【ガルパン】ボラギノールフィンガーみほエリ

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78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 18:56:07.92 ID:Hz08F3WqO
お尻を知ったってなんだよ。それはそうとバレて焦るダージリンがかわいい
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/20(水) 22:10:26.67 ID:B87xTZet0
頑張って着地させてくれ
80 :1 [sage]:2018/06/23(土) 22:23:26.52 ID:xoOt5rk2O
明日の夜に最後の投稿をします〜。

思ったよりも長くなってしまって誤字つぶしに手間取っております。
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/24(日) 00:00:42.90 ID:l5sZc7at0
乙 楽しみにしてるぞ
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:33:34.05 ID:EpU7ymOJO

みほ(玄関を開けるとマンションの廊下にエリカさんが立っていました──)


みほ「──……えと……」


みほ(動きやすそうな白のチュニックにクリーム色のサルエルパンツ、それと……両手にそれぞれ伊勢丹の紙袋? 黒森峰の制服とは全然違う色合いのエリカさんは、ちょっぴり睨むように私をじっとみていて──)

みほ(私は、おばけとか幽霊を見ちゃったみたいなまん丸な目をしてたと思う。)

みほ「ど……っ、……」

みほ(『どうしてここに?』『どうやってここに?』『一人で?』『九州って遠いのに』、言葉がもみくちゃになって、結局何も言えない……)

エリカ「……すごく寒いの。出来たら入れてもらえない?」

みほ「あ……」

みほ(エリカさんが頭を払うとぱらぱらと雪が舞った)

みほ(学園艦はいつの間にか雪雲の下に入って──廊下の天井が途切れた先には灰色の空がずっと遠くまでつながっていて舞い落ちてくる雪のつぶてが弾幕になってお向かいさん家がぼやけてる。そんな景色を肩越しに、エリカさんの銀の髪……)

みほ(……ゆうれいじゃなくて雪女さんみたい……)

みほ「……う、うん、入って……」

エリカ「お邪魔するわね。……今、一人?」

みほ「うん……」

エリカ「そう、よかった」

 トタ、トタ……

みほ(……エリカさんがなぜか大洗の艦にいて、私の家に入ってくる──)

エリカ「関東って、海の上でもやっぱり寒いのね。もっと厚着をしてくればよかった」

みほ「あ、うん……九州よりは、寒いよね」

みほ(……香水、つけてる……)

 キィィィィ……バタン

みほ(玄関を閉める。外の景色と切り離される。……閉じた玄関にエリカさんと二人きり)

みほ(大洗のみんなが遠くにいってしまった気がする)

エリカ「……。」

みほ(エリカさん、何をしにきたんだろう……)

みほ(……あ……なんだか前にも同じような事が……)


 ……ズキンっ……


みほ(……。)

みほ(私、エリカさんに会うと緊張しちゃうんだ。……嫌だな……)







 ────────────────────────
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:34:41.98 ID:EpU7ymOJO


みほ「エリカさん、これホットチョコレート。暖まるから……」

エリカ「ん……ありがとう。相変わらず好きなのね」

みほ「うん。」

みほ(甘すぎーってよくバカにされたなぁ。エリカさんこそハンバーグー!って。懐かしいなぁ……)

みほ「……よい、しょ……」

 ごそっ……



みほ(エリカさんと、コタツをはさんで向かい合う……こんなのいつぶりだろ)

みほ(……けど……)



エリカ「……ズズ……、おいしい」

みほ「……。」


みほ(やっぱりちょっと落ち着かない……)


エリカ「……ほんとは、玄関で荷物だけ渡してさっさと帰ろうと思ってたんだけどね。もう、なんでこんなに寒いのよ……」

みほ「私が家にいるときでよかったよ……。連絡してくれたら、よかったのに」

エリカ「べつに、いなきゃいないで、かまわなかったから」

みほ「……そっか」



みほ(……私に電話、したくなかったのかな。でも、だったら、家にきくれたりはしないかなぁ……)

みほ(うぅ……、いろいろ考えちゃうよう……)



エリカ「……昨日、師範と一緒に東京へきたのよ。連盟と西住流の会合でね」

みほ「あ……そう、なんだ」

エリカ「隊長はドイツへ行ってしまったし、妹の誰かさんもいないしで、おかげで私が付き人役を押し付けられた」

みほ「う……でも、それだけエリカさんがお母さんに認められてるってことじゃないかな……」

エリカ「どうだかね。……とにかく、そういうわけで関東まで来たし、貴方に送るよう師範に頼まれてたものもあったし……ついでにここまで、ってわけ」

みほ「……」


みほ(……わざわざこの艦まで来る説明にはなってないよね……? けど、言うの、ちょっと怖い……)


みほ「えと、お母さんから私に、荷物……?」

エリカ「そ。……渡すもの渡したらさっさと帰る。だから時間はとらせないわ」

みほ「……。」





84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:36:06.98 ID:EpU7ymOJO

みほ(……『よかったら泊っていきませんか?』の一言が頭の中でぐるぐる回ってる。けど、緊張してるもう一人の私が抵抗……その言葉を言わせてくれない)

みほ(……エリカさんにとっての私との距離感って、今、どうなってるのかな……)

みほ(大会が終わって、選抜戦を一緒に戦って、少しづつ普通に会話できるようになってる気もするけど……)

みほ(やっぱり、私のことまだ怒ってるのかな)

みほ(……やだな……気持ちが分からないって。不安。落ち着かないし……やっぱり緊張しちゃう……)

みほ(……エリカさんは、あんなに……私のおしりを見てくれた人なのにね……)

みほ(いろんな考えが、頭の中をぐるぐるぐるぐる……)



 ──そんな私の心を励ますきっかけは──やっぱり、ボラギノールでした──



エリカ「──じゃ、まずこれ。頼まれてたボラギノール」


 ……ごとっ
 
   <ボラギノール軟膏徳用500mg>


みほ「あ……。ありがとう。よかったぁ……えっといくらだっけ。お金を払わなくちゃ」

エリカ「あぁ……お金ならもういいわ」

みほ「え? でも……」

エリカ「師範が、貴方の代わりに払ってくれたから」

みほ「……へ!?」

みほ(???)

みほ「お……お母さんが……?」

エリカ「ええ。飛行機の中で世間話に貴方の事を話してね。その時に薬のことを話したら、払ってくれたわ」

みほ「そ、そうなんだ……けど……お母さん、怒ってなかった……?」

エリカ「?」

みほ「軟弱なおしりだって、すごく怒られた事があって……高校生になる少し前に……」

エリカ「べつに怒ってはいなかったけど。ていうか、師範からこれ貴方に。新宿の伊勢丹で一緒に買ったのよ」

みほ「?」



 ボフッ……



みほ「あ、これって……」



 <テンピュール円座クッション:16980円>

 

みほ「い、いちまっ……!?」

エリカ「値段に見合った良い品だそうよ。師範もずっと愛用してるって」

みほ(……え?)
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:37:24.17 ID:EpU7ymOJO

みほ「お母さんも愛用って……あ、予防のため……?」

エリカ「……。」

エリカ「……貴方、やっぱり知らないみたいだけど──」

みほ「うん……?」

エリカ「師範自身も────中学のときからずっと重い痔持ちだって、そう言ってたわよ」

みほ「え……!? で、でも、お母さんは、私のおしりの事をあんなに怒って……」

エリカ「それは、おしりが痛いくらいで泣きごとを言うなってことでしょう? 師範らしいじゃないの」

みほ「それは、そうかもしれないけど…………お母さんが……痔……そんな素振り、一度も見たことなかったのに……」

エリカ「弱い姿を見せたくなかったんでしょ」

みほ「……どうして今更、こんな高価なクッションを買ってくれたんだろう……」

エリカ「ん……、島田流に勝利した事への褒美……とか?」

みほ「そう……なのかな?」

エリカ「結果を出したなら目をかけてやらないこともない……って、私はそういうの、やっぱり師範らしいと思うけど」

みほ「結果……」

みほ(……、……とにかく、びっくり……。…そうだったんだ……)

エリカ「……そういえば、飛行機の中で師範から聞いたけど」

みほ「?」

エリカ「師範、貴方を産む時にいきみすぎておしりが大爆発したそうよ。おかげで貴方、産まれた直後に血だらけになってたって」

みほ「ふぇええええ!?」

エリカ「珍しく笑って話してくれたわね。なんか、普通のおばさんみたいで、ちょっとびっくりした」

みほ(え、えと……えと、えと……)

みほ「え、エリカさんちょっと待ってっ、……私、何が何だか……よくわからない……」

みほ(急に、私のしらないことがいっぱいすぎて……!)

エリカ「わからないも何も、聞いた通りでしょう。それと──はい、これ、一番大事なあずかりもの」

みほ「ふぇぇ……こ、今度はなに……?」


 どさっ……


みほ「────、……え……」


 [黒森峰大学:戦車道特待生・申請書類]


みほ「………………。」
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:39:43.48 ID:EpU7ymOJO

エリカ「はい、ちゃんと渡したからね」

みほ「……お母さん、が、これを……私に?」

エリカ「…………。……私だって、どうしてって思ったけど」

みほ「……だよね……」

エリカ「師範に聞いたら……貴方は次女だから、だって」

みほ「?? どういうこと……?」

エリカ「師範からの伝言──『貴方は一応の勝利を獲得してはいるので西住流としての未熟さについては現段階ではいくらかの考慮をします』だって。──負けた私としてはすっごく複雑だけど。……よかったわね」

みほ「えと……エリカさん、お母さんの伝言……どういう意味だと思う……?」

エリカ「自分で考えなさいよ。……まぁ……西住流は隊長がしっかり継いでくれそうだから貴方はもう適当でいいや……とか?」

みほ「そ、そうなのかな」

エリカ「……だから、私は知らないわよ。師範に電話して直接聞けば?」

みほ「……。」

みほ(イジワル……)


みほ「……うーん……そういえば、エリカさんは、黒森峰の大学にいくの?」

エリカ「逆に聞くけど、行かないと思う?」

みほ「えと……じゃあ、エリカさんも、お母さんからこの書類を……?」

エリカ「……。」

エリカ「……まだ、私はもらってないけど」

みほ「……あ、そ、そうなんだ」

みほ(──ああああああああ余計な事聞いちゃったよぉぉぉ……)

みほ(で、でも、だったらお母さん意地悪すぎるよ………、なんでエリカさんにこの書類を……)


エリカ「………………。」


みほ(……うぅ、気まずいよぅ……)

みほ(うぅ……)


エリカ「……。……確かに今はまだもらってはいないけど──」

みほ「う、うん」

エリカ「『あなたの隊長としての働きに期待してる』って、師範に言われた。……そういうことでしょ」

みほ「あ……エリカさんはこれから黒森峰の隊長だもんね」

エリカ「必ず期待に応えてみ……私は逃げ出したりしないからね」

みほ「……。」


みほ(……あはは、なんだかもう、言われ慣れちゃった……)

みほ「……うん、エリカさんなら絶対に大丈夫だよ……」

エリカ「…………。」



みほ(……それにしても……)

みほ(大学……私が黒森峰……?)
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:40:48.56 ID:EpU7ymOJO

みほ(……。)

みほ(……だけど、まったく考えたことがないわけじゃない……)

みほ(ただ、お母さんから急に言われると……なんだか戸惑っちゃう……)


エリカ「……。」

エリカ「私は──」

みほ「?」

エリカ「──私は、アンタが黒森大に進学するのは、やめておいたほうがいいんじゃないか……って、正直思った」

みほ「…………。」

エリカ「また逃げ出すハメになったら目も当てられないし。それに、こっちとしても妙な戦術で隊の統率を乱されるのは迷惑」

エリカ「……ただ……」

みほ「……?」

エリカ「いろんな人間がいたほうが部隊は強くなる、って……隊長は言ってた」

みほ「……。」

エリカ「それとこうも言ってたわね──見方によってはむしろ、自分たちの柔軟性や応用力に欠けているところがある……って、ね」

みほ「……エリカさんも……そう思うの……?」

エリカ「……。わたしは……代理とはいえ隊長を任されて、今まで気づかなかったことにいろいろと気づかされる。……隊長の言う事も間違ってないって、正直……時々、思う」

みほ「……。」

エリカ「だから……まぁ、貴方がこの先も戦車道を続けるつもりなら、選択しとして考えてみていいんじゃないの? ……って、思えなくも、なくはない……、かも、ね」

みほ「……!」

エリカ「ていうか……ほんっっと、一般人からしたら羨ましい身分よね」

みほ「え、ええ?」

エリカ「だって、大学の方から自分を手招きしてくれるんだから。……ああけど貴方、あのへんなクマを作ってるメーカーに就職したいって言ってたっけ? だとしたら余計なおせっかいなのかしらね。」

みほ「え……そ、そんな前の話、覚えてくれてたんだ……」

エリカ「っ……べつに……バカみたいな発言だったからよ」

みほ「バカって……ひどい……」



みほ(……だけど、エリカさんは………………もしかして、私を黒森峰の大学に誘ってくれてる……?)


みほ「…………。」


みほ(それを聞いたら、もしそうだったとしても、エリカさんは怒っちゃうかもしれない。……でも……これだけはやっぱりエリカさんにちゃんと聞いておきたい──)
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:43:15.84 ID:EpU7ymOJO

みほ「あ、あのぅ、エリカさん……」

エリカ「なに? 用事は済んだし、そろそろ帰りたいんだけど」

みほ「あ、もうちょっとだけ……えと、もしかして今日は、私を黒森峰の大学に誘うために、わざわざ会いに……来てくれたのかな、って……」

エリカ「…………っ」



みほ(……う……)

みほ(ちょっぴり、エリカさんの口がとがって、眉間にしわが……)



エリカ「……。」


エリカ「……。」


エリカ「………………。」



みほ(……やっぱり怒らせちゃった、かな……)



エリカ「……知らない」

みほ(え……)

みほ「……えと……知らないって……?」

エリカ「……ッ」

エリカ「だから、知らないって、いってんのよっ」

み「ッ! ご、ごめんなさい……」


エリカ「……。」

エリカ「……ハァ……」


みほ(あぅ……気まずい、やっぱり言わなきゃよかったのかな……)

みほ(……エリカさん、このまま帰っちゃうのかな。……やだな、せっかく……)


エリカ「……」


みほ(ケイさんみたいに、こんな時でも自信を持っていられたら、いいのに……)

みほ「…………。」


エリカ「……あの、さ」

みほ「は、はい……」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:44:44.04 ID:EpU7ymOJO

エリカ「私……ずっと前に、『あんたなんかには絶対に負けない』、てタンカ切ったわよね」

みほ「え……。……うん……」


みほ(戦車道大会のトーナメント抽選の後に、ルクレールのお手洗いで……)


エリカ「そのくせ、決勝ではあっさり負けて、選抜戦ではアンタの指揮下にいれられて……」

みほ「…………。」

エリカ「だから次の無限軌道杯では絶対負けない……って息まいてたら、なんかアンタは副隊長だし……。何なの?」

みほ「い、色々あって……」

エリカ「……おまけにいつのまにか師範までもがアンタの事を多少なりとも認めてるようなそぶりをしてる。ホント、何なの。私以外、みーーーーーんなあんたのこと認めてるの? なんかもう私……バカみたい。私一人だけが、貴方にずっとツンツンしてる。私はそれを間違ってないと思ってる……そのはずなのに……ああもう、何なの、すっごいモヤモヤする──」
みほ「……え、え……」

みほ(あぅ、不満をすっごいぶつけられてる……エ、エリカさんは私にそれを言うために来たのかなぁ……)

みほ(……けど……)

みほ(どうしてなのかな、そう思うと──)

みほ(ちょっとだけ、嬉しい)

みほ(…………。)


エリカ「──あんたはアンタで普通に電話かけてくるし。ちょっと待って?私とみほはこんな感じだったっけ?って電話きった後しばらく考えちゃったわよ」


みほ(エリカさんが素直に私に文句を言ってくれる。なんだかまるで、昔に、戻ったみたいで、エリカさんがぶつぶつ言うのを聞いていると、怖いけど、やっぱり少しほっとする)


みほ「でも、私が黒森峰にいたころだって、エリカさんはいつもツンツンしてたから……エリカさんらしいよ」

エリカ「……、なに、私のこと、バカにしてる?」

みほ「う、ううん。……えと、それにね、電話をしたとき、ぜんぜん普通じゃないよ、私、すごく緊張した」

エリカ「……。」

みほ「エリカさんは、私の番号なんかとっくに削除してるんじゃないかなって」

エリカ「貴方、私の番号消してたの?」

みほ「う、ううん、消さないよ!」

エリカ「……そ、そう……。」

みほ「だけど……エリカさんは私のこと忘れるっていってたから……もしかしてって……」

エリカ「……。まぁ、一時期はたしかに着信拒否にしてたけど……」

みほ「そ、っか……。」

エリカ「……。」


みほ(口をつぐんで、そっぽを向くエリカさん)

みほ(私はそのエリカさんの横顔からなぜだか目が離せない)


みほ「……?」 

みほ(あれ?)

みほ(こたつの向こうにいるはずのエリカさんの顔が──急に、なんだか近くなって見える)
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:45:18.35 ID:EpU7ymOJO

エリカ「私……ずっと前に、『あんたなんかには絶対に負けない』、てタンカ切ったわよね」

みほ「え……。……うん……」


みほ(戦車道大会のトーナメント抽選の後に、ルクレールのお手洗いで……)


エリカ「そのくせ、決勝ではあっさり負けて、選抜戦ではアンタの指揮下にいれられて……」

みほ「…………。」

エリカ「だから次の無限軌道杯では絶対負けない……って息まいてたら、なんかアンタは副隊長だし……。何なの?」

みほ「い、色々あって……」

エリカ「……おまけにいつのまにか師範までもがアンタの事を多少なりとも認めてるようなそぶりをしてる。ホント、何なの。私以外、みーーーーーんなあんたのこと認めてるの? なんかもう私……バカみたい。私一人だけが、貴方にずっとツンツンしてる。私はそれを間違ってないと思ってる……そのはずなのに……ああもう、何なの、すっごいモヤモヤする──」
みほ「……え、え……」

みほ(あぅ、不満をすっごいぶつけられてる……エ、エリカさんは私にそれを言うために来たのかなぁ……)

みほ(……けど……)

みほ(どうしてなのかな、そう思うと──)

みほ(ちょっとだけ、嬉しい)

みほ(…………。)


エリカ「──あんたはアンタで普通に電話かけてくるし。ちょっと待って?私とみほはこんな感じだったっけ?って電話きった後しばらく考えちゃったわよ」


みほ(エリカさんが素直に私に文句を言ってくれる。なんだかまるで、昔に、戻ったみたいで、エリカさんがぶつぶつ言うのを聞いていると、怖いけど、やっぱり少しほっとする)


みほ「でも、私が黒森峰にいたころだって、エリカさんはいつもツンツンしてたから……エリカさんらしいよ」

エリカ「……、なに、私のこと、バカにしてる?」

みほ「う、ううん。……えと、それにね、電話をしたとき、ぜんぜん普通じゃないよ、私、すごく緊張した」

エリカ「……。」

みほ「エリカさんは、私の番号なんかとっくに削除してるんじゃないかなって」

エリカ「貴方、私の番号消してたの?」

みほ「う、ううん、消さないよ!」

エリカ「……そ、そう……。」

みほ「だけど……エリカさんは私のこと忘れるっていってたから……もしかしてって……」

エリカ「……。まぁ、一時期はたしかに着信拒否にしてたけど……」

みほ「そ、っか……。」

エリカ「……。」


みほ(口をつぐんで、そっぽを向くエリカさん)

みほ(私はそのエリカさんの横顔からなぜだか目が離せない)


みほ「……?」 

みほ(あれ?)

みほ(こたつの向こうにいるはずのエリカさんの顔が──急に、なんだか近くなって見える)
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:46:40.96 ID:EpU7ymOJO


みほ(…………。)


みほ「……エリカさん、黒森峰の隊長になるって、どんな感じ?」

エリカ「は?」

みほ「やっぱり、大変?」

エリカ「そりゃまぁ、大変に決まってるわよ」

みほ「そうだよねぇ……」


みほ(……エリカさんの顔つき、隊長さんになって、少し凛々しくなった? 私も隊長だけど、私はあんまりかわらないのにな……。エリカさん頬っぺた、ちょっと、しもやけたのかな。ちょっぴり、赤いかな……)


エリカ「まぁ……アンタも分かってるでしょうけど、黒森峰の戦い方は隊長の指揮に全てがかかってる。だからたしかにプレッシャーはある。でも──だからこそ、私のこれまでを全部ぶつけられる──」

みほ(エリカさんの唇が、ナメクジみたいにもぞもぞして、今ちょっと、ぷちゅって、開いた。かわいい……)

エリカ「けど、ちょこちょこ思い知らされるのよね……自分がいかにこれまで隊長にたよりきっていたか……分かってはいた、つもりだったけど、ね。……って、もう、何アンタにこんなこと、話してるのよ……ハァ」
 
みほ(吐息、あったかそう……今ならホットチョコレートのにおい、するのかなぁ)


みほ(そんな事を考えながら──なんだか楽しいなぁ……て、思っていたら、突然)


みほ「……オェッ」

エリカ「?」


みほ(船酔いでげろげろするみたいに、いきなり、喉の奥から謝罪の言葉がせりあがってきた)


みほ「っ、あの、エリカさん」

エリカ「? 何よ」

みほ「……あの……」

みほ「ごめんなさい、黒森峰をやめたこと」

エリカ「は? 何、急に」

みほ「私は大洗に転校してすごくよかったと思っていて、黒森峰にいても私はたぶん結局だめだっと思うけど……やっぱり、ごめんなさい」

エリカ「……待って。ホントになんなの」

みほ(エリカさんは怒るでもなく非難するでもなく、ただただ怪訝そうに──と言うよりもいっそ不気味そうに私を凝視していて──でも私の嘔吐はいっこうに止まらず)

みほ「エリカさんが引きとめてくれたのに、一緒に戦車道を続けたかったのに、黒森峰を続けられなくて、だから、本当に……ごめんなさい……」

エリカ「…………。」

みほ(吐き出し終えて、ようやくちょっとだけ息を吸い込む余裕がでてきてくると……今更だけど、ちょっと心配になる。エリカさんはどう思うだろう)

エリカ「……………………。」

みほ「……あの……」

みほ(エリカさんはしばらくずっと無言のまま……。)


エリカ「……。」


みほ(あ……眉間にしわが寄ってる……)

みほ(お母さんによって鍛えられた私の察知能力が、今、ビンビンに反応してる)

みほ(私、これから、叱られる、かも)
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:49:34.41 ID:EpU7ymOJO

エリカ「……貴方が」

みほ「……っ」

エリカ「もしも貴方が、なんの才能もないただの甘ったれのヘボだったら、泣いて土下座するまで罵ってやるのに」

みほ「え……」

エリカ「だけど今のところ勝者は貴方で……私は西住流だから私には何も言えない。……それがすっごく腹立つ……」

みほ(……? ??)

みほ(私が目を白黒させていると、急に、エリカさんはにらみつけるような目で──)

エリカ「──それで?」

みほ「え?」

エリカ「貴方が私に謝りたいのは分かったわ。私は黙って聞く。聞くしかない。……で? 謝って、貴方はそれからどうしたいの」

みほ「どう、したいって……」

みほ(???)

エリカ「……もー、いらいらするわね……。じゃあ、どういう気持ちだったのか、選びなさいよ」

みほ「??」

エリカ「その一、『後悔してるしちゃんと謝ったから、私は黒森峰に出戻りしたいです』」

みほ「……へ!?」

エリカ「その二、『後悔してるしちゃんと謝ったから、もう許してね。お互い全部水にながそうね。これからはまたお友達に戻ろうね』」

みほ「!? ……!?!?」

エリカ「その三、『とくに何も考えてないけど、とりあえず謝りたいので謝りました。あとはお任せです』…………どれ? どういう気持ちで貴方は私に謝ったの」

みほ「えっ……その、あぅ……、えと……」

エリカ「……。」


みほ(……エリカさんの細くなった目は、まさにお母さんみたいで……うぅ)


みほ「……っ、そ、『その四』、は、ありですか……?」

エリカ「ほお」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:50:18.83 ID:EpU7ymOJO

みほ「……わ、『私はこれからも精一杯戦車道を続けます……ので、できればこれからもよろしくお願いできたら嬉しいな……』です……。」

エリカ「…………。……その三よりの、その二?」

みほ「か、簡単に水に流してもらえる、なんて思ってない……です……」

エリカ「……ふん……。その一だったら、ひっぱたいてたけど」

みほ「その一は……ごめんなさい、今のところ、ないです……」

エリカ「……。あ、そ……まぁなんだっていいけど、とにかく大学のこと、よく考えなさいよね」

みほ「へ? う、うん……」

エリカ「……それじゃ、いいかげん本当にそろそろ帰るわ」

みほ「え……」

みほ(その四への返事は、結局くれないんだ……)

エリカ「東京で師範と合流しなきゃいけないの」

みほ「あ……そうなんだ」

エリカ「預かってた荷物はちゃんと全部渡したからね、……ほんとのほんとに、ちゃんと、よく考えなさいよ?」

みほ「わ、わかってるよぅ……」

みほ(……。)


みほ(エリカさんって、やっぱり私のこと……)

みほ(……。)

みほ(……うん、聞きたいことまだまだ色々あるけれど……)

みほ(……でも、今はこれでいいよね。……こうやって少しづつ、仲直りしていけるといいな……)





みほ(──唐突なお別れに、戸惑も不安も、私の気持ちは何もかもがそのままにされちゃった。だけど──)

エリカ「はぁ〜あ、よい、しょっと……」

みほ(──コタツから立ち上がるエリカさんが、ちょっぴり機嫌良さそうに見えるのは、きっと私の思い込みじゃないよね……?)




みほ「えと、忘れ物、ない?」

エリカ「うん」

みほ(エリカさんが玄関に向かう。その背中に、ちょっぴり名残惜しさを感じながら──)





みほ(──私はふと、それに気づいた)



94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:51:55.06 ID:EpU7ymOJO



みほ「……?」


みほ(エリカさんのスカートのおしり──その薄黄色の生地のに、じわりと──梅干しみたいな大きさの、ふちのぼやけた赤丸が──)

みほ(…………??)



 ……じわぁ……



みほ「──────────あっ!!!!!??」




みほ(試合中に突然の奇襲を受けた時と同じで、さっと背筋が冷たくなる)

みほ(こわばった喉で、鋭く呼びかける……)

みほ「──エリカさん、待って。まだ……帰らないで」

エリカ「? 何よ?」

みほ「おしりを、見せてください」

エリカ「は?」

みほ「……っ、……………………おしりから……血がでてます」

エリカ「え──」



エリカ「─────────────!?」




みほ(エリカさんも慌てて、身をよじり、自分のおしりを確認する──)

エリカ「あっ……!?」

みほ(おしりの染みにギョッとして、エリカさんも固まる……)


みほ「……たぶん、内地から学園艦までずっとヘリだったからおしりに負担があったんだと思います。気温も低かったし……」


みほ(それに……戦車道の訓練も、ずいぶん根を詰めていたはず。そのうえ、九州から東京への飛行機、急激な気圧変化……)

エリカ「……もうっ、情けないわねっ……」
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:55:06.69 ID:EpU7ymOJO

みほ「あのっ! すぐベッドにバスタオルを敷きます! おしりを出してうつ伏せになってください、私が確認を……!」

エリカ「っ……いえ結構よ。自分で確認する。お風呂と、あと手鏡を貸してもらえるかしら」

みほ「で、でも、中途半端は危険だと思います。ちゃんと手当てしないと。私なら、どうすればいいかは、見れば分かると思うから……」

エリカ「だから、いいってば! ただ悪いけれど下着とガーゼとあと生理用品も譲ってほしい。それと……できたら、スカートかズボンも貸しても──」

みほ「──エリカさんダメ!」 

エリカ「っ、なんなのよ!? 変な時だけしつこいわね! 私だって一応焦ってるんだから!!」

みほ「っ……でもやっぱりしっかり確認しないと、駄目です! ──もしものことがあったら、どうするんですか……!!」

エリカ「うるわいわよ大げさね! とにかく、自分のおしりは自分でなんとかするからほっといて!」


みほ「っ……」


みほ「……」


みほ「…………っ」


みほ「……〜〜〜〜〜〜っ!」


みほ「──エリカさん、ごめんなさい……!」


エリカ「は?」

みほ「私──知ってるんです」

エリカ「は? 何の話よ!」






 ──みほ、この件を私がお前に話したこと──エリカには黙っていてほしい──エリカが、傷ついてしまうだろうから──






みほ(──っ、お姉ちゃん、約束を破ってごめんなさい……でも……っ)





みほ「戦車道全国大会の決勝、大洗と黒森峰の試合……その前日の夜、エリカさんは……」

エリカ「──!?」

みほ「エリカさんは……エリカさんは……! 机の角でおしりを強打して!」

エリカ「…………!!!!!!!!」
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:56:52.54 ID:EpU7ymOJO

みほ「そのせいで! エリカさんは決勝の時、実力の半分もだせていなかった!!!」

エリカ「………………………!!!!! ど……どうしてあんたがそれを知っているのよ!!!」

みほ「……ドイツの……お姉ちゃんから……」

エリカ「──────!!!!」
 
みほ「聞いてください、お姉ちゃんは決してエリカを裏切ったわけじゃありません。ただ、私を心配して」

エリカ「……心配って、なによ……」

みほ「お姉ちゃんは言ってました……『無限軌道杯では決してエリカを甘く見るな。油断すれば大洗はあっという間に負ける。エリカの根性は私などとは比べ物にもならない。エリカは、強い』って。……ほんとは、黙っていろって、言われてました……」

みほ「……だから、無限軌道杯では全力を出せるように、おしりには万全をつくさせてください!」

エリカ「……。」

みほ「エリカさん……!」




エリカ「……………。」



エリカ「………………………ッ」



エリカ「バカに、してた……?」



みほ「え──?」


エリカ「私のこと、ずっと心の中で笑ってた? 肝心の決勝でなん役に立てない口先だけの偉そうなバカがいるって……こないだの電話の時も、今日もずっと……!!! アンタもっ……隊長も……!!!!!」

みほ「……!!!」

みほ「──ち、違います! 逆です!」

エリカ「なにがよ!」

みほ「私達はエリカさんをとっても尊敬してます……!」

エリカ「嘘!」

みほ「信じてください! 決勝のあの日、私を含めてチームのメンバーは誰もエリカさんがおしりを負傷してるだなんてまったく気づきませんでした。戦う前も、戦う後も、エリカさんはいつも通りで………………エリカさんはきっと、涙がでるほど自分を責めていたはずなのに……。」

エリカ「……っ」

みほ「……私は去年の決勝の後、黒森峰から逃げ出しました。でもエリカさんは違います……。皆に認められるくらいに、お母さんに認められるくらいに、逃げずに黒森峰で頑張ってます! エリカさんはすごいです! エリカさんは……ド根性です!!」

エリカ「……。」
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:58:27.13 ID:EpU7ymOJO

みほ「だけど……いくらお母さんがエリカさんを認めていても、二度目のおしりはもう許してくれないかもしれないです……」

エリカ「…………くっ……」

みほ「もしもおしりのことでまた試合が上手くいかなくて、今度こそエリカさんがダメになっちゃったらって……私、そんなの……絶対に嫌ですっ! ……考えただけで辛いです……。……だから! だからどうかお願いです、万全を尽くさせてください、エリカさん……!」

エリカ「……っ」



エリカ「……ッッ」



エリカ「……〜〜〜〜〜〜ッッッ!!」



エリカ「ッ、アンタばっかり、ふざけんじゃないわよ!!」

みほ「!?」

エリカ「……私だって……」

エリカ「私だって、アンタが戦車道をやめて西住流をすてて普通の人みたいに生きてくんだって──そんな事、考えたくなかった!!! あんたのおしりに、私はずっとはげまされてきたのに!!!」

みほ「──────!?」

エリカ「なのにアンタは、ノコノコ戦車道にもどってきて、中途半端そうな連中とへらへら笑って……っ、だから私、あの時喫茶店のトイレで……アンタのおしりを────私が治した分まで全部ズタズタに引き裂いてやるって、本気で思ってた……!!」


みほ「……っ!!」


みほ(ズタズタ……ッ)


 ぞくっ……


みほ(……ッ……)

みほ(……ッッッッッ!!!)

みほ「……たっ、、、だったら、わかりました、──好きにしていいです!」

エリカ「!?」

みほ「私のおしりエリカさんの好きにしてください!!!」

エリカ「!!!!???」

98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 22:58:56.05 ID:EpU7ymOJO


 ばっ……しゅる、しゅるっ……!


エリカ「ちょ……なに人前でパンツぬいでんのよ!?」

みほ「エリカさんの気がすむまで私のおしりをズタズタにしていいです!」

エリカ「な……!?」

みほ「だけどそれは──エリカさんのおしりを手当てしてからじゃないとダメです!」

エリカ「……!!!!!」

みほ「それだけは絶対に譲れません! だから、エリカさんのおしり──私に見せてください……!!」

エリカ「っ……!!」

みほ「……エリカさん……お願い……!」




エリカ「…………………っ」



エリカ……………ぐっ…………ッ!!!!」



エリカ「……〜〜〜〜〜〜っ……あぁ、もぉ……っ……!!!!」




エリカ「…………………………おしりを見せたこと、誰にも、まほ隊長にも! 絶対に……! 絶対に秘密にしてよ!!??」




みほ「……! もちろん絶対に言いません、約束しますっ」

エリカ「玄関のかぎ、閉まってるわよね」

みほ「うん!」

エリカ「今日、この後、誰もこないわよね」

みほ「うん!!」

エリカ「あんたのおしり、本当にメチャクチャにするから!」

みほ「っ……は、はい……っ!!!」

エリカ「………………────わかった、みほ…………──」

みほ「──!!」

エリカ「私のおしりを────見て────」



みほ「────────!!!!」








         はいっ………………!!!








 ────────────────────────
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:00:48.50 ID:EpU7ymOJO




    ……シャァァァァァァァァァ……



みほ(エリカさん、そろそろシャワーから出てくるかな? おしりの血をさっと洗い流すだけだから……)


    ……シャァァァァァァァ……キュッ…


みほ「……手当の準備はこれでいいかな……」


みほ(滅菌ガーゼ、消毒液、ウェットティッシュ、綿棒、私の指にぬる馬油…………あ、そうだ、買ってきてもらったボラギノール、開けちゃおう)


 かぱっ……


みほ「……うん。開けたての良い香り」



みほ(……。私のおしり、本当にズタズタにされちゃうのかな……)

 

 ゾクッ……

みほ「……っ」

みほ(……今のうちに、綺麗な写真、撮っておこうかな……)



 ──ガチャ……

みほ(あ……)



エリカ「お待たせ……」

みほ(Tシャツと、下半身にはバスタオルをまいて……エリカさん、ちょっぴり不安そう)



みほ(私のおしりを撮影するタイミング、逃しちゃった)



エリカ「……、…………ねぇ、ほんとに見せなきゃだめかしら」

みほ「おしりが湯冷めしちゃう前に、早くはじめないと……」

エリカ「……。……ええ、そうね……」

みほ「ベッドにバスタオルを敷いたから、うつ伏せになってください」

エリカ「わ、わかったわよ……。……じゃ、じゃあ……失礼するわね」


 ギシィッ……
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:02:49.14 ID:EpU7ymOJO

エリカ「っ……」


みほ「無理に、四つん這らなくていいよ、そのままうつ伏せに」

エリカ「え、ええ…………本当に、大丈夫なんでしょうね」

みほ「心配しないで。私だって子供のころからケアしてきたんだもん。……それに……」

エリカ「……?」

みほ「エリカさんの上手なやり方を、体でずっと教わってきたから」

エリカ「……。」

みほ「それじゃあ……エリカさんの足、跨ぐねりになるね」

エリカ「っ……って、あんた、下着をちゃんとはきなさいよ」

みほ「……ううん。手当が終わったら……次は、私の番だから。……エリカさんと約束、したから……」

エリカ「…………」


 ぎしっ……


みほ「ん、しょ……」

みほ(エリカさんの足を、両膝でまたぐ──)

みほ「おしりのバスタオル、とるね」

エリカ「え、ええ……」


 ……しゅるっ……


みほ(……っ……)

みほ(エリカさんのおしり──……おしりそれ自体は黒森峰のころに何度もみてる。同じ部屋でいつもボラギノールをぬっていたから……)

みほ(けれど、こうして見下ろすのは──見下ろすだけじゃない、これから、私は──)

みほ「……ッ」

みほ(──ダメ、しっかり、しなきゃっ──!)

みほ(今度は私が、エリカさんのおしりを助けなきゃ……!)




 ──すぅ、はぁ……




みほ(パンツァー・フォー……!!)







101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:04:03.48 ID:EpU7ymOJO





みほ「──それではエリカさん、最初はしばらくマッサージをして、それから次に患部の状況を確認、その後に状況に応じて手当てをしようと思います」

エリカ「え、ええ」


みほ「それじゃ触るね。手、温めておいたから、冷たくはないはずです」

エリカ「お、お願い……」


 さわっ……


エリカ「……っ」


みほ(まずはおしりの周りでリラックスしてもらう……。骨盤骨突起や大殿筋を、こねるようにやさしくマッサージ……)

 ……もっ、もっ……


エリカ「ん……」


みほ(おしりのお肉、やわらかい……今でもしっかり走りこんでるんだ。おしりの形もとってもきれい……)


 ……もっ、もっ……くぱっ……


みほ(……! 一瞬、おしりが開いて奥のほうが見えた。……いた……。小さいのと、ほかにも小指くらいの大きいのが……やっぱりかなり、重いんだ)

みほ(でも──だとすると、私にできるのはあくまで一時しのぎの応急処置で……明日にでもちゃんと病院へ──)



エリカ「ね、ねぇ、みほ」

みほ「……あっ、ごめんなさい、痛かったですか?」

エリカ「そうじゃなくて……何か、しゃべってよ。黙ってやられると、なんだか……」

みほ「あ……そ、そうだよね、ごめんなさい」

みほ(いけない、つい集中しすぎちゃた……エリカさんはいつも必ず、何かおしゃべりをしていてくれたよね……)

みほ「……ほんというと、エリカさんのおしり初めてだったから、やっぱり少し、緊張しちゃってて……」

エリカ「まぁ……私だって、初めてあなたのおしりに座薬を入れたときは、ね……」

みほ「……あ〜……」




 ……ずぶっ!


       ──あううぅぅうぅ!──




みほ「……あはは……あの時は、ものすごく痛かったよ……」

エリカ「悪かったわよ……。……ねぇ、まさかあの時の復讐をしようだなんて考えてないでしょうね」

みほ「思ってないよ! わたし、真剣にエリカさんのおしりを心配してるんだよっ」

エリカ「なら、いいけど……」


 ……もみ、もみ……

102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:05:05.79 ID:EpU7ymOJO


エリカ「そっちは、最近おしりどうなのよ」

みほ「私?」

エリカ「結構なペースで、ボラギノール、使ってるみたいだけど」

みほ「そうだね……ごまかしごまかし、って感じかなぁ」


みほ(このあと、ズタズタにされるのかもしれないけど……うぅ)


エリカ「そ、か。……そういえば、さ」

みほ「?」

エリカ「おしり、切れてたところは、その後、大丈夫だったわけ? ほら、熊本の実家で……」

みほ「……あ……」

みほ(そんな事もあったよね……)

みほ「……うん、なんとか大丈夫だったよ」

エリカ「そう……」

みほ「転校してからしばらくは、全然お友達もできなくて……戦車にものってなくって」

エリカ「……。」


 ……もっ、もっ……


みほ「その間に、ずいぶん治っちゃったんだぁ。全体の根治までは、やっぱりいかなかったけどね」

エリカ「ふぅん……。」

みほ「……あのままずっと戦車に乗っていなかったら、おしりだけは、今ごろつるつるだったかも……なんてね……」

エリカ「……。私は、たとえおしりがズタボロになったって、戦車にのってみせる」

みほ「ん……うん、そうだね……」


 ──ノンナさんも、華さんも、ダージリンさんも……アリスちゃんも……きっとそうやって決心をしてるんだ……


エリカ「……。」



 もみぃ……もみぃ……



みほ(ん……そろそろ、いいかな)

みほ「エリカさん、足を開いてもらえますか? 中を良く確認したいので」

エリカ「え……あぁ、わかった……」


 ぎし……きし……
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:05:48.25 ID:EpU7ymOJO

みほ「おしりを左右に開くね……」

エリカ「お、おっけぃ……」

みほ(よぉし……ここからはもっともっと慎重にならなきゃ)

みほ(両手の親指と人差し指をつかって、しっかりと、けれどやわらかく──ゆっくりと開く……)

 ……くにっ、ぐにっ…

エリカ「……うっ……」

 ……ぐぱ……

みほ(────あ……)





おしり「────────…………、」

 ────────……はじめまして…………。





みほ(……。長い間ずっとそばにいたはずなのに──ようやく、会えたね……)

みほ(初めて見る……貴方の顔──ふふ……、少し、お岩さんみたいです。だけど……ずっとずっと頑張ってきた素敵なおしりです……)





エリカ「……ど、どう……?」

みほ「……はい、小さい豆と、少し大きな豆が、二つとびでてます」

エリカ「っ……そう、やっぱり出てるのね……」

みほ「小さいほうのおまめさんが少し破れたみたい。だから血が出たんだと思う……」

エリカ「いっそつぶれきったほうがよかったのかもね……」

みほ「そうだね……出血面から化膿しないないように、一応消毒もしないと。けど、その前にちょっと触るね。指先には馬油をつけるから、そんなに刺激はしないと思う」

エリカ「え、ええ、お願い……」

みほ「……。」


 ……ぷるん、ぷるん……


エリカ「ッ」

みほ(……うん。小さいおまめさんも、出血は収まってる。大きいおまめさんはまだ表皮がしっかりしてるから、今すぐに破れたりはしなさそう……)

みほ「──ひとまず、今のところこれ以上の出血はないと思います」

エリカ「そう、よかった……」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:06:42.83 ID:EpU7ymOJO

みほ「だけど……ここまで大きくなるっていうことは、もう、現状の対処ではごまかしきれなくなってるとういこと」

エリカ「そう、ね……」

みほ「お医者様に適切なステロイド薬を処方してもらわないと……」

エリカ「……。そうね、熊本に帰ったら、すぐに病院へ行く」


みほ(──……。ううん、だめ、それだと遅すぎるかも……──)


みほ「……もう一度、触るね」

 ……ぷに、ぷにぃ……

みほ「うん……押し込めば、今ならまだ中に入りそう」

エリカ「で、できる?」

みほ「大丈夫。自分でも何度かやったことがあるから。外に露出させておくよりかは、入れてしまったほうがいいです。それと──」

エリカ「?」

みほ「やっぱり、熊本に帰ってからでは危険です。長距離移動には耐えられないかもしれない……。明日、学園艦の病院へ行きましょう」

エリカ「……けど、師範が……」

みほ「お母さんには、電話で連絡をするしかないです。情けない報告はしたくない、って思う気持ちはわかるけど……破裂するハメになったらお母さんの心象はずっと悪いはずです。だから、お母さんに連絡して今日は家に泊って行ってください。明日、一緒に病院へ行きましょう」

エリカ「……。……ぷっ、あはは……っ」

みほ「ふぇ?」

エリカ「ごめんなさい……貴方が黒森峰でもこれぐらいに頼もしければ、色々なことが、もっと違っていたでしょうに、ってね。笑っちゃうわよ。戦車では頼りなかったのに、貴方、こんな時だけはたよりになるんだもの」

みほ「も、もう……私、大洗では、結構頑張ってます……」

エリカ「……ええ。……それくらい、私だってわかってる……」

みほ「……。」

エリカ「……。」

みほ「それじゃ……押し込む前にマッサージをするね。ほぐしてからじゃないと、痛いかもしれないから」

エリカ「え? あ、ああ……」

みほ「いくよ」


 ……くっ、くっ……


エリカ「……! んぁっ……ぁっ……、なにこれ、声でるっ……」

みほ(会陰の部分を、人差し指、中指、薬指の先で三点押し。やっぱり少し、こわばってる……エリカさんの体が引き締まっているのもあるとは思うけど、やっぱり、緊張で力がはいってるんだと思う。指先に強い弾力が返ってくる。括約筋もつられて固くなってるはず)

みほ(もう片方の腕の指先もつかって、おしりの谷間の上部付近を、おしたり、のの字にくゆらせて……)
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:07:33.98 ID:EpU7ymOJO

エリカ「……ぅぁ……うぅ……」

みほ(……。少しづつ、ほぐれてきてかな……。──スゥ)


 はふうぅうううぅう〜〜〜


エリカ「きゃ!? ちょっと! なんで息を吐きかけるのよ!」

みほ「子供のころ、お姉ちゃんが耳かきをしてくれた時によくふぁーってしてくれました。あったかくて、体のこわばりがぬけていくんです」


 はぁぁぁああ〜


エリカ「ぅぃ……」


みほ「うん……だんだん会陰の張りも柔らかくなってきたよ」

エリカ「い、言わなくていいぁ……うぁっ……」

みほ「消毒液も、今のうちにササっと塗ってしまうね」


 ちょん、ちょん、


エリカ「ん……」

みほ「ぴりぴりしますか?」

エリカ「ううん、そうでもない。」

みほ「よかった──では、エリカさん、これから指で押し込むね。ちょっとおしりに違和感があると思うけど」

エリカ「わ、わかった」

みほ「でも大丈夫ですよ、指先にはボラギノールをたっぷりつけておくので、こすれたりはしないです」

エリカ「う、うん」

みほ「……ふふ」

エリカ「な、何よ?」

みほ「エリカさんが素直だなぁって」

エリカ「っ……お、おしりを丸出しで偉そうにしてたら、バカみたいじゃない」

みほ「あはは、そうかもね。……じゃあ、エリカさんが持ってきてくれたボラギノールを、と……」



 ……カパッ……



みほ(……お母さんがお金を出してくれたボラギノール……最初の一塗りは、エリカさんのために使うね……)

みほ(人差し指の第二関節まで、たっぷりと……)


 ぬと、ぬと、ぬと

106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:08:43.75 ID:EpU7ymOJO

エリカ「うー……うぅ……」

みほ「エリカさん、緊張すると思うけど、あまりおしりに力を入れちゃだめです」

エリカ「わ、わかってるけど」

みほ「あんまり力んだら、私みたいに切れちゃいます」

エリカ「ぎぃ……」


 ぬり、ぬり


みほ(……うん、これでよし……)

みほ「では、エリカさん」

エリカ「……っ」

みほ「痛かったら、いってくださいね」

エリカ「あ、あいぃ……」

みほ(ふふ、野太い桂利奈ちゃん)

みほ「では、始めますっ」

エリカ「〜〜〜〜っ」




 ──────ぬぷっ……ぐっ……ぐぐっ……!




エリカ「……ぁぃぃっ……!!!!」


みほ(っ……少し、括約筋に力が入ってる……っ、エリカさんのあったかいのが指先をぐいぐい締め付けてる……っ)


みほ「エリカさん、深呼吸だよ。小さいほうはもう終わるからっ」


エリカ「っ、は、はぁぁああぁあ……はぁぁあああうぅぅぃぃ……」


みほ(……っ、……ん……──────入った……!)


みほ「エリカさん、指、ぬきます!」

エリカ「は、はやくぅううっ……」


 ぬぽんっ!


エリカ「っ!! ……っ、はぁぁぁぁ……あぁぁああぁおぅ……」

みほ「……うん、外に戻ってこないし、指先に血もついてない。まずは第一段階、成功です」

エリカ「はぁぁ……ね、ねぇ、指、どれくらいまで入ってたの……?」

みほ「えっと、第一関節の少し先くらい……2センチくらいかな」

エリカ「そ、そう……根っこまで入ってるかと思った……」

みほ「あはは……じゃあ次、大きいほうもやっちゃうね」

エリカ「う……そうか、まだもう一つあるのね……」

みほ「次のは少し大きいから、もっとおしりに力を抜いていてほしいです……」

エリカ「う、うん……」


みほ(……もしも血包を変に圧迫することになったら、もしかするとそれがきっかけでやぶけちゃうかもしれない……)

みほ(慎重にいかないと……)

107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:13:06.38 ID:EpU7ymOJO

エリカ「……で、でも、あんたの指が私のおしりに入ってくるんだもん、どうしたって力んじゃうわよ……」

みほ「……うーん……」


みほ(大きいほうは自分でやってもらったほうがいいのかな……ううん、よく見ずに押し込んでもしも傷をつけてしまったら危ない……)

みほ(じゃあ手鏡をつかって自分で見ながら……? ……だめ、手元の視認性に限界がある……万が一の危険が……)


みほ(……あ、そうだ!)



みほ「エリカさん、そのまま軽く四つん這いになって、おしりに手を伸ばすことはできますか?」

エリカ「え?」

みほ「エリカさんの指さきを私がリードするから、自分の指で押し込むというのはどうでしょう。正しく押し込めているかどうか、私がリアルタイムで目視確認をするので……」

エリカ「……、……。……だ、駄目、いや……」

みほ「だめ、ですか?」

エリカ「だって……あんたが見てる目の前で自分のおしりに指をいれるなんて……なんか嫌っ、屈辱よっ!」

みほ「そ、そうですか……?」

みほ(……指を入れられるのと、あんまり変わりないと思うけど……)

エリカ「……もういいから……私はみほの指を信用する、できるだけ力を抜く、だから……やってしまって、お願い」

みほ「……! はい……! ……ありがとう、エリカさん」

エリカ「……う、うるさいっ……」

みほ「絶対、成功させます……っ」


みほ(考えて──指を入れる前に、できることは全部やっておかないと……!)

みほ(そうだ、馬油を少し指さきに塗っておこう。きっとそのほうがボラギノールだけの時よりも滑りやすさが増すはずだよね)

みほ(それに、おしりにもなじませておいたほうがいいよね。なんとか抵抗をへらしていかないと。ほかに、なにかできることはないかな。)

みほ(あ……万が一出血した場合の対処も考えておかなきゃ。いざというときに慌てちゃだめ。もしそうなったらいよいよ時間との勝負──)


エリカ「──もう、貴方、なんて顔してるのよ……」

みほ「──ふぇ?」



みほ(おしりから顔を上げると──エリカさんが、腰と首をひねって私の顔を振り返っていて──ちょっぴり笑っていました)



エリカ「いったいどんな顔をして私のおしりを見てるのかと思ったら……貴方、今までに見たことないくらい真剣な顔つきをしてるんだもの」

みほ「そ、そう……?」

エリカ「……ふふ……なんだか、ほんのちょっとだけ──師範みたいだった」

みほ「……おかあ、さん?」

みほ(私が……?)

108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:13:51.48 ID:EpU7ymOJO

エリカ「ほんのちょっとよ、ほんの3%くらいだけどね」

みほ「……。」

エリカ「けど、ま……そんな顔つきされたら、安心してまかせるしかないじゃない……」

みほ「……エリカさん……」

エリカ「──みほにまかせるわよ。私のおしり──」

みほ「……! はい……っ!」

みほ「──それではこれより、後段作戦を開始します、あらゆる自体に、臨機応変に対処していきます……!」

エリカ「……!」


みほ「──すぅ、はぁ……。……では、改めてっ──!」





 


       ──パンツァー・フォーッ!!







 ズブッ……!!!   






 ──試合終了! 勝者──大洗女子──!!!


 …………────────────────。







109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:14:48.83 ID:EpU7ymOJO








みほ「──じゃあエリカさん、私、シャワーを浴びてくるね」

エリカ「うーい……」

みほ「おしり……まだ傷い……?」

エリカ「ううん。痛くはないの。ただ、感覚が残っててね。……アンタの指の」

みほ「そっか……」

エリカ「まあ、気にせずシャワーを浴びてきて。私もその間に師範に連絡をしておく。……うー、そっちも緊張する……」

みほ「あ、そうだ……、お母さんにボラギノール代とクッション、ありがとうって、伝えてくれるかな……それと、大学の案内書も……」

エリカ「そういうのは自分で──……まぁ、いいわ……ひとまず、伝えておく。でも、ちゃんとおりをみて自分の口からもありがとうを言いなさいよ?」

みほ「う、うん……じゃあ、お願いします……」








 ──────────────────。

110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:16:02.56 ID:EpU7ymOJO




 しゃわわわわわわわわ……


みほ「はぁ……シャワー気持ちいい……」

みほ(やっぱり緊張してたんだ、汗、いっぱいかいてた……)

みほ「でもとにかく、上手くいってよかった」

みほ「だから……次は、私のおしりの番……」

 ──私が治した分まで全部ズタズタに引き裂いてやろうって、本気で思ってた──

みほ「……っ」

みほ(エリカさんが本当にそこまでやるとは思わない、けど……)



 ──私だって、アンタが戦車道をやめて西住流をすてて普通の人みたいに生きてくんだって──そんな事、考えたくなかった!!!── 



みほ「……エリカさんが、そんなふうに思っててくれたんなんて……」

みほ(嬉しい……だからこそ私、エリカさんに何をされても、受け入れてあげたい……)

みほ「……。黒森峰をやめて大洗にきて──私、大切なものがいっぱいできた。」

みほ(けど、私の思いでの中のとても深い部分には……やっぱり今でもエリカさんがいる……)

みほ「……どうしてなんだろう……黒森峰よりも大洗のほうが、私にとっては明るい思いでなんだけどな……」



 しゃわわわわわわわ……



みほ(……。おしり、ほぐしておかなきゃ)

みほ「乱暴に扱われても、少しでも、耐えられるように……」


 くに、くに


みほ(……みんな、元気かな……)

みほ(沙織さん、麻子さん、華さん、優花里さん、今ごろ、何をしてるかな)

みほ(私がこんなことしてるとは……誰も思ってないよね……)


 くに、くに


みほ「……あ、そういえば……」

みほ(エリカさん、無事にお母さんとお話しできたかな? 私がお風呂に入っている間に、連絡をしておくって言ってたけれど……)




 しゃわわわわわわ…………




 ────────────────────。




111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:19:07.68 ID:EpU7ymOJO




みほ「エリカさんおまたせ──あれ? エリカさん?」

エリカ「……。」

みほ(エリカさん、パンツも履かずにベッドに顔を突っ伏してる……おしり冷えちゃう……)

エリカ「……うー……」

みほ「あ……もしかしてお母さん、怒ってた……?」

エリカ「ううん、違う。そうじゃなくて私……しず、しゅ、しゅじゅちゅ、するかも……」

みほ「えっ、手術?」

エリカ「とりあえず明日この艦の病院へいってお医者様の判断を仰ぐけど、なるべく大会前にスパッと切ってしまう方向で考えようって……って師範が」

みほ「あ〜……」

エリカ「はぁ……手術とか……不安……メスとか、怖い」

みほ「うん、怖いよね……」

エリカ「……うぅ……」

みほ「……エリカさん、とりあえずパンツ……おしり冷えるとよくないよ」

エリカ「うぅ……」


 はき、はき


エリカ「あぁ、そういえば、師範から伝言」

みほ「っ……う、うん……」

エリカ「『礼の連絡は一切不要。それよりもまず無限軌道杯で恥ずかしくない結果をのこすように』……だって」

みほ「え……じゃあ、私は電話、しないほうがいいのかな」

エリカ「そうね、連絡不要って言ってたし。でも、だったら──」

みほ「?」

エリカ「『大会頑張ります。ありがとう』とか、端的にさらっと潜り込ませてメールを打っておけばいいんじゃない?」

みほ「そっか……うんっ、そうするね、ありがとう」

エリカ「それにしても、しゅずつ……不安でもう口も回らないわよ……」

みほ「あはは……」

エリカ「……。まぁ、うだうだ言ってても仕方ないわ……とりあえずは明日の病院次第……」

みほ「そうだねー……」

みほ「……。」

 きしり……


みほ(枕に顔を突っ伏しているエリカさんの傍に、そっと座る……)

みほ(『はじめますか?』って、声にだすのは恥ずかしくて……)

みほ「……。」


 ドクン……ドクン……
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:19:54.10 ID:EpU7ymOJO

みほ(上はちゃんとパジャマを着ているけれど、下はパンツもはかずに、バスタオルを巻いただけ……いつもとは違う感触が、おしりにちょっぴりドキドキした)


エリカ「……。はぁ〜」

みほ「……。」




みほ(──なんとなく、ひょっとしたら今日はこのままなし崩し的にお休みなさいの流れになるのかな〜って──)

みほ(安心してしまうような、ものたりないような──私がそんな気持ちをいだいていると──)




 さわっ……



みほ「……っ」

みほ(エリカさんの手が、私のおしりに触れた。バスタオルの上からでも、押し当てられた手のひらの熱が伝わってくる……)





みほ「………………っ」

 ドクン…ドクン……ドクンッ……!





エリカ「……あなたが私にしてくれたことも、私が貴方にすることも……絶対だれにも言わないでよ」

みほ「……う、うん……わかってる……」

エリカ「もしも誰かにいったら────────貴方をころして私もしぬ」

みほ「……ッ!?」

 ぞくっ……

エリカ「……こんなこと、誰かに知られたしんだも同然だものね、貴方も私も」

みほ「……っ。……うん。絶対に秘密だよ。私とエリカさんだけの、……秘密」

エリカ「……。」


エリカ「…………おしり…………見せて」


みほ(……………ッ)

113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:21:25.98 ID:EpU7ymOJO


みほ「……ベッドに、寝れば、いい、のかな」

エリカ「いいえ……カーペットの上にブランケットを敷いて、そこに寝そべって」

みほ「え……う、うん……」

 ……バサッ……

エリカ「うつ伏せになって。……バスタオルを外して」

みほ「……っ……」

 しゅる……ぱさ……

みほ「ん……」

みほ(──おしりを出したまま、床にうつ伏せで寝そべる……変な感じ……マッサージ屋さんも、こんな感じなのかな……)




 ──マッサージ屋でおしりを出したこと──ないけどね──


      ──うほっ!──




みほ(……っ)

みほ(お銀さん……サメさんチームのみなさん……、会長……っ……お姉ちゃん……!)

みほ(みんなの顔が浮かぶ──だめ、恥ずかしいよ……)


エリカ「──じゃあ、そのまま足を開いて。今度は私が、貴方の足の間に入るから」

みほ(……ッ……)

みほ(おずおずと足を開く、時々ガニ股になりそうになって、少し恥ずかしい……。エリカさんがベッドの上からズルリと這うように床におりてきて──おしりが痛いのかな?──そのまま匍匐前進して、目指す先には……私のおしり……)

みほ(そっか、ベッドでは二人一緒に縦には並べないから……だから床で)


エリカ「……、ふぅ……」

みほ(……っ、この感じ久しぶり……。エリカさんと私が、見つめ合ってる)

エリカ「ふぅん、ちゃんとケアしてるのね。思ってたよりも綺麗なのね」

みほ「……っ」

みほ(寝転がって漫画を読む時みたいに、エリカさんが今、私のおしりを見つめてる……怖くて、不安で、恥ずかしくて……逃げ出しちゃいそう……)



みほ(──────ダメ!)

みほ(逃げたり、しない。もう、逃げない。私はそう、決めた……)


114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:22:20.12 ID:EpU7ymOJO


エリカ「いつぶりかしらね」

みほ「熊本、以来だよ」

エリカ「そっか……。」

みほ「……。」

エリカ「……ねえ」

おしり「なんですか……?」

エリカ「こっちの学校でも……おしりに薬を縫ってくれるような誰かさんは、ちゃんと見つかった?」

みほ「っ……ううん」

エリカ「ふぅん……そう」

みほ(アンコウチームのみんななら、お願いすれば、もしかして塗ってくれるかもしれない……でも……)

みほ(エリカさん以外の人には、どうしても頼めなかった)

みほ「……そんな頭のおかしな人、そうそういないです」

エリカ「ふん……ま、そうでしょうね」

みほ(……。)

エリカ「馬油、使わせてもらうわよ」

みほ「え? うん……」



みほ(あ、馬油、使ってくれるんだ。……じゃあやっぱり、そんなに酷いことをするわけじゃ──)

みほ(と、私が甘い考えを抱いた次の瞬間──)


 ──ずぶぅっ!

みほ「あっ……!?」

みほ(──エリカさんの戒めが私の楽観を貫いた)


みほ「っ……」

みほ(無警告でおしりに指を……!?)

115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:24:24.86 ID:EpU7ymOJO

 ……ぐり、ぐり……


みほ「あぅっ……!」

みほ(っ、おへそに、響く、腰が、浮いちゃうっ……) 

みほ「うぁ、エリカ、さっ……!」

 ……ずぼ、ぐりっ

みほ「……っ」

みほ(傷がついちゃうほど乱暴ではないけど……でもっ……優しくはないっ……あぁっ!)


エリカ「……今更、貴方を傷けたいとは思ってない。……だけど……」

みほ「っ……」

エリカ「私は貴方のことでさんざん苦しんだ。だから……私の気がすむまで、好きにさせてもらうから」

みほ「……っ」

エリカ「……でも、本当に痛かったらちゃんと言ってよね────みほ」

みほ(……っ!!)

みほ「──うん、いいよっ……エリカさんの好きにして。私は──絶対逃げないから……!」

エリカ「……うん、ありがとう…………みほ……」

 ……ぐりぐりっ……!!


みほ(ンーーーーーッッ……っ)




みほ(大洗の誰も、私がいまこんなことをしてるだんて、絶対に知らない……)

みほ(絶対に誰にも言えない、二人だけの秘密のヒメゴト。私とエリカさんの何百日ぶりの夜──)

みほ「……っ」




みほ(──ダージリンさん、これも、乙女の秘め事なんですか、淑女の人達がしてることなんですか、ダージリンさんっ──)

 ダージリン『…………。』

 ──ダージリンさんは微笑を浮かべたまま何も言わずに私を見つめてる──その隣でオレンジペコさんがちょっぴり困った表情で小さく首をかしげて──


みほ(……そっか、そうですよね。……ヒメゴトを誰かに話しちゃ、しちゃいけませんよね……)



みほ「────…………っ」

エリカ「……。」


 ぐり、ぐり……





 ────────────────────────








116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/24(日) 23:25:31.18 ID:EpU7ymOJO
すみません。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/24(日) 23:32:11.95 ID:EpU7ymOJO
残り3,4レスでラストまで到達するのですが、読み返していて、ちょっと追加したいシーンを思いつきました。
なので、これ以降のパートに書き足しと変更を加えようと思います。
というわけで、すみません、今日は以上になります。

今週中には終わらせます。


118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 00:50:21.46 ID:QxRamN1oo
俺たちは一体何を見ているんだ…
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 00:56:41.40 ID:QxRamN1oo
戦車道から切り離せない「ぢ」を深く掘り下げた感動巨編
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 00:57:48.45 ID:QxRamN1oo
何故か連投になったごめんなさい
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 01:00:55.97 ID:LbCQMhSq0
自演失敗でしょ?
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 01:47:10.36 ID:m88hqjxyo
乙やっぱりエロい
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 10:48:52.73 ID:D7zysZSxO
乙 頑張ってくれ

こんなとこで自演しても何の意味もないやろー虚しいだけちゃうの
コメ数史上主義者は妄執で発想狂っとる
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/26(火) 08:23:09.09 ID:gL+47sxHO
もっとさ読んでいて楽しい作品を書いて欲しい
よくわかんないことをブツブツ語るんじゃなくてもっと笑えて楽しい話が読みたい
作者さんの文章好きなので余計にそう思う
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/26(火) 08:50:13.71 ID:vfrxq9C30
俺は読んでいて楽しいよ
>>1の書きたいものを>>1が書きたいだけ書いてくれればいいと思う
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/27(水) 01:42:54.81 ID:EweGhkFvO
>>124
お前の好みなんて知らねぇよ。引っ込んでろ
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/28(木) 14:40:42.42 ID:ou0hHNaSO
続きはよ
ところで話の内容で一切触れられてないけどお互いのおマンマン丸見えになってるよね?女の子同士ってあんまり気にしないのか?
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/28(木) 19:35:36.23 ID:cLcGRMJho
そっちまでいくとRにいかなきゃいけない
今はただの痔の話だからセーフ
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 19:58:02.87 ID:5MB8nyF1O

 ──最初の五分間──それはとてもとても激しい五分間でした。緊張のとぎれる瞬間なんか一時もなくて──まるで大学選抜戦の最後の五分間を──あの苛烈な五分間を、思い返しているようでした──




 ぐっ……ぐりっ……

みほ「あぅっ……!?」

エリカ「一応、指先にはボラギノールを塗ってある。……治療だと思いなさい」

みほ「っ……」

みほ(その言葉とは裏腹に、その指先の力強い機動はまるでエリカさんの大好きな浸透突破戦術──ううん、そんな生易しさじゃない、これ、まるでダージリンさんの強襲浸透戦術──)

エリカ「……っ」

 ……ずぽ、ずぽ、ずぽ、ずぽ……

みほ(──前進と後退を交互に激しく繰り返して──そう、今度は行進間射撃……っ)

 ぐりっ……ぎゃるるるるるるるるるっ

みほ(──超進地旋回っ!? 違う、ただの超進地旋回じゃない、これって、もう──アリスちゃんの行進間超進地旋回……!? 

みほ(あぁっ……履帯が切れちゃうっ……!!)




 ──涙でにじんだ視界の中──写真に写った大洗のみんなの笑顔が──私を見つめてる──

 ──皆で一緒に手をつないでとったその写真──私とエリカさんは今、手をつないでいるのかな──?



 
みほ(……違うっ、こんなのは、違うよぅっ……)



 ──手を繋ぐって自分じゃない誰の暖かさを感じること──


 ──こんなの、触れ合いなんかじゃない。暖かくなんてない、……熱いよぅっ! エリカさん、そこ、もう、内臓だよぉっ……──


 ぐりっ……


みほ「……あぁうッ!!」




     

    ──私の身体の中に今エリカさんが居る……好き放題に暴れてる──強襲浸透で隊列は分断されてすでに部隊は滅茶苦茶……



             ……どこからが私の身体でどこからがエリカさんの身体なの? ……大混戦だよ! 




 だめっ、いったん距離を撮らなきゃ! このままじゃ、バラバラにされちゃう、熱いのは私のおしりなのエリカさんの指どっちなのかもうわからないよっ……こわいっ、

        もうっ、よくわからないよぉっ……!!!



                   私がいなくなっちゃう……!






みほ「──エリカさんっ、待ってっ、お願いです、ちょっと待って、くださいっ……!」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 19:58:41.94 ID:5MB8nyF1O

エリカ「……。」


 ……ぬぽ。


みほ「ッ……っ……はぁ、っ、はぁっ……」


みほ(っ、苦しい──呼吸が、止まっちゃってた……)


みほ「はぁ、はぁ……」

エリカ「ごめん、痛くした? イボは避けてるつもりだったけど」

みほ(……!)

みほ(ほんとだ──あれだけさんざんにかく乱されたのに、そういう痛みは全然ない──エリカさん、ちゃんと避けてくれてたんだ……)

みほ(あんなに強引な感じだったのに……)

みほ「大丈夫、痛くはないよ。……ふぅ……。」

エリカ「……。落ち着いた?」

みほ「は、はい……ごめんなさい、中断してしまって──」

エリカ「──じゃあ、また行くわよ」

みほ「……ッッ」


 ズッ──ズボズボズボズボズボズボッ!!!!


みほ「……!!!!!!」


 ──粗塩を丹念に塗りこむようにボラギノールを擦り付けられる──


      ──治療と暴力との曖昧な境界線。私の悲鳴は大洗の誰にも届かない──



──私達はいったい、何をやっているんだろう。──どうしてこんなことになってしまったんだろう──



みほ(ふと、そんなことが頭に浮かぶけど──私にはその先を考える余裕なんてない)


 ズボズボズボズボズボグリュルルルルルルルっ!!


みほ「──ッッッ!!」

 ──おしりを穿つエリカさんの指先──今、それだけが私の世界のすべてだった──




 ────────────────────────。
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 19:59:10.08 ID:5MB8nyF1O





 ──長い長い5分が過ぎて、エリカさんの指は唐突にその動きを止めた。


エリカ「……。……ふぅ」


 ──ちゅぽん……


みほ(っ……、……?)

みほ「エリカ、さん……?」

エリカ「……。」

  ……じぃん、じぃん……

みほ(……おしり、びりびりする……)

エリカ「……限界ね」

みほ「え?」

エリカ「これ以上やったら、切れるわよ」

みほ「っ、……い、いいよ、エリカさんの好きにして……」

エリカ「……バカ。私はあんたのおしりを滅茶苦茶にしてやりたいけど──でも、傷つけたいわけじゃない.
さっきも言ったでしょ」

みほ「……。」

エリカ「ただし、これで終わりだなんて、勘違いしないでよ。まだまだこれからだから」

みほ「え……」

エリカ「ボラギノールと馬油、使わせてもらうわよ」

みほ「う、うん……」

みほ(……次は、何をするんだろう………)


エリカ「……。」

 ……ぬり、ぬり……


みほ「あ……?」


 ……もみ、もみ、ぬり、ぬり……


132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 20:00:18.25 ID:5MB8nyF1O

みほ「……あの、エリカさん……?」

エリカ「黙ってて」

みほ「え……」

エリカ「私がいいっていうまで、口を閉じてて」

みほ「わ、わかりました……」

みほ(……??)

みほ(まぁ、何でも受け入れるって、決めてたもんね……)









  ……ぬり、ぬり






                        もみ、もみ……



        くり、くり……







       


             ぬり、ぬり……もみ、ぬり……








   くにゅ、くにゅ……






みほ(…………………………。)







 ────────────────────────────────────。




みほ(────────…………。)



みほ(……もう一時間もずっと……。)





133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 20:00:56.23 ID:5MB8nyF1O

エリカ「…………。」


 ……もみもみ……


みほ(エリカさんは一言もしゃべらずにずーっと私のおしりを……すごく優しく、丹念に丹念に……溝の一本一本にまで、ボラギノールを塗布していくみたいに……)

みほ(べつに今更恥ずかしくはないし、とっても気持ちいいんだけど……)

みほ(エリカさんは今、何を思ってるのかな……)

みほ「……。」


 ぐぅ〜……


みほ「あっ」

みほ(お腹が……)

エリカ「……ん?」

みほ「えと……エリカさんはお腹、空かない……?」

エリカ「あぁ……いつのまにかもう八時なのね。そうね、ちょっと、空いてきたわね……」

みほ「せっかくだし、一緒にお食事しにいく?」

エリカ「うーん……まだ少し、おしりが怖いのよね」

みほ「そっか」

エリカ「出前みたいなのは?」

みほ「えと、お弁当屋さんでもいい?」

エリカ「ええ、十分よ」

みほ「じゃあ、電話するね」

エリカ「お願い」

みほ「エリカさんは何にする?」

エリカ「そうね……」



 ──そんな当たり前の会話がなんだかとっても奇妙で……ちょっぴり可笑しい。つい数十秒前まで、私とエリカさんは……。




みほ「あ、もしもし、お弁当の配達をお願いしたいんですけど……」

 ──くに、くに

みほ「っ、……エ、エリカさんっ!」

エリカ「……ふふん」


 ──おしりを触られながらお弁当屋さんに電話するのも、生まれて初めての体験でした──……

134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 20:02:07.83 ID:5MB8nyF1O


みほ(エリカさんはハンバーグデラックスを、私は親子丼を、それぞれ注文)

みほ(さすがに二人とも一度ちゃんと服を着て、念入りに両手をハンドソープ……)


みほ「いただきます。」

エリカ「いただきます。」


みほ(食事中は戦車道のお話しでそれなりにお話が弾みました)

みほ(なんだか本当に、黒森峰の艦にいるみたい……)


みほ「ごちそうさま」

エリカ「ごちそうさま」


エリカ「……。」

エリカ「……おしり見せてよ」

みほ(あはは、やっぱり)

みほ「うん、いいよ。……あ、だけど……」

エリカ「?」

みほ「もうすぐテレビでボコのアニメがあって……」

エリカ「べつに、あんたは見てていいわよ。私は勝手に触ってるから」

みほ「そ、そっか」



みほ(お弁当をかたずけた後、二人でブランケットの上に一の字になって──)



 <やーってやーるやってーやるー



みほ「あ、エリカさんごめんなさい。ちょっと今、ボコがやられるところだから、あんまり指を激しくしないでほしいかも……」

エリカ「はいはい」

みほ「あぁー、ボコ、頑張ってボコ……」

エリカ「……。」

 くに、くに。


135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 20:03:04.36 ID:5MB8nyF1O


みほ(アニメが終わって夜の9時。テレビを消すと、部屋の中に再び静かな時間がやってきました)

みほ(そして、エリカさんは相変わらず──)


エリカ「……。」

 くに、くに……


みほ(やっぱり、私のおしりを、ずーっとずーっと)

みほ(おしりのあ……キューボラの周りを円を描くように指でなぞってみたり、少し開いて中の様子をうかがってみたり、大殿筋をマッサージしてみたり──……まさに、黒森峰にいたころにしてくれていたマッサージそのもの……)

みほ(エリカさんは今、何を考えているんだろう……)

みほ「……ねぇ、エリカさん」

エリカ「何?」

みほ「ちょっとだけなら、お話ししてもいい?」

エリカ「ちょっとだけならね」


 くり、くり。


みほ「えと、エリカさんって、おしりが大好きなの……? もう二時間近くも私のおしり触ってるよ……」

エリカ「……人を変態みたいに言わないで。おしりなんて好きじゃないわよ。汚いし」

みほ「で、でも、じゃあ、どうして」

エリカ「……。」

みほ「あの……」

エリカ「……おしゃべりはおしまい」

みほ「え〜……」

みほ(……。)

みほ(まぁ…………エリカさんが自分の気持ちを言葉にしてくれたことなんて、今までだってほとんどなかったもんね……)

みほ(……そのせいで私は時々とっても不安な気持ちになるけれど──)



 ──でも、考えてみればエリカさんはいつだって気持ちをちゃんと私に表現してくれてた──

 ──言葉ではなく、その行動で。熊本の時だって、今日だって、私に会いにきてくれた……


みほ(……。)

みほ(黒森峰にいるはずのエリカさんが私の家にいて、私のおしりに何時間も薬をぬってくれてる……それがきっと、一番大切な事……)

136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 20:05:55.05 ID:5MB8nyF1O




 ──電源を切ったTVの画面──見上げればそこに、おしりをだして横たわる一人の女の子が私を見つめてる……





 ──ふふ、貴方は一体何を考えているの? おしりを出して、変な人……





 ──そのおしりに伸びる二本の腕、手首から上は画面の外に見切れているけれど──その二本の手首は優しく優しく、つきたてのお餅をこねるように丹念に────


みほ(……あ)


 ちらっと、スクリーンの端にエリカさんの顔が……。


 エリカさんは相変わらずの鋭い瞳で私のおしりを──






みほ(……え?)




 ──エリカさんの、切なそうな瞳が、私のおしりを見つめてる──


みほ(…………え…………?)


 ──どこか悲し気なその眉の形。唇が少し開いて苦し気にあえぐように、舌の先が見え隠れ────





みほ(……!?)



みほ(………………!!!!???)



みほ(………………えっ!? えっ!!!!??)





 ──エリカさんの顔が、いっそう私のおしりに近づく、まるで私のおしりがエリカさんを食べちゃうみたに────ううん、違う! エリカさんこそ、私のおしりを食べちゃおうとしてる──!!?? 






 あ、あ、唇が、ベロが……今にも私のおしりに触れちゃいそうなくらいに───食べ、食べっ……共食い……!?





みほ(……っ)


 ドクン、ドクン、ドクン、ドクン……!!!!




137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 20:07:00.45 ID:5MB8nyF1O





みほ(あ……あ、あああ……ぞうなんだ……!)

みほ(ずっと前から……ずっとずっとそうだったんだ!!!)




みほ(……どうしよう……)




みほ(どうしようどうしよう……)




みほ(……どうしようっ!!!)



みほ(どうしようお姉ちゃん!!)


みほ(どうしよう沙織さん!?)



みほ(どうしよう優花里さん華さん麻子さん!)











   ……私………………




       …………エリカさんのこと…………ずっと前から好きだったんです……………………













ボラギノールフィンガーみほエリ

〜完〜
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 20:09:05.28 ID:5MB8nyF1O
以上です。
最後までありがとうございました。お楽しみいただけたのなら幸いです。

このSSはリズと青い鳥に触発されて書きました。
あの二人も痔になればこれくらいはすると思います。
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/30(土) 20:12:29.74 ID:L7vUcKFmo
乙…だけどここからっしょ!?
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 20:44:49.06 ID:5MB8nyF1O
すみません、まとめようとしてくださるサイト様おりましたら、数時間お待ちください。
電撃的に、つけたすべきプラスアルファを閃きました!!

そもそもまとめないよってか!だったら恥ずかしあ!
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/30(土) 23:23:03.86 ID:5MB8nyF1O
以下
>>137
好きだったんです……からの直接の続きです。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/30(土) 23:27:59.09 ID:5MB8nyF1O
みほ「──エリカさんっ!!」

エリカ「──ッ!? いきなり大きな声を出さないでよ!」

みほ(あ、今エリカさんの驚いた吐息が、おしりに……っ、吐息がとどく距離で私のおしりをっ)

みほ「エリカさん、どうか答えてください……」

エリカ「……何よ」

みほ「エリカさんは今、どんな顔をして私のおしりをケアしてくれていたんですか」

エリカ「……っ!?、どんなってべつに……普通よ。どんな顔をしてると思ってたの」




みほ(…………。)




みほ「私、ときどき思うことがあるんです。私って……マザコンなのかなって……」

エリカ「……は?」

みほ「私が小学生のころ、お母さんがよく私のおしりにボラギノールを縫ってくれてました。私はそのころからおしりが弱くて……」

エリカ「……。」

みほ「おしりにボラギノールを縫てくれてるときのお母さん、すごく、まじめで、キリッとしてて恰好よくて……私……エリカさんはお母さんに似てるなって、思うことがありました。」

エリカ「貴方が何を言いたいのか……全然わからないわ」

みほ「私はお母さんの事が苦手です。でも、……エリカさんがお母さんに似てるなって思って……私がエリカさんにだけおしりを見せてたのも、きっと……」

エリカ「…………私は、あんたの子守係じゃないわよ」

みほ「……だったら、教えてください。エリカさんは……どんな顔をしていたんですか……お母さんみたいな顔では、なかったんですか……?」



エリカ「……」


エリカ「……」


エリカ「……っ」


エリカ「っ、普通だって、いってんのよっ……」


みほ(────────────…………。)
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 23:38:38.42 ID:5MB8nyF1O

みほ「エリカさん、ごめんなさい……」

エリカ「ごめんごめんって、何がよ! あんたの謝罪はいつもいつもイライラするのよ!!」

みほ「………………テレビ画面を……見てください…………。」

エリカ「はぁ!?」

みほ「テレビ画面に、私は見えますか? ──私がどんな顔をしているか──エリカさんの角度からでも、見えますか」

エリカ「あぁ? ……あぁ、まぁ、たしかに反射して見えてるけどそれが──」



 ────────────…………………あ?、


エリカ「──────────────っ!」

みほ「……。」

エリカ「……っ、……み、ほ…………っ」


みほ(エリカさんの声が、震える──)


みほ「……教えてください……」

エリカ「……、」

みほ「……どんな顔を──」

みほ「エリカさんは──していたんですか」


エリカ「………………………………このっ……!!!」

エリカ「────何なのよあんたはぁ!!!??」


 ずぶっ!!


みほ「あ痛……っ!!??」

みほ(ボラギノールの塗りが浅い──摩擦が強い……!?)


エリカ「いつも何なのよあんたは!! 大会の時も!!!  今日も!!」



 ぐりぃっ──



みほ「あぎっ!?」
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/01(日) 00:08:19.88 ID:cxOcuABaO

エリカ「なんであんたは勝手に私のことを見透かすのよ! 私が隠してることを──勝手にのぞき見するよ!!!」

エリカ「私が知らないところで……!!!」

エリカ「────バカにしてんのかぁああああっ!!!!!」



 ぐりゅ! ──────…………プツッ……


みほ「ッ、っ、ひいっ、あっ……!」

みほ(…………っ!!!!)

みほ「……っ、ごめんなさい、だからっ、エリカさんも、見てください……!!」

エリカ「あぁ!? もっとわかるように言いなさいよ!」

みほ「おしりにお薬を塗られてるとき、私がどんな顔をしてるのか──エリカさんも見てください……!」

エリカ「…………!?」

みほ「私の顔のをすぐそばで、見てください──」



 ──おしりには眼なんてついていない────私はどうしてそんな当たり前のことに、今まで気が付かなかったんだろう──



みほ「エリカさんの目で、私の目を、見つめていてください……!!」

エリカ「………………。」



 ──『私はエリカさんがどんな顔をしているか全部わかってる』そんなのは全部……私の思い込みでしかなかった……


みほ「……私もエリカさんの瞳、間近でみていたいです……」

エリカ「……」



 ──黒森峰から逃げ出す、そのずっとずっと前から……私達は偽りの瞳で──見つめあうふりをしていたんだ──



エリカ「……………………。」


 ……ずっ……


みほ(私の足の間にいたエリカさんが、匍匐前進で移動を開始する──)

 
 ずり、ずり、


みほ(私の足元から、私の隣へ──二人、二の字になって隣り合う……)


エリカ「……。」

みほ(あ……エリカさんの顔、赤い。目じりに……涙……?)

みほ(……私もきっと、似たようなものだよね……)

みほ「……エリカ、さん……」

みほ(私の本当の瞳が、エリカさんの瞳を見つめる……肩が触れ合距離で、お互いの虹彩の構造を、確認しあえるほどの距離で……)

みほ「このまま、私のおしりに……ボラギノールをお願いします……」

エリカ「……!!!」
145 :1 [sage]:2018/07/01(日) 00:23:29.79 ID:cxOcuABaO
すみませんどうにも眠いです。
続きは明日か明後日化にさせてください。

>>139さん本当にありがとうございます。
ご指摘のおかげで冷静に考えることができ、結果として、今ようやく一番書きたかったことをかけているような気がします。
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 00:31:29.24 ID:JweYIGJt0
共食いで我慢できんかったわ
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 04:03:42.63 ID:lTQ0yh2po
こいつ今までエリカの口をケツの穴と同じものだと思ってたんか
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 07:23:49.97 ID:F50zWQcpO

エリカ「鼻っ面を突き合せたままボラギノールを塗れ……って……」

エリカ「はっ……あんたって、どうしようもない変態だったのね」

みほ「……。」

エリカ「そりゃそうよね。でなきゃ、自分のしりを他人に触らせたりはしないわよね」

エリカ「ホント笑っちゃうわよ……あんたのせいで、……あんたに出合ったせいで、私の人生は滅茶苦茶よ……」


みほ(……エリカさんの瞳の奥で、何と何かかが戦ってる。私達が培ってきた普通の当たり前と、私達の中だけでしか生きられない普通じゃない何かと)


エリカ「隊長が知ったら何ていうと思う? こんなこと師範が知ったら? ……私は、きっと、軽蔑される……」

みほ「エリカさん……」


みほ(そっと、ボラギノールの瓶を、エリカさんの鼻先に添える)


 私達を繋いでくれたボラギノール──
 
 ひき肉と玉ねぎとグリーンピースと……いろんな材料を繋ぐように、私達の間の色々なものを、ボラギノールは繋いでくれた。


みほ「私も、ハンバーグが、大好きです」

エリカ「………………っ」



みほ(こめられた気持ちが伝わったのかどうか、相変わらず私はエリカさんの気持ちを推し量りきれない)

みほ(だけど──エリカさんの手が、おずおずとボラギノールを目指していく)


 くり、くり、……かぱっ



みほ(500mg弱のボラギノールの海が、私達の間に横たわる──ちょっぴりお薬くさい潮の香りと──)

みほ(でもそれは私達を隔てるものではなくて、むしろ私達を繋いでくれる海の道)

エリカ「……っ……」

みほ(バルバスバウが海原を割るように、エリカさんの指先が、ボラギノールの海へとわけいっていく)



 ……ぬと……


 
みほ(引き上げられた指、第二関節までたっぷりとボラギノールに覆われて──エリカさんの指先はボラギノールそのもの──)


エリカ「……。」


 エリカさんの瞳にはまだ迷いの色が強いです。でも、エリカさんの腕はゆっくりとではあるけれど、私のおしりへと向かってる。
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 07:24:44.19 ID:F50zWQcpO

みほ「……全部、秘密です。私とエリカさんだけの。絶対に、誰にも、言いません」

エリカ「……っ」


 エリカさんの掌底が私のおしりに添えられる。もう、あとは、その指を振り下ろすだけ──


みほ「エリカさん……」


 両手を伸ばして、お互いの前髪をかきあげる──四つの球体が、何にも遮られずに向かい合う。お互いの姿を教えてくれる不思議な球体……。


みほ「……触って、ほしいです……」

エリカ「……!!!!」

 ──つぷっ

みほ「あ……!」

 待ち焦がれた刺激が、やっと……
 

 ぬり、ぬり……


みほ(……嬉しい……)

 何度となく経験してきた感触だったと思う。今更はじめての刺激ではなかったと思う。

 ──なのに……

みほ(でも、なに、これ、今までと全然ちがう)

みほ(……っ……)

 眉間にしわがよる、口を閉じていられない、喉の奥から変な声が漏れそうになる──頬が熱くなる──それを全部エリカさんに見られてる。

みほ(っ!?)

 ふいに、ものすごい気恥ずかしさに襲われる。自分が今どんな表情をしているのかが全然よくわからない。……それなのに、エリカさんに全部みられてる!

みほ「……待ってっ、エリカさん、待って、ごめんなさい、やっぱり恥ずかしい……」

 思わず両手で表情を隠す。
 その私の手を──エリカさんの手が強引にもぎはがした。

みほ「あ……!?」

エリカ「……みほ……っ」
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 07:26:43.09 ID:F50zWQcpO

 ぐりぃっ……!!



 エリカさんがおでこを押し当ててくる。

 視界いっぱいの、エリカさんの瞳。

 誰とも経験したことのない接近戦。頭が一瞬、真っ白になる。

みほ「エリカさっ──」

エリカ「──あんた、ずっとそんな顔をしてたの」

エリカ「私に薬を塗られながら、ずっとそんな顔をしてたの」

みほ「……!?」


 おでこをぐりぐりとこすりつけられながら──鼻先をツンツンと小突き合わせながら──それでもエリカさんの指はおしりに薬を塗り続ける──


みほ「エリカさんこそ……っ」

エリカ「……?」

みほ「私、エリカさんの事お母さんみたいって思ってたのに──今のエリカさんは、全然お母さんには似てないです」

エリカ「……っ」

みほ「自分が今どんな顔をしてるか──エリカさんこそ、わかってるんですか……っ」

エリカ「っ、偉そうにしてんじゃないわよっ、マザコンみほっ」

 ごっ!

みほ「……っ……!?」

 頭突きをされたあと、エリカさんの指先が激しく動いてボラギノールを私のおしりへすりこんくる。 

エリカ「……このっ、このぉ……!」

みほ「うぁっ……あぅっ……!?」

 とってもとっても恥ずかしいけれど、私はもう自分の顔を隠さない。

 エリカさんも自分の表情を隠したりはしない。

 その絶対のルールを私たちは瞳と瞳で示しあう。

みほ(……エリカさん……っ)

エリカ「……はぁぁっ……あぁぁっ……」

みほ(エリカさん、今すごく情けない顔だよ。泣き出しそうな顔だよ。口が半開きになって、鼻の穴まで全部見えてる。──きっと私も今、同じような表情をしてるんだ……!)


 ──どうしよう!?

 私達これからどうしよう!?

 ねぇエリカさん!!!

 私達これからどうしたらいいと思う……!?


 ──お腹がペコペコで今にも倒れそうになりながら、ずっとずっと食べ物を探し求めてさ迷っていたかわいそうなトラさん。

 そのトラさんの目の前に──突然、おいしそうなハンバーグがあらわれて──

 だから本当なら、今すぐにでもかぶりつきたいのに──!


みほ(だけど、できない……)

みほ(私たちはハンバーグじゃないないもん、人間だもん、かぶりついたり、できないよ……)
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 07:29:09.06 ID:F50zWQcpO

 いてもたってもいられずに、どうにもこうにもならなくて、藁の代わりにエリカさんの体にしがみつく。

エリカ「っ、みほ……?」
  
 考えてみると、エリカさんの体に抱き着くのはこれが初めてで──私はもうエリカさんの体の感触に、自分を抑えられなくなった。

みほ「一緒にいく……私、エリカさんと同じ学校にいく……」
 
エリカ「……!?」

みほ「黒森峰の大学へ行きます。また一緒にエリカさんと戦車道がしたいです」

エリカ「──────!!」

 瞬間、私はたしかに見たと思う、エリカさんの瞳孔が、本当のトラさんみたいにぐわっと拡大するのを──

 ぐりぃっ…………!

みほ「あっ……!!?」


 エリカさんの指先が冷静さを欠いた力強さで私のおしりに潜り込む。
 反射的におしりと身をよじって逃げようとする──でも、逃げられなかった。


エリカ「ああもぉおぉぉっ」

 エリカさんが私の体に覆いかぶさって、そのまま万力のような力で身体を締め上げる。おしりの指にもその力の余波が伝わっていてとても痛い。 でも、逃げようにも、どうにもできなかった。

エリカ「みほ! みほ! ……みほ!!」

みほ「……!?」

エリカ「絶対よ! 絶対に一緒の大学に来なさいよ!!!???」

エリカ「約束をやぶったら地の果てまででもおいかけて必ずあんたの直腸を引きずり出してやるから!! みほ、みほ、みほ、みほ! ……みほ、みほ、! みほ……! 一緒にきて!!」

みほ「……はい、っ……はいっ……!!」


 ──裂けちゃうかも……。

 頭の片隅で私が呟く。エリカさんの指先に尋常じゃない力が籠り始めてる……でも、そんなこともうどうでもいい。
 切れたって、裂けたって、私のおしりは絶対にまけない──

みほ「エリカさんっ……エリカさんっ………………………大好き」

エリカ「──────!!!!」




 ──びりぃっ!!






 ──天の岩戸、開く──











 ──────────────────────────────────。



 

 ──────────────────────





 ──────────
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 07:30:51.53 ID:F50zWQcpO






みほ(──ん……)


 ──暗い天井が、私を見下ろしてる──


みほ「……?」



みほ(あ……そっか、私、いつの間にか寝ちゃってたんだ……)



 ち……ち……ち……


みほ(時計の秒針の音……夜中の三時……エリカさんは……?)


みほ「……あ」



エリカ「──────……スゥ、スゥ……スゥ」

みほ(ベッドに横たわる私の手を、エリカさんが握ってる。エリカさんはゆかに腰をおろしたまま、ベッドに腕枕をして……)



 
みほ「……。」

みほ(エリカさん、私の手を、ずっと握っててくれたんだ……)



 ……ズキンっ……

みほ(痛っ……)



 数時間前──エリカさんの指にこじ開けられて、私のおしりは裂けた。

みほ(……痛かったなぁ……)

 私は痛みのあまりに泣きだしてしまって──最初はエリカさんはそれを何か感極まった涙だと思っていたみたいだけど──

エリカ『……あ!? みほ!? みほ……!?』

みほ『うぅ、痛い、痛いよぅ……』

 エリカさんは自分の勘違いに気づいた後、顔を青くしながら私の救護をしてくれた。
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 07:32:29.59 ID:F50zWQcpO

 止血をして消毒をして、痛み止めもちゃんと飲ませてくれて。

 私はベッドに横向きに寝かされて、エリカさんがずっと、私の手を握っていてくれて握っていてくれた。

 おしりはまだまだ痛かったけれど、エリカさんの額にも冷や汗が浮いていたけど──二人で一緒に、けらけらと笑う。

エリカ『私達って、ホントすくいようの無いバカね──仮にも隊長格だなんて、信じられる?』

 エリカさんは私の気を紛らわそうとしてくれたのか──今まで聞いたことのなかったことを、いくつかポツポツと私に話してくれました。

エリカ『……一年のころ私、つらい時にはいつもあんたのおしりの事を考えてた──』
 
エリカ『大きな失敗をした時、すごく悔しい思いをした時、悔しくて泣いてしまいそうになった時、それに、すごく緊張をした時とかも──みほのおしりのことを考える。そうすると、すごく肩の力が抜けた。それに、西住流の貴方でさえあんなに頑張ってるんだから、私も頑張らなきゃって……』

エリカ『……最初は本当にそれだけだった。でも、時々……あんたのおしりが四六時中頭から離れない日があったりして、……』

エリカ『…………。』

エリカ『私たち、これからたくさん、考えなきゃいけないことがあるわよね。でも……今はまず、目の前のことだけに集中しましょう』

エリカ『大学の話も、いい? いったんは忘れなさいよね? 黒森峰の大学のこと、みんなには黙ってなさいよ。なぜって──あんた、絶対いろいろ顔にでるでしょ』

エリカ『とにかく明日からはぜったいに今まで通りだからね? 大会で私にあっても、気安く話しかけんじゃないわよ!? ……ちょっと、そんな顔しないでよ……』





みほ(──────……。)



 ──熊本を逃げ出したあの日──あの時も、私のおしりは裂けていた。



 おしりが裂けたのと同じように、もう、何もかも取り返しが付かないんだって、一人で思い込んでた。──



みほ(──でも、そんな事なかった。いつか必ずおしりは治る。それに──)

エリカ「────すぅ、すぅ……」

みほ(私は今でも、エリカさんと一緒にいる……)

 ──どうしてこうなってるんだろう──

みほ(……。うん、そんなの、考えるまでもない……みんなの、おかげだよ。今まで出会った、いろんな人たちのおかげ……)

 
 ──私は同じ失敗を何度も何度も繰り返し──結局自分は、同じ場所をグルグル回っているだけなんじゃないかって、恐ろしくなる時もあるけれど──


 そうじゃない、少しづつ、少しづつ……何かが、変わっていく。私たちが、変わりたいと思い続ける限り……


みほ「そうですよね、エリカさん……」


 ──エリカさんの握る手が温かい。その温かい手の中指に、私はそっと口づけをする。


みほ(……少し、お薬臭い……)
 
 エリカさんは手も洗わずに、ずっと私のおしりを見てくれていたんだ。

 またたまらなくなって──私はパクリと、エリカさんの中指をはむ。

みほ(たまらなくなってばかり……だめだなぁ、私……)


 ちゅう、ちゅう……ちゅう、ちゅう

みほ(ん……サルミアッキみたいな味……)


 ちゅうちゅう、ちゅうちゅう。
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 07:33:33.91 ID:F50zWQcpO


みほ(エリカさん、起きちゃうかな。……起きて、ほしいな……)


 ちゅうちゅう、ちゅうちゅう……

エリカ「……すぅー、すぅー……」

みほ(……。)

 ……ちゅぽんっ



みほ「はぁ……不味かった……」

みほ(……ごめんね、エリカさん。朝起きたら、エリカさんの指……私のつばで臭いかも……)

 だけど、明日の事を心配するのは何もかも目が覚めてからにしよう。明日は忙しくなる。病院へいって、エリカさんのお見送りをして──だけど、今だけは、まだ──


みほ「……エリカさん、起きて。エリカさん」

エリカ「……、ん、ぁ……みほ?」

みほ「エリカさんもベッドで寝てください。座ったままだと、おしりに悪いよ」

エリカ「ん……むにゃ……」

 エリカさんがずりずりとベッドに這い上がってくる。私は壁側に寄って、エリカさんのスペースを用意する。

エリカ「んぁ……みほ……おしり、だいじょうぶ……?」

みほ「うん。エリカさんが処置してくれたから、大丈夫だよ」

エリカ「そう……明日の朝、また薬をぬるからね……」

みほ「うん。私も、エリカさんのおしりに塗ってあげるね」

エリカ「よろしく…………、……………くー……くー……」

みほ「……。」


 エリカさんのべたつく中指に、私の人差し指を絡ませる。互いのおしりにもぐりこんだ特別な指。

 指キリげんまんをするみたいに、がっちりと、しっかりと──絶対にほどけてしまわないように──


みほ(一緒のベッドで眠るのは……今日が初めてですね。朝になったら、きっとエリカさんに怒られる。何してんのよ、って)

みほ「……ふふ、おやすみなさい、エリカさん……」







 ────────────……。

155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 07:35:25.52 ID:F50zWQcpO



エリカ「……すぅ、すぅ……」

みほ「……くぅ、くぅ……」


 
 肩を寄せ合い寝息をたてる二人の少女──その少女たちのかたく結ばれた細い指先を──


ボラギノール「────……」


 テーブルの上の一瓶のボラギノールが、静かに静かに、暗闇の中から見守っている。

 昔も、今も。

 これから先も、ずっと、ずっと……。









ガールズ&パンツァー ボラギノールフィンガー

156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/02(月) 07:42:07.34 ID:F50zWQcpO
脳内設定では、しほと菊代さんも高校大学と互いのおしりにしょっちゅうボラギノールを塗布しあっていました。
今でも時々。
話の中に盛り込めればなーと思っていましたが、自分の技量では無理でした。

現状でさえ、すでにしっちゃかメッチャかで、読みずらい点が多々あったと思います。
にもかかわらず最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/02(月) 07:44:38.26 ID:F50zWQcpO
それと>>139にはやっぱり本当にありがとうございます。

見苦しい文章になってしまいましたが、それでもやっぱり、つけたせてより深い満足を得られました。

人の意見って大切だなぁと、心から感謝です。
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/02(月) 09:58:57.62 ID:gAFdqpuLo

感動した
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/02(月) 11:14:45.67 ID:I+BYJegnO
悪くなかったけどなんか途中から話がとっちらかってんじゃないんかね
一旦書き上げて、そっからしばらく時間置くなりしたらもっと良い話になってた気がす
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/02(月) 12:18:30.51 ID:r/+dQmz3o
作者は尻フェチですね、間違いない
乙でした
みんなは安易にこうもんで遊んではいけないぞ!
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/02(月) 21:55:46.22 ID:teubeud00
いいみほエリだった・・・
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/02(月) 22:11:18.51 ID:oVPANktbO


残念ながら象さんまとめにはのらんみたいやね
どんなコメつくかちょっと楽しみやったけど下すぎ?
俺はおもしろかったぜ
また書いてくれ
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