千歌「白球を追いかけろ!」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 02:01:31.25 ID:ZgYk+aKC0
初投稿です
色々と拙い点があるかもしれませんが、よろしくお願いします


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1521306090
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 02:03:29.46 ID:ZgYk+aKC0
 第一部



千歌(私はずっと、退屈な日々を過ごしていた)

千歌(色々なことをしてみたけど、どれも長続きしない)

千歌(途中で壁にぶつかると、つい投げ出してしまうから)

千歌(そんな風に何もできない普通怪獣のまま、私は高校二年生になっていた)

千歌(でも、そんな私に運命の出会いが訪れた)

千歌(幼馴染の野球少女、曜ちゃんの応援で行った東京で存在を知った、美しい9人の女子野球選手、μ’s)

千歌(ありとあらゆる野球に関する知識を持つデータの鬼、小泉)

千歌(圧倒的な快足で塁を奪っていく、星空)

千歌(人を惹きつけるスター性を持つ天才、西木野)

千歌(あらゆるプレーを寸分の狂いもなくこなす精密機械、園田)

千歌(柔軟な身体を生かしてあらゆる方向へ打ち分ける打撃を持つ魔術師、南)

千歌(小柄ながら堅実な守備と技術の高さが光る、矢澤)

千歌(恵まれた体格から生み出される圧倒的なパワーを持つ、東條)

千歌(走攻守三拍子揃った一流選手、絢瀬)

千歌(そしてそんな最強のチームをまとめるキャプテンにしてエース、高坂)

千歌(動画で見た彼女たちの姿は、私に今までになかった刺激を与えてくれた)

千歌(私はそれからすぐに決断した、野球を始めることを)

千歌(彼女たちのように輝きたかったから)
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 02:08:30.90 ID:ZgYk+aKC0
−浦の星女学院・グラウンド−


曜「相変わらず、千歌ちゃんは思い込んだら一直線だね」

千歌「むぅ、何だか馬鹿にされてるみたいなんだけど」

曜「でもさ、ちょっと刺激を受けただけでいきなりキャッチボールをしようなんて」

千歌「ちょっとじゃないよ、凄いんだよ!」

曜「そんなに?」

千歌「うん! なんかこう、キラキラと輝いてて!」

曜「まあ、今まで何度誘っても野球をやろうとしなかった千歌ちゃんをそこまで惹きつけるんだから、μ’sって人たちはよっぽど凄いんだね」

千歌「曜ちゃん、μ’s知らないの!?」

曜「いや、名前ぐらいは知ってるけどさ。そこまで詳しくは」

千歌「え〜、女子野球をやってるのに」

曜「そうかなぁ。案外選手のことなんて知らないもんだよ」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 02:10:43.32 ID:ZgYk+aKC0
千歌「あの人たちを知らないなんて、曜ちゃんは人生損してるよ」

曜「大丈夫、私は千歌ちゃんがいれば幸せだよ」

千歌「何それ、変なの」

曜「でもさ、本当に私は野球部に入らなくてもいいの?」

千歌「だってクラブチームと掛け持ちじゃ大変でしょ」

曜「まあそうかもしれないけど」

千歌「日本代表候補にもなってる渡辺曜ちゃんだよ。無理させて何かあったら大変だよ」

曜「でも……」

千歌「本当に困ったらお願いするからさ」

曜「……分かった。でも困ったことがあったら言ってね」

曜「名前も貸すし、助っ人ぐらいはするから」

千歌「ありがとう! 曜ちゃん大好き!」

曜「もう、千歌ちゃんってば〜」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 02:20:52.49 ID:ZgYk+aKC0
−十千万−


千歌(でも実際問題、部員を集めるのは大変なんだよね)

千歌(部として認められるのには最低5人、試合をするには9人)

千歌(在校生のあてはほとんどないし、もうすぐ新入生が入ってくるとはいえ、野球部のない浦の星に入ってくる人間に期待するのは難しい)

千歌「せめて経験者の果南ちゃんを誘えればなぁ」

千歌(でもお父さんが怪我したせいで、実家のスポーツショップも大変そうだし……)

千歌「もう、上手くいかない!」

美渡「千歌、うるさいよ!」

千歌「ご、ごめんなさい」

美渡「まだ野球? 今さら始めるなんて無理だから、いい加減諦めな」

千歌「ソフトボールの経験はあるし……」

美渡「そもそもこんな田舎で人が集まるわけないでしょ」

千歌「そうかもしれないけど……」

美渡「馬鹿な事考えている暇があったら手伝いでもしな、全く――」

千歌(むう、痛いところばっかり突いてきて)

千歌(新入生も相当少ないらしいし、人集めは難しいのかも)

千歌「うぅ、前途多難だなぁ」

千歌(まあ嘆いても仕方ない。まずは勧誘頑張ろう!)
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 02:24:04.11 ID:ZgYk+aKC0
−入学式当日・校門前−


千歌「野球部〜。大人気、女子野球部ですよ〜」

モブ「……」スルー

曜「君も一緒に白球を追いかけてみよう!」

モブ「あ、いえ、私は」

曜「そこの君、ぜひ野球部に!」

モブ「すいません、私はもうバスケ部に」

ようちか「……」

曜「全然人集まらないね」

千歌「うぅ、曜ちゃんどうしよう」

曜「とにかくもう少し声かけてみるしか」

千歌「そうだね。あ、ちなみに今のは『曜』ちゃんとどうし『よう』をかけた――」

曜「お、あの子たちに声かけてみよう!」

千歌「無視しないでよ!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 02:27:32.01 ID:ZgYk+aKC0
曜「すいませ〜ん、ちょっといいですか」

???「ピギィ!」

??「は、はい。何でしょうか」

曜「私たち野球部の者なんですけど、野球に興味ありませんか?」

??「いや、おらは別に……」

曜「おら?」

??「いや、私は……」

???「あ、あのぉ」

千歌「もしかして、野球に興味あるの!」

???「部員はどれぐらい居るんですか?」

千歌「まだ1人なの、だから部員募集中でさ」

???「なるほど……」

千歌「だからあなたみたいに有望そうな子に入ってほしいんだよ!」

???「ピ」
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