……」

マリー「あの人、面白いのね! 猫の扮装だなんて、変わってるわ!」

アマデウス「いや……あの人はコウモリなんじゃないか? 同じ仮面趣味として通じ合う何かがあるよ」

ジャンヌ「では、改めて自己紹介を……私はジャンヌ。ジャンヌ・ダルクです」

マリー「私はマリー! マリー・アントワネットです、会えて光栄よジャンヌ!」


――――


バットマン「……」ドサッ

バットマン「……」スッ

ブルース「ハァッ、ハァ……」ドクッ、ドクッ……

ブルース(まず打つべきなのは何だ? 止血剤……いや、スーツのアイソメトリック機能を使うべきか)

ブルース(いや……判断を誤るべきではない。ここはまず、体内に埋め込まれた銃弾を抜き取る……)


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