真・恋姫無双【凡将伝Re】3

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/11(金) 22:10:05.46 ID:cEso93vP0
 時は二世紀末、漢王朝の時代。
 四世三公の名家たる袁家に代々仕えし武家である紀家に生まれた一人の男児。
 諱(いみな)を霊、真名を二郎というこの男は様々な出会いや経験を重ねていく中で、やがて世を席巻していく。
 しかし、彼には誰にも言えない一つの秘密があった。
 彼の頭の中には、異なる世界における未来で生きてきた前世の記憶が納められていたのだ――。
 これは、三国志っぽいけどなんか微妙に違和感のある世界で英雄豪傑(ただし美少女)に囲まれながら右往左往迷走奔走し、それでも前に進もうとする凡人のお話である。


※リトライとなりますが大筋ではそんなに変わらない見込みで
※なろうにても投下しております。こっちで書いて推敲してからなろうに投稿って感じです
※合いの手長文歓迎です


前スレ
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1480942592/
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445344769/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1480942592

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1526044205
2 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/05/11(金) 22:11:08.80 ID:cEso93vP0
「万歳!万歳!万歳!」

どこかから、声が上がる。それを聞いた民衆は口々に唱和する。
酒が入り、当然喧嘩も起こる。それでも、どこからか聞こえる万歳の声。先ほどまで殴り合っていた者同士も肩を組み、万歳を唱和する。
めでたい、めでたい日である。
振る舞い酒は美味いし、そこかしこから聞こえる音楽も鳴り止まない。
この上なくめでたい日である。

「つっても、ほっつき歩いてた風来坊が帰ってきただけなんだけどな」
「身もふたもないですね」

男たちはくつくつと笑い合う。
沮授と張紘。それぞれ官僚と財界のトップの二人は義兄弟でもある。
袁紹の思いつきを短期間で具現化し、今日の一大セレモニーにつなげたのも彼らの辣腕あってのこと。

「しかし、こんなとこで油売ってていいのか?」
「ええ、構いませんよ。郭嘉さんがいますからね」
「確か二郎が拾ってきたんだっけか」
「ええ、そうですよ。全く、どうやったらあんなに優秀な人物を見いだし、登用できるのかと。
 いやはや、二郎君は本当に埒外ですよ。
 本当に、ね」

自身の声望を疎み、わざわざ偽名を名乗って仕えるべき主君を探していたという郭嘉。
新参の身故、暫くは沮授の補佐という立場になろうが、表だって地歩を固める日もそう遠くはないだろう。そう沮授は思う。
実際、日々その存在感は高まっているのだ。

「まあ、おいらも二郎に拾われた身だしな」
「おや、そういえばそうでしたね。何とも懐かしい話です。
 ……張紘君こそお仕事はよろしいので?」

くすり、と微笑み張紘に問う。

「おう、魯粛が帰ってきたからな。かなり助かってる」
「にしても帰参してすぐにとは。人使いが荒くないですか?」
「いいんだよそれくらいで。勘も取り戻してもらわないといけないしな」

それにややきついくらいの負荷をかけないと全力で働かないし、と言って笑う。

「おやおや、これは恐れ入りました」

話は尽きない。互いの立場もあり、こうやって馬鹿話に花を咲かせる機会も減ってしまっている。
が。

「すまん、遅れちった!」

慌ただしく駆け寄るこの青年がいれば問題はないだろう。

「いえ、お気になさらず。今日の主役なのですから」
「そうそう。むしろおいらたちは後日でもよかったんだぞ?」

何せかれらは義兄弟。その絆は永遠。

「いやまあ、ここを最後に思いっきり呑んで騒ぐつもりだったんだけどな。
 次が入っちまってさ、すまん。また今度ゆっくり呑もうや」
「そんなこったろうって思ってたよ」
「本当にお気になさらず。姫君たちを優先してください。
 それより」

沮授が紀霊の杯に酒を注ぐ。

「お、火酒か。ようやく実現したなー」
「おう、李典のお蔭でな」
「それでは」

それぞれに杯を掲げ。

「二郎の帰還を祝って」
「袁家の隆盛に」
「俺たちの絆に」

乾杯。

男たちは杯を干し、笑い合う。
やがて挑む奔流、激流。翻弄されても、彼らの絆が切れることはない。

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/11(金) 22:11:34.90 ID:cEso93vP0
◆◆◆

さしものの祝いも深夜を過ぎるころには南皮は静謐さを纏うようになっていた。
そこかしこで響いていた喧噪も次第に遠ざかっていく。
だが、残滓は確かに残されており、不穏を内包する。

「そこで何をしている!」

鋭い声が闇を引き裂く。
その声にびくり、と身を震わせる人影が四つ。どうやら倒れている男を身ぐるみ剥がしているらしい。
いくら南皮の治安がいいとは言っても限度がある。
既に何度も遭遇している場面とあって声の主――楽進は落ち着き払っている。

「ち、散れ!」

数瞬の逡巡の後に人影の一人が叫ぶ。
その声を受けて各人がばらばらの方向に逃げる。なるほど、追手を撒くにはいい判断だったろう。

ただし。

「心にて、悪しき空間を断つ。
 断空砲!」

相手が悪かった。

不可視の気弾が立て続けに人影を吹き飛ばす。
楽進は表情を変えることなく後続の部下に賊の捕縛、倒れている人物の介抱を命じる。

どうやら泥酔してそのまま寝てしまっているようだ。設営されている簡易宿泊所への搬送を指示し、再び巡邏を開始する。
彼女は昼間からほぼ休みなしで活動しているが、その体躯に漲る気力はいよいよ充実している。
何しろ今日は彼女の想い人――ようやく最近気持ちに折り合いをつけたらしい――が南皮に帰還しためでたい日なのだから。

もっとも、ちらり、としかその姿を見ることは出来なかったが。いや、むしろ職務中にその姿を目にできたことは幸運であったのだろう。
白を基調とした紀家の正装を身にまとい、雷薄以下の紀家軍の最精鋭を背に従えるその姿の凛々しさよ。

随分歩いたろうか。払暁は近く、街に人の影も目立ち始める。
多くは流民。
まき散らされたごみや吐瀉物、あるいは落ちている人間など。有象無象を片付けていく。
微妙に増えつつある流民の雇用は最近の袁家……さらには母流龍九商会の懸案事項の一つである。
そういう意味では今回の式典は一時的ではあるが効果はあったのであろう。

軽く頭を振って楽進はそんな思いを振り切る。自分が考えるようなことではない。
目の前の職務を尽くすことこそ肝要なのだ。

「もうひと頑張りだ!」

付き従う部下に声をかけ、巡邏を続ける。
きっとそれが自分を拾ってくれたあの青年に報いることになるのだから。
4 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/05/11(金) 22:21:42.97 ID:cEso93vP0
本日ここまですー

どんどこいきますzせ

感想とかくだしあー
5 :赤ペン [sage saga]:2018/05/12(土) 09:58:51.11 ID:lyDPRush0
立て乙ー
>>2
>>沮授と張紘。それぞれ官僚と財界のトップの二人は義兄弟でもある。  この場面は二郎視点ではないので
○沮授と張紘。それぞれ官僚と財界の最高峰の二人は義兄弟でもある。  もしくは【頂点】、【最上位】とか?
>>袁紹の思いつきを短期間で具現化し、今日の一大セレモニーにつなげたのも彼らの辣腕あってのこと。  ここも同じく
○袁紹の思いつきを短期間で具現化し、今日の一大祭典につなげたのも彼らの辣腕あってのこと。  もしくは【式典】、【栄典】、【祭事】とか?
>>何せかれらは義兄弟。その絆は永遠。 間違いではないですが
○何せ彼らは義兄弟。その絆は永遠。  漢字の方が私の好みかな
>>3
>>さしものの祝いも深夜を過ぎるころには南皮は静謐さを纏うようになっていた。  【の】が多いので
○さしもの祝いも深夜を過ぎるころには南皮は静謐さを纏うようになっていた。   ですね
>>その声にびくり、と身を震わせる人影が四つ。どうやら倒れている男を身ぐるみ剥がしているらしい。   これでもいいとは思いますが
○その声にびくり、と身を震わせる人影が四つ。どうやら倒れている男の身ぐるみを剥がしているらしい。  上の文だと話し言葉っぽいですね

そう言えば前スレでは気付かなかったんですが
>>1
>>※リトライとなりますが大筋ではそんなに変わらない見込みで  前前スレのスレ名が
○※リライトとなりますが大筋ではそんなに変わらない見込みで  【リライト版】なのでこっちが正しいかも

ちなみに私は悪辣なので1000でお願いはしません、なぜなら一ノ瀬さんの作品を捻じ曲げる気はないから
でもその前に要望を言う事で一ノ瀬さんの心に引っかかりを作るスタイル
「あなたは私の願いを叶えても良いし叶えなくても良い」
そんな事を考えて適当に埋めたけどよく考えたら誰かの過去の掘り下げとか願えばよかったか…ふかく!
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/12(土) 11:27:59.29 ID:+RZ43qZa0
>>5
どもです。

いつもながらありがとうございますー

さて

>○※リライトとなりますが大筋ではそんなに変わらない見込みで  【リライト版】なのでこっちが正しいかも
リトライになりました。
後はお察しください。
何個かダイス判定が実は発生しております(極秘)

>そんな事を考えて適当に埋めたけどよく考えたら誰かの過去の掘り下げとか願えばよかったか…ふかく!
ww
せっかくだし、数人キャラ出してくれたらなんかあるかもしれません。
過去とか掘り下げの絡みは電波次第なので、広く網投げてくれた方がありがたいです
7 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/05/12(土) 11:28:42.12 ID:+RZ43qZa0
いかんコテ外れとるから設定せねば
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/12(土) 12:30:17.28 ID:k5XIZzWWo
ほんとにリトライになっていたとは……
私のお気に入りキャラはまだまだ出ないので楽しみにしながら大人しく読者続けますww
これからも無理せず頑張ってくださいませー
9 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/05/12(土) 12:33:14.03 ID:+RZ43qZa0
>>8
お休みいただいたおかげで書くのが本当に楽しいです

あっちに連日投稿の時はもう苦行状態でしたww

いや、覚悟の上ではあったのですが、辛いものは辛いねんと
10 :赤ペン [sage saga]:2018/05/12(土) 14:07:08.03 ID:lyDPRush0
ふうむ・・・詠と翠の西涼立て直しとか、二郎と麗羽様、美羽タンの3人で街の視察とか、後は何進さんと妹(皇太后)による二郎評価とかも見てみたいカモ
そう言えば麗羽様は天の御使いについてどう感じてるんだろう…
11 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/12(土) 22:03:43.98 ID:+RZ43qZa0
「うわあ、まだあるのか……」

戦場では怖いものなしの馬超がぐったりとする。
それは彼女の知らなかった戦場。知りたくなかった戦場。
求められるのは膂力などではない。

「そりゃあ、あるわよ。
 涼州全部の決済書類だもの。
 並べたらば、その上で練兵でもできるんじゃないかしら?」

うへえ、という馬超の声に目もくれずに目の前の書類を仕分けている賈駆は手元の湯呑み――どっかの凡人から贈られたものである――を手に取り、冷め切った茶を口にする。

「いや、そりゃそうか。そうだよなあ。
 凄いな、父上はこんなに大変なことをされてたのか……」

「そうよ。それが州牧の務めだもの。
 というかね、邪魔しにきたのか手伝いにきたのかはっきりしてほしいんだけども」

その声の尖りにさしもの馬超がたじろぐ。

「まあ、興味を持つだけでも大きな進歩じゃないかなってたんぽぽ思うのー」

「それを進歩と言ってしまうところが問題だとボクは思うけどね」

助け船を出したのは馬岱である。彼女はちょくちょく顔を出して賈駆の手伝いをしていたので、軽口をたたいても許される。許された。

「うう、だって邪魔だって言ったのは詠じゃないか」
「だって邪魔だもの。本当に邪魔だもの。
 翠がボクの手助けになるとすればね、今すぐにここから立ち去ることよ」
「そりゃないだろう!
 何か手伝えることがないかって思ったのに!」
「あれば言ってるわよ。
 というかね、翠のできることを考える時間だって惜しいのよ。分かる?
 分からない?分かってくれたら助かるんだけど」
「な、なんだとう!
 それじゃ私が役立たずみたいじゃないか!」

そう言ってるんだけどな、と開いた賈駆の口に押し込まれる饅頭。

「む、ぐ!」

抗議の声を馬岱が遮る。

「はいはい、ちょっと一休みだね。ほら、お姉様もこれ食べて?
 間食としてどうかなって」

差し出された饅頭を馬超も手に取る。

「ほう、甘い。美味いな」

「でしょ?結構日持ちもするんだって。
 書類仕事に疲れた時にはいいかなって」

殺伐とした空気を散らして馬岱は伸びをひとつ。
彼女も別に書類仕事が好きというわけではないのだ。

12 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/12(土) 22:04:10.48 ID:+RZ43qZa0
「にしてもお姉様、詠姉様に任せたって言ってたのにどうしたの?」

「い、いや、あのだな。
 流石に任せっきりはよくないかなーとか思ったり」
「ああ、叔父様に聞かれても分からないもんねー。
 別にいいと思うけどなー。
 苦手だから詠姉様に任せっきりだって……痛い!」

ごちん、と鈍い音が響き賈駆が眉をひそめる。

「ちょっと、翠!
 視察にしても手伝うにしても、本格的に邪魔になってきているわよ?」
「あ、いや。
 そんなつもりはなかったんだ。
 すまない」

「謝る相手も内容も違うと思うけどね。
 いいから遠乗りでも行ってきなさいな。
 馬騰殿には翠が内勤にも興味を持ったとでも報告しとくから」

しっしとばかりに手を振る賈駆に馬超は頷く。

「う、うん。わかった。
 ちょうど黒毛の若駒がいい具合でさ。ちょっといってくる!」

いい笑顔で去った馬超に賈駆は苦笑する。

「詠姉様、ごめんなさいね?」
「たんぽぽが謝ることじゃない……こともないか。
 大変ね、ほんと」
「そうでもないよ?」

笑う馬岱に賈駆はやれやれ、と首を振る。

「いいけどね。翠に向いてないのは確かだし、ボクが取り仕切っているのほんとだしね」

涼州の利権から董家に便宜を図っているのは確かであるし、それを隠そうともしていない。
もっとも、それを認識しているのは目の前の馬岱だけであろうが。

「まあ、詠姉様がいてくれて本当によかったものね。
 ほーんと、お姉様だけじゃこの涼州はたち行かなかったもの」
「へえ、それが分かるなら……」
「あー、たんぽぽには無理ですー。分かるのとできるのとは違いまーす」
「へえ?」
「やりたいこと、できること。やらなきゃならないことって全然違うしー。
 たんぽぽはできることを精一杯頑張るだけでーす」
「へえ。言うじゃない」
「まあ、これ二郎様の受け売りなんだけどね?」
「へ?」

にしし、と馬岱はほくそ笑む。

「二郎様がね、言ってたの。
 愛しの、二郎様がねー」
「だ、誰が愛しのか!」
「えー?たんぽぽのが一方的に懸想してるだけなんだけどなー。
 なんで詠姉様が怒るのかなー不思議だなー」
「ああもう!
 そんなとこまで、あいつに似なくていいのにもう!」
「惚れた弱みってやつかな?」
「どういうことよ、もう」

にひひ、と笑う馬岱につられて賈駆も苦笑する。

「ま、あいつはどうしようもないからね、おすすめはしないわよ?」
「えー?そうかなー?
 たんぽぽわかんなーい」
「いや、だからね、あいつはね……」

彼のことを語るときに緩む口元。
それを自覚してないのだなあ、と馬岱は思うのであった。
13 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/12(土) 22:05:47.12 ID:+RZ43qZa0
本日ここまですー

感想とかくだしあー

翠と詠ちゃんの涼州立て直し……だよね?

みんなちゃんと動いてくれるのを確認できたしありがとうございますー。
14 :赤ペン [sage saga]:2018/05/14(月) 13:02:27.04 ID:d84sgl0D0
乙でしたーありがとうございます
>>11
>>その声の尖りにさしもの馬超がたじろぐ。 ほんのちょっぴり違和感
○その声の尖りにさしもの馬超もたじろぐ。 たしかこれが正しかったような
>>12
>>「いいけどね。翠に向いてないのは確かだし、ボクが取り仕切っているのほんとだしね」   なんとなくしっくりこないような(重箱の隅カン
○「いいけどね。翠に向いてないのは確かだし、ボクが取り仕切っているのもほんとだしね」  もしくは【取り仕切っているのは】かな?
>> ほーんと、お姉様だけじゃこの涼州はたち行かなかったもの」  これは読みづらい気がします
○ ほーんと、お姉様だけじゃこの涼州は立ち行かなかったもの」  そういえばこれ調べても【たちいく】なのか【たちゆく】なのかいまいちはっきりしないんですよね

て、適材適所、適材適所だからwこの遠慮のない感じ。イイネ!
ところで董家から来てるのは詠ちゃん一人だけ?それとも見えないところで家臣団(モブ)が書類に埋もれて溺死してるのかしら
15 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/14(月) 21:36:35.47 ID:Zu+4RnS80
>>14
どもです。

いつもご指摘ありがとうございますー

>て、適材適所、適材適所だからw
そりゃもう適材適所ですとも

>この遠慮のない感じ。イイネ!
やる気満々の詠ちゃんですもの。そりゃ全力ですよ。
董家のことはよく知っているから予算も一番有効に活用できますし!

>ところで董家から来てるのは詠ちゃん一人だけ?それとも見えないところで家臣団(モブ)が書類に埋もれて溺死してるのかしら
さてと考えましたが詠ちゃん一人ですな
そらもう、書類時空では無双状態ですよ

書いてて思ったのは、詠ちゃんと翠って相性実はいいなあと
あれこれ口やかましく翠に言って、それをたんぽぽが宥めて、でもきちんと詠ちゃんは翠の能力は評価していて

主をきちんと客観視なり酷使できる関係になっていきそうな気がしますね
うむ、馬騰さんの目は確かであったことよ^^
16 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/23(水) 22:26:46.47 ID:s2wcgPej0
さて、最近南皮で流行っている戯詩がある。

「怨将軍に過ぎたるもの二つあり、趙の子龍に三尖刀。
 いや、星ちゃん、大人気ですねえ」

くふふ、と笑う程立を趙雲は苦い顔で見やる。

「おや〜、不敵で無敵な星ちゃんがそんな顔をするなんて。
これはいいものが見れましたね〜」
「むう。
風はそうは言うがな。自らのあずかり知らぬところで声望が高まるというのは、こう。
 何というか、そのな。非常に不本意で、な」

事実である。
趙雲の声望は日に日に高まる一方ではあるが、そこに彼女はほとんど関与していなかった。

「旅中の二郎さんを襲う盗賊の集団。道連れの風たちを庇いながらでは多勢に無勢……。
 その時颯爽と駆けつけた武芸者とは……!
 いや、臨場感に溢れてますねえ。まるで見てきたようなお話です〜」
「まるっきり立場が逆ではないか……っ!」

楽しそうな程立の声に趙雲は頭を抱える。

「二郎さんはその武芸者の武勇に感嘆し、仕官を持ちかけます。
 『今はその気はない』と袖にされますがさらに言い募る二郎さん。
 ついには自らの俸禄の半分という破格の待遇で迎え入れたのでした〜。
 いや、あの時の丁々発止のやり取りを見ていた身としては感慨深いものがありますね〜」

ぴらり、と取り出した絵姿では紀霊と趙雲が肩を並べて賊と相対している。

「くふふ、英雄への最短距離まっしぐらですね〜」
「う、嬉しくない……」
「きっと二郎さんも、そのはずなのですよ〜」
「む?」

聞けば紀霊の逸話。そのほとんどは捏造や創作であるらしい。
……もっとも描かれないだけで似たようなことをしているのだろうと程立は確信しているが。それはそれとして。

「造られた英雄、という奴なのですよ〜。
 まあ、虚像に実像が追い付いていないから大変だというのがご本人の弁ですが」
「ふむ……」

趙雲は考え込む。

「求められる人物を演じるのもお勤めだそうで、いやはや、難儀なことですね〜。
 その点、星ちゃんなら大丈夫じゃないですか?」

にんまりとした程立に趙雲は苦笑し。

「まあ、ここは乗せられておこうか。そうだな。もとより私の望んだことだ。
 演じきって見せようではないか」
「そですね!星ちゃんの勇気が二郎さんを救うと信じて!」

何だかんだで息の合った二人である。
南皮は今日も平和であった。

17 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/23(水) 22:27:31.87 ID:s2wcgPej0
◆◆◆

「むむ、二郎は遅いのう……」
「じ、二郎さま、お忙しいですから……」
「にしてもちょっと遅すぎだよねー。シャオ、がっかりー」

彼女らが陣取るのは紀霊の寝台の上。所狭しとばかりに菓子を乗せた皿と蜂蜜水をはじめとした飲み物をたたえた杯が並んでいる。
女子会ならぬ幼女会とでも言うべきであろうか。むしろパジャマパーティ?彼女らは機会を見つけては紀霊の部屋でお泊り会を実施していた。
特に害もないのでもはや紀霊の部屋は彼女らの集会場となっていた。ちなみに文醜あたりが乱入したりもすることもある。

「しかし田豊め、今日はちと厳し過ぎと思うのじゃ……」
「だよねー。二郎が帰ってきたんだからもっと早く解放してくれてもいいのにさー」

ぶうぶうと全身で不満を漏らす。
彼女らの学ぶメイン教師は田豊。「不敗」と二つ名を持つ匈奴大戦の英雄の一人である。
まあ、紀霊や袁紹とかがその詳細を聞けば抗議をするくらいに丸く、穏やかな授業になってはいるのだが。
ちなみに典韋は授業内容についていけていないので出席率は壊滅的である。
……紀家軍の訓練やらもあるので致し方ないのではあるが。
代わりに典韋には袁術と孫尚香が教師役として教鞭を振るっている。

「でもでも!お二人のおかげでわたし、名前を書けるようになりましたし、二郎さまからのお手紙をなんとなく読むこともできるようになりました!」

だから、一生懸命に謝意を伝える。

「うむ、流琉は真面目じゃからの!無論わらわの指導が素晴らしいからじゃがの!」
「シャオだって流琉にはいっぱい教えてるもんね!」

無論、袁術と孫尚香にメリットがないわけではない。
教えることは学ぶこととはよく言ったもので、典韋が理解に苦しむ箇所は彼女らにとっても上手く説明できないことも多い。
幸いにして彼女らは狷介なプライドとは程遠くあり、その、典韋の差し出す初歩的ながらも本質的な課題に全力で取り組む。
解を得られればよし。なければ?
彼女らの周りには英傑が揃っているのだ。一言、呪文を唱えればいいのだ。
「教えて」、と。

「ま、わらわはまだまだシャオには負けんからの?」
「むー、ぜったい追いついてやるんだから!」

田豊の課す試験的なものの成績ではやはり最高級の教育を受けてきた袁術が二歩も三歩もリードしている。
が、孫尚香は。孫家の三の姫は。その血筋を遺憾なく開花、顕現しつつあり、袁術に猛追しているのである。
それがまた袁術の危機感に火を付け、この上なく理想的なスパイラルを形成しているのだ。

きゃいきゃいとはしゃぐ幼女たち。
待ち望む青年がいなくても彼女らは盛り上がり、話は尽きない。
好きな食べ物、見かけた可愛い猫。虹や月食の不可思議さ。それにおどろおどろしい怪談の類い。

彼女らが待ち望む青年が現れた時には、寝台で安らかな寝息を立てていた。

「うお、なんじゃこら!」

そんな叫びを認識することもなく、安らかに夜は更けていくのだった。

「いや、どうすんのよこれ」

下弦の月の美しい夜のことであった。
18 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/23(水) 22:28:01.90 ID:s2wcgPej0
本日ここまですー

感想とかくだしあー
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/24(木) 03:01:38.92 ID:cZTLKC9RO
乙っしたー
相変わらずのキャッキャウフフ
もっとあってもいいのよ
おじさんの汚れきった心を浄化してくれてます

タイトル案「風と雲と3美姫の子猫」
「凡人、幼女の寝込みを襲う」
「凡人、幼女と同衾する」
20 :赤ペン [sage saga]:2018/05/24(木) 11:09:36.19 ID:RUfevU+G0
乙でしたー
>>16
>>演じきって見せようではないか」  間違いではないですが
○演じきって魅せようではないか」  漢字にするならこちらの方が私の好み、もしくは【演じきってみせよう】普通にひらがなかな
>>17
>>蜂蜜水をはじめとした飲み物をたたえた杯が並んでいる。  意味を分かり易くするためにも
○蜂蜜水をはじめとした飲み物を湛えた杯が並んでいる。   漢字にするかもしくは【飲み物を満たした杯】の方がいいと思います
>>むしろパジャマパーティ? ・・・し、寝衣会?
○むしろ夜更かし友の会?  むーりー、ピンとこない・・・いっそ【夜更かし…明日のお昼寝は確定事項である】とか入れてみるか?
>>彼女らの学ぶメイン教師は田豊。   何とか日本語に
○彼女らの学ぶ教師は基本的には田豊。 ちなみにサブ教師は沮授?麹義さんは今頃俯瞰者さん時空でイチャイチャして…前線から離れてるからこそ後人育成に精出してそう
>>無論、袁術と孫尚香にメリットがないわけではない。  これは分かりやすい
○無論、袁術と孫尚香に利点がないわけではない。    最初に【李典】って出て自分でクスッとしてしまった
>>幸いにして彼女らは狷介なプライドとは程遠くあり、 【誇り】と言うと違和感がありますので
○幸いにして彼女らは狷介な自尊心とは程遠くあり、  でどうでしょう
>>袁術が二歩も三歩もリードしている。  でも直感的な物が絡む内容だとたまに負けてそう
○袁術が二歩も三歩も先んじている。   もしくは【先を行っている】とかでもいいかな?
>>この上なく理想的なスパイラルを形成しているのだ。  スパイラルと言うかシーソーゲーム的と言うかライバル関係と言うか…全部カタカナじゃねえか!!
○この上なく理想的な形で切磋琢磨しているのだ。    【理想的な敵対関係】とかも考えましたが別に敵対はしてないし…理想的な【共栄関係】、【競争関係】あたりかなあ?

造られた英雄像からすればまだ【過ぎたるもの】と言うほどじゃないよね>>趙雲。実際?まあそれを言うなら劉備にはもったいないし
過ぎたるって言うなら親友二人の方がよっぽどなんだよなあ…引き上げた張紘はともかく沮授とかは・・・なお農徳新書作者の肩書
三尖刀は先代がものすごかったからね、やったことが万武不当だから仕方ないね
寝ながらおやつとジュースを飲む幼女たち…我慢できずに寝落ち…地図…アッ(察し
21 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/24(木) 21:31:41.27 ID:DXTBQe5c0
>>19
どもです。

>もっとあってもいいのよ
よし、増量だ(見切り発車)

>おじさんの汚れきった心を浄化してくれてます
浄化と言えばシーラ・ラパーナ様

タイトル案、ありがとうございますー
参考にさせていただきますが、風評被害すぎるわw

>>20
赤ペン先生いつもありがとうございますー
早い!

>最初に【李典】って出て自分でクスッとしてしまった
一ノ瀬のPCもそう変換してくるんや……w

>でも直感的な物が絡む内容だとたまに負けてそう
勘働きはそりゃあ孫家のお家芸ですものねぇ

>造られた英雄像からすればまだ【過ぎたるもの】と言うほどじゃないよね
下駄をどんどこ履かせている最中ですね

>過ぎたるって言うなら親友二人の方がよっぽどなんだよなあ…引き上げた張紘はともかく沮授とかは
まあ、その二人は部下ではないということでひとつ

>なお農徳新書作者
内政チートもの……に分類されるのでしょうか

>三尖刀は先代がものすごかったからね
先代に比べて当代は……w

>寝ながらおやつとジュースを飲む幼女たち…我慢できずに寝落ち…地図…アッ(察し
触れてあげない優しさが二郎ちゃんにはあります多分


22 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 09:44:34.49 ID:PsHNeLVp0
立てば害獣 座れば地雷 歩く姿は疫病神(ぱくり)

いつか使いたい言葉メモでした
23 :赤ペン [sage saga]:2018/05/26(土) 10:37:01.98 ID:6KJYaJQV0
立てば炸薬座ればボカン歩く姿は武器の鞘?(難聴感
24 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 11:59:27.08 ID:PsHNeLVp0
>>23
語源に響きが近い。お見事!

こういうの、才能だよなあ(妬み)
25 :赤ペン [sage saga]:2018/05/26(土) 14:53:57.64 ID:6KJYaJQV0
いや、才能以上に努力の方かな・・・まあ努力と言うか読書だけど
聞き覚えのある言葉が多ければそれっぽいのが頭の片隅から引っ張れるから
立てば爆発座ればドカン歩く姿は弓と矢だ。とか適当に入れると最後が微妙に安全っぽく見えたりする。でも最後に(JOJO感)と入れると印象も変わったり

そもそも才能の持ち主はこういうオマージュ()と同じくらいにオリジナルが上手い物なのです


『バカはバカさ。間違いもする。自分も見失う。信じて委ねてもバカを見るだけだ』

「そう言うと思いました。あなたはそういう人だ。 絶対に自分を見失わない。自分の理想を裏切らない。 だから誰の言葉も必要なく、誰からの助言も必要のない人だ」

人に頼ってばかりの主人公に対して、人格破綻してること以外はおよそ完璧超人な宿敵へのそいつの元配下(裏切り者)の言葉
実際何もかもが他人の上位互換に成れるようなチートって本質的には他人を必要としないよね
26 :赤ペン [sage saga]:2018/05/26(土) 15:05:44.02 ID:6KJYaJQV0
「『理想の私』が出来るまで、『私』を作ればいい。 『私』を素材として使い潰し続ければいい。簡単な話だろう?

 君達とは違い、『私達』は意味のないこだわりに行動を制限されたりはしないからね」

「健全な私が必要なら、その時新しく作ればいいじゃないか。何か変かね?」

「全ては私の勝利のためさ。

 そのために全力を尽くしているだけのこと。

 君達がかかずらっている物事に、私は囚われていないと言うだけのことだろう?」


自分のクローンを無限に作ってそれを弄繰り回して最強チートキャラを作ったお人の言葉・・・ちなみに既にオリジナルは死んでるらしい
27 :赤ペン [sage saga]:2018/05/26(土) 15:26:47.28 ID:6KJYaJQV0
あっと、主人公側の台詞も入れとくか
 

「バッカだなお前。 オレがオレの戦闘力や察知能力信じてるわけがないだろ。

 オレが信じてるのは仲間の強さだけだ。 自分にできないことは、自分より優れてる友達に補ってもらえばいいんだよ」

 「この他力本願がっ―――!」

「オレの強さを侮るのはいいが、オレの仲間の強さを侮ったやつは例外なく負けるんじゃ」

「かっちゃん絶好調だね。今何も考えず勢いで適当なこと喋ってるでしょ」


やっぱり主人公と敵は同じタイプか真逆のタイプだとストーリーが作りやすいらしい
28 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 21:19:04.91 ID:PsHNeLVp0
赤ペン先生であったか……

>そもそも才能の持ち主はこういうオマージュ()と同じくらいにオリジナルが上手い物なのです
なるほどなあと思いながら、頑張らないといかんなあという思いを新たにしたりしなかったりです

様々、考えながらふらふらしとります

>やっぱり主人公と敵は同じタイプか真逆のタイプだとストーリーが作りやすいらしい
相克があるとやはりわかりやすいですからねえ
似たもの同士の同族嫌悪よりもやりやすいだろうなあとは思います

今日はやるぞいっと

29 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 21:25:21.63 ID:PsHNeLVp0
如南。
袁術が太守に任じられ、その名代として袁胤が統治している地である。
その土地は袁家の統治により急速に治安を回復させ、発展しつつあった。

「袁胤様におかれましては、ご機嫌麗しく」
「ふむ、苦しゅうない」

四世三公。
輝かしいばかりの袁家の血筋。その中でも血筋で言えばトップクラスである袁胤は張勲の慇懃な礼を無造作に受け取る。

「ああ、張勲。いや、うちとしたことが間違えましたな。そこな女郎。ちょっとばかし調子乗っとんちゃうか?
 張家の当主とか、ちゃんちゃらおかしいわ。
 袁家に使い潰される道具ならそれらしく這いつくばっといたらよろしいねん」

玲瓏たる声。
それを張勲に浴びせるのは許攸。袁胤の腹心である。
その能力は疑いなく、将来袁家を背負うであろうと目される逸材である。

「これ、張勲は我らとその理想を同じくする間柄でおじゃる。
 麻呂に免じてこの場は治めるがよい」
「は。あい分かりましてございます。
 張家当主はん?えろうすんまへんかったな?」

にこり。
張勲は視線を許攸から、ゆっくりと袁胤に移す。

「それはご無礼を。
 ご指摘の通り、張家当主となったとは言え若輩の身。よろしくご指導ご鞭撻いただければ幸いです」

張勲の声に袁胤はほ、ほ、と笑みを漏らす。

「よい。麻呂は寛大じゃからの。そちの忠誠、期待しておるぞ?」
「はい。ご期待くださいませ」

あくまでにこやかで穏やかな張勲に許攸は舌打ちを一つ漏らす。
重ねるように咳払いを一つ。そして袁胤は再び口を開く。

「それはそれとしてじゃ、麻呂達はこれで不安定な身よ。
 流されているにも等しいでおじゃる。
 この状況はいつまで続くのかの?」

実際今のままでは袁胤は詰んでいる。袁家の中でも非主流派をまとめ上げてはいたのだが、手勢諸共如南に押し込められている。
このまま飼い殺し、或いは誅滅という可能性もないではない。
それでも田豊、麹義といった文武の要が袁紹を支持している中、非主流派をまとめ上げていた袁胤と許攸の手腕は特筆すべきものである。
そして今、田豊が引退し、その後釜に収まったのは沮授。能力はともかく若輩であり、付け込む隙はあろう。何より田豊を相手にするよりは易かろう。
欲を言えば麹義にも退場願いたいのだが。

「流石に田豊はんと麹義はん双方に喧嘩売るほど無謀やないですしなあ。
 せやけど、四家の当主も代替わりして威は低下しとる。
 筆頭たる文家は脳筋もええとこ、顔家は洛陽にあって影響力は低下しとる。
 紀家なんて上げ底もええとこやし、張家に至っては。はは、お飾りや」

じろ、と張勲を一瞥する。抑えるつもりもないのであろう。その視線には侮蔑の色合いが濃くにじみ出ていた。

30 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 21:25:49.16 ID:PsHNeLVp0
「んー、如南に流されて鬱憤溜まってるのは分かりますけどー。
 南皮にいるより色々と動きやすかったんじゃないですか?
 悪いことばっかりじゃなかったはずなんですけどねー」

その視線に困惑めいたものを浮かべながらも張勲は話を進める。

「好機であるというのには同意です。未だ袁紹の新体制は盤石とは言えません。
 そのために袁胤様たちを如南に追いやり、足元を固めているわけですから。
 なのでそろそろ動いちゃった方がいいかと思います」

張勲の声に袁胤は深く頷く。

「そうでおじゃるな。機は熟せり。いよいよ、かの。
 まずは美羽を確保するのが前提でおじゃるが、そこはどうするのじゃ?」
「はいー。美羽様もそろそろ一度は如南を視察した方がいいということで、こちらに向かう計画は出ています。
 それをきっかけに動くことを想定していますね」
「なら邪魔な紀霊が帰ってくる前に動いた方がよかったんちゃうんか?」
「いえ、それは得策じゃないですね。美羽様が如南に囚われていると知れば、手段を選ばないでしょう」

くすり、と笑う張勲を許攸は睨みつける。

「やったらなんやっちゅうねん。あの単細胞に何ができるかいや。
 ここ如南は袁家の領域やない。軍を派遣するなぞできひんし」
「あの人ならやりかねませんけどね……。まあそれは置きましょう。
 きっと袁家最高戦力を動員するでしょうね。ことによったら外部から手を借りるかもしれません。
 袁家からはそうですね。文醜、顔良、趙雲、典韋。手の内にある孫家からは黄蓋、周泰、ことによったら孫策に甘寧。
 交流のある曹操からは夏候惇、夏侯淵。もしかしたらたら馬超や馬岱。ひょっとしたら馬騰すら参戦しかねませんよ?
 ああ、董卓配下の張遼に……呂布すら来るかもしれませんね。
 二十に足りない一行ですが、いや、正直考えるだけでおしっこ漏れそうですね?」

二十名足らずの一行の動きを規制や把握なんてできませんからね、と張勲は笑う。
そして挙げた人名への反応で相手の認識を引き出し、満足する。まあ、こんなものかと。

「まあ、ええやろ。紀霊の恐ろしさはその交友範囲やっちゅうことやな。
 やからおびき寄せて誅滅すると。それはええわ。実際どう始末するかやけども。
 此方からは五千までは出せる。後は賊の仕業にでもするんか?」
「妥当ですね。最悪暗殺ということになりますけど」

張勲の言葉に許攸は首をかしげる。

「そないに簡単にいくんかいな?」
「ええ。眠らない人、物を食べない人はいませんから。
 そのために私は身体を重ねているようなものですし」

くすり。
その笑みの凄味に流石の許攸も息をのむ。
辛うじて売女め、とつぶやき平静を保つ。


「ふむ、邪魔者の紀霊を排除したらどうするのでおじゃるか?
 賊の仕業にしても暗殺するにしても張家は責められよう」

袁胤の指摘はもっともである。どちらの方策で紀霊を排除するにしても諜報を司る張家の権威の失墜は免れない。

「その責は私が取ります。
 張家当主は弟の張?に。
 私は美羽様の慰撫に努め、表舞台には立ち戻りません」

31 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 21:26:17.04 ID:PsHNeLVp0
ふむ、と袁胤は頷く。
そして紀霊亡きあとの絵図を示させる。

「如南は数年にて荊州へ或いは益州へ入ります。
 言っても如南は袁家の治める三州に近いので。
 その手の及ばないであろう土地に州牧として参ります」
「ちょい待ちぃ。そないなこと、上手くいくんかいな?」

州牧の地位などそのように軽く手に入るものではない。許攸の疑問はもっともである。

「大丈夫でしょう。美羽様が荊州牧になることまでは既に何進大将軍からも認可を得てますからね。
 むしろ反対勢力なんてないのでは?」
「……なるほどな。十常侍も賛成に回るっちゅうことかいな。
 何進からしたら筋書き通り。十常侍からしても大きくなり過ぎた袁家が割れるのは歓迎。
 せやな?
 荊州ならば袁紹が兵を発しても孫家を。あの戦闘集団を盾にしたらええ」

にこり、とほほ笑む張勲に袁胤は破顔する。

「ほ、ほ!
なるほどの。確かに確かに。十常侍が袁家を敵視するのはその隆盛が故。
 故に麻呂が袁家を割るのは歓迎されるのう。
 何進としても、十常侍を排除した後は袁家が疎ましくなろうて。
 ふむ、見事じゃ」
「はい。袁紹はともかく、袁胤様と敵対する理由は何進、十常侍ともにありませんし」
「よく分かっておるの。そういうことよ。隆盛極まれば排除されるのみよ。
 栄えるのはよいのでおじゃる。じゃが、紀霊はやり過ぎたのでおじゃるよ。
 手を組んでいる何進とて十常侍が亡びれば次は袁家でおじゃろう。
 その程度のことも分からんから紀霊は阿呆なのでおじゃる」

中庸、というものを考えろと袁胤はぼやく。

「よい、詳細は許攸と詰めよ」

優雅な所作で袁胤は室を去る。

「ほんなら、まあよろしゅう頼むで、お飾りの張家当主はん?」
「はい、張家当主としてお会いするのはごく短い間になりそうですね。 
 よろしくお願いしますね」

嗤う許攸とほほえむ張勲。

二人の様子を袁胤は満足げに見守るのであった。

32 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 21:26:45.26 ID:PsHNeLVp0
◆◆◆

「さてさて、そろそろ南皮に帰りますか。
 ああ、美羽様お元気かなあ。きちんとご飯食べてるかなあ。
 蜂蜜水ばっかり飲んでないかなあ。
 田豊様に苛められてないかなあ。
 涙目な美羽様も可愛いけどなあ」

くすくす、と張勲は主君の愛らしい顔を想像して頬を緩ませる。

「姉上、よろしいか」
「はいはーい、なんですか張?くん?」

音もなく、いつの間にか姿を現していた張?。彼の長身に驚いた風もなく応える。

「は、鼠がいますが、いかがしましょうか」
「あら、これは気づきませんでしたね。流石は張?くん。すっかり穏行系についても置いてかれましたかね」

特に気にした風もなく張勲は微笑みながら思いを巡らす。

「どこの手の者かは分かりますか?」
「は、おそらく袁胤殿……いや、許攸殿の手の者かと」
「なるほどですね。まあ、信用されていないのは知ってましたが……。
 南皮にでも向かわせればいいのに、足を引っ張り合ってどうしようというのでしょうね」

くすくす、と可笑しげに笑う。

「やはり刺激せぬよう、泳がせたままでよろしいか」
「いえ、処分しちゃってください」
「……よろしいので?」

ただでさえ微妙な関係なのだ。こちらから仕掛けるのはまずかろうとこれまでも見逃してきた張?である。

「構いませんよ?ただし条件が一つ」

ぴ、と指を一つ立てて厳かに命じる。

「一人たりとも逃がさぬように、です」

ぞく、と背筋にうすら寒いものを感じながら張?は首肯する。

「承りました。では、行きます」
「あら、張?くん自ら行くの?」
「ええ、此度は私一人で十分です」

す、とその場から張?は姿を消す。

「まあ、張?くんなら間違いはないか。よ、殺人鬼!こわいぞー」

くすり、と笑いを漏らす。
こちらに送り込むというからには精鋭のはずである。
それが許攸の手の者ならよし。他勢力であってもまあ、問題はない。

情報源を張家以外にも持とうとするのはごく自然な思考ではあるが、放置してよいこともない。
張家当主たる自分を探らせるのであればおそらく一流の細作であろう。
が、張?にかかっては一山いくらの有象無象にすぎないはずだ。

「あまり侮られても困りますし、ね」

さて、それは誰に対しての言葉か。
くすり。
いつも通りに笑みを浮かべて彼女は歩き出す。
絡み合う糸を紡ぐ彼女こそは絡新婦。
袁家の闇を担う張家の最高傑作である。
天下すらその手に転がすことさえ可能な、規格外の化け物である。
33 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 21:27:54.65 ID:PsHNeLVp0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

タイトル案はなー

「女郎蜘蛛の理:如南にて」

ううむ。今ひとつなのでお知恵をよこせください
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 22:31:35.70 ID:wse8hUE6o
乙です。
やはりここの張勲はいい…暗い笑みがこっちにまで移りそうだぜ

タイトル案はパッと見罠か裏切りかまだ分からない内容を、蜘蛛の縦糸と横糸の性質の違いにかけて
「如南の蜘蛛糸は縦か横か」
なんて投げておきます
35 :赤ペン [sage saga]:2018/05/28(月) 18:11:14.05 ID:AJpe+6/f0
乙でしたー
>>29
>>その中でも血筋で言えばトップクラスである袁胤 そもそも作中に出てる袁家で存命が確認できるのは3人しかいない気もするけど
○その中でも血筋で言えば最上位である袁胤    それはそれとして日本語訳・・・あるいは【最高峰】とか?
>>麻呂に免じてこの場は治めるがよい」  これは()を入れるとこの場は(矛を)おさめるがよい・・・ちなみに第3者(この場合は袁胤とか)の場合は治めるかも
○麻呂に免じてこの場は納めるがよい」 実際に剣を出してるわけではないですが(強いて言えば舌鋒?)納刀するイメージでこちらですね、あるいは納得
×麻呂に免じてこの場は収めるがよい」 ちなみにこれだと収集を付けることになりますが自分から噛みついた人がすることではないので違いますね
>>30
>>もしかしたらたら馬超や馬岱。 彼女の場合違和感はありませんが
○もしかしたら馬超や馬岱。   一応【たら】が一回多いですね
>>その笑みの凄味に流石の許攸も息をのむ。 流石のって言うほど胆力あるように見えない不具合・・・袁胤が息を飲んだら【流石の】って感じだけど
○その笑みの凄味に流石に許攸も息をのむ。 流石に(調子に乗って軽く見ていた)許攸も〜と言うならこうですね
>>32
>>彼の長身に驚いた風もなく応える。  これだと【彼の体の大きさに驚いた風も無く】っぽく読めるので
○彼の影に驚いた風もなく応える。   人影とかの感じで【突然現れたこと】に驚かないならこんな感じでどうでしょう
>>足を引っ張り合ってどうしようというのでしょうね」  細かい事ですが張勲は(まだ)袁胤陣営の足は引っ張ってないですし仮に引っ張っててもそれを認めないし口にもしないんじゃないかな
○足を引っ張ったりしてどうしようというのでしょうね」 だって引っ張り合いだと【どうしようというのでしょうね】がブーメランですから

ふむふむ、この二人はなんだかんだで汝南を発展させるほどの内政手腕の持ち主と、能力は疑うことなく将来の袁家を背負うほど。か
その前提で読むと許攸の行動もどこまでが素でどこまでがワザとなのか・・・少なくとも許攸の舌打ち→袁胤の咳払いは胡散臭いな
あとは侮蔑の色をにじませてる視線も無駄が多いし・・・いくつかは袁胤の指示が混じってるんだろうな、
ここまで敵意むき出しならそりゃ張ゴウ君もネズミの飼い主は許攸だと思うわ、多分事実許攸だろうし・・・袁胤がどこまで分かってるかは分からんなあ
ここまで一応とはいえ仲間の超勲に敵意むき出しの許攸、しかも最初の方で袁胤から窘められても変わらない・・・こーれーはー
36 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/28(月) 21:19:59.89 ID:pH9Pbqs20
やる気が出ているのは皆様のコメントのおかげ。
これははっきりしております。ありがとうございますー

>>34

>やはりここの張勲はいい…暗い笑みがこっちにまで移りそうだぜ
作中最強格キャラですからね。
その格を感じられるように頑張りまし

>「如南の蜘蛛糸は縦か横か」
いい……

もらうかもです

>>35
赤ペン先生いつもありがとうございますー

>その笑みの凄味に流石の許攸も息をのむ。 
なるほど、確かにですね

>ふむふむ、この二人はなんだかんだで汝南を発展させるほどの内政手腕の持ち主と、能力は疑うことなく将来の袁家を背負うほど。か
旧作より強化されております。

>その前提で読むと許攸の行動もどこまでが素でどこまでがワザとなのか・・・少なくとも許攸の舌打ち→袁胤の咳払いは胡散臭いな
鋭いです。
そこについては駆け引きがあるということですね。読み取って頂きましてありがとうございますー
ネタバレになりますが、こっから盛り上げていくところもあるのかなとか

>ここまで一応とはいえ仲間の超勲に敵意むき出しの許攸、しかも最初の方で袁胤から窘められても変わらない・・・こーれーはー
マウンティングというっやつかな……
だって落ち目ですものね、彼ら

というのを読み取れるようにせんといかんであろうというのと、もやもやしてもらったほうがいいのかなあとかなんとか思いながらつづくー

37 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/04(月) 22:41:45.31 ID:WfoahdMb0
洛陽。400年にわたりその命脈を保っている漢王朝の首都である。
その中心の禁裏こそはこの中華の中心。魑魅魍魎が闊歩する伏魔殿である。
現在その主たる皇帝は病篤く、実権は大将軍たる何進が握っている。
「肉屋の倅」と蔑まれているがその手腕は確かであり、現在漢王朝を実質的に支えているのは彼とその一派である。
彼を敵視する十常侍すら手出しできないだけの権勢。そしてそれは時が進むにつれ確固たるものとなっていく。
そして今上帝の皇后は何進の妹であり、その嫡子は次期皇帝の最右翼である。
もっとも、その嫡子である劉弁の評判は必ずしも芳しくはない。

惰弱、優柔不断、怠惰。

対して対立候補である劉協の明敏さは知れ渡っている。
董皇太后が自ら教鞭を振るったとも言われており、心ある士大夫は劉協を支持している。
厄介なことに十常侍も劉協を支持しており、後継争いは混迷している。
で、あるから清流派とも呼ばれる士大夫の一派はどちらに与することもせず静観している。

何進の勝ちは見えてはいても、庶人と侮った男におもねることは彼らのプライドが邪魔をし、むしろ劉協を支持することを理由に十常侍に与する者も少なくなかったのである。
それが一変したのはやはり袁家の影響力であろう。
四世三公という名門の血統、抱える武力、名声。
それが何進と組んだのである。
元々目端の利く士大夫は何進の有利は予見していた。が、プライドが邪魔をして勝ち馬に乗ることができなかったのである。
それが、あの名門の袁家が膝をついたのだ。
雪崩をうつように膨れ上がる勢力に何進は笑いが止まらない。
だが、と華雄は思うのだ。

「何か言いたげだな?」

それを見透かしたように何進は問いかけてくる。
自らの抱える疑問を上手く言葉にできるであろうか。そんなことを思いながらも華雄は口を開く。

「は。いささか疑問があります。
 今上帝の後継たるは劉弁皇子と劉協皇子。しかるに、その素質を比べると、その……」

流石の華雄が言葉を濁す。
想えば目の前の男の甥にあたるのだ、劉弁は。

「く、ハ。何を言うかと思えば。くだらん」

ばっさりと切り捨てるその言葉に華雄は首をかしげる。

「劉協が小利口であるというのは知っている。
 が、それがどうした。
 皇位を継ぐのは我が甥劉弁だ。それはもう決まっている」

にやり、と獰猛な笑みを見せる何進。

「む。だが……」
「劉弁にはろくな噂はないだろうからな。
 それはいい」

華雄は流石に言葉を喪う。

38 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/04(月) 22:42:12.12 ID:WfoahdMb0
「あれが自分の判断すらできん愚物であるのは確かだ。
 俺がそう作り上げたから、な」

ニヤリ、と笑う何進の凄味。
華雄は戦慄する。絶句する。
そして、その言葉の意味を理解し、自失。

そして激昂。ほとばしる激情。

「な、何とおっしゃるか!漢朝を背負う方を愚物に仕立てたと、そう、おっしゃるか!」

その声に何進はそれでも応えるのだ。
静かに。笑みをたたえて。

「ああ、そうだよ。その通りさ」


何進が漏らした言葉。それに華雄は激昂する。
その様子に何進は笑みを深める。

「だからお前は阿呆なのさ」

ククク、と笑いながら、どこか興に入ったのだろう。声を上げて笑う。
愉快そうに、楽しそうに。

「む、貴方はそうやっていつだって私を馬鹿にして!」

漏れる声には悲痛さすら漂う。

「はは、よくもまあ、恥を晒すな。
貴様はそれでいいのさ。それでいいのだよ」

何進のその言。それは彼女を軽んじるものだが、その表情はそうではなかった。

 「俺はこの漢朝を立て直す。それは旧態依然な士大夫には無理なのさ。
だから反発もあるだろう。
 だから権力が必要なのさ。
 だから俺は劉弁を愚物にしたのさ。
 ……あれで可愛い甥だ。排除したくはないからな。
 そして、あいつはあれで弁えているぞ?
 あれを愚物、と言う奴こそ哀れさ。
 あれはあれで俺の甥だ。いざとなれば。いや、これは俺の言うべきことじゃあないだろうな」

いつになく上機嫌な何進に、華雄の戸惑いは深まる。

「劉協は確かに傑物かもしらんな。だが、まだ未完の器よ。それに惹かれるのもいいさ。
 が、あまりに潔白だ。そしてあまりに露骨だ。
 ああ、それはいい。いいんだ」

39 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/04(月) 22:42:44.89 ID:WfoahdMb0
何進はニヤニヤとしたその笑みを深める。

 「ただ、俺を敵としてしまった。これはいかん。いかん。
 これは流石に致命的だったな」

肉食獣の笑み。
捕食者の笑み。

「どうせ劉協には未来はない。
 どうせなら俺が引導を渡してやるのが慈悲というものさ」
「む?」
「カハ、劉協は有能さ。英傑たる素質もある。
 だがな、誰がそれを望む?
 万が一に俺を謀殺して権力を手にするとしよう。
 ならば次は十常侍と争うだろうさ。 
 あの坊やは有能すぎるからな。あれはいかん。直に十常侍と食い合うだろうさ」

ククク、と愉快そうに笑う。

「十常侍に勝ったとして誰が付いてくる?
は、誰もいないさ。
 いっそ哀れというものさ。きっと理想に囚われて溺死するだろうな。
 漢朝、この中華を道連れに、な」

かか、と高らかに笑う。

「だから劉弁は愚鈍でいいんだよ。何事も自分で決められず、右往左往し、俺に裁可の是非を問う。
 それでいいんだよ」

例え自分が退場しても、その特異性故に最後まで生き残るであろう。
漢王朝の権威を継承するために。

「クク、俺らしくもねえ。
 淀んで、腐って、無能の極み。
 時代の流れを分からん士大夫などには世を任せられるかよ。
 クハ、笑わせるな……!」

高らかに笑い、気炎を吐く。

「は!は!
 もうすぐ、もうすぐだ。もうすぐ俺の思うように世は動くさ。
 ようやく、ようやくだ……」

気炎万丈とはこのこと。さしもの華雄も、以降口を挟むことはできなかった。

40 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/04(月) 22:45:39.09 ID:WfoahdMb0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名はなんだろなあ

洛陽の汚泥
汚泥
栄華

うむ。いつも通りいまいちやで

深刻に絶望なので、いくつでも案くだしあ
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/04(月) 23:06:26.14 ID:/Jto8ufxo
乙です
何進さんまじ悪のカリスマ
そして劉協くんは才はあっても機と人がないのだなぁ、まあ有能で潔癖な君主が活きる機なんてほぼないのだけれど

タイトル案は
『洛陽の裏に何が嗤うか』
とでも投げておきます
『何』の字を『なに』と読むか『か』と読むかはご自由に、ということで
42 :赤ペン [sage saga]:2018/06/05(火) 15:07:16.47 ID:BOs4bT950
乙でしたー
>>37
>>その中心の禁裏こそはこの中華の中心。魑魅魍魎が闊歩する伏魔殿である。  前の話と後の話が繋がってるので
○その中心の禁裏こそはこの中華の中心、魑魅魍魎が闊歩する伏魔殿である。  の方がいいと思います、あるいは【…】とか【---】でつなぐとか?
>>庶人と侮った男におもねることは彼らのプライドが邪魔をし、 誇りって言うほど綺麗なもんでもねえよなあ
○庶人と侮った男におもねることは彼らの自尊心が邪魔をし、  でどうでしょう
>>が、プライドが邪魔をして勝ち馬に乗ることができなかったのである。  同上で
○が、自尊心が邪魔をして勝ち馬に乗ることができなかったのである。   直訳すると【傲慢さ】だっけか
>>流石の華雄が言葉を濁す。  こいつってそんなに空気読めないっけ・・・読めないな!(原作をちら見しつつ)
○流石の華雄も言葉を濁す。  ()を入れると流石(歯に衣着せぬことで有名な)の華雄も みたいな?【流石の〜】は普通ならしない(できない)ことをする(できる)ので【流石の○○も】が一般的ですね
例えば【流石の呂布もひとたまりもない。】とか【流石の孔明も策に嵌まった。】とか【流石のガンジーも助走付けてぶん殴る。】とかなんかそんな感じで
>>想えば目の前の男の甥にあたるのだ、 思想とか…ちょっと説明しづらいですが《主観的に心が揺れ動く場合》に使うのが【想う】な感じですね【あなたを想って夜も眠れません】みたいな
○思えば目の前の男の甥にあたるのだ、 思考・・・要は【考えてみれば】と言い換えられそうな場合はこちらですね
>>「劉弁にはろくな噂はないだろうからな。  それはいい」  〜だから。それはいい。 だと違和感が
○「劉弁にはろくな噂はないだろうがな。  それはいい」   悪いところはあるが、それは(どうでも)いい というならこう
○「劉弁にはろくな噂はないだろうからな。  それでいい」  ろくでなしだからこそ、それで(俺にとっては都合が)いい と言うならこんな感じですね
>>38
>>そして激昂。ほとばしる激情。 〜それに華雄は激昂する。  なんとなくですが近い所で2回もすると軽くなるというか華雄が単なる癇癪持ちっぽくなるので
○そして激発。ほとばしる激情。 〜それに華雄は激昂する。 まあ適当に、とりあえず別の言葉に言い換えてみるあとは【激憤】、【激怒】、【爆発】でも文章から読み取れるかな

でも史実だと劉弁って董卓によって隠居!からの突然の死!なんだよなあ・・・ついでいうとこの頃の劉協君はまだ一桁才のはず…それで多少の才気が有ってもなあ
そもそも誰が教育するのか、教育係を任命するのかを考えると…何進OR十常侍(の息のかかった人)あっ(察し 不可避よね
多分無能な怠け者と無能な働き者の兄弟だったんじゃないかなあ・・・董卓の強硬な凶行を見るに下手したら有能な怠け者の可能性すらあるで劉弁
ここで史実董卓さんにクエスチョン;何進が十常侍に殺され、その十常侍を粛清して実権を握った状態で何故無能な兄をわざわざ隠居させて有能な弟を頭に据えたんですか?(配点;特になし)
まあココは恋姫世界だからね、ふわっとふわっと・・・ただ劉協有能説は胡散臭いのよね、多分何進への反発から劉弁sageして劉協ageしてただけじゃないかなあ
だって有能って言ったって具体的に何ができるのよ?ってね。詩、算数、乗馬?それ皇帝に必要な能力なんですかねえ
43 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/05(火) 21:57:56.94 ID:8lQBu6mb0
>>41
どもです。

>何進さんまじ悪のカリスマ
正直何進さんは凡将伝の差別化ポイントでもあるのだなあと思ったりしました。
いや、当初そんなつもりなかったですけどね。
おおむね好評で嬉しい限りす

>劉協くんは才はあっても機と人がないのだなぁ
中々難しい立場ではあるのですがね。ままならんものです。

>>42
赤ペン先生いつもありがとうございますー
早い!

>誇りって言うほど綺麗なもんでもねえよなあ
自尊心、なるほど!

>【流石のガンジーも助走付けてぶん殴る。】
これ私の癖ですというか、こういうネタ仕込んでるの、好きですw

>劉弁って董卓によって隠居!からの突然の死!
これはもう間違いなく魔王董卓ですわw

>董卓の強硬な凶行を見るに下手したら有能な怠け者の可能性すらあるで劉弁
>強硬な凶行

>ここで史実董卓さんにクエスチョン;何進が十常侍に殺され、その十常侍を粛清して実権を握った状態で何故無能な兄をわざわざ隠居させて有能な弟を頭に据えたんですか?(配点;特になし)
これはほんとうに謎ですね。色々と面白い仮説とかありそうです

>・ただ劉協有能説は胡散臭いのよね、多分何進への反発から劉弁sageして劉協ageしてただけじゃないかなあ
結果論ですが、禅譲した皇帝が無能じゃまずいのじゃないかなあという忖度感
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/06(水) 23:36:24.20 ID:r8jYl2jY0
ちくせうだめだかけねー(挨拶
>>1や今回のクrもといドラ何進さんみたいにかっこよく量産できればいいのに
玉璽なくても何進さんのカリスマがビリビリ感じられました

つーことでテンション上げるために聴いてた曲から連想してみたラフなぞでお茶を濁しておきまする
いちおー描いてはいるのよ?的な意味で(汗
ttps://www.axfc.net/u/3913378 (ヒント:曹操の真名アルファベット5文字)
45 :赤ペン [sage saga]:2018/06/07(木) 16:21:43.76 ID:e5sRW0OB0
最後の手前あたりでエラーになる・・・サイトがメンテ中?まあ夜にでももう一回やってみよう

>強硬な凶行 ・・・一ノ瀬さんのドS!!私の心は深く傷つきました(目薬)特に謝罪はいらないので惇ネエと次郎と猪々子辺りでお互いの治めてる町案内を書いてください(ワンブレス)
46 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/07(木) 20:16:59.33 ID:HrC3rGkJ0
>>44
み、見れません

何回かトライしたけどあかんかったやで

>>45
>一ノ瀬さんのドS!
えひゃひゃ

>惇ネエと次郎と猪々子辺りでお互いの治めてる町案内を書いてください(ワンブレス)
これ、二郎ちゃん以外は政治に興味ない人らやん!
まあ、治安の方でワンチャンあるかな?

つまりデートかな?
47 :赤ペン? [sage]:2018/06/07(木) 22:06:59.85 ID:e5sRW0OB0
だって隠れ家的なお店とか馴染みの酒屋とかリーズナブルなのに詳しそうじゃん
なんとなくあの二人が揃ったら飲み勝負とかしそうなイメージ
48 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/07(木) 22:13:52.37 ID:HrC3rGkJ0
>>47
ああ、三人で行くのですね
それは普通に楽しい旅番組ができそうっすね

アド街になるか、夕焼け酒場になるか……
あんまり変わらないか
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/07(木) 22:26:28.41 ID:/Tgp/YUy0
鯖の調子が悪いようです
別所にうpしてみて大丈夫だったのでお手数ですがこちらでどうぞ
ttp://fast-uploader.com/file/7083933421188/
50 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/07(木) 22:31:40.55 ID:HrC3rGkJ0
>>49
見れました!保存しました!
ありがてえ、ありがてぇ……

これはりりしい華琳様。これには姉者もうっとりやで!
なお二郎ちゃんはそっとその場を離れる模様

だってこの後ニヤリとしながら無茶ぶりされるに決まってるやん……
51 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/07(木) 22:32:42.92 ID:HrC3rGkJ0
ん?でもはおーにしては胸部装甲がご立派な気も……w
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/07(木) 22:51:27.00 ID:/Tgp/YUy0
見られてよかったです
絵師さんそれぞれではあるのですが、おっきく描くと(特に正面からの場合)、
上半身の骨格と筋肉を(胸で見えなくなるので)あんまり考えなくてよくなるので楽だったりします
今回のは素材として使うときに映らなくなる想定だったのであんまり考えずに標準サイズで描いてしまいましたww

二郎さんの食糧増産体制が間に合った結果こうなったってことでも可ww
戦国で絵柄変わった上に装甲がほとんど軒並み低下してるので正直消化しきれてない私
53 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/07(木) 22:59:12.04 ID:HrC3rGkJ0
>>52
ほんまありがとうございますー

>上半身の骨格と筋肉を(胸で見えなくなるので)あんまり考えなくてよくなる
はえー。すっごい。
そんなとこまで考えてるのだなあと感心しきりですだよ

>二郎さんの食糧増産体制が間に合った結果こうなったってことでも可w

でも幼少時より麗羽様のご立派なものを日常的に見てたらコンプレックスにはなってそう

絵柄の変化ですか。
すごいなあ。文体の変化とかあまり意識してないという意識低い系ですがお見捨てなきようオナシャス
54 :赤ペン [sage saga]:2018/06/08(金) 15:44:56.89 ID:2pdSasap0
関係ないことだけど傾向進化によって人間の悪意を研ぎ澄ませた6って人間の強みである年中発情期の高い繁殖力も遺書に研ぎ澄ませてそうよね
そして当然その血はその子供にも遺伝して・・・別にこことは何の関係も無いことだけど
55 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/10(日) 22:21:16.30 ID:DN/WNsTu0
そのはっそうはなかった

ただの床上手(テクニシャン)ではなかったのか……w
56 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/11(月) 18:09:32.84 ID:ytKiUPFJ0
定食までいけたからいいかな(艦これ)
米がめっちゃ余ってるんだけどどうしたらいいのこれ
57 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/13(水) 22:35:47.74 ID:JQ/Eu+lG0
「だからね、沙和は言ってやったの、『お嬢ちゃんたちにはちょっと早いんじゃないかなー』って」
「せやなあ、いくら背伸びしたいお年頃やからってちょーっと。ちょっとばかしおませさん過ぎやわな。
 つ、艶本はなあ。流石にあかんやろ。
あ、お姉ちゃん、こっちにお酒と料理追加なー」
「ま、真桜。少しは遠慮というものをだな」
「ええやんええやん。お大尽様のありがたい。ありがたーいお下知があったんやし、遠慮なくご馳走にならな失礼にあたるって」

はい、女という字を三つ重ねれば姦しくなるというわけで。
最近影の薄い二郎です。
でもね、それでいいのだ。美少女たちにたかられるくらいでいいのだ。
なので一言。

「ああ、遠慮せんでいいからね。俺がお邪魔してる立場だしな」
「流石二郎はん!太っ腹!男前!」

いや、せっかくのご飯なら一人で食うより美少女たちと食う方が楽しいしね!

「でも、相変わらずなの。
ふらふらしてて羨ましい身分なのー」
「わはは、妬ましかろう、羨ましかろう」
「開き直るにもほどがあると思うのー」

わいのわいのと賑やかな会話。それをさりげなくリードするのは沙和である。
会話をしながらも料理を取り分けたり、空いた杯に酒を注いだりと気遣いのも欠かさない。こういう存在って結構貴重なのよね。
そういや、近頃はファッションリーダーとしてもその地位を高めつつある。
最近は麗羽様をコーディネイトしたりもしているらしい。今度、どう褒めたらいいかとか相談しようかとも思っている。

「しかし今更だけどよかったの?三人で休み合わせてのお昼だったのに」

偶然街で出会ってごらんの有様かつ、ごらんのスポンサーなわけである。

「ええねんええねん。二郎はんとも久しぶりやしなー。
 さぞかし旅先でも相当はっちゃけてきたんやろ?そこらへんも聞いといて損はあらへんし」
「そうなのー。二郎さまの土産話は皆興味津々なのー」
「二人とも、不躾すぎだろう!」

凪がかばってくれるのだが、さて。

「や、別に隠すことは……」

別に、ないよな?何かオープンになって困ることってあったっけか?

「なんや後ろ暗いことあるんかいな?」
「いや、隠した方がいいことあったかなあと。正直よく分からん」
「なんやそれ」

呆れてますね。うん。俺も自分でどうかと思う。

「や、ほら、結構色々あったし、割と皆に手紙で近況報告とかしてたからさ。
 誰に何を知られてるとか正直よくわからん」
「……それ、威張ることじゃないと思うのー」

58 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/13(水) 22:36:19.41 ID:JQ/Eu+lG0
ぐうの音も出ない正論である。これには俺も苦笑い。

「せやけどうちは近況報告の便りとかもらってへんで?
 あれせい、あんなん造ってみろ。
みたいな思いつき全開な書き付けしかもらってへんで」
「沙和はそもそも一通も貰ってないの……」

そうだっけか。

「おや〜?凪、どしたん?顔が、赤いで?」
「な、なんでもない!」
「これは怪しいのー。きっと二郎さんからのお手紙を結構な頻度でもらっていたに違いないのー」

あー、こん中じゃ凪に一番出していた……気がする。

「ぐ……。いや、その……。あ、二郎様、お返事も出せませんで申し訳ありませんでした!」
「いや、返事は流石に無理だろうさ」

俺の方は旅の空であったからして。
なんで凪テンパってんの?

「ふぅ……。ご馳走様、なの」
「ほんまやわー。もうお腹いっぱいやわー」
「あらま、もういいの?もっとガンガン食っていいのよ?」

え、何で呆れたような目線が来るの?
溜息とか、どしたの?幸せが逃げるぞ?

「凪ちゃん、応援してるの……」
「難敵やな。ここは一服盛るしかないんちゃうんかなあ」

何かぶつぶつ言ってるし、凪は顔赤いままだし。
どういうことなの……。

59 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/13(水) 22:36:49.02 ID:JQ/Eu+lG0
◆◆◆

ある晴れた昼下がりのことである。市場へと続く道。
常ならば徒歩か騎馬にて向かう公孫賛は馬車の揺れに身を任せていた。

「お、落ち着かないなあ……」

もぞ、と幾度目か座りなおす。上質の敷物で振動は吸収されており、常のものとは違った快適な乗り心地なのだが、それすらも文字通り尻が落ち着かない要因であるらしい。
手元の書類に目を通しながらもどこか落ち着か投げにきょろきょろとする。

「な、なあ、韓浩」

無言で書類を渡してくる腹心――ただし借り物だが――に声をかける。
声をかけられた相手は無言で続きを促すという器用なことをする。このあたりの呼吸はもう阿吽と言っていい。

「やっぱり私にこういう大仰なのは合わないから、さ。外出てもいいかな?」

淡々と韓浩はその問いに応える。

「少しはわきまえてほしい。政務は最近滞りがち。魯粛が帰還したからそれはいい。正直公孫賛殿の手際。その進歩は賞賛していいと思う。
 だが、市場の視察、民の慰撫を強く望んだのは貴女。それはいい。が、この段階での実施には制限が付くのは当然。
 こうして移動時間を政務に宛てるべきと愚考する」
「ま、まあそうだよ、なあ……」

がっくり、と肩を落としながらも書類に目を通す様子は生真面目そのもの。ここらの態度の違いは実に興味深いな、などと韓浩は内心で思ったりしているのだが無論そのような素振りは全く見せない。

「移動にしても、もう少し威儀について考慮すべき。貴女は余りにも気安い」

続いて出る苦言に公孫賛は苦笑する。
が、彼女はそれを尊いものとする。だってこの、目の前の鉄面皮で遠慮の欠片もない少女――無論韓浩のことである――は本来他人に興味など示さない。言われたことを淡々とこなすだけの存在だったのだ。
それが今では自主的に苦言をくれるまでに自分を気遣ってくれる。苦言を呈される度に緩む頬を引き締めるのが大変なほどだ。
亀裂を生まないであろうじゃれ合いだと思っているのは自分だけだろうか。

「そうは言ってもさ、こう、書類を見てばっかりじゃあ民の顔も見れないじゃないか」
「必要ない。民が満足しているかどうかは犯罪の件数、納税の進捗(しんちょく)を見ればいい。数字は嘘をつかない」
「ふふ、相変わらずだな」

不思議そうな韓浩に口元が緩む。そして、彼女が口にしたことを茶化すつもりも否定する気もないが、いささか極端だとも思うのだ。
だからまあ、自分みたいな甘ちゃん、為政者初級者にはちょうどいいのであろう。
それがいいか悪いかを判断する材料すら公孫賛は持ち合わせてはいない。が、施政に破綻の兆しすら見えない現状を鑑みればこの無愛想な腹心の言は尊重すべきであろう。

「……貴女はいずれ州牧になる。もう少し自らの威、権威について真剣に吟味すべき」

ちらりと視線は公孫賛の剣に。

「んー、韓浩が言うのはこの剣か?まあ、確かに普通の剣だよ。それこそうちじゃ兵士が使ってるような、ね。
 でも、私はこれでいいと思ってる。実用一辺倒で装飾の欠片もない剣だけど、だからこそ、さ。
私はこれを持ちたいと思ってる」

笑うその顔には普段の彼女が求めても得られないであろう威厳すら漂って。

「……了解した。そこまでの覚悟であれば私から言うことは何もない」
「うん、すまない。苦労をかける」
「認識しているのであれば改善を願いたい」
「すまん!無理だ!」

呵呵大笑。

これはこれで一つの在り方であるのかな、と韓浩は思う。
思えば自分も少々毒されたのかもしれない。

不思議なことにその認識は不快ではなかった。

微かに、ほんの微かに韓浩は唇の両端を吊り上げる。無意識に。
それは世間一般的には「笑顔」と言える表情である。が、それを観測する存在はその場にない。

「韓浩の笑顔」

黒い白鳥と並んで、この世にないもの、と例えられる言葉である。
60 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/13(水) 22:38:01.65 ID:JQ/Eu+lG0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

タイトル案
「凡人と三人娘」
「笑顔」
「遠くにありて思うもの」

うむ。いつもどおりいまいちなので絶賛募集でございおまする
61 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/06/17(日) 15:09:46.66 ID:7/WqfeCO0
新スレ立て乙です。
さらっと一気読みしましたが、前兆というか裏話というかそんな感じですか。

>中庸、というものを考えろと袁胤はぼやく。
もっと言ってやって、袁胤様。極端な守りはそれで困るが、これからの二郎さんは中枢に立つ身。もうちょっとだけ成長して欲しい。
で、袁胤様。いつでもこちらにお越しください。貴方みたいな老獪な政治家は必要なんです(直球)
許攸さんは多分張勲さんの胡散臭いのに気づいたのか。駒はたまったものではないが、探り(殲滅含む)を入れるのは当然でしょう。
張勲さんも対策としての殲滅を弟に指示しているし、こっちも防衛上合理的な思考です。

後ねぇ、彼女か娘か知らんが典韋ちゃんの教育、二郎さんが責任もって手配しなさい。つうか本人が教えた方が早い。二郎、やれ(珍しく命令形)
何進さんは姦雄感が出てきましたな。ただ、同じ国を私するにしても単に後継にさせようとする何進さんとゼニを食い散らかし無責任な十常侍。
害悪の大きさは後者だと思いますがね。

戯詩にしても趙雲さんを「過ぎたる物」と皮肉られるのは完全に二郎さんが英雄として認められていないのか。興味あり。

>欲を言えば麹義にも退場願いたいのだが。
結婚引退以外は認めないですよ。要は中枢からいなくなればオケでしょ?命云々なら全力で邪魔するっす。

タイトルは流石に浮かばないですね。
では。

62 :赤ペン [sage saga]:2018/06/18(月) 13:01:09.88 ID:b0rfZ3uy0
乙でしたー 祭りも終わった・・・準備を手伝ってくれる人がここ数年本当に少ない
>>57
>>空いた杯に酒を注いだりと気遣いのも欠かさない。 【気遣いの心も】の可能性もあるけど
○空いた杯に酒を注いだりと気遣いも欠かさない。  でいいのかな?
>>59
>>手元の書類に目を通しながらもどこか落ち着か投げにきょろきょろとする。 どんな投げ方だろう(棒)
○手元の書類に目を通しながらもどこか落ち着かなげにきょろきょろとする。 と言うか打ってみたら落ち着かと投げで分かれるんですね
>>こうして移動時間を政務に宛てるべきと愚考する」 【宛先】とか言うし意味としてはちょっと違うっポイ?
○こうして移動時間を政務に充てるべきと愚考する」 【充填する】とか【補充する】とか言うしこちらの方がいいと思います

実利の剣によって立つ権威・・・白馬の騎馬と言い前線指揮官としては十分なカリスマ持ちのはずよね。一国を修める器かと言うと違う気もするけど
姦し三人娘との憩いの一時・・・と言うか彼女達との二郎ちゃんの距離が分かりますな。まあプライベートでも護衛とかしてそうな子以外は基本仕事関係でしか会わないし于禁は仕事で話すことも少なそうだしなあ
63 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/18(月) 22:08:20.31 ID:EJi4BG5U0
>>61
どもです。早速ありがとうございますー。

>さらっと一気読みしましたが、前兆というか裏話というかそんな感じですか。
そんな感じでございます。二郎ちゃん知らないお話ですので、というのが重要でもございます。

>これからの二郎さんは中枢に立つ身。もうちょっとだけ成長して欲しい。
ご声援ありがとうございます。もっとできるやろ的なご声援は実にありがたいところです。

>で、袁胤様。いつでもこちらにお越しください。貴方みたいな老獪な政治家は必要なんです(直球)
顔は出してもいいかもしれないですw でもまだフリー素材にはならないです。

>許攸さんは多分張勲さんの胡散臭いのに気づいたのか
マウント取りに行ってるのが大きいですね。なにせ張家ってブラックボックスですから。
主導権というのは本当に大事です。苦しいところですが許攸さんも頑張っています。

>張勲さんも対策としての殲滅を弟に指示しているし、こっちも防衛上合理的な思考です。
握手しながら、テーブルの下で蹴り合う。実に妥当な関係だと思っております。

>彼女か娘か知らんが典韋ちゃんの教育、二郎さんが責任もって手配しなさい。つうか本人が教えた方が早い。
これは本当にその通りです。
これはある意味二郎ちゃんの限界かもなのですが、悪来典韋補正と過去のしがらみと本人の希望を加味して、自分が隠居するタイミングでお店の一軒でも任せようくらいのぼんやりしたビジョンなのですね。
おこちゃま扱いなのです。まだまだ守るべき対象で、頼るべき相手とは思っていないのですね。

>何進さんは姦雄感が出てきましたな。
ただの肉屋が一国を差配できるはずもございません。というのが本作品です。

>戯詩にしても趙雲さんを「過ぎたる物」と皮肉られるのは完全に二郎さんが英雄として認められていないのか。興味あり。
どっかで加筆します。
ただ、二郎ちゃんは、ここからは声望はいらないと判断しております。地固めができた。と判断したということですね。

>結婚引退以外は認めないですよ。要は中枢からいなくなればオケでしょ?命云々なら全力で邪魔するっす。
ご期待ください。ここからのねーちゃんと二郎ちゃんのやりとりは自信あります。

>>62
赤ペン先生いつもありがとうございますー!やっほい。

>祭りも終わった・・・準備を手伝ってくれる人がここ数年本当に少ない
中々地縁というのは薄れていってますからねえ……
うっとおしいと思う人も増えておりますしね……
手間に対するリターンをいかに提示できるかなのかなあと思いますが基本的には難しいのかなあと思ったり

>白馬の騎馬と言い前線指揮官としては十分なカリスマ持ちのはずよね。一国を修める器かと言うと違う気もするけど
本人にその自覚がないのはどこぞの人と同じですね

>と言うか彼女達との二郎ちゃんの距離が分かりますな。まあプライベートでも護衛とかしてそうな子以外は基本仕事関係でしか会わないし于禁は仕事で話すことも少なそうだしなあ
ありがとうございますー!
ここいらへんの関係を全部描写できないからある程度オート進行ですが、きちんと管理はしております。
そら凪と一番やりとりありますわー

ゆったりと湯船につかって鼻歌で疲れを癒やして明日からも頑張るぞいっと。

64 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/18(月) 22:46:23.61 ID:EJi4BG5U0
「くぅうううううううううううううううううる!」

ギョロ目の男が異国の言葉を口にする。
意味は分からずともそこに込められた賞賛と情熱は疑いようもない。

「波才さん、私たちの舞台、どうだったー?」

張角の問いに波才はその異相に涙すら浮かべている。

「ええ。……ええ、最高でございましたとも……。
 この波才、今日この瞬間に命尽きても悔いなどありません……。
 実に、実にすばらしい舞台でございましたとも……」

ば、とその両手を広げ、祈るように真摯に語る。ゆったりとした衣服に包まれているその腕は意外に筋肉質で、少女達は意外に思う。

「この波才、改めて確信いたしました!その歌舞楽曲は天上の響きに勝り、最早神仙ですら酔うでしょう……。
 嗚呼、感謝を!圧倒的な感謝を!
 惑っておりました!惑いがありましたとも!この矮小な波才めが貴女様たちのような方々と言葉を交わしていいものか……と」

身振り手振りを交えて力説する姿は鬼気迫るものがあり、長女たる張角以外は言葉を発することもできない。

「んー、ありがとー!
 でもね、波才さんのお蔭でとっても助かってるよ?
 それに、一番に私たちの歌を認めてくれたのも波才さんだしさ!」
「おお……この矮小なる存在に過分なるお言葉……。
 この波才に雑事はお申し付けください……。
 まさに貴女達こそは救世(ぐぜ)の乙女。この淀んだ世の闇を、霧を払う聖なるもの。
 ああ、聖なるかな!聖なるかな!
 まことに(AMEN)!まことに(AMEN)!」

波才の熱狂を苦笑一つで受け止める張角も或いは英傑と言うべきであろう。
……もっとも、彼女らを支持する、熱狂する男たちで慣れてしまっていたのかもしれないが。

「ほ、ほあーーーー!」

響くその声は彼女らを呼ぶ声。

「うん、ありがたいね!そう思わない?」
「確かに。ここではお客の集まりも違う」
「でもなんでここまで、なのかな?」

思えば苦難の道程であった。その苦労は三姉妹の全員が心底味わっているものである。
だからこそ不思議でならない。
それぞれに首をかしげる三姉妹。
波才は笑いかける。満面の笑みで。優しく。

「なに、簡単なことですよ……。
 ここは豊かですからね。食うに困らなく、そこそこお金を持っている方が多いのです。
 ですから、ええ、ですから。
 大いに我々は恩恵を受けるべきなのですよ。
 いえ、違いますね。時代が求めているのです。
 おお……。刻すら支配する貴女達には日輪すらひれ伏すでしょう……」

ぐらり、と崩れ落ちる波才の姿に何かおぞましいものを感じながらも、気遣いの言葉が自然に出るほどに彼女らは波才に依存していたのかもしれない。

「は、波才さん、疲れてるのかな?」
「そ、そうだよね!ちぃもこんな時あるし!うん!うん!」

その声にぐるり!と顔を向けて波才はゆらり、と立ち上がる。
そして開いた口から吐かれるは呪い。

「雌伏の時は終わり!伝説が始まる!
 ええ!抑圧されたこれまでは幻想!これからは、未来は貴女達のもの! 
 漢朝の、中華すら貴女達には狭いでしょう。
 ですが、まずは中華に歌声を響き渡らせましょう……!」

高らかに笑う波才。
そして、彼女らはその思うままに伝説へと駆け上ることになるのであった。

65 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/18(月) 22:49:22.83 ID:EJi4BG5U0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

地震なんかに負けない!
66 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/19(火) 23:04:16.64 ID:0NB5n+fc0
まじかよ大迫半端ない
67 :赤ペン [sage saga]:2018/06/22(金) 10:54:11.58 ID:i0XDKCIh0
乙でしたー
>>64
>>ゆったりとした衣服に包まれているその腕は意外に筋肉質で、少女達は意外に思う。  【意外】が二つあると変な感じがするので
○ゆったりとした衣服に包まれているその腕は筋肉質で、少女達は意外に思う。  もしくは【その腕は意外に筋肉質だな、と少女達は思った。】だと微妙?
○ゆったりとした衣服に包まれているその腕は筋肉質で、少女達は意外と逞しいなと思う。 これでどうでしょう

考えてみたら原作ではどうやって3姉妹はあの勢力を築いたんだろうね、と言うかどういう人たちが黄巾党になったんだろうと言うべきか
どん底の生活してればそりゃ元気になる歌(太平要術)に心酔するのは分かるけどそもそも歌を聞きに行く暇がある辺り余裕あるよね、と言う

ところである作品を読んで思ったんだけど袁紹にとっての天敵って公孫賛じゃね?象と蟻とまではいかないけどなんであの戦力差であそこまで粘れるんですかねえ
曹操?部下が裏切って途中で病死して子供たちが争ったうえで片方が助力を求めたりしなけりゃ大丈夫じゃね?
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/23(土) 15:52:23.18 ID:ZS17L9re0
乙です
確か曹操って袁紹と戦うときにメチャクチャビビったんだっけか、それを荀ケがあなたは勝てます、その理由はこれこれで〜って10個くらいひねり出してたような
69 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/06/24(日) 14:09:36.25 ID:fOtP6K6/0
乙です。揺れましたな。被災されておられるならお見舞い申し上げます。
こっちは無事っす。

>>67考えてみたら原作ではどうやって3姉妹はあの勢力を築いたんだろうね、と言うかどういう人たちが黄巾党になったんだろうと言うべきか
どん底の生活してればそりゃ元気になる歌(太平要術)に心酔するのは分かるけどそもそも歌を聞きに行く暇がある辺り余裕あるよね、と言う

本当の貧困層は多分生きることに全力でそもそも行けないです。行くとしたら現代の底辺と云われる層からワープアすれすれ、ひょっとしたら生活は安定しているが個人的に不満を持っている層も入っているかな?
時間は作ろうと思えば作れますが、この頃なら木戸銭取ってそうだからこれを支払えるか。これが分岐点かも。
地下アイドルが突然変異的にカリスマ性を得てカルトに変質しつつある。という状況か一歩手前ですかねぇ。

>大迫半端ない
いや、世界大会だからそのレベルの技量はデフォで持ってないとダメでしょうwつかやっと全体主義的サッカーから脱却できたかと思っています。
日本の場合、チームワークではなく「監督の操り人形でかつ勝利しかしてはいけない奴隷」な選手の扱いが続いてましたから。
戦術は必要だし勝てるならそれに乗って皆が動くでしょう。が、得点は現場の選手がもぎ取るもので選手の一瞬の判断行動にまで後付け介入が多すぎた。
個人的には選手が日本的呪縛から解放された試合と思いました。
つかもっと思い切りやんなさい。失敗したからって何がどうなるわけでなし。まさか負けたらサッカー協会追放とか選手資格剥奪とかあるの?ありえない。
なら外野は「がんばえー」で十分す。半端ないのをもっと炸裂させて欲しいっす。11人全員が。
70 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/25(月) 19:44:31.79 ID:2/+7+ybl0
セネガル戦はスヤァでした

>>67
赤ペン先生いつもありがとうございますー

>考えてみたら原作ではどうやって3姉妹はあの勢力を築いたんだろうね、と言うかどういう人たちが黄巾党になったんだろうと言うべきか
同じことを一ノ瀬は思いました。
あっちで(俯瞰者さんとこ)ネタバレしてみたいと思います
前にも書いたかもですががが

>そもそも歌を聞きに行く暇がある辺り余裕あるよね、と言う
ほんとこれです

>袁紹にとっての天敵って公孫賛じゃね?象と蟻とまではいかないけどなんであの戦力差であそこまで粘れるんですかねえ
攻めは意外と苦手なのかもです
黒山賊も滅!できてないし……

>曹操?部下が裏切って途中で病死して子供たちが争ったうえで片方が助力を求めたりしなけりゃ大丈夫じゃね?
これ見るとリアル先輩容赦ないですねw
小説より奇なりw

>>68
>確か曹操って袁紹と戦うときにメチャクチャビビったんだっけか
まあ、若いときからの親友?知り合いでその勢力を知り尽くしていたでしょうからねえ
リアリストほどびびるのではないでしょうか

>>69
>こっちは無事っす。
なによりです
こちらも無事です。というか、電車と水道管とガス以外は割と軽傷だったかのではと
大げさな報道も困ったものだなあとか

>本当の貧困層は多分生きることに全力でそもそも行けないです。
食べるのに精一杯のはずですからね

>いや、世界大会だからそのレベルの技量はデフォで持ってないとダメでしょうw
いやいやいや。大迫のキープ力、体幹は大したもんですぜ。ほんと。
プロなってすぐは空中戦不得意でしたが岩政先輩に鍛えられて……
高校時代、お菓子も食べない、夜はすぐねるようなストイックさ。がんばえー。

>個人的には選手が日本的呪縛から解放された試合と思いました。
なるほど。
まあ、監督人事だけは謎で、今でも理解できないのですががが




71 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/25(月) 22:46:50.63 ID:2/+7+ybl0
「久しいわね、二郎」
「うん、俺が陳留行った時ぶりかな」

くすり、と薄く笑むのは華琳こと曹操。三国志の主役の一人である。
今日は、なんでも麗羽様と旧交を温めに来たらしい。後ろで不機嫌そうな顔して立ってるネコミミを随伴として連れて南皮にいらっしゃりやがりました。
んで、麗羽様がお出ましになるまで俺が饗応役を仰せつかったと。うん、逃げたい。……流石に逃げないけどね。

「ふふ、二郎は相変わらずのようね」

なにがや。

「まあいいわ。時を無駄にするのも惜しいわね。
 二郎、貴方が来るまで話し相手をしてくれていた子。程立と言ったわね。
 いいからあの子を私に寄越しなさい」

なんでやねん。
優雅な笑みが途端に猛禽の色を帯びる。この女、肉食系ってレベルじゃねーぞ!
知ってたけど、知ってた以上であった。
しかしなんだ。面倒くさい……。

「そうね、私を相手にしてあの余裕、識見。回りくどいようで洒落た言い回しでね。この私を煙に巻いてくれたのよ。
 欲しいわ。是非、欲しい」

流石は人材コレクターである。目の付け所には賛辞を惜しまないが、手元の珠玉にギラギラされたら、ねえ。

「あーげーまーせーんー」

後ろのネコミミも更に不機嫌に、……っていつも不機嫌そうだから大差ないね。

「あら。これは意外な返答ね。あの子は私に仕えるために生まれてきたような子よ?
 喜んで差し出してくれると思っていたのに」

心から驚いた表情でそんなことを言いやがる。
これ、本気で言ってるだろうから困る。割とマジで。

「どっからその自信湧いてくるのか。
 これが分からない」
「そうね、貰うのが駄目なら預けてみない?私が直々に鍛えてあげるわよ」

華琳お前絶対それ返す気ないだろ。俺でも分かるわ、そのくらい。
移籍金ゼロで超有望な若手をレンタル移籍でなし崩しに強奪とは……きたないさすが華琳きたない。
だから俺の返事は決まり切っているのだ。

「お断りします」

当然の帰結である。

「何よそれ。冷たいわね。私と二郎の仲じゃないの」

どんな仲だ。いやほんと。
……ほんと、ほんとどんな仲だよ。俺が知りたいくらいだよネコミミが誤解するじゃないかやめてよね。

「冗談はさておき、実際人手が足りないのよね。猫の手も借りたいくらいなのよ」

ネコミミの手があるからいいじゃん、とも言えず。

「桂花や秋蘭、春蘭もよくやってはくれてるけど、ね。まだまだ足りないのよね」
「陳留の太守になったんだからさ。そこそこ人材も揃ってきてないの?」

華琳のこったろうから人材を収集していること。それには確信すらしている俺なのだが、あにはからんや。アブラカタブラとはいかんのか。
はあ、と憂いに満ちた顔でため息を漏らす華琳。
関係ないけど、美人は絵になるなあなどと暢気なことを思ってしまった。憂いうれいういうい。

「そりゃね。頭数は揃ってきたわよ。どうなることかと思っていた一時からしたら随分違うわ」

でもね、と華琳は澄んだ目で俺を直視してくる。今日一番のキメ顔ですね。いやあ、美人さんである。

「私が求めているのは、私を補佐し、私を支え。我が分身となれるような人材よ」

うわー。ハードル高っ!まあ、逆に考えよう。風はそこまでの人材だっちゅうことだ。うん、ラッキー!やったぜ。成し遂げたぜ。これはメイン軍師決定ですよ。

実際実りの大きい旅であったのだよな。などと回想モードに入ろうとした俺に華琳が苦笑する。
そして、満面の笑みを浮かべて。

「あら、何を他人事みたいな顔してるのかしら。
 そうね。二郎。貴方が私のものとなれば一気に解決するのでなくて?」
「へ?」

なんですと?

72 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/25(月) 22:47:17.08 ID:2/+7+ybl0
「そうでしょ?貴方が私のものになれば、自然と配下も付いてくるでしょう?」
「や、俺そこまで影響力ないと思うぞ」

過大評価ここに極まれりだ。ぷんぷん。
そういうの、困るのよ実際ね。

「そうかしら?少なくとも義兄弟は動くのではなくって?
 それに陪臣たる程立、趙雲もね……」
「そこまでだ華琳」

手を上げて華琳の言葉を遮る。流石にこれ以上はいかんよ。
壁に耳あり障子に目ありだ。
……華琳のこったろうから分かっててやってるんだろうけどね。そういう普通な感じで袁家を切り崩そうとするの、よくないと思います!
ちょっと、うざいと思います!

「俺個人と袁家への忠誠を秤にかけるような言は流石に困る。
 それに俺だって袁家を支える紀家の当主だ。
俺の肩には紀家軍の皆、そしてその家族の重みがある。
 俺との友誼を多少なりとも感じてくれてるなら、それ以上はいけない」

くすり、とおかしそうに笑う華琳。
いや結構笑いごとじゃないんだけど。それが分からない華琳じゃないと思うんだけど。

「あら、興醒めね。きっと程立なら上手く切り返したと思うのだけども?」
「茶化すなよ」

いや、茶化さんとそりゃ洒落にもならんのだけども。
うん?……何か、部下より劣ってどうするってことか?自分なら風や星や、沮授や張紘、商会のメンバーをもっと上手く使えるってか?
……いや確かにそうなんだろうけどね。でもね。でもさ。
譲れないものもある。

「うん。確かに俺は俺の義兄弟や風みたいに頭よくないし、星や、紀家軍の皆を率いるだけの将器も武才もないのかもしれないさ。
 でも。いや、だからこそ。こんな俺に親しくしてくれて、主と言ってくれる人たちを裏切りたくない。裏切るわけにはいけない。
 だからな、そうさ。そうだ。
俺を見限るなら出て行っていいよ、なんて口が裂けても言えない。
 そうだな。俺を、こんな俺についてきてくれる皆が、さ。できるだけ気持ちよく仕事できるようにすんのが俺の仕事さ。場を整えるのが俺の仕事だ。
 不満があれば謝るし、改めよう。できる限り。
ほんで、出ていくとか言われたら泣くし叫んでも慰留する。
皆が笑ってくれるなら道化にだって喜んでなる。
 それが俺の役割だと思うからな。それが俺のやり方だから。
 ああ、そうだな。分かったわ。
俺はきっと……皆が大好きなんだな。そうさ、俺の周りの皆が大好きなのさ。
 だから……」
「もういいわ」

す、と今度は華琳が手を上げて俺の言葉を遮る。

「ふふ、ごめんなさいね。悪戯が過ぎたわ。
 でも、収穫はあったわ。
 二郎。
 やはり私は貴方が欲しいわ。そうね。貴方が、欲しい。
 配下なんて誰も連れてこなくて結構よ。いつでも身一つで来なさいな。
 歓迎するわよ?」

そうかい。でも華琳とこ行ったら過労死間違いないからやだ。とも言えず。
どうしたものか、と思っていたら。

「曹操殿。袁紹様のお支度が整いました。こちらへ」

殺伐とした室に鋼の救世主が!稟ちゃん愛してる!

「あら、もうそんな時間?案内よろしくね?」
「はい。
……二郎殿。ご苦労様でした」

一瞬。いや、刹那の煌き。稟ちゃんが俺に柔らかい笑みを向けてくれた、気がする。稟ちゃんマジ天使!
それが儚い幻影であったかと思うほどに華琳を先導する彼女からは、いささかの揺らぎも見えなかったんだけどね。

……逆に、あれ華琳にロックオンされたな。そら見逃さないだろう。
優雅な笑みの奥に肉食獣の。餓狼すら背負うほどのオーラが幻視できるよ。

軽やかに。
俺など眼中にない態(てい)であれこれ稟ちゃんに声をかける。
淡々と事務的な返答する稟ちゃんにますますそのオーラは濃密になって顕現しそうな勢いである。どうなるの……。

やがてようやく視界から二人が消えて。

つ、疲れたー!疲れたよー!

73 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/25(月) 22:47:43.43 ID:2/+7+ybl0
◆◆◆

どさり、と椅子に座りこむ。
疲れたー。

「ってなんでまだいるのん?」

変わらず不機嫌そうなネコミミが俺を睨みつけてくださっている。
そういうのが、こういうのがお好きな方にはご褒美かも分からんが、俺にとっちゃあね……。

「華琳様と袁紹殿の会談に同席できるわけないでしょう。
 それくらい察しなさいこの塵芥(じんかい)が」

流石のネコミミ。その罵詈雑言のレパートリーに磨きがかかっとるな。
いや、結構な悪口雑言を言われているのは認識しているが、もう慣れてしまった。

「ちょっと、こっちをその嫌らしい目で見ないでよ!汚らわしい! 
 全く、これだから男ってのは嫌なのよ。この!」

常のような、火山が火を噴く勢いは見られずに逆に心配してしまう。

「元気ないね、どしたの?」
「うっさいわね。下等生物(ガガンボ)が私の心配するとか不遜極まりないわよ。
 多少なりとも知性があるならばさっさと華琳様の靴をその汚く下劣な言葉しか生み出さない舌で舐めなさいな」

うむ。これくらいじゃないとね。
別に嬉しいとかじゃあないんだけどね。そこはきちんと主張しておきたい俺である。

「言うね。いつものことだけど」

ギロ、と剣呑な視線をくれる。
まあ、これくらいはいつものこと。そしてそこにはどこか悔しさすら含んでいる。気がする。

「……なるほど。優先するなら華琳の意思、か。いや、当たり前と言うのは容易いけど、なかなかできるこっちゃないぜ」
「何よ、あんたごときに偉そうに言われたくないわよ。
 不本意、という言葉が事象になったらこういうことになるのでしょうね。
 まったく、不愉快極まりないわよ」

まあ、ネコミミとしては目の前で自分以外の人材に華琳が声かけるだけでストレスはマッハだろうしね。
しかも風ならともかく凡人たる、しかも男である俺が対象だし。
そりゃご機嫌麗しいはずもないわなー。
華琳もそこらへん考えてあげればいいのにね。

釣ったお魚に餌をあげないとかないわー。
むしろ虐待するとかないわー。

「何よその目つき」
「いや、大変だなあ、と思って」

激昂。

今度こそネコミミがその気迫を爆発させる。

74 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/25(月) 22:48:09.66 ID:2/+7+ybl0
「あんたごときが分かった気になって、上から目線で偉そうに言ってるんじゃないわよ!
 ああもうやだ!こんな男と同じ空気を吸ってると思ったら絶望しかないわ。
 アンタ、目障りだからそこから身投げの一つでもしてみなさい。
 それくらいで死ぬことはないでしょうし」
「時と場合によるかなあ。そしてその気は全くないぞ。
 そしてまずはお前は落ち着け」

と言って落ち着く人なんていないんですけどね。
しかしまあ、この罵詈雑言のバリエーションは凄いって思うの。
どうもよっぽど鬱憤が溜まっていたようでござる。

「とにかくね、アンタごときが華琳様のお誘いを断るとか身の程を知りなさい!」
「そんなん言われても俺にも立場とか色々あるしなあ」

つうか、辛い立場よねこのネコミミも。
俺が断れば主君の意向が無下にされたと憤り。
俺が応じればなんでこんな凡夫がと憤懣やるせなく。
でもまあ、そこできっちり華琳の意思を優先しているからこそ俺と華琳の会話に口を挟まずにいたんだろうね。
ストレス溜まったろうに。いや、今発散させてるのか。
うーん、迷惑!

「大体アンタはね、華琳様にお声をかけていただいているという栄誉をもう少し自覚すべきなのよ!」

いや、発散してねえな。自分の言葉でさらに鬱憤たまってそうだわ。
華琳も酷なことを……。
ん?んん?

「しかしまあ、春蘭といい、曹家の忠誠は留まることをしらんな」
「当たり前じゃない!華琳様への忠誠は絶対よ!」

春蘭もそういやいぢめられてたな。
つまり。華琳の人心掌握ってば……。

「ジゴロじゃねえか……」

ぼそ、とした俺の呟きはネコミミには届かなかったみたいでよかったー。
ちゅうかさ、あれだろ。わざといぢめてるだろ華琳。
そのあと優しく愛しちゃってるんだろ。そらあかんわー。その、扱いの乱高下とかジゴロの手口だわー。しかもそれは効果抜群なのだわー。
やべえよ、やべえよ……。

「何よ」
「いや、華琳って、あれで優しいとこもあるよ、な?」
「アンタみたいな塵芥が何を語るかと思えば。そんな自明のことを今更。ちゃんちゃらおかしいわね。
 華琳様はお優しいわよ?だって……」

うっとりとした表情。
あー、そういや、SMで言ったらSはサーヴァント、Mがマスターって説もあったか。
あくまでSはMの求めることを与えているだけっていう。
つまりこいつは生粋のM!
だから目の前で俺とかと親しくしてその嫉妬心を燃え上がらしたり、手ひどく叱責したりするんだな。
んで、後でフォローに優しくする、と。
いや、きっと華琳に嗜虐嗜好があるってのもあるんだろうけども。
俺には分からん世界やね。いぢめて楽しむとか。
うん、結論。

華琳とこには転職しない!
絶対に。絶対にだ。

そうやって決意を新たにした俺であったのだ。
いや、袁家サイコー!
75 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/25(月) 22:49:02.27 ID:2/+7+ybl0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名も相変わらず募集中です

はおー来襲者

が予定ですしはおー来襲者はいじってくれていいですから
にゃむ
76 :赤ペン [sage saga]:2018/06/27(水) 11:31:56.24 ID:RaJLJhLT0
乙でしたー
>>71
>>くすり、と薄く笑むのは華琳こと曹操。 ○○こと〜だと通り名(例えば美髪公とか怨将軍)とかが普通な気が…この言い方だとイチローこと鈴木一郎みたいな感じが
○くすり、と薄く笑むのは治世の能臣、乱世の奸雄こと曹操。 もしくは【陳留の支配者】とか?二郎視点だと【人材コレクター】とかも有りかな…ネタに走るなら【母性の薄い麗羽様】、【天才レズ】とかいくらでも出てくるけど置いといて
>>72
>>裏切るわけにはいけない。  これはあくまで私の感覚なのですが【いけない】は第三者的と言うか常識に基づいて、だったり規則だから、のニュアンスがある気がします
○裏切るわけにはいかない。  自分の裡から出てくるものと言うか、極端に言えばエゴのようなものかもしれないこちらの方が合ってるかな、と
例えば【人を殺してはいけない】だと法律とか一般的良識とかに依って立つ言い方で【人を殺させるわけにはいかない】だと自分がそうさせたくないから、みたいな?
あ〜でもその前の文で【裏切りたくない】って言ってるか。心情を強調するなら【いかない】、自分の意志としても自分の立場としても無理と言いたいなら【いけない】がいいかな?
>>淡々と事務的な返答する稟ちゃんに ちょっと違和感が
○淡々と事務的に返答する稟ちゃんに もしくは【事務的な返答をする】の方がいいと思います
>>73
>>◆◆◆  場面転換も時間経過もしてないので無くても良いかな、と思います
>>優先するなら華琳の意思、か。 間違いではないですが
○優先するのは華琳の意思、か。 の方がいいかな?
>>俺が応じればなんでこんな凡夫がと憤懣やるせなく。  【憤懣やるかたない】と【やるせない】が混ざってますね
○俺が応じればなんでこんな凡夫がと憤懣遣る方無く。  怒りならこっちで、【遣る瀬無い】だと悲しみとか悲嘆っぽいかな
>>だから目の前で俺とかと親しくしてその嫉妬心を燃え上がらしたり、 サ行変格活用とか知らないのであくまでも読みやすさ優先と言う事で
○だから目の前で俺とかと親しくしてその嫉妬心を燃え上がらせたり、 一般的にはこっちがよく使われますが、
華琳が、ネコミミの、嫉妬心を、燃え上がるように、した。なら上でもOKですかね
華琳が、ネコミミの、嫉妬心を、燃え上がらせた。なら下ですし・・・本当活用形とか分からんし

まあはおーから見たらどう考えても自分には無いと言うか、欠けてると言うか、欲しいよね。そしてネコミミもそれは察せるけど自分がそういう存在になれないことは分かってるからちょっと消沈しちゃう、と
ついでに二郎は彼女達がなぜこんな反応してるのか全く分かってない。イイネ!
《乱世の奸雄の勧誘》…いつも通りか《はおー、凡人に高値を付ける》《凡人、袁家への忠誠を新たにする》、《凡人、ブラック家へお祈りメールを出す》
だんだんネタが強くなってきたな
77 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/28(木) 22:56:15.44 ID:+Xjvu3Lb0
>>76
赤ペン先生いつもありがとうございますー

>…この言い方だとイチローこと鈴木一郎みたいな感じが
確かに

>サ行変格活用とか知らないのであくまでも読みやすさ優先と言う事で
さししすせ でしたっけ?
久しぶりにサ変とか見ましたw

>まあはおーから見たらどう考えても自分には無いと言うか、欠けてると言うか、欲しいよね。
文字通り垂涎ですね。二郎ちゃんがはおーを評価している以上に評価されているでしょうね
絶対言わないと思いますが

>そしてネコミミもそれは察せるけど自分がそういう存在になれないことは分かってるから
そうなのですよね。

>ついでに二郎は彼女達がなぜこんな反応してるのか全く分かってない。イイネ!
ありがとうございます。そこは外せないとこなのです。アンジャッシュです。

タイトル案ありがとうございますー!
>奸雄の勧誘
これいいですね!

さてポーランド戦だ

78 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/07/01(日) 11:20:05.61 ID:CFr8g18v0
乙です

……地味ーに各勢力間のパワーバランス破壊してんだよね、二郎さん。

なんかね、本気でこの人(ネコミミ)病んでる?って不安になる。概念が無いから許されているだけでハッキリ言って恫喝とハラスメントのコンボ。
うちだったら絶対現場含めて表に出さない。同業の偉いさんにここまで言ったらアウト。

そうなんだよなー二郎さんが「袁から独立する」と宣言したらえらいことになるなぁ
確定
・陳蘭、風、凪、趙雲、流流、袁術。この辺りはまぁ文字通り着いて行くだろう。
裏で支援
・沮授、張紘、田豊。しがらみで動けないが、情報やら経済的な面で支えるでしょう。

まぁ、「独立するけど袁と手を組むよ。なんだったら系列に入るし」で日常はあんまり変わらず。でオチwww

で、曹操さん。一勢力の頭なら分身を求めちゃダメダメ。最後の最後の決断と結果責任は頭が取るんだよ。過程の段階で自分の行動思考をトレースして客観的に判断できる人間は確かに欲しいのは理解できるけど。

うーん、そろそろ広域連合考えてもよさそうかな?公孫瓚、曹操、袁紹、この三者で不可侵条約と相互防衛条約との三点セットで同盟組んだら安保的にも外敵防衛的にも良さそうな。

タイトルはまだ浮かばないです。もうちょっとリハビリいるかな?










つうか二郎、三人ともやってしまえ(意味深)なら話が早く済む(下衆)



79 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/02(月) 20:43:30.06 ID:R/USl+yY0
>>78
どもです。生存確認!

>……地味ーに各勢力間のパワーバランス破壊してんだよね、二郎さん。
あくまで地味に、ですがw
それこそがオリ主の醍醐味でもあるのだと思っております。原作まだ始まってないけど。
いや、始まる前までがある意味勝負とも言えるですね。

>なんかね、本気でこの人(ネコミミ)病んでる?って不安になる。概念が無いから許されているだけでハッキリ言って恫喝とハラスメントのコンボ。
セクハラパワハラの概念なんぞございませんのでね。
あるのは二郎ちゃんだけなので……w

>うちだったら絶対現場含めて表に出さない。同業の偉いさんにここまで言ったらアウト。
まあ、単純に無礼ですわな。
ネコミミについてはこれ、見る人によってはいちゃついてるという解釈もあるそうですよ!

>そうなんだよなー二郎さんが「袁から独立する」と宣言したらえらいことになるなぁ


>・陳蘭、風、凪、趙雲、流流、袁術。この辺りはまぁ文字通り着いて行くだろう。
如南袁家立ち上げて黒幕ですねw
美羽様連れてったら七乃さんも付いてきますし

>で、曹操さん。一勢力の頭なら分身を求めちゃダメダメ。
作品的には、寂しがり屋の女の子、なのです。それをあれこれ言って糊塗してるのです。と今思いました。
多分支配者は孤独とか分かってるんですよ。

>公孫瓚、曹操、袁紹、この三者で不可侵条約と相互防衛条約との三点セットで同盟組んだら安保的にも外敵防衛的にも良さそうな。
問題は二郎ちゃんが曹操を全く信用していないということですかねw

>タイトルはまだ浮かばないです。もうちょっとリハビリいるかな?
心身ともにごゆっくりしてくださいませえ

>つうか二郎、三人ともやってしまえ(意味深)なら話が早く済む(下衆)

許されたw

いやあ、地味様との友達っくすは賛否あったのですよねえ




80 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/02(月) 22:38:53.44 ID:R/USl+yY0
「穏、これは本当なのね」

碧眼児と呼ばれ、孫家の中でも将来を嘱望されている二の姫――孫権――はその美貌を歪ませながら腹心たる陸遜に問う。

「はい。尚香様の護衛ということで周泰ちゃんを呼べたのは僥倖でしたね。
 彼女、どうやら穏行ではかの張家すら出し抜けるようですから。抜き取った情報は確かかと思いますよ?」

くすり、と応えるは白皙の美女――陸遜――である。
南部では珍しく白い肌を惜しげもなく晒すその衣装はいっそ扇情的と言っていいものであろう。
しかし、ややもするとぽわわんとした表情に覆い隠されてしまうが、その眼には確かな知性の煌きが散華している。

「姉さまにも困ったものね、袁家と。よりによって袁家と、ことを構えるだなんて。
 本気云々の前に正気を疑うわ」

信じがたい、と孫権は天を仰ぐ。
手元には陸遜のまとめた報告書があり、それらが示すものはつまり。

「元々袁家の援助に頼ることすらよしとしなかった豪族も多いですしねえ。
 まあ、利権をことごとく召し上げられてしまいましたから無理はないかと」
「にしたってここまで賛同者が集まるなんて……」

時勢が見えてないのか?と孫権は暗澹たる気持ちになる。
よりにもよって使嗾(しそう)してくるのは、手を組むのは。

「十常侍と組むとかね。本当に正気を疑うわよ」

吐き捨ててため息を大きく、一つ。

「遠交近攻とはよく言いますが袁家は身近に感じる分、目の上の瘤(こぶ)と思う方が多いみたいですね。
 虞翻さんの潔癖な態度もそれを助長しているようです。
 対して十常侍は……、洛陽は遠きにあり。悪評があるものの、袁家を除いた後は意向を無視すればいいというのが主流ですね
 こちらに対して、直接振るう武力も持ち合わせていませんし」
「それじゃ、結局孫家は賊上がりの成り上がりじゃない。いつまでたっても。
 恩を仇で返して、いざ孫家の窮地に誰が手を差し伸べてくれるというの。誰が信義を通じてくれるというの」

いや、孫権とて分かってはいるのだ。
食うか食われるかという状況が身近であった江南の地においてはそれはきっと正しい。今日を生き延びるためにはきっとそれは正しいのだ。
だが、南皮に在りて。中華の秩序、何より袁家の凄味を知った身としては看過できない。
そのような煩悶を知ってであろう。あくまで陸遜はにこやかに孫権を見守る。言葉を促す。
81 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/02(月) 22:39:20.00 ID:R/USl+yY0

「江南に戻るわ」

きっぱりとした声。何かを振り切ったような、決意した声に陸遜はその表情を綻ばせる。

「二郎は、如南へ赴くのでしょう?」

その言葉に込められた思いは、いかほどのものか。

「ええ。二郎さんは如南へ。
 あの方はああ見えて、きちんとやるべきことからは逃げません。果たすべき責務は果たされます」

くすり、と漏らした笑みは妖艶ですらある。
その声に孫権は暫し瞑目する。

「ならば。私も逃げない。孫家の次代を担う者として責務を果たすわ。
 穏、地獄の底まで付き合ってくれる?」

陸遜は恭しく一礼を。

「ええ、喜んでお供いたしますとも」

ですが、と言葉を続ける。

「二郎さん曰く、地獄の沙汰も金次第。
 だ、そうですよ?」

その声に孫権は、ぷ、と吹き出す。

「もう、茶化さないでよ。でも、二郎らしいわね」
「はい。あの方らしいですね」

二人は軽やかに笑い合う。
盟友で、親友で、主従で共犯。

きっとその絆は、刎頸(ふんけい)でも断たれることはない。

◆◆◆

82 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/02(月) 22:40:49.04 ID:R/USl+yY0
実家に帰らせていただきます。
この言葉を放たれて平静でいられる男はいないであろう。
それほどの破壊力を持った言葉が浴びせかけられて俺の思考回路はショート寸前。今すぐ会いたいよ。

「えっと、二郎?ちょっと?」
「うい。二郎ですがなにか」
「もう、話を聞いていたの?」

ぷんすか。
全身で不機嫌になっちゃったわよ今の瞬間に、と主張するのは江南を治める孫家のご息女たる蓮華だ。
褐色の肌を惜しげもなく晒すその恰好には、いつもながら目のやり場に困るわー。マジ困るわー。
だって仕方ないから穏の、ねえ。暴力的な胸部に注目せざるをえないやん?
白い肌。
こんなに露出が多いのに、江南出身なのになんでそんなに白いのかという感じのおっぱいがぷるんと震えて俺を苛む。
うむ。ブラボー。おお、ブラボー……。

「二郎?聞いているのかしら?」
「もちろんだとも」

じと、とした蓮華の視線に極上の笑みで応えてやる。キラッ☆

「じ ろ う ?」

ゴゴゴという効果音がどっからか飛んできた、気がする。背負った圧力は流石に孫家の跡取り。
はい、ごめんなさい。

「で、何で江南に帰りたいの?」

一応、蓮華は孫家に対する人質という意味が大きいからうかつに動かせないのよ。まあ、目の前のご両人は先刻ご承知だろうけどね。

「あのね、二郎は知ってると思うんだけどね。一応私は孫家の次代の当主と位置付けられてるのよ」

知ってる知ってる。むしろ孫家を繁栄さすよね。知ってるよー。

「なのにね、あまりにも帰ってないな、って。
 これじゃいざ孫家を継いでも家臣団や配下の豪族をきちんと御することができるのかな、って。
 二郎が言ってたじゃない。段取り、根回しが大切って。
 そういう意味でも一度江南に帰った方がいいと思うの」

ふむ。確かになあ。あっこらへんはごたごたしそうな土地柄だしねえ。
とは言え、なあ。安易には同意できない。

「二郎が孫家に信を置けないというのは、そうね。不本意ではあるけど……分かってるわ。
 だから、と言うのも。そうね。こんなこと言いたくもないのだけれども。
 シャオを私の代わりに置いていくわ」

常ならばそんなことを言わない蓮華の双眸はこの上もなく澄んでいて。

「足りない、というなら祭も置いていくわ」

何でそんなに泣きそうな顔をしているんだと俺は言いたい。
きっと、身近な、親しい、大好きな人を道具として、交渉の材料として扱うわが身を呪っているのだろう。

「いいさ、許可しよう」

どうせ俺も、俺たちもそれどころじゃないしね。
いよいよ如南へ赴くのだ。けじめをつけにいくのだ。
そのタイミングで何か仕掛けてきそうな孫家を抑えることができそうだから。それでいいかなって。

……これで蓮華が孫家率いて攻めてきたら泣くけどな。

◆◆◆

83 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/02(月) 22:42:40.11 ID:R/USl+yY0
「いや、よかったですねえ」

くすくすと笑みを漏らすのは陸遜。その声に呆れたように孫権は答える。

「穏の思い通りでしょ?今更何を言うのよ」

軽く苛立つ主。それに臆することもなく言葉を続ける。

「いえ、二郎様の動きは埒外ですから」

くすり、と笑う。
そして陸遜は思うのだ。袁家の配下である武家四家である紀家当主。その地位を継いだと思ったら中華を放浪する。半ば逐電である。
であるのに、帰参して何事もなかったかのようにその地位に納まるというのがありえないことだ。
しかも、そんな型破りなことをして彼がその権勢を失ったという声は聞こえてこない。そう、驚くほどに聞こえてこない。
だが、驚くべきことは他にもある。

「それを言えば、二郎さんの動きを考えるだけ無駄とも言えますし、ね?」
「そ、そうね……」

可笑しげな表情を浮かべて見やる陸遜に孫権はたじろぐ。その目の奥の炎に。

「二郎さんの一手。それは本当に私も読み切れません。この中華で私が読み切れないと言わざるを得ないのはあの方くらいです。
 ですから。ええ、ですから、蓮華様に二郎様を押さえていただきたいのです」

破格の才覚たる陸遜。その要望に孫権は苦笑する。

「分かったわよ。穏がそこまで言うのならばそうなんでしょう。
 安心なさいな。勝ち易きに勝つ。それが孫家。始祖たる孫子の薫陶、そうでしょ?」

にこやかに陸遜は笑顔で応える。

「はい、道なき道を征きましょう。
 凱歌を、孫家に。夢と希望と未来を蓮華様に」

覇気。この瞬間だけは、かの曹操をも上回るそれを纏って。
陸遜は、戦争の天才は笑う。
既に勝利は彼女の中では確定していた。

さあ、夢を見よう。
さあ、歌を唄おう。
さあ、歌を繋ごう。

さあ、踊ろう。
舞台は間近。

陸遜は笑う、嗤う、哂う。
如何様にも踊ろうと。
きっと舞踏相手はあの青年だ。肌を重ねても、情を交わしても読めないあの青年だ。

漢朝の闇などよりもよほど面白い、怖い。
執着はもはや恋着。
それを自覚し、軽やかに笑う。

「ええ、蓮華様、二郎さんを、あの埒外な方に対するに値するのは孫家において蓮華様のみです。
 ですから、ええ。ですからこそ。今この瞬間のご決断に穏は心服いたします。
 ええ、地獄と言わず、因果の地平までお供しますとも」

にこやかに、軽やかに口にする思いを孫権は過不足なく受け取り、顔を引き締める。

思い浮かべるのはあの青年。
締まりのない表情、冴えない顔つき。
だらしのない視線は助平で、どうしようもなく。

でも。

その心胆を。凍てつくほどの心胆、覚悟。それを自分は知っている。
だから、やるべきことをする。

孫家の担い手として相応しいように。
そして、あの青年に笑われない自分であるために。
84 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/02(月) 22:45:28.12 ID:R/USl+yY0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

タイトル案は、
「孫家の事情」「碧眼児」「刎頸」「帰郷」

ここらへんをキーワードとしてなんかありましたらよろしくオナシャス!
85 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/03(火) 04:54:47.41 ID:gzhT39J10
あかんかったかー
ねる
86 :赤ペン [sage saga]:2018/07/03(火) 13:12:11.22 ID:t59kiHig0
乙でしたー ベスト8ならずか…まあ胸張って帰国してほしいね
>>80
>>よりによって袁家と、ことを構えるだなんて。   この言い方だと既にやり合ってるように聞こえるので
○よりによって袁家と、ことを構えようだなんて。  一応まだギリギリで火蓋を切ってないらしいしね
>>81
>>その声に孫権は暫し瞑目する。 これだと色っぽい声に聞き入ってるようにも見えないことも無いので
○その言に孫権は暫し瞑目する。 の方がいいと思います
>>82
>>俺の思考回路はショート寸前。今すぐ会いたいよ。  曲名なら問題ないし1文程度なら大丈夫だろうけどこれはかsジャスラックに睨まれると思うので直した方がいいと思う、リアルガチで
[引用 アップローダー、掲示板に投稿してはいけないもの 著作権上問題のあるファイル、盗撮ファイル、JASRAC管理楽曲、歌詞 ]
○俺の思考回路は天才バカボン状態。反対の賛成なのだ。 別に何でもいいけどなろうに投稿するときは変えた方がいいよ
>>だって仕方ないから穏の、ねえ。暴力的 接続の仕方に違和感と文章が続いてる感じが有るので
○なので仕方ないから穏の、ねえ、暴力的 蓮華がエロい《ので》穏のエロい体に視線を移すわけだし、こんな感じかな?
>>ゴゴゴという効果音がどっからか飛んできた、 これだと効果音出してるのが遠い何かのようなので
○ゴゴゴという効果音が室内を揺らしている、 もしくは【効果音が質量を伴って響いている、】とかどうでしょう
>>83
>>さあ、歌を繋ごう。   この前で《夢と歌》と使ってるので
○さあ、曲を奏でよう。  この後に《踊り》と繋がりますしちょっと他の言葉に変えてみたりしたかったり(個人の嗜好です
>>あの埒外な方に対するに値するのは  【対する】だけなら他にも何人かいるかな、抗せないだろうけど
○あの埒外な方と同じ場所に立てるのは それが同じ方を向くのか横に並ぶのか背中合わせなのか対面するのかはともかく・・・こんな感じでどうでしょう

孫家二の姫ホーム(が)シックになる?むしろ 二の姫ホームシックの治療の為に実家に帰る?
孫家の袁家に噛みつきたい面々の考えも確かに分からなくはないけど、どういう落としどころで終わらせようとしてるんだろう
ぶっちゃけ支援した家に噛まれたら袁家としてはメンツとしても内情としても更地にするまで終われない様な…4世3公の北方の盾が復興させた家に砂掛けられてなあなあで済ましてたら外から見たら「袁家恐るるに足らず!!」だよね
そうならないためにも、領民に強い袁家を知らしめるためにも首のすげ替えくらいはしないと袁家がヤバいだろうし
まさか自分たちが無視しようと思ってる十常待に袁家が従うとか幸せな思考してるんだろうか

アップローダー、掲示板に投稿してはいけないもの 著作権上問題のあるファイル、盗撮ファイル、JASRAC管理楽曲、歌詞
ということで新規スレを作ったり削除依頼を出したりした方がいい可能性が…該当スレだけ消去の可能性もありますが一ノ瀬さん(>>1)が投降したスレなのでどうなるか分かりませんので
87 :赤ペン [sage saga]:2018/07/03(火) 14:29:02.10 ID:t59kiHig0
間違えたのでちょっと書き直し
>>80
>>よりによって袁家と、ことを構えるだなんて。   この言い方だと既にやり合ってるように聞こえるので
○よりによって袁家と、ことを構えようだなんて。  一応まだギリギリで火蓋を切ってないらしいしね
>>81
>>その声に孫権は暫し瞑目する。 これだと色っぽい声に聞き入ってるようにも見えないことも無いので
○その言に孫権は暫し瞑目する。 の方がいいと思います
>>82
>>それほどの破壊力を持った言葉が浴びせかけられて俺の〜中略〜会いたいよ。  曲名なら問題ないし1文程度なら大丈夫だろうけどこれはかsジャスラックに睨まれると思うので直した方がいいと思う、リアルガチで
[引用 アップローダー、掲示板に投稿してはいけないもの 著作権上問題のあるファイル、盗撮ファイル、JASRAC管理楽曲、歌詞 ]
○それほどの〜中略〜俺の思考回路は天才バカボン状態。反対の賛成なのだ〜タリラりラン。 別に何でもいいけどなろうに投稿するときは変えた方がいいよ
>>だって仕方ないから穏の、ねえ。暴力的 接続の仕方に違和感と文章が続いてる感じが有るので
○なので仕方ないから穏の、ねえ、暴力的 蓮華がエロい《ので》穏のエロい体に視線を移すわけだし、こんな感じかな?
>>ゴゴゴという効果音がどっからか飛んできた、 これだと効果音出してるのが遠い何かのようなので
○ゴゴゴという効果音が室内を揺らしている、 もしくは【効果音が質量を伴って響いている、】とかどうでしょう
>>83
>>さあ、歌を繋ごう。   この前で《夢と歌》と使ってるので
○さあ、曲を奏でよう。  この後に《踊り》と繋がりますしちょっと他の言葉に変えてみたりしたかったり(個人の嗜好です
>>あの埒外な方に対するに値するのは  【対する】だけなら他にも何人かいるかな、抗せないだろうけど
○あの埒外な方と同じ場所に立てるのは それが同じ方を向くのか横に並ぶのか背中合わせなのか対面するのかはともかく・・・こんな感じでどうでしょう

孫家二の姫ホーム(が)シックになる?むしろ 二の姫ホームシックの治療の為に実家に帰る?
孫家の袁家に噛みつきたい面々の考えも確かに分からなくはないけど、どういう落としどころで終わらせようとしてるんだろう
ぶっちゃけ支援した家に噛まれたら袁家としてはメンツとしても内情としても更地にするまで終われない様な…4世3公の北方の盾が復興させた家に砂掛けられてなあなあで済ましてたら外から見たら「袁家恐るるに足らず!!」だよね
そうならないためにも、領民に強い袁家を知らしめるためにも首のすげ替えくらいはしないと袁家がヤバいだろうし
まさか自分たちが無視しようと思ってる十常待に袁家が従うとか幸せな思考してるんだろうか

アップローダー、掲示板に投稿してはいけないもの 著作権上問題のあるファイル、盗撮ファイル、JASRAC管理楽曲、歌詞
ということで新規スレを作ったり削除依頼を出したりした方がいい可能性が…該当スレだけ消去の可能性もありますが一ノ瀬さん(>>1)が投降したレスなのでどうなるか分かりませんので

もしかしたら一緒に86は《アボーン》されるかも。かもかも
88 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/07/04(水) 23:03:26.67 ID:/J6PuXlG0
乙です。

これだけは言いたい。「実家に帰らせて云々」系は私にとってはデスワードです。
感想としては……
「ほえ?孫策さん遊んでるの(大間違い)」
何だっけ?人質?だったっけ?孫権さん。

先に謝っときます。陸遜さんが放火しませんでした(爆笑三国志かよっ)放火しない代わりにハニトラしてました。効いてないけど。
シャオちゃんは残すんだね。袁術ちゃんの親友がいなくならなくて一安心。というか張勲さんが根回し(というか嫌がらせの圧力)したのかな?
孫権さん、現状確認を自分でもしたいんだろうね。それと内部での方針統一と方法の摺り合わせ。
袁という化け物勢力(象を呑気に飼っていられる財力と、母流龍九商会という経済侵略の尖兵、豊富な人材)を肌で知る孫権と地元で奮闘?の孫策。
軍師もそれぞれ同じようになっているし、双方が情報共有できれば後々楽だしね。

帰ったら姉妹と軍師同士が激論になるのは目に見えてるな。周瑜さんがどう現状を分析するか、そして虎さんをどう制御するかだな。
孫家には知っているから警告するけど、風雲南皮城をなめてるとえらい目に合うよw

「孫家の事情・碧眼児の感情」かな?韻は踏んでるけどなんだかな。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 23:19:57.37 ID:E40VsGfsO
その昔デスマーチの最中に上司に「今夜は帰さないよ」って言われて
「実家に帰らせていただきます」と返した奴がいたのを思い出した
90 :赤ペン [sage saga]:2018/07/07(土) 09:39:39.00 ID:817aBFAr0
大雨凄かったけどみなさん大丈夫でした?
91 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/07(土) 10:26:38.21 ID:icgptGmK0
こちらは大丈夫です

俯瞰者さんはお仕事関係が大変なことになってそうなイメージ
感想返信は後ほど
92 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/09(月) 21:31:28.63 ID:8ApcC9ld0
>>87
JAS的なものには気をつけます
うむむ。結構いじったつもりができてなかったのは多分マシントラブル

>孫家二の姫ホーム(が)シックになる?むしろ 二の姫ホームシックの治療の為に実家に帰る?
実家が炎上予定なのですね

>孫家の袁家に噛みつきたい面々の考えも確かに分からなくはないけど、どういう落としどころで終わらせようとしてるんだろう
争いというのは、落としどころを見つけるのが一番大変なのですよねえ
孫家はこれまで圧倒的勝利を積み重ねてきました
その成功体験がががが

>ぶっちゃけ支援した家に噛まれたら袁家としては
これその通りなのです。ほんと。

>>88
>これだけは言いたい。「実家に帰らせて云々」系は私にとってはデスワードです。
ああ!いわれのない流れ弾が!
全面無視とどっちが胃に痛いです?わたし、きになります!

>何だっけ?人質?だったっけ?孫権さん。
遊学と言う名の人質プレイですね。
今川時代の家康さん的な扱いじゃないでしょうか。まあ、個人的には今川幕府とか面白いなとか思いますがw

>先に謝っときます。陸遜さんが放火しませんでした(爆笑三国志かよっ)
爆笑三国志。あれはいいものだった……w
今でも色あせないクオリティですよねw 持ってるはずなのですが、どこいったのか分からないですw

>シャオちゃんは残すんだね。袁術ちゃんの親友がいなくならなくて一安心。というか張勲さんが根回し(というか嫌がらせの圧力)したのかな?
実家が炎上して……シャオちゃんは安全圏に置いておこうという冷徹さなのか、争いを見せたくない温情なのか
解釈は色々です

>孫権さん、現状確認を自分でもしたいんだろうね。それと内部での方針統一と方法の摺り合わせ。
実家の現状、きちんと見ようとしてます。現場百ぺんです。

>孫家には知っているから警告するけど、風雲南皮城をなめてるとえらい目に合うよw
多分大坂城クラスに武力では落ちない要塞都市になってますよねw
それを知っている人がいるというのは、実は孫家にとってはアドバンテージなのです

>>89
>その昔デスマーチの最中に上司に「今夜は帰さないよ」って言われて「実家に帰らせていただきます」と返した奴がいたのを思い出した
これ、性別の組み合わせで面白いことになりそうですよw

まあ、デスマーチが発生するということは適切な人員配置ができていないということで(ブーメラン)

個人的には書類仕事で主人公が埋もれるギャグ描写は、書きたくないですねえ。下っ端ならともかく管理職以上ならば。
人員の調達と作業のマネジメントが管ry



桂川の中継ばっかりでしたが、他の河川が氾濫しました。
きちんと災害対策したら成果は出るのです。
特に治水はね。百年単位の事業なのですよね。人死にが出ないと、下手したら出ても無駄遣い扱いなのはね。もうね。
O府でも小学校の社会では水害の歴史があれだけ語られるのにと。

しかしインフラの老朽化、どないするんやろ。対処療法でいくのかなあ。このままだとそうなんだろうなあ。
93 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/09(月) 22:28:30.51 ID:8ApcC9ld0
「これで一応完成と言っていいのではないかしら」

蔡邑が差し出した分厚い紙の束を何進は満足げに受け取る。

「ご苦労」

一瞥すら蔡邑に与えず、紙の束に目を走らせる。
微苦笑を浮かべて蔡邑はその場を後にする。

「……随分と熱心に見ておられるが、それは?」

華雄が訝しげに尋ねる。
既に蔡邑が室を辞して半刻は経っている。
無言でひたすらに紙をめくるなど。
短くはない付き合いでも、ついぞなかったことである。

「……ん。気になるか?」

ニヤリ、とした笑みが自分を見下しているようで反発を覚えるが、興味があるのは確かなので無言で是、と応える。
ニヤニヤとした笑みはそのままに、手にした紙の束を無造作に放り投げてくる。
手にした、紙面には。

「──人名?」

ずらり、と人名が列挙されている。見れば優、良、可、不可と甲、乙、丙、丁が組み合わされている欄もある。
目を走らせると、幾人かは知った名前も見受けられる。

「それも……宦官?」

ほお、と言った風の何進の表情に華雄は自分の呟きが正鵠を射ていたことを知る、が。

「なぜ、こんなものを?」

それに、記号の意味も分からない。

「フン、まあ、言ってみれば閻魔帳のようなものか。
 袁家の援(たす)けもあり、士大夫層で使い物になる奴らは……ほぼ取り込めているからな。当面の敵は十常侍を筆頭とする宦官さ。
 とは言え、宦官にも色々いるからな。能力と人格を格付けしたもの。
 それがお前の手にしているものさ」

政務の傍(かたわ)らでまとめるのは大変だったみたいだがな、と何進は笑う。
彼らとて政敵を前に手をこまねいていたわけではないが、如何せん政権運営が最優先。
故に士大夫層が多少は協力するようになるまではそのようなものを作成する余裕もなかったのだ。
ふむ、と納得し華雄は大いに頷く。

「つまり、能力が低く、人格が卑しい奴を誅滅すればいいということか」

94 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/09(月) 22:29:08.86 ID:8ApcC9ld0
腕が鳴る。
華雄は獰猛な笑みを浮かべて血を滾らせる。
が、応える声は無情。

「お前は阿呆か」

心底呆れた、という風な声がかけられ華雄は混乱する。

「な、何か間違えた、か……?」

溜息と苦笑。

「いいか、国を動かすのは、そしてそれを変えるというのは硬い岩を少しずつ削っていくようなものだ。
 お前の手にしている斧ならばな、岩を砕くこともできるだろうさ。
が、それでは国も砕けてしまう。
 水滴が岩を穿つがごとく、静かに、だが絶えることなく動くこと。
 それに倦まずに継続することこそが強さ、さ」

華雄にはそれがどうにもまどろっこしく感じてしまう。

「フン、お前にはこう言った方が分かりやすいか。
 弁が継ぐ禁裏を血で汚すわけにはいかん。そういうことだ」
「それならば私にも分かる」

うむ、と納得したように華雄は頷く。
が、と思う。

「ここの評価をどう使うのだ?」
「ふむ。地位が低く、人格が卑しく、能力が高い順に放逐、左遷していく」

その言葉に華雄は首をかしげる。

「だが、ここには地位なんて書いていないぞ?」
「……官位、役職を見れば一目瞭然だし、地位は変動するからな……」
「しかし、地位が低い者をどうこうしても大勢に影響はないのでは?」

やはり首魁たる十常侍を除くべきではないかと華雄は思うのだ。

「言ったろうが。岩で言えばそれは中心。
 まずは周りから、だな。将を射んとすれば、という奴だ。
 いなくなっても気づかん奴らから手を付ける。
 気づいた時には手遅れ、というのが理想だな。
 ま、十年か二十年もあれば大丈夫だろうさ」

その言葉に華雄は瞠目する。

「勝てない戦はしない。確実に勝てる戦しかせんよ、俺は。
 だからこうして今ここにいるのさ」

くは、と笑う何進が華雄には理解できない。そして思うのだ。

「どうして私などを側に?」

その言葉に何進は大笑する。
む、と逆立つ柳眉にもおかまいなしに。

「お前には分からんだろうし、それでいい」

愉快に、愉快そうに何進は笑う。
華雄は不機嫌そうに黙りこくるしかなかった。
95 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/09(月) 22:31:48.05 ID:8ApcC9ld0
本日ここまですー

感想とかくだしあー

タイトル案

「何進と華雄」

うわあ、そのまんまや
96 :赤ペン [sage saga]:2018/07/10(火) 12:48:48.50 ID:VbRXs5aw0
乙でしたー
>>93
>>ほお、と言った風の何進の表情に華雄は  意味は分かりますが、【ほお、と言った風】だと実際には《ほお》とは言ってなくて【ほお、と言った表情】だとどんな感じなのかちょっと分かり難いかも?
○感心だ、と言った風の何進の表情に華雄は もしくは【ほう、と息を漏らした何進の表情に華雄は】とか【感心したように目を細めた何進に華雄は】とかどうでしょう

それにしても>>地位が低く、人格が卑しく、能力が高い・・・性格悪くて能力高いだけなら典型的な敵キャラだけどここに地位が低いが入るとそこはかとない残念臭がするなwお前能力の使い方間違ってない?それともうまいこと地方で威張り散らす美味しいポジにいるのか・・・
《地位が低く、人格が卑しい》ならただのクズの寄生虫タイプ、《地位が低く、能力が高い》なら不器用な実直タイプって感じだけどこの3つが混ざるとタイプが見えづらいな

何進の臣下の選び方は独裁者としては理にかなってるかな?正確には宦官勢力だから敵対勢力だけど、まあ漢王朝として見れば臣下だし
華雄さんのそういう真っ直ぐさと言うか愚直さは何進にとっては確かに必要な物よね、こういう人っていつの間にかそういう単純な考え方が出来なくなっちゃうから
97 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/13(金) 21:45:23.50 ID:9gzGcU6X0
>>96
赤ペン先生いつもありがとうございますー

>・・・性格悪くて能力高いだけなら典型的な敵キャラだけどここに地位が低いが入るとそこはかとない残念臭がするなw
若手或いはやらかして降格食らった的なw

>何進の臣下の選び方は独裁者としては理にかなってるかな?正確には宦官勢力だから敵対勢力だけど、まあ漢王朝として見れば臣下だし
地道に掃除をしております

>華雄さんのそういう真っ直ぐさと言うか愚直さは何進にとっては確かに必要な物よね、こういう人っていつの間にかそういう単純な考え方が出来なくなっちゃうから
これはまったくもってその通りです
98 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/07/15(日) 03:06:31.23 ID:Mp7XYSBT0
乙です。

人格卑しく、能力が高い……公務員というくくりでは結構いるなぁ。何故か福祉系と自治系に多いんだが。まぁ「能力が高い」と言っても単に運営が上手いとか弱者に高圧的に対応するとかだけどね。教員もそうか。
「頭の良い阿呆」って奴らだね。そら明確に旗幟を明らかにしてりゃ付き合いようもあるけれど、こういう日和見連中は権力奪取の障害だわなぁ。
あれだな。出世欲や承認欲求やプライドの高さは人一倍なんだけど、底が見えているから思ったような待遇や権限を与えられない。行動するかといえば全然しない。
現代日本に置き換えれば、児童虐待や生活保護といった緊急性や必要性の高い事案で自身の身分に与えられている権限を行動で対応せず、結果最悪の事態になっても「人間が」「忙しい」
そんな連中どれだけいるんだ?労基監督官や警察以外の逮捕権限を持つ公務員は命的で本気で踏み込んで行くぞ?
ここ数年同窓会が多かったからよく分かるが、平気で暴力と人格否定していた教員は会場で浮いていたな。つうか中学時代私を目の敵にして荀ケ真っ青のハラスメントしまくっていたお方は他の生徒にもやらかしていたみたいでぽつん、と一人になっていてよりによって私に話しかけてきたので丁重に録音や録画の許可を求めつつ言葉と当時の法律を引用して公開処刑しました。つか人格卑しく能力高い(となっている)連中の極みって教育委員会だな。

インフラはね、もう対症でしか対応できないところまで追い込まれていますね。大阪地震の際に一気に法軽視の膿が噴出したので、今回も被災者には申し訳ないのですが根本的にインフラと災害対応をないがしろにしてきた自治体がツケを払う羽目になりましたね。
現在はすんざましく忙しいですが、ただ忙しいだけ。ボランティア要請が協会経由で来た時には率直に「会社潰したくないので」とかましました。
重機や車両や資材を出して燃料や消耗品や人員……後でちゃんとバックするのかと。
どうせ地元のブローカー業者が取り込むんだろうに、流石にビジネスという面では頷けませんでした。

>これだけは言いたい。「実家に帰らせて云々」系は私にとってはデスワードです。
ああ!いわれのない流れ弾が!
全面無視とどっちが胃に痛いです?わたし、きになります!

全面無視ならひたすらアプローチしまくります。だってそれも感情が為せる事。
胃が痛いのは「実家に帰らせて云々」ですw
というか、ガンが発覚した際に一回全面無視頂いてますwでも懲りずに根気よく話しかけたりアプローチしたりで解決w
逆にねぇ実家に帰られたら寝込みますよwそれから相手先に行って、義父母から事情を伺います。何せ私にとっては絶対に奪われたくない金銀財宝、文化財、プライスレスの宝物。意地でも取り返します。
そらまぁ、商売の姐さん達から「愛人に」と秋波送られる事もそれなりにありますが、丁重にお断りしてますし場合によっては代理人通じてカネで収めてます。
新婚当時に「実家に帰ります」だけの書置き見つけたときは本気でパニックに陥りましたよ。車飛ばして嫁実家に行ったら、単に一人が嫌だから帰ったとかで
嫁は義母に叱られ、私は義父に懇々と説教されましたw以後は嫁はちゃんと私に連絡してから帰るようになりましたが。
逆に現在はべったりです。つか検査結果を見てはあれじゃこれじゃと多種多様な料理を頂いてます。菜食主義かと思うくらい毎食野菜づくめですが。
最近の暑さで食欲が落ちないようにちょっと蛋白質が増えました。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/15(日) 22:47:23.91 ID:pnSmb6Bf0
乙〜
「豪と剛」なんてのはどうでしょ?
2人の強さの種の違いが出てるお話なのでそういうのがいいんじゃないかなぁと

暴力は自衛とか、犯罪なんかを殴ってでも止めなきゃいかんと言うとき以外はいらんのははっきりしてるんですけどね〜
当方F県住みですが前回の被害があったから豪雨の被害もインフラと意識のおかげで少なくなってる印象です
ずぶずぶのあの会社とかあの会社とかはいい加減改めろよとは思ってますが

肉類はともかくとして、たんぱく質と脂質は最低限取らないと死にます
貧乏人が太るのは野菜にしろその辺にしろ高いから炭水化物で誤魔化すからなわけで
60超えてくると肉じゃないとたんぱく質が必要な分を取りきれないなんてこともあります
ストレスにならない程度で「適度」にお召し上がりください
100 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/17(火) 20:33:54.29 ID:skZTwoWa0
>>98
どもです。

>人格卑しく、能力が高い……公務員というくくりでは結構いるなぁ。何故か福祉系と自治系に多いんだが。まぁ「能力が高い」と言っても単に運営が上手いとか弱者に高圧的に対応するとかだけどね。教員もそうか。
おお、なるほど。納得感がございます。いや、ありがとうございますー!

>「頭の良い阿呆」って奴らだね。
これはこれで使いようでもあるのですががががw

>現代日本に置き換えれば、児童虐待や生活保護といった緊急性や必要性の高い事案で自身の身分に与えられている権限を行動で対応せず、結果最悪の事態になっても「人間が」「忙しい」
実務者ですと、「やらない理由」はいくらでもひねり出せるものですよねえ

>インフラはね、もう対症でしか対応できないところまで追い込まれていますね。
(顔を覆う)
五輪もなんか変な感じに節約万歳になってきて……

>全面無視ならひたすらアプローチしまくります。だってそれも感情が為せる事。
おおう。これは見習おうと思いました。でも辛いねん。

>。何せ私にとっては絶対に奪われたくない金銀財宝、文化財、プライスレスの宝物。意地でも取り返します。
ごちそうさまです!

>多種多様な料理を頂いてます。菜食主義かと思うくらい毎食野菜づくめですが。
ごちそうさまです!(二回目)

>>99
>「豪と剛」なんてのはどうでしょ?
おお、いいかも。

>当方F県住みですが前回の被害があったから豪雨の被害もインフラと意識のおかげで少なくなってる印象です
経験が活きた、と。まあ、想定しているところであれば駅が沈んだり陥没したりしてましたよね。
インフラ投資は本当に大事だなあというのが広まればいいなあと^思います

>ずぶずぶのあの会社とかあの会社とかはいい加減改めろよとは思ってますが
これは全く分からないw

>肉類はともかくとして、たんぱく質と脂質は最低限取らないと死にます
四半世紀前と比べて、ご老人が元気で若々しいのは単純にたんぱく質の摂取量じゃないかなあと思ったりしております。
真偽は不明ですが
101 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/17(火) 22:58:49.41 ID:skZTwoWa0
すやすやと俺の膝の上にて眠る幼女一名。
それをにこやかに、俺の方をちらりと羨ましそうに。なにか物欲しげな視線をくれる美少女一名。
如南に向かう馬車の中である。つまり同乗しているのは美羽様と七乃の二人ということ。
七乃の視線をとても感じる。感じる。
いや、別に美羽様を独占しようとしてるわけじゃないよ?ただ、ほら、美羽様に服をがっちり掴まれているからして。幼女ホールドが極まっているだけで。

「いいなあ、二郎さん、いいなあ。
 美羽様独占して、ずるいなあ」
「いや、ほら俺ずっと留守してたからってだけだと思うぞ?
 その間七乃が独り占めしてただろ」

俺の言葉にぷう、と頬を膨らます。意外とこういう表情をすると幼く見えたりするんだよね、七乃って。

「どっかのだれかさんと違って私はお仕事もしてたんですよ?
 如南とも何回か往復してましたし。ほんと、フラフラしてるだけでいい人が羨ましいなあ。
 よ、この風来坊!唐変木!なんだか腹がたってきたぞー」
「自分で言ってて腹立てるなよ……」

むむむ。
美羽様を譲渡すれば一時的にでもこの微妙な空気を有耶無耶にできるんだけど、幼女ホールド相変わらずがっちり極まっています!
まあ、帰ったその日、部屋で待ってた美羽様たちをスルーしたのもいかんかった。
次の日、えらくご機嫌斜めだったからなあ。珍しく拗ねちゃったのであるよ。
うん、俺が一方的に悪いな。反省、反省。

むう、と膨れる七乃は対面の座席から俺の横に席を移す。
で、ぷにぷにと美羽様のほっぺをいじったり、引っ張ったり……っておい。

「おい、起きちゃうぞ?」
「大丈夫ですよ、このくらいで起きたりしませんから」

多少は機嫌を直したのか、にこにこしながら美羽様を弄繰(いじく)り回す。どうも起きるか起きないくらいのぎりぎりのラインを攻めているらしい。なんだそれ。

「んー、なんですか?そんなにこっち見て。
 あ、そっか」

にじり、と体を寄せてきて……。

「こんな時に……。欲情しちゃったんですね。仕方ないなあ。手早く済ませちゃいましょうか」

そんなことを言いながらおい、どこ触ってるのですか。
それと近い。顔が近いって。いや、首筋はだめだって。あふん。

「美羽様起きたらどうすんのよ。それに七乃お前な、周りの警護にばれたらどうすんの」

星とか流琉とか多分車内の気配で気づいちゃうぞ。
今回は百名と少数ながらも精鋭ぞろいだからなあ。
あ、雷薄は娘さんのいる如南にものっそい行きたがってたけどお留守番です。補佐は風。まあ、あの二人なら留守任せても大丈夫だろ。

「ぶーぶー。つまんないですねえ、それがいいのに」
「人に見られて喜ぶ性癖はない」
「じゃあ混ぜちゃいます?」
「どうしてそうなる」

さらっとえらいことをおっしゃる。

「まあ、如南では盛大に歓迎のおもてなしがありますから消耗してもまずいかな?それともそっちの方がいいかな?」

おもてなしですか。盛大ですか。

「ええそりゃ、もう。
 袁胤様も許攸さんも。何よりお父様も、一日千秋の思いで待たれてますよ?
 美羽様と、二郎さんを」
「そりゃありがたいこって。
 鬼が出るか蛇が出るか」
「ふふ。期待してくれていいですよー?」

細工は流々、後は仕上げをご覧じろ。
お代は見てのお帰りに。

耳元で甘く囁く七乃の舌がぺろり、と俺の耳朶を一舐めした。
いやん。

102 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/17(火) 23:01:12.21 ID:skZTwoWa0
◆◆◆

さて、如南への道中は何事もなく。特記するようなイベントもなく如南に到着した。あら珍しい。
いつもならなんやかんやあるんだけど、これはこれで不気味だな。

「美羽様はあちらへ。袁胤様がお待ちです」
「む?七乃と二郎はどうするのかや?」
「ええ、ちょっとお父様にご挨拶を」
「そうかや?ふむ。では手早く済ませてくるのじゃぞ?」

ええ、とにこやかに手を振る七乃。

「星、流琉、頼んだ」
「はい!わかりました!」
「任されたとも」

何を、とは言う必要もない。
……何が起きると決まったわけでもないけど。ないけど!

「紀霊殿、三尖刀はこちらに」

ん?

「はいはい、二郎さん。重い荷物は張郃君に預けちゃってくださいねー」

どろり、と濁った眼。浮かべた笑いは虚ろ。なんとも厄い長身の青年に三尖刀を預ける。
その所作には一分の隙もなく。あ、これ普通に達人や。しかも濡れ仕事系や。
ここは七乃を信じるとしよう。信じるよ?信じていいよね?信じるからな?信じたぞ?

……流琉くらいは俺に付いていてもらうべきだったかしらん。むしろ星か?いやいや、ここは美羽様ファーストでいかないといけない。

そして通された室は薄暗く。椅子に腰かけた壮年の男が一人いるきりであった。
手元を確認する。両手の指が……六本。つまりそれは異形の身。そして数多くの内外の政敵を誅滅した希代の暗殺者。
匈奴の侵略を受け、ボロボロだった袁家の不穏分子を鏖(みなごろし)にして、その功をもって張家を継いだ生粋の処刑人。
袁家の闇を体現するその異形は「六本指」、或いは「六」とだけ呼ばれている。つまり袁家の中でもトップクラスに「やべーやつ」である。
や、俺も間近で見たのは今日が初めてだしな。式典の時に幾度か遠目に見たことがあるだけだ。
間違ってもお近づきになりたくない人物である。
そして。できれば一生近づきたくなかったのだけれどもね。あーあ、出会っちまったか。
逃げたい。

「やあ、初めまして、というべきなのかな?」

張郃が濁った眼、というのであればこいつの目つきを何と言えばいいのかね。なんかこう、深淵を覗きこんでいるような錯覚すら覚えてしまう。

「もっとも、互いに噂くらいは知っていると思うがね」

まあ、俺の情報なんて筒抜けもいいとこだよね。誰から漏れてるとかは言わぬが華さ。
七乃と張郃が左右に控える図は、こう。どす黒い一幅の絵のように不気味で、正視に堪えない。

「挨拶、という割には偉そうだな?
 俺の記憶が確かなら、あんたはもう引退したはずだが」

何がおかしいのか、クク、と笑いをこぼす。

「いや、失礼。ああ、見事な正論だな。だが無意味でもある。
 確かに現在の張家当主は我が娘ではあるな。そう、私の忠実な人形である、ね」

愉快そうに嘲笑う。
その後ろに控える七乃は愉快そうな笑みを崩さない。張り付いたような笑みを崩さない。

「で、結局俺に何の用なわけ?さっさと美羽様のとこに行きたいんだが」
「いや、その必要はないとも」

ニヤリとした笑みが深まり、視線が室を睥睨する。
その視線につられて見ると、髑髏の仮面を身に着けた奴らが……五人!穏行か!室を同じくしながら気づかんとは!
視線を戻すまでもなく、室に殺気が充満する。幾条もの視線が死線となり俺を補足する。
脂汗が額を、頬を、背中を伝う。

103 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/17(火) 23:01:39.12 ID:skZTwoWa0
「なに、楽に逝きたいか、苦しんで逝きたいかくらいは選ばせてやろうかと、な」

実に愉快そうにどこからともなく取り出した杯に液体を注いでいく。

「飲むか、あがくかしたまえ。
 飲めば一瞬で楽になれるぞ?私としては是非に足掻いてほしいものだがね」

そろり、と重心を落とし、機を窺う。三尖刀の気配を窺い、補足。よし。
じわり、と髑髏どもが動き、俺を囲もうとする。つ、流石に隙がないな。
濃密な殺気の中、いつ壊れてもおかしくない膠着が続く。

「実にいい表情だね?」

そうかい。そりゃよかったよ。
その余裕綽々な態度にこっちゃワンチャン狙うしかないんだぜ。
控えめに言って絶体絶命である。いやマジで。

「では、娘よ。お前が命じるのだ、張家当主としてな」

す、と手が上げられると同時に七乃の表情が消え、歪んだ口元は三日月。

「はい、そうですね。じゃあ、張郃君、ちゃっちゃとやっちゃってくださいな」
「了解した、姉上……。
いやさ、ご当主」

音もなく、滑るようなその動きはまさに練達の極み。
外しようもない一撃は胸を貫き、鮮血が飛び散る。

「な!
がっ……!」

吐血。
ここにきて、愉悦した笑みは消えて苦痛に歪む。
口を開いて何か言おうとしたのだが。

「えい」

続けざまに七乃が繰り出した一撃がその喉を貫いた。見事な刺突。迷いなぞない。

「はいはーい、何か言いたいことあったみたいですけど、正直興味ないですからさっさと死んでくださいね。
 よいしょっと」

引き抜いた短刀を脳天に突き刺す。もはや飛び散る鮮血で七乃も張郃も真っ赤である。
そんなでもにこやかな笑みを崩さない七乃と目が合う。

「二郎さん、ご協力感謝です。
 これで名実ともに私が張家を掌握できることになりましたー」

鮮血を拭うこともせず、けらけらと笑う七乃。
うん、凄みがすごい。

「あ、そうだ。
それ、さっさと片付けてくださいねー。張郃君は後始末、よろしく」
「は、承知いたしました」

音もなくその場から掻き消える張郃。すげえ。

「じゃ、二郎さんは先に美羽様の所へ行ってくださいな。流石にこの恰好じゃちょっと顔出せないですし」

恰好の問題じゃない気がするんだが。
いや、気づいたら全身が冷や汗と脂汗でえらいことですよ。
104 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/17(火) 23:04:05.42 ID:skZTwoWa0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

いやあ、勝利の鍵は七乃さんでしたね!
大体ここでゲームオーバーになるんだよなあ……

タイトル案

「張家、乱れる」

いまいちだあ
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/18(水) 00:24:07.89 ID:r4P1BLiP0
乙〜
ななのさんきれいさんだいかつやく!
何故か旧SRWを思い出してしまいましたww

タイトルはここは敢えて「よはなべてこともなし」で
ひらがなオンリーがミソww
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/18(水) 07:17:42.37 ID:hCKVXtL+o
ここ好き
もはやあっさりとした父の死に様が、七乃さんの強さと異常さを引き立てる
七乃さんマジキーカード

タイトル案
「親喰みの蜘蛛」
107 :赤ペン [sage saga]:2018/07/18(水) 14:56:56.91 ID:bG2vHsmo0
乙でしたー
>>101
>>ぷにぷにと美羽様のほっぺをいじったり、引っ張ったり 意味は通じますが【いじる】の中に【引っ張る】が含まれてる気がするので
○ぷにぷにと美羽様のほっぺをつまんだり、引っ張ったり もしくは【つついたり】とかの方がいいかな?或いは【ぷにぷにと美羽様のほっぺをいじって】とか?
>>どうも起きるか起きないくらいのぎりぎりのラインを ちょっと違和感が…【この場合起きるか起きないか】?でもそれだと起きるかもしれないから
○どうもぎりぎり起きないくらいのラインを      七乃は起きないと確信してるのでこんな感じでどうでしょう
>>102
>>なんとも厄い長身の青年に三尖刀を預ける。  はて?宝貝って才能が無い人が持つと滅茶苦茶疲れて昏倒したような…まあこの世界では大丈夫か鞘にでも入れてたとみるべきか
>>しかも濡れ仕事系や。 脱獄大作戦?これって何が何で濡れるって意味なんだろうなあ
○しかも汚れ仕事系や。 一応一般的に言うと多分彼の仕事ってこれ系かな?
>>103
>>いつ壊れてもおかしくない膠着が続く。  ちょっと自信が無いですが《膠着状態》はお互いに隙をうかがったりして所謂拮抗した状態に近いと思うんですよ(まあ一方が圧倒してるけど出血を抑えるためにより完璧な勝利をしようとする状態とかもありますが)
○いつ崩れてもおかしくない膠着が続く。  もしくは【いつ傾いてもおかしくない】とか?イメージとしては長方形《□》でこれが平行四辺形に形を変える…図形描けねえ。
□□□     □□□
□□□      □□□
膠着これが   崩れる、傾くこうなる感じかと
>>音もなくその場から掻き消える張郃         カッコいいけどこの後雑巾とかの掃除用具を取りに向かうんだよなあ…いっそのこと
○ひょい、と担ぐと何でもないかの様に室を出ていった この後始末を完遂するまでは張郃君の姿を誰も見かけないんだろうなあ
個人的な好みの問題なんですがああいう《フッと消える》描写って強キャラ感はあるんですが同時に見せつけてる感もあるんですよね…なんというか力仕事を頼まれてポージング決めて胸筋ぴくぴくさせてる様な
なのでそれまで普通にいたけど要件が済んで目を放した隙にいなくなるのが好みだったり、部屋を出たら、とか角を曲がったら、とかで見えなくなるような
ちなみに普通に考えれば大の男(しかも元張家当主)を抱えてる血まみれの男とか目立つに決まってますが、まあ張郃君ならできるさ

《張家の長の真の継承》…違うか《凡人、蜘蛛の家の代替わりを見届ける》、《張家、頭を切り替えて心機一転する》って感じかな?
この来た、見た、勝った。感…やはり戦いはその仕込で8割決まるんやなって(なお二郎君は知らない)
しかし本当、いったいどれだけの爆弾が彼女によって解体されたのやら
108 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/18(水) 21:50:56.64 ID:XbBRVn0v0
>>105
>何故か旧SRWを思い出してしまいましたw
スーパーロボ!
6さんはユーゼス感もありおりはべりいまそかりな方です

>タイトルはここは敢えて「よはなべてこともなし」で
絡新婦の理:よはなべてこともなし
ありですね

>>106
>ここ好き
嬉しい……。シンプルだけど嬉しいです

>もはやあっさりとした父の死に様が、七乃さんの強さと異常さを引き立てる
こってり脂マシマシも書いてみたのですが、コレジャナイ感で没
鮎の煮干しをベースとした上品な味付けです

>七乃さんマジキーカード
この固定イベントで七乃さんと美羽様の好感度が足りず、例のイベントが発生しなかったら死ぞ

>「親喰みの蜘蛛」
タイトルからネタバレがひどいw
いや、言葉のセンスはいいんだけど、タイトルはなろうで使うから難しいのよね

>>107
赤ペン先生いつもありがとうございますー

> はて?宝貝って才能が無い人が持つと滅茶苦茶疲れて昏倒したような…まあこの世界では大丈夫か鞘にでも入れてたとみるべきか
ふむ、と思いましたが多分妲己ちゃんが同化した世界だから資質に差はあれど的な
だから多分能力に+効果あるアイテムの数々も広義の宝貝だったりするのかなとか思ったりそういうことにしようと今決めました

>脱獄大作戦?これって何が何で濡れるって意味なんだろうなあ
濡れ仕事(ウェットワーク)。暗殺系の仕事のことです。KGBが使う隠語が語源。この言葉を初めて知ったのはパタリロ!だったりします

>個人的な好みの問題なんですがああいう《フッと消える》描写って強キャラ感はあるんですが同時に見せつけてる感もあるんですよね…なんというか力仕事を頼まれてポージング決めて胸筋ぴくぴくさせてる様な
爆笑w

>ちなみに普通に考えれば大の男(しかも元張家当主)を抱えてる血まみれの男とか目立つに決まってますが
それでも張郃なら、張郃ならやってくれる……(無責任)

>この来た、見た、勝った。感…やはり戦いはその仕込で8割決まるんやなって(なお二郎君は知らない)
割と徹頭徹尾蚊帳の外。これは間違いなく凡人(隙あらば凡人アピール)

>しかし本当、いったいどれだけの爆弾が彼女によって解体されたのやら
正直二郎ちゃんはもっと七乃さんに感謝するべきだと思います、とメタってしまうくらいですw
140.35 KB Speed:1.5   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)