トナカイ「もうすぐクリスマスですねぇ」サンタ少女「そうですね」

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88 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/21(木) 21:05:34.64 ID:ifkR0rLgo
サンタ少女「はい、トナカイさん。これを首にかけてください」スッ

トナカイ「え、これって…箱?」

サンタ少女「はい、これを持って駅前で募金活動をします」

トナカイ「あー学生の人がよくやってるあれですか」

サンタ少女「この寄付金は親がいない、恵まれない子供達の支援になりますからね!頑張りましょう!」




サンタ少女「ということで人が多い駅前まで来ました」

サンタ少女「トナカイさんはそこで立ってるだけで大丈夫です。トナカイがいるだけでかなり目立つと思うので」


トナカイ(…何か私、トナカイだってこと忘れて今まで普通に人間みたいに馴染んでたな)
89 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/21(木) 21:12:24.02 ID:ifkR0rLgo
サンタ少女「募金お願いしまーす!」

トナカイ「…」


ザワザワ ザワザワ


トナカイ(本っ当に、今更ですけど…街中にトナカイがいるとさすがに目立ちますよね。通行人の殆どが二度見してきます)

トナカイ(写真もいっぱい撮られてるし…これワンショット100円位取った方がいいんじゃないでしょうか)


サンタ少女「募金お願いしまーす!」


パシャパシャ


トナカイ(…あれ、私よりも…サンタさんにカメラが向けられているような)チラッ


サンタ少女「」チラッ
90 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/21(木) 21:18:27.02 ID:ifkR0rLgo
トナカイ(…そういうことか。今日のサンタさんはスカートを履いている)

トナカイ(サンタさん可愛いからなぁ…そりゃ美少女がミニスカサンタコスなんて着てたら撮られるか)


サンタ少女「募金お願いしまーす!」


チャリン


サンタ少女「あっ!ありがとうございます!」ニコッ


トナカイ(…さすがサンタさん、順調に稼いでるな。あの笑顔見たさなら小銭も惜しくない人も多いです)



>>91「すみません、ちょっといいですか?」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/21(木) 21:33:20.78 ID:vqJ42fZto
警察
92 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/21(木) 21:41:19.77 ID:ifkR0rLgo
警察「…」


トナカイ(け、警察!?)

サンタ少女「はい、何でしょうか?」


警察「お宅らはここで何を?」


サンタ少女「募金活動です!恵まれない子供達に寄付するために!」


警察「へぇ、そいつは立派なことだねぇ」

警察「じゃあ許可証見せてくれる?道路使用許可証」


サンタ少女「えっ…」

トナカイ(えっ?)
93 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/21(木) 21:50:17.97 ID:ifkR0rLgo
サンタ少女「きょ、許可証ですか?それは…え、えーっと…」


トナカイ(えっ?サンタさん持ってないんですか!?)


サンタ少女「そ、それってあれですよね。あの…紙の…その」

サンタ少女(ど、どうしましょう…協会からはそんなことは一つも知らされてない…伝達ミスでしょうか)


警察「そう、もちろん持ってるよね?」

警察「あ、出せないなら署まで来てもらうことになるからね。まあ持ってるとは思うけど」


サンタ少女「」ビクッ


トナカイ(こ、このままだとサンタさんが逮捕されてしまう…私がどうにかしないと!)

トナカイ「…サンタさん、ここは>>94して逃げましょう」ボソッ


サンタ少女「…っ!?」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/21(木) 21:54:19.77 ID:+sS1blGv0
はったりをかまして
95 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/21(木) 22:14:30.21 ID:ifkR0rLgo
トナカイ「私がはったりをかましますので、サンタさんは逃げてください」

サンタ少女「え、えぇっ!?そ、そんなことが出来るんですか?」

トナカイ「はい、任せてください」


警察「君達、何をコソコソと…」


トナカイ(大丈夫、やることは簡単。あの人ならどうやって切り抜けるか、それを想像して真似をするだけでいい)

トナカイ(…二年も一緒に付き合っていたんですからね。やることは大体分かります…ピンチを乗り切る方法も)

トナカイ「スッー…」



トナカイ「ワレポリ公がゴラアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!調子乗っとんちゃうぞゴラアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」



警察「!?」

サンタ少女「!?」
96 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/21(木) 22:29:46.48 ID:ifkR0rLgo
トナカイ「国家権力を振り回しやがってよぉ!!!!弱い者イジメして楽しいか?アアン!」

トナカイ「テメエらの給料は誰が払ってると思ってるんだよぉ!!!!小娘イジメてる暇あったらそこら辺の罰ゲームみたいな髪型でピアスしてるDQNしょっぴけや!!大体あいつら犯罪してそうだろ!!!!!」

トナカイ「それか議員とかな!!!!あいつら不倫しかしてないくせに高給取りじゃねえか!!!!!全然日本良くなってねえよ!クリスマス中止法案くらい出せや!!!」



サンタ少女「え、あの、トナカイさん…?」

警察「おい、それ以上の暴言は公務執行妨害に…」



トナカイ「黙れやぁ!!!!!死ねェ!国家の犬め!!!!トナカイに勝てると思うなよぉ!!!!」ダッ


ブスッ


警察「うっ…」バタッ
97 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/21(木) 22:36:21.97 ID:ifkR0rLgo
トナカイ「…よし!今です!サンタさん!逃げましょう!」

サンタ少女「ちょっ!?ト、トナカイさん!?今、刺しませんでした!?角で刺しませんでしたか!?」

トナカイ「サンタさん!そんなことを言ってる暇はないです!早く逃げないと応援が来ます!」

サンタ少女「えっ…そ、それってトナカイさんが角で刺したせいじゃないんですか?」


トナカイ「サンタさん!!!!うだうだ言ってる暇はないんです!捕まったらクリスマスにプレゼントを配ることは出来なくなるんですよ!」

トナカイ「それでもいいんですか!?クリスマスにサンタさんを待ってる子供達は大勢いるのに!」



警察「ぐぁぁ……」ゴロゴロ



サンタ「で、でも…えっ…」オロオロ
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/21(木) 22:37:37.31 ID:+sS1blGv0
警察官は犠牲になったのだ…
99 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/21(木) 22:43:19.48 ID:ifkR0rLgo
トナカイ「サンタさん!!!!!早く!!!!!」ダッ


サンタ少女「う、あぁ…あ…」オロオロ

サンタ少女「う、うわあああああああああああああああ!!!!!!」ダッ







トナカイ「ふぅ、危ないところでしたね。捕まるところでした」

サンタ少女「…」

トナカイ「まさかサンタ協会が許可証の発行を忘れていたなんて…信じられないですよね。クレーム入れときますよ」

サンタ少女「…」

トナカイ「どうしました?サンタさん、顔色が悪いですけど」

サンタ少女「…い、いえ。何も」
100 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/21(木) 22:51:54.26 ID:ifkR0rLgo
サンタ少女「トナカイさんって…結構強引なところあるんですね。ちょっと、いやかなりビックリしました」

トナカイ「え?そうですか?」

トナカイ「でも警察相手にハッタリをかますのは怖かったですよ。相手は拳銃持ってますし」


サンタ少女「…かましたのはハッタリじゃなくて、タックルの間違いじゃ」ボソッ


トナカイ(自分でも驚くくらい、あのサンタさんの言動をコピー出来ましたね。まさかあれほどの完成度になるとは)

トナカイ(…今考えてみると、私とあの人はちょっと似ていたのかもしれません。性格は全然合いませんでしたけど)


サンタ少女「え、えっと…次は>>101のボランティアですね」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/21(木) 22:54:22.90 ID:HcEQGsxA0
幼稚園訪問
102 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/22(金) 00:08:34.71 ID:f85IhDJNo
☆☆☆☆  幼稚園  ☆☆☆☆


サンタ少女「ここです」

トナカイ「幼稚園…ですか?」

サンタ少女「はい。ここで園児達と交流を深めて、より一層クリスマスを楽しんでもらおうかと」

トナカイ「サンタってこんなに身近に本物がいるものなんですねぇ…」





先生「はーい!みんなー!今日はなんと、あの!サンタさんがこの幼稚園に来てくれたよー!」

「「「「YEEEEEEEEEEEEAH!!!!!!!!!!」」」」

先生「では登場してもらいましょう!サンタさんとトナカイさんです!」


サンタ少女「こんにちは〜」

トナカイ「ど、どうも」
103 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/22(金) 00:15:02.15 ID:f85IhDJNo
「うわああああああああ!!!!!本物のサンタさんだああああああああああああ!!!!!」

「っべえええええええええええええええ!!!!!やべええええええええええええええ!!!!!!!!」



トナカイ(テ、テンション高いなぁ…これが若さですか)


先生「じゃあ今日はサンタさんと一緒にいっぱい遊びましょうね!」


「うわああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」ゾロゾロ

トナカイ「うぇっ!?お、溺れる!人の波に溺れる!!」ザワザワ


サンタ少女「み、みなさん落ち着いて。順場です、順番に遊びましょう」

園児「おねーさん!>>104して遊ぼ!」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/22(金) 00:15:32.76 ID:OHp4qqw90
トナカイさんごっこ
105 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/22(金) 00:22:10.65 ID:f85IhDJNo
園児「トナカイさんごっこやろう!ねぇ!ねぇ!」

サンタ少女「えっ…な、なんですか?トナカイさんごっこって」

園児「えーとね!サンタさんの役が、トナカイさんの役の人の上に乗って、ムチで叩くの!それで誰のトナカイが一番早いか競争するの!」


サンタ少女「!?」

トナカイ「!?」


園児「じゃあサンタさんはトナカイさんの役ね!私がサンタ役になるから!四つん這いになってね!」

サンタ少女「ちょ、ちょっと待ってください!トナカイはそんな乱暴に扱うものではなく…」


園児「は・や・く」ギロッ


サンタ少女「わ、わかりました」スッ
106 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/22(金) 01:18:07.10 ID:f85IhDJNo
園児「オラァ!行け!もっと早く!」ビシビシ

サンタ少女「お、お尻を叩くのはやめませんか?痛いんですけど…」

園児「遅いからいけないんでしょ!!早くうううううううう!!!!!」バシッ

サンタ少女「ひぃっ…」ビリッ


サンタ少女(う、うぅ…まさか園児達がこんなに好奇心旺盛だったなんて…トナカイさんはの方は大丈夫でしょうか)チラッ



「ねーもうこれ動かなくなったー」

「動いてよぉ、ねぇ、本場のトナカイの力見せてよぉ」

「ちょっとぉ…みんなさすがに集まりすぎだよぉ。20人だとぎゅうぎゅう詰めになるから誰か降りてよぉ」


トナカイ「」ペシャンコ



サンタ少女「ト、トナカイさあああああああああああん!」
107 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/22(金) 01:22:33.33 ID:f85IhDJNo
トナカイ「」

トナカイ「」

トナカイ「…はっ!?」ピクッ


トナカイ「う、うぅ…ここはどこ?私は確か…幼稚園に来て、園児達が一斉に私の上に乗り始めて…頭を打って…」


ワーワー ワーワー


トナカイ「…どうやら、動かなくなった私を放っておいて向こうで遊んでるみたいですね。しばらく死んだふりして休みますか」

トナカイ「本当にあそこまで元気で羨ましい…若さはパワーですね。まったく」



>>108「ねぇ、もう起きてるんでしょ?トナカイさん」



トナカイ「」ビクッ
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/22(金) 01:24:01.35 ID:rwXYKpHho
病室にいた少女に瓜二つの女の子
109 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/22(金) 01:34:04.84 ID:f85IhDJNo
幼女『ねぇ?トナカイさん……』


トナカイ「――――――――ッッ!?」

トナカイ「なっ…なぜあなたがここに…!?」



幼女『あぁ…私ね、死んじゃったんだ。とりこまれちゃったみたい。ほら、すけてるでしょ?足はあるけど』



トナカイ「はいっ!?」

トナカイ「そ、それって…ゆ、幽霊ってことですか……!?」



幼女『そういうことになるね。でもおそかれ早かれ、みんなしんじゃうもん。わたしはみんなよりちょっと早くしんだだけ』



トナカイ「ど、どういうことなんですか!?みんな死ぬってッ!!」
110 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/22(金) 01:42:30.66 ID:f85IhDJNo
トナカイ「それに…あの足音って何なんですか!?頭の中で鳴り響いて…!」



幼女『トナカイさんも聞いたんだ、あれ。そうだよね、あれを聞いてるとおかしくなりそうになるよね』

幼女『分かるよ、そのきもち……わたしはここ半年間の間、ずっとあれを聞いていたんだもん。おかげでびょういんに入ることになったし』



トナカイ「そ、それって…やっぱりあなたは精神病ではないんですか?』



幼女『せいしんびょう?ごめんね、よく分からないや』

幼女『そうだ、忘れるところだった。なんでわたしがトナカイさんのところに来たのか』


幼女『―――気をつけて。わたしをころしたモノは……もうすぐそこまで来てる』

幼女『もしかしたら、トビラが開くまでにおそってくるかもしれない。だから、しなないでね。あなたが最後のキボウだから』
111 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/22(金) 01:50:14.61 ID:f85IhDJNo
トナカイ「き?希望って…一昨日も救えるのは私しかいないとか言ってましたけど、それもどういう意味なんですかっ!?」

トナカイ「この世界に…何が起ころうとしているんですか!!」



幼女『………』

幼女『…ごめんね。わたしも、くわしくは知らないんだ。わたしは感じることしかできないから』

幼女『ただ…よくないことってだけはわかる。あいつらも、わたしみたいに感じられる人間がこわいみたい。だから黒いのをとばしてころしてるんだ』

幼女『―――もう時間みたい。ここにはいられない。呼ばれてる』



トナカイ「よ、呼ばれてるって…誰に?」



幼女『……それは話せないよ。ゆるされてないから』

幼女『最後にひとつ…ぜったいに諦めないで。必ず、あなたをたすけてくれる人がくるから』
112 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/22(金) 01:57:42.33 ID:f85IhDJNo
幼女『あの人なら―――なんとかしてくれるはず。わたしもあったことはないけど、みんながそう言ってる』

幼女『―――じゃあね』



トナカイ「ま、待ってください!あなたはどうして…あのサンタさんと似ているんですか!?関係があるんですか!?あの人と!」



幼女『……わたしは、わたしだよ?その人のことはしらないけど、それはトナカイさんの"いんが"ってやつじゃないかな』スゥ



トナカイ「………っ!」

トナカイ「き、消えた……」


トナカイ「な、何がどうなってるんですか…一体…」
113 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/22(金) 02:04:55.51 ID:f85IhDJNo
………………………………………………………
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


サンタ少女「きょ、今日は疲れましたね…小さい子供の遊び相手をするのがあんなに大変だとは…」

トナカイ「…」

サンタ少女「…トナカイさん?」

トナカイ「えっ、あ、そ、そうですね。疲れました」


サンタ少女「でも、楽しかったです。クリスマスまであと三日ですからね!あの子達が喜んでくれるようなクリスマスにしないと!」

トナカイ「…そう、ですね。私達が頑張らないと」



『おそかれ早かれ、みんなしんじゃうもん。わたしはみんなよりちょっと早くしんだだけ』



トナカイ「…」
114 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/22(金) 02:08:17.82 ID:f85IhDJNo




トナカイ(…その日、病院に問い合わせてみたところ、あの病室にいた幼女は昨日に突然、原因不明の心臓発作で亡くなっていたことが分かった)

トナカイ(亡くなる直前に、何かに酷く怯えてるような声を出していたのを、何人かの看護婦が聞いていたらしい)



115 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/22(金) 02:09:08.65 ID:f85IhDJNo
今日はここまで
これなんのSSだっけ
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/22(金) 02:12:37.26 ID:OHp4qqw90
乙ー
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/22(金) 18:55:44.81 ID:gPbnD761O
今年も来てたのか乙
118 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 02:08:37.59 ID:hUxk5vCzo
☆☆☆☆  12月22日  ☆☆☆☆


トナカイ「えっ?サンタ協会本部に呼び出し?」

サンタ少女「…はい」

トナカイ「呼び出しって、何か心当たりはないんですよね?」

サンタ少女「…はい」


サンタ少女(本当は一つだけあるんですがけどね…昨日のトナカイさんの暴走行為が)


トナカイ「ま、まあ大丈夫ですよ!大したことないですって!」

トナカイ「いざとなったら、私も庇ってますから!大船に乗った気でいてください!」


サンタ少女(…トナカイさんは自分の心配をした方がいいと思います)
119 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 02:12:53.43 ID:hUxk5vCzo
☆☆☆☆  サンタ協会本部  ☆☆☆☆



トナカイ「いつ来てもここは圧倒されますね…あそこの壁に体当たりした頃が懐かしいです」

サンタ少女「えっ?」


トナカイ「それで、どこに来るように言われてるんですか?」

サンタ少女「…会長室です」

トナカイ「会長、となると…あの人ですか」





聖女「お待ちしておりました」ニコッ


サンタ少女「か、会長…」

トナカイ「あ、聖女さん。お久しぶりです」
120 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 02:22:53.45 ID:hUxk5vCzo
聖女「はい、ご無沙汰してます。トナカイさん」

聖女「何でも、最近トナカイレースで優勝したそうじゃないですか。ご活躍は私の耳にも入っていますよ」


トナカイ「いやいや、あれは運が良かっただけですよ。私なんてまだまだです」


ハハハハ フフフフ


サンタ少女(えっ…?トナカイさんって会長とこんなに親しかったんですか?)


聖女「さて、本題に入りましょうか」

聖女「今日、あなた方を呼んだ理由は…ズバリ>>121です」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/23(土) 03:08:43.07 ID:xKD0TLofO
サンタ幼女行方不明
122 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 12:40:26.33 ID:hUxk5vCzo
聖女「…サンタ幼女のことについてです」


トナカイ「…!」

サンタ少女「?」


聖女「現在、彼女の行方は私の力を持ってしても見つかりません」

聖女「あの子のことですし、死亡しているという可能性はないと断言できますが…気になるものが各地のサンタに送られているのです」スッ


『サンタ死すべし、慈悲はない』


トナカイ「こ、これって…」

サンタ少女「あ、これって手紙の中に紛れてた…」


聖女「…このような、サンタに恨み辛みの言葉を書いた文書が世界中のサンタのところに送られているのです」
123 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 12:48:34.27 ID:hUxk5vCzo
聖女「サンタの所在というのは協会の中でも厳重に扱われています。外部の者が簡単に入手出来るとは思えません」

聖女「…それに、この手紙には僅かにですが呪詛が込められています」


トナカイ「じゅ、呪詛?」

サンタ少女「それって、呪いってことですか?」


聖女「そうですね。まあ本当にごく僅かですので、身体に影響はないと思われますが」

聖女「ただ…見たことがない種類なんですよね、これ。呪詛というものは大体古くから伝わっているものを使用しているので、パターンは決まっているんです」


トナカイ「…つまり、何者かがサンタさん達を呪っていると?」


聖女「えぇ、そして私には…そのような行為をする者に一人、心当たりがあります」
124 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 12:56:57.00 ID:hUxk5vCzo
トナカイ「…」

サンタ少女「…?」


聖女「まあこれ以上は何も分かってないんですよね。手紙も第三者を通して配っているようなので、追跡も出来ないですし」

聖女「トナカイさんはどう思いますか?この件について」


トナカイ「…」

トナカイ「…あの人は、こんな回りくどいことはしないと思います」

トナカイ「配るなら手紙なんてちゃちな物じゃなくて、手っ取り早く爆弾にすると思いますし、こんな陰湿な手は使いません」


聖女「…私も同意見です。これは彼女の手口じゃない」
125 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 13:26:55.23 ID:hUxk5vCzo
聖女「こちらも調査は続けているので、いずれ何か手掛かりが見つかると思われますが…用心はしておいてください」

聖女「サンタを怨んでいる人物がいるというのは明白ですからね。突然襲ってくる可能性もありますから」

聖女「今日はその警告を伝える為にお呼びしました。時間を取らせてしまって申し訳ありません」


トナカイ「…」

サンタ少女(ほっ、良かったです。てっきりあのことで怒られるかと思いました)


聖女「あ、そうそう。一つ言い忘れていました」

聖女「警察に手を出すのはやめくださいね?国家権力相手だと揉み消すのが面倒なので」クスッ


サンタ少女「」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/23(土) 13:28:34.85 ID:+iZCfmYu0
しっかりバレてた
127 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 13:33:56.76 ID:hUxk5vCzo
スタスタ スタスタ


サンタ少女「しかし驚きましたね。サンタに怨みを持っている人がいるなんて」

サンタ少女「呪いの手紙を世界中のサンタに送っているなんて…余程の執念を感じます


トナカイ「…」

トナカイ「サンタさん、すみません。先に正面エントランスで待っていてもらえますか?」


サンタ少女「え?どうかしたんですか?」


トナカイ「どうやらあの部屋で忘れ物をしてきたみたいなので、ちょっと取ってきます」ダッ
128 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 13:41:18.06 ID:hUxk5vCzo
聖女「…」


聖女(確かに、この手口はあの子のものとは思えない…でも)

聖女(…この件と何らかの繋がりがあるのは間違いないです。行方が分からなくなった年にこんな手紙が届くなんて)

聖女(…悪い予感がしますね)



コンコン



聖女「はい、どうぞ」




ガチャ



トナカイ「…」


聖女「あ、トナカイさん。どうしたんですか?忘れ物でも?」


トナカイ「…聖女さん、お話したいことがあります」
129 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 13:51:42.34 ID:hUxk5vCzo
…………………………………………………………
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥



聖女「…」


トナカイ「…これが、ここ一週間で私に起きたことです」

トナカイ「さっきの聖女さんの話を聞いたら、無関係とは思えなくて…」


聖女「…なるほど」

聖女「気になるキーワードがいくつも。いえ、発言の全てが引っ掛かります」


トナカイ「私も…あまりに非現実的過ぎて、正直どういう状況か理解出来ていないんです」

トナカイ「聖女さんの意見を聞かせてください。私よりもその手のことは詳しいと思いますので」


聖女「…」

聖女「…その幼女は本当に亡くなっていたんですか?」
130 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 14:07:29.30 ID:hUxk5vCzo
トナカイ「はい、それだけは間違いないです。病院に直接問い合わせたので」

トナカイ「それに…幽霊と会った時に直感で理解しました。もう既にこの世のものではないと」


聖女「…」

聖女「ごめんなさい…私にも何が起ころうとしているかは分からないです」


トナカイ「…そうですか」


聖女「ただ一つ、言えるとしたら…その子は何かを感知する能力があったんでしょうね。それも予知に近い強力なものが」


トナカイ「感知…ですか?」


聖女「はい、常人には理解出来ない先が見える力があったんでしょう。そして、その力で見えたモノに殺された」

聖女「…感知は出来ても、それに抵抗する力は持ち合わせていなかったんだと思います」
131 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 14:17:11.03 ID:hUxk5vCzo
トナカイ「…」


聖女「気がかりなのが…何度か出ている"トビラ"という単語」

聖女「トナカイさんもそれを叩く音というのを聞いたんですよね?どんな感じでしたか?」


トナカイ「説明するのが難しいんですが…いくつもの手が乱暴に叩いてる、という感じでした」


聖女「…」

聖女「分かりました。こちらもそれらの事象について調べておきます


トナカイ「はい…お願いします」


聖女「…そうだ、これをどうぞ」ガサゴソ
132 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 14:25:49.38 ID:hUxk5vCzo
聖女「お守りです。気休め程度ですが、何かの役に立つかと」


トナカイ「おぉ、聖女さんから貰ったお守りなら効力がありそうですね。ありがとうございます」


聖女「…トナカイさん、何かあったらすぐ連絡してください。不測の事態が起きるかもしれないので」


トナカイ「はい!このお守りを持ったら、何だか自信がついてきました!」

トナカイ「では、サンタさんを待たせているので。私はこれで」ペコリ


聖女「えぇ、クリスマスまであともう少し、頑張ってくださいね」フリフリ



バタン



聖女「…」
133 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 14:32:18.17 ID:hUxk5vCzo
聖女「…」フッ

聖女「…」チラッ


聖女(もう全部ダメ、間に合わない。遅かれ早かれみんな死ぬ、トビラ…地獄)

聖女(黒いのを飛ばす、呪詛…)

聖女(救えるのはあなたしかいない、希望…因果)

聖女(そして、助けてくれる人が来る…)


聖女「………」


聖女「はぁ」


聖女「事態は…私が想像しているよりも、深刻かもしれませんね」
134 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 14:32:49.34 ID:hUxk5vCzo
ちょっと中断
夜にまた再開します
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/23(土) 15:27:18.89 ID:RsmREdFAo
まさかノリでとったサンタ幼女似の女の子がこんなに物語に絡むなんて予想外で嬉しい
136 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 20:20:11.20 ID:hUxk5vCzo
☆☆☆☆  12月23日  ☆☆☆☆


トナカイ「いよいよ明日ですねぇ」

サンタ少女「はい、今日はイヴイヴです」

トナカイ「…このまま何も起こらずに、平穏に過ぎてくれたらいいんですけど」

サンタ少女「そうですね。成功してくれることを祈ります」


トナカイ「で、今日は何をするんですか?」


サンタ少女「はい、今日はクリスマスを前夜に控えてるということで…」

サンタ少女「>>137をします」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/23(土) 20:23:54.95 ID:XpEY5AaDO
プレゼントとお届け先の最終チェック
138 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 20:45:04.31 ID:hUxk5vCzo
サンタ少女「プレゼントとお届け先の最終チェックですね。ミスがないか最後に確認します」

サンタ少女「もし記載ミスがあって、違うプレゼントが届けられたら大変ですからね」


トナカイ(真面目だなぁ)


サンタ少女「ということで、リストを全部最初から見直しましょう」ドサッ

サンタ少女「まず最初はゆうきくんですね。この子の希望のプレゼントは…>>139?」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/23(土) 20:46:57.79 ID:N1GdmOzwo
サッカーボール
140 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 20:58:39.13 ID:hUxk5vCzo
サンタ少女「プレゼントは…サッカーボールですね」

トナカイ「あ、これは大丈夫そうですね」

サンタ少女「はい、では次…」

サンタ少女「ん?」

トナカイ「どうかしました?」

サンタ少女「あ、いや…その…」


サンタ少女「お、お届け先が…南極になってました」


トナカイ「…」


サンタ少女「な、なんでこんなミスが…南地区と間違えたんですかね。後で書き直しておきます」

サンタ少女「では次、まなちゃんからです。>>141が欲しい??」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/23(土) 20:59:18.66 ID:+iZCfmYu0
ペンギンのぬいぐるみ
142 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 21:15:23.66 ID:hUxk5vCzo
サンタ少女「ペンギンのぬいぐるみが欲しい」

トナカイ「…プレゼントは問題なさそうですね。届け先は間違ってないですか?」

サンタ少女「よし、地区も合ってます。大丈夫です」


サンタ少女「…ん?」


トナカイ「こ、今度は何ですか?」


サンタ少女「い、いえ…ぬいぐるみのサイズが…」

サンタ少女「な、7メートル近くになってるんですけど…これ間違ってますよね?」


トナカイ「7メートルは絶対ないです。家に入られないですよ」


サンタ少女「サ、サイズを一桁間違ってますね、これ。修正しときます」ピッ

サンタ少女「次はきいちゃんから…>>143が欲しい???」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/23(土) 21:18:07.89 ID:VWzUOgzXo
サンタさんとのツーショット写真
144 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 23:24:57.51 ID:hUxk5vCzo
サンタ少女「サンタさんとのツーショット写真…」

トナカイ「よくよく考えるとそれ、ちょっと不味くないですか?写真はかなりギリギリような」

サンタ少女「ま、まあ寝てる時にこっそり撮れば問題ないですよ。マスクを被って顔は分からないように変装しますし」

サンタ少女「住所は…ブラジル?」

トナカイ「…」


サンタ少女「な、なんでブラジルに…どうやったらこんなミスを」

トナカイ「まあぶっ通しでやってましたからね…疲れが溜まってたのもあると思います」

サンタ少女「う、うぅ…自分が情けないです」
145 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/23(土) 23:39:29.38 ID:hUxk5vCzo
………………………………………………………
…………………………………………


サンタ少女「お、終わりました…これで全部確認終了です…」

トナカイ「結構ミスありましたね…やっぱり見直して正解でしたね」

サンタ少女「で、でもこれで…あとは本番が来るのを待つだけです」

トナカイ「お疲れ様でした…サンタさん」


サンタ少女「…」


サンタ少女「トナカイさん、今からどこかに遊びに行きませんか?」

トナカイ「えっ、今からですか?」

サンタ少女「はい、本当は休んだ方がいいんですけど…どうしても一緒に行きたくて」

トナカイ「私は…全然構わないですよ。どこに行くんですか?」

サンタ少女「>>146です」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/23(土) 23:41:35.31 ID:ztjN62+eO
じごく
147 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/24(日) 01:05:56.81 ID:H0v0IwPuo
サンタ少女「"じごく"です」

トナカイ「…ッ!?」ピクッ













サンタ少女「ここです、"じごく温泉"。色んなお風呂があるらしいですよ?」

トナカイ「な、なんだ…温泉ですか」

サンタ少女「はい!疲れた体にいいと思いまして」

トナカイ(び、びっくりした…どうもあのことを思い出しますね)
148 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/24(日) 01:18:38.24 ID:H0v0IwPuo
サンタ少女「まずはどのお風呂に入りますか?黒縄地獄、大叫喚地獄、大焦熱地獄、無間地獄などがありますが」

トナカイ「物騒な名前しかないですね」



チャポン



トナカイ「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"…」グタッ

サンタ少女「すごい声出してますね…おじさんみたいですよ」

トナカイ「いやぁ…温泉に入ったのなんて久しぶりですから。気持ちよくて声が出ちゃいました」

サンタ少女「私も久しぶりに入りました。たまには大きなお風呂もいいものです」


サンタ少女「…トナカイさん、少し失礼なこと聞いてもいいですか?」
149 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/24(日) 01:27:54.32 ID:H0v0IwPuo
トナカイ「なんですかぁ?」グタァ


サンタ少女「…トナカイさんの前任のサンタさん、サンタ幼女さんって…どんな人だったんですか?」

サンタ少女「昨日…会長とトナカイさんの会話を聞いていたら、何だかワケありな感じだったので」


トナカイ「……」


サンタ少女「…言いにくいなら言わなくても大丈夫ですよ。ごめんなさい、詮索をするような真似をして」


トナカイ「あの人は―――無茶苦茶な人でしたよ」

トナカイ「頑固で、意地っ張りで、強情で、ワガママで、自己中心的で、自信過剰で」

トナカイ「その性格のおかげで、友達が一人もいませんでした」


サンタ少女「……」
150 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/24(日) 01:38:42.84 ID:H0v0IwPuo
トナカイ「だから、クリスマスを潰そうとしてたんです。幸せな人達に嫉妬して…本当、馬鹿みたいですよね」

トナカイ「…多分、あの人は誰よりも孤独が怖かったんだと思います。その憂さ晴らしをしたかったんでしょうね」


サンタ少女「…そうだったんですか」


トナカイ「でも、そこまで悪い人じゃありませんでしたよ?」

トナカイ「私を鹿鍋にしようとしたり、特攻させたり、街の人達に嫌がらせをしたり、サンタ狩りと手を組んだり、人をソリで轢いたり、殺し屋を雇ったり…」


サンタ少女「それって完全に悪い人だと思うんですけど…」


トナカイ「…訂正します。そこそこ悪かったです」
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/24(日) 01:42:57.72 ID:a8acBFrG0
そこそこってレベルじゃない気がする
152 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/24(日) 01:52:17.11 ID:H0v0IwPuo
トナカイ「そこそこ悪かったんですけど…多分、あの人本人も完全にクリスマスを潰す気はなかったんだと思います」

トナカイ「――――今思えば、誰かに構ってほしかったんでしょうね。ただの子供ですよ、まったく」

トナカイ「ここだけの話、私も…サンタさんに付いて行くのは楽しかったんです。いきあたりばったりな行動で、何をしでかすか分からなくて…」

トナカイ「そんなめちゃくちゃなクリスマスとサンタさんが…私はちょっぴり好きでした」


サンタ少女「……」


トナカイ「でもサンタさんも、いい加減に懲りたのか、今年でサンタを辞めたみたいで…もう二度と会えないんです」

トナカイ「…正直、後悔しています。最後まで私はサンタさんの孤独を埋めることが出来なかったんですから」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/24(日) 01:56:36.96 ID:v2uGi5DXo
そこまでやらかしても好きだって言えるこのトナカイの器がデカいな
154 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/24(日) 02:00:17.34 ID:H0v0IwPuo
トナカイ「だから…もし、また会えたら―――友達になってあげようかと思ってます。部下と上司の関係ではなく、対等な存在に」

トナカイ「…なんて、何様だって話ですよね。ハハハ」


サンタ少女「……」

サンタ少女「とても…面白い人だったんですね。そのサンタさんは」


トナカイ「いや全然面白くないですよ。付き合ったら分かりますけど、あの人のテンションに追いつくには並のトナカイじゃ無理です」

トナカイ「私も何度、この角で刺してやろうかと思ったか…いや実際に刺したんですけどね」


サンタ少女「…フフッ、気付いていないんですか?」

サンタ少女「そのサンタさんのことを話している時のトナカイさん、とても楽しそうに話していますよ」クスッ
155 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/24(日) 02:08:37.11 ID:H0v0IwPuo
トナカイ「えっ…そ、そうですか?」


サンタ少女「はい、正直嫉妬しちゃいます」

サンタ少女「…私も、そのサンタさんと会いたくなってきました。もし再会出来たら、私にも紹介してもらえませんか?」


トナカイ「いいですけど…止めといた方がいいですよ。いくらサンタさんでもアレ相手だとドロップキックかましたくなると思いますから」


サンタ少女「フフッ…余計に興味が出てきました」

サンタ少女「…そろそろ上がりますか。長風呂し過ぎましたね」チャプッ


トナカイ「えぇ、そうですね。のぼせたら大変ですし…」スッ






―――――――――――――――ドンッ
156 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/24(日) 02:13:17.24 ID:H0v0IwPuo
トナカイ「!?」ピクッ

トナカイ(えっ、い、今…あの音が……)


サンタ少女「トナカイさん?どうしました?」


トナカイ「い、いえ…ちょっと」



ドンドンドンドンドンドンッッッッッッ‼‼‼‼‼‼‼‼

ドンドンドンドンドンドンッッッッッッ‼‼‼‼‼‼‼‼



トナカイ「ッッ…!!」フラッ

トナカイ(な……こ、この前より音が大きい!?)


サンタ少女「トナカイさん!?」バッ
157 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/24(日) 02:17:48.02 ID:H0v0IwPuo
ドンドンドンドンドンドンッッッッッッ‼‼‼‼‼‼‼
ドンドンドンドンドンドンッッッッッッ‼‼‼‼‼‼‼
ドンドンドンドンドンドンッッッッッッ‼‼‼‼‼‼‼


トナカイ(か、数も叩く音も増えている…!?頭が割れそうッ…立っていられない)

トナカイ(ど、どうなって……これがトビラ?)



サンタ少女「トナカイさん!?大丈夫ですか!しっかりしてください!!」



ドンドンドンドンドンドンッッッッッッ‼‼‼‼‼‼‼
ドンドンドンドンドンドンッッッッッッ‼‼‼‼‼‼‼
ドンドンドンドンドンドンッッッッッッ‼‼‼‼‼‼‼
ドンドンドンドンドンドンッッッッッッ‼‼‼‼‼‼‼



パキッ…



トナカイ「!?」

トナカイ「ダ、ダメッッ!!!!!」
158 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/24(日) 02:23:11.93 ID:H0v0IwPuo
トナカイ「はぁっ…はぁっ…うっ」

トナカイ(や、止んだ…?)


サンタ少女「大丈夫ですか!?トナカイさん!私が分かりますか!?」


トナカイ「は、はい…サンタ、さん……」



トナカイ(い、今、確かに聴こえた)

トナカイ(何か壊れる音…間違いない、ヒビが割れるような音がハッキリ聴こえた)


トナカイ(ま、まさか…これって…)




トナカイ(トビラが―――――――開いた?)



159 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/24(日) 02:25:26.86 ID:H0v0IwPuo
今日はここまで
次の更新はほぼ安価なしで書き溜め投下になると思います
今日中に終わります
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/24(日) 02:27:14.39 ID:a8acBFrG0
乙乙ー
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/24(日) 03:10:40.68 ID:JmP78nPaO
うわークリスマスといえばこれがあったなぁ
162 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:18:11.31 ID:7O6126swo
☆☆☆☆ 12月24日 ☆☆☆☆



トナカイ(…今日はクリスマス。世界中の人々が待ち望んでいる祭典の日)

トナカイ(昨日はサンタさんにのぼせたと言ってごまかすことが出来たけど…やはり、このことを伝えるべきなんだろうか)

トナカイ(…いや、言えない。私だって何が起こるのか分からないし、そもそも、こんな脈絡もない話を聞かされたって混乱するだけ)

トナカイ(…クリスマス当日だっていうのに、変な不安を持たせるのはよくない)


トナカイ「……」


トナカイ(トビラが開いたら…どうなるんでしょうか)
163 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:19:46.33 ID:7O6126swo
ガチャ


サンタ少女「あっ、トナカイさん!大丈夫でしたか?昨日は…」

トナカイ「はい、本当にただのぼせただけなので、プレゼントを配るのに支障はないです」

サンタ少女「良かった…!てっきりトナカイさんに負担をかけ過ぎて、無理をさせてしまったのかと」

サンタ少女「では、今から本部に向かいましょうか」

トナカイ「え?本部にですか?」

サンタ少女「はい、今日の夜に向けて、世界中のサンタが集まって集会をするんです」

サンタ少女「毎年やっているんですけど…もしかして知りませんでした?」

トナカイ「えぇ、初耳でした」

サンタ少女「ちょっとしたパーティーのようなものですからね。料理も出ますし、楽しいですよ」
164 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:20:58.04 ID:7O6126swo
☆☆☆☆ サンタ協会本部 ☆☆☆☆


ザワザワ ザワザワ


トナカイ「うわぁ…凄い人ですね」

サンタ少女「各国のサンタが集まってますかっらね。私は自宅にプレゼントを贈るようにしていますが、直接受け取りに来る人もいますし」

トナカイ(あの人がここに集まっていたサンタさんのプレゼントを燃やしたことがありましたが…そういうことですか)

サンタ少女「あ、私は少し先輩のサンタ方に挨拶をしてくるので、トナカイさんは料理を食べていてください」スッ

トナカイ「はーい…っと」


トナカイ(…サンタさんも行ったことだし、ちょうど良かったな。聖女さんに昨日のことを伝えなくちゃ)
165 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:21:54.20 ID:7O6126swo
コンコン



『どうぞ』



トナカイ「失礼します」



聖女「あっ、トナカイさん。どうしたんですか?」


トナカイ「今日はサンタさんの集いがあると聞いたので、その付き添いです。あと...」

トナカイ「…また、あの音を聞きました。しかも今度は...」


聖女「…立ち話もなんですし、座ってください。今、お茶を出します」
166 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:24:38.90 ID:7O6126swo
トナカイ「…ということがありまして」


聖女「……」


トナカイ「…間違いなく、あれは壊れる音でした。これがもしあの子の言っていたトビラが開くという言葉に関係していたら…」


聖女「近いうちに、何か起こる、ということですね」


トナカイ「……」

聖女「…...」


トナカイ「…どうなるんでしょうか、これから」

聖女「…すみません。まだこちらも何も掴めていない状況です」

トナカイ「聖女さんでも分からないなんて…わ、私…昨日から、すごく嫌な予感がしているんです。言葉で表現するのが難しいんですけど…何かに背後を取られているような、危機感を感じるような…」

トナカイ「今日に…何かあるようなんてことはないですよね。せっかくのクリスマスなのに」

聖女「…そんなことは私がさせませんよ。サンタ会長の名に懸けて、必ず守ります」
167 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:25:50.13 ID:7O6126swo
ピピッ


聖女「あ、どうやら時間みたいです。トナカイさんも一緒に行きますか?」

トナカイ「時間?どこに行くんですか?」

聖女「毎年、私が挨拶をすることになっているんですよ。これでも会長ですからね、偉そうなところを見せないと」

トナカイ「…じゃあ私も、サンタさんも聞きに来ると思いますし」





ザワザワ ザワザワ




サンタ少女「あ、トナカイさん。どこに行っていたんですか?」

トナカイ「すみません、少しトイレに」

サンタ少女「これから会長さんの挨拶が始まるみたいですよ。人が集まってきました」
168 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:26:59.82 ID:7O6126swo
ゾロゾロ ゾロゾロ


トナカイ「本当ですね。いつの間にか会場にこんなに多くの人が」

サンタ少女「会長さんは人気高いですからねぇ…サンタの中でもファンクラブがあるくらいですし」

サンタ少女「中には、次の神様候補だって言う人もいるくらいです」

トナカイ「ハハ…あの人が神様はちょっと困りますね」



バッ



サンタ少女「あ、電気が消えました。そろそろ出てくるみたいですね」
169 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:28:27.24 ID:7O6126swo
聖女「みなさん、ごきげんよう。今日は遥々、本部までお越しいただいて、ありがとうございます」




ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!




サンタ少女「す、すごい歓声ですね」

トナカイ「本当に人気あるんですね」




聖女「皆様のおかげで、このサンタ協会も創立150周年を迎えることが出来ました」

聖女「クリスマスが聖なる日として歴史に残ったのも、サンタさんやトナカイさん達が子供達にプレゼントを配り、幸せを届けてきた結果とも言えるでしょう」

聖女「…しかし、残念ながら、今でもクリスマスを滅ぼさんとする人がいるのも事実です。現に今年は嫌がらせの手紙が届いたサンタさんも多いと思います」




サンタ少女「…」

トナカイ「…」
170 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:30:07.88 ID:7O6126swo
聖女「それでも、私はこの素晴らしい日を、後世に永遠と語り継ぎたいと思っています。それが3代目会長の私の役目ですから!」

聖女「クリスマスは不滅です!!クリスマス万歳!!!!!!!!」




バンザアアアアアアアアアアアアイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!




サンタ少女「ば、ばんざーい」

トナカイ「…サンタさん、恥ずかしいなら無理しなくてもいいですよ」




聖女「…さて、長ったらしい挨拶も終わったことですし、本題に入りましょうか」

聖女「そこの黒いフードを被った仮面の人、出てきてください。さっきからこそこそ隠れて様子を伺っていたのは分かってます」




サンタ少女「え?」クルッ

トナカイ「仮面…?」クルッ
171 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:31:04.43 ID:7O6126swo
スッ


仮面『…』バサッ




サンタ少女「あ、あの人ですかね…?」

トナカイ「え、えぇ…まったく気づきませんでした」




聖女「良ければ、壇上に上がってもらえませんか?」

聖女「あなたが……サンタに呪詛の手紙を送りつけた本人なのでしょう?直接お話しようじゃありませんか」




サンタ少女「!?」

トナカイ「あ、あいつが…!?」
172 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:32:20.79 ID:7O6126swo
仮面『…』コクッ

仮面『…』スタスタ




サンタ少女「あ、あれが…犯人ですか。ずいぶん小柄な人ですね…私より小さく見える」

トナカイ「は、はい…まるで幼女のような」


トナカイ「――――ま、まさか」




聖女「さて、話し合いの場にそのふざけた仮面は相応しくないですね。取っていただけますか?」

聖女(…どう出ますか?あなたは―――)



仮面『………』

仮面『いいだろう』パカッ
173 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:33:29.51 ID:7O6126swo







サンタ幼女「…よう、久しぶりだなァ…」








聖女「…やはり、そうでしたか」
174 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:34:28.66 ID:7O6126swo
トナカイ「!!!!!!!!!」

トナカイ「サ、サンタさん…?」


トナカイ(ど、どうして消えたサンタさんがここに?それにあの手紙を出したのもサンタさんだったなんて...)

トナカイ(な、なら…どこまで関係しているんですか?あなたは…)




聖女「…一年も行方をくらませておいて、今更出勤ですか」

聖女「教えてください。あなたは誰と繋がっているんですか?そして目的はなんですか」



サンタ幼女「…私の目的なら、もう三年前から知ってるだろ」

サンタ幼女「クリスマスを潰しに来たんだよ。だからこうやってゴキブリ共の巣に私自ら出向いてやったんだ」
175 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:36:22.08 ID:7O6126swo
サンタ少女「ト、トナカイさん…あれが本当に…昨日話していたサンタ幼女さんなんですか?」

トナカイ「は、はい…間違いないです…でも」

トナカイ「何か、何か違うような…以前と比べて…...」




サンタ幼女「…それにしても、私があいつらと組んでいることをもう察知していたのか。いやはや…恐ろしい聖女様だわ」

サンタ幼女「ただ、正体までは掴んでいなかったらしいな…当然か、あいつらはこの世界の住人じゃないからな。お前の目でも視えなかっただろ」



聖女「…...」

聖女「質問に答えてください。あなたの後ろには誰がいるんですか」



サンタ幼女「誰ェ???その質問は難しいわ。だって私も直接会ったことはないし」

サンタ幼女「扉越しで力を貰っただけだ…お前を殺せる程の力をな」
176 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:37:38.09 ID:7O6126swo
トナカイ(ト、トビラ!?)



聖女「…扉、ですか。それはもう開いているんですか?」



サンタ幼女「ほう…本当にお前は油断ならないな。どこまで筒抜けなんだか」

サンタ幼女「あぁ、もう開いているぞ…こことな」



聖女「!?」ビクッ

聖女「み、みなさん早く避難してください!!!!!!ここから離れ――――」








グッシャアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!
177 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:39:02.59 ID:7O6126swo
スタスタ スタスタ




異形『…』




ザワザワ ザワザワ




サンタ少女「な、なんですかあれ…壁を突き破って何かが…」

トナカイ「…!…!」プルプル

サンタ少女「ど、どうしました?トナカイさん」

トナカイ「サ、サンタさん…すぐにここから離れてください。あ、あれは…」プルプル

トナカイ「わ、私の野生の勘が言っています。全速力で逃げろ、と…は、早く…」
178 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:40:20.05 ID:7O6126swo
異形『…』

異形『…』チラッ



サンタ男「おい、なんだお前?ここはサンタ協会の本部だぞ。あそこの上にいるやつの仲間か?」




聖女「ダ、ダメです!!!!!!!!!!みなさん!!!!!!早く逃げて!!!!!!!!」



サンタ幼女「馬ァ鹿ァ…一人も逃がすわけねえだろうが」ニヤリ




異形『...』



サンタ男「おい、何とか言ったら」

シュンッ

サンタ男「ど、う……なん、だ?」ボトッ


サンタ男「」バタッ
179 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:41:57.69 ID:7O6126swo
サンタ少女「ひっ…!?く、首が…」

トナカイ「こ、殺した……人を、殺した…」




「「「「「「「う、うわああああああああああああああああああ!!!!!!!!逃げろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」バタバタ

「「「「「「「殺されるぞおおおおおおおおおお!!!!!!早くしろおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」




バサッ バサッ


異形『…』


異形『…』





サンタ幼女「アッハハハハハハハハハァ!!!!!!愉快、愉快、あぁ…この時をずっと待っていた…」



聖女「あなたは…!!!」



サンタ幼女「あ、これで終わりだと思うなよ?扉が開いたのはここだけじゃないからな」

サンタ幼女「今頃世界中で…ここと同じような出来事が起きているんだよ。クリスマスはもう終わりだ」


サンタ幼女「―――いや、世界は終わりだァ」ニヤッ
180 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:43:19.26 ID:7O6126swo
聖女「…!」

聖女(やっとパズルのピースが繋がった…でもこれじゃ…もう世界は......)

聖女(…救い、希望…ッ!?)


聖女「そ、そういうことですか。トナカイさんは…」




ギャアアアアアアアアアア!!!!!!

タスケテエエエエエエエエエエ!!!!!!





トナカイ「サ、サンタさん!!!!!!」






サンタ幼女「…アァ?」クルッ
181 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:44:17.58 ID:7O6126swo
トナカイ「な、何をしているんですかぁっ!!!!!サンタさん…自分が何をやっているか分かっているんですか!?」

トナカイ「も、もうこんなの…ただのイタズラじゃ済まされない…あなたは人を殺したんですよ!!!!!」



サンタ幼女「…誰かと思ったら鹿か。まだ生きてたのかよお前」

サンタ幼女「人殺しィ?それがなに?これから世界を滅ぼしてやるんだから70億人中の一人なんて軽いもんだろ」



トナカイ「せ、世界を滅ぼすって…ほ、本気で言っているんですか!?」



サンタ幼女「当たり前だろ。私には…あいつらにはその力がある。一週間もあれば人類は死滅する」

サンタ幼女「その時こそ、私が望んだ世界の完成だ…私より幸せな人間が存在しない、理想の世界のな」
182 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:45:18.37 ID:7O6126swo
トナカイ「そ、そんな…わ、私は…し、信じていたのに……」

トナカイ「お、大馬鹿ですよ!!!!!サンタさんは世界で一番の大馬鹿です!!!!!!」



サンタ幼女「…はぁ、やっぱお前とは合わねえわ。今までご苦労だったな。私に仕えてくれて」

サンタ幼女「でも、もうお前はいらない。死んでいいぞ」シュンッ



トナカイ「!?」ピクッ

トナカイ(あ、まずい…これ、避けないと、死―――)







ピキーーーン!!!!!!
183 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:46:49.76 ID:7O6126swo
トナカイ「」ギュッ

トナカイ(…あれ?死んでない)

聖女「…」



サンタ幼女「…チッ、邪魔しやがって」



聖女「立てますか?トナカイさん」

トナカイ「せ、聖女さん?は、はい…」

聖女「…以前、協会の下水道を通ったのを覚えていますか?あそこなら安全にここを抜けられるはずです」

聖女「…トナカイさん、必ず生き残ってください。あなたは希望です。もうこの状況を打破するにはあの人しかない」

聖女「決して、諦めないでください。どうかこの言葉を忘れないで」

トナカイ「え…?どういう意味ですか?」
184 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:48:11.94 ID:7O6126swo
聖女「…ここは私に任せて、あなたは逃げてください」


トナカイ「!?」

トナカイ「で、でも...!」




聖女「早く!!!!!!これはサンタ協会会長の命令です!!!!!」



トナカイ「…!わ、分かりました!」ダッ




サンタ幼女「逃がすかよ」シュゥゥ



聖女「あなたの相手は私です。私に復讐したいのでしょう?」

聖女「私は逃げません。ここであなたと戦います」スッ
185 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:49:13.71 ID:7O6126swo
サンタ幼女「…分からんな。なんであの鹿を逃がした?」

サンタ幼女「あんな何も役に立たない…ゴミを生かして何になる?その行動に何の意味がある?」



聖女「…去年、あなたとした賭けのことを覚えていますか?あれと同じですよ」

聖女「私はトナカイさんに賭けたんですよ…ただそれだけのことです」



サンタ幼女「意味分かんねえよ。そろそろ死ぬか?」スッ



聖女(…トナカイさん、後は任せました。あなたには酷な仕事を任せてしまいましたが…やり遂げてくれると私は信じています)

聖女(そして…ごめんなさい。サンタ幼女、あなたをあちら側に落としたのは私の落ち度です。まさかやつらが接触してくるなんて)

聖女(…次は失敗しません。必ず)
186 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:50:00.34 ID:7O6126swo





サンタ幼女「死ねェッッッッ!!!!!!!」ダッ





聖女「…!!!!」グッ





187 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/25(月) 04:51:37.34 ID:7O6126swo
トナカイ「ッッッ!!!!!!」ダダダッ

トナカイ(聖女さんのあんな声…初めて聞きました。わ、私は…逃げないと)

トナカイ(あの人の言ったことなら…一番信用できます。私の考えよりも…)


トナカイ(…あれ?そういえばサンタさんは…)キョロキョロ

トナカイ(最後に一緒にいたのは…人が殺されたのを見て、居ても立っても居られなくなって…!?)


トナカイ「わ、私…サンタさんを…置き去りに」プルプル





サンタ少女「トナカイさん!!!!」ダッ
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