【艦これ】 暁「暁の水平線へ」 前編

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:12:57.61 ID:+8+EpmM30

前々作 鳳翔『天龍型と提督の居酒屋での記録』

前作 鳳翔『空母達のだらだらとした居間談義』 


今度は暁の話です。上記の話とすこしだけつながっていますので、読んでいただければ幸いです。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1515690777
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:13:31.36 ID:+8+EpmM30


ガガガガ……………


『―――レ、アオ――――――ワレ、――――――』


    ザッ………ザザ…………ザザザザ…………

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:13:59.24 ID:+8+EpmM30

ザザザザザザ………………


『―――聞こえます――――――ワレ、アオ―――――――』


    ザザザザ…………ザザザ………………


『――――人類のみなさ―――――――どうか、この中継を―――――』


4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:14:25.26 ID:+8+EpmM30

ザザ……………………


『―――――――今は戦いを止めて、テレビをご覧くださ―――――――』


『―――――――全世界のみなさん、どうか彼女の行く末を見守って―――――』


『――――――戦いをやめ――――いまだけは、どうかこの中継を――――――』


5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:14:57.92 ID:+8+EpmM30

『―――――ワレ、アオバ。人類のみなさん、聞こえていますか?』


『―――――どうか今だけは、戦いの手を止めて、テレビをご覧ください』


『―――――彼女は今、人類の為に戦っています。どうか彼女を見守ってください』

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:15:27.01 ID:+8+EpmM30



『―――――見えるでしょうか。暁の水平線に立つ、ひとりの艦娘が―――――』



7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:15:53.11 ID:+8+EpmM30

…………………………………………
……………………………
………………………
…………………




8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:16:23.94 ID:+8+EpmM30

〜鎮守府 廊下〜


暁「はぁっ………!はぁっ………!」タタタタッ

暁「なんで起こしてくれないのよっ!あの二人はっ!」タタタタッ

蒼龍「でさーまた加賀さんがねー?…………あれ、暁?」

飛龍「会議じゃなかったっけ、間に合うのー?」

暁「間に合わない!もう遅刻っ!」タタタタッ

蒼龍「ありゃ」

暁「急ぐから!じゃあね!」タタタタッ

蒼龍「ばいばーい、でね?加賀さんったら、またわけわかんない話をー」

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:17:03.73 ID:+8+EpmM30

暁(このまま会議室まで全力で走っていけば、五分で着くはず!まだ間に合う!いや間に合ってないけど!)タタタタッ

電「わっ!」ドシン

暁「え!?あぁ!!」ドシン

電「痛いのです…………あっ、寝坊の暁なのです」

響「おはよう。よく眠れたかい」

暁「ちょっとぉ!あんた達ねぇ!なんで起こしてくれなかったの!」

10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:17:38.85 ID:+8+EpmM30

響「よだれまで垂らして安眠している子を、無理やり起こすなんて可哀想だったからさ」

暁「会議あるから起こしてって言ったでしょ!?」

響「いや、自分で起きなよ」

暁「朝は眠たいから起きれないのよぉっ!!」

響「そんなこと言われても」

11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:18:08.78 ID:+8+EpmM30

電「時間通りに起床するのも、自己管理の一環なのです」

暁「う…………」

響「自分の事は自分でしないと、私達は新兵じゃないんだよ」

暁「ぐぎ…………」

電「朝寝坊なんて、本物のレディが聞いたら鼻で笑っちゃうのです」フッ

暁「あああああーーー!!!むかつくぅぅーーー!!!!」

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:18:35.71 ID:+8+EpmM30

暁「ずっと一緒に戦ってきた仲間でしょ!?ちょっとくらい世話焼いてくれたっていいじゃない!!」

響「じゃ、次からそうするよ」

電「電たちはこれから朝ごはんに行くのです。じゃ」

暁「この薄情者!人でなし!不良!毒舌!」

電「はいはい」

響「急がなくていいのかい?大遅刻だろう?」

暁「あんたに言われなくてもわかってるわよ!!」

13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:19:09.45 ID:+8+EpmM30

暁「私も朝ごはんまだなのに…………」

響「電、今日の朝ごはんなんだろう」ニヤニヤ

電「たしか昨日のカレーの残りなのです」ニヤニヤ

響「それは楽しみだ」ニヤニヤ

電「楽しみなのです」ニヤニヤ

暁「腹立つ!!もう知らないっ!!腹でもこわせ!!」タタタタッ

響「じゃあね」

電「ファイトなのですー」

14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:19:45.64 ID:+8+EpmM30

〜鎮守府 会議室〜


天龍「そこで、俺達が迂回して挟み撃ちってのはどうだ」

北上「時間かかりすぎ。その間にうちらの主力がおじゃんだよ」

長門「足の速い艦娘に任せてみてはどうだ。彼女らならば突破できるだろう」

加賀「しかし突破後が心配です。まともに攻撃を喰らってしまえば轟沈も考えられます」

龍驤「あー、あかんわ、煮詰まってきた。ちょっち休憩せんか?」

提督「そうしよう。龍田、お茶を…………」

15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:20:29.78 ID:+8+EpmM30

バタン!


暁「だ、第六駆逐隊、暁!ただいまとうちゃく…………」

加賀「………」

長門「………」

天龍「おせえよ」

北上「あーあ」

暁「しました…………ごめんなさい…………」

16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:20:58.28 ID:+8+EpmM30

提督「…………暁」

暁「……………はい……」

提督「龍驤の隣に座ってくれ。五分後に会議を再開する」

提督「君の意見を聞きたい。頼むぞ」

暁「は、はい!」

提督「龍田、暁にもお茶を」

龍田「わかりました〜」

17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:21:26.46 ID:+8+EpmM30

暁「ふぅ…………」ガタッ

龍驤「暁ぃ〜遅刻はあかんで〜」

暁「すみません………」

加賀「だらしがないですよ。気を引き締めていただかないと」

暁「はい…………」

北上「また寝坊ぉ〜?あいかわらず朝弱いねぇ〜私もだけどさ〜」ケラケラ

天龍「ま、お前よかマシだろ。同室の大井の苦労がしれるぜ」

北上「いやぁ〜照れるねぇ〜」

長門「暁、ようかん食べるか」

暁「あっ、いいです」

長門「そうか………」

18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:22:06.89 ID:+8+EpmM30

提督「暁、以後気をつけるように」

暁「はい………気をつけます………」

加賀「まったくです。いいですか、暁。早起きは三文の徳といってですね………」

龍田「みなさ〜ん、お茶が入りましたよぉ〜」

天龍「おっ、サンキュー!」

龍驤「ながもん、ようかんいらんならウチにちょーだいな」

長門「お前にはやらん」

龍驤「なんでやっ!?」

加賀「……………」

龍田「?なんですか〜怖い目してますよ〜」

19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:22:34.97 ID:+8+EpmM30

天龍「そういや提督よ。あの話ってどういうことなんだ?」

暁「あの話?」

提督「D案件か」

天龍「そうそう、あの話はマジなのかよ」

提督「詳しい情報は開示されていない」

北上「提督って本部のお偉いさん方に嫌われてるもんね〜」

龍驤「ちゃんと尻尾振っとかんとなぁ〜、わんわん」

提督「本部が求めているのは愛玩犬であって、猟犬ではないらしい」

天龍「へっ、提督のジョークはつまんねえな」

20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:23:02.96 ID:+8+EpmM30

暁「ちょっと待ってよ。D案件って何なの?私知らない………」

加賀「Dはドロップの頭文字。深海棲艦は轟沈すると、艦娘として生まれ変わり、そのまた逆も然り、というただの噂です」

暁「えっ、それほんとなの!?」

加賀「いくつか目撃例があるようですが、まだ噂の域を出ません」

長門「驚いたな。そんな話があったのか」

龍驤「ウチも初めて聞いたわ。そんなん見た事あらへんもん」

21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:23:58.69 ID:+8+EpmM30

暁「も、もしそうだとしたら…………私達が倒してきた深海棲艦は……………」

龍驤「胸糞悪い話や、あっち!服にかかった!」

加賀「噂です。仮にそうだとしても、仕方のないこと」

加賀「敵に情けをかけると、こちらがやられてしまいます」

暁「そうだけど……………」

天龍「でもよ、ほら話つって一蹴するには、心当たりが多すぎねえか?」

加賀「どういうことですか」

22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:24:27.96 ID:+8+EpmM30

天龍「あいつらの外見だよ。艦娘に似てる奴を見た事ねえか?」

天龍「俺はある。そんとき北上もいたよな」

北上「あ〜ズイズイ姉妹に似てる奴らね。たしかにあの時はビビったねぇ」

天龍「そいつらだけじゃねえ。赤城やお前に似た奴も見た」

加賀「……私ですか」

天龍「ああ。他人の空似って言うには芸が細かかったぜ」

天龍「D案件ってのはあんがい本当の話かもな」

暁「……………」

23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:25:04.60 ID:+8+EpmM30

長門「提督はどう思われるのだ」

提督「現状では判断しづらい。情報が少なすぎる」

提督「だが、仮に本当の話だとすれば、生まれ変わりの原理を突き止めることが出来さえすれば、沈んでも再び艦娘として蘇ることができるかもしれないな」

龍驤「ついに不老不死の時代やな」

提督「事はそう上手くは進んでくれないだろうが」

提督「……そろそろ会議を再開しよう。みんな、もう一度初めから考え直してくれ」

天龍「マジかよぉ、こりゃ長引くぜ」

加賀「暁、駆逐艦としての意見を聞かせてもらいたいわ」

暁「そうですね、このポイントで敵と交戦した場合は―――――」

24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:25:39.30 ID:+8+EpmM30

……………

提督「今日はここまでにしよう。また明日、この時間に集まってくれ」

北上「うへぇ〜もうお昼過ぎてんじゃん」

長門「明日は那智とゴーヤを呼んでみてはどうだろうか。重巡と潜水艦の意見も欲しい」

提督「そうしよう。伝えておく。以上だ、各自仕事に戻ってくれ」

龍驤「とりあえず飯や飯、加賀さんおごって〜」ガタッ

加賀「お断りします」ガタッ

天龍「暁ぃ〜明日は寝坊すんなよぉ〜?」ガタッ

暁「し、しないったら!…………たぶん!」ガタッ

25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:26:23.54 ID:+8+EpmM30

提督「暁、君は残ってくれ」

暁「えっ……………」

北上「こりゃ説教だね〜」スタスタ

天龍「じゃ、頑張れよ〜」スタスタ

暁「………………」

26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:26:49.88 ID:+8+EpmM30

提督「暁」

暁「す」

提督「す?」

暁「すみませんでしたっ!!二度と遅刻しないので、お説教は程々にお願いしますっ!!」ガバッ

提督「はは、頭を下げる必要はないよ」

提督「説教の為に残した訳じゃない。君達、第六駆逐隊に頼みたいことがあるんだ」ゴソゴソ

龍田「提督〜?タバコなら外で吸ってきてよ〜?」

提督「一本だけだ、ダメか?」

龍田「………提督?」ニコッ

提督「ダメか。よそう」

27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:27:48.15 ID:+8+EpmM30

暁「私達に頼みって?」

提督「ああ、近々、大和型戦艦一番艦、大和が着任することになってな。すこしばかり面倒を見てもらいたいんだ」

暁「ああ、大和ですか…………やまとっ!?大和って、あの大和ですか!?」

提督「波動砲を撃たない方の大和だ」

暁「さ、最高クラスの艦娘じゃないですか!む、無理です!無理無理!」

提督「ダメか?君達の練度なら、大和の実力にも劣らないと思うのだが」

暁「あの………戦艦だからとか、そういう理由じゃなくて…………性格の問題なんです」

提督「大和は温和な性格だと聞いている。特に問題はなさそうだが」

暁「こっち側に問題があるんです…………とくに第六駆逐隊の、あのふたりが………」

28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:28:39.50 ID:+8+EpmM30

提督「電と響か?いい子たちじゃないか。よくやっている」

暁「あの二人の実力は認めますけど…………ひねまがりすぎなんです」

提督「まあ確かに、一般的な電、響の性格とはすこし変わっているな」

暁「大いに変わってますよ!電という艦娘が皮肉をぶっ放すことなんか無いでしょ!?普通なら、おどおどして健気で愛らしい艦娘なのに…………なんなんだウチの電は!!鬼か!!」

提督「まあ問題ないだろう」

暁「なんでそんなに楽観的なんですか!?ゆゆしき問題ですよ!どれだけ私が尋常じゃないストレスを奴らから受けているか………」

29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:29:19.34 ID:+8+EpmM30

提督「大丈夫だ。君達になら任せられる。長年、共に戦ってきた戦友としての判断だ」

暁「うぐ」

提督「うまく戦場を切り抜ける術を君達はよく知っている。それを教えてやってほしい」

暁「………わかりました」

提督「うむ、頼んだぞ、三尉殿」

暁「……そういう仕事をすぐ私に回す。やっぱり階級なんて上げるものじゃないわ……」

提督「気にするな。階級は関係なく仕事は与える」

暁「………まったく。暁三尉、失礼します」

30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:30:01.05 ID:+8+EpmM30

〜鎮守府 食堂〜


『やっぱりですねぇ、僕は問題あると思いますよ、艦娘。』

暁「………」モグモグ

『第一ねぇ、ちっさい女の子たちに武器を持たせても、ちゃんと戦えるかって話なんですよ』

電「響、何してるのです?」

『先日のねぇ、南アフリカ共和国に深海棲艦が攻撃してきた事件、あれ艦娘が出動してもどうにもならんかったでしょ?やっぱね、軍人は男じゃないとダメなんですよ』

響「スマホでネット」スッスッ

31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/12(金) 02:30:48.15 ID:+8+EpmM30

『でも松本さん。深海棲艦には艦娘じゃないと立ち向かえないって話ですよ』

『そこなんですよねぇ、うぅん』

暁「………」モグモグ

『あいつらに現代の兵器がまったく効かない訳じゃないんでしょ?だったらそっちをもっと使うべきやと思いますねぇ』

電「何見てるのです?」

『可哀想じゃないですか。艦娘の中には普通なら学校に通って遊んでる子だっているんでしょ?』

響「にちゃんねる」スッスッ

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