【ガルパン】×【古畑任三郎】 最後の一皿

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36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 16:45:24.78 ID:PlGLTAbDO
まだ?
37 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/04(日) 23:14:14.61 ID:zxROgBIu0
再開
38 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/04(日) 23:25:33.40 ID:zxROgBIu0
ペパロニ「で、なんだよ話って」

古畑「いえ、たいしたことじゃないんですが。それよりなんで安斎さんが一緒におられるんですか?」

アンチョビ「ああ、みんなの店を回ってる途中でね、ついでにこいつの監督もね。古畑さんってあんなだから、
もしこいつが怒って刑事相手につかみ合いでも始めたら困ったことになるからな。こいつ気が短いから」

ペパロニ「信用ないなあ、今はもうそんなことないっすよ」

古畑「本当にたいしたことじゃないんですけどねえ」
39 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/04(日) 23:28:22.43 ID:zxROgBIu0
ペパロニ「それで、聞きたいことって何?」

古畑「カルボナーラ」

ペパロニ「えっ?」

古畑「いえ、ですからね、カルボナーラ」

アンチョビ「え…えーっと…」
40 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/04(日) 23:41:18.99 ID:zxROgBIu0
古畑「んー私、自炊生活が長くて料理作るのが半分趣味みたいになってるんですよ。で、パスタもしょっちゅう作るんですが、
カルボナーラだけは料理の本読みながらでもどうしても上手くいかなくって。いっつもスパゲッティに炒り卵がこびりついた
ようなのできちゃって。あれってどういうコツがあるんですかねえ?」

ペパロニ「なんだ、そんなこと聞きたかったのかよ」

アンチョビ「そいつはアレだな、火加減の問題だよ。イタリア料理や中華料理だとなんでも強火がいいって思ってる人もいるけど、
そうじゃないんだよなあ、長唄にもあるだろ?『火加減湯加減秘密の大事』ってね」

古畑「まああれは料理じゃなくて刀鍛冶のことを唄ってるんですけどねえ」

アンチョビ「まあ同じことだよ、火力と温度の調整が大切ってことはね」

ペパロニ「アンチョビ姐さん、博識だなあ」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/10(土) 09:39:10.74 ID:QDPsAAu30

再開良かった!
続きも楽しみ!!
42 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/12(月) 23:15:24.89 ID:LvqYSnF50
ペパロニ「それに、決め手はやっぱりあれだな、オリーブオイルはケチケチしない」

今泉「それってやっぱりあれ?速水もこみち?」

アンチョビ「あれはテレビの演出だよ。一般家庭で真似したらえらいことになるから」
43 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/12(月) 23:26:25.88 ID:LvqYSnF50
古畑「いやあ、本職を目指しておられるだけあって、本当に参考になります」

ペパロニ「そうか?だったらちょっと実演してみせようか。あたしの店そこだからさあ、刑事さんたち腹減ってるでしょ?」

古畑「いいんですか?いやあ、嬉しいなあ。厨房の中って見てみたかったんですよ」

アンチョビ「お…おい」

古畑「あれ?安斎さん何か?」

アンチョビ「いや、あんまり部外者に厨房に入られるのはちょっと…」

ペパロニ「アンチョビ姐さん、大丈夫ですって!」
44 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/12(月) 23:38:24.18 ID:LvqYSnF50
ペパロニ「イタリア料理や中華料理だと強火が一番って思われてるけど、卵みたいな硬さの加減が大事な食材や、
山菜みたいな香りが大事な食材では弱火から中火の間くらいの火加減から始めるのがいいな。それとさっきも言った
けど、オリーブオイルはケチケチしない。これだね」

古畑「いやあ、私みたいな素人とは手捌きが全然違いますねえ」

アンチョビ「そりゃそうだよ、プロ志望でそのためにがんばってるんだよこいつは」

今泉「古畑さん、よっぽど興味あるんですねえ、さっきから本当に熱心に見つめて」

古畑「んー、ちょっと黙ってて、いいところなんだから」

おでこペチっ
45 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/12(月) 23:43:56.87 ID:LvqYSnF50
古畑『えー、今回の一件はやはり単なる事故ではなく殺人事件、おそらくドゥーチェ・アンチョビこと
安斎千代美さんの仕業でしょう。決め手になったのはペパロニさんのあの言葉です、「オリーブオイルはケチケチしない」
続きは解決編で。古畑任三郎でした』



次回解決編に続く。
46 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/22(木) 17:27:35.50 ID:ruf3kO4U0
杏「いやー、あんなことがあったけどフェスは大成功だったねえ」

桃「ええ、これだけ出来ればウチもアンツィオもこの先大丈夫でしょう」

杏「そうだね、一安心だよ。小山、チョビ子たち見なかった?」

柚子「いえ、見ませんでしたが…」

杏「ちょっとみんなで探してくれない?あいつら、バカなこと考えなきゃいいんだけど…」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


古畑「安斎さん、こんな所にいらしたんですか、探しましたよ。後夜祭、出ないんですか?」

アンチョビ「うん、どうもそんな気になれなくてね」

古畑「ところで安斎さん、自供していただくわけにはいきませんか?今ならまだ私の力で自首ってことに出来ると思います」

アンチョビ「…」

47 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/22(木) 18:26:15.76 ID:ruf3kO4U0
アンチョビ「やっぱりプロの目はごまかせないなあ…。どこで気付いたんだ?」

古畑「ピンときたのはペパロニさんのあの言葉です、『オリーブオイルはケチケチしない』。何故オリーブオイルが
遺体に浴びせてあったかは置いとくとして、どこからやって来たのか?」
48 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/22(木) 18:51:45.46 ID:ruf3kO4U0
古畑「カルボナーラを作ってもらった時、ペパロニさんはオリーブオイルの新しいボトルを開けていました。
もし前日に古いボトルを使い切ってのなら、いくらケチケチしないといっても使い過ぎです。で、ちょっと
調べてみたんですが、注文された料理の総数と一つの料理に使われるオリーブオイルの量を合わせても、ボトル
一本を使い切ることはないんです。お祭りのために新しく出店したお店ですから使い古しのボトルを使ってた
ってこともないでしょうし」
49 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/22(木) 22:13:45.71 ID:ruf3kO4U0
古畑「現場にこぼれた分とボトルに残ってた分を合わせた量が、新品のボトルから前日に使った量を引いたものと
ほぼ一致しました。鑑識の桑原くんのお手柄です。辻さんはペパロニさんの店の厨房であなたに麺棒で撲殺された、
違いますか?」

アンチョビ「ちょっと待った、なんで麺棒で殴ったってわかるんだ?」

古畑「厨房を拝見した時、調理器具はどれもプロ仕様の上等なものでした。でも、麺棒だけはナイロン製の安物で
なおかつ真新しいものでした。それで、これも調べてみたんですが、あそこに置いてあった延ばし台とセットに
なってる麺棒は大理石で出来た本職用で、太さは例の鉄パイプと同じでした。偽装工作のためとはいえ、大事に
なさってたでしょう調理器具を処分するのはさぞ気が進まなかったでしょうねえ」

アンチョビ「細かいとこ見てるなあ、刑事やめてギャルソンか盛り付け職人やっても一流になれるよ」

古畑「ありがとうございます、退職したら考えてみますよ」
50 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/22(木) 22:25:47.40 ID:ruf3kO4U0
古畑「最初はペパロニさんの仕業だと思ってました。でも、ペパロニさん本人や現場に居合わせたであろうカルパッチョさん、
それに後から事態を察したであろう角谷さん、みなさんの態度でわかりました、やったのはあなたで、恐らくペパロニさんたち
を助けるためにやむをえないことだったって。安斎さん、あなた本当にみんなから愛されてるんですねえ、もしあなたがウチの
今泉くんみたいな人望の欠片もない嫌われ者だったとしたら、今でもペパロニさんを疑ってたでしょう」

アンチョビ「人望があるのも善し悪しだなあ…」
51 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/22(木) 22:39:50.19 ID:ruf3kO4U0
古畑「で、先程も言いましたが自供していただけませんか?お祭りが終わってから、ペパロニさんとカルパッチョさんが別々に出頭してきました。
お2人ともやったのは自分であなたは何も関係ないって泣きながら言い張ってるんです。西園寺くんたちが困ってますよ」

アンチョビ「あいつらもバカだなあ…、そんなの通るわけないだろ…。あいつらのためにも白状しなきゃならないか…」

古畑「ええ、お願いします」

アンチョビ「もみ合いになって、あいつを殴り倒したとき、調理台の上にあった下ごしらえ用のカップに入ったオリーブオイルがあいつの服に
かかったんだ。そのままにしといたら厨房で殺されたってすぐバレるだろうし、着替えさせようにも男物の服なんてなかったし、苦肉の策だったんだ」
52 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/22(木) 22:56:34.59 ID:ruf3kO4U0
古畑「まあ、情状酌量の余地は十分あると思いますよ。それに、あなただったら情状証人は大勢来てくれるでしょうし」

アンチョビ「ねえ古畑さん、もしかしてフェスが終わるまで待っててくれたの?」

古畑「いえいえ、買い被らないでください。証拠固めに手間取っただけですから」

アンチョビ「…ありがとね。ねえ、腹減ってない?よかったら何か作るよ」

古畑「いいんですか?じゃ、ご馳走になろうかな」

アンチョビ「よーし、心して味わえ!ドゥーチェの作る最後の一皿だ!おいしさの決め手は…」

古畑「オリーブオイルはケチケチしない、でしょ?」

アンチョビ「その通り!まずは中火で熱したフライパンに…」



                             終


53 : ◆jiNYtuUbgE [sage saga]:2018/03/22(木) 22:59:11.52 ID:ruf3kO4U0
次回はVSあんこうチームを予定してます。
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