九頭竜八一「風呂から上がったら、揉んでやる」夜叉神天衣「……えっ?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/08(金) 00:37:53.05 ID:PCyqDion0
その日、盛大な宴が挙行されていた。
史上最年少の女王の誕生を祝うべく、棋界内外を問わず、様々な客でごった返している。
主催者である清滝一門は大忙しだ。
その中には、プロ棋士であり、竜王の称号を持つ九頭竜八一の姿もあった。
それも当然。今日は彼の二番弟子の晴れ舞台。

新たな女王の座に就いた、夜叉神天衣。

スポットライトを浴びる弟子を温かく見守りつつ、八一は招待客に酒を注ぎ、賛美や冷やかしに応対している。笑みは自然に溢れた。
無理に愛想を振りまく必要などなかった。
弟子の晴れ舞台は師匠の誉れ。
すぐに抜かされてしまうのでは、との声も多数頂いたが、気分を害することはない。
むしろ、その日が来るのが楽しみである。

しかしながら、自分は竜王。
最強を名乗るつもりはないが、頂点の一角だ。
そのくらいの自負は持ち合わせている。

故に、弟子には高みを目指して欲しかった。

八一「天衣、今日は俺の家に泊まりなさい」

天衣「……は?」

縁もたけなわとなった頃合い。
大勢の大人に囲まれて、流石にくたびれた様子の天衣の耳元で囁く。
すると、キョトンとした表情を浮かべて、困惑している様子。
すかさず、すぐ近くにいた一番弟子であり内弟子でもある雛鶴あいが口を挟んできた。

あい「やったー! 天ちゃん、一緒に寝よ!」

八一「いや、あいは今日は桂花さんの家に泊まりなさい」

あい「ふぇっ? どうしてですか?」

八一「どうしても、だ」

有無も言わさぬ口調に、あいは文句を言いたげだったが、師匠の表情を見てやむなく頷く。

あい「はい……わかり、ました……」

八一「良い子にしてるんだぞ? それじゃあ、天衣。ついて来なさい」

天衣「えっ? ちょ、ちょっと……!」

あいを残し、天衣を会場から連れ出す。
状況が理解出来ない二番弟子の手を引くと、意外にも文句を言わずに大人しくついてきた。

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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 00:39:55.31 ID:PCyqDion0
天衣の手を引いて、自宅に向かう。
会場を出る際に保護者兼、ボディガードの晶さんには話をつけておいた。
捜索届けが出される心配はない。

天衣「歩きながら携帯弄ると危ないわよ?」

八一「ああ、すまん。すぐ済むから」

歩きスマホを注意された八一は、手早く何やら打ち込み、携帯をポケットにしまう。
すると、天衣がやや躊躇いながら、質問した。

天衣「空銀子に連絡してたの?」

流石に鋭い。幼くとも女の勘というやつか。
空銀子とは、八一の姉弟子だ。
そして、元女王でもある。
つまり、姉弟子は天衣に敗北したのだった。

八一「よくわかったな」

天衣「ふんっ。会場で見当たらなかったから、引きこもっていじけてるんじゃないかと思っただけよ」

八一「お前は気にしなくていい」

天衣「だから、気にしてなんかないってば!」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 00:42:03.04 ID:PCyqDion0
姉弟子は祝賀会に顔を出さなかった。
もっとも負けた本人に出席しろと言う方が無理な話ではあるが、弟弟子としては気になった。
だから一応、連絡してみたのだが、気にする程でもなかったようだ。

八一が大丈夫ですかと尋ねると、『次は絶対に負けない』と返信があり、大丈夫そうですねと返すと、『夫婦ぜんざい奢れ』と要求された。
無論、拒否権はないので今度姉弟子にぜんざいを奢ることが確定してしまった。

とはいえ、概ね想定内だ。
この先、空銀子には茨の道が待ち受けている。
女流タイトルなど、足枷にしかならない。

八一「正直言って、俺はお前が姉弟子に勝ってくれて良かったと思うよ」

天衣「どういう意味?」

八一「姉弟子には三段リーグに専念して貰いたいからな」

三段リーグ。
奨励会三段となった姉弟子を待ち受ける鬼門。
皆、プロに匹敵する強者達のリーグ戦。
女流タイトルなど意味を持たず、余計なやっかみや反感を買うだけの要素でしかない。
他に二つのタイトルを保持している姉弟子自身も、肩の荷が降りてほっとしている筈だ。

天衣「別に私は空銀子の為に勝ったわけじゃないから、どうでもいい」

八一「さいですか。そろそろ、俺の家だ」

バサッと肩にかかった黒髪を羽のように振り払い、天衣は拗ねたように口を尖らせた。
そんな二番弟子に苦笑しつつ、八一は見えてきた自宅アパートを指し示した。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 00:44:31.13 ID:PCyqDion0
八一「とりあえず、上がってくれ」

天衣「お邪魔、します……」

アパートに辿り着き、自室の鍵を開けて扉を開けると、天衣は緊張した面持ちで入室した。
内弟子である、あいが日頃から掃除をしてくれているので、整理整頓されて綺麗なものだ。
興味深げに室内を見渡して、天衣が一言。

天衣「狭いわね。犬小屋かと思ったわ」

八一「仮にも師匠を犬扱いするな」

やれやれ、これだからお嬢様は。
嘆息して、座布団を敷いてやる前に。

八一「先に風呂に入れ」

天衣「へっ? お、お風呂……?」

八一「風呂から上がったら、揉んでやる」

天衣「……えっ?」

小学生の弟子に風呂を勧める師匠。
揉んでやると言われて、硬直する天衣。
それを気にした様子もなく、八一は命じる。

八一「いいから、さっさと入ってこい」

これには流石の天衣も黙って頷くしかなかった。
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 00:46:14.29 ID:PCyqDion0
八一の家の浴室でシャワーを浴びながら、天衣は考える。今日の先生はおかしい、と。
普段は『師匠』と書いて『せんせい』と読んでいるが、今日はわかりやすぐ『先生』と呼ぶ。

九頭竜八一は天衣の師匠だ。
他に弟子を1人抱えており、内弟子として先生と暮らす雛鶴あいは姉弟子に当たる存在である。
そのあいは、今日は外泊するらしい。
他ならぬ師匠である八一の指示だ。
その上で、私を自宅に招いた。
つまり、今夜はこの家に先生と私の2人だけ。

それらを踏まえた上で、先程の発言だ。

『風呂から上がったら、揉んでやる』

状況を鑑みるに、なんとも如何わしい文言だ。
部屋に招いて早々に風呂を促す手際の良さ。
揉んでやると口にした、あの強引な口調。

もしかして、慣れているのかしら?

ふと、そんなことを思った。
内弟子と暮らす、先生。
2人は既に、そういう関係なのだろうか?

いやいや、ありえない。
天衣は濡れた髪を振り払って否定する。
だって私たちはまだ小学生だ。
流石に手を出すとは思えない。
だって、それは犯罪だもの。

しかし、九頭竜八一はロリコンの疑惑がある。
周囲には沢山のJSがちらほら見受けられた。
ということは、常習犯なのだろうか。
そう考えると、すこし怖い。
いや、恐怖でしかないのだが、一応、念入りに身体を洗っておくことにする。ごしごし。

天衣「でも、揉むと言っても……」

身体に付着した泡ん流しながら、浴室に備え付けられた鏡に視線が向かう。主に、胸部だ。

これを、揉む?
そんなことが可能なのか?

首を傾げざるを得ない。
そこは平坦で、『揉む』というよりは、『撫でる』というべき存在でしかない。
もしかしたら肩でも揉む気かしらとも思ったが、どこの世界に小学生の弟子の肩を揉む師匠が存在するのかと思い直し、その考えを否定。

結局、腑に落ちないまま、天衣はごしごしと平たい胸を磨いたのだった。
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 00:49:08.13 ID:PCyqDion0
八一「上がったか。なら、そこに座りなさい」

風呂から上がった天衣は、用意してあった雛鶴あいの物と思しき子供用の寝巻きに着替えて、やや緊張しながら八一の待つ居間へと向かった。
そこで彼女の師匠である九頭竜八一は、部屋の中央に置かれた将棋盤の前で正座していた。
そこでようやく、合点がいった。

揉むって、そういう意味だったのね。

納得した天衣は、先程の自分の想像を思い返して、酷く恥じ入り、同時に申し訳なくなった。
なので、彼女にしては珍しく、将棋盤に向かう前に正座をして、頭を下げ素直に謝罪をした。

天衣「ごめんなさい。私、誤解してたわ」

八一「なんだ、俺を侮っていたのか?」

天衣「ええ、そうとも言えるわね」

八一「はっ! たかだか女流タイトルを取ったくらいで、もう天狗か? いいか、お前の目の前に居るこの俺は竜王だぞ! 身の程を弁えろ!!」

憤慨した様子の八一。
これには天衣もむっとした。
たかだか女流タイトルでも、タイトルはタイトル。タイトルホルダーの意地がある。
しかも、素直に謝罪した上でのこの態度。
真一文字に口を結んだ天衣が、将棋盤を挟んで八一の正面の座布団に着座した。

八一「今日お前を呼んだのは他でもない。その鼻っ柱をへし折ってやる為だ。ほら、かかって来いよ。竜王であるこの俺が、揉んでやる」

天衣「ふんっ。代わりに女王であるこの私が、あなたを揉んで差し上げるわ」

師弟の対決の火蓋が、切って落とされた。
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 00:52:07.31 ID:PCyqDion0
天衣「ふふっ。どう? 以前の私とはひと味もふた味も違うとわかったかしら?」

序盤の駒組みで天衣は手ごたえを感じていた。
自陣の厚さ、そして敵陣の薄さ。
それでいて急戦を挑んでくる気配もない。
天衣は以前、八一に言われたことを覚えている。

自分の持ち味は、重厚な受け将棋である、と。

故に、序盤はとにかく固める。
安易に穴熊を組まないのは、柔軟な受けの為。
ある程度玉の動けるスペースを確保していた。
それでいて、隙がない構え。完璧である。

天衣「ほら、かかって来なさいな! さっきまでの威勢はどうしたの?」

盤外での挑発も欠かさない。
相手の攻めを促し、受けきる。
それによって補充した金駒で勝ちを掴み取る。
これが天衣の勝利の方程式だった。

しかし、目の前の男は、凡人ではなかった。

八一「……こんなもんか」

ため息混じりに、ぽつりと八一が呟く。
そこに失望の色を感じ取り、天衣が声を荒げるその前に、パチンと、駒が置かれた。

天衣「ッ……!」

一瞬、目を疑った。
それは一見、無意味に思える一手。
しかし読めば読むほど、妙手。

俗に言う『焦点の歩』と呼ばれるものだった。

天衣「そんな、こんな筈は……!」

玉が動けるようにスペースを作ったのが仇となった。そこを突かれ、守りのどの駒を動かしても不利になる。一滴の毒薬が垂らされたのだ。

八一「受け将棋はお前の十八番なんだろ?」

天衣「くっ……!」

たった、一手。
されど、一手。
それで戦況は大きく傾く。
一気に終盤へと推移していく。

この対局に、中盤は存在しなかった。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 00:55:15.44 ID:PCyqDion0
天衣「負け、ました……」

それからの展開は一方的だった。
囲いを崩され、食い破られた。
竜王の顎門は強力で、凶悪だった。
なす術なく、天衣は投了したのだが。

八一「駄目だ。投了は許さん」

天衣「えっ?」

八一「1手詰めまで続けろ。投了は許さん」

まさかの投了拒否。
もう決着はついたというのに。
そう言えば、対局前に先生は言っていた。

『お前の鼻っ柱をへし折る』、と。

1手詰めまで続けろとは、そういう意味か。
理解して、絶望する。
そこまでして、弟子のプライドを折るのか。
天衣は思わず泣きそうになり、寸でのところで、なんとか堪え、八一を睨む。

八一「どうした、お前の手番だぞ」

睨まれても八一は動じない。
次の手を指すように要求してくる。
しかし、有効な一手が思いつかない。
これ以上は棋譜を汚すだけだ。
無論、棋譜など記録していないが、記憶には残り続ける。だからもう、指したくない。

なんとか逃れようと、天衣は、先程から込み上げてきている生理現象に頼ることにした。

天衣「お手洗いに、行かせて下さい……」

八一「駄目だ」

天衣「……は?」

八一「この対局でお前が俺に勝てたら、行かせてやる。勝てなければ、その場で漏らせ」

天衣には、もう。

自分の師匠が何を言ってるのか。

わからなかった。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 00:58:17.44 ID:PCyqDion0
天衣「そ、そんなっ!? 横暴よっ!!」

八一「棋士は勝てなければ人間ではない」

天衣「だ、だからって……!」

八一「だから、負けた奴は漏らすしかない」

堪らず抗議する天衣。
しかし、八一は聞き入れない。
暴論と極論によって、ねじ伏せた。

『棋士は勝てなければ人間ではない』

『だから、負けた奴は漏らすしかない』

その言葉が、耳から離れない。
それを彼が口にしたことが、信じられない。
天衣は内心、師匠である八一を尊敬していた。
棋士として、1人の男性として、憧れていた。
それなのに、まさか、よもや。信じられない。

天衣「お、お願いします、もう許して下さい」

天衣にはもう、謝るしかなかった。しかし。

八一「駄目だ。許さん。対局を続けろ」

謝っても、先生は許してくれない。
どうして、そこまで。また涙がこみ上げる。
女王になったことが面白くなかったのか?
空銀子を負かしたことが腹に据え兼ねたのか?
様々な疑念が浮かぶが、正解はわからない。
わかるのは、泣いて謝っても無駄なことだけ。

ならば、対局を続ける他、選択肢はなかった。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 01:00:25.62 ID:PCyqDion0
天衣「わかり、ました……」

八一「早く指せ」

天衣「言われなくとも、指すわよっ!!」

口を閉じて、バチンッ!と、駒を打ち付ける。
すると、ノータイムで八一が指し返した。
すかさず、天衣も指し返す。

秒読みよりも恐ろしい、迫り来る尿意の恐怖。

普通ならば、慌ててしまう局面。
しかし、不思議と天衣は冷静になれた。
尿意の存在で盤面を客観視することが出来る。
それに気づき、よくよく見ると、まだやれる。

いや、むしろ、そこまで悪くない。
まだやれるどころか、勝てるのでは?
読みではなく、感覚がそう告げていた。

天衣はその大局観に従い、指し手を早める。

八一「ッ……!」

ここに来て覚醒した天衣に驚く八一。
その鋭い指し手に、即座に反応出来ない。
その間にも、天衣の頭脳は冴え渡る。

八一「ようやく、本領発揮か」

天衣「ええ、待たせたわね。踊ってあげる」

八一「はっ! 漏らしてあげるの間違いだろ!」

天衣が覚醒したことにより八一もまたギアを一段上げた。より早く、より正確に、より深く。

八一「カアアアアアアアアアアアッ!!!!」

灼熱の業火を吐き出すが如く、竜王が咆哮した。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 01:02:28.35 ID:PCyqDion0
天衣「熱い……!」

盤面は最終局面。
打つ手なしと思われたが、勝機が見えた。
今はひとまず、とにかく、凌ぐこと。
それだけに徹する。ただ、それだけに。

そうして凌ぎ切れば、こちらの勝ちだ。

天衣「熱い!」

天衣を焦がす、竜王の息吹き。
燃え滾る、闘争心。勝利への渇望。
そして、何よりも切実な尿意。

それら全てを指先に込めて、駒を打ち付けた。

八一「ま、今日のところはこんなところか」

天衣「あっ……!」

ふっと、目の前の竜王から闘志が消えた。
怪訝に思い盤面を確かめると、終わっていた。
プロならば1秒未満で見抜ける、1手詰め。
それを、天衣は見逃していた。

天衣「あ、ああ、ああああ……」

どこからか鳴り響く重低音。
それはまるで、世界が崩壊する音のようで。
天衣は愕然と天を見上げ、失禁した。
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 01:07:15.10 ID:PCyqDion0
下腹部にじわりと広がる熱さ。
それが座布団に染み渡っていく。
まるで遠い世界の出来事のように感じられた。

しかし、熱が冷めれば、現実に引き戻される。

天衣「ごめん、なさい……」

泣きながら、天衣は謝罪した。
女王となり、天狗になっていたこと。
竜王である、師匠を侮ったこと。
そして、失禁したこと。

許して貰いたかったわけではない。
そんな弱い自分が、許せなかった。
そして、見捨てられるのが、怖かった。

天衣「見捨て、ないで、下さい……!」

泣きながら、嘆願して、懇願した。
すると、八一はやれやれと首を振り。
ちょいちょいと手招きをして、呼び寄せた。

八一「天衣、こっちに来なさい」

言われて、おずおずそちらに向かう。
滴る尿が、酷く恥ずかしかった。
顔を羞恥で真っ赤に染めた天衣が隣に立つと、八一は座ったまま手を伸ばし、その華奢な身体を引き寄せて、膝に座らせ、抱きしめた。

天衣「せ、先生……?」

八一「お前は弱い」

天衣「ごめん、なさい……」

八一「弱いが、確実に強くなっている。その向上心を忘れないでくれ。……悪かったな、意地悪して」

天衣「へっ?」

八一「俺はお前に、女流タイトルで満足して欲しくなかった。だから、わざと辛い思いをさせたんだ。すまなかった」

師匠の懺悔。
抱かれたまま、それを聞いて。
天衣は心から、安堵した。
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 01:10:22.25 ID:PCyqDion0
天衣「先生、膝、汚れるわよ……?」

八一「構うもんか。もう絶対に離さないぞ」

先生のシワだらけの左膝に、尿が染みていく。
酷くもう申し訳ないが、離してくれない。
そして天衣自身、ずっと抱いて欲しいと願った。

八一「俺はお前を見捨てない」

されるがまま、抱かれていると、宣言された。

八一「お前が強くなりたいと願う限り、その向上心を持ち続ける限り、俺は天衣の師匠で居続ける」

それはまるで、プロポーズのようで。
天衣は身体の芯がじんと熱くなるのを感じた。
気恥ずかしくて、つい茶化すように返答する。

天衣「じゃあ、一生離さないで」

八一「もちろん、と言いたいところだが、実は俺もトイレに行きたくてさ。出来ればそろそろ離れてくれると助かるんだけど……」

この男は……やはり、締まらない。
がっかりして、膝から降りようとしたその時。
ふと、天衣の悪戯心が疼いた。

天衣「駄目よ」

八一「えっ?」

天衣「私も漏らしたのだから、あなたも漏らしなさい。そうでなければ不公平でしょ?」

ギョッとして固まる八一に、まるでコアラのようにしがみついて、天衣はクスクス嗤った。
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 01:12:35.31 ID:PCyqDion0
八一「……仕方ない、わかったよ」

天衣「早くして」

八一「そう急かすなよ、体勢を整えるから」

観念した八一を急かす天衣。
すると、先生は体勢を整えると言う。
何のことだろうと首を傾げていると。

八一「ぬんっ!」

ずんっ! と。
両拳を畳につき、前傾姿勢になる八一。
向かい合わせで膝に抱かれる天衣は慌てて彼の首にしがみつき、転倒を免れた。
下から先生の表情を伺うと、力んでいる様子。

よもや、まさか。

嫌な予感がして、天衣は待ったをかける。

天衣「せ、先生! ちょっと待って!?」

八一「棋士は『待った』をしてはいけない」

事ここに及んでも、九頭竜八一は棋士だった。

八一「カアアアアアアアアアアアッ!!!!」

ぶりゅっ!

天衣「きゃあっ!?」

八一「フハッ!」

ぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅっ!!!!

天衣「きゃああああああああああっ!?!!」

八一「フハハハハハハハハハハハッ!!!!」

竜王の哄笑と、弟子の悲鳴。
そして便の異臭が、室内に充満した。
その日の記憶は、敗北の思い出と共に、生涯忘れることはないだろうと、天衣は思った。
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 01:15:54.68 ID:PCyqDion0
天衣「先生……眠れないのだけど」

夜遅く。
風呂に入り直して、着替えた天衣が師匠の寝床を訪れた。無論、八一も清潔な身なりだ。

八一「なら、一緒に寝るか?」

特に、何も考えずに口をついた言葉。
弟子の晴れ舞台に張り切り過ぎたのか、八一自身も眠くて、その意味に気づかない。
天衣は頬を染めつつも、大人しく布団に入る。

天衣「ねえ、先生」

八一「ん? なんだ?」

天衣「もう一人の弟子とも一緒に寝てるの?」

天衣は興味本位で質問してみた。
内弟子である雛鶴あいと九頭竜八一の関係性が、気になっていた。
すると、八一は眠そうな声で。

八一「そんなわけないだろ」

きっぱりと否定されたので、追求してみる。

天衣「じゃあ、私が初めて?」

八一「まあ、そうなるかな……天衣は内弟子じゃない分、あまり構ってやれないから、特別だ」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 01:17:52.66 ID:PCyqDion0
特別と言われて、また身体の芯が熱くなる。
それにこうして同衾するのは初めてだと言う。
初めて。実にいい響きだ。嬉しくなる。

天衣「お漏らしし合うのも、私が初めて?」

その質問に対する返答はなかった。
既に八一は夢の中。
てっきりこれから『バイ矢倉』を服用して、朝まで私の幼い『穴熊』に『九頭竜ワクチン』を『ゴキゲン中出し』するつもりかと思いきや、すやすやと穏やかな寝息が聞こえてきた。
それでも良かった。天衣は満足していた。

そっと、布団の中で八一の手を握る。
指を絡めて、そのしなやかな指を絡める。
彼の指先に触れていると、昔の記憶が蘇った。

良い駒音を鳴らす為に。
駒の置き方を教わった。
あの日の思い出。

それ以前から、私は八一先生の虜だった。
父親が惚れ込んだ、若き天才。
私はその竜王の、二番弟子。
そんな彼に対するこの感情がいったい何なのかは今のところ定かではないが、それでも今現在、はっきりとわかることがある。

天衣「私は……先生の特別で、一番」

それだけで、大駒一つ分。
いや、確実に二つ分は。
強くなれた、そんな気がしたのだった。


【りゅうおうの二番弟子のおけいこ!】


FIN
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 01:26:40.51 ID:ivDO8KXRo
またお前か
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 01:38:09.07 ID:ulFhXyZm0
まさかの糞展開
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 01:39:42.28 ID:PCyqDion0
1レス目の『桂花』は『桂香』の間違いです!
確認不足で申し訳ありませんでした!
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 02:45:44.53 ID:Lhutmc2fo

いいクソスレだった
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 07:17:06.40 ID:xJAnQ3SSO
いいJSおもらしとクソだった
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 10:59:50.71 ID:BumUwHrpo
なんだ、糞スレか
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/08(金) 19:40:59.42 ID:wLQVgZBo0
まさかの展開で草
いや、糞
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 10:58:49.46 ID:bvlbR9WZ0
スカがやりたかっただけだろこれ
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