LiPPSとアインフェリアが生存本能ヴァルキュリアの世界を生き抜いたようです

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/05(月) 01:19:33.69 ID:c44Tjnl00
――数時間後、フレイヤU(美嘉の部屋前)

P「……」

P(……打合せも終わって、監視の交代も済んでいるからこのタイミングか。前回は間が悪かったが)

P「……少尉、いるか?」ピッ!

ピピッ!

P「……少尉、俺だ。少し話がある」ピピッ! ピピッ! ピピッ!

ピッ!

美嘉『あっ、はい! いま開けるから!』

ピピッ!

P「すまんな。失礼する」

……
…………
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/05(月) 01:20:31.50 ID:c44Tjnl00
――フレイヤU(美嘉の部屋)

美嘉「ゴ、ゴメンなさい……ちょっとボケっとしてて」

P「いや、休憩時間中にすまん。しっかり休んでもらおうとは思っていたんだが……」

美嘉「……で、用事……あるの?」

P「ああ。そうだな……I@LPだが、上手くやれそうか?」

美嘉「んー、まあ広告用の収録なら何度もやってきたし、あのフェスの広告も去年に同じ仕事してたから大丈夫、任せといて★」

P「そうか。それならいいんだ、頼んだぞ」

美嘉「……え、それだけ?」

P「いや……」

美嘉「……」

P「……聞いておこうかと思ってな」

美嘉「なに?」
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/05(月) 01:22:04.67 ID:c44Tjnl00
P「フレデリカのことを、どう思う?」

美嘉「……」ピクッ

P「ビーとの混成部隊も、以前よりは増えたが現状はそこまで多くない。気になっていたものでな」

美嘉「どう、思うって……良い子、だと思う」

P「そうか。それならいいんだ」



美嘉「……アタシに、そんなこと話すんだ。少佐って……知ってるんでしょ? アタシのこと」


P「……経歴を含めたある程度のことは、復帰前に渡されていた資料に載っていた」

美嘉「それでも、アタシにそんなこと言うんだ。莉嘉のこと……分かってて……」

P「5年程前、だったか。ギチトーからハマヨコへ向かうエイルの1隻が蜂に遭遇して被害に遭い、大破した」

P「大破したエイルから救助された生存者数名は、ギチトーに搬送されて治療を受けたが……」

美嘉「あの子は……莉嘉だけは、ずっと起きない。眠ったまま」


……
…………
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/05(月) 01:23:07.75 ID:c44Tjnl00
――木星圏宙域、フレイヤ(休憩所)

夕美「その子がね、いまフレイヤUにいる城ヶ崎少尉の妹さんみたいで……」

夕美「丁度そのエイルが被害に遭った日って、私が前にいたヴェールで最後の任務をやってたときだったの」

夕美「MN-13も含めた数隻の艦で、オート・クレール本社の幹部が乗ってる別のエイルの護衛……それ自体は何も無かったんだけどね」

夕美「木星圏の防衛部隊にエイルの引き渡しが終わって、任務完了で引き上げた後に、ギチトーの監視局から緊急の連絡が入って……」

美波「そうだったの……その子は?」

藍子「はい、莉嘉ちゃんって子で、ギチトーの病院に昏睡状態で運ばれてからは、今も病院で眠ったままで。私も、莉嘉ちゃんを見たのはお部屋のチェックをするのに病室に何度か入ったくらいでしたけど」

藍子「Pさんも、気にしていたんです。多分、フレデリカさんと一緒の部隊になったから……」

文香「……まるで、城ヶ崎少尉と、Pさんは……同じような境遇なのですね」

美波「ええ……そうね」

……
…………
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/05(月) 01:23:43.11 ID:c44Tjnl00
――土星圏宙域、フレイヤU(美嘉の部屋)

P「……昔、もう俺が子供の頃、少尉と同じように、蜂が俺の両親を殺した」

美嘉「えっ……!」

P「それから俺は1人になった。色々あって大佐に引き取られて、それから大人になってから軍に入って、こうして戦うことを選んだ」

P「しばらく経って、その時俺が所属していた旧艦のユミルが、蜂との戦闘中に介入してきた白塗り……白蜂との戦闘で大破した」

P「俺以外の前線部隊と、艦長の黒井大佐を含めた艦搭乗員のほとんどはその時に死んだ。当時俺の愛している人は……運よく生きてくれていたが、次に会うことが出来たのは8年も後だった」

P「俺が今でも戦っているのは、俺のような境遇の人間を1人でも無くしたいと思っていたから……だが、改めて難しいことだと……思った」

美嘉「……なんで、なんでそんなに! アイツらに大切な人たちみんな殺されて! どうしてあの子と一緒にいることが出来るの!」

美嘉「なんであの子の前で笑っていられるの!? おかしい……おかしいよ! アタシは、一緒にいるだけで……」

P「フレデリカは……俺の命を救ってくれたからだ」
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/05(月) 01:27:00.28 ID:c44Tjnl00
P「対話の日に、仇だった白蜂と戦闘をした。これまでの蜂とは別格の強さの敵だった。実際に以前、負けたこともあった」

P「その時は負けるつもりは毛頭なかったが、それでも相打ちまで持ち込んだが奴はまだ動ける状態で、俺は死を覚悟したが……」



P『だ、誰か俺を庇って……』

蜂『……』

P『お、お前は……俺を、助けたのか……』



P「俺はフレデリカに命を救われた。まだお互いに言葉も分からない、敵同士だったはずなのに、あいつは身を挺して俺を助けてくれた」

P「そのときにようやく気付いた。俺はこれまで、恨みを持って戦っていた、守るべき者の為に戦っていた。だがそれはビーたちも同じだった」

P「あいつらも仲間を守る為、生きる為にここまで来た。俺たちが互いに理解し合えていなかったから、すれ違い、争いになっていた……だがそれも、お互いに生きる為に仕方がないことだったんだ」
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/05(月) 01:28:52.22 ID:c44Tjnl00
P「互いに理解することが出来たのであれば、俺たちは互いを守り、生きていくべきだと……人間と蜂と、姿は違えど俺を救ってくれたフレデリカの優しさを感じて、そう思ったんだ」

美嘉「何よ……それ……だったら!」ガタッ!

美嘉「だったら、助けてもらったからって、アイツらのこと許せって言うの!? アイツらがいなかったら、莉嘉は今頃……大きくなって、アタシと同じように、アイドルになって……ずっと、一緒に……」

P「……少尉に、俺の考えを強制させるつもりはない。だが、考えてほしい」

P「俺たちから大切な人を奪ったのは、ビーであることに変わりはない。だが……俺たちを理解し、平和の為に共に生きようとしているフレデリカも、同じビーなんだ」

美嘉「……」

P「恨みを抱えたままでいるか、フレデリカの思いを受け止めるか、最後は……少尉に任せる」

美嘉「……アタシ、は」


P「……少し話過ぎた。思うことはあるかもしれないが、巣の攻略戦も控えている。LiPPS小隊についてはこれまで通り任務にあたってくれ」フワッ

パシュンッ!


美嘉「……莉嘉」


……
…………
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/05(月) 01:35:22.53 ID:c44Tjnl00
――フレイヤU(美嘉の部屋前)

パシュンッ!

P「……」


ありす「終わりましたか?」フワッ


P「ありす……」

ありす「志希さんからお話があったので。あの人、こういうところには気が回るんですよね」

P「そうか」

ありす「あなたも、そんな顔をしないでください。美嘉さんも、分かってくれると思います」

P「……そうだな。だが、こういう話は今でも慣れん」

ありす「仕方がありません。艦長室に戻りましょうか」



P「ありす」
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/05(月) 01:36:34.49 ID:c44Tjnl00

ありす「はい?」


P「最後に……俺の父さんと母さんと、どんな話をした?」

ありす「どうしたんですか? 今までそんなお話はしませんでしたけれど……」

P「いや、少し気になってな。覚えていなければ、それでいい」

ありす「……ずっと、あなたのことを話していましたよ。帰ったら野球のチケットを渡すんだって。みんなで見に行くんだって」

ありす「しばらく留守にしていたから、あの子の好きなことをさせてあげたい、ワガママを言われないだろうかって……ずいぶんと楽しそうに話していました」

P「そうか。俺は……幸せ者だな。両親の最後の話も聞けて、ありすが生きてくれて、美優も戻って来てくれて……」

ありす「はい。私も幸せです。こうしてあなたと、出会うことができたんですから」

321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/05(月) 01:40:04.39 ID:c44Tjnl00
ありす「……あなたが、奈緒さんがこちらに戻ってくることを拒むのは、あなたなりの優しさだということは、みんな分かっています」

ありす「加蓮さんのところに戻る為に戦っていた奈緒さん。私たちの為に共に戦ってくれた奈緒さん。どちらの奈緒さんも……同じですから」

ありす「ですが晶葉さんたちも、現状の戦力では厳しい場面が想定されるから、奈緒さんのことを含めて動いているんです」

ありす「甘えてはいけないと分かっています。ですが現状を考えると、止むを得ないことだとも思います」

P「ああ、奈緒は俺たちが求めれば戻ってくる。それが分かっているからこそ、俺は戻ってきてほしくないと思っている」

P「それが奈緒の願いなんだ。あの日最後に、奈緒と話した……あいつの意思と決意は、揺ぎ無いものだった」

P「だから、もうこの世界にはいなくとも……俺たちと共に自分の為すべきことを成し遂げた奈緒を、守ってやりたい」

ありす「……ええ、そうですね」

P「戻ろうか。長く話し過ぎた」

……
…………
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/05(月) 01:41:09.70 ID:c44Tjnl00
今日はこれで終わります。

>>303
>>1はロリコンじゃないんですが、そこまで酷くなったありすもいいんじゃないかなと最近では思ったりしますね。
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/05(月) 01:43:11.21 ID:aAgP6Z6Wo
おつ
ストッパーなしとかちょっとやばすぎます(見たい
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 18:34:51.27 ID:PaVNfJGk0
――土星圏外宙域、ノルンS-02(メインブリッジ)

ちひろ『そちらも、フレイヤUとは合流できたそうで。M-01は予定通りホクドウで待機しています』

時子「頼むわよ。巣の対応が終わり次第、プランの対象部隊を連れて戻るから」

ちひろ『もう少し来るが早まってたら私も巣の攻略戦に参加させられていたのかも……おおこわ』

時子「は?」ギロッ

ちひろ『冗談、冗談ですって……とりあえず向かってる艦については間に合ったらということで、編成には考えておかなくていいですよ』

時子「無い物をアテにするつもりはないわ。元々予定していた戦力については揃えているもの」

ちひろ『まあまあ……それじゃあこっちの準備は進めておきますから、気を付けてくださいね』

時子「ええ」ピッ!


「艦長、フレイヤUの収容が完了しました」

時子「P少佐と橘大尉は会議室に向かわせなさい」フワッ

……
…………
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 18:36:17.98 ID:PaVNfJGk0
――十数分後、ノルンS-02(会議室)

菜々「いやぁ、Pさんも元気そうでよかったですねぇ」

P「ナシヤマからこっちに戻って1年くらいか……菜々さんも変わらないですね」

菜々「いやほら、そこはJKなので……」

時子「誰が無駄話をしていいと言ったかしら?」

菜々「いえ、誰も」

千秋「まあその辺にしておいて……琴歌さん、宙域マップを」

琴歌「スクリーンに出しますわ。今回の次元振動の発生予測ポイントについてはこちらです」ピッ!

ありす「圏外宙域のC13……防衛ラインからは少し離れていますね」

P「艦の配置については妥当か。編成リストは来る途中で確認したが、戦力的にはギリギリといったところだな」

千秋「干渉装置の効果範囲から外れている防衛ラインを手薄にするわけにはいかないもの。フレイヤU以外の土星圏の防衛部隊も引っ張ってきてようやく、かしらね」

時子「後は……貴方たちの話しでは、クイーンの出現が予想されるという話ね」

ありす「はい、確証はありませんが、過去の戦闘と同様の感覚がありました。恐らく……」

P「ここから準備して向かうとなれば、木星圏からホクドウに向かっている最中のフレイヤを待つにしても次元振動の発生まで時間が無い。アインフェリアの宙域ライブについては今回は無しだ」
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 18:41:36.89 ID:PaVNfJGk0
時子「合流艦の整備、防衛ラインの再配置が済み次第の出発で、次元振動の発生にはギリギリ間に合う程度……腹が立つわね」

菜々「S-01からS-06までは光波推進システムの搭載も出来ましたから、移動はもっと早くなったんですけどねぇ」

P「S-07以下はどの道長距離航行プランの対象艦ではないし、圏外防衛として置くしかないからな。出現に合わせて戦闘準備が出来る分、間に合うだけよかったと思うしかない」

ありす「あとは前回と同様に、クイーンが帰ってくれることを祈るしかないですね。空間構成情報は安定しているポイントみたいですし、予測レベルも8で止まっていますから完全に転移できるかと言われるとクイーン側も困難かと」

琴歌「各強襲艦隊についての配置ですが、前線、ノルン防衛の配置はこのように……長引くことになれば私たちのほうが不利ですし、やはり突破を優先という話になりましたわ」ピピッ!

時子「艦隊の移動ルートを速やかに確保して、陽電子砲の射程圏内まで移動する。これまでと同様のやり方よ」

ありす「メインでぶつかるのはヴェールですからね。そこは先に決めてもらっていた編成で構いません」

琴歌「はい。フレイヤU、フレイについては前線のヴェール艦隊の脇に配置となります。もしもの際を想定しての配置となりますけれど……」

P「プランV3のことを考えて、か……仕方がないか」

千秋「とはいえ、貴方やナオさんは現状の最高戦力よ。特に貴方は特殊部隊として指揮系統から外れているし、指示がない限りは自由に動いてもらって構わないわ」

時子「そうね。しっかり働きなさい」

P「ニュージェネレーション隊はどうする? こちらに戻してもいいのか?」
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 18:43:06.06 ID:PaVNfJGk0
菜々「あ、ニュージェネは今回は艦隊の進行ルート確保の為の前線部隊になりました。ナナと智絵里ちゃんと一緒の編成になりますので」

菜々「あ、でもその代わりナオちゃんと加蓮ちゃんはそっちで対応させるんですよね」

ありす「今回、ナオさんはVPSPで出撃予定です。こちらとしても今のタイミングでそちらに戻られてしまうと苦しい部分もありますので、頑張ってもらいます」

琴歌「P様の機体については、3Nでよろしいのですか? S-02には予備機も残っていますが……」

P「VPSPとのドッキング用に3N調整は済ませている。今回はこのままで出る」

ありす「とりあえずそちらで決めていた編成内容とこちらのポジションについては分かりましたので、後は内部で調整しましょう」

時子「住居スペースは用意させているから、出撃までは待機しておきなさい。道中の戦闘も、出させるつもりはないわ」

P「わかった。こちらとしてもそのほうが助かる。土星圏での任務からここに戻るまで、あまり休む時間もなかったんだ」

千秋「そう。それなら丁度いいわね」

P「……何がだ」

時子「チッ、豚が……話は終わりよ。私は戻るわ」フワッ

パシュンッ!

琴歌「千秋さん、そのお話はお部屋に戻ってからにしましょう?」

菜々「ぶふぉっ!」

ありす「菜々さん、ナシヤマで1年間私たちと一緒にいたのに今更泡吹いてどうするんですか」

菜々「い、いえ……」

P「……まあ、先にやることをやってからだ」

……
…………
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 18:43:41.29 ID:PaVNfJGk0
――ノルンS-02、住居スペース(ニュージェネレーション隊の部屋)

未央「いやそれにしても元気そうでよかったよかった! システム使ってもあんまり変わりなさそうで!」

奏「そうね……この時期にフレイヤに行くことになって、まだマシだったって思えばいいのかしら」

桃華「まあっ、フレイヤも良い艦なのですよ? Pちゃまがもう少し落ち着いてくださればいいのですが」

卯月「落ち着いたほうがいいのってアインフェリアですよね」

美嘉(……ありす大尉もそうだったけど、この……子? も小さい)

奏「それにしても、最初はフレイヤ以外でシステムを使っているところがあるとは思わなかったわ」

かな子「私たち……んぐっ、元々予備部隊だったけど……はぐっ……いまはニュージェネのみんなもいるし……通常任務が多いけど……」モグモグモグモグ

ナオ「口に入れてるもの片付けてから話せよ……」




翠「LiPPS部隊の稼働実績、中々良いですね。跳躍テストも実施しているみたいですし」カタカタカタッ!

周子「まあねー。最近の圏内宙域にしちゃ戦闘多かったし」

凛「戦闘は気にしていなかったけどね。私たちより適性高かったし、それにPさんも合流したって聞いてたから」
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 18:44:07.90 ID:PaVNfJGk0
周子「あーあの人、やばいわホント。一緒にシミュレーターやっても訓練にならないし」

加蓮「加減してくれてるからいいんだけどね。でもLiPPSだって十分動けるし、凛たちよりは心配しないかな?」

周子「ま、あたしもそこそこ乗ってるから」

ピピッ!

パシュンッ!!


フレデリカ「メンテ終わったー!」フワッ

志希「終わらせた―」

未央「お帰り。どうだった?」

フレデリカ「スーパーアドバイザーの志希ちゃんがいてくれたからね、元気元気!」

志希「ビーの体のメンテってまとめてやるのは楽だけど、ちゃんと診ておかないと精密検査に引っかかって再調整送りになると面倒だからねー。あたしもここら辺は仕事しないと」

フレデリカ「美嘉ちゃーん、お肌のお手入れをした後のアタシ、1日限りの輝く肌でキレイだと思うんだけどカワイイ?」
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 18:44:37.16 ID:PaVNfJGk0
美嘉「まあ……うん、いいんじゃない」

フレデリカ「やったー! I@LPに頼んで宣材写真撮り直してもらおー!」

未央「いや絶対却下されるってそれ」

卯月「……」



周子「おーおー元気なことで……はぁ、この後のことを考えると気が重い……」

翠「今回私たちは圏外宙域ポイントまでの戦闘で出撃編成に入っていませんから。巣との戦闘まではゆっくり休んでおいてください」

周子「もーさー、巣と戦闘するのが一番嫌だっていうのに……はぁ」

加蓮「仕方ないでしょ。巣の戦闘は仕方がないけど、プランV3の主要メンバーってことで温存させてもらったんだから。時子さんに感謝しておかないと」

凛「ま、こうしてみんな集まったんだし、少しはゆっくり休んでおこうよ」


……
…………
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 18:45:34.33 ID:PaVNfJGk0
美嘉「まあ……うん、いいんじゃない」

フレデリカ「やったー! I@LPに頼んで宣材写真撮り直してもらおー!」

未央「いや絶対却下されるってそれ」

卯月「……」



周子「おーおー元気なことで……はぁ、この後のことを考えると気が重い……」

翠「今回私たちは圏外宙域ポイントまでの戦闘で出撃編成に入っていませんから。巣との戦闘まではゆっくり休んでおいてください」

周子「もーさー、巣と戦闘するのが一番嫌だっていうのに……はぁ」

加蓮「仕方ないでしょ。巣の戦闘は仕方がないけど、プランV3の主要メンバーってことで温存させてもらったんだから。時子さんに感謝しておかないと」

凛「ま、こうしてみんな集まったんだし、少しはゆっくり休んでおこうよ」


……
…………
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 18:46:01.87 ID:PaVNfJGk0
>>331訂正

――同時刻、フレイヤU(格納庫)

整備長「おーいちえりーん! 外装チェックしてるメンバーの分の弁当、10個頼むわ!」

智絵里「は、はいっ! えっと……定食のお弁当4つと、フライ定食のお弁当3つと、火星丼のお弁当3つ出しますね」ガサガサガサッ!

整備長「わりぃな、後1時間くらいで交代するところも出てくるから、リストの人数分の弁当も追加で用意しといてくれよ」

智絵里「えっと、次はコンテナ班と、増設班が交代の時間っと……わかりました」

整備長「それじゃ頼んだぜ!」フワッ


おばちゃん「智絵里ちゃん、これノルンのスタッフに渡す分のお弁当ね。人数分カゴに入れてるからこのまま持ってって頂戴」

智絵里「はいっ、えっと……搬入出しているところはまだ落ち着いてないみたいだから、先に機体整備のお手伝いしてもらっているところから持っていきますね」

おばちゃん「ごめんね。こっちも任務から戻ってきてすぐの移動だったから整備班も手一杯みたいでねぇ。ノルンのスタッフの分のお弁当もこっちで用意しなきゃならないから人手が足りなくてね」

智絵里「だ、大丈夫ですっ! 私も、待機中だったし……おばちゃんのお手伝いですから」

おばちゃん「ありがとうね。後で落ち着いたらご飯作ってあげるから」

智絵里(ううう……みんな集まって楽しくお話してるみたいだけど……おばちゃんのお手伝いなら断れないし……仕方ないよね……)


……
…………
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 18:47:17.73 ID:PaVNfJGk0
――ノルンS-02(格納庫)

P「デカいな……これ、前のヤツよりデカくなってませんか?」

菜々「そうなんですよねぇ……ARGTもある意味強化外骨格みたいなものですから、もう少し形が整ってくれるといいんですけど」

P「途中からオート・クレールも混ざってくるようになって、R1から随分と変な方向に進んだな……」

菜々「黒川重工的には中規模の巣の攻略も視野にいれた結果みたいなんですけどね。稼働データ2つ回すの大変なんですよ。出力爆上げしたみたいでイージスフィールドもこのまま使えるみたいですし」

菜々「まあ試作機だからって無理やり色々詰め込んだ結果ですし、R4で使えるものは全部使い切る予定ですけどね」

P「そうだなぁ……戦闘中、ニュージェネのことはお願いします。次の戦闘の配置はお互い離れていますし」

菜々「それはもう、まっかせてください! ナナが――」


『――さん、P――、これからは、私が――』

『加蓮――、――すま――、――菜々――』


菜々「……」

P「菜々さん?」

菜々「えっ? あ、ああ……大丈夫です、ナナがちゃーんと一緒にいますから!」

……
…………
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 18:47:55.18 ID:PaVNfJGk0
――数時間後、ノルンS-02(休憩所)

美嘉「フレイヤも強襲艦のわりに結構快適だったけど、やっぱりノルンのほうが広いし便利べんりっと……」ピッ!

ガコンッ!

美嘉「えーっと、これでみんなが頼んできた飲み物は全部っと……」

卯月「美嘉ちゃーん!」フワッ

美嘉「あれ、どうしたの卯月?」

卯月「菜々ちゃんとPさんの分、戻ってきたときに何か飲み物あったほうがいいかなって思って」

美嘉「ああ、2人分特に買うつもりなかったもんね。アタシたちが駄弁ってる間に戻ってくるの?」

卯月「格納庫に行ってるってお話でしたし、戻ってくると思いますよ。えーっと、何がいいかなぁ……」ピッ、ピッ!

ガコンッ!

卯月「よしっ! それじゃ戻りましょう♪」

美嘉「栄養ドリンクはいいけど、お汁粉って……」
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 18:48:31.39 ID:PaVNfJGk0
卯月「お汁粉は菜々ちゃんのです。最近はこういうのが好きみたいですし……あ、こっちの栄養ドリンク、今は鈴帆ちゃんのラベルになってるから、Pさん喜ぶかなーって」

美嘉「ま、まあいいけど……」

卯月「あ、そうだ。美嘉ちゃん、フレイヤに来てから大変じゃないですか?」

美嘉「んまあ大変っていえば大変だけど……圏外防衛に出てる卯月たちのほうが大変でしょ?」

卯月「それならいいんですけど……」

美嘉「大丈夫だって、確かに変なことやってる艦だとは思うけど、これくらいは――」

卯月「なんだか、ちょっと元気なさそうに見えちゃって」

美嘉「……」

卯月「でも、私の気のせいならいいんです。早く戻りましょうか」

美嘉「……そうだね」


……
…………
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 18:50:04.44 ID:PaVNfJGk0
――ノルンS-02(ナオの部屋)

ピピッ!

加蓮『ナオいる? 入るよ?』

パシュンッ!


ナオ「ん……」ピクッ

加蓮「ナオ、菜々さんが言ってたメディアあった?」

ナオ「ああ、あたしの部屋に置きっぱなしにしてたよ。フレイヤに戻る前に菜々さんと徹夜してアニメ見てたからな……」

加蓮「そんなことばかりやって……あれ? それ……」

ナオ「……ああ」

加蓮「そのダサい仮面……奈緒の……」

ナオ「いやカッコいいだろこれ……あいつが、最後にあたしに残していった物だからさ」

ナオ「次の戦闘、ありすやフレデリカが言ってた、クイーンが来るかもしれない……あたしも、何か感じるんだ」

加蓮「ナオ……?」

ナオ「クイーンの声が聞こえている……かは分からない。アインフェリアとは違うし……ただ、確かに感じている」

ナオ「奈緒と一緒に戦っていた時の感覚と、よく似ている……奈緒と繋がっていた時はあたし自身、どこか1つ上のところに手が届いているような気がしていた」

ナオ「それが、ヴァルキュリアシステムを使えていたってことなのかもしれない。だけど、それだけじゃない……奈緒が自分の世界に帰ってからは、しばらく忘れていた感覚……」

ナオ「またそれを感じているってことは、前のような戦いになるんだと思う。今度は……奈緒がいない、あたし1人で戦わなきゃならない」

加蓮「違うよ、ナオ1人じゃない。私も、Pさんも、菜々さんも、凛も……みんな、みんないるから」

ギュッ……

加蓮「クイーンが来るのに、アインフェリアがいない……確かに大変だけど、みんながいるから大丈夫。今までだって……これからも」


……
…………
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 19:02:11.02 ID:PaVNfJGk0
――フレイヤU(格納庫)

パシュンッ!

美嘉「はぁ……」ガコンッ!


奏「お疲れ様」

美嘉「あ、奏……こっち来てたんだ」

奏「向こうは向こうで楽しいけれど、少し騒がしいもの。気分転換に戻って来たわ。それにポイントまでの移動が始まったけれど、私たちは待機のままだし」

美嘉「そっか」

奏「……どう、少しは……あの子と仲良くする気になれたかしら?」

美嘉「……さあ」

奏「無理に仲良くして、とまでは言わないわ。だけど、同じ場所にいるもの。せめて嫌わないであげてほしい……貴方にどんな理由があるのかは知らないけれど」

美嘉「……聞かないんだ」

奏「聞いてほしいの?」

美嘉「……」

奏「みんな同じよ。何かを抱えている……貴方も、私も、フレデリカも……何も抱えていないヒトなんて、いないと思うわ」

美嘉「……結構さ、アタシにこの話してくるよね。どうしてそんなに気にしてるの?」

奏「……」


奏「……私自身が、好きでいたいからよ。良い部隊だもの。このまま、今度は……好きでいたい」


……
…………
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 19:03:21.58 ID:PaVNfJGk0
>>337訂正(抜けがありました)


――翌日、ノルンS-02(メインブリッジ)

「予備ブリッジ、2層共にシステムチェック完了しています」

「S-01より展開。これより圏外宙域C13ポイントに向けての移動を開始します」

時子「指定宙域ポイントまでに戦闘が発生した場合は編成している部隊で対応、全艦指示についてはS-01より展開されるわ」

時子「S-02、艦速度2から前進。予定航路はオートメーション機能で進行。後は上手くやりなさい」

「了解です。S-02、S-01に続き移動開始します。S-03以下についても移動開始です」

P「こちらが戻ってくる前に、防衛ラインに何も問題がなければいいがな」

時子「貴方は自分と豚共の心配でもしていなさい。ここで実績を上げている艦が、数隻入れ替わった程度で問題が起きるならもっと早くに起こっているわ」

P「それもそうだな……道中は頼んだぞ」

時子「アァン? 誰に向かって言っているのかしら?」

P「ちひろさんもいないし、フレイヤとしては時子を頼るしかないからな……巣との戦闘までは荷物にしかならんし」

時子「通常編成、貴方の分も登録しているわよ」

P「助かる。安部中尉の負荷が高くなる前には入れ替わるつもりではいたからな」

時子「チッ……どの道、私のほうで特殊部隊には強制指示は出せないのよ」

P「大佐側から特別指示が出ないとな……まあ、指示を出してくれたら合わせて行動する。巣との戦闘では上手く使ってくれ」

時子「そのつもりよ。駒を無駄に遊ばせておくつもりはないわ」


……
…………
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 19:04:11.91 ID:PaVNfJGk0
――フレイヤU(格納庫)

パシュンッ!

美嘉「はぁ……」ガコンッ!


奏「お疲れ様」

美嘉「あ、奏……こっち来てたんだ」

奏「向こうは向こうで楽しいけれど、少し騒がしいもの。気分転換に戻って来たわ。それにポイントまでの移動が始まったけれど、私たちは待機のままだし」

美嘉「そっか」

奏「……どう、少しは……あの子と仲良くする気になれたかしら?」

美嘉「……さあ」

奏「無理に仲良くして、とまでは言わないわ。だけど、同じ場所にいるもの。せめて嫌わないであげてほしい……貴方にどんな理由があるのかは知らないけれど」

美嘉「……聞かないんだ」

奏「聞いてほしいの?」

美嘉「……」

奏「みんな同じよ。何かを抱えている……貴方も、私も、フレデリカも……何も抱えていないヒトなんて、いないと思うわ」

美嘉「……結構さ、アタシにこの話してくるよね。どうしてそんなに気にしてるの?」

奏「……」


奏「……私自身が、好きでいたいからよ。良い部隊だもの。このまま、今度は……好きでいたい」


……
…………
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/08(木) 19:09:26.41 ID:PaVNfJGk0
今日はこれで終わります。
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 20:55:52.08 ID:8HI0mq0C0
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/10(土) 13:16:35.72 ID:NSAASHSTo
みんな抱えすぎぇー
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:16:51.72 ID:Z4U2Y4iu0
――2週間後、圏外宙域、ポイントC13宙域、フレイヤU(ブリッジ)

加蓮「ノルン各艦、光波推進システムの停止……次元振動発生予測ポイントの到着に合わせて初期配置の展開が行われます」カタカタカタッ!

ありす「来ましたね。財前大佐、私たちも出ます。発進の許可を」

ピピピッ!

時子『艦制御は返却しているわ。さっさと出なさい』

ありす「了解です。加蓮さん、後は私のほうで対応しますので出撃準備をお願いします。そのうち志希さんも戻ってきますし」

加蓮「でも……」

ありす「大丈夫です。今回のフレイヤは遊撃部隊となっています。足の速さは十分ありますし、Pさんやナオさんたちの援護をお願いします」

ありす「ただ、ノルン艦隊が巣に近づく頃には一度拾いに来ますので、合流タイミングは外さないでください。それまでの敵の誘導は頼みますよ」

加蓮「……了解です」フワッ

パシュンッ!!

……
…………
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:18:07.53 ID:Z4U2Y4iu0
――フレイヤU(医務室)

プシュッ!

P「……」

志希「MTF-6の投与量増やしたから、通常より無茶な戦闘になってもある程度は大丈夫。だけど通常の抑制剤とは違って何度も使えないからそのつもりでね」

ナオ「ああ。ありがとう」グッ!

志希「ナオちゃんのほうは、ホントに短時間なら単独でもヴァルキュリアシステム使えると思うけど、基本的には単独じゃ使わない方針で」

P「使わせる気はない。ドッキング後に俺のほうでも負荷を受け持ってからだ」

志希「それでオッケー。よっぽど長時間の戦闘にでもならない限りは効果は持つだろうから、心配しないで暴れてきていいよ」

ナオ「好きで暴れるわけじゃないけどな……よし、それじゃPさん、行こうか」

P「うむ。博士、すまんがブリッジではありすのことを頼むぞ」

志希「まーあたしほとんど役に立たないけどね。ありすちゃんがシステム使って不調になってきたら一応フォローしとくよ」


……
…………
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:20:21.60 ID:Z4U2Y4iu0
――フレイヤU、カタパルト(機体内)

P『LiPPS、ナオ、北条少尉、聞こえるか』

奏『聞こえているわ』

P『今回の戦闘、フレイヤは他強襲艦隊とS-04、S-05と共に白蜂を引き付ける。陽電子砲で巣の破壊を行うS-01、S-02、S-03が進行ルートを確保するまではこちらで戦闘を行う』

P『だが頃合いを見てこちらもフレイヤと合わせて進行部隊と合流する。移動のタイミングは橘大尉から指示が出る』

美嘉『了解……!』

加蓮『S-02のほうは菜々さんやフレイのみんなもいるけど、ニュージェネは大丈夫かな……』

ナオ「大丈夫だ。3人だっていつまでも新人じゃないんだし、今じゃ十分戦力になってくれているだろ?」カタカタカタッ!

周子『ま、あたしたちはあたしたちで、ちゃんと仕事しよっか』

フレデリカ『プロデューサー、早くいこー』

P『わかっている。ナオ、機体の調整は大丈夫か?』

ナオ「問題ないよ。ドッキングのタイミングはP少佐の指示に合わせる。それまでは援護に回るから」ピッ、ピッ!

ピピッ!

ありす『フレイヤU、S-02から発進しました。ハッチ開放完了、各機出撃してください』


ナオ「了解。VPGO-53NP、VPSPで出るぞ!」ガションッ!


……
…………
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:21:08.91 ID:Z4U2Y4iu0
――ノルンS-02(メインブリッジ)

時子「フィールドジェネレーター、次元振動の状況は」

「次元振動の発生は確認できています。断層発生まで後100です」

ピピピッ!

琴歌『財前大佐、フレイ、フレイヤU共に配置につきましたわ』

ありす『システムについての起動判断はこちらで行います。全体指示についてはよろしくお願いします』

時子「わかっているわ。貴方たちはそれよりも、長距離航行プランの実行前に落ちないようにしなさい」

琴歌『はいっ! 任せてください!』

ありす『了解です。それでは、間もなく断層が発生しますので』ピッ!

「断層発生まで20、10……次元断層です。断層レベル8、空間転移です!」

時子「レーダー、転移してきた奴等は」

「G型、及びGS型を確認、白蜂の巣です! 大規模級……ですが、クイーンについてはまだ……」

時子「チッ……まだ出てこないか、それとも……とはいえ、奴らが来たことに変わりはないわ。各艦、各NGF小隊、戦闘開始!」

……
…………
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:21:40.42 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域

GS型「!!」ギュンッ!

G型「!」ギュンッ!


フレデリカ『やっぱりあいつらだ!』

P「戦闘開始だ。ナオ、北条少尉、VPS-001小隊はコンビネーションマニューバY07だ」

加蓮『はい!』

ナオ『援護は任せろ。P少佐は加蓮を置いてくなよ!』

P「わかっている。LiPPS、小隊コードはVPS-002だ。そちらもあまり出過ぎるなよ」

奏『大丈夫よ。いいわね、美嘉?』

美嘉『わ、分かってるって!』

P「任せるぞ、速水少尉」

奏『……ええ、了解』


ピピピピッ!

ありす『強襲艦隊の初動、アルヴァルディが着弾します。下手に混戦状態にならないように気を付けてください』


ドドドドドドドドォンッ!!!!
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:22:17.58 ID:Z4U2Y4iu0

G型「……!」ブブブゥゥゥゥンッ!!

P「ロングライフル、ガラティーンのロックを解除……狙撃する!」ピピッ!

ドシュウウウウンッ!!

G型「!?」

ドガァァァンッ!

ナオ『抜けてきた奴らの頭を叩く。ビフロスト……!』ボシュシュシュシュシュッ!!

加蓮『初動で数は減らしておかないと……こっちも持ってきたミサイルコンテナ、1つ使い切るよ!』ボボボボボシュンッ!

ドガガガガガガァンッ!!


ピピピピピッ!

P「追加の弾幕を抜けてきた奴は……まずは40弱か。後続もいるし、巣から出てきていない奴らもいる。まだ増えるぞ」

ナオ『これだけで済むとは思ってないさ。行くぞ!』ガションッ!


……
…………
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:22:56.77 ID:Z4U2Y4iu0
――フレイヤU(ブリッジ)

ありす「フレイヤの右舷、左舷にイージスを展開します。艦姿勢を高機動戦闘形態に移行、複合ミサイル発射管にはアルヴァルディを再装填します」

志希「えーっとえーっと、ミサイル設定……」ピピッ!

ありす「高機動戦闘形態への移行に伴い、艦のヴァルキュリアシステムを起動します。起動後は白蜂が集中しているS-04側に向けて移動します」カタカタカタカタッ!

『―Valkyria System Start Up―』ピシィッ!

ありす「システム起動完了。レーヴァテイン1番2番、前方GS型の群れに照準。移動開始と同時に発射します」パシュウンッ!

志希「みんな聞こえるー? 後で戻ってくるから死なないでねー」

ピピピッ!

フレデリカ『おー!』

ありす「レーヴァテイン発射! ではP少佐、この場はお任せします。フレイヤ艦速度上げ、移動を開始します」

P『了解した。そちらも気をつけろよ』

……
…………
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:23:40.86 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域

千秋『HCW-721、フラガラッハTを展開。翠さん、行くわよ!』ガションッ!

翠『はい! ニュージェネレーション隊もお気をつけて!』ドシュウウウウウンッ!


卯月『はいっ! って、安部中尉がまだ……』

ドドドドドドドドドドッ!!

菜々『呼ばれて飛び出てなんとやら! ARGT-R4、到着しましたよ!』

智絵里『お、お待たせしました……』

凛『ようやく来た……艦隊の進行に合わせて、私たちはキツイところに回るんでしょ?』

菜々『はい! メイン火力はウサミンロボが担当しますので、みなさんは抜けてきた白蜂の相手をお願いしますね!』

未央『りょうかーい。はー、黒川少佐も水野中尉も、ウサミンも揃って武闘派過ぎる……』


……
…………
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:24:21.51 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域

奏「マニューバ合わせて、H03に切り替えるわ。美嘉、フレデリカ!」

フレデリカ『びゅーん!!』ガションッ!

美嘉『ちょっと、しっかりやってよ!』ドシュウウウンッ!

周子「2匹誘導するよ、3連装誘導ミサイルランチャー、ニフルヘイム……!」ボシュシュシュンッ!

GS型「!!」

GS型「!!」ギュンッ!!

奏「直線機動で遅れは取らないわよ……! このっ!!」ギュオオオオオオオッ!!

ズドォンッ! ズドォンッ!

GS型「……!」ヒュカカカッ!

美嘉『そこ! やああああああっ!』ギュオオオオオッ!

シュパアアアアアンッ!!

GS型「……」ブ、ブブブ……

ドガアアアアアアンッ!!
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:24:54.77 ID:Z4U2Y4iu0
フレデリカ『もう1匹……ってあれ?』ピピピピピッ!

GS型「……!」ブブゥゥゥゥゥンッ!

フレデリカ『うわっ、こっちまだ来てる!!』

奏「このっ――」


ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

GS「……」

GS「……」

ドガアアアアンッ!

奏「今の複数砲撃……ウィングバインダー……」ハッ!

ピピピッ!

加蓮『気を付けてよ。私あんまりコレ得意じゃないんだから』

フレデリカ『危なかったー……』

奏「ありがとう、助かったわ」

加蓮『蘭子みたいに上手く使えればいいんだけど……』ガションッ!


……
…………
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:26:23.26 ID:Z4U2Y4iu0
――フレイヤU(ブリッジ)

ありす「こちらは問題ありません。宙域を走り回ることにはなりますが、S-02へ向かった後はそちらの負担のほうが増すかと」

『向こうの艦隊が陽電子砲を打ち込んでくれれば何とかなります。頼みますよ、向こうはもたついているみたいですから』

ありす「はい、申し訳ありませんがよろしくお願いします」ピッ!

志希「巣から白いの追加―。えーっと、数、数……G型16、GS型28。多いねー」

ありす「……」

志希「やばいねーありすちゃん。ん、どしたのありすちゃん?」

ありす(戦闘開始から15分、大規模の巣でこの白蜂の数であれば進行が困難なのは仕方がないとして、進行艦隊の巣との距離はまだ5200……)

ありす(クイーンの出現を想定して通常よりも後方から展開したとはいえ、これでは進行が遅すぎる……)

志希「ありすちゃーん?」

ありす「一ノ瀬博士、空間構成情報の取得を。フィールドジェネレータの状態も確認してください」カタカタカタカタッ!!

志希「え? いいの? じゃやるよ」カタカタカタッ
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:26:59.99 ID:Z4U2Y4iu0
ありす(白蜂の展開状況……巣の規模は想定通りとはいえ、現時点での交戦状況としては思った以上に陽動部隊に白蜂が食いついていない……)

ありす(Pさんたちの戦闘……いえ、それでも間もなく混戦状態になる……そろそろ前線部隊を拾わないとS-02との合流が……だけど、進行部隊の白蜂の数が……)

ありす(混戦……)ピクッ!

ありす「VPS-001、VPS-002小隊!」ピピピッ!

P『どうした』

奏『こっちはギリギリまで白蜂を引き付けてから移動でしょう? もう少し――』

ピピッ!

ありす「合流ポイントを指定します! そこから早く移動して下さい!」

ナオ『なんだ、どうした!?』

ありす「S-04、S-05、聞こえますか、前線部隊を下げてください!」

S-04艦長『どうした、まだ進行部隊の進みが遅いぞ!』
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:27:55.80 ID:Z4U2Y4iu0
ありす「こちらが誘われています! 弾幕を展開して今ならまだ――」


キィィィィンッ!


ありす「しまったっ!?」ビクッ!

フレデリカ『メッセンジャー! 聞こえる、クイーンだよ!』

ありす「聞こえています! このタイミング、とは言えませんがそれでも狙われたとしか……!」

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

志希「追加の次元断層……! しかも今度は……巣の目の前って、ちょっとみんな!」

ありす「空間転移が――」


……
…………
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:28:24.46 ID:Z4U2Y4iu0
――ノルンS-02(メインブリッジ)

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

時子「出てこないと思っていたら、今更……しかもこの距離は……!!」

「空間転移です! 断層レベル……10、映像出ます!」

フォンッ!

女王『……』


時子「チッ……! この状態は……粒子減衰ミサイル、発射しなさい!」

「クイーンとの距離4000……前回戦闘時のクイーンの粒子砲の射程圏内に入っています!」

「クイーンの周辺に高エネルギー反応、粒子砲です!」

時子「さっさとしなさい! 他部隊も、進行を……!?」

「か、艦長! クイーンの射線はこちらではなく……」


……
…………
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:28:53.25 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

P「S-02からクイーンの射線……狙いはこっちか!?」

ナオ『くそっ、この状態で……クイーン!!』

加蓮『ナオ!』

美嘉『アイツ……!!』

P「全員GN形態に移行して下がれ! しつつ交戦中の白蜂には弾幕、捕まるな!」ガションッ!



女王「……」ギ、ギ、ギギギギ……

キィィィィン……



フレデリカ『ダメ、クイーン!!』
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:29:33.02 ID:Z4U2Y4iu0

女王「……!!」

ギュドォォォォンッ!!!!

ドドドドドドドドドドッ!!!!


周子『ううううううっ!?』ギュオオオオオオッ!!

フレデリカ『美嘉ちゃん!』

美嘉『くぅっ……!』

P「前線部隊が……後方は!? ありす!!」


ドガアアアアアアアンッ!!!!


……
…………
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:30:58.36 ID:Z4U2Y4iu0
――フレイヤU(ブリッジ)


ピーッ……


ありす「しまった……!」ハァ、ハァ、ハァ……

志希「やっば……ちょっと、この状況……!」カタカタカタッ

ありす「艦の状況……破損個所は……動けますが、粒子砲には当たらなかったとはいえイージスを最大展開したせいで出力が……」ピピッ!

ピピッ!

ピピピピッ!

ありす「いえ、それよりも前線の部隊の被害が……ヴェール艦隊の反応……SN-13以降の射線に入っていた艦の反応がまとめて……S-04も……!!」ガンッ!

ピピピッ!

P『ありす、無事か!!』

ありす「P少佐……こちらは、右舷ブロックが一部損傷しましたが動けます。ですがS-04周辺で展開していた前線ヴェール艦が4隻まとめて……S-04も避けきれなくて出力機構が軒並みやられたみたいです。航行不能とのことです」ピッ、ピッ……


キィィィィンッ!


P『こちらもやられた……射線上にいたNGF小隊はまとめて落とされている。この状態では前線の維持が出来ん』
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:31:24.09 ID:Z4U2Y4iu0


ピピピッ!

琴歌『ありすちゃん、大丈夫ですか!?』

桃華『クイーンがそちらのほうに……このままではそちらが持ちませんわよ!』

ありす「わかっています! ですがS-04が動けない状態です。S-05がフォローに回るか、S-04の乗員の退避が完了するまではこちらも動くに動けません!」

ピピッ!

志希「うげっ! ありすちゃん、巣からまた出てきてる。G型8、GS型13……」

ありす「くっ……前線、各VPS小隊はS-04の退避が完了するまで前線を維持、後退する場合は近くのヴェールからの援護を受けてからにしてください」


キィィィィンッ!


奏『でも維持って、この状態だとそもそも前線が持たないわ!』

加蓮『まだ下がれないでしょ! 弾幕貼って、少しずつ後退するよ! 他艦の予備部隊が出るまでは粘らないと!』
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:32:21.09 ID:Z4U2Y4iu0

ありす「合流ポイントについては取り消します。こちらで直接拾いにいきますのでそれまではお願いします」

ありす「S-05聞こえますか。フレイヤは穴になった前線のフォローに向かいます」ピピピッ!

ありす「大破及び航行不能になった艦については他の艦で対応してください!」ピッ!


志希「ええっ、もっと前出るの!?」

ありす「ここで足の速さを使わないでどうするんですか! それにみなさんを拾いにいかなければならないでしょう!」


キィィィィンッ!


ありす「くっ……さっきからずっと、この感覚が……!」

……
…………
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:33:09.73 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域

ナオ『くそっ、LiPPSは前に出るな! 体勢が崩れている各小隊のフォローに回れ!』ズドォンッ!!

奏『私たちだってキツイわよ! この状態だと……くっ!』ギュンッ!

P「GNS-042、051……7小隊分が落ちたのか! だがそれよりもヴェールの被害のほうが……!」ガションッ!

G型「!!」ドシュシュシュッ!

P「貴様!」ギュオオオオオオッ!

ドガガガガガッ!

G型「……」ブ、ブブ……

ドガアアアアアンッ!!

P「完全に立て直せなくとも、まずは被害の大きい前線部隊のフォローに回らねば……ナオ!」ギュオオオオオオオッ!!

ナオ『ああ、このままじゃマズイ!』

加蓮『Pさん、ナオ!』

P「北条少尉はLiPPSと合流だ。俺とナオはドッキングして対応する!」


女王「……」ギギギギ……


――キィィィィンッ!!!!


P「っ!?」ドクンッ!


……
…………
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:33:35.24 ID:Z4U2Y4iu0



キィィィィンッ!!!!

ナオ「くっ……こ、この感覚……いや、この前感じた……だけど、それ以上に……ぐっ、う……」


P『ぐっ……あ……がっ、あああああああ!!!!』


ナオ「Pさん!?」



……
…………
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:34:10.47 ID:Z4U2Y4iu0
――フレイヤU(ブリッジ)


P『があああああああっ!!!!』


ありす「Pさん!?」

美嘉『何、どうしたの!?』

奏『少佐!?』


P『あ、頭、が……こ、この、声……あああああああっ!?』

ありす「Pさん、Pさん!!」

志希「ちょっと待って、カレの……!」カタカタカタッ!

ピッ!

志希「ウソ……誰の負荷軽減も受けてないのに、そもそもヴァルキュリアシステムも起動してないのにバイタルが異常値に……!」カタッ……

ありす「そんな……Pさん、そこから退避してください! Pさん!」


……
…………
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:35:28.13 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域

P「なん、だ……この、声は……違う、お前たちでは……」ハァ、ハァ、ハァ……


女王「……」ギ、ギギ……


P「お、まえが……俺、を……」

GS型「!!」ズドォンッ!!

ドガアアアンッ!!

P「がああっ!?」

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

ありす『Pさん! 下がってください! Pさん!』

ナオ『ダメだありす! あたしも、変な感覚が……加蓮、Pさんを連れて後退しろ! 早く!』

加蓮『う、うん! Pさん!』ギュンッ!

ナオ『くそぉ、このままじゃ!!』ボシュシュシュシュッ!!

ドガガガガガガガァンッ!!


……
…………
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:36:11.38 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域


ナオ「お前らの相手ばかりしてられないんだよ!」ズドォンッ!

G型「!?」ギュンッ!

ナオ「ガンダルヴ・ミニオンで!」ガショガショガションッ!

ドシュシュシュッ!

G型「……!」ドガアアアアアンッ!!


『GNS-053小隊、反応ありません!』

『ヴェール全艦、予備のNGF小隊はすべて出せ! 被害の大きい前線の穴埋めを急げ!』

『進行部隊はどうした! クイーンが前に出ているからこれ以上進んでいないのか!?』


ナオ「くそっ、このままじゃあ……」ハァ、ハァ、ハァ……
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:36:47.06 ID:Z4U2Y4iu0


加蓮『Pさん、動けるなら下がって! 早く!!』

P『ぐ、あああああ……』

美嘉『コイツらあああああああ!!』

奏『ダメよ美嘉、前に出過ぎないで!』

周子『ちょっとそんなに飛ばれると援護できないって、あかんって!』

フレデリカ『クイーン……どうして……』



ナオ「くそっ、くそっ……!」ハァ、ハァ……

ナオ「やっぱり、あたしだけじゃ……だけど、あたしがやるしか……!」ハァ、ハァ……



ナオ「みんなの、分まで――」ドクンッ!!

キィィィィンッ!!




ピピッ!

……
…………
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:37:14.68 ID:Z4U2Y4iu0
――フレイヤU(ブリッジ)

ピピッ!

ありす「これは……!」ピッ!

フォンッ!


ありす「こちらの前線に向けての陽電子砲の射線……グングニル……まさか!?」



ピピピピピッ! ピピピピピッ!


……
…………
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:39:35.34 ID:Z4U2Y4iu0
――戦闘宙域


ズドドドドドドドドドドッ!!!!


G型「!!」ドガアアアアンッ!!

GS型「!?」ドガアアアアンッ!!


奏『この状況で後方からの援護!?』

周子『でも今のうちに立て直しとかんとあかんって!』




加蓮「なに、陽電子砲!? どこのヴェールが……」

ピピッ!

加蓮「新しい識別コード? え――」


370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:40:17.55 ID:Z4U2Y4iu0



加蓮「どう、して……」

ナオ『この、感覚はまさか……』



ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……


『NGF-3N-SD SecondDriver』



加蓮「奈緒……?」


……
…………
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:40:48.76 ID:Z4U2Y4iu0





奈緒「……!」




……
…………
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 23:41:16.57 ID:Z4U2Y4iu0
今日はこれで終わります。
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/13(火) 04:50:44.45 ID:4JPrINI90

盛り上がってまいりました
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/13(火) 06:44:32.30 ID:vTtxLcGxo
ヒーローは遅れて現れる
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/13(火) 08:46:37.57 ID:DO7PICg0O
この英雄って前作までエロゲーやってハハッてたんだぜ
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:44:02.08 ID:PM31JiPH0
――戦闘宙域後方、フレイヤ(ブリッジ)


『―Valkyria System Start Up―』


文香「指定区域の到着に合わせて、複合ミサイル発射管1番から20番のアルヴァルディを前方GNS-032小隊と戦闘中の白蜂の群れに発射……」

文香「21番以降のアルヴァルディは前面にばら撒き弾幕を貼ります。弾幕を展開しつつ光波推進システム用ハイパーブースターを全機停止……回頭しつつフレイヤUの代わりにフォローに回ります……」

楓「はい、はい……アルヴァルディ発射……着弾確認、残りで弾幕っと」カタカタカタカタッ!

美優「宙域のノルン艦隊……増援に来ました。識別コードを登録願います……S-04、S-05の戦闘に参加します」

文香「続いて……直線距離上で提示した各ポイントでハイパーブースターを2機ずつ……6機切り離します」

楓「え、もうシステム使わないで捨てちゃうんですか? 怒られませんか?」

文香「切り離したハイパーブースターはレーヴァテインで爆破し、白蜂を巻き込みます……爆破範囲については各NGF小隊に展開してください……」ピッ、ピッ!

ピピピッ!

ありす『フ、フレイヤですか……どうして……!』

文香「ありすちゃん……はい、ホクドウでハイパーブースターを8機ほどお借りしました……ギリギリ、追いつけたようで良かったです」

ありす『い、いえ……そういう話ではなく、どうしてここまで……3N-SDも……』

文香「お話は後で……状況については、私たち全員……システム起動済なので、把握しています。Pさんの回収を……お願いします」

楓「ハッチ開放完了。アインフェリア、出撃お願いします。気を付けてくださいね」

……
…………
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:44:45.79 ID:PM31JiPH0
――フレイヤ、カタパルト(機体内)

美波「Pさんの機体反応を見つけ次第2人は向かって頂戴。混戦中だから気を付けて!」

夕美『うん! 藍子ちゃん、フレイヤUがPさんを回収するまでは私たちで食い止めるよ!』

藍子『はい、必ず……こちらも出撃準備完了しました!』



美波「了解、NGF-VS23CSX、新田美波行きます!」ガションッ!



……
…………
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:45:38.63 ID:PM31JiPH0
――戦闘宙域

G型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!


奈緒「Pさんの位置……加蓮が向かっているか」カタカタカタッ!

G型「!!」シュシュシュッ!

奈緒「針か! そんなものに!!」ギュオオオオオッ!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

G型「!」ギュンッ!

奈緒「くっ、G型の数が多い……!」

ピピピピピッ!

ドガガガガガガァンッ!!

奈緒「ビフロスト!? これは――」

ピピピッ!

ナオ『奈緒、ドッキングだ!』ギュオオオオオッ!!

奈緒「……ああ、行くぞおおおおお!!」ガションッ!!


「「合体!!」」

プッピガン!!

379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:46:05.74 ID:PM31JiPH0
奈緒「お前たちは……!」

ガションッ!!

『―Valkyria System Start Up―』 ピシィッ!

パシュウンッ!!

G型「!!」ギュンッ!

G型「!!」ギュンッ!

奈緒「どうして、まだこんなことをするんだ!」

ナオ『ターゲットロック……バルムンク発射!』

ドガガガガガァンッ!

ナオ『奈緒、今はこの状況を何とかするのが先だ。他部隊が落とせないG型に切り込むぞ!』

奈緒「兵装は……ソード!? デュランダルがない……」

ナオ『あの時折ってから帰っただろ』

奈緒「そういやそうだった……ソードを展開する!」ジャキンッ!

奈緒「待ってろ、加蓮、みんな……!!」ドシュウウウウウンッ!

……
…………
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:46:36.19 ID:PM31JiPH0
――戦闘宙域

菜々「P少佐……!」

凛『安部中尉! こっちの動きは!』

菜々「っ! ナ、ナナたちはこのまま進行します! クイーンの動きが止まっているうちに、巣を壊しますよ!」

未央『アインフェリアのみんながこっちに来てくれるなんて……!』

卯月『お願いします、P少佐を!』

ピピピッ!

千秋『向こうの被害がこれ以上大きくならないうちに、私たちのほうも急ぐわよ!』

翠『ええ、P少佐を助ける為にも……!』

菜々(楓さん、美優さん……Pさんを……)

……
…………
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:47:03.95 ID:PM31JiPH0
――戦闘宙域

加蓮『ウィングバインダー展開……バルムンク!』ドシュシュシュシュッ!

GS型「!」ギュンッ!

G型「……!」ヒュカカカッ!

加蓮『くっ、この数じゃあ……Pさん……!』

P『う……ぐ、うううう……!』



藍子『Pさんの反応……加蓮ちゃんも同じ場所にいます!』

夕美「リフレクトパックSの反射装甲板展開、イージスフィールド最大出力……!」カタカタカタッ!

GS型「!!」ヒュカカカッ!

ドシュシュシュッ!

藍子『今は、来ないでください!』ドシュゥンッ!

GS型「!?」ドガァァンッ!

夕美「加蓮ちゃん、Pさん!」ギュンッ!
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:47:51.27 ID:PM31JiPH0
加蓮『夕美!? 藍子も、どうしてここに!?』

藍子『奈緒ちゃんと一緒に追いかけてきました。早くPさんを……!』

GS型「!!」ズドォンッ!

夕美「フレイヤU、ありすちゃん! Pさんの周りは3人で抑えてるから、早くこっちに来て!」ドガァンッ!!

ピピピッ!

ありす『向かっています。ですが、この混戦で艦が損傷した状態だと……!』

美波『大丈夫よ。構わずに行ってPさんをお願い……白蜂はらこっちで対応するわ!』

ありす『ですが! 前線が崩れている状態で奈緒さんと美波さんが向かっただけでは――』



愛梨『大丈夫です!』



……
…………
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:50:53.90 ID:PM31JiPH0
――フレイヤ、カタパルト(機体内)

蘭子「起動チェック、全システム疎通確認。標準兵装リスト更新」カタカタカタカタッ!

晶葉『初回稼働がこの状況ですまないが頼むぞ。シミュレーター通り火器管制と機体制御についてはドッキング機と同様に立ち回ればいい』

愛梨『はい、任せてください!』

蘭子「機体制御は私が……愛梨ちゃん、ヴァルキュリアシステムを!」

愛梨『はい、蘭子ちゃんと2人で一緒に……ヴァルキュリアシステム接続確認、起動しますっ』


『―Valkyria System Start Up―』 ピシィッ!

パシュウンッ!!


楓『進路確認、出撃可能です。シンデレラガールズ、出撃お願いします』


愛梨『はいっ! NGF-F-VPS13フォートレス、発進しますね」

蘭子「……うむ、我が新しき翼、偶像の象徴と融合した第3形態……ブリュンヒルデ! 今、目覚めよ!」ドシュウウウウンッ!


……
…………
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:51:19.39 ID:PM31JiPH0
――戦闘宙域

G型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!

美波「貴方たちとは分かり合いたい……だけど、命を守るために、今は剣を!」ガションッ!

美波「お願い、クイーンと一緒に下がって!」ギュオオオオッ!!

シュパアアアアンッ!

G型「……」ブ、ブブ……

ドガアアアアアンッ!!

美波「必ず……必ず、会いに行くから……だから!!」


奈緒『美波!』

蘭子『漆黒の雷!!』

ドシュウウウウウンッ!!


美波「砲撃……奈緒ちゃん、蘭子ちゃん!」


385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:51:47.58 ID:PM31JiPH0

奈緒『美波、お前たちは……アインフェリアは、なるべく戦うな。ここはあたしたちで……!』ジャキンッ!

蘭子『P少佐を助けたらフレイヤUと一緒に先に離脱してください。巣は他のノルン艦隊のほうで対応してますから』

美波「ええ……でも、私たちは守られるだけじゃない……Pさんを、みんなを守るために来ているのよ」グッ……!

美波「奪われる命があるなら、私たちは守らなきゃならないの!」ガションッ!

愛梨『ナオちゃん、索敵データを共有してください!』

ナオ『分かった。FFと索敵データ共有、ターゲットロック……!!』ピピピピピッ!

愛梨『フルウェポン展開、高圧縮粒子砲リントヴルム照準……バーストします!』

ナオ『バスター!!』

ズドドドドドドドドッ!!!!


……
…………
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:52:51.47 ID:PM31JiPH0
――戦闘宙域

ありす『夕美さん!』

夕美「ありすちゃん……こっちだよ! 藍子ちゃん加蓮ちゃん、Pさんを連れて先に!」

藍子『はいっ!』

ありす『イージスを艦全体に展開します。搬入口を開けますのでそちらからお願いします』

加蓮『Pさん、しっかりして、Pさん……!』

P『……』

GS型「!!」ズドォンッ!

夕美「ここは絶対に通さない……2人とも早く!」ドガァンッ!


藍子『Pさんの機体、回収終わりました!』

ありす『こちらも確認しました……3人もこちらに』

加蓮『夕美は藍子と一緒に戻って。私は……奈緒を……』ガションッ!

夕美「……うん、分かった。加蓮ちゃんも気を付けて!」ギュンッ!

ありす『回収完了。S-05、フレイヤUは後退して弾幕支援を行います。前線のフォローはフレイヤが対応します』

加蓮「ナオ……奈緒……!」


……
…………
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:53:22.65 ID:PM31JiPH0
――戦闘宙域

ピピピッ!

奏「フレイヤとP少佐が後退……損傷しているとはいえ、この状況だと……!」ギュンッ!

美嘉『このっ! 死ね! 死ね!!』ズドォンッ!!

GS型「!?」ドガアアアアアンッ!!

周子『落ち着いてってば! 出過ぎだって!』

フレデリカ『クイーン……』

美嘉『……アイツが』

奏「美嘉?」

美嘉『アイツが、アイツが来たから、こんな……!!』ガションッ!


女王「……」


美嘉『アイツ……アイツが!!』ギュオオオオッ!!

フレデリカ『っ!? ダメ、美嘉ちゃん!』ギュンッ!

ガコンッ!

美嘉『ア、アンタ……! 何やってるの、邪魔! どいて!』
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:54:20.96 ID:PM31JiPH0
フレデリカ『違う、違うの! クイーンは、クイーンは……』

奏「いい加減にしなさい美嘉! フレデリカも!」

フレデリカ『クイーンは、アタシたちの――』

美嘉『アンタは!』ジャキンッ!

周子『ちょっと、アカンって!』

奏「やめなさい!!」ギュンッ!

フレデリカ『――!』

ドシュゥンッ!

奏「フレデリカ――ああっ!?」ドガァンッ!

美嘉『……!』ビクッ!

フレデリカ『あ……奏、ちゃ……』

奏「くっ……」ガコンッ!

美嘉『あ……あ、あ……』

周子『何やってんの! 奏ちゃん、大丈夫!? 奏ちゃん!』

奏「……」

周子『奏ちゃん!』
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:55:07.55 ID:PM31JiPH0

奏「……ええ」



『弾幕展開急げ! 艦を後方に下げろ!』

『前線のNGF小隊、こちらの艦に取り付いている白蜂がいる! 戻ってこい!』

『この前線の混戦状況で……でも艦が……戻らないと――』

ドシュゥンッ!!

『!?』



奏「……ホント、馬鹿みたい」


……
…………
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:56:05.62 ID:PM31JiPH0
――ノルンS-02(メインブリッジ)

「艦長、前線ヴェール艦隊と巣の距離3000、ノルン艦隊3500です!」

時子『陽電子砲振フルングニル、準備しなさい!』

「照準合わせます。クイーンについては――」

ピピピッ!

文香『お願いします。クイーンに陽電子砲は……今ここでクイーンを撃ってしまえば、他のビーや白蜂も……可能な限り、巣のみを……』

琴歌『この状況ではアインフェリアもプランV3を実行できません。今は女王様には下がって頂くしかありませんわ!』

時子「チッ……クイーンに当てないよう巣に照準を合わせなさい。ヴェール艦隊の陽電子砲の発射後、他ノルンと同時に砲撃しなさい!」

「ヴェール艦隊、陽電子砲を発射……着弾確認、ノルン陽電子砲フルングニル発射します!」


……
…………
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:56:53.67 ID:PM31JiPH0
――戦闘宙域

奈緒「後はこの群れを……!!」ギュオオオオオオオッ!!

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

ナオ『ビームウィング出力低下……機体を振り回し過ぎて駆動系がもう……!』

奈緒「それでも!!」ヒュカッ!

ズバアアアアアッ!!

G型「……」ブ、ブブブ……

ドガアアアアアアアンッ!!


バキィッ!

奈緒「くっ……右腕部稼働停止、ソード破損……CG形態の移行不能……!」

GS型「……!」ギュンッ!

ナオ『ダインスレイヴ!』ズドォンッ!

ドガアアアアアアンッ!!

愛梨『奈緒ちゃん、3NーVPOはもう無理です! 下がってください!』

奈緒「愛梨、だけど――」

ピピッ! ピピッ!
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/14(水) 23:57:48.38 ID:PM31JiPH0
美波『S-01からの全軍通知……巣の破壊完了……』

奈緒「巣……そうだ、クイーンは!?」


女王「……」

キィィィィィンッ!!


蘭子『空間転移……帰っていった……』

ナオ『残っている白蜂も、散っていったか……コンディションイエロー……それでも、とりあえずは終わったか』

ピピピッ!

加蓮『奈緒! ナオ!』

奈緒「加蓮……」

加蓮『よかった……奈緒、本当に……』

ナオ『あたしたちも、戻るか』

奈緒「……ああ」


……
…………
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/15(木) 00:01:20.61 ID:i2652Tc+0
――戦闘宙域跡

周子「戦闘終了……終わり……か」

美嘉『……』

フレデリカ『……』

ピピピッ! ピピピッ!

志希『お疲れ様。みんな帰ってきていいよー。ありすちゃんいないけど多分大丈夫』

周子「……そっか。それじゃあたしたちも戻ろっか」

奏『……』

周子「……はぁ」


……
…………
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/15(木) 00:02:13.90 ID:i2652Tc+0
>>357訂正

――戦闘宙域

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

P「S-02からクイーンの射線……狙いはこっちか!?」

ナオ『くそっ、この状態で……クイーン!!』

加蓮『ナオ!』

美嘉『アイツ……!!』

P「全員GN形態に移行して下がれ! 後退しつつ交戦中の白蜂には弾幕、捕まるな!」ガションッ!



女王「……」ギ、ギ、ギギギギ……

キィィィィン……


フレデリカ『ダメ、クイーン!!』
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/15(木) 00:02:47.09 ID:i2652Tc+0
今日はこれで終わります。
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/15(木) 00:19:57.32 ID:mTZXH6sro

役者が揃うと終盤だなと実感する
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/15(木) 11:13:32.66 ID:UqzD3+bmo
ラスボス2戦前くらいだな
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 18:36:33.50 ID:f0o7GLxd0
――奈緒の世界、事務所(晶葉の研究室)

晶葉「奈緒は無事に行くことができたか」

晶葉「……ああ、そうだな。また完全にそっちの世界と同期が取れている状況ということは、クイーンがまた出てきたということだからな。こちらも気付くさ」

晶葉「奴の空間転移で生じた大規模な次元断層、そこで発生した空間の穴を捕捉しなければ現状、世界の行き来が出来ん」

晶葉「そちらで進めている次元跳躍の技術が導入されれば問題なくなるんだがな。すまないが奈緒を頼む。次にこちらに戻ってこれるタイミングもいつになるか分からないからな」

晶葉「おっと……そうだ加蓮、何か奈緒に話しておきたいことはないのか? 向こうの私に伝えておけるのも、通信が繋がっている今のうちだぞ」

加蓮「ううん、特にないよ」

晶葉「いいのか? まあ、本人がいいというならそれでいいが……」

加蓮「ちょっと、寂しいけどね。だけど、奈緒だもん。奈緒だから、私の傍に帰って来てくれるから……私は、待ってるから」

……
…………
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 18:37:00.81 ID:f0o7GLxd0
――ナオの世界、フレイヤ(格納庫)

晶葉「ああ、とりあえずは間に合った。奈緒が来てくれなければ、戦力は足りなかっただろう」

晶葉「こちらも色々とよろしくない状況でな。特に何もなければ今回はこれで通信を切るぞ」

晶葉「……ああ、任せろ」

晶葉「ちゃんと奈緒はこちらで面倒を見る。わざわざ戻ってきてもらったんだ、それくらいはさせてもらう」

晶葉「ではな。次の機会には良い報告が出来るようにしておく」

ピッ!

晶葉「……」



奈緒『晶葉、あたしをそっちに送ってくれ! 今ならまだ間に合う、みんなが戦っているのに、あたしだけここで見ているわけにはいかないだろ!』

奈緒『向こうの世界だけの問題じゃない、いつかあたしたちの世界だって……だから、まだ間に合うなら!』



晶葉「……そうだな。本当に、お前の言う通りだよ、助手」

ピッ、ピッ!

晶葉「だが、それでも私はその選択を取る。奈緒を巻き込むことになったとしても……お前たちが最後に望んでいる物の為に」


晶葉「私にはそれしかできない。そうだろう? 麗奈……嫌な役を押し付けられたものだ」


……
…………
………………
……………………
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 18:37:26.06 ID:f0o7GLxd0
――???


――ここは……?


奈緒『おーい、早く行こう。レッスン遅れるって』


――ナオ……いや、奈緒、か。


加蓮『ゴメンゴメン、ロッカーにジャージ置いたままだったのすっかり忘れちゃってて』

凛『もう、レッスン行くのにジャージ忘れないでよ。ほら、行こう』

加蓮『はいはい、奈緒がアタシのことを首をながーくして待ってるしね』


――加蓮、凛……ここは、奈緒の世界か?


P『ほら台本、一応色分けはしておいたけど、全員分の台詞入ってるから間違えないで喋ってくれよ』

美波『はいっ、明日までには確認しておきます』

藍子『台本分は大丈夫、かなぁ……フリートークの部分、どうしましょうか?』

ありす『直近のお仕事のお話はどうでしょうか?』

夕美『あ、それなら話のネタ作りにいかない? カラオケとか……ボーリングとか!』

文香『ボ、ボーリング、ですか……? その、あまり……激しい運動をするのは……』


――皆……それに、俺もいるのか。

――これが、奈緒の住む世界……平和な、世界……俺も、俺たちの、世界も……。


……
…………
………………
……………………
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 18:37:54.26 ID:f0o7GLxd0
――1ヶ月後、ホクドウ、軍病院(病室)


ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……


P「……」

美優「……P、さん? Pさん……!」

P「美優……」

美優「よかった……本当に、間に合って……」ギュッ……

P「ああ、すまなかった……戦闘、は……」

美優「だ、大丈夫です。クイーンは帰っていきました……いまは、私たちもホクドウに戻って……」

P「……そうか」

美優「いま、先生にコールを掛けますから、少し待っていてください。みなさんも、心配していましたよ」

P「……奈緒は」

美優「え?」

P「奈緒は……来ているのか……」

美優「……はい、Pさんを、みんなを……助けてくれました」

P「……そうか」

……
…………
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 18:38:30.93 ID:f0o7GLxd0
――ホクドウ、港、フレイヤ(ブリッジ)

美波「艦外装全修理、専用ステージ交換、メインエンジン交換、積層イージスも交換、捨てたハイパーブースター分の費用も上乗せ……はぁ」

夕美「緊急時だったけど、ちょっと無理し過ぎちゃったね……」

ありす「当たり前です。ノルン1隻に4機積む想定で作られた光波推進システム用のハイパーブースターを8機積んで飛んでくるなんて……積層イージスだけで艦がバラバラにならなかっただけマシです」

文香「一応、ホクドウで換装中に……耐久値や、限界稼働時間の試算をしてから、動かしましたから……」

美波「護衛についてくれたヴェールや、オート・クレールのスタッフを乗せたモリアンは置いていくしかなかったけれど……とりあえず、結果的には良かったわ」

藍子「ステージとエンジンの交換も終わって、外装修理ももうすぐ完了ですし、後は積層イージスを積んだら完了ですね」カタカタカタッ!

ありす「干渉装置が効いていた時期を挟んだとはいえ、さすがにここ最近の戦闘では一番の被害でしたからね。S-04は長距離航行プランから外れるそうです」

美波「仕方がないわね。大破したヴェールも回収はされたけれど、プランに編成されていた艦の修理は間に合わないわ」
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 18:38:58.71 ID:f0o7GLxd0

ピピピッ!

藍子「はい、こちらフレイヤです」ピッ!

楓『お疲れ様です。本部の会議、終わりましたよ。農業プラントから切り離した栽培ブロックをモリアンに積んで、増援のノルン艦が到着したらプラン実行になりました』

美波「そうですか……そうなるって思っていました。私たちのほうは、準備できています」

文香「あとは……ありすちゃんも含めて、動きを合わせれば終わりですので」

ありす「ですが、Pさんがまだ……」

楓『それなら、ついさっき美優さんから連絡ありましたよ。目が覚めたそうで……私も向かいますから、今のうちにお見舞いに行ったほうがいいですよ』

藍子「ホントですか!? 良かったぁ……」

夕美「今日はみんな待機してるよね? 奈緒ちゃんたちに連絡してからPさんのところ行こっか」


……
…………
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 18:39:27.79 ID:f0o7GLxd0
――ホクドウ、軍病院(診察室)

晶葉「これが戦闘中のお前のバイタルデータの推移だ」ピッ!

P「……ヴァルキュリアシステムを起動した際の、皆の推移とは少し違うな」

志希「そりゃそうだよ。システム起動してなかったんだから。それに、キミの体がシステム負荷に耐えれる限界間近だからって、通常飛行で問題が起きることじゃないし」

P「ではフラッシュバックか?」

晶葉「いや、それも違う。これまでの、どの症状とも一致しない」

晶葉「考えられることは1つ、お前が……システム適性を持つアインフェリアと近い状態になっていることだ」

晶葉「恐らくは、ヴァリアントやリサーヴでみんなのシステム負荷を受け持ったのが原因か……」

晶葉「ともかくクイーンや白蜂たちの声らしきものが聞こえたということならば、それしか考えられん」

P「……俺の体は、まだ持つのか?」

志希「多分大丈夫じゃない? 機体のECMフィールドには手入れるんだよね?」

晶葉「ああ。前回戦闘時のデータを見て、新型にも同様の調整を加える。これで戦闘自体は問題なくなるはずだ」

P「そうか。それならいい」
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 18:39:54.87 ID:f0o7GLxd0
志希「にゃははっ! ま、キミなら動けるだけで十分か♪」

晶葉「それなら話は終わりだ。後でこれまでの状況や対応内容については纏めて端末に送ってやる。少し休め」

P「いや、休むのはもういい。少し体を動かしたい」

晶葉「お前……!」

P「奈緒が戻ってきたんだろう?」

晶葉「……ああ。クイーンの空間転移で大規模な次元断層が発生して、向こうの世界と通信が出来るようになったから、私が呼んだ」

P「奈緒が自分から、こちらに来るとも言ったんだろう」

志希「バレてるバレてる」

P「いいさ。来てくれたのなら……奈緒には、その意志があるんだろう」

P「それならあいつを守ってやれるように、俺ももう少しは鍛えておかねばならん」

晶葉「……そうだな」

P「皆には、フラッシュバックの症状が出たと話しておいてくれ。志希も、上手く誤魔化しておいてくれ」

志希「りょうかーい」

晶葉「……」


……
…………
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 18:40:21.44 ID:f0o7GLxd0
――ホクドウ、軍病院(病室)

藍子「本当に大丈夫ですか? まだ、お休みになったほうが……」

P「さすがに1ヶ月も寝てしまうと、逆に体が痛くてな。プランの実行も間近だし、もう退院して仕事に戻ったほうがいい」

文香「ですが……また、戦闘で同じようなことになっては……」

P「それについては、志希のほうで前回の戦闘から抑制剤の投与内容を見直してくれると話をされた。次からは大丈夫らしい」

美波「もうっ、それならいいですけど」


夕美「着替えこれで全部? 他の荷物は……」

楓「あ、そこの引き出しに私が持ち込んでいたビールが……」

美優「び、病室にお酒持ち込まないでください……」
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 18:41:13.99 ID:f0o7GLxd0
ありす「本当に仕事のことばかり考えているんですから……」

P「そういうものだ……ありす、城ヶ崎少尉はどうした?」

ありす「……ひとまずはフレイヤUの空き部屋を営倉代わりにして入ってもらっています。アルヴィスに自動転送された戦闘の映像記録は、大佐に話して削除してもらいましたが」

P「そうか、その対応なら良かった。プロジェクトで採取されたデータは全て一度、秘匿階層に転送されてるから大丈夫だと思うが」

ありす「あなたならそうすると思いましたから。とはいえ、美嘉さんのNGFがフレデリカさんの機体を狙って射撃、奏さんが割り込んで損傷……さすがに私も見過ごしたくはありませんが」

夕美「フレデリカちゃん……」

P「ありすの部下だものな。だが、今回はダメだ。俺のほうで任せてくれ」

ありす「……構いません」

藍子「あの、Pさん……やっぱり、城ヶ崎少尉のこと……」

P「後悔をして欲しくないだけだ。少尉にも、フレデリカにも……それに……」

ピピピッ!

P「俺だ」ピッ!
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 18:41:41.75 ID:f0o7GLxd0
加蓮『あっ、Pさん! もう……整備長から聞いたけど、起きたなら私たちにも連絡してよ』

P「すまん。起きてすぐに検査があってな。アインフェリアの皆は来てくれたんだが……」

加蓮『こっちはありすもフレイヤに行ってて忙しいんだから……あ、奈緒、Pさん起きたって。代わる? ちょっと待ってて』



奈緒『Pさん』

P「奈緒……す――」

奈緒『大丈夫、また一緒に頑張ろう。それは聞き飽きたから……さ』

P「……そうか、分かった。俺が寝ている間に状況は把握したと思うが、それほど余裕のある状況ではない。頼むぞ」

奈緒『ああ』

加蓮『みんなでお見舞い行ったほうがいい?』

P「いや、もうそろそろで引き上げる。もう十分寝たからな」
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 18:42:08.57 ID:f0o7GLxd0
加蓮『そっか。それじゃ凛たちにも連絡しておくね。フレイのほうで作業してるみたいだから』

P「そうだったか……フレイのほうにも後で顔を出しておく。プランの準備作業を優先してくれ」

加蓮『はーい』

P「LiPPSはどうしている?」

加蓮『美嘉は部屋に入れたまま。フレデリカはどっか行っちゃった。奏と周子は、ナオと格納庫に行ってるけど……』

P「速水少尉には、作業が終わったら会議室で待機していてくれと伝えてくれ。フレデリカも、見つけたら俺が探していたと話しておいてくれ」

加蓮『ん、分かった。それじゃ作業戻るね』

ピッ!

P「よし、では戻るか。ありすはフレイヤでの作業が落ち着いているなら俺とフレイヤUに戻るぞ。他の皆はフレイヤでの作業に戻ってくれ」

……
…………
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 18:42:35.52 ID:f0o7GLxd0
――フレイヤU(ブリッジ)

パシュンッ!

P「すまん、今戻った」

ありす「こちらのほうは大丈夫ですか?」

加蓮「あっ、Pさん! ありすも、お疲れ様」

P「長いこと空けてしまったが、大体の話は楓さんと晶葉から聞いている。進捗はどうだ?」

加蓮「艦の破損個所の修理は一通り終わったかな。あとは全体整備と、修理したNGFの調整。整備長はフレイヤのほうに行ったよ」

P「大体は完了しているか。フレイヤのほうが作業は遅れているか……」

ありす「奈緒さんはどうしましたか?」

加蓮「ちょっと前に格納庫に行ったよ。ナオの様子見てくるって」

P「そうか……」

……
…………
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 18:43:48.30 ID:f0o7GLxd0
――フレイヤU(格納庫)

奈緒「……」

ナオ「まあ、仕方がないさ」


P「奈緒!」


奈緒「Pさん……!」

ありす「お疲れ様です。こちらにいると聞いて様子を見に来ました」

加蓮「どうしたの、2人揃って?」

奈緒「いや、うん……コイツがさ」

P「3N-SDか」

ナオ「整備長もさすがにお手上げだってさ。3N-SDは関節駆動系全部イカれて、右腕は肩から吹っ飛んだし、背面パーツも壊れたし」

ナオ「VPSPは立体機動に耐えられなくてビームウィングも壊れて、フレームも歪んで……晶葉に作り直してもらうほうが早いってさ」
557.42 KB Speed:0.2   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)