ハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!」 キョン「驚愕、だな」

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213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 22:27:05.62 ID:mHjF+z+rO
>>211
そこに携帯あるじゃろ?
Googleがあるじゃろ?
あとはわかるな?
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 15:12:41.91 ID:vWr+1daw0
四時ごろ投下―
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 15:20:27.04 ID:0CLai88y0
待ってます!
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 15:57:59.26 ID:vWr+1daw0
投下―
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 15:58:22.75 ID:TMO7g7dAO
リアタイwwktk!
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 16:03:04.50 ID:WDdZZMyvo
やった
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 16:04:40.09 ID:vWr+1daw0

β


ハルヒ「ダメだわー!! 有益な情報が見つかんなーい!!」

キョン「んな簡単に見つかるかよ」ペラ

ハルヒ「……」ムスッ

キョン「ふむふむ……」ペラ

ハルヒ「!」ピコーン

ハルヒ「そうだわっ!」ガタッ!

キョン「なんだ急に。忙しいやつだな」

ハルヒ「アレよアレ! 何かを見つけるってなったらアレしかないじゃない!!」

キョン「探偵○イトスクープ?」

ハルヒ「違うわよ!! もっと身近な、SOS団と言えば! みたいなのあるじゃない!」

キョン「……不思議探索?」

ハルヒ「ピンポーン!! 大正解!! はなまるあげるわよ!!」

キョン「……ハルヒ、別に不思議探索が嫌とか言う訳じゃねえが、そんな当てもなくブラブラすんのはな―――」

佐々木『話は聞かせてもらった』ブォン!

キョン「うわっ! んだこれ、ホログラム?? 何してんだお前」

ハルヒ「ね、ね! ミラも良いと思うでしょ? てかむしろ真っ先にすべきだったのよ!!」

佐々木『ハルヒさんの言ってることはさておき』

ハルヒ「おかないでよ!!!」

佐々木『キョン、なにも当てもなくブラブラとするだけが不思議探索じゃないよ』

キョン「当てがあるとでも?」

佐々木『ないこともないさ』

キョン「ほんとかよ……まぁ、いいんだけどよ」

ハルヒ「決まり!! それじゃ早速計画を立てなきゃ!!」

佐々木『それじゃ僕は授gおnnn戻どどどどdddddd』ザザッ!

キョン「うぉっ!! 佐々木がバグったぞ!!? どうなってんだこれ!?」

ハルヒ「その状態の時はたまにあるわ、気にしなくていいわよ」

キョン「慣れすぎだろ……」
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 16:08:32.86 ID:vWr+1daw0

放課後


古泉「失礼します。遅くなりました」ガチャ

朝比奈「あっ、古泉くん。今お茶入れますね」

長門「おかわり」

ハルヒ「遅いわよ古泉くん! 世界記録を出すつもりで走って来るのよ!」

キョン「学校サボったやつが偉そうに」

古泉「吃驚しましたよ。急に『今日休む!』と連絡が来たものですから」

ハルヒ「優先順位が違うのよ!」フフン!

古泉「それで、今は一体どのような話に?」

佐々木「一樹くん、次の休日に不思議探索をする運びとなったよ」

古泉「ほう、不思議探索ですか。なるほど」

キョン「ある程度資料を読ませてもらったんだが、正直ピンとくるモンは無かった」

ハルヒ「で、あるならば! きっと外界に何かしらのヒントが隠されてるのよ!! ゲームでは大体そうじゃない!?」

キョン「ゲーム扱いすんじゃねえ」

佐々木「で、どこに行こうかと会議していたところさ」

ハルヒ「あたしの直感ではね!! 駅の地下50mぐらいにね! 異空間に繋がるでっかいでっかい穴―――」

佐々木「それは今度確かめさせてあげるよ。なんなら今、直接見てきてもらってもいいかい?」スッ!

ハルヒ「うっ……う〜ん……うぅ……い、いや、遠慮しとくわ」

キョン「探求と常識の天秤で、常識が勝ったみたいだな」

佐々木「キョン、行きたい場所はキミが決めるといい」

キョン「俺がか?」

佐々木「なに、難しく考えなくていい。何かを探し出そうと思わず、キミの足の赴く方へ行けばいい」

佐々木「きっとそこに、キミの求める答えが…………あったりなかったりするだろうから」

キョン「えらいフワッとしてんな、おい」
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 16:14:03.91 ID:vWr+1daw0

ハルヒ「あたし的にはね、この辺が怪しいと思うのよ!!」

朝比奈「公園の近くですか?」

古泉「なにかお心当たりでも?」

ハルヒ「風の噂じゃ幽霊が出たとかなんとか言われてた時期があったのよ!!」

朝比奈「ひぃっ!!」

古泉「ほう、それはそれは」

長門「興味深い」



ワイワイ



キョン「賑やかなこって」

佐々木「懐かしいだろう?」

キョン「……まあな」

佐々木「安心していいよ。キミはきっと元の世界へ帰れる」

キョン「あん? その根拠は?」

佐々木「僕の勘さ」

キョン「……そりゃいいな」ハッ

佐々木「だろう?」

ハルヒ「キョーン! 一応あんたの行きたいとこについてってあげるけど、あたし的おすすめポイントも教えといてあげるわ!!」

キョン「ったく、あまりめちゃくちゃなトコ勧めんじゃねえぞ」

佐々木「……願わくば、この光景をずっと見ていたかったけど―――」

キョン「このボーリング場、バッティングセンター、雀荘ってお前がただやりたいだけだろ」

ハルヒ「まさかバレるなんて!! 侮りがたし!!!」

キョン「当たり前だろうが」

佐々木「―――そういうわけにも、いかないんだろうね」
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 16:19:41.60 ID:vWr+1daw0












佐々木「ほう。ここが僕の、いや涼宮さんの閉鎖空間かい」












佐々木「なんというか、味気の無い空間だね」

橘「佐々木さんの閉鎖空間であってますよ」

佐々木「確かに、この味気の無さは涼宮さんより僕らしいね」

佐々木「しかし橘さん、今僕にはこの閉鎖空間を発現させる『力』は残っていないんだよ?」

橘「あたしが侵入することができるのは佐々木さんの閉鎖空間だけだからです」

佐々木「ふぅん……」

藤原「どちらでもいいことだ。計画の邪魔が入らない空間であるならばな」

ハルヒ「……スー」

橘「そうです。さあ、いきましょう佐々木さん」

佐々木「あぁ、そうだね」

藤原「部室というのはどこに―――」

橘「ええ、こっちに―――」

佐々木「…………まずは」クルッ






ズズズッ!






藤原・橘「「ッ!!??!?!?!?」」

佐々木「くつくつ……こうなる、か」
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 16:23:22.97 ID:vWr+1daw0

α






キョン「何故っ、こうなる……!?」






ハルヒ「いつまで言ってんのよ。それとも何? 有希に大食い負けたことの方を言ってんの?」

長門「いい試合だった」

朝比奈「キョンくん、しっかりエスコートしてあげてくださいね」クスッ

古泉「紳士のマナーですからね」

ハルヒ「ちょっとちょっと二人共!! 別にデートって訳じゃ無いかんね!! 今更だけどそこんトコ分かってる?」

古泉・朝比奈「「もちろんです」」

ハルヒ「……ならいいけど。キョン! あんたも目的は不思議探索にあることを忘れちゃダメよ!! それと!」

ハルヒ「ヤスミちゃんもよ!!」ビッシィ!





ヤスミ「はいっ! もちろんですっ! 必ずや!!!」





ヤスミ「不思議を見つけて参りますっ!!」ニヘラッ

ハルヒ「……めちゃ顔が緩んでるけど」

ヤスミ「ハッ! し、失礼しました! 今一度気を引き締めて、決してデートなどではないことを……フフ」ニヘラッ

朝比奈「かわいいなぁ!」

ハルヒ「不安だわ……いくらクジで2人組になったからって……3人組にすべきだったかしら?」

古泉「まあまあ、少なくとも彼はこの状況に浮かれているようには見えませんから」

ヤスミ「先輩先輩っ! どこ行きますか!? どこに不思議があると思いますっ!?」グイグイ!

キョン「だ、だってく、クジがよ……く、くく、クジ……クジがぁ」ガタガタ!

ハルヒ「因果応報!!?!? 回り回ってあんたがクジをトラウマになってんじゃないの!!!!!」ガガーン!

長門「懐かしい」
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 16:27:20.31 ID:vWr+1daw0

ハルヒ「そんじゃ午後4時に駅前集合ね!! みんな遅れちゃダメよ!」

ハルヒ「特にあんたたち二人!!」ビシッ!

ヤスミ「はいっ! 決して遅れずに戻ってきます! ね、先輩っ」

キョン「俺、門限午後3時だし、適当に帰っ―――」グイッ!

ヤスミ「それじゃあ行ってきます! 先輩方!!」

ハルヒ「う、うん。気をつけてね」

ヤスミ「ではっ!」ダッ!

キョン「おぉおぉおぉお離せ離せ、自分で歩―――」

ヤスミ「わあっ! あっちこっちから面白そうな気配がしますねっ、先輩!」

ハルヒ「……大丈夫かしら?」ソワソワ

長門「問題ない。我々も行くべき」

朝比奈「そうですよ。キョンくんと一緒ですし」

古泉「むしろそれは不安要素のような……ですがまぁ、杞憂でしょう」

ハルヒ「……それもそうねっ! じゃ行くわよ有希っ! みくるちゃん、古泉くん! また後でねっ!」

長門「また」

古泉「はい、ではまた後で」

朝比奈「また後でー」

古泉「では、僕たちも行きましょ―――」



ドガーン!!! ワー! センパーイ!



朝比奈「……」

古泉「……一刻も早く、この周辺から脱しましょうか」
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 16:31:29.46 ID:vWr+1daw0

キョン「げほっ、いきなり何の爆発に巻き込まれたんだ俺は……」

ヤスミ「あっ、そうだ!」クルリンッ!

キョン「だから言ったんだ。嫌な予感がす―――」

ヤスミ「先輩っ、どうですか? あたし?」パッ!

キョン「……どう、とはなんだ?」

ヤスミ「今日のあたしを見て、ですよ! 私服ですよ私服!」

キョン「ん、ああ……」

キョン「春っぽい」バーン!

ヤスミ「やったー!! 先輩に褒めてもらえましたっ!」ワーイ!

キョン「今のって褒め言葉なのか?」

ヤスミ「何を隠そう、この服装のテーマが春なんですから!」

キョン「へー、そりゃどうでもいいこって」

ヤスミ「さっ、先輩行きましょう!!」

キョン「どっか行きたいとこでもあんのかよ?」

ヤスミ「特にはっ! ただブラブラとするのもいいじゃないですかっ!」

キョン「ハルヒが聞いたらなんて言うかね……」

ヤスミ「こっちですっ! 行きますよせんぱーい!!」タッタッタ!

キョン「ま、いいか……」

ヤスミ「早く早くー!!」タッタッタ!

キョン「前見て走れ」シュン!

ヤスミ「あうっ!」ドンッ!
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 16:33:35.04 ID:vWr+1daw0
ここまでー
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 16:44:49.27 ID:3OE4TnNI0
おう、次回も楽しみにしてるせ
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 17:00:12.31 ID:0CLai88y0
楽しみにしてますよ
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 17:39:39.57 ID:WDdZZMyvo
乙です
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/22(日) 20:35:36.53 ID:D6/MPu8Z0
冨樫仕事しろ
谷川仕事しろ
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/23(月) 05:12:36.38 ID:NItusCva0
信じてるからな
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/25(水) 16:49:15.15 ID:oGMIM/b9O
やすみの心は読めないんだっけ?
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/26(木) 21:52:58.39 ID:Q1DvPQt9O
以下好きなシーンあげてけ
消失で佐々木登場したとこ
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/26(木) 21:57:16.63 ID:rCBgHpBfo
他所でやれ
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/27(金) 20:26:47.46 ID:r9b10c1RO
wkwk
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/29(日) 09:59:21.49 ID:SNflxNIb0
全く関係なくて申し訳ないけれども
キョンたち4人がループの解消のためにハルヒをいろんな方法で[ピーーー]んだけれども結局解消されなくてついでにハルヒもいなくなってっていうキョン発狂
みたいなSSのタイトル知ってるやついない?
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/29(日) 10:19:11.02 ID:d1720HpLo
他所で聞け
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/29(日) 10:35:00.91 ID:zlot0BKg0
>>236
ageカスってホントゴミだな[ピーーー]よ
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/29(日) 11:18:01.92 ID:SNflxNIb0
>>237
他所ってどこにも雑談スレなんてないやんけ!
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/29(日) 11:54:50.23 ID:d1720HpLo
>>239
悪かった、言い直す
消えろ。ここも雑談スレじゃねーよ
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/30(月) 04:08:38.13 ID:Jvp+QLK+O
>>236
5bhにでも行って帰ってくんな
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/01(火) 01:13:13.66 ID:vO9TZd7T0
釣れるかな?
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/05(土) 18:32:54.19 ID:LQOOltZz0
19時までにはとうかー
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/05(土) 18:53:46.70 ID:LQOOltZz0
とうかー
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/05(土) 18:59:08.23 ID:LQOOltZz0

α


ヤスミ「はい先輩あーん!」

キョン子「あーん」アー

ヤスミ「あー……どちら様っ!!?」ガーン!

キョン子「ングング……キョン子だが?」

ヤスミ「初めまして!? あわわ、6人目の先輩でしたかっ!?」

キョン子「幻の6人目さ」

キョン「ところで」スッ

ヤスミ「きょ、キョン子先輩っ!!?」ゴシゴシ

キョン「キョン子はお帰りになられた。んでヤスミ、俺たちゃ一体何してる?」

ヤスミ「スイーツを食べてますっ! 食後のスウィーツ!」

キョン「悪かったな。whatじゃなくwhyだった。何故こんなことをしてる?」スッ

ヤスミ「あーっ! あたしのイチゴがー!」

キョン「さっきは食わせてきたくせに」モグモグ

ヤスミ「……何故こんなことをしてるか、ですか?」

キョン「ハルヒにゃ、決してデートじゃないからと釘を刺されただろう」

ヤスミ「はい! ですからこれはデートじゃないですよ?? デートじゃなくてですね……」

ヤスミ「………………」

キョン「ヤス―――」

ヤスミ「いえ、やっぱりこれはデートですっ! そう、デートと言えば『あーん』じゃないですか!?」

キョン「ああん? なんだ急に開き直って―――お?」グイッ

ヤスミ「行きましょう先輩っ! 時間は有限ですっ! お支払いは済ませておきましたっ!」ダダダッ!

キョン「お、悪いな」ズズズッ

ヤスミ「先輩の財布から!!」

キョン「スられておいたのさっ!!」バァーン!
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/05(土) 19:03:55.16 ID:LQOOltZz0

ヤスミ「ええっと……どこに行きましょうか!? 遊園地、動物園、水族館……」ウーン

キョン「アホ。仮にも不思議探索中だということを忘れんなよ。それに」

キョン「何故デートにこだわる。いや、何故俺にこだわるんだ、お前は」

ヤスミ「分かりませんか?」

キョン「ああ、分からん」

ヤスミ「フフ。それは先輩が先輩だからですよ」

キョン「どういう意味だよ」

ヤスミ「そのままの意味です!」

キョン「……やれやれ」パチン



パアアアァァッッ



ヤスミ「う、わぁ…………!!!?」

キョン「どうだ? 満天の夜空に輝く星、宙を遊泳する魚群に、走り回る動物たち」

ヤスミ「すごい……素敵、これも先輩が……!?」

キョン「まっ、こんなこともできる程度の力さ」

ヤスミ「綺麗……すごいです先輩っ」

キョン「……そりゃよかった。それじゃあよ、この素敵な空間で―――」

キョン「少し話そうぜ、ヤスミ」

ヤスミ「…………いいですよっ、先輩」
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/05(土) 19:08:26.38 ID:LQOOltZz0

キョン「あれがオーロックス。あっちはドードー、ティラノサウルスに二ホンオオカミ」

ヤスミ「絶滅した動物に恐竜まで!!? よくご存じなんですね!」

キョン「俺はまぁ、実際に見てきたしな」

ヤスミ「あー……」

キョン「というか、そうか。特にお前に俺のことを話したことはなかったな」

キョン「勝手に俺のことを知ってるもんだと思ってたからさ」

ヤスミ「そうですね。先輩から先輩のこと聞いたことはないです」

キョン「でも、お前は俺を知ってる」

ヤスミ「……ええ、知ってます」

キョン「それは、お前が…………」

ヤスミ「……」

キョン「…………『涼宮ハルヒ』だからか?」

ヤスミ「…………」

キョン「…………」

ヤスミ「……フフ。何言ってるんですか先輩。『あたしはわたぁし』です」

ヤスミ「団長ではないですよ」

キョン「……そうか」

ヤスミ「そうですっ」

キョン「…………」

ヤスミ「あ、メガロドンですかね!? あれ!」
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/05(土) 19:12:30.90 ID:LQOOltZz0

ヤスミ「あれがデネブでアルタイル……ベガは……」エート

キョン「……ヤスミ。俺はさ」

ヤスミ「はい」

キョン「元々、自分が特別な人間なんだ。って思いこんでた」

キョン「こんなことできる力を持つやつなんて他にいなかったからな」

ヤスミ「はい」

キョン「同時に、特別であるが故に俺は1人なんだ、って考えていたんだ」

キョン「誰にも理解されない、繋がりを持たない世界にとっての不純物。それが俺」

キョン「だが、そんな考えを吹き飛ばす存在が現れた。そいつの名は……」

キョン「佐々木」

ヤスミ「……」

キョン「俺と同じような『力』を持ち、なんらそれを特別でないと言い切った」

キョン「変なやつだ。一言で言えばな。けど、俺はそいつに救われた」

ヤスミ「……」

キョン「結局のところ、寂しかったんだろうな。自分で勝手に1人なんて思いこんでおいて」

キョン「自分自身を特別じゃないと思えるようになってからは、そりゃ気が楽だった」

キョン「周りの人間と同じように、生きてることを楽しんでいいんだ。それだけを楽しめたんだ」

キョン「そして、佐々木と共に長い永い時を歩み―――別れ」

ヤスミ「……」

キョン「涼宮ハルヒに、SOS団に出会えたんだ」
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/05(土) 19:17:25.76 ID:LQOOltZz0

キョン「面白い連中だろ? SOS団のやつらは」

ヤスミ「……フフ。それはもう、とっても!」

キョン「だろ。あいつらと馬鹿やってんのは楽しいんだよ」

キョン「超能力者だろうが宇宙人だろうが未来人だろうが、『力』を持ってようがなかろうが……」

キョン「万人を受け入れ、巻き込み、どでかい迷惑をかけつつ、楽しませてくれる存在。それが」

キョン「涼宮ハルヒだ」

ヤスミ「…………」

キョン「何を長々俺の人生を語ってんだと思ってるかもしれないが、ヤスミ」

ヤスミ「はい」

キョン「お前が誰であろうと……ハルヒに関係あろうとなかろうと」

キョン「お前を受け入れてくれる存在はここにいる」

ヤスミ「………………」

キョン「……俺が的外れなこと言ってんなら忘れてくれ。何しろお前の考えは読めんからな」

キョン「ただ、俺から見てお前はそういう風に見えたってことだけは、確かだ」

ヤスミ「……はい! ありがたきお言葉! 肝に銘じておきますっ!」

キョン「……」ポンッ

ヤスミ「わ! なんですか先輩っ!?」

キョン「……悪いな―――」スッ
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/05(土) 19:21:35.82 ID:LQOOltZz0

『あ―しは――――な――す!』

『―――そ―――ほど―――』



『―――だから―――を―――!』



『―――だ。―――そうは―――い』




『でも!―――は――――――う!?』






『―――違―――キミは―――……おっと』






『話し過ぎるのもよくないかな。そうだろう?』

『えっ?』












『親友』プツンッ
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/05(土) 19:27:18.25 ID:LQOOltZz0

キョン「―――……」

ヤスミ「……?」

キョン「…………あいつめ」

ヤスミ「あの、先輩?? あたしの頭に手を当てて何を……わっ!」

キョン「なんでもねえよ」ワシャワシャ

ヤスミ「わっ、わっ、わっ! なでなでタイムですか!? あたしを犬か何かだと思ってませんか!?」

キョン「鳥の巣頭だとは思ってた」

ヤスミ「ひどいっっ!!」ガーン!

キョン「さって、古今東西数多の生き物を堪能したことだし」スッ

キョン「次は、遊園地だっけか?」パチンッ!



パアアアァァッッ



ヤスミ「! すごいっ、すごいっ!! 先輩っ! なんでもできるんですねっ!!」

キョン「なんでもってわけじゃない。俺は俺がしたいことをするだけさ」

ヤスミ「じゃあじゃあ! ジェットコースター!! あれっ! 乗りたいです!!」

キョン「いいぜ。ただし、現存するコースターを遥かに凌ぐシロモノだが覚悟は出来てるか?」

ヤスミ「もちろんっ! 恐れをなしていては何も始まりませんっ!!」

キョン「大した度胸だな。んじゃ行くか」

ヤスミ「はいっ! それと、先輩」

キョン「うん?」

ヤスミ「一通り、この遊園地を楽しんだら……今度は」

ヤスミ「……最後は、あたしがとっても素敵な場所に連れて行ってあげますね!!」ニコッ!

キョン「…………そりゃあ楽しみだ」ニッ

ヤスミ「じゃ、とりあえず! ジェットコースター乗り場までワープをお願いしますっ!!」

キョン「おうヤスミ。どこでそんなこと覚えた? 何宮ハルヒに教わったんだ? え??」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/05(土) 19:28:10.03 ID:LQOOltZz0
ここまでー
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 20:42:07.86 ID:dXasYmoQ0
もう少し…もう少し…
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 20:42:42.57 ID:dXasYmoQ0
乙です
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 20:51:24.80 ID:fU+owUuQo
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 21:23:52.77 ID:tNs09W7Q0
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 23:11:48.71 ID:3ViQD3gCO
何宮ハルヒとはいったい何宮ハルヒなんだ乙
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 23:47:55.79 ID:gOntaRLdO
乙!
だめだ...先が気になる...気になる...私 気になります!
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 16:59:46.84 ID:dQx9/UIDO
おお、久々に見たら進んでる
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/14(月) 16:20:00.51 ID:iX96PiSP0
ンンッ……マ゜ッ!ア゛ッ!↑
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 13:27:18.59 ID:LjU79U7F0
短め、投下しますー
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 13:31:50.69 ID:LjU79U7F0

β


朝比奈「えっ? キョンくんの方の世界でも機関誌をつくったんですかぁ?」

キョン「まあ、一応文芸部の部屋借りてるので」

ハルヒ「へー! あたしたちも書いたわよ! 章ごとに担当をかえて長編小説を作ったの! 見る? はい!」

キョン「章ごとにって、それまとまりつくのか? どれどれタイトルは……」

キョン「『異世界開拓〜俺が魔王になって文明形成!?〜』……っ!!?!?!?!?」ガガーーン!

ハルヒ「なに驚いてるのよ? さては名作の予感に気圧されたわね!?」ニヤッ

長門「コアなファンも多く、ファンの総称を『開拓者』と言う」

キョン「知ってるよ!!!!!! こっちの世界でも!!?!?? どういう時空の歪み!!?!?」ガーン!






キョン「……うーむ」

古泉「おや、長考ですか? えらく早い段階ですね」

キョン「いや違うんだよ。古泉、おれは向こうの世界でもお前とこうしてボードゲームをしたりするが」

古泉「はい」

キョン「ここまで長く決着がつかなかったことはないんだ。それに違和感がなー」

古泉「まだ5手目ですよ!!? 将棋で5手で決着つくことなんてありますか!!?!?」

キョン「たぶん盤外戦術も影響してると思う」シュッシュッ!

古泉「場外乱闘!!?」ガーン! 
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 13:37:00.98 ID:LjU79U7F0

ハルヒ「だーかーら! ミラはねー―――!」

佐々木「やれやれ、ハルヒさん。あのね―――」

キョン「あの二人はしょっちゅうあんな感じですか?

朝比奈「ええと、まぁ……はい。あ、でもでも! 仲が悪いとかじゃないんですよ!」

キョン「じゃ一体なんであんな言い合いを……」

ハルヒ「絶対チャイナ服似合うって!! スリットから見える足とか激やばなはずよ!! だから着なさい!!! 団長命令よ!」

佐々木「ハルヒさん。団長は僕だし、似合うからといって無意味に服を着替えることもないよ」

キョン「(似合うことは否定しないのか……)」

ハルヒ「意味? 意味ならあるわよ!!」

佐々木「どんな?」

ハルヒ「あたしの眼福!!」フンス!

キョン「……いつもこんなしょうもない言い合いを?」

朝比奈「あはは……ええと、はい」






ハルヒ「いよいよ明日は不思議探索ね!! みんな! 準備はできてる!?」

キョン「遠足かよ。なんの準備がいるんだよ」

ハルヒ「心の準備に決まってるじゃない!! 何が起こるか分かんないんだから!!」

朝比奈「な、なにか起こるんですか?」

ハルヒ「なにかよなにか!! ねっ、ミラもそう思うでしょ!!?」

佐々木「そうだね。起こるといいね」

キョン「適当か」

佐々木「そうでもないさ」

キョン「……?」

ハルヒ「ってわけで! 明日の不思議探索、集合場所に時間通り集合!! 遅刻したら!」

ハルヒ「罰金だかんね!!!」
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 13:43:30.85 ID:LjU79U7F0

pipipipipipipipipipipipipipi


キョン「……zzz」

佐々木「おはようキョン、朝だよ。そして今日は待ちに待った不思議探索の日だ」

キョン「…………んぅ」

佐々木「さあ起きて仕度をしよう。集合場所へ遅刻した人は罰金というのは重々承知だろう」

キョン「……おぉ」

佐々木「やれやれ、困ったなぁ。いつまで経っても朝が弱いのは治らないらしいね」

キョン「…………z」

佐々木「起ーきーよーう、キョン。僕はキミの幼なじみでもお母さんでもないんだよ?」ユサユサ

キョン「……んん」

佐々木「親友ではあるけどね。っと、キョン。そろそろ独り言にも飽きてしまったよ」

佐々木「聞き上手なキミの相づちでもないと、これ以上舌も回りそうにない」

キョン「…………ぐぅ」

佐々木「……断眠法という言葉を知っているかい?」

キョン「」ピクッ

佐々木「眠るたびに寝坊するならいっそ初めから寝なければ―――」

キョン「……おはようございます」

佐々木「やあ。おはようキョン。目覚めはいかが?」

キョン「あぁ。夢見心地から一転、悪夢、もとい悪魔の囁きが聞こえたもんで目覚めはいいぜ」

佐々木「それは結構。さ、着替えて降りてくるといい。朝ごはんの仕度は終えてあるよ」

キョン「ありがとうお母さん」ボケー

佐々木「くつくつ。世話の焼ける親友だ」
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 13:49:04.79 ID:LjU79U7F0

キョン「いただきまぁす」

佐々木「召し上がれ」

キョン「…………」モグモグ

佐々木「さてキョン。いよいよ不思議探索当日と相成ったわけだけど……」

キョン「いよいよって程でもないだろう。そう都合よく何かが見つかるわけないさ」

佐々木「それはどうだろうか」

キョン「なに?」

佐々木「だってそうだろう? このインポッシブルな状況下でわざわざ確率論を信じることもない」

キョン「確率論なんかじゃない。むしろ、こんな状況下まで追い込まれていてそう易々と打破できるような―――」

佐々木「だからこそ、さ」

キョン「あん?」

佐々木「一見、脱出不可能な、絶体絶命な、背水の陣のようで、実は完全敗北をしてるのかもしれない」

佐々木「そんな状況下だからこそ、さ」

キョン「……俺が寝ボケてるだけかもしれんが、急になにを言い出すんだ佐々木。さっぱり分からん」

佐々木「ただの逆張りなんかじゃないよ。いいかい? 向こうの僕が僕と同じ考えをしているなら」

佐々木「キミが逆転できる一手はきっとこのタイミングで打てるようにしているはずなんだ」

佐々木「僕がそう望むように、『僕』はそう望むのだろう」

キョン「なんの確証が……僕は僕だからとかいうんじゃねえんだろうな?」

佐々木「おや親友。力は失ったんじゃなかったのかい? もしくは新たな力に目覚めでもしたかい?」

キョン「なに言ってやがる……で、ようするにお前はこう言いたいわけだ」

キョン「今日の不思議探索でおれは元の世界に帰れる。自分だったらそういう風にシナリオをつくる、と」

佐々木「どこの世界だって、ヒーローはそういうものなんだよ」

キョン「誰がヒーローだよ。おかわり」ズイッ

佐々木「はいはい。たんと召し上がれ」
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 13:53:42.82 ID:LjU79U7F0

キョン「お前だって、そう易々と元の世界に帰る方法は見つからない的なこと言ってたじゃねえか」スタスタ

佐々木「言ったね。もちろんそれも本心さ。向こうの世界にキミがいたんじゃなにかと都合が悪いらしいからね」スタスタ

佐々木「けどまぁ、どうやら耐えられなかったらしい」

キョン「なにがだよ」

佐々木「キミのいない世界にさ。キョン」

キョン「誰がだ」

佐々木「僕さ。おっと向こうの世界の僕だけどね」

キョン「…………な」

佐々木「何故わかると言いたそうだけど、別に分かっているわけじゃない。確証もない。ただ」

佐々木「そんな気がするだけさ」

キョン「…………そうかよ」

佐々木「当てにするもしないもキミの自由さ。僕としては、もっとキミといたかったとも思ってるしね」

キョン「……なんて答えりゃいいんだよ」

佐々木「くつくつ。さあね。なんと言って欲しいんだろうね」

佐々木「なにを望むんだろうね、僕は」

キョン「……自分でも分からんようなことを俺に聞くな」

佐々木「……違いない。悪かったね、おかしなことを聞いてしまって」

キョン「別に。昔っからお前は変な奴だっただろう」

佐々木「おや。キミがそれを言うかい?」

キョン「どういう意味だ。ったく……」
267 :名無し [sage]:2018/05/20(日) 13:54:16.40 ID:/7G5jMBL0
おぉ…リアタイ初めてだ…
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 13:58:48.38 ID:LjU79U7F0

キョン「お」

古泉「おはようございます」

朝比奈「おはよう、キョンくん、ミラさん」

佐々木「おはよう、みくるさん、一樹くん、有希さん」

キョン「おっす」

長門「……」コクリ

キョン「んで、ハルヒはまだか。まだ集合時間には余裕があるが」

古泉「直に来るでしょう。時間には正確な人ですから」

朝比奈「キョンくん。手掛かり、見つかるといいですね」ニコッ

キョン「……そうですね。簡単にはいかないと思いますが」チラッ

佐々木「いらっしゃったみたいだよ」スッ

ハルヒ「おーい! みんな揃ってるー!!?」ダダダッ!!

キョン「んな遠くから大声で……恥を知れっ恥を!!!!」クワッ!

古泉「あなたもですよね、それ」

ハルヒ「時間1分前!! セーフ!!!」ザザッ!

ハルヒ「待たせたわねっ!! じゃさっそく行くわよっ!! ついてきなさいっ!!」

佐々木「待ったハルヒさん。今日の先導役はあなたじゃないだろう?」

ハルヒ「あらっ? そうだったわね、それじゃキョン!! あたしのアドバイスした通りの場所に行くわよっ!」

キョン「バッティングセンターやら雀荘になど行かんぞ。ま、とりあえず」

キョン「ブラブラ行くとするか」

ハルヒ「SOS団!! しゅっぱーーつ!」

古泉・長門・朝比奈・佐々木「「「「ファイヤー」」」」

キョン「なんか知らんやつでた!?!!?」ガーン!
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 14:00:09.35 ID:LjU79U7F0
ここまでー
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/20(日) 15:53:00.93 ID:t1n9HTwJ0
これからも楽しみです
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 15:54:09.41 ID:t1n9HTwJ0
>>270
sage忘れ申し訳ない
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 15:54:42.73 ID:ZnqWfN1rO
もっと読みたい今回は短いと感じるのはなぜだ
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/21(月) 15:26:22.95 ID:Wy4IaZ0do
乙です
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/22(火) 14:19:00.09 ID:Pi+WE09p0
乙です!
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/22(火) 15:21:19.87 ID:Ij7nybybo
乙!
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/22(火) 20:01:31.62 ID:pw7LQtfUO

ふむふむ
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:17:22.64 ID:n5yV50aj0
投下しますー
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:22:39.36 ID:n5yV50aj0

β


キョン「そーれ、じゃん」

ハルヒ「けん!」

佐々木「ぽん」

キョン「佐々木の勝ちだな。てことでここは右だ」スタスタ

古泉「これでミラさん5勝、涼宮さん1勝、であなたが未だ勝ち無しですね」

朝比奈「ミラさん強いですねー」

ハルヒ「……ねえ」

キョン「どうした?」

ハルヒ「どうした? じゃないわよ! 今は何する時間だと思ってんの!!?」

キョン「不思議探索だろ? お前がアイデアを出したんじゃないか」

ハルヒ「その通り! 不思議探索よ! 間違っても分岐路の度にじゃんけんでいく方角を決めるゲームなんかじゃないわ!」

キョン「ブラブラするって言ったじゃないか」

ハルヒ「しすぎぃ!!!」ダンダン!

長門「落ち着いて」

佐々木「そうさハルヒさん、落ち着いて。この行動をとる理由があるのさ」

ハルヒ「理由? なによそれ」

キョン・佐々木「「楽しい」」

ハルヒ「ふざけんな!!」ガオォ!

朝比奈「ひえぇっ!!」

佐々木「やれやれ、まいったな。キョン、ハルヒさんを納得させるだけの理由を探してくれ」

キョン「適当に珍しいモンでもあてがえばいいんじゃないか?」

ハルヒ「動物にエサ与えるような感覚で言うな!!」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:27:54.11 ID:n5yV50aj0

ハルヒ「おいっしいじゃないのこれ!」

長門「美味」モグモグ

佐々木「喫茶店でケーキを食べたら機嫌が良くなるんだから」

キョン「あながちエサ与えてんのと変わんねえな」

ハルヒ「それとは別!! キョン、今日はあんたが行きたいとこ行く予定だから黙ってついてきたけどね!」

キョン「黙ってなかったよな? 古泉」

古泉「どうでしょう」

ハルヒ「この後もこんな感じなら、いよいよあたしの堪忍袋の緒が切れるわよっ!!」

キョン「そんなモンを持ち合わせていたことが驚きだ」

ハルヒ「ミラっ! あんたからも言ってやんなさい! なにか手掛かりになりそうなものがありそうなトコに行け、って!」

佐々木「例えば?」

ハルヒ「海、川、山!!! 都会から離れた大自然の中に不思議は潜むのよっ!!!」

キョン「なんだそりゃ……いつも都会でやってる不思議探索は一体なにを探し…………」



キョン「…………あ」



古泉「どうかされましたか?」

ハルヒ「なによキョン、フリーズして」

キョン「いや…………待てよ…………」

朝比奈「き、キョンくん??」

長門「…………」モグモグ

キョン「ハルヒ…………さっき言ったこともっかい言ってくれ」

ハルヒ「『ごちになりまーす!』?」

キョン「そんなこと一言も言ってなかっただろうが!!!! 情報改変するんじゃねえ!!!」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 18:27:58.40 ID:6T9Zba/rO
αもβもほのぼのしているがいつ崩れるか...
楽しみだ
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:32:21.38 ID:n5yV50aj0

キョン「どこに行きゃ手掛かりがあるって言ったんだ?」

ハルヒ「ボーリング場、バッティングセンター、雀荘?」

キョン「海、川、山!!! お前はそう言ったんだよ!! 大自然に不思議が潜むとかな!」

ハルヒ「い、言ったけどそれがどうしたのよ。あ、言っとくけどあたしがただ遊びたいだけじゃ―――」

長門「山」

朝比奈・ハルヒ「「えっ?」」

長門「山ならある」

キョン「あぁ、すぐそこにな」ピッ

ハルヒ「そこ、って……鶴屋山のこと??」

キョン「お前の言う通りならそこに不思議が潜んでんだろう?」

ハルヒ「え、あ、まぁ、そういうことになる、わね?」

キョン「登ろう」

ハルヒ「えっ!?」

キョン「そこに山があるなら、登るのだ」

ハルヒ「どこの登山家!!? ちょ、ちょ! 言っといてなんだけど、ホントに!? マジで!?」

キョン「マジだ、大マジだ。行くぞっ、ついてこい!」ザッザ!

ハルヒ「えぇええええ!!? ちょっと! 山の何があんたをそこまでさせるのよ!!? おーい!!」

朝比奈「や、山に登るんですかぁ!? わたし今日ヒール……」

古泉「何か覚えがあるのでしょうかね、彼には」

佐々木「……さあね」
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:36:39.34 ID:n5yV50aj0

キョン「ふっ、ふっ……」ズンズン!

ハルヒ「ふっ、へばってんじゃない? キョン?」ズンズン!

キョン「ぬかせ、まだまだ!」ズズンズン!

ハルヒ「こんのっ……!」ズズンズン!

古泉「お二方、少しペースが早……聞こえてませんね」

朝比奈「ふっ、ふぅ、ひぃ、ひぁ……!」

長門「頑張って」

佐々木「……」

キョン「……」ズンズン!

ハルヒ「んぐぐ……!」ズンズン!

キョン「ここっぽい」ピタッ

ハルヒ「んぎゃお!」ドツン!

古泉「やっと止まったみたいですよ」

朝比奈「ひ、ひえぇ……」

ハルヒ「き、急に止まんないれよ! 鼻打っちゃったじゃない!」

キョン「ここだ……」

ハルヒ「ここ? 少し開けたスペースだけどここに何が……あ」

佐々木「面白い形の石があるね。まるで―――何かを埋めた目印みたいに」

キョン「…………」
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:42:14.26 ID:n5yV50aj0

ハルヒ「確かに、ここ掘れば何か面白いモノが……みくるちゃん! 掘りなさい!」

朝比奈「ええっ!? す、素手でですかぁ!?」

古泉「シャベルか何かを持ってくるべきでしたね」

ハルヒ「古泉くん」

古泉「はい」

ハルヒ「スコップ、でしょ?」

古泉「これはこれは、失礼しました」

ハルヒ「で、キョーン! 結局あんたがここに来たかったのはこの岩が目的だったってわけ!?」

キョン「……」

ハルヒ「ねーってば!」

キョン「……この山の持ち主は誰だか知ってるか?」

ハルヒ「? そんなのつるちゃん家に決まってるじゃない。鶴屋山なんだし」

キョン「じゃいつから保有しているか知っているか?」

ハルヒ「さあ? 結構昔からなんでしょうけど……それがどうしたのよ?」

キョン「元禄時代ぐらいさ。当時の鶴屋家当主、鶴屋房右衛門の代から保有してる」

キョン「そして、鶴屋房右衛門の母親は……佐々木だ」

ハルヒ・朝比奈「「え˝˝っ˝っ!!?!?」」

キョン「俺のいた世界ではな。なにその汚い発音」

佐々木「……」
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:47:28.03 ID:n5yV50aj0

ハルヒ「あ、そうよね。あんたらは生まれ変わりとか何億年も生きてる系だもんね」

朝比奈「あ、新しすぎるジャンル……」

古泉「それで、話しの続きは?」

キョン「ああ。この山は房右衛門が家督を継いだ時に俺が買ってやったモンなんだが」

ハルヒ・朝比奈「「えっ˝˝っ˝っ!!?!?」」

長門「それはもういい」

キョン「ありがとう長門。まぁ、それも俺がいた世界での話なんだが、あーつまり何が言いたいってのはだな……」

佐々木「『激録!! 鶴屋房右衛門の秘密に迫る』。キミが思い出したのはこれだろう?」

ハルヒ「ん……あーっ! 資料で集めた時の雑誌のやつね!」ハイハイ

佐々木「キミはこれを見た時にある引っ掛かりを感じた。それが房右衛門の存在さ」

古泉「……なるほど。房右衛門氏はミラさんのご子息。つまりミラさんがいない世界には存在しえない」

長門「時空の連続性の証明?」

佐々木「に、近いね。山は鶴屋家所有のものなのに、この世界にキョンはいないんだから」

朝比奈「??? ??? ? ???」

ハルヒ「安心しなさいみくるちゃん。あたしもそんな感じだから」ポン

キョン「房右衛門が存在し、山を保有し、そしてこの岩だ」

佐々木「位相違いと言うところだね。この場は並行世界に保持されている」

古泉「………………なるほど。世界の基準点ということ、ですか」

ハルヒ・朝比奈「「なんで分かるの!!?!?!?」」ガーン!!

ハルヒ「も、もっと簡単に言いなさい!? キョン、つまり!!?」

キョン「つまり」

キョン「この岩の下に、房右衛門の埋めた何かが、この世界にもあるってこった」

佐々木「そして」

佐々木「それが元の世界に戻るための手掛かりになりうるかもしれないということさ」

ハルヒ「………………ほ」

朝比奈「ほ?」

ハルヒ「掘るわよーーーーーっっ!!!!!!」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:51:28.04 ID:n5yV50aj0

ハルヒ「いけー!! キョン! 古泉くん!!」

朝比奈「が、がんばってー」

長門「……」

キョン「掘るわよ、って言った本人は掘らねえのかよ、ったく」ザクザク

古泉「まあまあ、ミラさんにシャ……スコップを出していただいたからいいではありませんか」ザクザク

キョン「あ? シャベルだろ??」

古泉「……すいません」

佐々木「どうだい? なにか出てきそうかい?」

キョン「佐々木、アドバイスなら受け付けるぜ」

佐々木「そうかい? ならもう30pほど左を掘ってみればなにか見つかるかもしれないね」

キョン「だってよ古泉」

古泉「はい……」ザクザク

キョン「しっかしよ、佐々木」ザクザク

佐々木「うん?」

キョン「結局お前はどこまで知っていて」

古泉「……」ザクザク

キョン「俺に―――」



キィン!



ハルヒ・朝比奈「「!!!」」

古泉「これは……っ」

キョン「どうして欲しかったんだろう……な?」

佐々木「…………くつくつ。さあね」
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:55:25.04 ID:n5yV50aj0

ハルヒ「キョン! キョン!! 今の音!!」ガシッ!

長門「金属音」

キョン「ああ……ありやがったぜ、ちくしょう」ガシッ

ハルヒ「なにそれ? 何の延べ棒? 金じゃなさそうだけど」

キョン「こいつは……鶴屋さんの先祖が埋めた逆転アイテムさ。何の延べ棒かは知らん」

キョン「向こうの世界では埋めたまんまだったが……どうやら」

佐々木「起死回生を図るために必要なピースだったというわけだ」

キョン「ああ、未来の人間が指令によって俺からコイツを遠ざけていた理由が分かったぜ」

キョン「掘り起こすべきでない、ここになければならないモノだったんだ」

長門「世界の、基準点として?」

キョン「ああ、その通りだ。おそらく、こいつが持つ情報は『絶対の座標軸』」

キョン「ある地点から、どの時間、どの平面上にも、こいつは同一の場所に存在する」

古泉「ということは、これを使えば……」

キョン「元の世界に戻れるかもしれん」

朝比奈「や、やった!」

キョン「もちろん、それをやるのは……」

ハルヒ「ミラっ!!! できるの!!? いいえ、やり遂げなさい!!!」

佐々木「……ああ、可能さ」

ハルヒ・朝比奈「「やった!!」」

佐々木「ただし」

佐々木「今度こそ、この世界は消失することになる。それでもいいのならね」
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 18:59:35.82 ID:n5yV50aj0

キョン「おい、そりゃどういう―――」

ハルヒ「かまわないわ! やっちゃいなさい!!」

キョン「おい、お前、ハルヒ……」

長門「いい」

朝比奈「お願いします! ミラさん」

古泉「本懐を遂げられるのであれば、何の支障もありませんよ」

キョン「お前ら……なんで……」

佐々木「…………揃いも揃って即答かい。くつくつ、せめて理由ぐらいは伝えさせてくれるとありがたい」

ハルヒ「簡潔にね」

佐々木「ありがとう。さっきも言った通り、その謎の延べ棒を使ってキョンを元の世界に戻すことは可能だ」

佐々木「しかし、向こうの世界にキョン単体で回帰させることはできない。なぜなら」

キョン「……今の俺に力がないから、か」

佐々木「その通り。感覚的な意味合いが強いんだけど、今のキョンを1人で時空跳躍させることはかなり危険だ」

古泉「つまり。あなたもついて行く……ということでしょうか」

ハルヒ「ミラ……」

佐々木「……僕がこの世界を離れれば、時空間保持のバランスが瞬く間に崩れ」

佐々木「世界は崩壊する。確実にね」

ハルヒ・朝比奈・長門・古泉「「「「……」」」」

佐々木「……キョンの悪運に賭けて1人で向こうの世界に帰ってもらうのも選択肢の1つではある」

キョン「よし、それでいこう。おれは昔っから悪運が強くてな。むしろそれだけで生きて―――」

ハルヒ「ミラ、何度も言わせないでちょうだい」

ハルヒ「かまわないわ! やっちゃいないさい!! そんで」

ハルヒ「向こうの世界までしっかりキョンを送り届けること!! それが最期の団長命令よ!!」

キョン「…………ハルヒ」

佐々木「…………しかと、受け賜わったよ。団長」
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 19:03:32.28 ID:n5yV50aj0

佐々木「ではキョン、その延べ棒を……」

キョン「待ってくれ。何故、お前たちはそうまでしてくれる? 自分たちの存在すら失うことになるんだぞ!?」

ハルヒ「これも前に言わなかったかしら? あたしが存在する事実があれば『あたし』がどこにいようと関係ないってこと」

ハルヒ「元の世界にあたしがいるってなら、それが涼宮ハルヒ。それがあたしよ! 分かった??」

キョン「そんなこと……朝比奈さん、長門、古泉! 誰か反対する奴はいないのか?」

古泉「団長に賛成です」

長門「右に同じ」

朝比奈「わたしも賛成です」

キョン「な、なんでだよ……?」

古泉「逆に聞きますが、あなたの世界の我々は涼宮さんの意に反したことはありましたか?」

長門「そうでなくとも、これはわたし自身の意志」

朝比奈「行ってあげてください。キョンくん、いろんな人があなたを待ってる」

キョン「…………っ」

ハルヒ「ほら、ちゃっちゃと行きなさい! ミラ! あとはよろしくね!」ドンッ!

キョン「うおぁっ!」グラッ

佐々木「任されたよ」ガシッ!

ハルヒ「じゃあね!! キョン! あんたといたのは1週間程だったけど、楽しかったわよ!」ニッ!

キョン「ハルヒ……」

長門「楽しかった」

古泉「ええ。とてもとても」

朝比奈「ありがとう、キョンくん」

キョン「長門、古泉、朝比奈さん…………」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 19:07:52.88 ID:n5yV50aj0

佐々木「それじゃ行くよキョン―――みんなも、さようなら」

ハルヒ「あんたに言うことはないわ!…………っ、じゃあね!」クルッ!

朝比奈「す、涼宮ざぁん……ミラさん色々ありがどうございまじだ!」ビエェエン!

古泉「大変刺激的な日々をどうもありがとうございました」

長門「……行ってらっしゃい」

佐々木「ああ……ありがとう!」

キョン「……お、おれやっぱ1人で行った方が」

佐々木「離れないでくれよ。時間断層に落ちたくないならね」ギュ

ハルヒ「あ、キョン!!! 言い忘れてたけど!!」

キョン「っなんだ!?」

ハルヒ「あたしの言ったこと、忘れてないでしょうね!!?!?」

キョン「…………」






ハルヒ『……あんたは、元の世界のあたしをなにがなんでも助けなさい!』






キョン「…………っ!」

キョン「任せとけ!!!!」

ハルヒ「よろしい!! なら行ってきなさい!!!」

佐々木「行くよ――――――」パアァッ

キョン「あ――――――」

ハルヒ「――――――ばいばい、ジョン」












シュン!!!!
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/01(金) 19:09:06.36 ID:n5yV50aj0
ここまでーーー
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 19:14:16.41 ID:6T9Zba/rO
乙乙
ながとぉー(あと佐々木とハルヒと朝比奈さんと古泉ぃー)
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 19:51:01.73 ID:0qd+WqYu0
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 20:06:22.31 ID:EqnSv0k+0
乙です そろそろ終わりも近そうだ…
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 20:30:43.56 ID:lw50VBbT0
まさかの展開に衝撃
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 21:05:22.76 ID:jrk0bl/Xo
乙です
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 22:02:06.54 ID:EycwKyEgo
ハルヒ二次で便利に使われるよなあ、鶴屋山のオーパーツ。
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 22:42:39.15 ID:A4vTNCiN0
こいつはたまげた。
クライマックスも間近か…
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 00:44:49.32 ID:VabG4cY3O
まさかの展開…こんな綺麗(どこがとは言わない)なハルヒが存在したなんて…
そして毎回ながらうまいところで切るよな>>1は…乙
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/03(日) 00:37:40.31 ID:tG9NgWAP0

そろそろ終わりか‥
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/03(日) 01:54:19.66 ID:sFOdABDg0

オラ続きが気になってワクワクすっぞ!
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/04(月) 02:03:29.33 ID:h8Q9NpxY0
オラsageないバカが気になってワクワクしねーぞ!
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/11(月) 20:01:55.17 ID:52XDfUQX0
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 17:08:09.65 ID:H5Qr1pYi0
今日中にはとうかー
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/23(土) 17:53:46.25 ID:jlbsvrJ4o
やったぜ
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/23(土) 20:00:25.67 ID:7vn/qiPLO
全裸待機(靴下とネクタイ着用
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:02:48.13 ID:H5Qr1pYi0
とうかー
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:06:49.59 ID:H5Qr1pYi0

β



古泉「(…………)」


立チ上ガルチカラスラ失ッタカ?


古泉「(…………)」


思考スル意味スラ忘レタカ?


古泉「(…………)


ナラバ古泉一樹―――オ前ハ


古泉「…………っ!?」ズキ

古泉「(頭痛……? それも、強烈な……!)」ズキズキ


ココマデノヨウダナ


古泉「っ、何……を」


ナニモシテハイナイ。オ前ガ適応シテキタノダ
コノ無間ノ世界二


古泉「っ!!」ズキッ!


変ワル時ガキタノダ


古泉「ぐっ……!」


オ前トイウ存在ガ―――


古泉「―――コンナ風二ナ」

古泉「っっっ!!?!?」
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:12:34.47 ID:H5Qr1pYi0

古泉「っ、誰ッ……だッ!」

古泉「誰? オ前自身ダ。古泉一樹」

古泉「!!?」

古泉「オ前ノ心ノ深淵ニ潜ム闇」

古泉「紛レモナイ。コノ空間ノ創造主ハオ前ダ」

古泉「……ッ!!」ズキズキ

古泉「オ前ハ俺デアリ、俺モオ前デアルノダ。ダブルフェイスニハオ似合イダロウ」

古泉「アノ誠実ナ副団長ノ内面ハ、コンナニモドス黒イモノデアルト」

古泉「……ぐぅっ!!」ズキズキ

古泉「オ前ガ必死ニ思考シテイタコトモ筒抜ケダ。俺ハオ前自身デアルノダカラ」

古泉「思考ヲ邪魔スルコトモ造作ナイ。気ヅイテイタカ?」

古泉「ふぅっ……ふっッ!」ズキッ!

古泉「オ前ハコノ空間ニイル間、今ノヨウニ一人デ会話ヲシテイタコトニ」

古泉「始メカラ俺ナドイナイ。古泉一樹、オ前ハオ前自身ノ闇ト相対シテイタノダ」

古泉「ソシテソノ根底ニ存在スルノハ」

古泉「うぅ…………っ!」

古泉「常日頃ノ笑顔ノ下ニ隠シテイルノハ―――」

古泉「重ク、醜イ、負ガ混ジリアッタ感情」

古泉「はぁ……はぁっ!」ズキズキ

古泉「涼宮ハルヒヘノ―――恨ミダ」
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:17:05.66 ID:H5Qr1pYi0

古泉「当然ノコトダ。何故望ミモシテイナイノニ、世界ノタメニ、死ト隣アワセノ世界デ戦ワナケレバナラナイ?」

古泉「楽シクモナイ茶番劇ヲ演出セネバナラナイ?」

古泉「誰ノ意志デ古泉一樹トイウ人間ハ、コンナ不条理ニ巻キ込マレテイル?」

古泉「他ナラヌ―――涼宮ハルヒノセイデハナイカ」

古泉「っ……っ!!」ズキズキ!

古泉「全テヲ肯定スル副団長ヲ演ジルノハ苦痛ダッタカ?」

古泉「恨ミノ対象ノスグ側ニ居続ケルノハ地獄ダッタカ?」

古泉「本音ヲ隠シテ日々ヲ過ゴスノハ惨絶ダッタカ?」

古泉「ソノ原因デアル涼宮ハルヒニ消エテ欲シイト感ジテイタカ?」

古泉「…………っ」

古泉「オ前ノ本心ハイツデモソウ感ジテイタハズダ」

古泉「コノ運命ヲ呪イ、呪縛カラノ解放ヲ求メタ、オ前ノ願イガ」

古泉「今、コノ世界デ叶オウトシテイル。喜バシイコトダ」

古泉「……うっッ!!」ズキズキ!

古泉「モウナニモ考エル必要モナイ」

古泉「タダヒタスラニ、憎悪ノ炎ヲ」

古泉「怨嗟ノ濁流ヲ、憤激ノ波濤ヲ」

古泉「増幅サセ続ケロ。コノ空間デ」

古泉「ソノ身ガ朽チヨウトモ―――呪エ」

古泉「――――――っ」
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:22:28.11 ID:H5Qr1pYi0
古泉「涼宮ハルヒガイナケレバ……涼宮ハルヒサエイナケレバ……」

古泉「涼宮ハルヒガ……イナケレバ……ッ!!」

古泉「ソウダ。ソレデイイ」

古泉「涼宮、ハルヒガ……―――」












『さっすが副団長!! 団長の考えてることよくわかってるじゃない!!』



『うん、中々いいものを持っているわね古泉くん! これなら主演俳優賞を十分狙えるわ!!』



『人間、二つぐらい同時に行動ができるのよ!! 走りながら探しながら考える!! アーユーレディ!?』












古泉「涼宮さんが……いてくれたから……っ!!!」ズキィッ!
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:27:57.60 ID:H5Qr1pYi0

古泉「ナニ……?」

古泉「涼宮さんが……いてくれたから……僕は……あの場にいることができた」ズキズキ

古泉「涼宮ハルヒサエイナケレバ、オ前ハ身ヲ危険ニ曝すコトナク平和ナ日々ヲ過ゴセタハズダ」

古泉「涼宮さんがいてくれたから……僕はかけがえのない仲間に出会えた」

古泉「失ッタモノハ数エキレナイ」

古泉「それ以上に、得たものは大きい」ズキッ

古泉「望ミモシナイ戦場ニ呼ビ出サレテマデ欲シカッタモノカ?」

古泉「……先ほどからっ、僕の本心などと……」

古泉「あなたが勝手に……僕を語らないでいただきたい……っ!」

古泉「僕の……望みを叶えてくれたお方こそ、涼宮ハルヒさん……その人なのですよ」

古泉「涼宮ハルヒノ自己満足ノタメニ作ラレタ存在。ソレガオ前タチ超能力者ダ」

古泉「ええ……思い出しましたよ。あなたのおかげで」

古泉「古泉一樹という、人間のルーツを!」

古泉「ナンダト?」

古泉「知ったかぶりも……程々にしたほうがいい……僕は、涼宮さんに選んでいただいたのです」ズキッ!

古泉「この世界を救う、英雄としての大役を……大義を与えてもらった!」

古泉「世界中を探しても見つからない。僕と、僕の仲間たちだけに任された役目」

古泉「この役目だけは……例え世界が変わろうとも……どれだけの不条理に苛まれようとも……っ!」






古泉「『彼』にだって譲ることはできない、僕の誇りですッッ!!!」





312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:34:44.99 ID:H5Qr1pYi0

古泉「はぁ……はぁ……」

古泉「誇リ……? 違ウ。オ前ガシテイルコトハ、タダノ思考停止ダ。単純作業ノゴミ掃除デシカナイ」

古泉「……的外れもいいところですね。僕は時間場所限定の超能力者……」

古泉「ハァ……ハァ……なってみたかったんですよ。僕だって―――」



古泉「―――『主人公』ってやつにね」



古泉「『主人公』ダト……?」

古泉「世界のために戦うなんて、さながら物語の『主人公』でしか体験できないようなことですよ」

古泉「少年なら……誰しも一度は志す夢ですよ」

古泉「下ラナイ。夢ナドトイウ幼稚ナ幻想デ、オ前は身ヲ滅ボスノダ。今ココデナ」

古泉「そんな夢という幼稚な幻想を叶えるために」

古泉「人は人生を賭ける」

古泉「結果ガコレダ。オ前はココデ朽チテ死ヌ。誰ニモ知ラレズ孤独ニナ」

古泉「生憎ですが、このような憂鬱とした空間の相手は手馴れているんですよ」

古泉「なんせ僕は……閉鎖空間のプロなので」ボウッ!

古泉「無駄ダ。現実世界ヘ戻ルタメノトリガーハ存在シナイ」

古泉「存在スルノハ無。地ノ果テマデ続ク闇ダケダ」

古泉「ふむ。あなたの言う通りなら、僕がこの空間から出る術はない、と」

古泉「では、僕も人生を賭けて……身を滅ぼしてみるとしましょうか」ゴオッ!!

古泉「オ前……ナニヲスルツモリダ……マテ、ナニヲ、考エテイル……イヤ」

古泉「ナゼ、オ前ノ考エガ読メナイノダ!?」

古泉「ああ、そう言えばあなたは僕自身であるが故に、僕の思考を読み取ることができましたね」

古泉「度々僕の思考を遮るかのように語りかけ、思考の進行を阻止しようとした」

古泉「ならば僕かとるべき行動は簡単。並列思考ですよ。あなたが読み取ったのは僕の片方の思考」

古泉「カ、片側?」

古泉「そしてもう一つ。本命の思考を並列に進めていただけの話」

古泉「へ、並列思考ダト!? 馬鹿ナ!? ソノ程度ノ事デ思考ヲ読ミ漏ラスナドッ!」

古泉「その程度がどの程度かは分かりませんが……考えが甘かったようですね」

古泉「ほぼ無意識下で別の思考を進める『程度』SOS団の副団長なら当然のスキルですよ」

古泉「『こんな風にね』」
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:40:09.98 ID:H5Qr1pYi0

古泉「まぁ、閉心術とでも言い換えましょうかね。元々、彼に思考を読まれないようにするための対策なんですけどね」

古泉「僕自身である、あなたにはどうやら有効だったみたいですね」

古泉「……ッ!」

古泉「ナラバ! チカラヅクダ!! 消エロ!! 古泉一樹!!!」ズッ!!!!!

古泉「くっ……!?!??」ズキ!

古泉「コノママ、オ前ノ意識ヲ……!」

古泉「……いや、無駄ですよ」ズキズキ!

古泉「僕の心の弱さがあなたを生み出してしまった……ならばすべきことは一つ」

古泉「闘魂注入です。燃ゆる火球を我が身へ転ず」ドンッ!

古泉「ナンダト……?」

古泉「SOS団に属する以上、煌々と燃える『魂』を団員は皆持ち合わせています」

古泉「……今一度、僕にもその『魂』を」ボッ!!

古泉「馬鹿ナ!? 自殺スルツモリカ!?」

古泉「自殺? とんでもない。神人という明確な敵がいない以上、僕の敵はあなただけ……いや、僕自身だ」

古泉「そして決して僕は死ぬつもりなんかはない。戻るだけです、SOS団のいる日常へ―――」

古泉「ヨセ!! 待テ!! マタアンナ世界ニ戻ルトイウノカ!!? 待―――!」












古泉「―――僕が望んだ……非日常≪にちじょう≫へッッッ!!!!」












古泉「この紅蓮の魂と共にッッッッッッ!!!!!!!」ゴオッッッッ!!!!!












パリイィィィイン!!!!!!!!!
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:43:32.37 ID:H5Qr1pYi0

藤原「部室というのはどこに―――」

橘「ええ、こっちに―――」

佐々木「…………まずは」クルッ






ズズズッ!






藤原・橘「「ッ!!??!?!?!?」」

佐々木「くつくつ……こうなる、か」


















古泉「涼宮さんを―――返していただきましょうか」ザッッ!
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:47:36.89 ID:H5Qr1pYi0

佐々木「おかえり、古泉くん。キミが一番乗りのようだよ」

古泉「ええ佐々木さん。あなたのおかげで色々と思い出せましたよ」

佐々木「そりゃよかった。よく戻ってこれたものだ。感心するよ」

古泉「お褒めの言葉は結構ですよ。そこの未来人さん、背負っている我らが団長を離していただきたい」

藤原「……それはできない相談だな」

古泉「でしたら―――力づくでも」ボウッ!!

藤原「っ!!?」

佐々木「そうか、ここは閉鎖空間。能力が使えるのは当然という訳だね」

古泉「あまり手荒なことはしたくありません。大人しく―――」






橘「行ってください。佐々木さん、藤原さん」






藤原「橘……」

佐々木「……任せてもいいかい? 橘さん」

橘「はい。あたしも後で必ず行きますので」

佐々木「じゃあ、ここは橘さんに任せて行くとしよう。藤原くん」

藤原「……ああ。頼んだぞ、橘」

古泉「お待ちください。言う通りにしていただけないのなら本当に―――!」






バァアアン!!!!!





古泉「っ!!?!?」

藤原「(っ、橘の周りに衝撃波? あんなことができたのか、あいつ!)」

佐々木「心強いじゃないか。さ、いまのうちだ藤原くん」スタスタ

藤原「あ、ああ」スタスタ

橘「どうしたんです? 力づくで止めるんじゃなかったんですか?」

古泉「……橘さん。そこをどいてください」

橘「力づくでどうぞ」ニコッ
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:51:18.66 ID:H5Qr1pYi0

古泉「……」

橘「行ってしまいましたよ。佐々木さんと藤原さんは。追わなくていいんですか?」

古泉「……追わせていただきますよ。あなたを倒してでも」

古泉「かつての親友を倒してでも、守りたいものができましたから」

橘「っ……そうですか。だけど、あたしにだって……やらなきゃいけないことがあるっ!」パチンッ!



ズズズッ!



古泉「……増援ですか」

橘「ええ。きっと、心のどこかではこうなるって分かってたような気がする」

橘「あなたとは、一度面と向かって戦わなきゃいけないって!」

古泉「だからこそのこの用意周到ですか……」

橘「戦略ですよ。戦いにおいて、数的優位は必須!!」

橘「……残念ですが、ここで倒されてください。一樹くん」

古泉「……数的優位ですか。確かに、姫を守る屈強な騎士が大勢いて驚いていますよ」

橘「(姫……)」ドキッ

古泉「ですが―――」






ズズズッッ!!
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:57:20.43 ID:H5Qr1pYi0

新川「間に合ったみたいですな」

多丸「よくぞ帰ってきた。一樹くん」

裕「さすがはSOS団の副団長」

森「当然ですよ。信じていましたから」









古泉「僕にも、少数精鋭のヒーローがついていますので」ニコッ









橘「っ〜〜〜いけっ! いけっ!! みんな潰してやってください!!」

新川「腕が鳴りますな」ボキボキ

多丸「やりすぎないようにね」

裕「それを言うなら……」

森「シュウゥウゥ……」ゴゴゴゴゴゴ!!

古泉「森さん? 森さん?? 森さん!!? その、あまりやり過ぎない方向で……」

裕「森さんに言うべきじゃないかな」

新川・多丸「「確かに」」
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 20:58:08.24 ID:H5Qr1pYi0
ここまでー
期間空いてすいません
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/23(土) 21:54:20.68 ID:Ky5GN7rFO
さすが森さん俺の嫁
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/23(土) 22:05:46.88 ID:jlbsvrJ4o
乙です
流石古泉、主人公だな
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/23(土) 22:29:16.52 ID:H/aErrXNO
森さん?森さん??森さん!!?に笑う
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/24(日) 09:55:00.48 ID:dHjvs8vf0

こりゃまた楽しい展開だあ
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 00:22:10.22 ID:Xe8GcQMOO

あちゃくらさんは何処へ...
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 07:24:16.17 ID:Qes5k6msO
熱くなって参りました。まさかバトルものになるとは
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/19(木) 21:06:11.19 ID:X+UxWep90
そろそろお願いしたいかな
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/28(土) 21:08:12.25 ID:5Ts8NC1J0
お待たせしております。
必死こいて書いてきますので近日中に投下します
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/28(土) 21:38:10.42 ID:nWQYdPsGo
まってる
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:30:14.93 ID:5Ts8NC1J0
>>327
ありがとうございます。
必死に書いてきましたんで投下します。
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:34:50.76 ID:5Ts8NC1J0

β


みくる「ほんとに笑わない?」

朝比奈「笑わないよ」

みくる「…………みくる」

みくる「みくる……大人になったらね……」

朝比奈「……」

みくる「……あのね」モジモジ












朝比奈「涼宮ハルヒさんに会ってみたいのよね?」












みくる「!!?!?!? ど、どうして分かるの!!? や、やっぱり、ちょうのうりょく……」

朝比奈「うふふ。超能力ではないけど、分かっちゃうんだ。だって……」

朝比奈「あたしも……そうだったから」

みくる「お姉ちゃんも、会ってみたいの!?」

朝比奈「……うん。会いたいよ」
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:39:47.02 ID:5Ts8NC1J0

みくる「あのねあのね! 涼宮ハルヒちゃんはね! すごいんだよ!?」

みくる「じかんへいめんりろん……ていうのを作った人でね! それでね!」

朝比奈「(あぁ……やっぱり涼宮さん。あなたはすごい人です)」

朝比奈「(遠い未来の、年端もいかない少女でも、その名を知っている)」

みくる「先生がね、言ってたの! みくるたちがこうして学校に行って、べんきょうして、遊んで」

みくる「まいにち過ごせているのは、涼宮ハルヒちゃんがいたからこそなんだ、って!」

朝比奈「……うん。そうね」

朝比奈「(涼宮さんによって時間平面理論の基礎が構築されなければ、この未来はなかった……)」

朝比奈「(大袈裟かも知れないけど、確かに未来がこの形で存在しているのは涼宮さんのおかげ……か)」

みくる「もう、もう、すごいっ! すごすぎて……すごい!!」

みくる「時々からかわれたり、ドジって言われたりもするけど、それでもね!」

みくる「みくるがこうしてまいにち楽しく過ごせてるのは、涼宮ハルヒちゃんがいてくれたからって思うとね!」

みくる「すごい! すごい!! ありがとう! って思うの!」

朝比奈「ありがとう……?」

みくる「うん!」

みくる「こんなに楽しいまいにちをありがとう、って! おれいを言いたいの!!」

朝比奈「それが…………あなたの、夢?」

みくる「ゆめ……? ゆめなのかなぁ? 分かんない」

朝比奈「それが、涼宮ハルヒさんに会いたい理由?」

みくる「りゆう……りゆう??」

朝比奈「それを、涼宮ハルヒさんに伝えて……伝えたら、どうするの?」

みくる「??? どうするの?」 

朝比奈「どう……するんだろう?」
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:43:56.25 ID:5Ts8NC1J0

みくる「うーん……? うーーん????」

朝比奈「あっ、ごごごめんね! なんか難しいこと言っちゃって……」

みくる「ありがとう、って言うでしょ。それで、言ったら……うーーん?」

朝比奈「(わたしが、過去に行って涼宮さんに接触した理由……)」

みくる「えーっと……」

朝比奈「(わたしが、子どもの頃から涼宮さんに会いたいと思っていた理由)」

みくる「…………」

朝比奈「(わたしが、また過去に戻りたいと思う理由―――)」












みくる「ありがとう、って言いたいだけ。それだけだよ?」












朝比奈「…………」

みくる「むずかしいことは分からないけど、みくるはそうしたいだけっ!」

みくる「その後どうするかとかは、うーん……いっしょに遊んでくれたらうれしいなぁ」

朝比奈「…………」

みくる「でもそのためにはいっぱいべんきょうしないと、って先生も言ってて―――」

朝比奈「……それ、だけ」

みくる「んー?」

朝比奈「そう、そうだわっ。たった、それだけ。わたしの、原点にあった想いはそんな簡単なことだったんだ」
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:47:15.95 ID:5Ts8NC1J0

みくる「お姉ちゃん?」

朝比奈「あっ、ごめんね……でも、ありがとう」

みくる「ありがとう? どうして?」

朝比奈「わたしが忘れていた大切なことを、あなたが思い出させてくれたの」

みくる「大切なこと?」

朝比奈「うん。わたしはね、あなたより少し大人だけど、実は全然ダメダメでドジばっかりなんだぁ」

みくる「それは大人らしくないと思う……」

朝比奈「ふふっ、そうね。だから、失敗するたびわたしはなんでここにいるんだろう。何をしているんだろう」

朝比奈「そんな風にダメな方向に考えちゃってたのね」

みくる「……みくるもそんな風に考えることあるかも」

朝比奈「……でもね。思い出せたんだ」

朝比奈「しなきゃダメなことに埋もれて、隠れて、見えなくなっていたけど……やっと出てきてくれた」

朝比奈「わたしの……したかったことが!」

みくる「よかったね! お姉ちゃんはなにがしたいの??」

朝比奈「それはね、あなたと一緒」

みくる「みくると? 涼宮ハルヒちゃんに会って『ありがとう』って言いたいの? お姉ちゃんも!?」

朝比奈「そう。それはとっても大事なことだと思い出したから」

朝比奈「わたしが抱いていた、明確なわたしの意志だから」

みくる「おんなじだね! みくると!」ニコッ!

朝比奈「……ええ、おんなじね」ニコ
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:51:53.70 ID:5Ts8NC1J0

朝比奈「みくるちゃん。お姉ちゃんはそろそろ帰らなきゃダメになっちゃった」

みくる「そうなの? お家に帰るの?」

朝比奈「ええ、お家同然の場所に戻らなきゃダメなの」

みくる「そうなんだ。みくるもママにおそくなっちゃダメ! って言われてる……」

朝比奈「それじゃみくるちゃんも帰らなきゃね」

みくる「うん……お姉ちゃん、またあっておはなししてくれる?」

朝比奈「……もちろん! 今度はもっといっぱいおしゃべりしようね?」

みくる「! うん! ぜったい! ぜったいだよ!」

朝比奈「ええ。だから今日はもう帰ろうね? ママが心配するといけないから。気をつけてね?」

みくる「うん! お姉ちゃんもきをつけて!」

朝比奈「ありがとう。それじゃあ―――」






朝比奈・みくる「「またね!」」






朝比奈「…………行っちゃった、か」

朝比奈「……バレてないよね?? あの子にわたしが未来の朝比奈みくるってバレてないよね!!?」ドキドキ

朝比奈「バレてたら怒られるかなぁ……というか無断でこの時間軸にいることもダメなんじゃ……」ブツブツ

朝比奈「じゃないじゃない! せっかくわたしがしたいことを思い出せたんだから!!」

朝比奈「過去に、帰るんだ」

朝比奈「TPDDを使えるようにしてもらおうと『ハカセ』のところに行くつもりだったけど……」

朝比奈「…………頼ってばかりじゃ、ダメ!」

朝比奈「不完全かもしれないけど、やるしかない……大丈夫、絶対できる」

朝比奈「もう一つの、時空間移動方法で……ッ!」

朝比奈「スゥ…………行きます」

朝比奈「(ばいばい、昔のわたし……)」

朝比奈「(わたし……頑張るから――――――ッ!!)」






シュン!
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:52:52.61 ID:5Ts8NC1J0


















『よくできました。みくるちゃん』

















335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 22:57:07.20 ID:5Ts8NC1J0

朝比奈「ふぇ? 誰―――!?」パッ!

朝比奈「って!」トサッ!

朝比奈「ここは……北高! 部室棟の入り口! 時間軸は……合ってる!! 帰って、これた!!?」

朝比奈「……や、やったぁ」ヘロヘロ

朝比奈「あ、安心したら力が……だ、ダメダメ! まだ何も……って」

朝比奈「北高は北高だけど、これって……あの時みたいな閉鎖空間?」

朝比奈「な、なにがなんだか……ま、まずはみんなと―――!」












藤原「おい、これはどうなってる?」

佐々木「くつくつ、キミの言葉でいう既定事項ってやつじゃないのかい?」












朝比奈「ッ!! っさ、佐々木さん!! 涼宮さん!!?!?」

藤原「僕もいるぞ」

佐々木「御機嫌よう、朝比奈さん。懐かしの故郷は如何だったかな?」

朝比奈「み、みなさんを何処へやったんですか!? そ、それに涼宮さんに何を……!」

佐々木「それについては心配ない。古泉くんは先ほど帰ってきていたし、今は橘さんと思い出話でも繰り広げているだろう」

佐々木「長門さんは九曜さんと遊んでいるし、涼宮さんはご覧の通り。ただ眠っているだけさ」

ハルヒ「スー、スー」

朝比奈「きょ、キョンくんは!!?」

佐々木「……さあ? 彼のことだ。どうせ直に姿を現すさ」

朝比奈「っ!」
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 23:02:42.25 ID:5Ts8NC1J0

朝比奈「涼宮さんを、解放してくださいっ!」

佐々木「どうする藤原くん? 彼女はああ言っているが」

藤原「……どうするもなにもない。僕たちの目的を遂げるまでだ」ザッ!

朝比奈「と、とと止まってください! わわっ! ぶ、部室までは行かせませんっ!」ワタワタ

藤原「朝比奈みくるに戦闘能力はない。なんの障害にも成りはしない。無視すればいい」スタスタ

佐々木「それは良かった。僕はあのような可憐な少女に手を挙げる藤原くんを見たくはなかったからね」スタスタ

藤原「ふん」

朝比奈「あ、あわ。あわわ! あっ! み、ミクルビーム!!」シーン

藤原「……」

佐々木「……うわぁー」ヨロロ

朝比奈「びえぇぇええええん!!! 出てほしい時には出ないんですかぁー!!!」

藤原「……酷い茶番だ。おい、朝比奈みくる、そこをどけ」

朝比奈「ど、どきませぇん!!!」ガシッ!

藤原「お、おいっ! 離せ! 邪魔だ! 足にしがみつくな!!」

佐々木「はて。橘さんがキミのことを何かのフェチと言っていたな。えっと確か―――」

藤原「佐々木ァ!! 余計なことを思い出そうとする前に、引きはがすのを手伝え!!」

佐々木「はいはい」

朝比奈「は、離しません!!!」グイイィ!

佐々木「悪いとは思ってるよ、朝比奈さん。ただ、僕らにも為すべきことがあるんだ」ググッ

藤原「お、おいあまり手荒にはするなよ!? 優しめに、かと言って時間をかけすぎるのはだな」クドクド

佐々木「……藤原くん。涼宮さんは僕に任せた方が朝比奈さんの拘束は解きやすいだろう」

藤原「あ? え?」

佐々木「よ、っと。さあさ、両手の自由は得たしキミの思うように朝比奈さんを振りほどきたまえ」

朝比奈「は、な、し、ま、せ、んーー!!!!」ギュウ!!

藤原「い、いやもう涼宮ハルヒは佐々木が肩を貸してるから、そっちに―――」

朝比奈「うっ、うぅ……涼宮さんんん!! うぅ!」ギュウ!

藤原「…………」
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 23:10:06.62 ID:5Ts8NC1J0

藤原「佐々木。この様子だ、先に行け」

佐々木「それはいいけど。キミに朝比奈さんが振りほどけるのかい?」

藤原「いざとなればTPDDを使えばいい。あまり手荒にはしたくはないがな」

藤原「予定通りにコトが進まないのには慣れているからな」

佐々木「……任せたよ。キミはキミの。僕は僕のすべきことを為せばいい」

藤原「……ふっ、その通りだ」

佐々木「それじゃ、先に行ってるよ。よ、っと涼宮さんが軽くて助かったよ」スタスタ

藤原「…………おい」

朝比奈「うぅ! うぅぅぅうううぅうう!! 涼宮さん!!!」ギュウ!!

藤原「涼宮ハルヒはもう佐々木と……聞いてはいないか」

朝比奈「絶対、絶対行かせません……ッ!!」ギュウ

藤原「……悪いが、そろそろ足が悪くなりそうだ。ここで眠ってくれ」スッ

朝比奈「ぅうぅぅううぅうううぅうううううううう!!!!」

藤原「……すまな――――――」












朝比奈(大)「女の子にそんな酷いことしちゃダメじゃない」ガシッ!












藤原「っぁあぁぁあぁぁあああぁああぁあああ!!?!!??!?」ビックゥ!!

朝比奈「涼宮さ、っっ!!? な、何!? えっ、えっ!?」

朝比奈(大)「……久しぶり、みくるちゃん。わたしが誰だか分かるかな?」

朝比奈「えっ? えっ、何、だ、誰……って、え?」

藤原「は、離せ!! ふ、二人共取りあえず離してくれぇええええ!!!!」

朝比奈「あ、あの時の……お姉、ちゃん。てことは、未来の……わたし!?」

朝比奈(大)「よくできました。みくるちゃん」

朝比奈(大)「こんな風にあなたの前に姿を現すなんて、本来ならありえない事態なのよ?」

朝比奈「お、お、お姉ちゃぁああん!!」ダキッ!

朝比奈(大)「あらあら。こんな時に」フフッ

藤原「あんたらで『お姉ちゃん』なんて呼ぶとややこしいし、ていうかそもそも『それ』は誰のセリフだと思ってんだぁあああ!!?!?」
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/28(土) 23:11:25.79 ID:5Ts8NC1J0
ここまでー
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/28(土) 23:33:20.84 ID:nWQYdPsGo
乙です
みくる頑張った
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/28(土) 23:52:14.81 ID:FSv2iU9ho
乙!
パンジー羨ましいぞ
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 13:45:48.59 ID:deYrv1pLO
不覚にも藤原とみくるとみくる(大)の会話が漫才に感じて和んだ
この三人はもうこのまま漫才していた方が平和なんじゃなかろうか
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/31(火) 22:44:27.53 ID:hoCLHwd9o
乙!
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/16(木) 11:15:58.26 ID:hP6crD6P0
なんだ、まだ終わってなかったか
あと1年はかかるな
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/20(月) 20:27:20.97 ID:b5MlLHdIo
あと一年も楽しめるといいたまえ
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 11:46:48.59 ID:CAGOaCxI0
本日中にとうかーー
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/25(土) 15:51:56.53 ID:IzLCwkKNO
(スレの存在忘れてたけど)舞ってる
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:20:47.55 ID:CAGOaCxI0
とうかー!
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:24:37.14 ID:CAGOaCxI0

β


佐々木「やれやれ、悪い予感はよく当たるものだね」

佐々木「藤原くんがあんなに慌てて……ん、それは常日頃からかな?」

ハルヒ「スー……」

佐々木「涼宮さん。あなたの団員は皆、強い意志をお持ちのようだ」

佐々木「なにがなんでも、あなたを助けるという意志をね」

ハルヒ「……グゥ」

佐々木「さて、部室は二階だったかな―――と」












周防「――――――」












佐々木「おや、九曜さん。おかえり」

周防「―――」

佐々木「長門さんはどうなったんだい? 振り切ってきたのか、それとも……」

周防「―――」

佐々木「参ったな。『力』がないものだから九曜さんとのコミュニケーションは言葉に頼るしかないのだけど……」

周防「―――」コソッ

佐々木「ん? もう一度言ってくれるかい?」

周防「―――……」

周防「CR―――ISI―――S」ヴォン

佐々木「おや……消えてしまった。ホログラムだったのか」

佐々木「にしてもクライシス、か……助けにいきたいけど、今の僕では足手まといにもなりはしないな」

佐々木「……まったく、SOS団にはいい人材が多いものだ」

佐々木「これも、あなたの人望が為せることなのかな、涼宮さん?」

ハルヒ「……クー」
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:29:19.33 ID:CAGOaCxI0


















周防「潰れなさい―――」


















長門「(SELECT シリアルコード FROW データベース 展開:ERROR)」

長門「(Pausing Interva Seconds Between Display:ERROR)」

長門「(DEFEND BY:ERROR)」

長門「(CODE:ERROR ERROR ERROR)」

長門「(Unknown/Unknown/Unknown)」

長門「(パーソナルネーム 長門有希 機能停止 0.002秒前)」

長門「(――――――active/emergency)」

長門「―――すまな」ゴオッッッ!!!!











ドンッッッッッッッッッ!!!!!
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:33:30.01 ID:CAGOaCxI0

周防「―――……」

周防「―――他律性の―――インターフェースが―――何故?」


















朝倉「随分と好き勝手やってくれたわね。敵性宇宙人」ドン!


















周防「制御空間―――構成プログラム―――再生処理」

長門「朝倉、涼子……?」

朝倉「長門さん、遅くなってごめんね。ギリギリ間に合ってよかったわ」

長門「何故、あなたがここに……? 待機命令が出ていたはず」

朝倉「……ふふ。長門さんも昆布頭の宇宙人と同じこと聞くのね」クスッ

周防「―――」ピクッ

朝倉「何故あたしがここにいるかって? 決まってるじゃない」

朝倉「あたしの意志が、ここに行くべきだと判断したからよ」

朝倉「待機命令? 聞いちゃいられないわよ、そんなバカみたいな命令」

朝倉「無口で大食いな宇宙人と、そのお仲間のピンチだって言うなら―――」

朝倉「駆けつけてやるのが、道理ってもんでしょうが」バン!

周防「―――理解―――不能」
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:38:14.30 ID:CAGOaCxI0

周防「―――……現況更新―――再選択―――」

朝倉「長門さんも長門さんでエマージェンシーコールが遅すぎるし。機能停止の0.0018秒前って」

長門「ギリギリだった」

朝倉「もう……。それで、みんなの現状は理解してる?」

長門「……していない。『佐々木』によって何処か別の空間、あるいは時間に転移させられた」

朝倉「なら安心して長門さん。来る途中に確認したわ。古泉くんと朝比奈先輩、ちゃんと帰ってきてるわよ」

長門「………………そう」

朝倉「……いつからそんな分かりやすくなったんだか」クスッ

長門「……彼と涼宮ハルヒは?」

朝倉「キョンくんは……まだ分からないわ。涼宮さんは北高を中心に発生してる閉鎖空間内」

朝倉「佐々木さんと一緒にいるわ。もう時間の問題で何かを始める気よ。急いだ方がいいわ」

長門「……そう」

朝倉「にしても長門さん。らしくないわね、いくらあの謎の宇宙人が相手でもここまで追いつめられるかしら?」

長門「直前に『佐々木』による情報操作能力への干渉、リソース制限のようなモノを仕掛けられた」

朝倉「なるほどね。弱体化させられてたってわけか」

周防「―――……―――……」

朝倉「となると……こっちもパワーアップするとしますか!」ニッ

長門「パワーアップ?」

朝倉「まさかまた使うことになるとは思わなかったし、正直あまり使いたくはない力だけど……」

朝倉「長門さん。――――――」

長門「…………承知した」

朝倉「おっけー! それじゃ……行くわよっ!!!」ザッ!

長門「……」ザッ!

周防「解析―――完了―――mode=extarmination」
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:42:53.16 ID:CAGOaCxI0












長門「パーソナルネーム・朝倉涼子の同期禁止処理の解除を申請」
朝倉「パーソナルネーム・長門有希の同期禁止処理の解除を申請」












長門・朝倉「「解除コード――――――Protect SOS」」








周防「―――」ゴオォォオオッ!!!












ガッキィイィイイイィイン!!!
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:47:33.95 ID:CAGOaCxI0

周防「―――危険性…………未知数?」ズザザッッ!!

朝倉「―――なぁんだ。二人共、解除コードが一緒だったのね。やっぱり息が合うわね、長門さん」

長門「解除コードを申請する際の状況を予想し、それをコードにしただけ」

朝倉「あはは、確かにね。SOS団が文字通りSOSを求めてるってんなら―――」

長門「わたしたちにできることは―――それを守護すること」

周防「―――同期可能にしたところで―――」ギギギ

朝倉「あら、ご存じない? 使い方によってこれがどれだけのアドバンテージになるのかを」

朝倉「『先を知る』ということがどれだけの利になるのかを」

朝倉「禁止せざるを得ないほどに強大な力だったということが分かってないのかしら?」ザッッ!

長門「…………」

周防「……環境対応―――属性変更―――refinement」ギギギ!

朝倉「行って、長門さん。ここからはあたしがやる」

長門「二人で対応した方が確実」

朝倉「一人で十分よ。それよりも今、長門さんが本当に行きたいところへ行って」

長門「行かない。まずは周防九曜の無効化を―――」グイッ!

朝倉「今! 長門さんを待ってる人たちが!! あなたの大切な仲間がどこにいるか分かるでしょ!?」

長門「………………」

朝倉「だったら!! その場に少しでも早く駆け付けるのがあなたの役目!! SOS団団員の使命でしょ!」

長門「………………」コクリ

朝倉「そして! あなたは本心はどうなの!? ここで宇宙人対宇宙人の頂点決戦でもしたいの!!? それともっ!!」

朝倉「涼宮さんをっ、SOS団のみんなを助けたいんじゃないの!!!?!?!?」


















長門「………………助けたい」
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:52:30.64 ID:CAGOaCxI0

朝倉「……分かったら行きなさい。大丈夫よ、たったいまパワーアップしたもの。二日目のおでん的な」

長門「……それはよく分からない。けど」

長門「……朝倉涼子」

朝倉「うん」

長門「―――任せる」トンッ

朝倉「―――任されたっ!!」

周防「茶番ね―――」バッ!!

朝倉「行って!! 長門さん!! ここはあなたの一番の友人に任せなさい!!」バシィ!!

長門「…………」ビューーン!!

朝倉「なんか言ってって!!?!?」ガーン!

周防「―――くだ―――らない」

朝倉「……ま、確かにね。効率とか合理的とか考えたらここで速攻二人で始末した方が確実よ?」グググ

朝倉「けどね、そういうのを全部無視した『想い』ってものが、今の長門さんを一刻も早く彼らのもとに向かわせた」

朝倉「情報統合思念体が求めたものが『それ』なのかは分からないけど」

朝倉「長門さんが理解したかったのは、きっと『それ』なんだと思うのよ」

周防「―――なに―――よ―――それ」

朝倉「あなたには分からないわよ。感情表現が長門さんより下手なんだもの」

周防「不要―――それに……この空間からは出られないわよ」

周防「空間構成因子を持続的に変移するようにした……もう、出ることも入ることも―――不か」

朝倉「だから、言ってるじゃない」

長門「…………」ゴオオォォッッ!!!

朝倉「今の長門さんは―――そんなもんじゃ止められないって!!」












バッキィィィイィイイィィィイイン!!!!!!!
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 17:58:26.72 ID:CAGOaCxI0

朝倉「……行ってらっしゃい。長門さん」

周防「――――――」

朝倉「あら、不測の事態に戸惑ってるのかしら?? どう? 予想外の展開っていうのは」

周防「長々と―――なに? さっきから……うるさい。ノイズ」パシッ!

朝倉「……でもま、結局あんたの言う通りくだらないことなのは違わないと思うわ」

朝倉「だからあたしはここで、あんたなんかの相手してるわけだしね」

周防「―――……」

朝倉「一番の友人だなんだ言ったけど、友人ごっこなんて別に望んじゃいなかったわよ」

朝倉「観察対象にここまで深く干渉することもね」

朝倉「…………なんて、ま、なんだかんだそうは言っても―――」

朝倉「『こんなトコ』にいるってことは、そういうコトなんでしょうね」ニヤッ!

周防「――――――」

朝倉「あの迷惑集団のために、一肌も二肌も脱いであげるとしようじゃない!」

朝倉「キョンくん! さっさと帰ってきなさい! この貸しは『スーパー平安時代!!』でキッチリ返してもらうわよ!」

周防「――――――

朝倉「さーて、それじゃ」バッ!












朝倉「病的なまでに猟奇的……元・急進派、朝倉涼子の本気魅せてあげるわ」クスッ




周防「―――煩わしい―――囀りね」
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 18:00:19.10 ID:CAGOaCxI0












『ばいばい、ジョン』












キョン「――――――っ」











357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 18:04:59.96 ID:CAGOaCxI0

キョン「っ!!?」ガバッ!!

佐々木「目が覚めたかい。キョン」

キョン「佐々木……ここは、この世界は……?」

佐々木「ああ。キミが元いた世界さ。ちゃんと帰ってこれたようだ」

佐々木「空間座標もこの通り。鶴屋山のこの場所で間違いない」

佐々木「時間軸もキミがこの世界から消失した時間からそこまで経過していないはずさ」

佐々木「見事、キミの読みは当たったようだ。流石としか言いようがないね」

キョン「そう、か……帰って、これたんだな……」

キョン「あいつらの……おかげだな」

佐々木「……悲観的になる必要は微塵もないよ。これが、向こうの世界のSOS団が望んだ最高の形なんだから」

佐々木「キミを元の世界へ帰す……SOS団は完璧に成し遂げたんだ」

キョン「…………ああ、分かってるさ。次は俺の番だ」

キョン「ハルヒをなにがなんでも助け出す。約束だからな」

佐々木「ああ。それがいい。それでこそキミだ」

キョン「よし、ならさっさと行動だ。力がないから分からんが……」

キョン「なんとなーく、北高から嫌な雰囲気をビリビリと感じるぜ」

佐々木「正解だ。今現在北高を中心に閉鎖空間が発生している。その内部に涼宮さんはいる」

佐々木「この世界の僕と一緒にね。SOS団の皆もそれぞれ涼宮さん救出に奔走している」

キョン「てことはとりあえずは皆無事なんだな? 安心したぜ」

佐々木「次はキミが彼らを安心させる番だ」

キョン「ああ。さっそく北高へ乗り込むとしようぜ、佐々木!」

佐々木「いや」

キョン「………………え? この流れで??」
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 18:08:58.33 ID:CAGOaCxI0

佐々木「少し待とうよ、キョン」

キョン「何故だ? この世界に帰ってきた以上、もう時間に余裕はないんだぞ?」

佐々木「キミの言っていることは正しい。しかし、今のキミが北高へ向かったところで何ができる?」

キョン「そりゃ…………」

佐々木「勿論、涼宮さん救出のために僕も最善の力を出すつもりさ。でも」

佐々木「まだ足りない。それだけじゃ、キミの本懐を遂げることはできない」

キョン「じゃあ、ここで指加えてSOS団の皆がハルヒを救出してくれるのを待ってろって言うのか?」ギリッ

佐々木「違うさ。キミが待つのはそれじゃない」

キョン「あぁ?」

佐々木「キミの帰りを、最も待っていた人さ」

キョン「俺の帰りを最も待っていた―――っ!?」

佐々木「噂をすれば……キョン」

佐々木「キミを起こしに来たみたいだよ―――」ニコッ















キョン妹「キョンくーーーーん!!!!! 起きてぇぇえええええ!!!!」ビューーン!!
















キョン「いや起きてる!!もう起きてる!! てか今の状態の俺ヤバいからマジ! マジで―――」

キョン妹「とうっ!!!」ドスッ!!

キョン「ふぐぅ……っ!!」ドサッ!

佐々木「おや、逆に眠ってしまったのかい。キョン」
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 18:13:56.48 ID:CAGOaCxI0

キョン「お前……マジで……なぁ……っ」ヒューヒュー

キョン妹「えへへー! 惜しかったね! キョンくん!」

キョン「……何が? めちゃくちゃ怖ぇこと言ってないかお前」

キョン妹「あー! それよりもキョンくん! ダメじゃない!!」プンプン!

キョン「ダメ? なにがだよ?」

キョン妹「帰ってきたら言うことあるでしょ!!」

キョン「え? あー……ただいま?」

キョン妹「……おかえり! キョンくん!!」ギュゥウ!!

キョン「いぎぎぎぎぎぃ!!! 強い強いぞ妹ぉ!!」

佐々木「感動の再開だね。麗しきかな」

キョン「明後日の方向見ながら言ってんじゃねえ……!」

キョン妹「キョンくんが帰ってくるまでずっと鬼ごっこしてたんだから!」

キョン「鬼ごっこ……あぁ、連中とか。なんにせよ、無事でよかった」

キョン妹「あれじゃ100年経っても捕まらないけどね!」フフン!

キョン「そりゃ心強いこって」

キョン妹「でも……なんだか疲れちゃったかな」

キョン「…………」

佐々木「…………」

キョン妹「特に、キョンくんは最近毎日楽しいことして、それに時々ついてったりしてたから」

キョン妹「わたしも、ハルにゃん達と遊んでる時はすっごく楽しかった!!!」

キョン「……そりゃよかった」

キョン妹「うん! だからね、ありがとうキョンくん!」

キョン妹「わたしはもう、十分楽しんだよ! だから、今度はわたしが帰る番だよ!」

キョン「…………ああ、ありがとよ」

キョン妹「ハルにゃんのこと、ちゃんと助けてあげてね!」

キョン「ああ……任せろ!」

キョン妹「それじゃあ―――」












キョン妹「ただいま―――キョンくん」パアァ

キョン「……ああ、おかえり―――」 











360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/25(土) 18:15:45.53 ID:CAGOaCxI0
ここまでー
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/25(土) 21:04:02.13 ID:kmkiDNazO
やっぱりかー…いつだったのスレで妹はいないと言われてたからまさかと思ってたがまさかだった
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/25(土) 21:54:39.90 ID:NNBeD23Eo
乙です
朝倉さんさすがです
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/25(土) 22:48:13.92 ID:xsyJrwZG0

今回特に面白かったかも
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/27(月) 17:13:16.49 ID:7fcw2RNnO
結局妹は何なんだ?
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/01(土) 20:20:45.07 ID:4B5gNcah0
とうかー
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/01(土) 20:25:30.78 ID:4B5gNcah0

β


キョン「…………」

佐々木「……戻ったんだね」

キョン「……ああ。妹は……いや」

キョン「もう一人のおれと呼ぶべき、力のバックアップは今、帰属した」

佐々木「ただのバックアップなんかじゃないだろう。キミの妹さんはきっちりと役目を果たした」

佐々木「キミがこの世界に戻ってくることを疑わず、力を失ったキミの最後の希望の役割を持ち」

佐々木「こうして、キミに還り……希望を絶えさせなかった」

キョン「…………分かっているさ。単に予備の力としての存在なんかじゃない」

キョン「……孤独を紛らわせるためのバックアップだったはずが、いつの間にか妹になっていやがった」

キョン「あいつがおれだったなんて忘れていたほどに、あいつはおれの妹だった」

佐々木「……そうかい」

キョン「今だって……目を閉じればあいつの声が聞こえる気がするよ」

キョン妹『キコエルー!? キョンクーン!!』

キョン「ふっ……ここからって時に幻聴なんて笑えないよな」

佐々木「いや、キョン。すまない、僕にも聞こえているんだけど」

キョン「………………え?」

キョン妹『アハハー!! セマーイ! ヤッパリダシテー!』

キョン「こ、こいつッ……!! な、なぜまだ妹としての意識がある!?」

佐々木「……長い間、妹として染み込んだ意識はそう簡単にはなくならないのかもね」

キョン「おいおい冗談じゃねえぞ。これ、いつかおれの体がこいつに乗っ取られちまうんじゃ……」

キョン妹『! ソノテガアッタカ!!』

キョン「ッ!? ぬかったッ!?」

佐々木「くつくつ、その様子なら寂しくなることもないだろうよ」

佐々木「……安心したよ」
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/01(土) 20:30:07.23 ID:4B5gNcah0

キョン「くっ……無駄に悩みが増えちまったが……まあいい」

キョン「どれ……」グッグッ

佐々木「どうだい? 力の具合は?」

キョン「……まっ、良くて5割ってところか」

佐々木「5割か……」

キョン「なに、問題ない。今、こっちの佐々木は『力』を持っていない」

キョン「これだけ使えりゃ十分だ。さぁ、佐々木、急ぐぞ」

佐々木「……待ってくれ、キョン」

キョン「……まだあるのか? 悪いが佐々木、これ以上は―――」

佐々木「キミを万全の状態にまで戻す。向かうのはそれからだ」

キョン「……おい、それは一体どういう―――」

佐々木「すぐに済む。時間は取らないさ。キョン、僕に手を合わせてくれ」スッ

キョン「…………待て」

佐々木「待っているのはキミだろう? さぁ、キョン早く手を出すんだ」

キョン「何を考えている佐々木? お前、なんで……」

佐々木「……これしか方法はない、と言い切るには早計だけど」

佐々木「時間がないこともまた事実だ。限られた時間での最大の効果はこの方法しかない」

キョン「…………」

佐々木「キョン、キミに―――」


















佐々木「僕の『力』を……全てを、受け取ってもらう」
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/01(土) 20:34:26.41 ID:4B5gNcah0

佐々木「それなら……万全の、いやもしかしたらそれ以上の力になると……思いたいね」

キョン「……何故だ。そこまでする必要はないと言っているじゃないか」

佐々木「準備をしすぎるなんてことはないよ。常に不足の事態を想定し、できることはやっておくべきだ」

キョン「……すべきことじゃない。お前の『力』が……存在が消えてしまう事なんて!」

佐々木「消えなどしないさ。決して」

佐々木「キミという存在と同化するだけ。まるっきりゼロになるわけじゃない」

キョン「……そもそも、お前の『力』を受け取れるなんてこと―――」

佐々木「仮定の話を覚えているかい?」

キョン「―――ッ!」

佐々木「それに……それ抜きにしても、キミにできないとは思えないよ。キョンも分かっているはずだ」

キョン「……」

佐々木「キミは僕の親友だからね。余すトコなくきっちり受け止めてくれよ」

キョン「佐々木……」

佐々木「くつくつ……同じ世界に僕は二人もいらないよ。僕だってドッペルゲンガーを拝みたくはないしね」

佐々木「だから、この世界の僕のことはすべて任せる。大丈夫さ、信じてる」

キョン「…………」

佐々木「親友がバカをやっているなら、止めてやるのも親友の仕事だろう?」

キョン「…………ああ」

佐々木「頼んだよ親友。後はキミの中から見させてもらうことにするよ」

キョン「……ああ!」

佐々木「くつくつ、いい返事だ」

佐々木「さぁ……手を合わせて」スッ

キョン「…………」ピタッ

佐々木「…………ああ」

佐々木「やっと―――」パアァ

佐々木「―――キミとまた、一緒だ」ニコッ

キョン「……佐々木ッッ―――!!!!」






ドンッッッッ!!!!
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/01(土) 20:38:23.21 ID:4B5gNcah0






周防「――――――?」ピクッ

朝倉「ッ、これ……この感じ……まさか!」






長門「…………………………おかえり」ゴオォッ!






藤原「ちっ、いい加減―――ッ!!?」

朝比奈(大)「…………よかった」ホッ

朝比奈「ふえっっっ!? も、もしかしてこれって……!」






橘「囲んでください!! あの、一番ヤバイメイドさ―――! さ、佐々木さ……いや、違う……?」

古泉「…………お待ちしていましたよ」












ハルヒ「…………ん」

佐々木「おや、涼宮さん。お目覚めかな? できれば、部室につくまでは眠っていてくれると助かるよ」
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/01(土) 20:43:34.48 ID:4B5gNcah0

キョン「―――……」シュウゥゥ!

キョン「…………」

キョン「…………」グッグッ

キョン「万全……以上だぜ。佐々木、妹よ」

キョン「……ありがとう」

キョン「けど……お前らの存在が……」クッ






キョン妹『ヤッタネ! キョンクン!』

佐々木『さぁ、頑張り給えよ親友』






キョン「…………なんか体の中がうるさい」

佐々木『おっと、妹さん。キョンの集中が乱れるといけないから静かにしていようか』

キョン妹『ハーイ!』

佐々木『僕と向こうで遊んでいよう。静かにね』

キョン妹『ワーイ!』

キョン「向こうってどこだよ。めちゃくちゃ気になるだろうが」

キョン「マジでおれの妄想から成る幻聴とかだったら勘弁してくれよ……ったく」

キョン「まぁ……誰かがいてくれて心強いってのは確かだ」フッ

キョン「……待ってろハルヒ。すぐに―――行くからよッ!」シュン!!












ガサッ

「…………主よ。やはり、あなたであったか」
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/01(土) 20:48:43.10 ID:4B5gNcah0

α


ヤスミ「はー! 楽しい! いえ、楽しすぎましたっ!!」

キョン「遊びつくしたな。この『キョンくんワンダーランド』を」ククク

ヤスミ「そんな名前だったんですねっ!? プチ衝撃ですっ!」

キョン「それで、まだ乗りたいアトラクションでもあるか? それとも……」

ヤスミ「いえっ! 仰る通り遊びつくしましたっ!! すっっっごく楽しかったです!!」

キョン「そうか。そりゃよかっ―――」

ヤスミ「ですので! 次は宣言通り、あたしがとっても素敵な場所へ連れて行ってあげますっ!」

キョン「そりゃいいが、そんなにハードルをあげて大丈夫か?」

ヤスミ「大丈夫です! きっと先輩も喜んでもらえると思いますっ!」

キョン「へー、そりゃ……楽しみだ」

ヤスミ「フフ、では向かうとしましょうか!」

キョン「おう、んじゃ夢の国とはおさらばだ」パチンッ!

ヤスミ「あぁー! 名残惜しいですが……仕方ないですねっ! また……」

ヤスミ「また…………」

キョン「……ああ、連れて行ってやるよ。また、何度でも」

ヤスミ「! それは……それはとっても嬉しいです!! 是非っ、また!」

キョン「ああ、約束だ」

ヤスミ「はいっ! 約束!! ちゃんと守ってくださいね!!」

キョン「当然だ」

ヤスミ「……それじゃ、行きましょうか」

キョン「ワープで行くか?」

ヤスミ「いえ! お散歩しながら行きましょう!」

キョン「団活の集合時間に間に合うか?」

ヤスミ「あっ! え、っと……その、多分、大丈夫……だと」

キョン「……まっ、間に合わなけりゃその時考えりゃいいか」

ヤスミ「! ありがとうございますっ! それじゃ先輩っ! こっちです!」タタタッ!

キョン「……やれやれ」
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/01(土) 20:54:17.43 ID:4B5gNcah0

ヤスミ「フフ、ねぇ先輩。先輩はSOS団のどんなところが好きなんですか?」スタスタ

キョン「なんだ藪から棒に。そのおれがSOS団を好きである前提の質問は?」スタスタ

ヤスミ「違うんですか?」

キョン「…………理由なんかねえよ」

キョン「おれが居たいと思える場所がSOS団だ。それだけさ」

ヤスミ「……ひゅー」

キョン「冷やかしてんじゃねえよ」

ヤスミ「いやいや! 滅相もないですっ! なんというか、すごい、信頼関係だなぁ、って!!」

キョン「そうか?」

ヤスミ「理由なんてない。ただ、この人たちと一緒にいたいだけ……」

ヤスミ「こう、言葉を交わさずとも互いが互いを理解しあえる関係……みたいな?」

キョン「(確かに言葉を交わす必要はないっちゃないが)」

ヤスミ「そうそう、こんな風に直接脳内に……脳内にっっ!?」

キョン「どうしてそんなことを聞くんだ?」

ヤスミ「いやぁ、なんとなくですよっ! 特に深い意味はありませんっ!」

キョン「そうかよ」

ヤスミ「ですっ! でも、羨ましいなぁそんな関係……」

キョン「お前も入ってくりゃいい。入団テストをとっとと終わらせてな」

ヤスミ「……フフ。そうですねっ!」

キョン「最後らへんにゃSOS団ガチンコタイマン5連戦があるだろうから、頑張れよ」

ヤスミ「そんな武闘派集団でしたっけ!!?」ガーン!
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/01(土) 20:59:44.32 ID:4B5gNcah0

キョン「んで……今おれたちが向かってる場所だが」

キョン「どうやらおれの知っている場所っぽいんだが……」

ヤスミ「おやっ! 聡明な先輩は何かに気付かれましたかっ!!?」

キョン「いや、なんというか……この登り慣れた坂道の先にあるのは一つしかないというか」

ヤスミ「流石!! 名探偵ですか!?」

キョン「妙だな……当たり前のことを言っただけなのにこの反応」

ヤスミ「そう! 先輩の推理通り、今からあたしたちが行くのは―――!」

ヤスミ「SOS団の本拠地、文芸部室ですっっ!!!」

キョン「…………」エー

ヤスミ「なんですかっ!? その微妙に嫌そうな顔は!?」

キョン「……素敵な場所って言ってたじゃねえか」

ヤスミ「とっても素敵じゃないですか!! 先輩だって居たいと思える場所って言ってたじゃないですかっ!」

キョン「それとこれとは……ってか本当になんで部室だよ。今更部室で不思議探しか?」

キョン「ま、確かにあの空間は異空間化してよく分からんモンで溢れ―――」

ヤスミ「先輩っ」

キョン「―――お?」

ヤスミ「行きましょうっ!」ニコッ

キョン「……だから、なぜ部室なのかの説明をだな」

ヤスミ「行けば分かりますよ。きっと!」

キョン「……分かったよ。行けばいいんだろ」

ヤスミ「はいっ! それできっと―――」

ヤスミ「先輩の知りたいことが全て分かるはずですから!」

キョン「…………ほう」
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/01(土) 21:00:36.83 ID:4B5gNcah0
ここまでー!
随分読みにくく、ややこしくなっていると思います……すいません
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/09/01(土) 22:18:16.37 ID:oaIxPYYfo
乙です
妹ちゃん流石です
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/09/02(日) 03:52:03.55 ID:K+WyfZAQO
キョンの中のあっちってマジでどこだよww
……俺も気になるじゃないか
……気になって気になって夜も10時間しか寝れそうにないよ
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/09/02(日) 10:24:17.63 ID:yzxWKbfF0
乙です
いよいよクライマックスって感じ
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/15(月) 08:37:08.38 ID:X1uAxpU1o
速報復活!!更新待ってます!!
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/20(土) 09:05:57.21 ID:AOBRCSVmo
速報が復活したの気づいてる?
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/22(月) 21:25:57.27 ID:SJMaEKI00
やっと復活したか…続きをいつまでも待ちます
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/25(木) 22:12:04.43 ID:FiCxOpT7O
お久しぶりです 1です
突然ではありますが、このシリーズSSをここで打ち止めとさせて頂きます。
理由として、投下ペースの大幅な減少、それに伴う読者さん離れ等々ありますが、完結までの構想が浮かんでいないことが一番の原因といえるでしょう。
そんなわけで、勝手ながらこのSSはここまでとなります。
ありがとうございました
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/25(木) 22:14:09.80 ID:ld4BgpSgo
雑ななりすましだな
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/26(金) 18:38:21.69 ID:kGOb8XbDO
色々な点から見てだいぶなりすまし臭いな...
まあ本物の>>1なら少なくとも後何回かは返信してくれるでしょ
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/26(金) 19:09:39.45 ID:gYbUMHqa0
なりすますならもうちょっとちゃんとしてほしいな
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/28(日) 12:36:25.40 ID:rPm7YkjoO
続きの投下予定はありません。
申し訳ありませんが事実です。
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 14:30:12.40 ID:dvCNP1fbo
しつこい
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/30(火) 11:47:37.51 ID:MuDzDvugO
書きたいことが山ほどあるっていってたんだから、ねぇ…
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/01(木) 19:58:37.39 ID:gMHJUiKQO
投下をお待ちいただいている読者の方がおられ、
大変喜ばしい気持ちではあるのですが、いかんせん投下をする、できる状態にはなりませんでした。
ご指摘の通り、書きたい事はまだまだあるのですが、書くことは叶いそうにありません。
しつこいようで申し訳ありませんが、このシリーズはここで幕引きとなります。
拙いSSにお付き合いいただき、ありがとうございました。
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/01(木) 20:19:21.68 ID:iDjk5p0Bo
下手でバレバレな成りすましですね
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/01(木) 21:05:22.38 ID:7ITfuODDo
いい加減うざい
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/08(木) 18:05:44.48 ID:Aw/BVMqw0
ageたら気づくかな
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/24(土) 19:54:54.39 ID:GHYwKNfko
待ってるや
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/11(火) 23:57:56.81 ID:N8AfzWPxo
待ち
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/19(水) 20:38:39.07 ID:PP1dCK3oO
作者が書くモチベーションがなくなったって言ってんだから
諦めな
代わりに書いてやろうか??
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/20(木) 03:19:48.78 ID:Ku8yzCgXo
どうみても作者じゃないし消えろ
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/20(木) 06:28:14.54 ID:N57QbOaP0
しばき倒すぞボケ
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/21(金) 23:48:41.03 ID:pUzjkv+PO
面白いんかこのSS
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/28(金) 16:37:18.48 ID:eSKt5stgO
面白くないならみなきゃいいのに
そんなに構って欲しいのか?
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/01(火) 20:06:33.92 ID:2+vmZsMh0
2019年明けました、しかしながら気長にお待ちしています。頑張って!
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/09(水) 20:25:26.03 ID:kI4iHn4nO
初期のような楽しみながらの投下はもうないんやなって...
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/22(火) 00:15:54.78 ID:B+2JF9u/O
なんかいなくなったって既成事実を作ろうとしてる奴がいる気がするが...
とりあえずいつまでも全裸で舞ってる
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/03(日) 12:26:00.67 ID:ACsNSjtl0
いつまでも待ってる
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/07(木) 14:22:37.19 ID:ewVy8aV6O
留年したけど待ってる
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/07(木) 14:49:37.59 ID:J6Jv9ggAo
あの宣言は本物だったのかな、とも思えてきたけど、いつでも戻ってきてくれていいんだからね
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 20:15:02.64 ID:59i/6nocO
あの宣言の正体は十中八九このスレの最初の方から粘着してたsageない荒らしだろ
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/08(金) 19:13:19.42 ID:8bqm5OLD0
ずっと待ってるよ
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/10(日) 17:53:52.31 ID:70NjeE9P0
待ち続けます
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 02:18:13.73 ID:8mRoumSN0
まってる
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/17(日) 17:17:04.30 ID:RuZrfqZR0
ずっと楽しみに待ってるんだがまだか?
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 22:14:28.70 ID:i/8PvItM0
待たれよ
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/30(土) 14:56:51.47 ID:6OBc1IRUO
まだ待つのか。懲りないな
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/30(土) 19:20:08.44 ID:deqPM5tlo
普通待つだろ
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/20(土) 12:51:47.46 ID:Dp7ZY0Y9O
まだあっなのか、、、
本家の方が年単位だったしまだ一年経ってないんだから待つのもヨユーヨユー
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/07(火) 08:20:32.73 ID:CScDf93x0
楽しみにしてる
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/29(水) 10:01:32.63 ID:WgZGdthgO
留年したから待ってる
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/01(土) 07:34:25.65 ID:rg15d5WEO
畳むなら畳むでいいし、理由あってのことだろうし
ただせめて一言はほしいよね
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/21(金) 21:36:41.06 ID:8b5/suJSO
書きたいストーリーまだまだある言うてたし何かしらあるんだろう
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/06(土) 15:43:00.40 ID:rpYT0QLr0
ss作者ゴンベッサとは何者か?
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/08(木) 00:30:01.95 ID:B6W+wWnX0
原作待ってる期間に比べりゃ余裕のよっちゃんよ
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/21(水) 10:08:30.46 ID:saRAT8WQO
まぁ待てるわな
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/28(土) 15:40:54.94 ID:BgfMh/Hc0
もう無理か
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/15(火) 20:39:18.16 ID:Dnhw2iRj0
久しぶりに見に来た
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/18(金) 23:10:08.80 ID:mck6s8wm0
一年強……誠に申し訳ございませんでした!
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/18(金) 23:11:34.16 ID:mck6s8wm0

β


ガチャ


佐々木「ふぅ、やっと着いたよ。涼宮さん、ここがあなたの定位置だろう?」トサッ

ハルヒ「…………」

佐々木「……くつくつ、団長席がよく似合うこと。さすがは団長様だ」

佐々木「さて……始めようか」

佐々木「返してもらいます……その『力』を―――」スッ












パシィッ!!











佐々木「――――――おや。私と違って……」

ハルヒ「……何、してんのよあんた」

佐々木「随分芝居が上手ですね。狸寝入りしていたとは……おはよう涼宮さん。いつから目を覚ましていたの?」

ハルヒ「生憎、たった今目覚めたとこよ。あまり良い目覚めとは言えないみたいだけどね」

佐々木「それはお互い様。できればあなたが眠っている間に全てを終わらせたかった」

ハルヒ「…………」
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/18(金) 23:16:32.02 ID:mck6s8wm0

佐々木「さて、どうしたものでしょう……お茶でも淹れましょうか?」

ハルヒ「……有希は、みくるちゃんは、古泉くんは」

ハルヒ「キョンは……どうしたのよ!!?」

佐々木「団員思いの、心優しい団長のようでキョンが羨ましいです」

佐々木「安心してください。彼らは無事です。今も恐らくこの場に向かっているはずです」

ハルヒ「…………」

佐々木「ええ、信用いただかなくとも直に分かります。もうすぐ側まできてる」

佐々木「だから急がないと……」

ハルヒ「……あんたたちの目的はあたしだってことは分かったわ」

ハルヒ「でもその理由が分からない。あたしに何の用があるってわけ? SOS団の団長の座でも狙う暗躍組織かなにか?」

佐々木「まさか。そんな大それたこと、わたしたちにはできません」

佐々木「ただ、あなたが持っているものをお返し願いたいだけです」

ハルヒ「あたしの持ってるもの……? あんたに返すようなモノなんて持っていないわよ!」

佐々木「……いいえ。あなたが知らないだけで持っているんです」

佐々木「この世界全てに関わるほどの、大きな『力』を……」

ハルヒ「……それ、って」

ハルヒ「やっぱりSOS団の団長の座―――!!」バッ!!

佐々木「ではなく」

佐々木「意図的か無意識かは判りませんが、あなたが認識をせず巻き起こった不可思議な出来事……」

佐々木「その全ての原因……涼宮さん。それがあなた」

佐々木「あなたの持つ『力』が起こしたものなのです。といっても自覚はないでしょう」

ハルヒ「…………?」
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/18(金) 23:21:02.50 ID:mck6s8wm0

佐々木「……理解できない。いや、無意識のうちに認識しないようにしているのでしょうね」

佐々木「この世界の根幹に触れることから、あなたは無意識に逃げている」

佐々木「……気づいてはいけないことから」

ハルヒ「……何のことよ」

佐々木「……全てですよ」

佐々木「こうなるのも、あなたが望んだ結果でしょう? 涼宮さん」

佐々木「いや、こうなるのも、というよりは―――」

ハルヒ「長々とうるさいわね!! 結局! あんたは何が言いたくて何がしたいわけ!? プロレス? 上等よ! かかってきなさい!」バッ!

佐々木「……分かりました。一瞬で終わらせましょう。あなたとわたしが触れれば……」スッ

佐々木「それで、終わり―――さあ」

ハルヒ「どぉおりゃぁぁああああああ!!!」ダッ!

佐々木「『力』を……返―――」


















ガチャ
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/18(金) 23:26:59.98 ID:mck6s8wm0

α


ヤスミ「るんっ、るんっ♪」

キョン「ご機嫌だな、いい加減部室棟の階段も登り慣れたろ」

ヤスミ「いえいえっ! 我らがSOS団の部室に向かう足取りはいつでも軽快なものですよっ!」

ヤスミ「たとえ100キロの重しを背負おうと、その歩みを止めることはありませんっ♪」

キョン「そうか」スッ

ヤスミ「っッ!!?」ズシッ

キョン「今から重力5倍な。果たして軽快な足取りは維持できるかな?」ククク

ヤスミ「なっ、なぜそんなことを……ハッ! わ、分かりました先輩……入団試験、ですねっ!?」グググ!!

キョン「たぶんどこの軍隊でも採用してねえよ。そんな試験」

ヤスミ「さ、さすがはSOS団……この重力下でいつも過ごされていたとは……っ!」

キョン「色んな意味で重たい受け止め方するなぁ、お前は」

ヤスミ「ならっ! 絶対、突破してみっ……あれっ? 軽くなった……重力5倍に早くも適応できた!!?」パアァ

キョン「水を差すようで悪いが、既に重力は元通りだ。そうまでして部室に行きたいならもう止めねえよ」ハァ

ヤスミ「嫌がらせっ!? 嫌がらせだったんですか!? もーっ! 素敵な場所って言ってるんですからやめて下さい!!」

キョン「へいへい。もうしねえよ…………多分」

ヤスミ「絶対ですっ!!」

キョン「へいへい」

ヤスミ「まったく! こまった先輩です!」

キョン「困らせられてるのはどっちだと思ってんだ」

ヤスミ「団長、ですかね?」

キョン「……強く否定はできないな。俺の普段の行動を振り返ると」
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/18(金) 23:30:31.51 ID:mck6s8wm0

ヤスミ「ここですっ!」ジャン!

キョン「知ってるよ。今更過ぎるだろう」

ヤスミ「いやー! 何度見ても荘厳で雰囲気のある扉ですよねっ!」

キョン「それは部室棟を設計した人に対する最大の賛辞だが、どうみても普通の扉だ」

キョン「で、入り口についたわけだが……中に誰かいたりするのか? なんかのサプライズがあるんだよな?」

ヤスミ「フフ。どうでしょう? 逆に扉を開けて誰がいたら嬉しいですか!?」

キョン「……そうだなぁ」

キョン「俺」フフ

ヤスミ「なんか怖い!!! どういう思考回路でその答えに!!?」ヒィッ!

キョン・キョン「「いやなんか新鮮だろ? 自分と出会うってさ」」

ヤスミ「今!! 今先輩と先輩がいますけどっ!!!?? 不自然な新鮮さ!!」

キョン「まぁ……誰でもいいさ。誰もいなくてもいいが」

ヤスミ「そうですか?」

キョン「素敵なことになるんだろ? それならいい」スッ

ヤスミ「―――はいっ! きっと!!」

キョン「……やれやれ」


















ガチャ
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/18(金) 23:34:56.79 ID:mck6s8wm0

β


古泉「帰ってきたようですね……彼が!」

新川「いやはや、流石と言うほかありませんな」

圭一「ふっ、二人共……っ!」グッググ!

裕「悠長に話す前に、も、森さんを止めるのを手伝ってくれ!! このままじゃ相手に死者がでるッ!!」ググッ!

森「フゥウウゥウゥウ……!!!」シィィィイイ!!

新川「……仕方ありますまい。ここは私共が引き受けます。先に行きなさい、彼女のもとへ」

裕「は、早くっ……!」

古泉「しかし、ああなった森さんを止めるのは4人がかりでないと危険です」



橘「あれ? もはやこっちは敵と見なされてない……?」

橘「チャ、チャンスですよ皆さん! さあ、起きて! 起き……頑張りましょう!!?」



裕「ッ、構わ、ないよッ! それよりも……」グググ!!

圭一「心配なんだろう? 団長のことが。早く行ってあげなさい」ググッ!

古泉「…………」












バリンッ!!
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/18(金) 23:39:04.04 ID:mck6s8wm0

長門「……侵入完了」シュタッ!

古泉「っ!? 長門さん!! ご無事でしたか!!……よかった」

長門「あなたも……無事でよかった」

古泉「……ええ、お互いにね」

長門「……彼が」

古泉「ええ、戻ってきたようです。そしておそらく向かうべき場所は一つ」

長門「部室」

森「…………長門さん」

裕・圭一「「喋ったっ!?!?」」ビクッ!

森「古泉を……よろしくお願い致します」

古泉「森さん……」

長門「……任せて」ガシッ

古泉「……え?」

長門「振り落とされないで」ドンッ!!

古泉「ちょ―――」グンッッ!

新川「……儚い残像ですな」

裕「急加速が過ぎるね長門さん」

森「さあ。古泉が抜けた分、さらに気を引き締めてください。相手の戦力は強大です」

圭一「もう向こうさんは瀕死のような……というより過剰戦力はこっちだね」












橘「うわあぁあん!!!  ものすごいスピードで一樹くんの残像が見えたぁあ!!?」

橘「こっちには戦える戦力はもう…………グスン」

橘「佐々木さん、藤原さん、すいませんーー!! 突破されちゃいましたぁあ!!」ウワァアン!












森「……では仕上げですね」ポキポキ

裕「まだやるの!?」ガーン!
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/18(金) 23:41:14.14 ID:mck6s8wm0
ここまでー
間が空きすぎて申し訳ないです。
超不定期投下は変わらないので、何卒よろしくお願い致します。
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/18(金) 23:44:18.75 ID:/kHH0/wR0
まさかの復活
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/19(土) 00:05:44.23 ID:9gXcJo4GO
ageかと思ったら更新だと…
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 04:50:05.50 ID:9RLDuDjZO
めっちゃ久々…
これからも楽しみ
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/21(月) 18:22:26.45 ID:2VRmF1iho
再開めっちゃ嬉しい!!!
楽しみに待ってます!
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/21(月) 22:03:59.18 ID:Jm87o1P1o
待ちわびてた
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/15(金) 22:06:09.27 ID:440AbjfN0
復活に感謝
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/20(水) 08:13:58.19 ID:ORpFCgXrO
再会ありがと!!!
乙!
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/04(水) 00:56:18.05 ID:lXQR1rYs0
舞ってる
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/11(土) 12:51:14.67 ID:18LLuTMNo
明けましておめでとうございます。今年も更新楽しみに待ってます
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 15:55:57.64 ID:627d1+TqO
おいおいマジかよ......久々に見に来たら更新されてるじゃねえか
待ってたぜ!!乙!!
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 16:06:13.41 ID:PSUVuWEM0
連投すまんが、そういえば打ち切り宣言してたあいつはやっぱり荒らしだったんだな......
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/17(金) 22:04:44.75 ID:jP7sWmcf0
あけましておめでとうございます。
まだ見ていただけている方がいて感激です。
今から書いてきますので明日には投下します。
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 03:03:33.73 ID:NWuEEtJko
待ってる
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/18(土) 12:29:05.86 ID:LMHgtr340

β






キョン「(長門、朝比奈さん、古泉……皆既に北高に)」シュ―――

キョン「(―――すぐに行くッ!)」―――ン

キョン「ッ―――!!」ビタッッ!!

キョン「北高到着! んで閉鎖空間か……ふん!」ガシッ!

キョン「うおぉお……ッ!!!」グググ!!

キョン「閉鎖空間ッ……入らせろッ!!」グイィ!






シュパッッ!






キョン「神人がいねえ……また亜種の閉鎖空間か……!」

キョン「ハルヒっ! どこだっ! 部室か!?」

キョン「待てよ佐々木、まだ間に合えよ……ッ!」

キョン「終わらせるんじゃねえぞ―――!」シュン!
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 12:35:58.69 ID:a/Twomppo
きたーーー!!
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/18(土) 12:36:29.22 ID:LMHgtr340

古泉「くっ! ッ! うわッ!」ガッシィ!

長門「……落ちないで」ビュンッッ!!

古泉「そ、そう思われるのでしたらす、少し速度を落と―――!」

長門「あれは」ビタッッ!

古泉「それは急すぎッッ!!?!?」ズザザッッ!!

長門「朝比奈みくる。同じく異時間同位体」






藤原「ッ、離せッ! 僕は為すべきことが―――!」

朝比奈(大)「女の子に向かってそんな口の利き方しちゃダメでしょ!」

藤原「お、女の子なんて齢じゃ……」

朝比奈(大)「……それ禁則事項よ?」グイッ

藤原「ぐうっ!?」

朝比奈「あ、あの! お姉ちゃん、やりすぎは……あの!」

朝比奈(大)「みくるちゃん、わたしはこの人と大事なお話があるの」グイーッ

藤原「……ッ!ッ!」

朝比奈「ギブアップ寸前のような……」

朝比奈(大)「あなたは行かなくちゃ行けないでしょ? だから、行きなさい」

朝比奈(大)「……素敵な素敵な、団員たちと」クスッ

朝比奈「えっ―――?」グイッッ!

長門「―――」チラッ

朝比奈(大)「お願いします。長門さん」

長門「―――任された」ビュン!!

朝比奈「ええぇえええええぇぇぇええぇえええええ!!?!?」ギューン!

朝比奈(大)「頑張って、みくるちゃん。長門さん。あと……」

古泉「――――――」

朝比奈(大)「何故か既に瀕死だった古泉くん……」

藤原「………………ッ」プルプル

朝比奈(大)「あら? 何故かこっちにも瀕死の人が」パッ

藤原「……ど、どの口が……」ガクッ
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/18(土) 12:43:43.74 ID:LMHgtr340

朝比奈「ななな、長門さん!! よかった! 無事だったったたた」ギュウ!

長門「あなたも。今は喋らない方がいい。掴まっていて」タタタッ!

朝比奈「で、でも、古泉くんが……こんなボロボロにされて……」ヒック

古泉「……」

長門「これは………………」

長門「……彼は勇敢だった」

朝比奈「びえぇえぇえええん!! こっ、古泉くぅううぅん!!」

古泉「……ハッ!? ま、まだっ! まだ生きていますから!! 大丈夫ですから!」

朝比奈「ひえっ!? し、死んだはずの古泉くんが喋っ……」

古泉「死亡認定が早い!!!」ガーン!

朝比奈「キュウ……」

古泉「朝比奈さーーん!!! 長門さんの両脇はどちらか気絶しなきゃいけないルールなんですか!!?」

長門「そんな風にした覚えはない」

朝比奈「……ハッ! だ、だめっ! 涼宮さんを助けにきたんだからこんなところで気絶なんて」ブンブン

古泉「……随分と、頼もしくなられたようですね。僅かな間に」

長門「それはあなたも」

古泉「そうでしょうか?」

長門「うまくは言えない。しかし、言語化するなら……」

長門「……しぶとい?」

古泉「……え? あれ? 悪口ですか?」

長門「情報の伝達に齟齬が発生した」
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/18(土) 12:50:22.76 ID:LMHgtr340

古泉「この階段の先に……っ!」

朝比奈「涼宮さん……」

長門「彼がもう先に―――」ダッ!!






キョン「―――着いたッ!」シュン!

キョン「……ふー―――!」



『頑張って! キョンくん!!』
『任せたよ、キョン』



キョン「―――ッ!!」ガシッ!












キョン「―――ハルヒ!!!!!!」












ガチャ
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/18(土) 12:51:52.15 ID:LMHgtr340












キョン「「あっ?」」












グニャァアァン












キョン「――――――ッ!!?」
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/18(土) 12:58:49.35 ID:LMHgtr340

キョン「―――はっ!?」

佐々木「―――……なるほど。おかえり、と言ったところかな。キョン」

ハルヒ「あっ? えっ? あれっ? あっ、キョン……キョン!!?」

キョン「こりゃ…………そうか、やっぱり」

キョン「そういうことかよ――――――ヤスミ」

ヤスミ「…………フフ。素敵でしょう?」






ハルヒ「キョン! あんた今まで一体どこに……いや、ヤスミちゃんと不思議探索に……ヤスミちゃん? あれ?」

ハルヒ「あたしなんで部室……えっ? ちょっと、これ、どういう……時間が……??」

佐々木「やあキョン、間に合ったみたいだね。やはりキミは僕の予想通り、この世界に戻ってきた」

キョン「かなり苦労させられたし、お前にも助けられて、俺はここにいる」

佐々木「くつくつ、どこの世界でも僕はキミの親友だからね。親友を助けないやつがどこにいる」

キョン「その親友に苦労させられたんだがな」

ハルヒ「ね、ねぇキョン……ちょっとあたし、おかしいかも……頭の中が、変」

キョン「あぁ、俺もだよ。どういう理屈か説明しづらいが、俺たちの記憶に2つの世界の記憶が混じっていやがる」

キョン「そしてそのどちらともが、確かに正しい記憶だ。だからこそ、理解ができないんだろう」

ハルヒ「そ、そうよ……あたしは有希と不思議探索してて、でもこの部室であの人と……」

佐々木「言わばα世界線とβ世界線。この2つの記憶がキョンが扉を開けた時に繋がり一つとなった」

佐々木「そして今、β世界線で『力』を失ったままの僕が存在し、同時に」

佐々木「α世界線にしか存在していなかった『彼女』もここにいる」



ヤスミ「……」



佐々木「よって、どちらの世界線とも言えない新たな世界線が誕生したことになるね」

ハルヒ「ヤスミ、ちゃん……あなた、一体……」

ハルヒ「何者、なの……?」

ヤスミ「……やだなぁ、団長」

ヤスミ「あたしはわたぁしですよ。ずっと」

ハルヒ「そうじゃ、なくって……」

ヤスミ「…………」
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/18(土) 13:02:34.71 ID:LMHgtr340

ビシイッッ!!!!!



ハルヒ「きゃっ!? なに!? 亀裂の入った音が……」

キョン「時空間にも影響が出ているんだ。直に時間振動が起きるぞ」

佐々木「やれやれ、随分とややこしい状況になったものだ。キョン、キミの想定通りかい?」

キョン「こっちのセリフだ。佐々木、どこまで思い描いていた?」

佐々木「少なくとも……この場に『彼女』がいるような場面は想定していなかったよ」

ヤスミ「……」

キョン「誰にとってもイレギュラーだったってことだ。ヤスミ、この一連の黒幕はお前みたいだぞ」

ヤスミ「役者不足ですよっ。あたしはそんなんじゃありません。ただのSOS団の入団希望者です」

ハルヒ「そもそも、一体これはなんの―――」






古泉・朝比奈「「涼宮さんっっ!!!」」






ハルヒ「みくるちゃん! 古泉くん!! 有希!!!」

長門「間に合った……」

朝比奈「よかった、よかったですぅ……!」

古泉「本当に……よかった」

キョン「皆……よく……本当に……ッ!!」

キョン「……ありがとうと言いたいところだが、長門。両脇に抱えている二人を下ろしてやらんと締まりがない」

ハルヒ「確かに。気にはなってた」

長門「迂闊」スッ

古泉「これは失礼いたしました」

朝比奈「わわっ、ご、ごめんなさい。そう言えばそうでした」

佐々木「……本当に面白い人たちだね」
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/18(土) 13:06:58.36 ID:LMHgtr340

佐々木「どうやら、僕の友人たちは置いてけぼりにされたらしい」

キョン「ここはSOS団のホームだ。分が悪い」

ハルヒ「ちょっと! さっきから置いてけぼりなのはあたしよ! キョン! みんな揃ったんだし訳を―――!」

キョン「こいつは俺の親友で、現状敵。以上だ」

ハルヒ「簡略的すぎるっ!! 全然意味が分からないわよっ!!」ガーン!

朝比奈「あれ? 古泉くんと不思議探索してたわたしは……あれ?」

ハルヒ「そう、それよみくるちゃん! あたしもその疑問について詳しく聞きたいのよ!」

古泉「同じく僕もですが……涼宮さん。どうやら悠長な時間は残されてはいないようです」






ビシビシィッ!!






朝比奈「ひっ!」ビクッ!

ハルヒ「また……っ!」

長門「世界線の統合に加え、涼宮ハルヒに帰属しつつある『力』が制御できていない」ボソッ

キョン「さらにここは閉鎖空間。不安定すぎるな」

キョン「佐々木。どうやら勝負はついたようだ。お前の仲間はここにいない。『力』も残っていない」

佐々木「……」

キョン「観念するんだ。お前たちの計画は失敗だ」

佐々木「……くつくつ」

キョン「長門、俺はこれから空間制御に移る。この世界を崩壊させないためにな。サポートを頼む」

長門「了解した」

古泉「涼宮さんもこちらへ。なるべく彼の近くに……」

ハルヒ「う、うん。ヤスミちゃんあなたも―――」

佐々木「何を言うかと思えば―――」





454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/18(土) 13:08:34.06 ID:LMHgtr340












佐々木「仲間なら、キミが連れてきてくれたじゃないか。キョン」

ヤスミ「――――」












佐々木「いやむしろ、キミを連れてきたと言うべきかな? なんとも嬉しい誤算だ」

キョン「――――――なっ」

朝比奈「えっ―――う、そ」

古泉「まさか……っ!」

長門「……」

ハルヒ「…………ヤスミちゃん?」

ヤスミ「……ごめんなさい。先輩方」

キョン「ヤスミ……そうか…………お前は」

ヤスミ「……」

キョン「勘違いしていたのか……お前は……―――」
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/18(土) 13:10:09.80 ID:LMHgtr340


















キョン「『佐々木』……だったのか」

















456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/18(土) 13:11:12.77 ID:LMHgtr340
ここまでー
ということで、皆さまもうしばらくお付き合いをお願い致します。
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 13:13:13.65 ID:a/Twomppo
乙です!
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 13:22:25.70 ID:H2BVkNhaO
ナンダッテー
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/19(日) 18:22:58.49 ID:VS/W8Jja0
本日も投下しますー
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/19(日) 18:26:58.45 ID:/vTZZLDYo
マジか最高
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/19(日) 20:02:03.82 ID:VS/W8Jja0
投下―
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/19(日) 20:06:40.72 ID:VS/W8Jja0

ヤスミ「…………」

朝比奈「そ、んな……だって、ヤスミちゃん……え?」

長門「下がって」

古泉「(……涼宮さんではなく、『佐々木』さんの意志……それが、彼女の正体……ッ!)」

古泉「(だから『力』の消失したβ世界線ではなく、α世界線にのみ出現した……!)」

キョン「……おいおい、ヤスミ。えらく素敵なサプライズをしてくれんじゃねーか」

キョン「俺はてっきり我らが団長を救うべく、お前がここまで案内してくれたもんだと、一人感涙にむせぶところだったんだがなぁ」

ヤスミ「…………」

ハルヒ「ヤ、ヤスミちゃん? つ、つまりあなたはどっちの味方……なの??」

ヤスミ「……あたしは……あたしは―――!」

佐々木「何者でもない。僕のバックアップさ。キョン、キミは分かるだろう?」

佐々木「こうした保険を張っておく意味を」

キョン「……ああ、似たもの同士だもんな俺たち。そのうち情が湧いて知らねえぞ」ソウダソウダー!

ハルヒ「!? い、今どこからともなく妹ちゃんの声が!?」

佐々木「現にこうして、僕は九死に一生を得た。このバックアップは今涼宮さんに『力』を吸収されていない」

佐々木「僕にとっての切り札さ」

朝比奈「切り札……ヤスミちゃん……」

キョン「大役であることには変わりねえらしい。大出世じゃねえかヤスミ」

古泉「(願わくば、我々にとっての希望でいてほしかったですが……)」

ヤスミ「…………」
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/19(日) 20:10:45.67 ID:VS/W8Jja0

佐々木「さて、仕切り直しだ。バックアップでこそあるが、なんら僕の『力』に変わりはない」

佐々木「またキミたちにはどこか遠くへ飛んでもらおうか」

ヤスミ「……」

キョン「そうはさせん。もう懲り懲りさ」

佐々木「そうかい? 滅多にない貴重な体験だと思うけどね」

佐々木「可愛がってくれたバックアップにやられるなら―――」

キョン「そいつはもう、バックアップじゃねえだろ」

ヤスミ「……!」

佐々木「うん?」

キョン「知ってるだろ? そいつの名前は渡橋ヤスミ。カタカナ発音で呼ぶと喜ぶ」

長門「比類なきポテンシャルを持ち」

朝比奈「と、とってもかわいくて!」

古泉「我々の愛すべき後輩」

ハルヒ「……SOS団入団候補生の渡橋ヤスミちゃんよ」

ヤスミ「……せ、先輩方」

ハルヒ「……いいわ、ヤスミちゃん。あなたがどちらの味方で何者だろうと……」

ハルヒ「あたしが目をつけた有望な入団希望者であることに違いはないんだからっ!!」

ハルヒ「まだ入団試験は終わっていないんだから、途中でホッポリ出したらただじゃおかないわよっ!」

ヤスミ「…………ッ!」

佐々木「……この短期間で随分と信頼を得たようだね。羨ましいことこの上ないよ」
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/19(日) 20:15:20.42 ID:VS/W8Jja0

ビシビシッ!!



古泉「(いつまで閉鎖空間が持つか……!)」

ハルヒ「ヤスミちゃん! さっ! 次の入団試験があるんだから! こっちに来なさいっ!!」

キョン「ヤスミ。お前がどうしたいかはお前で決めろ」

ヤスミ「…………」

キョン「どういう判断をしようが、俺たちはお前を見捨てない」

ヤスミ「…………あたし、は」

佐々木「……」フゥ

ヤスミ「……あたしは―――!!」












佐々木「いいや。それは僕が決めることだ―――」ポン












ヤスミ「――――――!」ブワッ!

佐々木「ラスボスの座は渡さないよ」

キョン・ハルヒ「「ヤス―――!!」」

長門「――――――」ガシッ

佐々木「さあ。勝負はここからさっ」カッ!!






ドゴォォォオォオオオオン!!!
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/19(日) 20:20:51.09 ID:VS/W8Jja0

新川「ッ……!! 皆さま今のはっ!」

森「部室の方から爆発音……古泉」

圭一「敵対勢力の無効化は完了した。僕らも増援に……」

裕「あれ? あのリーダーらしき泣きわめいていた子は……?」

森「逃げ……いや、いち早くあちらへ向かったのでしょう」

新川「ならば我々も……」

森「いえ、私たちはここで待ちましょう」

圭一「なぜだ? 少しでも力になれるなら……」

裕「兄貴、こっちがとやかく言う必要はもうないんじゃないかな?」

新川「……なるほど。後は彼らの、若人たちの時代、というわけですかな」

圭一「……年寄りが口を出さずとも、なんとかしてくれる。と信じることが大切、か」

森「まぁ……私はまだ若人といっても過言では―――」

新川・圭一・裕「「「いやいやいや……」」」

森「……ふふ」ポキッ






藤原「―――ハッ!!? な、なんだ!? 爆発!?」

朝比奈(大)「あら、気が付いた? そろそろ膝が痺れ―――きゃっ」

藤原「!!!?!?!?!?? なな、なななっ、なに、なにを!!?」ババッ!

朝比奈(大)「ごめんね。ちょっとやりすぎちゃったかもね」

藤原「くっ、こんなことをしている場合じゃ……佐々木っ!」ダッ!

朝比奈(大)「どうしても」

藤原「……っ!?」ピタッ

朝比奈(大)「どうしても……あなたは未来を変えなくてはならないの?」

朝比奈(大)「数多の規則を破ってでも……」

藤原「………………そうだ」

藤原「……あなただって、分かっているはずだ……!!」

朝比奈(大)「失われた過去は……人は……二度と戻ってこないのよ」

藤原「…………それでも僕はあなたを取り戻す」

藤原「―――姉さん」ダッ!

朝比奈(大)「…………」
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/19(日) 20:26:01.89 ID:VS/W8Jja0

朝倉「ッ、くっ……!!」ガキィン! ギィイン!

周防「……―――」ガキッ! ドカッ!!

朝倉「チッ……ジリ貧……だけどそれでいい!」

周防「―――……」

朝倉「あとはキョンくん……さっさと決着―――!!」

周防「―――始まった……」

朝倉「なに? この嫌な感じ……閉鎖空間の方から……」

周防「―――約定を―――果たす」

朝倉「行かさないわよ。この制御空間下で好きな真似はさせない」

周防「―――無駄よ」クスッ

朝倉「とか言ってさっきから出れていないじゃ―――!」フフン

周防「―――」シュン!

朝倉「あれぇーー!!?!? ちょ、なんで!!?」エェェ!?

朝倉「くっ……天蓋領域、の力じゃないわね。外部からの干渉……」パアァ

朝倉「涼宮……いや佐々木、さんの方か! ごめん長門さん!!」

朝倉「あたしもすぐに向か―――」



「行くんですか?」



朝倉「……止める気?」

喜緑「いいえ。それはわたしの役割ではないので」

朝倉「あっそ。じゃあ好きにさせてもらうわ」スッ

喜緑「……変わりましたね」

朝倉「……現状を変えたいのなら、自分から変わらなきゃだめって気づいただけよ」ダンッ!!

喜緑「それが、統合思念体の意思……なのかしら?」
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/19(日) 20:30:15.20 ID:VS/W8Jja0

ドゴォォォオォオオオオン!!!






キョン「―――ッ、無事か!? みんな!」ギュッ!

ハルヒ「なっ、なんとか……って、は、離しなさいよ! 守ってくれたことには、その、あれだけど」ゴニョニョ

朝比奈「……っ!」キュピーン!

古泉「あなたと長門さんのおかげでどうにか……朝比奈さん。恋の波動を感じないでください」

長門「対象を補足。窓の外」

ハルヒ「てかなんなのあの爆発!? 部室が粉々……っ、ヤスミちゃん! ヤスミちゃんは!!?」

キョン「安心しろ、無事だ。とは言っても既に俺らの知るヤスミではないかもな」






ヤスミ「――――――」コオォ!
佐々木「さて、どうしたものか……」フワァ






キョン「ど派手な演出しやがって……」

ハルヒ「う、浮いてる……キョン。あんたの親友になればイリュージョンができるように―――」

キョン「ちげーよ。とりあえず、全部説明はあとだ。一つだけ言っておくと、向こうはお前を狙っている」

ハルヒ「言ってたわね……SOS団団長の座をなんとしても、って!」ギリッ!

キョン「……それホントに言ってた?」

古泉「ヤスミさんの意識は今、佐々木さんの制御下にある、ということでしょうか?」

キョン「だろうな、微妙に発光してるし。およそ今のヤスミに言葉が通じるとは思えん」

朝比奈「ヤスミちゃん……」

長門「……」
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/19(日) 20:36:07.19 ID:VS/W8Jja0

ヤスミ「――――――」

キョン「おい、部室めちゃくちゃにしやがって……この状況からどうするつもりだよ」

佐々木「あとで直してあげるよ。『力』が全て僕の元に還ればね」

キョン「させると思うなよ」

佐々木「してみせるさ」






橘・藤原「「佐々木(さんっ)!!!」」バッ!!






朝比奈・古泉「「ッ!!」」バッ!!

佐々木「遅ればせながら、僕のお仲間も到着だ。これで挟み撃ちの状況となるね」

キョン「役者が揃ってきたじゃねーか……」

佐々木「あとは……」

ヤスミ「―――」スッ!

周防「―――……」ブゥン!

長門「あれは……」

キョン「勢ぞろい、ってか」

佐々木「周防さん。さっきのエマージェンシーに答えられず申し訳ない。大丈夫だったかい?」

周防「―――対応済み―――問題ない」

佐々木「それはよかった。さて……」

佐々木「最終決戦だ。死に物狂いで『力』を取らせてもらう」

キョン「やってみろ。絶対に阻止してやるよ」

ハルヒ「…………っ」グッ!












佐々木「いくぞ、親友―――」
キョン「こいよ、親友―――」
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/19(日) 20:38:11.57 ID:VS/W8Jja0
ここまでー
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/19(日) 20:58:29.81 ID:khLdn+1Co
乙!
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 18:22:17.27 ID:dxf3ekXs0
乙!相変わらず面白い!
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 17:56:27.44 ID:1k74yzwu0
更新されてた!うれしいww
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/12(木) 01:16:34.02 ID:ozK07kw+0
焦らず、落ち着いて、堅実に書き進めてくれ
楽しみにしてる
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/22(日) 21:07:23.06 ID:5HjJNjIW0
こちとら一年強ずっと待ってたんだ
これからも気長に待ち続けるので、ゆっくり自分のペースでいてくれれるだけで何も言うことない
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/05(日) 04:07:45.01 ID:ofM2azp40
定期訪問パピコ
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/15(金) 00:07:44.46 ID:LSravThr0
コロナ期間暇なんだ
笑いたくて読み返す今日この頃
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/03(水) 07:53:18.28 ID:PpmGDqgQ0
コロナをなんとかしてくれキョン
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/31(月) 12:31:40.41 ID:OtzecqppO
最新刊出るってな
前巻から何年経ったよwwwwww
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/17(木) 10:41:44.30 ID:e8X2RW83O
しりたいかね?

大体""9年半""だよ…
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/20(日) 20:53:45.41 ID:h2zDWDub0
時が経つのは早いなぁ…
481 :ケイ :2020/09/29(火) 00:10:41.56 ID:wSlV7LYw0
久しぶりに見たら、更新されてた。嬉しい。
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/11/09(月) 17:47:18.49 ID:Crx80w8H0
頑張ってくれ〜。
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/02(水) 18:30:05.97 ID:i9PAeF/h0
最近新刊出たんだって?久々に仕事したな谷川
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/06(日) 20:45:31.78 ID:BjzD3cQ80
冨樫はもう2年も戻って来てないってのにな
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/16(土) 05:57:37.91 ID:jqcI4wbs0
あけおめ!
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/01/27(水) 02:04:25.56 ID:XzTg4Ly00
更新を楽しみにしてるお。
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/04/16(金) 01:17:49.18 ID:Q9/lwqtS0
どれだけ経っても待ち望んでる人はちゃんとここに居るってことをなんとか伝えたい
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/22(木) 21:46:12.68 ID:2isjUIAs0
こんなに何かを楽しみに待ってるの久しぶりかもしれん
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/27(火) 01:30:07.11 ID:YChv5voA0
面白い作品は何度読み返しても面白いもんだな。
続きを期待しながらまた読み返すとしよう。
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/13(土) 23:06:01.93 ID:/vHWFZLMO
保守
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/11/17(水) 01:26:02.41 ID:4xbKtDej0
よし、これで13周目や!気長に待ちつつ14周目や!
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/19(日) 23:29:31.70 ID:QOqaYXZU0

お久しぶりです。少しだけ投下させて頂きます。
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/19(日) 23:32:49.58 ID:QOqaYXZU0

ハルヒ「〜〜〜〜っ!! 決着つけたげるからさっさとこっち降りてきなさいよ!!」

キョン「慌てるなハルヒ、といいたいところだが……」



ビシビシッ



朝比奈「ひぃいぃ!!」ガシィ!

長門「……」

キョン「そうも言ってられんのも事実だ。古泉」

古泉「はい、なんでしょう。失礼ながらそちらを向くことはできませんが」



橘「め、目を離さないでくださいよ、キョニュ、藤原さん」ジリジリ

藤原「言われなくても……おい、貴様今何と言いかけた??」



古泉「……面白いコントが行われていますので」

キョン「そいつはいい。しっかり目に収めとけ。後で脳内データを焼き回ししてやる」

古泉「ご冗談を」

キョン「……お前の直感で、この閉鎖空間はあとどれぐらい持つ?」

古泉「……10分、といったところでしょうか」

キョン「……信じるぜ。閉鎖空間のエキスパートの直感をよ」

ハルヒ「10分経つと……どうなっちゃうの??」

古泉「おそらく、この世界が崩壊します。運が良ければ崩壊によって元の世界に戻れます」

朝比奈「う、運が悪かったら……?」

キョン「古泉が……死んでしまいます!」

ハルヒ「ええっ!!?」

長門「無念」

古泉「僕だけなんですか!!?!?」ガーン!!



橘・藤原「「(こんな状況で漫才を……??)」」ゾクッ
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/19(日) 23:36:40.80 ID:QOqaYXZU0

ビキキッッ!!


キョン「それで、そんな状況下における、SOS団の勝利条件ってのはなんだ?」

古泉「運任せ、ではなく、確実に元の世界に戻ることです」

キョン「その手段は?」

長門「『力』の鬩ぎ合いを鎮静化させること」

キョン「つまりどうすりゃいんだ?」

朝比奈「え、え?? え、っと……涼宮さんの『力』と佐々、ヤスミちゃんの『力』の影響で時空間に大きな負担がかかってるから……」

ハルヒ「まどろっこしい!!!! 言わずとも分かるわよ!!」

ハルヒ「食うか、食われるか!!! でしょ!!」

キョン「話が早い」

ハルヒ「さっきからあっちが言ってるように、要はなんかこう……綱引き!! 綱引きみたいなもんなのよ!! きっと」

ハルヒ「あたしの『力』が引っ張られたら負け、逆にあたしがあの子の『力』を引っ張ったら勝ち!!!」

ハルヒ「ただそれだけでしょ!!!」

佐々木「ご明察。して、『力』の引っ張り方までは知ってるのかな?」

ハルヒ「知るか!!! こういうもんはフィーリングよ、フィーリング!! 為せば成るのよ!!!」

佐々木「全く……飽きさせないね、貴女は」

佐々木「……九曜さん」

周防「――――――」

佐々木「道を、開けてくれ」

周防「―――容易い」パアァ!!

長門「―――させない」シュン!

キョン「長門!!」

ハルヒ「有希!! 落っこちちゃ―――!!」






ドオオォオオォオオン!!!!
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/19(日) 23:40:26.02 ID:QOqaYXZU0

パラパラ……



キョン「何回爆破すりゃ気が……! ハルヒっ! 下がれっ!!!」バッ!

ハルヒ「ケホ……有希、っっつ!!?」

ヤスミ「―――」シュッッ!!

キョン「よう、ヤスミ。うちの団長はおさわり厳禁だぜ」ガシィ!

ハルヒ「変なように言うな!」

ヤスミ「―――」グググッ

キョン「っ、おいおい……ヘチマ系男子と力比べか? 後悔するなよ?」グググッ

ハルヒ「あんた弱そうじゃないの!! っ、有希とあいつらは……!?」






佐々木「よもやだね、九曜さん。攻撃をいなされた挙句……」

周防「――――――」ギリギリ!

長門「……」ギギギ!!

佐々木「わたしたちの喉元に白刃を突き立てられるとは。さすがは長門さんだ」

周防「―――何故」

長門「情報操作に対する対応が甘い。朝倉涼子との戦闘で既に認識できないバグが仕込まれている」

長門「朝倉涼子の……最期の情報操作」グッ!

佐々木「九曜さん、朝倉さんは……」

周防「―――機能停止には―――していない」

長門「………………そう」
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/19(日) 23:46:38.48 ID:QOqaYXZU0

ハルヒ「有希……」ホッ

キョン「長門が直撃を反らしてくれたんだ……ハルヒ!」

ハルヒ「な、なに!?」

キョン「よく聞け。こっからはお前とヤスミの勝負だ」グググ

ヤスミ「―――」グググ

ハルヒ「……ヤスミちゃん」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!



古泉「くっ……まったく。部室をこれ以上滅茶苦茶するのはやめて頂きたいですね」

朝比奈「あぁっ! マサラチャイセットが!!」

橘「古泉……いや一樹くん」

朝比奈「一樹……くん? 確か幼なじみって……」キュピーン

古泉「朝比奈さん、押さえて」

橘「もう……やめて下さい。涼宮さんを諭してください」

藤原「橘京子の言う通りだ。話が通じるのならもう、無駄な争いは無用だ」

古泉「散々急襲してきたのはどちらでしょう? ここに来て話し合いとはどういう心づもりで?」

藤原「誰も破滅なんて望んじゃいない。このまま『力』が不安定では未来は、ない」

橘「お願いします! 一樹くん、どうか……どうか」

古泉「……」

朝比奈「古泉くん……」

古泉「……思想。信念。目的。極端に違う我々が相容れなかったことがこの現状です」

古泉「何かを変えたかった。己が望む未来に向かって悩み、そして争い……」

藤原「……」

古泉「これが……誰が望んだ結果と言えますか。世界の崩壊をも在りうる状況を」

橘「誰も……望んでなんかいません」

橘「でも、まだ……間に合います! 『力』を統合すれば!!」

橘「世界は守られるんです!! だから、だから!!」

古泉「だからこそ、それは涼宮さんが持つべきだ、と。我々は思うのです。そう―――」

古泉・藤原「「平行線だ(!!)」」

藤原「っ!!?!?」

古泉「と言われようとも。例え世界がどのようになろうとも。最後まで」

古泉「SOS団は団長を信じるのですよ」
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/19(日) 23:50:07.32 ID:QOqaYXZU0

藤原「どうしても涼宮ハルヒにつく、ということなんだな」

古泉「語るに及びません」

朝比奈「と、当然です!」

藤原「……ふー。分かった。あぁ当然だ。譲れないからこその今だ」

朝比奈「……」

藤原「断固として譲れないもののために行動した。ならば……」

橘「ならば……?」ゴクリ

藤原「……あとは好きにするがいいさ」ドサッ

橘「…………えええぇええぇっ!!? ふ、藤原さん!!? 座りこまないでっ!」

古泉「ほう……」

橘「藤原さんっ! どうして!? あなたは未来を……っ!」

藤原「橘京子。僕はもう傍観者だ。言った通り好きにしろ。とは言っても……」



ゴォオォオォオオオオオオオォオ!!!



橘「……」

藤原「ハッ、あの状況に食ってかかる意気があるならな」

橘「そんな……どうして、ここにきて……あなたが一番佐々木さんを……」

藤原「あぁ、利用しようとしていた。だが、もういい」

藤原「僕の望んでいた未来にいてほしかった人とは……―――」

朝比奈「……?」

藤原「―――……もう、いいんだ」

橘「〜〜〜っ!!」
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/19(日) 23:55:07.88 ID:QOqaYXZU0

橘「このヘタレ!! 意気地なし!! 根性無し!! バカぁっ!!!」

藤原「……なんとでも言うがいいさ」フッ

橘「巨乳フェチ!!!」

朝比奈「えっ」

藤原「貴様ぁ!! 言っていいことと悪いことがあるだろう!!」スクッ

橘「なんとでも言っていいと言ったのはあなたです!! それに、もうあなたは関係者じゃありません!!」

橘「見損損損損ないました!! 土壇場で、こんな……」

藤原「……悪かったな」

橘「っ、謝らないでっ!!! もう、もう! なにが、なんだか……!」

古泉「あなたも、もう抵抗は―――」

橘「あぁぁああああぁああああああ!!!」

古泉・朝比奈「「」」ビクッ!

藤原「お、おい。橘?」

橘「ハッッッ!!!!」ハッケイッッ!!!



ゴオォッッッ!!



古泉「ゴハァッッッっ!!?!?」ドゴオオッッ!

朝比奈「古泉くん!!?!? み、鳩尾!!? 鳩尾に衝撃波!? ちょ、超能力……?」

橘「佐々木……さ、ん」フラッ

藤原「……」ガシッ

古泉「っ……フー、フー……彼のかわいがりに日々耐えてたおかげで、なんとか意識を飛ばさずに済みましたよ」

朝比奈「(超能力?? 素の耐久力……?)」

藤原「……橘京子、目覚める頃には終わっている。それが誰が望んだ結果かは分からんがな」

古泉「現状は……誰が望んだかは分かりませんが……結果として残るのは決まっています」

古泉「―――涼宮さんが望んだとおりになるだけです」
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/19(日) 23:56:20.98 ID:QOqaYXZU0
ここまでーー
また書きますね
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/21(火) 07:55:12.52 ID:vrsQYNIMO

久しぶりー
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/22(水) 20:28:09.28 ID:TZPn7rzg0
乙。超乙。
まさかこの瞬間に立ち会えるとは。待ってて良かった
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/25(土) 01:03:04.01 ID:H0tmoIDo0
まさかまたこの続きが読めるとは…
まさにクリスマスプレゼントだわ
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/28(火) 05:23:08.35 ID:kQGNWjAm0
戻ってきてくれて嬉しい 次も踊って舞ってる
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/15(火) 18:07:17.96 ID:64Wo3bcmO
待ってました大統領!!
やぁっぱこのノリは最高だわさ
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/05/29(日) 14:39:48.00 ID:33B6qKKG0
ずっーうっとまっとるで^ ^
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/09(土) 21:14:51.10 ID:IfClfxbi0
ありがとう!!
今日投下しますね!!
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/09(土) 22:09:57.02 ID:IfClfxbi0

ヤスミ「……」グググッ!

キョン「手四つ……まだ恋人ごっこがしたいか、ヤスミよ」グググ

ヤスミ「……―――」グッ!

キョン「―――……何が死に物狂いだよ」ググッ!

ハルヒ「キョン! あたしとヤスミちゃんの勝負って……」

キョン「……いいか、ハルヒ。さっきも言っていたように『力』の引っ張り合いだ」

キョン「ヤスミはお前に任せる。俺はこの後ヤスミを離し、長門の援護で佐々木に向かう」

ハルヒ「っ……」コクリ

キョン「俺がヤスミを離した瞬間、こいつはお前と接触し、お前の『力』を奪うつもりだ」

キョン「『力』を奪われたら負けだ。絶対に勝て」

ハルヒ「力が入んなくなるってこと?」

キョン「物理的なモンじゃない。お前の中にあるその『力』は」

キョン「SOS団の原動力となる『力』……」

キョン「"魂"みたいなもんだ」

ハルヒ「!!」

キョン「そんな大事なモン、入団候補生に渡すにゃまだ早いだろ?」

ハルヒ「……当然っ! あたしがいる限り渡してやんないわよっ!」

キョン「その意気だ」
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/09(土) 22:17:12.42 ID:IfClfxbi0

キョン「それで、引っ張り合いの具体的な方法なんかは、俺は知らん」

ハルヒ「さっきも言ったわよ!! フィーリングでなんとかなる!」

キョン「そうだ……フィーリングでなんとかしろ」

ハルヒ「気合のぶつけ合いでしょ!? そういうのは団長に任せときなさい!」

キョン「……頼んだぞ、ハルヒ!」

ヤスミ「……」ググッ!

キョン「じゃあ予定通りに……いくぞ?」

ハルヒ「……こいっ!」

キョン「……せーの!」

ハルヒ「っ!!?!?」バッ!

キョン「って言ったら離すぞ?」

ハルヒ「こんな時にまぎらわしいことすんな!!!!! お約束じゃないわよ!!」

キョン「冗談だ。肩の力は抜いていけ」

ハルヒ「アホキョン。分かってるわよ」フッ

キョン「……」ジッ

ハルヒ「? っ何よ!? こっち見ないで前向きなさい! それとも作戦中止?」

キョン「……いーや、なんでも……それじゃいくぞ」

ハルヒ「……こいっ!」

キョン「……」スゥ

キョン・ハルヒ「「せーの!!!」」






バッ!!!!
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/09(土) 22:23:05.16 ID:IfClfxbi0

周防「……」ギギギ!

長門「……どいて」ギギギ!

佐々木「猛者同士の鍔迫り合い。こうも迫力があるとはね」

長門「……傷つきたくなければ投降を」

周防「―――あなたたち―――こそ」

佐々木「……くつくつ」

長門「……可笑しい?」

佐々木「あぁ、すまない。嘲笑の意味はないよ」

佐々木「長門さん。もう僕の相手をする必要はない」

佐々木「彼が動く」

長門「……」

周防「―――不毛」

佐々木「だね。決着はこちらではなく涼宮さんの方でつく」

佐々木「あと数十秒さ」

長門「……」

佐々木「……少しだけ、独り言でも話そうか」

周防「―――不要」

佐々木「まぁ独り言だ。聞き流しても構わないよ」

長門「……」
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/09(土) 22:30:23.72 ID:IfClfxbi0

佐々木「前にも言ったけど、やはりキョンは周りの人に恵まれているね」

佐々木「あぁ、九曜さん。無論、僕もあなたたちに恵まれた」

佐々木「九曜さん、橘さん、藤原くん。皆がいたからここまで出来た」

佐々木「藤原くんにはきつく当たってしまった時もあったなぁ。今思えば申しわけないよ」

周防「―――」

佐々木「……何時の時代だって僕たちは親友で、二人だった」

佐々木「それが今や、互いの周りには人がいて、親友は消えた」

佐々木「周りの人は増えたのに、何故かな。キミがいないと……」

佐々木「不思議と……寂しいものだよ」

佐々木「……いや、不思議なことなどないか」

佐々木「それほど、キミは僕にとって大きな存在だったんだ」

佐々木「……ありがとう」

長門「……まるで、どちらが勝利するか知っているような口振り」

佐々木「……もちろんだとも。長門さんの同期でもまだ見えない未来を」

佐々木「僕は……いや―――」

佐々木「―――僕たちは知っている」

長門「……それは」

周防「―――何故」

佐々木「……長門さん。彼にこう伝えてくれるかい?」

佐々木「――――――」





511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/09(土) 22:37:22.41 ID:IfClfxbi0

ギュン!!



キョン「(勝負はすぐにつく!! この一瞬であいつのところへ……!!)」

キョン「(こんなことしでかしたんだ。とっちめてやるから覚悟しろよ!)」

佐々木『許してやってくれキョン。この世界の僕を』

キョン「(佐々木……)」

佐々木『僕に変わって僕が詫びるよ。くつくつ、ややこしいね』

佐々木『……長い永い一瞬だ。これが走馬燈ってやつかな』

キョン「(俺の体の中で縁起でもねえこと言うんじゃねえ)」

佐々木『おっと失礼』

佐々木『……ありがとう』

キョン「(……なんだ、急に)」

佐々木『いや、なんとなく、さ』

佐々木『なんとなく、この世界の僕が呟いてそうだな、と』

キョン「(……聞こえてこねえよ)」

佐々木『だから代わりに言っておくのさ』

キョン「(直接言え。って言っておけ)」

佐々木『それを直接言いなよ。っと、こんなやりとりですら懐かしいと思うよ』

佐々木『……ねえキョン』

キョン「(待て、もうつく。あとで聞いてやる)」

キョン「(あとで聞いてやるから……今は―――)」

佐々木『――――――』
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/09(土) 22:46:10.89 ID:IfClfxbi0

バッ!!



ハルヒ「(! きたっ! 突っ込んできた!! どうする!!?)」

ハルヒ「(フィーリングって言っちゃったけどフィーリングって何!? どうすればいいの!!)」

ハルヒ「(がっぷり四つ? いや仮にも女子高生……見栄えが良くない)」

ハルヒ「(……今の時間、すっごい長く感じる。こんなにごちゃごちゃ考える時間なんてないのに)」

ハルヒ「(……そうよ。こんなごちゃごちゃ考えずに、こんな時―――)」

ハルヒ「頭はこうやって―――!!」ググッ!!

ヤスミ「……」バッ!!

ハルヒ「―――使うのよ!!!!!」ズツキッッッッ!!!!!!!

ヤスミ「……」バッ!












ガンッッッ!!!!!!












ハルヒ「――――――ハッ!!」

ハルヒ「ここどこっ!? あれ? あたし確か……」

ヤスミ「フフ……団長!」

ハルヒ「……あ! ヤスミちゃん!!」
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/09(土) 22:51:30.85 ID:IfClfxbi0

ハルヒ「や、ヤスミちゃん? あなた意識が戻ったの?」

ヤスミ「はい! といっても、ここでは、ですが……」

ハルヒ「そう! ここよ! ここどこ!? 壊れかけの部室から何もないトコに来ちゃったけど……」

ハルヒ「ついにあたしの中の瞬間移動が目覚めたの!!?」

ヤスミ「お言葉ですが、残念がらそうではありません」

ヤスミ「ここは、意識の中……まぁ、夢の世界? みたいな?」

ハルヒ「浦安の?」

ヤスミ「ち、違いますっ!! 精神世界的な、なにかです!」

ヤスミ「『力』を持つ者同士がこれる場所……らしいです」

ハルヒ「あやふやね」

ハルヒ「それで、ここにきたのはここであなたと『力』の引っ張り合いっこするためかしら?」

ヤスミ「フフ。そうしてもいいですけど」

ヤスミ「次に現実世界に戻る時には全部終わっているので、その必要はないかもですっ!」

ハルヒ「えっ!?」

ヤスミ「というわけなので。特にすることはありません」

ハルヒ「ちょ、ちょちょ! あたしキョンと結構熱いやりとりしてきたけど……なにもしないの!?」

ハルヒ「ま、まさか……お前はすでに死んでいる状態……!?」アワワ

ヤスミ「……」

ハルヒ「ヤスミちゃん!!? あなたは敵!? 味方!!? どっち!?」

ヤスミ「……どっちでしょう?」

ハルヒ「味方! がいいわ!! 絶対!」

ヤスミ「……フフ」
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/09(土) 22:57:34.26 ID:IfClfxbi0

ヤスミ「やっぱり。団長はすごいですっ!」

ハルヒ「どしたのよ急に」

ヤスミ「急なんかじゃありません。ずっとずっとずーっと思ってたことです」

ヤスミ「こんな素敵な団長がいる……いいなぁSOS団って」

ヤスミ「あたしもここにいたい、って……」

ハルヒ「入団するのよ。あなたも。さっさと選抜試験を突破してね」

ハルヒ「なんなら今からやってもいいわ!」

ヤスミ「是非、そうしたいです。でも……」

ヤスミ「団長もご理解されていると思いますが、あたしは『あたし』です」

ハルヒ「あぁ、バックアップ? だとかなんとか言ってたけど……気にしないわよ、そんなの」

ハルヒ「あなたはヤスミちゃんでしょ?」

ヤスミ「……あたしは、本来は存在していない虚構の存在」

ヤスミ「いずれ、消えゆく存在なのです」

ハルヒ「いずれっていつよ? あたしだっていつまでも生きてるわけじゃないわよ。ここからの帰り方も分かんないし」

ヤスミ「そうですね。いずれというのは」

ヤスミ「この世界から元の世界に戻った時です」

ハルヒ「!!?!?」
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/09(土) 23:04:44.22 ID:IfClfxbi0

ハルヒ「なっ、なんで……」

ヤスミ「あたしは『力』……どちらが勝とうと、あたしは『力』に帰属する」

ヤスミ「そういう存在なんです」

ハルヒ「ダメっ! ダメよそんなの!! そんなの……悲しすぎるっ!」

ヤスミ「……優しいなぁ。そんな団長で良かった」

ヤスミ「でも、あたしはなにも悲しくはありません。だって、みなさんに出会えて、団員のように扱っていただいて」

ヤスミ「楽しかったから」

ハルヒ「どうすれば……どうすればヤスミちゃんが消えないで済むの!?」

ヤスミ「……」フルフル

ハルヒ「そんな……っ」

ヤスミ「……ありがとうございます」

ハルヒ「……」

ヤスミ「あたしのために……そこまで想っていただいて」

ヤスミ「そろそろ、時間です」

ヤスミ「団長、元の世界に戻ったら、一つ伝えておいてもらっていいですか?」

ヤスミ「先輩に――――――」

ハルヒ「……そんなの、自分で言いなさい」

ハルヒ「自分の口で!! ここから出て!! ちゃんと言いなさいよっ!!」

ヤスミ「……頼みましたよっ! 団長!」ジジッ!!

ハルヒ「ヤスミちゃ―――!!」
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/07/09(土) 23:06:15.48 ID:IfClfxbi0
ここまでーー
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/07/11(月) 07:41:29.30 ID:dkDzq5IE0
久しぶりに過去作読み返してたら更新来てたわ。
何回読んでも面白い。ずっと待っとるで。
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/17(日) 23:29:08.28 ID:TP6eNuNU0
楽しみにしてた!
更新ありがたい!!
519 :ケイ :2022/07/18(月) 22:16:35.92 ID:dBu61VwQ0
すごく久しぶりに来たらいつの間にか更新されていてとても嬉しい。今年で高三。ココに初カキコしたのは中2の時。すごく懐かしい。でも、ついさっき思い出して見て良かった。ありがとうございます。
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/19(火) 17:25:35.95 ID:MJGntejW0
高三にもなってsegeも出来ないド低能が存在したとは
521 :ケイ :2022/07/26(火) 11:47:28.43 ID:fvzLf5lIO
↑基本ROM専だから許していただきたい。
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/27(水) 03:22:59.84 ID:y7G3kIZxo
ずっと楽しみだぜ!ありがとう!
待ってる間に次回作の原作が出てしまったね(ニチャァ)
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/26(月) 22:03:14.49 ID:QaOGfeqU0
今このシリーズ読み返してきたけどやっぱクソ面白いわ
長くて読み応えあるし掛け合い安定して面白いし
なによりこのSS独自の設定と伏線をうまく活かして原作勢に対して裏を掻く展開を用意してるのが最高
誇張抜きでハルヒSSの中で一、二を争うほど面白いと思ってる
いつまでも舞ってるぜ
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/07/24(月) 13:58:46.73 ID:OmXlrgyM0
お久しぶりです。
2023年度の投下を夕方よりおこないます……
残りはあと数回の投下で終わりそうなのですが、それがいつになるやら……
申し訳ございません
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/07/24(月) 18:00:43.60 ID:OmXlrgyM0
投下します!
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/07/24(月) 18:08:39.47 ID:OmXlrgyM0

ハルヒ・ヤスミ「「!!?!?」」ゴッチン!!!

ハルヒ・ヤスミ「「あいたーーーーっっ!!!!!」」

ハルヒ「〜〜〜っ!! ヤスミちゃ───! あれ、部室……ヤスミちゃん!!」

ヤスミ「いてて……あれ、団長……? あれ?? あたし、なんで、どうして……」

ハルヒ「っ!!」ガシッ!

ヤスミ「わっ!?!? だ、団長!?」

ハルヒ「よかった……なんでか分かんないけど、ちゃんとヤスミちゃんはここにいるじゃない!!」

ヤスミ「どうして、あたし……っ!?」

ハルヒ「意識の中?? にいたのはどうやら一瞬みたいね。体感時間はそこそこだったのに」

ハルヒ「ただ、帰ってきてよかったかどうかは」



ビシビシビシビシビシッ!!!!



ハルヒ「この部室にいる限りは保証されないみたいね……!」

朝比奈「す、涼宮さん! ヤスミちゃん!! す、すごい音がしましたけど、大丈夫ですか!!?」

ハルヒ「ええ……変な世界にスリップしてたけど、頭突きの勢いが強すぎたのかしらね!」ズキズキ

古泉「空間の崩壊が───ヤスミさん。あなたの『力』は……」

ヤスミ「……あたしの『力』はもう───」

ハルヒ「……??」

朝比奈「みっ、みなさん伏せてぇぇえええ!!」






バキバキバキッッ!!!!!
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/07/24(月) 18:18:02.22 ID:OmXlrgyM0

橘「───っ」

藤原「……『力』が統合された」

藤原「この閉鎖空間も間もなく崩壊する。橘、連れて行って欲しいならそのまま眠っていろ」

橘「(………………佐々、木、さ)」ボヤー

藤原「佐々木、僕たちはここまでだ。最後まで付き合えず申し訳ない」

藤原「お前が望んだ結末なのかは分かりかねるが、崩壊した後のことは───」

藤原「未来で知ることにするさ───さよなら」



朝比奈「──────危ない!!」



藤原「姉さん」






ガッシャァアアァアァアアアアン!!!






朝比奈「こ、古泉くくくんんんん!! あ、あの人達のところに瓦礫が……落ちて!!」

古泉「いえ、彼らは窮地を脱したようです。時空間移動でしょうか、潰される瞬間に姿が消えるのを確認しました」

朝比奈「よかった……! いえ! ま、まだよくなかったです!! わ、わたしたちも早く!」

古泉「ええ、涼宮さん! 彼は!?」

ハルヒ「……浮いているわ」

古泉「浮い、何故!!?」

ハルヒ「佐々木……さんのところに飛んでいって……あそこ」

ハルヒ「有希と一緒に、あの───」

ハルヒ「光の粒子を抱えてる」

ヤスミ「───っ!」

古泉「あれは……まさか」

朝比奈「……そんな」

ハルヒ「……キョン」
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/07/24(月) 18:24:45.99 ID:OmXlrgyM0

数分前



キョン「佐々木いいぃいいぃぃぃぃいいい!!!!!」ギュン!!

長門「待って」バッ

周防「──────止」シュン!

キョン「長門っ! 大丈夫か!? 怪我は!? 周防!? どこに行きやがった!?」

長門「落ち着いて。わたしは問題ない。そして、終わった」

キョン「終わった?……そういうことかよ」






キョン「勝ち逃げか、親友」

佐々木「この状況のどこが勝ちか教えて欲しいよ、親友」






キョン「……」

佐々木「……」

長門「(体が粒子化し情報結合も解除されている。個体としての意識があるのがありえないレベル)」

長門「(直に……完全消失となる)」

キョン「部室をこんなに滅茶苦茶にして、SOS団の新入部員にスパイを送り込んで、それで今は光って消えようとしています、だと?」

キョン「意味不明すぎるだろうが。待ってろよ、全てを超越した『完全体─パーフェクトフォルム─ オールマックスベストキョン MARKUver3.α Jr.』にかかればこんなもん……」

佐々木「よしてくれキョン」スッ

キョン「なぜだ」ピタッ

佐々木「今のキミにとって全てをやり直し、なかったことにするなんて造作もないことだろう」

佐々木「消えゆく僕を再生させ、閉鎖空間の崩壊を止め、もとの世界に戻る。なんなら、消失世界すら戻すことも可能かな?」
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/07/24(月) 18:32:41.81 ID:OmXlrgyM0

キョン「可能さ。火急の件の親友の暴走を止めた後に全部対応するつもりさ。だから───」

佐々木「もう、いいんだ。もういいんだよ、キョン」

キョン「なにがもういいんだ、だ! なにもよくねえよ。久しぶり現れたかと思いきや、訳分からんこと言いながら、訳分からんことしやがって!」

キョン「未だに目的が不明なんだよ。ハルヒの『力』を奪い、『力』を統合させるのは手段だろ?」

佐々木「……」

キョン「杜撰な計画を立てて、ちょっかい出しては失敗して……これじゃお遊びじゃねえか。ズッコケ敵対組織なんてつくりやがって」

キョン「お前たちは……お前は何をしたかったんだよ?」

佐々木「……気づいていなかったのかい?」

キョン「お前に世界征服とか、人類支配みたいな野望があるわけでもなしに、わざわざ手を離れた『力』を再度持ってどうするんだよ」

キョン「こんな『力』に拘るなんて、らしくないんだよ、佐々木」

佐々木「…………くつくつ。あぁ、そうだね。いや、恥ずかしい」

佐々木「大昔に、キミに教えてあげたのは、他ならぬ僕だというのにね」

キョン「あぁ?」

佐々木「『力』なんて特別でもなく、この世に特別な人間なんかいない」

キョン「それがどうした。忘れちゃいねえよ。おれの力なんざ別に───」

佐々木「いいや、忘れていたのはキミじゃない……僕さ」

佐々木「『力』こそ、キミと僕とを結ぶ特別な繋がりだと、そう思ってしまっていたんだよ」

キョン「は……お前……」

佐々木「『力』を統合させるのは目的であってるよ。そして目的は達成された」

佐々木「残念ながら、器こそ違うけれどね」
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/07/24(月) 18:39:14.94 ID:OmXlrgyM0

ビキッビキッ!!!



長門「───時間がない」ボソッ

キョン「あぁ、分かってる!! 佐々木! その話はこの後詳しく1週間は聞かせろ!! だから───!」

佐々木「1週間と言わず、1年でも100年でも10000年でも、その先もずっと……ずっとキミといたかった」

キョン「あぁ! 気の済むまで一緒にいてやる!! だから自分から消えようとするな!」

佐々木「キミといるためには、どうしても『力』を完璧な状態で持たなければならなかった」

キョン「いらねえよ! 別にそんなもんなくても、俺は……俺は!」

佐々木「これからのキミに相応しいのは、僕じゃない。涼宮ハルヒさんだよ」

佐々木「僕はもう用済み───」

キョン「ふざけるな! 俺の前で俺の親友を用済みなんて言うんじゃねえ!!」

佐々木「……過去の女」

長門「」ピクッ

キョン「親友!!! 親友な!!! 誤解を招く言い方するんじゃねえ!」

佐々木「くつくつ……あの楽しかった日々を思い出すよ。尤も、思い出す必要のない程、鮮明に想い続けているんだけどね」

佐々木「……さて、そろそろだ。意外と長々と話せてよかったよ」パアァ

キョン「おい! 待て!! そんな長々と話してまだ話足りないんだろ!? まだまだ聞いてやるから早く───」ガシッ!

キョン「……長門?」

長門「…………」

キョン「な、長門。すまん、時間がないのは分かってるが、手を離してくれないと佐々木を───」

長門「あなたが彼女の親友であるなら」







長門「親友の意思を尊重してあげてほしいと、わたしは思う」
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/07/24(月) 18:45:21.51 ID:OmXlrgyM0

キョン「……長、門……お前」

長門「親友……友人という関係を正しく理解しているか、まだわたしには確証がない。でも」

長門「あなたや朝倉涼子、そして涼宮ハルヒが同様に何かを選択した時は、わたしもその意思を尊重したいと思う」

長門「これは思念体の意志などではなく、わたし個人の意思」

キョン「……」

佐々木「……くつくつ。長門さんの言う通りさ」

佐々木「最後の最後まで、僕はキミの隣にいたくて『力』を求め、行動を起こした」

佐々木「結果はこのザマ。協力者である橘さん、九曜さん、藤原くんには申し訳ないよ」

キョン「…………それだけか? それだけのために行動を起こしたのか?」

佐々木「勿論、そ───」

キョン「違うだろ? 分かるさ、親友だからな。そこはなんにも変わっちゃいない」

キョン「お前が自分自身のためだけに、ここまで行動するやつじゃないことぐらい」

佐々木「…………」

キョン「気を使いすぎなんだよ、お前は……」

佐々木「……困ったね。やっぱりキミは僕の親友だった」

キョン「……佐々木」

佐々木「──────」スッ












佐々木「涼宮ハルヒさんをよろしく頼むよ、親友」ニコッ












パアァアァア
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/07/24(月) 18:53:04.75 ID:OmXlrgyM0

キョン「…………」

長門「……情報連結の完全解除を確認。および、彼女に観測されていた『力』は───」












ハルヒ「キョン!!!!!」












長門「───涼宮ハルヒに帰属した」

キョン「……そうか」

キョン「だが……まだ終わっていない」ドクン

キョン「この閉鎖空間を……ん?」

ヤスミ「───」

キョン「ヤスミ?? 『力』を失ったはずのあいつがなんで……あぁ」

キョン「結局、お前も俺と同じってことかよ」ハハ

ハルヒ「キョン!!! 何がどうなったかは今聞かないけど!」

ハルヒ「早くこっち降りてきなさい!! で、瓦礫を防いでちょうだい!!」

キョン「そこは古泉の男の見せ所だろー」

古泉「いえ、結構もうボロボロで……」

朝比奈「ふえぇ!!! キョンくーん!!」

長門「空間の崩壊まで5分を切った」

キョン「……やれやれ」

ハルヒ「キョン!!!!」
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/07/24(月) 18:55:32.39 ID:OmXlrgyM0






キョン・ハルヒ「「とっとと元の世界に戻るわよ!!!」」





534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/07/24(月) 19:03:06.32 ID:OmXlrgyM0

キョン「スィーっと、みんな無事か?」スタッ

ハルヒ「五体満足よ!! 有希、怪我してない?」

古泉「なんとか持ちこたえてます、長門さんお怪我は?」

朝比奈「だ、大丈夫です。長門さん、大丈夫でしたか?」

長門「問題ない。無事で何より」

キョン「俺の心配がないのは何故か。SNSで聞いてみよう」スッ

ハルヒ「あんたの心配するのも、SNSで聞くのも時間の無駄よ!!」

キョン「やれやれ……ヤスミ」

ヤスミ「っ!!」ビクッ!!

キョン「お前は……」

ヤスミ「〜〜〜っ、す、すみま───」

キョン「動画配信とか、広報の役割とかどうだ? 中々向いているかと思うが」

ヤスミ「───っはぇ? えっ、えっ!?」

ハルヒ「むっ、中々鋭い案を出すじゃないの……SOS団団長の左脳という役割より良いわね」フム

キョン「なんだそのキモいポジション」

古泉「僕のボードゲームエキサイティングプレーヤーより良いかと」

キョン「本人の心持次第じゃねーか」

長門「作者の気持ち代弁者より、良い」

キョン「限定的すぎるぞ。確かに作者の気持ちを読み取るのは難しいけども」

朝比奈「わたしの妹よりも……うーん、うーん……」

キョン「そこは兼任できそうですね。よし、それでいきましょう」

朝比奈「!! やったぁ!!」

ハルヒ「あまっ!! みくるちゃんに甘いわよ!! だったら左脳も兼任させなさい!」

キョン「それは副団長である古泉に兼任させよう」

古泉「えっ」

ハルヒ「古泉くんは右脳を既に兼任してるでしょうが!!」

古泉「えっ」



ワイワイギャーギャー!!!



ヤスミ「…………なにこれ」
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/07/24(月) 19:12:12.64 ID:OmXlrgyM0

ヤスミ「……??? え、えっと、あの、その。み、皆さん……」

キョン「おっと、大事なテーマではあるが、今決めることでもないな」

ハルヒ「そうね。さっさと部室、いや校内から脱出しなきゃ!!」

キョン「とりあえず、SOS団入団後のヤスミの役割案は保留ということで」

朝比奈・古泉・長門「「「異議なし」」」

ヤスミ「えっ! えっ!? ええっ!!?」

ヤスミ「じゃ、じゃなくて、まずあたし皆さんに謝罪をしなければ───!」

ハルヒ「謝罪ぃ!? なんの謝罪よ? 光って部室壊しちゃったこと? そんなのたまにキョンがやるから気にしないわよ」

ヤスミ「……なにやってるんですか先輩」

キョン「人間そういう時もあろうが」

古泉「なしにしていただけると今後助かります」

ヤスミ「そ、そうじゃなくて!! いえ、それもですけど……」

ヤスミ「……あたし。こんなに良くしていただいた皆さんに隠し事や嘘ついたりして……」

ヤスミ「こんな危険なことに巻き込んでしまって……本当に、本当に───!」




ハルヒ「ありがとうね!!」




ヤスミ「申し───あえっ!?」

ハルヒ「いやまあ、全部が全部ヤスミちゃん由来かどうかは知らないけど、こんな不思議な体験できたのはあなたのおかげよ!」

ハルヒ「人が飛んだり、光ったり、爆発したり、なんか精神世界に行ったり。いやーもう訳分かんないわよ!!」

ハルヒ「で、これって結局どういうトリックなの? どこまでが本当?」ン?

ヤスミ「……」ポカーン

キョン「……あーヤスミ? とりあえず、団長は今回のことを気にしてないし、勿論俺らも気にしてない」

朝比奈「(隠し事に関しては……)」

長門「(わたしたちも同じく)」

古泉「(それに、我々由来のトラブルも少なからずありますしね)」

キョン「元は佐々木のバックパップだったかも知れないが、今のお前は渡橋ヤスミだ。それ以上でも以下でもない」

キョン「そのヤスミが、SOS団の入団を望むというなら、SOS団は快く受け入れる、って話だ」

キョン「今の状況とか、今までやってきたこととか、そんなもん関係ない。どうとでもなる」

キョン「だから、今後の身の振りに関しては、ヤスミ自身が選択しろ」

ヤスミ「……あたしが」
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/07/24(月) 19:19:11.60 ID:OmXlrgyM0

ガララッッ!!!!



ハルヒ「!? 崩れてきたっ!!」

キョン「あー、古泉」

古泉「仕方ない、ですねっ!!」ボッッ!!



ドガアァッァアアアアアン!!



古泉「みなさん、お怪我は??」パラパラ

ハルヒ「っ、すっご!! 古泉くん! いつの間にファイヤーボール出せるようになったの!?」

ハルヒ「ん? 赤い、ボール? 古泉くん……なんか前にも同じことあったような」ハテ

古泉「ちょっと! ばれない様にフォローをお願いしますよ! 以前の閉鎖空間のことを思い出してしま───」ボソッ

キョン「映画のあれだろ? レッドバルーンいっちゃん」

ハルヒ「それだわっ! なんか既視感あったのよね!」

古泉「……」ズーン

長門「トラウマ」

朝比奈「こ、古泉くん、元気出して!」

古泉「……えぇ、大丈夫ですよ。なんとか」

朝比奈「(ギリギリなんだ……)」

古泉「……っ」ピクッ

キョン「お」

古泉「……今更ですか、最後の足掻きと言わんばかりに」

古泉「───神人」






ォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォオオオオオオオオオオオオオ!!!!
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/07/24(月) 19:24:43.49 ID:OmXlrgyM0
ここまでーー
いつもいつも遅くてすみません……
ただ、何年経っても見て頂いて、レスをくれる方がいることが本当にありがたいです
だったらはよ書けと言われれば、ぐうの音も出ませんが……まだお付き合いいただければ幸いです!
いつもありがとうございます
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/24(月) 23:56:17.14 ID:6OCqwmF/0
なんで書き溜めないのかな?
書き溜めないでスレ立てする時の心情ってどーなってるの?

普通に友達関係や上下関係作ってる人で人間関係の最低常識が解ってる
人ならこんな非常識な事を出来無い筈なんだがな?

一応は読物で素人の発表場所で読み手をイライラさせるって
なに考えてるの?
確かに俺はお前に金銭を渡してる訳じゃない

お前もプロ意識なんてある訳じゃないと思う
でも、書き手と読み手が居たらそれは一つの作品なんだよ

これはお前の作品であり可愛い子供なんだよ
それをネットで流して俺みたいな奴からダメ出し受けて
悔しくないのか?

なんでその場凌ぎの子供を世間に晒すんだ?

ちゃんと考えて書き溜めしてからスレ立てして
恥ずかしくないお前の子供を世の中に送れよ

お前の意識の問題だぞ
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/26(水) 21:42:42.19 ID:1vpw19/FO
その通りだぞ冨樫、木多、萩原
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/04(金) 02:56:40.70 ID:M9xw4cGPo
待ってた!完結を見届けるまでは[ピーーー]ん
待ってるよ!
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/06(水) 21:22:37.33 ID:y9EDoEIg0
更新感謝!
ちょうど読み返してたからレッドバルーンいっちゃんとか懐かしいもの拾ってくれて嬉しい
いつまでも待ってる
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/11(月) 00:12:47.45 ID:Uy/MjYO/0
楽しみに続き待ってるでな!
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/23(木) 06:11:53.04 ID:cKhwodbl0
更新ゆっくり待ってるよ。現世ではいとうのいぢ展あってるよ、気分転換になるだろうし機会があったら行ってきたらいい
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/11/28(火) 21:46:24.63 ID:sHYzX3CK0
乙 ゆっくり待ってる
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/23(火) 18:11:36.27 ID:3UZ+JhJUO
気付いたらこんなに月日が経っていたのか...
2024年も待ってるぞ
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