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千鶴「別の世界の自分が見られる機械?」【ミリマスSS 】
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1 :
◆UEry/CPoDk
[sage saga]:2017/12/19(火) 17:44:36.71 ID:i73+6k8w0
律子「はい。劇場の大掃除ついでにタイムマシンのメンテナンスをしてたんですけど、そこでふと思い付きまして。」
千鶴「どこからつっこんだらいいか分からないような説明はおやめ下さいな、ただでさえツッコミ役は慢性の人手不足だというのに。」
律子「まあまあ。細かい事を気にしてたら芸能界は乗り切れませんよ。」
千鶴「あなたがそっちに回られるとどうにも出来ませんわね…それで、その機械とやらは具体的に何をする物なんですの。」
律子「読んで字のごとくです、アイドルになっていない別次元の自分を見に行けるというわけですよ。」
千鶴「別次元のわたくし?」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1513673076
2 :
◆UEry/CPoDk
[sage saga]:2017/12/19(火) 17:49:08.83 ID:i73+6k8w0
律子「ざっくり言うとパラレルワールドみたいなものです。時間を直線ではなく双方向あるいは複数の軸で流れているという考え方をした場合に生まれる、いわゆる並行世界の自分を見に行けるわけですね。」
千鶴「すみません、おっしゃる意味があんまり…」
律子「そうですね、一例を挙げますと。 千鶴さんは大学のミスコンでウチのプロデューサーにスカウトされて、アイドルになったんでしたよね?」
千鶴「ええ、どうしてもと言うものですから。あの時はセレブのオーラを隠しきれませんでしたものね。おーっほっほ!」
律子「もしもですけど。そのスカウトを断っていたら、どうなっていたと思います?」
千鶴「ゲホゴホッ…うーん、そうですわね。わたくしならいずれ世に出ていたでしょうけど、今とは全く違ったものになっていたでしょうね…少なくとも今ここで、お茶を飲みながらヘンテコな会話をするようなアイドルにはなっていないと思いますわ。」
律子「まあそうでしょうね。この機械とは例えば『そのスカウトを断っていた世界』を見る事が出来る、というわけです。」
千鶴「ちょっと待ってくださいな、今のは仮定のお話でしょう?」
律子「それはあくまでも『この世界の千鶴さんにとって』です。逆に『もしスカウトを受け入れていたら』が仮定の話になっている、こことは違う世界があって、そこにいる千鶴さんは今とは全く違う人生を送っているんですよ。」
3 :
◆UEry/CPoDk
[sage saga]:2017/12/19(火) 17:53:05.19 ID:i73+6k8w0
千鶴「な、なんだか頭がこんがらがりそうですわ…」
律子「難しく考えなくていいですよ。選択肢によって全く違ったストーリー展開になる、なんてゲームにもよくあるでしょう?それと似たようなものです。シュミレーターに近いですが、違うのはプログラムではなく別次元に実在する世界を見られるということですね。」
千鶴「とんでもない事をさらっと言いますわね。というかそもそも何で律子さんはそんなのを作れる技術をお持ちなんですの。」
律子「科学者アイドルも化学者アイドルもウチにいない以上仕方ないです、資格取得は私の趣味でもありますし。」
千鶴「どんな資格講座を受けたらそんな事が出来るようになるのかしら。」
律子「細かい事は気にしたら負けですよ。それよりどうします、お使いになりますか?」
千鶴「うーん…危険ではありませんの?別世界の自分にうっかり出会ってしまって大変なことになる、なんてその手の映画でよくある話ではありませんの。」
律子「100パーセント安全です。実際にその世界に行くのではなくて、ここから別世界を見る為の装置ですから。」
千鶴「そう言われましても。どうも何か不安ですし、使用するのは遠慮を…」
律子「これ、通信費がすごくかかるのでほんとならお金もらわないと動かせないんですよ。でも今ならモニターという事で無料に出来るんですが。」
千鶴「無料でしたら…いやいや、タダより高い物は無いですわ。ここはやっぱり。」
律子「他の子達に話すと使ってみたいという意見が多くて。今ならすぐ使えますけど、もし後から使いたいと言ってもこの次はたぶん二ヶ月は待つことになりますよ?」
千鶴「まあ!でしたら今やっておかないともったいないですわね、お願い致しますわ。」
律子(千鶴さんはこの手のセールストークに弱い、と。データ通りね。)
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