【わたモテ】モテないし素直になる

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/15(水) 17:30:39.83 ID:p7Q/BuS+0
「催眠術?」
「そーそー。ちょっと試してみない?」

 そう言いながら懐から糸に吊り下げた10円玉を取り出した陽菜に、智子は怪訝な顔をして応えた。

「……催眠ってあれか? エ〇同人誌でよくある、常識改変云々とかビ〇チになる……」
「エ……バカだなークロは。そんなわけないでしょ」

 周りにはまばらにしか人はいないとはいえ、平然とディープな話題をぶち込んでくる智子に、陽菜は言葉に詰まりながら少し耳の端を赤く染めた。
 陽光に照らされほのかに温かくなった机の中から、陽菜はおもむろに一冊の本を取り出した。
 智子は大きな瞳を細くして、その本の表紙を読み上げる。

「何々……『誰でもできる催眠術入門?』 ……なんだこの胡散臭すぎる本は」
「昨日暇だから本屋に行ったらたまたま見つけたんだよね。面白そうだからちょっとやってみたいなと思って」

 にこにこと楽しそうな陽菜をジト目で見て、智子はバカにするように一つため息を付いた。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1534321839
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/15(水) 17:40:43.28 ID:p7Q/BuS+0
「あのな。素人さんは知らないかもしれないけど催眠術なんてアレただのやらせだから。テレビに良く出てる催眠術師とかただのペテン師だし。あんなもの信じてるなんてネモもまだまだ……」
「いや、それくらい知ってるよ。テレビ用のパフォーマンスと実際の催眠術は違うってことくらい。こっちはカウンセリングとかで使われる催眠術のやり方が書いてるんだよ」

 そう淀みなく陽菜に言い返されて、智子はうっ、と言葉に詰まった。

「まったく、クロったらすぐにネットの意見を真に受けるんだから」
「う、うるせぇな。そんなに言うなら見せてみろよ」

 恥ずかしさを誤魔化すように、智子は陽菜の手元から本をひったくって、少し乱雑な手つきでページを捲った。
 胡散臭すぎるタイトルとは裏腹に、本の内容は分かりやすく、簡単にできる催眠術のやり方について記されている。
 一通りパラパラとページを捲った智子は、満足して本を机の上に置いた。 
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