【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―6―

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1 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/19(月) 23:23:20.33 ID:ElIf3Cc30
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・東部『王都へと続く街道』―

 ザッザッザッザッ

マークス「よもや、ここまで何の襲撃もないとは……」

レオン「小さな襲撃くらいあるものだと思っていたんだけど、思った以上に白夜軍の戦線は下がり始めているのかもしれないね」

マークス「やはり、王都の守備を万全に喫するつもりなのかもしれん。いずれにしても、行軍は先遣隊の索敵が済んでいるここまでだな」

レオン「そうだね。もう直に日も沈むし、行軍はここまでにして野営の準備に取り掛かろう」

マークス「うむ、カムイ、アクア。全軍に野営の準備に取り掛かるよう指示を出してほしい」

アクア「分かったわ。カムイ、行きましょう」

カムイ「はい、アクアさん。それじゃ行ってきますね、マークス兄さん、レオンさん」

マークス「ああ、よろしく頼む」

 タタタタタタッ

アクア「この調子でいけば、もうすぐ白夜王都の姿を見ることが出来るはずよ」

カムイ「はい、行軍も思ったよりスムーズに進んでいるみたいですから、予定よりは早く到着できそうですね」

アクア「ええ、ここまで白夜軍を見たという報告が無いのは引っかかるところだけど、今はそのおかげで進めているのだから」

カムイ「……やはり王都で私たちを待ち構えるつもりなんでしょうか」

アクア「状況を見る限りそうでしょうね。どちらにしても、王都での戦闘は避けられないとなると、望まない戦いも覚悟しておかないといけないわ」

カムイ「望まない戦いですか……」

アクア「……大丈夫、あなたならそんなものに負けたりしないわ。ここまでずっと戦ってきたことが、何よりの証拠よ。私が保証するわ」

カムイ「はい、ありがとうございます。アクアさん」

カムイ(望まない戦い……。私はそれが起きないことを心から願っています。もう、願うことしかできないとわかっているから……。でも、そうして願っているのは心のどこかで――)

(もう避けられないものなのだと知っているからなのかもしれません……)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1521469400
2 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/19(月) 23:25:39.08 ID:ElIf3Cc30
 このスレは、『カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?』の続きとなっています。

 最初の1スレ:カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438528779/

 所々にエロ番外のある2スレ:【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2―
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443780147/

 アクアが暗夜兄妹と和解した3スレ:【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―3―
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456839703/

 タクミとの戦いが終わりを迎えた4スレ:【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―4―
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466084140/

 スサノオ長城攻略戦が終わりを迎えた5スレ目:【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―5―
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483807375/

 個人妄想全開の暗夜ルートになっています。
 オリジナルで生きていたキャラクターが死んでしまったり、死んでしまったキャラクターが生き残ったりという状況が起きます。
 ご了承のほどお願いします。

 主人公のタイプは
 体   【02】大きい
 髪型  【05】ロング・セクシーの中間
 髪飾り 【04】ブラックリボン
 髪色  【21】黒
 顔   【04】優しい
 顔の特徴【04】横キズ
 口調  【私〜です】

 長所短所には個人的趣味を入れ込んでいます。 

 長所  心想い【心を好きになる(誰とでも結婚できる)】
 短所  盲目 【目が見えない(ただそれだけ)】

 ※時々、番外編を挟むことがあります。
 番外の場合は『◇◆◇◆◇』を付けています。
3 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/19(月) 23:26:32.65 ID:ElIf3Cc30
○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラA
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンA
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンA
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカB++
(生きてきた世界の壁について話をしています)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB+
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB++
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナA
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB++
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB+
(時々料理を食べさせてもらう約束をしています)
リンカB+
(過去の雪辱を晴らそうとしています)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラB
(暗夜での生活について話をしています)
4 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/19(月) 23:27:47.07 ID:ElIf3Cc30
 仲間間支援の状況-1-

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713〜715] B[1スレ目・928〜929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511〜513] B[2スレ目・297〜299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710〜712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602〜606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839〜840] B[3スレ目・284] A[5スレ目・362]
・サクラ×ラズワルド
 C[5スレ目・303] B[5スレ目・337] A[5スレ目・361]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866〜867] B[4スレ目・438] A[5スレ目・456]
・ラズワルド×ピエリ
 C[5スレ目・823] B[5スレ目・862] A[5スレ目・890]

【支援Bの組み合わせ】
・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512]
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773] B[5スレ目・106]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246] B[5スレ目・480]
・マークス×リンカ
 C[5スレ目・888] B[5スレ目・920]

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377〜380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514〜515]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]
・ラズワルド×シャーロッテ
 C[5スレ目・479]
・ブノワ×エルフィ
 C[5スレ目・822]

【消滅した組み合わせ】
・ラズワルド×リリス
 C[1スレ目・490〜491] B[1スレ目・892〜893]
・ゼロ×リリス
 C[1スレ目・835〜837]
5 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/19(月) 23:28:24.77 ID:ElIf3Cc30
仲間間支援の状況-2-

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888〜889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752〜753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864〜865] B[1スレ目・890〜891] A[1スレ目・930〜931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471〜472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492〜493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175] B[5スレ目・58] A[5スレ目・107]
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926〜927] B[3スレ目・316] A[5スレ目・363]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439] A[5スレ目・436]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459] B[5スレ目・338] A[5スレ目・457]
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367〜368] B[2スレ目・541] A[5スレ目・481]
・サクラ×ニュクス
 C[5スレ目・860] B[5スレ目・889] A[5スレ目・919]

【支援Bの組み合わせ】
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426〜429] B[5スレ目・336]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780] B[5スレ目・861]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14] B[5スレ目・921]

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423〜425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]
・ハロルド×ツバキ
 C[5スレ目・56]
・アシュラ×ジョーカー
 C[5スレ目・105]
・マークス×ギュンター
 C[5スレ目・302]
・ラズワルド×ブノワ
 C[5スレ目・435]

【消滅した組み合わせ】
・ピエリ×リリス
 C[1スレ目・609〜614] B[1スレ目・894〜897] A[2スレ目・97〜99]
6 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/19(月) 23:35:39.48 ID:ElIf3Cc30
◆◇◆◇◆◇
―暗夜王国・王城クラーケンシュタイン『訓練場』―

マークス「リンカ」

リンカ「なんだ、マークス。また手合わせしたいのか?」

マークス「ああ、お前との剣戟は力強くてとても面白い。今まで相手にしたことのないタイプの戦士と言える」

リンカ「そうか。ふん、暗夜の王子が白夜の辺境部族の人間にそこまで言うなんてな」

マークス「戦場では身分など関係は無い。どんな名将であろうとも優れた力や技の前に倒れ伏すのは自然なことだ」

リンカ「そういうものか?」

マークス「そういうものだ。だからこそ、私はリンカの戦い方に興味を持った。あんなに敵陣へと突出しているというのに、戦い生還している様は驚嘆に値するものであったからな」

リンカ「そうか。で、そんなあたしと打ち合いをして何かわかったか?」

マークス「ああ、まだ確実とは言えるものではないがな。リンカ、お前はとても勇猛だ。それでいて攻撃の一撃一撃がとても重い」

リンカ「ふん、相手を一撃でのすのは戦闘の基本だからな。どんな相手でも最初の一撃さえ決められれば、どうということは無い」

マークス「ああ、そこがお前の強さの秘訣だと私は思っている。どんな敵だろうとお前は果敢に立ち向かう、その一撃で敵を倒してやるという気迫がお前の持つ刃からは感じられた。同時に、戦いでお前は生き残ろうともしている。私との剣の打ち合い、お前は最初の一撃以降は距離を取るために受けに回るだろう」

リンカ「相手の剣戟次第だ。マークスの剣戟の合間にあたしの攻撃は入らない。なら、仕切り直してもう一撃繰り出すのが一番いいからな」

マークス「そう言った状況判断をできることもお前の強さの一つだ。思った以上にお前の戦い方は豪快でありながら理に適っているのだと私は思った」

リンカ「……」

マークス「それが私の思い至ったお前の強さだ。どうだろうか、私なりにお前を観察して考えた答えなのだが……」

リンカ「さあ、どうだろね。それが答えかどうかに関しては何も言わないことにするよ」

マークス「むぅ、まだリンカの持つ強さの秘訣には届かないという事か」

リンカ「いや、届くとか届かないとかじゃないさ。あたしの強さはあたしの物で、マークスの強さはマークスの物さ。あたしの戦法を知ったところで、王子であるマークスがそれを行うわけにはいかないだろ?」

マークス「……それもそうだな。私が突然最前線に飛び出してしまえば、隊列が大いに乱れることだろう」

リンカ「だからあたしの戦い方をマークスが知る必要はないんだ。だけど、その分あたしはあたしの戦い方で役に立つつもりだよ」

マークス「なるほどな。しかし、結局教えてくれるわけではないという事か」

リンカ「勝手にそう思っててくれ。前から言ってるが、あたしが教える事なんて何もないんだからさ」

マークス「ふっ」

リンカ「ふふっ」

マークス「ではいくぞ、リンカ!」ダッ

リンカ「来い、マークス!」ダッ

【マークス×リンカの支援がAになりました】
7 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/19(月) 23:56:08.15 ID:ElIf3Cc30
◆◇◆◇◆◇
―暗夜王国・エリーゼの屋敷『エリーゼの部屋』―

カザハナ「エリーゼ王女」

エリーゼ「あ、カザハナだ! どうしたの、あたしのところに来るなんて」

カザハナ「えへへ、今日はエリーゼにいいもの持ってきたんだよ」

エリーゼ「いいもの?」

カザハナ「じゃじゃーん!」

エリーゼ「わー、すごい! これって花で作ったティアラだよね! あれ、でもこの花って……」

カザハナ「うん、エリーゼっていうんだよね。サクラ様の名前を聞いて花のことを言ってたから、エリーゼ王女と同じ名前の花があるんじゃないかなって思って調べて作ったんだ」

エリーゼ「そうなんだ……。だけど、桜と比べてちっちゃかったでしょ?」

カザハナ「うん。だけどとっても可憐でエリーゼ王女にぴったりな花だって思ったよ」

エリーゼ「え……」

カザハナ「エリーゼ王女は名前と同じこの花の事が嫌いなのかもしれないけど、その勿体ないって思うんだ。こんなに可憐で白くて綺麗なのに勿体ないよ。どうして、エリーゼ王女がこの花を嫌ってるのか、あたしわからないもん」

エリーゼ「えっと、別に嫌いってわけじゃないよ」

カザハナ「え?」

エリーゼ「その……、エリーゼって小さい花だから幼いイメージが強くて……。あたし本当はカミラおねえちゃんとかカムイおねえちゃんみたいな大人の女の人になりたいって思ってるの。だから、大きくて綺麗な名前の花に憧れみたいなのを持ってるんだ」

カザハナ「エリーゼ王女……」

エリーゼ「だから、別にそのお花の事が嫌いなわけじゃないの。ごめんね、変な勘違いさせちゃったみたいで……」

カザハナ「そっか、ならよかった。えへへ、あたしって結構早とちりしちゃうから。でも、だったらこのティアラを付けて少し大人の女になっちゃおう! あたしが作ったんだから、これを付けるだけでぐーんと大人っぽく見えるはずだよ」

エリーゼ「それじゃ、カザハナ。そのティアラあたしにつけてほしい」

カザハナ「いいわよ。それじゃ、失礼するわね」」

エリーゼ「よ、よろしくお願いします」

カザハナ「よし、これでいいかな?」

エリーゼ「え、えっと、どうかな?」

カザハナ「うん、とっても可愛いよ、エリーゼ王女」

エリーゼ「もう……、そこは大人っぽいっていってほしかったよー」

カザハナ「あ、ごめん……。つい、思ったことが口から出ちゃって……。えっと、とってもきれいだよ」

エリーゼ「ふふっ、ありがとうカザハナ」

カザハナ「どういたしまして、エリーゼ王女」

【カザハナとエリーゼの支援がAになりました】
8 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/19(月) 23:58:24.39 ID:ElIf3Cc30
今日はスレ立てと支援だけで

 リンカとマークスは斬り合いをしているうちに絆が生まれる気がする。
 
 カザハナとエリーゼは、花を通じての絆があるかなって思った。それとエリーゼ誕生日おめでとう。プレゼントは素朴なカチーフやで
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/20(火) 12:49:12.20 ID:ntBvORADO
リンカがマークスに重い一撃を与えるには、どれだけ神成長ひけばいいのだ…
10 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 20:57:22.59 ID:zc9sdbSh0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・王都へと続く街道『野営地・カムイの天幕』―

カムイ「今は何処くらいなんでしょうか?」

アクア「白夜王都まであと二日ほどというところね。こう大人数でなければ、一日もあればたどり着けるとは思うけど……」

カムイ「そうなんですね。でも、このような形で白夜王都に戻ることになるとは思ってもいませんでした」

アクア「そうね。あの日、強行派の人々に囚われて暗夜に送られた時、もう戻れないと覚悟していたのに、それが覆るなんて思ってもいなかったから」

カムイ「すみません、アクアさん。本当なら戦争が終わった白夜にもどってこられるはずだったのに、こんな形で白夜に戻ることになってしまって」

アクア「カムイが謝る事じゃないわ。それにそうやって弱気な考えをする癖は直しなさい。始まる前から気持ちで負けているなんて、話にもならないでしょう?」

カムイ「アクアさんには何でも御見通しなんですね」

アクア「何でもじゃないわ。感じたことをただ口にしているだけだもの、だけどそれをカムイがそうだと感じたなら、少しは見通せているということかもしれないわね」

カムイ「運命共同体だからですか?」

アクア「一蓮托生だからかもしれないわ」

カムイ「……」

アクア「……」

カムイ&アクア『ふふっ』
11 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 21:11:54.97 ID:zc9sdbSh0
アクア「私は自分の天幕に戻ることにするわ、風邪を引かないようにね」

カムイ「はい、アクアさんも。白夜も今は寒い時期のようですから、十分に暖かくしてください」

アクア「ええ、それじゃね」バサッ

カムイ「……アクアさんには御見通しでしたか」

カムイ(気負けをしているのはわかっています。それがとてもよくないことだということも、少しでも前向きになろうとしてはいるのですが……)

???『お前の希望が絶望に変わって、王都で待っていることだろう』

カムイ(奴の言葉が頭から離れない。ヒノカさんを助けるためにしたことも、奴は簡単に絡め取っていった。私の願いを踏みにじるように……)

カムイ「……だめです。こんな風に考えたら奴の言いなりになっているようなものじゃないですか。あんなものを信じる必要なんてどこにもありません」

カムイ(少しだけ、体を動かせば、こんな気持ちも晴れるかもしれませんね)

カムイ「……きっと晴れますよね」チャキッ
 
 バサッ

 タタタタタッ

???「あれ……カムイ様?」
12 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 21:21:56.62 ID:zc9sdbSh0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―暗夜軍野営地『離れの草原』―

カムイ「はぁ! せやっ! たああっ!」ブンッ チャキッ バシュン

カムイ「はぁはぁ……。はぁはぁ……」

カムイ(何なんでしょうか、このモヤモヤした思考は……それを考えないようにしているのに。どうして、こんなにも奴の言葉が頭を巡るんですか……)

カムイ「もうすこし、続ければ――」

???「そんなんじゃ、いくらやってもやっても意味ないわ」

カムイ「え……?」クルッ

 ザッザッ

ルーナ「力みすぎてて、しかも我武者羅に振り回してるだけ。そんなの稽古にだってならないわよ」

カムイ「え、ルーナさん、どうしたんですか?」

ルーナ「どうしたんですか、じゃないわ。ちょっとあんたに用事があって天幕に向かったら、どこかに行っちゃうし。誰も護衛付けてなかったから、少し心配になって後を追ってきたってわけ」

カムイ「そうだったんですか。でも大丈夫ですよ、ここ周辺に敵はいませんから」

ルーナ「大丈夫になんて見えないって言ってるの! 気づいてないかもしれないけど、あんたかなりひどい顔になってるんだから」

カムイ「……そんな顔をしていますか?」

ルーナ「してる、見てて心配になるくらいにはね……」
13 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 21:31:56.66 ID:zc9sdbSh0
カムイ「……そうですか」チャキンッ

カムイ「心配をかけてしまったみたいですね。すみません、ルーナさん」

ルーナ「まったく、あたしだけじゃなくてカミラ様だって見たら放っておかなかったわよ。あんな亡霊みたいな顔で剣なんて振るってたらさ」

カムイ「……亡霊みたい、でしたか?」

ルーナ「まぁね。っというわけでまずはその生気の抜けた顔を叩き直してあげるわ」

カムイ「叩き直す、ですか?」

ルーナ「ふふ、どうやって直すか知りたい? 知りたいでしょ?」

カムイ「いえ、別にルーナさんの手を煩わせるわけにはいきませんから」

ルーナ「そこは食いつきなさいよ。言い出したあたしが空しくなるじゃないの」

カムイ「ごめんなさい。えっと、何をしてくれるんですか?」

ルーナ「はぁ、最初からそう言ってくれたらよかったのに。まぁいいわ、ちょっとあたしの天幕まで来なさい」

カムイ「えっと、天幕でないといけないんですか?」

ルーナ「当たり前でしょ。だってこれから温まりに行くんだから」

カムイ「え?」
14 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 21:45:27.55 ID:zc9sdbSh0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 コポコポコポ……

ルーナ「はい、カムイ様」

カムイ「なるほど、紅茶ですか。これは確かに体が温まりますね」

ルーナ「思ったより白夜王都の周辺が寒かったから」

カムイ「そうなんですね。はぁ、カップがとても暖かいですね。それじゃ、いただきますね」ズズッ

ルーナ「え、っと、どう?」

カムイ「んっ、おいしいです。ふふ、体の芯から温まるっていうのはこういう事をいうんですね」

ルーナ「ふふん、あたしが勝った茶葉だから効き目がいいのは当然ね」

カムイ「ありがとうございます、ルーナさん。そう言えば、私に用事があるという話でしたけど……」

ルーナ「あ、そ、それね。えっと、わ、忘れたわ」

カムイ「え、忘れたって……」

ルーナ「い、いいでしょ。本当に忘れちゃったんだから! ほら、一人で長椅子占拠してないで、ちょっと詰めなさいよ」

カムイ「急かさないでください、今開けますから……。これでいいですか」

ルーナ「う、うん。それじゃ……」ギシッ

 ピトッ

カムイ「? ルーナさん」

ルーナ「か、勘違いしないでよ。天幕の中で紅茶も飲んでるけど、まだカムイ様が寒そうにしてるって思ったから、身を寄せてるだけなんだから。へ、へんなこと考えるんじゃないわよ」

カムイ「は、はい」
15 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 21:53:29.89 ID:zc9sdbSh0
カムイ「……ルーナさん」

ルーナ「な、なによ」

カムイ「ありがとうございます」

ルーナ「べ、別にお礼を言われるようなことじゃないし、それに紅茶はあたしが準備してただけだし…」

カムイ「そうだったんですか、すみません。ルーナさんが楽しむ分を一杯分頂いてしまって」

ルーナ「いや、元々カムイ様を誘って飲む予定だったから、結果的には……あ」

カムイ「もしかして、先の予定というのは?」

ルーナ「……そうよ、そういうことよ! な、何か文句ある!?」

カムイ「いきなり怒らないでください。文句なんてあるわけないじゃないですか」

ルーナ「そ、そう……。なら、何も言わずに飲んで温まればいいのよ」ズズッ

カムイ「……はい」ズズッ

 カチャンッ

ルーナ「で、何を考えてたわけ?」

カムイ「何をというのは?」

ルーナ「ここは誤魔化すところじゃないと思うんだけど」

カムイ「すみません……」

ルーナ「まったく、それで、何があったの?」

カムイ「……奴の言葉が頭から離れないんです。そうなるかはわかるわけもないのに、それを心のどこかで恐れつつも、避けられないものだと思っている自分がいて……。白夜王都に近づいているからかもしれませんね。どんどん、色濃く私の中に刻まれていくかのように……」

ルーナ「……」
16 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 22:01:45.32 ID:zc9sdbSh0
カムイ「アクアさんに言われました。戦いが始まる前から気負けしていては話にもならないって。その通りなのはわかっているんです。でも、漠然とした不安が心にはあって、それを拭えたらと思って剣を振っていたんです」

ルーナ「……そんな漠然とした不安なんて誰でも持ってるものよ。カムイ様だけが悩んでる事じゃないわ」

カムイ「でも、私がそれでは皆さんに迷惑が――」

ルーナ「はぁ、馬鹿ね。そういう風に悩んでるカムイ様だから、あたしたちは付いて行ってるの」

カムイ「え?」

ルーナ「どんなにすごい奴がいてもそこに人間味が無かったら、本当の意味で信頼されたりしない。あんたには純粋な強さもあるけど、それ以上に人間味があるるのよ。そういう、不安に思ったり悩んだりっていう人間らしさがね」

カムイ「……ルーナさんにもそういった不安や悩みはあるんですか?」

ルーナ「一番のあたしにそんなもの……あるに決まってるでしょ。これでも母さんとのことで色々悩んだりもしてきたし、今だって……」スッ

 ギュッ

ルーナ「悩んでるカムイ様にどんな言葉を掛けるべきなのかとか、これを言ったら嫌われるかもしれないとか。そういう不安で今にも押し潰されそうなんだから……」

カムイ「ルーナさん」

ルーナ「あたしもアクア様みたいに、カムイ様が考えてることを少しでもわかるようになれば……、こんな不安を抱えなくても良くなるのかな……」

カムイ「………」

ルーナ「……カムイ様?」

カムイ「……ふふっ」

ルーナ「?」
17 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 22:03:53.19 ID:zc9sdbSh0
カムイ「ふふっ、うふふっ」

ルーナ「ちょ、何!? なんで笑うわけ? ここ笑うところじゃないんだけど!?」

カムイ「いいえ、ごめんなさい。もしかして、アクアさんに対してルーナさんがヤキモチを妬いているのかもしれないって思ってしまったら、なんだかおかしくなってしまって」

ルーナ「べ、別に妬いてないし! ああもう、なんで最後の最後でこうなっちゃうわけ!? 信じられないんだけど!」

カムイ「え、えっと、ルーナさん?」

ルーナ「はぁ、まぁいいわ。……それよりもさ」

カムイ「?」

ルーナ「その、どう、落ち着いた?」

カムイ「……はい。ルーナさんのおかげで、今は大丈夫になりました」

ルーナ「そっか、よかった。これで何も変わってないって言われたら、さすがにへこむわよ」

カムイ「思ったよりも効果はありましたよ、ルーナさん」

ルーナ「なによその言い方。まさか、あたしのサービスがこれだけだと思ってるんじゃないでしょうね?」

カムイ「え、まだあるんですか?」

ルーナ「ふ、ふん、見てなさいよ。今とっておきのサービスをしてあげるんだから!」パッ パッ

カムイ(なにやら膝上を手で払っているようですが。いったい何をするつもりなんでしょうか……)
18 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 22:05:06.91 ID:zc9sdbSh0
ルーナ「よ、よし。か、カムイ様」

カムイ「はい、何でしょう?」

ルーナ「ここ、ここに頭を乗せなさい」

カムイ「……?」

ルーナ「……」

カムイ「えっと、ルーナさん?」

ルーナ「……は、早く乗せなさいよ。あ、あたしが膝枕をしてあげるって言ってるんだから」

カムイ「え、ええ……。それじゃ失礼して……」ポフッ

ルーナ「なんで頭を内側にしてんのよ!? 普通逆でしょ逆!」

カムイ「私はこれでも構いません。ルーナさんをとても強く感じられますから、むしろこの方が――」

ルーナ「感じないでよ! あああもう、それは禁止、さっさと反転しなさい!///////」

カムイ「サービスはどうしたんですか? って、痛い、叩かないでください」

ルーナ「うるさいうるさーい///////」ポカポカッ
19 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 22:10:44.04 ID:zc9sdbSh0
カムイ「これでいいですか?」

ルーナ「そう、これでいいの。次に同じことしたらただじゃ済まさないから//////」

カムイ「はい、肝に銘じておきます。はぁ、このサービスすごくいいです。それにルーナさんの膝上、とっても暖かくて柔らかいです」サワサワッ

ルーナ「ちょ、手で膝を触らないでよ。くすぐったいでしょ//////」

カムイ「枕の感触って確かめたくなるものじゃないですか。それが膝枕だったらなおさらのことです」

ルーナ「そうやって開き直るのはどうかと思うけど。まぁいいわ。とりあえず、このままでいなさいよ」スッ

 ナデナデ

カムイ「んっ……はぁ……」

ルーナ「……えっと、気持ちいい?」

カムイ「はい……。ん、ふああああっ。ごめんなさい、はしたなかったですね」

ルーナ「大きな欠伸ね、もしかしたら素振りの疲れが出てきたのかも。疲れてるなら、このまま少し休んでもいいけど?」

カムイ「でも、今寝たら朝になってしまうかもしれませんよ? そうなったらルーナさんが寝られないかもしれません」

ルーナ「大丈夫、あたしの心配なんていいから。今はカムイ様のことが最優先よ。それに、今のあたしに出来ることはこれくらいなんだから」

カムイ「……なら、お言葉に甘えてもいいですか?」

ルーナ「さっきからそう言ってるでしょ。つべこべ言わずに、ゆっくり眠りなさい」

カムイ「はい、ルーナさん。少し休ませてもらいますね……」

カムイ「………」

カムイ「……すぅ……すぅ……」

ルーナ「すぐ寝ちゃった。まったく、悩みなんて抱えてないみたいに眠っちゃってさ……」

 ギュウッ

ルーナ「カムイ様。あたしのこともいっぱい頼っていいんだからね。アクア様みたいに的確ってわけじゃないけど、少しくらいなら力にだってなれるし」

「こうやって、一緒にいることだってできるんだから……」
20 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 22:14:05.15 ID:zc9sdbSh0
○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラA
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンA
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンA
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカB++
(生きてきた世界の壁について話をしています)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB+
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB++
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナA
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB++
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB+
(時々料理を食べさせてもらう約束をしています)
リンカB+
(過去の雪辱を晴らそうとしています)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラB
(暗夜での生活について話をしています)
21 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 22:14:39.01 ID:zc9sdbSh0
 仲間間支援の状況-1-

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713〜715] B[1スレ目・928〜929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511〜513] B[2スレ目・297〜299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710〜712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602〜606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839〜840] B[3スレ目・284] A[5スレ目・362]
・サクラ×ラズワルド
 C[5スレ目・303] B[5スレ目・337] A[5スレ目・361]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866〜867] B[4スレ目・438] A[5スレ目・456]
・ラズワルド×ピエリ
 C[5スレ目・823] B[5スレ目・862] A[5スレ目・890]
・マークス×リンカ
 C[5スレ目・888] B[5スレ目・920] A[6スレ目・6]

【支援Bの組み合わせ】
・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512]
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773] B[5スレ目・106]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246] B[5スレ目・480]

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377〜380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514〜515]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]
・ラズワルド×シャーロッテ
 C[5スレ目・479]
・ブノワ×エルフィ
 C[5スレ目・822]
22 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 22:15:25.01 ID:zc9sdbSh0
仲間間支援の状況-2-

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888〜889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752〜753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864〜865] B[1スレ目・890〜891] A[1スレ目・930〜931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471〜472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492〜493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175] B[5スレ目・58] A[5スレ目・107]
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926〜927] B[3スレ目・316] A[5スレ目・363]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439] A[5スレ目・436]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459] B[5スレ目・338] A[5スレ目・457]
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367〜368] B[2スレ目・541] A[5スレ目・481]
・サクラ×ニュクス
 C[5スレ目・860] B[5スレ目・889] A[5スレ目・919]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14] B[5スレ目・921] A[6スレ目・7]←NEW

【支援Bの組み合わせ】
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426〜429] B[5スレ目・336]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780] B[5スレ目・861]

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423〜425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]
・ハロルド×ツバキ
 C[5スレ目・56]
・アシュラ×ジョーカー
 C[5スレ目・105]
・マークス×ギュンター
 C[5スレ目・302]
・ラズワルド×ブノワ
 C[5スレ目・435]
23 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 22:23:43.94 ID:zc9sdbSh0
今日はここまで

 ルーナが思ったより乙女チックになっている気がした……

 前スレの最後にあったレオン抜けの指摘、確認して頭を抱えました。今度は気を付けていこうと思います。

 次の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◆◇◆◇◆◇
○カムイと話をする人物(支援A以外)

 ジョーカー
 フェリシア
 マークス
 ピエリ
 ゼロ
 ベルカ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 モズメ
 リンカ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 >>25

◇◆◇◆◇
○支援イベントのキャラクターを決めたいと思います。

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 >>26>>27

(すでにイベントが発生しているキャラクター同士が選ばれた場合はイベントが進行、支援状況がAになっている組み合わせの場合は次レスのキャラクターとの支援になります)

 次に続きます。
24 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/25(日) 22:25:04.19 ID:zc9sdbSh0
◇◆◇◆◇
○進行する異性間支援の状況

【支援Bの組み合わせ】
・ブノワ×フローラ
・エリーゼ×ハロルド
・レオン×エルフィ
・アシュラ×サクラ
・ギュンター×ニュクス

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
・モズメ×ハロルド
・ルーナ×ハロルド
・カザハナ×ツバキ
・ツバキ×モズメ
・ラズワルド×シャーロッテ
・ブノワ×エルフィ

 この中から一つ>>28

(会話しているキャラクターの組み合わせと被ってしまった場合は、その一つ下のになります)
 
◇◆◇◆◇
○進行する同性間支援

【支援Bの組み合わせ】
・シャーロッテ×モズメ
・ベルカ×ニュクス
・シャーロッテ×カミラ
・ジョーカー×ハロルド
・ルーナ×カザハナ

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
・ピエリ×リンカ
・ピエリ×フェリシア
・フローラ×エリーゼ
・エルフィ×ピエリ
・スズカゼ×オーディン
・サクラ×エルフィ
・ルーナ×フローラ
・ハロルド×ツバキ
・アシュラ×ジョーカー
・マークス×ギュンター
・ラズワルド×ブノワ

 この中から一つ>>29

 このような形ですみませんがよろしくお願いいたします。
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 22:36:13.90 ID:NtNLKqBPo
フェリシア
はわはわしてもいいのか!?
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 22:54:17.53 ID:2nIUIbXko
シャーロッテ
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 23:37:11.47 ID:md5nxVEU0
サクラ
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/26(月) 00:06:11.26 ID:wrdy7ybY0
・ブノワ×フローラ
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/26(月) 06:07:38.44 ID:Pzt684zWo
ルーナ×カザハナ
30 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/29(木) 20:45:10.86 ID:ngJ3nq3R0
◆◇◆◇◆◇
―星界・食堂―

サクラ「あれ、こんな時間に食堂の明かりがついています。誰かが消し忘れたんでしょうか?」

シャーロッテ「あれぇ、サクラ様じゃないですか。こんな時間にどうしたんですか?」

サクラ「あ、シャーロッテさん。いえ、明かりがついていてもうこんな時間なので誰かが火を消し忘れてしまったのかと思ってしまって、すみません作業の邪魔をしてしまって」

シャーロッテ「別に気にしてなんてないから。あー、でも来てくれて丁度よかったかもしれない」

サクラ「?」

シャーロッテ「実は今新しいメニューに取り掛かっててね」

サクラ「そうなんですか。シャーロッテさんの作るお弁当って見た目もいいですし、なによりおいしいって皆さん言ってます」

シャーロッテ「当たり前よ。愛敬と胃袋のダブルコンボで好印象を与えないといけないんだから」

サクラ「シャーロッテさんは本当にすごいです。私と話している時とまるで別人に思えますから」

シャーロッテ「うーん、褒められてるのかわからないけど、ありがと」

サクラ「それで、丁度よかったっていうのはどういう事でしょうか?」

シャーロッテ「ああ、それはこれの事なんだけど」

サクラ「わー、おいしそうなケーキですね。シャーロッテさんが作ったんですか?」

シャーロッテ「ええ、私に掛かればこんなの朝飯前だけど、まだ何かが足りない気がしてね」

サクラ「そうでしょうか? きちんとクリームも濡れていますし、果物の飾りつけも綺麗ですけど、味は……」

シャーロッテ「流石に見て分からないから食べてみて」

サクラ「え、いいんですか?」

シャーロッテ「もちろん、丁度よかったっていうのはそう言う意味、ねぇサクラ様、この新しいデザートなんだけど手伝ってくれない?」

サクラ「て、手伝いですか?」

シャーロッテ「そう、サクラ様には試作品を食べてもらって評価を出してほしいの。何が足りないのか、ちょっとわからなくて手詰まりになっててさ」

サクラ「私なんかで大丈夫でしょうか。その甘いものは好きですけど……」

シャーロッテ「好きなら問題ないって。で、受けてくれる?」

サクラ「わ、わかりました。その、出来る限り頑張ってみます!」

シャーロッテ「それじゃ、早速これをお願いね」

サクラ「は、はい。あむっ、ん〜♪」

【シャーロッテとサクラの支援がCになりました】
31 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/29(木) 20:49:40.30 ID:ngJ3nq3R0
◆◇◆◇◆◇
―暗夜王国・北の城塞―

ブノワ「フローラ、少しいいか…?」

フローラ「あれ、ブノワさん。もしかして遊びにいらしたんですか?」

ブノワ「いや、遊びに来たわけじゃない…。少し渡したいものがあった…」

フローラ「カムイ様にでしょうか?」

ブノワ「いや、フローラにだ…。これを…」

フローラ「……これはお守り? 見た所、手製のようですが。もしかしてブノワさんが作られたんですか?」

ブノワ「ああ……」

フローラ「ふふ、見た目に似合わず器用なことをされるんですね。とても効果がありそうです。ありがとうございます、ブノワさん」

ブノワ「フローラは……」

フローラ「?」

ブノワ「それほど薄情な人間じゃないと思う…。こうやって、俺が持ってきたお守りをちゃんと受け取ってくれる…。なによりも、こうやってお礼も言ってくれた…」

フローラ「……ふふっ、ブノワさんは単純な方なんですね」

ブノワ「そうかもしれない…。でも、俺がフローラを優しい人と思っていることは間違いないことだと思っている…」

フローラ「……こんなに面と向かって言われたのは初めてのことかもしれませんね。ふふっ、優しいという意味ではブノワさんの方がお優しいでしょう。私の言葉に目くじらを立てることもありませんでしたし」

ブノワ「馴れているからな…」

フローラ「熊を脅すことがですか?」

ブノワ「それは誤解だ…」

フローラ「冗談です。でも、こうしてお礼を言われて贈り物を頂けるのは、素直にうれしいことですね」

ブノワ「お前が喜んでくれるなら、俺は嬉しい…///」

フローラ「ふふ、少し赤くなって可愛らしい方ですね、ブノワさんは」

ブノワ「う……。それじゃ、渡すものは渡した…もう戻ることにする…」

フローラ「いいえ、そうはいきません。贈り物だけを受け取るだけでは、私が納得しません。まぁ、ブノワさんが本当に帰りたいのでしたら止めはしませんけど。もしかして、これから他に予定があるのですか?」

ブノワ「特に用事は無い…」

フローラ「でしたら、この前の約束通りおいしい紅茶を振舞わせてください。お守りを頂いた私からのお礼です」

ブノワ「ああ…。ふっ、互いに礼に礼をしてばかりだな…」

フローラ「そうですね。でも、こういった交流も悪くないと思いますよ」

ブノワ「そうだな…」

フローラ「ふふっ」

ブノワ「ふっ」

【ブノワとフローラの支援がAになりました】
32 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/29(木) 20:53:42.31 ID:ngJ3nq3R0
◆◇◆◇◆◇
―白夜・イズモ公国『宿場』―

カザハナ「はぁ、結局、ルーナ浴衣着てくれなかった」

ルーナ「言ったでしょ、あたしの浴衣姿は安くないって。それに、なにか催し物考えて来なさいって言ったでしょ。何もないのに着る気はないわよ」

カザハナ「それはそうだけどさ。ほら、今そういう事行うのって、ちょっと違う気がして」

ルーナ「まぁ、それもそうよね。なんだかんだ戦争中なわけだし……。気が抜けてるって皆から怒られそう」

カザハナ「うん、だからさ。この戦争が終わって色々と落ち着いたら、一緒にお祭りに行かない?」

ルーナ「お祭り?」

カザハナ「うん、やっぱり浴衣って言ったらお祭りだもん。白夜でもね、季節によって行われてたからさ。きっと、落ち着いたら再開するはずだし…」

ルーナ「そう……。いつ再開するかはわからないのよね」

カザハナ「まぁね。でも、いつかはきっと再開するから、その時になったら一緒にお祭りに行こうよ。お祭りなら浴衣、浴衣と言えばお祭りなんだからね」

ルーナ「……そうね。楽しみにしてるわ。だけど、あたしの横を一緒に歩くんなら、そこら辺に叩き売りされてるような浴衣じゃ許さないから。カザハナにとっての一番の奴着てきなさいよ。それが最終条件なんだから」

カザハナ「うっ、そう来たか…。あたし、あんまり浴衣とか持ってないんだけど」

ルーナ「はぁ、なにそれ。あたしの拝んでおきながら、その返答は許されないわよ」

カザハナ「わ、わかったよ。その約束の日までにルーナが驚いちゃうような、すっごい浴衣を準備してみせる」

ルーナ「ふん、言ったわね。まぁ、驚かないで終わっちゃう気もするけど。あんまり期待しないで待っててあげるわ」

カザハナ「そこは期待して待っててよ」

ルーナ「分かったわよ。期待しておいてあげる。もっとも、あたしが一番なのは変わらないけどね」

カザハナ「ふーんだ。それが勘違いだってこと、思い知らせてあげるからね」

ルーナ「ふふっ」

カザハナ「えへへ」

【ルーナとカザハナの支援がAになりました】
33 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/29(木) 20:56:21.26 ID:ngJ3nq3R0
今日は支援だけで

 サクラの夜食タイムが捗っていく。
34 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/30(金) 20:28:39.69 ID:EV0ughmG0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国東部・王都へと続く街道『野営地・カムイの天幕』―

カムイ「ん……。ううっ……」ガサゴソッ

カムイ「もう朝のようですね。昨日、ルーナさんの天幕で少し眠ってしまったというのに、存外眠りに着くのは早かった気がしますね」

カムイ(……ルーナさんに慰めてもらったおかげかもしれません。迷うことは人として何の間違いもないですか……)

カムイ「はぁ、参りましたね。こんなに皆さんにおんぶにだっこされているだけでは、示しがつきませんよね」ガタッ

カムイ(とりあえず、状況を確認しましょうか。まだ外が騒がしくないところを見ると、まだ時間はあるみたいですし……)

 タッタッタッ
 バサッ

フェリシア「カムイ様―、お目覚めですかー?」

カムイ「わっ!?」

フェリシア「はわわわ! あ、きゃー」ドタンッ
 
 バサァッ

カムイ「ご、ごめんなさいフェリシアさん。入ってくるのに気づかなくて」

フェリシア「い、いいえ。私の方こそ、カムイ様が外に出られるのに気づけませんでした。ごめんなさい」

カムイ「怪我などはしていませんか?」

フェリシア「はい、大丈夫です……、あ、ああー!!!」

カムイ「え、どうしたんですか?」

フェリシア「うう、カムイ様の着替えが地面に落ちてしまいました……」
35 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/30(金) 20:43:34.46 ID:EV0ughmG0
フェリシア「うう、せっかく準備したのに……、ごめんなさいカムイ様」

カムイ「いいんですよ。ふふっ、なんだかフェリシアさんがこうして何か失敗しているところを見るのは、何だか久しぶりな気がします。なんだか城塞に戻ったような気持になります」

フェリシア「カムイ様、その言い方は酷いですよぉ。事実かもしれませんけど……」

カムイ「ふふっ、冗談ですよ。その服を改めて洗う必要はありません。このまま袖は通せますから」

フェリシア「え、でも……」

カムイ「フェリシアさんが私に準備してくれただけでもうれしいですし、今回の件は私にも落ち度がありましたから、フェリシアさんだけの責任ということはありませんよ。ですから、フェリシアさんに問題はありません」

フェリシア「わかりました。はぁ、カムイ様に気を使ってもらって、私はやっぱり駄目メイドです」

カムイ「そんなことありませんよ。フェリシアさんはちゃんとメイドとして、仕事をこなせていますよ」

フェリシア「ほ、本当ですか?」

カムイ「ええ。こうやって私に服を届けに朝早く来てくれていますし、それだけでも十分、私の役に立てています」

フェリシア「えへへ。そう言ってもらえると、とっても嬉しいです」

カムイ「ふふっ。フェリシアさんが城塞に来た当初に比べれば主らしくなったと思いますけど、まだまだ十分とは言えない状態ですから」

フェリシア「そんなことありませんよぉ。カムイ様は、もう立派な私のご主人様ですよぉ」

カムイ「だといいんですが……」
36 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/30(金) 21:14:04.78 ID:EV0ughmG0
フェリシア「カムイ様?」

カムイ「私はここに来てようやく動き始めたばかりの人間です。今までは無関心にただ生きてきただけで、自分にも無関心で命のやり取りをする意味も、日々を過ごす意味も理解していなかった。何にも意味を見出すつもりなんてなかったんだと思います」

フェリシア「でもでも、カムイ様は皆さんのために一生懸命頑張ってます。私、ちゃんと見てるんですから!」

カムイ「フェリシアさん?」

フェリシア「ここに来てようやくなんてうのは嘘です。だって、最初に私が触れたカムイ様は私よりも小さくて、私よりも怯えてて震えていたんですから」

カムイ「あの頃は自分がなにをすればいいのか、どうすればいいのかわからなかったからで……」

フェリシア「でも、段々と私とお話しできるようになって、姉さんとも話ができるようになっていきました。それって成長してるって思うんです。どんなに些細な事でも、それがカムイ様の力になっているなら、それは成長しているんだって私は思います」

カムイ「成長ですか……」

フェリシア「はい、その成長に私も少しだけ力添えできたらなって、いつも思っているんです。あの日、カムイ様の手を握ってあげた時みたいに、カムイ様を支える力になれたらって……」

カムイ「フェリシアさん……」

37 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/30(金) 21:27:53.01 ID:EV0ughmG0
フェリシア「でも、今日はカムイ様の気配に気づけませんでしたし、服は落としてしまいましたから、全然役に立ててませんよね……。全然支えられてないですよね……」

カムイ「うーん、それだけじゃありませんよ」

フェリシア「えええーーー!? まだ何かありましたか?」

カムイ「はい、こうやって私の話を聞いてくれたこと。そして、私を元気付けてくれたことを忘れていますよ」

フェリシア「……え?」

カムイ「ふふっ。フェリシアさんは私のことを一生懸命支えてくれています。だから、そんなに自分の事を卑下に扱わないでください。私は、いつも元気でこうやって支えてくれるあなたの事を頼りにしているんですから」

フェリシア「カムイ様……ありがとうございます」

カムイ「お礼を言うのはこちらの方ですよ。朝からこんな話に付き合わせてしまったんですから」

フェリシア「いいえ、カムイ様のお役に立ててうれしかったです。また、何かお話しがあったら私にしてくださいね。いっぱい力になりますから!」

カムイ「ふふっ」

フェリエシア「えへへ」
38 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/30(金) 21:41:48.91 ID:EV0ughmG0
カムイ「そう言えば、他の皆さんは?」

フェリシア「まだ、多くの方は休まれてます。マークス様とレオン様は偵察から戻って来たゼロさんの報告を受けてます。もう、終わった頃だと思います」

カムイ「そうですか。私はそちらに向かいますので」

フェリシア「はい、わかりました。寝具は私が片づけますから、気にしないでいってらっしゃいませ、カムイ様」

カムイ「ありがとうございます、フェリシアさん」タタタタッ

 バサッ バサッ

フェリシア「……私の事を頼りにしてるって、カムイ様に言われてしまいました……」

 ソワソワ

フェリシア「はわわっ。とっても嬉しくて、なんだかとってもいっぱい動ける気がしてきました!」

 フンスッ

フェリシア「今日の私は一味違いますよ〜。まずはカムイ様がお休みになられてたこの寝具を片付けちゃいますよ〜」

 ガサゴソ ガサゴソッ

フェリシア「……んー」ギューーーッ

フェリシア(えへへ、カムイ様。まだまだ、私頑張りますからね)

フェリシア「よーし、これをもって……」

 ツルッ

フェリシア「あ、きゃああああああー!」ドンガラガッシャンッ!
39 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/30(金) 21:54:52.54 ID:EV0ughmG0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―『野営地・作戦会議天幕』―

ゼロ「以上です」

レオン「それは本当なのかい、ゼロ?」

ゼロ「はい、先に王都周辺までたどり着いた部隊の情報ではありますが。このような話を聞き間違えるわけはないかと」

レオン「奴ら正気なのか。連中はそれがどういう意味かも分かっていないっていうのか?」

マークス「レオン、落ち着け。それで王都周辺の様子はどうなのだ?」

ゼロ「はい、特にこれといった戦線が作り上げられる様子は無いようで。おそらく、王都内部での決戦を目論んでいるのかと……。多くの民が王都に向かっていることから、何かしらの策を講じているのは間違いないと思われます」

マークス「そうか、わかった。幾ばくか休息を取れ、この先も長い行軍が続くだろう。それに、お前たちには動いてもらう必要があるからな」

ゼロ「分かりました。失礼します」シュッ

マークス「しかし、厄介なことになった。よもや、敵が本当にこのような決断をするとは……」

レオン「そうだね。正直、僕もこれは予想してなかったよ。だって、こんなの内部分裂の要因にしかならないじゃないか」

マークス「ともかくだ、この件を早くカムイに伝えなければ……」

 タタタタタッ

 バサッ バサンッ

カムイ「あ、マークス兄さん。レオンさんおはようございます。ゼロさんから報告を受けているという話でしたが、もう終わってしまったんでしょうか?」

レオン「カムイ姉さん……」

マークス「カムイ……」
40 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/30(金) 22:09:39.09 ID:EV0ughmG0
カムイ「……あまりいい話では無かったようですね」

マークス「ああ、想定していた中でも最悪の部類に入るかもしれない」

カムイ「最悪ですか?」

レオン「うん、少しだけだけど、いい事もある。だけど……」

カムイ「……覚悟はできています。話してもらえますか?」

マークス「そうだな。お前にはすぐに伝えなくてはいけないと思っていたことだ」

レオン「そうだね。カムイ姉さんには伝えなくちゃいけないことだろうからさ」

カムイ「はい、それで何が分かったんですか?」

マークス「それは……」

カムイ「マークス兄さん?」

マークス「……ヒノカ王女は生きていると思われる」

カムイ「本当ですか!?」

レオン「どうにかしてスサノオ長城から王都まで逃げ延びたみたいだ。ゼロが持ち帰った報告を聞く限り、その可能性が高い」

カムイ「よかった、ヒノカさんは生きているんですね……。ちゃんと、生きて王都にたどり着けたんですね……」

カムイ(ヒノカさんは生きている可能性が高い、そうゼロさんの報告から……)

カムイ「……」

カムイ(……報告から?)

カムイ「レオンさん……今、ゼロさんからの報告を聞く限りといっていましたけど、それは一体どういう意味なんですか?」
41 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/30(金) 22:28:16.14 ID:EV0ughmG0
レオン「……そのままの意味だよ。王都に到達した偵察隊はヒノカ王女の姿は見ていない」

マークス「さすがに内部に入り込むことはできない。ただ、ヒノカ王女が生きていること推測できる情報を手に入れた。それがゼロの報告した内容になる」

カムイ(どういうことですか。姿が見えないのに生きている可能性が分かる情報、確実性がある情報、そんなものは……)

カムイ「……まさか」

マークス「そういうことだ、カムイ」

レオン「正直、何かの間違いだと思いたいけど。この内容を聞き間違えるなんて正直思えない。おそらくだけど……」

カムイ「……ゼロさんからの報告された内容は、一体何だったんですか?」

マークス「……ゼロから報告があったのは、白夜周辺の敵陣地に関する情報、そして移動する民の情報、そして……数日以内に行われる予定のある人物の処刑に関する情報だ……。」

カムイ(……こんなに言われても、どこかで否定したい私がいる。でも、それを否定したところで今から聞かされる話が変わることは無いと、どこかで理解している私もいた)

レオン「カムイ姉さん……」

カムイ(わかっています。レオンさんだって信じたくないでしょう、マークス兄さんだって同じはずです。だから、私がその現実から目を逸らすわけにはいきません。だって、それが私の戦う現実なんですから)

カムイ「マークス兄さん、レオンさん。ヒノカさんなんですよね……」

「その……処刑される事になっている人が……」
42 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/30(金) 22:29:39.74 ID:EV0ughmG0
○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+→B++
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラA
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンA
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンA
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカB++
(生きてきた世界の壁について話をしています)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB+
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB++
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナA
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB++
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB+
(時々料理を食べさせてもらう約束をしています)
リンカB+
(過去の雪辱を晴らそうとしています)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラB
(暗夜での生活について話をしています)
43 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/30(金) 22:32:21.27 ID:EV0ughmG0
 仲間間支援の状況-1-

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713〜715] B[1スレ目・928〜929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511〜513] B[2スレ目・297〜299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710〜712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602〜606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839〜840] B[3スレ目・284] A[5スレ目・362]
・サクラ×ラズワルド
 C[5スレ目・303] B[5スレ目・337] A[5スレ目・361]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866〜867] B[4スレ目・438] A[5スレ目・456]
・ラズワルド×ピエリ
 C[5スレ目・823] B[5スレ目・862] A[5スレ目・890]
・マークス×リンカ
 C[5スレ目・888] B[5スレ目・920] A[6スレ目・6]
・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512] A[6スレ目・31]←NEW

【支援Bの組み合わせ】
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773] B[5スレ目・106]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246] B[5スレ目・480]

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377〜380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514〜515]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]
・ラズワルド×シャーロッテ
 C[5スレ目・479]
・ブノワ×エルフィ
 C[5スレ目・822]
44 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/30(金) 22:33:05.93 ID:EV0ughmG0
仲間間支援の状況-2-

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888〜889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752〜753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864〜865] B[1スレ目・890〜891] A[1スレ目・930〜931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471〜472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492〜493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175] B[5スレ目・58] A[5スレ目・107]
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926〜927] B[3スレ目・316] A[5スレ目・363]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439] A[5スレ目・436]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459] B[5スレ目・338] A[5スレ目・457]
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367〜368] B[2スレ目・541] A[5スレ目・481]
・サクラ×ニュクス
 C[5スレ目・860] B[5スレ目・889] A[5スレ目・919]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14] B[5スレ目・921] A[6スレ目・7]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780] B[5スレ目・861] A[6スレ目・32]←NEW

【支援Bの組み合わせ】
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426〜429] B[5スレ目・336]

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423〜425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]
・ハロルド×ツバキ
 C[5スレ目・56]
・アシュラ×ジョーカー
 C[5スレ目・105]
・マークス×ギュンター
 C[5スレ目・302]
・ラズワルド×ブノワ
 C[5スレ目・435]
・シャーロッテ×サクラ
 C[6スレ目・30]←NEW
45 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/03/30(金) 22:39:50.02 ID:EV0ughmG0
今日はここまで

 絶望がカムイの願いを崩していく……

 エコーズの資料集発売されたけど、ifの資料集はいつ出るのか……
 
 この先の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◆◇◆◇◆◇
○進行する異性間支援の状況

【支援Bの組み合わせ】
・エリーゼ×ハロルド
・レオン×エルフィ
・アシュラ×サクラ
・ギュンター×ニュクス

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
・モズメ×ハロルド
・ルーナ×ハロルド
・カザハナ×ツバキ
・ツバキ×モズメ
・ラズワルド×シャーロッテ
・ブノワ×エルフィ

 この中から一つ>>46

(会話しているキャラクターの組み合わせと被ってしまった場合は、その一つ下のになります)
 
◇◆◇◆◇
○進行する同性間支援

【支援Bの組み合わせ】
・シャーロッテ×モズメ
・ベルカ×ニュクス
・シャーロッテ×カミラ
・ジョーカー×ハロルド

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
・ピエリ×リンカ
・ピエリ×フェリシア
・フローラ×エリーゼ
・エルフィ×ピエリ
・スズカゼ×オーディン
・サクラ×エルフィ
・ルーナ×フローラ
・ハロルド×ツバキ
・アシュラ×ジョーカー
・マークス×ギュンター
・ラズワルド×ブノワ
・シャーロッテ×サクラ

 この中から一つ>>47

 このような形ですみませんがよろしくお願いいたします。
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/30(金) 22:47:55.47 ID:uV0qIlgUo
レオンエルフィ
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/30(金) 22:49:20.81 ID:VSUVzbAzo
おつ
ルーナ×フローラ
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/31(土) 11:19:27.98 ID:OiR32OSDO
おつ
ifの資料集まだでてなかったのかよ!
49 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 20:07:22.73 ID:c1Iz3f1x0
◆◇◆◇◆◇
―暗夜王国・食堂―

エルフィ「もきゅもきゅ……」

レオン「相変わらずすごい量を食べるんだね」

エルフィ「ん、レオン様。はい、訓練の後はお腹がペコペコなので。やっぱり訓練の後に食べるご飯はとっても美味しいです」

レオン「ははっ、料理番もエルフィの豪快な食べっぷりはすごいって言っていたからね」

エルフィ「だって、すごくおいしいから……////」

レオン「? 珍しいね、エルフィがワインを飲むなんてさ」

エルフィ「ワイン?」

レオン「それのこと……。ん、よく見るとワインじゃないのか。ごめん、赤いからワインだと思った。それはなんだい?」

エルフィ「ああ、これはトマトです」

レオン「と、トマト? 作ったスープを冷やしたのかい?」

エルフィ「いいえ、ただトマトを引き絞って果汁を出しただけの物です」

レオン「豪快な使い方をするね……」

エルフィ「はい、暖かいスープもいいのですが、今日みたいにハフハフしている料理にはこの方がいいと思って」

レオン「なるほどね。ところでそれって美味しいのかい? 正直果肉もないからおいしいのかどうかわからないんだけど……」

エルフィ「はい、おいしいですよ。よかったら少し飲んでみますか?」

レオン「いいのかい?」

エルフィ「はい、まだこのポットに入ってますので」

レオン「それじゃ、いっぱいだけ……ごくごく。驚くくらいすっきりしてるね」

エルフィ「わたしが力いっぱい搾りあげました。汁の一滴も出ないくらいに」

レオン「元のトマトは干からびてそうだね」

エルフィ「残ったものには塩を振って、少し焼いて食べました。そっちもおいしかったです」

レオン「そうなのか。それにしても思った以上においしいくて驚いたよ……。最初教えたのは僕だったけど、この発想は無かった。エルフィはすごいな」

エルフィ「いいえ、レオン様にトマトを紹介されたから出来たものですから。こんなにおいしいものと巡り合わせてくれてありがとうございます、レオン様」

レオン「そう言ってもらえてうれしいよ。ありがとうエルフィ、その……僕にもこれを作ってくれるかな?」

エルフィ「はい、任せてください、レオン様」

レオン「ありがとう、よろしく頼むよ、エルフィ」

【レオンとエルフィの支援がAになりました】
50 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 20:22:46.11 ID:c1Iz3f1x0
◆◇◆◇◆◇
―暗夜王国・王都ウィンダム『地下市場』―

ルーナ「なによ、フローラの奴。たしかに、あたしが我武者羅に物を買ったせいかもしれないけど……」

フローラ「ルーナさん、自覚があるのでしたら直したほうがいいと思いますよ。無駄なものを買うことはあまりいい趣向とは思えませんので」

ルーナ「って、フローラ!?」

フローラ「ごきげんよう、ルーナさん。先日の買い物の品々は食卓に並んでいるんでしょうか?」

ルーナ「うっ、開口一番に言ってくれるじゃないの」

フローラ「ふふっ、あれほどの量ですから、本当に使用しているのか気になってしまいます。職業病みたいなものですよ」

ルーナ「なによなによ。あたしが買ったものなんだから、どう扱おうが勝手でしょ」

フローラ「そうですね」

ルーナ「なら気にしないでよ」

フローラ「ですが、先日私がいなければご自宅へ物を持って帰れなかったのも事実でしょう? すこしお手を貸しただけではありますが、そうして送り届けたものがどう扱われているのか、気になるのも仕方ないことです。ルーナさんも手伝った結果がどういうものになったのか、気になる事は気になるでしょう?」

ルーナ「そ、それはそうかもしれないけど……」

フローラ「まぁ、大方浪費癖で買っているようですし、部屋の隅に置かれているのかもしれませんけど」

ルーナ「う、うるさいわね!」

フローラ「むしろ、部屋に置き場があるのかも怪しいところですね。ちゃんと整理整頓はしていますか?」

ルーナ「し、してるわよ」

フローラ「本当ですか?」

ルーナ「……うっ、もういっぱいいっぱいです」

フローラ「思った通りです。まったく、要らないものは捨てるか売るかした方がいいと思いますよ」

ルーナ「い、いつか使う日が来るかもしれないし。お皿だって、いきなり数百枚が一斉に割れることがあるかもしれないし、あたしはそれを予感してるの」

フローラ「はぁ、浪費癖に収集癖。困難な癖を二つお持ちなんですね」

ルーナ「ふんだ、フローラだっていつかお皿をいっぱい買っておけばよかった……、みたいに思う日が来るんだから」

フローラ「多分ありませんよ。それに必要最低限のスペアは確保してますのでご安心ください。あ、ここ特売みたいですね」

ルーナ「え、本当。これってすごくお得ね! おじさん、これちょうだい!」

フローラ「ルーナさん、今は置き場が無いんですよね?」

ルーナ「作ればいいだけでしょ。この特売は今しかやってないんだから、この機を逃すわけにはいかないでしょ!? あ、それもちょうだい!」

フローラ「買ってから考えるを地で行く人なんですね。ふふ、困った人です」

ルーナ「わ、笑わないでよ、もうっ……」

フローラ「ふふふっ」

『ルーナとフローラの支援がBになりました』
51 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 20:38:52.13 ID:c1Iz3f1x0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・王都へと続く街道『野営地・作戦天幕』―

サクラ「それは……本当なんですか、レオンさん」

レオン「ゼロからの情報だからね。どうしてこんなことを選択したのか、理解できないけど、現状ヒノカ王女は生きていて、先に起きたスサノオ長城での敗戦を理由に処刑されることになっているらしい」

マークス「恐らくは敗戦以外の理由もついて回るだろう。ヒノカ王女にここまで起きたすべての責任を押し付ける算段かもしれん。テンジン砦でリョウマ王子が提案していた和解の会合も、ヒノカ王女の指示であった言い出しかねない、そしてそれを煽って罠に嵌めたのが我々だという話になれば……」

カミラ「多くの人々がその発言に扇動されてしまえば、私たち暗夜に対しての全面的な戦闘は避けられないわ。言葉巧みに周辺の集落の人間を王都に集めているみたい」

エリーゼ「戦えない人たちに戦わせるってことだよね……。あの、マカラスの時みたいに」

アクア「ええ、私たち暗夜が白夜の人間すべてを虐殺しているという嘘で人々が狂気に駆られてしまえば、そうなってしまうわ」

カムイ「出来る事ならそれが浸透するよりも先に、王都にたどり着くことが出来ればいいのですが」

マークス「少数先鋭で向かえば可能だろう。しかし、わずかな数で挑むことは難しい。向こうはこちらの挑発に乗ることなく、王都での籠城戦に備えるはずだ。少数先鋭で忍び込むにしても、囮となる正面戦闘無しに攻略は不可能だろう」

レオン「もう少し行軍の速度を上げてみるけど、早くなっても半日程度だね。その間にヒノカ王女の処刑が始まってしまう可能性もある。こればっかりは向こうの動きが無いことを祈るしかない」
52 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 20:50:46.47 ID:c1Iz3f1x0
カムイ「歯痒いですね、ヒノカさんの処刑が行われないことを祈るしかないなんて……」

サクラ「王都に集まった民の方々も戦うつもりでいるんですよね……。出来れば戦いたくないとこちらが思っていたとしても……」

レオン「おそらくはね。僕たちに殺されるくらいなら……戦って死ぬことを選ぶ可能性は十分にある。もっとも、少なくない人々は戦いたくないと思ってくれているのかもしれないけど、おそらくは少数だから抑え込まれる。おそらく、もう白夜王都の準備は着々と進んでいるはずだ」

カミラ「現状では戦うしかないと、覚悟を決めるしかないわ」

カムイ「認めたくありませんが、それを前提に戦いに向かうしかないでしょう」

アクア「厳しい戦いになるわね。誰にとっても……」

マークス「ああ……」

カムイ「……ここで待っていても仕方ありません。王都へと急ぎましょう、可能性がわずかにでもあるなら急ぐ価値はあります」

マークス「ああ、よし、これより行軍を再開する!」

カムイ(……ですが、王都へはまだ最低でも一日は掛かる。正直、間に合うとは思えません。多くの方々が、自身を守るために戦うことを選んでしまうはず。それを批判する権利は私にあるわけもありませんから……)タタタタタッ
53 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 21:01:53.77 ID:c1Iz3f1x0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◇◇◇◇◇
―白夜王国・王都『中央広場』―

白夜の民「それに応じるつもりはない」

白夜兵「貴様ら、今何と言った!?」

白夜の民「言っただろう。わしらは応じるつもりはない、戦争するならあんたたちだけでやってくれと言っているんだ」

白夜兵「貴様らはスサノオ長城での一件を耳にしていないのか!? 多くの同胞が戦ったが、暗夜軍によって虐殺されたんだぞ?」

白夜兵「そうだ、やつらは無抵抗な兵も手に掛けた獣、いや化物だ。そんな者たちを相手に対抗しないで貴様らは死を待つというのか!?」

白夜兵「すでに兵を向かわせて戦線を作り上げている。お前たちが加われば――」

白夜の民「ここまでの道中で、お前さんのような兵士とすれ違ってなどおらん。唯一わしらの村の前に来たのは『暗夜の悪魔が迫っている、王都へ避難せよ』と伝えに来た使いだけだ。お前さんの言う、その兵というのはその使いの事か?」

白夜兵「っ!」

白夜兵「貴様、我々を愚弄する気か!? お前たちも国賊であるヒノカ王女と同じように処刑されたいのか!?」

白夜の民「ならば処刑するか?」

白夜兵「なっ!?」
54 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 21:13:00.04 ID:c1Iz3f1x0
白夜の民「いいとも、処刑するがいい。安心せい、ここにおるのは各村の代表ばかり、ここでわしらを殺したら待っている者たちには城の中に招いているとでも伝えておけ。どうせ、この戦いに身を投じるように話されることくらいわかっていた。まぁ、わしらも命惜しさに王都まで来たのは事実だ。暗夜に蹂躙されるかもしれない可能性を考えれば、こうして逃げてくることしかできなかった」

白夜兵「では、なおさら戦わなければ生き残れは――」

白夜の民「だがな、もうわしらは疲れた。戦う事にも、それに怯える事にも。あの日、言われるがまま暗夜に手を貸した裏切り者として多くの者を死地に追いやった。そんなわしらに生きる資格があるのか、あんたらは胸を張って堂々と資格があると言えるのかね?」

白夜兵「だ、黙れ! いいか、暗夜軍はいずれここにやってくる。それまでに各々の民に武器を持たせ、心構えを付けさせよ。我々が負けるわけにはいかないことを忘れるな!」タッタッタッ

白夜の民「……我々か、白夜とは口にせんのだな……」

白夜の民「おい、これからどうすればいいんだ?」

白夜の民「なに、もうなるようにしかならんさ。暗夜からやって来た連中が化物なのかどうかはさておき、今のわしらにはあまり意味のない事だよ。もう、王都正面の門は閉ざされておる。よもや出ていくにも出ていけん」

白夜の民「くっ、ここで死んでいくしかないっていうのか? 王都の備蓄だって、やって来た俺たちを養うにはとてもじゃないが足りないだろう。このままじゃ……」

白夜の民「……悲観しても仕方あるまい。今はそれぞれの場所に戻って、今の話を掻い摘んで話しておくとしよう。戦う意思がある者にはそれを尊重させる以外に手は無い。白夜はこれで終わりだろう……」
55 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 21:18:57.76 ID:c1Iz3f1x0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―シラサギ城『廊下』―

白夜兵「以上が報告になります」

上級武将B「わかりました。ユキムラ様には私たちから報告しておきますので、下がってください」

白夜兵「はっ!」

 タタタタタッ

上級武将B「ふむ、あまり感触は良くないということですか」

上級武将A「ど、どうなっているんだ? 多くの民は暗夜を恐れてここに集まったというのに、なぜ命を賭して戦うと決断せん!? このような数が戦力にならないのなら、ただただ物資を減らすだけではないか!?」

上級武将B「安心しなさい、どうせ戦う時が来れば死にたくないと武器を取りますよ。それにヒノカ王女の処刑の件、おそらく向こうの敵にも知れ渡っている事でしょうから、血相を変えてやってくることです。その姿を見れば生き残る事など不可能だと知り、武器を手に取ってくれる。それにあのカムイ王女と共にいる暗夜軍も、彼らとの戦闘は覚悟しているでしょうからね。彼らは乾燥した枯れ葉のような物、小さな火の粉であっという間に燃え広がることでしょう」

上級武将A「誰かが一人殺されれば、蜂の巣をつついたように皆攻撃に転じると?」

上級武将B「まぁそれが理想的です。もっとも、攻撃を避けるための盾くらいにはなってくれるはずですから、それで手打ちとしましょう」
56 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 21:24:45.28 ID:c1Iz3f1x0
上級武将A「それくらいの役に立ってもらわなくては困る。しかし、ヒノカ王女処刑の件がこれほど急速に広まるとはな」

上級武将B「ええ、思ったよりも鬱憤の溜まっている方々が多いようで。王族に仕える方々も減ってきている以上、不安に押しつぶされそうになればこうなります。おそらく、ユキムラ様も分かっていたことでしょうが」

上級武将A「ああ、しかし王族に仕えていた者たちに何かしら動きがあると思ったが、素直で落ち着いてやがる。思ったより忠儀などなかったのかもしれねえ」

上級武将B「まぁ、そんなものだということです。状況を見て旗色を変えるのは恥ずべき行為じゃありませんから」

上級武将A「しかし、あれをあのまま殺してしまうのはもったいないとは思わないか?」

上級武将B「おやおや、資源の有効活用をしたいと?」

上級武将A「どうせ殺すなら手の届かなかったものに手を触れたって罰は当たらないだろ? あれでも王女なんだ、それなりに愉しませてくれるはずだ。最後まで戦う俺たちに細やかな褒美があってもいいだろ?」

上級武将B「まったく、あなたは。まぁ、許されるなら触れておくのも悪くないでしょうねぇ。さぁ、ユキムラ様に報告に行きましょうか。残っている集落の人間は王都に到達したこと諸々を」タッタッタッ

 ………

 シュタッ

サイゾウ「……っ」ギリッ
57 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 21:29:45.24 ID:c1Iz3f1x0
サイゾウ「……ゲス共め、このような所でもお構いなしにそのような話をできるとはな」

サイゾウ(ここ数日の間に、多くの民がやってきたのはそう言う事だったか。しかし、思ったより戦意が上がっているわけではないようだ。いや、むしろ人数が増えるにつれてそれは明らかに下がっている。それもそうか、もうここにいる兵の数などたかが知れている。たとえ都が守られているとしても、テンジン砦にスサノオ長城を続いて落として来た敵が相手となれば、安心も何もあったものではないか……)

サイゾウ「……皮肉なものだ。多くの人々を死地に追いやり生き残った者たちが、今一番の地獄を見ているというのはな」

 カタンッ カタンッ

サイゾウ「む?」

カゲロウ「サイゾウ、ここにいたか」

サイゾウ「カゲロウか。無理して出てくることは無い、部屋で休んでいろ」

カゲロウ「部屋にいても息が詰まるばかりだ。それに今は何をしていても、心が安らぐこともない。すまないな、こういったことは私も手伝うべきことだというのに、もう走ることも叶わない。リョウマ様の臣下だというのに面目も何もあったものではない」

サイゾウ「いいや、リョウマ様はお前が生きて戻っただけでも十分に満足していた。俺たちは報われている、主からこんなにも身を案じてもらえているのだからな」

カゲロウ「そうだな。リョウマ様にはあのような窮屈な場所にいてもらいたくはないが、下手に事を動かすことはもうできなくなった。ヒノカ王女の暗殺の件は、思いのほか多くの者を慎重にさせてしまった……」
58 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 21:35:35.07 ID:c1Iz3f1x0
サイゾウ「カゲロウ、お前は今の状況をどう思う?」

カゲロウ「都全体に広がっている不安は収まる気配が無い。それに、あと数日もすれば王都での生活は立ち行かなくなるだろう。食料などの物資を考えると、王都へと逃げてきた民すべてを繋げるものではない、かといって食料の配給を制限し続ければいずれ反乱がおきる。……いや、暴動といったほうがいいかもしれないな」

サイゾウ「奴らもそれを気にしていた、ユキムラはこのことを理解していると思うか?」

カゲロウ「理解しているからこそ、リョウマ様の返答を待っていたんだろう。今回の一件はユキムラが始めたことではない様だ」

サイゾウ「やはりそうか……。ユキムラはヒノカ様を処刑するつもりはなかった。おそらく、リョウマ様がカムイ様を討つと言われるまで待つつもりだった。ここでヒノカ様の処刑を宣言したところで、士気が上がるわけもないからな」

カゲロウ「一部の者たちは違うようだ。それも恥知らずな魂胆を胸に秘めている。ヒノカ様の周囲に多くの者を当たらせた、正直ミタマだけでは心細い」

サイゾウ「ミタマか……。結局、ヒノカ様の臣下は戻ってこなかった。セツナとアサマはおそらくもう死んでいるだろう」

カゲロウ「どうにか王都にたどり着いた兵は見えない敵に襲われたと、そして死体を攫って行くとも言っていたらしい」

サイゾウ「死体を攫って何をする気なのかはわからないが、おそらく多くの骸が見つからないのはそれが原因だろう。アサマとセツナの仏が見つかっていないからと生きていると考えることはできない」

カゲロウ「その不気味な話を聞いて、兵はこの王都に閉じこもっている。もう籠城以外の戦いを彼らは望まないだろう。もう敵の侵攻を止めることは出来なくなった……」
59 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 21:40:14.52 ID:c1Iz3f1x0
サイゾウ「恐らく、多くの民がこの戦いに駆り出されるだろう。多くが意味もなく死ぬことになる、そんな戦いにな」

カゲロウ「カムイ様はそんな戦いを望まれていると思うか?」

サイゾウ「……本来なら敵の事など気にはしない。それが非戦闘員であるかは二の次だ、敵がこちらを殺すつもりなら、手を抜くことなどありはしないだろう」

カゲロウ「……」

サイゾウ「だが、あの王女は少し変わっている。それはカゲロウも分かっていることだろう? 俺は復讐を優先したのに対して、あいつはお前を助け出すことを優先した。そして、あの王女と共に戦う者たちはその願いに報いるために協力する。あの王女はその最悪を覚悟しつつも、多くを助けようとするのかもしれん」

カゲロウ「カムイ様はそういうお方だからな。しかし、今リョウマ様の次に最も信用できるのが、多くが裏切り者とするカムイ様というのは不甲斐ないな」

サイゾウ「裏切り者に変わりはない。あいつは白夜を裏切り暗夜に属したことは、変わらない事実だ。だが、その通りかもしれん。ここは、誰かを信頼するには狭すぎる」

カゲロウ「……ああ」

サイゾウ「……ところで、リョウマ様は」

カゲロウ「ヒノカ様の処刑の報より、しばらく一人にしてくれと……」

サイゾウ「そうか……。俺はミタマとヒノカ様の様子を見てくる。カゲロウはどうする?」

カゲロウ「私も一緒に行こう、今は少しでも信頼できる者たちの傍にいたい」

サイゾウ「そうか……。肩をかそう、掴まれ」

カゲロウ「すまない…」

サイゾウ「気にするな」テトテトッ
60 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 21:47:12.39 ID:c1Iz3f1x0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―シラサギ城『ヒノカの寝室』―

ヒノカ「……すぅ……すぅ」

ミタマ「もう、夕方……毎日毎日鬱屈になりそうな話ばかりで気が滅入ってしまいますわ」

ミタマ(ヒノカ様が処刑されるという話。まだ本人の耳には入っていないと思いますが、それも時間の問題でしょう。いずれは、何処からかその話が……)

 コンコンッ

ミタマ「誰ですか?」

サイゾウ『サイゾウだ、カゲロウと共に部屋の前にいる。ミタマ、今は大丈夫か?』

ミタマ「サイゾウ様にカゲロウ様? 少々お待ちください」テトテトッ

 スーッ

ミタマ「どうかなさいましたか? まさか――」

サイゾウ「いいや、悪い知らせは特にない。安心しておけ」

ミタマ「はぁ、そうでしたか。安心いたしましたわ。では、どういった要件で?」

カゲロウ「ああ、少しだけヒノカ様のお顔を拝見しに来た、リョウマ様にも報告しなくてはいけないからな」

ミタマ「そういうことでしたか。どうぞ、特に用意できるものもありませんが」

サイゾウ「特に問題は無い、失礼するぞ」テトテトッ
61 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 21:49:46.50 ID:c1Iz3f1x0
ヒノカ「……すぅ……すぅ」

カゲロウ「思いのほか、安定しているのだな」

ミタマ「はい、先ほど薬を与えました。こうして薬が効いている間はいいのですが、薬が切れると悪夢に苛まれてとても辛そうにされます」

サイゾウ「体の傷は癒えても、心の傷まではどうにもならないか……」

ミタマ「残念ですけど、その通りですわ。それに薬の処方にも限界があります、過剰な投与による副作用もありますから、ずっと安心させ続けることはできませんわ」

カゲロウ「そこはヒノカ様の精神力を信じるしかない。私たちにはそれを見守り支える以外に手は無いからな」

ミタマ「はい……」

サイゾウ「出来るなら、穏便にことが終わることを望みたいが、楽観的に考えることもできないだろう。周囲の警備に力は注いでいるが、ミタマも気を抜かぬよう事に当たれ」

ミタマ「もちろんそのつもりです。でないと、夢の中でアサマさんにいつもの顔でチクチクと責め立てられてしまいますし、なによりカムイ様が報われませんわ」
62 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 21:53:27.32 ID:c1Iz3f1x0
ミタマ「あの方は自軍を犠牲にしてまでヒノカ様を助け出そうとしてくれた。敵同士なのですからそんな考えは捨ててしまえばいいのに、多くの人々を助けるために剣を振るっていましたわ。それが実を結んだのでしょう、一度は壊れてしまったはずのアサマ様にセツナ様、そしてヒノカ様を崩壊の淵で止めてくださいました」

サイゾウ「……そうか」

ミタマ「本当なら、ヒノカ様はまだアサマ様やセツナ様と共にここにいたはずなのに。わたくしが不甲斐ないばかりに」

カゲロウ「ミタマ……」

ミタマ「……すみません、湿っぽい話をしてしまいましたわ。ともかく、カムイ様が再びヒノカ様にお会いするまで、命を賭けてお守りするつもりです。この命は少なくとも、そのためにあるべきだと今は思いますから」

サイゾウ「ふっ、リョウマ様にヒノカ様を任されただけはあるようだな。あの不真面目な僧と同じ場所の出だと聞いてはいたが……」

ミタマ「おほめに預かり光栄です。でも、わたくしもそれほどまじめではありませんわ。安眠が ほしいだけなの 本当は」

サイゾウ「なるほど、思ったよりアサマの周辺にいる僧は一癖二癖ある者ばかりだったようだな。人は見かけによらんといういい例だ」
63 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 21:59:51.96 ID:c1Iz3f1x0
ミタマ「理解してもらえて嬉しいですわ。でも、今はヒノカ様がゆっくり眠れるよう見守ることが使命……。いいえ、わたくしがそうしたいと純粋に思ったことだからかもしれません」

サイゾウ「そうしたいと思った……か。俺たちのように任務に従事するものにはあまり縁のない結論かもしれんな」

カゲロウ「縁はあるだろう。とくにサイゾウ、お前は熱くなると自身のするべきことを優先する性質だったはずだ」

サイゾウ「むぅ……」

カゲロウ「ふふっ、ミタマよ、引き続きヒノカ様の傍にいてやってくれ。こちらも時間があるときは顔を出すつもりだ」

ミタマ「お気になさらず、その時が来るまではヒノカ様の傍を離れるつもりはありませんので、ご安心くださいな」

サイゾウ「よろしく頼む。カゲロウ、行こう」

カゲロウ「ああ……」

 スーッ スーッ パタンッ

ミタマ「……都には多くの民が溢れていて、物資の底が見えてきてる。このまま、カムイ様たちが現れなければ、もっと凄惨なことが起きてしまうのかもしれませんわ」

ミタマ(それに、ずっとヒノカ様は待っているんですから)

ミタマ「……ヒノカ様、カムイ様が来るまでゆっくりお休みください。必ず、あの方は来てくれます。きっと、来てくれますわ」ナデナデ

ヒノカ「ん、……すぅ……すぅ……」
64 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 22:02:30.94 ID:c1Iz3f1x0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―シラサギ城『地下牢』―

リョウマ「……もう、出来ることはないのかもしれない……」

リョウマ(処刑か、これはユキムラの考えではないだろう。あいつはここでヒノカを処刑したところで意味がないことをわかっている。スサノオ長城での戦いで、ヒノカが戦死したのならその死には意味が生まれたはずだ。だが、今になって敗戦の責任で言い争う必要などどこにもない。敵は向かってきている、それを考えればこうして内輪で言い争っている暇などありはしない)

リョウマ(……どこで歯車が狂ったのか。いや、そんな過ぎたことを考えても仕方ない。もう、起きてしまった出来事の原因はすべてが終わってからでないと、教訓にすることさえできないのだから)

リョウマ「ふっ、教訓か。俺は何一つとして、成し得ることがなかったというのに、教訓も何もあったものではないな」

リョウマ(……もう、この戦いの終わりは見えている。もうすべての民を生かしつづけられるほどの物資は王都にはない。ただ、数を増やすためだけに送られてきた彼らに、戦闘を強いたところで意味などありはしない。ユキムラはそれをわかっている)

リョウマ「……」

リョウマ(だからこそ、俺にカムイを討つという選択をさせたかったはずだ)

リョウマ(カムイを討つ。それがヒノカを救える唯一の方法で、ユキムラが望む答えだろう。結局、この選択で流れる妹の血はカムイの血でしかない……。ヒノカが死んだところで意味などないし、逆に生きている事にこそ今は意味がある。それを理解しているからこそ、ユキムラは俺の答えを待ち続けたのかもしれない……)

リョウマ(だが、それを待つことはなくなった……。すべての選択は否定され、終わりまで狂い続けて落ちていく以外の道は消え去った…)

リョウマ「……俺はどうすることが最善だったんだろうか」

リョウマ(もう、その問い掛けに答えてくれる者はいない。そして――)

(もう、先を示してくれるものも見えなくなってしまった……)
65 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 22:05:43.73 ID:c1Iz3f1x0
○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB++
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラA
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンA
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンA
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカB++
(生きてきた世界の壁について話をしています)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB+
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB++
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナA
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB++
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB+
(時々料理を食べさせてもらう約束をしています)
リンカB+
(過去の雪辱を晴らそうとしています)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラB
(暗夜での生活について話をしています)
66 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 22:08:39.26 ID:c1Iz3f1x0
 仲間間支援の状況-1-

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713〜715] B[1スレ目・928〜929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511〜513] B[2スレ目・297〜299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710〜712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602〜606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839〜840] B[3スレ目・284] A[5スレ目・362]
・サクラ×ラズワルド
 C[5スレ目・303] B[5スレ目・337] A[5スレ目・361]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866〜867] B[4スレ目・438] A[5スレ目・456]
・ラズワルド×ピエリ
 C[5スレ目・823] B[5スレ目・862] A[5スレ目・890]
・マークス×リンカ
 C[5スレ目・888] B[5スレ目・920] A[6スレ目・6]
・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512] A[6スレ目・31]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437] A[6スレ目・49]←NEW

【支援Bの組み合わせ】
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773] B[5スレ目・106]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246] B[5スレ目・480]

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377〜380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514〜515]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]
・ラズワルド×シャーロッテ
 C[5スレ目・479]
・ブノワ×エルフィ
 C[5スレ目・822]
67 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 22:09:27.01 ID:c1Iz3f1x0
仲間間支援の状況-2-

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888〜889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752〜753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864〜865] B[1スレ目・890〜891] A[1スレ目・930〜931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471〜472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492〜493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175] B[5スレ目・58] A[5スレ目・107]
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926〜927] B[3スレ目・316] A[5スレ目・363]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439] A[5スレ目・436]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459] B[5スレ目・338] A[5スレ目・457]
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367〜368] B[2スレ目・541] A[5スレ目・481]
・サクラ×ニュクス
 C[5スレ目・860] B[5スレ目・889] A[5スレ目・919]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14] B[5スレ目・921] A[6スレ目・7]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780] B[5スレ目・861] A[6スレ目・32]

【支援Bの組み合わせ】
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426〜429] B[5スレ目・336]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]  B[6スレ目・50]←NEW

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423〜425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ハロルド×ツバキ
 C[5スレ目・56]
・アシュラ×ジョーカー
 C[5スレ目・105]
・マークス×ギュンター
 C[5スレ目・302]
・ラズワルド×ブノワ
 C[5スレ目・435]
・シャーロッテ×サクラ
 C[6スレ目・30]
68 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 22:16:37.07 ID:c1Iz3f1x0
今日はここまで

 暗夜編のリョウマは、多分ずっとカムイが離反したときから止まってしまっているんだと思う。

 エコーズの資料集買った、イラストがふんだんに散りばめられた買いの逸品。後半ページには支援会話も載ってるとかいう、資料集として優秀過ぎた。

 次の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◆◇◆◇◆◇
○カムイと話をする人物(支援A以外)

 ジョーカー
 フェリシア
 マークス
 ピエリ
 ゼロ
 ベルカ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 モズメ
 リンカ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 >>70

◇◆◇◆◇
○支援イベントのキャラクターを決めたいと思います。

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 >>71>>72

(すでにイベントが発生しているキャラクター同士が選ばれた場合はイベントが進行、支援状況がAになっている組み合わせの場合は次レスのキャラクターとの支援になります)

 次に続きます。
69 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/06(金) 22:19:26.17 ID:c1Iz3f1x0
◇◆◇◆◇
○進行する異性間支援の状況

【支援Bの組み合わせ】
・エリーゼ×ハロルド
・アシュラ×サクラ
・ギュンター×ニュクス

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
・モズメ×ハロルド
・ルーナ×ハロルド
・カザハナ×ツバキ
・ツバキ×モズメ
・ラズワルド×シャーロッテ
・ブノワ×エルフィ

 この中から一つ>>73

(会話しているキャラクターの組み合わせと被ってしまった場合は、その一つ下のになります)
 
◇◆◇◆◇
○進行する同性間支援

【支援Bの組み合わせ】
・シャーロッテ×モズメ
・ベルカ×ニュクス
・ジョーカー×ハロルド
・ルーナ×フローラ

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
・ピエリ×リンカ
・ピエリ×フェリシア
・フローラ×エリーゼ
・エルフィ×ピエリ
・スズカゼ×オーディン
・サクラ×エルフィ
・ハロルド×ツバキ
・アシュラ×ジョーカー
・マークス×ギュンター
・ラズワルド×ブノワ
・シャーロッテ×サクラ

 この中から一つ>>74

(会話しているキャラクターの組み合わせと被ってしまった場合は、その一つ下のになります)

 このような形ですみませんがよろしくお願いいたします。
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/06(金) 22:42:56.88 ID:kohg7WdDO
モズメさんで
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 09:30:30.36 ID:aI0/IJQho
ピエリ
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 10:19:15.54 ID:uXDjQsNBO
レオン
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 10:57:44.51 ID:ZjmBPz/fO
ブノワ×エルフィ
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 13:38:44.93 ID:0oqq0Jx5o
ルーナフローラ
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/13(金) 14:49:19.74 ID:xLX/nReDO

な、なんて格好悪い海老なのだ…
76 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/14(土) 22:28:24.98 ID:AfVATGhH0
◆◇◆◇◆◇
―暗夜王国・王城クラーケンシュタイン『レオンの執務室』―

ピエリ「ぶーっ、なんでピエリだけお呼び出しなの? 納得いかないのよ」

レオン「今日の戦闘で君は命令を無視して敵陣に突撃したからだよ。ピエリ、軍隊は規律で動くものだ。そういう個人的な行動が、多くの兵を危険にするかもしれないことくらい、わかっていると思うけど……」

ピエリ「ピエリよくわからないの。でも、敵がいたら、えいってやって殺せばいいってことだけはわかるのよ。それに、レオン様はピエリのご主人様じゃないの、ピエリのご主人様はマークス様なのよ」

レオン「はぁ、ああ言えばこう言う、子供そのものだね、君は……」

ピエリ「むー、ピエリ子供じゃないの。軍のみんな、ピエリを見てすごく大人って言ってくれるの」

レオン「ピエリ、君の戦いはどこか危うい。その危うさは君だけの危うさじゃないんだ」

ピエリ「うー、マークス様、敵をいっぱい殺したらいっぱい頭をナデナデしてくれるの。今日もいっぱい敵を殺したのに、なんでレオン様は褒めてくれないの?」

レオン「戦果は戦果、行動は行動。それぞれを総合的に見て僕は評価するつもりだよ。甘やかされて育ってきた君には認められないような方法かもしれないけどさ?」

ピエリ「むー、ピエリ、レオン様嫌いなの! 見てると、えいってしたくなるの……」

レオン「……無駄に度胸だけはあるね。いや、大きくなっただけの子供なんだから、分別が付いてないだけかもしれないけど。それは守れないと違う意味で命を落としかねないよ?」

ピエリ「ピエリ、レオン様の事なんて知らないの! べーっなの! うえぇぇぇぇん!」タタタタッ

 ガチャ バタンッ

レオン「……はぁ」

【レオンとピエリの支援がCになりました】
77 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/14(土) 22:30:20.67 ID:AfVATGhH0
◆◇◆◇◆◇
―暗夜王国・王都ウィンダム『郊外の森』―

エルフィ「ここにはいないみたいね…」

ブノワ「ああ、思った以上に怯えてしまっていたようだ。この近くには村がある、そこに迷い込んでしまっては、勘違いした者たちに殺されてしまうかもしれない…」

エルフィ「そうね…。もう少しくまなく探して……」

村人「うわーーー、熊だ。熊が出たぞ!」

エルフィ「今のは!」

ブノワ「まずい、あの熊かもしれん…」

エルフィ「ええ、行きましょう」

村人たち「弓だ弓を準備しろ、こっちにはまだ気づいていないみたいだ! 今のうちに仕留めよう」

ブノワ「まずい、もう弓を準備している…。やめろ、やめてくれ! その熊はただ迷い込んで来ただけなんだ!」

エルフィ「ここからじゃ聞こえない…、なら」ダッダッダッ!

ブノワ「エルフィ、一体何を――」

エルフィ「はあああああっ」ダッダッダッ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

村人「そ、そうでしたか。あの熊は迷い込んで来ただけだったのですね……」

ブノワ「すまん、俺が責任を取って元の山へと帰すから、狩らないでくれるか…」

村人「は、はい。それにしても、あちらの方は大丈夫ですか。その、私たちの矢を……」

エルフィ「大丈夫、それに私が飛び出して身代わりになっただけだもの。村人にも熊にも被害が無くて良かったわ」

ブノワ「エルフィ……」

エルフィ「さぁ、熊がまたどこかに行ってしまう前に行ってあげて。さすがに矢の雨からあの子を守れても、話をすることは出来ないもの」

ブノワ「ああ、わかった。エルフィ、ありがとう…」

エルフィ「ふふっ…」

【ブノワとエルフィの支援がBになりました】
78 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/14(土) 22:35:27.33 ID:AfVATGhH0
◆◇◆◇◆◇
―暗夜王国・王都ウィンダム『地下市場』―

ルーナ「……」

フローラ「ルーナさん、こんにちは」

ルーナ「納得いかないわ。なんであたしが買い物に出かける日に限って、あんたと会うことになるわけ? これじゃ、楽しくお買い物ができないじゃない!」

フローラ「神様が、あなたに正しい買い物を教えようとしているのかもしれませんね」

ルーナ「納得いかないわ。あたしのライフスタイルにどんな形であってもケチ付けるなんて」

フローラ「ケチなんて付けませんよ。少しばかり、私はあなたの事を羨ましく思います。こうやって自由に買い物をして帰ってきていいというのは、とても素晴らしいことだと思いますから」

ルーナ「なら、あたしの買い物に口出さないでほしいんだけど。友人なら、そう言うところに快く同意しなさいよね」

フローラ「え、友人?」

ルーナ「何不思議な顔してんの。こんなに顔合わせて話もしてて、一緒にショッピングを楽しんでるんだから友人で間違いないでしょ?」

フローラ「……」

ルーナ「な、なによ。もしかしてそう思ってたのあたしだけ?」

フローラ「いえ、その全くそんなことを思ったことが無かったので……」

ルーナ「ちょっと薄情過ぎない!? こんなに会って話もしてるのにさ!」

フローラ「ふふ、でもそうですね。たしかにそうかもしれません。なにせ、今日城塞を出る際にルーナさんがまた変な買い物をしようとしていたら止めてあげないといけない、そんなことを考えていましたから」

ルーナ「ふ、ふん。そんなこと言われてもうれしくないんだからね!」

フローラ「いえいえ、その大荷物を手伝わされる可能性を考えたら、事前に処置を取るべきだという話ですよ」

ルーナ「そこは、心配だからとか言ってくれてもいいでしょ!? 本当に融通の利かない奴よね、あんたって」

フローラ「そういうあなたは頑固な人ですよね?」

ルーナ「むー」

フローラ「……ふふっ」

ルーナ「……まあいいわ。それで今日は何を買いに来たわけ?」

フローラ「そうですね。豆などの穀物類を少々……。備蓄が少なくなってきましたので」

ルーナ「穀物類ね、ならあっちのお店が今日セールで安売りしてるらしいから行きましょう」

フローラ「そうなんですか、それは助かります。そう言えばこの前歩いていたら今週化粧水の割引を行うと予告していたお店がありました」

ルーナ「ナイスな情報よ。今日もいっぱい買い物して帰ることになりそうね!」

フローラ「お持ち帰りは手伝いませんよ?」

ルーナ「そこは少しくらい、手伝ってあげるっていうポーズ位取ってくれたっていいと思うんだけど?」

フローラ「お断りです。でも、気が向いたらしてあげますね?」

ルーナ「そ、気が向いたら頼むわ。って、もう人だかりができてる!? フローラ、急がないと!」タタタタッ

ルーナ「あ、ちょっと、それはあたしのよ! 笑ってないで、少しは手伝いなさいよ!」

フローラ「ふふふっ、わかりました。まったく、本当に困った人ですね、ルーナさんは」タタタタッ

【ルーナとフローラの支援がAになりました】
79 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/14(土) 22:41:46.62 ID:AfVATGhH0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・白夜王都が見える丘―

ゼロ「……あれが白夜の王都の外周か……」

暗夜偵察兵「やはり王都周囲だけあって警備は厳重です。内側へはそう簡単に入り込めないでしょう」

ゼロ「当たり前だな。もう少し詳しく探りを入れたいが、ヒノカ王女の一件もある。下手に動いてあちらを刺激しない方がいいだろう」

暗夜偵察兵「当面は様子見ということですね。ゼロ様はいかがしますか?」

ゼロ「俺は一度戻ってレオン様に報告する。お前たちは王都の様子を観察しろ、なに予想通りなら敵が大規模な行動に出ることは無いだろうからな」

暗夜偵察兵「はい、わかりました。このまま監視を続けます」ザッ

ゼロ(……おそらく、こちらの動きには気づいているはず。それにしては全く動きもないとはね)

ゼロ(よほどの自信があるのか、それとも縮こまっているだけなのか……。それとも王族の処刑の件が、思いのほか有利に働いているとでもいうのかねぇ……)

ゼロ「……考えても埒が明かないな。さっさとレオン様に報告に戻るとするか……」タタタタタ
80 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/14(土) 22:49:54.42 ID:AfVATGhH0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・カムイ軍野営地『カムイの天幕』―

カムイ「どうにか行軍速度を上げて、早ければ明日の夕方ほどで白夜王都に到達ですか……」

カムイ(夜刀神……。あなたが私の元に現れたあの場所。そしてお母様が私をかばって死んでしまった場所に、今から戦いに向かうことになるんですね……)

カムイ「もしかしたら、あそこが出発点になる選択もあったのかもしれません。白夜と共に歩む道を決めていたのなら……、白夜の方々と手を組んで戦っていたのかもしれません……」

カムイ(ですが、今さらそれを思ったところで意味などありません。ヒノカさんが処刑される可能性がある今、そんな考えに逃げることは許されませんから)

カムイ「リョウマさん、ヒノカさん……。きっとお二人を――」

 クゥ〜

カムイ「……どんな時でもお腹は鳴るものですか。はぁ、これでは格好がつきませんね」

カムイ(時間はそれなりですし、そろそろ食事が出来上がっている暗いでしょうか…)

カムイ「ちょっと、様子を見に行きますか……」ガサッ

 タタタタッ
81 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/14(土) 22:53:57.03 ID:AfVATGhH0
暗夜兵「おーし、順番に並べ、おそらくこうして落ち着いて飯が食えるのは今だけだ。各自、ちゃんと味わって食えよ。それと、明日の分の携帯食の配布も行うから、各自自分の分をちゃんと受け取るように」

暗夜兵「落ち着いてか…。結局行軍も早まってあまり落ち着いていたとは思えないんだが……」

暗夜兵「細かいことは気にするな。次の戦い、あまりいい物にはなりそうにないからな。今のうちに心の余裕と準備だけはしておけってことだよ」

暗夜兵「はいはい……。ずずずっ…はぁ、なんだろう、どこか懐かしい感じのするスープだな……。こう、ホッとするっていうか、家が恋しくなるっていうか……」

暗夜兵「わかる。なんていうか、暗夜の料理じゃないんだけどよ。こう田舎の友人を思い出すっていうか……ぐすっ」

暗夜兵「おいおい、泣くなよ。ホームシックか?」

暗夜兵「飯がうまいから泣いてるだけだ!」

カムイ(家が恋しくなるようなものが今日の夕食なんですね。いったい、誰が今日の食事の指示をしたんでしょうか……)

モズメ「あ、カムイ様、どないしたん?」

カムイ「あ、モズメさん。皆さんがおいしそうに食事されているので、今日の料理長は誰なのか少し気になったんです。みなさん、口々になんだか懐かしい味だっと言っていますから」

モズメ「え、そうなん? 暗夜でもこんな料理が振舞われるもんなんか?」

カムイ「どうしてモズメさんが驚いているんです?」

モズメ「だって、今日の夕食、あたいが作ったものやから……。正直、田舎臭いーとか、雑な味とか言われると思ってたんよ」
82 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/14(土) 23:00:33.34 ID:AfVATGhH0
カムイ「前にモズメさんの料理を食べましたけど、とてもおいしかったですよ」

モズメ「そ、そうなん?」

カムイ「はい、毎日食べたいくらいでした。モズメさんの愛情がいっぱい入っていたんだと思います」

モズメ「カムイ様、恥ずかしくなること言わんといて……顔が熱くなってまうよ////」

カムイ「ふふっ、手で触れただけでもわかるくらい赤くなっているんですね」ピトッ

モズメ「ひゃっ、おさわりはあかんで!」

カムイ「ふふ、ごめんなさい」

モズメ「それより、カムイ様はもう食べたん? 容器とか持ってるように見えへんけど」

カムイ「えっと……」

 クゥ〜

カムイ「あ……」

モズメ「そのお腹の返事、まだ食べてないんやね」

カムイ「はい……。その恥ずかしいところを見られてしまいました」

モズメ「えへへ、お腹が空いてるのは元気な証拠や。ちょっと待っててや、カムイ様の準備してくるから」

カムイ「ありがとうございます、モズメさん」
83 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/14(土) 23:05:16.75 ID:AfVATGhH0
暗夜兵配給係「はい、こちらがカムイ様の分です。モズメ様の分もどうぞ」

モズメ「ありがとな。少しだけ任せてもええ?」

暗夜兵配給係「はい、モズメ様。食事の追加などはほぼ完了していますし、明日の携帯食の準備も整っていますから、あとは私たちにお任せください」

モズメ「おおきに助かるわ。それじゃ、少しだけ頼むで」

暗夜兵配給係「いえいえ、カムイ様とゆっくりしていてください、到着してから仕込みと調理でゆっくり休めていないと思いますから」

モズメ「え、ええの?」

暗夜兵配給係「はい」

モズメ「それじゃ、お言葉に甘えさせてもらうわ」ダッ

 テトテトテトッ

モズメ「カムイ様、お待たせ。これ、カムイ様の分や」

カムイ「ありがとうございます、いい香りですね。モズメさんの愛情が感じられます」

モズメ「二度目は通用せんよ」

カムイ「そうですか、残念です。もっと可愛く慌てるモズメさんを見たかったんですけど」

モズメ「カムイ様は意地悪な人や。それじゃ、いただきます」

カムイ「はい、いただきます」
84 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/14(土) 23:07:35.55 ID:AfVATGhH0
カムイ「ん、これはクマの肉ですね」

モズメ「うん、良さそうなのが結構おったから、それに明日の事も考えたら力付けとかんと、途中で倒れてまう。元気の源ってやっぱりおいしい食事やって思うんよ」

カムイ「モズメさんらしい考え方ですね。ふふ、でも残念です。モズメさんの特別な手料理を振舞ってもらえるのは私だけだと思っていたので」

モズメ「あたしの料理は何も特別じゃあらへん。作り方も村で教わっただけのものやもん」

カムイ「私には特別美味しく感じられますよ」

モズメ「えへへ、ありがとーな。カムイ様にもみんなにもおいしいって言ってもらえてあたいとっても嬉しいんよ」

カムイ「実際とてもおいしいですから、当然の評価ですよ。なんていうか、食べていると力が湧いて来るって言いますか、そんな感じがするんです」

モズメ「そう思って作ってるんよ。料理は愛情って昔教わってから、作ってるときはこんな料理になったらええなって思うようにしてるんよ」

カムイ「思いながら作る、ですか……」
85 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/14(土) 23:10:56.86 ID:AfVATGhH0
モズメ「うん、料理は食べてもらう相手の事を考えて作るのが一番なんよ。どんなに簡単でもどんなに難しくても、食べてくれる人が喜んでくれることが一番大事なことやから」

カムイ「……一番大事なことですか。なるほど、モズメさんの料理の美味しさの秘密というわけですね」

モズメ「えへへ、でもあたいはカムイ様においしいって言ってもらえるのが一番うれしいんよ」

カムイ「え?」

モズメ「だって、カムイ様は色々と考えないといけない立場やから、さっきまで何かで悩んでたかもしれへん。あたいにはそれを聞いて助言が出来るわけないのはわかってる。だから、こうやって何かを食べてるときくらい、笑顔でいてほしいって思ってるんよ」

カムイ「……ふふっ、そんなことを言われて笑顔にならない人はいませんよ。ありがとうございます、モズメさん」ナデナデ

モズメ「んっ、もう、おさわりは駄目やって言っとるのに……はふぅ」

カムイ「ふふっ。ごちそうさまでした」

モズメ「もう食べ終わってしまったん?」

カムイ「はい、とってもおいしかったので、どんどん箸が進んでしまいました。やっぱり、モズメさんの料理は愛情たっぷりですね」

モズメ「おおきに、今度はカムイ様だけに料理を作ってあげるから、楽しみにしててほしいんよ」

カムイ「はい、楽しみにしています」

モズメ「よーし、明日の準備がんばらへんと!」

カムイ「はい、よろしくお願いします」
86 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/14(土) 23:12:26.07 ID:AfVATGhH0
今日はここまで

 ルーナとフローラってこんな感じの交友関係を築きそうな気がするのよね……
87 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 20:52:54.47 ID:OgKMmq0w0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カムイ「……ふぅ、モズメさんの料理、とてもおいしかったです。明日の携帯食も頂きましたから、これで明日の準備も済みました」

カムイ(しかし、やはりと言いますから食料の量はそれほどありません。持久戦でこちらに勝ち目はないのは明白、相手の籠城を崩せなければ私たちは撤退を余儀なくされます)

カムイ(撤退してもテンジン砦からの増援を待ってから再度攻撃を仕掛ければ、私たちが負ける事はありません。ですが、その頃には白夜がどうなっているのかわからない、あの姿の見えない敵たちが何かを起こすかもしれない……。そうなってしまったら……)

 コンコンッ

カムイ「ん? だれですか?」

アクア「カムイ、私よ。少しいいかしら?」

カムイ「アクアさん、どうかしましたか?」

アクア「少し話したいことがあっ……、今は平気?」

カムイ「はい、大丈夫です。どうぞ、入ってください」

アクア「ええ、おじゃまするわ。もう、携帯食は受け取ったのね」

カムイ「はい、丁度さっき夕食を頂いたので、その帰りに。モズメさんや多くの方々が作ってくれたみたいです」

アクア「ええ。明日の戦いの途中で退くことは許されないから、できる限り準備してくれたみたい。多くの兵の戦う一押しになってくれるといいのだけど」

カムイ「はい……負けられません。ここで退いてしまったら、白夜王国がどうなってしまうのかわかりませんから」

アクア「……おそらくだけど、ここで撤退することになってしまったら、おそらくだけど白夜は崩壊してしまうわ」

カムイ「崩壊ですか」

アクア「多くの人は今の白夜の状況を見て、すでに崩壊していると思うかもしれない。でも、まだ秩序のすべてが崩壊しているわけじゃないわ。今はギリギリのところでそれを免れてる。だけど、それさえも壊れて国の面影が無くなってしまったら手遅れになる」
88 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 21:04:34.64 ID:OgKMmq0w0
カムイ「……崩壊こそが国の消滅とアクアさんは考えているんですね」

アクア「ええ、少なくとも私はそう思っているの。そう理解するに足るものを、私は見てきたから……」

カムイ「アクアさん?」

アクア「ごめんなさい、今話すことじゃなかったわ」

カムイ「いいえ、私からこの話を振ったんですから、アクアさんが謝らないでください」

アクア「そう、わかったわ。だけど、カムイがそう言ったことを考えるのを私はおかしいとは思わない。あなたは、そういう人だから」

カムイ「アクアさん……。ははっ、なんだか不思議です。そういうことを自分で考えるとモヤモヤするのに、アクアさんにそう言ってもらえたら、なんだかポカポカしているといいますか……。すみません、なんだか恥ずかしいことを……ん?」

アクア「……」

カムイ「あの、アクアさん?」

アクア「あ、えっと、そう、そんな不思議なことがあるのね/////」

カムイ「? アクアさんどうしたんですか。なんだか言葉がぎこちないですよ?」

アクア「な、何でもないわ」

カムイ「?」
89 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 21:18:00.81 ID:OgKMmq0w0
アクア「それよりもカムイ、あなたは今回のヒノカの処刑の話をどう考えているの?」

カムイ「……改めて考えると、少しだけ不思議に思っているところです。私がもしもユキムラさんの立場だとしたら、こうして敗戦が続き、王都まで押し込まれている状況でそんなことをしている場合ではないと思います」

アクア「色々と考えて落とし込めば、この処刑が意味を持ってくるかもしれない。けれど、敗戦の理由として王族を処刑しても敵の進軍は止まらないと多くの人々は思うでしょうし、するべきことを行わないことで民衆の不満が爆発すれば防戦どころではなくなる可能性もある。そこまでしてヒノカの処刑を公に公表する理由、それがわからないのよ」

カムイ「そうですね、ユキムラさんに今ヒノカさんを処刑する理由があるようには思えないんです。王都での混乱を終息させる狙いがあるのかもしれないとは思ったのですが、ならもっと違う事を行うべきでしょう」

アクア「それにヒノカを今処刑したところで、民衆の不満が全て私たちに向くとは思えない。最悪の場合、自国に対しても何も思うこともないかもしれない。だからヒノカが処刑されるっていうことは、相対的に見ても何の意味を持たない行為になっているの。唯一、意味があるとするなら……」

カムイ「私たちに対して……、ということですね」
90 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 21:30:56.47 ID:OgKMmq0w0
アクア「ええ。ヒノカの存在が私たちにとって意味があるとユキムラは理解している。単純にこれもあなたを苦しませるという目的の延長だと考えれば……」

カムイ「少なからず納得がいくということですか」

アクア「無理矢理ではあるけど、という話よ。むしろ、この報そのものが罠である可能性もあるわ」

カムイ「……この報は罠かもしれないということですか?」

アクア「ユキムラはあなたの命を奪うことに執着しているようだから、あなたがヒノカの危機を聞いてやってこないわけがないと考えれば……」

カムイ「見事にその策に嵌っているということですね」

アクア「もしくは、本当に白夜で何かが起きているのかも知れない」

カムイ「?」

アクア「ユキムラが率いている強行派にも何かしらの歪が生じている、そう考えることもできるという事よ」

カムイ「歪ですか……」

アクア「飽くまでも推測よ。ユキムラの統率力がどれだけの物かはわからないけど、実際ここまでの連戦はすべて白夜の敗退で終わっている。そんな今の状況に不満を持つ者が現れて、この騒動を起こしているのかもしれない」
91 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 21:50:36.78 ID:OgKMmq0w0
カムイ「内部で分裂が起きている可能性があるということですね」

アクア「実際は今も内部分裂しているようなもの、王族派と強行派という二つの勢力が存在しているのだから…。今は強行派がほぼ主権を握っているのでしょうけど、その強行派も一枚岩でないのなら、この処刑の話の浮き上がりに納得が出来る」

カムイ「なるほど……。ですが、ヒノカさんの処刑の話を上げているのです。その方々と手を取り合えるとは思えません」

アクア「でしょうね。唯一手を取り合えるかもしれない王族を支持する人々は、処刑の件で下手に動けない状況に追い込まれているのかもしれない」

カムイ「彼らと私たちにとって、ヒノカさんは人質として成立するということですね」

アクア「ええ、私たちの進軍が始まって、王都の外周に回されるのはおそらく無理矢理武装させられた民と王族を支持する者たちが大部分を占めるはず」

カムイ「出来れば戦いたくはありません。あのスサノオ長城から王都まで逃げ延びた方々もいるはずですから」

アクア「その中にも私たちと剣を交えたくない人はいるかもしれない。でも、状況が状況なら彼らを恨むことは出来ないわ。私たちが敵であることに変わりはないもの」

カムイ「……そうですね。結局、私たちが侵略者であることに変わりはありません。どんな理由があったにせよ、私は白夜を攻撃したことを忘れずに生きていくつもりですから」
92 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 22:07:39.71 ID:OgKMmq0w0
アクア「あなたは強いのね……」

カムイ「いいえ、皆さんに支えられているからですよ。それがどんなに非情で受け入れたくないことだとしても、私の背を支えてくれる皆さんがいるから、私はまだ戦うことができる。皆さんのおかげなんですよ」

アクア「だとしても、あなたが強いことに変わりはないわ。あなたが示してくれたことが私たちをここまで導いてきた。あなたの事をみんなが支えたいと思ったのは、そういうあなたを見てきたからよ。あなたが紡ぐ道を一緒に歩むことを誇りに思っているはず」

カムイ「誇りですか。そんな風に思ったことはありませんでした。私の戦いにそんな言葉は似合いませんし、誇れるようなものではありません」

アクア「いいえ、私は誇りに思うわ。あなたの戦いは、自分のためよりも誰かのためだもの……。私にはあなたの戦いが理想を追いかけているように見えているわ。報われることじゃない、ただ理想のためにあなたは戦っている、そんな気がするの」

カムイ(理想……。それは私が最初に描いたことだったかもしれない。自分というものを自覚して、でも確かにそれはあった。私は今、唯一の理想に手を伸ばそうとしているのかもしれません。この戦いの中で、唯一手が届きそうなその理想に……)

カムイ「……私の手は、それに届くのでしょうか……」

アクア「カムイ?」

カムイ「……なんでもありません。それよりも、そろそろ偵察が戻る時刻かもしれませんから、様子を見に行きましょう」

アクア「ええ、そこまでは私がエスコートしてあげるわ」

カムイ「大丈夫ですよ、ちゃんとわかりますから」

アクア「いいから、ここは私に任せておいて。それじゃ、行きましょう」ギュッ

カムイ「はい、わかりました。よろしくお願いしますね、アクアさん」

アクア「ええ」
93 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 22:25:36.60 ID:OgKMmq0w0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・カムイ軍野営地『作戦会議天幕』―

ゼロ「以上が現在の状況です」

レオン「わかった。ゼロは少しだけ休んでいてくれ、追って指示を出す」

ゼロ「わかりました、レオン様。それでは、失礼いたします」タタタタッ

レオン「ようやくっていうところだね」

マークス「ああ、偵察隊の話を聞く限り、やはり帝都内部へ入り込むのは至難の業だろう。流石に暗夜王都で使用したカタパルトもココには存在しない」

レオン「うん、スサノオ長城の戦いでドラゴンの数も減っているから、囲いの一つを越えたところで、どうにかなるとは思えない」

マークス「うーむ」

 タタタタタッ

レオン「?」

カムイ「失礼します、レオンさん、マークス兄さん、今よろしいですか?」

マークス「カムイか。丁度いいところに来た、入れ」

カムイ「はい、失礼しますね」

アクア「失礼するわ。さっきゼロとすれ違ったのだけど、もしかして報告が入ったの?」

レオン「ああ、偵察から戻って来たところでね。今の白夜王都の状況を教えてもらったところなんだ」

カムイ「それで丁度いいところにということだったんですね」

マークス「しかし、やはり王都だ。暗夜の王都襲撃戦とは違い、敵もこちらの動きには気づいているだろう。正直、難しいところだ」

カムイ「それほどですか……」
94 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 22:32:40.08 ID:OgKMmq0w0
レオン「王都全体の城壁の一箇所を崩そうにも、こちらの兵力を一箇所に集中して崩せるのはほんの一瞬だけ、すぐに建て直される可能性が高い。色々と方法は考えているけど、強行突破してのリョウマ王子とヒノカ王女救出はかなり厳しい。強行突破が成功したとしても、シラサギ城に辿り着いた時には僕たちはボロボロで、すぐ包囲されておしまいだね」

カムイ「かなり厳しい戦いということですね。敵も防戦の準備を整えているのですから、城壁を抜けたところでシラサギ城に行くまでも幾度となく邪魔をされるでしょうし……」

マークス「うむ、この城壁を楽に超えることが出来ればいいのだが。さすがにそのような方法、ありはしないか」

カミラ「さすがに上を飛んでいくのもあまり現実的じゃないみたいだし、中々に悩み所ね」

レオン「あ、カミラ姉さん。ドラゴンの世話はもう終わったの?」

カミラ「ええ、みんな今はぐっすり眠ってる。だけど、スサノオ長城の時みたいな無理はさせられないのが現状ね。ここまで物資を運ぶの使ってきたから、長く戦い続けるのは難しいわ」

カムイ「八方塞がりとまではいきませんが、こちらの不利は覆すことが出来そうにないということですね……」

マークス「ああ、いくつかの作戦計画をレオンに練ってもらったが、現状の戦力でここを抜けるとなるとほぼ余剰戦力のすべてを使いかねん」

カミラ「なにか隠し通路の一つでもある気はするけど……」

カムイ「もしかして、暗夜の国境砦付近からシュヴァリエ公国内にまで伸びていたあの地下道のようなものですか?」

カミラ「ええ、私はあると思うのだけど。マークスお兄様はどう?」

マークス「そうだな、恐らく城からの要人を脱出させるためにある可能性高い。しかし、どこにあるのかわからなくては使う事も出来ない。もう時間が無いから、丹念に探すこともできないだろう」

カムイ「ですよね……。流石にうまくはいきませんか……」

アクア「隠し通路……」

アクア「……」

アクア「あ…」
95 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 22:34:36.04 ID:OgKMmq0w0
カムイ「アクアさん、どうかしましたか?」

アクア「ねぇレオン。白夜王都周辺の地図を見せてもらえる? 出来れば王都周辺を写したものを」

レオン「ああ、いいよ。縮小したものだけどいいかな?」

アクア「ありがとう……」ジーッ

マークス「アクア、何を探しているのだ?」

カムイ「アクアさん?」

 スッ

アクア「……ここね」

カミラ「……森の中みたいだけど」

マークス「ああ、城壁から少し離れた場所のようだが、ここがどうかしたのか?」

アクア「確かここだったはずよ」

レオン「何がだい?」

アクア「私が白夜に連れてこられた時、私は王都正門を通ってシラサギ城に入っていないの。ぽっかりと空いた黒い洞窟のような場所に入って、気づいたら城内にいた」

レオン「まさか、それって……」

カムイ「アクアさん、もしかしてここに?」

アクア「ええ、私の記憶が確かなら、ここにあったはず――」

「シラサギ城に通じている……、隠された道が……」
96 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 22:38:59.83 ID:OgKMmq0w0
○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB++
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラA
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンA
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンA
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカB++
(生きてきた世界の壁について話をしています)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB+
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB++
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナA
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB++
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB+→B++
(時々料理を食べさせてもらう約束をしています)
リンカB+
(過去の雪辱を晴らそうとしています)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラB
(暗夜での生活について話をしています)
97 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 22:39:49.62 ID:OgKMmq0w0
 仲間間支援の状況-1-

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713〜715] B[1スレ目・928〜929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511〜513] B[2スレ目・297〜299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710〜712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602〜606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839〜840] B[3スレ目・284] A[5スレ目・362]
・サクラ×ラズワルド
 C[5スレ目・303] B[5スレ目・337] A[5スレ目・361]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866〜867] B[4スレ目・438] A[5スレ目・456]
・ラズワルド×ピエリ
 C[5スレ目・823] B[5スレ目・862] A[5スレ目・890]
・マークス×リンカ
 C[5スレ目・888] B[5スレ目・920] A[6スレ目・6]
・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512] A[6スレ目・31]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437] A[6スレ目・49]

【支援Bの組み合わせ】
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773] B[5スレ目・106]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246] B[5スレ目・480]
・ブノワ×エルフィ
 C[5スレ目・822] B[5スレ目・77]←NEW

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377〜380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514〜515]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]
・ラズワルド×シャーロッテ
 C[5スレ目・479]
・レオン×ピエリ
 C[5スレ目・76]←NEW
98 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 22:40:48.21 ID:OgKMmq0w0
仲間間支援の状況-2-

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888〜889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752〜753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864〜865] B[1スレ目・890〜891] A[1スレ目・930〜931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471〜472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492〜493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175] B[5スレ目・58] A[5スレ目・107]
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926〜927] B[3スレ目・316] A[5スレ目・363]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439] A[5スレ目・436]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459] B[5スレ目・338] A[5スレ目・457]
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367〜368] B[2スレ目・541] A[5スレ目・481]
・サクラ×ニュクス
 C[5スレ目・860] B[5スレ目・889] A[5スレ目・919]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14] B[5スレ目・921] A[6スレ目・7]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780] B[5スレ目・861] A[6スレ目・32]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]  B[6スレ目・50] A[5スレ目・78]←NEW

【支援Bの組み合わせ】
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426〜429] B[5スレ目・336]

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423〜425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ハロルド×ツバキ
 C[5スレ目・56]
・アシュラ×ジョーカー
 C[5スレ目・105]
・マークス×ギュンター
 C[5スレ目・302]
・ラズワルド×ブノワ
 C[5スレ目・435]
・シャーロッテ×サクラ
 C[6スレ目・30]
99 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 22:45:30.12 ID:OgKMmq0w0
○仲間ジョブ決定一覧●
―対の存在―
・アクア(歌姫)

―城塞の人々―
・ジョーカー(パラディン)
・ギュンター(グレートナイト)
・フェリシア(ストラテジスト)
・フローラ(ジェネラル)

―暗夜第一王子マークス―
・マークス(パラディン)
・ラズワルド(ボウナイト)
・ピエリ(パラディン)

―暗夜第二王子レオン―
・レオン(ストラテジスト)
・オーディン(ダークナイト)
・ゼロ(ボウナイト)

―暗夜第一王女カミラ―
・カミラ(レヴナントナイト)
・ルーナ(ブレイブヒーロー)
・ベルカ(ドラゴンマスター)

―暗夜第二王女エリーゼ―
・エリーゼ(ストラテジスト)
・ハロルド(ブレイブヒーロー)
・エルフィ(グレートナイト)

―白夜第二王女サクラ―
・サクラ(戦巫女)
・カザハナ(メイド)
・ツバキ(バトラー)

―カムイに力を貸すもの―
・ニュクス(ソーサラー)
・アシュラ(上忍)
・フランネル(マーナガルム)
・サイラス(ボウナイト)
・スズカゼ(絡繰師)
・ブノワ(ジェネラル)
・シャーロッテ(バーサーカー)
・リンカ(聖黒馬武者)
・モズメ(弓聖)
100 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 22:51:02.01 ID:OgKMmq0w0
今日はここまで

 こういう場面で有益なことを思い出すのはヒロインの特権。
 FEHようやくピエリがLv40になりました。あとはずっしりとリリスの実装を待つばかり……

 次回かその次ほどで、カムイと共に戦いに出る仲間を決めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。
◆◇◆◇◆◇
○支援イベントのキャラクターを決めたいと思います。

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 >>102>>103

(すでにイベントが発生しているキャラクター同士が選ばれた場合はイベントが進行、支援状況がAになっている組み合わせの場合は次レスのキャラクターとの支援になります)

 次に進みます。
101 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/17(火) 22:52:04.32 ID:OgKMmq0w0
◇◆◇◆◇
○進行する異性間支援の状況

【支援Bの組み合わせ】
・エリーゼ×ハロルド
・アシュラ×サクラ
・ギュンター×ニュクス
・ブノワ×エルフィ

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
・モズメ×ハロルド
・ルーナ×ハロルド
・カザハナ×ツバキ
・ツバキ×モズメ
・ラズワルド×シャーロッテ
・レオン×ピエリ

 この中から一つ>>104

(会話しているキャラクターの組み合わせと被ってしまった場合は、その一つ下のになります)
 
◇◆◇◆◇
○進行する同性間支援

【支援Bの組み合わせ】
・シャーロッテ×モズメ
・ベルカ×ニュクス
・ジョーカー×ハロルド

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
・ピエリ×リンカ
・ピエリ×フェリシア
・フローラ×エリーゼ
・エルフィ×ピエリ
・スズカゼ×オーディン
・サクラ×エルフィ
・ハロルド×ツバキ
・アシュラ×ジョーカー
・マークス×ギュンター
・ラズワルド×ブノワ
・シャーロッテ×サクラ

 この中から一つ>>105

 このような形ですみませんがよろしくお願いいたします。
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/17(火) 23:20:05.06 ID:BapOnl/R0
乙です
カミラ
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/17(火) 23:30:37.58 ID:JSMO8F0mO
アクア
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 08:43:44.32 ID:F3Nq6nKaO
・レオン×ピエリ
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 11:21:26.68 ID:3BYN1CSlo
サクラエルフィ
106 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/22(日) 19:37:24.85 ID:7lEKRnvb0
◆◇◆◇◆◇
―暗夜王国・北の城塞―

アクア「♪〜♪〜」

カミラ「相変わらずいい歌声ね」

アクア「カミラ、盗み聞きなんて感心しないわ」

カミラ「ごめんなさい、声を掛けるのも悪いと思ったから、最後まで黙っていたの。ふふっ、本当にアクアは歌うのが大好きなのね」

アクア「そうね……。物心ついた頃にお母様がよく歌ってくれたの。色々な歌を教えてもらったわ。悲しい時に元気になれる歌、落ち着ける歌……他にも色々とね」

カミラ「歌はアクアにとって、お母様との思い出そのものなのね。とっても素敵だわ」

アクア「ありがとう、そう言ってもらえてとてもうれしいわ。だけど一つだけ、お母様に教えてって頼んだ歌があるの」

カミラ「そうなの?」

アクア「ええ、だけどどうして教えてもらおうって思ったのかは思い出せないのよね。何か、きっかけがあったとは思うのだけど」

カミラ「ふふっ、小さかったアクアを動かした理由、少し気になるわ」

アクア「あまり面白いことではないと思うわ。その、悲しい気分を和らげるそんな歌を教えてって、お母様にねだっていたから……。暗夜にいた頃はあまりいい事もなかったもの……」

カミラ「大丈夫、それ以上は言わなくてもいいわ。嫌な昔のことを無理に思い出すことは無いもの」

アクア「ありがとう、カミラ」

カミラ「ふふっ」

【アクアとカミラの支援がCになりました】
107 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/22(日) 19:54:22.38 ID:7lEKRnvb0
◆◇◆◇◆◇
―暗夜王国・王城クラーケンシュタイン『レオンの執務室』―

ピエリ「……むーっ」

レオン「目に見えて不満な顔をしてるね」

ピエリ「当たり前なの。またピエリだけ呼び出しなの、おかしいのよ!」

レオン「おかしくないよ。君はまた命令違反をしたからね。この前の反省を全く生かせてなかったのだから、呼び出されるのも分かると思うけど?」

ピエリ「むー、ピエリちゃんと結果を出してるの」

レオン「はぁ、結果と仮定は別物だってこの前言ったよ。まったく、学習能力もないんじゃ何を叱ればいいのかわからなくなるよ」

ピエリ「別に叱らなければいいの。ピエリはピエリで戦って結果を出すの。ピエリ強いから負けたりしないのよ」

レオン「強いから負けないっていうのは大きな誤解だよ。どんなに強いものでも状況によっては負けるのが戦いだ。それに、今回の戦いピエリの突撃に感化された兵が数名命を落としてる。次は君がそうなるかもしれない」

ピエリ「死んじゃったのは弱かったからいけないの。ピエリはそんな事になったりしないのよ」

レオン「はぁ、本当にああ言えばこう言うね……。まったく、君は本当に困った兵士だよ。扱いも一筋縄じゃ行かない。こうなったら実力行使しかないかな」

ピエリ「実力行使?」

レオン「ピエリ、次の出撃は僕の部隊と一緒に動いてもらうよ」

ピエリ「嫌なの!」

レオン「これは決定だから、そういうわがままを受け付ける気はないよ」

ピエリ「むー! レオン様は本当に意地悪なの! ピエリ命令になんて従わないの! べーっなの!」

レオン「なら、君の出撃をしばらく見送ることにするよ。流石に命令違反を繰り返す兵を戦場に出すわけにはいかないからね」

ピエリ「……うっ、うー、嫌だけど我慢してあげるの」

レオン「協力的で助かるよ。それと僕の部隊にいる間は命令を守るように。はい、返事は?」

ピエリ「むーっ、わかったの……」

【レオンとピエリの支援がBになりました】
108 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/22(日) 20:09:39.71 ID:7lEKRnvb0
◆◇◆◇◆◇
―白夜王国・イズモ公国『茶菓子屋』―

エルフィ「これがお饅頭……」

サクラ「はい。わぁ、久しぶりです。このモチモチとした触感……」

エルフィ「見た目からはわからなかったけど、この甘い匂いがアンコというの?」

サクラ「そうですよ。エルフィさんはあんこは初めてですよね?」

エルフィ「ええ、白夜のデザートは今まで食べたこともなかったから」

サクラ「ならまずはこしあんがいいかもしれません。初めての方でも抵抗なく食べられると思います。はい、どうぞ」

エルフィ「中身は真っ黒ね…。だけど、とても甘い香りがするわ」

サクラ「それじゃ、いただきましょう。いただきます!」

エルフィ「いただきます」

サクラ「あむ、んーっ////」パクッ

エルフィ「ん、これは……」パクッ

サクラ「ど、どうですか?」

エルフィ「とってもおいしい。口の中に広がるアンコの甘味をお饅頭の生地が解してくれるから、しつこくなくなって食べやすいわ」

サクラ「ふふっ、気に入ってもらえて何よりです」

エルフィ「これならいくらでも食べられそうね。ありがとう、サクラ様」

サクラ「はい、私もエルフィさんに喜んでもらえてとっても嬉しいです。んー、もう一つだけ……」

エルフィ「サクラ様、ほっぺにアンコが付いてます」

サクラ「え、ほ、ほんとうですか////」

エルフィ「動かないでください、今取ります…。はい、取れました」スッ フキフキ

サクラ「あ、ありがとうございます。あ、エルフィさん」

エルフィ「なに?」

 スッ フキフキ

サクラ「えへへ、エルフィさんのほっぺにも付いてました。これでお相子ですね」

エルフィ「みたいね」

サクラ「はい、ふふっ」

エルフィ「うふふっ」

【サクラとエルフィの支援がBになりました】
109 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/22(日) 20:41:24.94 ID:7lEKRnvb0
今日は支援だけで
110 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/23(月) 19:17:26.06 ID:u6a1AzZJ0
◇◇◇◇◇◇
―白夜王国・シラサギ城・地下『牢獄』―

 ピチャン ピチャン
  ピチャンッ ピチャン

 ポタタッ
  ポタタッ

 ピチャン……

 ズズッ
  ズズズッ

 ピチャンッ

   ドサリッ

 ポタタッ……
 
 ………
111 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/23(月) 19:34:12.71 ID:u6a1AzZJ0
 ピチャン……
  ピチャン……

 ピチャン……

リョウマ「……ん」ガバッ

リョウマ「ん……俺はなにを」

 キョロキョロ

リョウマ(頭がくらくらする、それになんだか体も重い。意識に靄が掛かっている、ひどく眠った後のような感覚だ)

リョウマ「……眠ってしまっていたのか。こんなにも切羽詰まっているというのに、暢気なものだな」

リョウマ(俺自身が嫌になるほどに、俺は何も出来はしなかった……。今、こうして牢獄でのたうち回る事しかできない、役に立たない男だ…)

リョウマ「……誰かいるか?」ガシャンッ

 ――――

リョウマ「見張る価値もないという事か。ふっ、それもそうか、俺がどんな決定を下そうとも、もう意味などなくなってしまったのだからな」

 ドスンッ

 ビチャッ

リョウマ(水か? 眠っている間に桶を転ばせてしまったか? いや、どうでもいい事か。どうせこのまま、無様に待ち続けることになるだけだ。処刑されることもなく、そして戦いに参加することもなく、いずれやってくるだろう終わりの時までここにいるしかない……)

リョウマ「……このまま無様に――」

『それを貴様は望んでいないだろう?』

リョウマ「!?」
112 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/23(月) 19:57:07.85 ID:u6a1AzZJ0
リョウマ「誰だ! 隠れていないで、姿を見せろ!」

 ………

リョウマ「……疲れているのか。こんな蚊帳の外にいるだけだというのに……」

リョウマ(しかし、今の声は何だ。頭の中に直接入り込んでくるような、ううっ、一体何が起きている)

リョウマ「くっ、頭が揺れる。くそっ、一体なんなんだ。……む?」

 カッカッカッ……

リョウマ「誰だ?」

サイゾウ「リョウマ様、私です」

リョウマ「サイゾウか、一体どうした?」

サイゾウ「? いえ、リョウマ様が時間になったらここへ来るようにと」

リョウマ「俺が?」

サイゾウ「はい」

リョウマ「……そうか、すまなかった。たしか、そうだったな」

サイゾウ「もしお疲れならば、お休みください」

リョウマ「いや、そうは言っていられない状況になっているんだろう。サイゾウ、ヒノカの処刑の件はどうなっている?」

サイゾウ「え、リョウマ様?」

リョウマ「どうした、サイゾウ? 何かおかしなことを聞いたか?」

サイゾウ「………いえ、何でもありません。私の勘違いのはず……」

リョウマ「?」
113 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/23(月) 20:28:39.77 ID:u6a1AzZJ0
サイゾウ「現在の状況を見る限り、ヒノカ様の処刑は先送りになるでしょう。偵察部隊が暗夜の軍勢を確認したのが数時間前、それに伴って王都全体が戦闘の準備に取り掛かっているので、今は処刑を行っている暇はないかと」

リョウマ「……そうか、その暗夜の軍勢。カムイたちの物だと思うか?

サイゾウ「スサノオ長城から帰還した者たちの話を聞いた強襲してきたもう一軍の可能性もあります。ですが、私はカムイ様の率いる軍勢だと考えています」

リョウマ「……そうか。次にサイゾウ、お前はこのまま白夜が持つと思うか?」

サイゾウ「……リョウマ様」

リョウマ「頼む、お前の率直な意見を俺に伝えてほしい」

サイゾウ「……おそらくですが、向こうにこれと言った手立てが無く、真正面からぶつかるのであればこちらがここを凌ぐことは出来るでしょう。ただ、以後王都を維持することは不可能だと私は考えます。そうなれば、もう一度敵が攻勢に出る前に終わりが来る、そう考えています」

リョウマ「……わかった。すまなかったな、サイゾウ。あまりは話したくないことだったはずなのに話してくれて、ありがとう」

サイゾウ「いいえ、それがリョウマ様の望み。それに応えるだけです」

リョウマ「ああ……」
114 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/23(月) 20:37:34.38 ID:u6a1AzZJ0
リョウマ「……それで王都防衛の部隊構成はどうなっている?」

サイゾウ「ユキムラ様の指示の元、正門と城下町近辺に近衛を中心とした部隊を展開し、武装市民もそこに加わって敵の攻撃を防ぎきると。ですが、ユキムラを支持する者たちはこの城の守りを固めているため、正門周辺に展開するのは私たちの部隊となるでしょう」

リョウマ「……サイゾウは市民を守りながら戦闘を行えると思うか?」

サイゾウ「戦闘が始まれば向こうも容赦は出来ないはず。武装市民がどういった動きを取るのかわからない以上、それを守りながら戦えば防御戦線の維持は極めて難しいかと。ただシラサギ城の陥落にまで敵が至れるとは思えません。ですが、その先があるようには……」

リョウマ「……そうか」

サイゾウ「リョウマ様……」

リョウマ「これが、俺の辿ることになる道だという事か。俺のような人間に守れるものは……自分くらいなのかもしれん」

サイゾウ「そんなことは……」

リョウマ「……」
115 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/23(月) 20:49:36.16 ID:u6a1AzZJ0
リョウマ「……民も守れず、そして采配を取ることも叶わない。俺にはどうすることもできないということを見せつけられる。あれだけの時間があったというのに、俺がしたことはこの結果を白夜にもたらすことだけだった。途中で、それを変えることが出来た可能性もあっただろう。それを俺は選ぶことが出来なかった……」

サイゾウ「リョウマ様……」

リョウマ「……」

サイゾウ「……」

リョウマ(……結局、俺に出来ることなど何もない。俺には何も助けられはしなかった、あいつならどうしただろうか。あいつならこのような立場であっても、己を信じて動くことが出来なのだろうか。俺のように選ぶことのできない、こんな人間とは違って……)

『自分を無力にさせる存在が憎いだろう?』

リョウマ「!」

サイゾウ「リョウマ様?」

リョウマ「……」
116 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/23(月) 21:10:31.46 ID:u6a1AzZJ0
『自分では到底実現出来ない、そんなことを行うあの小娘が憎いのだろう?』

リョウマ(……黙れ)

『あの小娘に負けるような軟な力ではないはずだ、そう思っているだろう。白夜の王子……』

リョウマ(貴様は誰だ……。なぜ、俺にそんなことを語り掛ける!)

『なに隠さなくてもいい。お前のその心の底にあるもの、我には御見通しだ。成し遂げたかっただろう、そして振舞いたかっただろう。お前が求めてやまない、大きな背の者のように、この白夜を導いて行けるとその身で証明したかっただろう?』

リョウマ(俺は何も隠していない……)

『隠していないか、なら証明すればよかったのにそれが出来なかった。望めばよかったことを行えず、お前はそれが美徳であるかのように振舞った。なんとも哀れなものだ。欲していればこんなことにならなかったかもしれないというのにな?』

リョウマ(何が言いたい……)

『何が言いたい? 我が語るつもりはない、お前はそれを欲していた。そうだろう、お前が零した最後の願いはとても力強いものだ。だから手を貸してやった』

リョウマ(手を貸しただと……)

『お前ならこの国を救えるだけの力がある。どんな形を取ろうとも、お前にとって唯一、唯一の障害は一つしかありえないのだからな』

リョウマ(……俺は)

『このまま、何もせずに死んでいくのならそれでいい、だが今一度でも――』

『その手にそれを欲するのであれば、動かないわけにはいかないだろう?』

リョウマ(……)

『さぁ……白夜の王子よ。その身でもう一度すべきことがあるのなら、答えは一つだけだ……』

リョウマ「……」

リョウマ「……ああ、確かにその通りだ」
117 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/23(月) 21:20:36.14 ID:u6a1AzZJ0
サイゾウ「リョウマ様?」

リョウマ「……サイゾウ、頼みがある」

サイゾウ「はい、何でしょうか」

リョウマ「至急、ユキムラに話があると伝えてほしい。話があると」

サイゾウ「わかりました、リョウマ様。伝えてまいります」サッ

リョウマ「……」

リョウマ「カムイ、お前は俺の取った選択をどう思うだろうか。いや、わかり切っている事だな、考えるまでもない…」

リョウマ(だが、俺にはもうそれしかないのなら、それを信じて進むしかないということだ。それが誰にも理解されない独りよがりの戦いだとしても……)

リョウマ「一度逃げ出して、どういうわけかここにいるのは、事を成す為ではないのだろうな……」

リョウマ(俺にまだ地獄で苦しみ続けろ。そう言いたいんだろう……それが俺だけの地獄ではないことをわかっているというのにな)

リョウマ「……カムイ」

 ポタタッ

リョウマ「俺にはもう、この道以外になにもかも無くなってしまった…」
118 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/23(月) 21:29:26.99 ID:u6a1AzZJ0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・王都へと至る街道―

マークス「……そろそろ夕刻になるが、どうにか間に合ったようだな」

レオン「うん、残念だけど向こうの準備は整っているみたいだね」

サクラ「……リョウマ兄様、ヒノカ姉様……」

エリーゼ「サクラ、大丈夫だよ。きっと二人とも助け出せるはずだから!」

サクラ「エリーゼさん、はい!」

カミラ「ええ、きっと助け出しましょう? ね、カムイ」

カムイ「もちろんです、そのためにここに来たのですから」

カムイ(ここまでようやくたどり着いたんです。リョウマさんとヒノカさん、二人を助け出してみせます。たとえ、それがとても難しいことだとしても、諦めるわけにはいきません)

アクア「カムイ」

カムイ「アクアさん?」

アクア「大丈夫、きっと大丈夫よ……」

カムイ「はい、ありがとうございます。」

マークス「よし、大部分はこのまま正門へとゆっくりと迫れ、敵陣へ攻撃を行い引き付け状況を維持せよ。その間にわれわれで隠し通路を通り、白夜王都への侵入を試みる。侵入の確保が済み次第、後続部隊も移動を開始せよ」

レオン「ここが正念場になる。みんな、気を引き締めていくんだ!」

カムイ軍兵士『おおおーーーーっ!!!!』

マークス「行くぞ、長きに渡る白夜と暗夜の戦いに今日で終止符を打つのだ!!!」

カムイ軍兵士『うおおおおおーーーーっ!!!!』

マークス「前進せよ!」チャキンッ 
 ヒヒーンッ パカラパカラツ

 ドドドドドドドッ

カムイ(……私も行きましょう。奴が、絶望が待っていると言い切ったあの場所へ――)

 チャキッ

(その絶望を否定するために……)
119 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/23(月) 21:30:28.56 ID:u6a1AzZJ0
○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB++
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラA
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンA
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンA
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカB++
(生きてきた世界の壁について話をしています)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB+
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB++
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナA
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB++
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB++
(時々料理を食べさせてもらう約束をしています)
リンカB+
(過去の雪辱を晴らそうとしています)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラB
(暗夜での生活について話をしています)
120 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/23(月) 21:31:40.06 ID:u6a1AzZJ0
 仲間間支援の状況-1-

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713〜715] B[1スレ目・928〜929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511〜513] B[2スレ目・297〜299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710〜712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602〜606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839〜840] B[3スレ目・284] A[5スレ目・362]
・サクラ×ラズワルド
 C[5スレ目・303] B[5スレ目・337] A[5スレ目・361]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866〜867] B[4スレ目・438] A[5スレ目・456]
・ラズワルド×ピエリ
 C[5スレ目・823] B[5スレ目・862] A[5スレ目・890]
・マークス×リンカ
 C[5スレ目・888] B[5スレ目・920] A[6スレ目・6]
・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512] A[6スレ目・31]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437] A[6スレ目・49]

【支援Bの組み合わせ】
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773] B[5スレ目・106]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246] B[5スレ目・480]
・ブノワ×エルフィ
 C[5スレ目・822] B[6スレ目・77]
・レオン×ピエリ
 C[6スレ目・76] B[6スレ目・107]←NEW

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377〜380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514〜515]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]
・ラズワルド×シャーロッテ
 C[5スレ目・479]
121 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/23(月) 21:32:57.91 ID:u6a1AzZJ0
 仲間間支援の状況-2-

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888〜889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752〜753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864〜865] B[1スレ目・890〜891] A[1スレ目・930〜931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471〜472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492〜493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175] B[5スレ目・58] A[5スレ目・107]
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926〜927] B[3スレ目・316] A[5スレ目・363]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439] A[5スレ目・436]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459] B[5スレ目・338] A[5スレ目・457]
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367〜368] B[2スレ目・541] A[5スレ目・481]
・サクラ×ニュクス
 C[5スレ目・860] B[5スレ目・889] A[5スレ目・919]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14] B[5スレ目・921] A[6スレ目・7]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780] B[5スレ目・861] A[6スレ目・32]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]  B[6スレ目・50] A[6スレ目・78]

【支援Bの組み合わせ】
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426〜429] B[5スレ目・336]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774] B[6スレ目・108]←NEW

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423〜425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・ハロルド×ツバキ
 C[5スレ目・56]
・アシュラ×ジョーカー
 C[5スレ目・105]
・マークス×ギュンター
 C[5スレ目・302]
・ラズワルド×ブノワ
 C[5スレ目・435]
・シャーロッテ×サクラ
 C[6スレ目・30]
・カミラ×アクア
 C[6スレ目・106]←NEW
122 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/04/23(月) 21:48:17.82 ID:u6a1AzZJ0
今日はここまで

 次回から戦闘に入ります。
 リョウマステージ、初週時、襖越しにモズメ先生に倒してもらったのはいい思い出。

 次の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◆◇◆◇◆◇
 カムイと共に戦うメンバー
―出撃確定メンバー―
 ・スズカゼ
 ・サクラ
 ・カミラ
 ・アクア
 ・レオン
◆◇◆◇◆◇

―選択可能メンバー―
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 ゼロ
 オーディン
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 カザハナ
 ツバキ
 アシュラ
 フランネル

(それぞれのクラスは>>99を参照)

◆◇◆◇◆◇
・レオン、サクラと共に行動するメンバー

>>123 >>124

◆◇◆◇◆◇
・カミラと共に行動するメンバー

>>125 >>126 >>127

◆◇◆◇◆◇
・スズカゼと共に行動するメンバー

>>128 >129 >>130

 キャラクターが重なった場合は、安価が一つ下にずれる感じです。
 このような形で済みませんが、よろしくお願いいたします。
 
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/23(月) 22:14:39.42 ID:/otmPn2Uo
カザハナ
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/24(火) 02:33:59.85 ID:tK2/zWzDO
シャーロッテ
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/24(火) 08:49:10.14 ID:k2IThkfio
ルーナちゃん!
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/24(火) 08:55:09.80 ID:kv/Xdmm7o
エリーゼで
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/24(火) 20:37:27.28 ID:tK2/zWzDO
マークス
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/24(火) 21:01:03.07 ID:GTsFRGLZo
ツバキ
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/24(火) 21:30:54.75 ID:9nM2SmIW0
アシュラ
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/24(火) 23:24:26.33 ID:YxlRw62gO
モズメ
131 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 11:27:31.58 ID:e4dmhequ0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・王都正門―

カムイ軍兵士「マークス様、王族の方々を引き連れた突入隊は予定地点に到着したそうです」

カムイ軍正門攻撃部隊長「よし、ジェネラル隊前へ。前列敵の呪術部隊の動きに注意しつつ、このまま敵の攻撃を受け止めることに徹しつつ、間合いを徐々に詰めてほしい」

カムイ軍ジェネラル「了解した。これより横列陣を組み前進! ここが正念場、敵の注意をこちらに向けさせろ!」

カムイ軍兵士たち『はい!』

 ザッ ザッ ザッ

白夜兵「敵、前進を開始しました」

白夜兵「よし、全員弓を引け!!!」

 チャキキキッ‼‼

白夜兵「放て!!!」

 パシュシュシュッ!!

カムイ軍ジェネラル「攻撃か来るぞ!! 最前列は盾を正面に構え、後列は掲げよ!」

  ヒュンヒュンッ
 カンッ キィン!
  ピキンッ! コンッ!

カムイ軍ジェネラル「ぐっ、さすがに生易しい攻撃ではないか。後続は少なからずの隙間を作り、消耗した兵と入れ替わり休息を取るように努めよ!」

 ヒュンッ ヒュンッ

カムイ軍正門攻撃部隊長「……敵がこちらに向かってくる気配は無し、当然と言えば当然か。よし、後続の飛竜部隊にはいつでも飛び立てるように準備をするように伝えよ」

カムイ軍兵士「はい!」

カムイ軍正門(やはり正門の防御は厚いか。ココを抜けるのは至難の業となれば、例の隠し通路の存在に賭けるしかない。頼みますよ、マークス様)
132 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 11:34:06.14 ID:e4dmhequ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・王都郊外の森『アクアが地図で示した場所周辺』―

 パカラパカラッ
  ヒヒーンッ

マークス「どうやら、この辺りのようだな」

レオン「みたいだね……」

シャーロッテ「えぇ、何かありますかぁ? 私には何も見えませんけど」

カザハナ「あたしも。何か目印があるように見えないし、どうしてそう思うわけ?」

レオン「竜脈の気配がするんだ。これは僕たちみたいな竜の血を継ぐ人間にしかわからないことだから、カザハナ達にはわからないのは仕方のないことだよ」

カザハナ「そ、そう」

スズカゼ「なるほど、王族の皆さんは竜脈の気配を察知しているということですね」

アシュラ「へぇ、そんなものがあるなんてな。ってことは目星は付いたってことでいいのか?」

マークス「ああ、こっちのようだ。エリーゼは私の後ろに、ルーナはカミラの護衛を頼む」

ルーナ「わかったわ。カミラ様、あたしの後ろにいてよね。何が来ても必ず守ってあげるから」

カミラ「ええ、頼りにしているわ。それにしても、こんなに竜脈の気配がしてるなんて……。かなり強いもののようだけど」

エリーゼ「もしかして、これが秘密の道の仕掛けなのかな?」

カミラ「そうかもしれないわ。それにしても特に隠すつもりもないみたいね」

ルーナ「なら、見つけ出してカミラ様が発動させればそれで終わりってことでしょ。白夜の連中、そんなことも分かってないの?」

カミラ「もしくは、見張る必要性が無い仕掛けが施されてるか…ね」

ルーナ「見張る必要性のない仕掛けって言われても、いまいちピンと来ないわ」
133 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 11:42:22.14 ID:e4dmhequ0
 ザッザッザッ

カムイ「……ここが中心のようですね。ここがその竜脈でしょうか?」

マークス「うむ、その様だ。しかし……」スッ

 ………

マークス「ふむ……」

レオン「マークス兄さん、どうだい?」

マークス「やはりか、私の呼びかけに応じる気配はない。おそらく、この竜脈を動かせる者は決まっているのだろう」

カムイ「決まっている?」

マークス「ああ。おそらく白夜に紫のある者、ここにいる中でそれに当てはまるのは二人だけだろう」

レオン「サクラ王女とカムイ姉さんってことだね」

カムイ「え、私とサクラさんですか?」

サクラ「私もですか?」

レオン「ああ、物は試しだ。サクラ王女、ここにある竜脈に触れてみてくれないかな?」

サクラ「は、はい、わかりました。えっと、し、しつれいします」スッ

 ……シュオンッ

サクラ「あ……」

マークス「どうやら正解のようだ。まぁ当然の事か、われわれ暗夜の王族に動かせてしまっては意味もない、これは王族が生きていて初めて役に立つものだという事だろう」

レオン「守るべき主がいなければ、これを使う意味もないからね。多分、最悪の場合を考えて作られていたものだろうけど、それが僕たちにとっての助けになるなんてね」

 シュオオオン……シュオオン……
134 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 11:45:10.21 ID:e4dmhequ0
サクラ「……ふぅ」

カムイ「サクラさん、大丈夫ですか?」

サクラ「は、はい。大丈夫です。でも、この竜脈にはとても大きな力が蓄えられているみたいです」

カムイ「え? あ、確かにすごい力です……。とても隠し通路を作り出すようなものとは思えません」

サクラ「……おそらく地形そのものに何かしらの変化が起きるかもしれません。その、ひっそりと入り込むというわけにはいかないと思います」

レオン「なるほどね……」

カムイ「だとしても、この機を逃すわけにはいきません。これは私たちにとって最後のチャンスなんですから」

カムイ(こうして道は確かにあった。それだけでも私たちには十分な結果です。これ以上を望む時間はもうありません)

カムイ「……」スッ

アクア「カムイ」

カムイ「アクアさん?」

アクア「ここでその竜脈を起動すれば、きっと敵に感づかれる。それは、リョウマとヒノカを危険に晒すことになるわ。それでも……」

カムイ「恐らくは気づかれると思います。でも、こうして私たちが攻めている時点でそれは変わりません。なら、今できる最善手を打つ以外の道はありませんよ」

アクア「……」
135 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 11:49:07.71 ID:e4dmhequ0
カムイ「それに戦う事よりも重要なのは、リョウマさんとヒノカさんを見つけて保護することです。それで王族を慕ってくれている方々が武器を下ろしてくれれば、それだけでも私たちの勝ちです。それに、私たちが王都内部に突入すれば一時的ではありますが敵は混乱するはず、その隙を突いて王城の中に入り込めれば勝機はあります。だから、これ以外の道は無いと私は考えています」

アクア「そう、ごめんなさい、今さらなことを聞いて。行きましょう、時間はもう限られているから」

カムイ「はい。……サクラさんもいいですか?」

サクラ「はい。リョウマ兄様とヒノカ姉様を助け出しましょう、カムイ姉様!」スッ

カムイ「もちろん、そのつもりです」スッ

 シュオンッ

カムイ「サクラさん、行きますよ!」

サクラ「は、はい!」ギュウッ

 シュインッ シュオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!!

 ゴゴゴゴゴゴゴゴッ
 
 バキンッ ドゴンッ 
  ドドドドドドドドッ!‼‼‼

レオン「地形が盛り上がっていく!?」

カミラ「こんなの初めて見るわ。だけど内側から逃げ出すにしても、こ大きく変化が起きてるから感づかれる以前の問題ね。何かしてますって手を振ってるようなものよ」

マークス「ああ、それにこの音、とても誤魔化せるものではないな。カムイ、道が開けたと同時にわれわれは先行する。向うの出口を制圧し、お前を待っているぞ!」

カムイ「はい、よろしくお願いします」

 ドゴンッ!!!!

マークス「いくぞ、私に続け!!!」

 ヒヒーンッ
  パカラパカラッ!
136 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 11:52:47.34 ID:e4dmhequ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◇◇◇◇◇
―白夜王国・シラサギ城『剣の間・奥の広間』―

 ゴゴゴゴゴゴゴッ

上級武将A「な、なんだ!? いったい何が起きている!」

上級武将B「こんな時に、地震?」

ユキムラ「地震ではありませんね。おそらく、城から外へと出るための道を誰かが動かしたのでしょう」

上級武将A「外へと出るための道? なんだそれは!」

上級武将B「そんなものをどうして隠していたのですか?」

ユキムラ「その理由は簡単に考えられるはずですよ。どこに暗夜の裏切り者がいるかもわからない中で、多くの者がこれを知ることの危険性はわかっていると思いますが?」

上級武将A「なら、誰がその道を動かしている! ユキムラ様、まさかこの期に及んで白夜を裏――」

ユキムラ「……」スッ

 ガチャンッ
  カタカタッ チャキッ
 ガコンッ チャキッ 

からくり人形「」キュインッ キュイイインッ

からくり人形「」カチャッ ギギギッ

上級武将A「!」

上級武将B「!」
137 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 11:56:38.95 ID:e4dmhequ0
ユキムラ「それから先を言っても構いませんよ。とても痛いことになってしまうかもしれませんが?」

上級武将A「なっ、何の真似だ」

上級武将B「ユキムラ様、こんな時に仲間同士で争う意味などありませんよ」

ユキムラ「ええ、そのあなた方が先の件と同じように変な事を言わなければ、こんなことをするつもりはありません。このようなことで戦力を失うわけにはいきませんので」スゥ

 ガコンッ 
  カタカタカタッ

ユキムラ「これで満足ですか?」

上級武将A「っ、一度武器を向けておいて何が満足だ! ちっ、俺は奥に下がらせてもらう。こんなところにいて、背中から撃たれては堪ったものではない!」タッタッタッ

上級武将B「……私も失礼させていただきます。あなたでしたら、ここを死守するのもたやすいことでしょうし、戦力は温存しなくてはいけませんからね」

ユキムラ「おやおや、色を変える準備ですか?」

上級武将B「ふん…」タッタッタッ

ユキムラ「……」

 スッ
  タッタッタッ……

 スーッ

ユキムラ「それでどうしますか? このまま何もせずに待つというわけではないでしょう?」

???「……いずれここに来るはずだ。それをお前も分かっているだろう?」

ユキムラ「ええ、だから私はあなたの要求を受け入れたのですから……。あなたの言う通りに事は進めますよ」

???「……ああ」チャキッ
138 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 12:05:53.26 ID:e4dmhequ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・シラサギ城『出現した通路内部』―

 タタタタタッ

アクア「かなり長い道ね。いったいどこまで伸びているのかしら」

カミラ「それに竜がこうして進めるくらい大きいから、本当に大勢での脱出も考えて作られているみたい。これほどの人数を移動させるとなると、かなり広い場所に出ると思うわ。ルーナ後続は大丈夫?」

ルーナ「今のところは何も起きてないみたい。正門の陽動部隊に使いを出したから、最小限の部隊だけを残して本隊は合流する手はずになってるし、出る所によっては内側から敵の戦線を崩せそうね」

カムイ「はい。わっと……」

アクア「カムイ、大丈夫?」

カムイ「はい、なんとか。皆さんの気配だけを頼りに進んでいますが、少し足元がおぼつかない感じです」

 パシッ

カムイ「?」

アクア「こ、これなら大丈夫でしょう」ギュウッ

カムイ「はい、ありがとうございます。アクアさん」

アクア「気にしないで……」

カミラ「どうやら出口みたいね。ルーナ先行して頂戴」

ルーナ「分かったわ! へへん、あたしが一番乗りよ!」タタタタタッ

カムイ「すでにマークス兄さんたちが先行しているので一番ではないと思うんですけど」

アクア「いいじゃない。次の突入組の中では一番ではあるし、ルーナの調子が上がるように何も言わないのがベストよ」

ルーナ「聞こえてるわよ、アクア様」
139 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 12:09:59.73 ID:e4dmhequ0
 タタタタタッ ザッ

ルーナ「……敵はいないみたい、大丈夫よ!」

カミラ「それじゃ、行きましょう」

 タタタタタタッ

アクア「これは桜?」

レオン「……結構大きな場所みたいだ。カザハナ、ここがどこかわかるかい?」

カザハナ「う、うんわかるけど、、まさかこんな場所に外に出るための道が隠されてたわけ? 全然気づかなかったんだけど」

サクラ「はい、ここはシラサギ城の西庭ですね…」

スズカゼ「ここからの脱出となると、早期に要人を脱出させる手筈を整えていたということでしょう。もっとも、今の白夜の内政を思うにこれを使うには至らないのでしょうが」

カムイ「それで、マークス兄さんは……」

マークス「カムイ、こっちだ!」

カムイ「あ、はい。それで状況はどうなっているんですか?」

マークス「うむ、先行した騎兵隊が城の正門を抑えに向かっている。王都へと入るための橋は上がっている以上、正門を抑えてしまえば、王都から白夜兵が来るのを幾分か抑えることは出来るはずだ」

レオン「敵は僕たちが正門を落としにくると考えていたわけだから、当然と言えば当然ってところかな」
140 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 12:12:26.24 ID:e4dmhequ0
カザハナ「でも、王都で戦ってる兵が撤退してきた場合はどうするつもりだったのかな。あの跳ね橋、下ろすのに結構時間掛かったと思うんだけど」

レオン「敗走した兵を城内に受け入れるつもりはなかったのかもしれない。王都全体の人口が現在どれだけいるかはわからないけど、それらを城内にいれることは出来ないし、あのユキムラがそれを選ぶとは思えない。奴の目的は間接的に白夜の勝利であって、本質は個人的なことになるだろうから、無駄な戦力を救うという考えはしないはずだ」

カザハナ「そんな……」

マークス「だかこれはわれわれにとって有利に働く、王都で戦っている者たちが王族派だとするならば、城の中にいるヒノカ王女、リョウマ王子を助け出すことで一気に形勢を変えられるかもしれん。当初の予定通り部隊を分割し、さらにそれを細分化し事に当たろう。敵の態勢が整っていない今、一気に攻勢に出る!」

カムイ「はい。私たちは王の間へと向かいます。ここで決着を付けましょう」

マークス「よし、後続部隊の護衛を少数残し、これよりシラサギ城内部へに向かう!」

カムイ軍兵士たち『おおーっ!』
141 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 12:16:11.21 ID:e4dmhequ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―白夜王国・シラサギ城『内部、剣の間に至る回廊』―

カムイ「……静かですね」

アクア「ええ、シラサギ城に入ってから少し経つけど、散発的に戦闘があるだけで大攻勢を仕掛けてくる気配はないわ」

カムイ「どういうことでしょうか……」

マークス「わからない。だが、これも何かの策かもしれん、気を抜くな」

カムイ「はい、サクラさん剣の間にはあとどれくらいで?」

サクラ「えっと、ここの渡り廊下の先です」

カムイ「わかりました。敵の奇襲があるかもしれません、皆さん気を付けてください」

 カタンッ カタンッ カタンッ

  タタッ タタッ タタッ

カザハナ「ここを歩くのは久しぶりだけど、まさかこんな形で通ることになるなんて思ってもなかったなぁ」

レオン「そうだね。僕もカザハナやツバキ、それにサクラ王女と一緒に歩くことになるとは思ってなかったよ」

ツバキ「たしかにねー。最初の頃じゃ考えられなかったかな」

サクラ「はい……。だけど、すごく静かですね……」

レオン「不気味なくらいに静かだ、注意しておいた方がいい。シャーロッテはサクラ王女の護衛を頼む」

シャーロッテ「はーい、まかせてくださぁい。そういうわけだからサクラ王女、私の陰に隠れてなさいよ」

サクラ「は、はい、よろしくお願いします」

シャーロッテ(それにしても、本当に何も仕掛けてくる気配が無いわね……)
142 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 12:19:13.99 ID:e4dmhequ0
カミラ「……妙ね」

マークス「カミラ、どうかしたか?」

カミラ「いえ、この渡り廊下の構造なら、外から金鵄武者が攻撃して来てもおかしくない構造なのに……」

エリーゼ「この前の戦いでいっぱい死んじゃったってことなのかな……」

マークス「かもしれんが、あれですべてが失われたわけではないだろう。しかし、カミラの言う通り妙だな。前方に何かしらの陣が敷かれている形跡もない……」

アクア「何かあるとは思うけど、何をしようとしているのかはわからないわね」

カムイ「……スズカゼさん、アシュラさん少しいいでしょうか?」

スズカゼ「はっ、何でしょうかカムイ様」

アシュラ「なんだ、カムイ様?」

カムイ「あの窓があるようでしたら外の様子を確認してもらえますか。敵の強襲があるかもしれませんので」

スズカゼ「わかりました」サッ

アシュラ「わかったぜ」サッ

カムイ(ここを渡り切れば剣の間、そして王の間に至れる。ここは守らなくてはいけない場所なのに、あまりにも手薄になっている。あと少しで渡り切るところまで来ているというのに敵に動きが無い、どういうことですか?)
143 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 12:22:32.99 ID:e4dmhequ0
スズカゼ「……」

アシュラ「……」

モズメ「アシュラさん、なに見てるん?」

アシュラ「ん、敵の強襲があったら大変だから、今確認してるところだ」

モズメ「そうなんか。でもここに来るのって少し不便や思う。渡り廊下がなかったら、下から登らないといけない構造になってるから、この廊下が無くなったら、下から回り込まないといけない形やもん。正直不便やって思うんよ」

スズカゼ「そうですね。ですが、敵の進撃が二つの方角からだけならば対処はしやすいものです。攻める側からしても、このような屋内での戦闘では数を活かすことも出来ませんから、少ない人数で対等に渡り合うこともできるでしょう」

アシュラ「そうだな、どんなに敵の数が多くても、100人相手にするのと10人ずつ相手にするのじゃ話が違ってくるし、敵の分断だってその気になれば……。ん!?」

カムイ「アシュラさん、何か見えましたか?」

アシュラ「いま、金鵄が一羽視界を通った。いや、四羽だな。しかし、妙だな」

カムイ「妙とは?」

アシュラ「あいつら武器は持ってなかった。代わりに一人、あれは陰陽師か? ともかく呪術に通じてそうな奴を乗せてるだけだったが……」

マークス「どちらにせよ敵には感づかれているようだ。全員、中央に寄れ。敵が挟撃に移るかもしれん」

カムイ「……」

カムイ(このタイミングで挟撃を仕掛けてくるということは、正面からも敵がやって来るということですか。なら、この廊下の中央に陣を組んで待つのが得策……。いえ、待ってください、さきほどモズメさんは何と言っていましたか?)

モズメ『この廊下が無くなったら、下から回り込まないといけない形やもん』

カムイ(………まさか!)
144 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 12:25:00.31 ID:e4dmhequ0
カムイ「マークス兄さん!今すぐこの渡り廊下を抜けましょう!」

マークス「カムイ?」

カムイ「これは敵の罠です。後続の方は後退、渡り廊下から離れてください! 早く!!!」

カムイ軍兵士「わ、わかりました。全員、退くんだ!」

 ダダダダッ
  タタタタタッ!

カムイ(先ほど金鵄武者が見えてから少しだけ時間が経っています。すでにそれが仕掛けられているとしたら、あとは――)

スズカゼ「敵、金鵄武者、離れていきます」

カムイ「くっ、はやくこの廊下を抜けて奥へ! おそらく、もう準備を整えているはずです!」

 シュオオンッ

レオン「これは、呪術の紋様!?」

 バシュウウッ!
 ボッボッ ボボボボボボッ!

サクラ「廊下全体に火が!?」

カムイ「くっ、早く、先へ!」

 タタタタッ

 シュオンッ キュイインッ

カムイ(間に合ってください!)

アクア「カムイ!」

カムイ「はあああっ」ダッ

 ヒュオンッ

  ドゴンッ バキィンッ
   ドガーンッ ボゴンッ!

 グググググッ グラッ

  ガラガラガラガラッ
    ドスンッ ズシンッ!

  ドゴォォンッ‼‼
145 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 12:30:10.20 ID:e4dmhequ0
カムイ「………くっ……」

 パラパラッ カタンッ コロンッ

カムイ「はぁ…はぁ…。み、皆さん無事ですか!」

マークス「なんとかな。状況を報告しろ、後続の被害はどうなっている!」

カムイ軍兵士『こちらは無事です。カムイ様の号令が無ければどうなっていたことか。感謝いたします!』

カムイ「よかった。そちらの被害がなくて何よりです」

カムイ軍兵士『はい。今、飛竜部隊を……! 地上より、敵金鵄部隊接近!』

 バサバサッ

 チャキッ パシュンッ
  パシュンッ!

  ヒュンヒュンッ!

マークス「くっ、このままここにいるのはまずい。お前たちは別のルートを探しだし合流せよ!」

カムイ軍兵士『わ、わかりました!』タタタタッ

カムイ「私たちも早く金鵄武者の攻撃が届かない場所まで――」

 タタタタッ

カムイ(この気配、敵!? しまった、この騒ぎに紛れて接近を許していたというのですか!)チャキッ

???「」サッ

カムイ「くっ」

アクア「カムイ!」

???「すまないが、ついてきてもらうぞ」ガシッ

カムイ「しまっ――」

???「今だ、やれ」

???「ああ……」

 カランコロンッ
  バシュッ

カムイ「うっ……」クタッ

???「いくぞ」サッ

???「ああ」サッ
 カランコロンッ

アクア「カムイ、待ちなさい!」ダッ

カミラ「アクア! ルーナ、アクアを追って、一人にしてはいけないわ」

ルーナ「わかったわ、アクア様!」タタタタッ

マークス「われわれも追うぞ!」
146 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 12:32:25.37 ID:e4dmhequ0
 タタタタッ

???「……」

 ピシャッ!

アクア「くっ! 開かない。なら、はああっ!」

 ブンブンッ
  キィンカキィン

ルーナ「アクア様、一人で行ったら危ないでしょ!? で、カムイ様は?」

アクア「この奥に連れていかれて……。壊そうとしているんだけど、びくともしないわ」

ルーナ「そんなわけないでしょ、あたしがやるわ! てやああっ!!!」ブンッ

 ガキィン

ルーナ「……な、なによこれ、すっごい手が痺れるんだけど」ヒリヒリ

マークス「二人とも大丈夫か?」

アクア「マークス、カムイがこの奥に……マークス向こう!!」

マークス「むっ?」

 ザザッ

白夜弓聖「……」

白夜剣聖「……」

白夜上忍「……」

白夜兵法者「……」

マークス「くっ、囲まれたか」

レオン「敵の手にまんまと乗せられた。くそっ……」

サクラ「…そんな」

カミラ「……」

アクア「……カムイ」
147 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 12:33:22.47 ID:e4dmhequ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―シラサギ城『剣の間・中央』―

 ピチャンッ

カムイ「うっ、ううっ……ここは、私は一体……」

???「目覚めたか。まぁ、一瞬だけ眩暈を起こすくらいのものだから心配はしていなかったがな」

カムイ「その声、サイゾウさん?」

サイゾウ「よく覚えているとはな。もう、長い時間顔を合わせてすらいなかったはずだというのに」

???「カムイ様にとって音は生命線ということだろう。光を失っているのならば、この音に対する記憶力が良いことは不思議な事ではないさ」

カムイ「カゲロウさん?」

カゲロウ「ああ、こうして声を掛けるのは久しぶりの事になる、カムイ様。手荒な真似をしてすまなかった」

カムイ「……なぜ私を殺さなかったんですか? あの状態なら、私を殺すことはたやすかったはずです」

サイゾウ「たしかにあの瞬間、お前の首を掻っ切る事も出来た。だが、主はそれを望んでいない。だからこうしてここに連れてきたということだ」

カムイ「主?」

???「連れてきてくれたようだな。サイゾウ、カゲロウ」

カムイ「……あ、あなたは」

サイゾウ「……はっ」

カゲロウ「ご命令の通りに、リョウマ様」

リョウマ「ああ、ご苦労だった……」

カムイ「リョウマさん……」

リョウマ「あの国境での戦い以来だな、カムイ。いや――」

「暗夜王国のカムイ王女、そういうべきだったな……」
148 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/01(火) 12:34:22.08 ID:e4dmhequ0
今日はここまで

 今日はリョウマ兄貴の誕生日、みんなでエビフライを食べよう。
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/02(水) 00:03:38.13 ID:TQRkiyG7o
乙乙
兄との一騎討ち… 自軍に同行する妹…
150 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/08(火) 21:45:11.95 ID:mhX1oVpl0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・シラサギ城『剣の間・入り口周辺』―

白夜兵たち「……」

マークス「……」チャキッ

レオン「……」シュオンッ

カミラ「さぁて、どちらから飛びかかってくるのかしらね?」

ルーナ「カミラ様はちょっと下がってて。さぁ誰から来るの、勿体ぶってないでさっさと来なさい!」チャキッ

白夜兵「……」スッ

 タタタタッ

ルーナ「え? ちょ、何処に行くつもりよ! ここまで来て逃げ出すなんてどういうつもりなわけ!?」

カミラ「ルーナ、待ちなさい。相手の動き、逃げたというわけじゃないわ。この先で私たちを待ち構えているはず」

マークス「ここから先に進むつもりが無ければ、攻撃をしないということか……。囲まれた以上、すぐに攻勢をかけてくると思ったが……」

レオン「カムイ姉さんを確保する事だけが目的だったっていうことかもしれない。くそっ、敵の攻撃に気取られなければ、守れたはずなのに」

カミラ「今さらそれを言っても仕方ないわ。だけどカムイを攫われたのに、黙っていられる私たちだと思っているのかしらね?」

レオン「このまま黙ってみてるつもりはないよ。カムイ姉さんを助け出すんだ」

サクラ「はい。だけど、どうしてカムイ姉様を攫う必要があったんでしょうか……。あの瞬間に私たちを一網打尽にすることは出来たはずなのに……」
151 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/08(火) 21:54:59.42 ID:mhX1oVpl0
レオン「ユキムラがそうさせたに決まっているよ。僕たちをこうして足止めするのも狙いの一つだろうね」

カザハナ「っていうことは、ゆっくり進軍ってわけにもいかないよね……」

シャーロッテ「一気に畳み込まないといけないってわけか。しかしあいつら。陰に隠れてから姿を見せないし、まったく男らしく出てきなさいっての」

レオン「地の利は敵にある以上、こちらが不利なのはわかっているけど、いくしかないね」

スズカゼ「レオン様、ここは私が先行いたしましょう。ここの構造には覚えがありますので」

レオン「わかった。おそらくだけど、奴らが侵入を許すのはこの先の角までだ、そこを越えたら攻撃に打って出てくるはずだ……。出来れば同時に攻めるべきだとは思うけど……」

マークス「ならば、左への進軍は私たちの役目ということだな」

レオン「え、マークス兄さん?」

マークス「なに、片方に戦力を集中したところで挟み撃ちにされてしまっては、こちらから打つ手は無くなってしまう。ならば、こちらをわれわれが抑えに回るのは必然だ」

レオン「だけど、敵は大勢いるはずだ」

マークス「ふっ、私の剣の腕を甘く見てもらっては困る。それにカミラとエリーゼも一緒だ。それだけでも十分な戦力だろう?」

ルーナ「ちょっと、マークス様。あたしも入れてよ!」

マークス「そういうわけだ。だから心配することは無い」

レオン「……わかった、そっちは任せるよ。マークス兄さん」
152 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/08(火) 22:06:20.34 ID:mhX1oVpl0
マークス「ああ。よし、カミラ、エリーゼも準備はいいか?」

エリーゼ「うん、怪我をしたら言ってね。すぐに治しちゃうから!」

カミラ「ええ、お願い。ルーナ、私と一緒に先頭に立ってくれる?」

ルーナ「問題ないわ、カミラ様。早く敵の仕掛けを解いて、カムイ様と合流しないとね」

マークス「よし、こちらの準備は整っている。準備が整ったのならば合図を頼む」

レオン「分かった。スズカゼ、準備はいいかい?」

スズカゼ「私は出来ていますよ。アシュラさん、右から援護をお願いできますか?」

アシュラ「ああ、任せてくれ。といっても相手の庭だ、うまくいかねえかもしれねえ」

ツバキ「最初から弱気なのは感心しないよ?」

アシュラ「ふん、悪かったな」

モズメ「大丈夫、そこはあたいが何とかするで。それより早く、カムイ様を助け出さんと……」

スズカゼ「はい、モズメさんの言う通りです。事は一刻を争う事態ですから、慎重に大胆に進行していきましょう。お待たせしましたレオンさん、いつでも行けますよ」

レオン「うん……。アクアはどうする?」

アクア「私は……ここで様子を伺う。渡り廊下は完全に崩落して、敵も入って来ることはできないみたいだから……。それに、この扉の仕掛けが止まった時に、すぐに駆け込めるもの」

カミラ「わかったわ、カムイの事をよろしくおねがいね?」

アクア「……ええ、任せて。みんな気を付けて」

レオン「ああ。それじゃ、行くよ!」ダッ
153 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/08(火) 22:11:36.31 ID:mhX1oVpl0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―『剣の間・中央』―

 タタタタタタッ
  キィン ガキィン!

カムイ「この音は……」

リョウマ「お前の仲間たちが進軍を開始したということだろう。まぁ、こうしてお前を捕まえここに捕らえているのだから当然と言えば当然か」

カムイ「リョウマさん、私たちはあなたと戦うために来たわけじゃないんです。私は、あなたを助けに――」タッ

リョウマ「……」チャキッ ヒュンッ

カムイ「!」

リョウマ「それ以上近づくのであれば、すぐにでもお前を切り伏せに掛かるぞ」

カムイ「リョウマさん、何のつもりですか……」

リョウマ「敵が近づいてきているのであれば、剣を取るのは当然だろう。それとも、お前は敵である相手に無防備であり続けるのか?」

カムイ「何を言っているんですか、私たちはリョウマさん、そしてヒノカさんを助けにここまで来たんです! きっと、ヒノカさんも他の皆さんが見つけ出しているはずです」

カムイ(そうです、きっと城に入り込んだ方々がヒノカさんを見つけ出しているはず)

カムイ「ユキムラさんにヒノカさんを人質に取られているんですよね。なら、それに屈しては――」

リョウマ「ヒノカか、ヒノカなら王の間でミタマが守っている。お前の仲間が助け出しているということはないだろう。ここに至る道はすべて潰させてもらった、到着するのに時間は多くかかるだろう」

カムイ「止めてください。私たちと戦うためにこの場を用意したようなことを言わないでください。嘘だと言ってください、おねがいですから……」

リョウマ「……」

カムイ「リョウマさん……」
154 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/08(火) 22:14:50.20 ID:mhX1oVpl0
リョウマ「サイゾウ、カゲロウ。命令を与える」

サイゾウ「はい、リョウマ様」

カゲロウ「ご命令を」

リョウマ「それぞれの持ち場に赴き、任を果たせ。これが、最後の命令だ」

カムイ「カゲロウさん、サイゾウさん。私たちが戦う必要はもうないんです。私はあなたたちと手を取り合いたくて、ここまで来たんです。だから、だから――」

サイゾウ「……」

カゲロウ「……」

カムイ(だから、そんな命令に従わないで――)

サイゾウ「……わかりました、リョウマ様」

カゲロウ「……全力で任務を全うさせていただきます、リョウマ様」

リョウマ「……よし、行け」

サイゾウ&カゲロウ『御意』シュタッ!

リョウマ「……」

カムイ「なんで……、なんでですか……」

リョウマ「……」
155 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/08(火) 22:25:57.98 ID:mhX1oVpl0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◇◇◇◇◇
―白夜王国・シラサギ城『剣の間・右の部屋』―

サイゾウ「状況はどうなっている」シュタッ

上忍「お、サイゾウ様。少し前に敵の進軍が始まりましたよ」

サイゾウ「わかっている。だからこそ、戻って来た。相手は我慢できない性質のようだな?」

上忍「ええ、こっちが退いてすぐに仕掛けてきました。まぁ、前衛はユキムラ様を慕っている者たちに任せていますが……。やはり、力量の差は隠せませんね。雑草みたいに狩られてますよ」

サイゾウ「ふっ、ここにいれば安全だと高を括っていた者たちだ。早々に敵の餌食になってもらった方がいい、強固な陣にあいつらは必要ない。もっとも、ここまで奴らが上がってくるのも速かったことを見るに、王都の城壁防衛に加えなかったのは良い方角に働いたか……」

上忍「ええ、しかしあれですね。忠儀も何もないものが一番の鉄火場に送り込まれることになるとはねぇ?」

サイゾウ「ここにいる者のは全員が忠儀を尽くせない馬鹿ものばかり、そうだろう?」

上忍「ははっ、そうでした。しかし、サイゾウ様ともあろうお方が馬鹿者というのは聊か不思議な気持ちでございます」

サイゾウ「……俺は馬鹿者だ。どこまでもその通りに動き、そして最後には最も望まれていなかったことを行った。忠儀も何もあったものではない」

上忍「そんなことはありません。それにサイゾウ様が馬鹿者でしたら、我々は馬鹿にもなれない屑者になってしまいます故、少しばかり私たちにも馬鹿者をおすそ分けいただきたい」

サイゾウ「そんなものを御裾分けされてうれしがるな」
156 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/08(火) 22:30:19.05 ID:mhX1oVpl0
上忍「いやいや、うれしいものですよ。この行為に意味があるのかないのかという無粋な問いかけが来れば、最高の意味があると私は答えましょう」

サイゾウ「……そうか」

 ドゴォンッ!

上忍「いやはや、やはり城でのさばっているだけの者たちでは、彼らが来るのも時間の問題ですね」

サイゾウ「そのようだ。すまないが、ここは俺に任された最後の陣だ。小さな場所ではあるが、ここには俺が託された最後の使命がある」

上忍「ええ、わかっていますよ。ではサイゾウ様、これにて失礼します。二人はちゃんとサイゾウ様に恥じないように努めるんだぞ」

婆娑羅「任せろ。どんな敵が来ても怯むことなく戦って見せるさ。あの怯え腰の上級武将のような恥ずかしい戦いはしないさ」

陰陽師「少し黙っていてくださいまし、今最後の式神を折り終える所ですから。よし、これで完成です。ささっ、サイゾウ様の事は私たちに任せて、あなたはあなたの任に向かいなさい」

上忍「ああ、そうさせてもらうよ。サイゾウ様」

サイゾウ「なんだ?」

上忍「出来る限り時間をおつくりします。もしも、その時が先に来ましたら――」

サイゾウ「わかっている、その時は覚悟を決めよう……」

上忍「はい、それでは」シュタッ

サイゾウ「……」

サイゾウ(……すまない)
157 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/08(火) 22:31:51.04 ID:mhX1oVpl0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・シラサギ城『剣の間・右の通路』―

 キィン キィン!

スズカゼ「そこです!」カランコロンッ バシュシュ

 ズシャッ ビシャアアッ

白夜兵「ぐあああっ……」ドサッ

白夜兵「ひ、怯むな! 敵の数はわずか、押し切ってしまえばこちらのも――」

モズメ「悪いけど、討たせてもらうで!」チャキッ キリリッ パシュンッ!

 ヒューーッ ドスッ

白夜兵「――のぉ……」ドタンッ

白夜兵「くそ、何だよこれ。ここまで敵は来ないって話だったじゃないか! なんでこんなことになってんだよ!」

白夜兵「我らの長は何をやっているんだ! このままでは!!!」

アシュラ「なんなんだこれは? 相手するだけ無駄ってくらいに混乱してるじゃねえか」

ツバキ「おそらくだけど、僕たちがここに来るのを見越してたのは、最初に包囲してきた奴らだけみたいで、今相手してるのはそれも考えてなかった腑抜けみたいだねー。でも、そろそろ通路の中ほどまで来たから変わる気がするよ」チャキッ

レオン「……みたいだね」

カザハナ「……うん、空気が変わった。ここからが本番ってことね」
158 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/08(火) 22:36:09.65 ID:mhX1oVpl0
シャーロッテ「どこから来るかわからないわね……」

 ……ギシッ

上忍「そこだ!」チャキッ

サクラ「シャーロッテさん!」

シャーロッテ「!!!」チャキッ

 ヒュンヒュン
  キィンキィン!

シャーロッテ「ふーっ、ありがとう、サクラ様。それにしても中々の挨拶じゃねえの……。こんなにか弱い女に向かって攻撃するなんて」

上忍「ふむ、か弱いと呼ぶには少々重たい獲物を持っているみたいだが」

シャーロッテ「これでもか弱いんだよ!」

上忍「まぁ、か弱くてもか弱くなくてもいい、ここから先に行かせるつもりはないからな!」スタッ

 バタンッ!

兵法者「せやあああっ!」ダッ チャキッ

レオン「隠し扉から出てくるのはいいけど、もう少し距離を狭めないと!」スッ 

レオン(この距離、ボクの攻撃の方が――)

 ギィ 

レオン「!」サッ

弓聖「……くらえっ!」チャキッ ギリリッ パシュッ

 タンッ

レオン「くっ、中々やる……」

兵法者「へっ、その背中、もらった!」ダッ

レオン「!」
159 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/08(火) 22:39:41.92 ID:mhX1oVpl0
カザハナ「そうはさせないよ! せいの、それ!」シュッシュッ!

 ザクザクッ

兵法者「ぐっ……。このぉ!!!」ジャキッ

サクラ「ごめんなさい!」パシュッ 

 ドスッ!

兵法者「うっ、は、はぁ、もう少し戦っていられるかと思ったが。すまない、俺はここま……」ドサッ

上忍「ちっ、まだまだ退くわけにはいかん!敵を抑え込むぞ!」タッ

弓聖「援護する! 次の者も進め!」パシュッ

剣聖「はあああっ!」タタタッ

 チャキッ ブンッ

モズメ「っ、あと一歩遅かったら危なかったわ。少し下がるで!」タッ

アシュラ「ちっ、中々の手練れだな。どうする?」

スズカゼ「思った以上にあの弓がこちらの動きを妨害して来ますね」

ツバキ「なら、ここは俺が囮になるから、その間に弓を無力化してくれるかなー? あと、できればあの忍は誰かに頼みたいんだけど……」

アシュラ「へっ、それは俺がやるさ。レオン様、こちらから仕掛ける、援護を頼むぜ」

レオン「わかった。ブリュンヒルデ!」シュオンッ!

上忍「はっ、そんな攻撃が当るか!っと」チャキッ

 キィン!

アシュラ「やるねぇ。フウマの奴らに爪の垢を煎じて飲ませてやりたいくらいだ」

上忍「それは褒め言葉として受け取っておこう!」ダッ ゲシッ
160 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/08(火) 22:40:57.75 ID:mhX1oVpl0
アシュラ「うおっと、そっちには行かせねえぜ」チャキッ シュシュシュッ!

上忍「はああっ」チャキ シュシュシュッ

 キキキィンッ! ゴトゴトゴトンッ

剣聖「その背中、貰った!」

ツバキ「そうはいかないよー。そこだね!」チャキッ バシュッ

 ビチャアッ

剣聖「ふん、そんな傷で倒れると思ったか!?」ブ゙ンッ

 サッ スタタッ チャキッ シュッ!

ツバキ「すごい剣さばきだけど、俺だけが相手じゃないってこと忘れてるよー?」

剣聖「くっ!」キィンッ

レオン「もらった! ブリュンヒルデ!」シュオオオオッ

上忍「そうはいかんぞ」サッ

 キキキィン!

剣聖「くっ、すまん、助かった」

上忍「気にするな。まだまだ時間は稼がないといけないからな」チャキッ

レオン「……悪いけど、そんな時間稼ぎはさせるつもりはないよ」

上忍「へっ、上等!」ダッ!
161 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/08(火) 22:44:23.26 ID:mhX1oVpl0
 キィン カキィン!

上忍(……ああ、やっぱり勝てねえな。わかってはいたが……。時間稼ぎくらい出来ればと思っていたが、こんなの稼ぎにもならねえか……)

 キィン ブシャッ!

剣聖「がっ、うううっ、……」ガクッ ドサリッ……

弓聖「くっ、早く援護を――」

モズメ「そこや!」パシュッ

 ドスッ! ポタタッ

弓聖「ぐっ、まだ――!!!」

スズカゼ「すみませんが、討たせていただきます」

弓聖「しまっ――」

 カラコロンッ バシュッ!!!

 ドスリッ

弓聖「――!!!!!」 ゴトンッ ドサリッ

アシュラ「最後だ! 畳みかけるぞ」

レオン「ああ」

上忍「……」

上忍(……勝てないとはわかっていた。sかし、わかっていても、ここは踏ん張らないといけないってのによ……)

 キィン ガシッ ドゴンッ

上忍「がっ――」ポタタッ

レオン「ブリュンヒルデ!」シュオンッ

 グラッ シュオオオオオンッ!

上忍「……ははっ、情けない」

上忍(サイゾウ様……。申し訳ありません)
162 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/08(火) 22:46:37.09 ID:mhX1oVpl0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・シラサギ城『剣の間・中央』―

カムイ「リョウマさん、サイゾウさんとカゲロウさんたちに戦いを止めるように言ってください! 私たちは――」

リョウマ「……いつまでそうやっているつもりだ、暗夜の王女よ。どんなに叫んだところで、指揮官である俺が倒れなければ戦いは終わらない」

カムイ「なにを言っているんですか……」

リョウマ「もしも、お前が戦いの早期決着を望むなら、するべきことは簡単だ。俺は今この白夜の全権を託されている。俺がお前たちを討つのは当然のことだ。ユキムラの望みと俺の行動に関係は無い」チャキンッ

カムイ「リョウマさん……」

リョウマ「……剣を抜け、暗夜の王女よ。それがおまえの望む、多くの者の手を取る最善の方法だと、わかっているだろう?」

カムイ「ま、待ってください。なんで剣を取らなくてはいけないんですか。私はリョウマさんと戦うために、ここに来たわけでは――」

リョウマ「……その道にどんな意味があるか、俺はそれを知るつもりはない。それがどれほど理想に溢れていたとしても、俺はその旗を靡かせる一陣の風になる事はない。俺には俺の旗がある以上、俺は俺の旗に身を委ねるまでだ」

カムイ「リョウマさん……」

リョウマ「さぁ、決着を付けよう。この長きに渡る長い戦いに、終わりを迎えるために……」チャキッ

 バチンッ シュオンッ

「白夜王国第一王子、リョウマ。いざ、参る!」ダッ
163 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/08(火) 22:47:43.60 ID:mhX1oVpl0
今日はここまで
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/09(水) 10:44:03.31 ID:MmX93efDO

リョウマ「参る!」(25ターンくらいは待ってやるか…)
165 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/17(木) 20:14:27.51 ID:+QOLhYag0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・シラサギ城『剣の間・左区画』―

 キィンキィン

白夜兵「せやああっ!」ダッ

マークス「甘い!」チャキッ

 カキィン キンッ!

白夜兵「ぐっ!」

マークス「カミラ!」

カミラ「ええ、任せて。はあっ!」シュオオンッ

 ドゴンッ

白夜兵「っ!!!」

ルーナ「悪いけど、押し通らせてもらうわよ。はあああっ!」ダッ
 
 ドゴンッ

白夜兵「ぐあああっ」ドササッ

ルーナ「へへん、ざっとこんなもの――」

 カタカタッ チャキッ

カラクリ人形「……」

ルーナ「!」

 パシュッ
  ザシュンッ

ルーナ「っ! やってくれるじゃないの!」

マークス「ルーナ、相手の挑発に乗るな! エリーゼ、ルーナの手当てを頼む。右のは私が処理する、カミラ左を頼めるか」

カミラ「わかったわ」バサッ
166 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/17(木) 20:26:43.76 ID:+QOLhYag0
カミラ「私の可愛いルーナに傷をつけてくれたこと公開させてあげるわ」ドゴンッ ガシイッ

カラクリ人形「ギギギッ」チャキッ

カミラ「そのまま捻り潰しなさい!」

 グオオオオオンッ バギンッ!!!
  ゴトンゴトンッ

カラクリ人形「……」カタカタカタッ
  チャキンッ ジャキンッ

カミラ「あらあら、ここから先はカラクリ屋敷みたいね」

マークス「他にも何かしらの仕掛けを隠しているかもしれん。警戒を怠るな」

ルーナ「っ……」

エリーゼ「ルーナさん、動かないでね、えーい!」シャランッ

 ホワンッ

エリーゼ「はい、これでもう大丈夫だよ」

ルーナ「ふー、エリーゼ様、恩に着るわ。それにしても最初にいた敵は思ったよりも歯応え無かったけど、どうして?」

マークス「ああ、手練れというわけではなかった。しかし、ここからの空気、間違いなく腕に自信のある者がいる」

カミラ「ええ、それにこのガラクタの動きも良くなってる。甘く見ていると、痛い目を見ることになるわ……」

からくり人形「……」

 カタカタッ
  チャキッ ギュイインッ
167 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/17(木) 20:34:14.08 ID:+QOLhYag0
ルーナ「うえぇ……。ただでさえ不気味なのに、頭の中からあんなの出すとかセンスないわ」

エリーゼ「いっぱい集まって来てる。お兄ちゃん、これからどうするの?」

マークス「決まっている、向かってくるものはすべて薙ぎ払い、カムイを助け出すだけのことだ。おそらく、このカラクリを操っている者がいる。それを倒すことが出来れば……」

カミラ「……そうね。だけど……」

 カタカタッ
  チャキッ チャキッ

カミラ「……」

カミラ(向こうから仕掛けてくる気配が無いわね。あんなに数を出しているなら、畳みかけてきてもいいのに。どういうつもりかしら?)

マークス「カミラ? どうかしたか?」

カミラ「……なんでもないわ。」

カミラ(威嚇のつもりかもしれないけど、それに乗っていられるほど私たちに余裕はないのよ)
168 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/17(木) 20:42:45.82 ID:+QOLhYag0
カミラ「行きましょう、マークスお兄様。カムイが待っているわ」

マークス「ああ、奴らの戦列を崩す。ルーナ、同時に仕掛けられるか?」
 
ルーナ「あたしを誰だと思ってるわけ。そんな簡単なこと出来ないわけないでしょ?」

マークス「ふっ、ではその腕、確かめさせてもらうとしよう……。行くぞ!」ダッ

ルーナ「そう来なくっちゃ! 右は任せて!」ダッ

マークス「うむ! せやああああっ」ダッ

 キュイインッ カタカタッ
  カチャッ キリリッ 

カミラ「エリーゼ、弓の人形を狙いに行きましょう。二人がいっぱい動けるように」

エリーゼ「うん、わかったよ。お姉ちゃんに合わせるね! よーし!」シュオンッ

カミラ「それじゃ、お仕置きの時間よ」

エリーゼ「おしおきしちゃうよー!」

 シュオオオオッ
  ドゴン ドゴゴンッ!!
169 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/17(木) 20:50:40.88 ID:+QOLhYag0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◇◇◇◇◇
―剣の間・左区画『奥の座敷』―

 プツンッ 
  プツツンッ

白夜絡繰師「あちゃ〜、一気に数を減らされちゃいましたね。あとどれくらい残ってるかな?」

白夜槍聖「今さら数えでも意味などない、それ次の人形を動かし始めることに専念しろ。敵の進軍、やはり思った以上と見える」

白夜絡繰師「はいはい、わかってますよ。まったく、これでも真面目にやってるつもりなんですけどね……。流石に数を見せつけて動きを止める相手じゃなかったか」

???「そうだろうな、カムイ様が私たちの手中にある以上、止まることなどありはしないさ」

白夜絡繰師「はぁ、時間稼ぎの効果は無し……。うまく動かせてたと思うんだけどな。そういえばカゲロウ様、絡繰獅子の調子はどうですか?」

カゲロウ「ああ、良好だ。すまない、私のためにここまでのことをさせてしまった」

白夜絡繰師「何言ってるんですか。あんな大怪我で帰ってきたのに、すぐに任務に戻るなんて言って、あんなこと聞かされたら手を貸さずにいられませんよ!」

白夜槍聖「私もです。それにわれわれのような一介の兵が、リョウマ様の枕下を守っておられるあなたと共に戦える、これほど光栄なことはありません」

カゲロウ「……私はそんな立派な人間ではない。もうこれを駆使しなければ自由に動くこともままならん。そして、その調整すらまともにできない。私の我侭にお前たちを付き合わせているだけだ」
170 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/17(木) 20:55:22.34 ID:+QOLhYag0
白夜絡繰師「いいえ、私たちが好きで選んだことですし、サイゾウ様と共に戦ってる連中も命のことなんて考えてないはず」

白夜槍聖「その意見には私も賛成だ。この身はいついかなる時も、リョウマ様のためにと決めていたものですので」

カゲロウ「……いや、今からでも遅くはない。私だけを置いてお前たちは身を隠すといい。攻撃する意思が無ければ、あの者たちは命を奪ったりはしない。お前たちだって、リョウマ様から命令を受けていたはずだ……」

白夜絡繰師「いや、忘れてしまいましたね。カゲロウ様の足の調整ばかりしていましたので」

白夜槍聖「それに、我らが主はまだ倒れてはいない。倒れていないというのに武器を収めるなど、侍の名折れというものです」

白夜絡繰師「あんた、槍術師だから侍じゃないんじゃない?」

白夜槍聖「心の持ち方に獲物の形など関係ないということだ」

白夜絡繰師「はいはい、心の中に太刀を持ってるってことね。まぁいいや、そういうわけだからカゲロウ様、どこかに隠れて待ってるなんて、私たちにはできません」

カゲロウ「これは私とサイゾウが選んだこと、お前たちが共に歩む必要は……」

白夜絡繰師「はいはい、もうここまで来てそういうこと言わないでください。結局、ここにいるのはリョウマ様の考えに異議を申し立てたくて仕方なかった人だけなんですから。私もそいつも、そしてカゲロウ様も同じ穴の貉ということです」

白夜槍聖「お前、カゲロウ様になんてことを……。まぁ、確かにそうかもしれないな。あんなことを言っていたが私はすでにリョウマ様からの任を放棄してここにいるのです。まさか、カゲロウ様もその一員とは思ってもいませんでしたが」

カゲロウ「お前たち……」

白夜絡繰師「そういうわけですから、ここからは言いっこなしです。カゲロウ様の足は最高の状態に仕立て上げますので、期待しててくださいよ。主のために死力を持って事に当たる、それが私たちの任なんですから」カチャカチャ

カゲロウ「……」
171 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/17(木) 20:59:09.88 ID:+QOLhYag0
 ドゴンッ‼‼‼‼

白夜槍聖「……もう近くまで来ているな。おい、準備は出来ているのか?」

白夜絡繰師「バッチリね。はい、カゲロウ様、こちらの絡繰獅子にお乗りください」

カゲロウ「ああ……。ふっ、良い動きをするな。きちんと私の指先通りに動いてくれる。しかし、揺れがすごいな」カランコロンッ

白夜絡繰師「いい仕事するでしょ。あ、それと胸はちゃんときつく縛っておいた方がいいですよ、カゲロウ様のそれじゃ、もう揺れてゆれて大変なことに……」

白夜槍聖「馬鹿なことを言っている暇はない。お前の準備を済ませろ」

白夜絡繰師「はいはい。やれやれ、真面目な男は駄目だね本当に、よっこしょっと……」

 カランコロン ピンッ
  ガシャンッ カタカタカタッ

白夜絡繰師「カゲロウ様、残ってる絡繰人形は私の任せてください。敵に多くの隙を与えてみせます。それでその隙を突いて攻撃をお願いいたします」

白夜槍聖「私が先陣を、そう簡単にやられるつもりは在りませんので、ご安心ください」

白夜絡繰師「頼むよー。一気に切り込んでポックリ逝ったりしたら承知しないからね」

白夜槍聖「任せておけ。カゲロウ様は、よろしいですか?」

カゲロウ「ああ、先陣を任せよう……」

 ガシャンッ
  ゴトンッ
   カランカランッ

カゲロウ「……」

白夜槍聖「……」チャキッ

白夜絡繰師「……」カランコロンッ

 タタタタタッ!

カゲロウ「カゲロウ、参る」ダッ
172 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/17(木) 21:04:12.81 ID:+QOLhYag0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―シラサギ城・剣の間『右区画・奥の廊下』―

スズカゼ「はあっ!」カランコロンッ バシュシュ

白夜兵「ぐっ……、くそっ、まだまだ!!!!」ジャキッ

 ヒュンッ ドスリッ

白夜兵「がっ――……ううっ」ドサリッ

モズメ「許してな……。倒さへんと、あたいらがやられてまうから……」

アシュラ「ん……攻撃が止んだみたいだぞ?」

モズメ「そうみたいや、敵がこっちに来る気配が無くなったみたいやけど……」

ツバキ「だけど、まだ全員倒したってわけじゃ無さそうだね。レオン様はサクラ様の援護をお願い」

レオン「ああ、シャーロッテとカザハナは後方に注意して、まだ残っている敵が来るかもしれないから」

シャーロッテ「わかりましたー」

カザハナ「うん、わかったよ」
173 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/17(木) 21:08:44.48 ID:+QOLhYag0
ツバキ「……あの部屋の先にも通路があるけど、ここに入るのは初めてだから何がどうなってるのかわからないなー」

サクラ「はい、いつも移動には中央の道を使っているので、こちらの構造がどうなっているのかわかりません」

スズカゼ「ご安心ください、私は覚えがありますので。この先には一つ部屋があって、そこに中央の間に続く場所を閉じる仕掛けが一つ設置されていると聞いたことがあります」

レオン「……つまり、姉さんが連れ去られた先に行くためには、あの部屋にあるそれをどうにかしないといけないってことだね?」

スズカゼ「はい……」

アシュラ「ならさっさと部屋を制圧するぜ。この細い廊下がどうにもきな臭いけどよ……」

スズカゼ「私たちが先行します。レオン様たちは後に続いてください」

レオン「わかった。こっちも警戒しつつ進むことにする。サクラ王女を中心にして敵の攻撃に注意して」

スズカゼ「……」

スズカゼ(おそらくあの部屋で待ち構えているのは……)

 タタタタッ
174 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/17(木) 21:13:23.42 ID:+QOLhYag0
スズカゼ「……」カランコロンッ

ツバキ「……気配はないね」

アシュラ「いや、これは気配を殺してるんだよ。こんなに露骨に気配を消してたら、ここにいるって思わせてるようなもんさ」

モズメ「んー、よーわからへん」

スズカゼ「いいえ、わかるものですよ。特に感じ慣れている気配というのは、手に取るようにわかるものです」

ツバキ「どういう――」

 シュパッ
  キィン!

モズメ「えっ、何処から飛んできたん!?」チャキッ

スズカゼ「こちらから入り込んでいるんですから、見える位置に隠れてはいないでしょう。もっとも、この距離なら隠れる必要もないという事でしょう。そうですね、兄さん」

???「……」

 シュタッ

サイゾウ「気づかれていたか。一撃で楽にしてやろうと思っていたが……」

スズカゼ「……兄さんがここにいるということは、カムイ様を捕らえる様に指示を出した方というのは……」

サイゾウ「答えるつもりはない。そして、後続と合流させるつもりもな」チャキッ

  パシュシュッ

175 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/17(木) 21:17:44.42 ID:+QOLhYag0
 ガンッ!
コンッ!
 グググッ

モズメ「な、なんなん!? なんか天井から変な落としとる!」

アシュラ「なんだ、白夜の王城ってはこんなにもろいものなのか?」

スズカゼ「仕込みを済ませていたんでしょうね。このままでは下敷きにされます、この通路を抜けます」

サイゾウ「させるか!」チャキッ シュパパッ

ツバキ「それはこっちの台詞だよ!」ザンッ
 
 キィン!

サイゾウ「ちっ!」チャキッ

スズカゼ「そうはいきません、はあっ」カランコロンッ! バシュシュ!

 ズビシャ

サイゾウ「ぐっ!」ダッ

モズメ「敵が、下がるで!」

スズカゼ「追撃よりも先にここを抜けるんです。下敷きになってしまったらそれまでですから」

ツバキ「なら、さっさといかせてもらうよー」

アシュラ「先に行くぜ」

モズメ「スズカゼさんも早く!」

スズカゼ「はい」

 タタタタッ

 ドゴンッ グシャアアッ!
176 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/17(木) 21:21:22.52 ID:+QOLhYag0
 パラッ カタンッ ゴトンッ……

スズカゼ「っ、皆さん怪我は?」

モズメ「何ともないで……」

アシュラ「こっちも問題なしだ。危うくひき肉になるところだったな」

ツバキ「縁起の悪いことは言わないでほしいんだけどなー。あ、俺も問題ないよー」

スズカゼ「はい、皆さん無事で何よりです。しかし、ここまでしてくるとは思いませんでしたね。まだまだ、考えが甘かったと言わざるを得ません。ん?」

レオン『スズカゼ、無事か!? 無事なら返事をしてくれ!』

スズカゼ「レオン様。はい、こちらは全員無事です。心配をかけてしまったようで申し訳ありません。どうやら、敵の罠にまんまと掛かってしまったようです」

レオン『いや、無事なだけでも十分だよ。僕たちは迂回路を探してみる。こちらが行くまで待てってくれ』

スズカゼ「レオン様、ありがとうございます。ですが、敵の方は待つつもりは内容ですので、このまま戦闘に移ります」チャキッ
177 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/17(木) 21:28:14.10 ID:+QOLhYag0
白夜陰陽師「……敵の分断に成功したみたいですね、サイゾウ様」シュオンッ

白夜婆娑羅「……相手は四人、こちらの数では不利か」チャキッ

サイゾウ「いや、そういうわけではない」シュオンッ

 シュタッ

サイゾウ『……』

白夜婆娑羅「なるほど、その手がありましたか。これで数は補えそうです」

白夜陰陽師「ええ、出口は在りませんし、あの絡繰獅子を動かすにはここは少々狭いはず、こちらに幾分か有利に働くはずです」

サイゾウ「ああ。それ以外になにかあるか?」

白夜婆娑羅「……その一つだけご報告が」

サイゾウ「なんだ?」

白夜婆娑羅「実は――」

サイゾウ「……!」

白夜婆娑羅「……」

サイゾウ「……そうか、わかった」

サイゾウ「……」

白夜陰陽師「サイゾウ様……」

サイゾウ「全員、武器を構えろ。これが俺たちの最後の戦いとなる。死力を尽くし、任を果たす時が来た」

白夜陰陽師&婆娑羅『はっ!』チャキンッ シュオンッ

サイゾウ「来い、ススカゼ。白夜を裏切ったお前の命を奪い、そしてこのサイゾウの名を終わりにさせてもらう」

スズカゼ「兄さん、私はサイゾウを継ぐつもりは在りません。そして、ここで倒れるつもりもありません。まだ、カムイ様の戦いを支えなくてはなりませんので。ですから――」

「あなたをここで討たせてもらいます」
178 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/17(木) 21:31:27.18 ID:+QOLhYag0
今日はここまで

 スズカゼとサイゾウにこういったやり取りがあってもよかったなぁって
179 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/24(木) 16:47:47.29 ID:XKGLc6180
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―シラサギ城・剣の間『中央広間』―

リョウマ「はぁ、ふんっ!!!」チャキ ブンブン

カムイ「くっ……。リョウマさんどうして!?」キィン

リョウマ「何度も同じ問いかけをするのだな。これ以上待とうとも、俺の答えは変わらん。手を抜いている暇はないぞ、カムイ!」ダッ

カムイ(くっ、動きがはやい。この剣戟、まともに受ければ押し負ける。なら――!)

カムイ「はああっ!」ダッ

 ガキィン!!!!

リョウマ「踏み込んで来たか、良い判断だ」

カムイ「……あなたは本当にリョウマさんなんですか」

リョウマ「なに?」

カムイ「どうして、このような真似をするんです。ユキムラさんがしようとしている事、その意味を解っているはずなのに。なんでそれに従うような道を選んでしまうんですか!」

リョウマ「……選べる道が無かっただけの事だ。俺はお前と違って、どこまでも往生際の悪い人間だっただけのこと……」

カムイ「そんなことはありません! だって、あなたはあの国境で戦いで私を連れて行かなかったじゃないですか」

リョウマ「あれはお前に力が無いと捨てただけのことだ。あの時のお前を白夜に連れ戻したところで意味がない、そう判断した故の事だ。迷いを多く持つ守られる剣を持ち帰ったところで、枷が増えるだけのこと。それがあの時、下した判断だ」

カムイ「……」

リョウマ「そして、お前は白夜にやって来た。一回りも二回りも強くなって戻って来た。その身に叶えるべき願い、いや理想を持って……。だが、その理想は俺の持つ旗ではない」ダッ

カムイ「っ」チャキッ

180 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/24(木) 16:58:39.64 ID:XKGLc6180
 キィンッ キィンッ
  ガキィン! ギギギッ

カムイ「なら、あなたの持つ旗は一体何なんですか! こうして、戦うことでしか得ることのできないものだなんて、私は思いたくありません!」

リョウマ「ああ、そうだな。そうであればどれほどよかったことか、もうこの戦争に意味が無くなっていることは知っている。争うよりも重要なことがあることも分かっているつもりだ。だが、こうして出来上がってしまった汚泥は、戦い以外で解消することは出来ん。そのために俺は、まだ戦わなくてはいけない!」ドゴンッ

カムイ「がっ!!!」ズササーッ

カムイ(どうして、どうして戦う以外の道がないのですか。もう、私たちが戦うべき相手は奴だけであるべきなのに!!!)

カムイ「っ!」シュタッ

カムイ「はぁ……はぁ……」チャキッ

リョウマ「……」

カムイ「わかりました。リョウマさんがその気なら、私は全力でその目を覚ませるだけです。こんな戦いに意味がないと、あなたが気づくまで全力でお相手します」

リョウマ「……ようやく、向き合ってくれたようだな。それでいい、お前はお前の理想のためにすべきことを行えばいい。俺のように……遅くなってから繕う必要などない」

カムイ「え?」

リョウマ「はあああっ!!!」ダッ

カムイ「っ!」キィン

カムイ(今の言葉、どういう意味ですか。くっ、だめだ集中しないと。私がここでリョウマさんを止めないと、戦いが――)
181 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/24(木) 17:01:57.23 ID:XKGLc6180
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―シラサギ城・剣の間『左区画・最奥』―

カラクリ人形『ギギッ』

エリーゼ「マークスおにいちゃん、敵が右、ううん、左からも来る!」

マークス「ああ、それと正面からもだ!」

 タタタタッ

白夜槍聖「はあああああっ」クルクルクル チャキッ

マークス「正面から向かってくるとはな。こちらから仕掛けさせてもらう、ジークフリード!」チャキッ シュオンッ

白夜槍聖「!」ダッ

 バシュンッ

白夜槍聖「っ、はっ!」タッタッ トンッ

マークス(壁を蹴って一気に接近するだと!?)

マークス「くっ」チャキッ

白夜槍聖「はああああああっ」グググッ ブンッ!!!!

 ガキィン!

マークス「っ、中々にやる!」

白夜槍聖「このまま押し切らせてもらうぞ!」ダッ

カミラ「残念だけど、あなたを行かせるつもりは――!?」バササッ

からくり人形『ギギッ ガリッ』
 パシュンッ
  パシュンッ!

カミラ「はああっ!」キィン カキィン
182 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/24(木) 17:07:45.34 ID:XKGLc6180
カミラ「危なかったわ。それにしても、この人形たちは邪魔ね」

ルーナ「たしかに、この人形どうにかしないと…」

マークス「カミラ、ルーナはこの人形を操っている者を頼めるか。私はこの者を相手する、先ほどまでの者たちとは腕が違う」

白夜槍聖「……はああっ!」ダッ

マークス「はあああっ!」チャキッ

 キィンキィンッ!

エリーゼ「マークスおにいちゃん! あっ」

からくり人形『カタカタカタッ カチャッ ギュイイインッ!!!』ダッ

エリーゼ「させないよ、ギンヌンガガプ!!」シュオンッ
 
 シュオンッ ドゴオオオンッ!!!
  ガシャンッ バラバラッ……

マークス「エリーゼ、助かった」

エリーゼ「サポートは任せて! カミラおねえちゃん、おにいちゃんのことはあたしが守るから」

カミラ「それじゃ、マークスお兄様のことお願いね、エリーゼ。行くわよ、ルーナ!」

ルーナ「ええ!」タッ
183 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/24(木) 17:08:58.92 ID:XKGLc6180
ルーナ「さてと、早速出てきた」

 カタカタッ

からくり人形『カチャッ』

カミラ「ルーナ、先頭の人形を私が蹴散らすから、同時に間合いを詰めて、もう一体をお願い」

ルーナ「任せて、カミラ様!」

カミラ「それじゃ行くわよ!」バササッ

からくり人形『ギギッ チャキ――』

カミラ「遅いわよ。はあああっ」チャキッ グググッ

 ドゴンッ!!! 
  バキィッ!

ルーナ「これで終わりだと思わないでよね!」タッ

からくり人形『ギギッ カパッ ギュイイイイインッ!!!』

ルーナ「へへん、もうどんな仕掛けかわかってるから。そんなの怖くもなんともないんだから、それにね――」チャキッ

ルーナ「あんまり可愛くないから、目障りなのよ!」

 ザシュッ バギンッ!

ルーナ「よし、おしま――」

白夜絡繰師「それっ!」パシュッ

カミラ「ルーナ!」バッ 

 キィン!

184 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/24(木) 17:11:18.38 ID:XKGLc6180
ルーナ「か、カミラ様」

カミラ「気を抜いては駄目よ。ここからが本番なんだから」

ルーナ「ご、ごめんなさい。それで、今狙ってきたのは――」

白夜絡繰師「ちっ」カランコロン カランコロンッ

ルーナ「あ、逃げる。カミラ様、早く後を追わないと……。カミラ様?」ダッ

カミラ「…ルーナ、今逃げていったのを任せられるかしら? どうやら、私が相手をしないといけない人がいるみたい」

ルーナ「……わかったわ。すぐに倒して戻って来ちゃうと思うけど」

カミラ「ふふっ、そうね。期待してるわ」

ルーナ「その、負けるなんて思ってないけど。その…」

カミラ「大丈夫、私は負けたりしないわ。絶対にね」チャキッ

ルーナ「カミラ様……」

カミラ「早くいきなさい、向こうが痺れを切らしてしまう前に」

ルーナ「ええ」タタタタッ

カミラ「……ふふっ。ごめんなさい、待たせちゃったかしら?」

カゲロウ「いや、そういうわけでもない。むしろ、気づいていたのなら、今の者と一緒に攻めてきても問題はなかったはずだ」

カミラ「生憎だけど、すぐに戦える相手じゃないわ。あなたはカムイの恩人だもの、こうやって臨戦態勢で向かい合っていなかったら、とても良かったのだけど」

カゲロウ「そうだな。カミラ様にはイズモ公国で色々と世話になった……」

カミラ「 いいのよ。前は前、今は今でしかないわ」

カゲロウ「そうか、恩に着る」

185 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/24(木) 17:14:27.91 ID:XKGLc6180
 カランコロンッ

カミラ「それが、今の貴方の足かしら?」

カゲロウ「ああ、これが無ければ満足に戦うことが出来ない。もう、私の足は走ることは出来ない。あの、フウマでの拷問の後遺症だ。もう、忍として主君に仕えることは叶わないが、戦う事ならばこれがあれば事足りる」

カミラ「……そう、少しだけ嫌な予感はしていたつもりよ。狙ったように行われた分断、そしてカムイだけが攫われた現状……。タイミング次第では私たちを殺せたのにそうしなかったのは、これがユキムラの仕業ではないからね?」

カゲロウ「そこまで答える義理は無い。すまない、カミラ様がカムイ様にとって大切な家族であろうとも、手加減をすることは無い。ここで殺し合うことは、あの日助けられた日から決まっていた事だとすれば……私は助けられるべきではなかったのかもしれない」

カミラ「カムイを苦しめるつもり?」

カゲロウ「ああ、そのつもりだ。残念だが、私はカムイ様の臣下ではない。命を救われたとしても私が仕え、そして命を賭すお方はこの世に一人だけだ」

カミラ「熱いわね、あなた……。もしも一緒に戦う道があったのなら、もっとあなたを知ることが出来たのかもしれないわね」チャキッ

カゲロウ「……」スッ

 チャキンッ

カミラ「……行きなさい!」バサバサッ

カゲロウ「……はあああっ!」チャキンッ

カミラ「!!!!」バササッ!

 ガキィン キィン!
186 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/24(木) 17:16:09.88 ID:XKGLc6180
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ルーナ「よっ、はっ!」

 パシュンッ
  カキィン キィンッ

白夜絡繰師「中々やるね。まさか、一人で追ってくるなんてさ。いや、敵ながらあっぱれだね」

ルーナ「その減らず口、すぐに聞けなくしてあげるわ!」ダッ

白夜絡繰師「それはどうかなっと!」スッ

 ガシャコンッ

カラクリ人形『ガガッ パカッ ギュイイインッ!』

ルーナ「次から次へと!」チャキッ ブンッ

 ガシュッ
  バキンッ

絡繰師「すごいね。だけど、そう簡単にやられるわけにはいかないんだよ」スッ カチャッ

 パシュッ

 ギュイイインッ

ルーナ「ちっ!」キィン サッ

ルーナ(どうやら、人形はこいつが動かしてるみたいね。こいつを倒せれば人形の動きが止まるかも……)

ルーナ「でも……」チラッ
 
 カタタタッ 
  カタタタタッ

ルーナ「はぁ、この量を相手するわけ? 勘弁してほしいわ……」
187 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/24(木) 17:17:49.34 ID:XKGLc6180
白夜絡繰師「相手にしたくないなら諦めていいよ。一撃で仕留めてあげるからさ」

ルーナ「ふん、生憎だけど簡単に諦めるような人生送ってないのよ!」ダッ

白夜絡繰師「そう、ならさっさと倒れちゃって」シュシュッ
 
 パシュシュッ!
  ドススッ

ルーナ(あの変な絡繰の乗り物、再攻撃に時間が掛かる。なら、その隙に!)

からくり人形『ギギッ カチャッ』

ルーナ「遅い!」ドゴンッ

 ガシャンッ

ルーナ「はあああっ!」チャキ ブシャアッ

 ガギンッ
  カランカランッ……

白夜絡繰師「ちっ、中々やるよね。本当にさ!」カシャコンッ

 パシュッ!
  ズシャッ

ルーナ「っ!」ポタタッ

白夜絡繰師「くそっ、浅い!」

ルーナ(喰らったけど、まだいける!)タタタッ

ルーナ「一気に終わらせてあげる!」ダッ
188 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/24(木) 17:22:08.03 ID:XKGLc6180
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

マークス「はあっ!」チャキッ ブンブンッ!

キィンッ サッ

白夜槍聖「うおおおおっ!」グルッ ブンッ

 ガキィンッ!

マークス「くっ!」

白夜槍聖「そこだ、もらった!」

マークス「そうはさせん!」ドゴンッ

白夜槍聖「ぐおっ!」ズササーッ

マークス「そこだ――!!!」サッ

カラクリ人形『チャキッ キリリッ』

 カコンッ

マークス「はっ」サッ ズザザーッ

マークス「くっ、中々に厄介だ。あの人形たち、まだまだ出てくるというのか……」

エリーゼ「はぁはぁ……。これじゃキリが無いよ! えーいっ」シュオンッ

 ドゴンッ!
  ガシャンッ!‼‼

マークス(まずい、エリーゼの体力は限界が近い。幾度となくチャンスはものにしているというのに、こちらの決定打を悉く人形に邪魔されてしまう。このまま人形の動きが止まるのを待つのは難しい。ならば――)チャキッ

マークス「エリーゼ、私の後ろへ」

エリーゼ「え、マークスおにいちゃん? あたし、まだ戦えるよ!」

マークス「わかっている。だからこそ、下がれと言ったのだ」

エリーゼ「え?」

マークス「こちらから仕掛ける。エリーゼ、私の言う通りに動けるか?」

エリーゼ「う、うん。やってみるよ」

マークス「よし」チャキッ

白夜槍聖「……」

マークス(……相手はこちらに攻勢を仕掛ける戦術、ならばその一点にこちらも応えよう)

「次の一撃で決めさせてもらうぞ、白夜の兵士よ」チャキッ
189 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/24(木) 17:23:03.34 ID:XKGLc6180
今日はここまで

 
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/25(金) 09:41:01.02 ID:KA6Kn9bDO
乙 さりげなくエリーゼの武器レベルが超高い
ゲームでギンヌンガガプとか使ったことないよ
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 00:30:49.58 ID:WH16g1z40
普通のストラテジストは魔法Bだからな、無双から逆輸入だとは思うが、違和感あるね。
192 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 18:35:06.79 ID:EPkWpSeP0
やっぱりギンヌンガブブは違和感あったようで、申し訳ないです。
193 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 18:36:28.16 ID:EPkWpSeP0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◇◇◇◇◇
―白夜王国・シラサギ城『剣の間・左区画最奥』―

 パシュシュッ
  カシュンッ!

ルーナ「はああっ」キィンキィン!

白夜絡繰師「へぇ、さすがに一人で乗り込んでくることはあるよ、こんなに撃ってるのに当たってないとかさ!」

ルーナ「はっ、そんな攻撃にあたしが当たると思ってるわけ!? もっとちゃんと狙わないと当らないわよ!」

白夜絡繰師「これでも元々は忍の出だからね。それなりに自信はあるつもりだよ!」パシュッ

 ザシュッ!

ルーナ「っ! まだまだぁ!!」ダッ

白夜絡繰師(ちっ、思ったよりやる。この短時間で人形を全部壊されるなんて思ってもいなかった)

白夜絡繰師「やってらんないね。多体一に持ち込んだと思ったのに、この様だよ」

ルーナ「あたしが相手なのに、あんなへなちょこ出して勝てると思ったのが運の尽き、ご愁傷さまね」

白夜絡繰師「言ってくれる!」パシュシュッ!
194 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 18:39:20.49 ID:EPkWpSeP0
白夜絡繰師(……くそっ、思ったより追い詰められてるよ、これ。満足に絡繰を動かす空間もなくなって来た)

白夜絡繰師「っ!」パシュッ

ルーナ「……」タタタッ ズザザッ

 カランッ……

白夜絡繰師(ダメだ、弓じゃもう対処できない。ここは暗器であいつの動きを牽制、動きを鈍らせたところを突くしかない)カチャコンッ

ルーナ「……」ダッ

白夜絡繰師(武装の変更に気づかれたけど、関係ない。流石にこれは外さないよ!)カランコロンッ

 バシュシュッ! 
  ザシュシュッ

ルーナ「あぐっ!」ヨロッ

白夜絡繰師(よし、今のは深く刺さった! これですぐには動けないはず、すぐに追撃を――)

 ポタタッ

ルーナ「うううう、この程度の傷で立ち止まれないのよ!」

 ダンッ

ルーナ「あたしは、あたしはまだ、ここで負けるわけにはいかないんだから!!!!」ググッ
 
 チャキンッ

ルーナ「はあああああああぁぁぁ!!!!」ダッ
195 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 18:40:51.11 ID:EPkWpSeP0
白夜絡繰師(なっ、踏ん張りやがった!? 間に合え!!!!)カランコ……

ルーナ「はあああああっ‼‼‼‼‼」ダッ ググッ

 ドスンッ!‼‼

ルーナ「……」

白夜絡繰師「……」

 カランコロンッ カララッ
  ガゴンッ カタンカタタンッ……

白夜絡繰師「……ははっ、再装填の鍛錬……、ちゃんとしておくんだった……」ポタタタッ

 チャキンッ コトンッ

ルーナ「はぁ……はぁ……。即座にもう一発当てておいて何言ってるわけ……。まぁ、運よく、急所は逸れたけど」ピチャンッ

白夜絡繰師「ちぇ……もう一手で、こっちの勝ちだったのに……ごふっ、うまくいかないねぇ」ビチャッ

白夜絡繰師(これで終わりか……。もう、体中が寒くてたまらない、やっぱり剣って刺さるとすごい痛い。もう楽になってもいっか――ん?)
196 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 18:43:46.89 ID:EPkWpSeP0
 クン……
  クンッ……

白夜絡繰師(仕掛け糸が揺れてる。え、人形の仕掛け設定を変えろってこと? あの槍男、ここでそれを言うのかよ)

白夜絡繰師「……へへ」

白夜絡繰師(……そうか、そっちも最後に仕掛ける気なのか。もうこっちは死に体だってのに、まあいいよ。最後くらい、手添えしてやる……)スッ

 ピンッ……

白夜絡繰師「……はぁー、ふぅー」

 ピチャンッ……ピチャンッ……

白夜絡繰師(……リョウマ様。先に休みます……ね)

 ピチャンッ……
  ドサリッ

白夜絡繰師「」
197 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 18:45:22.69 ID:EPkWpSeP0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

マークス「……」チャキッ

エリーゼ「……」ギュッ

白夜槍聖「この一撃で決めるつもりか……」

白夜槍聖(あの魔法を使う娘を下げたとなると、こちらの攻撃に合わせて何かを仕掛けてくるつもりか。数ではさすがにこちらが優位であるが、この人形ではあの魔法を耐え切れん)

白夜槍聖(しかし、この一手に限って言えば、奴の懐に入り込むことは難しくない。全身全霊の一撃に賭けるとしよう……)

 ダンッ ガシッ

白夜槍聖「いいだろう。この一撃を持って、勝負とさせてもらう」チャキッ

白夜槍聖(人形を一気に嗾け、一撃で終わらせてくれる。幾らあの娘の魔法が強力であろうとも、この数を一気に片づけることは出来ないはず。たとえ、双方の犠牲に意味がなくともだ……)

白夜槍聖(そうだ、我らはそれだけを求めてここに集ったに過ぎない。たとえ、それが主の願いから背くことであろうとも。ここで戦う事こそが、我らの悲願!)
198 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 18:46:53.33 ID:EPkWpSeP0
白夜槍聖「……行けぇぇぇ!!!!」ダッ

 ドドドドッ

白夜槍聖(敵が狙いは、恐らくこちらの攻撃を受け切ってからの再攻撃、ならばそれをさせずに押し潰してくれる!)

マークス「エリーゼ、準備は出来ているか?」

エリーゼ「うん、マークスおにいちゃん。いつでも行けるよ!」

マークス「よし……合図とともに仕掛ける」

白夜槍聖(仕掛けることが出来ると思っているとはな、このまま包囲して終わりにしてくれる! 奴に最後の合図を送ろう)

 パチンッ
  ……
 クン……

白夜槍聖(合図が帰って来た。仕掛けるぞ!)

白夜槍聖「敵を囲め!」

絡繰人形「カタタタタッ!」

白夜槍聖(一点集中ならばともかく、この広がりではすべてを受け切ることは出来まい! いくら、剣の腕に自信があろうとも、この数の包囲に迫られれば。それで終わりだ。その隙を突かせてもらう!)

白夜槍聖「これで終わりだ、暗夜の王子!」チャキッ

マークス「……」

白夜槍聖(この勝負、もらった!!!)






マークス「……ふむ、上出来だ」チャキンッ
199 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 18:48:11.55 ID:EPkWpSeP0
マークス「ここで包囲されればこちらは完封される。もっとも、私が待ちに徹しているならばの話だ」ダッ

白夜槍聖「!?」

マークス「エリーゼ、行くぞ!」

エリーゼ「わかったよ!」

 ダダダダッ

白夜槍聖「前進だと!?」

マークス「エリーゼ、奴への進路を塞いでいる人形をやれ!」

エリーゼ「うん! 行くよ、ライナロック!」シュオンッ

 ドゴンッ‼‼‼
  ガシャンッ
   ガラガララッ……

白夜槍聖「包囲に穴が、くっ」チャキッ

白夜槍聖(こちらが人形を包囲に使うと予想していたという事か!?)

マークス「はあああっ!」ダッ

白夜槍聖(いや、元々多体一と勘違いしていたこちらに問題があるだけの事、それがただ一対一になっただけではないか!)

白夜槍聖「来い!」ダッ

 ガキィン キィン
200 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 18:48:43.98 ID:EPkWpSeP0
マークス「はあっ、せいっ!」

白夜槍聖「っ、そこだ!」バシュッ

白夜槍聖(……何たる様だ。こちらは奴よりも有利なもので挑んでいるというのに、致命傷を与えるにも至らない。……まったく、ユキムラの下にいた奴らがもう少しだけでも腕のある物であればよかったと思う日が来るとは)

白夜槍聖「はああっ」ダッ

マークス「……」チャキッ

白夜槍聖(……この一撃は届かない。わかっているというのに、挑んでしまうな。いや、それは当たり前か、こんなにも主君のために戦うことが心地よくては――)

白夜槍聖「くらええええ!!!!」ダッ

白夜槍聖(止まれるものでない……)

マークス「はああっ!」ブンッ

 ザシュリッ……

 ポタタタッ ポタタタッ

白夜槍聖「がっ! ううっ……」ドサッ
201 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 18:50:04.72 ID:EPkWpSeP0
白夜槍聖(ああ、視界が霞む。あまりにも静かだが……人形たちは……)

絡繰人形「――」

白夜槍聖(……そうか。あいつもやられたのか。まったく、揃いも揃って成すことは叶わなかったとはな……。だが、それでもいいか、ここはとても心地がいい、ずっとずっと戦う理由に苦悩しでいたのが嘘のように…)

白夜槍聖「……はは、最高の夢見心地だ……。最後の相手が貴殿であったことに感謝する……」ポタタタッ

マークス「……見事であった、白夜の兵士よ」

白夜槍聖「……あぁ……」

白夜槍聖(そうだな、休もう。もう武器を持つには体が重い、ゆっくり休んだとしても、罰は当たらないだろう……)

 ドサリッ……

白夜槍聖「」

マークス「……」カチャンッ
202 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 18:53:53.97 ID:EPkWpSeP0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  カランコロンッ バシュシュッ!

カミラ「はあああっ!」キィンキィン

カゲロウ「……」カラコロンッ

カゲロウ(……二人の気配が途絶えたか…)

 ダッ バシュシュッ

カミラ「っ! そこ!」シュオンッ
 
 ドゴンッ!

カゲロウ(たとえあの二人がここで生きていようとも、白夜に勝機は無い。それをリョウマ様は承知していた。一丸とまではいかないまでも、民が共に白夜のために尽くそうとしていた日々は戻ってこないことを認める様に……)

 キィンッ ガキィン!

カゲロウ(だとしても、何度でも夢に見る。帰らなかった友のいる時間、暖かい明かりが花のように並ぶ王都の光景。それがリョウマ様の求めているものかはわからぬが、少なくともそれに近いものであればいいと、切に願う)

 ダダッ ドゴンッ
  バキィンッ!

カゲロウ(カムイ様と初めて出会った時、共に歩める道があるかもしれないと思った。カムイ様が元は白夜の王族だからというわけではない。あの方には人を導く力がある、そう思った。しかし、結果はこれだ。命を救われても尚、私は私の主の命に従うことしかできない。たとえ、今の状況が一度受けた任を放棄して、新たに得た任だとしても……)

 バサバサッ
  ブンッ
   ズビシャッ!

カゲロウ(リョウマ様がどうしてカムイ様と戦う道を選んだのか、それは私にはわからない。だが、それでもリョウマ様は戦うことを選んだ……。なら私も共に戦いたいと思うのは……間違っているのか?)
203 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 18:55:16.18 ID:EPkWpSeP0
 ポタタッ 
  ポタタタタッ

カゲロウ「はぁ……はぁ……ぐっ……」

カミラ「……降伏しなさい。あなたを殺したくはないの。リョウマ王子もどうにかして助け出してみせるから……」

カゲロウ「……優しいのだな」

カミラ「あなたを敵にしたくないのよ。カムイだってあなたが生きることを望むはず…、まだリョウマ王子が生き残れる可能性が少しでもあるなら、それに賭けてみない?」

カゲロウ「……どんな状況であろうとも任務を遂行する時も、わずかな希望に賭ける場面は幾度となくある。敵に捕らえられ、地獄のような責め苦に苛まれても、生きている限りは可能性がある…そう考えてあの日、お前たちに助けられるまでの日々を耐えてきた」

カミラ「ええ、あなたが生きていたことをカムイは喜んでいたわ。あなたを助けられたって」

カゲロウ「……生きることが次に繋がるのなら、私は命の灯を絶やさぬよう薪を足し続けよう。わずかな細木でも火が続くのなら、それに越したことは無い。だが……」

 チャキンッ

カゲロウ「今ここにいたればそれは違う。私の最後の命令はここを死守すること。命を長らえ耐える事ではない。ここを守る事だけが、最後に与えられた私の責務だ」

カミラ「……そう、あなたは兵士なのね。とても立派な」チャキッ

カゲロウ「……ああ、そうあるべきだと尽力してきた。カミラ王女のような方に認めてもらえるのなら、この人生の歩みは間違っていなかった」

カゲロウ(……ああ、間違っていなかった。ただ、歩む道が少しばかり整っていなかっただけだ。リョウマ様が示された道は、もっと整っていたというのにな)

カゲロウ(だが、あの命令を私は受け入れられなかった……)
204 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 18:58:44.56 ID:EPkWpSeP0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◇◇◇◇◇
―白夜王国・シラサギ城『王の間』―
〜暗夜軍・侵攻前日夜〜

カゲロウ「……リョウマ様、そのご命令は一体?」

サイゾウ「……」

リョウマ「これはお前たちにしか任せられないことだ」

カゲロウ「……」

リョウマ「この戦いで長きに渡った白夜と暗夜の戦いは終わる。どんな結果になろうとも、これで戦いは終わると俺は信じている。だからこそ、今俺が全権を握っているのだからな」

サイゾウ「……」

リョウマ「サイゾウ、カゲロウ、お前たちには王都正門の守備に回ってもらう。そこに集うのは周囲の村から王都に退避してきた者たちばかりだ。ユキムラは盾に使うつもりでいる以上、暗夜軍に正門を突破されればどれほどの被害が出るかわからない。わかるだろう、この戦いが終わった後、必要となるのは民だ。俺たちのような者たちではない」

カゲロウ「……リョウマ様は、リョウマ様は白夜に必要なお方です」

リョウマ「……買い被りすぎだ、カゲロウ。俺はそんな立派な人間ではない……。最後の最後、燃えて残った塵のような姿で戦いっているだけに過ぎない。俺には、何かを成す機会は失われているのだからな……」

カゲロウ「……そんなことはありません!」

リョウマ「カゲロウ……」
205 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 19:02:08.25 ID:EPkWpSeP0
カゲロウ「リョウマ様、私にはこの任に意味を見出すことが出来ない。私には民の命より、あなたを守る任を全うしたい、そう考えている」

リョウマ「……それは俺の任を受け入れるつもりはないという事か?」

カゲロウ「……はい」

リョウマ「……」

サイゾウ「リョウマ様。私も此度の任に従うつもりはありません」

リョウマ「サイゾウ?」

カゲロウ「サイゾウ……」

サイゾウ「……ご不満なら、私を臣下から外してもらっても構いません。その時は勝手に戦わせてもらうだけです。そうだろ、カゲロウ?」

カゲロウ「サイゾウ……。サイゾウと同じく私もそのつもりです、リョウマ様」

リョウマ「……もう少しお前たちは賢いものだとばかり思っていた。ここに来てそのようなことを口にするとはな……」

カゲロウ「それこそリョウマ様の過大評価。私にとってあなたと共に戦えることこそが――」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 キィン! カキィン!

カゲロウ(そう、それが命令を拒んで私が選んだ荒れた道。だけど、後悔はない)

カゲロウ(ああ、そうだ――。これが私の望んだ終わりだ――)

カゲロウ(だから、ここで死ぬことこそが……)

 ズビシャ……

カゲロウ(本望なのだろう……)
206 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 19:03:24.19 ID:EPkWpSeP0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・剣の間『右区画・最奥』―

カミラ「………」

カゲロウ「……っ……」スルッ
  
 ドサリッ

カミラ「……カゲロウ」

カゲロウ「はは……、もう立てぬか……。まさか、この部屋が最後の地になるとは思ってもいなかった……。ごふっ」ビチャッ

カミラ「すぐに治療をするわ」

カゲロウ「心遣いはうれしいが、もう間に合わない。それくらいのことわかっているつもりだ……」

カミラ「大丈夫、すぐに止血をすれば――」

カゲロウ「……すまぬ、このような言い方で伝わるわけもなかったな。……もう何もしないでくれ」

カミラ「え?」

カゲロウ「……私にも最後に守りたい誇りがある……。だから、何もしないでくれ……。このまま終わらせてほしい……」

カミラ「……」

カミラ「……」

カミラ「…」スッ
207 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 19:05:13.79 ID:EPkWpSeP0
カゲロウ「ありがとう。どんなに独りよがりな誇りだとしても、私はこれ以上の事を望んで生きていたくはない。そもそも、生きるつもりだったのなら私はここにいない……。私は死ぬために……ここで戦うことを選んだだけのことだ…」

カミラ「……不器用なのね、あなた。もっと違う道もあるとは思わないの?」

カゲロウ「生憎、それほど器用に立ち回れる自信はなかった……。この一瞬だけでも、私はリョウマ様のために戦う自分でありたかった……ごほっ、ゴホゴホッ……」

カゲロウ(ああ、視界が霞む。見慣れた天井がぼやけていく……)

 ポタタタタッ
  
カゲロウ「……」

カミラ「……カゲロウ」

カゲロウ「……」

カゲロウ(リョウマ様、サイゾウ……。ここまで共に闘えて幸せだった……)

カゲロウ(叶うならば、もう一度……二人と共に……あの、美しく暖かい白夜の姿を……)

カゲロウ「こふっ……」

カゲロウ(この目で……)

カゲロウ「」トスッ

カミラ「……」
208 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 19:07:51.52 ID:EPkWpSeP0
 タタタタタッ

カミラ「?」

エリーゼ「カミラおねえちゃん! 大丈夫!?」

カミラ「エリーゼ……。っ、気づいていなかったけど思ったより攻撃を貰っていたみたいね……」フラッ

エリーゼ「今手当をするね、そっちの人は……」

カミラ「……」

エリーゼ「……この人、フウマ公国で助けた人だよね。どうして、戦わなくちゃいけなかったの…」

カミラ「わからないわ。いいえ、わかっていいものじゃないの。それがどんなに認められないものだとしても、私たちにそれを止める権限は無いわ。鋼よりも強い意思は、そう簡単に砕くことが出来ないようにね」

エリーゼ「そんなのわからないよ……」

カミラ「……そうね。だけど……結果は同じだったのかもしれないわ」

カミラ(カゲロウを助けたところで、きっと自害していた。どんなにこちらが望んでもカゲロウは、こちらの旗を仰ぐつもりはなかった。選んだのは主のために戦ったという誇り……。それがカゲロウにとっての生きる意味……)

カミラ「……悔しいけどそれが現実なのね」

エリーゼ「カミラおねえちゃん……」

カミラ「エリーゼはルーナを見つけてちょうだい。多分負傷していると思うから、治療が終わり次第ここに連れてきてちょうだい」

エリーゼ「う、うん! わかったよ」タタタタッ

カミラ「……」

カミラ(カゲロウたちは生還を考えていなかった以上、右の区画でレオン達を待ち受けている敵もまた同じように、命のある限り戦うつもりでしょうね……。それをこちらがどんなに望んでいなくても……)

カミラ「カムイ……。ここはあなたの望みに一番近くて――」

「一番遠い場所なのかもしれない……」
209 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/31(木) 19:10:58.20 ID:EPkWpSeP0
今日はここまでで

 望むものが近くにある時、それはもっとも遠い場所に存在している。
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 16:16:30.12 ID:6zGOWNI8O
カゲロウ…
211 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 19:29:41.81 ID:dg+6wiat0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◇◇◇◇◇
―白夜王国・剣の間『右区画・最奥』―

タタタッ

白夜陰陽師「牛神、行きなさい!」シュオンッ カララララッ

モズメ「っ! させへんよ!」パシュッ

 キィン!

白夜陰陽師「生憎ですが、その様な攻撃で止められるほど、弱い式神ではありませんよ。さぁ、さぁ、そのまま押し潰されてしまいなさい!」カラランッ カララランッ
 
 ズオオオッ

モズメ「んっ、はっ、よっと!」サッサッ

白夜陰陽師(やる、あの閉所でそんな動きをする。だけど、なら動きの速いコイツなら!)

白夜陰陽師「鳥神!」カララランッ
 
 シュオンッ シュオオンッ
  バサバササッ 

白夜陰陽師「いけっ!!!」バッ

 ヒュオンッ ヒュオンッ

モズメ「!」パシュシュッ!
212 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 19:38:19.25 ID:dg+6wiat0
 ザシュンザシュンッ
  ヒュオンッ
   バチィンッ!

モズメ「っ!!!!」ポタタタッ グラッ

白夜陰陽師「これで――!」

 タタタタッ

ツバキ「そうはいかないよー。それっ!!!」スパッ!

白夜陰陽師「くっ――!!!」

白夜婆娑羅「間に合え!」ダッ

 ズビシャ……

白夜婆娑羅「ぐっ! うおおおおおっ。虎神!!!!」カラランッ

 シュオンッ
  グオオオオオオンッ ダッダッ バシュシュッ

白夜陰陽師「……助けに来なくてもよかったのですが」

白夜婆娑羅「くっ、助けられておいてそれか。お前が動かなくなると、少々辛いからしたことだ」

白夜陰陽師「そう、でも次からは大丈夫ですよ。しかし、式神の使い方がなっていませんね。彼ら、いとも簡単に避けていきましたよ」

白夜婆娑羅「辛辣だな……」
213 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 19:50:54.65 ID:dg+6wiat0
ツバキ「ふぅ、何とかなったね。モズメのほうは大丈夫?」

モズメ「おかげさまでなんとか、ありがとうツバキさん」

ツバキ「気にしないでいいよー。で、この二人は僕たちでどうにかしないといけないわけだけど……」

モズメ「わかってる。でも、攻撃の頻度が多いんよ、ただでさえ変なのぎょうさん出しおるし」

白夜陰陽師「ふふん、これで陰陽道を進んでおりますからね……。それであなた、怪我は?」

白夜婆娑羅「なに、たいしたことは無い。それよりも、このまま睨み合っていても埒が明かん。あの軽い奴を引き付ける、その隙にあの弓兵をやれ」

白夜陰陽師「ええ、一気に決めさせてもらうとしましょう」カランカランッ

白夜陰陽師(機会は一度だけ、この攻撃を通せればこちらの勝ちですよ。暗夜の方々?)

ツバキ「どうやら攻めてくるみたいだね。どう動いて来るのかはわからないけど、ここを受け切らないと結構きついって思うよ」

モズメ「でもやるしかないんやろ。なら、そうするだけや」チャキッ キリリッ

白夜婆娑羅(……敵に時間を与える必要もない、今すぐ仕掛けるぞ!)ダッ

白夜陰陽師(どうぞ、こっちも準備は出来ているわ)カラランッ

 シュルシュルッ
214 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 20:06:34.25 ID:dg+6wiat0
白夜婆娑羅「……!」チャキッ

 ダッ!!!

モズメ「これでっ!」パシュッ

 キィン‼‼‼

白夜婆娑羅「うおおおおっ!!!!」ググッ
 
ツバキ「そうはさせないよ!」チャキッ クルクルクルッ ザンッ

 ズビシャ!

白夜婆娑羅「ぐぬっ、うらああっ!」ブンッ ブンッ

ツバキ「っ、くっ」サッサッ

白夜陰陽師「射線が通りましたね。それでは弓兵さん、ごきげんよう」カラララランッ

 シュルルルルッ
  シャアアアアアッ!

モズメ「へ、蛇!?」チャキッ

 シャアアアッ
  バチュンッ!!!

モズメ「きゃあああっ!!!」

白夜陰陽師「それで終わりではありませんよ!」スッ

 シュルルルルッ
  バチュンッ!!!

モズメ「――」フラッ
215 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 20:17:01.86 ID:dg+6wiat0
白夜陰陽師(これであの弓兵はおしまいね。あとはもう一人を始末すれば――)クルッ

 ダンッ バシュッ
 ズビシャッ!!!!

白夜陰陽師「え……」ポタタッ ポタタタッ

白夜陰陽師(え、なぜ、私の腹から矢が生えて……)

白夜陰陽師「ごふっ……な、なにが起きて……」

モズメ「はぁ……はぁ……」チャキッ

白夜陰陽師「ふふっ、しぶとい方ですこと…」

モズメ「カムイ様のために、死ぬわけにはいかないんや!」チャキッ

パシュンッ!!!!

 ズビシャッ!!!

白夜陰陽師「がふっ……」ポタタッ

白夜婆娑羅「!!! 今、援護に――」

白夜陰陽師「そっちはそっちの相手をしていなさい! ううっ」ポタタタッ

白夜陰陽師(ぐっ、蛇神の呪いが……。今ので仕留められなかったのがこれほど効いて来るなんて……。今の間までは力の半分も出ない……くっ、痛みで意識が……)

白夜陰陽師「はああっ……ああっ、ううっ……」

白夜陰陽師(あと、あと一撃加えることが出来れば!!!!)

モズメ「……捉えたで」
216 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 20:25:58.61 ID:dg+6wiat0
モズメ「……」チャキッ

白夜陰陽師「っ、兎神!」カララランッ 

 タタッ タタッ
 
白夜陰陽師(くうっ、優位を築いたというのに、一気にここまで追いつめられることになるとは……。申し分ない戦いが出来たと思っていたが、準備に掛けた時間にしてはこうもあっさりと。終わってしまうとは……)

モズメ「――」パシュッ

白夜陰陽師「………」

 トスンッ……

白夜陰陽師「……」ポタタタッ

白夜陰陽師(ああ、体が重い。呪いの所為か……いえ、こんなにもろに攻撃を受けておきながら呪術の所為などと言えるわけがないというのに、まったく私もつくづく愚か者だこと……)

白夜陰陽師「……やはり、痛いものは痛いものですね……。っ――」

白夜陰陽師(すみません、リョウマ様――)

白夜陰陽師「」

モズメ「……」
217 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 20:45:31.53 ID:dg+6wiat0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

白夜婆娑羅「はああっ!」ブンッブンッ

ツバキ「……残念だけど、後方は潰させてもらったよ」

白夜婆娑羅「そうか、それならば尚更止まるわけにはいかん! 奴の犠牲を無駄には出来んからな」ダッ

ツバキ「……もう勝負は付いていると思うけどね」

白夜婆娑羅「……だとしても貴様も未だ主を持つ臣下、ならばここで剣を収めて敵に下る道を選ぶと思っているのか?」

ツバキ「……そうだね。だけど、サクラ様を利用しようとしていたユキムラみたいなのが、君の主とは思えないけど?」

白夜婆娑羅「……ふっ、ユキムラの信念などどうでもいい事だ。なにせ、奴の持つ刃は錆びて使い物になりはしない。我々の信念こそが、白夜がもつ唯一の武器だ」

ツバキ「……だったらその武器を置いてくれないかな? 俺たちは戦うべきじゃない、俺たちが戦うべき相手はユキムラ達のはずだ」

白夜婆娑羅「……」
218 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 20:54:41.46 ID:dg+6wiat0
白夜婆娑羅(戦うべきではないか。ああ、そうだろう。ここはユキムラとその腰巾着ばかりが最後まで籠城を決め込むことになっていた場所。それに本来ならばリョウマ様から与えられた任があった、それを我々は蹴ってここにある。リョウマ様の御心を蔑ろにしてここにいるのだ。そう、最後だけでもいい、動けずに過ごした日々の中、もう一度リョウマ様のために戦いたいと願うことを誰が止められる?)

白夜婆娑羅「変わらん。我らの敵は主の認めた敵のみ……。それは今、お前たち裏切り者であるカムイ王女の軍勢だけだ」チャキッ

ツバキ「……わかった。なら、こっちも容赦はしないよ」チャキッ

白夜婆娑羅「……」

白夜婆娑羅(……この戦いに意味があるのか。その問い掛けを多くの兵が口にしていた。だが、この戦いに意味を見出すのは我々の役目ではない……。リョウマ様がこの選択をなさったのなら、それにはちゃんとした意味がある。だからこそ、我々は共にありたいと願ったのだ。たとえそれが、こちらが思うだけの幻想だったとしても、そこに誇りと忠誠を感じられるのであれば……)

白夜婆娑羅「……」チャキッ

白夜婆娑羅(この戦いに意味はあったのだと胸を張れる。それだけでよい……)

白夜婆娑羅「……それだけでよいのだ」

ツバキ「……」
219 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 20:56:53.20 ID:dg+6wiat0
白夜婆娑羅(サイゾウ様に付いてきたわけではない、やってきたカムイ王女の軍勢に復讐するためでもない。私はただ、リョウマ様と共に闘う。敵は誰でも良かったのだろう)

白夜婆娑羅「はあああああっ」

ツバキ「……」チャキンッ

 タッ
  シュパッ

白夜婆娑羅「……っ。ぐっ! はああっ!」ブンッ

 サッ シュパッッ
  ズビシャッ!

白夜婆娑羅「っあ……。まだ、まだ、まだ戦える!」ダッ

ツバキ「……それが君の戦う意味っていうことだね。俺はあんまり好きじゃないかな」

白夜婆娑羅「貴様の好みなど知ったことか!」

ツバキ「そうだね。うん、俺の事は気にしなくてもいいよ。昔の俺みたいに、そうやって主君を苦しめる道を選ぶことは悪い事じゃないと思うからさ」

白夜婆娑羅「くっ!」ブンッ

 カキィンッ

ツバキ「!」ダッ
220 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 21:02:27.49 ID:dg+6wiat0
 ザシュリッ

白夜婆娑羅「がっ……」

ツバキ「そう、命を賭けることはそれだけでも、価値があるように思えるからね……。それが自分の望みのための行為だったら尚更ね?」ブシャッ

白夜婆娑羅「……はは、はははっ……。御見通しだということか……」

ツバキ「御見通しじゃないよ。だって俺には君が望む理由のすべてが分かるわけじゃないからねー」

白夜婆娑羅「ふっ、白夜一の天才と言われたお前でも……わからぬということがあるとはな……」

ツバキ「白夜にいたままなら、わかったつもりになれたかもしれないけどねー。暗夜で過ごして色々な方角に考えた方がいい、そう思えるようになれたってことかなー」

白夜婆娑羅「ふっ、この裏切り者が……」ドサリッ

白夜婆娑羅(贅沢な奴だ。しかし、そうかもしれん。なにせ――)

白夜婆娑羅(もう白夜で成長できるものなど、恨みくらいしかなかったからな……)

白夜婆娑羅「」

ツバキ「裏切り者ね……。だとしても、俺は白夜を救いたいって思ってるよ。サクラ様がもう一度、ここを故郷だって言ってくれる日が来ることを信じているんだからさ」
221 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 21:05:29.74 ID:dg+6wiat0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

キィン カキィン!

スズカゼ「はっ!」カラコロッ パシュシュッ!

 キキキンッ
  カランカランッ……

サイゾウ「その程度の腕で俺を討つとは、思い上がるなよ、スズカゼ」

スズカゼ「思い上がっているのは百も承知しています。ですが、それを承知で私は兄さんに挑ませていただきます」

サイゾウ「……ならば、その気概が張りぼてではないことを俺に見せてみろ!」ダッ

 キィン

スズカゼ「っ!」

サイゾウ(思い上がるな、か。それは俺が向けられるべき言葉だろう。多くの人間が俺とカゲロウの案に賛同し、ここに至った。リョウマ様から与えられた任を捨てでも、ここで戦うことを選んだ。だが、結局それを選ばせたのは俺自身だ。カゲロウが進言した時、俺はそれに乗り、そして多くの者たちを扇動する結果になったのだからな……)

サイゾウ「……」

サイゾウ(だから、カゲロウが死んだと知った時、驚きながらも、すでにその予感はしていた。今ここで耳にするのはそういった絶望的な事なのだと。そうだ、どこにも希望などありはしないとわかっていたはずだ……)

サイゾウ「はあああっ!!!」
222 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 21:10:10.62 ID:dg+6wiat0
スズカゼ「くっ……」サッ

サイゾウ『……』シュタッ タタタッ チャキンッ

スズカゼ「分身が、このままでは――」

サイゾウ『……』チャキッ

サイゾウ(終わりだ、スズカゼ!)

 ブンッ
  ガキィンッ!‼‼‼

サイゾウ「むっ!」

アシュラ「生憎だが、そう簡単に仲間をやらせるわけにはいかないんでね。おらああっ!」ドンッ

サイゾウ『……』シュタッ シュタタッ

スズカゼ「アシュラさん、ありがとうございます」

アシュラ「なに、気にするなよ。それで、ここからどうするんだ?」

スズカゼ「分身体の方をお願いできますか、私は本体に攻撃を仕掛けていくので」

アシュラ「ああ、わかった。そういうわけだ、俺が相手してやるよ」チャキッ

アシュラ「本当なら、白夜の王族を守る臣下を切りたくはねえんだがな……」

サイゾウ「そう思っているのならば、俺の剣の錆びとなれ」ダッ

アシュラ「そうはいかねえよ。まだまだ、守らないといけない奴がいるからな」チャキッ

 ガキィン! キィン カキィン!
223 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 21:34:24.16 ID:dg+6wiat0
サイゾウ「……それはあの裏切り者のことか?」

アシュラ「ああ。あれは強そうに見えるが、そう強くねえ奴だ。でもよ、何かを信じることに関しては鋼みたいに固い。少なくとも、俺たちは白夜を滅ぼすためにここに来たわけじゃねえ、カムイ様が信じる道を支えるためだ。お前たちと戦うことになるなんて思ってもいなかったくらいだ」

サイゾウ(……そうか、それは――)

サイゾウ「つくづく、噛みあわない理想にしがみ付いていると見える」

スズカゼ「兄さん、今からでも遅くはありません。武器をお納めください、そして――」

サイゾウ「ユキムラを始末するまで何もせずに待てと言いたいのだろう」

スズカゼ「はい。もう、今、ここには兄さん以外に残っている方はいません……。もう、勝負はついています」

サイゾウ「……」

サイゾウ(勝負はついている? 何を今更、そんなものリョウマ様が幽閉されてしまった時についていた。白夜の誇りは汚泥にも等しい概念へとなり下がり、あるのは私怨と恐れ、憎悪と欲望だけ、悪行に手を染めた者共が落ちる地獄の方がまだマシだろう)

サイゾウ「……」ギリッ
224 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 21:37:26.77 ID:dg+6wiat0
サイゾウ(正しくあろうとすればあろうとするほどに、その心を奪っていく。白夜、読んで字の如く清らかであったことの方が幻だと思えてくる。そんな場所でありながらも、あの方は、正しくあろうとした。それが、たとえ臆病と罵られるようなことであったとしても――)

サイゾウ「勝負はまだついてなどいない。ここで俺がお前たちを倒せばことは変わる。あの裏切り者がリョウマ様に敵うわけがない……。そうに決まっている」

スズカゼ「兄さん……」

サイゾウ「俺は主君を信じ、そして任務を全うするだけ……」

サイゾウ(そう、たとえそれが、リョウマ様が望まぬ形で下したものだとしても……。俺はその任にすべてを賭ける以外に道は無い!!!!)

サイゾウ「はああ!!!」チャキッ シュパッ

 キィン!

アシュラ「っ、中々激しい攻撃だ。だが、いつまでも同じ手が続かねえよ!」ダッ

サイゾウ(距離を取ってこちらに攻撃をするつもりか、なら分身を――)

サイゾウ『……』シュタッ タタタタッ チャキッ

スズカゼ「……」

サイゾウ「もらったぞ、スズカゼ!」

スズカゼ「それはこちらの台詞ですよ。兄さん!」ダッ

サイゾウ「!!!」
225 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 21:39:13.10 ID:dg+6wiat0
スズカゼ「アシュラさん!」

アシュラ「そう来ると思ってたぜ。本命はそっちだ!」チャキッ シュパパッ

 ザシュシュッ!

サイゾウ『……』ザザッ

サイゾウ「ぐおおっ……」ポタタタッ

サイゾウ(ぐっ、くそ……。まだだ、まだ倒れるわけには――)チャキッ

スズカゼ「兄さん、これで決めさせてもらいます」チャキッ

サイゾウ「ちっ、ここでやられると思うな!!!!」チャキッ ダッ

サイゾウ『……』チャキッ

アシュラ「……よそ見は良くないぜ、白夜の忍びさんよ」チャキッ

サイゾウ「!!!!」

アシュラ「これで終わりだ……」シュパッ

 ザシュリッ

サイゾウ『……』ブシャアアアッ
226 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 21:42:33.44 ID:dg+6wiat0
サイゾウ「がっ……」ブシャアアッ!!!!

サイゾウ(ぐっ、分身がモロに攻撃を受けた! くそっ、体が……)

スズカゼ「はああっ!」パシュッ!

サイゾウ「……」

サイゾウ(……頭に血が上りやすいとよく言われてはいたが、まさかこのような大事な局面でそうなってしまうとはな……)

サイゾウ「……ふっ」ポタタタッ

サイゾウ(立て直すべき場面だった。片割れがすでにあのコウガの忍びに捉えられていたというのに、向かってきたスズカゼを……。実の弟を殺しに向かってしまうとはな……)

サイゾウ(本当に……私もあなたのように――)

サイゾウ「最後の最後まで、変われないということか……」

 ズビシャアアアッ!!!!
227 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 21:45:16.85 ID:dg+6wiat0
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◇◇◇◇◇◇
―シラサギ城『剣の間』―
 〜カムイ軍侵攻の前日〜

サイゾウ「……」

リョウマ「……いいだろう。お前たちへの任は他のものへと託すこととする」

サイゾウ「はい……」

リョウマ「……ふっ、その様な顔をするな。あれだけの大見得を切っておきながら、浮かぬ顔をされては先ほどの話をぶり返すことになるぞ?」

サイゾウ「そんな顔をしているつもりはありません。ですが、リョウマ様が我々の考えを受け入れてくれたことに驚いているだけで……」

リョウマ「なに、お前たちに勝手に動かれては困るだけのことだ。俺たちにとっての敵は、いつも一つだ。俺は、その敵を多く地獄に落とすことになるだろう。俺はその多くに手を掛けることは無いが、その多くの命が失われる原因はすべて俺にある。そして、それが俺のするべき最後の政になる」

サイゾウ「……政はこの後に行えばいい事です。リョウマ様、あなたは――」

リョウマ「……サイゾウ、俺は失われた機会を与えられたにすぎない。そして、その機会を手にしてようやく動いただけだ。俺にはもう、人々を導く資格や権利などありはしないのだからな」

サイゾウ「では、なぜ今になって動くことを決めたのですか……」
228 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 21:49:56.04 ID:dg+6wiat0
リョウマ「……」

サイゾウ「リョウマ様、あなたは幾度も我々の進言を袖にしてきました。白夜を腐らせているあのユキムラ達を討つ機会を与えることは無く、あのカムイ王女と戦う事も選ばれなかった。なのに、なぜ今になってことを起こされたのですか」

リョウマ「……サイゾウ、それをお前に教えることは無い。この先、何があろうともお前にそれを伝えることは無いだろう」

サイゾウ「……」

リョウマ「それが、俺の答えだ」

サイゾウ「……それがリョウマ様の答えなのでしたら、もう何も言うことはありません。あとはリョウマ様の望むままに……」

リョウマ「ああ。サイゾウよ、俺が死ぬ最後の一時まで、俺のために戦ってくれるか?」

サイゾウ「御意……」

サイゾウ(結局、俺は最後の最後でリョウマ様の中へ入り込むことが出来なかった。それを知ったところで何になるかわからない。だが、リョウマ様がそれを伝えなかったということは……)

サイゾウ(その理由が、俺にとって猛毒だと判断されたからなのだろう……)

サイゾウ(だからこそ、俺は……。最後にあの信頼する瞳に誓って……最後の一時、それが訪れるまで……戦うことを……)

 ドサリッ……
  カランカランッ……
229 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 21:53:29.38 ID:dg+6wiat0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・シラサギ城『剣の間・右区画最奥』―

スズカゼ「……」

アシュラ「……」

サイゾウ「……ごふっ……」ポタタ ポタタタッ

スズカゼ「終わりです、兄さん」

サイゾウ「ぐっ……」ポタタタタタッ

 ピチャンッ ピチャンッ……

サイゾウ「はぁ……はぁ……はぁ……。ふっ、ああ、そうか。俺は負けたのだな」

スズカゼ「ええ、私一人ではあなたに勝つことは出来なかったでしょう。動かないでください、今手当を――」

サイゾウ「……今近づけば俺は、お前らもろとも自爆してやる。施しを加えるつもりなら、容赦はしないぞ……」

スズカゼ「……兄さんもカムイ様を苦しめるつもりですか」

サイゾウ「ああ、そうだ。あの娘はすべての元凶だ……。白夜が崩れ、今のようになったその元凶だろう?」
230 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 21:57:23.86 ID:dg+6wiat0
アシュラ「だが、あんたの復讐が成就したのはお嬢ちゃんが加勢したおかげだ。それにあんたの相棒も……」

サイゾウ「ふっ……。そうだな。フウマでカゲロウを助けてくれたのもあいつだったな。それがこのような終わりを迎えるとも知らずに……ふっ、ままならないものだ」

スズカゼ「……まさか、向こうの区画で待っている人というのは!!!」

サイゾウ「ごふっ……あいつも任を果たした。いや、ここを死に場所と決め、集まった者たちはもう俺以外に残っていない。ここは夢を見るにはちょうどいい死地だったな」ポタタタッ

スズカゼ「……なぜですか、カムイ様は兄さんたちと戦うためにここに来たわけではないというのに。どうして、その様な選択を――」

サイゾウ「そうだな、確かに遅すぎたのだろう。俺でさえ、その疑問を口にしたほどに、この戦いは起きるには遅すぎた……」

スズカゼ「え……」

サイゾウ「だが、それでも……。リョウマ様が道を示されたのなら、それを支えたいと願うことに間違いはないだろう。リョウマ様と共に命を賭けて戦う事こそが、俺にとっての幸せだった……」

スズカゼ「兄さん……」

サイゾウ「ふっ、サイゾウも僅か五代目で歴史に幕を下ろすことになるか。いや、代など飾りに過ぎん、俺は最後のサイゾウとして王族に仕えることが出来た。あのように素晴らしい方のために……命を尽くすことで来たことを誇りに思う……」

スズカゼ「兄さん、私はサイゾウの名を――」

サイゾウ「わかっている」

スズカゼ「え?」
231 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 22:00:16.56 ID:dg+6wiat0
サイゾウ「わかっている。お前がサイゾウの名を継ぐとは思っていない、むしろそれでいい。もう、この名は残すべきではない。多くの兵をこの死地に迎えることとなったこの名前に、この先の歴史を歩む権利はないだろう……。一人の忍びの名として、風化していくのが相応だ」

スズカゼ「……そんな終わり方を兄さんは望んでいるというのですか!?」

サイゾウ「ああ……」

スズカゼ「……」

サイゾウ「俺はもう、十分に満たされたからな。復讐を終え、そして主に仕えた。最後には己の欲を優先し、それを堪能した。忍びの身には余りあるほどの幸福を俺は得た。その反動が、お前たちにとって耐えがたい苦痛だとしても、俺はこの生を誇りに思う……」

スズカゼ「……兄さん」

サイゾウ「すぅ――、はぁ―――」

サイゾウ(リョウマ様……。俺はずっとあなたに仕えることが出来たことを誇りに思っております。たとえ、それが誰もが笑う夢物語だとしても……)

サイゾウ「あなたが築く白夜を……」

サイゾウ(信じております……)

サイゾウ「」
232 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 22:02:47.52 ID:dg+6wiat0
アシュラ「……逝っちまったみたいだな。どうした、スズカゼ?」

スズカゼ「……やはりですか」ガサゴソ

アシュラ「ん?」

スズカゼ「……兄さん、あなたは何処までも私の思うようにはさせてくれないのですね……」

アシュラ「……そうか。まんまと脅しを信じた俺たちの負けってことかよ」

スズカゼ「ええ、本当に……。兄さんには敵いませんね」

アシュラ「それでどうする?」

スズカゼ「……モズメさんとツバキさんと合流して、どうにかここを出ましょう。おそらく、奥への道はもう開かれているはずです」

アシュラ「ああ、わかったぜ」タタタッ

スズカゼ「……」

サイゾウ「」

スズカゼ「お別れです、兄さん。私もあなたと同じように主に尽くす道を選ばせていただきます……」タタタッ
233 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 22:08:17.01 ID:dg+6wiat0
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◆◆◆◆◆◆
―シラサギ城・剣の間『右区画・中央』―

レオン「どうだい、どこかに迂回路はあった?」

カザハナ「だめ、そんなの見当たらない」

サクラ「はい、あまり通路が作れるような構造には思えません、ここが唯一奥に続いていた道なのかもしれません。でも、この有様じゃ……ん?」

シャーロッテ「……んー?」

サクラ「シャーロッテさん?」

シャーロッテ「サクラ様、ちょっと下がってて」

サクラ「は、はい」

シャーロッテ「……」スッ

 ゴンゴン
  ゴンゴンッ

  コンコンッ

シャーロッテ「ここね。おらよっ!」ブンッ

 ドゴンッ!!!
  ガタンボロンッ!

シャーロッテ「よっし!」

サクラ「ええっ!?」
234 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 22:09:31.81 ID:dg+6wiat0
レオン「シャーロッテ、一体何をしたんだ?」

シャーロッテ「なんだかここだけ壁の感じが違う気がして、もしかしたらって思ったんです。隠し通路ですね」

レオン「なるほどね、ありがとう、シャーロッテ」

シャーロッテ「とんでもないですぅ。それじゃ先行しますね」

レオン「まって、カザハナも一緒に行ってくれるかい?」

カザハナ「まかせてよ。あたしが先に行くから、シャーロッテは一歩下がった距離を保って」タタタタッ

シャーロッテ「ふふん、もしかしてレオン様にいいところ見せたいってこと?」

カザハナ「そういうんじゃないから!」タタタタッ

シャーロッテ「はいはい……で、どう、回り込めそう?」タタタッ

カザハナ「……だめ、こっちからは回り込める場所が見当たらない。奥に行けば違う通路があるのかもしれないけど……」

シャーロッテ「むかつく構造ね。まぁ、相手も私たち全員の相手をしたくないからこうしたんだとは思うけど……」

シャーロッテ(それにしても静かね。もう敵はいないってこと?)
235 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 22:12:46.90 ID:dg+6wiat0
レオン「その様子だと、スズカゼ達と合流は出来ないみたいだね」

カザハナ「あ、レオン王子。うん、こっちからは回り込めないみたい、廊下は奥に続いてるから、もしかしたらそっちに道が……。ん?」

レオン「どうしたんだい?」

カザハナ「……奥の壁、今ゆっくりと開いたように見えて……。気の所為かな?」

レオン「……いや、気の所為じゃないよ。あの壁、精巧に作られてはいるけどさっきと同じ隠し扉みたいだ。だけど、意図的に開いたようにも見えたね……」

サクラ「罠でしょうか」

レオン「そうかもしれない。だけど、ここの構造からみて、あそこはこの剣の間の一番奥に当るはず。もしかしたら、あそこにカムイ姉さんが!」タタタタッ

サクラ「あ、レオンさん!」

カザハナ「ちょっと、一人で行かないでよ! シャーロッテ追うわよ!」

シャーロッテ「はいはい。サクラ様は私とカザハナの陰に隠れるように付いて来なさいよ」

サクラ「は、はい!」
236 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 22:17:29.83 ID:dg+6wiat0
 ドゴンッ 
  バタンタタ

レオン「姉さん!」

 …………

レオン「誰もいないのか?」ギシッ

???「誰もいないですか、それほどまでに私の姿は見えにくいですか? 暗夜の第二王子」スッ

レオン「!」

絡繰人形『……』ガチャコンッ キリリッ

レオン「ブリュンヒルデ!」シュオンッ

 パシュッ!
  ズオオオッ
   カンッ!

レオン「……手洗い歓迎だね」

???「お気に召しませんでしたか? しかし、こうも短時間にここに辿り着かれる方がいるとは思ってもいませんでしたよ」ニコッ

レオン「……そうかい」

 タタタタッ

シャーロッテ「ちょっと、いくらカムイ様が心配だからって、一人で行くなっての!」

カザハナ「レオン王子、大丈夫。――あ、あんた……」チャキッ

???「おやおや、こんなに揃っているとは思いませんでしたよ。サクラ様、あなたまでご一緒とは……」

サクラ「……ユキムラさん」

ユキムラ「お待ちしていましたよ。あなた方もいるとは思いませんでしたがね」
237 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 22:19:36.18 ID:dg+6wiat0
レオン「……ユキムラ、もう逃げられないよ」

ユキムラ「まぁ、いずれこうなることはわかっていました。出来れば、もう少し時間をいただけるかと思っていましたが。この様子では双方、討ち死にしたという事でしょうね……」

サクラ「ユキムラさん、今すぐ武器を捨ててください。もう終わりにしましょう。これ以上、暗夜と白夜、双方が犠牲を出す必要はないんです」チャキッ

ユキムラ「ははっ、あなたならそういうと思っていました。その在り方、出来ればミコト様の守るこの白夜で輝いてほしいものでした。ですが、あの裏切り者と培ってきたその輝きは不必要なもの、ここでその灯には消えていただかなくてはなりません」

レオン「どんなことがあろうとも、降伏はしないということだね。もう、お前たちの敗北は目に見えているのに、まだ犠牲を増やすつもりなのか!?」

ユキムラ「わかっています。もうここまで来て私たちの敗北は確定していることも……。ですが、もう私にとって勝つか負けるかは関係ありません。あの裏切り者にはこの先、終わりの無い苦しみだけが待っていますから」

レオン「……カムイ姉さんに何をするつもりだ!」

ユキムラ「答える義理は在りません。もちろん知る必要もありません、ですが――」カランコロンッ

ユキムラ「私はどちらに転んだとしても、その結末を見たいと考えています。出来れば、あの王女が苦しむ姿を見てから死にたいものですので……」

サクラ「ユキムラさん……。そんなあなたの願いを叶えさせるわけにはいきません」

ユキムラ「では、簡単な事、あなた方をここで殺させていただきます。大丈夫、安心してください、ことが終われば私も――」スッ

「あなた方の待つ彼岸に向かわせていただきますので……」スッ
238 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/10(日) 22:22:33.30 ID:dg+6wiat0
今日はここまで

 サクラとレオン、二人にとって倒すべき相手との戦いが始まる。


 今日はアンナの誕生日、誕生日おめでとう!
 
 そして、今週のニンダイで新作の情報がくることを祈ろう。
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/11(月) 20:25:15.57 ID:8wUf0C0d0
暗夜?白夜?
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 09:48:55.77 ID:N1Ub3I4DO

ロレンス将軍もサイゾウも謎技術で自爆する

新作情報おめでとう
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/17(日) 18:43:33.50 ID:g6P1UrqV0
スマブラに参戦か
242 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/19(火) 21:52:57.54 ID:k4no6u6e0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・シラサギ城『剣の間・最奥』―

ユキムラ「………」カランコロンッ

絡繰人形『………』チャキンッ

絡繰人形『……』カチャッ

レオン「……そうかい、ここまでした事の責任を取ることもなく、お前はここから去るつもりなのか」

ユキムラ「ええ、すべての事が済みしだい、私もあなた方の待つ地獄へと行くつもりです。ああ、ご心配なく、少なくとも数日の内にはお会いすることになるでしょうから。裏切り者がどのような末路を迎えたのか、きちんと伝えさせていただきます」

レオン「……あんたが白夜のために戦っているわけじゃないってことが、ようやくわかったよ。少しでも白夜のためにことを成しているのかもしれない、そう考えた僕が愚かだった」

ユキムラ「おやおや、まさか暗夜の王子からそのように思われていたとは、この身に余るほどの光栄ですね。もっとも、あなたのように奪われたことのない人間に思われたくはありませんよ」

レオン「お前の動機を信念と呼びたくもないし、その考えを僕は理解するつもりもない。お前のような奴に姉さんの道のりを否定させはしないよ」

ユキムラ「なるほど、奪い続ける側らしい意見です。ミコト様の命を奪い、国土を蹂躙しておきながら、立場に立てなければわからないと宣うその傲慢さ。ミコト様も無念でならなかったでしょう」

サクラ「いいえ、お母様がこんなことを選ばれるはずありません。お母様は、誰よりも平和を願っていたはずです!」

ユキムラ「ははっ、これは痛いところを突かれましたね。しかし、その点はサクラ様の言う通りでしょう」
243 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/19(火) 21:54:04.51 ID:k4no6u6e0
シャーロッテ「てめぇ、やけに素直だな……」

ユキムラ「わかっているつもりですよ。ミコト様がこのような殺戮を望まれるのか……。いいえ、望まれないでしょう。なにせ、ミコト様は裏切り者が帰って来た事を暗夜と白夜が繋がるための一歩と考えられていましたので」

レオン「暗夜と白夜が繋がるため?」

ユキムラ「ええ、ミコト様は両国の平和を望まれていました。戦いではなく、互いに歩み寄るきっかけを重ねていくことで、いつか共に手を取り合える日が来る、その言葉を思い出す度に、私の行いはさながら水に浮いた油膜ほどに醜いものだと思えてきます」

カザハナ「ミコト様がそう思っていたのをわかってて、なんでこんなことをするの? あんたが、あんたが何もしなければ、スズメたちだって、白夜に戻ってたはずなのに。もう、戦争も終わってたはずなのに!」

ユキムラ「スズメ? ああ、テンジン砦で犬死した者たちでしたか。まったく、一度ならず二度までも暗夜に手を貸すとは、己の立場が分かっていない方々でした。白夜ではないどこかで、勝手に死んでもらえればよかったのですが……」

サクラ「スズメさんたちは、ユキムラさんの事を信じていました。なのに――

ユキムラ「ふっ、ふははははははっ」

サクラ「!」

レオン「……何がおかしい?」

ユキムラ「いやいや、サクラ様があまりにも愚かなことをおっしゃられるので、堪えられませんでした。信じていたと言われましてこっちは気にしたことさえないというのに、まったく一方的な信頼程滑稽なものはありませんね?」

レオン「ユキムラ、お前は――」

カザハナ「――さない」
244 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/19(火) 21:56:05.38 ID:k4no6u6e0
レオン「え?」

カザハナ「絶対に許さない、あんただけは!!! 今すぐ殺してやる!」ダッ

サクラ「カザハナさん!!!」

ユキムラ「あなたは堪え性の無いお転婆娘のままですね。もう少し空気を読んでくださらないと……」ピンッ

絡繰人形『……』ガシャコンッ! バシュッ!

カザハナ「っ!」キィン ダッ

ユキムラ「ほう……中々」

カザハナ(その首、吹っ飛ばしてやる!)

カザハナ「はあああああっ!」チャキッ

ユキムラ「……ふっ」ニヤッ

 ドゴンッ!

カザハナ(え、奥の扉が開いて――)

 パシュッンッ!

カザハナ(矢!?)

カザハナ「っ!」キィン

 ズザザザーッ

レオン「シャーロッテ!」

シャーロッテ「ちっ!」ダッ
245 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/19(火) 21:57:29.46 ID:k4no6u6e0
 ダダダダダダッ

カザハナ「な、なにが起きて……!」タッ

白夜兵「しねえええええ!!!」ダッ ブンッ

 ガキィン!

カザハナ「あうっ」ドサッ

白夜兵「へへっ、その命貰った!!!!」チャキッ グッ!

カザハナ「しまっ――」

 ブンッ
  キィン!!!!

白夜兵「なぬっ!?」

カザハナ「え……?」

シャーロッテ「そんな不細工な面で、女の子に手出して調子に乗りやがって。舐めてんじゃねえぞ!」ドゴン!

白夜兵「ぐぎゃっ!!!」

 ズザザザーッ  ビチャアッ

カザハナ「シャーロッテ……」

シャーロッテ「まったく、相手の安い挑発に乗ってんじゃねえよ。ここで落ち着かないでどうすんの?」
246 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/19(火) 21:58:36.08 ID:k4no6u6e0
カザハナ「……で、でも、あいつは――」

シャーロッテ「感情的になって勝てるんだったら、あのユキムラっていう屑がとっくにこの戦争の勝者よ。でも、現実を見てみな。そういうわけでもない、でしょ?」

カザハナ「……ごめん。シャーロッテ」

シャーロッテ「よしよし。で、どうしますレオン様?」

レオン「そうだね、思ったより敵は多いみたいだ……」

 ゾロゾロゾロ
  シャキンッ
   チャキッ

白夜兵「……へへっ。さすがはユキムラ様です。ここで敵を待ち構えていれば、確かにどうにかできそうです」

ユキムラ「ええ、今ここにいるのが敵のほぼ中枢、彼らを亡き者にすれば、それでこの戦争は終わりとなるでしょう……」

レオン「そうだね、確かにここでこの戦争を終わるだろうね。もっとも――」

 ショオンッ

レオン「お前たちが踏むのは勝利の大地じゃなくて、敗北の大地に他ならない。残念だけど、ここまでのことを許せるほど、僕は――」

 ゴオオオオオオッ……

レオン「甘くないからね」
247 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/19(火) 22:01:51.79 ID:k4no6u6e0
白夜兵「へっ、デカい口叩けるのも今の内だ。わずか四人で何ができるってんだよ?」

レオン「そうかい? まさかだと思うけど僕たちにも援軍がいること、忘れているわけじゃないよね?」

白夜兵「へっ、その援軍がここまで来れるって思ってるのか? もういい、さっさとこのいけすかねえ王子を殺して、あとはそこの女たちで適当に楽しもうじゃねえか!」

レオン「品性も何もあったもんじゃないね。だから、こういう事にも気づけないんだろうけどさ?」

白夜兵「てめえ、何をごちゃごちゃ言って――」

 タタタタッ

白夜兵「!?」

???「今だ! エリーゼ、やれ!」

???「うん、いっくよー! それ、ラグナロック!!!!」シュオンッ

 ドゴンッ‼‼‼‼

白夜兵「ひゃぐっ!!!!」ブチャアッ! ドサリッ

白夜兵「な、なんだ。いったい何が起き――」

???「まさか、これほどまでに腑抜けた者たちが敵とは。さきほど戦った者たちとは比べる価値もない雑兵揃いという事か」

ユキムラ「おやおや、少しばかり遅れてくれてもいいとは思いすが。せっかちなのですね、暗夜の蛮族というのは……」

???「生憎だが、そう時間にルーズではいられない性分だ。特に――」

 タッタッタッ

マークス「未だ、無駄な流血を望むような者たちにはな」チャキッ
248 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/19(火) 22:04:31.26 ID:k4no6u6e0
白夜兵「あ、暗夜の第一王子!?」

マークス「どうした、その手に持った刃は飾りではあるまい。もっとも、お前らのような志もない者に持たれたところで、正当な真価など発揮できようもないだろうがな」

白夜兵「て、てめえええ!!!」ダッ

マークス「はあっ!!!」チャキッ ズシャアアアッ

白夜兵「がふっ……あがっ、ううぎええ」ジタバタ ドサリッ

白夜兵「」

白夜兵「ちっ、なら同時に襲い掛かれば!!!」ダダッ

マークス「ふん、エリーゼ、カミラ。任せたぞ」

エリーゼ「うん、わかったよ、マークスおにいちゃん!」

カミラ「ええ、悪い子たちにはキツイお仕置きをしてあげないとね?」

白夜兵「なに!?」

白夜兵「怯むな! このまま、奴らの懐に入ってしまえば――」

エリーゼ「そんなことさせないよ!!! いっけー!!!」シュオンッ ドゴオオオンッ

白夜兵「ぎゃひっ……」ドサッ

白夜兵「ぐっ、だが、この距離なら避けられまい、もらったぞ!」タタタタッ スッ

 ザシュリッ

白夜兵「……へ? なんで、倒れ、あし、が切れ――」ゴポッ ドサリッ

カミラ「マークスお兄様はあなたが触れていい人じゃないのよ? わかったかしら」ニコッ

白夜兵「ひ、怯むな! 敵とて人間、この数ならいけるはずだ! かかれ!!!」

 ドドドドッ

マークス「哀れな者たちだ。いいだろう、その命、われわれが直々に刈り取ってくれよう……」チャキッ

 シュオンッ

マークス「ジークフリード!」シュオオンッ

 バシュンッ!!!
249 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/19(火) 22:07:30.29 ID:k4no6u6e0
 ワーッ ウアアアアッ

カザハナ「す、すごい……」

サクラ「カミラさんもエリーゼさんも凄いです……」

シャーロッテ「やーん、マークス様とってもカッコイイですよぉ。さてと、形勢逆転とまではいかないけど、今がチャンスよ、レオン様」

レオン「ああ、マークス兄さんたちがあいつらを挑発してくれたおかげで、僕たちは戦うべき相手と戦える。ユキムラ、お前の野望に僕たちが止めを刺してやる」

ユキムラ「……ええ、いいでしょう。無論、そう簡単に止めを刺せると思ってはいませんよね?」

サクラ「……関係ありません。ここで、あなたが生む悪意の連鎖、それを終わらせていただきます」チャキッ

カザハナ「……」シュタッ チャキンッ

シャーロッテ「……」カチャッ

レオン「……」パラパラパラッ……シュオンッ

ユキムラ「………ふっ」

 カランコロンッ……カチャコン……

  チャキンッ……

ユキムラ「殺してしまいなさい」

白夜兵たち『おらあああっ!!!!』ダッ
250 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/19(火) 22:08:53.91 ID:k4no6u6e0
レオン「ブリュンヒルデ!」シュオオオオンッ

 ドンッ バシュシュッ!!!

白夜兵「ぎゃっ」ビチャアアッ

白夜兵「ちっ、何だよ! この木は――」

 シュオンッ

白夜兵「き、消え――」

  ダッ

カザハナ「一応、もともと同胞の好だからね。一撃であの世に送ってあげるわ」ザシュッ

 ブシャアアアッ

白夜兵「かっ、あぐっ、はっ――ッ」ドサッ

白夜兵「怯むな!いけっ、いけえええ!」ダダッ

サクラ「あなた達だけは、許すわけにはいきません!」

白夜兵「おやおや、サクラ王女様ともあろう片が我々を、同胞を打てるなどと――」

サクラ「いいえ、打たせていただきます」タンッ!

 ドスリッ

白夜兵「がっ――この、小娘がぁぁぁぁ!!!」ダッ

サクラ「!」

白夜兵「うおらああああっ!」チャキッ ブンッ

 ガシッ

白夜兵「!?」

シャーロッテ「私が相手をしてやるよ、おらっ!」グルンッ ドスンッ!

白夜兵「がっ、てめえ、なにしや――」

シャーロッテ「黙りな」ドゴンッ

 ボギッ!

白夜兵「」

サクラ「ありがとうございます、シャーロッテさん。レオンさん、行きましょう」

レオン「ああ、このまま一気にユキムラを倒す。一気に行くぞ!」タタタタッ

ユキムラ「………」

レオン(こいつを倒せば、恐らくこの戦いは終わる。ユキムラが全ての実権を握っているのなら、カムイ姉さんにとっての悪夢はここで終わる)

レオン(きっと、これで―――)
251 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/19(火) 22:10:06.25 ID:k4no6u6e0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―シラサギ城『剣の間・中央区画』―

 キィン!
  カキィン!
 
リョウマ「ふんっ!」ブンッ

カムイ「くっ、はあああっ」ブンッ

 キィン 
ジジジジッ
 ジジジジッジッ

カムイ(きっと、そうです。なにか、何か事情があるはず……。その事情さえ、どうにかすることが出来れば、こうして戦う必要も――)

リョウマ「真剣勝負の最中に考え事とは、舐められたものだ!」ドンッ

カムイ「っ!」

リョウマ「はああっ!!!」ドゴンッ

カムイ「うあああっ」ドササッ

カムイ「ううっ……っ!」サッ

リョウマ「!」ブンッ

 ガキィンッ!

リョウマ「……」チャキッ

カムイ「はぁ……はぁ……」チャキッ
252 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/19(火) 22:18:17.92 ID:k4no6u6e0
リョウマ「もう、息が上がっている。そろそろ覚悟を決めた方がいい。俺を救おうなどと思い上がりを捨て、命を取りに来い」

カムイ「……っ。私は、リョウマさんに正気に戻ってもらいたいだけです。私は、あなたを……あなたたちを救うため、ここまで来たんです。諦めるわけにはいきません……」

リョウマ「……俺たちを救うか。どこまでもお前の理想は気高いのだな。このように白夜を荒廃させた俺とは比べ物にならないほどに」

カムイ「……清らかなわけありません。私は、多くの人々を手に掛けてきました。多くの願いも踏みにじってきたつもりです。そこに善悪があろうとなかろうとも。私は、私はその理想だけを追い求めてきた。だからこそ、諦められるわけがないじゃないですか……」

リョウマ「……諦められるわけがない、か。それがどんなに難しく、どんなに過酷な道であろうともか?」

カムイ「何度も崩れ落ちそうになりました。だけど、その度に支えてくれた方々がいます。共に歩んでくれた方々がいます。その人たちと一緒だったからこそ、私はようやくあなたに辿り着けたんです。あなた達に手が届くこの場所まで……」

カムイ(だから、私はその理想を手放すわけにはいかないんです。たとえ、リョウマさん。あなたがそれを拒んでも――)

カムイ「あなたを大切に思っている人の元へ連れて帰るまでは、絶対に諦めません」

リョウマ「……カムイ。そうか、そうだろう。だからこそ、俺は、俺が選んだことに意味がなかったと、思い知らされるのだろうな……」

カムイ「リョウマさん?」

リョウマ「……」
253 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/19(火) 22:21:05.75 ID:k4no6u6e0
 バタンッ!

リョウマ「む?」

アクア「カムイ!」

カムイ「アクアさん!? どうしてここに……」

アクア「ええ、突然扉が開く様になったの。ようやく合流できたわね……」

カムイ「扉が開くようになった、ですか?」

アクア「ええ、恐らくだけど奥に向かったみんなが仕掛けを解除したんだと思う。おそらく最奥まで侵攻したはずだから、きっともう少しで合流できるはずよ」

カムイ「そうですか…」

カムイ(ここにアクアさんが入って来れたということは……。おそらくカゲロウさん、サイゾウさんのお二人は……)

リョウマ「……」

アクア「リョウマ、もう終わりにしましょう。あなたが何のために戦っているのかはわからない。でも、もうこれ以上白夜と暗夜で争う必要はないのよ」

リョウマ「……いいや、まだ戦う必要がある。俺は、まだ剣を取り続けなくてはならない」

アクア「どうして、一体何を貴方は求めているの? こんなことをしても、もう何の意味も――」

リョウマ「アクア、忠告だ。手を出さなければ、こちらからお前に手を出すつもりはない。しかし、何かおかしな真似をしてみろ。俺は容赦なくお前を切り伏せる」

アクア「リョウマ!」

カムイ「アクアさん、ここは私に任せてください。大丈夫です、リョウマさんは必ず……」

アクア「……え?」

カムイ「アクアさん?」

アクア「……リョウマ?」

リョウマ「……」
254 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/19(火) 22:23:12.29 ID:k4no6u6e0
アクア「……」タッ タッ

カムイ「アクアさん、ダメです! こちらに来ては――」

アクア「……て?」

カムイ「え?」

アクア「どうして……。どうしてなの、リョウマ?」

リョウマ「……そうか」チャキンッ

アクア「……どうして、こんなことになっているの?」

リョウマ「その動揺を見る限り、お前にはすべてが筒抜けになっているらしい…」チャキンッ

アクア「質問に答えて、リョウマ! どうして、どうしてなの?」

リョウマ「……」

アクア「どうして、カムイを苦しめるようなことを選んでしまったの?」

リョウマ「……」

アクア「あなたは……あなたはカムイにとって数少ない希望だったというのに!!」

リョウマ「……」

カムイ「アクアさん、一体何を言って――」

リョウマ「ふっ、俺が希望か……」

 ポタタッ

リョウマ「そんなわけはないだろう。ただの燃えカスのような男に煌めくような光が灯るはずもない……。俺は炎の熱気に振り回されるだけの存在だ。意味などありはしない」

カムイ「リョウマさん?」

リョウマ「……なにも意味などなかった。だからこそ、俺には――」

「もう、それ以外の道が残っていなかった。それだけの事だ……」

 ポタッ ポタタタタタッ
255 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/19(火) 22:25:41.47 ID:k4no6u6e0
今日はここまで

 あと二回で、白夜と暗夜の戦争は終わります。
  
 新作FEのPVに出てた偶像崇拝の化身みたいなの、プレイヤー側でも使えたらうれしいな。主にマスコットとして軍の主力に加えたい。
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/20(水) 02:11:11.37 ID:GZOXBM1lO
どっちも不穏だあ
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