【ミリマス群像劇】最上静香「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」

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37 : ◆17z5a1JMEs [saga]:2017/12/24(日) 03:14:57.34 ID:tCiOWLnR0

『今日の天気は快晴です――』

奈緒ちゃんが今のラジオでも、近い未来においても、ひどい目にあうのが目に浮かんだからだ。
律子ちゃんの方からくしゃりという音が聞こえてくる。
目を遣ると律子が視聴者からの手紙を握りつぶしていた

律子「何が、こんにちは。ラジオネーム横山奈緒です。職場の先輩から怒られない方法を教えてくださいだ〜!!」

『街では引ったくりの被害が数多く――』

奈緒ちゃんは殉教者だ。笑いに生きて、笑いに殺される。

私の携帯に着信がある。莉緒ちゃんからだ。

このみ「あら、莉緒ちゃん、どうしたの?」

莉緒『このみ姉さん。実は大変なのよ!』

まずいわ、まず過ぎるわよ!と莉緒ちゃんの焦る声が聞こえる

このみ「それはまずいわね」

何がまずいのかはわからなかったが、私は取り合えず話を合わせることにした。

莉緒『実は、プロデューサー君が転職活動をしているのを見ちゃったのよ!』

このみ「え、嘘でしょ!それは本当にまずいじゃない!」

莉緒『実は局近くの大きな共同ビルからプロデューサー君が出てくるのを見ちゃったのよ』

このみ「ああ、確かにあのビルには芸能関係の企業は入っていないわね。でもそれだけで転職活動と決めつけるのは早計よ」

そうよね、プロデューサー、と今はこの場にいないプロデューサーの机に目を遣る

莉緒『そうかしら……違うのだったらいいんだけど』

このみ「ああ!!」

莉緒『このみ姉さん!どうしたの!!』

このみ「もしかして、本当に転職活動かもしれないわ……」

莉緒『ええ、でもそれは早計だって……』

このみ「今プロデューサーの机の上に見つけたのよ!『転職のすすめ〜過労で倒れるその前に〜』って本を!」

莉緒『ええ!?』

律子「いえ、それは私の参考書籍――」

このみの大きな声に耳を傾けていた律子はこのみの誤解を正そうとするが――

このみ「やばい。やばいわ!!」

混乱状態のこのみの耳にはその言葉が届くことはない

莉緒『こうなったら作戦会議よ!』

このみ「そうね!今晩居酒屋に集合よ!」

莉緒『場所は私に任せて、いいところがあるの!あと念のため宴会グッズも用意しておくわね!』

このみ「ええ、緊急時だもの。念のためお願いね。それじゃ!」

電話を切ったこのみは「あらやだ、もうこんな時間。」と言って事務所を後にした。

律子「だから違うっつーの」

誰もいない事務所に律子に吐き捨てるような声が響く。

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