エルフ「お腹すいた…」

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1 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/08(月) 23:33:33.38 ID:sq2IFn060
気分で投稿します

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1515422013
2 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/08(月) 23:36:32.79 ID:sq2IFn060
エルフ「もう3日もなにも食べてない…」

エルフ「人間がボクたちの村を襲って、村のみんなは奴隷にされちゃった…」グスン

エルフ「お母さんとお父さんはあなただけでも逃げなさいっておとりになって逃がしてくれたけど・・・」

エルフ「うう…寒いようお腹すいたよう……」トボトボ

エルフ「…もう……限界…」ドサッ



ーー
ーーー
ーーーー

料理人「ふう…晩御飯にするつもりの鹿追いかけてたら随分時間かかっちゃったな」

料理人「畑の野菜も収穫できる時期になってきたしそろそろ旅にでてもいいころかな」

料理人「鹿も捕まえられたし家に帰って早く調理しないとね。お腹すいちゃって仕方ないよ」

料理人「…ん?家の前になんか転がってるな」

エルフ「」グッタリ

料理人「かなり衰弱してるけど…このとがった耳は…エルフ族?」

料理人「こんなところで行き倒れられても困るしとりあえず中に入れますか」ヨッコラセ
3 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/08(月) 23:47:39.90 ID:sq2IFn060
SS初心者なのでお見苦しい点などがあればご指摘いただけると幸いです
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/08(月) 23:52:10.26 ID:MLtYTWnA0
指摘はないから、続きはよ!
5 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 00:01:00.42 ID:m8t794r10

ーー
ーーー
ーーーー

エルフ母『あなただけでも早く逃げるのよ!もうじきこの村は人間に支配されてしまうわ!』

エルフ『嫌だ!!お母さんとお父さんも一緒に逃げようよボク一人だけ逃げるなんて…』

エルフ父『…父さんと母さんは大丈夫だ。誰かが人間の足止めをしなければたとえ逃げたとしてもすぐに追いつかれてしまう』

エルフ『……でも』

ドンドン
兵士A『あとはこの家だけだ』

兵士B『観念しろ!お前たちにもう逃げ場はない!』

エルフ父『…さあ早く!裏口から逃げればまだ間に合う』

エルフ『…うう……』

エルフ母『絶対に生き延びるのよエルフ。そうすれば必ずまた会うチャンスがめぐってくるからね』

エルフ『…ごめんねお父さんお母さん!絶対に助けるからね!』ダッ

タッタッタッ

エルフ『…くそっ人間め…人間め!』ポロポロ

ーーーー
ーーー
ーー
6 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 00:24:50.37 ID:m8t794r10
エルフ「…はっ」パチッ

エルフ「……」

エルフ「夢か…」

エルフ(お母さんとお父さん無事かな…親や仲間を見捨てて自分だけ助かるなんて…ボク最低だな…)

エルフ「それにしてもここどこだろう…」

ガチャ

エルフ「!」ビクッ

料理人「おっ、目が覚めたみたいだね」

エルフ「…なっ!に…人間!?」

料理人「衰弱しきってて餓死寸前だったから目を覚ますか心配だったんだけど…よかったよかった」

エルフ「…ちっ…近寄るな!」

エルフ「…お…お前いったい誰なんだ…何者なんだ!なんでボクを助けたんだ!村を襲った奴らの仲間か!」

料理人「質問が多いなあ。それにしてもこれだけ元気ならとりあえず大丈夫かな」

エルフ「ガルルルルル…」
7 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 00:42:49.61 ID:m8t794r10
料理人「とりあえずこれ作ったから食べなよ。あの衰弱っぷりからしてなにも食べてないんだろう?」

エルフ「…断る!人間がなんの利益もなしに助けるなんてありえない!」

エルフ「どうせボクが油断したところを付込んで奴隷市場に売りに行くんだろ!やっぱりお前も兵士たちとグルだったのか!」

料理人「さっきから何の話をしているのかさっぱりわからないんだけど…。まあとにかく食べなよ不味くはないと思うけど」

エルフ「…どうせ睡眠薬か何か入ってるんだろ!ボクはだまされないぞ…!」


グウゥ

エルフ「」
8 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 00:56:11.20 ID:m8t794r10
料理人「…」

エルフ「…」

料理人「…」ニヤニヤ

エルフ「…くっ」///グウゥ

料理人「本当にいらないのかい」

エルフ「…いらないって言ってるだろう!人間の施しは受けない!」グウゥ

料理人「さっきからお腹なりっぱなしだけど」

エルフ「…う…うるさい!」///グウゥ

料理人「まあいいや。それじゃあこのスープここに置いとくから。食べ終わったら適当にその辺に置いてていいからね」

エルフ「ボクが食べる前提で言うな!絶対に食べないからな!」

料理人「はいはい。それじゃあお休み」


バタン


エルフ「…」 
9 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 01:23:33.81 ID:m8t794r10
グウゥ

エルフ「…」

エルフ(人生最後の食事がこんなスープ一杯だなんて…)

エルフ(ごめんねお母さんお父さんボク逃げきれなかったよ。奴隷市場でもまた会えたらいいね…)

エルフ(朝起きて目に映るのは奴隷商人の顔か、薄暗い牢獄の天井か…)

エルフ「…いただきます」ゴクッ

エルフ「!!」

エルフ(…な…なにこのスープ…ものすごくおいしい…)

エルフ(…お肉が入ってるのに全然くどくない…それどころか数日間なにも食べなかった胃でも問題なく飲めるように調理されてる)

エルフ(…それに入ってる香辛料や薬草で体がポカポカする…凍えた体が芯から温かくなっていくのがわかる…)

エルフ「…」ポロポロ
10 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 01:39:39.79 ID:m8t794r10
エルフ「…くそっくそっ」ガツガツ

エルフ「…うう」ポロポロ

エルフ「…なんで、なんで人生最後の食事がこんなにおいしいんだよ…」ポロポロ

エルフ「…ちくしょう!ちくしょう!ボクたちが何したっていうんだ!」

エルフ「ボクたちはただ平穏に過ごしたかっただけなのに…」グスッ


エルフ(結局全部食べちゃった)

エルフ(また食べたいなあ…でももう食べられないのか)

エルフ(人生最後の食事としては味気ないけどもうどうでもいいや)ウトウト

エルフ(お休みお母さんお父さん)スースー

料理人「…」
11 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 01:56:31.13 ID:m8t794r10
見てる方いらっしゃいましたらアドバイスや批評などいただけるとありがたいです
12 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 02:23:16.50 ID:m8t794r10
チュンチュン

エルフ「」スースー

エルフ「…ん…朝か…」

エルフ「…」

エルフ(どうやらまだ奴隷市場には連れていかれていないみたいだな)

エルフ(それにしても昨日のやつはいったい何だったんだろう…見ず知らずのボクを助けるなんて…たぶんボクがエルフ族だってことも知ってるだろうし…)

エルフ(本当はいいやつなのか…?)

エルフ(いや…そんなはずはない…人間にいいやつなんていない…心を許しちゃだめだ)
13 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 02:26:46.67 ID:m8t794r10

ガチャ

エルフ「!」ビクッ

料理人「おはよう。体の調子はどうだい?」

エルフ「…く…来るな!それ以上近づくな!」ガルルル

料理人「そんなに警戒しなくても取って食べたりなんてしないよ。エルフ族なんて筋がかたくておいしくなさそうだしね」

エルフ「…な…何を言って…」

料理人「それより昨日のスープはおいしかったかい?一応食べやすくしたつもりなんだけど…口に合わなかったらごめんよ」

エルフ「…ふ、ふん…大した味ではなかったな…」

料理人「それにしてはきれいに食べてくれてるけど」

エルフ「う…うるさい!残すと食材がかわいそうだったから仕方なく我慢して食べてやっただけだ!」

料理人「そうなんだ。大した味でもない料理を仕方なく我慢して完食してくれるなんて君はやさしいエルフ族だね」ニヤニヤ

エルフ「…くっ」///
14 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 02:46:42.91 ID:m8t794r10

エルフ(昨日からなんなんだこいつは…のらりくらりと…話のペースがつかめない…)

料理人「で、話を戻すけど体の調子はどうかな。どこか痛いところとかないかい?」

エルフ「…別にない」

料理人「そっか。とりあえず朝食持ってきたよ。お腹すいてるだろ?」

エルフ「…いらない…人間の施しは受けない」
15 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 02:50:17.26 ID:m8t794r10

グウゥ


エルフ「…くそっ」///

料理人「朝食ここに置いとくから。昨日の衰弱具合からしてまだ起き上がるのはつらいだろうから食べたらもう一眠りして起きておいで」

料理人「そのときにある程度体力が回復してれば色々話そう」

エルフ「…」

料理人「じゃあね。しっかり休むんだよ」

エルフ「…おい人間」

料理人「なんだい?」

エルフ「…ありがとう」ボソッ

料理人「どういたしまして」


バタン
16 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 03:11:38.18 ID:m8t794r10

エルフ「…とりあえず食べよう」

エルフ(そして体力が回復したらスキをみて逃げ出してやる。1日の宿と食事くらいでボクはだまされないぞ)

エルフ(…バケットと野菜スープ、サラダか…)

エルフ「…いただきます」

エルフ「…」モグモグ

エルフ「…おいしい…昨日のスープに負けないくらいに…」

エルフ「…サラダも生じゃなくてちゃんと火を通してある。多分胃に負担をかけないためだよねこれ…じゃないとこんな手間かけたりなんて…」


エルフ「…ごちそうさまでした」

エルフ「…寝よ」スースー
17 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 03:41:46.08 ID:m8t794r10


ーー
ーーー
ーーーー


トントントントン
グツグツコトコト
ジュウウウウ


幼エルフ『うーん…』ウトウト

母エルフ『あら、起きちゃった?もうすぐ晩御飯できるからね』

幼エルフ『すんすん…いいにおい…』トテトテ

母エルフ『今日はあなたの大好きなシチューと野菜ソテーだから楽しみに待っててね』

幼エルフ『おかーさんほんと!?やったー!』

父エルフ『なあ母さんや。たまにはがっつりしたものも食べたいんだが。主に肉とか』

母エルフ『あら、嫌なら食べなくてもいいんですよ。幼エルフと二人で食べますから』

父エルフ『喜んでいただきます』

幼エルフ『ボク、シチューもソテーもだいすきー!』


ーーーー
ーーー
ーー
18 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 03:43:45.93 ID:m8t794r10

エルフ「…ん」パチッ

エルフ「…なんで今頃あんなときの夢なんか…」

エルフ「…お母さん、お父さん」グスッ

エルフ「…起きよう。体力もかなり回復したし…逃げるのはあいつと色々話した後でも遅くないよね…」ムク


ガチャ
スタスタスタ


エルフ「どこにいるんだろう」キョロキョロ

エルフ「…ん?なにか聞こえるような…」


トントントントン
グツグツコトコト
ジュウウウウ


エルフ(え……?)
19 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 04:23:10.23 ID:m8t794r10

料理人「…」シュババババッ

エルフ(すごい手際だ…複数人分の料理を全部一人でこなしてる…しかも素人のボクでもわかるくらい一切の無駄がない)

エルフ(それにしてもなんだろう今の既視感…あいつの料理してる後ろ姿…)

料理人「…」シュババババッ

エルフ「…」ボーッ

料理人「ん?」

エルフ「!」ギクッ

料理人「おはよう、といってももう昼だけどね。見た感じだけどだいぶ体力が回復したみたいだね」

エルフ「…お…お前が寝ろって言ったんだろ…!普段はこんな寝ぼすけじゃない…!」

料理人「そうだったそうだった。もうすぐお昼ご飯ができるから顔と手を洗ってきてくれ。洗面所は君が寝てた寝室の隣だから」

エルフ「…わかった」
20 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 04:38:56.57 ID:m8t794r10

料理人「さあ食べようか」

エルフ(おいしそう…それにすごくいい香り)ゴクッ

料理人「いただきます」

エルフ「…い…いただきます」

料理人「あむっ」

エルフ「んっ…」モグッ

エルフ(ああ…)

エルフ(めちゃくちゃおいしい…)

エルフ「…」ガツガツ

料理人「夢中で食べてくれるのはうれしいけど、あんまりがっつくとむせるよ」

エルフ「!?」ゴホッゴホッ

料理人「言わんこっちゃない。料理は逃げないからもう少し落ち着いて食べなよ。はい水」つ

エルフ「…あ…ありがとう」ゴホッゴホッ
21 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 04:49:08.93 ID:m8t794r10

料理人「ふう、ごちそうさまでした」

エルフ「…ご…ごちそうさまでした」

料理人「お粗末さまでした。それにしても君小柄なのによく食べるね。結構量あって作りすぎちゃったと思ったんだけど」

エルフ「…残すと食材がもったいなかったから食べただけだ…」

エルフ(おいしすぎて残すのもったいなかったなんて言えない…)

料理人「残さず食べてくれるなんて料理人冥利に尽きるってもんだよ。昨日も思ったけど君は優しいね」

エルフ「…うるさい」プイ
22 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 05:08:09.11 ID:m8t794r10

料理人「じゃあ腹もふくれたところでそろそろ自己紹介といこうか。俺の名前は料理人。世界を旅している途中なんだ。君の名前は?」

エルフ「…ボクの名前はエルフだ…」

料理人「そっかエルフか…よろしく。早速質問で悪いんだけどだがなんで俺の家の前で倒れていたんだい?しかも極度の疲労と空腹で」

エルフ「…」

料理人「まあ言いたくないなら無理には聞かないよ」

エルフ「…!詮索しないのか…」

料理人「エルフはまだ俺のことを警戒しているみたいだし、そんな相手から無理やり聞き出そうなんて非紳士的なことはしないよ」

エルフ「…すまない」

料理人「気に病むことはないさ。あんな状態だったなら余程のことがあったんだろう?自分から話してくれるまで待つよ」

料理人「今度はそっちの番だ。俺に聞きたいことはないのかい?」
23 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 05:56:35.60 ID:m8t794r10

エルフ「…世界を旅していると言っていたが、なぜこんな山奥に居を構えているんだ?」

料理人「本当はこの山を超えてふもとの町の宿屋で冬を越す予定だったんだけど今年の冬は吹雪が激しいらしいからね。ふもとにたどり着く前に吹雪がきそうだったから即席の家と畑を作ってここで吹雪やり過ごすことにしたんだ」

料理人「もっとも、畑の野菜を収穫したら旅にでようかと考えてたんだけど、吹雪がやみそうにないからもう少し滞在することにしたけどね」

エルフ「…なんでボクを助けたんだ…」

料理人「は?」

エルフ「…っ!…だからっ…なんで瀕死状態のエルフ族に宿を貸して、食事まで与えたのかって聞いてるんだよ…!」

料理人「そりゃ困っている人がいたら助けるのが普通なんじゃないのかい?旅は道連れ世は情けっていうしね」

エルフ「…そんなっ…ありえない!人間はエルフ族を奴隷としか見てない…!」
24 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 06:00:18.98 ID:m8t794r10

料理人「人間もピンキリだからね。確かに善良な人間ばかりとは言えないなあ。その点エルフ族は例外なく仲間意識が強くて良い種族だよね」

エルフ「…」

エルフ(話を聞く限りこいつは悪いやつじゃないのかもしれない。嘘を言っているようにも見えない)

エルフ(どうせ失うはずだった命だ。こいつに救われたのは事実だし少し信じてみても…)

料理人「もう質問はないのかい?」

エルフ「…ああ」
25 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 06:03:07.98 ID:m8t794r10

料理人「よし、じゃあ話もひと段落ついたしそのボロボロの服着替えなよ。見てるこっちが寒くなってくるよ」

エルフ「…え?」

料理人「エルフが起きるまでに暇だったから服作っといたんだ。試しに着てみてよ」

エルフ「…えっ…ちょ…」

料理人「なに恥ずかしがってるんだ。男同士なんだから裸みられるくらい大丈夫だよ、ほら早く早く」

エルフ「…ちょ…やめ…きゃあああああ!」ドゴッ

料理人「ぐはっ」
26 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 06:05:24.75 ID:m8t794r10
エルフ「…」フーフー 

料理人「」チーン

エルフ「…ボクは女だ!」

料理人「…失礼しました」ピクピク

エルフ(人間なんてぜったい信じないぞ!)
27 : ◆rNqXlLipV. [sage saga]:2018/01/09(火) 06:12:46.35 ID:m8t794r10
とりあえずここまでです。
ノリと勢いで書いたssですが最後まで頑張りたいと思います。
見てる方いらっしゃいましたら、批評、批判、苦言、ダメ出し、なんでも結構ですのでコメしていただけるとありがたいです。
最後までよろしくお願いします。
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