【モバマス安価】ちひろ「大変ですプロデューサーさん!」

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294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/13(水) 21:36:54.40 ID:HgDaOGfP0
幸子「頬を叩いて」パンッ

幸子「ダメですね、もっと強く!」パンッ


スタスタ

ちひろ「幸子ちゃん、心配だわ。励ましてあげないと」

ちひろ「でもどこにいるのかしら?」

幸子「もっとです! もっと……!」

ちひろ「あ、いたわ! 幸子ちゃ…」


幸子「もっと強く!!」バシンッ

ちひろ「!?」


幸子「痛いっ!? ち、ちょっとやり過ぎました」

ちひろ「幸子ちゃん……」

幸子「ちひろさん! どうしました?」

ちひろ「今、自分のほっぺを叩いてたけど」

幸子「ああ、ちょっと気合いを入れてたんですよ」

ちひろ「気合い?」
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 21:41:23.30 ID:+wqYc90jo
>>293
ここでも荒れるときは荒れるんだよなぁ
ここも排除することで大人しくなった
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1497076288/
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 21:45:53.00 ID:aFqJplibO
6月のスレかよ
昔はそんな面倒な荒らしじゃなかったのをお前らが煽って今みたいにしたんだろ
わざとやってるのかも知らんけど
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 21:47:48.61 ID:V8PXedUG0
8月のスレも時期は似たようなものでは?
反論できないからってそういう逃げはどうかと思う
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/13(水) 21:48:06.40 ID:HgDaOGfP0
幸子「はい。仕事にもっと本気で取り組むために」

ちひろ「そ、そう」

ちひろ(よかった。おかしくなったのかと)

幸子「けど、なかなか気合いが入りませんね」

幸子(というより……思い返せば、ボクは最近腑抜けてませんでしたか?)

幸子(プロデューサーさんのお尻を追っかけすぎて、仕事に集中できてなかったかも)

幸子(これはマズイです。もちろん恋愛も大切ですけど)

幸子(同じくらい仕事も大事ですからね! ここらで精神を統一……いや)

幸子(精神を鍛え上げましょう!!)メラメラ

ちひろ(何か知らないけどすごい燃えてる)

幸子(となれば早速行動です)

幸子「ちひろさん!」

ちひろ「はい!?」ビクッ
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/13(水) 21:54:26.24 ID:HgDaOGfP0
幸子「ボク、修行をしたいんですけど」

幸子「もしよければ手伝っていただけないでしょうか!?」ズイッ

ちひろ「修行!? ずいぶん唐突ですね、何の修行ですか?」

幸子「メンタルを鍛え上げる修行です」

幸子「手伝うまでいかなくても、良い案を提示していただけると……!」

ちひろ「……」

ちひろ(何が何だか分からないけど、励ましは必要ないみたいですね)フフ

ちひろ「メンタルを鍛えないなら、良い考えがありますよ」

幸子「何ですか!? 教えてください!」


↓2 メンタルを鍛える方法とは
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 21:56:21.08 ID:IIDiFPPzo
滝業
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 21:57:05.40 ID:/inpO5On0
小梅の百物語を聞く
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 21:57:25.89 ID:HgDaOGfP0
>>299
下から二段目、

ちひろ「メンタルを鍛えるなら、良い考えがありますよ」

です、すみません
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 22:01:47.49 ID:s3zcIZ0Xo
>>296
長々と議論に付き合ってかまってるお前も同じ穴の狢
荒らしにとって一番嬉しい行動を取ってるって自覚ある?
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/13(水) 22:09:16.85 ID:HgDaOGfP0
ちひろ「あるアイドルの力を借りましょう」ニコッ

幸子「?」

――――

小梅「じゃあ始めるね……私のオリジナル百物語……」

幸子「ちょっと待ってください! ちひろさん、ってあれ!? ちひろさんは!?」

小梅「部屋から出て行ったよ……」

幸子「置き去りですか!?」

幸子「ち、ちひろさん!! できればもっと違う…」

ガシッ

幸子「!!」

小梅「聞き終えるまで、ここから出さないって約束だから……」

幸子「嫌です!! もっと違う方法があるはずです!!」

小梅「もう遅いよ……? 他のお客さんも、ドアのところに座って待ってるし……」

幸子「……お、お客さんって、誰もいないじゃないですか。あははは……」

小梅「……分かってるくせに……」フフフ

幸子「ひぃぃぃっ!? もう限界です!! 助けてぇぇぇ!!」
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 22:15:03.59 ID:V8PXedUG0
>>296
お前みたいなやつが一番煽り合いを加速させる
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/13(水) 22:19:45.11 ID:HgDaOGfP0

――――

幸子「」

ちひろ「魂が抜けてませんか?」

小梅「えい」トンッ

幸子「はっ!? やめてくださいっ! 四つんばい女の話はやめてください!!」

幸子「って、ここは外……?」

ちひろ(頭を叩いたら戻るって……)

ちひろ「どうでした幸子ちゃん。メンタル鍛えられたでしょう」

幸子「ちひろさん!! めちゃくちゃ怖かったですよ! ただそれだけです!」

小梅「えへへ……それほどでも……」

ちひろ「レベルアップしませんでした?」

幸子「してないです、むしろ弱くなった気がします」

ちひろ「そうですか」

ちひろ(それなら別の方法を試してみましょう)


↓2 メンタルを鍛える方法
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 22:22:30.00 ID:V8PXedUG0
バンジー
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 22:22:31.90 ID:e92eo5y2o
別名義SNSで炎上体験
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/13(水) 22:34:22.54 ID:HgDaOGfP0

――――

幸子「……」ポチポチ

ちひろ「どんな感じですか」

幸子「すごくバカにされてます……あとどんどん拡散されて……」

ちひろ「うんうん、いいですね」

幸子「いいんですか!? これ本当にメンタル鍛えられるんですか!?」

ちひろ「炎上してメンタルにきませんか?」

幸子「そりゃきますよ! でもこれで精神強化されるとは思えません!」

ちひろ「相手をし続けていれば、知らない内に強くなってますよ」

ちひろ「絶対に折れないでくださいね」

幸子「うう……」ポチポチ

ちひろ「……」

ちひろ(私も陰ながら協力しましょう)スッ

ちひろ(こいつマジ頭悪い(笑)っと)ポチポチ

幸子「うぐっ!? 何ですかこの人! 文章の最後に(笑)をつけられるとムカッときますね!」
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/13(水) 22:48:24.25 ID:HgDaOGfP0
幸子「ちひろさん見てください! この人に一泡吹かせて……ああ!?」

ちひろ「!」ドキッ

幸子「スマホの画面見えましたよ! この返信ちひろさんですね!?」

ちひろ「ごめんなさい……協力しようと思って……」

幸子「どうせならボクを護ってくださいよ!」

ちひろ「私も炎上しちゃうし」

幸子「別名義だからいいじゃないですか、一緒にメンタル強化しましょう」

幸子「さあ!!」ズイッ

ちひろ「わ、分かりました……」ポチポチ

――――

幸子「……」

ちひろ「疲れましたね」

幸子「ええ……精神ボロボロです」

幸子「修行は一休みしてからにしましょう」

ちひろ(まだやるんだ)

ちひろ「もういいんじゃないですか? 充分強くなってると思いますよ」

幸子「いいえ、足りません。あともう一回は必要です」

ちひろ「頑張りますね……」


↓2 メンタルを鍛える方法
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 22:49:30.13 ID:Xj1DmHw7O
みんなからカワイイと言われても平静を保つ
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 22:50:20.12 ID:/inpO5On0
巴の実家に泊まる
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/13(水) 23:06:24.68 ID:HgDaOGfP0

――――

幸子「……」

巴「どうした? 遠慮せずどんどん食べてくれ」

幸子「は、はい」

幸子(周りの怖い人たちが気になって箸が進まなかった)

ちひろ(何で私まで……)

幸子「ごちそうさまでした」

巴「何じゃ、もういいんか?」

男A「よければまだおかわりはありやすが」ギロッ

男B「たらふく食ってください!!」クワッ

幸子(ひっ!?)ビクッ

ちひろ「あ、ありがとうございます……」

巴「おい、お客さんを怖がらせんじゃねえ!!」

「「「すいやせん!!」」」

幸子・ちひろ(帰りたい)
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/13(水) 23:23:04.05 ID:HgDaOGfP0

カポーン

幸子「お風呂、すごく広いですね」

巴「親父のこだわりじゃ。うちはこんなにいらんと思うんじゃがのう」

ちひろ「慣れって怖いですね……私は一度でいいからこんなお風呂入ってみたいと思ってたので」

巴「それはよかった。ところで」

巴「幸子、なんで湯船にタオル巻いたまま入っとるんじゃ」

幸子「え?」

巴「裸の付き合いをしようとは思わんのか!」

幸子「そ、そういうわけではないんですけど」

幸子(ここに来てから『身を守らないと』という思いがずっと頭から離れないせいでしょうか)

幸子「今とります」スッ

巴「それでええ。……うちと同じような体型じゃな」

幸子「まじまじと見ないでくださいよ……」

巴「ちひろの姉御は……さすが大人じゃ」

ちひろ「姉御はやめてください」

巴「触ってもええか?」

ちひろ「ちょっとだけなら」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/13(水) 23:33:55.34 ID:HgDaOGfP0

――――

幸子「何だかんだ楽しかったですね」

ちひろ「そうですね。手下の人たちも思った以上に優しかったですし」

幸子「精神力もパワーアップした感じがします!」

幸子「これで物事に取り組む時、惑わされないように集中することができますよ」

ちひろ「それが目的だったんですか」

幸子「はい。最近仕事に集中できてなかったので」

幸子「今日からパーフェクト幸子をお見せできると思います!」

スタスタ

P「幸子、ここに居たのか」

幸子「プロデューサーさん! ボクに話が?」

P「ああ、毎週月曜にやってるトーク番組に出演することになったから」

P「例の件、頼むぞ」

幸子「はい。しっかりと伝えます」

P「?」

P(なんか顔つきが変わったな)
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/13(水) 23:40:02.35 ID:HgDaOGfP0
P「それと、これからバラエティの仕事だろ? 送っていくよ」

幸子「了解です!」

幸子「ではちひろさん、ボクはこれで。色々とありがとうございました」ペコリ

ちひろ「頑張ってくださいね」ニコッ

幸子「はい!」

スタスタ

P「幸子と何かあったんですか?」

ちひろ「秘密です♪」

P「気になるなぁ……」

ちひろ「ふふ」

ちひろ(よーし。私も仕事、頑張ろっと)


第九話 おわり
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/13(水) 23:59:17.83 ID:HgDaOGfP0

――――

P(幸子の彼氏騒動はネットでも話題になり、反響がそこそこあった)

P(トーク番組で『仕事が恋人』だという沈静化を図る発言もしたが、やっぱり簡単には収まってくれない)

P(パパラッチも見かけるようになって、プライベートもずっと監視されてるようなものだ)

P(精神的に辛いはずなんだけど……)


ピンポーン

司会「はい幸子ちゃん! 答えをどうぞ!」

幸子「カツオブシ!」

ブブー

司会「残念!! 罰ゲームで顔面パイ生地です!!」

幸子「そ、そんなっ……!」


P(何もかも全力でやり遂げている)

P(無理をしているようにも見えないし、いつからあんな逞しくなったんだ?)
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/14(木) 00:15:57.73 ID:pvpA5NMo0

――――

幸子「ふー……」

P「お疲れ様」

幸子「あ、プロデューサーさん! ボクの仕事っぷりはどうでした?」

P「よかったよ。幸子らしさが出てて、観客も笑ってたし」

幸子「そうでしょう! まあ、もっとカワイイと言ってもらえるような仕事もしたいんですけど」

幸子「体を張った仕事もやりがいがありますし。これからも全力で向き合いますよ!」ニコッ

P「……そうか」

P「よし! じゃあどんどんスケジュール入れるぞ!」

幸子「ふふーん! 望むところですよ!」

P「言ったな? じゃあ早速、こんな仕事がきてるんだけど、どれをやりたい?」

幸子「選んでいいんですか?」

P「うん」


1、アイドルらしいカワイイ仕事

2、リアクション命の体を張る仕事

3、自由安価


↓2
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/14(木) 00:16:48.73 ID:yLDwfiejo
3
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/14(木) 00:17:56.70 ID:kIX4CX160
3、小梅と心霊スポット巡り
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/14(木) 00:21:00.49 ID:pvpA5NMo0
今日はここまでにします
お付き合いありがとうございます
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/14(木) 21:41:02.10 ID:pvpA5NMo0
幸子「このハテナマークは何です?」

P「選んでからのお楽しみだよ。ただし、幸子にとってかなりキツイ仕事だと言っておく」

幸子「な、なんか怖いですね……じゃあカワイイ仕事を」

幸子「と思わせてハテナマークを選びます!」

P「いいのか?」

幸子「ええ! キツイ経験は今のうちにしておくに越したことはないですから」

幸子「それに、今のボクならどんな仕事もこなせる気がするんです!」

P「気合い充分だな。じゃあこの仕事の説明をするぞ」

――――

スタッフ「今からお二人に、幽霊が出ると噂されてる心霊スポットに行ってもらいます」

幸子「……」

小梅「何か所ですか……?」

スタッフ「五か所です。それぞれの場所まで車で送り届けるので」

スタッフ「撮影スタッフと一緒に中に入って、一通り回ってきてください」

スタッフ「良いリアクション期待してます!」

幸子「……」

小梅「幸子ちゃん……一緒に仕事できて、嬉しいな……」エヘヘ

幸子(素直にカワイイ仕事にしとけばよかった!!)
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/14(木) 21:57:11.77 ID:pvpA5NMo0

――――

小梅「この廃墟はね……夜になると男の人の呻き声が聞こえるんだって……」

幸子「夜に言いますかねそういうこと。はぁ、もう帰りたいです」

小梅「大丈夫だよ……見る限り、幽霊はどこにも……」

小梅「あ」

幸子「え? 何ですか、ボクの後ろを見つめて」

小梅「……気にしないで……」

幸子「無理ですよ!! いるんですかボクの背後に!! ねえ!?」

小梅「言っていいの……?」

幸子「ごめんなさい。言わないでください」

――――

小梅「ここは昔デートスポットだったけど……」

小梅「彼女にふられた男の人が、ショックで崖から落ちて亡くなったんだって……」

小梅「それから飛び降りが絶えず…」

幸子「もう聞きたくないです!! 早く次に行きましょう!!」

小梅「まだ来たばかりだよ……それに、その噂は嘘だから安心して……」

幸子「そ、そうなんですか? 誰かが面白がってデマを広めたってことですか」

小梅「デマじゃないよ……落ちて亡くなったのは女の人だから……」

幸子「」
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/14(木) 22:12:09.51 ID:pvpA5NMo0

――――

幸子「ここはどんな噂があるんですか」

小梅「乗り気になったね……」

幸子「これは開き直りってやつですよ! 幽霊でも何でもドンと来いです!」

小梅「そういうこと……あんまり言わない方がいいよ……」

幸子「どうしてですか?」

小梅「寄って来ちゃうから……この人は話を聞いてくれる人だ、って……」

小梅「あ、ほら……早速幸子ちゃんの足にしがみついて…」

幸子「――っ!?」

小梅「ごめん、今のは冗談……あれ? 幸子ちゃん……」

幸子「」

小梅「……立ったまま気絶してる……ほ、本当にごめんね……」

――――

P「聞いたぞ幸子。心霊スポット巡りの評判良いらしいな」

幸子「その話はしないでください」

P(相当堪えたみたいだな)

P「分かった。そういえばこれ、小梅から」スッ

幸子「ケーキ?」

P「あの時冗談で気絶させちゃてごめん、だって。すごい反省してたよ」
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/14(木) 22:31:45.89 ID:pvpA5NMo0
幸子「ここまでしなくても。まあ冗談にならないくらい怖かったですけど」

P(確かに、小梅の幽霊系の冗談なんてシャレになりそうにない)

P「それと、また一緒にお仕事しようだって」

幸子「心霊スポット巡り以外ならいいですよ!」

P「こういう系の仕事はNGになった?」

幸子「いえ、振り返ってみれば良い経験になったと思うので」

P「逞しいな」

幸子「しばらくは控えたいですけどね……ところで」

幸子「次の仕事やりたいんですけど、どんなのがあるんですか」

P「もうか? しばらく休憩しても…」

幸子「仕事したいんですよ。お願いします!」

P「やる気が衰えないな。ちょっと待ってくれ」


1、ネットで話題の料理の食レポ

2、穏やかな街ぶらロケ

3、自由安価


↓2
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/14(木) 22:34:01.63 ID:6+hGNK+fO
2
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/14(木) 22:34:26.11 ID:kIX4CX160
3、光とひーとーショーに出演
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/14(木) 23:05:56.50 ID:pvpA5NMo0
幸子「あ! これ楽しそうですね!」

P「ヒーローショーか」

幸子「やってみたいです。光さんと一緒なんですか?」

P「うん。2人で司会兼アイドル役として出てもらいたい」

幸子「は?」

P「その後にミニライブと握手&サイン会だな」

幸子「ちょ、ちょっと待ってください! 司会は分かりますけどアイドル役って?」

P「そういう脚本なんだ。ヒーローと一緒に悪の怪人と戦うんだよ、アイドルになって」

P「後で台本を渡すから、光とセリフを練習しておいてくれ」

幸子「はあ……」

―――

幸子「ライダー仮面、私たちも手伝うわ」

光「ダメだってそんなんじゃ! もっと気持ちを込めないと伝わらないぞ!」

幸子「まずはセリフを覚えさせてください……っていうか」

幸子「ちびっこたちはヒーローを見に来てるのに、ボクたちアイドルが登場しちゃっていいんですか?」

光「そういう方向のショーだってお知らせしてるから大丈夫!」
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/14(木) 23:25:21.28 ID:pvpA5NMo0
光「あー、楽しみだなぁ……まさかこんなお仕事ができるなんて」

光「アイドルとしてヒーローと一緒に戦うなんて、夢みたいだ!」エヘヘ

幸子「光さんは本当にヒーローが好きなんですね」

光「お、幸子ちゃん興味ある? 何なら語るけど!」

幸子「ま、またの機会に」

光「色んなヒーローがいてさぁ、特に好きなのが…」

幸子(聞いてない!?)

幸子(止まりそうにないですね……ところで光さんはセリフ覚えたんでしょうか)

光「でさ! 必殺技もカッコよすぎでさ!」


――当日――


光「みんなー! こんにちはー!」

「「「こんにちはー!」」」

幸子「元気がいいですねー! みんなはライダー仮面好きですかー!」

「「「好きー!」」」

光「うんうん、カッコいいよな! お姉ちゃんも好きだぞ!」
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/14(木) 23:36:53.13 ID:pvpA5NMo0
光「今日はそのライダー仮面が、みんなに会うため来てくれてるんだ!」

幸子「楽しみですねぇ!」

「うしろー!」

「お姉ちゃんうしろ!」

幸子「え? 後ろがどうしましたか? ……きゃっ!?」ガシッ

光「うわっ、大変だ!? 幸子お姉ちゃんが悪い奴に捕まった!」

怪人A「ぐへへへへ」

幸子(笑い方が想像してたのより気持ち悪い!?)

幸子「き、きゃー! 誰か助けてー!」

光「このままじゃヤバいぞ! みんなでヒーローを呼ぶんだ!」

光「大きな声で『助けてライダー仮面』って呼べば、きっと助けに来てくれる!」

光「さあいくぞ! せーの……」


「「「助けてライダー仮面ー!!」」」


仮面「その女の子を放すんだ!」

光「あっ、この声は……!」
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/14(木) 23:51:12.13 ID:pvpA5NMo0
仮面「君たち! 俺が来たからにはもう大丈夫だ!」ジャーン

光「みんな、やったぞ! ライダー仮面が来てくれた!!」

キャー! ライダーカメーン!

怪人B「うしゃしゃしゃしゃ!」ガシッ

光「わっ!? しまった、アタシも捕まっちゃった!」

幸子(全然大丈夫じゃなかったですね)

仮面「くっ……卑怯なマネを……!」

――――

仮面「ぐはぁっ!?」

ボス怪人「ふふふ、弱いな」

仮面「くそっ……!」

光「ライダー仮面、アタシたちを助けてくれたのに……!」

幸子「それと引き換えに、こんなに傷ついてしまって……」

ガンバレー! マケルナー!
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 00:04:02.28 ID:kVkXjf6W0
光(さあ、いくよ幸子ちゃん)

幸子(ええ)

幸子「こうなったら!」

光「アタシたちも変身して、ライダー仮面を助けよう!」

ボス怪人「何!?」

光・幸子「マイク・オン!」

バサッ バサッ

光「アイドル・南条光!」シャキーン

幸子「そしてアイドル・輿水幸子!」キラーン

光・幸子「参上!!」

ワーワー! イイゾー!

幸子(よ、よかった。上手く脱げました)

ボス怪人「ふん、驚かせやがる。アイドルに何ができるんだ」

幸子「バカにしないでください! まずはボクの歌声で」

幸子「ライダー仮面さんを元気にします!」

幸子「〜♪ 〜♪」

仮面「すごい……! 体が癒されていく!」
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 00:15:34.81 ID:kVkXjf6W0
光「そしてアタシの歌声で、ライダー仮面の力をアップさせる!」

光「〜♪ 〜♪」

仮面「力がみなぎってきたぞ!」

ボス怪人「何だと……!?」

幸子「さあライダー仮面さん!」

光「アタシたちも、お客さんもついてる! 怪人なんてやっつけてくれ!」

仮面「ああ! いくぞ!」

ボス怪人「おのれ……!」

ワーワー! イケー! ソコダー!

――――

P「2人ともお疲れ様」

光「すっごく楽しかったー!」

幸子「ボクは疲れました……」

光「あのさ、Pから見てアタシたちどうだった!? あとお客さんの盛り上がりとか!」

P「カッコよかったよ。子供たちも夢中になってた」

P「あと大きなお友達も……」

幸子「ボクたちの握手&サイン会もほとんどが大人の方でしたね」

光「応援の言葉ももらえて、嬉しかったなぁ。また出演したい!」
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 00:29:54.96 ID:kVkXjf6W0
光「いいよな?」

P「機械があればな」

光「よっしゃ! それまでにもっと訓練(レッスン)しとかないと!」ニコッ

スタタタッ

幸子「元気ですね光さん」

P「幸子は幸子で14歳らしからぬ疲労の仕方だぞ」

幸子「そりゃヒーローショーに加えてミニライブに握手会とかしたら疲れますよ」

P「……そうだな。光が元気すぎるのか」

P「でも、楽しかっただろ?」

幸子「もちろんです。可愛さもできる限り出せましたし」

幸子「で、次の仕事は何です?」

P「待て待て、少しは休憩しろ」

幸子「話を聞くだけならいいじゃないですか」

P「熱心だな……」


1、雑誌のインタビュー

2、写真集の撮影

3、自由安価


↓2
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/15(金) 00:38:39.35 ID:08tCY1mhO
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/15(金) 00:38:56.89 ID:SdGwNyftO
2
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/15(金) 00:39:00.78 ID:TaeI0eMj0
2、142’Sで
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/15(金) 00:44:12.97 ID:kVkXjf6W0
ここまでにします
また明日始めます
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/15(金) 00:53:24.00 ID:08tCY1mhO
おつ
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 21:29:16.01 ID:kVkXjf6W0
すみません、開始は明日の夜になります
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/16(土) 21:55:20.89 ID:jxrxAxDB0
幸子「写真集の撮影がやりたいです。っていうか」

幸子「全部やりたいですよ、今まで選ばなかった選択肢も全部」

P「ちゃんとこれからの予定に組み込まれてるよ」

P「撮影は明日だから、レッスンはほどほどにしてしっかり休むんだぞ」

幸子「大丈夫ですよ!」ニコッ

――――

カメラマン「良い顔だねー、そのままポーズとって」パシャッ パシャッ

幸子「ふふーん」

パシャッ パシャッ

カメラマン「……はいオッケー! ちょっと休憩入れようか」

幸子「はい!」

幸子(ふふふ、カワイイボクを演出することができました)

幸子(この調子で次の撮影もバンバンいきますよ!)

P「らしさが出てるな」

幸子「あ、プロデューサーさん。いたんですか」

P「その言い方はないだろ……ちょうど今様子を見に来たんだよ」
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/16(土) 22:09:14.41 ID:jxrxAxDB0
P「撮影は順調か?」

幸子「もちろんです! さっきボクのみの撮影が終わったので」

幸子「次は142'sでの撮影ですね」

P「残りの2人は?」

幸子「もうそろそろ来るはずですよ」

スタスタ

小梅「幸子ちゃん……こんにちは……」

輝子「プロデューサーもいる……」

幸子「噂をすれば何とやらですね。待ってましたよ!」

小梅「あの……この前はごめんね……」

幸子「謝ることないです! もう復活しましたし」

輝子「そういえば幸子ちゃん、幽霊に足を掴まれたんだっけ……」

幸子「掴まれてないですよ、小梅さんの冗談だったんです。ね?」

小梅「……」

幸子「何で何も言わないんですか?」

小梅「う、うん……そうだよ……私の冗談……」

幸子「何ですかその反応。本当に冗談だったんですよね?」
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/16(土) 22:21:45.21 ID:jxrxAxDB0
小梅「うん……」

幸子「で、ですよね。ふぅ、ビックリさせないでください」

輝子「フヒ……幸子ちゃんの驚く顔、私も見たかったな……」

幸子「映像として記録されてますけど、できれば見て欲しくないです」

輝子「楽しみだ……撮影が終わったら、観に行こう……」

小梅「……」

P「小梅。さっきからずっと幸子の後ろを気にしてるよな」ヒソヒソ

P「まさか本当の話だったのか?」ヒソヒソ

小梅「ううん……その時は冗談……だった」

小梅「でもそれから……小さな女の子が、幸子ちゃんの背中にしがみついちゃって……」

P「ま、マジか」

小梅「あとでこっそり、あの子と相談して……何とかするから……」

P「幸子に言わないでくれよ。失神するから」

――――

カメラマン「いいねみんな、可愛いよー」パシャッ パシャッ

幸子「……」ウズウズ

カメラマン「……? どうしたの幸子ちゃん、肩を気にしてるけど」
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/16(土) 22:31:25.41 ID:jxrxAxDB0
幸子「だ、大丈夫です!」

小梅(あわわ……肩を掴んでぶら下がってる……)

小梅「ダメだよ……大人しくして……」ボソッ

幸子「え、何ですか?」

小梅「あ……違うの……」

幸子「?」

小梅「え、えっと……独り言だから……」

カメラマン「輝子ちゃん、幸子ちゃんの肩に手を置いてみようか」

輝子「分かりました……」スッ

輝子「!?」ゾワッ

ササッ

カメラマン「どうしたの?」

幸子「どうしてボクから遠ざかるんですか」

輝子「いや、な、なんか……寒気がした」

幸子「酷いですね!!」

輝子「そういう意味じゃなくて……」

小梅(……このままじゃ、ダメだよね……)
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/16(土) 22:38:49.40 ID:jxrxAxDB0


――撮影後――


幸子「んー」グルグル

輝子「肩を回して、どうした……?」

幸子「なんか違和感があるんですよね。最近仕事を頑張ってるから」

幸子「疲れが溜まってるみたいです」

P「小梅、何とかできそうか?」ヒソヒソ

小梅「うん……撮影中に説得したら、放れてくれるって……」

小梅「もうちょっとだけ……幸子ちゃんにくっついてたいらしいから……」

幸子「……あれ?」

輝子「どうした?」

幸子「なんか急に軽くなりました」

小梅「……ばいばい……」ヒラヒラ

幸子「何だったんでしょうか?」

P「きっと気のせいだろ」

幸子「気のせいで済ませていいんでしょうか………」ムム
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/16(土) 22:50:52.34 ID:jxrxAxDB0

――――

小梅「プロデューサー……ありがとう……」

輝子「美味しいご飯食べさせてくれて……」

P「まあ久々にな」

輝子「それじゃ……私たちはこれで」

小梅「またね……幸子ちゃん……」

幸子「はい! 今度は一緒にステージに上がりたいですね!」

幸子「お願いしますよプロデューサーさん!」

P「そうだな、企画を考えておくよ」

輝子「フヒヒ、やった」

小梅「楽しみにしてるね……」

スタスタ

幸子「じゃ、ボクたちも行きましょうか」

P「どこへ?」

幸子「仕事を頑張ってるアイドルにご褒美、第2弾ですよ」

幸子「カラオケ行きましょう、カラオケ!」

P「それなら小梅と輝子も誘った方が…」

幸子「もちろんその2人とも行きます!」

幸子「ただ、今日はボクとプロデューサーさんの2人だけで行きたいんです」
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/16(土) 23:00:17.41 ID:jxrxAxDB0
P「何だそれ……。別にいいけど」

幸子「ありがとうございます!」

幸子「じゃあお菓子とか飲み物買っていきましょう!」

P「食べすぎると太るぞー」

幸子「ふふーん! ちゃんと考えて摂取してるので平気ですよ!」

P「本当か? さっき結構重いもの食べてたよな」

幸子「平気です! さあ行きましょう!」スタスタ

幸子(えへへ、久しぶりにプロデューサーエネルギーを補給です♪)


第十話 おわり
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/16(土) 23:06:55.77 ID:jxrxAxDB0

――――

ちひろ「幸子ちゃんがまた大変なことになってます」

P「その割には冷静ですね」

ちひろ「表面はクールですけど中身は大変です」

ちひろ「とにかく大変なんです。どのくらい大変かというと…」

P「分かりましたから話を進めてください……幸子に何が起きたんですか?」


↓2 幸子に何が起きたか
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/16(土) 23:13:41.49 ID:rNAPCgYEo
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/16(土) 23:27:10.11 ID:q+0woXt80
幸子が幽体離脱
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/16(土) 23:31:09.40 ID:/9uujm/Oo
表面はクール(体温低下)
中身は大変(魂無し)
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/16(土) 23:47:11.25 ID:jxrxAxDB0

――――

幸子「」

P「ただ寝てるだけじゃないですか?」

ちひろ「白目剥いてヨダレ垂らしてる寝相なんて聞いたことないですよ」

P「幸子ー、おーい」ペチペチ

幸子「」

P「……」コチョコチョ

幸子「」

P「微動だにしませんね。それに寝息もたててないですし」

ちひろ「寝息の確認が先じゃないですか普通は」

P「けど何で幽体離脱だと?」

ちひろ「それは……小梅ちゃんが教えてくれたんです」

ちひろ「幸子ちゃんが幽体離脱してるから、とりあえず体だけ見守ってて欲しいって」

P「じゃあ小梅は幸子の霊体を探しに行ったんですね」

ちひろ「いえ、仕事に行きました」

P「仕事!?」
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/16(土) 23:59:35.94 ID:jxrxAxDB0
ちひろ「とても大切な仕事があってキャンセルできないんですって」

ちひろ「なるべく早く戻ってくるからって言い残していきました」

P「大丈夫なんですか……」

ちひろ「小梅ちゃんを信じるしかないです……あと、プロデューサーさん」

ちひろ「今霊体って言いましたけど、幽体と霊体は違いますからね」

P「そうなんですか、すみません。っていうかそれよりも」

P「俺たちで何とかできないんですか? 長く幽体のままでいると戻れなくなるとか聞いたことありますけど」

ちひろ「うーん……何とかと言っても……」


↓2 Pとちひろが考えた何とかする方法
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 00:00:24.76 ID:l1Ji51Tdo
経験者の加蓮に頼る
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 00:00:55.55 ID:lInTyo9r0
よしのんに聞く
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 00:19:36.73 ID:lCXBfMw00
ちひろ「こういう時はやっぱり」

P「?」

――――

芳乃「そろそろ来るころだと思っておりましたー」

P「察知してたのか、さすが芳乃!」

ちひろ「これは期待が持てますね!」

P「聞いてくれ芳乃。実は幸子が――」

芳乃「ふむー、幽体離脱ですかー」

ちひろ「小梅ちゃんが重要なお仕事に行ってしまって、頼れる人がいないんです」

P「何とかできないかな?」

芳乃「できるかできないかで言いましたらー」

P「うん」

芳乃「できますよー」

P「本当か!?」

芳乃「ただし幽体を元に戻すのは並々ならぬことでしてー」

芳乃「まずは幸子さんの霊体を探さねばなりませぬー」

ちひろ「プロデューサーさん」

P「はい。芳乃、俺たちもできることがあったら手伝う」
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 00:33:58.30 ID:lCXBfMw00
P「だから力を貸してくれ!」

芳乃「そなたの頼みであればー」

P「ありがとう!」

ちひろ「あの、芳乃ちゃん? 水を差すようで悪いんですけど」

ちひろ「幽体と霊体は違いますよ」

芳乃「存じておりますー。今のはちょっとした『かんなぎじょーく』でしてー」

芳乃「しかし急がねば霊体にもなりかねないのでー」

P「それはマズイ……早く見つけないとな」

ちひろ「でも、どこを探せばいいんですか?」

芳乃「わたくしがアンテナを張りますゆえー、ぴんときた場所におもむきましょー」

芳乃「そなたー」

P「え?」

芳乃「おんぶでわたくしを運んでもらえればー、アンテナも強力になりましてー」

芳乃「移動も楽々なのでしてー」

P「よし、分かった」スッ

ちひろ(単なる芳乃ちゃんの欲では?)
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 00:40:26.59 ID:lCXBfMw00
芳乃「その通りですー」ニコッ

ちひろ「!!」

ちひろ(心を読まれた!?)

P「芳乃、頼んだぞ」

芳乃「はいー」

芳乃「むむー……あっちですー」スッ

P「よし!」スタタタッ

ちひろ「あ、待ってください!」スタタタッ


↓2 3人が辿り着いた場所
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 00:42:50.53 ID:E9qIjrzCO
動物園
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 00:42:55.75 ID:0PnT1694o
輿水家先祖代々の墓……の近くにある水子供養地蔵尊石仏像
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 00:43:00.77 ID:lInTyo9r0
あんずのいえ
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 00:43:09.90 ID:OgC2rIyto
電波塔
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 00:58:56.05 ID:lCXBfMw00

――――

P「はぁ……はぁ……まさか事務所の外を出てこんなに移動することになるとは」

ちひろ「ここら辺ですか芳乃ちゃん」

芳乃「……」

ちひろ「芳乃ちゃん?」

芳乃「これは大変な状況でしてー」

芳乃「幸子さんはこっちですー」スッ

P「よし、待ってろ幸子!」

ちひろ(嫌な予感が……)

――――

P「……」

ちひろ「芳乃ちゃん」

芳乃「はいー」

ちひろ「ここって……」

芳乃「幸子さんを含めたー、輿水家のご先祖様たちが眠っておられるお墓ー」

芳乃「の近くにある水子供養地蔵尊石仏像の前ですー」

ちひろ「幸子ちゃん供養の対象になっちゃったんですか!?」
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 01:07:41.02 ID:xdHTkTGUo
姉か兄(水子)にでも呼ばれたか?
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 01:09:01.71 ID:lCXBfMw00
P「そんな……幸子……っ!」ガクッ

芳乃「いえー、幸子さんはまだ幽体のままでしてー」

芳乃「すぐそこに浮いてますー」

P「え!?」

ちひろ「本当ですか! 幸子ちゃん!」

P「幸子、この声が聞こえるか!? 何でここにいるんだ!」

P「お前はまだ死ぬには早い歳だろ! 散歩はやめて自分の体に戻れ!」

芳乃「だめですー、幸子さんは今仏像に吸い込まれようとしていますー」

芳乃「このままでは本当に昇天してしまうのでしてー」

P「どうすればいいんだ!? 何とかできないのか!?」

芳乃「むむー……一つだけ方法がありますー」

芳乃「この法螺貝の音色をー、幸子さんの耳に届けることができればー」スッ

芳乃「あっという間に元の体に入れることができるのですがー」

ちひろ(どこから出したんですか!?)

P「それそんな力があったのか。早速やってくれ!」
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 01:16:04.72 ID:lCXBfMw00
芳乃「今のままでは無理ですー、仏像にくぎ付けでしてー」

芳乃「少しでもこちらに関心を寄せることができればいいのですがー」

ちひろ「関心を寄せるって、どうすればいいんですか……」

P「……」


↓2 幸子(幽体)にこっちを向かせる方法
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 01:17:20.87 ID:E9qIjrzCO
Pが愛をささやく
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 01:20:30.84 ID:PGr0SMhSo
Pが芳乃を抱きしめて愛を叫ぶ
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 01:22:13.05 ID:/j8o5Go3o
よしのんとイチャイチャして嫉妬させる
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 01:35:49.66 ID:lCXBfMw00
P「……芳乃」

芳乃「なんでしょうかー?」


ギュッ


ちひろ・芳乃「!!」

ちひろ「な、何してるんですプロデューサーさん!! こんな時に……!!」

P「好きだ」

ちひろ・芳乃「!?」

P「好きだぞ芳乃ーーー!!」

芳乃「……わたくしもー」ドキドキ

芳乃「そなたに好意を抱いておりますゆえー」ギュー

ちひろ(抱きしめ返した!?)

ちひろ「ちょっと! 幸子ちゃんが死んじゃうかもしれないのに何で告白し合ってるんですか!?」

芳乃「わたくしはそなたの思いに応えただけでしてー」

芳乃「!」ピクッ

ちひろ「?」

芳乃「なるほどー、効果は絶大なのですー」

ちひろ「??」
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 01:47:08.80 ID:lCXBfMw00
ちひろ「えっと……言ってる意味が分からないんですけど」

芳乃「幸子さんが興味を示したようなのでしてー」

ちひろ「え?」

芳乃「わたくしとそなたが抱き合った途端ー、鬼のような形相で急接近してきましたー」

芳乃「そしてそなたをポカポカと叩いておりますー、今もなおー」

ちひろ「……」

ちひろ(嫉妬狙いですか)

芳乃「幽体なので当たるどころか見ることもできないのですがー」

芳乃「さてー、幸子さんにはわたくしたち2人のラブロマンスを邪魔しないでいただきたくー」スゥー

芳乃「ぶおおおおおお」

P・ちひろ「!?」

芳乃「事務所にあるご自分の体までひとっ跳びー」

芳乃「木にしがみついても無駄ですよー」

ちひろ(どれだけ必死なんですか)

芳乃「これで無事に戻りましたよー」

P「そうか……ありがとう芳乃」
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 02:00:23.04 ID:lCXBfMw00
P「でも吹くなら吹くって言ってくれ……」キーン

ちひろ「本当ですよ、鼓膜が破れます」キーン

芳乃「その心配はありませんのでー」

芳乃「ではそなたー、続きをー」スッ

P「え」

芳乃「今一度2人の愛を確かめ合うのですー」

P「ごめん芳乃……あれは…」

芳乃「分かっているのですー。そなたは幸子さんのために動いたのだということをー」

芳乃「でもそれはそれとして愛を確かめ合いましょうー」

P「いや、だから…」

芳乃「愛は愛でも友愛ですー。そなたはわたくしのことを好きではないのですかー?」

P「そういう意味なら好きだけど」

芳乃「ではー」スッ

P「……」ギュッ

ちひろ(私は何を見せられてるんでしょうか)
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 02:09:48.87 ID:lCXBfMw00
芳乃「そなたー」グリグリ

P「擦りつけるな擦りつけるな」

芳乃「まーきんぐですー」


……ぉぉぉぉぉぉ……


ちひろ「……?」

P「何か聞こえる」

芳乃「おおー、これは驚愕の速さなのでしてー」


ぉぉぉぉぉぉおおおお


P「どんどん近づいてくるぞ!?」

ちひろ「待ってください、これって!」


???「ぉぉぉぉぉおおおおおおお!!」ダダダダダ


幸子「ここかぁぁぁぁぁぁ!!」ズザザザー

P・ちひろ「幸子(ちゃん)!?」
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 02:23:55.30 ID:lCXBfMw00
ちひろ「事務所からここまで徒歩30分くらいですよ!?」

幸子「ボクの前でよくもあんな……!! あんなことを……!!」プルプル

幸子「許しませんよプロデューサーさん!!」スタスタ

P「いやあれはお前のためにやったことで……!」

幸子「もっと他にあるじゃないですか! ボクの恥ずかしい秘密を喋るとか!」

幸子「何でよりによってハグ&愛の告白なんですか!?」

P「いや、秘密なんて知らないし」

幸子「じゃあ教えてあげますよ! ……っと危ない危ない! 本当に喋るところでした」

ちひろ「落ち着いてください幸子ちゃん。プロデューサーさんと芳乃ちゃんに助けられたんですから」

幸子「……そ、そうですね。ちょっと深呼吸します」スー ハー

幸子「はい、落ち着きました。プロデューサーさん、芳乃さん、ちひろさん」

幸子「ボクを死の間際から救ってくださって本当にありがとうございます」ペコリ

ちひろ(私は何もしてないですけどね)

芳乃「いえー、お気になさらずー」

幸子「そうはいきません。命の恩人ですからね」

幸子「ボクにできる精一杯の恩返しと言ったら……何でしょうか?」

幸子「一発芸100連発とか。いえ命の恩人ですからね、一生分の食事代を提供とか」
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 02:33:15.75 ID:lCXBfMw00
芳乃「ではー、その2つを合体させましてー」

芳乃「1日1回、わたくしに一発芸を見せてもらえればー」

幸子「え、そんなのでいいんですか?」

芳乃「わたくしの心身共に尽き果てるまでお願いいたしますー」

幸子「死ぬまでってことですか!? うー……分かりました!」

幸子「じゃあ今日の夕方、事務所で待っていてもらえますか? 見せに行くので」

芳乃「ゆったりとお待ちしておりますー」

P「話がついたところで、幸子。何で幽体離脱したんだ」

幸子「え? ああ、そうですね……休憩室で横になってたら、急にふわっと体が浮かんだんですよ」

幸子「そこから意識がないですね」

ちひろ「つまり、寝てたら勝手に離脱したてことですか」

P「それって癖みたいにならないのか?」

芳乃「この法螺貝の効果でその心配も無いですよー」

ちひろ「万能ですね……」
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 02:45:58.69 ID:lCXBfMw00
P「さて、心配事も無くなったところで」

P「今からみんなで飯食いに行くか!」

幸子「おお! 最早お決まりになりつつありますね!」

P「そんなに頻繁には行ってないような……」

芳乃「わたくしお腹がぺこぺこでしてー」

ちひろ「お供します!」

幸子「あ、待ってください。小梅さんも誘っていいですか?」

幸子「ボクのことでご迷惑をおかけしてしまったので」

P「もちろんだ。今からみんなで小梅待ちだな」

幸子「はい! ありがとうございます!」

幸子「……」

幸子(そういえばプロデューサーさん。ボクの嫉妬を狙ったということは)

幸子(少なくともボクがプロデューサーさんに好意を持ってるってこと、知ってるんですよね?)

P「幸子、行くぞ」

幸子「! はい」スタスタ

幸子(知った上で、プロデューサーさんはボクのことをどう思ってるんでしょうか)

幸子(異性として意識してくれてると嬉しいですけどねぇ)


第十一話 おわり
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 02:46:28.86 ID:lCXBfMw00
ここまでにします
次で終わる予定です
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 17:45:17.90 ID:lCXBfMw00

――――

P「ふぅ……良い天気だ」

P「こんな日はゆっくり平穏に過ごしたいなー」

ガチャ

ちひろ「プロデューサーさん!!」

P「……」

ちひろ「何で残念そうな目をしてるんですか」

P「いや……フラグは立てない方がいいなと思ったんです」

P「また幸子に異変が起きたんですね。分かってますよ」

ちひろ「話が早くて助かります!」

P「この流れ何回やったと思ってるんですか……」

P「それで、幸子の異変って?」


↓2 幸子に何が起きたか
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 17:47:55.24 ID:0PnT16940
宝くじが当たった
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 17:47:56.80 ID:GenOhDLXo
なんか幽体離脱を器用に使いこなし始めた(腕だけ幽体離脱して3本目の腕にしたりこたつに入ったままリモコン取りに行ったり)
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 17:48:19.92 ID:lInTyo9r0
杏の怠けがうつった
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 18:06:55.37 ID:lCXBfMw00
ちひろ「幸子ちゃん、この前幽体離脱したじゃないですか」

P「危うく死にかけたやつですね」

ちひろ「それから、どうやら幽体離脱のコツか何かを掴んだらしくて」

ちひろ「なんか器用に使いこなしてるんですよ! 自分の体の一部みたいに!」

P「その情報だけだと意味がよく……」

P「でも、芳乃が言ってませんでしたか? 幽体離脱の癖がつかないようにしたって」

ちひろ「はい。私も不思議に思って、この件について芳乃ちゃんから話を聞いたんですけど」

ちひろ「『どうやら幸子さんは霊感に目覚めてしまったようですー』」

ちひろ「『しかもこの法螺貝の効果を打ち破るほど強力でしてー』」

ちひろ「『本人が満更でもないのならー、そのままでいいのではー?』」

ちひろ「って言ってました」

P「モノマネ上手いですね」

ちひろ「そんなことどうでもいいんですよ! とにかく何とかしないと」

ちひろ「他のアイドルがポルターガイストだの幽霊だの大騒ぎしてるんです!」

P「なるほど……それは問題ですね」

P「幸子のところへ案内してもらえますか?」

ちひろ「こっちです!」

スタタタッ
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 18:16:12.02 ID:lCXBfMw00

――――

幸子「ふー、便利でいいですねぇこれ」トントン

小梅「幸子ちゃん……何してるの……」

幸子「あ、小梅さん。見ての通り、幽体(腕)を使って自分の肩を叩いてるんですよ」

幸子「小梅さんはこういうのできないんですか?」

小梅「う、うん……」

小梅「あのね……それ、他の人がいる前でやらない方がいいと思うよ……」

幸子「でもこれが見えるのって、小梅さんを含めた数人だけですよね?」

小梅「ううん……はっきり見えてる……みんな驚きのあまり硬直したり失神したりしてる……」

幸子「え」

幸子「えぇぇぇ!? そ、そうなんですか!? そういえばやけに皆さんの表情が怖かったですね」

小梅「幸子ちゃんが怖かったからだよ……」

幸子「そうだったんですね……」

スタタタッ

P「幸子!! ……うおっ!?」ビクッ

幸子「プロデューサーさん! もしかしてプロデューサーさんもこれが見えるんですか?」クネクネ
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 18:30:17.85 ID:lCXBfMw00
P「見える……ちひろさん、あなたの言ってることが分かりましたよ」

ちひろ「でしょう?」

P「幸子、お前こんなことしたら…」

幸子「はい、今小梅さんに言われました。これ霊感のない人にも見えてるんですね」

幸子「すみません……そうとは知らず思いっきり腕や首を伸ばしたりリモコン取ったりしてました」

P「なんだ、故意じゃなかったのか」

幸子「もちろんです! 皆さんを驚かせて楽しむような酷い人間じゃないですから!」ビュッ!

ズイッ

P「ひっ」

小梅「幸子ちゃん……頭だけ伸ばしてプロデューサーさんに迫ったら……すごく怖いと思うよ……」

幸子「あ、すみません! 無意識にやってました」シュルシュル

P(も、漏らしそうになった)

ちひろ「そんなに使いこなしてるんですね。他にどんなことができるんですか?」

幸子「別に超能力じゃないですから。腕や手、頭を伸ばして」

幸子「重いのは持てませんけど、物を持ったり、壁もすり抜けられるので見えない場所も見えたり」

P「充分超能力だと思う」

幸子「すごく便利ですよ。でも皆さんに見えてしまうなら、封印した方がいいですね」
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 18:41:40.20 ID:lCXBfMw00
ちひろ「ええ、賢明ですね」

ちひろ「でも芳乃ちゃんの法螺貝を打ち破るほどの力ですし……どうすれば治るんでしょう」

P「治るって病気じゃないんですから。幸子が使わなければいいだけの話ですよ」

小梅「それができればいいけど……さっきみたいに、無意識に使っちゃうなら……何とかしないと……」

小梅「みんなからもっと怖がられちゃうよ……」

P「……確かにそうだな。下手をすればアイドルの活動にも影響が出る」

幸子「それは嫌です!! プロデューサーさん、何とかできないでしょうか!?」ビュッ!

ズイッ

P「と、とりあえずそれやめてくれ。寿命が縮む……」

ちひろ「こういう問題は小梅ちゃんに聞いてみては?」

幸子「小梅さん!」ズイッ

小梅「う……ご、ごめんね……私にも分からない……」

幸子「そうですか……」シュルシュル

ちひろ「どうしましょうね」

P(何とかしてやりたいけどな)


↓2 どうすればいいか
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 18:45:53.23 ID:GenOhDLXo
ksk
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 18:45:55.78 ID:0PnT16940
幽体離脱ネットワーク(主なメンバー:加蓮・ネネ妹)で相談だ
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 18:46:18.69 ID:lInTyo9r0
ダメもとでユッコに頼む
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 19:11:25.40 ID:lCXBfMw00
P「あ」

P「そういえば前に加蓮が、幽体離脱した経験の話をしてくれたな」

ちひろ「加蓮ちゃんしたことあるんですか!?」

P「らしいよ。あとネネにも、妹に幽体離脱をしたと相談された話を聞いた」

幸子「そうなんですね。その2人なら何か分かるかもしれませんね!」

幸子「どこにいらっしゃるんです?」

小梅「加蓮さんは……トライアドプリムスの2人とレッスンしてる……」

P「ネネの妹については詳しく聞いてないんだ。無理のない程度に学校に通ってるらしいけど」

幸子「ふむふむ。じゃあ早速聞いてきますね!」ビュッ!

P・ちひろ・小梅「え?」

P「おい幸子、まさか頭を伸ばして……!」

ちひろ「幽体(頭)の状態で聞きに行ったんですか!?」

小梅「ど、どうしよう……加蓮ちゃんもそうだけど……」

小梅「ネネさんの妹さんに頭だけで会いに行ったら……」

ちひろ「驚きすぎて心臓止まりますよ!!」

P「戻ってこい幸子!! 幸子ーー!!」
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 19:23:28.58 ID:lCXBfMw00

幸子「ん? 何か聞こえましたね。まあいいでしょう」シュルシュル

幸子「人目につかないように空まで首を伸ばして……まずは加蓮さんのいる場所へ」

幸子「レッスンルームはあの辺りですね! いざ!」ビューン

――――

トレーナー「よし、ここまでだ。3人とも良い動きだな」

トレーナー「あとは各自確認しておくように」

加蓮・凛・奈緒「ありがとうございました」

奈緒「ふー、やっぱ凛も加蓮もすごいなぁ! 動きにキレがあってさ!」

加蓮「何言ってるの、奈緒もキレキレだったじゃん」

凛「うん、すごいよ」

奈緒「そうやって謙遜するんだもんなー……」

凛「奈緒もね」フフ

加蓮「ごめん、ちょっとトイレ行ってくるね」

凛「分かった」

奈緒「じゃあそれまで休憩だな」
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 19:32:17.44 ID:lCXBfMw00
加蓮(スポドリ飲みすぎちゃったな)スタスタ

加蓮(まあその分動いてるし……)ガチャ

幸子「あ、どうも」フワフワ

加蓮「!?」

幸子「すみません加蓮さん、ちょっとご相談がありまして」

加蓮「」

バタンッ

幸子「!?」

幸子(た、倒れてしまいました……ってそりゃそうですよ!?)

幸子(ボクは何を考えてるんでしょう! 頭だけ宙に浮いてたらそりゃビックリします!)

凛「加蓮、どうしたの?」

奈緒「何か倒したのか? ドジだなー」

スタスタ

ガチャ

幸子(あ)

凛・奈緒「!!」

バタンッ
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 19:38:43.01 ID:lCXBfMw00
幸子(凛さんと奈緒さんまで!! ボクはなんてバカなことを……!)

加蓮「う……うーん……」

幸子「!」

幸子(加蓮さんの声! もう起き上がって……)

幸子「!?」

加蓮「あ、れ……アタシ……」フワフワ

幸子(かかか加蓮さんの体が……浮いてる!?)

加蓮「うわ、またやっちゃった。っていうか」

加蓮「幸子ちゃん……それって……」

幸子「え」

――――

加蓮「そっかー、自由に操れるようになっちゃったかー」

幸子「あの……本当にすみません」

加蓮「?」

幸子「ボクのせいで3人にご迷惑をおかけして」

幸子「特に加蓮さんは……トイレを我慢してたせいで……」
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 19:41:47.79 ID:i0lmYHzBo
漏れちゃったのか
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 19:43:04.89 ID:0PnT16940
つまり加蓮の体が無防備に転がってるんだな……ひらめいた!
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 19:53:23.66 ID:lCXBfMw00
加蓮「まあ誰にもバレずに片づけできたし」

加蓮「ファミレスでちょっと贅沢な料理をご馳走してくれたら、許してあげようかな」

幸子「ご馳走させてください! すみませんでした!」

加蓮「ふふ、やった♪ でも、いいの?」

幸子「何がです?」

加蓮「頭伸ばしたままで。プロデューサーに怒られるでしょ」

加蓮「このままトイレで話すのもあれだし、幸子ちゃんのいるところまで行こうか?」

幸子「……そうですね。とても怖いですけど」

――――

P「霊感のない人にも見えるって分かってたよな?」

幸子「はい」シュン

加蓮「まあまあ許してあげてよ。自由に操れると調子に乗っちゃうんだよ」

加蓮「頭だけ伸ばすのなんて、空を飛んでるみたいで気持ちいいんだから」

ちひろ「その言葉……加蓮さん、もしかして」

加蓮「はい。アタシも操れたんですよ、前までは」

P「ということは、今はもう?」

加蓮「気絶した時とか、寝てる時とかたまに離脱するくらいだし、操れないね」
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 20:05:29.30 ID:lCXBfMw00
加蓮「何でなんだろ。ある日突然できなくなっちゃったんだ」

加蓮「楽しかったのになー」

P「え? じゃあ元に戻す方法は分からないのか」

加蓮「うん、残念ながら。力になれなくてごめんね」

幸子「そんなことないです。加蓮さんの言うとおりなら」

幸子「ボクもそのうち自然と元に戻るかもしれないですから」

ちひろ「というか、そもそも幸子ちゃんは何で操れるように?」

幸子「ある日、突然目が覚めたと思ったら夜中で」

幸子「二度寝しようと思ったら、幽体離脱してることに気がついたんです」

幸子「その時からすでに自由に動かせたんですよ。で、そのうち起きてる時にもできないかなと試したんです」

幸子「そしたらできました」

ちひろ「なんて簡単な」

加蓮「アタシもそんな感じだったよ。急にできるようになったの」

P「さすが未知の世界だ、よく分からん」

幸子「あれ」

幸子「小梅さんの姿が見当たりませんけど、どうしたんですか?」
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 20:16:29.34 ID:lCXBfMw00
P「小梅はネネに、妹のことについて話を聞いてるんだ」

P「いつ戻ってくるかは分からないけど…」

ガチャ

小梅「戻ったよ……」

ちひろ「あら、早かったですね」

小梅「幸子ちゃん……戻ってきてたんだ……」スタスタ

幸子「はい。すみません、言うことも聞かず……」

P「何か分かったか?」

小梅「ううん……ネネさんの妹さん、普通の幽体離脱で……」

小梅「寝てる時に、たまになるだけなんだって……」

小梅「操れるけど……記憶はあんまりないみたい……」

ちひろ(普通の幽体離脱ってなんでしょうね)

P「そうか。じゃあ加蓮の助言通り、元に戻るまで大人しくしてるしかないのか」

小梅「大人しくしてれば、戻るの……?」

加蓮「アタシの実体験だよ。幸子ちゃんもそうなるかは分かんないけど」

幸子「……」
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 20:22:12.38 ID:lCXBfMw00
P「どうする幸子? もっと探ってみるか?」

P「それとも元に戻る可能性を信じて待つか?」

幸子「……」


1、探る(その場合、どうするか内容も一緒に)

2、元に戻るまで待つ
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 20:22:51.88 ID:lCXBfMw00
↓2です
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 20:28:17.57 ID:Q8gC3Swto
コントロールできるように訓練してみる
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 20:28:24.17 ID:NOewwN1m0
2 果報は寝て待つ
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 20:28:26.48 ID:8IHQL+Iv0
1 よしのんに解決法を聞いてみよう
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 20:28:35.86 ID:lInTyo9r0
1道明寺様に依頼
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 20:30:09.45 ID:X/0RBxDpO
茄子にお祈りした後、クラリス、こずえ、聖に相談。最後に歌鈴に祈祷してもらう
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 20:43:06.60 ID:lCXBfMw00
幸子「果報は寝て待てと言います」

幸子「元に戻るまで頑張って大人しくしてます!」

P「よし。幸子がそう決めたのなら、俺もサポートしよう」

ちひろ「私も力になりますよ」

幸子「あ、ありがとうございます……」ウルウル

加蓮「そうだ! 他のアイドルにもこの事を話して協力してもらったら?」

加蓮「どうせ離脱時の姿を見られてるんだし、いい説明にもなるでしょ」

小梅「気のせいじゃ済まないもんね……」

P「そうするか。見てないアイドルは信じないと思うけど」

――――

幸子(それからボクは、まず混乱を避けるため)

幸子(信じてもらえないアイドルの方にも幽体を見てもらいました)


幸子「はっ!」ブォン

凛「うわ、本当だ」

奈緒「すごいな……」

輝子「これ、マンガで見たことあるぞ……」

ちひろ(スタンドのことでしょうか)
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 20:53:44.56 ID:lCXBfMw00
幸子(そしてアイドルの仕事はもちろん、学校生活や)

幸子(休日などのプライベートでも幽体を出さないよう必死に我慢しました)

幸子(初めはちょくちょく出てしまい、ごまかすのに大変でしたけど)

幸子(やがて幽体を操る方法を忘れていき、我慢しなくても幽体でなく自分の手が出るようになり)

幸子(1か月の時が経つ頃には、やろうと思っても操れなくなっていました)

――――

輝子「レッスン、厳しかったな……」

小梅「でも……楽しかった……」

幸子「142'sでステージに立てますからねぇ! それを考えたら楽しいに決まってますよ!」

幸子「もうそろそろ休憩終わりですよ! 頑張りましょう!」

輝子「そ、そうだな……もっと上手くなって……」

小梅「絶対成功させようね……」


P「……」

ちひろ「ここにいたんですか」

P「ちひろさん……はい、3人の様子を見に来たんです」
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 21:08:32.19 ID:lCXBfMw00
ちひろ「幸子ちゃん、ちゃんと自分の手でペットボトルを持ってますか?」

P「ええ、もうすっかり大丈夫です」

P「操ることはおろか、幽体離脱も無くなってきたみたいですから」

ちひろ「そうですか。よかったですね」

P「撮影の時に幽体もピースしてて、腕が4本になってるのを見た時は頭を抱えましたけどね」

ちひろ「プロデューサーとして良い思い出じゃないですか」

P「プロデューサーでくくる必要はないでしょう……」


幸子「プロデューサーさん! それにちひろさんも、見に来てくれたんですか!」

P「!」

ちひろ「はい、みんな頑張ってますね」

小梅「もっと上手くなって……お客さんに見てもらいたいから……」

輝子「このキノコを……」スッ

幸子「キノコを見せてどうするんですか!? ボクたちのステージでしょう!」

ちひろ「ふふっ」

P「その調子で頑張れよ」フフ

スタスタ

幸子「あ、待ってください!」
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 21:16:40.82 ID:lCXBfMw00
幸子「プロデューサーさん、その……」

幸子「レッスンが終わったら、お話したいことがあるんですけど」

P「いいよ。仕事しながら待ってるよ」

幸子「ありがとうございます!」


――――


―プロダクション屋上――


P「……」

幸子「……」

P「冷えてきたな」

幸子「は、はい」

P「話って何だ?」

幸子「……」

幸子「プロデューサーさん……ボク……」

幸子「えっと……」
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 21:26:30.58 ID:lCXBfMw00
幸子「この前ボクがプロデューサーさんの実家に行った時」

幸子「アイドルを17歳でやめるって言ったこと、覚えてますか?」

P「覚えてるよ。ビックリしたから」

幸子「それ、取り消します」

幸子「あれからアイドルのお仕事をやってて思ったんです。これはボクの天職」

幸子「できれば何歳でもやり続けたいです。楽しすぎて、やめるなんて考えられないって」

P「夢はどうしたんだ。やめてでも追いかけたいんだろ?」

幸子「抜け道を見つけたので」

P「は?」

幸子「こ、こっちの話です。とにかく、17歳を過ぎてもアイドルは続けるつもりです」

幸子「まあ続けられたらの話ですけど」

P「弱気だな」

幸子「だって、世の中何が起こるか分からないじゃないですか」

P「幸子なら大丈夫だよ。ずっと続けていける」

幸子「そうでしょうか」

P「うん」
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 21:35:29.64 ID:lCXBfMw00
P「だって面白いし」

幸子「なっ!? そこはカワイイと言ってほしいですね!」

P「カワ面白い」

幸子「面白いは余計です!! まあ悪い気はしませんけど」

幸子「見ててくださいね、いずれは可愛すぎると世界中で大騒ぎされるほどのアイドルになりますから!」

P「ふふ、そうだな……頑張れ」

幸子「はい!」

P「うう……本当に寒くなってきたな。中に入ろうか」スタスタ

幸子「あ……」

ギュッ

P「!」

幸子「こ、こうすればあったかいですよ」

P「手だけだろ。このままじゃ風邪ひくぞ」

幸子「待ってください。もう一つお話があるんです」

P「中に入ってからにしよう」

幸子「それじゃダメです! い、今じゃないと……またうやむやにしてしまいそうなんです」
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 21:45:30.50 ID:lCXBfMw00
P「……」

幸子「あ、あの……ボク……」

幸子「ぷ、プロデューサーさんのこと……」

幸子「……」

P「……」

幸子「……」

幸子「……何でもないです」

P「えっ?」

幸子「中に入りましょう」スタスタ

P「待て待て、ここまで待たせておいて!」ガシッ

幸子「いつか言いますから! 必ず!」

P「いつかっていつだ。うやむやにしたくないんだろ」

幸子「だ、だって……いざ話すとなると、怖くて……」

P「……」

P「こういう機会だから、俺も幸子に打ち明けておきたいことがある」

幸子「ボクにですか?」

P「俺はたぶん幸子のことが好きだ。異性として」
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 22:06:10.81 ID:lCXBfMw00
幸子「……」

P「こんなこと知られるとロリコンだの何だの言われそうだから」

P「もう口には出さないことにする」

幸子「え? ……え!?」

幸子「ちょっと待ってください、水みたいにサーッと流れていったので思考停止しましたけど」

幸子「え!? 今なんて言いました!?」

P「もう口には出さないことにする」

幸子「言ってくださいよっ! 聞き間違いかどうか知りたいんです!」

P「……」

幸子「どうして黙るんですかっ。言ってくださいよ……グスッ」

幸子「な……何で、言ってくれないんですかぁ……ヒック……」

P「泣くほどか!?」

幸子「ち、違います……これは……嬉しいんです……っ」

幸子「だって……ボクもプロデューサーさんが、好きだから……」

幸子「プロデューサーさんのことが好きだったから……だから、この気持ちを伝えて……」

幸子「断られたらどうしようって……ウエッ……ひっぐ……」

幸子「怖くて……でも、でも……!」
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 22:19:05.58 ID:lCXBfMw00
P「アイドルがしちゃいけない顔してるぞ。はいハンカチ」スッ

幸子「誰のせいですか……グスン……ずびびびび」

P(思いっきり鼻かんだな)

幸子「ありがとうございます」スッ

P「い、いいよ。あげるよ」

幸子「そうですか……グスッ……」

幸子「ちょっと落ち着きました……」

P「……好きだよ」ボソッ

幸子「!」

P「アイドルとして頑張る幸子も、いつだって自信満々の幸子も」

P「どの幸子も好きだ。こうして涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしてる幸子も」

P「カワイイよ。すごくな」

幸子「ぷっ……ぷろでゅーさーさぁん……!」

ギュッ

P「!?」

幸子「ボクも大好きです……! プロデューサーさんが他のアイドルと話をしてるだけで」

幸子「すごく嫉妬しました……それで、こっちを向いてもらおうと頑張って……」

幸子「ぷろでゅーさーさぁん……!!」グリグリ

P(服が鼻水で……)
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 22:27:26.93 ID:lCXBfMw00
P「でも、こんなこと知れたら大変だよな」

P「みんなからロリコンロリコン言われるし。実際ロリコンだし」

幸子「……確かにそうですね」

幸子「ボクが大人になった時も襲いかかってきませんでしたし。真っ裸なのに」

P「あれは仕事だと割り切ってたからだよ。その後写真で……はっ!」

幸子「写真で、何です?」

P「な、何でもない」

幸子「何ですか? 写真で? ねえねえ何ですか?」

P「めっちゃ食いついてくるな!?」

幸子「あれ? もしかして……」

幸子「ふふーん、そういうことですか」ニヤァ

P「いやらしい笑顔だな!」

幸子「いやらしいのは誰ですかねぇ」

P「ぐっ……!」

幸子「そうですか、安心しました。実はあの件で体に自信を無くしてたんですよ」

幸子「でも、ちゃんと反応してくれたんですねぇ」

P「もうその話はやめよう……」
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 22:36:03.92 ID:lCXBfMw00
幸子「いいですよ。そのかわり」

幸子「……」スッ

P「何故目を閉じて口をこっちに突き出す?」

幸子「分かってるくせに」

P「それはマズイぞ幸子…プロデューサーとアイドルの関係なんだし……」

幸子「彼氏と彼女の関係でもありますよ。相思相愛なんですから」

幸子「このくらいいいじゃないですか」

P「……あ」

P「そ、そうだ。どこからかパパラッチが撮影してるかも」

幸子「む、なるほど。なら仕方ないですね」

P(実際こういう場面を撮られて、雑誌に載せられでもしたらマズイしな)

P(っていうかいないよな?)キョロキョロ

幸子「そうですよ。ボクは浮かれていました」

幸子「思いが通じたあまりの嬉しさに舞い上がって、現実が見えてませんでした」

幸子「ボクはまだまだこれからアイドルとして頑張っていきたいですから」

幸子「残念ですけど……こういうことは、しばらくおあずけですね」
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 22:47:26.40 ID:lCXBfMw00
P(いないみたいだな)ホッ

幸子「プロデューサーさん」

P「?」

幸子「もう言いましたけど、ボクはまだまだアイドルを続けていくつもりです」

幸子「いつになるかは……いえ、さすがに30歳にはならないと思いますけど」

幸子「ボクがアイドルをやめる時まで、待っていてもらえますか?」

P「何を?」

幸子「結婚」

P「!?」

幸子「お母様とお父様にちゃんと報告してくださいね。相手が見つかったって」

幸子「おお、いよいよ冷え込んできましたね……中に入りましょうか」スタスタ

P「……」

P(そうか、幸子のアイドルをやめてまで叶えたい夢って)

P(だからあんなに難しい顔を……。筋が通ったな)

P「幸子、ちょっと待った」スタスタ

幸子「何ですか?」

P「……他のアイドルには、なるべく秘密だからな」

P「バレたら厄介なことになるから」

幸子「2人だけの秘密ですね! 了解です!」

スタスタ
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 22:53:29.84 ID:lCXBfMw00


――その頃、向かい側の建物・屋上――


パパラッチ「危ねぇ……見つかるところだった」

パパラッチ「でも、良いネタが撮れたな。これを載せれば……」ニヤニヤ


ちひろ「そこで何をしてるんですか?」

パパラッチ「!!」


パパラッチ「え、えっと……」

ちひろ「その手にもってるの、カメラですよね」

ちひろ「渡してもらえないでしょうか」

パパラッチ「……あんた、知ってるのか」

パパラッチ「残念だがこれを渡すわけにはいかない。俺の生活がかかってるんでね」

ちひろ「それを言ったら、あなたが撮った一人の女の子と男性の生活も」

ちひろ「めちゃくちゃになりますよね?」

パパラッチ「!?」ビクッ

パパラッチ(な、何だこの威圧感は!)
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 23:00:15.09 ID:lCXBfMw00
パパラッチ「うるさい! お前には関係ないだろ!」

ちひろ「ありますよ。巴ちゃん」

巴「おう」スッ

パパラッチ「? あんたは確かアイドルの……」

ゾロゾロ

パパラッチ(う、後ろから黒服の男が!?)

巴「お前ら、この男前をちょっと説得してやってくれんかのう」

「「「へい」」」


ウワー! ゴメンナサイ! ユルシテクダサイ!


ちひろ「……」

ちひろ(安心してください幸子ちゃん。私たちが守ってあげますから)

ちひろ「……グスッ」

巴(ちひろの姉御も、乙女じゃのう)
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 23:12:12.51 ID:lCXBfMw00

――――

幸子「ふふーん! 今日もボクはカワイイですねぇ!」

輝子「フヒ……キノコみたいに……」

幸子「それは……喜んでいいんでしょうか」

小梅「あそこで手を振ってる女の子みたいに……」

幸子「ひぃっ!?」


ちひろ「今日も元気ですね、幸子ちゃん」

P「そうですね。嫌でも声が届いてきますから」

小梅「でも……なんか最近すごく可愛くなってる……」

輝子「うん、冗談抜きで……」

幸子「そうですか? ふふ、やっぱり恋を…」

P(おい!?)

小梅「こい……?」

幸子「こ……こ、鯉を見ると……心が洗われますよね」

輝子「意味が分からない……」

P(はぁ……)

ちひろ(この様子だと、他のアイドルに気づかれるのも時間の問題ですね)アハハ…

幸子「ま、まあ何にしても」

幸子「ボクはまだまだ可愛くなりますからね! 見ててくださいよ!」


おわり
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 23:13:44.69 ID:lCXBfMw00
最後に長々とすみません
142'sの話でもよかったような…
お付き合いありがとうございました
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 23:23:00.18 ID:lvVUAJn0o
おっつし
途中の早耶云々さえ無ければ完璧だったんだがなぁ
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 23:25:28.50 ID:mRUKWR+Xo
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/18(月) 14:30:41.96 ID:F6ldjt3eo
>>421
お前しつこいな嵐かなにか?
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/18(月) 22:56:43.20 ID:gcZMbZjH0
自分で荒らして自分で怒って自分で文句を言う
マッチポンプだってバレバレなんだよね
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/18(月) 23:04:25.30 ID:rcNnGC5Eo
やっぱ早耶P最低だな
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