幼女幽霊「呪いが勝つのか、幽霊が勝つのか実験だよ実験!!」DQN幽霊「!?」

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170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/18(水) 02:25:28.78 ID:6zGhU87Y0
今日の更新はなしか、
171 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:38:55.91 ID:CDb9nI8Qo
テケテケ「うまっ!うまっ!」モグモグ

口裂け女「コラ、野菜もちゃんと食べときなさいよ。栄養偏るわよ」

テケテケ「えー別にいいじゃん。わたし人間じゃないし、し」

口裂け女「んなこと言ってるからいつまで経っても身体が大きくならないのよ。アンタ、今年でその姿のまま何年経ったのよ」

テケテケ「んー……20年くらいかな?かな?」

口裂け女「ほら見てみなさい。このままだとずっと幼児体型のままよ」

テケテケ「むー!その気になればわたしも大人になれるもん!もん!」グッ

口裂け女「こんなところで下半身出そうとしない。帰りに誰が運ぶと思ってんのっと」ヒョイッ



グッ



口裂け女「ん?」グイッ



ひきこ「……」グイッ
172 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:40:25.99 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「……ちょっと、箸を離してくれない?その肉は私が先に取ったんだけど」


ひきこ「……嘘。私の方が速かった」


口裂け女「」イラッ

口裂け女「た、確かに。アンタの方が一瞬速かったわ。そこは認めてあげる……でも、年功序列って言葉知ってる?ここは目上の私に譲る場面よ」グイッ


ひきこ「それは人間社会の話。死者の世界は完全実力主義。だからこの肉は私のモノ」グイッ


口裂け女「あ、あのねぇ……肉なら他にもあるでしょ。どうしてそんな意地を張るわけ?さっき花子さんに注意されたこともう忘れたの?」


ひきこ「それとこれは話が別。他の肉なんて関係ない。今、この肉は私が食べる権利がある」

ひきこ「ここで譲るのは納得出来ない。正当性があるのは私の方」


口裂け女「……あぁん?いいから寄越しなさいよ。ここまで来たら私も引かないわよ」グッ


ひきこ「そう、なら勝手に食べれば?私からこの肉を奪えたらの話だけど」グイッ


口裂け女「!?」ブンッ

口裂け女(こ、こいつ……強引に肉を!単純な力勝負だとこいつにはまず勝てない!このままだと肉が……!)
173 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:41:26.55 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「こ、こいつ……!!」グイッ


ひきこ「……ッ!!」グッ




メリー「いいのですか?あのお二方、また争いをしているように見えますわ」

花子「もう儂は知らん。それより今は肉じゃ」パクッ

花子「あんだけ釘を刺したんじゃ。小競り合いはあっても声を荒げるような真似はもうないじゃろ。多分な」モグモグ

メリー「そ、そうですわね」チラッ




口裂け女「ぐおおっ……!!」グイッ


ひきこ「ぬぐぐ……っ!!」グイッ




尻尾『』モグモグ


DQN幽霊「……」

DQN幽霊(誰も突っ込まないけど、こっくりさんはどうやって食ってるんだよ)
174 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:42:27.63 ID:CDb9nI8Qo
長髪白装束娘「あ、花子さん。一杯どうぞ」スッ


花子「む?おぉ、悪いな。酒まで用意しておったのか」


長髪白装束娘「一応、飲む人もいるかと思って用意しときました。私はあんまり詳しくないですけど、この銘柄花子さんが好きだって前言ってましたし」


花子「んっ……ぷはぁ。やっぱり美味じゃね。肉とよく合うわ」

花子「幼女、主は飲まないのか?」


長髪白装束娘「私まだギリギリ未成年ですよ。飲めませんって」

長髪白装束娘「それに、前に一度飲んだことあったんですけど……まだ口に合いませんでした」


花子「ふふ、まだまだ子供じゃのう幼女も……この味が分からんとは」ゴクッ


長髪白装束娘(……見た目的には花子さんが一番子供ですけどね)
175 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:43:21.78 ID:CDb9nI8Qo
長髪白装束娘「あ、そうだ。花子さん、知ってますか?あの去年あったカルトの集団自殺」


花子「あぁ……あったな。そんなことも。あれがどうかしたのか?」


長髪白装束娘「いや、個人的に何か気になっている事件なんですよね。だって、一気にあれだけの人数が自殺するなんて……尋常じゃないですよ」

長髪白装束娘「事情通の花子さんなら、もしかして世間では出てない情報も知ってたりするのかな、とか思ったんですけど」


花子「……」

花子「……確かに、あの事件は尋常ではないな。儂も長いこと幽霊をやっているが、あんな気配を感じたのは初めてじゃ」


長髪白装束娘「え……?ど、どういうことですか?」


花子「一応、儂も何か気にかかってな。事件が起きた後、すぐに現場に行ったんじゃ」

花子「直接、あの空気を体感した身から言わせれば……確実に、あの宗教団体は何かを企んでいたことは間違いない。霊的な、それすらも超越したモノを呼び出そうとしていた」


長髪白装束娘「え!?マ、マジですか!?」
176 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:44:48.03 ID:CDb9nI8Qo
花子「あぁ……主も、ニュースや記事で知っておるはずじゃ。地下に妊婦が監禁されていたと」

花子「そこで、何かが起きたのは確かじゃ。あの残り香……今までに感じたことのない気を感じた。邪悪というには余りに純粋、殺意というには余りに鋭い、そんな気がな」


花子「……もしかしたら、奴等はそれを呼び出すことに成功したのかもしれん。その証拠に、現場の近くではソレに誰かが応戦したと思わしい跡がいくつかあった」


長髪白装束娘「応戦って……誰がですか?」


花子「誰、という問いには答えられないが……恐らく、その場に居合わせた力を持つ人間じゃなろうな。それもかなり強力な」

花子「勝敗も、恐らくその人間が勝ったと思われる。近くの井戸に、封印式が張ってあった。状況から見れば、呼び出されたモノを封印することに成功したのじゃろうな」

花子「……まあ、その封印式も外部から破られていたがな。結果的に言えば、その宗教団体が呼び出したモノは現在も、どこかでのうのうと自由を満喫しているということになる」


長髪白装束娘「そ、それって……」
177 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:45:33.62 ID:CDb9nI8Qo
花子「ま、結局は全て状況証拠からの推測でしかない。真実は当事者たちにしか分からんということじゃな」

花子「さ、こんな辛気臭い話は終わりじゃ。女子会を楽しむとするかの」


長髪白装束娘「あ、はい……」


長髪白装束娘(や、やっぱり噂は本当だったんだ。あの事件はただのイカれたカルトの集団自殺じゃない。とてつもない闇の裏がある)

長髪白装束娘(あー……めっちゃ興味あるなぁ。私も野次馬に行きたい。でも私の行動範囲は広まった今でもこの町いっぱいくらいしかないし……)

長髪白装束娘(いっそのこと向こうから来てくれないかなぁ)
178 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:46:34.15 ID:CDb9nI8Qo
……………………………………………………………
…………………………………………



ポーン ポーン



メリー「あら?もうこんな時間ですわね」

メリー「申し訳ございません。皆様方、わたくしはここでお暇させてもらいますわ」


長髪白装束娘「え?もうリリー帰っちゃうの?」


メリー「はい、実はこの後、少し用事があるので……すみません。このような日に」

メリー「今日はとても楽しい日でしたわ。また機会があったら声をかけてください。すぐに飛んできますから」ペコリ


DQN幽霊「お、お疲れ様っス!」

口裂け女「ん、お疲れ」

テケテケ「バイバイー!バイ!」

花子「またの」


メリー「では、皆様方の明日に幸運があるように祈っていますわ。さようなら」



シュンッ
179 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:47:37.52 ID:CDb9nI8Qo
テケテケ「あーリリー行っちゃたねぇ。寂しいなぁなぁ」


DQN幽霊(ほっ……よ、よかった。メアの方は結局出てこなくて)

DQN幽霊(多分、安堵してるのは俺だけじゃないはずだ。みんな心のどこかで……先輩みたいに、メアを恐れていたんだろうな。空気が変わった気がする)

DQN幽霊(ほんと、リリーの方はこの中で一番の淑女なのになぁ……)



ひきこ「Zzz……Zzz……」

長髪白装束娘「ひきこさんちゃん、ちょっと起きてよ。ここで寝ないで」


口裂け女「そいつ、そんな酒飲めないくせに結構行ってたわね。もう潰れて今日は動けないんじゃないの」


長髪白装束娘「えっ!?ちょ、お、起きてよ!ひきこさんちゃん!!」

長髪白装束娘(じょ、冗談じゃない!ひきこさんちゃんをこの病院に泊めたら……寝返りを打つだけであちこち壊されかねない!!)
180 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:48:50.53 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「もう瞬間移動で適当な場所に飛ばしたら?」


長髪白装束娘「え、い、いいんですかね。そんなことして」


口裂け女「だって起きないんじゃ仕方ないでしょ。後でアンタから謝罪メールでも送っておけば、そんな怒らないわよ」


長髪白装束娘「そ、そうですね……うん、よし」グッ

長髪白装束娘「ひきこさんちゃんごめん!じゃあバイバイ!」


ひきこ「Zzz……Zzz……」シュンッ


長髪白装束娘「ふう……後でvsひきこさんシリーズの映画見るから許してね。ごめん」

尻尾『』ツンツン

長髪白装束娘「ん?どしたのこっくりさん」
181 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:50:30.82 ID:CDb9nI8Qo
尻尾『』フリフリ

長髪白装束娘「え?こっくりさんも帰るの?」

尻尾『』コクッ

長髪白装束娘「分かった。じゃあこれ、お土産のお稲荷さん。帰ったら食べて」

尻尾『』スリスリ

長髪白装束娘「わっ、そんなに嬉しいの?くすぐったいって」



シュンッ



口裂け女「もう半分帰ったわね。どうする?もう私達も帰る?」

花子「そうじゃな。ここら辺でお開きにするか」

テケテケ「えー?もう帰っちゃうの?もっと遊びたいーいー」

口裂け女「仕方ないでしょ。ほら、準備した」
182 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:51:46.33 ID:CDb9nI8Qo
DQN幽霊(や、やっと終わったのか……ふう。長い一日だった)

DQN幽霊(あー……何とか乗り切った。一時はどうなることかと思ったが)


口裂け女「じゃ、今日は場所借りて悪かったわね」


長髪白装束娘「いえ!私も久しぶりにみんなと会えて楽しかったですし、またやりましょう!女子会!」


花子「うむ、身体には気を付けるんじゃぞ。幼女――色々とな」

テケテケ「バイバイー!幼女ちゃん!どきゅん!」


DQN幽霊「ウ、ウス。お気をつけてお帰り下さいっス」

長髪白装束娘「またねー!テケテケちゃん!」フリフリ


口裂け女「あ、DQN、ちょっと」クイクイ


DQN幽霊「え?お、俺っスか?何か?」
183 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:52:43.09 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「いいから早く来なさいよ。何も取って食おうとはしないわよ」

DQN幽霊「な、なんスか?俺、何かやりました?」

口裂け女「そんなんじゃないって。耳貸して」

DQN幽霊「え、え?」スッ


口裂け女「もし、次に幼女に何かあったらアンタが止めなさいよ。あの子のことは任せたわ」ボソッ


DQN幽霊「?」

DQN幽霊「え?そ、それってどういう意味っスか?」


口裂け女「時が来たら分かるわよ。じゃあね」フリフリ


幼女幽霊「お達者でー!」フリフリ

DQN幽霊「……」


DQN幽霊(先輩に何かあったらって……どういうことだ)
184 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:53:51.92 ID:CDb9nI8Qo
テケテケ「あー!楽しかったなぁ!また女子会やろうね!ね!」

口裂け女「ま、そのうちね」

花子「最初はもっと早く集まる予定じゃったしな。次に皆の衆が揃うのはいつになるやら」


テケテケ「あ、そうだ。わたしずっと気になってたんだけどさ」






テケテケ「あれって本当に幼女ちゃんなの?前に会った時と全然気配が違ったけど」






口裂け女「……」

花子「……」
185 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:55:37.96 ID:CDb9nI8Qo
テケテケ「さすがに幼女ちゃん本人には聞けなかったから何も言えなかったけどさー何か違ったよね。ね」


口裂け女「アンタ、そんな気遣い出来るタイプだったのね。もっと無神経だと思ってたわ」

花子「全員気付いておったじゃろうな。分からなかったのは本人である幼女と下級霊のDQNくらいじゃろう。あえて言わなかったが」


テケテケ「む!わたしそんな無神経じゃないもん!もん!」

テケテケ「で、幼女ちゃんに何があったの?の?」


口裂け女「まあ……話を聞く限り、一年前に来た霊能力者ってやつが原因でしょうね。そいつとの戦闘で“突然変異”したんじゃないの」

花子「じゃな。ジバクからフユウ霊に変わったのがいい証拠じゃ」


テケテケ「とつぜんへんい????」


口裂け女「怪物にはない、幽霊だけが持っている特性。自らの概念すらも捻じ曲がらせて適応するのよ。肉体を持たない幽霊だからこそ可能な荒業ってやつ」


テケテケ「???」
186 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:57:24.46 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「はぁ、アンタに分かるように説明するのは難しいわね。花子さん、任せたわ」

花子「うむ、まあようは身の危険を感じ、生き伸びる為に性質を変えて変化した、と言った方が分かりやすいな」


テケテケ「うーん、何となく分かるような、分からないような、な」


花子「そう難しく考える必要はない。幽霊というのは魂で出来た精神体じゃ。つまり、どんな形質にも変化することが可能ということなのじゃ」

花子「どのような環境にも、それに合わせて適応することが出来る。まあ滅多にない現象じゃがな。突然変異をした幽霊なぞ、足付きよりもっと数が少ない」


テケテケ「んー、でもそれって怪物にも出来るんじゃないのかな?かな?」


花子「怪物が出来るのはあくまで自己の肉体の変化、改造のみ、それも常識の範囲内でな。いくら頑丈と言っても、根本的には人間と変わらん」

花子「しかし、幽霊は肉体という器がない。つまり、器を自ら作ることが出来るんじゃ。これが幽霊の突然変異。ただの霊体ではなく、何かを取り込み一体と化した姿になる」
187 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 15:58:54.62 ID:CDb9nI8Qo
テケテケ「へー……例えばどんなのになるの?」


口裂け女「私が聞いた話だと、水や炎と一体化したって話は聞いたことあるわ。あと、細菌に適応して、呪いを感染させたりね」

花子「他にも、電子世界と融合し二次元の存在になったり、天災そのものに成り果てた奴もおるな」


テケテケ「うげぇ、何かゲームの話みたいだね。じゃあ幼女ちゃんはどんな突然変異になったのかな?かな?」


口裂け女「……さあね。目に見えた変化はなかったし、本人も気付いてないみたいだし」

花子「しかし、幼女も運がいいのか悪いのか……話を聞く限り、病院に来た霊能力者は二人組ではなく一人だったとはな」

口裂け女「あいつらって基本的にはコンビで襲ってくるしねぇ。一人でやって来たってことはよっぽどの馬鹿か、それともそれだけ腕に自信があるのか」


テケテケ「え?そうなの?なの?」
188 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 16:00:03.97 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「覚えてないの?アンタを襲った狩人も二人組じゃないの?」


テケテケ「あっ、言われてみれば確かにそうだった気がする。する」


口裂け女「はぁ、しっかりしなさいよ」

口裂け女「そういえば私も単独でやってるやつは相手にしたことはないわね。花子さんは?」

花子「……あるぞ。半世紀ほど前に、一度だけな」

口裂け女「へぇ、強かったの?」

花子「まあな、儂の経験でもあれほど苦戦したのはあれが最初で最後じゃった。眼帯を付けた、見た目は儂と変わらん童女……」

花子「結局は勝負がつかず、両者痛み分けで終わったがな」


口裂け女「ふーん……なら、幼女もそれに近い状況に陥った可能性が高いわよね。それが突然変異のきっかけか」

口裂け女「やっぱ、追及するべきだったかしら。あの病院の嫌な雰囲気も気になってたし」


テケテケ「ねぇ、何か蒸し暑いというか、居心地悪かったよ」
189 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 16:00:45.18 ID:CDb9nI8Qo
花子「……いや、病院だけではない。僅かだが、この町全体に、病院と同じような気配がするぞ」

花子「もしかしたら、何かが起きようとしているのかもしれん。この町で、何かが」


口裂け女「どういうこと?」


花子「いや、儂にも分からん。ただ……生者でも死者でもない、何かの気配がするような……」

花子「…………」

花子「いや、辞めておこう。儂らはこの町とは無関係じゃ。余計な詮索はしない方がいいの」

花子「……ところで口裂け女、気付いておるか?」


口裂け女「……えぇ、とっくにね。さっきからこっちにビンビンに飛ばしてきてるし」
190 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 16:01:52.01 ID:CDb9nI8Qo
花子「……どうするのじゃ。儂も手を貸してやってもいいが」

口裂け女「いいわ。向こうは私に用があるみたいだし。花子さんはもう帰っていいわよ」

花子「……そうか。気を付けるんじゃぞ」


テケテケ「んー?何の話―?しー?」


花子「いや、では儂はここで失礼する。達者でな。テケテケ、口裂け女」シュンッ


テケテケ「あー……花子さん行っちゃったね。急にどうしたんだろ?だろ?」

口裂け女「テケテケ、ここの坂を下ったところに自販機があったでしょ。私、今すごく喉が渇いてるからお茶買って来て。500円あげるから、残りはアンタの好きなジュース買っていいわ」ピンッ

テケテケ「えっ!?500円もくれるの!?るの!?」

テケテケ「分かった!買ってくる!!くる!!」ビューン
191 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 16:03:14.72 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「……さて」

口裂け女「これで邪魔者はいなくなったわよ。さぁ、姿を現しなさいよ」




口裂け女「――メア」







「あっはぁ♪さっすがァ……完全に気配消してたのに」スッ




メリー「やっぱり、私の眼に狂いはなったねェ……口裂けのおねーさん、アナタがあの中で一番強いんだねェ♪」






口裂け女「……」
192 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 16:03:50.03 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女(気配を消してた?どこが、こっちを睨み殺すくらいの殺気を放ってたくせに)

口裂け女「それで、何の用?今日はアンタは来ないってリリーから聞いてたんだけど」



メリー「別にィ?ただ挨拶に来ただけだよ。あなた達には手を出すなって、リリーから言われてるし」

メリー「ただ、あなたが私達とヤりたいって言うなら……話は別だけどォ」クスッ



口裂け女(つまり、ただの挑発に来たってことね。あーもう……面倒臭い)

口裂け女「お生憎様、こっちはアンタに全然興味ないわ。いいからさっさと消えなさい」



メリー「……そう、つまんないの」
193 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 16:05:03.50 ID:CDb9nI8Qo
シュンッ








口裂け女「!?」クルッ

メリー「動かないで♪首、切れるよ?」スッ



口裂け女(こいつ!瞬間移動で後ろに……)

口裂け女(やっぱり、この能力は驚異的だわ。どうしても判断が一瞬遅れる……もし、本気で殺しに来てたら、さっきの一瞬で殺されてた)



メリー「……やっぱり、口裂けのおねーさんでもこの程度か。これじゃあ私達の飢えは満たされないなァ……」

口裂け女「は?じゃあ試してみる?」ピキッ

メリー「強がってもダメだよォ?冷や汗、かいてるよ?」

メリー「ってなると……もう“影の王子様”しかいないよねェ。今、どこにいるんだか」
194 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 16:06:33.65 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「……影の王子様?」

口裂け女「――!アンタ、それってまさか……」


メリー「そう、私達と対極の存在であるあの人。聞いただけでワクワクするよねェ……伝説の狩人なんて」

メリー「その殺し方も全て背後からの一撃、まさに私と同じ、これは運命感じちゃうよねェ?」

メリー「でも、いつまで待っても来てくれない……焦らされるのも悪くないけど、そろそろ渇き過ぎて干からびちゃうよォ」


口裂け女「……」


メリー「はァ、話してるだけで我慢出来なくなっちゃた。じゃあ、もうイクね?」

メリー「バイバイ♪口裂けのおねーさん♪」シュンッ



口裂け女「……っ」フゥ

口裂け女「はぁ……はぁ……クソ、もう最悪」グッ
195 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 16:07:47.49 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女(ちょっと後ろに回られただけで、こんなに汗が……やっぱりあの子達は別格だわ)

口裂け女(……影の王子様、か。確かに『禁忌』を倒すには同じ『禁忌』のアイツにしか出来ない。性質上、いつかは巡り合う運命か)

口裂け女(出来れば共倒れしてくれるのが私達怪物にとってはベストなんだけど……)



テケテケ「おーい!おーい!」フリフリ


口裂け女「……」


テケテケ「ん?どうしたの?何かあった?あった?」

口裂け女「いえ、何もないわ」

テケテケ「でも化粧落ちてるよ?よ?」


口裂け女「……!!」スッ

口裂け女「……今日は暑いわね。こんなにメイクが乱れるなんて、早く直さないと」
196 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 16:09:35.90 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「ん?お茶はどうしたの?」


テケテケ「あー……それがねーねー」

テケテケ「わたしの身長だと、ボタン押せなかったんだ。えへへ、へへ」


口裂け女「……馬鹿ね。ジャンプすれば届くでしょ」


テケテケ「あっ!そ、そうだ!しまった!った!」

口裂け女「はぁ。ほら、行くわよ。私が買ってあげるわ」

テケテケ「うん!うん!」


口裂け女(化け物は化け物同士で潰し合えばいい。私達は平穏に過ごさせてもらうわ)

口裂け女(――いつか来る、最後の時まで)
197 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 16:13:20.49 ID:CDb9nI8Qo
……………………………………………………………
……………………………………………



「一年振りか。ここに来るのは」




「……蒸し暑いな。これはただの気象現象じゃない。やっぱり、この町にいるのは間違いないか」




「さて、行くか……まずはあの病院に」
198 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/21(土) 16:13:57.53 ID:CDb9nI8Qo
今日はここまで
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 18:27:38.58 ID:XaCdxoK/0
おお、今覗いたら更新されてた、霊能少女も来てついに地獄の連戦が幕を開ける感じですね、楽しみ
最初に霊能少女と戦う幽霊は誰になるんだろ? 次回も楽しみにしていますね 
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 18:54:39.32 ID:y1fLLVuWO
おつ
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/23(月) 00:18:03.63 ID:tYeshYsFo
やはりおもしろい
おつ
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/23(月) 06:33:55.59 ID:Tgel2eSVo
乙です!
203 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/24(火) 04:02:07.41 ID:r5ZhfcREo
幼女幽霊「うーん……」


DQN幽霊「どうしたんスか先輩」


幼女幽霊「いやさ、さっきひきこさんちゃんが出てる映画見たんだけどさぁ……凄い映画だったんだよ」

幼女幽霊「その感想を率直に送るかどうか悩んでる」


DQN幽霊「え?いい映画ならそのまま普通に言えばいいじゃないっスか」


幼女幽霊「誰がいい映画なんてなんて言ったんだよ。凄い糞だよ糞。有象無象のサメ映画とゾンビ映画に真っ向からタイマン張れるくらいのな」


DQN幽霊「え、えぇ……どんなタイトルの映画なんスか」


幼女幽霊「ひきこさんvs貞子って映画」


DQN幽霊「……タイトルの時点で突っ込みどころ満載っスね」
204 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/24(火) 04:04:49.14 ID:r5ZhfcREo
幼女幽霊「いやマジでこれは酷いと思ったよ。私も色々糞映画は見たけどさ、本当に訴えられるくらい酷いと思うよ、これ」

幼女幽霊「まずタイトル詐欺とかそういうレベルじゃないからね。貞子に謝るべきだよ。いくら今の貞子が原作とかけ離れたエンターテイメント化した存在になったと言ってもさ、限度があるからね」

幼女幽霊「内容に関してはまあ正直、こんなタイトルを借りた私も悪いと思うよ。見えてる地雷を踏んでるようなもんだし」

幼女幽霊「ただ、それを差し引いても酷いとしか言いようがない」


DQN幽霊「ど、どんな映画なんスか?」




幼女幽霊「まずタイトルに貞子って付いてるけどさ、貞子は出てこないよ」




DQN幽霊「は?」


幼女幽霊「いや本当に出てこないよ。少なくともお前が思ってる貞子は」
205 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/24(火) 04:07:01.63 ID:r5ZhfcREo
幼女幽霊「この監督はさぁ……ひきこさんを自分が考えた最強の怪物にでもしたいのかな?って思うんだよ。とんだメアリースーだよね。もうひきこさんちゃん本人を哀れむレベル」

幼女幽霊「てか、このひきこさんvsシリーズって何本か出てるんだけどさぁ、いじめ描写がクソ多いんだよね。もうひきこさんvsいじめ、パートW、X、Yでいいよ」


DQN幽霊「え、他にも出てるんスか?」


幼女幽霊「あるよ、ひきこさんvs口裂け女、ひきこさんvsこっくりさんとか」

幼女幽霊「まあこれらはvs貞子に比べたらかなりマシだけどね。割と見られる部類だよ」


DQN幽霊「それ先輩の感覚が麻痺してるだけじゃないんスか?」
206 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/24(火) 04:08:14.45 ID:r5ZhfcREo
幼女幽霊「うーん、どうしよう。割と本人はこの映画褒めてたんだよなぁ。どう見てもあの人、本編の面白さよりいじめっ子がどれだけ凄惨に死ぬかどうかで評価してる節があるんだよね」

幼女幽霊「昨日あんなことしちゃったし、やんわり過激な言葉は控えて送るか。えーっと……サメ映画と同じくらい笑えましたっと」


DQN幽霊「……嘘は言ってないっスね」


幼女幽霊「よし、じゃあお前も見ろよ。ひきこさんvs貞子」


DQN幽霊「はぁっ!?な、なんで俺も見るんスか!?」


幼女幽霊「うるせぇ!私も見たんだからお前も見ろや!!!!この理不尽を私だけが味わうなんて不公平だ!!!!」

幼女幽霊「嫌なら強制的に椅子に縛り付けてやるからな!!!!観念しろ!!!!!」ガシッ


DQN幽霊「ちょ、やっ……は、離せエエエエエエエエエエエ!!!!!」
207 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/24(火) 04:09:24.99 ID:r5ZhfcREo
ピーーーー



DQN幽霊「せ、先輩!客っスよ!ほら!」

幼女幽霊「あ?チッ……運が良かったな。今日は見逃してやる」

幼女幽霊「さて、誰が来たのかな――」





幼女幽霊「!?!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!???」ビクッ





幼女幽霊「あ、あわわ……わわわわわ……」ブルブル

DQN幽霊「せ、先輩?どうしたんスか?」

幼女幽霊「あ、あいつ……ま、また来やがった……あっ……あっ……」ブルブル

DQN幽霊「あいつ?」チラッ
208 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/24(火) 04:10:24.93 ID:r5ZhfcREo








霊能少女『……』








DQN幽霊「!?」ビクッ

DQN幽霊「マ、マジかよ……こいつ……せ、先輩!どうするんスか!?」


幼女幽霊「ど、どうするも何も……い、いや、急に来られても心の準備が」

幼女幽霊「い、一応次に攻めて来ても対策が出来るように、色々仕掛けは作ってあるけど……」


DQN幽霊「い、今こそ!それの出番っスよ!!早く!早く!」


幼女幽霊「お、おう!じゃあ早速準備を……」
209 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/24(火) 04:12:14.31 ID:r5ZhfcREo








霊能少女『……もしもし?聞こえてる?』








幼女幽霊「!?」ビクッ

DQN幽霊「!?」ビクッ








霊能少女『……反応はないか。音声は拾ってない?』








幼女幽霊「な、なんだこいつ……どうやってカメラの位置を特定したんだ」

DQN幽霊「い、いやそれよりも……こっちに話しかけてるっスよ」
210 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/24(火) 04:13:04.57 ID:r5ZhfcREo








霊能少女『……ならこれで』カキカキ








幼女幽霊「か、紙に何か書いてるな」

DQN幽霊「こ、これって……こっちにコンタクトを取ろうとしてるんじゃないっスか?前はこんなことしてこなかったですし」

幼女幽霊「い、意味分からん……何がしたいんだこいつは」

DQN幽霊「あ、書き終わったみたいっスよ」
211 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/24(火) 04:14:37.72 ID:r5ZhfcREo










『今日は話をしに来た』

『アナタに協力してもらいたいことがある』










幼女幽霊「え……?」

DQN幽霊「……は?」
212 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/24(火) 04:19:30.88 ID:r5ZhfcREo
今日はここまで
実はひきこさん自体はなぜかは知りませんが無駄に映像作品多いです(ほぼ同じ監督ですが)
とても笑えるのでオススメです…お前も同じ沼に落ちろ!
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/24(火) 07:10:09.94 ID:NONM80Zio
乙です!
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/24(火) 07:41:13.71 ID:h89iwd7ao
乙です
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/24(火) 10:55:36.08 ID:tJnKg3x50
今回は幼女幽霊と共闘戦線する流れか、乙
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/24(火) 16:09:28.49 ID:Y7iXMugyO
リベンジャーズは笑えた
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/25(水) 22:37:44.63 ID:6VDB/TaPo
くっそ熱い展開だな!
おつおつ
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/26(木) 22:56:07.39 ID:3bbcG8bp0
更新のペースは3日に1回と考えて良いのなら次の更新は今夜かな?
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/27(金) 01:29:38.85 ID:tK/ZZM2h0
なんのためにそれここに書き込むの?
自分だけで勝手に予想してればいいじゃん
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/28(土) 11:54:32.12 ID:z0rdup/qo
おまいう
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/28(土) 11:58:19.57 ID:g8l2jyu80
毎回ageてるの末尾oみたいだけど同じ人?
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/28(土) 12:11:33.85 ID:pSnKVnuvO
なぜsageなければいけないのか
理由は何となくわかるが専ブラなら関係なさそうだし
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/28(土) 12:25:30.38 ID:g8l2jyu80
ローカルルールで余計な争いを避けるためにsageが推奨されてるからだよ
ルールも読めない守らないなら書き込むなよクソガキちゃん
ルール守らない俺カッコいー!とか思っちゃってるの?
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/28(土) 13:12:56.58 ID:z0rdup/qo
>>221
たぶん俺だわすまん
>>223
こういう怖いお兄さんがいるからsage無いといけないね
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/28(土) 13:44:19.35 ID:2sxzxQaoO
指摘する側も血の気が多いのか言葉がキツいから荒れていくんだよなぁ
夏休みもあるかもだけど
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 10:12:43.95 ID:4grZIIxm0
sageろって散々言われてるのにsageない奴は人の話聞かない奴だからほっとけ
指摘しても荒れるだけだから「>>222 sageろ」ぐらいでいいと思うぞ
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 15:40:52.93 ID:5Q97JVmco
ageとコピペ荒らしの巡回が重なって住み着かれるとか0ではないからな
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/31(火) 20:10:16.94 ID:/tg/Cddc0
更新まだかな?、今日で7月終わりなのに
229 : ◆gqUZq6saY8cj [sage]:2018/07/31(火) 20:41:49.49 ID:dYV72k2Bo
すみません…今までコツコツ書き溜めてたのがパーになってしまって現在手動で復旧作業中です…
まだちょっと時間かかりそうです
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/31(火) 20:46:24.00 ID:hoCLHwd9o
待ってる
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/31(火) 22:08:02.95 ID:f5y2/lA1o
書いていただけるだけでありがたい
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/01(水) 16:57:06.30 ID:21j613Nv0
生存報告してくれただけでも安心する
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/01(水) 16:57:06.18 ID:21j613Nv0
生存報告してくれただけでも安心する
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/02(木) 22:51:32.59 ID:hotxxMeWo
待ち遠しいな
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 16:42:47.70 ID:XEywfFOe0
まだかな、そろそろ再開して欲しいね
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/07(火) 09:42:27.61 ID:YnXAIZ//0
>>235
更新は止まんねぇからよ、お前らが止まんねぇかぎり、その先に作者はいるぞ!
だからよ、焦るんじゃねぇぞ...
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/08(水) 23:43:03.97 ID:o8hG09HZo
呪い殺されるやつじゃん
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/09(木) 01:12:24.05 ID:XvWpFvMk0
今日も来なかったか、夏休みが終わるまでには更新して欲しいものだが
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/12(日) 10:30:45.57 ID:FjsGOkIJo
>>238
お前は何様だ
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/15(水) 01:31:38.35 ID:BD6aRXb4o
きたい
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/17(金) 18:07:32.30 ID:PJCvotIz0
来ないね〜
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/17(金) 18:56:58.40 ID:D2q9GL1v0
まぁずいぶんひどい読者様が多いからね
来たくなくなっても仕方ないでしょ
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/24(金) 22:35:20.96 ID:Nj/hDQjm0
うーん、8月中は来ないのかな?
やっぱり来るとしたら9月の初め当たりかな、
244 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/26(日) 16:51:19.70 ID:WpyJgThYo
DQN幽霊「な、何言ってんだこいつ、話がある?協力してほしい?」

DQN幽霊「ど、どうするんスか先輩?こんなこと言ってますけど」


幼女幽霊「……どうするもこうするも、こんなの無視だ無視。なんで私を殺しかけたやつと話なんかしなくちゃいけないんだ」

幼女幽霊「まあこいつが何しに来たかは興味がないこともないけどな。それでもわざわざ危ない橋を渡るつもりはないよ」


DQN幽霊「そ、そうっスよね」


幼女幽霊「しかし、なんでまたここに来たんだあのメスガキ……私を始末出来なかったのが分かっていたなら、もっと早く来たはずなんだけど」


DQN幽霊「何か……ワケ有りっぽいっスよね。協力したいって言葉が気になるっス」


幼女幽霊「……」
245 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/26(日) 16:51:50.94 ID:WpyJgThYo
霊能少女「……返答なしか。あの幽霊達がカメラをこの病院中に仕掛けていることは確かだし、このメッセージも見てるはず」




霊能少女「もう既に根城を変えたとは考えられない。この付近に他の建築物はないし、確かに気配がする」




霊能少女「……つまり、居留守。ワタシには会いたくないと」




霊能少女「仕方ない。ならこっちにも考えがある」スタスタ
246 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/26(日) 16:53:18.57 ID:WpyJgThYo
DQN幽霊「!?」ビクッ

DQN幽霊「せ、先輩!見てくださいっス!!あの女が消えたっ!」


幼女幽霊「えっ!?うそっ!?」バッ


DQN幽霊「ちょ、ちょっと目を離した隙に……ま、まさか!前みたいにもうこの部屋に!?」キョロキョロ


幼女幽霊「い、いやそれはないと思う。あの時は私が瞬間移動してきた道をあいつも通ってこっちに来たから」

幼女幽霊「幽霊と違って、人間は自分で道を作ることが出来るやつはかなり少ないって聞くし……多分、普通に移動したんだと思う」


DQN幽霊「クソ、一体どこに行きやがった……ん?」ピクッ

DQN幽霊「せ、先輩、17番カメラと18番カメラの映像にノイズが……」



ザザァー……ザザァー……


幼女幽霊「……!」ゴクリ
247 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/26(日) 16:55:14.18 ID:WpyJgThYo
幼女幽霊「こ、この道順は……、ま、間違いなく、ここの部屋を目指してるな」


DQN幽霊「どうするんスか先輩……また戦り合うんスか」


幼女幽霊「馬鹿言え。さっきも言っただろ、戦うつもりはないって」


DQN幽霊「え?で、でもここに向かっているのは確定なんスよ?鉢合わせるのは不可避じゃないっスか」


幼女幽霊「前回は瞬間移動でこっちの部屋に入られたけど、正面からやってくるなら話が別だよ。こういう時の為に、地下の扉には電子キーを付けておいたんだからな」

幼女幽霊「ククク……16桁の暗証番号を入れないと、この扉は決して開くことはない。常人離れした怪力を持っている怪物や、霊体化できる幽霊と違って、あいつ本人はただの人間のガキだからな」


幼女幽霊「単純だけど、この方法が一番効く。いくらあいつが私達相手に強くても、金属の扉相手だと何も出来ないってことよ」


DQN幽霊「い、いつの間にそんなものを……でも、理には適ってるっスね。確かに物理的な手段はあの女の最大の弱点とも言える」




DQN幽霊「さすが先輩っス!!!!よっ、日本一!!!!」

幼女幽霊「ははははははは!!!!!もっと褒めろ!」
248 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/26(日) 16:56:42.15 ID:WpyJgThYo
コンコン





幼女幽霊「」ビクッ

DQN幽霊「」ビクッ






『もしもし?ここにいるのは分かってるんだけど』






DQN幽霊(き、来やがった…...)

幼女幽霊(シーッ、黙ってやり過ごすぞ。あいつはどう頑張ってもここに入ってくることはないんだから)

DQN幽霊(ウ、ウス。了解っス)
249 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/26(日) 16:58:08.50 ID:WpyJgThYo
『…………』ピッピッ

『…………』ブッブー






幼女幽霊(あははははは!!あいつ適当に番号押してやがる!当たるわけねえだろ!16桁だぞ!)

幼女幽霊(ぶっちゃけ私でもパスワードが書いてあるメモを見ないと覚えてないくらいだし。アホかコイツ)


DQN幽霊(どうでもいいけど、16桁って無駄に多いな。普通に4桁でよくないか)






『……ここにいることは分かっている。今すぐこの扉を開けてほしい』

『さもないと、こちらも強硬手段を取ることになる』






幼女幽霊(あぁん?強硬手段だぁ?出来るもんならやってみろ!この鉄の扉を生身でどうやって突破する気だぁ?)

幼女幽霊(ムリムリカタツムリ〜それこそ、爆弾で吹っ飛ばすとかタリバンみたいなことしないと――)
250 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/26(日) 16:59:03.57 ID:WpyJgThYo






ドッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!






幼女幽霊「へ?」

DQN幽霊「は?」






パラパラッ……


パラパラッ……





251 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/26(日) 17:00:33.33 ID:WpyJgThYo
DQN幽霊「え……せ、先輩。何か扉が吹っ飛んだんスけど、自爆機能でも付けました?」

幼女幽霊「い、いや……さすがの私でも付けてないよ」

DQN幽霊「え、じゃあなんで爆発したんスか」

幼女幽霊「な、なぜって……そりゃあ使ったんじゃないの。あいつが爆弾を」




DQN幽霊「…………」


幼女幽霊「…………」




DQN幽霊「ちょっとぉ!?先輩どうするんスか!!いとも簡単に突破されてるじゃないっスか!!」

DQN幽霊「そもそも、幽霊が電子キーとかデジタルに頼らないでくださいよ!!!もっと結界とか封印とかオカルトチックな方法なかったんスか!!」

幼女幽霊「う、うるせぇ!仕方ないだろ!その手の術式はあいつの水ぶっかけられたら全部機能停止するんだから!!じゃあ何かお前案があるのかよ!!!!」






スタスタ……スタスタ……
252 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/26(日) 17:01:58.48 ID:WpyJgThYo






霊能少女「…………」フッ






幼女幽霊「ぐっ!?」ゾクッ

DQN幽霊「うおっ!?」ゾクッ




幼女幽霊(ぐっ……く、くそぉ。一年振りだ。この背筋が凍る感覚も)

DQN幽霊(ま、まさかこんなに早くまたこいつの顔を見るなんて……)






霊能少女「……どうしても顔を合わせる気がなかったから、爆弾で壊させてもらった。だから警告したのに」

霊能少女「ひとつ、誤解をしてそうなので訂正しておく」

霊能少女「ワタシは今日、アナタ達と戦う気はない。さっきのメッセージで伝えたように、協力を要請に来た」






幼女幽霊「は、はぁ……?協力ゥ?何言ってんだよお前」
253 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/26(日) 17:04:18.65 ID:WpyJgThYo
幼女幽霊「死者を祓う人間がその死者の力を借りるって……本末転倒の支離滅裂だろ。そもそも私が協力すると思ってんのか」




霊能少女「……そう、ワタシも本来ならば馬鹿げたことはしない。でも、状況が変わってしまった。敵の敵は味方、というやつ」

霊能少女「助けてほしい。このままだと、何千、何万の命に関わる」

霊能少女「……いや、もはや手遅れに近い。犠牲者は既に何年も前から」




幼女幽霊「ちょ、ちょっと、ど、どういう意味だよそれ」




霊能少女「今こうしている間にも……事態は最悪の方向に向かっている」

霊能少女「アナタは……恐らく、ワタシが知る中で奴に唯一対抗出来る存在に近い。だから取引をしに来た。アナタの望むものと引き換えに、力を貸してほしい」
254 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/26(日) 17:06:24.92 ID:WpyJgThYo
DQN幽霊「先輩、な、何かヤバい方向に話が進んでませんか?」ボソッ

幼女幽霊「……うん、私も嫌な予感を感じてる」


幼女幽霊「お、おい……勝手に話進めてるけど、お前はこれから誰とやり合うつもりなんだよ」

幼女幽霊「ま、まさか……私に同族と戦えって言うんじゃないだろうな」




霊能少女「ただの怪物や幽霊なら、アナタの手を借りる必要はない。ワタシ一人で全て対処出来る」

霊能少女「奴はそんな生易しいモノじゃない。文字通りに次元が異なる存在と言ってもいい」




幼女幽霊「は?怪物でも幽霊でもないって……何と戦わせる気?まさか人間?」




霊能少女「そのどれらでもない……呼称は文献によっていくつもある。『神ノ鎌』『勾神之禍魔』など」

霊能少女「ただ、一番使われているのは……」
255 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/26(日) 17:07:24.56 ID:WpyJgThYo






霊能少女「“かみかま”」

霊能少女「奴はそう呼ばれている」






幼女幽霊「かみ……?」

DQN幽霊「……かま?」





256 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/26(日) 17:08:31.61 ID:WpyJgThYo
今日はここまで
ってことで後半スタートです長い夏休みでごめんなさい
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/26(日) 17:34:58.20 ID:qT+Qm6TW0
おつ!
また来てくれてよかった
完結までがんばってください
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/26(日) 18:14:22.98 ID:VjW0YWhP0
おお、やっと来てくれた
これで毎日の楽しみが一っ増えました
続きを楽しみに待ってますね。
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/08/28(火) 03:13:31.01 ID:i82TJZyhO
かにかま美味しいよね
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/28(火) 07:38:11.34 ID:wNKG2CnX0
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/28(火) 17:57:34.18 ID:sqkhN8KmO
……あ、あーあれね美味しいよね
262 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/28(火) 23:09:42.24 ID:gW+D6pHio
幼女幽霊「な、なんだよそのカニカマって」


霊能少女「カニカマじゃない。“かにかま”」

霊能少女「このような字で書く」カクカク



『神彁混』



DQN幽霊「な、何かおどろおどろしい雰囲気っスね。『彁』の部分が見覚えがない字っスけど」

幼女幽霊「……私もそれ思った。どういう意味なんだそれ、常用漢字じゃないよな?」


霊能少女「知らないのも無理はない。これはいわゆる幽霊文字と呼ばれているモノ」

霊能少女「意味はない。というより、その歴史が失わてしまったという方が正しいか。だから誰にもこれがどんな意味なのかは名付け親以外は分からない」


DQN幽霊「ゆ、幽霊文字……初めて聞いたっス」

幼女幽霊「……んで、そのかにかまとやらは一体何なんだよ」


霊能少女「その件に関しては話が長くなる。最初から話すとかなり長くなるけど構わない?」


幼女幽霊「勿体ぶってねぇで早く言えや」


霊能少女「分かった。では話そう」

霊能少女「ワタシが体験した……あの忌まわしい事件の顛末を」
263 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/28(火) 23:11:46.30 ID:gW+D6pHio
………………………………………………………………
……………………………………………………



霊能少女「これがあの事件の真相の全て」

霊能少女「“天国の扉”というカルトが成したかった本当の目的は“かみかま”と呼ばれる彼等が神と崇める化物をこの世界に降臨させる儀式を完遂すること」

霊能少女「そして、その儀式は成功してしまった。今、“かみかま”は自由の身となり、この世界を彷徨い続けている」

霊能少女「奴はワタシやアナタ達のような生から産まれた者ではない。死の渦から産まれた正真正銘の異形」

霊能少女「生物が誰に命令されることなく、本能で命を残し続けるように、奴は呼吸をするように死を振り撒く」

霊能少女「……この一年でどれだけの命が奴に奪われたのか、想像も出来ない。それだけ危険な存在。即急に封印しなくては」


DQN幽霊「マ、マジかよ……それって」

幼女幽霊「……!」


幼女幽霊(ま、まさか……あの事件にこいつが関わっていたなんて)

幼女幽霊(そ、それにカルトの本当の目的が化物を降臨させることって……ど、どういうこと?そんなまるで映画みたいな話が現実に……)


霊能少女「どう?分かってくれた?」

霊能少女「はっきり言う。もはや事態は深刻な状況に陥っている」
264 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/28(火) 23:14:49.76 ID:gW+D6pHio
霊能少女「この儀式を世界で同時に、それも複数で行ったら……被害は更に拡大する」

霊能少女「今、分かっているだけでも日本の行方不明者、変死者はどれぐらいか知っている?」


幼女幽霊「し、知らない」


霊能少女「行方不明者は8万人、変死者は15万人とされている」

霊能少女「この数字を聞いて、少しでも不審に思うことはない?いくら何でも……ここまで数が大きいなんて、どう考えてもおかしい」

霊能少女「日本だけでもこれだけの数の人間が消えたり、謎の死を遂げている。世界的に見れば、この数は何十倍と膨れ上がるだろう」

霊能少女「もしも、この数の1%でも……“かみかま”が関わっていたら、誰にも気付かれていないだけで、これだけの死に関係していたら、どう?」


DQN幽霊「……!」ゴクリ



幼女幽霊(……なんだろう)

幼女幽霊(話は大体分かったけど、腑に落ちない)

幼女幽霊(この違和感が何か分からないけど……おかしい、何かが引っ掛かる。嘘はついてないないみたいだけど)

幼女幽霊(……もしかして、こいつまだ何か隠している?協力を仰ごうとしているけど、私には教えられないもう一つの事実があるような)
265 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/28(火) 23:16:40.00 ID:gW+D6pHio
幼女幽霊「……ふたつ、質問させて」


霊能少女「何?」


幼女幽霊「まずひとつ、なんで私の力を借りようと思ったの?幽霊の私に力を借りなくても、お前みたいに霊能力者は日本中に、世界中にまだいるんでしょ?」

幼女幽霊「そいつらと手を組んで、徒党を組んだ方が確実じゃん。それがなんで私にのところに来たわけ?」



霊能少女「……もう既に、彼らにもこの事実は伝わっている。そして、“かみかま”に対抗する術も研究されている」

霊能少女「しかし、それではあまりに遅い。幽霊のアナタには分からないと思うけど、人間の集団というのはとても慎重になりやすい」

霊能少女「命を尊重するあまりに、確実に“かみかま”を葬る計画を完成させないと、彼らは動かない。例えこの一分一秒に人が殺されていても、上は仕方のない犠牲と割り切るだろう」

霊能少女「それでは遅すぎる。ワタシは……一刻も早く、奴をまた封印するべきだと思う。それが例え自分の身を危険に晒すような真似でも」

霊能少女「……それに、元々はワタシがもっと慎重に、用心深く考え行動していれば……奴を逃がすことはなかった。これはワタシの責任」

霊能少女「だから、ワタシは直接その手で奴に終止符を打ちたい。これが理由」



幼女幽霊「……」

幼女幽霊「……そっちにも、ワケがあることは分かった。でもなんで私なの?」
266 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/28(火) 23:18:07.24 ID:gW+D6pHio
幼女幽霊「話を聞くと、その化物は正真正銘の不死なんでしょ?お前でも通用しなかったのに、幽霊の私の力が通じるとは思えないんだけど」


霊能少女「……理由はいくつかある。まずひとつはアナタがもう死んでいるということ」

霊能少女「これなら万が一に失敗したとしても、犠牲は私だけで済む。こちらもあまり死者を出したくない」



DQN幽霊「……つまり先輩ならいくらでも囮にでも何でも使えるってことかよ」



霊能少女「言葉は悪いけど、そう思ってもらって構わない」

霊能少女「でも、これはあくまで建前に過ぎない。真の目的がある」


幼女幽霊「真の目的?」


霊能少女「そう、アナタの力なら……奴を弱らせるほどのダメージを与えられるかもしれない。私の力と異なる、死を司るアナタの力なら」


幼女幽霊「ど、どういう意味だよそれ」


霊能少女「先程も話したように、“かみかま”を呼び出す儀式は多くの死を引き起こし、その空間で出産という命を産み出す行為を行うことで成功する」

霊能少女「つまり、生と死、決して交わることのない二つの事象が関わっている。私の力が通じなかったのは……生の力だけだったから」
267 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/28(火) 23:19:35.72 ID:gW+D6pHio
霊能少女「私と同程度の死を操るアナタとなら、奴の脅威に成り得る。二人なら、“かみかま”に対抗することが出来る」


幼女幽霊「……その説に何か根拠でもあるの?」


霊能少女「ない。全て私の勘に近い」


幼女幽霊「……」

DQN幽霊「……」


霊能少女「それで、もう一つの質問は?」


幼女幽霊「……お前さっきからまるでその“かみかま”の居場所が分かっているような口振りだけど、どこにいるか分かってんの?」

幼女幽霊「言っとくけど、私は地縛霊だから遠出なんて出来ないからな。精々この町いっぱいだ」


霊能少女「そのことなら心配ない。これを使って“かみかま”がどこにいるか導き出した」スッ



『』グルグル



幼女幽霊「……なんだこの箱」

DQN幽霊「な、何か封印してる感が凄いっスね」
268 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/28(火) 23:20:52.51 ID:gW+D6pHio
霊能少女「これは“かみかま”の肉片、奴を一時的に封印していた井戸の奥底から発見した」

霊能少女「今から見せるけど……用心して。多分、アナタ達幽霊でもこれは衝撃的なものだと思うから」ガサゴソ





スッ


パカッ







『』






幼女幽霊「!?」ビクッ

DQN幽霊「!?」ビクッ





269 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/08/28(火) 23:22:45.47 ID:gW+D6pHio
幼女幽霊(な、んだ?これ……さ、さっきこいつの目を直接見た時にも感じた寒気とはまた違うものが。一言で言うと……『キモチワルイ』)

DQN幽霊(んぐッ……い、今までに味わったことがない感覚だ。異物感、って言うんだろうか。とにかく、こいつはここに存在してはいけないような気がする。絶対に)



霊能少女「……ワタシも、これを見るのだけは慣れない。“かみかま”を直接目撃した者として言わせてもらうけど、本物はこれと比較にならないほどの気を保っている」

霊能少女「で、なぜこれで“かみかま”の居場所が分かったかと言うと……」




『』ググッ




幼女幽霊「!?」ビクッ

DQN幽霊「う、動いたっ!?」



霊能少女「そう、こいつは今でも本体の元に帰ろうとしている」

霊能少女「その反応で、どこまで“かみかま”本体が近くにいるか判別することが出来る」
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