【ガルパン】エリカ「私は、あなたを救えなかったから」

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717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 20:48:42.61 ID:aStRWgflo
乙ー
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 21:05:08.82 ID:I3XC0Ct+O
気長に待ってる乙

・・えっまさかそっちなの・・?
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 21:26:16.68 ID:4kbfi+6w0

ネームドが少ないため、常時持ち上げられる小梅さん
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 21:40:42.04 ID:mnVjPpVM0
>>719
言うてみほエリカと並んで1年でレギュラー勝ち取ってるし事故後に2年でもレギュラー張れる実力とメンタルあるからな
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/08(日) 00:56:13.78 ID:emaKvUTi0
言うて決勝なら単純計算で100人は参加するわけだし
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/08(日) 20:21:22.68 ID:rMYRl2R00
普段はのんびり書いてばっかだが
ここで書くようになって初めて続きが楽しみな作品に出会えたかもしれない
ガルパン見てみようかな
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/08(日) 21:06:43.89 ID:UOivE6b+O
乙です!
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/09(月) 00:10:36.61 ID:FB+HPKtG0

確かに事故後に試合参戦できるメンタルはすごい
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/12(木) 00:55:07.59 ID:0xdvFmeB0
乙です。
このまほ姉怖ぇ……某壺屋みたいにガチで殺しにきそうだな
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 18:16:46.57 ID:ryw3ckmPO
時が来た
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 18:39:44.79 ID:GzYcfBrwO
待機待機
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/14(土) 19:36:54.26 ID:N/tm8TpI0
wktk
729 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 21:25:19.51 ID:cL5MO1Xc0




オレンジペコ「どうぞ。温まりますよ」

小梅「ありがとうございます。ほら、隊長も」

まほ「……始まったな」

オレンジペコ「装甲の厚いポルシェティーガーを先頭にして敵陣へ一直線。大洗は早めに決着を着けようとしてるみたいですね」

ダージリン「ペコ、それは正しいけれど正確ではないわ」

オレンジペコ「どういうことですか?」
730 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 21:29:45.43 ID:cL5MO1Xc0
ダージリン「大洗が、エリカさんがやろうとしているのは――――」

まほ「電撃戦<<ブリッツ・クリーク>>……エリカが、最も得意としていた作戦だ」

オレンジペコ「電撃戦……」

ダージリン「本来なら戦車だけでなく航空部隊と歩兵を合わせてやるものだけど、大洗は車両数の少なさをそのまま少数精鋭という強みに変える事で作戦を可能にしてるわ」

小梅「フラッグ戦ルールにおいて、最短距離でフラッグ撃破を目指す電撃戦は強力で、一見簡単なように見えますけど、その実、高い練度と統率が求められます」

オレンジペコ「……確かに、動かすのすら至難の業のポルシェティーガーを含めて、大洗は車種が全て違うのにあの速度であんな統率の取れた動きを……凄い、本当にまだ初めて半年も経ってないんですか?」

ダージリン「ええ。隊長はもちろん、隊員の練度と意思統一が素晴らしいわ。才能……そんな言葉でまとめたくないほど」

まほ「……やっぱりか」ボソッ

小梅「……」

オレンジペコ「え?」





まほ「どれだけ取り繕っても……偽物は、偽物でしかないということだ」




731 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 21:35:34.13 ID:cL5MO1Xc0





エリカ「みんなっ!遅れてないっ!?」

優花里「全車両ちゃんとついてきてますっ!!」

エリカ「レオポンさん、そっちはどうっ!?」

ナカジマ『今のところ大丈夫。寒いからエンジンも熱くなりすぎなくて丁度いいくらいだよ』

エリカ「よしっ!このまま一気にフラッグ車を叩くわよっ!!」

優花里「まさしく電撃戦っ!!テンション上がりますっ!!稲光<ブリッツ>の如く、速攻ですっ!!」

沙織「でも、本当に敵がこの先にいるの?」

エリカ「フィールドは広くてもスタート地点は決まってる。その上で予想していたいくつかのルートに相手の編成を加味すれば進行ルートは絞れるわ」

華「なるほど……」

エリカ「加えて、この移動速度。エンジンいじってるとはいえ、種類の違う戦車で隊列を組んだままこの速度でくるだなんて予測できないはずよ」

沙織「だけど失敗したら……」

エリカ「囲まれて全滅でしょうね。だからこその一撃必殺。二の太刀いらずってやつかしら?」

左衛門座『今薩摩隼人の話した?』

エリカ「してないから集中しなさいっ!!」
732 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 21:37:43.08 ID:cL5MO1Xc0
優花里「エリカ殿、そろそろ」

エリカ「……見えたっ!敵の側面っ!!」

沙織「ほんとにここに来てた……」

優花里「部隊の展開はまだしてないようですっ!」

エリカ「フラッグ車は……いたっ!!全車、フラッグ車に砲撃を集中してっ!!」

『了解っ!!』

優花里「……あれ?」

沙織「ゆかりん、どうしたの?」

優花里「いや……10、11……相手の部隊12輌しかいないです」

沙織「他のは後ろで待ってるとか?私たちだってカモさんとアヒルさんは後ろの方だし」

麻子「もしくは待ち伏せか」

優花里「ですが、そうだとしても3輌で待ち伏せは……相手は私たちがどこから攻めてくるかわからないはずです」

沙織「なら……」

エリカ「……」
733 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 21:45:42.02 ID:cL5MO1Xc0








『あら?あなたが大洗の隊長なのね、よく知ってるわよ。……これなら楽に勝てそうね』







エリカ「……まさかっ!?」

ダァンッ!!

沙織「きゃぁっ!?」

優花里「砲撃ですっ!?」

エリカ「っ……どこからっ!!」

優花里「えっと………あそこですっ!!あれは……T-34/85が2輌、それにISっ!?木々に隠れてこちらを狙ってますっ!?」

麻子「……おい」

エリカ「っ!?敵部隊の進行方向が変わった、こっちに向かってくるっ……」

沙織「ばれてたっ!?」

優花里「まずいですっ!?」
734 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 21:54:19.89 ID:cL5MO1Xc0
ノンナ『カチューシャ、W号射程内です。この距離なら外しません』

カチューシャ「そう、ならさっさとやっちゃって」

ノンナ『……よろしいのですか?』

カチューシャ「いいわよ。この程度の相手に策を取ろうとした私がバカだったわ。頭を潰して、指揮系統が乱れたところを頭を潰して終わり。さっさと帰るわよ」

ノンナ『……わかりました』

カチューシャ「……大洗の隊長さん」






カチューシャ「予想通り、つまらない試合だったわ」







735 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 22:00:58.21 ID:cL5MO1Xc0

エリカ「麻子ッ急いで下がってっ!!」

麻子「間に合うか……」

優花里「ああ……来ますっ!?」





ダァンッ!!






736 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 22:10:14.90 ID:cL5MO1Xc0





沙織「っ…………当たってない?」

ナカジマ『あんこうチーム無事ー?』

優花里「レオポンが盾にっ!?」

沙織「え、でもレオポンさんって私たちの前にいたんじゃ……」

エリカ「とにかく今は下がるわよっ!!みんな、急いでっ!!」







ノンナ『申し訳ありませんカチューシャ、W号を撃ち漏らしました』

カチューシャ「あら?珍しいわね」

ノンナ『W号前方にいたポルシェティーガー明らかにスペックを超えたスピードで後退し、そのままW号の盾になりました』

カチューシャ「へぇ、何したのかしら?まぁいいわ。当初の作戦通りそのまま部隊と合流してフラッグ車以外全部倒しちゃって」

ノンナ『良いのですか?』

カチューシャ「気が変わったわ。私たちの実力を見せつけてやるんだから」

ノンナ『……わかりました』
737 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 22:13:33.81 ID:cL5MO1Xc0






エリカ「早く下がってっ!!」

典子『隊長、いったい何が……』

エリカ「敵に作戦が見破られてたわっ!!アヒルさんは護衛を付けるからそのまま後退してっ!!」

典子『っ……了解っ!』

エリカ「みんな、とにかくフラッグ車を守りなさいっ!」

『はいっ!』

エリカ「レオポンさんチーム、応答してっ!!」

ナカジマ『はいはいー』

エリカ「動けるっ!?」

ナカジマ『うーん、ごめんちょっと無理っぽい。辛うじて撃破判定出てないだけでちょっとでもエンジンに負荷かけるとボンッしそうだね』

エリカ「っ……」

ナカジマ『砲塔は使えるからこのまま殿を務めるよ。まぁ、私たちはここまでだけど』

エリカ「……ごめんなさい、私のせいで」

ナカジマ『違うよ。逸見さんの作戦が最善だったんだ。それが失敗したなら他の策でも同じことだったよ』

エリカ「……」

ナカジマ『気にしないで。まだ試合は終わってないんだから。……私たちを次もこの子に乗せてね』

エリカ「っ……はい。絶対にっ……」
738 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 22:20:54.44 ID:cL5MO1Xc0





ホシノ「みんな、逃げられるといいな」

ツチヤ「私、すること無くなっちゃったんですけど……」

スズキ「やっぱ急造品じゃ3秒も持たなかったね」

ナカジマ「うーん、せめて決勝までに5秒はいけるようにしたいなぁ」

ホシノ「なんだ、もう次の試合の事を考えてるのか」

ナカジマ「ん?そりゃそうだよ。逸見さんは次もこの子に乗せてくれるって約束してくれたんだから」

ツチヤ「ははっ、先輩逸見さんの事気に入ってるんですねー」

ナカジマ「まーねー、妬ける?」

ツチヤ「もー何言ってるんですかー」

ホシノ「……来たぞ」

スズキ「……よし、それじゃあもうひと頑張りしますか!」

ナカジマ「うん。……逸見さん、頑張って。さぁ――――かかってこいっ!!」
739 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 22:28:27.47 ID:cL5MO1Xc0





オレンジペコ「大洗は一気に追いつめられてしまいましたね……」

ダージリン「そうね。カチューシャの読みは完璧だったわ」

まほ「読み……そんな大層なものじゃないな」

オレンジペコ「どういうことですか?」

まほ「ある程度チームの練度があって、その上で戦力差を考えればあいつがとる選択肢なんて一つしかない。……たとえ、他の選択肢があったとしても」

オレンジペコ「……?」

ダージリン「まほさん、相手が事情を知ってる前提で話すのはあまり良い事とは言えませんわ」

小梅「そうですよ隊長」

まほ「……ふん」

ダージリン「ペコ、カチューシャはね誰よりもエリカさんの事を知ってるわ。エリカさんの得意技もね」

まほ「……」

オレンジペコ「なるほど。プラウダがあんな早い段階で待ち伏せをしていたのも、エリカさんが電撃戦を仕掛けてくるとわかってたからですか」

ダージリン「ええ、そうよ。……最も、彼女を知ってる人なら全員同じ読みをすると思うけれど」

オレンジペコ「……?ダージリン様、相手が事情を知ってる前提で話すのはあまりいい事ではないのですよね?」

ダージリン「あらごめんなさい」

小梅「……」
740 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 22:29:05.73 ID:cL5MO1Xc0






まほ「自身の考えにこだわった結果、仲間を危険にさらす。……やはり、お前は救えないな」





741 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 22:30:57.14 ID:cL5MO1Xc0
今日はここまで。次の土曜にまた。
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 22:40:44.83 ID:ryw3ckmPO

また面白くなってきた
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 22:41:55.66 ID:rtTxLqJG0
得意としていた、ね
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 08:02:38.77 ID:fmLBTCZEO
相変わらず気になるとこで置いてくよなぁ!?乙
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/15(日) 09:46:47.50 ID:3mrjlsI80
エリカさんをこれ以上いじめないであげて……!
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 17:55:36.37 ID:0865zT+Uo
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 17:56:19.89 ID:0865zT+Uo
間違えた乙ー
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/18(水) 15:54:53.52 ID:ojkc3VkCO
以降は土曜更新ってことなのかい>>1ーシャ
749 : ◆eltIyP8eDQ [sage saga]:2018/04/19(木) 19:54:48.25 ID:7Qzyp/DJ0
その予定です同志>>748

書き溜めが出来次第投稿日を増やす予定ですが、当面は週一予定です。

なお、たまに息抜きで書いてるこのスレとは関係ないSSは随時投稿すると思います。あくまで気が向いた時ですが。
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 22:29:24.26 ID:L5Iu5m6Eo
楽しみ
751 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 18:44:00.63 ID:k4ZSLE/V0




エリカ「全車固まらないでっ!!KVの榴弾を食らったらひとたまりもないわっ!!距離を取りつつお互いの位置を把握し続けてっ!!」

梓『はいっ……でもっ……』

杏『まずいねー追い込まれてる』

エリカ「っ……障害物のない平原じゃ狙い撃ちされるわっ!射線を取られないようにしつつ障害物のある街を目指しなさいっ!!」

エルヴィン『了解だっ!!』

エリカ「お願いみんなっ……なんとか耐えてっ……」

典子『隊長っ!街が見えましたっ!!』

エリカ「そのまま街に入ってっ!!建物を壁にしつつ迎え撃つわよっ!!」

典子『了解っ!!』
752 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 18:45:10.73 ID:k4ZSLE/V0




ノンナ『カチューシャ、そちらは状況はどうですか』

カチューシャ「ポルシェティーガーにT-34が2輌道連れにされたわ。まったく、あいつらはシベリア送り25ルーブルね。

       手負いの虎にまんまとやられるようじゃまだまだよ」

ノンナ『大洗は雪原を抜け、障害物の多い街を目指しているようです』

カチューシャ「ま、そうするわよね。私たちはこのまま追い立てるわよっ!!」

ノンナ『Да』

753 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 18:51:42.60 ID:k4ZSLE/V0








ダァンッ!!  ダァンッ!!

梓「早くっ!!建物を壁にしてっ!!」

桃『逸見っ!!全員街に入ったぞっ!!』

エリカ「このままフラッグ車を守りつつ迎え撃ちますっ!!まずは―――」

ダァンッ! ダァンッ!!

エリカ「っ!?どこからっ!?」

沙織「えりりん!?あれっ!!」

エリカ「っ!?あんなところにっ!?」

ねこにゃー『逸見さん、こっちも……』

典子『これは……』

桃『囲まれたぁっ!?』

エリカ「そんな……」

ダァンッ! ダァンッ!!

沙織「えりりん、どうするっ!?」

エリカ「とにかく反撃を……でも、このまじゃ……」
754 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 18:54:10.92 ID:k4ZSLE/V0

ダァンッ!! ガァンッ!!


梓『ウサギさんチーム、主砲身吹っ飛びましたぁっ!!?』

エルヴィン『隊長、このままじゃ全滅だ』

ねこにゃ―『じりじりと輪を狭めてきてるよ……』

エリカ「あれは……教会?……とにかく逃げないとっ!!全車、あの教会に入ってっ!!」

『了解っ!!』

ねこにゃー『逸見さん危ないっ!!』

エリカ「っ!?」


ダァンッ!!

ガインッ!!


エリカ「猫田さんっ!?」

ねこにゃー『な、なんとか大丈夫……角度が良かったのかな?とにかく早くっ!!』

エリカ「っ……みんな急いでっ!!」
755 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:00:27.33 ID:k4ZSLE/V0




エリカ「……どうにか全員退避できたみたいね」

沙織「砲撃、止んだね……」



ザッザッザッ


優花里「あれは、プラウダの……」

エリカ「……隊長自らがおいでだなんて随分ね。何の用?」

カチューシャ「降伏しなさい。あなた達に勝ち目はないわ」

エリカ「……舐めた事言ってくれるわね。そんな事するわけ」

カチューシャ「おとなしく降伏すれば大洗の隊長、あなたを我がプラウダ高校に迎え入れてあげるわ」

エリカ「……はぁ?」

沙織「何言ってるのっ!!そんなの、認められるわけないでしょ!?」

桃「ふざけるのも大概にしろっ!!」

カチューシャ「逃げ出したとはいえ黒森峰にいたのなら、少しは役に立つかもしれないからね」

エリカ「……」

カチューシャ「それに、どうせ負けたら廃校になるんでしょ?なら廃品利用も強者の美徳よ」

沙織「っ……廃校の話、知ってるんだ」

麻子「逸見さんはゴミ扱いか」

エリカ「……断る。たとえ帰る場所が無くなろうと、一緒に戦ってくれたみんなに背を向けて、あなた達の元へ行くほど恥知らずじゃないわ」

カチューシャ「……私は寛大よ。3時間あげる。ゆっくり考えなさい」
756 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:04:31.75 ID:k4ZSLE/V0


ザッザッザッ


華「塩でも撒きましょうか」

麻子「持ってきてないな」

沙織「それじゃあ雪でも撒く?白いし」

優花里「すでに辺り一面にまかれてます……」

エリカ「……とにかく、相手の方からわざわざ立て直しの時間をくれたんだから有効に使いましょう。とりあえず修理と点検、あと……」

優花里「偵察です!」

エリカ「そうね、この窮地を脱するためにも敵の配置確認は必須よ。優花里、頼める?」

優花里「お任せをっ!!」

エルヴィン「なら、私も行こう」

エリカ「ありがとう。でも、もう2人くらい欲しいわね」

麻子「なら、私が行こう」

エリカ「え?」

沙織「麻子がぁっ!?」

麻子「そんな驚く事か」
757 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:07:30.50 ID:k4ZSLE/V0
沙織「だって外寒いんだよ?雪降ってるんだよ?なのに麻子が自主的に行きたがるだなんて……」

麻子「……私だって、廃校を撤回させたいのは同じだ。それに私は目がいいからな。2.0だ」

エリカ「……そう。なら、頼んだわ」

麻子「任せろ。あと、そど子も連れて行く」

そど子「私もっ!?」

麻子「お前も確か目が良かったろ」

そど子「なんでそんな事知ってるのよっ!!」

麻子「だって、校門から遥か離れた私を普通に目視してただろ」

そど子「あれは、あんな時間にフラフラ歩いてるのはあなたしかいないからよっ!!」

麻子「じゃあ目、悪いのか」

そど子「2.0よっ!!」

麻子「なら問題ないな」

そど子「だからってあなたと行く理由にはっ……」

麻子「秋山さん、相手の戦車の特徴を教えてくれ。一回聞けば覚える」

優花里「麻子殿……さすがですっ!!」

そど子「聞きなさいよっ!?」
758 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:13:29.82 ID:k4ZSLE/V0




エリカ「……まさかここまで詳細な情報が集められるだなんて」

エルヴィン「グデ―リアンの機転で、敵から直接話を聞くことができたからな」

麻子「私たちはそど子のせいで見つかりかけたが」

そど子「私のせいっ!?」

エリカ「……」

杏「……逸見ちゃん、どう?」

エリカ「……完全に包囲されている。いくらこちらが降伏しないと言っても、その気になればこの建物ごと私たちを倒せるわ」

梓「建物ごと……どこか、穴はないんですか?」

エリカ「……ここだけ守りが薄いわね」

桃「ならそこから突破すればっ!」

エリカ「こちらがそう考えると思ったからこの配置にしたのでしょうね。……つまり罠よ」

桃「っ……」
759 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:16:21.00 ID:k4ZSLE/V0
エリカ「……」

梓「エリカ先輩……」

エリカ「……そんな不安な顔しないの。大丈夫、必ず手はあるわ」

梓「先輩っ……!」パァッ

エリカ「とはいえ、ちょっと考える必要があるわね」

沙織「えりりんどこ行くの?外は寒いよ?」

エリカ「丁度いいわ。頭冷やしながら考えたいから。10分もしたら戻るわよ」スタスタ

沙織「あ、えりりん……」

麻子「沙織、寒い。温かい飲み物をくれ」

沙織「え?うん、ちょっと待ってて」

桃「……」
760 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:19:56.92 ID:k4ZSLE/V0




エリカ「ふぅ、確かに寒いわね。カイロ、もっと持ってくればよかった……」

エリカ「……どうする。せめてレオポンさんチームがいれば話は変わったのに私の失策のせいで……」

エリカ「……何か、何か手があるはず。こんなところで諦めたら……」
761 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:21:25.62 ID:k4ZSLE/V0





やーってやる やーってやる やーってやーるぜ

いーやなあーいつをボーコボコにー




762 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:45:51.82 ID:k4ZSLE/V0
エリカ「っ!?」

栗毛の少女『あははっ、嫌なあいつって誰だろうね?』

エリカ「っ……消えろ。あなたの相手をしてる暇はないの」

栗毛の少女『どうせ、何もできないよ。あなたの考えなんて上辺だけなんだもの』

エリカ「……今日はずいぶんと喋るのね」

栗毛の少女『ホントはわかってるんでしょ?』

エリカ「……」

栗毛の少女『調子に乗ってみんなを鼓舞して大失敗♪まるでボコだね』

エリカ「……黙りなさい」

栗毛の少女『ああそうだね、ボコはちゃんと自分の信念があるから。何もないあなたとは似ても似つかないね』

エリカ「うるさいっ……」

栗毛の少女『廃校の危機にかこつけて、自分のしたことから逃げたかったの?』

エリカ「違うっ……私は、私は学校の……みんなのためにっ……」

栗毛の少女『だったら、選択肢なんてないよ?』

763 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:51:47.52 ID:k4ZSLE/V0
エリカ「……いいえ、あなたには頼らない。私と、みんなならきっとこの状況を打開できるはず」

栗毛の少女『あははははっ!!まだそんな事言えるんだ?そんな事、かけらも思ってないくせに』

エリカ「違うっ!?私は……ちゃんとみんなを信じてっ……」

栗毛の少女『嘘つき』

エリカ「……違う、違うっ!!私は、みんなを……仲間を信じてるっ!!だからきっと、今回だってっ……」

栗毛の少女『信じてなんかいないよ。だって、あなたはまだ何も教えてないもの』

エリカ「……」

栗毛の少女『無理だよ。あなたには』

エリカ「っ……黙れ」

栗毛の少女『あなたにそんな力も勇気もないよ。だってそれがあったなら―――――私はここにいないもの』

エリカ「黙れっつってんでしょっ!!!!」






「ひっ!?」





764 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:55:39.62 ID:k4ZSLE/V0
エリカ「っ!?誰っ!?」

桃「い、逸見……」

エリカ「桃ちゃん……なんで……」

桃「な、なんかお前の様子がいつもと違う気がして……誰かと話してたのか?」

エリカ「……独り言よ。気にしないで」

桃「そ、その割には随分と荒れてたみたいだが……」

エリカ「そういう時もあるのよ」

桃「そ、そうか……」

エリカ「……」

桃「……なぁ、逸見」

エリカ「何?」
765 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:59:11.31 ID:k4ZSLE/V0
桃「その……困ったことがあるなら、言ってくれ」

エリカ「……だから、さっきのはただの独り言だって」

桃「そうじゃない、それだけじゃない。……お前は、会長に似ているから」

エリカ「えぇ……?」

桃「そんな嫌そうな顔をするな……会長は、一人で抱える傾向がある。……お前みたいにな」

エリカ「……」

桃「それは、お前や会長が悪いんじゃない。……頼りない私たちが、私が悪いんだ」

エリカ「……そう?桃ちゃんもずいぶん頑張ってると思うけど」

桃「お世辞はよせ。……少なくとも、廃校の一件に関して、お前と会長にばかり負担をかけてい事ぐらい自覚している」

エリカ「……」

桃「だから、せめて何かお前の力になれる事があるなら言ってくれ。それぐらいしか、私にはできないから……」
766 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 20:15:39.06 ID:k4ZSLE/V0
エリカ「……桃ちゃん」

桃「な、なんだ?」

エリカ「あなたも、みんなも……私を責めないのね」

桃「……責める理由がどこにある」

エリカ「みんなを煽って、これなら勝てるって希望を持たせて、なのにこのザマよ?……私のせいって言われても仕方ないわ」

桃「……お前が一番戦車道に精通しているんだ。そのお前が立てた作戦でダメだったなら他の奴でも同じことになってた……いや、そもそも試合は終わってただろう」

エリカ「……自動車部のみんなも同じような事言ってたわ」

桃「なら、みんなもそう思っているさ。くよくよするぐらいなら、どうにかしようと足掻くんだ」
767 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 20:20:19.51 ID:k4ZSLE/V0
エリカ「……ねぇ」

桃「今度はなんだ?」

エリカ「私ね、桃ちゃんの事好きよ」

桃「はぁっ!?な、何言ってるんだ急にっ!?」

エリカ「そんな動揺しないでよ……人としてよ。変な意味じゃないわ」

桃「そ、そうか」

エリカ「真っ直ぐで一生懸命で……大切なものを守るためにどこまでも全力なあなたは、私にとってまぶしかったわ」

桃「私は生徒会としてやるべき義務があるからなっ!!」

エリカ「それが空回りする時もあるけどね?」

桃「うっ……」

エリカ「……それだけ。そろそろ戻りましょ。吹雪いてきたわ」

桃「あ、ちょっとまてっ!?」
768 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 20:20:59.51 ID:k4ZSLE/V0
ここまでー。また土曜に。
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 20:24:50.19 ID:4WhCDge+o
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 21:58:24.48 ID:apB5qHVg0
桃ちゃんって何かボコに被るよね
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 22:00:21.53 ID:2KvwBfuEO

亡霊のように出てくるみほとエリカのやり取り見てるとcod boのメイソンとレズノフを思い出す
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 22:20:02.64 ID:q1ugJAUco
乙ー
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 23:24:19.16 ID:jIdfjBgaO
乙です!
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 01:15:58.45 ID:LYkA57VH0
やっぱコンタクトにしただろこいつ
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 09:06:51.44 ID:qc+0uBy/O
何処まで向かってくんやろ、期待乙
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/22(日) 18:37:53.04 ID:utMRVvsn0
エリカ「私の名は! ミホトル! ズミノフ! これは私の復讐だ!!」
エリカ「1 2 3 5 7 11 13 17 19」
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 20:34:49.53 ID:ayTV2/e10
>>776
つまんね
そのゴミみたいなレスをよくよく読み返して同じようなゴミレスを二度としないように反省しろ
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/22(日) 21:45:41.06 ID:utMRVvsn0
>>777
面白いレスだな
779 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:29:44.92 ID:ExbdD3940





『只今吹雪のため、試合を続行するかどうか協議しています』


オレンジペコ「もしも試合がこのまま終わったら、審判の判定になりますね……」

ダージリン「そうなったら、大洗を追い込んでいるプラウダの勝利になるでしょうね」

まほ「……」スクッ スタスタ

ダージリン「あら?どこへ行くの?」

まほ「これ以上は時間の無駄だ」

ダージリン「……あなた、随分と余裕がないのね?」

まほ「……黙れ」

ダージリン「なら、もう少し私たちのもてなしを受けてもらえる?せっかくここまで来たのだから、最後まで見るのも礼儀よ」

小梅「そうですよ隊長」

まほ「……」クルッ スタスタ ドサッ

小梅「うちの隊長がごめんなさい。いつもは冷静なんですけど、あの人の事になると…」コソッ

ダージリン「いいのよ。それよりも、あなたはずいぶんと余裕があるのね」

小梅「私ですか?」
780 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:34:00.73 ID:ExbdD3940
ダージリン「どちらが勝っても問題ないという事かしら?」

小梅「うーん……それは正しいですけど、解答としては不正解ってところですかね?」

ダージリン「あら、それは残念。それじゃあ模範解答を教えてもらえる?」

小梅「私は、大洗が勝つって信じてますから」

ダージリン「……それは、どうして?」

小梅「え?だって、大洗はあの人が隊長をしているんですから。勝ちますよ、きっと」

ダージリン「……小梅さん、あなたは」

まほ「ダージリン、あまり赤星の言葉を真に受けるな」

小梅「えー?ひどいですね」

まほ「相手を過大評価するのはお前の悪い癖だ。いいか、敵の力量を図れず必要以上に警戒する事を『臆病』というんだ」

小梅「……はーい、気を付けますよ。ごめんなさい、ダージリンさん」

ダージリン「……いえ、良いのよ。私も、大洗に肩入れしてる部分があるから」

オレンジペコ「部分も何も、ガッツリ肩入れしてると思いますよ?」
781 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:38:14.80 ID:ExbdD3940





桃「……残り一時間か……」

あや「寒い……」

桂利奈「お腹減ったなー」

ももがー「寒くて筋トレもできないもも……」

ぴよたん「熱が、カロリーが足りない……」

妙子「さすがに、つらいです……」

あけび「雪合戦でもする……?」

忍「そんな余裕、無い……」




沙織「みんな……」

桃「空気が重いな……」

エリカ「寒さと追い込まれた事による焦り……いや、諦めが士気を削いでいる」

桃「……逸見、何かみんなを元気づける事を言えないか?」

エリカ「……廃校の件はもう使えない。カンフル剤になりそうなものは無いわね……」

桃「っ……」

エリカ「それに、解決策のない状態で下手に奮起を促しても反発を招くだけよ」

桃「それは……そうかもだが」

エリカ「……」

沙織「学校、無くなっちゃうのかな……」

エリカ「……大洗が無くなったら、私は……」
782 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:42:47.64 ID:ExbdD3940





梓「……」

ねこにゃー「……」

典子「……」

エリカ「3人そろってどうしたのよ」

梓「先輩……」

ねこにゃー「いや、何かいい案無いかなって」

典子「見つかってませんが……」

エリカ「……あなた達は諦めてないのね」

梓「当たり前じゃないですか」

ねこにゃー「みんなだってただ寒さにやられてるだけで、諦めてなんかないはず……」

典子「根性が足りないな。……私が言えたことじゃないけど」

エリカ「あなた達……」
783 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:45:19.38 ID:ExbdD3940








負けたら、また全部無くなっちゃうよ







784 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:45:55.50 ID:ExbdD3940
エリカ「……」

梓「っ……」グスッ

エリカ「梓……?」

ねこにゃー「どうしたの澤さん、どこか痛いの……?」

梓「違、違います……先輩……私、悔しいですっ……先輩に頼ってばっかで、一番ピンチな今、何もできないのがっ……」

エリカ「……」

梓「私がもっと強ければ……もっと賢ければ……エリカ先輩を助けられたかもしれないのに」

典子「澤……」

ねこにゃー「澤さん……」

エリカ「……」
785 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:47:19.75 ID:ExbdD3940






『私がもっと強ければ。私がもっと賢かったら。違う選択肢を選べて違う未来があったのかもしれない』





786 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:48:26.85 ID:ExbdD3940
エリカ「……このまま終わったら、後輩に同じ轍を踏ませることになるわね」ボソッ

梓「え……?」

エリカ「………………あなた達」

梓「先輩……?」

エリカ「みんなを集めて」

典子「隊長、何かあるんですか?」

エリカ「……賭けに近いけど、手はある」

ねこにゃー「……そっか、ならいつもの事だね」

エリカ「……そうね。それじゃあ、いつものように勝ちに行きましょうか」

梓「先輩っ……!!」

エリカ「ほら、わかったならさっさと行きなさい」

梓「はいっ!!みんなーっ!!」タッタッタ
787 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:50:10.29 ID:ExbdD3940

エリカ「……」チラッ

栗毛の少女『……』








エリカ「……これで、最後よ」







788 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 21:54:30.96 ID:ExbdD3940




沙織「……本当にそれで行けるの?」

エリカ「相手の予想を外す。基本でしょ?」

優花里「それはそうですけど……」

華「このまま萎れるよりはマシです。せめて一華咲かせましょう」

エリカ「だけど、そのためには誰かに相手を引き付けてもらわなきゃいけないんだけど……」

杏「あーそれなら私たちがやるよ」

エリカ「会長?」

杏「たまにはカッコつけさせてよ」

エリカ「……わかったわ。お願い」

杏「おっけー。あ、山郷ちゃん、こっちで装填手してもらえる?」

山郷「え?私がですか?」

杏「どうせそっちの主砲は使えないでしょ?」

あゆみ「う……そうですね……」

杏「それじゃあお願い」

沙織「……えりりん、来たよ」
789 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 22:01:05.99 ID:ExbdD3940
ザッザッザ


カチューシャ「回答を聞かせてもらいましょうか」

エリカ「……降伏はしない。私たちは最後まで戦うわ」

カチューシャ「……そう。残念よ、大洗の隊長さん。……もっと賢いと思ってた」

エリカ「あいにく、私は愚かで不器用なのよ。だけど、それで取りこぼしたとしてもやりたいようにやる。そう決めたの」

カチューシャ「ふん、随分偉そうに。……いいわ、なら好きにしなさい。せいぜい後悔しない事ね」



ザッザッザ


エリカ「……これで、後戻りはできない。勝って先に進むか、負けて廃校になるか。みんな、覚悟はいい?」

『はいっ!!』

エリカ「それじゃあ、行きましょうっ!!」
790 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/28(土) 22:01:44.36 ID:ExbdD3940
ここまでです。また来週。
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 22:17:00.22 ID:aBs5HuGUo
乙ー
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 22:29:24.00 ID:eNT0mQWFO
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 22:35:28.86 ID:DHHnJL9o0
おつ
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 22:45:25.65 ID:VjrS1ADjO
乙です
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/29(日) 12:47:40.48 ID:1dHmH2i50
乙乙
796 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:18:54.49 ID:T96Exk7M0




カチューシャ「……私の厚意を無碍にしたんだから、徹底的に叩かせてもらうわよ」

ノンナ『……来ました』

カチューシャ「……チッ、わざわざ分厚いところに突っ込んでくる?舐めるのも大概にしなさいよっ!!」





ダァンッ! ダァンッ!


杏「河嶋、すれ違いざまに撃つぞ!!砲身をもうちょっと左に向けろ!」

桃「はいっ!」

杏「…………撃てっ!!」

桃「っ!!」

ダァンッ! 

桃「っ……すみません」

杏「気にするなっ!正面の4輌このまま引き付けるよっ!!」

エリカ『カメさんチーム、お願いっ!!』

杏「おっけぇっ!!山郷あゆみwithカメさんチーム、行くよっ!!」

あゆみ「わ、私がメインですかっ!?」

柚子「わざわざ来てもらったんだからこのぐらいさせてよー」

杏「そうそう、勝ったら大々的に宣伝するからさ『勝利の立役者は山郷あゆみっ!』ってね」

あゆみ「気の使い方がおかしいですよーっ!?」

桃「山郷っ!!装填急げっ!!」

あゆみ「はいーっ!!」ガションッ
797 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:19:57.13 ID:T96Exk7M0
杏「小山っ!距離詰めろっ!ねちっこくへばりついてっ!!」

ダァンッ!!  ダァンッ!!

桃「っ……また……」

杏「河嶋っ!!落ち着いて撃てっ!38tでも0距離なら何とかなる、お前でも大丈夫だっ!!」

桃「会長……やっぱり砲手は会長がやるべきじゃ……」

杏「今さら何言ってんだ」

桃「ですが……」

杏「逸見ちゃんは私たちが囮を務めることに何も言わなかった。つまり河嶋、お前でいけるって判断したんだ」

桃「……」

杏「見せてやれ、やってやれ河嶋。お前は――――私と逸見ちゃんが見込んだ奴なんだから」

桃「っ……はいっ!!」

杏「逸見ちゃんっ!!構わず展開しちゃってっ!!」

エリカ『分かってるわっ!!』

杏「河嶋っ!!タイミング合わせろっ!!―――――撃てっ!!」

桃「っ!!」

ダァンッ!!

シュポッ!!

桃「よしっ……!」

杏「気ぃ抜くなっ!!次行くぞっ!!」

桃「はいっ!!」

あゆみ「っ!!」ガションッ
798 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:22:14.37 ID:T96Exk7M0
杏「今っ!!」

ダァンッ!! ガンッ

桃「弾かれたっ……」

杏「もう一回行くよっ!!山郷ちゃん装填もっと早くっ!!」

あゆみ「はいっ!!」

ダァンッ! ドンッ!

杏「よし、足をやったぞっ!!河嶋、その調子だっ!!」

桃「はいっ!!」

柚子「桃ちゃん頑張ってっ!!」

桃「わかってるっ!!」

杏「撃てっ!!」

ダァンッ!! 

シュポッ!

杏「よしっ!!ここらで逸見ちゃん達に合流しに―――」

桃「っ!!あいつもっ!!」

杏「いや河嶋お前じゃこの距離は――――」
799 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:25:03.60 ID:T96Exk7M0
ダァンッ  ガンッ ドォンッ!!


シュポッ!!


杏「――――え?」

あゆみ「……どういう事?」

杏「弾がさっき倒したT-34で跳弾して、命中……」

桃「こ、これは……」

杏「…………ぷふっ、あははははははっ!!かーしま、お前やっぱ凄いよっ!!」

桃「え?え?」

あゆみ「河嶋先輩凄い……」

柚子「桃ちゃん、もうここで外すー?だなんて言えないね……」

桃「ふ、ふんっ!!見たか私の実力をっ!!」

杏「……とはいえ」

柚子「あ……」





ノンナ「…………」





800 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:28:14.84 ID:T96Exk7M0

ダァンッ!

シュポッ!!




杏「つつつつ……逸見ちゃん、やられたけど3輌仕留めたよ」

エリカ『嘘っ!?桃ちゃんがっ!?』

桃「なんで意外そうなんだっ!?」

エリカ『いやだって桃ちゃんよっ!?』

桃「私だからなんなんだーっ!?」

杏「あはは、逸見ちゃん河嶋頑張ったよ。ほめてやってよ」

エリカ『ええっ!!桃ちゃんよくやったわっ!!大好きっ!!』

桃「ななっ……!?」

あゆみ「わぁ……」

杏「おぉ、情熱的だね」

エリカ『後は私たちに任せて、風邪ひかないようにしてなさいっ!!』
801 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:30:26.79 ID:T96Exk7M0





オオー!!

ガンバレー!!

オジョーッ!!




オレンジペコ「みんな大洗を応援してますね」

ダージリン「判官贔屓という事かしら」

小梅「そうかもしれませんね。……でも、あの人の実力は本物です」

まほ「……チッ、カチューシャめ余裕を見せた挙句にこれか」

小梅「隊長」

まほ「……ふん」
802 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:34:15.64 ID:T96Exk7M0





エリカ「カモさんっ!追手の中にフラッグ車はいるっ!?」

そど子『いませんっ!!』

エリカ「わかったわっ!カバさん、アリクイさん、次の坂を登ったら敵をやり過ごしてっ!!一緒にフラッグ車を叩きに行くわよっ!!」」

『了解』

エリカ「ウサギさんとカモさんはアヒルさんを守ってっ!!」

『はいっ!!』

エリカ「相手はこの暗さと塗装のせいでこちらを視認しずらいはず。できるだけ撃ち返さず暗さに紛れてっ!!」






カチューシャ「追え追えーっ!!地の果てまで追いなさいっ!!」

ノンナ『カチューシャ、2輌いや3輌ほど見当たりませんが』

カチューシャ「そんなのどうだってっ……いないのって何っ!?」

ノンナ『…………三式、V突。それと……W号です』

カチューシャ「っ!?戻るわよっ!!2輌私についてきなさいっ!!ノンナたちはそのままフラッグ車を追ってっ!!」

ノンナ『わかりました』

カチューシャ「……まったく、私がこんな単純な陽動に引っかかるだなんてっ……」
803 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:38:45.13 ID:T96Exk7M0





そど子『隊長っ!!敵が3輌そっちに向かいましたっ!!』

エリカ「っ……もうばれたか」

ねこにゃー『逸見さん、ボクたちが食い止めるよ』

エリカ「猫田さん?」

ねこにゃー『どこまでもつかわからないけど、少しは時間が稼げると思う』

エリカ「……わかった、頼むわ」

ねこにゃー『うん、任せて。それと、ボクの事はねこにゃーって呼んでね?』

エリカ「は?」

ねこにゃー『リピートアフタミー、ねこにゃー』

エリカ「…………ねこにゃー」

ねこにゃー『Good!!』

ももがー『ももがーはももがーももっ!!』

ぴよたん『ぴよたんはぴよたんだぴよー!!』

エリカ「ああもうっ!?歴女といいあなた達といい、なんなの?流行ってるのソウルネームで呼び合うの!?」

ねこにゃー『多分、逸見さんの反応が面白いからだと思うよ』

エリカ「……はぁ、時間稼ぎ頼んだわよ、ねこにゃー、ももがー、ぴよたん」

『おっけー!!』

沙織「なんだかえりりん可愛いね」コソッ

華「エリカさんも語尾に何かつけるといいかもしれませんね」コソッ

優花里「何がいいでしょうか?」コソッ

麻子「……『あんこうさんチームの隊長、えりりんだりんっ♪』」ボソッ




「「「それだっ!!」」」




エリカ「遊んでないで集中しなさいっ!!」
804 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:41:14.48 ID:T96Exk7M0






ノンナ『カチューシャ、こちらはもうすぐ敵フラッグが射程に入ります』

カチューシャ「ならさっさと仕留めちゃってっ!!」

ノンナ『わかりました。そちらは?』

カチューシャ「今追っかけてる最中よ。フラッグには見つかったら街の中で逃げ回りなさいって伝えたところっ!!」

ノンナ『……カチューシャ、あまり焦らないように』

カチューシャ「…………わかってるわよっ!!」

ダァンッ!!

ガァンッ!!

カチューシャ「っ!?砲撃っ!?」






ねこにゃー「残念、弾かれたね……」

ぴよたん「距離を取りつつ時間を稼ぐぴよ」

ももがー「ヒット&ウェイっももっ!!」
805 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:45:52.31 ID:T96Exk7M0
『隊長、相手の三式こちらを通すつもりはないようです』

カチューシャ「……上等よ。あのポンコツ潰してさっさと行くわよっ!!」





ぴよたん「ところで……さっきW号をかばった時に砲塔が……」

ねこにゃー「……うん。回んないね」

ももがー「やっぱり話しといたほうが良かったんじゃ……」

ねこにゃー「どうだろう……応急処置で何とかなるものじゃないし、これ以上逸見さんを落ち込ませたくなかったから……」

ぴよたん「後者が本音?」

ねこにゃー「……まぁね」

ぴよたん「それじゃあしょうがないね」

ももがー「後で一緒に怒られてあげるっちゃ!」

ねこにゃー「……ありがとう。なら、行こっか」

ももがー「砲塔が回らなくても、ももがーのドライビングテクで何とかしてみせるももっ!!」

ぴよたん「その意気だぴよっ!!」

ねこにゃー「逸見さん……頑張って」
806 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/05(土) 16:48:39.68 ID:T96Exk7M0
今回はここまでで。また土曜に
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 17:09:24.78 ID:Ql3zwfJUo

えりりんかー
いいね
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 18:56:58.42 ID:w6Sy87LJO
ももがーちゃん、頑張れ!
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 23:48:18.32 ID:9NoV3yo8O
乙 毎週の楽しみだ
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/06(日) 00:09:18.93 ID:skVszVE+0
>>1ーチェ! >>1ーチェ!
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 11:30:23.04 ID:2Yo1OJmao
乙ー
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 13:57:01.32 ID:ai7WWfCwO
乙です!
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/12(土) 20:14:03.94 ID:jsK6L5+kO
時が来た
814 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:04:12.88 ID:RtJirjaw0




優花里『エリカ殿っ!!敵フラッグ車を見つけましたっ!!』

エリカ「よくやったわ。優花里を偵察に出して正解だったわね。カバさん、行くわよっ!!」

エルヴィン『ああっ!!――――っ!?隊長、あれはっ!?』

エリカ「KV-2!?ここにいたのねっ……あれの榴弾は脅威よっ!!散開してっ!!」

エルヴィン『了解っ!!』

エリカ「……来るっ!!」
815 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:08:01.99 ID:RtJirjaw0


ダァンッ


ドゴオオオンッ!!



沙織「うわぁ……凄い爆発」

エリカ「その分装填に時間がかかるっ!!カバさんと一緒に薄いところを狙ってっ!!」

華「っ!!!」

ダァン!ダァンッ!

シュポッ!!





エリカ「よしっ!!これで敵フラッグは丸裸よっ!!」



816 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/12(土) 21:12:17.02 ID:RtJirjaw0






シュポッ!!


ねこにゃー「っ……ここまでか」

ぴよたん「見せ場あったぁ……?」

ももがー「時間は稼げたと思うけど……」







カチューシャ「……まさか、3対1でここまで粘られるなんて」

『隊長、急ぎましょうっ!!』

カチューシャ「わかってるわよっ!!」



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