遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」

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1 : ◆CItYBDS.l2 [sage]:2018/05/10(木) 17:47:38.80 ID:w82Vnulm0

チェリーボーイ諸君

巷に溢れる未経験の男達よ、知っているか

人の頭ってのは扱いが難しい

比喩表現ではない、そのまま字面通りに受け取ってくれ

当然のことながら、頭には大事なものがいっぱい詰まっている

脳みそとか、神経とか、そういう諸々の物だ

そうだな、いわば宝石箱だ

うん、わかっている。やっぱり俺は比喩表現を使うべきではないようだ

だが、そのまま聞いてくれ

宝石箱は大事に扱わないといけない

雑に扱って、大事な中身を零れ落とすわけにはいかないだろう?

かといって、力を籠めなければ箱は開かないんだ

その力加減が、実に難しい

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1525942058
2 : ◆CItYBDS.l2 [saga]:2018/05/10(木) 17:48:12.27 ID:w82Vnulm0

勇者である俺が、何でこんな話をしているかわかるか?

それは、胡坐をかく俺の太ももの上に、遊び人♀の頭が据わっているからだ

正直に言おう、初めての体験だ

いま俺の鋼の精神は、恐慌状態へと陥っている

泣き叫び、助けを乞いたいがそういうわけにもいかない

なに「初めて」は誰もが経験することだ、その名に恥じぬ勇気をもって事にあたろうではないか

ふむ、力を籠めたら、砕けてしまいそうだ

実際、俺の膂力ならそうすることができるだろう

そうならないように細心の注意を払い、遊び人の頭をなでてみる

綺麗な髪が、指の間をするりと通る

驚いた、女の髪の毛ってのはみんなこうなのだろうか

こんなに柔らかく、艶めいているのか

俺の髪の毛は、たわしみたいに硬いぞ

いや恥じているわけじゃないさ、だって男の髪ってのは、みんなそうだろ?

たまに、女みたいな髪を持ったオッサンがいるが

あれは特殊な例だ、まあその話は関係ないし置いておこうか

ところで後姿女オッサンって、なんか極めて特殊な性癖持ってそうだよな
3 : ◆CItYBDS.l2 [saga]:2018/05/10(木) 17:48:40.45 ID:w82Vnulm0

さて諸君、俺が勇者であるが故、かどうかはわからんが

俺の髪の毛は、男の中でもひと際硬い気がするんだ

太く、硬く、そして多い

俺の頭でなら、銀の皿を鏡みたいにピカピカに磨き上げることができるだろう

とは言ったものの、現実的に俺の頭で皿を磨くなんて無理だ

何でかって?

だって俺の頭には、強くたくましい胴体が繋がっているんだもの

俺の頭で皿を洗うなら、胴体を持ち手にしてゴシゴシやるしかない

そんなことできるのは、巨大なゴレムぐらいだろうさ

もしくは屈強な男たちが数人がかりでもできるだろうが、そんなことするぐらいなら

素直にたわしを使えよって思うよ
4 : ◆CItYBDS.l2 [saga]:2018/05/10(木) 17:49:08.07 ID:w82Vnulm0


では彼女の頭なら、どうだろうか?


その髪に、劣ることのなかった美しい胴体と切り離されて

俺の膝に据わっている、遊び人の頭なら

立派にたわしとしての仕事を果たせるのではないだろうか

少なくとも、俺の頭よりは使いやすいはずだ
5 : ◆CItYBDS.l2 [saga]:2018/05/10(木) 17:49:36.64 ID:w82Vnulm0

ふむ、何を馬鹿なことを考えているんだ、俺は

我ながら正気では無かったようだ

なにせ胴から切り離された頭を膝に乗せるなんて初体験なのでな、許してほしい
6 : ◆CItYBDS.l2 [saga]:2018/05/10(木) 17:50:08.83 ID:w82Vnulm0
さて、そろそろ、物語の本筋に移ろうか

そうだな……タイトルは『酒と魔王と男と女』

勇者である俺が、何故こんな状況に置かれているのか諸君に説明して差し上げようではないか

とは言うものの、何から説明したものか

いつからか酒に酔うことができなくなったはずなのに

まるで泥酔しているかのように頭痛が響き、思考が定まらないんだ

頭を降ってみよう、目が覚めるかもしれない

うん、灰色の脳みそが壊れたラジオのようにカラカラとなったな

聞こえただろう?何か大事な部品が取れてしまったのかもしれないな

よし次は、思考のチューニングをしてみよう、砂嵐のような記憶から明瞭なものに焦点をあわせていくんだ

お、見えてきた見えてきた

なんだ母さん、まだ買い替える必要なんてないじゃないか
7 : ◆CItYBDS.l2 [saga]:2018/05/10(木) 17:50:36.27 ID:w82Vnulm0

さあ、諸君

物語のはじまりはじまり

どうして、俺が頭だけになった彼女を膝に抱いているのか

是非、最後まで聞いていってくれ
8 : ◆CItYBDS.l2 [saga]:2018/05/10(木) 17:51:04.12 ID:w82Vnulm0




「彼女と初めて会ったのは、出会いと別れの季節。春だった」
9 :今日はここまでです ◆CItYBDS.l2 [saga]:2018/05/10(木) 17:51:31.02 ID:w82Vnulm0

勇者が重い口を開くと同時に

ぬるく、粘った液体が彼女の頭から滴った
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/13(日) 02:26:26.71 ID:t7RGioADO

全く訳わからんけどまあ>>1の書くモノだから期待してる
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/13(日) 11:18:37.03 ID:yK6i+SPwO
12 : ◆CItYBDS.l2 [saga]:2018/05/25(金) 20:03:27.57 ID:WlRcDlsl0
――――――

1杯目 カクタル思いで、君にエールを送る

――――――
13 : ◆CItYBDS.l2 [saga]:2018/05/25(金) 20:03:53.22 ID:WlRcDlsl0
――――――

枕が固い、宿屋の外では冬眠から覚めたカエルがゲコゲコ鳴いている

過ごしやすい季節になってきたと人々は言うが、俺にはそうは思えない

ブランケットを羽織れば汗がにじみ、無ければ何と無しに心もとない

春は、そういう中途半端な季節だ

それならいっそ寒いほうがましだ



日は沈み、すっかり夜更け

俺は、早々に宿屋のベッドに横になるがどうにも眠りにつくことができないでいた

だがそれは、今日に限ったことではない

どういうわけだろうか、眠ろうと床についた途端に俺の思考はぐるぐると回り出す

得体のしれない恐怖感が、俺に思考を止めることを許さないのだ

魔王を倒しきれなかった、あの日からそれはずっと続いていた



だが不眠との戦いも半年を過ぎれば、慣れたものだ

俺が見つけた最善手、「眠れないのであれば、眠らなければいい」

無理に寝ようとするからいけないのだ、そんな時は自然に眠くなるまで時間を使うのが一番

そんなわけで、俺は日課に取り掛かる

ブーツの紐を結び、剣を腰にぶら下げる

そしてそれを隠すようにクロークを纏う、さあ準備は万端だ

仕事に取り掛かろうじゃないか

向かうは酒場

アウトロー達が集う、イリーガルなフィールドだ
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