【艦これ】どんぐりの背比べ

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1 : ◆6x79oqdrbDOF [saga]:2018/06/25(月) 23:09:06.95 ID:X9bNGYF40
※地の文アリ

よろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1529935746
2 : ◆6x79oqdrbDOF [saga]:2018/06/25(月) 23:10:05.68 ID:X9bNGYF40

提督「大きくなったなぁ...潮」

漣「おっぱいがですか?」

提督「突っ込まないぞ」

漣「むしろ突っ込まないんですか?」

提督「...やっぱりピンクはだめだな」

漣「あー明石さんに言いつけてやりますよ!ご主人さまが明石さんの事、ドスケベ淫乱ピンクって言ってましたって」

提督「誰もそんな事言ってないだろ!つか自覚あるじゃねーか」
3 : ◆6x79oqdrbDOF [saga]:2018/06/25(月) 23:10:35.86 ID:X9bNGYF40

昼下がりの執務室、業務が一段楽したところで秘書艦の漣と軽口を叩く。

窓を見下ろすと潮が他の艦娘達と花壇のお世話をしているのが目に入った。

しゃがみこんで健気に土を弄る彼女の姿は、何とも可愛らしいものだ。

あれは何時だっただろうか、数人の艦娘たちが鎮守府内の一角に花壇を作りたいと直談判しに来たことがある。

別に断る理由もなかったし、彼女たちが日常で楽しむ事が増えればと思い俺は許可を出した。

その数人の中に潮はいた。後ろの方で控えめについて来ていたが、やはり花が好きらしい。

今では季節になると花壇にはその時折々の花が咲き、とても賑やかになる。
4 : ◆6x79oqdrbDOF [saga]:2018/06/25(月) 23:11:13.10 ID:X9bNGYF40

提督「昔は内向的だったのに、今ではあんなに笑うようになって...」

漣「えー。別に潮は前から良く笑ってましたよ?」

提督「それは漣が姉妹艦だからだろ。俺が言いたいのはだな」

漣「あーはいはい。そこから先はお仕事を終わらせてからでオナシャス」

この話は終了、とばかりに漣は書類を俺の顔へ押し付ける。潮談話は残念ながらここでお開きになりそうだ。

ここ最近良く天気が荒れる事もあってか、頻繁に花の世話をする潮の姿をみる。

一人で水遣りはもちろんのこと、他の艦娘たちと一緒に土の手入れや枝葉の剪定に渡るまで。
5 : ◆6x79oqdrbDOF [saga]:2018/06/25(月) 23:11:52.35 ID:X9bNGYF40

思い返してみれば俺はあまり潮の事を知らないのかもしれない。

顔を合わて挨拶、よくて作戦報告ぐらいだ。

上官と部下と言う関係とはいえ、これでは良いとは言えないのではなかろうか。

頭の片隅で始めた一人潮談話は瞬く間に提督の脳を支配していく。

漣「ご主人さまー?おててが止まってまちゅよー?」

提督「うっせ。」

いつの間にか俺は自然と潮の姿を追うようになっていた。
6 : ◆6x79oqdrbDOF [saga]:2018/06/25(月) 23:12:26.74 ID:X9bNGYF40

提督「おはよう。今日も早いんだな」

潮「あっ提督...。お早うございます」

翌日の朝、いつものように花の世話をしていた潮の声をかけてみた。

彼女は此方をちらりと一瞥して軽めのお辞儀を返すと、恥ずかしがるように視線を手元へ落とす。

横には小さなビニール袋。どうやら今は雑草を摘んでいるようだ。

提督「潮は花が好きなのか?」

潮「はい。少し手のかかる子達もいますけど、やっぱり綺麗なお花が咲くと嬉しくなります」
7 : ◆6x79oqdrbDOF [saga]:2018/06/25(月) 23:13:10.18 ID:X9bNGYF40

提督「そういえばすこし前はバラが咲いてたような...」

潮「見てくれたんですね!バラは育てるのがとても難しくて、去年も挑戦したのですがうまく咲かなかったんです。
よく葉っぱが齧られていたから、多分芋虫さんが食べちゃうんでしょうね...。でも今年は上手く咲いてくれました!」

提督「お、おお...」

いままでこんなに良く喋る潮を見たことがあっただろうか。

とても新鮮に感じた俺は、若干気圧されながらも頷く。
8 : ◆6x79oqdrbDOF [saga]:2018/06/25(月) 23:13:42.85 ID:X9bNGYF40

潮「あ、やだ、私...ご、ごめんなさいぃ!」

提督「う、潮!?」

勢い良く喋りすぎた事が恥ずかしかったのか、潮は花壇の手入れ道具もそのままに走り去ってしまった。

後ろから声をかけるも、曲がり角でその姿は消えてしまう。

花壇に取り残されたのは、スコップ、ビニール袋、そして何も出来なかった間抜けな提督。

もう少し潮と話したかったのだが...。
9 : ◆6x79oqdrbDOF [saga]:2018/06/25(月) 23:14:17.34 ID:X9bNGYF40

提督「まあ、少しずつでいいか。」

朝礼まで時間があったので、そのまま俺は花壇の手入れを引き継いだ。

土いじりなんて何時以来だろうか。

はっきりと記憶に残っているのは...小学生の頃、夏休みに植えたホウセンカ位だ。

提督「よいしょ...こんなもんかな」

門外漢ながら、できるだけの事はした...と思う。

潮が置いていった用具を角に寄せて、俺は執務室へと向かった。

潮「...。」
10 : ◆6x79oqdrbDOF [saga]:2018/06/25(月) 23:14:54.84 ID:X9bNGYF40

それからと言うもの、機会があれば潮と話そうとしたが中々その機会が来なかった。

廊下で会った時にはお辞儀をしてそのまま走り抜けられたり。

食堂では入れ替わりですれ違いを起こしたり。

もしかして俺、避けられてないか...?

下手をしたら以前よりも話す機会が減ってしまったかもしれない。

お手上げ状態の俺はある艦娘に助けを仰ぐ事にした。
11 : ◆6x79oqdrbDOF [saga]:2018/06/25(月) 23:15:27.52 ID:X9bNGYF40

漣「で、私って事ですかご主人さま」

提督「そういう訳」

漣「はぁー。まあ漣はとやかく口を出す気は無いですケド、一応姉妹艦でもある訳でして」

漣「潮ちゃんのどこに引かれたの?やっぱり胸...」

提督「お前な...違うから。恋愛感情抜きで距離を縮めたいだけだから」

漣「と言うのは建前で?」

提督「俺の棒に潮っぱいを登らせたい」

漣「憲兵さあああああああん!!!」

提督「ちょ、ばか!冗談だ冗談!」

漣「もう少しで漣の12.7cm連装砲が火を噴くところでしたよ...」

提督「恐ろしい事を言うなよ...。」

実際のところ、俺はあまり疚しい感情は潮に抱いていないと思う。

単純に潮との仲を深めたいだけだ。
12 : ◆6x79oqdrbDOF [saga]:2018/06/25(月) 23:16:06.22 ID:X9bNGYF40

漣「さっきのご主人さまの話を聞く限り、別に嫌われているわけじゃないと思うんですよ。漣は」

提督「そっか、良かった...。」

漣の言葉を聞いて一安心する。

漣「ただ、潮ちゃんがちょーっとばかり恥ずかしがり屋さんなだけかと」

提督「困ったな。どうやって話せばいいのやら...。」

漣「ふっふっふ、ここは漣にまかせて!ご主人様!」

提督「本当か!」

漣「そうですね...。じゃあお昼休みの時に酒保前で集合しましょうか」

提督「了解した」

自信満々に胸を張る漣。何やら策アリという様子である。

作戦会議でも開くのだろうか。
13 : ◆6x79oqdrbDOF [saga]:2018/06/25(月) 23:16:32.30 ID:X9bNGYF40

提督(で、昼休み。俺は酒保前までやってきたわけだが。)

提督「漣が居ない」

主案者である漣の姿はどこにも無かった。

これは...忘れているな?

その後暫くその場で待ったが、やはり漣が現れる気配は一向に無い。

提督「...帰るか」

作戦とやらはまた後で漣に聞けばいい話だ。

元来た道を戻ろうとすると、曲がり角から声が聞こえてきた。
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