偽勇者「魔王の孫?」孫「助けて勇者様!」

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26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 16:45:23.54 ID:rtlSPye4O
>>25
乙女の心をもった男かもしれん
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/25(木) 22:42:03.89 ID:Tr8ZshahO
団長「くそ!どうすれば」

副団長(臆病者め…こんな男の部下になるなんて俺はなんと運が悪いんだろう)

団長「……おい、目星はついているのか?」

副団長「はぁ?」

団長「奴らがどこに向かったか目星はついているのかと聞いている!」

副団長「え!は、はい!奴らの今までの足取りを確認したところ、西に向かっていた模様です」


団長「西?そういえば西の都はまだ平定されていなかったな?」

副団長「はい!それに現在、西の都には旧魔王軍幹部や魔族の族長などが集まっているとの情報が入って来ています」

副団長「ですので娘が西の都に向かっている事はまず間違いないと思われます」

団長「なんだと!そうか!やはり魔王軍再興が娘の目的か!まずい!まずいぞ!非常にまずい!」

団長「このままではこの国が…」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/01/25(木) 22:46:23.04 ID:Tr8ZshahO
団長「……」

団長「…そうだな最早、出し惜しみをして居る場合ではないな」

団長「よし!勇者様の協力が得られるよう皇帝陛下に打診しろ!」

副団長「よろしいので?ただでさえ無能と呼ばれている我々が勇者様に頼るなど」

副団長「皇帝陛下の我が軍団への評価がさらに下がりますよ!」

団長「そんな事はどうでもいい!この国が滅ぶか滅ばないかの瀬戸際なんだ!プライドなどいらん!」

団長「それに失態続きのこの軍団に今更、下がる評価などない!既に下がりきっているわ!」

副団長「ぐっ!わかりました…ではそのように」

団長「あとは小娘が通ったと予測される町に賞金付き人相書きをばらまけい!子供の足だ、そう遠くには行けないはずだ」

団長「滞在していた町さえわかれば現在地など簡単に予測が立てられるだろう?」

副団長「…はい」

副団長(くそ!冗談じゃない!ただでさえ無能団長の采配で出世が出来そうにないんだ…勇者なんて呼んでしまえばますます出世から遠ざかる!)
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/01/25(木) 23:55:02.46 ID:Tr8ZshahO
undefined
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/01/25(木) 23:56:34.81 ID:Tr8ZshahO
ーとある町ー

兵士「おい!この荷馬車は貴様のものか!」

商人「そうだけど…兵隊さんが何の用だい?私は武器売りだ…ここには武器しかないよ?自前の武器でも買いに来たのかい?」

兵士「ふん!俺は貧乏だ!そんな金は無い!武器など軍からの支給品で十分だ!」

商人「それ威張りながら言う事ですか?」

商人「それと支給品ってひのきのぼうですか?」

兵士「貴様はいつの時代の話をしているんだ?我々がひのきのぼうで戦っていたのは魔王軍が最大勢力を築いていた時代だ!」

商人(皮肉だったのにすごく真面目に答えてくれるな)

兵士「無駄話はもういい!この人相書きをこの荷馬車の一番目立つところに貼らせてもらう!」

商人「ちょっと待って!勝手なことをしないでおくれ!」

兵士「なんだ!邪魔をするのか?」

商人「物事には順序ってものがあるだろ?いきなり人相書きを貼ると言われてハイそうですかとはいえないでしょう!」

兵士「なにぃ〜!…わかった物事には順序があるな!」

商人「やけに物分かりがいいですね?」

兵士「では商人?この荷馬車には移動販売の許可証が貼っていないがもちろん持っているのだろう?」

商人「あ…!」

兵士「商売にも順序がいるんだ…まずはこの国の許可が必要だ」

31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/01/26(金) 00:00:48.24 ID:mQ6DcS8aO
商人(偽勇者の馬鹿が私の店を壊してしまうから、店にあった許可証も紛失したし、色んなところに損害賠償を支払った所為で許可証を買うお金もなかったんだ、仕方ないでしょう)

商人「も、持っておりません」


兵士「本来なら無断営業の罪で罰金を支払ってもらうか、しょっ引く所だが…そんな面倒なことは憲兵の仕事だ俺はしたくない」

兵士「だからこの人相書きを貼らせて貰えれば見逃してやろう」

商人「うぅ…わかったよ!」

兵士「よろしい!では!」

商人「……」

兵士「協力感謝する!それと早く許可証を貰うように!」

兵士が遠くに行ったことを確認してから商人は叫んだ。

商人「ご丁寧二枚も貼りやがって!どうせ安い糊で綺麗に剥がせなくなるんだ!本当!もう二度と来んな!」

商人「全く!どこの誰だよ!人相書きに描かれてる奴は」

商人はそう言いながら人相書きを見る。

商人「へー、うわぁ〜!すごい!懸賞金十万両!小さい城なら買える金額じゃないか」

商人「どんなことしたらこんな金額つけられるんだよ、凄い凶悪な顔してるんだろうな」

商人「……」

商人「あれ?この顔、カナちゃんだよね?」

商人「どうしよう…偽勇者もしかしたら私たち大変な事に巻き込まれてしまったかも」

商人「偽勇者…大丈夫かな?
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/26(金) 00:04:31.20 ID:mQ6DcS8aO
訂正

商人「ご丁寧二枚も貼りやがって!どうせ安い糊で綺麗に剥がせなくなるんだ!本当!もう二度と来んな!」 ×

商人「ご丁寧に二枚も貼りやがって!どうせ安い糊で綺麗に剥がせなくなるんだ!本当!もう二度と来んな!」 ◯
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/26(金) 00:53:22.57 ID:HrsTtajDO

細かい誤字脱字誤変換は気にしない方がいい
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/02/12(月) 19:08:35.54 ID:g5LPJfXQO
そうですかアドバイスありがとうございます
次からは気にしないようにします
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/12(月) 19:09:20.77 ID:g5LPJfXQO
ー野営地テントー

副団長「ふん!誰が勇者など呼ぶものか」

副団長「あの臆病者は必ず殺せと言っていたが皇帝陛下は出来るなら生かして捕らえろと言っていた」

副団長「…皇帝陛下の思い通りに動いた方が手柄は大きい…そうなれば二階級特進どころではない…か」

兵士B「失礼します!」

副団長「なんだ!入れ!」

兵士B「はっ!」

副団長「どうした…何かわかったのか?」

兵士B「はい!魔王の孫が滞在していた町が判明したことと現在地の予測が付いたので報告に参りました」

副団長「よし!よしよし!でかした!」

副団長「具足を用意しろ!すぐに出陣するぞ!報告は行軍しながら聞く!」

兵士B「は!」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 19:09:58.10 ID:g5LPJfXQO
ー森ー

偽勇者(少し早いペースで移動してるが
さすがに西の都まで、まだまだ距離あるもんな…子供の足じゃきついだろう)

偽勇者「なあ」

カナ「なんでしょう?」

偽勇者「次の町で馬でも借りないか?」

カナ「…嫌です」

偽勇者「なんでだ?馬を使った方が早く着くぞ?金を出したくないのなら俺が出してもいい」

カナ「嫌なのは嫌なのです!とにかく理由は言えません」

偽勇者「そ、そうかすまん」








兵士長「娘を見つけたな」

兵士「ええ、副団長に報告しに行きましょう」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/12(月) 20:37:31.19 ID:rZA6Q1bR0
憲兵って軍隊の一兵科が司法権を持って治安維持を行うものだったと思うのだが
兵士が人相書きを持ち荷馬車の中を捜索してるってことは警察権も持ってるわけだよね
であるにも関わらず憲兵が別に存在、軍隊組織や警察組織が複雑そうなお国ね
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 22:08:45.04 ID:g5LPJfXQO
ー麦と馬神の村ー

カナ「わあ〜!凄い!森を抜けたら一面麦畑じゃないですか」

カナ「黄金色に輝いて綺麗です!」

カナ「畑の中心にあるのが村ですね!」

偽勇者「ああ…そうだな」

村人「おや?旅人さんかい?」

全身に麦を巻いた男が話しかけて来た。

偽勇者「ああ、そうですが、どうかしましたか?」

村人「いや何も、ただ、いい時に来たと思ってね!今この村では収穫祭が行われいるのよ」

偽勇者「へえ、それは面白そうですね」

カナ「おじさんの奇抜な格好も収穫祭に関係あるんですか?」

村「ああ、もちろん!この土地の神は人間の前には決して姿を現さないんだ…だからこうやって麦になってるわけさ」

カナ「へえ!人間が麦になるんですか面白いですね」

村人「まあ、格好だけだけどね」

カナ「私もっと収穫祭のこと聞きたいです」

村人「いいよ、話してあげるよ」

それから村人は村に着くまでの間、収穫祭について話してくれた。

祭の起源はこの村にやってきた豊作の神である馬神を麦に扮した村人達が捕らえ無理矢理、引き留めたのが始まりだ。

当然、捕えられた馬神は怒り、麦が全く育たなくなったそうだ。

まずいと思った村人達は馬神の怒りを鎮めるため美しい牝馬を馬神に献上したのだ。

馬神は牝馬の美しさに惚れ、怒りを鎮め村人達を許したそうだ。

そして…子をたくさん作り、この土地にたくさんの実りを与え、村はそれからずっと豊かなのだ。

こんな逸話があるため、祭では村一番の良馬を馬神とし、村人達は身体中に麦を巻き、祭の儀式としてこの話と同じことを行っている。

あと馬と麦はこの村の大きな収入源らしい。

村人「というわけだ!馬神を追いかけるのは今夜だ。良かったら見物していけばいいさ!」

偽勇者「それは面白そうだ、情報ありがとう!」

カナ「喜んで見物します!」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/13(火) 02:29:10.73 ID:7zGA/aADO
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/02/14(水) 00:33:07.75 ID:1eRLO6mUO
ー牧場ー

夜になり、収穫祭の催し物を見学するため俺達は村の牧場に来ていた。

すでに祭りは始まっており、たくさんの村人達が馬を追いかけるが、なかなか捕まらない。

たまに馬を掴んだり、乗ることに成功する者もいるが振り払われ落馬している。

なかなか気性の荒い馬の様だ、あれでは当分捕まらないだろう。

しかし、馬を追いかける松明の光は夜を照らし、美しかった。

カナ「私!もうちょっと近くで見学します!」

そう言ってカナは人混みの中へ消えた。

馬神「久しぶりだね…君の救った世界はまた、破滅にむかっているよ」

偽勇者「っ!?」

なんだこいつは俺が1人になった瞬間、まるで最初からそこに居た様に突然、姿を現した。

喋る馬、一体何者だ?こいつは魔物なのか?

馬神「どうした?そんなに驚いて?会うのは初めてじゃないだろう?」

偽勇者「お、お前はなんだ?魔物か?」

馬神「……ああ、そうか僕が間違えたのか」

偽勇者「質問に答えてくれ」

馬神「僕は魔物じゃないよ、馬神だ」

偽勇者「馬神だと?」

馬神「僕の知り合いに君と似た格好をした人間がいてね、思わず声をかけたのさ」

馬神「でも、人の寿命は短いから君は他人だろう?」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/19(月) 22:11:57.89 ID:DDKjBoly0
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 00:53:18.08 ID:SKkuLY9A0
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/24(火) 14:51:56.74 ID:qbGoXKHzO
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/25(水) 00:52:35.32 ID:0/qhcG/vO
馬神「人違いだから僕は消えるよ…人と話すのは苦手だからね」

偽勇者「待ってくれ!世界が破滅に向かっているとはどう事なんだ…教えてくれ」

馬神「良いよ…ここであったのも何かの縁だからね…忠告もしてあげるよ」

馬神「君と共にいる娘…アレは魔王の孫だね?」

偽勇者「あの子が魔王の…」

馬神「ああ、知らなかったのかい?まあ良いや」

馬神「あの子の魔翌力は恐ろしい…一人で世界を滅ぼせる力を持っている」

馬神「だから…人の手にも魔族の手にもあの子は渡しちゃいけないよ…どちらかが完全に滅びるまで利用されるからね」

偽勇者「争いを回避する方法はないのか?」

馬神「ないね、全ての陣営があの子のことを狙っているからね」

馬神「世界を救うには君があの子を守り抜くか…君の手で[ピーーー]ことだ」

馬神「まぁ、手っ取り早いのは君があの子を[ピーーー]ことだよ…そうすれば世界は数年か数十年の平和が訪れるけど君はどうする?」

簡単な選択肢だった。

俺は勇者志望だった男だぞ、だから迷わない。

偽勇者「あの子を守り抜いて!そして!どちらも滅ばせない!」

馬神「人間違いだったけど…やっぱり君に話しかけてよかったよ…君は彼と同じことを言う人間でよかった」



45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/26(木) 00:50:59.08 ID:ijCwSJ1DO
>>44

46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/07/29(日) 23:00:49.28 ID:Iq1IOFK1O
馬神「消える前にもう一つ言っておくことがある…もうすぐあの娘を追う者達が来る」

偽勇者「……」

馬神「僕は無理矢理ここの村に引き留められたけど永くいるうちにここの村人が好きになってね…危険な事に巻き込みたくない」

馬神「だから申し訳ないけど、直ぐにこの村から立ち去ってほしい」

偽勇者「わかった…情報をありがとう」

馬神は消えた。

もうここには何の痕跡も残っていない。

偽勇者「さてとカナといろいろ話さないとな」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/07/29(日) 23:02:33.55 ID:Iq1IOFK1O




カナ「わあー惜しいな…もう少しだったのに!」

偽勇者(見つけた)

カナは祭りを真剣に楽しんでいた。

その顔は世界を滅ぼす力を持った少女には見えない。

1日1日を精いっぱい楽しもうとする普通の女の子だ。

偽勇者「カナ」

カナ「あっ勇者様!何でしょうか?」

偽勇者「君の正体を知った君は魔王の孫なんだろう」

カナ「……勇者様それは誰から聞いたのですか」

偽勇者「この村の馬神様から聞いた」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/30(月) 01:15:11.19 ID:EFyXnCVHO

カナ「そうですか…そうですね、馬神様の言う通り私は魔王の孫です」

偽勇者「大金を持っているのに馬を借りなかったのも居場所が割れるからか?」

カナ「その通りです…借りる馬には盗難防止のために発信機が付いてますから…大金はおじいさまが残してくれた遺産の一部です」

偽勇者「君は本当に俺を勇者だと思って頼ってきたのか?」

カナ「……そんな訳ないじゃないですか、もう夢を見るには色々と有り過ぎたんです…貴方がお人好しな感じがしたので利用しただけですよ」

偽勇者「そうか…じゃあ」

カナ「もうやめましょう!質問なんて意味ないです!だってあなたは私を捕らえるのつもりでしょう?」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/30(月) 01:15:57.02 ID:EFyXnCVHO
カナ「当然ですよね…私は貴方は巻き込もうとしたのですから…どうぞ私を捕まえて英雄になってください」

カナ「私は疲れたのです…精いっぱい明るく毎日を楽しく過ごそうと努力しました」

カナ「でもダメなんです!生まれて来た事が悪と言われ、世界中から命を狙われるのは私には辛過ぎます」

カナ「私を育ててくれた側近も死んで本当に一人になりました…だからもういいんです」

偽勇者「君はお兄さんに会うんだろう?それともお兄さんの話は嘘だったのか?俺は嘘だと思わなかった」

カナ「それは本当です…でも!もういいじゃないですか…さっさと捕まえてください」

偽勇者「いやまだだ!さっきと似た質問だけど君は本当に俺を勇者と思わなかったのかい?」

偽勇者「そんなにボロボロな絵本を持ってるのは誰かに勇者に助けて欲しかったからだろ?」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/30(月) 01:17:13.93 ID:EFyXnCVHO
カナ「実は少しだけ期待してました…貴方の格好が余りにも似ていたので、もしかしたら私を助ける為に絵本から出てくれたのかも知れないと思いました」

カナ「でもそんなことはあり得ないのです」

偽勇者「そうか…それを聞いて安心した」

俺は今から嘘をつく。

世界を敵にする嘘だ。

でも後悔はしないこの子を助けると決めたからだ。

絵本の話だが、俺の憧れた勇者は魔王すら救った男なのだから。



偽勇者「カタリール!実は俺は絵本から飛び出してきた勇者…なんだよ、君を助ける為に現れたのさ」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/30(月) 01:23:27.47 ID:EFyXnCVHO
カナ「今更そんな嘘つかないでください!」

偽勇者「嘘じゃないよ!君が信じてくれれば嘘じゃなくなるんだ」

カナ「でも!私を助ければ貴方も命を落とすかもしれないんですよ!」

偽勇者「大丈夫!勇者は死なないから!あとは君が俺を信じてくれれば良いんだ!」

カナ「でも!」

偽勇者「カタリール・ナルバスタはどうしてほしい?」

カナ「本当に頼って良いんですか?」

偽勇者「良いよ」

カナ「私が世界を滅ぼしちゃうかもしれないんですよ」

偽勇者「そんな事はさせないよ絶対止める」

カナ「……」

カナ「じゃあ私を助けてくれますか?」

偽勇者「助けるよ、君が信じてくれれば俺はあの絵本の勇者だ!彼は魔王も救った男だぜ?君を救わないはずないだろう?」

カナ「うわーん」

カタリールは沢山泣いた。

泣き過ぎて乾いてミイラになってしまわないか心配するほど泣いた。
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/30(月) 01:25:03.80 ID:EFyXnCVHO
終わります
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/30(月) 12:56:16.15 ID:KqQwMRhA0
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/31(火) 01:42:19.88 ID:5EgxLysDO
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/18(木) 21:17:31.05 ID:scAqt4ZRO
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/19(金) 00:11:09.80 ID:PIorvEfEO
偽勇者「カナっ泣くのは後だ!」

カナ「グス…ハイ!」

偽勇者「今は逃げるぞ!」

カナ「でもどうやって逃げるのですか?もう近くまで来てるのでしょう?」

偽勇者「大丈夫!正々堂々と真正面から逃げるさ」

カナ「真正面から?」

偽勇者「カナ、実は俺、凄く強いんだぜ!」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/19(金) 00:16:39.76 ID:PIorvEfEO
副団長「この村にあの子娘は居るのだな?」

兵士長「ハイ!間違いありません!ただ…妙な男と共にいました」

副団長「少し気にはなるが大方、側近の代わりに雇った案内役だろう…恐れることはない」

副団長「しかし、その男には同情するな…何も知らないのにこれから魔王の血族に協力した罪で捕まるのだからな」









偽勇者「憲兵でもない軍隊が逮捕するのか?」

カナ「…」


副団長「誰だ!」

偽勇者「こんばんは!勇者です!」

カナ「魔王の孫です!」

副団長「ハア?どういう事だ!理解出来ん!貴様らは逃げてたのではないのか!」

副団長「なぜ私の目の前にいる!」

偽勇者「逃げるさ!ただ…」

偽勇者 カナ「「正々堂々正面から逃げるだけだ!」」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/19(金) 00:18:00.36 ID:PIorvEfEO
少ないですがとりあえず投下しました
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/19(金) 01:48:08.41 ID:MZlwzocA0
おっ
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/21(日) 23:01:06.42 ID:9gdn0unsO
回想

カナ「真正面からと言うことは、こちらから攻めると言うことでしょうか?」

偽勇者「ああ…そうだ、俺たちは逃亡者だ、まさか正面から攻めてくるとは思わないだろう?だからそこを利用して奇襲をする」

偽勇者「そして先に敵の指揮官を倒し、指揮系統を混乱させたら西の都には向かわず、商業都市国家に向かう」

カナ「なぜ西の都に向かわないのですか!?」

偽勇者「ここから西の都までまだまだ遠い、この長い道のりで、ずっと追っ手の相手をするのは正直無理がある」

偽勇者「なので西の都に行くには遠回りになるが一旦、俺たちの出会った町に戻り、そこから商業都市国家を目指す」

カナ「…?」

偽勇者「わからないって顔してるな」

偽勇者「奴等は軍隊だ…勝手に他国に侵攻することは許されない、戦争になるからな」

カナ「ナルホド…国境を越えてしまえば、正規の手続きを踏まないと私達を追えないわけですね!」

偽勇者「そして商業都市国家まではここから全力で向かえば1日で国境を越える距離だ」

偽勇者「かなり無茶な作戦だが…」

カナ「私はあなたを信じます!」





61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/22(月) 01:10:46.85 ID:XhXPtJXA0
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/26(金) 00:40:31.55 ID:xEVAAnueO
副団長「うるさい!魔王軍に関しては我々は憲兵と同じ権限を持つ!」

副団長「狙い分からんがチャンスだ!奴等を…グヒャッ!?」

兵士「…あ、ひのきの棒だ」

兵士長「何をした!見えんかったぞ!」

命令を下すより先に気絶する程度の威力で頭を打ち抜き馬から引き離す。

これで副団長を守るために兵力多少は割く筈だ。

そして部隊の長が乗っている馬だ駄馬なわけがないこれを奪って逃走しよう。

偽勇者「カナ掴まれ!」

カナ「ハイ!」

カタリールの手を掴むと一緒に馬に騎乗してその場を後にした。
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/26(金) 00:44:05.69 ID:xEVAAnueO

兵士長「くそ!逃げられた!俺は副団長を守るから兵士よ!何人か足の速い奴を使って追ってくれ!」

兵士「了解しましたー!お前ら行くぞ!」

カナ「凄いです!あんなにも簡単にあんな大軍から逃げるなんて!」

偽勇者「だろう!なんてな…ここからが大変だ」

偽勇者「こちらは常に背中を向けた状態で、背後からの攻撃を避けないといけないからな二人乗りの状態で」

偽勇者「後はどれくらいの規模の部隊で追って来てるかだけど?アレ五人だけか?」



兵士「あの距離は追い着くのは難しいだろうな…それにあいつ強いし勝てるかな、最悪…娘だけでも殺して逃げることができれば上出来だろうが…」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/26(金) 00:45:41.29 ID:xEVAAnueO
終わります
取り敢えず目標は百五十スレで完結を目指したいです。
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/26(金) 02:00:33.81 ID:Zj7DNMtA0
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/10/29(月) 00:37:11.43 ID:BAseA7O+O
兵士「あの距離は追い着くのは難しいだろうな…」

兵士「給料分のことはするか…狙わなくていい適当に弓と魔法を放て」

兵士「奴等の馬が怖がればいい…出来るだけ大きな音がする様にな」



偽勇者「撃ってきたか!」

カナ「でも、全部、変な方向に向かって飛んでますよ!これなら逃げ切れるんじゃないですか!」

偽勇者「ああ…敵はどうやら適当に撃ってるみたいだ…これだと、どこに着弾するか予想しづらい」

偽勇者「しかもそんなに威力は高くないのにわざわざ大きな声を立ててやがる…馬をビビらせるのが目的だな」

偽勇者「追ってる奴はなかなか出来る奴みたいだな、これは二人で逃げ切るのは無理そうだ」

カナ「そんな…」

偽勇者「……」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/10/29(月) 00:38:50.38 ID:BAseA7O+O
偽勇者「橋だ!カナ…馬には乗れるか?」

カナ「乗れますよ…でもまさか一人で戦うのですか?」

偽勇者「ああ…その通りだ、大丈夫、俺は強いから心配しなくていい…だからカナ後ろは振り返るな!全力で国境に向かってくれそこで合流しよう」

カナ「必ず合流しましょう、もう一人は御免ですから!」



俺は橋を渡り切った後に飛び降りた。

兵士「男が殿を務めるみたいだな…アレは放っておけばいい娘を追うぞ!」

偽勇者「いや構ってもらう!そらぁ!」

ひのきの棒を思い切り振り橋を破壊した

偽勇者「これで馬は渡れない!」

兵士「やられた…」

兵士「やたら強そうだし、これは給料分じゃないな」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/10/29(月) 00:40:32.27 ID:BAseA7O+O
兵士「よし!お前ら!あの男…剣の腕は一流だ!だから絶対に間合いに入るな!中距離から魔法や弓で対処しろ!」

兵士達「「了解!」」

偽勇者「そうはさせない!」

「グホッ!」

「ガハッ!」

二人を吹き飛ばし気絶させる!

兵士「速いな…それに間合いも広い…!」

偽勇者「オラァ!!!」

兵士「グゥゥッ!」

兵士は上段から振り下ろしになんとか耐える

偽勇者「お前が指揮官だな!」

偽勇者は右足の蹴りを繰り出すが後ろに飛んで避けられた。
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/29(月) 00:43:01.20 ID:BAseA7O+O
しまった馬から降りた描写を書いてなかった
いまは馬から降りた状態で兵士達は戦ってるということにしてください

すいません
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/29(月) 00:44:34.52 ID:BAseA7O+O
兵士「足に魔翌力を集中させて、あの速さを出しているのか?」

偽勇者「タネを明かすわけないだろ」

兵士「それもそうか……」

偽勇者「まだやるかい?」

兵士「いや…もう追っても無駄だ…給料分は働いたから…帰るぞ!」

兵士B「よろしいのですか?この男だけでも捕らえてあの娘がどこに向かったか吐かせるべきでは!」

兵士「俺たちじゃあの男を捕まえるのは難しいだろうな、よくても相討ちだ…そんなの凄く無駄なことだろ」

兵士B「はぁ」

兵士「だからこれでいいんだ…どうせ副団長様はもう終わりだしな…命令違反で勝手に軍を動かして娘を捕まえれなかった」

兵士「団長に処断される…だからもういいのさ」

兵士B「納得は行きませんがわかりました」

兵士「気絶した奴は落ちない様に縛って運ぶぞ!」

兵士二人「「はい!」」

兵士達は馬に乗り去っていった。

偽勇者「ふぅ…久し振りに戦って正直辛かったな…早くカナと合流しよう」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/29(月) 00:46:12.61 ID:BAseA7O+O
今日は終わります
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/04(日) 11:24:36.95 ID:YTeUSHwDO
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/11(日) 22:02:01.00 ID:AXTOBzxlO
まだやってんのこれ
終われよ
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/11/15(木) 01:42:46.56 ID:PL/SekZQO
副団長「うっ!うう」

団長「目覚めた様だな…」

兵士「……」

副団長「団長…一体何の様で…私は小娘を追っている最中でして」

団長「もう追わなくていい、正確にはもう追えなくなったのだ貴様のせいでな」

団長「副団長…貴様は命令違反と失態を犯した…軍規に基づき処断する」

副団長「……ふざけるな!俺は貴族だ!平民出身の貴様に!処刑されてたまるか!」

副団長「元々は貴様が臆病者だから行けないのだ!勇者などに頼らず我々の手で捕まえると言うべきだった!」

副団長「俺は殺されんぞ!抵抗してやる!」

副団長は剣を抜いた。

副団長「俺はただ貴族というだけでこの地位まで上り詰めた訳じゃない!貴様らなど返り討ちしてやるわ!」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/15(木) 01:43:24.40 ID:PL/SekZQO


団長「最後まで情けない…潔くせい」

団長は抜こうとした剣を止められた。

兵士「ここは私にお任せを…」

副団長「喰らえ!」

兵士「ッ!」

副団長「あっ?」

ストン

兵士は副団長の振った剣を避け…静かに首を落とした。

兵士「終わりました…」

血濡れた剣を拭きながら兵士は報告した。

団長「よくやった…しかし側近は捕らえたが肝心の娘が国外に逃げてしまっては我々の出番はないな…」

兵士「そうですね…今度こそ勇者に依頼をしましょうか」

団長「急いで伝書鳩を飛ばそう、世界の命運がかかっている」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/15(木) 02:09:36.34 ID:/0K7qrY/O
名前安価で見る気無くなっちまった
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/15(木) 09:23:16.95 ID:fl9o2GyDO


>>76
?見てんじゃん?
つか今更過ぎだわ
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/16(金) 00:18:12.02 ID:RqphNtvA0
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/16(金) 00:51:25.71 ID:k3xDs8WSO
王の間

大臣「陛下…魔王残党討伐軍の団長から伝書鳩が届きました」

皇帝「ん、読み上げなさい…」

大臣「我、追撃に失敗せり娘は商業都市国家に逃亡した模様、至急勇者様の派遣を求む」

皇帝「うむ分かった…大臣、今読み上げたことを実行しなさい」

大臣「はい…そのように」

大臣は背を向けずに王の間から去った。

皇帝「あの男には期待してたのだがな…まあ側近を捕らえただけでも良しとするかの」

皇帝「しかし…勇者に任せてしまえば、生かしたまま娘を我が国で利用することは難しくなるな」

皇帝「…最悪、心臓さえ手に入れられれば威力は半減するが戦略兵器を手に入れられるが…どうするか」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/16(金) 00:52:46.16 ID:k3xDs8WSO
国境

偽勇者「カナ!!」

カナ「勇者様!無事で良かったです!」

偽勇者「このまま一番近い街を目指そう…そこで宿泊してゆっくりしよう」

カナ「泊まるのですか?ゆっくりして大丈夫なのですか?」

偽勇者「不安になる気持ちも分かるが、今は休むチャンスなんだ…奴らは外交をして何度も交渉を重ねてから俺たちを探すのだからな」

偽勇者「休むのも逃げるためには必要な事だ」

カナ「…はい」

このときカタリールは不安であった。

そして、この不安は的中する事になる。

偽勇者は見落としていたのだ。

勇者という国に縛られない唯一の存在を。
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/16(金) 00:57:59.19 ID:k3xDs8WSO
ガンツのスレに間違って書き込んでしまいました
本当に申し訳ありませんでした
こちらのスレでも謝ります
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/16(金) 22:18:38.01 ID:sluzYriDO
間違っただけなら向こうで謝っとけば良いがな
荒らす奴は何もしなくたって荒らすんだから気にする必要無し
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/11/20(火) 01:06:12.59 ID:+BIBMxp5O
とある町

偽勇者達が宿を見つけ休息をしていた頃であった。

団長「が商人だな…大人しく着いて来てもらおうか」

兵士達「「……」」

商人「こんなに夜遅くに大勢で何の用ですか?」

団長「貴様は今、魔王軍との繋がりを疑われている」

商人「魔王軍との繋がり?そんなものないよ!こら勝手に触るな!持って行くな!」

商人「兵士を止めろ!不当じゃないかこんなこと!」

兵士「預かるだけだ…解決すればすぐ返す」

団長「我々は今、世界を守ろうとしている…」

商人「ハア?」

団長「魔王の孫が生き延びれば世界は終わる…どんな破廉恥で卑劣なことをしてもそれは阻止しなければならない」

商人「何が言いたいんですか?」

団長「貴様は娘と共にいた男の雇い主だろう?あの男は娘の正体を知っているにも関わらず我々を退け国外に逃亡した」

団長「だから…貴様を捕らえるのだ…あの男と繋がりを持つものだからな」

商人「あの子が魔王の孫?嘘だ!人相書きにはそんな事、書いてなかった!」

団長「当たり前だ…魔王の血筋残ってる事が知れたら無用な混乱を招く」

商人「…う」

団長「貴様には我々に協力してもらう…協力すれば何もしないと誓おう」

商人「協力って何をすれば良いんだ…」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/20(火) 01:07:01.68 ID:+BIBMxp5O
団長「あの娘が貴様にどんな事を話したのか教えてもらう…そして人質のふりをしてもらう」

団長「我々はこれからこの国と国外に広く宣伝するつもりだ」

団長「投降しなければ捕らえた側近と商人[ピーーー]とな」

商人「そんな」

兵士(これエグいな仮に娘が投降を拒んでも…男の方は商人を人質にされたら迷いは生じるだろう、どちらに転ぶかは分からないけど)

団長「我々に協力してくれるか?」

商人「……フゥ」

商人「断るよ!私にはどう考えても!あの子が!世界を滅ぼそうと考えてるようには見えないし!世界を滅ぼす力を持っているとは思えない!そんな妄想するなら税金を下げやがれ!こんちくしょう!」

団長「そうか…では捕らえよ」

兵士「はい」

商人「ちょっと!断るって言ったろ!」

団長「そうだ…君はもう協力者ではない、ただの魔王軍に与した人間だ…」

商人「な!?それなら断っても一緒じゃないか!」

団長「言っただろう?どんな破廉恥で卑劣なことをしても世界を守ると」

商人「偽勇者…ごめんよ」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/20(火) 01:09:23.27 ID:+BIBMxp5O
ありがとうございます

そうですね

こちらのスレにわざわざ書き込む必要もなかったですね

今後はこのような事はないように気をつけていきます
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/20(火) 01:36:06.56 ID:0xiAdYZDO

だから気にすんなって…
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/11/21(水) 00:27:54.90 ID:zV5MrFAVO
宿の部屋

偽勇者「もうこんな時間か…ちょっと眠るつもりだっただがな」

少しだけ仮眠を取るつもりであったがいつのまにか昼になっていた。

偽勇者「カナは…まだ寝ているな」

カナ「…」

落ち着いている本当にリラックスして眠ってるみたいだ。

偽勇者「ちょっと出かけるよ」

俺は外から開けられないように扉と窓にロックの魔法をかけ…解除せずに無理に開けようとすれば大きな警戒音がなるようにした。

これで何かあってもすぐ駆けつけられる。

偽勇者「さすがにひのきの棒じゃ厳しいからな」

まずは武器屋に向かおう…そのあとは良さそうな飲食店があればカナを起こして遅めの昼食だ。
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 00:28:30.29 ID:zV5MrFAVO
武器屋

偽勇者「うーん?」

どうやら近くの武器屋はココしかないようだ。

しかし値段だけ高くて質の良いものは売ってないな…店もそんなに繁盛してるようには見えないしな。

武器屋が不況なのは何処も同じか。

偽勇者「掘り出し物を探さなきゃ…」

「「コレとかいいかな」」

「「え?」」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 00:29:39.98 ID:zV5MrFAVO
声が同調したことに少し驚いたが声を発した人物を見た。

中性的な青年だった…いや少し女性のようにも見える。

多分、長めの黒髪が原因だろう。

青年?「ああ…君もこの剣を?」

偽勇者「そうだ…欲しいと思ってる」

青年?「そうかい…僕も新しい剣を探していてね、すまない譲ってもらえないか?」

偽勇者「残念だがそれは出来ないな…この店で一番良さそうなのがこの剣だからな」

偽勇者「それに君は背中にもう剣を背負ってるじゃないか…俺が持っているのはひのきの棒なんだ剣は俺に譲ってくれよ」

青年?「ふむ…んん?君の格好…フフ!ハハハ!」

いきなり青年は笑い出した。
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/21(水) 00:31:55.66 ID:zV5MrFAVO
偽勇者「何がおかしい!」

青年?「ハハ…すまない…まさか僕の前でそんな格好をする人間がいるとは思わなくてね」

偽勇者「…?」

青年?「面白いものを見せてもらったからね剣は譲るよ」

偽勇者「あ、ありがとう」

偽勇者「なぁ!このあと予定とかあるのか?」

青年?「んー?特にはないかな…まさか僕をデートに誘ってるのかい?」

偽勇者「野郎をデートになんか誘う気はない!ただ剣を譲ってくれたからな食事でもどうだ?」

青年?「野郎か…?フフやっぱり君…面白いね…その誘い受けるよ」

偽勇者「そうか…良かった、連れがいるんだその子も一緒にで良いか?」

青年?「構わないよ」

青年は柔らかな表情で言った。
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/22(木) 01:29:16.98 ID:HcvM+iZDO

胃がキリキリする
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/11/23(金) 01:09:33.96 ID:9nvEC2iZO
魚介類を扱ったバルで食事をする事になった。

商業都市国家は内陸部だが流通が盛んでいろんな地方の名物が集まっている。

魚介類などは海のある国で食べるのが美味いが、さすがは商人の国…新鮮な魚介を仕入れている。

いや…ある程度熟成され…釣ったばかりの魚よりも美味しい。

青年?「彼女が君の連れかい?可愛い子だね」

偽勇者「ああそうだ…えっと名前は…」

カナ「…!」

カナの方見るブンブンと顔を振ったどうやら本名は言わないほうが良いみたいだ。

偽勇者「俺が偽勇者で…この子がカトレアだ」

青年?「偽勇者とカトレアちゃんか…よろしくね…今日はご馳走になるよ」

カナ「よろしくお願いします!」

青年?(この少女どこかで見た気がするが…)

偽勇者「久しぶりに男との食事だ…俺の雇い主はなぜか女ばかりだったからな」

青年?「そうかい…僕はそんな魅力がないかな…ちょっと悲しくなってきたよ」

偽勇者「ん?どういう事だ?」

青年?「嫌なんでもない…楽しそうだしね、余計なことは言わないよ」

カナ「勇者様…多分この方…男性では」

偽勇者「何か言ったか?」

青年?「どうした…カトレアちゃん?」

カナ「いえ…なんでもないですよ…」

カナはまだ日も暮れてないというのにお酒を飲み始めた二人に引いていた。
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/23(金) 01:17:58.16 ID:9nvEC2iZO
胃がキリキリする…風邪ですか?

早く良くなると良いですね
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/23(金) 01:34:00.82 ID:rl+w+jmDO
>>93

心遣い感謝…って天然かよ!
偽の鈍さに読んでて胃が〜って事だよ!
まさか本気じゃないよな?
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/11/25(日) 00:45:27.65 ID:9N81QoueO
青年?「しかし今、君は彼の事を勇者様と言ったね…今の勇者はわた……女だったはずだが?」

カナ「それはこれです!私にとって彼が勇者様なのです!」

カナは絵本を差し出す

青年?「やっぱりコレか…母がよく読み聞かせてくれたよ…僕もこの勇者に憧れてたんだっけ…」

青年?「と言うことは…今、君はコスプレをしているわけだ」

偽勇者「コスプレって!コスプレとは違うぞ!少しでも彼に近づきたいと思っているだけだ」

青年?「君はこの勇者になりたいのかい?だが君はどう見ても偽物だよ」

偽勇者「そうだ…今は偽物かもしれないが彼みたいになりたい」


96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/25(日) 00:48:14.13 ID:9N81QoueO
青年?「ふうん…君の目指している勇者は理想を信じて敵も味方も救った男…」

青年?「でもね…この世は絵本じゃないんだ理想だけでは何一つ救えないよ、時には何かを捨てないと…ね」

偽勇者「確かにそうかもしれない…だが俺は理想を捨てたくない…甘いだろう?」

青年?「いや…羨ましいよ…きみはぼくの捨てたものを持っている」

それから青年とは他愛のない会話をして、酒も入ってたせいか日が暮れていた。

青年?「今日は楽しかったよ…君達はいつまでこの街に滞在するのかな?明日も一緒に食事しないか?」

偽勇者「すまない…明日にはこの国を発つんだ」

青年?「そうか…それは残念だ」

青年?「そう言えば僕の名前を教えてなかったな…ん?鳩か」

一羽の鳩が青年肩に止まる。足首には手紙が巻かれていた。

青年は手紙を読んで少し震えたあと。

勇者「残念だよ、君たちを討たないといけないみたいだ…勇者としてね」

冷たい顔で言った。


そうだったんですね、病気じゃなくてよかったです

勇者の名前を募集します
協力お願いします(変な名前でなければオーケー)
安価下1
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 17:00:40.84 ID:6xR1mF1I0
ハイン・アレクトリア
勇者としての名前はアレックスで通してる
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/26(月) 00:01:02.87 ID:ReMFoJV7O
ありがとうございます

ハイン・アレクトリアとなりました。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/26(月) 00:02:38.34 ID:ReMFoJV7O
アレク「僕の名前はアレックス…今代の勇者さ…大人しく捕まるなら酷い目に合わせたりはしない…偽物…選べ、待ってあげるよ」

一瞬…空間が歪んだような気がした…アレックスの発した魔翌力と威圧に恐れ、俺は錯覚したのだ。

ヤバイ…無理だ…どうしようもない…鍛えているから解る、勇者の実力は俺の遥か上を行く…

こんな奴に出会ったことがない。

勝てない…勝てっこない。

体が震える…コレが殺されるという感覚なのか…足が動かない…

情けない…本当に情けない、本物の勇者になると誓ったばかりなのに…こんな。

カナ「逃げましょう!」

偽勇者「え?」

何を言っている…こんな化け物から二人で逃げられわけないだろう?

俺を囮にしてカナに逃げろと言いたい…だが怯えて声を出せない。

そのときグッと手を握られた。

カナ「大丈夫です…あなたが震えて動けないなら私があなたを支えます…だから逃げましょう!」

偽勇者「あ…」

彼女の手はひどく汗ばんで震えていた。

そうか…カナは自分も怖いのに俺を助けようとしてくれたのか。

ありがとう…。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/26(月) 00:06:19.44 ID:ReMFoJV7O
偽勇者「フーッ!フーッ!」

大きく息を整える。

心臓の鼓動がうるさい、だけど視界はクリアだ。

勝てない、なら逃げてみせる。

偽勇者「投降はしない!」

カナ「きゃ!」

足に魔翌力を込めると同時に地面に煙玉を投げる。

そして…カナをお姫様抱っこし、猛スピードで路地裏を駆ける。

アレク「うわぁ!ゴホ!ゴホ!煙玉か!クソ!」

煙が消え、遠くに偽勇者が見える。

アレク「ふーん…足に魔翌力を込めて高速移動か…基礎の応用は出来ているみたいだね」

アレク「でも普通は一瞬のブーストでしか使わないからずっと魔翌力を込め続けたら足、いかれちゃうだろうなぁ」

アレク「元々、普通の人間は魔翌力を持っていないからね…」

アレク「おっと…解析している場合じゃなかったね…追いかけようか…加速!」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/26(月) 00:08:46.37 ID:ReMFoJV7O
偽勇者「ハア…ハア…早く町の外に!足が逝かれてしまう前に!」

人は魔翌力を持っていない…心臓に魔翌力炉がある魔物と違い、人は外から魔翌力を取り入れ魔法を使う。

一回で取り込める魔翌力は人によって違うのだが…限界を越えれば人体は損傷する。

偽勇者「城門!もう少しで外だ!カナ!奴は付いて来ているか!」

カナ「大丈夫です!居ません!」

偽勇者「逃げ切れたのか!」

カナ「わかりません!だけど後ろには誰もいません!」

偽勇者「そうか…逃げ切れた?」

俺たちは城門を抜け町の外に出た。

逃げたという安堵が包み。

そして直ぐに悪寒が走った。

アレク「やあ!遅かったじゃないか偽物くん?」

そこには勇者がいた。
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/11/26(月) 00:10:31.71 ID:ReMFoJV7O
今日はここまでします
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/11/26(月) 22:30:39.21 ID:ReMFoJV7O
偽勇者「なんで!そんなに早ければ!街を出るまでに追いついたはずだ!おれたちをおちょくってるのか!」

アレク「すまないね…そうなつもりはないんだ…ただあのまま戦ってたら街に被害が出るからね」

アレク「勝手に外逃げてくれれば万々歳だったのさ」

アレク「もう一度聞こう…投稿する気はないか…僕の目的は彼女だけだ…今なら君には何もしない…何故なら勇者とは人を守るために存在し、聖剣は人を切るためにあらずだからね」

偽勇者「投降はしないし…逃げられないなら戦うしかないだろう?」


アレク「そうか残念だ …だが安心しろ君を殺しはしないさ…ただ再起不能になってもらう二度と勇者と名乗れないようにね」

偽勇者(力の差は歴然だ…だから剣を抜く前に倒す!)

偽勇者「カナ… 逃げろ!」

カナ「勇者様…」

偽勇者「あああああっ!」

アレク「……」スゥ

スパンと音がなった時には俺は切られていた。

偽勇者「は?…グゥ!あああっ」

俺はどうしようもなく地に伏せた。

偽勇者「ハアハア…クソふざけるな…ハアハア…こんなっ!」

アレク「……」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/11/28(水) 23:24:56.64 ID:XDegLMYHO
カナ「勇者様!」

カナがそばに駆け寄る。

偽勇者「ハアハア…逃げるんだ!カナ!」

カナ「でも…!」

偽勇者「ハアハア…あれ?」

偽勇者「……ハアハア?切られていない?」

間違いなく聖剣は俺の胴を切ったはずだ。

なのに血の一滴も出ていない。

アレク「言っただろう?聖剣は人を切るためにあらずと…この剣に人は切れないんだよこの剣が切るのは魔物のみ…魔物であればどんなに硬くても隙間に通すように切れる」

偽勇者「…ハンデというわけか」

アレク「そういうわけじゃない…僕の持つ剣はこれだけだからね」

アレク「僕は怒ってるのさ…羨ましい…僕の捨てた理想を追い求める姿が」

アレク「そして…たいした実力もないのに理想を求める姿が不愉快だ」

偽勇者「俺は…俺の全てをかけて勇者になろうとした…理想を実現する勇者になるためにな…理想を捨てて勇者になったお前が俺には不愉快だ!」

アレク「全てをかけてだと!だったら!勇者になれなかった時点で潔く死ぬべきだったんだ!君は!」
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 23:25:41.76 ID:XDegLMYHO
偽勇者「カナ…俺が戦っている間に逃げてくれ…」

カナ「だから!あなたを置いて逃げません!」

偽勇者「大丈夫だ…負けるために戦うわけじゃない!勝つために戦う!勝たなきゃダメなんだ!こいつには!」

アレク「待て!逃がさないよ!魔王の孫!君はまだ逃げるつもりなのか!家族がいたであろう兵士たちを殺して…!」

アレク「君のせいで!商人は捕まったぞ!君の育ての親も捕まっている!…そこに居る偽物もこれから不幸になる!これ以上、人を巻き込むんじゃない!逃げるな!」

カナ「うう…私はただ…」

偽勇者「ふざけるなあああ!」

プチっと何かが切れた気がした。

気付いたら俺は切りかかっていた。

だが簡単に受け止められ鍔迫り合いになる。

アレク(……速い!?先ほどよりも…!)

偽勇者「カナは小さな子供だぞ!それは鬼畜の言う事だ!」

アレク「そんなことは分かっている!理想は捨てたと言っただろう!」

俺は弾き飛ばされた。

偽勇者「クッ!」
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/28(水) 23:57:42.19 ID:XDegLMYHO
偽勇者「加速!」

アレク「見切ってるんだよ!」

全て受け切られ…切られた!

偽勇者「ガハッ!…まだだ!」

勇者の足元に煙玉投げつける!

アレク「視界を…小賢しいな!」

小道具を駆使して翻弄するのが、大きな魔翌力を扱えない俺の戦闘スタイルだ。

アレク「だが煙玉など…意味はない!竜巻よ!」

勇者を中心に暴風が起きた。

魔法だ。

煙は吹き飛び…俺はカウンターを食らった。

偽勇者「クソ!痛え!だがまだ!」

閃光弾を構える。

だが遅かった。

勇者はすでに目の前で剣を構えていた。

アレク「悪いが君に何かをさせるつもりはない!」

偽勇者「……!?」

勇者の全力のフルスイングが俺を十メートル先の岩まで吹き飛ばした。

カナ「勇者様!」

アレク「彼は死んだ…君のせいでな」

爆音が森に響く…最早、生きてはいないだろう……

偽勇者「…まだだ」

アレク「しぶとい…」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 00:22:14.19 ID:3dLFRkccO
それから何度も倒された…何度も意識を刈り取られた…だがその度に立ち上がった。

アレク「ハアハア…いい加減にしろ!」


偽勇者「どうした…息が上がってるぜ…ハアハア」

カナ「勇者様!もう立たないでください!死んじゃいますよ!」

偽勇者「ハアハア…さっき潔く[ピーーー]とか言ってた割には俺を殺せないみたいだな…ハアハア」

アレク「うるさい!さっきから言ってるだろう?この剣は人は切れないんだ!」

偽勇者「違うだろ?ほんとは殺したくないんだ…心のどこかで理想を求めている…だから俺を殺せないんだ…鉄の剣でバカスカ殴れたら普通は死ぬからな」

アレク「違う…ぼくは[ピーーー]気だった!」

偽勇者「剣が震えてるぜ…」

アレク「!?」

偽勇者「だけど俺がお前に勝てないのも事実だ…だから頼む見逃してくれないか?頼む…」

アレク「……」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 00:50:01.24 ID:3dLFRkccO
アレク「残念だが…それはできない…」

偽勇者「そうか…仕方ないだったらそうなるまで立ち上がるだけだ…」

カナ「眠り魔法…」

急に眠気がダメだ意識が遠のく…

偽勇者「…カナ何で?」

カナ「ごめんなさい…もう見てられないんです…アレックスさん!大人しく捕まります!だから…勇者様に手を出さないでください」

カナ「お願いします…」

カナは深く頭を下げた。

偽勇者「カナ…何を言うんだ…俺はまだ…」

ダメだ…立てない…

アレク「わかった君の提案を受け入れよう…」

アレク「だが彼に一言…言わせてもらう」

アレク「彼女の処刑は一週間後に行う!旧魔王城の入り口!君がまだ諦めていないなら!まだ理想を求めるなら助けに来い!相手になってやる…以上だ!」

俺は負けた…この話しを聞いた後、俺は完全に意識を失った。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/29(木) 00:51:16.87 ID:3dLFRkccO
終わります
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 02:20:50.25 ID:QkjfrR2A0
おつ
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/04(火) 22:19:31.99 ID:rI50s1+UO
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/05(水) 00:14:47.07 ID:H4HgMeooO
宿

商人「…zzZ」

偽勇者「カナァ!!ココは…?」

商人「うわ!」

商人「偽勇者!良かったよー!目覚めたんだね」

偽勇者「商人…か、俺はどのくらい眠ってた?」

商人「2日以上かな…いつから寝てたかはわからない…君と再会したのは昨日だから」

偽勇者「そんなに眠ってたのか……カナの処刑の日はいつかわかるか?」

商人「4日後だよ…私もカナちゃんのおかげで釈放されたんだ…」

偽勇者「そうか…あんまり時間はないな」

俺はベットから立ち上がり装備を整えていく…

ああ痛い…体を動かすたびにどこかが痙攣する。

商人「待てよ!そんな身体で何をするつもりだ!」

偽勇者「……カナを助けに行く」
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/05(水) 00:15:31.52 ID:H4HgMeooO
商人「無茶だ!君はたった一人の人間に勝てなかったんだろ!」

商人「今から君のいく場所は、その一人と各国の軍隊が集まっているんだぞ!」

偽勇者「わかっている…」

商人「わかってないよ!絶対に宿から出さないよ!せっかく助かった命なんだ!無駄にすることは許さない!カナに失礼だ!」

偽勇者「商人!!!」

商人「!?なんだよ」

偽勇者「頼む…行かせてくれ!俺のわがままを聞いてくれ…」

商人「泣きそうな顔して言うなよ…卑怯だよ…私だってカナには死んでほしくないんだよ」

偽勇者「……」

商人「……」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/05(水) 00:17:32.39 ID:H4HgMeooO
商人「…ふぅ、わかったよ!助けに行きなよ!」

偽勇者「……商人!」

商人「ただし!条件がある!」

偽勇者「条件?」

商人「まず一つ!完璧な装備で行くこと!二つ目完璧な体調で向かうこと!」

商人「三つ目…必ず行きて帰ること…無事に帰って私を迎に来る事!……私は君の事が好きだ!だから必ず帰ってきてこの気持ちを伝えたいから…」

偽勇者「……それってもう言ってるんじゃ…」

商人「うるさい!そんなところを突っつくな!」

偽勇者「わかった…俺も帰ってきたら商人に伝えたい…君の事が好きだと」

商人「それってもう……」

偽勇者「ああ…言ってるよ…」

商人「…あっ」
















俺は商人と唇を重ねた。
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/06(木) 02:04:17.12 ID:n89ZokWDO
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/06(水) 23:32:21.50 ID:k9kF7363O
勇者…




商人「さあ…約束を守ってもらおう」

商人「完璧な体調で…」

偽勇者「完璧な装備だな?」

商人「うん…これが君が眠っていた間に手に入れることのできたポーションと薬草…そして」

商人「これを君に託す…本当に正真正銘…勇者様の使っていた剣だ」

商人「伝説の武器でもなんでもない…ただ切れ味のいい剣だけど…確かに勇者が使っていたものだ」

偽勇者「ありがとう…フン!」

ポーションを飲み

受け取った剣を振った!

風邪を切る音と重さが心地いい。

値段の高いポーションだったのだろう。

さっきまでの辛さが嘘みたいだ。

申し訳ない高価なものをたくさん貰って、生きて帰れるかもわからない所に向かうのだから。

商人「行くんだね…」

偽勇者「うん…ポーションありがとう」

商人「…うん」

偽勇者「おかげで体調は万全だ…必ず帰るから」

商人「うん…行ってらっしゃい」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/06(水) 23:32:59.25 ID:k9kF7363O
カナ「……あの」

アレク「なんだ…」

カナ「なんで…女の勇者様が牢の見張りをしているのですか?」

アレク「……人間の中には処刑の前に君を殺し死体を奪おうとする輩がいるからな…」

アレク「こうして見張っているわけだ」

カナ「私の死体を…ですか?」

アレク「君は死んでいても利用価値があるみたいだからな」

カナ「そうですか…」

アレク「君が死んだら…君の死体はバラバラにされ各国に采配される…君の死体は戦略兵器としても使えるそうだ」

カナ「なぜ配るのですか?」

アレク「人間同士で争わないためだよ…僕の聖剣は君を切れても、消し去る事は出来ないからね」

カナ「…なぜあの場で私を切らなかったのですか?なぜあんな約束を…」

アレク「約束はついでだよ…君をあそこで[ピーーー]よりも魔王城で処刑をした方が残党達に敗北感を与えられる」

アレク「それに釣ることもできる…もしかしたら残党が助けに来るかもしれないからね」

カナ「そうですか…」

アレク(建前はね…救えるものなら救ってみせろ!)

カナ「あの〜私の側近はもう死刑になりましたか?」

アレク「まったく…質問が多いね…捕まえたのは僕じゃないから詳しくは分からないけど…生きてるよ」

カナ「本当ですか!」

アレク「貴重な上級魔族だからね…実験動物か洗脳して生物兵器にでもすると思う…あの帝国は覇権を狙っているからね」

カナ「そんな……」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/06(水) 23:42:16.78 ID:k9kF7363O
側近「オイ!誰か居ないのか!チ!外が騒がしくて眠れん!」

側近「…姫は無事だろうか…?」

側近「私の牢の前の看守も慌てて何処かに消えてしまったな…この騒がしさと何か関係があるのか?」

側近「…誰だ!見かけない顔だな…何者だ」

偽勇者「…勇者だ…協力してほしい」
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/07(木) 00:13:37.12 ID:jzPgMSErO
とりあえず今日は終わります
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 14:44:40.81 ID:6balI3sDO

やっと来たか
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/12(火) 02:55:04.69 ID:Sd3kmt18O

使い魔「魔王様…妹様が見つかりました」

新魔王「そうか…それで今は何処に?」

使い魔「三日後…魔王城にて処刑されるそうです」

新魔王「…我が妹カタリールか…奴の力利用価値がある…奪いに行くぞ…」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/12(火) 02:57:02.25 ID:Sd3kmt18O
死刑当日

アレク「時間だ…行くよ」

カナ「……」カタカタ

アレク「…」

何も聞こえなかった

分かるのは手錠は恐ろしく重いことと

身体の震えが止まらない事だ。

役人「チッ!手間を取らせるんじゃない!」

役人に腕を引っ張られる無理やり立たされる

カナ「…っ!ああ…うう」ジョロロロ...

うまく言葉が発せないし立てない。

私は今漏らしたのだろう。

死に向かうのはこんなにも怖い。

カナ「た、助け…」

役人「こいつ漏らしやがった!掛かったじゃねーか!」

カナに振り下ろされる平手打ちはアレクに止められた。

アレク「やめろ…」

役人「勇者様!しかしコイツは!」

アレク「やめろと言った…」

役人「くぅ…」

アレク「カナ…死ぬのが怖いか…」

カナ「……はい、た、助けてください」

アレク「それは僕の立場上できない…僕に出来るのは君を出来るだけ苦しまないように逝かせること」

カナ「嫌」

アレク「死刑台まで君が歩くのを手助けする事だ…立てないなら持ち上げて行くね」

カナ「……」カタカタ

アレクはカナを抱えた

湿っていたが気にはしていない様子だ。

あっという間にカナは処刑台の上に座っていた。
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/12(火) 02:58:48.19 ID:Sd3kmt18O
アレク「コレより!魔王の孫カタリール・ナルバスタの処刑を行う!」

カナ「嫌…嫌…嫌」

アレク「この処刑を魔王城で行う事により!西の都の残党の士気は著しく下がるだろう!」

アレク(まだ来ないのか!)

アレク「……っ!役人…薬は持ってきているな」

役人「はい…魔族に効くかは分かりませんが…」

アレク「よし…嗅がせろ…」

アレク(早く来い!偽勇者…証明するんだろう…長くは引き延ばせないよ…)

役人は布袋に火をつけた何かの葉っぱを入れるこちらに近づけてきた、中からは白い煙が上がっている。

カナ「嫌…やめて!やめてったら!」

コレを嗅がされれば、いよいよ殺されると必死に抵抗した。

役人「こら!動くな!」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/12(火) 02:59:43.91 ID:Sd3kmt18O








「上級火炎魔法…」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/12(火) 03:00:25.44 ID:Sd3kmt18O


アレク「……ッ!」

業火が迫る

聖剣を取り出し一閃した。

新魔王「ほお…炎を切ったか…いや違うな構成する魔翌力を切ったのだな」

新魔王「ということは…お前が勇者か?」

2メートルはある体躯に黒色の鱗が輝く…人と龍が混ざったような姿をしていた。

新魔王「初めまして魔王だ…早速だが妹を返してもらおうか?」

アレク「…君はお呼びじゃないんだけどね」
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