【モバマス】菜々「温泉旅行に行きたいです」 P「え?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/14(月) 23:56:36.16 ID:dTujQgcW0


カタカタカタ

P「……」カタカタカタ

ちひろ「プロデューサーさん、お先に失礼します」

P「お疲れ様です」

ちひろ「まだ残ってるんですか?」

P「はい、総選挙関連の仕事が終わってないので」

ちひろ「総選挙……終わったら終わったで大変ですね。ライブや収録、取材にテレビ出演、色んなイベントがあります」

P「嬉しいことですよ。アイドルにとっても俺にとっても。ファンの方に感謝しないと」

ちひろ「そうですね」クスッ

ちひろ「張り切るのはいいですけど、体調を崩さないようにしてください。みんな心配しますから」

ちひろ「これ、差し入れです。よかったら食べてください」スッ

P「ありがとうございます」

――――

カタカタカタ

P「ふぅ……一区切りついたか」

P「うわ、もうこんな時間か。そろそろ帰らないと……」

ガチャ

P(ん? まだ誰かいたのか)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1526309795
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/14(月) 23:57:23.24 ID:dTujQgcW0
菜々「あ」

P「え?」

P「な、菜々!? なんで……!」

菜々「プロデューサーさんを待ってたら寝ちゃってて」アハハ…

P「他のみんなは?」

菜々「パーティーが終わったら順次帰宅しました。残ってるのは私だけです」

P「……」

菜々「分かってます、ごめんなさい。でもどうしても言いたいことがあって……」

P「明日でもいいだろう」

菜々「今日じゃなきゃダメなんです!」

菜々「ありがとうございます」ペコリ

菜々「私を……安部菜々をアイドルにしてもらって。アイドルとして活動させてもらって」

菜々「とっても充実した日々を過ごしてきました。辛いことや苦しいことでさえも、かけがえのない思い出です」

P「……」

菜々「その思い出の中に、今日。これ以上ないくらい素敵な出来事が刻まれたんです」

菜々「総選挙1位。まさか私が……シンデレラガールになれる日が来るなんて……」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/15(火) 00:21:08.03 ID:BOBUI8tD0
菜々「これも全てプロデューサーさんのおかげです! あの日、プロデューサーさんがスカウトしてくれなかったら」

菜々「私はこの場所に立ててすらいなかった」

菜々「何度でも言います。本当にありがとうございます!」ペコリ

P「俺はただ手助けをしただけだよ」

P「アイドルとして人気を集めて、総選挙1位になれたのは菜々が頑張ったからだ」

菜々「プロデューサーさんのおかげでもあります! 落ち込んでる時に声をかけてもらって、すごく励みになりましたし!」

菜々「プロデューサーさんがいたからこそですよ!」

P「大げさ過ぎやしないか」ハハ

P「こっちこそありがとう。安部菜々っていうアイドルの近くで、シンデレラになるまでの軌跡を見ることができた」

P「こんなに嬉しいことはないよ。でも」

菜々「?」

P「まだ終わりじゃない。アイドルとしての道はこれからも続く」

P「ファンの人に魅力的な笑顔を。アイドルの安部菜々をもっと見せてあげてくれ」

菜々「はいっ! もちろんです!」ニコッ

P「うん。ところで電車大丈夫か?」

菜々「!!」

P「車で送っていこうか」

菜々「す、すみません……」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/15(火) 00:22:39.59 ID:BOBUI8tD0
とりあえず14日に立てたかったので立てました
総選挙1位おめでとう!
ある程度書き溜めしたら、また投下します
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/15(火) 08:04:16.64 ID:mensXu7SO
電車で帰れるウサミン星
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/15(火) 11:36:11.36 ID:9VXk/hfDO
秋葉原に零時半前に着ければ家に帰れる有能路線民やぞ(千葉行き終電00:32)
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/15(火) 14:12:39.18 ID:Rvm3eoDRO
ウサミンエクスプレス(銀河鉄道)があるし(震え声)
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/17(木) 01:14:39.59 ID:zo//hfo80

――――

菜々「……」

P「寝ていいよ。着いたら起こすから」

菜々「いえ、眠くないんです。目が冴えちゃって」エヘヘ

菜々「……本当なんですよね……」

P「?」

菜々「本当に私、1位になれたんですよね。まるで夢を見てるような気持ちでふわふわしてるんです」

P「実感が湧かない?」

菜々「はい。明日目が覚めたら、全部ウソになってるんじゃないか、なんて思ったり」

P「菜々は正真正銘シンデレラガールだよ。自信を持って」

菜々「プロデューサーさん……。はいっ」

P「あ、そうだ。何かお祝いしないとな」

菜々「もうしてもらいましたよ」

P「今日のパーティーのことなら、あれは俺を含めた346のみんなからのお祝いだ」

P「プロデューサーとしてのお祝いは何もあげてない」

菜々「い、いいですよそんな! お気持ちだけで充分です!」

P「まあまあそう言わずに。何か欲しいものあるか? やりたいことでもいいぞ」

菜々「急に言われても……」

菜々「……」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/17(木) 01:17:28.81 ID:zo//hfo80
P「行きたいところでもいいし、遠慮なんかせず…」

菜々「何でもいいんですよね」

P「ああ。俺にできる範囲なら……いや、シンデレラガールになれたんだ。多少の無理はしてもいいかな」

菜々「じゃあ」



菜々「温泉旅行に行きたいです」

P「え?」



――――

――――――

――――――――


(数日後)


菜々「プロデューサーさん、おはようございます!」

P「おはよう……と言っても、もうすぐ昼だけどな。あんまり大きな声出すとバレるぞ」

菜々「大丈夫ですよ。ちひろさんが手配してくれてるんですよね?」

P「……」


ちひろ『ええ、いいですよ。身バレしないように手を回せばいいんですよね?』

P『どうやるんですか』

ちひろ『秘密です♪』

P『気になるな……まあいいか。お金の話に移りますけど、いくら必要ですか?』

ちひろ『私がしょっちゅう搾取するような守銭奴だと思ったら大間違いですよ』

ちひろ『日頃お仕事を頑張ってるプロデューサーさんへのお礼だと受け取ってください』ニコニコ
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/17(木) 01:18:09.97 ID:zo//hfo80
P(なんて言ってたけど、あとで請求されそうな予感がする。不安だ)

菜々「プロデューサーさん?」

P「!」

P「ああ、たぶん大丈夫だと思う。でもなるべく慎重に行動しよう」

P「アイドルと男のプロデューサーが2人で温泉旅行なんて、普通ならスキャンダルだし」

P「特に菜々は総選挙で1位をとったばかりなんだ」

菜々「分かってますよ♪ 電車もうすぐ来ますし、早く行きましょうっ」ワクワク

P(本当に分かってるのか)ハハ…

――――

菜々「はい、約束のウサミン弁当です♪」スッ

P「おー、可愛いし美味そう! 悪いな作らせちゃって」

菜々「気にしないでください。これお茶です」

P「ありがとう」

P「……。なあ菜々、どうして温泉旅行なんだ。しかも俺と2人でなんて」

菜々「またその話ですか。これといった理由は無いです」

菜々「プロデューサーさんと2人でどこかに旅行に行けたらなって、ずっと考えてて」

菜々「それを実行に移しただけです」ニコッ

P「だから何で俺と?」

菜々「これ以上は喋れません。乙女、もといウサミンの秘密ですよっ!」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/17(木) 01:21:09.29 ID:zo//hfo80
P「ということは、やっぱり深い理由があるんだな」

菜々「な、何のことか分かりませんねぇ」

P「冷や汗までかいてる」

菜々「これはウサミン星人が空腹時に流すエキスです! あーお腹が空いたなー」

P(とってつけたような設定を)

菜々「ささ、細かいことはいいので食べましょう。卵焼きが上手く焼けたんですよ!」

P(全然細かくないんだけど……。まあ、言いたくないならそれでいいや)

P「ウサギの形か。いただきます」パクッ

P「美味いっ!」

菜々「えへへ、よかったです♪ まだまだあるのでじゃんじゃん食べてください」ニコニコ

――――

菜々「景色があっという間に流れていく。さすが新幹線!」

菜々「もうちょっとで新潟に到着ですね」

P「……」

菜々「プロデューサーさん?」

P「……zzz」

菜々「寝てる。もー、せっかくの旅行だし色んなお話をたくさんしたいのに」

P「zzz」

菜々「そうだっ。良いこと思いついた」スッ
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/17(木) 01:37:00.45 ID:zo//hfo80
菜々「今のうちにツーショット写真を」タプタプ

菜々「はい、ウサミン☆」

ピロリン♪

菜々「うんうん、上手く撮れてる」

菜々「もう1枚撮っちゃえ」ピロリン♪

――――

P「ごめん。いつの間にか意識が……」

菜々「気にしないでください! 疲れてたんですよね?」

P「昨日の夜遅くまで書類を片付けてたんだ。旅行に備えて寝るべきだったよ、反省してる」

菜々「お仕事なら仕方ないですよ♪」

P「怒ってないのか?」

菜々「はい、写真も撮りましたし」

P「え」

菜々「いえいえ何でもないですっ!」アセアセ

菜々「それよりもプロデューサーさん、宿へ行く前にちょっと観光していきましょう!」

P「いいな。でも、ここら辺ってそういうスポットあったっけ」

菜々「スキー場へのアクセスはいいんですけど、日本全国で有名って場所はないですね」

菜々「ただ私がネットで得た情報によると、ここの駅内に良いお店があるらしいです」

P「良いお店?」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/17(木) 01:39:02.94 ID:zo//hfo80
毎日投下していきます
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/17(木) 05:24:11.35 ID:xVANzlwDO
新潟で温泉で新幹線でスキー場……



ガーラ湯沢かな?(すっとぼけ
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/19(土) 01:59:56.18 ID:KqcxFfYM0
>>14
越後の方です
新幹線で1時間ちょっとらしいので、日帰りにも良さそうです
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/19(土) 02:00:36.45 ID:KqcxFfYM0

――――

P「へぇー、色んな酒が並んでるな」

菜々「全部日本酒らしいです。500円払えば利き酒ができるとか」

P「某25歳児が飛びつきそうな情報だ。いや、他にも喜びそうなのが数人いるか……」

菜々「あ、これ美味しそう。でもこっちもいいなー」

P「こらこら、17歳が嬉しそうな顔で酒を選ぶんじゃない」グイッ

菜々「何を言ってるんですか? 飲むのは私じゃなくてプロデューサーさんですよ?」

菜々「お酒のことよく分からないですけど、一生懸命選びますからね♪」

P(と言う抜け道か。一応バレないように髪を下ろしてメガネかけて変装してるし、ちひろさんの手回しだってある)

P(周囲に知られることは無さそうだが……)

P「決まったら俺に渡してくれ」

菜々「えっ、買ってくれるんですか?」

P「お祝いにな。菜々がカウンターに行ったら店の人にバレるかもしれないし」

――――

菜々「飲むのが楽しみです♡」

P「……」

菜々「何か言いたげな顔ですね」

P「以前は俺の前でも17歳だと押し通してたのになと思って」

菜々「心の距離が縮まった証拠ですよ!」

P「じゃあ他のアイドルにも教えたっていいだろ」

菜々「それとこれとは話が別です。プロデューサーさんはアイドルのことを知ってなければいけませんからね」

菜々「色々と悩んだ末に、仕方なく実年齢を明かしたんですよ? 苦渋の決断でした」ウンウン
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/19(土) 02:02:24.15 ID:KqcxFfYM0
P(まあ感づいてたけどな。中には察してるアイドルだっているし)

菜々「また何か言いたげな顔ですね」

P「気のせいだよ。次はどこに行く?」

菜々「はぐらかした!」

――――

P「足湯、気持ちいいなぁ」

菜々「あったまりますねぇ」

P「温泉宿へ行く前に入るのもあれだけどな」

菜々「いいじゃないですか、何度でもどんどん入りましょうよ」ニコッ

P「……幸いにも人はいないみたいだな」キョロキョロ

菜々「?」

P「人がいるとウサミン星人のことについて話せないからな」フフ

P「改めて、感慨深いよ。あの菜々がシンデレラガールになる日が来るとは」

菜々「自分でもビックリです。アイドルになれただけで幸せだったのに、もっと大きな幸せに包まれるなんて」

菜々「1位をとった日、家に帰ったらずっと眠れなかったんですよ」

菜々「今までの思い出が頭に浮かんでは消えて、涙が止まらなくなっちゃって。事務所で寝ちゃったせいでもあるんですけど」アハハ

P「次の日、目が真っ赤だったよな」

菜々「お恥ずかしい限りです……」

P「いいんだよ。アイドルのみんなも俺も、菜々の苦労を間近で見てきたし、気持ちは分かるから」

P「本当によく頑張った」ナデナデ

菜々「あ……」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/19(土) 02:03:41.72 ID:KqcxFfYM0
P「っと、ごめん。年少アイドルにいつもこうするから、つい癖で」

菜々「子供っぽいってことですか、心外ですねっ」

P「違うんだよ。ちょうどいい位置に頭があったからさ」

菜々「……」

菜々「お願いします」

P「へ?」

菜々「頭を撫でられるなんて経験、この歳じゃ滅多に無いですし」

菜々「プロデューサーさんに撫でられると……う、嬉しいので……」モジモジ

P「……」

ナデナデ

P「頑張ったな」

菜々「……はい……」カァァ

――――

P「一般の人に凄く見られてたな」

菜々「公共の場だと言うことを忘れてました」

P「バレてないよな?」

菜々「仮に気づかれても、ちひろさんがバックについてるなら平気ですよ」

P「あの人一体どんなことするんだよ」

菜々「私も詳しいことは……。ただ、ちひろさんに任せておけば120%身バレしないとか」

P「なんか怖くなってきた。闇の権力者とかじゃないだろうな」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/19(土) 02:04:40.29 ID:KqcxFfYM0
少ないですがここまでで
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/19(土) 02:15:04.66 ID:OeVyovyjo
乙でした
ぽんしゅ館www

そういやここに25歳児がやって来た旅m@s動画もあったな
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/19(土) 04:33:21.75 ID:0JNfWH0No
あべなな、さんじゅうななさい
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/19(土) 22:09:03.60 ID:XKpaN4VZO
闇の権力者?ハハッ何を言ってるんだ
ちひろはもっとヤバいそんざiおや?来客だ
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/21(月) 12:19:00.94 ID:s0k/QG9g0
可愛ければ別に何才でもいいんだよなあ
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/21(月) 15:45:06.10 ID:81EP15neO
それな
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/21(月) 21:40:00.51 ID:sccA5wr40
菜々「それは言い過ぎなんじゃ……あっ、着きましたよ! ここが私たちの泊まるところです」

P「おお、雰囲気あるなぁ」

菜々「まさしく和≠ナすねっ! 入りましょう!」

P「予約は任せろって言われたから任せたけど、ちゃんと取れてるよな?」

菜々「当然ですよ! 子供じゃないんですから!」

――――

P「……」

菜々「わー、素敵なお部屋ですねー♪ ゆっくりとくつろげそうです」

P「おい」

菜々「見てください露天風呂付きですよ! 湯船に肩まで浸かりながらお酒を飲む、なんて夢のような過ごし方が可能です!」

P「菜々、ちょっと」

菜々「何ですか? ちゃんと予約できてたでしょう」

P「果たしてそうかな。俺言ったよな、二部屋分の予約取ってくれって」

P「俺と菜々、別々の部屋で過ごそうって。お金は出すからって」

菜々「ええっ!? ごめんなさい! ナナ勘違いしちゃったみたいでっ!」

P「わざとらしい演技」

菜々「だって、こうすれば余計なお金をかけずに済むじゃないですか」

P「確かにそうだけど……」

菜々「もう取っちゃったんですから諦めてくださいよ」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/21(月) 21:42:28.00 ID:sccA5wr40
菜々「それとも、ひょっとしてプロデューサーさん……私にいやらしいことする気ですか?」

P「は?」

菜々「何か間違いがないようにと考えて、部屋を分けたかったんですよね?」

菜々「つまり間違える可能性がある。少なからず私を性的な目で見ているという事」

菜々「一緒の部屋で過ごせば襲ってしまうかもしれない。その不安を拭うために部屋を別々に…」

P「分かった分かった! 一部屋でいいから!」

菜々「分かればいいんです♪」

P(まあ菜々の言ったように、間違いを起こさなきゃいいだけの話だしな)

P(身バレの心配もないんだし……)

――――

菜々「夕食までまだまだ時間ありますね」

P「うん。ここら辺をのんびり歩こう、気になるところがあれば入るも良し」

菜々「私はプロデューサーさんとお話さえできれば何でもいいんですけどね」

P「そんなに話すことあるか?」

菜々「ありますよ! アイドルの活動についてとか、スケジュールとか」

P「それは仕事に戻ってからでいいだろう。今は羽を伸ばせばいいんだ」ハハハ

菜々「あははっ、そうですね。じゃあプライベートなお話をしましょうか」

菜々「好きな女性のタイプは?」

P「確かにプライベートな話だな」

P「好きな女性か……包容力がある人かな。あと料理ができれば嬉しい」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/21(月) 21:47:54.37 ID:sccA5wr40
菜々「ほうほう、その理由は?」

P「仕事で疲れて帰った時に癒してもらいたい。さらに美味い料理を食べたら次の日も頑張れそうな気がする」

菜々「なるほど。仕事中心の考え方ですね」

P「直した方がいいかな」

菜々「いえ、女性もちゃんと気にかけてあげれば大丈夫ですよ!」

菜々「仕事ばかりだと寂しくなっちゃいますからね」

P「気をつけるよ……って何で相談みたくなってるんだ」

P「菜々の好きな男のタイプは?」

菜々「私のことはいいじゃないですか」

P「俺にだけ喋らすのはズルいなぁ」

菜々「セクハラですよ」

P「ええ!?」

菜々「ふふっ、冗談です。私の好きな男性のタイプですか」

菜々「うーん……プロデューサーさんみたいな人ですね」

P「マジか」

菜々「私のこと理解してくれますし、一緒にいると楽しいですし」

菜々「アイドルを卒業する時が来たら、結婚してあげてもいいですよ?」

P「それは嬉しい申し出だな。予約しておこう」ハハハ

菜々「承りました、ご主人様♪」ニコニコ

P「その呼び方はマズイからやめてくれ……」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/21(月) 21:49:37.27 ID:sccA5wr40

――――

菜々「プロデューサーさん、雪国って小説知ってますか?」

P「数年前に友達の家へ遊びに行った時、本棚にあった本だ」

菜々「知らないも同然ですね……かく言う私も読んだことないんですけど、有名な小説らしいですよ」

菜々「その雪国の初版本などが、この建物に展示されてるらしいです」

P「何で?」

菜々「雪国の舞台がここ、湯沢なんですって。入りましょう!」

P「ほー、興味深いな」

(数分後)

P「歴史を感じる展示物だ」

菜々「見てください。向こうに囲炉裏がありますよ、囲炉裏っ」

P「宿にあった囲炉裏にも同じ反応してたよな」

菜々「だって風情があるじゃないですか。お鍋を囲炉裏の火にかけてぐつぐつ煮たりしたいです」

P「花より団子か」フフ

菜々「ち、違いますよ! 食べるのが目的じゃなくて、煮る様を見るのがいいんです」

P「はいはい」

菜々「もー……!」プンプン

(さらに数分後)

P「お、これか。雪国の小説」

菜々「初版本ですね。レアですよ」

P「どんな内容なんだろうな。文香知ってるかな」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/21(月) 22:10:22.47 ID:sccA5wr40
菜々「有名ですし、知ってると思いますよ。あらすじを簡潔に教えてくれそうですね」

P「今度聞いてみよう」

菜々「自分で読んで確認するとかじゃないんですね……」

P「さすがに全部は聞かないさ。映画やアニメの予告と同じで、ちょっとだけな」

――――

P「宿に到着」

菜々「帰ってきましたね! そろそろ夕食の時間ですけど、その前に」

P「その前に?」

菜々「足湯に入りましょう!」

P「またか!」

菜々「いいじゃないですかぁ。せっかくこの宿にも足湯があるんですし、入らなきゃ損ですよっ」

菜々「歩いたことによって足腰に溜まった疲労を回復させましょう。さあさあ!」グイグイ

P「言うほど歩いてないだろ。分かったから引っ張るなって」

――――

女の子「ナナちゃん、サインありがとー!」

菜々「わわっ、大きな声出しちゃダメですよ……!」

菜々「ナナは今お忍び中ですからね」

女の子「お忍び?」

P「かくれんぼしてるんだ。みんなにアイドルだってバレないようにね」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/21(月) 22:22:02.67 ID:sccA5wr40
菜々「ここでナナに会ったこと、誰にも言わないでください」

菜々「お願いしますっ」

女の子「わかった、ひみつにするね! サインありがとー!」

タタタタ…

菜々「……」

P「優しいな」

菜々「ファンは大切にしなきゃいけませんから。この完璧な変装を見破った子なら尚更です」

P「はは、そうだな」ニコッ

P「でもサインまであげてよかったのか? 親御さんに見つかったら…」

菜々「手帳ですから大丈夫ですよ♪」

P「あ」

タタタタッ

女の子「ナナちゃん、忘れてた」ヒソヒソ

菜々「な、何をですか?」ヒソヒソ

女の子「握手してください」スッ

菜々「もちろんです」ギュッ

女の子「ありがと」

タタタタ…

P「きちんと配慮してくれてるな」

菜々「……」

P「どうした?」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/21(月) 22:53:49.83 ID:sccA5wr40
菜々「いえ……ちょっと、小っちゃい頃の自分を思い出したんです」

菜々「こんな感じでアイドルと握手してもらったなー、って」

P「……」

菜々「すごく眩しい笑顔で握手してもらって、嬉しさと感動が込み上げて泣いちゃったんですよ」フフ

菜々「そう。とっても眩しくて、輝いてた。テレビで見るよりもずっと」

菜々「……今握手をした子も、あんな気持ちになってくれたかな……」

P「なったに決まってるさ。菜々は素晴らしいアイドルだからな」

P「プロデューサーの俺が言うんだ、間違いない」

菜々「プロデューサーさん……」

グー

菜々「!」

P「俺じゃないぞ」

菜々「わ、分かってますよ。どうやら空腹を告げるウサミンアラームが鳴ったようですね」カァァ

P「エキスを流すんじゃなかったっけ」

菜々「毎回違うんですっ! 足湯に充分浸かりましたし、ご飯を食べに行きましょうか!」

――――

P「おお、綺麗な盛り付けだな」

菜々「これはもう芸術品ですね」

P「食べようか、いただきます」

菜々「いただきますっ」

菜々「まずはこの先付料理を……はむっ」

菜々「んー……! 美味しいっ!」キラキラ

P「魚料理も美味いぞ」

菜々「え? もうそれに手をつけたんですか! 順番が分かってないですよ!」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/21(月) 22:55:30.10 ID:sccA5wr40
ここまででにします
日にちが空いてしまいすみません
投下までまた1、2日空くと思います

>>20 紹介していただきありがとうございます
   旅動画含め、モバマスの動画なんてあったんですね! 今後の楽しみになります
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/22(火) 06:32:57.76 ID:aPinWRNNO
モバマスなら個人的にはふみふみと765響の深夜食堂とかありすと響のサバイヴ飯とか好き
あとは疑似人形Pのアイマス(765876346ジュピター)とGジェネとか
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/22(火) 22:43:29.76 ID:H/+xDDGJ0
〉〉33 ありがとうございます
動画観てみます!
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/25(金) 01:15:34.58 ID:WM4y3/hd0
菜々「まずは先に出されるお料理からいただかないと」

P「ごめん、あまりにいい匂いで手が伸びたんだ」

P「でもマジで美味いぞ。食べてみて」

菜々「そんなにですか? じゃあ……」パクッ

菜々「あ、本当だ。お料理の盛り方もですけど、季節を感じますね」

菜々「目を瞑れば、素材たちが生きていた頃の光景が浮かびます……」

P「この肉料理も美味い!」

菜々「……」ジトー

P「な、なんだよ」

菜々「何でもないです。まあ、自分の好きに食べるのが1番ですよね」フフッ

P「酒も飲もうかな、っと」スッ

菜々「待ってください!」

P「?」

菜々「これからお風呂に入るんですよね? 飲酒後のお酒は……」

P「!!」

P「し、しまった……先に入ればよかったな」

菜々「安心してください。こんな時のために駅でお酒を買ったんじゃないですか」

P「あれはお前のだから飲むわけにはいかないよ」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/25(金) 01:16:53.35 ID:WM4y3/hd0
菜々「遠慮しないでください。家に帰っても1人ですし、誰かと一緒に飲んだ方が楽しいですからね」

P「……なら、もらおうかな」

菜々「約束ですね♪ あとで飲みましょうっ」

――――

P「いやー満腹だ。心も満たされた」

菜々「美味しかったですねー。あっ、ここでお別れのようです」

P「また後で」

菜々「はい! 入り終えたら出入り口で待ってますからね!」

P「オッケー」

(数分後)

ザパーン

P(さてと、湯船に浸かろうかな)スタスタ

チャプ

P(ふぅー……いい湯だ……)

P(温泉はいいよなぁ。風呂に入るよりも疲れが取れるし)

P(このまま眠ってしまいそうになる)

P(……)

P(菜々も今頃、湯に浸かってるのかな)

P(……菜々の湯浴み……)

P(ダメだダメだ! 何を考えてるんだ俺は!)ブンブン

P(担当アイドルの裸を想像するなんて言語道断だ)
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/25(金) 01:19:20.64 ID:WM4y3/hd0
P(……84……57……84……)

P(身長は小さいけど、スタイルはなかなかなんだよな……)

P(ってまた俺は!)ブンブン

(20分後)

P(周りの人に変な目で見られてしまった。猛省しよう)

P(菜々、遅いな……俺が早いのかな。もう少し入っていればよかったか)

P(いや、それで菜々を待たせるのも悪いしな)


菜々「プロデューサーさん!」

P「!」


菜々「お待たせしてしまってごめんなさい」

菜々「温泉が気持ちよくて、うっかり長湯しちゃったんですよ」アハハ

P「……」

菜々「どうしました?」

P「……」

P(艶かしい。湯上りってこんなに色っぽくなるものなのか?)

菜々「えっと、相当怒らせてしまったようで」

P「え? ああ、いや違うんだ。ただ、その……」

P「こんな場所でプロデューサーなんて呼んだらマズいだろ」ヒソヒソ

菜々「はっ! そうでした、油断してました」ヒソヒソ
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/25(金) 01:21:22.15 ID:WM4y3/hd0
P「あと髪をまとめてるのもバレそうで怖いな」

菜々「なるべく目立たないようにしますから、このくらいは許してください」

P「まとめた方がリラックスするのか?」

菜々「そういうわけでは……」


「ねえ、あれって」

「アイドルの……?」


P・菜々「!!」

菜々「ど、どうしましょう……!」

P「俺の影に隠れろ。部屋に行くぞ」

――――

菜々「大丈夫でしょうか」

P「ちひろさんが何とかしてくれるさ」

P「で、何で髪をまとめたんだ?」

菜々「だって、こうすれば……うなじが見えるじゃないですか」

P「は?」

菜々「うなじですよ。湯上りのうなじは男性をときめかせると聞いたので」

P「湯上り限定じゃないと思うけど」

菜々「そうなんですか?」

P「普段首を隠してる髪型の女性が、ふとうなじを見せた時にドキッとするんだと思う」

菜々「思うって、ぼんやりしてますね」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/25(金) 01:23:11.16 ID:WM4y3/hd0
菜々「それで、プロデューサーさんはどうですか? ドキッとしましたか?」

P「俺のために髪を?」

菜々「普段私たちのために頑張ってくれてるご褒美ですよ♪ どうなんですか! 答えてください!」

P「だって菜々、いつもポニーテールだし」

菜々「見慣れてると……」

P「でも、色っぽいよ」

菜々「えっ」

P「色気がある。魅力に溢れてるよ」

菜々「あ……ありがとうございます……」モジモジ

P「自分で仕掛けといて照れるのか」フフ

菜々「予想以上にハッキリ言われたので」

菜々「あ! そうだ、お酒を飲みましょうよ! 危うく忘れるところでした」スタタタッ

P「湯上りの一杯か、いいな」

菜々「ちょっと待ってくださいね。用意しますから」ガサゴソ

P「お猪口は?」

菜々「用意してきました!」ジャン

P「飲む気満々だったんだな……」

――――

菜々「プロデューサーさん、どうぞ」トクトクトク

P「おっととと……ありがとう。菜々にも注ごう」トクトクトク

菜々「ありがとうございます。はぁー、お酒の香りがたまりませんねぇ」

菜々「では、乾杯しましょう!」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/25(金) 01:24:15.64 ID:WM4y3/hd0
少ないですがここまでで
明日投下します
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/25(金) 02:36:47.07 ID:hsRnYINLO
参照画像があれば…

安価のやり方は半角の>←これ二つに半角数字だよ
>>1
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/25(金) 14:07:42.82 ID:WM4y3/hd0
>>41
こうでしょうか
スマホから打つと半角が分からないのでこうなりますね…
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/25(金) 14:09:27.61 ID:WM4y3/hd0
>>1
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/25(金) 14:10:22.78 ID:WM4y3/hd0
見つかりました、ありがとうございます
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 01:39:48.01 ID:xNVsSms00
P「菜々、シンデレラガールおめでとう」

菜々「プロデューサーさんも、こんな私を支えてくれてありがとうございますっ」

ゴクッ

P「あー……ピリッとくるな」

菜々「新潟のお酒は淡麗辛口が特徴ですからね。んー、美味しい」コクッ

菜々「もう一杯」トクトクトク

P「飲み過ぎるなよ」ハハ

菜々「ええ。あとで露天風呂に入りながら飲むので、ほどほどにしておきます」

P「マジで温泉酒やるのか」

菜々「やらなきゃ損でしょう! プロデューサーさんも一緒に入りますか?」クスッ

P「バカ言うな」

菜々「バカとはなんですか! 現役アイドルのみずみずしいお肌が見られるんですよ? 嬉しくないんですか?」

P「男としては嬉しいな。プロデューサーとしてはアウトだ」

菜々「2人っきりで温泉旅行してる時点でアウトだと思うんですけど。同じ部屋ですし」

P「……」

菜々「同じ部屋ですし」

P「繰り返すな! 何も言い返せないよ」

菜々「私の勝ちですね。ということで、あとで入りましょうね」ニコッ

P「冗談だろ?」

菜々「さあどっちでしょう」フフフ

P「何だそれ……」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 01:41:25.24 ID:xNVsSms00

――――

P「これ以上はマズイ」

菜々「何がですか?」

P「酒だよ。自分の限界を越えそうだ」

菜々「いいじゃないですか、越えちゃいましょうよー」フラフラ

P「お前……あれほど飲みすぎるなと……」

菜々「へーきです、かろうじて自我をたもってます」

P「一歩手前か!? こりゃ露天風呂も無理だな」ハァ…

菜々「えー」

P「えーじゃない。てか酒飲んでる時点で風呂はマズイか」

P「ほら、酒瓶から手を放して」スッ

菜々「やですー」グイッ

P「放せったら!」

菜々「これはナナのですー」グイッ

P「うわっ!? こら引っ張るな……!」


バタンッ


菜々「……っ」

P「……」

P「わ、悪い! 押し倒す形になるとは思わなかった!」ササッ

菜々「い、いえ……私も悪かったです……」

菜々「……」ドキドキ
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/26(土) 01:42:53.25 ID:xNVsSms00
P「あ」

菜々「?」

P「もうこんな時間か。早いな」

菜々「まだ0時をちょっと過ぎただけじゃないですか。夜更かししましょうよ」

P「酒はダメだぞ」

菜々「わかってますよー、えへへ」

P(分かってなさそうだな。隙を見て取り上げないと)

菜々「お話しましょー」

P「またか。もう話題は出尽くしたと思うけど」

菜々「まだまだたくさんあります。先攻はプロデューサーさん」

菜々「パスはなしですよ」

P「……そうだな」

P「菜々が俺と温泉旅行に行きたかった理由を教えて欲しい」

菜々「う……」

P「やっぱり言えない?」

菜々「……はい」

P「そうか。そこまで言うならこれ以上は聞かないよ」

P「他の話題は……何にしよう。無難だけど好きな映画とか…」

菜々「親睦を深めたかったからです」

P「!」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 01:43:18.99 ID:xNVsSms00
短いですがここまでで
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 02:33:56.50 ID:fFOvrFBKO
押し倒しといて手を出さないとかヘタレ!
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