モバP「担当アイドルの家庭環境が想像できない」

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35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 20:51:25.66 ID:jL0MBpz30

父『…………あんなことを続けられたらね。ほだされるというものだよ』

P『しつこかったな、と今では反省しています』

母『そんな必要ないわ。……たぶんだけどあの子、自分よりも奉仕が好きな人を初めて見たのよ』

P『いや俺は別に……。クラリスさんにだけですよ。あの人が嬉しそうだと俺も嬉しいから。奉仕とか尽くすとかじゃなくて、俺が楽しいからです』

父『立派な奉仕の形だよ。受ける側の人間からしたらむしろ、到達点の一つといっていいくらいだ』

母『大切にしてあげて。……お父さん、そろそろ』

父『ああ。すまんがP君、私たちはこれからでかけなければならないんだ。少しの時間でいいから、クラリスの相手をしてくれないか?』

母『あ、でも変なことしちゃだめよ?』

P『も、もちろんです。手ぇ出す度胸なんてないですから』

母『ならよし。嘘ついたら針千本だからね? じゃ、行ってきまーす』

P『はい、お気をつけて』





ちひろ「教会ほったらかしでどこ行くんですかね。ていうか今更ですが、神聖な場所でくつろぎすぎじゃないですか?」

P「おいしいから大丈夫ですよ」

ちひろ「たぶんそれほど万能じゃないと思いますよそれ」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 20:54:49.24 ID:jL0MBpz30

クラリス『お父様とお母様は?』

P『おでかけだそうです』

クラリス『あら。お父様もお母様も……娘を男性と残していくなんて、配慮が足りないと思いません? ふふっ♪』

P『か、からかわないでくださいよ。大丈夫です、何もしません。間違いなんてありえませんって』

クラリス『…………ほんとですか?』

P『もちろん。クラリスさんに嘘なんてつきません。絶対絶対、手を出したりしませんよ』

クラリス『……………………』

P『クラリスさん?』
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 20:57:00.04 ID:jL0MBpz30

クラリス『……魅力にかける自覚はしていますけど……言い切られると、少し傷つきます』

P『あ、や、すみません。そんなこと言わないでください。クラリスさんかわいいんですから』

クラリス『P様が振り向かない程度に、ですか?』

P『…………ほんと、そんなこと言わないでください。世界で一番素敵だと思ってる人をそんな風に言われると、悲しいです』

クラリス『……思うだけなのですね』

P『手を出さないって、クラリスさんのご両親に約束したばかりですから。ここで、神様の前で』

クラリス『…………なら』ぎゅっ

P『(おわ、手を……)』


クラリス『私が手を出すのは……いいですよね?』

クラリス『我慢しなくていいですよ……? 私も、しませんから…………』




P「で、後は教会でがっつり八時間ドスケベですよ」

ちひろ「待てや」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 20:59:16.43 ID:jL0MBpz30

P「なんですかもう」

ちひろ「さっきの教訓全殺しじゃないですか。私が何言ったかもう忘れたんですか」

P「いやもういい雰囲気になるんだったら即日ドスケベいっとけってアドバイスかと」

ちひろ「この噛み合わなさ嫌になりますね。ていうかご両親との約束どうしたんですか」

P「女神とドスケベできるんだったら、まあ針の千本や二千本一気飲みしてみせますよ」

ちひろ「性欲に裏付けされたその漢気は割と嫌いじゃありませんけど。締めくらいきれいにしてくださいよ」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:04:13.00 ID:jL0MBpz30

音葉「…………」ちらっちらっ

ちひろ「そわそわしなくてもどうせ語りだしますって。最悪な締めでしたけどクラリスさん一区切りしましたし。こっから音葉さんのターン入りまーす」

P「こんなかだと音葉さん一番簡単ですからね」

ちひろ「唯一ファンにも情報出てますからね。たしかご両親ともに、音楽関係者なんですよね?」

音葉「は、はい。シュテーツ……いつも側に、音がありました……」

P「まあよほど両親が音楽に関心ないと、こうは育ちませんよね」

ちひろ「いや関心あってもこうは……まあいいですけど」

P「んで、下手したらクラリスさん家よりも厳しいイメージなんですよね」

ちひろ「あー、それ分かります。スカウト直後の、競う音楽のことばかり考えてた音葉さんを知ってるとそんなイメージですね。ほんと今は柔らかくなりましたよ」

音葉「大切な人も……テネレッツァ……一緒に歌う、愛しい友達もできましたから」

P「しかし、私はここであえて逆のパターンを唱えたいわけです。たとえばこんなんを」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:06:13.69 ID:jL0MBpz30

P(音大生)『そろそろダメ?』

音葉『ダメです』

P『いや、だってもうけっこう長いと思うんだけど』

音葉『ダメったらダメです。私の家に来るのだけは、ダメです』

P『むう……。だってもう、付き合って一年だよ』

音葉『そこだけはいけないのです……。ゲメヒリッヒ……気軽に立ち入られてはいけないのです』





ちひろ「今回えらく発展した仲からのスタートですね」

P「こんなかだったら音葉さんが一番しっくりくるんですよ、こういうシチュ」

ちひろ「他二人がしっくりこなさすぎるだけとも言えますけどね」

音葉「へ? え……あ…………ふぇえ!?」

ちひろ「当人混乱してますよ」

音葉「私、いちばん……? アンダンテを超えプレストへと……二人でイクストリームリィなグラデーヴォレ……!? ふ、ふふ……っ♪」

P「ちなみにグラデーヴォレは気持ちいい、とかそんな意味です」

ちひろ「間違った方向にテンション上がってることだけは分かりました」

クラリス「むーぅ……」ぎゅー

のあ「……」むぎゅー

ちひろ「存在主張せんでよろしい」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:09:14.37 ID:jL0MBpz30

P『……分かった。今日のところは諦めるよ。代わりにどっか遊びに行こう』

音葉『すみません……。ですが実家は……例えるなら、アクアレル、でしょうか……』

P『(繊細……? どんな家なんだろ)』

音葉『お詫びというわけではありませんが、今日は私がご馳走いたします。最近よいお店を見つけましたので』

P『気を遣わなくていいよ。あ、奢ってくれるんならあれがいい。サンドイッチ。こないだの音葉さん手作りのやつ』

音葉『あ、あのような未熟なものは……初めて作れて、嬉しくなってしまってついお裾分けしただけで…………。本来、人にあげるものではなく、もっと良いものを……』

P『音葉さんが俺の一番だもん』

音葉『え、う……。……………………ま、また今度でよければ……』

P『やっほー!』





音葉「いちばん……私、一番…………♪」

ちひろ「そこだけ切り取って反すうしないでくださいよ」

音葉「この中で……こーの中でー……♪」

ちひろ「まあ、その都合のいい耳と脳みそは嫌いじゃありませんけどね」

P「ちひろさんは嫌いじゃないものたくさんありますね」

ちひろ「いろいろ許容しないとやってられない職場なものですから」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:11:12.39 ID:jL0MBpz30

音葉『で、では今日のところは……』

P『うん、音葉さんが見つけたお店で。何屋さん?』

音葉『小さなカフェなのですが……木造の店内にかかるクラシックがとてもここちよくて……』

P『いいね。ここから近いの?』

音葉『ええ。アンダンテで五分ほど……。こちらになり、ま……………………』

P『どったの? 向こうの方になにか…………んお? 金髪の男の人? なんだろ、こわそうというか強そうというか……知り合い?』

音葉『い、いえ……』

P『あ、金髪の人こっち気づいて……こっち来るよ? やっぱ知ってる人じゃないの?』

音葉『何というか、あの……何というか……』

父『音葉、今帰りかい? お父さんと帰りが一緒になるなんて、初めてじゃないか?』

P『お、おぉう?』
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:12:33.58 ID:jL0MBpz30

父『ん? 君は……音葉の友達? いつも音葉が世話になってるね』

P『あ、こちらこそ音葉さんにはいつもお世話になっております』

音葉『お父さん……あの、私はこれから用事があるから……Pさん、そろそろ……』ぐいぐいっ

父『(距離が近い……)あの、君、もしかして』

P『あー、はい。僭越ながらお付き合いを』

音葉『あ、ちょ、ちょっ』

P『将来的には結婚を申し込む前提でお付き合いしてます』

音葉『』





ちひろ「切り込みますねえ」

P「大切な人に隠し事はするなと教えられて育ちましたから」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:14:27.77 ID:jL0MBpz30

P(inリビング)『で、音葉さん家に招待されたわけですが。リビングにピアノがあるまでは想定してましたけど、森かよってくらい広くて緑にあふれる庭があるまでは想像してませんでした』

音葉『…………』

P『見たことないような渋い顔してますけど、どしたんですか』

音葉『こんなはずでは…………。心の準備というものが…………』

P『ここまで来たから聞いちゃいますけど、なんで嫌がってたんですか?』

音葉『……両親が……』

がちゃ

父『ああ、おまたせ。紅茶でよかったかな? あと、シナモンは平気? クッキーだが』

P『どっちも大好きです。いただきます』

父『気に入ってくれると嬉しいよ。…………それにしても、音葉』

音葉『』びくっ

父『彼氏ができていたなら教えなさい。まったく、学校のことはあまり話さないものだから、てっきり勉強ばかりに打ち込んでいるものと……挨拶が遅れて申し訳なかったね、P君』

P『や、僕の方からご挨拶にいくのが常識なのに、こちらこそすみません。これからよろしくお願いします』

父『丁寧にありがとう。……音葉、お前もこういうところを見習いなさい』

音葉『うう…………』
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:16:13.62 ID:jL0MBpz30

P『(普通にいいお父さんだな……。音葉さんがこんだけ嫌がるってことは、もしかしたら交際を反対されるんじゃないかと思ったけど)』

父『友人でも彼氏でも作りなさいといつも言っていただろう。お前なら音楽をおろそかにはしないだろうしね』

P『(そんなわけでもないっぽい…………待てよ。彼氏反対なのは、もしかしたら父親のほうじゃなくて…………)』

がちゃ

母『ただいま……! お父さん、音葉が彼氏連れてきたって本当…………?』

P『(金髪の長身女性……ちょっとタレ気味の碧眼とか、分かりやすく音葉さんに似てる……父親じゃなくて、もしやこっちが……)』

父『急いでくることなかったろうに……気持ちはわかるけどね』

P『ど、どうもPです。音葉さんにはいつもお世話になっています』

母『あなたが……』つかつかつか

P『(うぉ、な、なんかまっすぐこっちへ……)』
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:18:14.81 ID:jL0MBpz30

ぎゅうっ

P『んお? 手、手を?』

母『例えるのならスタッカート……。人の中で、人のための音楽なのに、人から離れていくような音葉を人の中につなぎとめてくれた彼氏くんね…………!』

P『は、はい……。かれこれ一年ほど前からお付き合いをさせていただいてます』

母『まぁ、一年……。通りで……! 音葉の雰囲気がわかりやすく柔らかくなったと思ってたのよ……! あなたが音葉をほぐして融かして、笑顔にしてくれていたのね…………これからもよろしくね……!』ぎゅうぅうううっ

P『(めっちゃ強く手ぇ握られてる……)が、がんばりますっ』





ちひろ「妄想内のご両親は交際に好意的ですね」

P「そこは妄想ですから。ギスギスした関係とか、ちひろさん相手で十分です」

のあ「…………ギスギスしてるのかしら」

クラリス「これがそうだというのなら、私もPさんとギスギスしたいです」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:20:35.65 ID:jL0MBpz30

がちゃっ

P『おお、これが音葉さんの部屋……。バイオリンとクラリネットと……あ、CDたくさん。へー……こういうの聞くんだ』

音葉『あまり見られては、恥ずかしいです……』

P『あ……ごめん、つい』

音葉『……あなたとのこと、知られてしまいました……』

P『秘密にしたかったの? でも、お父さんもお母さんも良くしてくれたけど……今だって、ゆっくりしていけって言ってくれたからこうして部屋に二人でいられるわけだし』

音葉『ですが…………』

P『ん…………まぁ、分かる。音葉さんと俺じゃ、たしかにつり合ってないからね。内緒にしたいのも納得する。情けないけど』

音葉『あ、や……そうではないのですっ。逆です……。情けないのは私の方です…………』





P「あ、こっからシリアス入りますよ」

ちひろ「はぁ……」ちらっ

音葉「いかようにも……。あなたの一番であっていいなら、どうされても……♪」むぎゅっ

クラリス「まぁ、やらしいこと考えて……。見てくださいのあさん。こういうのを世俗ではむっつりスケベと言うのですよ」ぎゅうっ

のあ「まったくね……」んぎゅーっ

ちひろ「現実の方はシリアスって画ではありませんけど、まあ続けてどうぞ」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:25:41.79 ID:jL0MBpz30

音葉『…………両親は、私に期待してくれているんです』

P『そりゃそうだよ。才能あって、努力もしてて。期待しなかったら嘘だ』

音葉『なのに私は、あなたとの時間を優先してばかりで……。学校は、学ぶところです。両親はきっと、本心ではこんな私を望んでいない…………』

P『こんなって……別に音葉さん、遊び惚けてるわけじゃないんだし…………。遊びに誘ってばっかりなのは俺もちょっと反省するけど、それ以上に音葉さんは頑張ってるよ』

音葉『ですが、音楽以外の時間が増えたのもたしかです…………。きっと二人が思うほど、今の私は音楽だけを見ていない……そう思われても仕方ないです…………』

音葉『だから私は、もっときちんと結果を出してから……あなたのことも、音楽もないがしろにしていないと、音楽家として実績を残してから胸を張ってあなたを紹介したかった……』

音葉『切り捨てることのできない、大好きな人だと……大好きな両親に伝えたかったのです……』

P『そっか……。知られたくないって、自分をか』

音葉『……はい。あなたにうつつを抜かしている、私を……』

P『…………ねえ音葉さん。ちょっとのろけていい?』

音葉『は、はい?』
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:27:57.58 ID:jL0MBpz30

P『俺、あんまり成績よくないけど今期の単位は全部とれた。分からないとこは音葉さんに教えてもらったから』

音葉『は、はぁ……』

P『んで、音葉さんは当たり前みたいに全部の単位を一番の成績で撮ってたけど……そのために寝る時間削って、ご飯食べる時も教科書と楽譜広げてたりしてた。俺に教える時間も、俺と遊ぶ時間も作ってくれた』

音葉『……それは、当然のことで…………』

P『うん。当然みたいに頑張ってた。授業終わってから俺と遊び倒した日の翌日でも、課題の提出忘れたことなんて一度もないし。昼休みにヨダレ垂らして居眠りしてたことはあったけど』

音葉『そ、それは今いいじゃないですかっ』

P『いや、よくない。大事。ヨダレめっちゃ大事。ちなみに写真撮って部屋に飾ってる』

音葉『ぁう……Pさんは私を恥ずかしめるのが趣味なのですか……?』

P『かわいい音葉さんを見るのが趣味。んで、恥ずかしがる音葉さんがかわいいから結果としてはそういうそしりも受けざるを得ない』むんっ

音葉『胸を張らないでください……』
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:30:21.86 ID:jL0MBpz30

P『だって、音葉さんがかわいいから仕方ない。一緒にご飯食べてたらふいに黙ったから何かと思えば、俺がご飯食べる音聞いてた、もっと聞きたい、とか若干変態くさいこと言いだしたり』

音葉『な、なにを心地よく思うかは人それぞれです……っ』

P『一緒に課題曲の練習してたら、なんかスイッチ入ったのかやけにこだわり始めて五時間以上練習するハメになったり」

音葉『あ、あのときは失礼を…………』

P『んで帰りの電車で俺が寄りかかって寝ちゃったとき、音葉さん気を使って起こさないでくれて。結果、おっぱい枕を堪能することになったり』

音葉『お、起きてたのですか?』

P『我ながら器用な寄りかかり方しましたよねアレ。寄りかかってすぐ目ぇ覚めたけど、正直たまりませんでしたのでもう寝たふりですよ』

音葉『あぅうう…………な、なんなんですかもう……』

P『言いたいのは、俺がどれだけ音葉さんを見てるかってこと』

P『ずっと見てるから、言われなくたって伝わっちゃうんだよ。音楽と同じくらい大事に想われてるって』

P『ご両親だって一緒だよ。音葉さんが期待に応えるためにどれだけ頑張ってるか、とっくに伝わってるよ』
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:32:03.31 ID:jL0MBpz30

音葉『……そうであれば、どんなにいいか…………』

P『絶対大丈夫。結果なんてなくたって、音葉さんは信頼されてる。だから今日、俺のことだって受け入れてくれたんだ。音楽だけに打ち込んでいろ、なんて言うような人たちだったら今俺はここにいないよ』

音葉『……………………本当、でしょうか……?』

P『絶対。音葉さん、ご両親のこと好きって言ったよね。だったら、自分のこと分かってくれるって信じようよ』

音葉『……Pさんは、信じることができるのですか…………? 今日会ったばかりの、私の両親を…………』

P『大好きな音葉さんの大好きな人だから。信じられないわけないよ』



音葉『……………………』とて、とて、とて。



ぎゅっ



音葉『…………あなたを好きでいて、よかったです』

P『ありがと』
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:34:28.47 ID:jL0MBpz30

音葉『あなたと知り合って、世界がきらきらして……音楽とかかわる時間は減りましたけど、そんな世界で奏でる音は、きっと以前の私には届かないものです…………』

P『そういってくれると嬉しい』

音葉『信じてもらえますよね…………。詭弁だと、笑われませんよね』

P『大丈夫だよ。それが分からないような人じゃない。そんな人が、俺の大好きな人の親なわけない』

音葉『ふふ…………っ。では、もう一つの大事なことも伝わるでしょうか』

P『なに?』

音葉『あなたのことが、大好きだって』

P『…………伝わりすぎると恥ずかしいから、そこはちょっと伝わるくらいでいいかな』

音葉『きっと無理ですね…………母が言う通り、私を融かしてほぐして笑顔にしてくれた人ですから……♪』

P『まぁ、よく笑うようにはなったよね』

音葉『…………もっと、と望んではいけませんか?』

P『ん……?』



音葉『身体の奥まで…………心の全部…………とろとろにされたいと思ってもいいですか…………?』




P「まぁあとはドスケベですよね」

ちひろ「まーた始まったよこの人」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:37:43.95 ID:jL0MBpz30

P「いや、だってあそこまでいったらもう」

ちひろ「それまでそこそこ丁寧だったじゃないですか。親からの期待を過剰に受け止めた娘と、子供を信じている親。よかったじゃないですか。なぜ締めくくりにドスケベを選んだんですか」

P「シリアスの後にはそういうのも必要かな、と」

ちひろ「シリアスありました? 終始いちゃついたと思いますけど」

音葉「どうしましょう…………どうしましょう…………♪」ミッチャクー

クラリス「P様、私バージョンのやり直しを要求します。主に過激な方への修正を」クッツキー

のあ「…………私だけ即日行為に至らなかったのは納得いかないわ。私もやり直しを求める」ダキツキー

ちひろ「あーほらほらお三方、いい加減離れてください。汗臭いんですよもう」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:39:08.77 ID:jL0MBpz30

P「長々と話しましたけど、まあこういった家庭からの妄想をファンにも抱いてほしいんですよ俺は」

ちひろ「アイドルとドスケベに発展する妄想が蔓延するのはどうかと思うんですが」

のあ(離れた)「…………思考だけなら人は自由よ。そこ以外で泳ぎださなければ、思想の海は自分のものであるべき」

ちひろ「寛容ですけど、もうちょっと抵抗してほしいです」

音葉(だいぶ名残惜しそう)「アイドルとは、偶像……。フェルリープト…………かわいさの求め方も、人それぞれかと…………」

ちひろ「例えばですけど、ドスケベしたいくらいかわいいって言われたら嬉しいですかね」

クラリス(まだPの袖掴んでる)「思われるというのは幸せなもので、思うということは尊い行為です。神への祈りがそうであるように」

ちひろ「お祈りと妄想を一緒にしたら絶対バチあたりますよ」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:43:41.52 ID:jL0MBpz30

P「よし、なんかイメージまとまってきましたよ。ちょっと企画練ってきますね」

がちゃっ

ちひろ「ロクな企画になる気がしませんが応援してます。いってらっしゃーい」

音のラ「…………」

音葉「…………私、いちばん…………♪」

のあクラ「」ピクッ

ちひろ「あら」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:46:08.91 ID:jL0MBpz30

クラリス「調子に乗りすぎると神様からの天罰が下りますよ?」

のあ「あくまでPの思考……。虚実の線が不明瞭になった人間に、輝きはないわ……」

ちひろ「器小さいですねこの金銀恋愛脳ども」

音葉「はたして二人で、どのようなコンチェルトを…………ふ、むふ……♪」

ちひろ「喜多の日菜子ちゃんみたいな表情ですよ。いや、頭の中はあの子の百倍生々しそうですけど」

ちひろ「…………まぁ、いいんですけどね」

がちゃっ

ちひろ「あらPさんおかえりなさい。どしたんですか?」

P「いや、忘れ物を…………三人、何かあったんですか? なんか火花散ってますけど」

ちひろ「色ボケ共の論争ですから、お気になさらず。…………ああ、そうだPさん」


ちひろ「次、いつ泊まりに来ますか?」


音のラ「!?」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:48:40.45 ID:jL0MBpz30

クラリス「あ、あの……ちひろさん? それはどういう…………?」

ちひろ「言ってませんでしたっけ。私とPさん、幼馴染なんですよ」

P「小さいころから家族ぐるみの付き合いですからね。俺らそろって実家暮らしですから、今でもお互いの家に遊びに行ったりするんです。職場だから一応敬語ですけど、家だと普通にタメ口ですよ」

ちひろ「まあそういうことです。ささいなことですけど」ちらっ

音のラ「…………」

ちひろ「そう。ささいなことです♪」にっこり

音のラ「!」

P「また今度遊びに行きますんで、おばさんによろしく言っといてください。んじゃ俺は再び企画を立てに」

音葉「Pさん……!」

クラリス「P様!」

のあ「P……っ!」

P「お。おぉう?」



このあとめちゃめちゃ家に誘われた。


58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 21:51:13.51 ID:jL0MBpz30
終わりです。遅れましたが、音葉さん誕生日おめでとうございます。そしてのあさん、かっこいいSSR実装おめでとうございます。
増えろのあP、そしてディヴァイニアP。
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/24(日) 22:19:02.22 ID:tWRJMHnSO
>>10
菜々さんこの頃から17歳なのかよ
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/24(日) 22:29:36.41 ID:tWRJMHnSO
>>34
>P『…………変な人……。っふふ♪』

発作か?
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/24(日) 22:33:12.20 ID:Soa98hfoo
なんと巧みなちひP
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 00:01:17.90 ID:nL6NkSeQo
>>31
神対神が戦争でも起こしてこの世が終わるのかな?
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 00:55:36.33 ID:F0mJv5EDo
神すぎるんだが?
俺が死ぬまで書いてくれ
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 03:34:40.38 ID:Tard7aOhO


音葉さんはちょっと危なっかしいんで我が家で保護しますね。
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 22:02:47.48 ID:QCaifNFSo
好感度振り切ってるクラリスさんが相変わらずめちゃめちゃ可愛い

次も期待してる
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