あずさ「姉妹対決」千鶴「ですわ!」【ミリマスSS】

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1 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/02(水) 23:36:39.24 ID:2ArR2fj/0

あずさ「いつもごめんなさいね千鶴ちゃん、お兄さんにもよろしく言っておいて?」

千鶴「はいはい。もう慣れましたわ、毎度の事ですものね。」

恵美「おっはよー。ん、何かあった?」

千鶴「あら、ごきげんよう。いつもの事ですわ。」

あずさ「昨日は収録が順調でね、予定より早く終わったのよ。時間あったから前から気になってたお店に行こうとしたんだけど。」

恵美「ああ、うん。もう大体分かったよ。」

千鶴「報せを聞いて飛んでいきましたわ。おかげで平日に横浜デートを楽しむ羽目になりましたわよ。あ、お土産の月餅どうぞ。」

あずさ「ごめんなさいね〜」

恵美「どこをどう行けばそうなるんだろね?」

千鶴「本人にも分かってない事を考えるだけ無駄ですわ。」

恵美「手厳しいね〜。けどあずさってしょっちゅう迷子になる割には、それが原因で遅刻したり何かトラブルを起こしたりは無いよね。なんでだろ?」

千鶴「それについてはわたくしも考えた事がありますわ。あずさが迷子になるのには、一定の条件があるのです。」

恵美「条件?」


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2 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/02(水) 23:40:12.19 ID:2ArR2fj/0
千鶴「つまり、この子がふらふら出歩くのは迷っても助けを呼べる人がいると分かってる時だけなのです。その証拠に自分一人での仕事の時や、年少組といる時はそんな事ないですもの。」

あずさ「言われてみれば、そういう時はなるべく気を付けるようにはしてるわね。千鶴ちゃん達が入ってくる前に色々あったせいからかもしれないけど。」

恵美「なるほど。で、プロデューサーや千鶴なんかがいる時はつい気が緩んでふらふらさ迷っちゃうってワケか。」

あずさ「そう言われると、なんだかすごく申し訳ないわね〜。」

千鶴「困ってる人を助けるのもセレブの役割ですわ、お気遣いなく。」

恵美「ニャハハ。ま、少しくらい迷惑かけたっていいじゃない。普段あずさはみんなのお姉さんなんだし。」

千鶴「ですわね。もっともわたくしからすれば同い年の妹という感じですが。」

3 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/02(水) 23:52:51.25 ID:2ArR2fj/0
あずさ「…え、妹?私が?」


恵美「どうかした?」

あずさ「千鶴ちゃんはたしかにみんなのお姉さんだと思うけど。私と千鶴ちゃんなら、お姉さんなのは私の方でしょう?」

千鶴「あら、何を言いますの。普段わたくしがどれだけあなたの面倒を見てると思って?」

あずさ「誕生日は私の方が先よ、それに芸能界じゃ先輩なんだし。」

千鶴「そういう事ではないでしょう、日頃の立場やふるまいがものを言うのですわ。」

あずさ「なら、いつもファッションやお仕事のアドバイスをしてあげてるじゃない。それに、この間あの俳優さんに実家の事を聞かれた時だって…」

恵美「ん?」

千鶴「わ、わー!なんでもありませんわ。」

恵美「?」

千鶴「あの時はちょっと不意を付かれただけですわ。別にあなたがいなくったって…」

あずさ「あらあら、ごめんなさいね〜『姉』として『妹』の事が心配だったものだからつい。」

千鶴「冗談じゃないですわ、こんな手のかかる姉なんてお断りしますわよ!」

恵美「何をムキになってんだか。」


4 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/02(水) 23:57:19.99 ID:2ArR2fj/0
千鶴「ここだけは譲れませんわ、絶対にわたくしの方が姉ですわよ。ねえ恵美?」

恵美「えっ?あーいや、どうだろね?」

あずさ「私の方でしょ、ねえ恵美ちゃん?」

恵美「う、う〜ん。アタシから見れば、どっちもお姉さんって事でいいと思うんだけど。」

千鶴「今はそういうのいりませんわ。」

あずさ「あらあら。ムキになった妹をなだめるのも姉としてのつとめよね。」

千鶴「またそれを言う!いいですわ、はっきりさせましょう。ちょうどこれからダンスレッスンでしたわね?」

あずさ「なるほど。そうね、そういうのもたまには悪くないわ。じゃあ恵美ちゃん、またね?」

千鶴「参りましょう。姉になって戻って来ますわ!」

恵美「お疲れ…行っちゃった。こんな事でねえ。そんなムキになるモノなのかな?」
5 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/03(木) 00:48:25.99 ID:kTGQIwU40
(劇場控え室)
恵美「・・・という事があってさ。今ダンス対決の真っ最中らしいよ。」

千早「あの二人が?珍しいわね。」

響「だな。千鶴はともかくあずさがムキになってるとこなんて見た事ないぞ。」

ジュリア「レアなモン見られて良かったじゃないか。アタシもちょっと見たかったね。」

恵美「別に面白くはなかったよ、いつもと違うノリだったけど。一体何であそこまでこだわってるのかな。」

響「さあ?よくわかんないけど、きっと自分達にはわかんない何かがあるんだと思うぞ。」

ジュリア「なんだそりゃ。」

千早「でもそうね。あの二人は同い年だし、ライバル心はあるんじゃないかしら。」

ジュリア「こういうのもライバル心っていうのか?」

恵美「ま、同い年だからあんな風に言い合えるってのはたしかだろうね。」

ジュリア「たしかに。アタシたちに話す時とは違うカンジだね。」

響「年が近かったり同じだったりの相手の方が話しやすいもんな。」

恵美「だからこそ譲れない何かがあるのかな・・・お、そういや今ここにいるのも全員同い年じゃん。」

響「おー、ほんとだ。」

ジュリア「あれ、そうだっけ?」

千早「ちょっとジュリア。」

6 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/03(木) 00:52:16.13 ID:kTGQIwU40
ジュリア「悪い悪い、普段そういうのあんまり気にしたことないからさ。」

千早「そういうのはきちんと覚えておかないと駄目よ。外で聞かれたりする事あるかもしれないんだから。」

ジュリア「そんなことあるか?」

恵美「なくはないんじゃない。けど、千早は意外と細かい所気を配るよね。」

響「というか、単に皆の事が好きってだけだと思うぞ。誕生日とかもきちんと全員分把握してるしな。」

千早「ちょっと?違うわよ、私はあくまで仕事を円滑に進める上でコミュニケーションの一環として…」

恵美「おー、照れてる照れてる。」

響「分かるかジュリア、これがツンデレというやつだぞ。」

ジュリア「なるほどね。」

千早「怒るわよ、我那覇さん?」


7 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/03(木) 00:55:51.20 ID:kTGQIwU40
響「ごめんごめん。けど、これだけ付き合い長いのに自分の事は苗字呼びなんだもんなー。ちょっと寂しいぞ。」

恵美「アタシの事もだよね、琴葉とかのり子はさん付けだけど名前で呼ぶのに。」

千早「いや、それはなんとなくというか。それに今更呼び方を変えるのもなんか変じゃない?」

恵美「そんな事ないって。むしろ距離縮まった気がして嬉しいよ。」

響「そうそう。自分も同じだぞ。」

千早「そう、じゃあちょっと試してみようかしら。その代わり変だとか言わないでよ、我那覇?」

響「うん、驚かないぞ。たぶんその辺りで来るだろうなと思ってたからな。」

ジュリア「さすがヒビキ、カンペキだね。」

恵美「ヒビキ、カンペキ!ってなんか語呂いいね。」

千早「なんだったかしら、そんなキャッチコピーがあった気がするわ。エドガーは覚えてない?」

恵美「そこ持ってきたかぁ。」

ジュリア「チハもずいぶんノリが良くなったよな、初めて会った時とは大違いだよ。」

千早「あら、あなただって同じじゃない。でしょ、ジュリアーノ?」

ジュリア「そりゃそう来るよな!」

8 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/03(木) 00:58:04.81 ID:kTGQIwU40
恵美「ニャハハ。どんなクールな子でもここにいたらこうなるんだよね〜。」

ジュリア「そう考えたらおっかない話だね、一体誰の影響だろ。プロデューサーかピヨ姉、それともボスか?」

響「うーん。全員かな?もしくは『それが765プロだから』とか。」

恵美「お。なんか、ちょっとカッコいいねそれ。」

響「へへ、そうだろ。何せ自分、カンペキだからな。」

千早「ジュリア、今のがチョロ可愛いよ。覚えておいて?」

ジュリア「なるほどね。」

響「こ、こら!」
9 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/03(木) 00:58:52.50 ID:kTGQIwU40
ここまで。続きはまた後日に投稿させていただきます。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/03(木) 02:45:15.40 ID:jP5RU84do
おつ
同い年通しの会話好き
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/03(木) 03:29:23.14 ID:OorsOnbI0

同い年っていいよね
まつり姫はりっちゃん組に入るのかそれとも…
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/03(木) 08:11:20.06 ID:5uu4S9ux0
あずちづ!
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/04(金) 17:11:00.16 ID:cLnXdl5NO
琴葉!
志保!
所さん
14 : ◆UEry/CPoDk :2018/05/04(金) 22:21:16.75 ID:FlnWCY3L0
(劇場・レッスンルーム)

千鶴「はあ、はあ…い、今のところほぼ五分五分ですわね。」

あずさ「え、ええ…」

歩「二人とも、もうおしまいにしなよ。」

千鶴「いいえ、このままでは終われませんわ。決着がつくまでやるのがセレブというものです。」

あずさ「そうね、私も不完全燃焼はちょっと嫌だわ。」

歩「駄目だって。そもそも今日は振り付けのチェックだけの予定でしょ、何いきなり本格的なダンス始めてるんだよ。」

あずさ「仕方が無いわ。どうあってもきちんと終わらせないとすっきりしない事って、歩ちゃんにもあるでしょう?」

千鶴「セレブにはどうしても譲れない時があるのですわ。」

歩「もう。二人とも明日撮影あるんでしょ、迷惑かけることにでもなったらどうするの?」

千鶴「心得ておりますわ、そちらはそちらできちんとこなしてみせますとも。」

あずさ「大丈夫よ、もっと大変なスケジュールをこなした時もあったんだから。」

歩「いや、そんなムリする場面じゃないから…あれ。」

千鶴「よし、ではもう一度…わっ!?」

あずさ「ええ、いいわよ…きゃあっ。」

まつり「そこまでなのです。二人とも、レッスンルームは自分たちだけが使う場所ではないのですよ?」

千鶴「え、でも今日は他に誰も使わな…いたた、引っ張らないで下さいまし!」

あずさ「あと少しだけ。ね?そしたらおしまいにするわ…ちょっと、服伸びちゃうってば!?」

まつり「はーい、お疲れさまでした。歩ちゃん、後片付けよろしくなのです?」ズルズル

歩「あ、ああ。助かったよまつり、ありがと。」

歩「女性とはいえ大人二人を引っ張って普通に歩ける、か。フォークより重たいもの持ったことない、なんていうお姫様がねえ…。」

15 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/04(金) 22:26:04.79 ID:FlnWCY3L0
歩「…という事があってさ。いやあ、今日のレッスンは大変だったよ。」

律子「ごめんね、手間かけさせて。明日のお仕事前にきっちり注意しておくわ。」

歩「あの二人のあんな所初めて見たよ。ま、たまにはいいんじゃない。」

律子「仕事の事考えたらそうも言ってられないわよ、バカバカしいにも程があるような理由だし。」

歩「姉対決ねえ。千鶴は世話焼き体質だから分からなくはないけど、あずさがそんな事にこだわってるのはちょっと意外だね。」

律子「そうでもないわよ。あなた達が入る前は最年長だったし、みんなの前では常にお姉さんらしくしないといけないって思ってたみたいだもの。」

歩「そうなんだ?」

律子「ええ。今は千鶴さんや他の成人組達にあれこれ世話を焼かれたりしてるから少し変わったけど、やっぱりその辺の意識はあるでしょうね。それに先輩だからって気持ちもあるんじゃないかしら。」

歩「なるほどね。千鶴の方も似たような感じなのかな、日頃皆にあれこれうるさいし。」

律子「でしょうね。だからってどっちが上とかどっちでもいい事で張り合っていい理由にはならないけど。」

歩「はは、まあアタシが真や響なんかとダンスで張り合うみたいなものなんじゃないの。」

律子「もう少しアイドルらしい事で張り合って欲しいわよ。」

歩「まあまあ。でも姉妹対決かぁ。同い年のアタシ達ならどうだろね?」

律子「ん?そりゃあなたが三女で次女はまつり、それから私が長女でしょ。分かりきってるじゃない。」

歩「ええ、律子が長女?なんかなぁー。」

律子「あら何よ、まさか自分の方が私より姉らしいとでも言うんじゃないでしょうね。」

歩「そうは言わないけど、なんか律子って一番上ってイメージがわかないんだよね。」

律子「ちょっと、どういう意味よそれは。」
16 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/04(金) 22:29:32.06 ID:FlnWCY3L0
歩「いや律子はほら、しっかり者だけどたまに抜けてる次女って立ち位置の方がしっくりこない?」

律子「誰が抜けてるですって。よりによってあなたには言われたくないわよ。」

歩「こら、失礼だろ。なんだよ、こないだ衣装のボタン止め忘れてステージ上がりそうになったくせに。」

律子「あれはあなたがタイムスケジュール間違えて私を呼んだせいでしょ!何よ、それを言うならあなたの方こそ。こないだウチに泊まった時に私のパンツを…」

歩「まだ根に持ってるのかよ、あれは寝ぼけて間違えただけだってば。それを言うなら律子こそ、一昨日間違えて真のブラを付けようとして入らない、縮んだって騒いで…」

律子「眼鏡かけてなかったんだから仕方ないでしょ!あなたの方こそ…」

歩「なんだよ!」

律子「何よ!」

まつり「戻ったのです…ほ?どうしたのです、二人とも。よくわかんないけどケンカはめっ、なのですよ?」

歩「まつり。アタシは悪くないよ、律子のせいなんだから。」

律子「何言うのよ、どう考えたって原因はあなたでしょ。」

歩「いーや、そっちだ。」

律子「あなたよ。」

まつり「二人とも、仲良くしないとダメなのです。言うこと聞かない悪い子は…」


17 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/04(金) 22:31:58.48 ID:FlnWCY3L0
歩「あだだだだだ!痛いよまつり、悪かった、アタシが悪かったから腕掴まないで!ほんとに素手で掴んでるのこれ!?」

律子「痛い痛い、何これ万力!?分かったから離して、手首砕ける! 」

まつり「………ね?」

歩「すみませんでした。」

律子「申し訳ございません。」

まつり「分かってくれて嬉しいのです。さ、仲直りの印にみんなでお茶にするのですよ?」

歩「まつりには逆らえないね。」

律子「そうね。とりあえず、誰が長女なのかはよく分かったわ…」


18 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/04(金) 22:32:51.90 ID:FlnWCY3L0
ここまで。続きをまた投稿させていただきます。
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/04(金) 23:18:06.15 ID:T52Eb+fM0
19歳組きたか
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 04:53:46.60 ID:+UZMxL6R0

まつり姫は頼りになるなあ
お礼と言ってはなんだがマシュマロをたーんと用意といたぞ!
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/09(水) 11:39:35.15 ID:CiBT475HO
やはり姫が長女、律子次女よな
22 : ◆UEry/CPoDk :2018/05/12(土) 00:31:13.96 ID:W/Skj2fE0
(劇場キッチン)
千鶴「いたた。もう、まつりがあんなに力が強いとは思いませんでしたわ。」

あずさ「ちょっと調子に乗りすぎたかしら。お互い反省しなきゃいけないわね。」

千鶴「ええ。それはそうと、ダンスが駄目となると何で決着を付けましょうか。」

あずさ「そうね、何かあったかしら。」

貴音「お疲れさまです。おや二人とも、どうかなさいましたか?」

あずさ「あら。今ちょっと、対決の真っ最中なのよ。」

貴音「はて?」


(説明中)
千鶴「…というわけですわ。どちらが姉なのかを決めようというわけですの。」

貴音「何故そのような。どちらも皆の姉という事で良いでしょうに。」

千鶴「事務所でのわたくし達の立ち位置というなら、それで構いませんわ。あくまでもわたくし達二人の間柄の話ですわよ。」

あずさ「つまり、どっちがより相手の面倒を見ているのかをはっきりさせようというわけね。」

貴音「なるほど。しかし、それをだんすれっすんで決めるというのはおかしいようにも思えるのですが。」

23 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/12(土) 00:34:22.28 ID:W/Skj2fE0
あずさ「言われてみればそうね。じゃあ、何かそれらしい事を考えないと。」

貴音「ちょうど良いものがあるではないですか。」

あずさ「なあに?」

貴音「時計をご覧なさい、もう午後一時過ぎです。姉らしく振る舞うのであれば、規則正しい生活を送るべきでしょう。」

千鶴「要は、お腹が空いたという事ですわね?」

あずさ「でも、お料理対決というのはいいんじゃない。」

貴音「審査役はお引き受け致します。こういう事は第三者からの公平な視点で決めるべきものですよ。」

千鶴「はいはい、調子いいんですから。」

のり子「お疲れさま。お、貴音。」

琴葉「お疲れ様です。ちょうど良かった、これからのり子とお昼食べに行く所なんです。貴音さんもどうですか?」

貴音「いえ、わたくしは…そうだ、あなた方にも審査員を務めていただきましょうか。」

のり子「審査員?」

24 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/12(土) 00:38:50.03 ID:W/Skj2fE0
のり子「…なるほど。対決うんぬんはさておき、お昼食べられるんなら喜んで参加するよ。」

琴葉「お手伝いしましょうか?」

あずさ「ありがとう。でも、この人数くらいなら一人でも平気よ。」

千鶴「ここで調理するのは二人が限界ですからね。我が家のゴージャスなキッチンに比べればいささか手狭ですが、セレブ筆を選ばずですわ、おーっほっほっ…ゲホゴホッ。」


のり子「ここ以外はよく知らないけどさ。アイドルがライブやる劇場とかホールって、こんなに調理設備が充実してるもんなの?」

琴葉「違うと思う。多分、あの子のせいね。」

貴音(ふふ。今日は美奈子が地方への仕事で不在ゆえに昼食を悩んでおりましたが、この二人ならば問題無しでしょう。楽しみですね?)

のり子「…貴音はご飯食べたかっただけだろうね。」

琴葉「まあまあ。私達も釣られちゃったわけだし。」


千鶴「さて、まず材料の確認ですわね。冷蔵庫にあるのは挽き肉と卵、それから野菜室に玉ねぎその他。」

あずさ「こっちにはパン粉に小麦粉、サラダ油に調味料各種。となると…。」

琴葉「どうやら、何を作るかはほぼ決まりみたいね。」

貴音「ええ。子供からお年寄りまで大人気、洋食の王様とも言われるあの一品。」

のり子「そう。みんな大好き、ハンバー…」


千鶴「メンチカツなんていかが?」

あずさ「いいわね、それにしましょう。」


貴音(´・ω・`)

のり子(´・ω・`)

琴葉「ま、まあほら。千鶴さん揚げ物得意だし…」




25 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/12(土) 00:43:35.20 ID:W/Skj2fE0
千鶴「…よし。完成ですわ。」

あずさ「こっちも出来たわ。さあどうぞ。」

のり子「おお。さすが、どっちも美味しそうだね。」

琴葉「本当。冷めないうちにいただきましょうか。二人とも、ありがとうございます。」

貴音「審査ですから順番に食べるべきでしょうね。ではまず、あずさの方から。」

あずさ「デミグラスソースも作ったわ、これかけて食べてね。」

のり子「いただきまーす…うん、すっごくいい味。」

琴葉「美味しいです!あの時間でこんな本格的なお料理が作れるんですね。まるでお店で食べてるみたい。」

貴音「まことに。文句のつけようがない味ですね。」

あずさ「うふふ、どうもありがとう。」

貴音「さて、次は千鶴の分ですが。」

千鶴「はいどうぞ。ウスターでもトンカツでも、お好きなソースをかけて召し上がってくださいな。」

琴葉「いただきます…こっちも美味しいわね。」

26 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/12(土) 00:46:19.29 ID:W/Skj2fE0
のり子「どれどれ…ほんとだ。でも、こういうの食べてるとさ。」

貴音「のり子。わたくしも今、あなたと同じ気持ちです。御二方。」

千鶴「どうかなさいまして?」

貴音「あの、ご飯はないでしょうか?」

あずさ「ええ、炊いておいたわ。」

貴音「ありがとうございます…いいですね、思った通り。ご飯によく合います。」

のり子「うんうん、こういうのはやっぱりご飯と一緒に食べなきゃね。」

琴葉「ちょっと二人とも、あんまり食べ過ぎちゃ駄目よ?」

のり子「いいの、アイドルは身体が資本なんだから。それより琴葉はご飯いらないの?」

琴葉「…すみません、私にもいただけますか?」

あずさ「あらあら。はいどうぞ。」

琴葉「ありがとうございます…二人の言う通りね。千鶴さんのはご飯によく合うわ。」

貴音「あずさの方も良いですよ。」

のり子「お、ほんとだ。こっちでもご飯が進むね。琴葉、ソース取って?」




27 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/12(土) 00:56:34.28 ID:W/Skj2fE0
のり子「…ごちそうさまでした。いや〜美味しかった。」

貴音「真に。良い味を堪能させていただきました。」

千鶴「満足してもらうのはいいんですけどね、審査はどうなりましたの。」

のり子「あ、そうだった。うーん、貴音はどっちが良かった?」

貴音「そうですね、優劣を決めるのは非常に困難だと申し上げておきます。」

あずさ「琴葉ちゃんは?」

琴葉「そうですね。あずささんのはお店で食べるような味でとっても美味しかったんですけど、千鶴さんの方もご飯が進む味でしたし。」

のり子「あずささんのは特別な時とかに食べたいけど、毎日食べるんなら千鶴さんの分、てところかな。」

千鶴「なるほど。で、結局どっちが良かったんですの?」

のり子「うーん…引き分け!」

千鶴「へ?」


28 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/12(土) 00:59:22.11 ID:W/Skj2fE0
貴音「そうですね。わたくしも引き分けで良いと思います。」

あずさ「琴葉ちゃんは?」

琴葉「すみません、私もその、やっぱり引き分けで…。」

千鶴「ちょっと、それじゃあ意味が無いではありませんの。」

貴音「あなた方はどちらにもそれぞれ良い点がある。それで良いではありませんか。」

琴葉「そうですね。競い合うのは大切な事ですけど、上下関係を決めるのはあんまり良いとは思えませんし。」

のり子「いいライバルで、良い友達。理想的な関係じゃん。」

千鶴「食べてから言わないで下さいまし。」

のり子「まあまあ。そう言っただけじゃ納得出来ないだろうから、貴音もあえてこんな事させたんでしょ。ね?」

貴音「・・・ソウデスネ。」

琴葉(絶対そこまで考えてなかったんでしょうね。)

千鶴「うう…いえ、やっぱりそれでおしまいとはなりませんわ。これはわたくし自身にとって大切な問題なのです。」

あずさ「ここだけはどうしても譲れないというのは、私も同じかしら。」

のり子「まだやんの?正直、決着付きそうなイメージ全然ないんだけど。」

千鶴「白黒ハッキリさせるのがセレブというものですわ。あずさ、次の勝負と参りましょう?」

あずさ「受けて立つわ。じゃあね、三人とも。」
29 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/12(土) 01:04:23.74 ID:W/Skj2fE0

のり子「行っちゃった。なんだろ、どうしてあんな事にこだわるのかな?」

琴葉「不思議よね、特にあずささんはそういう事するの好きじゃないと思ってたのに。」

貴音「おそらくですが。千鶴はともかく、あずさは決着を付けることより、同じ目線の相手との対決そのものを楽しんでいるのでしょう。」

のり子「あんな事でも?」

貴音「半分遊び感覚でしょうが。それだけ仲が良いという事だと思います。」

琴葉「なるほど。レッスンでも競いながらやる方が楽しい時もありますし、それと似たような感じなんでしょうか。」

のり子「そう言われると分かる気がするね…そうだ、アタシ達もやってみない?」

琴葉「え?」

貴音「ふふ。親睦を深める為なら良いかもですね。」

のり子「でしょ。ちょうどここにいるのも同い年だけだしさ。琴葉、何かない?」

琴葉「急に言われても…あ、じゃあひとつ思いついたわ。」

のり子「お、何?運動でもゲームでもやるよ。」

琴葉「食べたら片付けないとね。というわけで今から三人で食器洗いと後片付けしましょうか。一番きちんと出来た人が三人の中でお姉さんってことでいいよね?」

のり子「ええ?いや、まあたしかにやらなきゃだけど。そういうので決めるんならアタシは妹でいいかなあ。」

貴音「物心ついた時より姉として生きて参りました。こういう時くらい、妹として振る舞うのも良いかもしれませんね。」

琴葉「こーら。二人とも、私が姉だというならズルは許さないわよ?」

のり子「はいはい。しょうがない、ちゃっちゃとやるか。」

貴音「姉上の言うことには逆らえませんね。」

琴葉「よろしい。じゃあしっかりやりましょうか、きちんと出来たらご褒美にアイスが待ってるわ、頑張ろうね?」
30 : ◆UEry/CPoDk [sage saga]:2018/05/12(土) 01:05:46.61 ID:W/Skj2fE0
更新ここまで。続きはまた後日投下させていただきます。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/12(土) 01:14:03.59 ID:f9dj89TC0
21,16,19,18ときたか、単純に考えると次は17きそうだだが果たして
一旦乙です
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/12(土) 05:09:49.47 ID:E9/kOx4m0

やっぱりお姉さんって事を競うなら小学生組たちからも意見を聞かないとな
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