【ガルパン】優花里「不肖・秋山優花里の戦車模型講座!!」

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1 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/13(火) 23:45:10.27 ID:9M6p0PoZ0
このお話は、みんな大好き秋山殿が西住殿を巻き添えにして戦車プラモデルを作るというお話です。

キャラ崩壊についてはいつも通り。

のんべんだらりとダラダラ書くのもいつも通り。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1518533109
2 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/13(火) 23:47:06.62 ID:9M6p0PoZ0

テンテン テ テテッテテンテン

テンテッテテ テテンテ チーン

ポッピッポー ポポピッピップッペッヒョロロ...


優花里「戦車好きの皆さんこんにちは! 普通2科2年C組、秋山優花里ですっ!」

優花里「女子高生と言ったら戦車道! 戦車道といったら戦車!」

優花里「そして戦車といったら……そう! プラモデルですよねっ!」

優花里「…というわけで、今回は戦車のプラモデルを作ってみようと思いますっ!」

優花里「ですが、皆さんの中には『プラモデルなんて初めて…』っていう方もいらっしゃるかと思います」

優花里「でも大丈夫です! 私、秋山優花里と一緒に初めての戦車プラモデルを作っていきましょーう!!」ビシッ




みほ「…どうして優花里さんがここにいるのかな」


3 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/13(火) 23:49:29.75 ID:9M6p0PoZ0


優花里「これはこれは西住殿! 奇遇ですねっ!」

みほ「奇遇も何もここ私の部屋なんだけど…」

優花里「えへへ。お邪魔しちゃいましたー」

みほ「…おかしいよね。ちゃんとカギ閉めて出かけたはずなのに」

優花里「え?」

みほ「え?」

優花里「…」

みほ「…」

優花里「今から戦車プラモデルを作りますので、西住殿も是非!」

みほ「見事に話そらしたね…」

4 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/13(火) 23:51:08.19 ID:9M6p0PoZ0


優花里「まぁまぁ西住殿、気を取り直して一緒に戦車プラモデルを作りましょう!」

みほ「戦車プラモデル?」

優花里「西住殿はプラモデルってご存知ですか?」

みほ「えっと、プラスチックの部品を組み立てて車とか船とかロボット作る…趣味? だよね?」

優花里「はい! その通りですっ!」

みほ「私はやったことないけど、優花里さんの家にはいくつかあったよね?」

優花里「ええ! それはもう作るのが大好きなんですっ! どれくらい好きかというと、西住殿の次くらいに」

みほ「順位が色々おかしいと思うんだ」

5 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/13(火) 23:53:10.50 ID:9M6p0PoZ0


優花里「…さて、それではまず今回作る戦車プラモについてご紹介します!」

優花里「今回作る戦車は………」


まほ「ティーガーだ!」

ダージリン「チャーチルこそ、プラモデルで再現する価値のある戦車でしてよ」

ケイ「私はM4シャーマンがBESTだと思うなー☆」

西「様々な条件を鑑みましたが、ここはやはり"チハたん"こと九七式中戦車が良いかと…!」

アンチョビ「私はP40がいいと思うぞ! IV号戦車と似通ってるところがあるから親しみやすいハズだ」

カチューシャ「ミホーシャはそんなショボイ戦車つくんないわよ! カーベーたんこそピッタリなんだから!!」

ミカ「おや、冷蔵庫にマカロンとココアが入っているね? 私はこれにするよ」


ワイワイ ガヤガヤ

アーダコーダソーダドーラ

ドタバタバンバン


みほ「」アゼン

優花里「あはは…。プラモを作るって言ったらいつもの皆さんもついて来ちゃいました…」テヘヘ

6 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/13(火) 23:57:20.48 ID:9M6p0PoZ0


まほ「みほ!」

みほ「ふゃいっ!?」ビクッ

まほ「大洗の隊長であるお前に問おう。戦車の模型を作るとした場合、己が一度は乗ったことのある戦車、つまり"ティーガー"を選ぶのが妥当ではないだろうか?」

みほ「えっ…あ…う、うん…」

ケイ「ノンノン。過去に拘ってないで新しいことに挑戦すべきよ! 生産性が高くて、誰でも簡単に扱える"M4 シャーマン"だって負けちゃいないからねミホ!」

みほ「え、あ、はい…そ、そうですよね……?」


カチューシャ「ふん。バランス型なんて言ってみれば特徴ナシじゃない! 外観も性能も特徴が多いカーベーたんが一番よミホーシャっ!」

みほ「あ…あはは…」

ダージリン「投入数が限定される戦車道では数より質が物を言いますわ」

ダージリン「その点"チャーチル"は鎧のような重装甲。高い走破能力はサラブレッドの如く。同じ淑女としての志を持つみほさんにピッタリです」

みほ「た…確かに…」


アンチョビ「"P40"だって負けちゃいないぞ! どっかの誰かさんが壊したからプラモよりウチにあるやつを組み立てて欲しいくらいだ!」

みほ「…じ、自動車部の皆さんに頼んでみます…」

西「西住さん! 私もあなたも日本人。他国のではなく、国産戦車"九七式中戦車"を作るべきと提言致しますぞっ!」

みほ「う、うーん…ここにいる人は全員日本人だと思います…たぶん」

ミカ「おや、雪見だいふくもあるんだね。私にピッタリだからこれも頂くとするよ」モフモフ

みほ「人の家の冷蔵庫勝手に開けないで下さい」パタン


7 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/13(火) 23:59:04.49 ID:9M6p0PoZ0


優花里「見事に各校で意見がバラバラで全くまとまりがありません。よくこんな方々が集まって大学選抜チームに勝てたものだと今は不思議に思います」

みほ「今回はじめて優花里さんに同意できたよ…」ゲッソリ

優花里「…そんなことより、実を言うと作る戦車プラモはもう決まってるんですよね」

隊長たち「!!」

優花里「それではっ! 今回作る戦車プラモデルは…!」

各校隊長「…」ドキドキ



優花里「IV号対空戦車 メーベルワーゲン!」ドーン!!!



各校隊長「…」

優花里「………なーんて、冗談です♪ いわゆる秋山ジョークです。てへぺっ」

各校隊長「…」

優花里「…あ、あれぇ? 皆さんどうしちゃったんですかぁ!?」


8 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/14(水) 00:01:25.46 ID:3DSVv6g20


まほ「良い事を教えてやろう。相手が面白いと感じて初めて冗談は成立する。覚えておくと良い」

優花里「うぇぇぇぇ!? 今のそんなに面白くなかったですかぁ?!」ガーン

ケイ「うーん。今のオッドボールをBaseballで例えるならデッドボールかなぁ〜?」

優花里「な、なんですかその縁起の悪そうな名前は!!」

ダージリン「こんな格言を知ってる? "芸というものは、実と虚との皮膜(ひにく)の間にあるものなり"」

優花里「ち、近松門左衛門でしたっけ…?」

カチューシャ「シベリアが生暖かく感じちゃうほど寒かったわね今の」

優花里「そ、それはあんまりですよっ!」

西「あははははははは。良い冗句でしたぞ」

優花里「ありがとうございます西殿! ですが西殿が笑うと無茶苦茶怖いのは何故ですか!?」

アンチョビ「良いジョークだったぞ秋山。お礼に甘口抹茶小倉スパをご馳走してやろう」

優花里「なんですそのBC兵器みたいな料理は!」

ミカ「バウムクーヘンがあったよ。君も食べるかい?」

優花里「あ、いただきます」




優花里「…って皆さん? どうして無言でこっちに接近してくるのですか!?」

優花里「え? なに…? あ…ちょ、ちょっと…! う………うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」



みほ(髪の毛ワシャワシャし始めちゃったよ…)


9 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/14(水) 00:03:32.71 ID:3DSVv6g20


優花里「も、もうお嫁に行けません………」グスッ

みほ「みんな一通りワシャワシャしたら満足そうに帰ってっちゃったね。一体何しに来たんだろう」

みほ「優花里さんは優花里でワシャワシャされ過ぎてドクターマシリトみたいになっているし…」

優花里「もーっ! 戦車プラモを作るんですよ! 私の頭で遊ぶコーナーではありませんっ!!」プンスカ

みほ「コーナー関係なく、優花里さんの頭はモシャモシャするものだと思ってたよ」

優花里「意味がわかりません!!」



〜〜〜〜



優花里「…気を取り直して、まずは今回作る戦車プラモをご紹介します」

みほ「うん」

優花里「今回のキットは………!」



https://i.imgur.com/WBv8XSh.jpg

優花里「1/35スケール ドイツ重戦車 タイガーI 初期生産型! キミに決めたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ヒャッホーイ!!






みほ「もう深夜だから大きな声出したらダメだよ…」

優花里「…すみません」シュン
10 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/14(水) 00:08:43.46 ID:3DSVv6g20

ガチャ

まほ「それを選ぶとは流石だな。みほ」

みほ「選んだのは私じゃなく優花里さんだけどね。というかお姉ちゃんまだいたんだ…」

まほ「タイガーI(ティーガーI)は、多くの戦車乗りが知る、最も有名な戦車であることは言うまでもない」

優花里「はい! 私も戦車に興味を持ち始めた頃は戦車といって真っ先に浮かんだのがティーガーでした!」

まほ「8.8cm 高射砲と並行して開発された戦車砲『8.8cm KwK36』は連合軍のいかなる戦車の正面装甲をも貫き」

まほ「100mmの正面装甲は連合軍の主力戦車の攻撃を弾く。まさに最強の矛と盾を持つ王者と呼ぶに相応しい一輌と言えるだろう」

優花里「ティーガーは"エース"の存在も大きかったですよね。オットー・カリウス、ミハイル・ヴィットマン、ヨハネス・ベルター、クルト・クニスペル……」

まほ「ああ。単に性能が高いだけではない。優れた兵士がそれを扱うからこそ絶大な力を発揮し、その名を世界に轟かすことが出来た…!」

優花里「…という具合に有名すぎるティーガーIならみんなが知ってるわけですから、とっても作り甲斐があるわけなのです!」

11 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/14(水) 00:11:38.38 ID:3DSVv6g20


みほ「…でも、有名だからと言って、作るのが大変なものだと初心者には敷居が高いんじゃないかな?」

優花里「いい質問ですねぇ西住殿!」

みほ「も?」

優花里「このタミヤの『ドイツ重戦車 タイガーI 初期生産型』を選んだ理由はネームバリューだけではありません!」

優花里「それはズバリ! 初心者でも作りやすいという点にありますっ!!」

みほ「そうなんだ?」

優花里「はい! 戦車プラモのメーカーは数あれど、タミヤはプラモデルの王道というだけあって作りやすさに定評があるんです!」

優花里「パーツ数が抑えらていますし、金属パーツ(エッチングパーツ)のような小さすぎるパーツもそれほど多くありません」

優花里「また、履帯も履板を1コマ1コマ接着するものではなく、1本モノのベルト式です」

優花里「なので組み立て・装着がしやすいし、最後に装着出来るので、車体と転輪の奥まった部分の塗装がしやすい!」

優花里「そ し て 何 よ り!」


優花里「初期生産型なので、時期的に迷彩塗装が施される前!!」


優花里「つまり、ドイツ戦車を作る上で鬼門となるあの"迷彩塗装"を避けられるというわけです!」

みほ「ほうほう」

12 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/14(水) 00:13:45.14 ID:3DSVv6g20

優花里「迷彩については後述しますが、拘る人は『エアブラシ』という機材を使って塗装しています」

優花里「ですが、エアブラシ自体が高価なものですし、迷彩模様を描くにもそれなりにコツや知識が必要です」

優花里「そういったことから、迷彩塗装は初心者にはレベルの高い技法となってしまいます…」

みほ「優花里さんは迷彩塗装やったことあるのかな?」

優花里「えっ?」

みほ「迷彩塗装。優花里さんはやったことある?」

優花里「…」

みほ「…」

優花里「…」

優花里「それでは、まずプラモデルの組み立てで使う道具を用意しましょう!」

みほ(無いんだ…)


優花里(ちなみに、このタミヤの『ドイツ重戦車 タイガーI 初期生産型』は、西住殿の姉上殿が乗るティーガーIに最も近いというのも特徴の一つです)

優花里(姉上殿が乗る黒森峰の"ティーガーI 212号車"を再現したい場合は、別途で『モデルカステン』というメーカーの『MGデカール ガールズ&パンツァー デカールVol.5』を買うことで、砲塔番号や校章も再現できますっ!)

13 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/14(水) 00:15:29.17 ID:3DSVv6g20


みほ「待って優花里さん。プラモデルはやったことが無いから道具は持ってないよ…」

優花里「大丈夫ですよ西住殿。ちゃーんと持ってきましたからっ♪」ガサゴソ


・ニッパー
・プラモ用接着剤
・瞬間接着剤
・カッターナイフ
・紙やすり
・ピンセット


みほ「…あれ? 思ったより少ないね??」

優花里「まずは"組み立て"で使うツールだけですからね。組み立てに関してはたったこれだけでオッケーです」

優花里「もちろんカッターナイフやニッパーは家にあるものを代用してオッケーです」

優花里「瞬間接着剤は主に金属パーツを接着するために使います。これも金属用であればアロンアルファとかで大丈夫です!」

みほ「あれこれ買うとお金かかっちゃうもんね…」

優花里「仰る通りです。確かにプラモデル用のツール・アイテムはいっぱいありますし、それらがあると製作が捗ります」

優花里「でも、道具でお金や時間を費やすのは本末転倒ですので、身近なモノで代用できるなら積極的に代用しちゃいましょう!」

14 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/14(水) 00:20:30.42 ID:3DSVv6g20


優花里「さて、道具を揃えたのでさっそく…!」

みほ「優花里さん」

優花里「ん? どうされましたか西住殿?」

みほ「もう夜遅いから作るのは明日にしよ?」

優花里「ありゃ…話し込んじゃったせいでもうこんな時間ですね…」

みほ「あはは。楽しいことに夢中になると時間があっという間に過ぎちゃうもんね」

優花里「はい。まだ全然進んでませんがとっても楽しかったですっ!」

みほ「それで、今から一人でお家まで帰るのは心もとないから、良かったらうちに泊まっていく?」

優花里「ふぇ!? 良いんですかぁ?!」

みほ「うん。さすがにこんな時間に外に出るのは危ないし、特別にね?」

優花里「ありがとうございますぅ〜! 西住殿と一つ屋根の下で過ごせるなんて、不肖・秋山優花里、感無量でありますっ!」ヒャッホーイ!!

みほ「そんな大げさな…」アハハ



〜〜〜〜

15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/14(水) 00:43:52.30 ID:W+pXP3FDO
友人とはいえ不法侵入した人間を泊める西住殿は天使かな
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/14(水) 01:10:52.18 ID:Ul8ZwraSO
軍神だよ
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/14(水) 10:04:40.22 ID:SNr+QyQKO
あ〜これは躾られるな。
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/14(水) 12:05:26.13 ID:HrYIh1eoO
模型戦車道にハマってた時期に作ったけど面倒がってランナー丸ごと缶スプレーで塗装した後に組んだもんだから後になってパーツが取れまくったなぁ
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/14(水) 12:06:03.14 ID:HrYIh1eoO
sage忘れ申し訳ない
20 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/14(水) 23:14:32.57 ID:3DSVv6g20

【よくあさ】


チュンチュン


優花里「…ぁぁぁ………ダメですぅ…………いつみどのぉ………」ウーン...

優花里「……ふぁぁぁぁ………わたしは……えさじゃ………ぁ……ぇ………?」パチッ


みほ「ふぁふぁふぉん……おいひぃ…」モフモフ


優花里「」

みほ「……ンマァ………」ハムハム

優花里「…あ、あの、おはようございます…西住殿…?」

みほ「………んも?」パチッ

優花里「…」

みほ「…」



みほ「おぇ…」

優花里「人のほっぺ齧っといて"おぇ…"はあんまりですよ西住殿ぉ!!!」ウワーン!

21 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/14(水) 23:15:48.33 ID:3DSVv6g20

〜〜〜〜



優花里「…さて、気を取り直してティーガー作りますよティーガー!」

みほ「うん。まずはどこから作るの?」

優花里「セオリー通りに説明書の手順で作っていきます」

優花里「…ただ、場合によっては順番を前後したほうが組みやすかったり、転輪のように数が多いものから取り掛かると後が楽だったりします」

みほ「うんうん」

優花里「…まぁでも、そういうものはある程度慣れてからではないと見つけにくいので、今回は説明書通りで行きましょう!」

みほ「ちなみに優花里さんだったらどこから始めるの?」


優花里「主砲です」


みほ「え」

優花里(…理由は後述します)

22 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/14(水) 23:41:53.46 ID:3DSVv6g20


みほ「説明書によると、まずはドライブスプロケット(=起動輪)からだね。…でも…」

優花里「どうしました西住殿?」

みほ「起動輪が2種類あるけど…どっち使えばいいのかな?」

優花里「ふむふむ…起動輪は初期タイプと後期タイプとあるみたいですね」

優花里(ちなみにタイガー1型 後期生産型の説明書は http://www.1999.co.jp/image/10000282 で読むことができます)

みほ「でも今回のティーガーは"初期生産型"だよね? ということは初期の方を選べば良いのかな?」

優花里「そうですね。説明書にあるAタイプ(SS第101重戦車大隊)を作る場合は後期タイプですが、それ以外は初期タイプの起動輪を使います」

みほ「あはは…出だしでいきなり迷っちゃうね」


優花里「まぁまぁ西住殿。実物の戦車だって、同じ車種なのに製造時期や場所によって細かい部分の形状が異なるじゃないですか?」

みほ「うん。T-34とかM4A1あたりは生産された工場によって微妙に違ったりするし、IV号とかも生産時期によって仕様が違うもんね」

優花里「ええ。そういった実物戦車にみられる製造時期・場所の違いからなる差異をプラモデルでも再現してる場合があるんです」

優花里「それで、こういった"いずれかを選べ"という選択肢が説明書の中で出てきたりします」

優花里「それら選択肢のあるパーツの違いが何を意味するかを知っている人なら別に問題はありません」

優花里「…でも、そうでない人は説明書を参考にしたり、先人モデラーさんの作品を参考に選んでみるといいですよ!」

みほ「なるほど…」


23 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/15(木) 00:00:34.22 ID:+xL57+Om0


優花里「…あるいはカンで選んでみたり」


みほ「カン…」

優花里「たとえば、IV号のH型以降(特にJ型)は実物においても"あるものから使え"の精神で部品を選んで組んでたりします」

優花里「あるいは製造する工場によって部品の在庫事情も異なってきます」

優花里「そのため、"この時期のこの車種にはこのパーツが使われていた"というのが不明瞭な場合があるんですよね」

みほ「へぇー」

優花里「IV号戦車のJ型といえば、IV号シリーズの最終バリエーションで、その中でも1944年末頃からは部品の節約や工程の簡略化で上部支持輪が4つから3つに減らされたりします」

優花里「…ですが、そんな大戦末期に作られたJ型でも誘導輪は従来タイプを使うというゴッチャなものもあるんです」

優花里「なにせ大戦末期ですので部品の在庫が無かったり、連合軍の空襲で工場が爆破されたりとテンヤワンヤ状態です」

優花里「塗料を節約するために錆止め剤の上から迷彩を描いた戦車とかもあるくらいです…」

優花里「えまさに"あるもの・使えるものを使え"という状況でして、それはプラモ作りにも通じますよね、西住殿!」


テレビ『やーってやる やーってやる♪』

みほ「やーーーってやるぞぉ♪」


優花里「ちゃんと話聞いてくださいよぉぉぉ!!!!」ウワァァァァァン!!

24 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/15(木) 00:06:20.04 ID:+xL57+Om0

〜〜〜〜


優花里「…さて、それでは初期型の方の起動輪を組み立てます」

優花里「まずはニッパーで枠からパーツを切り離します」パチン

みほ「あ…少し切り残しが出ちゃった…」

優花里「大丈夫ですよ西住殿。この切り残しは"ゲート"と呼びますが、これは紙ヤスリで削ることで処理できます」ゴシゴシ

みほ「あ、本当だ」

優花里「ちなみに紙やすりなんですが、出来たら1000番、400番、180番…と言った具合に目の細かさ別に3種類ほど用意しておくと良いでしょう」

優花里「まず目の粗い180番(400番)で大まかに削り、1000番で仕上げるといった使い分けですね!」


優花里「整形が終わったら起動輪を組み立てます」

みほ「2つのパーツを組み合わせるだけだからここは簡単だね」

優花里「はい。パーツの内側に凹凸がありますので、そこに合わせましょう」

みほ「はーい」

優花里「ただし!」

みほ「」ビクッ

優花里「いきなり接着するのではなく、どのように噛み合うかを確認するため、まずは接着剤ナシで『仮組み』することを強く推奨します」

みほ「わ、わかった…」タジタジ


優花里「仮組みをしてパーツの位置関係がわかったら接着剤をつけます」

みほ「キャップにハケが付いてるんだ。なかなか便利だねー」

優花里「ええ。お手軽ですね。なのでビンのフチで接着剤の量を絞って、パーツの接着面につけます」ペタペタ

みほ「はーい」

優花里「ただし!!」

みほ「」ビクッ

優花里「付け過ぎは厳禁です! あくまで少量をつけましょう」

みほ「は、はい…」ビクビク

25 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/15(木) 00:09:53.49 ID:+xL57+Om0

みほ「確かにはみ出したらベタベタになっちゃうもんね…」

優花里「はい。プラモ用の接着剤はパーツの表面を溶かして硬化させることでパーツ同士がくっつく仕組みになってます」

優花里「そのためハミ出するとその部分がザラザラになって修正が大変です…」

優花里「なのでハミ出さないよう注意しつつ接着しましょう」

みほ「はーい」チョンチョン



優花里(ですが、その接着剤をあえて砲塔や車体にベタベタと塗って"圧延均質装甲板"の荒れた質感を再現しちゃう方もいらっしゃいます)

優花里(まさにモノは使いようですっ…!)グッ

26 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/15(木) 00:14:56.40 ID:+xL57+Om0


優花里「起動輪が出来上がったので次のステップに進みましょう!」

みほ「うん」

優花里「次はずばり! 最初の鬼門であるホイール(転輪)ですっ!」

みほ「鬼門?」

優花里「はい! 何と言っても転輪は数が多いので、多くのモデラーがここでHPをガリガリ削っていきます」

みほ「確かに転輪はたくさんあるもんね…」

優花里「ですから、出来るなら始めの方で転輪に取り掛かっておいたほうが後が楽です」


優花里(もっとも、転輪だけでなく、履帯も連結式タイプのものは片側80〜90コマを1つ1つ整形して組み立てないといけません)

優花里(もっというと履帯のピンまで再現したモデルカs………おっと。何でもありません)

27 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/15(木) 00:20:09.39 ID:+xL57+Om0


みほ「ティーガーは千鳥式配列だから転輪の数も多いよね…」

優花里「ええ。サスペンションを含めると相当なパーツ数になります。…それでは、まずはいつも通りパーツを枠から切り離します」

パチン パチン コロン..

みほ「あ…また切り残しが出ちゃった…」

優花里「こればかりは仕方ありません。ゲートを無くそうとツライチで切り離そうとするとパーツまで抉ってしまうので、ゲート少し残るくらいが無難です」

みほ「そうだよね。出っ張った部分はヤスリで削れば良いけど、ヘコんじゃったら直せないもんね」

優花里「そうなんですよねー。…なお、転輪のゲートをヤスリなどで処理するときは、ヤスリで転輪の外周を撫でるように"一方通行"で削ってください。」

みほ「ん? どうして?」

優花里「そうしないと一箇所だけ削れてしまい、丸い転輪がヘコんだような形になってしまうんです」

みほ「へぇー」

優花里「ですので、前後にゴシゴシ削るのではなく、シュッシュッシュッと一方通行で削ってやるとこの通り。転輪の形を保ったままゲートを処理が出来ちゃうんですっ!」

みほ「ほんとだ! …あれ?」

優花里「ん? どうされました西住殿?」

みほ「よく見ると転輪の外周に線みたいなのが入ってる…?」

28 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/15(木) 00:25:57.71 ID:+xL57+Om0

優花里「良いところに気が付きましたね西住殿!」

みほ「そ、そうかな…?」

優花里「この筋というのは"パーティングライン"と言いまして、プラモ工場がパーツを作るときに出来ちゃうものなんです」

みほ「?」

優花里「プラモデルはプラスチック、つまり"樹脂"ですよね?」

みほ「うん」

優花里「たい焼き機をイメージするとわかりやすいかと思いますが、プラモデルのパーツはドロドロの樹脂を凹凸になった型(金型)に流し込んで成形します」

優花里「この金型と金型を挟んだ時に出来る"隙間"にたまる樹脂がいわゆるパーティングラインです」

みほ「何となくわかったかも」

優花里「こういった製造時にどうしても出来てしまうラインは実物に無いものです。見つけたら除去しておきましょう」


みほ「どうやってぱんてぃら

優花里「パーティングラインですっ」

みほ「……パーティングラインをどうやって消すのかな」

優花里「方法は2つあります。まず一つは紙やすりで擦って消す方法」

優花里「そしてもう一つは、カッターナイフを垂直に当ててカンナがけの要領で、ラインをキュッキュッと撫でるように削ぎ落とす方法です」

みほ「ほうほう…」

優花里「後者のほうが手っ取り早いですから、私はいつもカッターでパーティングラインは除去しています」キュッキュッキュッ

みほ「あはは。まるでカツオ節みたいにパーツの削りかすが………って、優花里さん!?」

優花里「ふぇ? どうされましたか?」

みほ「カーペットの上が削りかすだらけ!!」

優花里「うわぁぁぁぁぁ新聞紙敷くの忘れてましたぁぁぁぁぁぁごめんなさぁぁぁぁぁい!!」

29 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/15(木) 00:37:18.66 ID:+xL57+Om0

〜〜〜〜〜〜


優花里(ふぅ…。ようやく削りカスを一掃できました…)

優花里(皆さんはこうならないように、プラモを作るときは床や机に新聞紙を敷いたり、すぐに捨てられる空き箱などの上でパーツをカットしたり整形して下さいね)

優花里「…ところで西住殿は?」


テレビ『コォ〜ンにぃ〜生まれたァ〜このぉ〜命ぃ〜♪』

みほ「わわわわー♪」


優花里「」ピッ

みほ「あ…ちょっと!」

優花里「組み立ての続き始めますよ西住殿」

みほ「む」


優花里「それでは次は…」

グゥゥゥゥ

優花里「…おっと、失礼しました////」

みほ「そういえば朝ご飯食べずにずーっとやってたもんね」アハハ

優花里「お恥ずかしい限りです///」テレテレ

みほ「とりあえず朝ご飯食べようよ」

優花里「えっ?! 私もご一緒して良いんですかぁ?!」

みほ「うん。せっかくだからね」

優花里「不肖・秋山優花里、お泊りだけでなく西住殿の手料理まで食べられるなんて我が生涯に一片の悔い無しでありますっ!!」ヒャッホォォォォイ!!



みほ「それじゃあコンビニ行こっか♪」ルンルン

優花里「………はい」

30 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/15(木) 00:58:32.40 ID:+xL57+Om0

【コンビニエンスストア】


みほ「あっ、新商品出てる…!」

みほ「こっちには季節限定商品もある!」

みほ「おおっ、向こうにはコンビニ限定ボコストラップ!!」キラキラ

みほ「はぅ〜全部お持ち帰りしたいなぁ〜」ホクホク

優花里「あはは。相変わらずコンビニがお好きですね西住殿は」

みほ「だってコンビニだよ? 24時間営業なんだよ?」

優花里「うーん…よくわかりませんが、何となくわかりました」


?「ほうほう…バレンタイン特集かぁ」


優花里「おや…?」

?「…ってバレンタインって聖グロの戦車の特集じゃない!!」ヤダモー

?「ん…聖グロのDと知波単のNの熱愛報道?! ちょっと何これ大スクープじゃない!!」ーモダヤ

?「なになに…? チャーチルのプラモデルを一緒に作ってるところを激写………」

?「めっちゃラブラブじゃない〜!!」

優花里(…なんか日刊戦車道立ち読みしながらクネクネしてる人がいらっしゃいますが、あれは…)


?「えぇぇ〜〜めっちゃラブラブじゃない〜〜超羨ましい〜〜〜」クネクネフリフリ

みほ「沙織さん…?」

沙織「ふぇ!?」

優花里「武部殿…」

沙織「ふぁっ?!」

みほ「…」

優花里「…」

沙織「…」


沙織「ノーノー。ワタシ、サオリ ジャナク、シャオリー ネ。 インドネシアカラ留学ネ。ニポンマジエエトコヤワー」


みほ「…」

優花里「…」

沙織「…」

みほ「帰ってプラモの続きやろっか…」

優花里「…そうですね」



沙織「うわぁぁぁぁあぁぁぁぁん!! みぽりん達に見られたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」



優花里(その後色々あって武部殿も合流し、リア充がどうのこうの言いながら朝食をご一緒しました)

優花里(で、プラモデルの話をしたら意外にも興味を持って頂けたので、そのまま武部殿も参戦しました)

31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/15(木) 09:39:45.49 ID:B6+fqS1mO
ちょっとD×Nについてkwsk
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/15(木) 23:42:39.28 ID:txdO4biyo
期待
33 :1スレでおさまるかな…  ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/17(土) 23:24:13.79 ID:1uPBCv9H0


みほ「ふぅ。お腹いっぱいになったね」

優花里「腹が減っては戦は出来ぬと言いますし、これでプラモ作りに専念できますね!」

沙織「お腹いっぱいになったのは良いんだけどね」

みほ「うん?」


ピュゥゥゥゥゥゥ


沙織「この寒い時期に公園でご飯食べるのはどうかと思うよみぽりん…」ガタガタ

みほ「そ、そうかな…?」ブルブル

優花里「たまに西住殿の感性に理解が追いつかない時があります…」

みほ「えぇ…見晴らしの良い公園でご飯食べたらきっと美味しいだろうって…」


ビュォォォォォォォォ!


沙織「これじゃ見晴らしどころか吹きさらしだよ!」

優花里「浜風が徐々に体温を奪ってきます」ブルブル



    Π Π
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


沙織「しかもココ皆であんこう踊りやった公園(※アンコウウォー参照)じゃん!!」ヤダモー

みほ「う、うん」

優花里(凍えながら朝食を取った後、西住殿のお部屋に戻りました)

34 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/17(土) 23:27:10.79 ID:1uPBCv9H0


【みほのいえ】


沙織「へー、ティーガー作ってるんだぁ」

みほ「うん。なかなか作り甲斐があるんだよ」

優花里「西住殿は途中何度もほっぽり出してテレビ見てたじゃないですか…」

みほ「え? そうだったっけ」ウフフ


沙織「組み立てはどこまで進んだの?」

優花里「転輪の整形が一通り終わったところですよー」

沙織「ということは、まだまだ始まったばかり?」

優花里「ええ。最初の鬼門を通過したばかりです」

沙織「き、鬼門…」アハハ


優花里「そんなわけで転輪の整形も終わりましたので、続きをやりましょう!」

みほ「これも2枚の転輪を貼り合わせるだけだよね?」

優花里「はい。ただ、交互に挟み込むこれら転輪は一見形が同じように見えても別物です」

優花里「なので、今回のようにいっぺんに切り離して整形した場合は、組み違いをしないよう仮組みしてから接着しましょう!」

沙織「はーい」


35 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/17(土) 23:33:38.64 ID:1uPBCv9H0


沙織「それにしても同じ形のパーツがたくさんあるね…」ゲッソリ

優花里「ティーガーは片側だけで24枚の転輪がついてますからねぇ…」

沙織「プラモデルだからまだいいけど、本物のティーガーだったら大変だよ」

優花里「ええ。奥の転輪でトラブルが発生したら周囲の転輪もいくつか外さないといけませんからそれはもう…」

みほ「そう考えるとIV号は転輪が軽いから整備がすごく楽だよ」

優花里「そういえば西住殿も昔はティーガー乗っておられましたもんね」

みほ「うん…。しかもティーガーはすぐ足回りの調子悪くなるからしょっちゅう修理していたから体中痛くて…」

優花里「重戦車の宿命です…」


沙織「それにしてもティーガーって下の方はこんな風になってるん

ポロッ

コロコロ…

沙織「あ゛っ!!?」

みほ「あ…転輪取れちゃった…」

沙織「ご、ごめんね!! みぽりん、ゆかりん!!」ドゲザッ

優花里「落ち着いて下さい武部殿。転輪はまだ接着しておりませんから大丈夫です」

沙織「えっ? ということはただはめ込んでいただけってこと…?!」

優花里「その通りです」

沙織「そ、そうなんだ…寿命が縮まったよ…」

36 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/17(土) 23:49:29.27 ID:1uPBCv9H0


みほ「でも接着しなくていいの?」

優花里「はい。この時点では接着はせずに仮組みのままにしておきます」

みほ「なんで?」

優花里「転輪を先に取り付けると、車体の奥の方や転輪の裏側の塗装がやりづらくなっちゃうんです」

沙織「なるほど…確かに下の方は転輪や履帯取り付けると塗りにくそう」

優花里「個人的にはパーツ全部取り付けてから塗装に入りたいんですけど、どうしても塗装を考慮すると順番が前後しちゃうんですよねぇ…」


みほ「ん? 履帯は"ベルト式"だから最後に装着出来て、車体と転輪の奥まった部分の塗装がしやすい、ってさっき言ってなかったっけ?」

優花里「ええ」

沙織「え? どっちなの??」

優花里「西住殿のおっしゃる通り、ベルト式履帯なので、先に車体や転輪を塗装して、その後から履帯を取り付けることが可能です」

沙織「だったら先に転輪つけちゃっても良いんじゃない?」

優花里「車体の奥や転輪は良いんですけど、転輪の外周にある"ゴム"の塗装が難しくなっちゃうんですよね」


沙織「ゴム………あ!」

優花里「はい。互いに転輪を挟み込むような配列になっている関係で、接着しちゃうと重なる部分のゴムが塗装しづらいんです」

みほ「確かにそう言われると、手前の転輪と重なる部分は塗れなさそう…」

優花里「もちろん接着した後からでも見える部分の塗装は出来ますし、"見えない部分は存在しない部分"として割り切ることはできます」

優花里「…でも、バラバラの状態で塗装した方が確実ですし何より楽なんです!」

沙織「なるほどね…」

37 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/18(日) 00:10:11.09 ID:MXA60qOw0


優花里「これが"ティーガー後期型"や"ティーガーII"系列とかでしたら転輪を先につけても良いんですけどねぇ」アハハ..

沙織「なんで?」

優花里「これらの車輌の転輪は"鋼製転輪"といって、外部にゴムが無いタイプの転輪なので、ゴム部分を塗る必要が無いんです」

沙織「鋼製転輪?」

優花里「大戦後期のドイツでは戦略物資であるゴムを節約するため、転輪の外周にゴムをつけるのではなく、ゴムを内蔵した転輪を使うようになったんです」

優花里「その結果、単純にゴムの節約になっただけでなく、転輪そのものの耐久性も向上しました!」

優花里「そのため、ティーガーIの後期型、ティーガーII、ヤークトティーガー、MAN社が生産したパンターG型の一部ではこの鋼製転輪を使用していたりします」

優花里「あとは"IV号駆逐戦車"の転輪のうち前2つが鋼製転輪になってるのも、パンター同等の砲を搭載してフロントヘビーになったために、ゴムの消耗を避けるための措置です」

優花里「あとは単純に生産が追いつかなくなったという末期戦車あるあるな理由とかもあります」

優花里「…というのが鋼製転輪です。これで武部殿もまた一つ戦車の知識が増えましたねっ!」


優花里「あれ? 武部殿??」


テレビ『本日のゲストはホシノ監督です』

テレビ『大新井はワシが育てた。明日のヤークトスワローズ戦はもらった』

テレビ『ワハハハハ!』


沙織「ホシノ監督って中日ドラゴンモデルズの監督じゃなかったっけ?」

みほ「それ昔の話だよ。今は軍神ティーガースだよ」

沙織「へぇ…」


優花里「(´;ω;`)ブワワッ」


沙織「ご、ごめんねゆかりん?! ちゃんと聞いてるから泣かないで…!」

優花里「どうぜわだじなんでぇぇぇぇぇ…」ズビビ

みほ「ゆかりさん泣かないで! ほーら! 期間限定の肢体切断ボコだよぉ〜」

沙織「なにそれ怖いよみぽりん! あたしが泣きそうだよ!!」



優花里(…ただ…ヒッグ……鋼製転輪でも…エグッ……摩擦による金属光沢を再現するために……ズビッ……外周をダークアイアンで…ゲホッ…塗装するモデラーさんはいます………ジュルルッ…)

38 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/18(日) 00:35:39.28 ID:MXA60qOw0
〜〜〜〜


沙織「ところで、その転輪を取り付けるパーツについての説明はナシ?」

優花里「そうですね。転輪の前に『サスペンション』を取り付けますが、これは割愛ちゃいます」

沙織「どうして?」

優花里「サスペンション自体はパーツを切り離して整形して接着するだけなので、特にコレといった説明は無いんですよね」エヘヘ

沙織「そうなんだ。まぁ最終的に転輪とかで隠れちゃうしねー」


優花里(…と、言いましたが、実はこのサスペンションも"一工夫"することで、リアルな車体を作ることができます)

優花里(本来ならサスペンションは車体側にある突起に合わせて接着しますが、その場合の角度だと転輪と車体に隙間が多く出来るのでやや軽い外観になってしまいます)

優花里(なので、あえて車体側の突起を切り落としてサスペンションの角度をを少しだけ水平寄りに接着することで車高を沈ませることが出来、より重量感を出すことが出来ます)



沙織「あっ、でもこの項目はサスペンション以外にも、車体の後ろに大きいパーツを取り付けるみたいだよ?」つ[説明書]


https://i.imgur.com/WtV10zJ.png


優花里「あ、それは"リアパネル"ですね」

沙織「うん」

優花里「確かにパネルを取り付けないと車体上部パーツが取り付けられませんし、今のうちにやっておきましょう」


優花里(なお、サスペンション以外にもここまでで最終減速機カバーとか色々パーツを取り付けますが、特に説明は不要だと思ったので割愛しちゃいました。えへへ)

優花里(皆さんならもう大丈夫ですよね?)

39 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/18(日) 00:38:29.52 ID:MXA60qOw0


みほ「まずは仮組みからだね。………あれ…?」

優花里「ん? どうされました西住殿?」

みほ「大きいパーツだから、普通に接着しようとすると車体に隙間ができちゃう…」

沙織「本物と違ってプラモデルだし、誤差とか出ちゃうから仕方ないんじゃない?」


優花里「ふふふ…」

沙織「え」

優花里「さすが西住殿です。目の付け所がシャープです!」

みほ「私はパナ

優花里「こういう時はまず仮組みします」

みほ「…うん」ムスッ


優花里「ポイントは車体パーツとリアパネルの間に隙間が出来ないように、気持ち抑えながらです!」

沙織「でも手を離すと隙間が…」

優花里「そ・こ・で、こいつを使うのです!」

40 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/18(日) 00:43:13.18 ID:MXA60qOw0


沙織「…セロテープ?」

優花里「はい! 『マスキングテープじゃねーのかよ!!』と心の叫びが聞こえてきそうですが、ここでは身近なもので代用します!」

優花里「もちろん気軽に貼って剥がせるマスキングテープの方が使い勝手が良いので、持ってるならそっち使った方が断然楽チンです」


優花里「…で、このセロテープを隙間が出ないように車体とリアパネルに"キツめに"貼り付けます」ペタッ ペタッ

優花里「これで隙間を無くした仮止め状態になります」

沙織「あれ? 接着はしないの?」

優花里「もちろん接着しますよ。…で・す・が、ここで秘密兵器を使っちゃいます」


みほ「秘密兵器?」

優花里「はい。『流し込み』タイプの接着剤ですっ!」

沙織「流し込み? 普通の用接着剤とどう違うの?」

優花里「通常のプラモ用接着剤はドロッとしています。これは接着力を強めるために中に樹脂が入っているからなんです」

沙織「うんうん」

優花里「一方で流し込み接着剤は液状でサラサラな接着剤です」

優花里「なので、この車体とパネルのような"隙間"にちょんとつけることで、すぅーっと接着剤が隙間を伝うように浸透していくんですよぉー!」

41 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/18(日) 00:59:30.05 ID:MXA60qOw0


チョン

スゥー....


沙織「おおおおおおっ!」

優花里「ね? 凄いでしょう?」

沙織「みぽりん今の見たぁ?! 本当にすぅーって隙間に浸透していったよ!!」ユサユサ

みほ「わっ! み、見たから見たから! おお落ち着いて沙織さ、うっぷ……」グラグラ

優花里「テープと流し込み接着剤があれば車体や砲塔などの大きなパーツも隙間を作らず接着出来ちゃうんです西住殿ぉ〜!」

みほ「ふぁぁ…しゅごい………」クラクラ


優花里(大きいパーツを隙間なく接着するのはもちろんですが、装甲の溶接跡や断面などを再現するディテールでも流し込み接着剤は活躍します)

優花里(予算に余裕があるなら通常の接着剤と一緒に持っておくと重宝しますよぉ!)


沙織「あれ…でも、説明書を見るとこのパネルにも色々パーツつけるみたいだけど先に取り付けちゃって大丈夫なのゆかりん?」

優花里「そうですね。リアパネルには排気管とか工具類、そして初期型の特徴でもあるエアクリーナーが後々とりつけられます」

沙織「うん」

優花里「でも、リアパネルは先に取り付けないと車体上部のパーツが取り付けられませんので、先に取り付けます」

沙織「あ…たしかに」

優花里「それに、リアパネルにパーツをコテコテ接着したあとに車体に取り付けようとすると、手で持つ部分が少なくなり、変なところを持てば最悪パーツがもげちゃいます…」

沙織「うっ…」


42 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/18(日) 01:43:03.46 ID:MXA60qOw0



優花里「ひとまずこれで転輪以外の車体下部が大まかに出来上がりました」

みほ「まだまだ戦車って感じはしないけど、それでもかなり組み立てが進んだ感じがするよね」

優花里「はい! プラモデルは小さな完成の繰り返しですっ! 少しずつ確実に完成させましょう!」

みほ「うん」


優花里「というわけで、次は車体上部の前面装甲板を作りましょう」

沙織「前面装甲板ってどのへんだっけ?」

優花里「冷泉殿が覗くクラッペ(視察窓)や武部殿が構える車載機銃がある場所です」

沙織「ああ、あそこね…って私や麻子がすんごいお世話になってる場所じゃない!」ヤダモー

みほ「あはは。前面装甲板が無かったら麻子さんも沙織さんも大変なことになってるよね」

沙織「怖いこと言わないでよみぽりん!」



優花里「では前面装甲板は通信手席側にある車載機銃を組み立てます」

沙織「あっ! これあたしがいつも使ってるやつだ!」


https://i.imgur.com/Ft2z6ch.png


優花里「車載機銃といえば、プラウダ戦の時に武部殿が機銃を撃ってフラッグ車の進行ルートを変えたのが勝利につながりましたよね!!」

みほ「え?」

沙織「え?」

優花里「…え??」


沙織「あの時撃ったのあたしじゃないよ?」

優花里「…あれ?」

みほ「撃ったのは華さんだよ?」

優花里「ありゃ…?」

華「僭越ながら、わたくしが致しました」

沙織「だよねぇ! さすがにあんなキレイな射線、華じゃないと無理だもん」

みほ「うん。それに主砲と同軸の機銃の方が角度的に良いかなと思って華さんに任せたのが正解だったね」

優花里「なぁーんだ、そうだったんですかぁ。あはははははっ」

沙織「もー、ゆかりんったら忘れちゃったの?」エヘヘ

優花里「お恥ずかしながら…」テレテレ







優花里「…って、五十鈴殿いつの間っ!!!?」

43 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/18(日) 01:58:21.55 ID:MXA60qOw0


みほ「」

沙織「」

華「あの…、先程からおりましたが…」

優花里「一応念のためお伺いしますが、五十鈴のおっしゃる"先程"とは…?」

華「優花里さんが"リアパネル"と仰った辺りでしょうか…」

みほ「」

沙織「」

優花里「」

華「?」


沙織「…みぽりん。腐っても女子高生なんだからちゃんと家の鍵閉めておかなきゃダメだよ…?

みほ「まだ腐ってないと思うけど、おかしいな…ちゃんとカギかけたはずなのに…」


優花里(きっとどこかに異次元空間か何かがあって、そこからいらっしゃったのでしょう。…もう深く考えないようにします)


華「ところで皆さんは一体、何をしておられるのでしょう?」ソワソワ

沙織「ティーガーIのプラモデルを作ってるんだ」

華「ぷらもでるとは?」

みほ「部品を組み立てて車や船や戦車といったものを作る趣味…かな? 今はティーガーIを皆で作ってるよ」

華「…確かに、箱を見るとティーガーIの写真が掲載されていますね?」

優花里「ときに五十鈴殿はこういうのは初めてでしょうか?」

華「ええ、お恥ずかしながら…」

優花里「ではでは、五十鈴殿も一緒にプラモデルを作りませんか?!」

華「え、わたくしで宜しいのですか?」

優花里「もちろんですっ!」

華「ありがとうございます」パァァァァ


優花里(ということで、五十鈴殿が仲間になりました)

優花里(手先が器用なので細かいパーツの取り付けで活躍してくれること間違いナシです)


44 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/20(火) 23:17:05.98 ID:ak6bXZXc0

〜〜〜


優花里「ということで、前面装甲板の車載機銃を作りますっ!」

み・沙・華「はーい!」

優花里「この車載機銃ですが、説明書には特に何も記載がされていませんが、機銃はグリグリ動くようになっているんです」

沙織「動く?」

優花里「はい! ゲームのコントローラーのスティックみたいにクリクリ動いてくれるんですっ!」

沙織「つまりあたしが使ってるやつと同じように可動するってこと?」

優花里「そうです! …ただ、説明書を見るとその旨の記載がなされておらず、何も考えずに接着しちゃうと角度が固定されちゃいます」


https://i.imgur.com/bgOh7u7.png


優花里「上の説明書でいう"A51"のパーツは接着せず、前面装甲板のパーツとその後ろに取り付ける"A50"とで挟み込むようにして装着します」

華「装甲板と機銃の受けとなる部品は接着して、中で円形の部品がグリグリ蠢くようにすれば良いのですね?」

優花里「その通りです!」


優花里(今回の車載機銃に限らず、プラモデルでは実物のような可動ギミックが再現されている場合があります)

優花里(戦車の砲身が上下に動く、ハッチが開閉できる、転輪が回る、サスペンションが動く…などなど)

優花里(そういったパーツは"接着しないで下さい"というマークがついている場合が多いので、仮組して何がどう動くのかをしっかりチェックしましょう!)

45 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/20(火) 23:27:00.83 ID:ak6bXZXc0



沙織「あはっ! 本物みたいにグリグリ動く〜♪」クリクリ

みほ「動かしすぎて折らないように注意してね」

沙織「わかってるよ♪ ところでみぽりん」

みほ「うん?」

沙織「あたしも機銃撃ってみたいから今度指示してよ♪」

みほ「え」

沙織「だって構えたことはあるのに撃ったこと一度もないんだもん」


優花里「あはは。通信手席の機銃は前方にいる兵士を狙うためのものですから、戦車道ではあまり使わないかと」

沙織「でもでも華は撃ったじゃん!!」

優花里「前回のプラウダ戦のような展開になればそういった機会はあるかもしれませんが、主砲の同軸機銃も本来は歩兵や非装甲車両といった柔目標を狙うためですし」

優花里「あるいは超大まかな弾道補正として使うといった用途ですね」

華「ですが、同軸機銃では弾着位置や距離による弾道低伸といった補正が利きませんので、やはり照準器を使う方が確実です」

みほ「機銃の弾と戦車砲弾とでは弾道が違うもんね」

華「はい」

沙織「ぶぅ!」プクー


優花里(ひとまずこれで前面装甲板は完成ですが、車載機銃の銃身は0.5ミリくらいのピンバイスで軽く穴を開けておくとソレっぽくなりますよ)
46 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/20(火) 23:30:59.54 ID:ak6bXZXc0


〜〜〜〜


優花里「次は車体の後ろに取り付けるエンジン点検用のハッチですね」

みほ「ハッチを開けるときに握るハンドルの部品が細長いから丁寧に扱わないと折れちゃいそう」

沙織「うん、パーツもすんごい細いから切り離すときにポキッといっちゃいそうだよコレ…」

優花里「そうなんですよね。…実を言うとハッチのハンドルは戦車プラモのパーツの中で一二を争うほど小さいパーツなんですよ」

沙織「うぇぇ…」

華「あの…」

優花里「どうされました五十鈴殿?」

華「その、細かいパーツ、私にやらせて頂けないでしょうか?」

優花里「良いですよ」

沙織「そうだよ! 華は手先が器用だしこういった小さいパーツは華に任せれば良いんだよ!」

優花里「五十鈴殿の精密さは大洗一ですからねぇ!」

華「ふふ、恐縮です。…では」


華「…」スッ

優花里「…」ゴクリ

華「では…いきます…!」

沙織「…」ドキドキ

華「………」





グゥゥゥゥゥ


華「すみません。お腹が空きました」

47 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/20(火) 23:35:59.20 ID:ak6bXZXc0

ガタンッ!!!!


華「…あれ? 皆さん???」

みほ「…そういえばもうお昼だね」ヒリヒリ

優花里「じ、時間が過ぎるのは早いです…」ズキズキ

沙織「華がこの時間まで我慢できたことが凄いと思うよ…」ジンジン

華「恐縮です」



優花里(…ということで、また作業を中断して私達はお昼ごはんを食べに行きます)

優花里(なかなか作業が進みませんがプラモデルは趣味なのです。ですので慌てずじっくり時間があるときにやると良いでしょう)

優花里(ああっ! 完成が待ち遠しいですっ…!)


みほ「ところで優花里さんはさっきから誰と話してるのかな?」

優花里「…受講者の皆さんです」

48 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/20(火) 23:47:02.42 ID:ak6bXZXc0


優花里「今更な話ではありますが、今日は冷泉殿がおりませんね?」

沙織「あー、麻子ならまだ寝てると思うよ。今日お休みだし」

華「たまの休日ですから、ゆっくり休んでもバチは当たりません」

みほ「そうだね。でも折角皆がこうやって集まってるから麻子さんにも声かけてみよう」

華「ええ。ちょうどお昼ごはん時ということもありますから、是非ご一緒にと」

沙織「そだね。この間みたいに布団剥いで無理やり連れてこなくっちゃ!」アハハ

みほ「それはちょっと可哀想だよ」アハハ

沙織「ところで今からどこに行くの?」

みほ「ファミレスだよ?」

優花里「…西住殿、自炊なされないのですか?」

みほ「あはは」

優花里(西住殿…意外にズボラだったりします…?)

沙織「まぁまぁ、そんなことより早くファミレス行こーよ! あたしもうお腹ペッコペコだよ」

みほ「そうだね」


ガチャ



麻子「」スヤァ....

4人「」

49 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/20(火) 23:54:15.42 ID:ak6bXZXc0


みほ「え…? え…???」

優花里「あ…ありのまま今起こったことを話します…!」

優花里「"皆とファミレスへ行こうと扉を開けたら玄関口で冷泉殿が寝ていた"」

優花里「な…何を言ってるのかわからないと思いますが、私も何が起きてるのかわかりません…」


沙織「ちょっと麻子ぉ!? アンタなんでみぽりんの家の前で寝てんのよ?!」ユサユサ

麻子「もが…」スピー

華「歩き疲れてしまったのでしょうか…?」

みほ「百万歩譲ってそうだとしても、せめてピンポンだけは押して欲しかったな…」


麻子「ぅぁ…? ここは…どこだ…??」

優花里「西住殿のお部屋の前ですよ冷泉殿」

麻子「…」

優花里「…」

麻子「…」


麻子「…おばぁ、若返った?」


優花里「何をどう間違えたらおばぁ殿と見間違えるんですかぁぁぁぁぁ!!」

50 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/21(水) 00:17:10.75 ID:Ipt9+bUs0


【CHINESE RESTAURANT オバァミヤン】


麻子「なるほど、プラモデルか…」モソモソ

優花里「はい! これがまた奥が深いのですよ冷泉殿ぉ!」

麻子「細かい作業が苦手だからそういうのとは無縁だな…」ペロペロ

優花里「手先を鍛える良い機会ですよっ!」

麻子「図工の授業で使った接着剤のニオイも好きではなかったな…」モチャモチャ

優花里「リモネン系の接着剤でしたらニオイはそこまでキツくありません!」

麻子「…あとは…工具とかの使い方もよくわからない」ゴクゴク

優花里「大丈夫です。みなさん初めてなのにあっという間にマスターしましたから!」

麻子「…それに…塗装も難しそうだ」ボリボリ

優花里「全体の塗装は缶スプレーを使うのでものすごく楽ですよ♪」


麻子「……秋山さん、何故そこまでして私にプラモデルを勧めたがる…?」

51 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/21(水) 00:28:10.12 ID:Ipt9+bUs0



優花里「それはもう! 皆さんがプラモの魅力を知って楽しんで頂いているのですから、冷泉殿だけ仲間外れには出来ませんっ!!」

麻子「その気持ちは嬉しいが…」

優花里「西住殿はプラモ始めてからというもの、神経が研ぎ澄まされて今なら聖グロにだって勝てちゃいそうです!」

みほ「さすがにそこまで

優花里「五十鈴殿は"プラモは花を生けるのに丁度いい"と申されました!」

華「確かにあの大きさでしたら生けるのにピッタリなサイズです」

優花里「武部殿はプラモを始めたら毎日モテ

麻子「それは絶対ない。断言する」

沙織「何でそこだけ断言すんのよっ!!」

麻子「長年の勘だ」

沙織「意味分かんないよ!!」


みほ「ところで、麻子さんはどうして家の前で寝てたのかな?」

麻子「ああ…西住さんに渡すものがあって家まで行ったけど、途中で眠くなってしまって…」

みほ「う、うん…大体そうだとは思ったけど、せめて家の中で寝て欲しかったかな…」

麻子「…それについては申し訳ないと思っている」

みほ「ちなみに、渡すものというのは…?」

麻子「中身はわからないが、宛名には"西住"とあった」

沙織「もしかしてラブレター!?」キャー

麻子「宛名を間違えるようなやつのラブレターなどヤギに食べさせてしまえ」

華「紙って美味しいのでしょうか?」

優花里「早まらないで下さい五十鈴殿」


みほ「…開けても大丈夫なのかな?」

華「仁侠映画などでは脅迫として手紙の中にカミソリや銃弾が入っているとお聞きしましたが…」

沙織「それニュースとかでも見かけるよね」

優花里「送っていただけるのでしたら50口径あるいは.338ラプアマグナムを希望します」

みほ「これから開けようとする時に怖いこと言わないでよ…」


ビリビリ


52 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/22(木) 21:37:53.76 ID:BcA9zWKH0


みほ「………なにこれ??」

沙織「銀色の網…?」

華「一体何に使うのでしょう?」

麻子「さっぱりわからん」


優花里「これエッチングパーツじゃないですかぁ!!」ガタッ


沙織「エッチなパーツぅ!? ゆ、ゆかりんったら!////」ヤダモー!

優花里「ち、ちがいますっ! エッチなんかじゃありません! エッチングパーツですっ!!」

みほ「二人ともあまり大きな声でエッチエッチ言わない方が…」


アノコタチ、エッチナンダッテ...

ネェノンナ エッチッテナーニ?

エッチ...ジンセイニヒツヨウナコトダネ...

ワイワイ ガヤガヤ


沙・優「うっ…//////」カァァァァ...

53 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/22(木) 21:42:33.45 ID:BcA9zWKH0

沙織「…それでそのエッチって何?」ボソボソ

優花里「ですからエッチではなくエッチングパーツです!!」ヒソヒソ

麻子「エッチング"パーツ"というのだから、プラモデルで使うものじゃないか?」

優花里「その通りです冷泉殿。この平ぺったい網はティーガーのエンジングリルに貼り付けるメッシュパーツです」

麻子「ふむ」

優花里「異物が混入しないように取り付ける金網ですが、これをプラモデルでも再現したしたものですね!」

華「ですが、これはプラスチックではなく、金属なのでは…?」

沙織「ホントだ」

麻子「金属とプラスチックとでは"モノ"が違ってこないか?」

優花里「そこなんですよ!」

沙織「そこ??」

54 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/22(木) 21:48:20.13 ID:BcA9zWKH0


優花里「エッチングパーツの最大の特徴は、プラスチックでは作れないほどの"極薄パーツ"を再現できるという点にあります!」

優花里「というのも、プラスチックはパーツの強度や整形技術の関係でどうしても薄く作るのに限界があります」

麻子「エッチングにだって薄さの限度はあるだろう?」

優花里「はい、もちろんエッチングパーツにも限界はありますが、それでもプラスチックよりもず〜っと薄く作ることが出来ちゃうんです!!」

麻子「そうなのか」

優花里「ですので、今回のエンジンメッシュや車載工具の金具や蝶ネジ、フェンダー、予備履帯のラック…などなど」

優花里「"薄さ"が求められる場所はこのエッチングパーツで再現するということですっ!!」

沙織「言われてみればこんなうっすいのをプラスチックで作ろうとしたらすぐに折れちゃうよね…」

優花里「エッチングパーツはアフターパーツとして別途で購入しますけど、海外メーカーのキットでは最初から付属していたりします。お得ですよね!」

55 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/22(木) 21:59:01.33 ID:BcA9zWKH0


沙織「組み立てる時はプラのパーツとは何か違ったりするの?」

優花里「薄いパーツなので、切り離しや整形ではプラパーツ以上に丁寧に扱う必要があるのと」

優花里「金属ですから接着には瞬間接着剤が必要です」

優花里「ついでに塗料のノリが悪いのでプライマー塗っておいたほうが良いですね」

沙織「なんだか難しそう…」

優花里「確かに、エッチングパーツはプラパーツよりもデリケートです。でも今回のは折り曲げたりする必要が無いので楽な方ですよ」

沙織「ならエッチングパーツも華に任せちゃおっと」

華「あの、出来ましたらもっとお手柔らかに…」


優花里(海外メーカーのエッチングパーツは削りカスと区別がつかないほど極小なものがあります。ボルトやリベットを再現したものとかですね)

優花里(あと小さいエッチングを折り曲げてワイヤーや工具類を固定する金具を作るのも精神修行のレベルです)

優花里(こんなものを自由自在に扱えるようになったらその時点でもう初心者の領域脱出してます)

56 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/22(木) 22:02:54.01 ID:BcA9zWKH0


優花里「ところで、先ほどから西住殿が静かですね…?」

沙織「そういえばそうd


みほ「」


沙織「ちょ、どうしちゃったのみぽりん! 死んだ魚の目しちゃって!?」

華「食べ物を喉に詰まらせてしまったのでしょうか?!」

沙織「華じゃないんだから!」

みほ「…その…ね…?」

沙織「うん…」

みほ「そのパーツと一緒に手紙が入ってたんだけど…」

沙織「うん?」


みほ「カミソリや銃弾の方がまだ良かったなぁ…って……」


沙織「」

華「一体どのような内容のお手紙でしょうか?」

みほ「はい……」つ[手紙]

優花里「西住殿がヤケになるほどですから差出人は大体想像できますが…」

沙織「どれどれ…」

57 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/22(木) 22:07:41.03 ID:BcA9zWKH0

/////////////////////////////////////////////////////

みほへ

戦車の模型を作っていると聞きました。それもティーガーIとのことですね

そんなあなたにとって大いに役に立つものを送りました。西住流の名に恥じぬものを作りなさい。

なお砲身は左右分割式です。貼り合わせた時に出来るスジが残らないようにすること。

またツィメリットコーティングはポリエステルパテを推奨しますが、再現する車輌の生産時期に注意しなさい。

その他、履帯のたるみを再現する場合は、ピアノ線を使う方法と転輪に接着する方法があるので、好きな方を選びなさい。

余談ですが、エナメル溶剤はパーツの接着を剥がすので、使い過ぎは厳禁です。


追伸:私はあなたをまだ認めたわけではありません。





                       母より


///////////////////////////////////////////////////



沙織「」

みほ「」

優花里「やっぱり………」

麻子「一つだけ確かなのは、西住さんのお母さんもプラモデルに没頭してるってことだな」

優花里「カミソリのような鋭い目をしてパーツ接着する姿が脳裏に浮かびます」アハハ


58 : ◆MY38Kbh4q6 [saga]:2018/02/22(木) 22:18:33.33 ID:BcA9zWKH0



みほ「おかしいよ…どうしてお母さんは私がプラモ作るって知ってるの……」オロオロ

沙織「女のカンってやつ?」

麻子「そこは母親のカンと言うべきだろ」

華「カンだけに監視されているのでしょうか?」

みほ「寄ってたかって怖いこと言わないでよ…」

優花里「でも泣く子も黙る西住流の家元が、ホビーショップで『これ下さい』ってエッチングパーツ買う姿想像したらちょっとだけシュールですよね」

沙織「その西住ママンがしかめっ面でプラモデル作る姿が既にシュールだよ…」

麻子「もっと言えばその"シュールな西住流家元"は、娘と間違えて私の家にコレを送って来た」

沙織「…もしかして、みぽりんのお母さんって天然だったりする?」

みほ「あれは天然どころか宇宙だよ……」

沙織「へぇ…」

華「ふふっ。この親にしてこの子ありという言葉もありますもんね」

みほ「どういう意味かな華さん」

59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/23(金) 10:55:35.87 ID:KVclZR4SO
宇宙ボコ
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