吉井明久「アマガミ?」

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29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/25(日) 10:51:29.26 ID:eE/y9k8KO

明久「妄想なんかじゃないよ!れっきとした推理だよ!!」

雄二「黙れ迷探偵。お前は本気であいつが猫に見えるのか?」ハァ

明久「え?じゃああの子は…」

雄二「あいつは七咲。俺達の1個下の後輩だ」

明久「え」ダラダラ

七咲「…」

雄二「悪かったな、七咲。こいつバカなんだ」

七咲「いえ…確かに驚きましたけど……」

七咲「あの、吉井先輩ですよね?」

明久「あ、あれ?僕のこと知ってるの…?」

七咲「はい。私達の1個上の先輩の中には輝日東高校歴代No.1のバカがいるって私達の学年で噂されてましたから…」

明久「き、輝日東高校歴代No.1…?」

七咲「はい。No.1です」クスッ

雄二「よかったな、明久。お前のバカは歴代No.1だと」

明久「こんな1番全然嬉しくないぃぃぃ!!!」

明久(こうして、僕のゼロから始まるというか、バカから始まるアマガミが始まった)

30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 15:26:59.34 ID:fbGBU9GW0
期待。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 16:03:01.01 ID:bjXmc33X0
スト子は勿論出るよな?
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:01:46.00 ID:ZQTaC9DzO

明久「ただいまー」ガチャッ

美也「おかえりー。何処行ってたの?」

明久「ちょっと雄二と晩ご飯を食べに行ってたんだ」

美也「むぅ…また雄二さんと出掛けてたの?」

明久「うん?そうだけど?」

美也「ねぇ、にぃに。にぃには彼女作らないの?」

明久「へ?急にどうしたの?」

美也「もう来月はクリスマスなんだよ?このままだと雄二さんと過ごすことになっちゃうよ?」

明久「それは嫌だなぁ……」

明久「でもね、美也。彼女は欲しいと思っても簡単に作れるものじゃないんだ…」ツー

美也「にぃに…まさかそこで泣いちゃうとは思ってなかったよ…」

33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 05:54:20.26 ID:lhALX7yf0
元々の主人公のノリが近いせいもあってか想像しやすいな
期待
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 11:36:29.28 ID:SgRkKZM2O
駄目ですよ、井上先生。
ここで、油売ってちゃ。
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/03(土) 21:35:06.72 ID:bCyClbEgO

明久「でも、今回は僕も頑張ってみようと思うんだ」

美也「頑張る?彼女のこと?」

明久「うん。クリスマスまでに、美也にも自信をもって自慢できるような彼女を作ってみせるよ」ニコッ

美也「…ふーん」

明久「美也?」

美也「何でもないよ!せいぜい頑張りなよ!バカにぃに!!」

明久「うん。ありがとう」

明久(美也を見てるとなんとなく、葉月ちゃんを思い出すな…)

明久(僕には姉さんしかいなかったから知らなかったけど、美也みたいな妹がいるっていうのもいいのかもしれない)

明久(時間はかかるかもしれないけど、美也とはもっと仲良くなりたいな)


36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/03(土) 21:37:26.20 ID:bCyClbEgO

〜通学路〜

翌日 朝


美也「……」ポー

明久「ふわぁ…」

雄二「朝から随分眠そうだな、お前ら」

美也「あ、雄二さん」

明久「おはよう、雄二。学校がある日の朝はいつだって眠いんだよね…」

雄二「そんな寝惚けた面で、お前の無謀な挑戦は成功するのか?」

明久「!」ギクッ

美也「確かに、実際にぃにを好きになってくれる女の人なんているのかな…」

明久「いるよ!……多分…日本の何処かには…」

美也「わざわざ日本中を探さないといけないんだね…」


37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/03(土) 21:40:47.02 ID:bCyClbEgO

雄二「心配するな美也。明久はこう見えて結構モテるんだぞ?」

美也「え!にぃにが!?」

明久「え!僕が!?」

雄二「ああ。俺が知ってる中で最低でも1人、確実に明久のことを好いてる奴がいる」フッ

明久「ほほほ、本当に!?」

美也「ど、どんな人なの!?」

雄二「品行方正で成績優秀な眼鏡の似合うカッコいい奴だ」

明久「へー!!すごい人なんだね。カッコいいってことはボーイッシュな人なのかな?」

美也「ボーイッシュな人…」

雄二「そうだ。まあ、ボーイッシュというかボーイそのものなんだが」

美也「」


38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/03(土) 21:42:53.94 ID:bCyClbEgO

明久「…ごめん雄二。ちょっとよく聞きとれなかったから、もう一度言ってくれない?」

雄二「お前のことを好きな奴は女ではなく男だ」

明久「……ごめん雄二。また耳の調子が…」

雄二「お前のことを好きな奴はSheではなくHeだ」

明久「ひぃぃぃ!!!」ガーン!!

雄二「安心しろ明久。そいつのお前を思う気持ちは本物だ」ポンッ

明久「違うっ!僕が安心できないのはそんな所じゃない……っ!!」

39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/03(土) 21:44:09.40 ID:bCyClbEgO

美也「…美也、努力するから」

明久「え?美也?…何の努力をするの?」

美也「にぃにがクリスマスに男の人を連れて来たとしても、それを認められるように努力するから…」グスッ

明久「美也!?君のにぃには絶対にそんなことしないから!!涙ながらにそんな決意を表明しないで!?」

40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/03(土) 21:44:58.19 ID:bCyClbEgO

雄二「さ、そろそろ学校に着くから悪ふざけは終わりにするぞ」

明久「待って!!本当に悪ふざけなんだよね!?」

雄二「…」サッ

明久「言って!?僕から目を反らさないで嘘だと言ってよ!!雄二ぃぃぃいいいい!!!」

41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 22:01:57.49 ID:3mSM9xvY0
久保くんはいるのか
それはそうとぐらんぶるアニメ化するな
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 21:05:37.81 ID:muWph9mBO

〜学校廊下〜


明久「全く、雄二の冗談は心臓に悪いよ…」

雄二「ま、冗談ってことにしておいてやるよ……っと」

明久「あ、絢辻さん。おはよう!」

絢辻「おはよう。吉井くん、坂本くん。朝から随分賑やかだったわね」クスッ

明久「あれ?僕達のこと見てたの?」

絢辻「校門前であれだけ騒いでたんだもの。自然に目に入ってくるわ」

雄二「だ、そうだ明久。次から少しは自重しろよ」

明久「雄二こそ、騒ぎすぎて近隣の人達の迷惑にならないようにね」

明久・雄二「「……っ!!」」ガッ

絢辻「こらこら、そうやってすぐ掴み合うんじゃありません」


43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/06(火) 21:11:59.93 ID:muWph9mBO

明久「ところで、絢辻さん。それ何を持ってるの?」

絢辻「これは先生から受け取った文化祭の資料よ」

雄二「また実行委員の仕事か?随分仕事熱心だな」

絢辻「文化祭は絶対成功させたいの。だから出来ることはしっかりやっておかないと」

明久「…雄二。実行委員って?」

雄二「絢辻は来月ある文化祭の実行委員長だ」

明久「へぇ…絢辻さんって凄いんだね」

絢辻「全然凄くないわ。文化祭実行委員として当たり前のことをやってるだけよ」

明久「……」

明久(絢辻さんは本当に凄いんだな)

明久(でも、絢辻さんだって大変なはずだよな…)

明久(僕にも何かできることはないだろうか?)


44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/06(火) 21:18:40.49 ID:muWph9mBO

明久「そうだ!僕に絢辻さんを手伝うことはできないかな?」

絢辻「え?」

明久「少しでも絢辻さんの負担を減らすことができればいいなって思ったんだけど…どうかな?」

絢辻「ありがとう。でも吉井くん……大丈夫?」

明久「僕なら大丈夫だよ!どうせ放課後は家に帰るだけだしね」

絢辻「……そう。なら何か吉井くんに頼みたいことがあったら、声を掛けさせてもらうわね」

明久「うん!待ってるよ!!」


45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/06(火) 21:22:48.52 ID:muWph9mBO

明久「絢辻さんっていい人だな…」 ジーン

雄二「そうだな。お前に気を遣ってくれるあたり、いい人だな」

明久「え?気を遣うって?」

雄二「明久。さっき絢辻はお前に大丈夫かと聞いていたろ?」

明久「うん。優しいよね」

雄二「あれはお前の都合について聞いてた訳じゃないと思うぞ?」

明久「へ?どういうこと?」

雄二「絢辻は、お前に実行委員の仕事ができるのか?って意味で大丈夫かと聞いたんだと思うぞ?」

明久「…ねぇ、雄二」

雄二「どうした?」

明久「……僕って本当にこのゲームの主人公なのかな…」

雄二「明久。廊下のど真ん中でさめざめと泣くのはよせ」


46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 21:05:00.47 ID:MT9/N79rO

森島「わお!見て見て響!男の子が廊下の真ん中で泣いてるわ!!」

雄二「っ!!」

塚原「よしなさい、はるか。きっと何か辛いことがあったのよ」

森島「ねぇねぇ!君はどうして泣いてるの?」

明久「……クラスメイトの優しさが痛くて…」グスッ

森島「ふーん?よくわかんないけど、これで涙を拭いて?」スッ

明久「…ありがとうございます」フキフキ

明久(いい匂いのするハンカチだ…)

明久(この綺麗な人は誰なんだろう…?)


47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/07(水) 21:06:49.02 ID:MT9/N79rO

雄二「…さ、もういいだろ?行くぞ明久」

森島「あ、坂本くんじゃない!おはよう!!」

雄二「……」チッ

森島「あ、ひどい!全く、相変わらず意地悪なんだから」

明久「雄二、知り合い?」

雄二「…ほら、早く行くぞ」スタスタ

明久「ちょ、ちょっと待ってよ!!」

48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/07(水) 21:10:39.55 ID:MT9/N79rO

〜自教室〜


明久「雄二が女の人にあんな態度をとるなんて…」

棚町「ま、あんなことあった相手なら、仕方ないんじゃない?」

明久「棚町さん。何か知ってるの?」

棚町「噂ぐらいはね」

明久「…詳しく教えてくれないかな」

棚町「…坂本は前に森島先輩に言い寄ったことがあるらしいんだけど、その時に全く相手にされなかったんだって」

明久「なんだ。告白に失敗しただけか。全く雄二も身の程を知らないみたいだね…」ヤレヤレ

棚町「でも、その時の坂本は相当必死だったみたいよ?何て言うか半狂乱だったって、それを見てた子が言ってたわ」

明久「……」

明久(あの雄二が…半狂乱……)

明久(何でそんなことになったんだろう…?)


49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/07(水) 21:13:41.53 ID:MT9/N79rO

〜学校廊下〜

昼休み


明久「うーん。雄二のせいで全く授業に集中できなかったよ…」テクテク

明久(まあどっちにしろ授業に集中なんてできないけどね)

七咲「あ」

明久「あ」

七咲「……」

明久「……」

明久(昨日僕は七咲に凄く失礼なことをしちゃったから、今会うのはヤバいかもしれない…)


@昨日の件で七咲は怒ってる

A廊下で二人きり

B死


明久「すいませんでしたぁぁあああ!!」

七咲「!?」ビクッ

明久「昨日は頭の悪いことを言ってしまってごめんなさい!!だから許して!!」

七咲「気にしてませんから!だから土下座はやめてください!!」

50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/07(水) 21:14:31.27 ID:MT9/N79rO

七咲「…そういえば、先輩って美也ちゃんのお兄さんですよね?」

明久「あれ?美也を知ってるの?」

七咲「はい。お友達ですから」

明久「そうだったんだ」

七咲「だから先輩のことも美也ちゃんから色々聞いてますよ?」

明久「…色々?」

七咲「はい。色々です」クスッ

明久「なんだろう…何故だか不安が拭えない…」


51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/07(水) 21:17:17.75 ID:MT9/N79rO

七咲「でも先輩と美也ちゃんって仲良いですよね」

明久「そうなのかな?」

七咲「わたしにも弟がいるんですけど、中々言うことを聞いてくれなくて…」

明久「へぇ、どんな感じなの?」

七咲「何て言うか…わたしの言うことは全然聞かないのに、わたしにベッタリなんです」

明久「あはは。でも僕は弟くんの気持ちが少しわかるかも」

七咲「気持ちですか?」

明久「うん。七咲ってなんだか落ち着いてるし大人っくてなんだか甘えたくなるというか…」

七咲「!」

明久「今だってそうだけど、一緒にいるとなんだか安心するんだ」

七咲「……」

明久「だから弟くんもつい七咲に甘えたくなっちゃうんじゃないかな?」

七咲「そ、そうですか。わかりました。ありがとう……ございますぅ……」プシュー

明久「七咲?」

七咲「すいません。もう失礼します…」タタタッ

明久「あ、行っちゃった」

明久(顔を赤くしてたし、怒らせちゃったかな)

明久(でも七咲の弟くんか。少し見てみたいな)


52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 21:31:14.28 ID:MT9/N79rO

〜自教室〜

放課後


明久「大変だよ!雄二!!」

雄二「どうした?ついに自分の頭の悪さを自覚したのか?」

明久「違うよ!森島先輩から貸してもらったハンカチが見当たらないんだ!!」

雄二「…んなもんどうだっていいだろ」

明久「どうでもよくないよ!僕はもう一度あの匂いを嗅ぎたいんだ!!」

雄二「そうか。じゃ、1人で精々頑張れよ」

明久「え、帰っちゃうの?手伝ってくれたりしないの?」

雄二「自分で無くしたものくらい自分で探せ。じゃあな」スタスタ

明久「…本当に行っちゃったよ…」

明久「うーん。何処かに落としちゃったのかな…」

明久「あれ?こんな所に何か落ちてるってハンカチじゃないか。これは…」


明久「手帳……かな?」

53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/08(木) 21:41:45.19 ID:7PlhHQ2fO

明久「いったい誰の手帳だろう?」

明久「名前は…書いてないみたいだ」

明久「……」

明久「……少しくらい中を見てもいいよね」ペラッ

明久「うわっ!凄い綺麗な字だ」

明久「うーん…きっとこの手帳を落とした人は今頃探してるはずだよね…」

明久「本当に誰の手帳なんだろう?」



絢辻「ねぇ、吉井くん」



54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/08(木) 21:44:13.98 ID:7PlhHQ2fO

明久「わっ!?ビックリした!!って絢辻さん?」ビクッ

絢辻「吉井くん、その手帳…」

明久「あ、もしかして絢辻さんの手帳?よかった。持ち主がわからなくて困ってたんだ」

絢辻「…もしかして、中身を見たりした?」

明久「え?まあ名前が書いてないか確認を…」

絢辻「ふーん…見たんだ。中身」

明久「っ!?」ゾクッ

明久(何だ!?この殺気は!?)

明久(…そうか!持ち主を調べるためとは言え、他人の手帳の中を見るなんて最低な行為じゃないか!)

明久(これじゃまた僕の印象が悪くなってしまう……っ!!)

明久(何とかしてごまかさないと……っ!!)

55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/08(木) 21:45:37.91 ID:7PlhHQ2fO

明久「ご、ごめん。絢辻さん。僕は決して中身を盗み見たわけじゃないんだ」

絢辻「じゃあ吉井くんは、手帳を開いて何をしていたの?」

明久「そ、それは…」

明久(まずい…何か……何か言わないと)

明久(何か使えそうな物……ハッ!?)

明久(あれは森島先輩のハンカチ!!あんな所に落ちてたなんて…)

『森島先輩のハンカチ…いい匂いだったな』

明久(っ!?これだっ!!)


56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/08(木) 21:47:24.82 ID:7PlhHQ2fO

明久「に、においだよ!」

絢辻「は?匂い?」

明久「そう…僕はこの手帳の匂いを嗅いでいたのさ!!」

絢辻「……」

明久(し、しまったぁぁぁ!!!これじゃただの変態だぁぁぁ……っ!!)

絢辻「…吉井くん」

明久「…はい」

絢辻「手帳の中身、見たのよね?」

明久「すいませんでしたぁぁぁぁ!!!!」

明久(僕はその日二度目の土下座をした)


57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/09(金) 11:58:24.57 ID:YxyTWH0NO
最高に面白い。
頑張ってください。
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/09(金) 11:59:06.70 ID:7kExMDrl0
明久ほどのバカを主人公にしてもそれほど違和感がないって、橘の兄貴もやっぱ相当バカやったんやなって…(涙)
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/10(土) 21:05:28.62 ID:inovaj4xO
アマガミを見てなくても面白いだと…
作者は天才か!?
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 21:52:57.47 ID:SzGTyq45O

絢辻「そっか。見ちゃったんだ」

明久「ご、ごめん…」

絢辻「知っちゃったんだ。私の秘密」スッ

明久「あ、絢辻さん?どうして僕のネクタイを掴んでるのかな…?」ダラダラ

絢辻「吉井くん。これからちょっと付き合ってくれないかしら?」

明久「えっと…今日はちょっと用事が……」

絢辻「付き合ってくれないかしら?」

明久「だから用事が…」

絢辻「付き合ってくれないかしら?」

明久「まずい…僕が行かないという選択肢が用意されていない…っ!!」

61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/11(日) 21:55:13.83 ID:SzGTyq45O

〜神社〜


明久「ねぇ、どうして僕は正座させられてるのかな…」

絢辻「え?今から大事な話をするんだから、当たり前でしょう?」キョトン

明久「当たり前なの!?僕が神社の境内で正座してる状況が当たり前なのっ!?」ガーン!!

絢辻「あ、もしかして寒かった?大丈夫?」

明久「違うよ絢辻さん!気にする所はそこじゃないよ!!」

絢辻「あぁ…なるほど。喉が渇いているのね?」

明久「ダメだ…っ!!話が全く噛み合わない…っ!!」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/11(日) 21:59:58.23 ID:SzGTyq45O

絢辻「さて、本題に入るわ。今日見たことは一切他言しないようにしなさい」

明久「今日見たことって……手帳の内容のこと?」

絢辻「手帳の内容もそうだけど、特に書きなぐった“あれ“については思い出しもしないこと」

明久「……書きなぐった“あれ“?」

絢辻「そうよ。“あれ”を見られたからには、あなたを野放しにしておくことはできないの」

明久「ちょっと待ってよ!書きなぐったアレって……何のこと?」

絢辻「だから見たんでしょ?後半のページに雑に書いた“あれ“のことよ」

明久「???」

絢辻「……待って。吉井くん、もしかして“あれ“を見てないの?」

明久「僕が見ちゃったのは最初の方のページだけだよ…?」

絢辻「え?」

明久「え?」

絢辻「……」

明久「……」

63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 22:03:56.68 ID:SzGTyq45O

明久「あ、絢辻さん?」

絢辻「ねぇ…吉井くん」

明久「な、何かな…?」

絢辻「金属バットってどこに行けば手に入るのかしら?」

明久「僕の頭をバットで殴ったとしても記憶は消えたりしないから!!お願いだからおもむろにバットを探しに行こうとしないで!?」


64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 08:40:21.33 ID:48/5KAG10
面白い
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 13:23:54.09 ID:+5ZxLTgPO
バカテスの親和性高すぎて違和感がない
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 21:13:53.15 ID:oWbCKja5O

絢辻「全く、見てないなら見てないで、もっと堂々としてなさいよ!!」

明久「ごめん……ってあれ?何で僕が謝ってるんだろう…」

絢辻「大体、何で手帳の匂いを嗅いでたなんておかしなこと言うのよ!?お陰で深読みしすぎちゃったじゃない!!」

明久「あれは何て言うか、つい反射的に言っちゃって…」

絢辻「反射的に出てきた言い訳があれだったわけ?本当に頭が悪いのね…」

明久「頭が悪いはいつもより更に傷つくからせめてバカだと言って!!」

67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/12(月) 21:16:49.44 ID:oWbCKja5O

絢辻「とにかく!あなたは今日見たこと聞いたことを絶対誰にも言わないこと!!いいわね!?」

明久「…もし僕が誰かに話したりしたらどうなるの?」

絢辻「吉井家を継ぐ人が美也ちゃんになります」

明久「殺る気!?僕を殺る気なの!?」ガーン!!

絢辻「約束してくれるわよね?」

明久「うぅ…わかったよ…」

絢辻「交渉成立ね」

明久「交渉した気が全くしないよ…」

絢辻「何か言った?」

明久「言ってません!!」

絢辻「そう。それじゃ…」

明久「?」

絢辻「このことは誰にも言いません。絢辻さんは裏表のない素敵な人です。はい、復唱!」


68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/12(月) 21:53:00.49 ID:oWbCKja5O

明久「……え?何?」

絢辻「相変わらず頭が悪いのね。一回で覚えなさい。このことは誰にも言いません。絢辻さんは裏表のない素敵な人です。はい、復唱」

明久「…このことは誰にも言いません。絢辻さんは裏表しかない素敵な人で僕の右腕が曲がっては行けない方向にぃぃいいいっ!!??」

絢辻「吉井くん。私悲しいわ。吉井家の長男がいなくなってしまうだなんて…」グググ

明久「絢辻さんは裏表のない素敵な人ですっ!!」

絢辻「はい。よく言えました」パッ

明久「ひどいよ絢辻さん…」

絢辻「吉井くんがふざけるからでしょ?」

明久「……」

明久(どうしよう…素で間違えたなんて言えない……)

絢辻「まあ、いいわ。それじゃ、吉井くん。明日からよろしくね?」スタスタ

明久「絢辻さん……」

明久(まさか教室に落ちてた手帳を拾うだけでこんなことになるなんて…)

明久(いったい明日からどうなるんだろう…?)


69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 21:55:59.30 ID:oWbCKja5O

〜自宅〜


明久「ただいま……」ガチャ

美也「…にぃにどうしたの?なんか疲れてるみたい」

明久「うん……それがさ…」プルルル

美也「にぃに、電話だよ?」

明久「はい、もしもし。どちら様ですか?」

絢辻『誰にも言わない約束…忘れてないわよね?』

明久「…ねぇ絢辻さん。どうして僕の番号を知ってるの?」

絢辻『忘れてないわよね?』

明久「……絢辻さんは裏表のない素敵な人です…」

絢辻『よろしい』ピッ

明久「……」

美也「電話終わった?それで、何かあったの?」

明久「なにも…っ!!!なかった……っ!!!!」

70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 22:48:28.97 ID:rvyqCs6TO
絢辻さんは裏表のない素敵な人です。
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/23(金) 12:44:02.22 ID:1UfEnBRIO

〜通学路〜

翌日 朝


明久「うーん…」

雄二「また朝から馬鹿そうな顔してどうしたんだ?」

美也「雄二さん。にぃには大体いつもこんな顔だよ?」

明久「失礼な!僕はいつだってクールで理知的な表情を浮かべてるじゃないか!!」

雄二「お前…よく理知的なんて言葉を知ってたな…」

明久「突っ込む所はそこなの!?」ガーン!!

72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 12:46:33.54 ID:1UfEnBRIO

雄二「で?昨日俺が帰った後にでも何かあったのか?」

美也「……」ジー

明久「えっと…………何もなかったかな…」

雄二「明久。パンチから始まる交渉術って知ってるか?」パキパキ

明久「…確かキックで繋ぐ交渉術もあったよね」

明久(絢辻さんとの約束があるから、雄二に昨日のことを話すわけにはいかない…)

明久(でも、雄二の意見も少し聞いてみたい気もするしな…)

明久(よし!こうなったら僕の巧みな話術で絢辻さんのことを隠しながら雄二の意見を聞こう…!!)


73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 12:50:48.45 ID:1UfEnBRIO

雄二「もう一度聞くぞ。何があったんだ?」

明久「…それがさ、事情があって詳しくは話せないんだけど、ちょっと脅迫されたみたいなんだ」

美也「脅迫!?」ガーン!!

雄二「なるほど。お前のテストの不正が遂にバレたのか」フム

美也「えっ!?にぃにテストで不正したのにあんな点数なの!?」

明久「違うよ!!僕がテストで不正なんてする訳ないじゃないかっ!!」

明久「あと美也!傷つくからそんな辛辣なこと言わないでっ!!」

雄二「そうだな。お前は不正しようにも方法がわからないよな。謝る。すまなかった」

明久「クソッ!!何か…凶器になりそうなものは何かないのか……っ!!」

74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 12:58:23.15 ID:1UfEnBRIO

美也「でも、何でにぃにが脅迫なんてされるの?」

雄二「女子更衣室でも覗いたのがバレたか?」

明久「ムッツリーニじゃあるまいし、そんなことしないよ」ダバダバ

美也「鼻血出しながら言われても説得力がないよ…」

絢辻「でも吉井くんが脅迫なんて本当にされるのかしら?」

明久「いや、僕も驚いたんだけど実際に脅迫されることもあるんだ……よ………」

美也「にぃに?」

明久「あの…えっと……あれ?……絢辻さん?」ダラダラ

絢辻「おはよう。吉井くん」ニコッ

明久「……いつから?」

雄二「お前がさっき何か考えてる間にはもう居たぞ?」

絢辻「随分面白そうな話をしてたみたいだから…気になって来ちゃったの……ふふっ」



75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 13:05:28.59 ID:1UfEnBRIO

明久「……」

雄二「……」パチパチ

明久「!」

明久(これは緊急用のアイコンタクト……!!)

雄二『絢辻が何か関係してるのか?』パチパチ

明久『絢辻さんは関係…ぉぉおおおお目がぁぁぁぁッ!!!」パチパグサッ

美也「うわっ!にぃにが急に目を押さえて叫び始めた!!」

絢辻「吉井くんどうしたの?大丈夫?心配だから保健室で診てもらいましょう?」

雄二「いや、今のはお前が……」

絢辻「それじゃ、坂本くんまた後でね」スタスタ

雄二「……」

美也「にぃに……」

明久「目がぁぁぁ!!目がぁぁあああ!!」


76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/23(金) 13:25:46.71 ID:EsrgGi2A0
明久は可愛くて好感のもてる良主人公
期待
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/23(金) 13:33:19.76 ID:lt8ZQlUq0
美波は、美波は出てくれないんですかっ…!
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/23(金) 20:45:44.08 ID:RgtRdWURO

〜空き教室〜


絢辻「全く…油断も隙もないわね…」

明久「…あれ?保健室に行くんじゃなかったの?」グスッ

絢辻「あれは、お喋りなあなたをあそこから連れ出すための方便よ」フン

明久「お喋りって…僕は昨日絢辻さんに言われた通り、手帳について言うつもりは全くないよ?」

絢辻「…まるでわかってないわね。いい?私はこの“私“を皆に知られるわけにはいかないの」

明久「この私って…?」

絢辻「絢辻詞は真面目な優等生。この事実を変えるわけにはいかないの」

明久「そっか。確かに平気で僕に暴言吐いたり、簡単に暴力を振るうような野蛮な面を皆に知られたりしたらまたしても僕の腕が曲がってはいけない方向にぃぃぃっ!!??」

絢辻「そういうこと。理解してもらえたかしら?」グググ

明久「わかった!!わかったから僕の腕を離してぇえええ!!」

79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 20:50:21.58 ID:RgtRdWURO

明久「ことあるごとに僕の腕を持っていこうとするのはやめてよ絢辻さん…」シクシク

絢辻「何故だかあなたって苛めたくなるのよね…何でかしら?」

明久「…そんなの僕にわかるわけないよね?」

絢辻「まあとにかく、あなたが私に害を与えることをしなければ私は何もしないわ……多分」

明久「…ねぇ、何で言い切ってくれないの…?」

絢辻「自信がないわ。あなたを苛めないと言う自信が…」

明久「怖いっ!!そんなことを面と向かって言われてるこの状況が凄く怖いっ!!」

80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 20:52:18.20 ID:RgtRdWURO

絢辻「まあ今度こそ本当によろしくね?」

明久「う、うん…」

絢辻「…何?何か言いたいことでもあるの?」

明久「いや…絢辻さんは何で真面目な優等生にこだわってるのかなって…」

絢辻「え?…何でって……別にいいじゃない。いけないことかしら?」

明久「全然ダメじゃないよ。でも今の絢辻だって全然悪くないと思うっていうか…」

絢辻「……どういうこと?」

明久「…確かに僕の知ってる絢辻さんは皆の知ってる絢辻さんとは違って少し攻撃的だけど…」

明久「…それでも充分魅力的だってこと」

絢辻「…あなたそんなこと言って恥ずかしくないの?」

明久「う……仕方ないじゃないか!本当にそう思ってるんだから!!」カァ

絢辻「……」

明久「うぅ…」


81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 12:03:41.79 ID:sp15RM0A0
ひとまず乙
楽しんでるよー
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 18:27:37.36 ID:4V4xHxBHO
すげぇ、作者相当読み込んでるな
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 18:26:47.01 ID:X5EHJ6LpO

絢辻「…そろそろ授業が始まる時間ね」

明久「…そうだね」

絢辻「…吉井くんは今日の放課後に何か予定はあるの?」

明久「へ?…まあ今日は特に何も予定はないけど…」

絢辻「そう。それじゃ放課後教室に残っててもらえるかしら」

明久「別に構わないけど…どうして?」

絢辻「あなた前に自分で言ったことを忘れたの?私を手伝ってくれるって言ったわよね?」

明久「そっか。文化祭の準備だね」

絢辻「そうよ。勝手に帰らないでね?」

明久「うん。わかったよ」


84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/25(日) 18:30:14.16 ID:X5EHJ6LpO

絢辻「あと、くれぐれも吉井くんだけが知ってる私の魅力を皆に洩らさないようにね?」

明久「……何のことかな?」

絢辻「…僕の知ってる絢辻さんは皆の知ってる絢辻さんとは違って少し攻撃的だけど…」

明久「やめてっ!!僕の恥ずかしい台詞を一言一句違わず復唱しようとしないで!!」

絢辻「どうして?私ちょっと嬉しかったんだけどなー」ニコニコ

明久「お願いだから僕がさっき言ったことは忘れて下さい!!」

絢辻「無理よ。私記憶力には自信があるの」

明久「うぅ…」

絢辻「もし放課後あなたが教室に居なかったら、今の台詞を坂本くんに教えちゃうかも…」

明久「何があろうと残ってます!!」

絢辻「よろしい。それじゃ、教室に戻りましょう」スタスタ

明久「……」




85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/25(日) 18:34:14.09 ID:X5EHJ6LpO

〜自教室〜


雄二「ようやく戻って来たか。結局絢辻と何があったんだ?」

明久「ごめん雄二…僕があんまり口を滑らせちゃうと、僕は雄二を始末しなければいけなくなるんだ…」

雄二「本当に何があったんだっ!?」ガーン!!

明久「それに、僕が絢辻さんの手伝いをするってだから何も問題はないよ」

雄二「…本当か?」

明久「うん。ありがとう雄二」

雄二「フム、少しは面白いことになってるんだと思ってたんだが…残念だな…」

明久「こいつ…今すぐにでも始末してしまおうか…?」

86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/27(火) 23:20:11.47 ID:3GgZwAJA0
まだかな
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 17:10:32.36 ID:8mMtThyvO

雄二「ま、これを機に絢辻と仲を深めてみたらいいんじゃないか?」

明久「え?僕が絢辻さんと?」

明久(確かに文化祭の準備を手伝っていけば、絢辻さんとの距離を縮めることができるかもしれないな…)

ホワンホワンホワーン

絢辻『最近吉井くんといる時間が多いわね…』

明久『あはは…確かにそうだね。それじゃこのままクリスマスも一緒に過ごすっていうのはどうかな?』キラーン

絢辻『ふふふっ。吉井くん、あなたいつから冗談を言えるようになったの?口を動かすんじゃなくて、手を動かしなさい。ひっぱたくわよ?』

ホワンホワンワホーン


88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/31(土) 17:14:26.36 ID:8mMtThyvO

明久「まずいよ雄二。僕がこれからどんなに頑張っても僕は絢辻さんに叩かれる運命みたいだ…」

雄二「確かにまずいな。まさかお前がいつの間にかそっちの道に目覚めてるとは…」

明久「違うよ雄二!僕は別に叩かれるのが嬉しいとかそういう趣味を持った覚えはないよ!!」

雄二「無理をするな明久。誰しも人に言えないことの一つや二つあるものさ…」ポンッ

明久「だから誤解だぁぁぁあああ!!!」

89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/31(土) 17:16:04.51 ID:8mMtThyvO

〜自教室〜

昼休み


明久「ふぅ……やっと昼休みだよ」

雄二「昼飯はどうする?売店にでも行くか?」

明久「ごめん雄二。今月はもうお金が無いから、しばらくの間は水で凌がないといけないんだ」

棚町「あんた…とんでもないことをさらっと言うわね…」

明久「心配しなくても大丈夫だよ棚町さん。家でちゃんと塩分は摂取するからさ」

棚町「ごめん…私には何が大丈夫なのかさっぱりわからないわ…」


90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/31(土) 17:18:04.56 ID:8mMtThyvO

美也「にぃに!」

七咲「こんにちわ」

明久「あれ?美也と七咲がどうしてここに?」

美也「にぃにがお弁当を忘れてたみたいだから、届けにきてあげたんだよ!」

明久「え!お弁当!?僕に!?」

美也「だってにぃに…ほっとくと水と塩しか食べないんだもん」

明久「それは…まあ否定できないけど…」

七咲「否定できないんですね…」ハァ


91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 17:20:59.45 ID:8mMtThyvO

美也「はいこれ!みゃーの特製弁当だよ!!」

明久「へー!美也特製なんだ。何だか凄そうだね」

雄二「ふーん。どの辺が特製なんだ?」

美也「にししし。特製は特製だよ!」

明久「どれどれ…」パカッ

明久「うん。このお弁当箱にぎちぎちに詰められてる白い物体が……美也?これはいったい何なのかな?」

美也「まんま肉まん!美也の大好物なのだ!!」デーン!!

92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/31(土) 17:41:52.96 ID:8mMtThyvO

棚町「蓋を開けたときのインパクトが凄いわね」

七咲「美也ちゃん…さすがにこれは…」

美也「え?美味しいよ?まんま肉まん」キョトン

雄二「普通に食べ物でよかったな、明久」

明久「そうだね。僕はてっきり新手の生物兵器かと思っちゃったよ…」

美也「そんなわけないよ!これは美也の一番好きなものなんだから!!」

明久「そっか。ありがとう、美也。とっても嬉しいよ」

美也「にしししし。どういたしまして!!」

棚町「ふーん…」

七咲「……」


93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/31(土) 22:26:58.19 ID:YGW2CUfA0
おつ
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/31(土) 22:43:52.15 ID:RqMd1aHbO
そうかアマガミ世界だと実家暮らしだから食生活は改善するのか
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 19:54:03.66 ID:F0eoZ7LsO

明久「でもまさか、昼食をとれるとは思ってなかったなぁ」

雄二「気が利く妹がいることに感謝するんだな」

明久「そうだね。美也のおかげで、これからの昼食を心配しないで済みそうだよ」

美也「え?みゃーは別に毎日にぃにのお弁当を作るわけじゃないよ?」

明久「あれ?そうなの?」

美也「うん。だって毎日にぃにのまんま肉まん買ってたら、みゃーの分を買うためのお金がなくなっちゃうもん」

雄二「肉まんを詰めないで料理をするという選択肢はないんだな…」

96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/01(日) 19:56:14.72 ID:F0eoZ7LsO

七咲「あの!」

明久「ん?どうしたの?七咲」

七咲「もしよろしければ、なんですが…私が先輩の分のお弁当を作ってきましょうか?」

明久「っ!!」バッ

雄二「おい明久。いきなり机の影に身を隠したりしてどうしたんだ?」

明久「いや…いつもなら鋭利な物が僕目掛けて飛んでくるはずだったんだけど…」

明久(そうか…ここはゲームの中だからFFF団の皆はいないのか)

97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/01(日) 20:01:23.11 ID:F0eoZ7LsO

七咲「あの…先輩?」

明久「ごめんごめん。いつもの癖でつい回避行動をとっちゃったよ」

七咲「随分変わった癖ですね…それで、どうですか?」

明久「ありがとう。凄くありがたいけど、七咲が僕にそこまで気を遣う必要はないよ?」

美也「そうだよ。逢ちゃんがにぃにのお弁当を作る必要はないよ」

七咲「私、自分の分と弟の分のお弁当を毎日作っているので、先輩の分を作るのにたいして手間になりませんし…」

七咲「それに私の大切なお友達のお兄さんが困ってるのなんて見過ごせませんから、私に作らせてください」

美也「逢ちゃん…」

98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/01(日) 20:04:22.08 ID:F0eoZ7LsO

明久「……そっか。それじゃ明日の弁当は七咲にお願いしようかな」

七咲「はい。任されました」

明久「ただし、明後日の七咲の弁当は僕が作るよ」

七咲「え?先輩が?」

明久「うん。七咲に作ってもらうだけなんて申し訳ないしね」

七咲「でも…」

雄二「心配なくても、明久は意外と器用な部分があるからな。勉強以外ならちょっとしたもんだぞ?」

明久「雄二は一言余計だけど、そういうことだからさ…明後日は僕に任せてくれないかな」

七咲「……わかりました。では明後日はお願いします」

明久「うん。任せといてよ」ニコッ


99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/01(日) 20:55:18.33 ID:IWgAalzA0
投下終了かな?
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 10:26:34.61 ID:gHtWhMMkO
明久…ッ
幸せになれよ…ッ!
101 :ほし :2018/04/10(火) 07:23:57.30 ID:hB25BVgHO
萩乙
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/12(木) 12:48:43.27 ID:uHuuvh7uO

明久「さてと、美也と七咲も自分の教室に帰ったことだし、早くこのお弁当を食べないと」

棚町「ねぇ、アキ…」

明久「うん?どうしたの?」モグモグ

棚町「あんたって意外とモテるんだ?」

明久「モテる?僕が?」

棚町「女の子が好きでもない相手にお弁当なんて作るわけないじゃない」

明久「うーん…残念だけど、別に僕がモテるとかじゃなくて、僕の周りに優しい人が多いだけだと思うけどね…」

棚町「ふーん…あんたはそう思うんだ」

雄二「ま、実際その通りだろうけどな」

明久「まあその優しい人の中に雄二は入ってないけどね」

明久・雄二「「あっはっはっは!!」」

明久・雄二「「ッ!!」」ガッ

棚町「毎度毎度飽きないわね…」

103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/12(木) 12:50:40.00 ID:uHuuvh7uO

棚町「それじゃあんたの言い分だと私も優しい人になるわけだ」

明久「え?まあそうなるのかな」

棚町「そ。じゃあ私も何か作ってきてあげるわ」

明久「へ?棚町さんが?どうして?」

棚町「それは私が優しい人だからよ。文句ある?」

明久「文句なんてあるわけないじゃないか!!むしろ全力でお礼を言うよ!!」

棚町「ふふん。それじゃ楽しみにしてなさい」

明久「うん。わかったよ」

104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/12(木) 12:53:12.86 ID:uHuuvh7uO

雄二「おい。明久」

明久「何?雄二」

雄二「念のため言っておくが、相手は必ず一人に絞れよ」

明久「え?何の話?」

雄二「これから先の話だ」

明久「う、うん…?」

明久(一人に絞る?どういうことだろう…)

明久(そうか。皆の分のお弁当を作ると食費がかさむから気をつけろってことか)

明久「心配しないでも大丈夫だよ。工夫さえすれば、少ない出費でも皆を満足させられると思うからさ」

雄二「こいつ…とんでもないクズだな……」

明久「どうして!?」ガーン!!


105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/12(木) 15:37:37.31 ID:bF831mNA0
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/11(金) 20:52:13.43 ID:tGmizaT9O

〜自教室〜

放課後


明久「……」グー

絢辻「……」

明久「……」ムニャムニャ

絢辻「……」ハァ

絢辻「おーい。吉井くーん?起きろー」

明久「……うーん…」

絢辻「僕の知ってる絢辻さんは…」

明久「っ!?誰!?僕の心を確実に攻撃してくるのは誰っ!?」ガバッ

絢辻「私だけど?」

明久「…あれ?絢辻さん?」

絢辻「吉井くん。あなた自分が置かれている状況を理解しているかしら?」

明久「僕の状況?……あっ」

明久(そうか。僕は約束通り絢辻さんの手伝いをしていて…)

明久(その途中で寝ちゃったのか)

明久(そっか。そうなると僕は……)

絢辻「何か言うことは?」

明久「せめて痛くないように頼むよ…」

絢辻「ええ。わかったわ」

明久「待って!?ためらわずに制裁を下そうとするのはやめてっ!!」


107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/11(金) 20:56:20.93 ID:tGmizaT9O

絢辻「でも正直驚いたわ。書類を少し整理しただけで眠っちゃうだなんて」

明久「ごめん。僕なりに頑張ったんだけど…」

絢辻「別にいいわ。結局私一人でなんとかなったから」

明久「そっか。やっぱり絢辻さんは凄いね」

絢辻「私を誰だと思ってるのよ。これぐらいできて当然だわ」

明久「そうだね。僕には到底真似できないよ。本当に絢辻さんは凄いよ」

絢辻「…………本当にこの人は…」

明久「何?」

絢辻「何でもないわ。それよりあなた、今日のお昼休みに面白い話をしてたわよね?」

明久「面白い話?弁当のこと?」


108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/11(金) 21:00:23.59 ID:tGmizaT9O

絢辻「私もお弁当を作ってきてあげようか?」

明久「…ちなみにどんな内容なの?」

絢辻「ごく普通のお弁当よ?…まあ、ほんの少し刺激的な味がするかもしれないけど…」

明久「うん。ありがとう。気持ちだけで充分だよ」

絢辻「えー?本当に?私の料理なんて中々食べられないわよ?」

明久「僕の口内が大変なことになりそうな予感しかしないので遠慮しておきます…」

109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/11(金) 21:14:19.92 ID:tGmizaT9O

絢辻「そう。それならこれは?食べる?」

明久「これは…メロンパン?」

絢辻「今日売店で買ったの。いらないかしら?」

明久「いや…うん。もらうよ」

絢辻「そ。それじゃ…これ」スッ

明久「へ?」

絢辻「ほら、メロンパンあげるから。口開けなさいよ」

明久「…う、うん」

明久(絢辻さんがメロンパンを一口大にちぎって僕の口に手を伸ばす)

明久(あれ?これって…凄くいい感じなんじゃないか?)

明久「ねえ、絢辻さん。何だかこれ…」

絢辻「何だかこれ、可哀想な犬にエサをあげてるみたい」フフッ

明久「可哀想な犬って何!?というか僕は絢辻さんの中で犬と同じ扱いなの!?」ガーン!!

絢辻「え?別にいいじゃない。犬って可愛いわよ?」

明久「確かに犬は可愛いけど、僕は犬じゃないよ!!」

絢辻「そうね。犬の方がまだ利口だものね」

明久「僕は犬よりもバカだと思われてるのかぁぁぁああああ!!!」

110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/11(金) 23:13:49.17 ID:HgSpTaQt0
楽しみにしてるから続いて欲しい
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/12(土) 11:13:53.98 ID:WwYcNyzbO
明久はかわいいなぁ!
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/12(土) 16:09:46.05 ID:nkI+fI+A0
更新来てた
再現度高くていつも楽しみにしてるよ
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/16(水) 00:13:03.58 ID:2XN981cHO

〜自宅〜


明久「ただいまー」

美也「ふんすっ!!」

明久「おぼぁっ!?」

美也「ふー…おかえり!にぃに!!」

明久「み、美也…?普通人の出迎えにはタックルはしないと思うんだけど…」ガクガク

美也「え?うちではこれが普通なんだよ?」

明久「…うちって随分アグレッシブな家だったんだなぁ…」


114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/16(水) 00:20:31.96 ID:2XN981cHO

美也「そんなことより、美也は怒ってるんだよ!」

明久「へ?僕に?僕が美也に何かしたかな…」

美也「明日にぃには、逢ちゃんにお弁当を作ってもらうんだよね?」

明久「そうだけど…ってもしかして、僕が七咲の弁当を断らなかったことに怒ってるの?」

美也「ううん、お弁当は逢ちゃんが自分で作りたがってたから別にいいんだよ」

明久「へ?それじゃ本当になんで…?」

美也「にぃに、棚町さんにもお弁当を作ってきてもらうんだよね?」

明久「…え?」

美也「後、今日の放課後は絢辻さんと一緒に過ごしてたんだよね?」

明久「ちょっと待って美也。その話をいったい何処で聞いたのかな…?」

美也「親切な人が教えてくれたんだよ!」

明久「ふーん…なるほどね…」プルルル

雄二『どうした明久?』ガチャ

明久『雄二。僕に何か謝ることがあるんじゃないかな?』

雄二『ないな。微塵も』

明久『微塵も!?…雄二が美也に二人のことを話したせいで、大変なことになってるんだよ!!』

雄二『あー…前に言ったことがあるかもしれないが、改めてお前に言っておくことがある』

明久『え?……いったいなんだよ?』

115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/16(水) 00:22:15.63 ID:2XN981cHO



雄二『明久。俺はお前の不幸が大好きなんだ』フッ




明久『砕け散れッ!!』ガンッ!!


116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/16(水) 00:23:41.83 ID:2XN981cHO

美也「で?何で逢ちゃんがいるのに棚町さんとそんなことになってるの?」

明久「そ、それは…」

美也「にぃに。浮気はダメだよ?」

明久「浮気って…やだなぁ僕が浮気なんてできるわけないじゃないか…」

美也「…まあ、そうだよね。にぃにはバカだもんね。浮気なんて器用なことできるわけないよねっ!」

明久「美也、僕の頭の悪さで勝手に納得しないでくれるかな…」


117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/16(水) 00:26:05.15 ID:2XN981cHO

美也「とにかく!せっかくにぃにと仲良くしてくれる女の子がいるんだから、もっと大切にしなくちゃダメだよ?」

明久「……うん。わかった。そうするよ」

美也「わかったならよし!それじゃご飯用意するね!!」テテテ

明久「……」

明久(女の子を大切に、か)

明久(そんなの当たり前のことのはすなのに僕にはそれができてなかったみたいだ)

明久(僕が少しでも変われば、絢辻さんからの犬扱いもなくなったりするのかな?)

美也「お待たせにぃに!ご飯だよ!!」コトッ

明久「ありがとう…ってあれ?もしかして美也にまで犬扱いされてる…?」

118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/16(水) 00:31:23.00 ID:2XN981cHO

〜通学路〜

翌日 朝


雄二「よう、明久……おわっ!?」ブンッ!!

明久「ちっ!!外したか…!!」

雄二「朝っぱらから頭に蹴りを入れようとするなんて、随分な挨拶だな…明久!!」

明久「いやいや、僕も昨日知ったばかりなんだけど、これが吉井家流の挨拶みたいなんだ」

雄二「どんな家系だ!?」ガーン!!


119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/16(水) 00:34:28.17 ID:2XN981cHO

七咲「朝からそんなに何を騒いでいるんですか?」

美也「逢ちゃん。おはよう!」

七咲「おはよう。美也ちゃん」

明久「朝から騒いでるのは主に雄二だよ?全く、雄二ってば本当に子供だよね」ヤレヤレ

雄二「…まあ確かに俺はお前みたいに弁当をいくつも作ってもらったりはしないからな。なるほど、俺もまだまだ子供だな」

七咲「え?お弁当をいくつもって…」

明久「謝る!!謝るからこれ以上僕を貶めようとするのはやめてっ!!」


120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/16(水) 00:39:52.01 ID:2XN981cHO

雄二「さ、美也。俺達は先に行くぞ」ガシッ

美也「え!雄二さん!!急に襟を掴まないでぇ!!」ズルズル

明久「雄二?美也?二人ともどうしたんだろう…?」

七咲「……」

明久「???」

七咲「……えっと…その…先輩…?」

明久「ん?何かな」

七咲「…あの…ですね……」

明久「う、うん…?」

明久(な、なんだ?何故だか無性に緊張してきたぞ…?)

七咲「約束通り、先輩に…お弁当を作ってきました」

明久「そ、そっか。本当にありがとう」

七咲「それでですね?その…お弁当の感想等を聞きたいので、今日のお昼を一緒に……とか、どうですか…?」

明久「なっ!?」

明久(顔を真っ赤にして、少しずつ言葉を紡ぐ僕の目の前にいる女の子は……)

明久(もう、どうしようもなく可愛かった)


121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/16(水) 22:30:38.96 ID:C9ksLpHxO

〜自教室〜


明久「雄二!さっきはありがとう!!どうやら今日は素晴らしい日みたいだ!!」

雄二「うるせぇ。死ね」

明久「辛辣っ!?」ガーン!!

雄二「それで?七咲から弁当はもらえたのか?」

明久「いや、結局昼休みに校舎裏で一緒に食べることになったんだ」

雄二「ほう?まあよかったじゃないか」

明久「うん。正直まだ半分信じられないけどね…」

雄二「ただお前一つ忘れてないか?」

明久「え?何を?」

棚町「あ、アキ。昼にお弁当渡すから。場所は食堂でいいわよね?」

明久「え?棚町さん?…食堂?」

棚町「そう。食堂。よろしくね」テクテク

明久「……えっと?」

雄二「よかったな明久。女子二人から昼食を誘われるなんて、お前の言う通り今日は素晴らしい日じゃないか」ポン

明久「雄二…お願いだから一発殴らせてもらってもいいかな?」

122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/16(水) 22:35:30.87 ID:C9ksLpHxO

〜授業中〜


明久(まずいまずいまずいっ!!)

明久(七咲と棚町さんの約束が完全に被ってしまった……!!)

明久(くそっ!!この状況を打破できる手は何かないのか!?)

天使『正直に話せば、二人ともわかってくれるはずですよ』

明久(天使さん…!!でも本当にそうかなぁ…)

天使『もちろんです。きっと明久くんが誰よりも女の子の格好が似合うことを分かってくれるはずですっ!!』

明久(ちょっと待って!?天使さんはいったい何の話をしているの!?)

123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/16(水) 22:42:41.70 ID:C9ksLpHxO

悪魔『ウチは三人でお弁当を食べればいいと思うけどね。ほら、皆で食べた方がおいしいし、楽しいじゃない?』

明久(うーん…でも七咲には二人でって言われてるし、美也にも女の子を大切にしろって怒られたばっかりだしなぁ…)

秀吉『棚町は七咲が弁当を作ってくることを知っておるのじゃろう?なら、棚町に七咲と食べることを伝えればいいんじゃないかの?』

明久(それだ!!やっぱり信じるものは天使でも悪魔でもなく秀吉だね!!)

秀吉『何故わしが天使と悪魔と同列にされてるのじゃ…』

124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/19(土) 06:55:21.05 ID:7K81y8SA0
うむうむ
良いぞ
125 :バカテス大好き [sage]:2018/06/26(火) 20:29:17.60 ID:6Ip4X9Eu0
作者頑張れー!
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/28(木) 10:38:10.92 ID:2slx6mFcO

明久「…って訳でごめん!実はもう七咲と二人で食べることになってて昼休みに食堂には行けないんだ!」

棚町「…そっか。先に約束しちゃってたか」

明久「本当にごめん!!」

棚町「別にいいわよ。あの子があんたにお弁当を作ってくることは知ってたわけだし、仕方ないわね」

明久「それでさ…棚町さんには本当に失礼なんだけど、作ってきてくれた弁当を今僕にくれないかな」

棚町「え?別にいいけど…どうして今なのよ?持って帰って家で食べるとか?」

明久「そんなの決まってるじゃないか。早弁だよ」フッ

127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/28(木) 10:40:15.31 ID:2slx6mFcO

棚町「はぁ!?これから!?もうすぐ二時間目が始まるのよ!?」

明久「実は二人がお弁当を作ってきてくれるのが楽しみすぎて、昨日の晩ご飯が喉を通らなかったのさ…」フッ

棚町「…あんたって本当に残念ね」ハァ

明久「そんなことないよ!!栄養を全く摂取していない今なら二人のお弁当を最大限に楽しめるじゃないか!!」

明久「だから棚町さん!!僕にお弁当を…カロリーを下さい!!」

128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/28(木) 10:50:44.87 ID:2slx6mFcO

棚町「…ぷっ。アキって本当にバカね」

明久「え?でもこれは僕なりに考えて…」

棚町「はいはい。それじゃ早く行くわよ」

明久「へ?行くってどこに?」

棚町「決まってるじゃない。早弁できそうな場所に移動するのよ」

明久「え?棚町さんも来るの?」

棚町「当然よ。あんたが涙流して私の作った弁当を食べる姿をバッチリ見ててあげる。それと…」

明久「それと?」

棚町「いつまで私のこと棚町さんって呼ぶ気なのよ。一緒に授業抜け出す仲なのよ?」

明久「えぇ!?じゃあ……かおる?」

棚町「え?何?全然聞こえない」

明久「…早く行くよ!薫!!」スタスタ

棚町「…ま、及第点ね」

明久「……」

明久(こうして僕は初めて女の子と一緒に授業を抜け出した)

???「……」



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