【二次創作】ダンガンロンパ Re:MIX【オリロンパ】

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1 : ◆upV/60xbhSrj [!orz]:2018/11/04(日) 21:39:01.07 ID:ajbDX1DiO
【諸注意】
・何番煎じかもわからないオリロンパスレです
・以下の作品のリメイクとなっております。一部に軽い設定の変更が有ります
『元スレ』
【二次創作】安価で進めるオリロンパ リミックス
 https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1532086400/

・エタらない事を重視するため、展開等が速いかもしれません
・キャラクターは以下のスレから拝借しましたが、一部に才能や氏名の変更があります
※エタロンパのキャラを書き留めるスレ
 https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17143/1499596380/l30

・前作を見なくても大丈夫な様に作るつもりですが、若干のネタバレを含みます
『終了作品』
【二次創作】安価で進めるオリロンパ
 https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1480764539/

【二次創作】安価で進めるオリロンパ ニューステージ
 https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1501335812/



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1541335141
2 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:42:57.30 ID:ajbDX1DiO


―――――遠い、尊い夢を見ていた



……いや、ちょっと違う。夢を見ていた、だと過去形になる
今、私は夢を見ている。甘くて、優しくて、そしてとっても儚い一瞬
その刹那を、私はゆっくり俯瞰する。まるで、遥か彼方の空の上から、愚民を見下ろす神様の様に



「ゆーびきーりげんまん、うそついたら……」
「はーりせーんぼーんのーます! ゆびきった!」



見下ろす先には二人の女の子。二人は指を絡ませ、えへへと笑いあっている
指切りげんまん。小指を引っ掛けて、約束を誓い合う。よくある、何て事の無いおまじないだ
因みに、元々は男女の愛情が変わらない事を示すというロマンチックな……

……閑話休題。話が逸れました


そんな微笑ましい光景を、私は眺めていた
二人の少女の笑顔には、見覚えがある。だって、片方は小さな頃の私だから
今よりもずうっと小さくて、今とは違う無垢な私。何も知らないから、何も穢れていない私
尊い懐かしい思い出。ノスタルジイに浸りながら、私は微かに思考を巡らせた

3 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:44:16.31 ID:ajbDX1DiO







―――どうして、いつから、私はこんなにも



嘘を平気でつける様になってしまったんだろう。と







4 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:45:23.61 ID:ajbDX1DiO

『人生とは嘘と都合のいい話の重ね合わせである』



これが、ほんの十年と少ししか生きていない私なりの人生哲学だ
別に、どこかの偉い人の格言でも無ければ、何だか凄そうな自己啓発本のキャッチコピーでもない
ただ何となく、そんな感じがするというだけ。ただそれっぽいだけのテキトーな哲学もどきだ
そうやって人生を全て悟った様な気になっている。ただのさとり世代の空想なんです

……悟らないと人生やっていけないから。そうして私は、私を納得させるんだ
特に、今みたいな……極めて不愉快な時間には


「すみませーん、もっと笑顔出来ますかー」
「こっちに視線お願いしまーす」
「ポーズもう少し上げてくださーい」


……青く澄み渡る空の下、私は酷く不機嫌だった
その元凶は、無茶な注文に、無理な姿勢。そして、無遠慮な視線で私を射抜く
最高のロケーション日和は、最低最悪の集団のせいで見るも無惨に台無しだ

私に群がるカメラの目。ゾロゾロと蠢くハエやトンボが、ギョロギョロと首を動かしているみたい
正直な事を言うと、私はカメラが嫌いだ。無機質な鉄屑の癖に、やけにくっきりと真実を捉えるから
そんなものが数えきれない程、それも濃密な欲望を伴ってまとわりついてくるのだからイヤになる
だから私は、大きな声で精一杯こういうのだ―――


「はーい! 皆、大好きだよーっ!!」


5 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:46:20.90 ID:ajbDX1DiO

「はぁ、疲れた……」

あれから数時間、空の下で私は晒し者にされていた
流石に普段あれだけの人数から視線を向けられる事は滅多に無い。あったらあったで問題だけど
それに、今日の衣装はかなり際どかった。きっと、そういう目的で来た人の方がずっと多いはずで……


「……………………この話は止めよ。はい、止め止め」

一瞬。ほんの一瞬気持ち悪い事を考えてしまった

頭に浮かんだおぞましい妄想を振り払い、机の上のパソコンに指を走らせる
映っていたのは私の写真、今日のイベントで、知り合いのカメラマンに頼んで撮らせておいたもの
その中で、映りの良いものを厳選していく。選別を進めていくと、数十枚もあった写真は、ほんの三枚まで数を減らしていた

選んだ写真を貼り付けて、準備は完了
パソコンの画面を切り替えて、新たなページを映し出す
鈍く光る液晶の中には、キラキラと輝く私がいた
そう。何を隠そう、これは私のブログなのだ

「……よしっ、と」

ブログに写真を貼り付けて、可愛らしい媚びた文章で感想をつらつらと書いていく
投稿を終わらせると、直ぐ様無機質なハートマークとゴチャゴチャとした感想で埋め尽くされた

「おお……ついてる、ついてる……!」

画面に満たされていく一文字の称賛
赤いハートの隣では、今も数値を増やしていた
それに呼応するかの様に、空っぽの身体はゾクゾクとした快感に包まれていく
それなりに長くやっているつもりだけど、この感覚だけはいつも慣れない
世界が私を受け入れ、認めてくれると確信出来る、この最高の瞬間だけは

6 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:47:20.74 ID:ajbDX1DiO

「うへへへぇ……」

思わず、女の子が出しちゃいけない様な声を出してしまう
でも、それ位気持ちがいいんだ。世界中から認められるって事は、世界中から祝福される事だから
産まれてきて良かったんだって、心の底から感じられるから……
身体の奥底から沸き上がる快感に酔いしれる。ふと時計を見てみたら、短い針はとうに1を指していた

「……げっ!? もうこんな時間!?」

深夜のアニメは見逃したくないけど、私は夜更かしはしたくない
だって、夜更かしはお肌の天敵だ。シミやソバカスは絶対にNGだし……
何より、少しでも傷がつけば……きっと、私は誰にも見ては貰えないだろうから

そうと決まればやる事は一つ
寝仕度を整えて、ベッドに横になる
ふかふかしたお気に入りの枕に頭を預けて目を閉じると、世界から光が消えた様に暗くなった
最後に、一つだけ。毎日の様に唱える魔法の呪文、夢へと導いてくれる定型句を口にする



「おやすみなさい」



変わらない言葉。普段通りの挨拶
明日も、明日も、明日も……私はこの言葉を口にするんだろう
変わらない明日へ。永遠に続くであろう、退屈な日常に向かうために
私をもっと受け入れてくれる。優しい夢の世界へと沈んでいった



――――――――――

――――――

――――
7 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:48:10.41 ID:ajbDX1DiO






―――いきなりだけど、夢って都合のいい真実だと思わない?



だって、夢の中なら、現実だとあり得ない事だってやれちゃうんだよ?




私はね……大好き!ずっと夢の中にいたいくらい!



……君は、どうかな?夢って……好き?







――――――――――

――――――

―――

8 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:48:55.39 ID:ajbDX1DiO









【PROLOGUE】
  Re:Re:Re








9 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:49:38.26 ID:ajbDX1DiO


……ベルが鳴っている

聞き覚えのある。と言うより、毎日聞いている起床を促す催促音
早く起きろ、愚図め。と言わんばかりにせわしないアラームに呆れる、もう少し寝ててもいいかな……
別に、明日は急ぎの用事も無い。二度寝しよう。そう決心して寝返りをうとうとしたその時



『テーテレテッテテーン♪』



聞き馴染みの無い、不可思議な音が聞こえてきた
なんだ、今の音は。私の目覚まし時計に、あんな音は入っていないはず
それに、今のは目覚ましのアラームと言うよりも、まるでゲームのコンティニュー音みたいで……
軽快で、愉快で、爽快で……それが逆に、私に言い知れない不安を与えていた

それに、何だかベッドもおかしい
私のベッドはこんなに固くない。ここはまるで棺の中にいる様に堅くて、狭い
意識がどんどん覚醒に向かうにつれて、ようやく私の置かれている状況の異常さに気づく

ここは既に、私の部屋の中じゃない―――!

(どうしようどうしようどうしよう……!?)

パニックになりそうな頭を整理する。まずは周りの状況を把握しよう
音は特に聞こえない。床の冷たい、ひんやりとした感触だけが、確かなものだと断言出来る
それと周りの壁……少し腕が動かせる程度の狭さしかないから、身動きが取れない
と、とにかく早くここから出ないと……!

「……あの、大丈夫かしら?」

「うきゃあああっ!?!?」

唐突にかけられた誰かの声
無音からの声と、自分だけの空間に割り入る浸入者への二重の驚愕が頭を混乱させる
思わず身体を思いっきり起こす。ゴチン!と重い音が響き渡り鈍く痛む額を抑えながら瞼を開くと……

「……だ、大丈夫? 今、凄い音がしたけれど」

「……何とかね」

私と同い年位の女の子が、きょとんとした顔で此方を覗いていた

10 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:50:46.99 ID:ajbDX1DiO

「大丈夫か!?」
「あはっ、起きたみたいだねぇ」
「にひひっ、やーっとおっきしたみたいっすね!」

「えっ!?何々、なんなの貴方達!?」

目の前の女の子以外にも、人はたくさん居た
あんな狭そうな所に何人もいるなんて……と思ったけれど、よく見たらここは結構広い場所だ
黒板に机に椅子。どれもこれも、毎日飽きるほどに見たことのある物ばかり
どこかの教室……なのかな。それにしては、窓には有刺鉄線が張られ、床には雑草が大繁殖している
今から目を瞑って確認しても、ここをさっきの場所だと判断する事はないだろう



「えっと……私の入っていた箱は?」
「……箱?何の事か、私には要領を得ない」
「恐らク、夢の中の存在だろウ。うなされていた様だしナ」


確認をとってみても、誰も答えてはくれない
夢……だったのかな?でも、やけに冷たい感触がハッキリしていた気もするけど……

「……って!そんな事は重要じゃないよ!貴方達は誰!?ここは何処!?」
「ヒッ!?そそ、そんなにキレんなよな……!」
「いやー、それがな、ウチらにもわからんのや」
「わからない……?何それ、拐ってきた癖に……!」
「なら、貴様はアレの中から出てきましたと言えば素直に信じるのか」
「アレ……?」

一人の女の子が、竹刀で後ろを指し示す
身体を捻って振り向くと、そこには教室らしき場所には相応しくない、異形のモノが鎮座していた
11 : ◆upV/60xbhSrj [saga]:2018/11/04(日) 21:51:34.16 ID:ajbDX1DiO

「な……何?あれ……ゲーム?」
「驚くわよね……あんなモノがこんな場所にあるなんて……」
「ここ、一応学校っぽいけどな。なんであんなけったいなモンがあんねん!」
「な、なな、何で学校にアーケードがあるんだって話だよな……」

チカチカと明滅する電光パネル。それとは対称的に頑なに沈黙を貫いている液晶画面
付けられているのは、古臭いレバーとチープなボタン。錆び付いていて、まともに動くかも疑問だ
それは、捨てられたアーケードゲームをそのまま教室に持ってきた。と言わんばかりのガラクタだった
機体は完全に壊れてる。なのに、光続けるパネルはまだ生きている事を強調するみたいに脈打っていた



「あのオンボロゲームの中から嬢ちゃんは出てきたんだ。信じられるか?」
「え?どうやって?画面から?」
「どこのホラー映画なの!?」

いきなり宣告された奇妙な出来事に、私は理解が追い付かなかった
まさか私は死んだの?なら、もしかして私は今絶賛大流行中の異世界転生を?
だとしたら、女神様なりチートスキルなり…せめてスマートフォンくらいは欲しいんだけどな

「それでは語弊を招くでござろう。その筐体の側面に人一人が入れそうな隙間が見えるでござるな?」
「キミはその中より出でたのだよ。レディ……まさに!ミステリアス!」

「そうなんだ……かがくのちからってすげー!」

……もうなんだかよくわからなくなってきた。ここは適当に話を切り上げちゃおう
皆もこの話はあまり気乗りしなかった様で、納得したと見るや安堵の雰囲気が流れていた

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