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ドラえもん「ダンガンロンパ?」

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372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/28(土) 18:55:12.48 ID:dymexoem0
•強力ウルトラスーパーデラックス錠/強力ウルトラスーパーデラックスキャンデー


『[たぬき]』に登場する、飲むとウルトラ・スーパー・デラックスマンになれる錠剤型のひみつ道具。
謳い文句は「一日一錠で君も超ウルトラ・スーパー・デラックスマンになれる!
スーパーマンよりも強い、ウルトラ・スーパー・デラックスマン!」
試供品もあり、こちらは3分間だけ効き目がある。
原作や図鑑では「錠」だが、テレビ放映では「キャンデー」に統一されている。




<原典におけるスーパーマンの力の一例>
八十万トンの物体を持ち上げる力
核爆弾の直撃で無傷
最高時速800万kmの飛行能力
レントゲンのような視認能力



新声優版「大パニック! スーパー赤ちゃん」では舐めてる間(1時間は持つ)だけ、力が100万倍(151.5パーマン)になるだけというものに弱体化している。

373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/30(月) 15:31:57.71 ID:3N1ruM6w0
保守
374 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 20:20:42.97 ID:bBMD0Uzt0


  第十五話 がんばれ山田くん!


のび太「ねえ、ドラえもん。……そろそろいいんじゃないかな?」


ある時、男子トイレで用を足しながらのび太が切り出した。


ドラえもん「ああ、うん。そうだね。もうみんなだいぶ打ち解けたし、
       そろそろこの厳しい現実を乗り越えられそうだよね」

のび太「じゃあ、バラしちゃう?」

ドラえもん「そうだねぇ。いくら大神さんを説得したとはいえ、あんまりトロトロすると
       あの残念なお姉さんが動くかもしれないし、そろそろ潮時かな」

のび太「のこりの事件はセレスさんと山田さんだけど、二階に行けないからアルターエゴもないしね」

ドラえもん「セレスさんも外の状況がわかれば夢がどうのなんて言ってられなくなるでしょ。
       ……ただまあ、恒例のタイムテレビで先のことを少し見ておきますか」

のび太「念入りだねぇ。いつもそのくらいシンチョウだったらいいのに」

ドラえもん「失礼な! ぼくはいつも慎重だよ。大体きみ達が勝手なことをするんじゃないか」

のび太「主にジャイアンとスネ夫だけどね。……会いたいなぁ。さいきんゼンゼン会ってないし」

ドラえもん「そうだね。ここでの生活も楽しかったけど、いい加減みんなの顔も見たいよね」


カチッ、カチカチ。


ドラえもん「さあ、何も起こってくれるなよ」


画面に映っていたのは……

375 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 20:32:10.51 ID:bBMD0Uzt0

ドラえもん・のび太「が、学級裁判だー!」

のび太「そんな、どうして?!」

ドラえもん「裁判もそうだけど、犯人は誰だ!」


ガチャガチャガチャ!



セレス『わたくしですわ』



ドラえもん・のび太「 お ま え か ー ! !」


苗木『で、でもなんで山田君を……! セレスさんとは仲良くしてたじゃないか!』

セレス『わたくしの夢のためですわ。山田君はああ見えてなかなか使える
     便利な方でしたが、外には連れて行けませんもの。仕方ありませんでした』


のび太「えっ、これって……」

ドラえもん「殺されたのは山田君だ! ちなみに動機はやっぱり……」


セレス『わたくし、西洋のお城に暮らすのが長年の夢でしたの。イケメンの執事達に
     ヴァンパイアの格好をさせて仕えさせて……ああ、なんて耽美的でしょうか』


ドラえもん・のび太(アニメより更にひどかった)


のび太「おしろとか、イケメンに囲まれたいとか……そんな理由で友だちを殺しちゃうの?!
     もう、この人はたすけなくてもいいんじゃない? あんまりだよ!」

ドラえもん「まあ、そう思うけど……ほら、二年間の間に改心してた可能性が無きにしもあらずな訳で」

376 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 20:42:09.29 ID:bBMD0Uzt0

のび太「なんだっけ? 双子の心は百までだっけ? 人の性格ってそんなにすぐかわるかなぁ?」

ドラえもん「三つ子の魂百までだね。でも、山田くんは助けないとまずいし」

のび太「ああ、そっか。ヒガイシャだもんね」

ドラえもん「まずは事件の少し前に巻き戻して、概要を調べないと」カチャカチャ


セレス『わたくし、葉隠君にイタズラされましたの』

山田『なにー?! 許さーん!! 葉隠康比呂殿ブチ殺す!』

セレス『まあ落ち着きなさいな。わたくしも悔しいですが、殺すのはやり過ぎですわ。
     ……ですから、復讐を手伝ってくださりませんこと?』<●> <●>ギョロッ!

山田『なんなりと!』

セレス『うふふ……(計画通り!)』ニヤッ


のび太「なるほどね。だまされたんだ! かわいそう……」

ドラえもん「……可哀相は可哀相だけど、よくこんな下手な嘘に引っ掛かったなぁ」

ドラえもん「セレスさん、いつものポーカーフェイスはどこ行ったの? ってくらい露骨に
       顔に出てたし、それにこの話が本当だったらみんなにちゃんと話さないとダメだろう」

のび太「でも、内容が内容だからみんなには言えなかったんじゃないかな?」

ドラえもん「匿名にすればいい。この話が本当だったらまた別の被害者が出てたかもしれないし、
       女子達に警戒を促す効果もある。個人的に罰するのが正しいとは思えないな」

のび太「ああ、そっか。でも山田さんてぼくから見てもたんじゅんそうだし、
     そういうことは思いつかないんじゃない?」

ドラえもん「……本当にそれだけが原因なのかな?」

のび太「どういうこと?」

377 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 20:49:55.08 ID:bBMD0Uzt0

ドラえもん「ほら、山田くんて普段から割りとセレスさんの言いなりだったろう?
       だから、彼女に逆らうって発想自体がそもそもなかったんじゃない?」

のび太「セレスさんのことが好きだからじゃないの?」

ドラえもん「いや、山田くんが本当に好きだったのは不二咲さんのはずだ。だからこそ
       アルターエゴにあんなに執着したんだろうし。セレスさんのこともそれなりに
       好意はあると思うけど、いわゆる『好き』じゃないはずだよ」

のび太「ええ〜? じゃあなんであんなにこき使われてるの? へんだよ!」


腕を組んで少し考えてからドラえもんは答える。


ドラえもん「……これはぼくの予想なんだけど、嫌われたくないんじゃないかな」

のび太「あー、それなんかわかるかも。ぼくってモテないからさ、しずかちゃんに
     きらわれると思ったらどんなことでもやっちゃうかも。さすがに犯罪はしないけど」

ドラえもん「今回はセレスさんだったけど、山田くんて基本的に女の子の頼みは
       断れないタイプなんだよね。嫌われたくないから。それって普段はいい人で
       済むけど一歩間違えれば今回みたいに取り返しのつかないことになると思うんだ」

のび太「たとえば?」

ドラえもん「今回と同じさ。悪い女の人に騙されるんだよ。いいかい? 外の世界は今、
       非常に荒廃してるんだ。つまり、悪い女の人だってたくさんいるはずなんだよ」

ドラえもん「今のまま外に出しても、また今回の二の舞になる時が来るよ、きっと」

のび太「そんなこと言われてもなぁ。モテない男のえいえんのナヤミだよ、それ」

ドラえもん「どうすればいいんだろう?」

のび太「また例によってだれかに聞いてみる?」

ドラえもん「今回は今までと違って今後のことも入ってくるからね。
       出来ればぼくらの事情を知っている人の方がいいんじゃないかな?」

378 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 20:56:59.43 ID:bBMD0Uzt0

のび太「うーん……ドラミちゃんとか?」

ドラえもん「ドラミは女の子だから、男心がわかるかなぁ?」

のび太「じゃあいっそ……」


               ◇     ◇     ◇


大亜「おう、お前ら! 今度はどうした? また何かあったのか?」

のび太「お兄さん! じつは今回はちょっとソウダンがあって……」

大亜「言ってみろ。力になってやる」


               ・

               ・

               ・


大亜「…………」

ドラえもん「どうすればいいですか?」

大亜「……難しいな」

大亜「力になってやりたいが、俺や紋土とは全く違うタイプだ。俺達みたいなタイプは
    ある意味単純で叩けば直る。だが、そういうヤツは叩くと壊れたりねじくれちまうんだ」

のび太「うっ……わかる気がする」

ドラえもん「他ならぬのび太くんがそういうタイプだからね。根性なしですぐ卑屈になるし」

のび太「う、うるさいなぁ! ぼくなんてカオもあたまもわるいしスポーツもまるでダメだし、
     ぼくみたいなサエない人間は神さまに文句いうケンリだってあるよ!」

379 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 21:05:39.43 ID:bBMD0Uzt0

ドラえもん「まあ、そうだね」

のび太「そこはフォローしてよ……」ガックリ

ドラえもん「でもさあ、きみの場合それだけじゃなくて怠けているのも大きいんだよ?
       だって、ぼくが一度未来に帰るってなった時にあのジャイアンを倒したじゃないか!」

ドラえもん「石丸くんを見習いなよ! 生まれ持った才能や性質は仕方ないけど、
       努力で伸ばせるものを伸ばさないのは自分の怠慢じゃないか!」

のび太「そうやってすぐお説教する〜!」ビエーン

大亜「まあそう言うな、ドラえもん。努力も確かに大事かもしれねえが、家で勉強ばっかして
    仲間と遊ばねえのも不健全だぜ。ガキのうちはのびのび育つのが一番だろ?」

ドラえもん「だけど限度ってものがあります! 本当にのび太くんの怠けっぷりは酷いんだから!」

大亜「(よっぽど鬱憤が溜まってんだな……)それで、そのジャイアンてヤツは何者なんだ?」

ドラえもん「実はですね……」


             ・

             ・

             ・


大亜「ハッハッ! それでいじめっ子を倒したってんだな。なかなか男気あるじゃねえか」

のび太「男の中の男みたいな大亜さんにほめられるとうれしいなぁ」テレテレ

大亜「俺はな、男なら一度は魂懸けてなにかに取り組むべきだって思うんだ。出来れば
    でっかいことがいいが、別にちっぽけなことでもいい。そういう経験が男を磨くんだ」

大亜「確かにのび太は優秀じゃないかもしれねえし普段はだらしないかもしれねえ。
    ただな、目が死んでねえ。さっきみたいな経験がお前の中で生きてるからだ」

のび太「…………」

ドラえもん「経験かぁ」

380 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 21:14:38.46 ID:bBMD0Uzt0

のび太「……でも大亜さん、ぼくは勝てたからいいけど負けたら? 負けた時はどうするの?」

大亜「その時は、ああ失敗しちまったなぁっつって笑えばいい」

のび太「笑えないよ! こっちは大マジメなのに!」

大亜「まあ、最初は悔しいかもな。でもなぁ……本当に悔いがないくらい
    打ち込んだら、意外とその後はさっぱり諦めつくもんだと俺は思うぜ?」

のび太「そうかなぁ……」

大亜「ブツブツ周りに文句ばっか言ってたり、どうせ自分なんかって諦めてるヤツはなにかに
    命懸けて取り組んだことなんて一度もねえ。そういうのを本当の負け犬っていうんだ」

大亜「いいか? 必ずしも結果が出なくていい。たまには負けてもいい。ただ、自分にだけは
    負けるな。試合に負けても勝負に負けるんじゃねえ。男なら胸を張って生きろ」

のび太「うん……(うっ、なんだかすごいプレッシャーが)」

ドラえもん(大和田くんのやったことを考えると、この言葉胸に刺さるなぁ……)


  ― タイムホールの中 ―


のび太「で、結局どうするの?」

ドラえもん「うーん。少し荒療治だけど、自信をつけてあげるのが一番かなぁ」

のび太「どうやって?」

ドラえもん「なんでもいいからとにかくチャレンジさせて、周りから認められればいいんじゃない?
       超高校級の才能があるのに自信がないのは、やっぱりオタクってことに負い目があるんだ」

のび太「ぼくがジャイアンに勝ったみたいに、大和田さんとたたかうとか?」

ドラえもん「いや、ムリだろう。ガキ大将と日本最大の暴走族の総長じゃ天と地ほど違う」

381 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 21:21:00.12 ID:bBMD0Uzt0

のび太「……だよねぇ。みんな超高校級なワケだし。夢の中でもないと」

ドラえもん「夢か。……とりあえず夢の中で鍛えてみる?」

のび太「できるの?」

ドラえもん「そりゃあいくらでも。怠け者の君を鍛えるために特訓用道具はたくさんあるからね」

のび太「じゃあ、やってみようよ!」


               ◇     ◇     ◇


そしてその日の夜、二人はひみつ道具で山田の夢の中へと入った。


のび太「ここはどこだろう?」

ドラえもん「森の中だね」


女神『勇者ヒフミよ。あなたがこの世界を救うのです』

山田「僕が勇者ですか?! 異世界転生キタコレ。チートスキルください!」


のび太「女神さまに勇者? なんだかゲームの世界みたいだね」

ドラえもん「ハハーン、ファンタジーの夢を見ているんだな。だったら簡単だ。
       ぼく達はこの動物へんしんクッキーを食べて変装しよう」

のび太「森のなかまたちって感じだね」

山田「さあ、冒険に旅立つぞ!」

ドラえもん「山田くん、山田くん」

のび太「お兄さん」

山田「なんと! クマさんとタヌキさんが喋ってますよ!」

382 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 21:31:35.94 ID:bBMD0Uzt0

ドラえもん「ぼくはタヌキじゃ……!」

のび太「まあまあ。お兄さん、ぼくたちはお兄さんを助けるためにきたんだよ」

ドラえもん「きみは超高校級の才能があるけど、太ってることとか勉強や
       運動が出来ないことを本当はコンプレックスに思っているでしょう?」

山田「な、何故それを?!」

のび太「ぼくたち森のようせいだから。なんでも知ってるよ」

ドラえもん「ぼくたちがきみを強くしてあげるよ! それで一緒に世界を救うんだ!」

山田「ほ、本当ですか?! これほど嬉しいことはない!」


             ・

             ・

             ・


山田「もうムリ〜! 動けないー! ヤダー!」

ドラえもん「な、情けない……」

のび太「もうちょっとがんばろうよ……」

山田「僕なんてどうせ絵が上手いだけのキモオタデブだもーん! 向いてないんだよ! 帰るー!」

のび太「うーん、高校生にもなってみっともないなぁ」

ドラえもん「でものび太くんは人のこと言えないよ。普段こんな感じなんだから」

のび太「え? ぼくってこんな感じなの?」

ドラえもん「むしろもっと酷いし見苦しいよ」

のび太「ガーン」



「まったく……みっともないですわね」

383 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 21:43:03.49 ID:bBMD0Uzt0

スタスタスタ。


セレス「…………」

山田「な、な、セレス殿?! 何故ここに?!」

のび太「あれは、確か……」ヒソヒソ

ドラえもん「ぼくが事前に用意したセレスさんのコピーロボットだよ。山田くんが上手く出来たらご褒美に
       褒めてもらうつもりだったんだ。いつもきついセレスさんに褒められたら嬉しいだろうからね」

セレスロボ「山田君が頑張っているから褒めてほしい、と言われここへ来たのにみっともなく
       泣き言をあげているとは……あなたプライドというものはありませんの?」

山田「う、それは……」

セレスロボ「だからあなたはいつまで経っても豚なのです。この豚!」

山田「ブ、ブヒィ……」

のび太「うわあ、きっつい」

ドラえもん「コピーロボットだからね。基本は本人そっくりなのさ」

セレス「大体あなた今まで何か死ぬ気になったことはありますの?」

山田「し、死ぬ気ならコミケの度に散々……」

セレス「そんなのてめえの趣味だろうがよ! 好きなことを好きなだけやるのが自慢になるか、豚あああ!」

山田「ヒィィ!」

セレスロボ「勉強も運動も出来ないならせめて痩せろよ見苦しいんだよ! どんな食生活したらそこまで
       太るんだ、ああ?! 部屋で横になってアニメや漫画見ながら食っちゃ寝してんだろが!」

山田「うっ……否定出来ない……」

セレスロボ「その醜い脂肪を半分にするまでわたくしの目の前に現れないでくださる? では」スタスタ

山田「…………」

384 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 21:53:20.00 ID:bBMD0Uzt0

ドラえもん「えっと、その……」

山田「……もうダメ」プシュー

のび太「あっちゃー……」


その瞬間、世界が白に染まる。


のび太「あれ?! きゅうにまっ白になっちゃった?! 山田さんはどこ?」

ドラえもん「恐らくさっきのショックで目を覚ましたんだ……」

のび太「山田さん大丈夫かなぁ?」

ドラえもん「大亜さんが、あの手のタイプは叩くとねじれるって言ってたのに
       モロに叩いちゃったからねぇ……ヤケを起こさないといいけど」

のび太「明日がこわいなぁ……」


               ◇     ◇     ◇


山田「ハッ! ……ここは僕の部屋。今のは、夢か」

山田(リアルな夢だったなぁ。セレス殿なら間違いなくああ言うでしょうし)

山田(夢は深層心理の現れという……)

山田(……僕だって、本当はわかってるんですよ。でも……)


  ― 翌朝 食堂 ―


のび太「お兄さん、大丈夫かなぁ」

ドラえもん「あ、来たよ」

山田「おはようございます……」

385 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 22:06:37.01 ID:bBMD0Uzt0

石丸「おはよう、山田君! 珍しく早いな。早起きは良いことだぞ! 続けたまえ。ハッハッハッ!」

のび太(うわ……よりによって……)

ドラえもん(努力の塊みたいな人が話し掛けちゃったよ。ていうか顔色見て察してよ!)

苗木「おはよう、山田君。……何かあったの?」

山田「あ、いえ、ちょっと夢見が悪くて……」

朝日奈「そういう時は運動がいいよ! 一緒に走ってさっぱりしよ!」

ドラえもん(ちょっと、朝日奈さん?!)

のび太(やめてよ! 今その話はまずいって!)

山田「運動……」

大神「そうだな。お主は少し運動不足に見える」

舞園「いいですね! 私も参加しようかな」

ドラえもん(こ、ここでやめておこうよ!)

のび太(おねがい、みんなよけいなことは……)

霧切「たまには私も参加しようかしら」

朝日奈「お、いいねいいね! ほら、山田も!」

山田「えぇ……」

桑田「ちょーどいーじゃん。せっかくだし女子にしごいてもらえよ、ブーデー」

大和田「ちったあ痩せろ」

石丸「ウム。肥満は健康の大敵だぞ!」

386 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 22:19:22.19 ID:bBMD0Uzt0

江ノ島「マジありえないって」

葉隠「内臓に脂肪がつくと価値が落ちちまうぞ?」

ドラ・のび(あ、あわわわわ!)

山田「…………」

セレス「おはようございます」

苗木「あ、おはよう。セレスさん」

山田「」ビクッ

セレス「おや、どうしたのです。山田君? そんな鬼でも見るような目でわたくしを見て」

ドラえもん(だって鬼だもん)

のび太(おにだよね)


鬼である。


朝日奈「あ、そうだ。セレスちゃんからも言ってやってよ」

大神「お主が言えば山田も言うことを聞くだろう」

セレス「何の話をしていたんです?」

桑田「山田がブーデー過ぎって話」

ドラえもん(ま、まずいぞこの展開!)

のび太「ね、ねえ! そんなにいそいで言うことないんじゃないかなぁ? きっとそのうちやるよね?!」

石丸「そのうちでは駄目なのだ! いいかね! そのうちそのうちと引き延ばすから
    夏休みの宿題をいつも最終日に泣きながらやる羽目になるのだ!」

387 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 22:27:13.72 ID:bBMD0Uzt0

不二咲「石丸君の言う通りだよ。僕も鍛えなきゃ鍛えなきゃって思って結局先延ばしにしてたし」

のび太「それはそうだけど……」

石丸「今は若いからいい。だが肥満は成人病を誘発し、将来恐ろしい目に遭うのだぞ!」

朝日奈「そうそう。みんなあんたのこと心配して言ってんだからさ!」

大神「仲間の忠告は聞いたほうが良いぞ」

不二咲「友達が病気になったら悲しいもんね」

セレス「話は分かりましたわ。まあ、せいぜい頑張りなさい」

ドラえもん「あれ? それだけ? いつもだったら罵倒……いや、もっと厳しく言いそうだけど」

セレス「だってわたくし、山田君にはまったく期待しておりませんもの。
     召し使いとしての仕事さえ出来ればそれで十分ですわ」ニコッ

山田「」ぐっさー!

のび太「うわ……」

ドラえもん「これは……」

ドラえもん(罵倒された方がまだマシだった)

苗木「は、はは……きついね、セレスさん」

セレス「うふふ。そうですか。では、いつものように紅茶をいれてくださいまし」

山田「は、はひ……ハァ」


トボトボ……

388 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 22:44:09.40 ID:bBMD0Uzt0

のび太「あちゃあ……」

ドラえもん「流石にちょっと気の毒」

石丸「ム、いじめに見えてしまったか? だが、厳しさは優しさの裏返しだ!
    甘やかすだけでは人間は駄目になるっ! だからのび太君もちゃんと勉強……」

のび太「ひ、ひえぇ〜」

桑田「オメエは説教くさすぎ」

大和田「兄弟、朝から説教は勘弁してやれよ」

のび太(ホッ、助かった)

ドラえもん「とにかく、どうしたらいいんだろう……」

霧切「何か悩んでいることがあるのかしら? 例えば――」

霧切「……人に言えないこととか」

ドラえもん「えっ、あ、その……?!」

霧切「…………」ジー

ドラえもん「(嘘を言うとバレそうだ)なにもないよ! 山田くんに自信をつけてあげたいなって……」

霧切「山田くん? ……そうね。彼はもう少し頑張った方が良いわね」

ドラえもん「ですよねー!」

ドラえもん(うまくごまかせたみたいだ。……でもあんまり時間がなさそうだな。
       霧切さんもお父さんのこととか色々あるし。朝ごはんを食べたら作戦会議だ!)

389 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/04/30(月) 22:51:58.00 ID:bBMD0Uzt0

ここまで。

390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/01(火) 05:49:35.49 ID:L/BBSiCuO
更新乙
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/02(水) 17:16:29.71 ID:3l4lwKon0
ダイエットに最適なひみつ道具は何だろう
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/03(木) 15:37:16.15 ID:8n1kCzvv0
ヤセールトンネル
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/06(日) 23:00:17.23 ID:U/5htL0R0
そろそろかな
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/10(木) 16:50:43.01 ID:sBzCqWeh0

投下予告はツイッターでしているので、良かったらどうぞ
http://twitter.com/doctor_ronpa_K
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/11(金) 19:23:54.82 ID:cbmk7y+kO
主人公の霊圧が消えた
396 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/12(土) 22:04:48.88 ID:VGbJswOZ0

1は生きてるよー!

>>394
誘導ありがとうございます。
コピペは行頭に>を付けて頂けるとわかりやすいかもです。
397 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/12(土) 22:07:15.68 ID:VGbJswOZ0


  第14話 たえちゃんとおばけ寺


  ― 男子トイレ ―


のび太「で、結局どうするの?」

ドラえもん「……考えたんだけど、やっぱりセレスさんに言ってもらうしかないんじゃないかな?」

のび太「セレスさんに? ムリだよ。さっきもあんな風に言ってたじゃないか」

ドラえもん「そこをなんとかするんだよ」

のび太「なんとかって?」

ドラえもん「まあ、改心させるしかないだろうね」

のび太「どうやって? だって、あのセレスさんだよ?」

ドラえもん「舞園さんの時と同じだよ。彼女がああいう考え方になったのは
       きっと何か理由があるはずなんだ。それを探ろうと思う」

のび太「じゃあまたタイムマシンで過去に行くんだね!」

ドラえもん「行こう! セレスさんの過去を見に!」


               ◇     ◇     ◇


ドラえもん「とりあえず10年前にやってきたけど」

のび太「えっと、トチギの出身なんだっけ?」

ドラえもん「宇都宮らしい。でもかなり端の方みたいだね」

のび太「わあ! 自然が綺麗だよ」

ドラえもん「うん。でも、思っていたより随分田舎だなぁ」

のび太「たしかにセレスさんのイメージには合わないね」

398 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/12(土) 22:19:31.48 ID:VGbJswOZ0

ドラえもん「そこに何か鍵があるのかも。はい、タケコプター」

ドラえもん「舞園さんの時に苦労したから今回は事前に家の場所を調べておいたよ」

のび太「いつもそのくらい気がきけばいいんだけどなー」

ドラえもん「気が利かなくて悪かったね」

のび太「あ、あれ? もしかして、あそこにいるのセレスさんじゃない?」

ドラえもん「えっ、どこ?」

のび太「ホラ、あそこにいる着物を着た女の子だよ」

ドラえもん「まさか。そんなわけないよ。全然雰囲気が違うじゃないか。
       第一セレスさんが着物なんて着るわけないよ」

のび太「そうかなぁ?」

ドラえもん「そうだよ。あの子はセレスさんと違ってすごい地味だし」

のび太「言われてみたらそんな気がしてきた」

ドラえもん「それより早くセレスさんの家に行こうよ。この近くのはず」


             ・

             ・

             ・


のび太「どこにあるんだよー?」

ドラえもん「おかしいなあ。もう見えてもいいはずなんだけど」

のび太「それにしてもさっきからずっと塀が続いているね。大きな家だなあ」

ドラえもん「家じゃないよ。これはお寺だね」

のび太「フーン」

399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/12(土) 22:20:34.88 ID:gZcEi5yF0
名前が違うからなぁ、これはどうなる
400 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/12(土) 22:35:42.22 ID:VGbJswOZ0

ドラえもん「いっそ人に聞いた方がいいかもしれない。すみません!」

通行人「わあ! たぬきが歩いて喋ってる!」

ドラえもん「ボクはたぬきじゃない!」

のび太「まあまあ。あの、安広さんのお家を知りませんか?」

通行人「やすひろさん? 目の前じゃないか」

のび太「え?」

通行人「このお寺がやすひろさんの家だよ」

ドラえもん・のび太「えぇー?!」

ドラえもん「まさかこの大きなお寺がセレスさんの家だったなんて……」

のび太「信じられない。お金持ちじゃないか!」

ドラえもん「……ちょっと話を聞いてみよう。お寺ならお父さんかお母さんがいるはずだ」


二人は寺の敷地に入ると掃き掃除をしている住職に声を掛けた。


ドラえもん「こんにちは」

住職(セレス父)「おやおや、これは変わったお客さんだ。わしに何かようかい、たぬきくん?」

ドラえもん「だからたぬきじゃないって……」

のび太「ぼくたちセレス……じゃなかった多恵子さんの友だちなんです」

住職「何? 多恵子の? そうかそうか。それは良かった」

ドラえもん「よかった?」

住職「あいつにも友達がいたと知って安心したわい」

のび太「え? 多恵子さんって友だちがいないんですか?」

401 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/12(土) 22:48:27.05 ID:VGbJswOZ0

住職「あいつも変わり者だからな。全く寺の娘のくせして西洋かぶれで困る」

住職「セレなんちゃらとか言う変な名前を名乗ったり、本当はフランス人と
    ドイツ人のハーフだなんて吹聴して……おかげで学校では嘘つき扱いよ」

のび太「そうなんですか……」

住職「生まればっかりは本人がいくら望んでも変えられないからのう。
    だからあるがままに生きることの大切さを仏様は説いているんじゃが」

住職「ただ、寺の娘ということであいつも嫌な思いをしてきとるからのう。
    こちらとしてもあまり強く言えないんじゃよ……」

ドラえもん「イヤな思い?」

住職「墓場の隣に住んでるとかな。うちは大きいが古くてボロいから
    子供達からお化け寺とかオンボロ屋敷とか色々言われとるんじゃ」

のび太「そっかぁ」

住職「そんなわけで、これからもあいつと仲良くしてやってくれんか?」

ドラえもん「もちろんです!」

住職「おぉ、ありがたいありがたい。お礼にお菓子をやろう。こっちにおいで」

のび太「わーい。ありがとう!」


               ◇     ◇     ◇


お菓子をご馳走になったふたりは再び空からセレスの姿を探す。


のび太「あ、いたよ」

ドラえもん「やっぱり、さっきのび太くんが見つけた子がセレスさんだったんだ」

のび太「昔は着物を着てあんなに地味なフンイキだったんだね」

402 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/12(土) 22:59:26.29 ID:VGbJswOZ0


セレスの周囲にはクラスメイトと思しき子供達がいた。


男の子A「やーい、寺っ子! 家にユーレイいるんだろ? おばけ寺だもんな!」

男の子B「服から線香の匂いがするぞー!」

多恵子「あの家に預けられているだけよ。わたしの本当の両親はヨーロッパにいるの」

女の子「じゃあフランス語話してよ! ドイツ語だっけ?」

多恵子「……言ってもあなた達がわからないから言わない」

男の子A「うそつきー! うそつき多恵子!」

男の子B「本当はしゃべれないんだろ!」

女の子「うそつきー!」

多恵子「…………」


セレスは悔しそうにしている。


ドラえもん「セレスさん、いじめられてるんだね。かわいそうに」

のび太「でもお寺の子供だからってなんでいじめられなきゃいけないの?
     服は地味だけど顔はすごくかわいいし頭もいいのに」

ドラえもん「これは僕の推測なんだけど嫉妬じゃないかな?」

のび太「しっと?」

ドラえもん「セレスさんは綺麗だし、実家のお寺もすごく大きかっただろう?
       たぶんこの辺りの大地主なんだと思う」

のび太「地主さん?」

ドラえもん「そう。お金持ちなんだよ。彼女の着ている着物も地味だけど高価なものに見える」

403 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/12(土) 23:12:09.31 ID:VGbJswOZ0

のび太「でもお金もちだからっていじめられるならスネ夫はどうなるのさ」

ドラえもん「スネ夫くんものび太君がいなかったらいじめられてたと思うよ。
       のび太くんの方が目立つからいじめられるだけで」

のび太「どうせ僕はダメダメですよーだ」

ドラえもん「基本的に小学生は自分達と違う部分がある子をいじめるんだ。
       彼女は実家がお寺だし美人で気が強い。悪目立ちするだろうね」

ドラえもん「セレスさんは自分がいじめられる原因である実家がすごく嫌いなんだろう。
       その反動で実家と真逆の存在である西洋に強い憧れを持ったんだろうね」

のび太「だからキレイな西洋のお城に住みたいんだ……」

ドラえもん「原因はわかった。なら対策は簡単だ」

のび太「どうするの?」

ドラえもん「彼女はお寺生まれってことでイヤな思いをたくさんしてきただろう?
       だったらその反対をしてみればいい。『長所伸ばシール』」パパラパッパパー

ドラえもん「これに相手の伸ばしたい長所を書いて貼ると、周りの人が
       その長所を誉めてくれたりいいことがたくさん起こるんだ」

のび太「セレスさんにとっては欠点だったお寺生まれを長所にするんだね!」

ドラえもん「そういうこと! じゃあ早速背中に貼り付けよう」つ透明マント


             ・

             ・

             ・


セレス母「多恵子ー、買い物に行ってきてもらえる?」

多恵子「セレスティアと呼んでくれたら行ってあげるわ」

セレス母「はいはい。テレジアね」

多恵子「セレスティア!」

404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/12(土) 23:13:15.76 ID:gZcEi5yF0
オリジナルの道具か?
405 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/12(土) 23:25:21.83 ID:VGbJswOZ0


買い物中。


町の人「あー、安広さんちの多恵子ちゃん! 買い物かい? 偉いねえ」

多恵子「なんですか?」

町の人「ほら。うちで取れた野菜をあげよう! 住職さんにはいつもお世話になってるからな!」

多恵子「重いので結構です」

町の人「そう言わずに!」

おばさん「あら、たえちゃん! お菓子あげるわ。安広さんの家は本当に立派なお寺よね。
      住職さんも優しいし歴史もあるし本当に素晴らしいおうちね!」


ヤイノヤイノ!


多恵子「…………」


               ◇     ◇     ◇


ドラえもん「さーて、少しは気分が良くなったかな?」

のび太「スパイロボで見てみよう!」


二人はセレスの部屋を覗き見る。


多恵子『ざっけんじゃねえよ! どいつもこいつも寺生まれ寺生まれって! 馬鹿にしてんのか?!』


ドガッシャーン!


ドラえもん「あ、あれ……」

のび太「……なんかおこってない?」

406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/12(土) 23:27:54.82 ID:gZcEi5yF0
寺生まれのTさん
407 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/12(土) 23:35:49.98 ID:VGbJswOZ0


多恵子『なにがいいお寺だ! ボロくてカビくせえだけだろうが!!
     あたくしには西洋の白い美しいお城の方が遥かに似合ってるわ!!』


ドラえもん「こんなはずでは……」


多恵子『服も時代遅れの着物なんかじゃなくて白いレースがたくさんついて黒いゴシックな
     デザインの方が断然わたくしに合う。ねえ、グランボアシェリ。お前もそう思うでしょう?』

グランボアシェリ『ニャー』


セレスはペットの猫にぶつぶつと理想をぶつけている。


多恵子『どんな手を使っても絶対にお城を手に入れてみせる! そしてわたくしはそこの
     女王になるの! たくさんのイケメンをはべらせて……そうね。ヴァンパイアの
     コスチュームを着せましょう! わたくしがヴァンパイアクイーンよ! ホホホッ!』


のび太「またイタいモウソウしてるよ」

ドラえもん「なにがいけなかったのかな……?」

のび太「もうどうすればいいかちっとも浮かばないや」

ドラえもん「そうだねぇ。女の子だから大亜さんに聞いてもわからないだろうし……
       やっぱり同じ女の子に聞くのが一番かな。今回はドラミに相談してみよう」

のび太「そうだね」ハァー


               ◇     ◇     ◇


ドラミ「いらっしゃい。また来たわね」

のび太「また来ちゃった」

セワシ「おじいちゃんにドラえもん! いらっしゃい!」

のび太「セワシくん!」

408 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/12(土) 23:49:54.32 ID:VGbJswOZ0

セワシ「話は聞いてるよ。今ダンガンロンパの世界に行ってるんだって? ぼくにも協力させてよ」

ドラえもん「助かったよ。ちょうどいま困ってるんだ。助けてほしい」

ドラミ「今度はなに?」


二人は現在の状況を説明する。


ドラミ「なるほどね」

ドラえもん「いい案だと思ったんだけど、なにがいけなかったのかなぁ?」

のび太「そうだよね。お寺生まれってことでたくさんいい思いをしたのに」

ドラミ「二人とも単純ねぇ。人の主義や思想は一日二日で形成されるものじゃないの。
     セレスさんの考え方を変えるならもっと幼い頃に行って時間をかけなきゃダメよ」

のび太「さすがにつきあいきれないよ! もっとお手軽にできる方法ない?」

セワシ「ひみつ道具を使えば簡単じゃない」

ドラえもん「そりゃあ道具を使えば簡単に変えられるけど、
       それだと洗脳みたいだしなぁ。あんまりやりたくないよ」

セワシ「道具なしかぁ。ならちょっと厳しいかもなぁ」

ドラミ「そうねぇ。……あ、そうそう。きっとまた来ると思って私も今
     ダンガンロンパをやっているのよ。結構面白いわね」

のび太「それはよかった。次はぼくにもかしてよ!」

ドラミ「あら。もうストーリーもトリックもわかってるのにプレイしたいの?」

ドラえもん「逆だよ。どうせのび太くんの頭じゃ自分で推理なんて出来ないから
       先にトリックが全部わかってなきゃダメなんだ」

セワシ「おじいちゃん……」

のび太「バカでわるかったね!」

409 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/12(土) 23:59:57.22 ID:VGbJswOZ0

ドラミ「そういえば、セワシさんのデータで遊んでるんだけど、
     セワシさんてば女の子との会話のデータだけ全部取ってあるのよ」

セワシ「ちょっと! 言わないでよ!」

ドラえもん「のび太君の子孫なだけある。……そうだ。そこから何かヒントを手に入れられないかな?」

セワシ「ヒントかぁ。セレスの通信簿はあんまり情報がなかったと思うけど」

ドラえもん「とにかく手当たり次第見ていこう」

のび太「そうだね。なやむよりは行動しようよ!」

セワシ「じゃあ通信簿から見て行こうか」


視聴後。


ドラえもん(……本当に実がなかった)

のび太「わかったことってセレスさんがギョウザ好きでギャンブルが強いってことくらいだったね……」

ドラミ「しかもどこからどこまで本当かわからないわね。嘘つきな人みたいだし」

セワシ「だから言ったのに。まあ折角だから裁判後の会話も見てみる?」

ドラえもん「一応見てみようか」

のび太「でもドウキっておしろだよね?」


更に視聴後。


のび太「うーん」

ドラえもん「いつ見てもひどい」

セワシ「なにかわかった?」

410 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/13(日) 00:11:17.60 ID:wr88AJxZ0

ドラミ「ロマンチストでイケメン好きってことはよくわかったわね……」

のび太「ほんとうイケメンイケメンってイケメンのどこがいいのさ!」

ドラえもん「よせよせ。顔の悪い男がひがむのはみっともないぞ」

セワシ「おじいちゃんだってかわいい子が好きでしょ?」

のび太「そうだけど、顔がすべてじゃないよ! 性格だって大事でしょ!
     なのにこの人は外見ばっかり! 外側をみすぎだよ!」

ドラえもん「仕方ないよ。彼女にとってはとにかく見映えが大事なんだから」

のび太「あんまり顔ばっかり見てるとそのうち悪いおとこにだまされちゃうよ!」

セワシ「十神みたいな顔はいいけど性格の悪い男にひっかかるかもね」

ドラミ「それだわ!」

ドラえもん「それだわってなにが?」

ドラミ「彼女のイケメン好きを利用するのよ! 周りがいくらお寺を誉めたって
     響かないけど、彼女好みのイケメンが誉めたら少しは考えが変わるんじゃないかしら」

のび太「いいね! やってみようよ」

セワシ「そんな上手くいくかなぁ」

ドラミ「とりあえずやってみましょ。コピーロボットで十神さんをコピーするの」

ドラえもん「でも、コピーロボットだと性格も十神くんそっくりになるよ?」

ドラミ「お兄ちゃんの持ってるロボットは旧型なのね。私のコピーロボットは性格チップを
     使えば自由に性格を変えられるのよ。今回はこの優しいチップを使いましょ」

のび太「よーし。とりあえず学園にもどろう!」

411 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/13(日) 00:18:43.84 ID:wr88AJxZ0


               ◇     ◇     ◇


ドラえもん「用意してきました」

ドラミ「作戦を説明するわよ」

性格チップ(優しい)in ロボ十神「成程、了解した。任せろ。俺が導いてやる!」キラリン!

ドラえもん「すごい……なんて頼りになりそうなんだ。心なしか太って見える」

のび太「そうだね。なんだか太ってみえるよ」

セワシ「ダンガンロンパ2の十神はこんな感じだからね。もっと太いけど」

ロボ十神「誰の話だ? さっさと行くぞ!」


             ・

             ・

             ・


セレスが道を歩いている所を一行は発見した。


ドラえもん「見つけたぞ」

ドラミ「じゃあ後は任せるわね?」

ロボ十神「任せろ。十神の名にかけて必ず成功させる。必ずな」

ドラえもん・のび太(きみニセモノなんだけどね)


そしてロボ十神はセレスに近づき話しかけた。


ロボ十神「おい、そこのお前」

多恵子「…………」

412 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/13(日) 00:30:44.94 ID:wr88AJxZ0


セレスは無視して歩き続ける。


ロボ十神「聞こえていないのか? そこのお前だ」

多恵子「…………」


セレスはますます早足で進む。


のび太「あれ? なんで無視するの?」

ドラえもん「どうやら昨日の一件でまだ機嫌が悪いようだ」

ロボ十神「お前だお前。着物を着た女!」

多恵子「うるせえんだよ。この……!」クルッ


キラリィィィン!


ロボ十神「道を尋ねたいんだが?」キラキラ

多恵子「あ、はい……」

のび太「本当にイケメンに弱いね……」ハァ

ドラえもん「全くだよ……」ハァ

ドラミ「なんだか笑っちゃうわね」

セワシ「そんなにいいかなぁ?」


四人は苦笑いした。


多恵子「どちらまで行かれたいのかしら?」

ロボ十神「この辺りにある由緒正しい寺に行きたいのだが」

多恵子「お寺、ですか?」

413 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/13(日) 00:33:53.71 ID:wr88AJxZ0

ロボ十神「地元の人間なら知っているだろう? 壇論寺だ。案内してくれ」

多恵子「……構いませんが」


セレスは渋々といった顔で実家に案内した。そして予定通りロボ十神は寺を誉め始める。


ロボ十神「うむ、素晴らしいな。実に素晴らしい!」

多恵子「お言葉ですがこんなボロボロなお寺のどこがよろしいのですか?」

ロボ十神「確かにボロボロかもしれん。だが、ここには確かな歴史と伝統があるのだ。
      地元の人間なのにそんなこともわからないのか?」

多恵子「…………」

ロボ十神「最近はグローバリズムだか何だか知らんが、 なんでもかんでも外国のものを
      良いと褒めちぎって日本本来の素晴らしさを忘れている。そういった人間は浅い」

ロボ十神「知っているか? 西洋の城や屋敷はとても美しいだろう?」

多恵子「そう思います」

ロボ十神「引っ越しをしたいと思うか?」

多恵子「もちろんですわ」

ロボ十神「俺はそうは思わない。絶対にごめんだ」

多恵子「まあ、何故?」

ロボ十神「知らないなら教えてやろう。西洋ではつい最近まで衛生観念がなくてな、あの綺麗な
      建物の窓から排泄物を捨てていたのだぞ? そんなところに住みたいか?」

多恵子「そ、そうなのですか?」

ロボ十神「それに西洋の城は石造りだろう? 耐震性に弱い上、夏は暑く冬は寒い。しかも無駄に
      階段が多いから実際に住むと相当不便だぞ。外側しか見ない人間にとっては
      素晴らしいかもしれんがな。見るのは好きだが住みたくはない」

多恵子「…………」

414 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/13(日) 00:40:41.48 ID:wr88AJxZ0

ロボ十神「それにカビ臭いと言うが、日本の建物は風通しがよく作られているからきちんと
      換気さえしていればそうそうカビは生えん。暑い日本の夏も涼しく過ごせる」

ロボ十神「この建物を見ろ。掃除が行き届き、きちんと手入れがされている。
      これだけで住んでいる人達が大事に使っているのがわかるな」

ロボ十神「相当歴史が古いようだ。有名な武将もここにお参りに来たらしい。記念碑もあるようだな。
      こんなところに住めたらさぞかし教養の深い人間になれるだろう。間違っても物事の
      表面ばかりを見る浅い人間にはならないだろうな」チラッ

多恵子「え、ええ。そうですわね……」

ロボ十神「一人で見て回るのもつまらん。良かったら一緒に見て回らないか?」

多恵子「はい! 案内いたしますわ!」


             ・

             ・

             ・


その後、ロボ十神は旅行者として数日滞在し幼いセレスと交流を深めた。
そして日本の美や伝統の素晴らしさを切々と説き続けたのだった。


ロボ十神「戻ってきたぞ」

ドラミ「ご苦労様」

ロボ十神「どうだった? この俺の仕事ぶりは」

のび太「きいてるんじゃないかな?」

ドラえもん「やっぱりイケメンにこれだけ言われると堪えるみたいだね」

ロボ十神「少しは何か変わったかもしれん。確認してみたらどうだ?」

415 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/13(日) 00:46:22.90 ID:wr88AJxZ0

のび太「そうだね。タイムテレビで見てみようよ」


四人はタイムテレビで未来を確認する。そこには、


セワシ「見て! おじいちゃん!」

ドラえもん「江ノ島と対決しているね!」

のび太「やった! 全員そろってるよ!! ぼくたち、とうとうやったんだ!」

ドラミ「未来が変わったのね」

ロボ十神「おめでとうと言っておく。無事に導けたようで何よりだ」

ドラえもん「ありがとう、十神くん!」

ロボ十神「ありがとうはこちらのセリフだよ、ドラえもんにのび太。
      次は本物の俺も導いてやってくれないか?」

のび太「約束するよ。ぜったいに十神さんも改心させてみせるから」

ロボ十神「それを聞いて安心した。あとは任せるぞ」シュゥゥ……


そう言ってコピーロボットは元の姿に戻った。


セワシ「十神も色々と抱えてるからねぇ」

ドラミ「そうなの?」

セワシ「通信簿を見ればわかるよ」

ドラえもん「そうなんだ。でも、とりあえず一度戻ろうかな。ぼくも疲れちゃったよ……」

ドラミ「お疲れ様。ゆっくり休んでちょうだい」

セワシ「また何かあったらいつでも来てよ!」

のび太「ありがとう、二人とも」

416 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/13(日) 00:52:11.09 ID:wr88AJxZ0


  ― 希望ヶ峰学園 ―


のび太「今回も長かったねー」

ドラえもん「全くだよ。みんな手がかかるんだから」

のび太「でもこっちでは全然時間が経ってないんだよね?」

ドラえもん「今はお昼ご飯の時間じゃないかな?」テクテク


二人が食堂に行くと、


山田「…………」ズーン

ドラえもん・のび太「忘れてたー!」

のび太「ど、どうしよう。この人のことをすっかり忘れてたよ! そのためだったのに!」

ドラえもん「ほっておくわけにもいかないし。どうしたものか……」

のび太「もう! ドラえもんがうっかりしてるから!」

ドラえもん「のび太くんだって忘れてたじゃないかー!」

のび太「ドラえもんのバカ! タヌキー!」

ドラえもん「なにをー!!」


そんな時、意外な人物が二人の横を通り過ぎ山田に声を掛けた。

417 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/13(日) 01:02:05.83 ID:wr88AJxZ0

セレス「山田くん、いつまで落ち込んでいるのです」

山田「あ、セレス殿……」

セレス「先程の件でまだふてくされているのですか?」

山田「だって、僕にはまったく期待してないって……」いじいじ

セレス「正確には今のあなたには、ですわね」

山田「……今の僕?」

セレス「中身が大事という言葉がありますが、その言葉に寄り掛かる人間は嫌いです。
     今のあなたは何の努力もしていません。中身が外側に現れているのです」

セレス「見苦しく太っている者をわたくしのナイトにするつもりはありませんわ」

山田「…………」

セレス「で・す・が、痩せたらわかりませんわね?」

山田「え?」

セレス「わたくし、あなたの紅茶の味は一応評価しているのですよ?
     オタク故の一度何かを追究したら極めようとする所も」

山田「えっ? ……えっ??! ぼぼぼ、僕がセレス殿のナイトに……?!」

セレス「腐ってもあなたは超高校級。今までだって色々と乗り越えてきたでしょう?
     努力さえすれば大抵のことは出来るのではなくて?」

山田「セ、セレス殿……!」ウルウル

セレス「悔しかったらダイエットでもしてわたくしを見返してみせなさいな」

418 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/13(日) 01:14:16.92 ID:wr88AJxZ0

山田「痩せます。絶対痩せてみせる! そして晴れてセレス殿のナイトになるんだっ!!」

セレス「せいぜい頑張りなさいまし」ニコ

山田「うおおおおおおおお! 頑張るぞぉーーーーーっ!!!」

のび太「セ、セレスさん……!」

ドラえもん「成長したんだ! これでぼく達の苦労も報われるってものだよ」ホロリ

のび太「やっぱりあこがれの人に言われる言葉が一番なんだねぇ」ジーン


こうしてセレスの言葉が起爆剤となって、山田は立ち直り前向きになったのだった。





ちなみに――


大和田「おい、今のセレスの言葉聞いたか?!」

葉隠「セレスっちがあんな優しい言葉を言うなんて?!
    これは天変地異の前触れだべ! ナンマンダブナンマンダブ!」

腐川「終わりだわ……もう全部終わりなのよ……」グギギ!

苗木「いくらなんでも酷いんじゃないかな……。セレスさんだって優しいところはあるよ。一応」

桑田「いや、でもあのセレスだぞ? ありえねー」

霧切「怪しいわね。何か企んでいるのかしら」

舞園「私、死ぬ前にもう一度空を見たかったな……」

苗木「舞園さんまで?!」


……基本的には今までの性格を踏襲しているらしく、陰では散々な言われぶりだった。

419 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/13(日) 01:22:28.26 ID:wr88AJxZ0

ここまで。最近仕事が忙しくて遅くなってすみません

あと今回は16話の間違いでした。それでは次回もお楽しみに。


>>404
オリジナルです。今後もちょくちょく出てきます。

420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/13(日) 12:02:22.31 ID:txKih/gk0
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/13(日) 23:45:24.67 ID:ZMxixtCSO
乙乙
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/14(月) 00:11:29.59 ID:FYkpVkvto
おつ
入学式で十神に会ったときのたえちゃんの気持ちを思うとほっこり
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/21(月) 01:00:49.08 ID:hVIKyiT+0
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/25(金) 17:03:09.29 ID:UareaT7k0
こっちも忘れないで
425 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/26(土) 20:37:55.41 ID:66CUlZ+n0


  第十七話 赤いとびらの向こうがわへ


山田「えっほ! えっほ!」タッタッタッ

朝日奈「頑張れー!」

大神「ウム、頑張っているな」

不二咲「僕も負けられない!」

大和田「その調子だぜ!」

舞園「頑張ってください!」

腐川「まったく……汗くさい集団ね」

十神「お前は人のことを言う前に自分を何とかいろ。口が臭いぞ」

腐川「ヒエエエエ?! ご、ごめんなさいいいい!」

苗木「あ、はは……」


和やかに昼食後の時間を過ごしていた時にそれは起こった。


ジリリリリリリリリリリ!


苗木「な、なに?!」

石丸「いかん、地震か?! 火災警報か?! みんな机の下に避難するんだ!!」

葉隠「ひええええ! 恐怖の大王がやってきたー?!」

江ノ島「そんな訳ないでしょ!(突然なに?!)」

ドラえもん「まさか……これは?!」

426 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/26(土) 20:40:25.12 ID:66CUlZ+n0


ドラえもんはポケットから蜂の形をした道具を取り出した。


のび太「それは……!」

苗木「ん? 蜂の形のおもちゃ? それが鳴ってたんだ」

大和田「なんだ、おもちゃかよ」

石丸「紛らわしいではないかー!」

ドラえもん「あ、ごめんごめん」

腐川「ちゃんと電源切っておきなさいよね!」

江ノ島「もう、空爆警報かと思ったよ!」

朝日奈「空爆って……」

セレス「江ノ島さんはいつの時代の人なのでしょうか」

のび太「それより、ドラえもん……」コソーリ

ドラえもん「うん……」ソソクサ

霧切「…………」


  ― 男子トイレ ―


のび太「ドラえもん、さっきの!」

ドラえもん「うん。ドラミが貸してくれた虫の知らせバッチだ……」


虫の知らせバッチ:『映画魔界大冒険』にてドラミが持っていた秘密道具。
            持ち主の周りに何かある時に教えてくれる。

427 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/26(土) 20:47:43.36 ID:66CUlZ+n0


 〜 回想 〜


ドラミ『そうそう、お兄ちゃん。これを貸しておくわ』

のび太『なにそれ?』

ドラえもん『これは虫の知らせバッチだよ。何か問題があったら教えてくれるんだ』

ドラミ『ダンガンロンパって登場人物がどんどん死んでいく危険な物語な訳じゃない?
     だから、いくら気をつけても不測の事態も起こり得るし持っていくといいわ』

セワシ『だいぶ原作と話が変わってきたし、もういつ江ノ島が動くかわからないからね』

ドラミ『用心しておくに越したことはないもの』

ドラえもん『そうだね。じゃあ借りておくよ』


のび太「まったく、ほんとうによくできた妹だね」

ドラえもん「まあね。それより、これから先になにが起こるのかタイムテレビで見なきゃ!」


タイムテレビを起動する。すると……


江ノ島『飽きた』

戦刃『盾子ちゃん?』

江ノ島『飽きた飽きた飽きた。飽きたー!! 私様は飽きたぞ。人間共!』

江ノ島『内通していた大神は裏切りやがるしコロシアイも起きそうにないし、
     ――よっていよいよ残姉に動いてもらうことにする!』

戦刃『……わかった。どうすればいいの?』

428 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/26(土) 20:57:43.63 ID:66CUlZ+n0

江ノ島『えー、まず今日の午後に大神が内通者だとバラします。今日一日たっぷり
     疑心暗鬼に浸って頂いた所で、むくろ姉さんに今夜誰か殺してもらいます』withメガネ

戦刃『ターゲットは?』

江ノ島『大神さん……内通者ということで周囲から孤立するはず。その後殺してしまえば……
     あの時あんなことを言わなければと彼等は後悔すると思います……』キノコ

江ノ島『しかもしかも! 大神と仲の良い朝日奈が周りと衝突するのは間違いないしねー!』キャピッ☆

戦刃『わかった』


早送りすると、そこには大神を殺そうとする戦刃の姿が……


のび太「大変だー! なんとかしないと!」

ドラえもん「いや、ムダだ! たまたま大神さんがターゲットになっただけで、
       江ノ島は既に事件を起こすつもりなんだ。そっちをなんとかしないと……!」

のび太「どうするのさ?」

ドラえもん「……少し早いけど、もう大分みんな打ち解けたし、きっと今なら団結できると思う」

のび太「ということは、いよいよ……」

ドラえもん「うん。みんなに全部打ち明けよう。終わりにするんだ。この学園生活を!」


『オマエラ、体育館に集合ー!』


ドラえもん「……ちょうど呼び出しが来た」

のび太「ドキドキする」

ドラえもん「大丈夫だよ。みんなを信じよう。さて、その前にやることが……」

429 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/26(土) 21:00:43.16 ID:66CUlZ+n0


  ― 脱衣所 ―


江ノ島「ちょっと! モノクマがアタシのこと呼んでるって本当? 体育館に来いって言ってたけど」

のび太「うん。本当だよ。大浴場の中にいるはず。ぼくはもう行くね!」

江ノ島「なんか怪しいな〜。モノクマー、いるー?」

「こっちだよ! ほら、早く来て!」

江ノ島「その声は、本当にモノクマか。どうしたの? 呼び出しは?」


ガラッ。


ドラえもん「今だ!」

大神「フン!」

江ノ島「なっ?!」


ガスッ!

最強の軍人戦刃むくろも、超高校級の格闘家大神の不意打ちの前にあっさり沈んだのだった。


のび太「うまくいった?」

ドラえもん「うん。モノクマと声が似てるのがこんな形で役に立つなんてね。少し複雑だけど……」

のび太「まあまあ」

大神「それで本題だ。……確かに江ノ島はモノクマと親しいそぶりだったが、本当に偽物なのか?」

430 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/26(土) 21:02:18.65 ID:66CUlZ+n0


ドラえもん「この髪は確かカツラのはずだよ。えいっ」


ズルッ!


大神「なんと?! ではお主達の言った通りこやつは偽物だったのか! 本物の江ノ島は一体……」

ドラえもん「それについては体育館で全てお話します。とりあえず偽物を縛って、と」

のび太「行こう!」


  ― 体育館 ―


石丸「遅いぞ!」

のび太「ごめんなさい」

大神「スマヌ、我が呼び止めたのだ」

桑田「つーか誰それ?! なんで縛ってんの?!」

朝日奈「さくらちゃん?!」

山田「それに江ノ島盾子殿が先程から見当たりませんが」

腐川「な、なによ……?! なにが起こってる訳?!」

葉隠「これはヤバい感じがするべ!」

舞園「あの、もしかしてその人江ノ島さんじゃないですか……?」

苗木「えっ?! ……あ、そういえば似てる」

大和田「髪型が違うじゃねえか」

のび太「かみはカツラだったんだよ。ほら!」

431 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/26(土) 21:05:09.63 ID:66CUlZ+n0

霧切「間違いないわ。彼女は私達が会っていた江ノ島さんよ。顔が同じだもの」

不二咲「隠してたの……? そんな、どうして……」

十神「決まっている。何か不都合があるからだろう」

モノクマ「ちょ?! オマエラァァァ!! なにしてんだよ?!」

ドラえもん「モノクマ、もうお前の思い通りにはさせないぞ!」

のび太「内通者のニセ江ノ島さんはぼく達がつかまえちゃったもんね!」

大神「こやつの本当の名前は戦刃むくろと言って、超高校級の軍人らしい」

山田「ぐ、軍人ですとー?! 女軍人とかなにその狙った設定」

セレス「……それで、何故あなたがたがその事実を知っているのですか?」

大神「我はドラえもん達から話を聞き、協力しただけだ。詳しいことはこれから聞く」

モノクマ「もう、なんなんだよオマエラ! イレギュラーなのは知ってたけどさ!」

苗木「イレギュラー?」

腐川「な、なによ……どういうこと?」

モノクマ「体験入学とか真っ赤な嘘! こいつらがそう言ったから面白半分で話を合わせただけ!
      ボクはこいつらのことなんて知らないしどこから来たのかもわからない」

石丸「何だと?! では、君達は一体何者なのかね?!」

ドラえもん「詳しくは話せないけど、きみ達を助けるために遠くからやってきたんだ」

のび太「いままでずっとウソをついていたんです。だましていてごめんなさい」

霧切「だからよく男子トイレに篭っていたの?」

桑田「へ? トイレ?」

432 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/26(土) 21:11:36.01 ID:66CUlZ+n0

霧切「ドラえもんとのび太君は頻繁に男子トイレに通って、なかなか出てこないことが多かったわ。
    恐らく、トイレは監視カメラがないから二人で密談をしていた。そういうことね?」

のび太「さすが霧切お姉さんだね。ごまかせないや」

霧切「あなた達は不自然な動きが多かった。私の予想では、私達の知らないことも
    たくさん知っているのではないかしら。……例えば私の才能」

のび太「超高校級の探偵だよね?」

ドラえもん「記憶はもう戻ったかな?」

霧切「……正解よ。私が記憶を失っていたことも含めて」

苗木「え? 霧切さん記憶喪失だったの?!」

朝日奈「だから私達に才能を教えてくれなかったんだね」

大和田「おいおい、マジか……」

舞園「あの……もしかして、私のこともわかっていたんですか? だから、止めてくれた?」

ドラえもん「うん。きみはきっと動くと思ったよ。あれが舞園さんにとって一番いいと思ったんだ」

舞園「そうだったんですね……」

大神「桑田や腐川が周囲から浮かないように手助けをしていたな」

桑田「え……? もしかして、俺も陰で助けてもらった系?」

腐川「そうだったのね……あ、あたしは感謝してたわよ! 一応……」

石丸「確かに二人は率先してコロシアイを止めるように動いていたな!」

葉隠「そーかそーか。サンキューな! これで全部解決だべ!」

山田「勝った! 第三部完!」

セレス「では外に出ましょうか」

433 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/26(土) 21:12:45.18 ID:66CUlZ+n0

まだ話の途中でちょっとキリ悪いけど用事があるので一旦ここまで。

また明日来ます。では!

434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 13:51:52.32 ID:uh/2Ddb5O
乙乙!
いよいよかな?
435 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/27(日) 21:15:07.97 ID:pqahl26a0

再開

436 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/27(日) 21:25:25.13 ID:pqahl26a0

不二咲「やっとここから出られるんだねぇ……」

十神「よくもこの俺の貴重な時間をここまで浪費してくれたものだ。タダで済むと思うなよ」


ぞろぞろと生徒達が体育館から出ようとするので、慌ててモノクマが引き止める。


モノクマ「ちょっとちょーっと! ボクを忘れないでもらえる?」

ドラえもん「もうお前の好きにはさせないぞ、江ノ島盾子!」

舞園「え、江ノ島さん?!」

朝日奈「どういうことなの?!」

苗木「ま、まさか黒幕って……」

霧切「つまり本物の江ノ島さんが私達を監禁した黒幕……そういうことなのね?」

のび太「そう! 江ノ島盾子こそこのコロシアイをかんがえたすべてのクロマクなんだ!」

セレス「江ノ島さんが?! 彼女は超高校級のギャルではないのですか……?」

山田「メンバーの一人、ならわかりますが黒幕なんですか?!」

桑田「俺達ギャルに誘拐されたってことかよ?! ありえねー!」

十神「どういうことだ?! 苗木、説明しろ!」

苗木「えっ、僕?! 僕だってよくわかんないよ!」

モノクマ「……ふーん。つまりキミ達は本当に全部知ってるって訳ね。いいよ、わかった」

のび太「わかったってなにが?」

モノクマ「最終決戦しようってこと。地下の裁判場においで。どうせ行き方は
      知ってるんでしょ? ボクは逃げも隠れもしないから。先に行って待ってるよ」

437 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/27(日) 21:46:19.26 ID:pqahl26a0


そう言い残してモノクマは去って行った。


苗木「最終決戦……」

のび太「行こうよ、みんな!」

ドラえもん「これで終わりにするんだ!」

桑田「おい。小学生にイニシアチブ取られてるぞ、俺ら……」

葉隠「しょうがないべ。いまだに状況がよく飲み込めてねえし」

戦刃「う〜ん、レーションおいしい。ムニャムニャ……」

大神「お主はいつまで気絶しているのだ……」


               ◇     ◇     ◇


苗木「あ、あの赤い扉が開いてる!」

十神「そんなもの見ればわかる。どうやらここから裁判場とやらに行くようだな」

舞園「私達、これからどうなるんでしょうか……」

霧切「わからないわ。でも、行くしかない」

セレス「そうですね。賽は振られてしまったんですもの。あとは勝つか負けるかだけですわ」

のび太「あ、これがあのエレベーターだね! ドキドキ」


ゴゴゴゴゴ……


「……………………」

438 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/27(日) 21:56:26.53 ID:pqahl26a0


生徒達は不安で無言になっているがドラえもんとのび太は実に能天気だった。


のび太「ふかいねぇ。どこまでもぐるんだろう?」

ドラえもん「この調子だと恐らく百メートル以上は潜っているようだ」

のび太「え? まだそんなところ? ぼくなんて1万メートルくらいもぐったことあるよ」

ドラえもん「そりゃあきみ、一緒にしたらまずいよ。技術が段違いなんだから」

のび太「ふーん。あーあ、早く家にかえってママのごはんがたべたいなぁ」

ドラえもん「そうだねぇ」


一同(……緊張感ないな!)


  ― 裁判場 ―


モノクマ「やあ、みんな。待っていたよ」

のび太「やいやい! もうお前の正体はわかってるんだぞ!」

ドラえもん「姿を現せ!」

モノクマ「……ハァ〜。これだからセンスのない人間は困る。何事にも手順てものがあるんだよ。
      とりあえずほら、みんな自分の席についたついた」

のび太「あれ? でも席がたりなくない? えっと、ひーふーみー……」

山田「呼びましたかな?」

モノクマ「キミ達二人はまだ寝こけてるそこの残念の席を使うといいよ。窮屈で悪いけどさ」

439 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/27(日) 22:12:57.82 ID:pqahl26a0


           裁判席


          モノクマ

       朝日奈     葉隠 

   大和田            不二咲               

  霧切                 十神

大神                      セレス

  ドラ・のび               桑田

    石丸            腐川

       舞園 苗木 山田


440 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/27(日) 22:14:55.72 ID:pqahl26a0


言われた通り生徒達は各々席につき、少し狭いがドラえもんとのび太は偽江ノ島の席に立つ。すると、
どこからかスモークが焚かれ、スポットライトが当たるとモノクマの足元がボン!と爆発する。

シュー……


「待っていた。私様はずっと待っていたぞ、人間共!」

「このアタシこそが今回のコロシアイ学園生活を計画した全ての黒幕――」

「江ノ島盾子ちゃああああんッ!!!」ビシィッ!


ポーズを決めた江ノ島盾子が16番目の席に登場したのだった。


のび太「ハデだね……」

ドラえもん「うん。派手だ……」

石丸「こ、これは一体どういうことなのだね江ノ島君?!」

大和田「オメエが本物の江ノ島だってんなら、そこの偽物はナニモンなんだよ」

江ノ島「えー、それを説明する前に……」


つかつかと江ノ島は戦刃の元に歩み寄ると、


江ノ島「いつまで寝てんだ、この残姉!」ゲシッ!

戦刃「痛っ! ……あ、盾子ちゃん」

441 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/27(日) 22:24:32.81 ID:pqahl26a0

江ノ島「正体バレて敵に捕まった挙げ句、起こされるまで寝てるとかどこまで残念なんだテメエはよ!」

戦刃「ゴ、ゴメン……」

江ノ島「最終決戦はもう始まってるんだ! とっとと来なさい」

戦刃「その前に縄を外してくれないかな……」

セレス「それで、そちらの方はどこのどなたなんです? 赤の他人にしては似ていますが」

江ノ島「こいつは戦刃むくろって言う超高校級の軍人で、アタシの双子の姉」

桑田「えっ、双子?!」

朝日奈「お姉さんなの?!」

葉隠「うーむ、双子にしては似てねえな」

江ノ島「そ、本当に残念なことにこの姉は軍人としては一流だけど、顔はイマイチで
     胸も貧相だしその上頭が弱くて気も利かない。別名・超高校級の残念」

戦刃「うう、ひどいよぉ」

石丸「実のお姉さんの悪口を言うのはやめてあげたまえ!」

大和田「すげえ言われようだな……」

江ノ島「対して私は妹と言うおいしい設定を持ちながら、かわいくてスタイル抜群。
     おまけに天才的頭脳の持ち主だった訳です。神様は残酷ですね」

不二咲「姉妹なのにどうして苗字が違うのぉ?」

江ノ島「そこはよくある設定だから、まあ君達の想像通りだ」

442 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/27(日) 22:34:18.73 ID:pqahl26a0

のび太「わかんないよ」

ドラえもん「親が離婚したとか、事故で亡くなって別々に引き取られたとかじゃない?」

戦刃「そんな感じ。家族で海外旅行中に私は勝手に抜け出して軍隊に入ったんだけど、
    お父さんとお母さんはその責任を押し付け合って夫婦仲が悪化。で、離婚したんだ」

大神「勝手に軍隊に入ったのか……」

朝日奈「すごい行動力だね……」

江ノ島「うちの家庭の事情などどうでもいいのです。それより私様はあなた達に最後の勝負を挑みます」

苗木「勝負?」

江ノ島「要は、折角こんな豪勢な裁判場用意してず〜っと待ってたってのに
     一回も使わないで終わるとかありえねーって言ってんだよ、ファーック!」

のび太「……本当にころころキャラが変わるね」

ドラえもん「うん。……って、そんなことは許さないぞ!」

江ノ島「えー? どうしてダメなのー? どうせアタシが勝ってもそっちが勝っても
     どうせ君達がどうにかしちゃうんでしょー? わかってるんだよ、そんなことー?」

のび太「それはそうだけど……」

江ノ島「じゃあ……裁判させてください……このままでは、私の見せ場がなくてあんまりです……」

ドラえもん「まあ、消化不良な感じは確かにあるけど……」

のび太「どうする?」

443 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/27(日) 22:42:03.84 ID:pqahl26a0

十神「俺は受けるぞ。突然訳のわからん連中に訳もわからないまま助けられても納得がいかん」

山田「ええー、さっさと外に出ましょうよ」

腐川「いい加減外に出たいけど、白夜様がそういうなら……」

霧切「私も十神君と同感だわ。まだ私達はこの学園の謎を何も解いていない。
    全てを明らかにしてから外に出ても遅くはないのではないかしら?」

大神「ウム。我等には知る権利がある」

桑田「そうだけどさー」

舞園「私も知りたいです。どうして私達にこんな酷いことをしたんですか? どうして私達なんですか?」

不二咲「教えて。どうしてこんな酷いことをしたの?」

セレス「何もわからないまま帰るのはシャクですわね」

大和田「よくわからねえが、受けてやろうじゃねえかその勝負!」

石丸「こんな不気味な所からは一刻も早く立ち去りたいが、兄弟達の言う通りだ!」

朝日奈「そうだよ! 全部明らかにしてスッキリして出よう!」

苗木「その勝負。受けるよ! 僕達は負けない!」


江ノ島「では勝負を受けると言う方向で。それでは始めましょうか」




江ノ島「最初で最後の学級裁判!!」


   ド  ン  ッ  ! ! !

444 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/05/27(日) 22:45:53.87 ID:pqahl26a0

ここまで。

445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 08:05:13.64 ID:HKrY7wpUO
乙乙
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/02(土) 20:20:13.48 ID:6DgAadJv0
続きが気になるー
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/05(火) 17:17:44.24 ID:d7jLlTJj0
まだ?
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/06(水) 20:26:06.75 ID:f/EloNDK0
おいまだか
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/06(水) 22:24:41.35 ID:o7CQ2D/mo
まだ?とか聞くなって言われてたじゃん
大人しく作者のTwitter見てろよ
450 : ◆takaJZRsBc [sage]:2018/06/07(木) 19:15:13.17 ID:yssD6a4B0
すみません。実は学級裁判のシーンを飛ばして書き溜めしてたので
今執筆中なんです。金曜か土曜には投下すると思います。

よろしくお願いします。
451 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/11(月) 23:49:38.67 ID:2KcCl3Tu0


  第十八話 ぜったいぜつめい! 学級裁判!! 前編



        !   学   級   裁   判   開   廷   !


江ノ島「うぷぷ。まずは裁判のルールから説明しようか」

江ノ島「本来は事件が起こった時に裁判になり、被害者を殺したクロを当てれば
     クロだけが処刑、失敗したらクロ以外のシロ全員が処刑だったんだけどね」

大神「そんなルールがあったのか!」

舞園「黙っていたんですか?! じゃあ、私が事件を起こしていたら……」サーッ

霧切「落ち着いて。今は取り乱している場合ではないわ」

江ノ島「ですが、今回は事件が起こっていないので特別ルールを適用し、
     皆さんにはこの学園の謎を解いてもらうという形になります」

のび太「そんな、ムリだよ! 一階しか開いてないし、そもそもソウサしてないもの!」

江ノ島「勿論、今のままじゃワンサイドゲームになっちゃうからね。
     謎を解くためのキーワードはこちらが先に用意してあげるよ」

ドラえもん「キーワード……つまりコトダマか」

霧切「勝利条件は学園の謎を解くこと、でいいのかしら?」

江ノ島「ううん! これは裁判なんだよ? 最後はやっぱり投票で決めないと!」

石丸「投票と言われても、一体何に投票するのだ?」

江ノ島「議論が終わった後に、オマエラがこの学園から出る……つまり卒業するか、或いは
     今まで通りここに残るかの投票をしてもらうよ! 全員一致で卒業ならオマエラの勝ち」

江ノ島「一人でも卒業を選ばない人間が出たらボクの勝ちだよ。うぷぷ」

452 : ◆takaJZRsBc [sage]:2018/06/12(火) 00:03:56.04 ID:5lg+0gEH0

桑田「ハァ? そんなの勝負になんねーじゃん! なにがしたいの、お前?」

葉隠「当然卒業を選ぶに決まってるべ!」

苗木「待って、みんな! いくら何でも怪しいよ。きっと何か裏があるはずだ」

大神「ウム。我も同感だ。ここに来て何もないとは思えぬ」

セレス「……外に出ると何かしらの不都合がある、そう考えるのが普通ですわね」

十神「フン、一体どんな不都合があるというんだ。十神の名の前にそんなものは無意味だ」

江ノ島「ちなみにそこのお子様方は全部わかってると思うけど黙ってろよ。勝負になんねーからな」

のび太「[たぬき]……」

[たぬき]「……見ていよう。これはこの星で生きていくみんなの問題なんだ。
       ちゃんとみんなで納得して脱出しなければ意味がないんだよ」

のび太「……うん、そうだね。わかった」

十神「それで俺達が勝った時はどうする? 当然、貴様らの命を差し出すんだろうな?」

苗木「ちょ、ちょっと十神君!」

江ノ島「勿論! 負けた方はオシオキを受けてもらうわよ」

山田「オ、オシオキですか?! オシオキ……フヒッ」

朝日奈「あんた何を想像してんのよ……?」

舞園「……オシオキって、一体どんなことをするんですか?」

江ノ島「えー、私達の受けるオシオキは通常通り処刑となります。対して、皆さんに受けて
     頂くオシオキはこれからずっとこの学園で心静かに穏やかに老衰してもらうことです。
     もう私が干渉することはないですしコロシアイをする必要もありません」メガネ

453 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/12(火) 00:04:52.72 ID:5lg+0gEH0

失敗。修正します
454 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/12(火) 00:05:22.10 ID:5lg+0gEH0

桑田「ハァ? そんなの勝負になんねーじゃん! なにがしたいの、お前?」

葉隠「当然卒業を選ぶに決まってるべ!」

苗木「待って、みんな! いくら何でも怪しいよ。きっと何か裏があるはずだ」

大神「ウム。我も同感だ。ここに来て何もないとは思えぬ」

セレス「……外に出ると何かしらの不都合がある、そう考えるのが普通ですわね」

十神「フン、一体どんな不都合があるというんだ。十神の名の前にそんなものは無意味だ」

江ノ島「ちなみにそこのお子様方は全部わかってると思うけど黙ってろよ。勝負になんねーからな」

のび太「ドラえもん……」

ドラえもん「……見ていよう。これはこの星で生きていくみんなの問題なんだ。
       ちゃんとみんなで納得して脱出しなければ意味がないんだよ」

のび太「……うん、そうだね。わかった」

十神「それで俺達が勝った時はどうする? 当然、貴様らの命を差し出すんだろうな?」

苗木「ちょ、ちょっと十神君!」

江ノ島「勿論! 負けた方はオシオキを受けてもらうわよ」

山田「オ、オシオキですか?! オシオキ……フヒッ」

朝日奈「あんた何を想像してんのよ……?」

舞園「……オシオキって、一体どんなことをするんですか?」

江ノ島「えー、私達の受けるオシオキは通常通り処刑となります。対して、皆さんに受けて
     頂くオシオキはこれからずっとこの学園で心静かに穏やかに老衰してもらうことです。
     もう私が干渉することはないですしコロシアイをする必要もありません」メガネ

455 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/12(火) 00:12:48.15 ID:5lg+0gEH0

江ノ島「あ、ちなみに今の居住スペースだけでは狭いので学園と寄宿舎は全解放します。
     学園の上階には図書室、プール、娯楽室、植物園などお楽しみスペースが一杯あります」

朝日奈「プール?! プールがあるの?」

腐川「図書室?! な、なんで今まで隠してたのよ……!」

ドラえもん「そりゃ、あんまり居心地がいいと殺人なんて起こらないからだよ」

桑田「でもいくら居心地が良くたって、閉じ込められてんのはなぁ……グラウンドねえし」

不二咲「そうだよね。それだけじゃ、学園に残る決め手にはならないよね」

江ノ島「ま、順番に議論して行こうぜ! とりあえず最初のキーワードはこれだー!」


バッと江ノ島が手を挙げると、裁判場の全てのモニターに鉄板で塞がれた学園の窓が映る。


桑田「ハァ? 窓?」

大和田「窓がどうしたってんだ?」

腐川「あたし達を学校に閉じ込める忌ま忌ましい檻ね……」

朝日奈「本当、同じ閉じ込められるにしても外が見れたらなー」

不二咲「空が見えないって気が滅入るよね。時間の感覚が合ってるのかもわからないし……」

大神「だが、窓にこの学園の秘密があるようには到底思えぬが?」

苗木「僕もそう思うけど、何もないのに言わないと思うし何か秘密があるんじゃないかな」

霧切「同感よ。ここはその謎を解き明かすための場なのだから」

江ノ島「では各自感想を述べた所で、このキーワードについて議論してもらうわよ!」

456 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/12(火) 00:14:41.24 ID:5lg+0gEH0

山田「いや、議論と言われましても……」

葉隠「窓について語るってなんだ? みんなで窓の価値でも語ればいいのか?」

石丸「では僕から議案を提案するぞ! 窓を閉めているボルトについてだが、
    大きさと位置が不揃い過ぎるとは思わないかね?! 見た目が美しくない!」

セレス「心底どうでもいいですね」

腐川「あんたって本当空気が読めないわね!」

石丸「うぐぐ! だってあんなめちゃくちゃな締め方では見栄えが悪いではないかー!」

霧切「ねえ、確認するけどドラえもんとのび太君は答えを知っているの?」

ドラえもん「一応ね」

のび太「えーと、なんだっけ? たしか……」

ドラえもん「のび太くん! シッ!」

桑田「あー! 今言いそうだったのによ!」

葉隠「よっし! ここはのび太っちに集中砲火だべ!」

山田「なにがなんでも吐かせますぞ!」

のび太「あわわわわ! やめてよー!」

朝日奈「やめなよ! のび太がドラえもんに叱られたらかわいそうじゃん」

不二咲「どうしても教えられないの?」

ドラえもん「ごめん……自分達で気付くべきだから」

十神「フン、元より子供とロボットなどに頼るつもりはない」

大和田「でもよ、実際見当も付かないぜ?」

457 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/12(火) 00:21:04.17 ID:5lg+0gEH0

葉隠「ヒントくらいもらったってバチは当たんねえんじゃねえか?」

セレス「そうですわね。闇雲に話しても時間の無駄です」

ドラえもん「うーん、ヒントって言われてもなぁ」

のび太「答えならわかるけど、ヒント……」


どこまで情報を明かすべきか二人は思案する。


戦刃「盾子ちゃん、いくらなんでも窓だけだと難し過ぎるんじゃない?」

江ノ島「ま、毎日見てる訳だし気が付くならその時点でとっくに気が付くだろうしね。
     良いわよ、ヒントあげちゃう! ボルトの部分に注目しなさい」

苗木「ボルト?」

石丸「何度見ても酷いボルトだ。やはりここにヒントが……」

桑田「しつけーよ」

朝日奈「ちょっと黙っててくれない?」

江ノ島「いやーそれがねー、いつもは全力空回りストライクだけど今回に限っては
     そこまで見当違いの意見じゃないのよね、それ」

石丸「ほら! やはりボルトは整然と締めるべきなのだよ!」

腐川「え? 嘘でしょ? こいつの意見が正しいなんて」

山田「信じられませんなぁ」

十神「ボルトが規格も並びも揃っていないのは単に時間がなかったからだ。
    俺達を誘拐してから突貫工事をしているのだからな。当然だろう?」

大和田「あー、そうだよな。俺達が寝ている間に全部やったんだもんな」

458 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/12(火) 00:30:16.68 ID:5lg+0gEH0

セレス「黒幕がこの二人ということは、たった二人で全ての作業をしたということですか?」

葉隠「おー、そりゃお疲れさん。大変だったろうなぁ」

桑田「敵を労ってどーすんだよ!」

不二咲「でも、女の人二人であんなに重そうな鉄板を運べるかなぁ?」

舞園「ボルトもかなり大きいですしね」

ドラえもん「…………」

ドラえもん(うーん、なにかヒントを与えるべきなんだろうけどなにを言うべきか)ウーム


悩むドラえもんの横で、思わずのび太が口走った。


のび太「だって二人じゃないもん」

苗木「え?」

霧切「他にもまだ黒幕がいるということ?」

のび太「あ! いや、えっと……」

江ノ島「あんた達さあ、このボルトを見て他に気付くことない?」

大神「随分頑丈に締めているな。ここまでやる必要があったのか?」

葉隠「そりゃこのくらいやんないとオーガを閉じ込めるなんて出来ねえべ」

苗木「鉄格子じゃダメなのかな」

十神「外が見えない方が精神的に追い詰められコロシアイが起きやすくなる。考えればわかることだ」

山田「結局何が言いたいんですか?」

桑田「ぜんっぜんわかんねー!」

459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/12(火) 01:15:11.56 ID:PGlL6pKm0
超高校級なのに頭悪くね?
460 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/12(火) 01:57:34.23 ID:5lg+0gEH0

江ノ島「なにこのグダグダ会話……なんか飽きてきたわ。これ見てるヤツ等も絶対そう思ってるわよ」

霧切「! 見ている? 誰が?」

十神「おい、どういうことだ! やはりこれは見世物の企画ということか?」

江ノ島「それはまた後でやるから今はこっちに集中集中。ほら、最後のヒントよ!」

江ノ島「気付かなかった? この窓の鉄板、全部内側から塞がれてんのよ?
     ここまで言えば流石のあんたらでもわかんでしょ」

江ノ島「こんな最初の方でいちいち詰まらないでよねー」


  [ 内側から締められた窓 ]


腐川「内側から締められてるって、それがなんだって言うのよ!」

葉隠「単に【締めた後出てった】んだろ?」

不二咲「待って。【内側から全部締めたら外に出られなくなるよ】」

十神「出て行く必要などない。【俺達を閉じ込めた張本人はこの二人】なのだからな」

大神「だが【二人だけでこれだけの作業が出来る】だろうか?」

江ノ島「この華奢な体を見てよ。こんな重労働を【女二人で出来るワケない】じゃん!」

のび太「みんながんばって!」

ドラえもん「苗木くん、落ち着いて考えるんだ」

苗木(この中にヒントとなる言葉があるはず。それを見極めれば答えが出るんだ!)

461 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/12(火) 02:02:44.90 ID:5lg+0gEH0


【女二人で出来るワケない】 ドンッ! ====⇒ 【俺達を閉じ込めた張本人はこの二人】BREAK!!


苗木「それは違うよ!」

のび太「出たー! 苗木さんのそれは違うよだ!」

ドラえもん「本物が見られて感激だね!」

苗木「えっ?」

のび太「あ、こっちの話なのでお気になさらず」

ドラえもん「どうぞ議論を進めてください。どうぞどうぞ」

苗木「えっと、じゃあ続けるけど……」

石丸「苗木君! 何が違うのだ! しっかり主語を言わないと伝わらないぞ!」

舞園「黙って聞いてあげてください」

苗木「今の話を聞いてて思ったんだけど、やっぱりおかしいよ」

山田「何かおかしい所なんてありましたか?」

苗木「十神君、僕達を閉じ込めたのはこの二人で自分達ごと閉じ込めただけ。そう言ったよね?」

十神「そうだ。まさかこの俺に口答えするつもりか?」

苗木「でも考えて欲しい。女性二人でこれだけの鉄板やボルトを運んで締めるなんて不可能だよ」

腐川「そんなの、他に協力者がいただけでしょ! 白夜様に口答えなんて百年早いわ!」

霧切「どうなの? あなた達には協力者がいたのかしら」

江ノ島「確かに仲間、というか便利なパシリ達はいたけど
     この件にはノータッチよ。基本的にはセルフでやってまーす」

462 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/12(火) 02:11:27.74 ID:5lg+0gEH0

朝日奈「じゃあやっぱり二人でやったってことでしょ?」

セレス「ですがそれは不可能という話では?」

江ノ島「はいはーい! このテーマでの議論は以上となりまーす。
     謎を残しつつ次のテーマに行っちゃうわよ!」

苗木「そんな! まだ何もわかってないのに!」

大和田「おい、なんだったんだよ今までの議論は」

大神「何も解決していないが……」

霧切「――パズルのピースということね。一つだけでは全容が見えてこない」

十神「全て揃って組み合わせて初めて全容がわかるということだ。大人しく黙っておけ、愚民共」

大和田「チッ。悔しいが今回だけはテメェの言う通りみたいだぜ」

江ノ島「次のテーマはアレよ。持ってきたんでしょ、残姉」

戦刃「うん。これだね。図書室から取ってきたよ」

苗木「封筒?」

江ノ島「ジャジャン! 封筒の中には一枚の書類が入っています。これがその内容よ」


画面に書類の内容が映し出される。それと同時に生徒たちが大きくどよめいた。


舞園「希望ヶ峰学園……閉鎖のお知らせ?」

苗木「それに、何だこれ……? 聞いたことないぞ」


『人類史上最大最悪の絶望的事件……?』

463 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/12(火) 02:17:07.62 ID:5lg+0gEH0

遅れてすみません。
もうすぐ資格試験があるのでかなり忙しいです

>>459
原作と違って一階しか開放されておらず完全ノーヒントなのでまあ……
ヒントあってもいきなり答え出せる人はそういないかと
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 08:05:28.27 ID:G8bT0TbPO
乙!
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 09:30:30.79 ID:mwZQs+Y7O
無線技師かな
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/21(木) 20:23:22.80 ID:Pliir3Ha0
467 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/24(日) 21:19:34.86 ID:sZRa5lPR0

桑田「ハァー? なんだそれ?」

石丸「僕は毎日新聞を読んでいるが希望ヶ峰学園が閉鎖されたなどという話は聞いたことがないぞ!」

山田「そんな大事件ならネットニュースで大騒ぎになると思うのですが知りませんな」

朝日奈「私達、閉校する学校に入学しちゃったの?!」

大神「だが閉校がきまっている学園が新入生の募集などするのだろうか?」

不二咲「そうだよね。なんでだろう……」

十神「成程……こういうことだ。全ては俺達をおびき寄せるための罠だった。そうだろう?」

セレス「目論み通りまんまと罠に掛かってしまった訳ですわね、わたくし達」ギリィ

山田「折角憧れの希望ヶ峰学園からスカウトを受けたのに
    ヌカ喜びだったということですか?! ゆるさーん!!」

桑田「チクショー……こんな学校来なきゃ良かったぜ……」

舞園「そんな、嘘ですよね……」

石丸「努力が認められたと思ったのに……あんまりだ」

大和田「ケッ。暴走族をスカウトとか変だと思ったぜ……
     でもこれはもう答えが出たろ。さっさと次に行こうぜ」

腐川「そうね。悔しいけど時間の無駄だわ」

霧切「……本当にこれだけなの?」

468 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/24(日) 21:54:18.59 ID:sZRa5lPR0

ちょっと大幅に修正入ったので、投下し直します

469 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/24(日) 22:13:40.32 ID:sZRa5lPR0

桑田「ハァー? なんだそれ?」

石丸「僕は毎日新聞を読んでいるが希望ヶ峰学園が閉鎖されたなどという話は聞いたことがないぞ!」

山田「そんな大事件ならネットニュースで大騒ぎになると思うのですが知りませんな」

朝日奈「私達、閉校する学校に入学しちゃったの?!」

大神「だが閉校がきまっている学園が新入生の募集などするのだろうか?」

不二咲「そうだよね。なんでだろう……」

十神「フン、そんな書類は偽物だ」

苗木「偽物?」

十神「希望ヶ峰学園が閉校だと? そんな大事件がこの俺の耳に入らない訳がない」

大和田「まあ、あんだけ有名な学校だし、一大事件だよな」

舞園「でも、この場に偽物の書類を出して何の意味があるんですか?」

十神「俺もその意味について考えていたが……つまりこういうことだ。
    偽物なのはその書類だけではないということだろう」

セレス「どういうことです?」

十神「大事な新入生が一度にいなくなり、希望ヶ峰学園としては面目丸つぶれだ。
    本来なら、国家以上とも言われるその情報収集力を駆使して救助に来るはず」

山田「でも助けなんて来ないじゃないですか!」

桑田「もう何週間もここにいるんだぜ?」

470 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/24(日) 22:15:25.34 ID:sZRa5lPR0

十神「俺達が正規の新入生だったらな」

「えっ?!」

十神「全ては俺達をおびき寄せるための罠だった。そうだろう?
    入学許可証は偽物で、この書類はそれを暗に示している訳だ」

十神「だから助けが来なかった。つまりはそういうことだ」

セレス「目論み通りまんまと罠に掛かってしまった訳ですわね、わたくし達」ギリィ

山田「折角憧れの希望ヶ峰学園からスカウトを受けたのに
    ヌカ喜びだったということですか?! ゆるさーん!!」

桑田「チクショー……こんな学校来なきゃ良かったぜ……」

舞園「そんな、嘘ですよね……」

石丸「努力が認められたと思ったのに……あんまりだ」

大和田「ケッ。暴走族をスカウトとか変だと思ったぜ……
     でもこれはもう答えが出たろ。さっさと次に行こうぜ」

腐川「そうね。悔しいけど時間の無駄だわ」

霧切「……本当にこれだけなの?」

苗木「霧切さん?」

霧切「さっきはあからさまに謎を残したのに、
    この件はこんな簡単に説明がつくものなのかしら?」

471 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/06/24(日) 22:29:48.05 ID:sZRa5lPR0

霧切「それに『人類史上最大最悪の絶望的事件』……この単語が気になる」

十神「出鱈目だな。人類史上最大最悪の絶望的事件だと? そんなものがあれば
    十神家の情報網に引っ掛からない訳がない。大方その女が作った造語だろう」

セレス「人類史上とはまた大きく出たものですね」

腐川「センスのないネーミングよ! ギャルなんてどうせ頭空っぽなんでしょ」

江ノ島「……うぷぷ」

不二咲「でも、どうしてわざわざこんな回りくどいやり方をするのかな?」

大神「確かに不穏だな。何か裏の目的でもあるのだろうか」

葉隠「えーと、希望ヶ峰にスカウトされたのは間違いで、でもその書類も偽物で??」

十神「俺達を混乱させるのが目的と言った所か。そうだろう、江ノ島盾子?」

江ノ島「はい。雑魚眼鏡が見当違いの推理を披露したので次行きまーす」

十神「雑魚眼鏡だと……?!」

苗木「待って! やっぱり変だ。もう少し議論してみようよ」

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