みほ「笑ってはいけないあんこう祭り?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:07:56.47 ID:Hbo2WM6so

みほ「大洗あんこう祭り?」

優花里「そうです! 毎年この時期になると、わくわくしますね!」

杏「そういえば西住ちゃんは、あんこう祭りは初めてだよね」

みほ「は、はい。どういうことをするんですか?」

柚子「おいし〜いあんこう料理が振舞われるのよ」

杏「それも、実演で吊るし切りされたばかりの、新鮮なやつをね〜」

桃「そのほかにもゲストとして有名人を呼んでトークショーをしたり、いろいろイベントがあったりする。このへんはまあお祭りの一般的な部分だな」

杏「ところが、今年のゲストはひと味違うんだよねえ」

みほ「? 誰なんですか?」

杏「学園艦の廃校を見事に阻止したということで、なんとわが戦車道チームがゲストとして、イベントに参加することになりました!」

柚子「もちろん、主役は隊長の西住さんよ」

みほ「ふええっ!?」

優花里「おおっ! 西住殿がお祭りの主役とは!」

みほ「そ、そんなあ……恥ずかしいよう」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1542719275
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:09:25.13 ID:Hbo2WM6s0

柚子「それだけじゃないわ。各学園艦の隊長たちも参加するの」

杏「まだ短期転校の期間は残っているからね。大洗女子学園の生徒として、みんなを呼ぶつもりだよ!」

桃「そこでだ。西住や他校の生徒たちには、事前に一度あんこう祭りを体験してほしい」

みほ「ふえっ?」

柚子「私たちは地元の人間だから、お祭りの段取りはある程度知っているんだけど」

杏「西住ちゃんや他校の生徒はきっと初めてでしょ? イベントの準備に追われて、お祭りそのものが楽しめなかったら本末転倒だからね」

柚子「来週、大洗に寄港するから、西住さんたちにはそこで楽しんでもらいたいの」

杏「地元の人たちも全面協力するよう、話はつけてあるからね〜」

桃「イベントのリハーサルも兼ねてな。しっかりやれよ」

みほ「うわあっ! ありがとうございます!」


──1週間後 大洗某所


みほ「ここで待っててねって言われたけど……」

ダージリン「あら? みほさん」

みほ「ダージリンさん!」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:10:14.55 ID:Hbo2WM6s0

ケイ「グッモーニン! ミホ!」

みほ「ケイさん!」

エリカ「遅いわよ」

みほ「エリカさん? みなさんも呼ばれたんですか?」

ダージリン「ええ。大洗のお祭りはわたくしも初めてだから、楽しみ」

ケイ「お祭りって言葉だけで、テンション上がるわ!」

亜美「みんな、ようこそ。よく来てくれたわ」

みほ「教官!」

エリカ「蝶野教官も、あんこう祭りに?」

亜美「ええ。この体験ツアーには自衛隊や戦車道連盟も協賛しているの」

亜美「みんなには、まずあんこう祭りの全体を把握というかたちで楽しんでもらって、そのあと温泉旅館でゆっくりしてもらうという1泊2日ツアーを企画したわ!」

みほ「うわあっ! 豪華です!」

ケイ「感謝するわ!」

ダージリン「わたくしたちのために……ありがとうございます」

亜美「ほら、あの看板を見て頂戴」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:11:01.99 ID:Hbo2WM6s0



< 『歓迎 大洗女子学園 御一行様』 >


みほ「町の真ん中に、あんな大きく……!」

ダージリン「歓迎のほどがうかがえるわね……ん? となりの看板は?」


< 『ついに 大洗に やってきたわに!』 >


ケイ「ンフフッ! ……なによこの等身大パネル。昔のエリカ?」

ダージリン「すごく自信満々な顔ね……ウフフかわいい」

エリカ「ちょっと! 何でっ!?」

デデーン ケイ ダージリン アウトー

ケイ「!?」

ダージリン「!?」

典子「大洗へようこそ!」ダダダッ

妙子「アヒルさんチームは、バレーボールとあんこう祭りを応援しています!」ダダダッ

忍「そーーれッ!」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:11:38.49 ID:Hbo2WM6s0

あけび「ソーーレッ!」

ケイ「い゛ッ!」スパーン
ダージリン「うあッ!!」スパーン

ダダダッ 

ケイ「あいてて……」

ダージリン「ううっ……」

みほ「えっ バレー部のみなさんがどうして……!?」

エリカ「なぜ……えっ何で? なんなの?」

亜美「あ、ひとつ言い忘れてたわ」

亜美「お祭りの日の間は、絶対に笑ってはいけないということがあんこう祭りの掟らしいの」

亜美「それで、もし笑うとこういう風におしおきがやってくるのが伝統行事のようね」

みほ「絶対ウソです……」

エリカ「どんな掟よ」

ダージリン「笑ってはいけないお祭りだなんて……」

ケイ「奇祭にもほどがあるでしょ」

亜美「場所は大洗(おおわらい)なのに、笑ってはいけないとはこれいかに、ってね! アッハッハ!!」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:12:23.25 ID:Hbo2WM6s0

ダージリン「……」

亜美「……」

亜美「…………」

亜美「ごめんなさいもう1回やらせてもらっていい?」

デデーン 全員 アウトー

みほ「な゛っ!」スパーン
ケイ「な゛ん゛っ!」スパーン
エリカ「ウアア!」スパーン
ダージリン「アイイ!」スパーン

エリカ「……急に真顔にならないでください!」

タッタッタ ガラガラ

新三郎「おッ! 皆さんお揃いで!」

みほ「新三郎さん?」

新三郎「話は聞いてます。お迎えにあがりました!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:13:01.20 ID:Hbo2WM6s0

ケイ「わざわざ人力車で?」

新三郎「へぇ。主催者の計らいで、お祭りの会場までの道案内を仰せつかったんです」

新三郎「人力車の定員はだいたい2人ですが……あっしなら3人乗っても大丈夫ですよ!」

亜美「じゃあ新三郎さんの車には、あたしと、逸見さんとダージリンさんが乗りましょうか」

ケイ「じゃあ、あたしとミホは別の人力車?」

みほ「あ、後ろからもう1台……」

タッタッタ ガラガラ

優花里(パンチパーマ)「みなさん、おはようございます!」

みほ「優花里さん!?」

ケイ「ンフフッなんでwww」

エリカ「アンタフフッその髪型はずるいでしょ!」

デデーン ケイ 逸見 アウトー

ケイ「あっ!」スパーン
エリカ「うっ!」スパーン

亜美「それじゃあ車に乗りましょうか」ヨイショ

優花里(パンチパーマ)「西住殿とケイ殿はこちらへ乗ってください!」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:13:46.48 ID:Hbo2WM6s0

みほ「だ、大丈夫……?」ヨイショ

ケイ「重くない……?」ヨイショ

優花里(パンチパーマ)「お任せください! 日々の鍛錬の成果をお見せします!」

新三郎「では出発いたしますッ!」

優花里(パンチパーマ)「パンツァー・フォー!」

タッタッタ ガラガラ…


──あんこう祭り 会場広場


亜美「ここがステージ会場となるわ。ほかにも、いろんなお店が出ているわね」

ガヤガヤ ワイワイ

みほ「うわあ、お祭りって感じの雰囲気です」

ケイ「にぎやかね〜!」

亜美「それじゃ、ここに座ってね。きょうはイベント盛りだくさんよ」

ダージリン「ありがとうございます」

亜美「なんといっても『あんこう祭り』の名前どおり、メインイベントであんこうの吊るし切りショーが行われるのが特徴よね」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:14:28.58 ID:Hbo2WM6s0

ガラガラ ガラガラ

ケイ「あっ、あんこうが運ばれてきたわ」

みほ「うわあ、大きい〜っ」

エリカ「実物を間近で見ると、迫力あるわね」

杏「これが大洗名物のあんこう。見事なもんでしょ?」

みほ「あ、会長」

杏「さばいた後はおいしいあんこう汁ができるから楽しみにしててね〜」

みほ「えっ? 会長がさばくんですか!?」

柚子「会長の包丁さばきは名人級なのよ」

ケイ「ワオ、ダイナミックな特技もってるわね!」

杏「まずあんこうのひれを落として〜、それから皮を一気にビーッとはぐ!」

杏「この皮がいいんだよ〜。人によっては、身よりも皮のほうが旨いというくらい」

エリカ「へえ〜っ。こんな見た目からは信じられないわ」

杏「さらに、ここからエラやいろんな内臓を取り出して……おっ! これがアンキモだあ」

みほ「ぷるぷるしてますね〜」

ダージリン「すごく大きいわ。反対に心臓はものすごく小さいのね」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:15:02.35 ID:Hbo2WM6s0

桃「あんこうは深海魚だからな」

柚子「あまり動かない生き物の心臓は小さくなるんだろうね」

杏「さていよいよ出てきたのは……からだの両端にかけてぶわーっと薄く広がる部位、その名もズバリ『ぬの』!」

柚子「これは卵巣にあたるところね。ホラよく見てみると卵っぽいつぶつぶがあるでしょ」

桃「豆知識だが、あんこうのオスはとても小さく、食用にはならない。こうして私たちが食べるあんこうはすべてメスだ」

杏「最後に残ったのが……いわゆる身の部分。台身(だいみ)とよばれているよ」

柚子「あんこうの身は淡白で、その見た目からは想像もつかないほど上品な味わいです」

杏「白身魚の中では、フグに次ぐといわれているくらいだよ。ま、あたしの中では内臓もばっちり食べられるぶん、あんこうのほうが上だとおもうけどね〜」

杏「というわけで頭と背骨だけが残り、あとは捨てるところなし! あんこうの吊るし切りでした!」

オオー パチパチパチ

ダージリン「お見事」

エリカ「大した腕前ね」

ケイ「お腹へってきたわ〜!」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:15:44.37 ID:Hbo2WM6s0

亜美「ハーイみんなおまちどう! できたてのあんこう汁よ!」

みほ「わあっ!」

杏「会場のみんなにも行き渡ったかなー? それじゃ、せーのっ」

『『 いただきまーーす!! 』』

みほ「あふ、はふっ……」

ケイ「……っぷは! うま〜い!」

エリカ「おいしい……これが大洗の味」

ダージリン「上品な旨味とコクがあって……。それにいままで感じたことのない食感だわ」

杏「そうでしょ? あたしの野望のひとつは、あんこうの味を世界じゅうの人に広めることなんだ」

杏「パクッ……んん〜っ! 皮はぷるぷるしてて、身はほくほく! アンキモがとろける〜っ♪」

杏「これはまさしく、1匹で世界三大珍味を制覇できちゃうかもね♪」

桃「会長、おいしそうに食べますね。こちらもなんだか素敵な気持ちになります」

柚子「じゃ、次は桃ちゃんもやってみて」

桃「私がっ!?」

柚子「広報担当でしょ。名物をアピールする力って大事だよ」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:16:34.59 ID:Hbo2WM6s0

桃「うぐ……わ、わかった」

桃「ムグ……もぐもぐ……」

桃「お、おいしい〜っ! おいしいよ〜っ! わ〜!」

ダージリン「ンフッ」

デデーン ダージリン アウトー

ダージリン「ヒンッ!」スパーン

エリカ「どんだけ語彙がないのよ」

ケイ「見た目からは信じられないくらいのぽんこつっぷりね」

みほ「あ、あはは……」

柚子「桃ちゃん、ちゃんと食レポしなきゃ」

桃「そんなこと言ったって……」

柚子「こうやって……モグ……んん〜っ! うわあ〜っ! 海の運動会やああ〜〜っ!!」

柚子「って感じ。なんとなくわかるでしょ?」

桃「う、うん……」

桃「あむっ ムグ……モグモグ」

桃「ああ〜っ、うわあ〜っ……」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:17:11.03 ID:Hbo2WM6s0


桃「……」


桃「ああ〜、あ〜……」


桃「……」





桃「わああ〜〜っ! 料理やあ〜〜っ!!」

デデーン 全員 アウトー

みほ「そんなッ!」スパーン
ケイ「うおっ!」スパーン
エリカ「だから語彙!」スパーン
ダージリン「いやあっ!」スパーン

エリカ「もっとこう……ないの!? 表現力というか……」

ダージリン「常識が1回転して、逆に新しいわね……」

柚子「ぜんぜんダメダメじゃない桃ちゃん」

桃「桃ちゃんとゆーなっ!」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:17:49.24 ID:Hbo2WM6s0

杏「んじゃあね、か〜しま、罰ゲームで誰かのモノマネでもやってもらおうかな〜」

桃「そんなあっ!」

杏「まあ簡単なひと言でいいからさ。それじゃあ、カチューシャで」

桃「うう……じゃあ、やります……」


桃(声真似)『いくわよ! カチューシャ!』


エリカ「えっ じゃあアンタは誰なのよ」

ケイ「ンフハッ」

ダージリン「ウフフン」

デデーン ケイ ダージリン アウトー

ケイ「ウワオ!」スパーン
ダージリン「ああん!」スパーン

桃(赤面)「……///」プルプル

柚子「素でミスったね桃ちゃんフフッ……」

杏「ンフ……ゴホン! ちなみに、現実のあんこう祭りの吊るし切りショーは午前・午後とあるから、1日で2度おいしいチャンスがあるよ!」

パチパチパチ
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:18:30.78 ID:Hbo2WM6s0

亜美「次のイベントまで時間があるわね。せっかくの機会だし、いろいろ見てまわってみましょうか」

みほ「……」

エリカ「……ねえ」

ケイ「……ええ、そうね」

ダージリン「アレが、やってきたのよね……」

みほ「地元の人たちも全面協力って聞きましたけど」

ケイ「大洗そのものを巻き込むとか、アンジーやるわね……」

亜美「どこがいいかしらね……あ、あそこの店員は武部さん?」

沙織「みぽり〜んっ!」

みほ「沙織さん? どうしてここに?」

沙織「そりゃだって地元のお祭りだもん! 積極的に参加して、協力しないとね」

沙織「ここでは大洗の商店街でおなじみの串カツを売ってるんだよ! ハイ揚げたてをどうぞ!」

みほ「わあっ、ありがとう!」

ケイ「サク……モグ……うん! 文句なしの味!!」

ダージリン「さすが老舗といったところかしら」

沙織「でしょでしょ? これでもっと大洗が好きになってくれたら、うれしいな!」

沙織「それからこれも持って行って! サービスだから!」

ケイ「へええ〜っ。何かしら?」

エリカ「これは……なに? 絵ハガキ? 冊子?」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:19:21.88 ID:Hbo2WM6s0

わたしのために串カツを

買ってくれてありがとう!

でも、カツをたくさん食べて

胃もたれとかしてない?

串カツを食べるときは
 
キャベツと一緒に食べるのが

オススメだよ!

わたし、キャベツの千切りも

得意なんだ

あなたの好みに合わせて

アレンジ料理も作れるよ?

でも、お部屋でお料理するなら

新しいエプロンも用意しなくっちゃ・・・

あ、やだもー!

ちなみにBDとDVD

絶賛発売中だよ!


デデーン 全員 アウトー
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:22:01.92 ID:Hbo2WM6s0

みほ「うええっ!」スパーン
ケイ「なにこれっ!」スパーン
エリカ「怪文書よっ!」スパーン
ダージリン「これが公式っ!?」スパーン

みほ「沙織さん……いいの? こんなネタ扱いで……」

沙織「懐かしいでしょ? あれから何年たっても作品が愛されるなんて、すごいことだよね!」

沙織「それに『やだもー』があたしの代名詞になったきっかけだから……嫌いになんてなるわけないよ!」

ケイ「けなげな子……」

亜美「武部さんって優しいわね。それじゃ、ほかをまわってみましょうか」

エリカ「あれは……プラウダ高校のブース?」

クラーラ「ズドラーストヴィチェ。みなさん」

みほ「クラーラさん!」

クラーラ「日本のお祭りって面白いですね。わたしはトウキョーでマグロの解体ショーを見たことがありますが、あんこうの解体ショーは初めてです」

ケイ「あっはは! あんこう解体ショーね! 言われてみればそうかも!」

ダージリン「ウフフ……。クラーラさんったらユニークな表現をするわね」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:22:38.27 ID:Hbo2WM6s0

デデーン ケイ ダージリン アウトー

ダージリン「えっ」

ケイ「いまのもダメなの!?」

ケイ「んがッ!」スパーン
ダージリン「ああう!」スパーン

クラーラ「笑うと尻をたたかれる。不思議な風習のあるお祭りですね。他の地域にもあるのでしょうか?」

みほ「いえ、おそらくここだけです……」

エリカ「ていうかここですら違うわよ」

ダージリン「ところで、プラウダはここで何を?」

クラーラ「農作物を害獣から守るための、研究発表会を開いています」

クラーラ「特に最近はクマの被害が多いため、その対策に力を入れているという内容ですね」

みほ「へえ〜っ」

クラーラ「地元のベンチャー企業などの協力で、凶暴なクマをすみやかに退治するための強力な麻酔薬を開発しました」

亜美「なかなか本格的ね。ちょっと見学してみましょうか」

クラーラ「スパスィヴァ。ではこちらのベッドを見てください」

みほ「?」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:23:22.26 ID:Hbo2WM6s0

ダージリン「ベッド?」

ケイ「なんだかいくつか並んでいるけど……シーツがかかっててるわね」

クラーラ「はい。新薬の実験に協力してもらった人たちです。まず1人目が」スッ

ノンナ「ZZZ……」

デデーン 西住 ダージリン アウトー

みほ「うひゃあ!」スパーン
ダージリン「何でっ!」スパーン

クラーラ「よく眠っているでしょう? 試作品としてはなかなかの成功といったところでしょうか」

みほ「クマ用の麻酔を!?」

エリカ「いやいや人間に投与しちゃだめでしょ……」

クラーラ「この薬の素晴らしいところは、一度眠ったら何をされても絶対に起きないということです」

クラーラ「たとえば、そう」

クラーラ「こうやってノンナの脇腹をつっついても、全然起きません」ムニムニ

ノンナ「ッ!?」ビクッ!

クラーラ「くすぐっても、何の反応もありませんね」コチョコチョ
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:23:55.39 ID:Hbo2WM6s0

ノンナ「……ヒッ! ……ヒヒッ!」プルプルプル

ダージリン(小刻みに震えているわ……)

クラーラ「胸のふくらみをさわってみても、起きません」モミモミ

ノンナ「ヤッ! ンッ ンンッ!」モジモジ

みほ(クラーラさんも淡々と何をやって……)

クラーラ「もっと強くもんでみましょう」グニー

ノンナ「ホヒャッ!」ビクン!

デデーン ケイ 逸見 アウトー 

ケイ「してる! 反応してる!!」スパーン
エリカ「アンタやりたい放題ね!」スパーン

クラーラ「ノンナはぐっすり眠っていますね」

エリカ「いやいや普通に動いてたじゃない!」

ノンナ「……///」プルプル

クラーラ「???」

みほ「そんな無垢な目で見られても……」

クラーラ「この薬は強力ですから、ちょっとした刺激を与えてもまったく反応しません」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:24:29.02 ID:Hbo2WM6s0

クラーラ「そう。たとえばこのように……」スッ

児玉「ZZZ……」

デデーン 全員 アウトー

みほ「理事長っ!」スパーン
ケイ「何でっ!」スパーン
エリカ「どういうことよ!」スパーン
ダージリン「うああんっ!」スパーン

クラーラ「熊のような大きさの男の人でも、薬の効果はバツグンです」

クラーラ「ですから、こうやって理事長さんの顔をハリセンでシバいても、起きません」スッ

(スパーン!)

みほ「!!?」

ケイ「ええっ!!?」

児玉「ッ!!」

クラーラ「……フフ」

(スパーン! スパーン!)

児玉「〜〜ッッ!!!」ジタバタジタバタ

ダージリン「ちょ、ちょっ……」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:25:03.81 ID:Hbo2WM6s0

クラーラ「フフ、ウフフフ……」

(バシーン!!)

児玉「」ビクビクッ!

デデーン 全員 アウトー

みほ「めちゃくちゃアイッ!スパーン
ケイ「かわいそウッ!」スパーン
エリカ「なんなのオウ!」スパーン
ダージリン「やりたい放題アア!」スパーン

クラーラ「プラウダの科学力は素晴らしいです。何をされても起きないとは」

児玉「」ガクッ

クラーラ「さて、次……」スッ

カチューシャ「」ガタガタガタ

みほ(カチューシャさんだ……)

ケイ(めちゃくちゃ怯えてる……)

エリカ(あの子にはいったい何を……)

クラーラ「カチューシャ様も同様です。このように、ぐっすり眠っていますから」

クラーラ「あむ……ん……チュッ」ペロペロ
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:25:35.78 ID:Hbo2WM6s0

カチューシャ「ッ!!?」

クラーラ「んむ……んんっ……」ペロペロ

クラーラ「お顔を舐めまわされても、眉ひとつ動かしませんね」ペロペロ

カチューシャ「……イヤァ ウウ……」

デデーン 全員 アウトー

みほ「ヴイ゛ッ!」スパーン
ケイ「なんなのッ」スパーン
エリカ「アンタどーいうキャラしてあおッ!」スパーン
ダージリン「容赦なしン゛っ!」スパーン

クラーラ「んっ……れろ……」ペロペロ

ケイ「……」

クラーラ「ちゅ……あむ……」ペロペロ

みほ「……」

クラーラ「うんん……んま……」ペロペロ

エリカ「……」

クラーラ「オウイエース……イエア……」ペロペロ

ダージリン「……」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:26:13.40 ID:Hbo2WM6s0
クラーラ「ンンー! イエース! イエエーーース!!」ペロペロペロペロ!!

クラーラ「スウウウウウーーーーーッッ!!」(洋モノ特有の息を吸う音)

クラーラ「シイイイイイーーーーーッッ!!」(洋モノ特有の息を吐く音)

カチューシャ「……グスッ ヒック……ヤメテエ……」

デデーン 全員 アウトー

みほ「長いっ!」スパーン
ケイ「長いわよっ!」スパーン
エリカ「なんで英語うおあッ!」スパーン
ダージリン「ひぐっ!」スパーン

クラーラ「ンッ……ぷはあ。ジュル……カチューシャ様は全然起きませんね」ニッコリ

カチューシャ「」ベットリ

クラーラ「これでわかっていただけましたか? プラウダの技術を」

亜美「すごいわねー! いいものが見られて!」

ケイ「どこが……」

亜美「それじゃ、次のイベントが始まるからそろそろ行きましょうか」

みほ「は、はあ……」

クラーラ「それではまた。アリ〜ヴェデルチ〜」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:26:47.75 ID:Hbo2WM6s0

エリカ「そこはロシア語じゃないの!?」


──あんこう祭り ステージ会場


亜美「ここに座ってね。あ、ちょうど始まったみたい」

< 隊員たちの素顔に迫る! 大洗女子学園トークショー >

パチパチパチ

大河「みなさんこんにちは! 清く正しい王大河(おう たいが)です!」

エリカ「あの子誰?」

みほ「うちの放送部の子だけど……司会をやってるみたいだね」

大河「学園艦を救った大洗女子学園の戦車道メンバーたち! そんな彼女たちの日常は、いったいどんな姿なのでしょう!」

大河「さらに! 短期転校してきた他校の生徒の方々の素顔にも迫っちゃいます!」

大河「そこで、各学園艦の皆さんをお呼びしてお話を聞こうとおもいます! 拍手でお迎えください!」

パチパチパチ

ゾロゾロ スタスタ
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:27:29.46 ID:Hbo2WM6s0

亜美「お祭り当日は、あなたたちがああいう風にステージに上がってお話をするって流れだから。きょうは他の人によるちょっとしたシミュレーションよ」

ケイ「なるほど。実際の現場を見ておくのは大事よね」

大河「まずは大洗のカバさんチーム代表、カエサルさん!」

カエサル「よろしく」

大河「聞けばアンツィオ高校の副隊長、カルパッチョさんとは幼馴染だとか。彼女について何か特別な情報はありますか?」

カエサル「彼女の本名は『ひなちゃん』というのだが、私はその由来を知っている」

大河「ほほう?」

カエサル「これは昔、彼女のお母さんから聞いた話でな。ひなちゃんが病院で産まれ、看護師さんがその体をタオルでくるんだとき、布の合わさり方がちょうど和服のように見えたらしい」

カエサル「それでそこから、ひな人形が連想されたからだそうだ」

ペパロニ「へえ〜っ。初耳ッス」

アンチョビ「確かにそういう雰囲気あるよな。お姫さまっぽい感じとか」

カルパッチョ「もう、たかちゃん……恥ずかしいよう」

アハハ ワハハハ
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:28:01.47 ID:Hbo2WM6s0

亜美「あんな感じで司会の人がお話を振るから、それにこたえる形ね。なんとなくつかめたかしら?」

みほ「うう……お客さんがいっぱいで緊張しちゃうかも」

大河「これは貴重な情報をいただきました! それでは、今度は別のひとのお話をうかがってみましょう!」

大河「サンダース大付属のナオミさん! あなたの隊長さんは普段どんな感じなんですか?」

ケイ(えっ? あたしのこと?)

ナオミ「そうだね。ケイ隊長のことをよく表した出来事があったんだけど」

ナオミ「今年のサンダースの修学旅行って、グアムだったの。それで飛行機で行ったのね」

ナオミ「2泊3日の予定で、とくに何事もなく無事に帰れるとおもったんだけど」

ナオミ「ケイ隊長が空港のゲートを通ろうとしたとき、麻薬探知犬が激しく吠えたらしいの」

ザワッ!?

大河「ほほう、それはどういうことでしょう? 気になりますねえ〜」

ナオミ「すぐさま別室に連れていかれて取り調べ。それはもうすごい動揺が走ったわ」

ナオミ「でも隊長はすぐに出てきて、何もないから通ってよしとの許可がおりた」

ナオミ「安心したけど、なんで吠えられたの? ってクラスメイトが聞いたら」

ナオミ「ケイ隊長は恥ずかしそうに『靴下が臭すぎて犬が驚いた』って答えたそうよ」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:28:30.03 ID:Hbo2WM6s0

ケイ「」

デデーン 西住 逸見 ダージリン アウトー

みほ「おおうっ!」スパーン
エリカ「ぎゃっ!」スパーン
ダージリン「ひどい!」スパーン

ナオミ「うわさによると、あの白いニーソが黒くなるまで遊びまくったとか」

ナオミ「それで常夏のグアムを過ごし続けたんだもの。無理ないわね」

アハハ ワハハハ

ケイ(赤面)「ちょっともうやめてよっ!」

大河「これは貴重なエピソードですね! 完璧に見えるケイ隊長の意外な一面が見られました!」

大河「お次は……聖グロリアーナのオレンジぺコさんにインタビューです」

オレンジペコ「よろしくお願いします」

大河「隊長のダージリンさんとは常に行動を共にしているということで、彼女の意外な姿を知っておられるのでは?」

オレンジペコ「そうですね。例えばダージリン様の手料理は、口にしたら頭蓋骨にヒビが入るくらいマズいです」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:29:14.25 ID:Hbo2WM6s0

デデーン 西住 逸見 アウトー

みほ「うわうっ!」スパーン
エリカ「ウアッ!」スパーン

大河「そうなんですか? 優雅で何でもそつなくこなすイメージがありますが、意外ですね」

オレンジペコ「そうなんですよ」

オレンジペコ「その料理のマズさといったら、においだけで麻薬探知犬も激しく吠えだすレベルなんですけど」

デデーン 西住 ケイ 逸見 アウトー

みほ「えうっ!」スパーン
ケイ「むし返さなくてもいいじゃアッ!」スパーン
エリカ「ひどいウッ!」スパーン

ダージリン(赤面)「ちょっとペコおっ!」

オレンジペコ「先日、ダージリン様が『これは自信作よ!』と手料理を作ってアッサム様にふるまったそうなんです」

オレンジペコ「それで、味の感想を聞いてみたところ」

オレンジペコ「アッサム様は顔をしかめてひと言『キムチをドブに捨てたような味』という謎の言葉を吐いたそうです」

ダージリン(赤面)「」

デデーン 西住 ケイ 逸見 アウトー
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:30:01.54 ID:Hbo2WM6s0

みほ「ウエッ!」スパーン
ケイ「ウフフンwwwおなか痛いwww」スパーン
エリカ「どういう表現ウワオ!」スパーン

大河「ありがとうございました! 謎めいた雰囲気のあるお方でしたが、なんだか親近感のわくエピソードでしたね」

大河「ところで謎めいた……といえば継続高校の隊長さんはどんな人なのでしょう? 同じメンバーの方に聞いてみましょう」

アキ「はい。これはミカが小学校の頃の話なんですけど」

ミカ「!?」

アキ「ある日インコを飼ってる友達の家に遊びにいったとき」

アキ「そのインコにこっそり『人間に戻して』って言葉を覚えさせて、出入り禁止を食らったことがあったそうです」

デデーン 全員 アウトー

みほ「ひどい!」スパーン
ケイ「ひどすぎ!」スパーン
エリカ「発想がウッ!」スパーン
ダージリン「子供は時として残酷アア!」スパーン

アキ「ある日突然『モドシテ! ニンゲンニ、モドシテ!』って鳴いたもんだから、もうそれがトラウマで小鳥が飼えなくなっちゃったらしいです」

アキ「で、それ以来その子とは絶交なんだって」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:30:40.56 ID:Hbo2WM6s0

大河「自業自得の見本みたいな話ですね!」

ミカ「」

アキ「『人は失敗する生き物だからね。大切なのはそこから何かを学ぶってことさ』って偉そうに言ってるけど、ミカの失敗からは何も得られないよ」

ミッコ「せいぜい『小鳥にアホな言葉を覚えさせてはならない』ってとこだな〜」

アキ「こんなふうに、ミカがちょっと変わった感じなのはどうやら生まれつきみたいです」

アキ「そういえば最近もまたミカのおかしな奇行があったんですけど」

ミッコ「あーあったあった。トウモロコシの話だろ」

大河「トウモロコシですか? くわしく聞かせてください」

アキ「寄港先でミカがなぜかトウモロコシを持ってたから、それどうしたの? って聞いたら」

アキ「『橋の下で暮らしている人たちにもらったのさ』だって」

ミッコ「逆だろ。フツー」

ケイ「フフッ」

ダージリン「ウフフン」

デデーン ケイ ダージリン アウトー
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:31:17.73 ID:Hbo2WM6s0

ケイ「あっは!」スパーン
ダージリン「うあ!」スパーン

大河「ンフ……ンッフ なんでもらったのかが気になりますねフフッ……ほかにはありますか?」

アキ「あ、はいせっかくなのでもうひとつ」

ミカ「も、もうやめておくれ……」プルプルプル

アキ「うちの高校って貧乏で、ときどきフリーマーケットとかでお金を集めてるんだけど」

アキ「ミカが出品したのは、自分が小さい頃の、もう着られなくなった服だったんだ」

アキ「その結果」

アキ「買いに来たお客さんはオジサンばっかりだったよ」

エリカ「気持ち悪ッ!!」

ケイ「ジーーザス!!」

デデーン 西住 ダージリン アウトー

みほ「かわいそヴッ!」スパーン
ダージリン「いやあっ!」スパーン

ミッコ「ちょっと考えればどうなるか分かりそうなもんだけどな〜」

アキ「あんなにおびえた顔したミカは初めてでした。でも自分の身は自分で守らないと」

ミカ「」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:31:58.18 ID:Hbo2WM6s0

大河「いや〜クールなイメージだった継続の隊長の、意外な面が見られましたね」

大河「……っと、お時間が迫ってきました。それでは最後はこの方にお願いしましょう」

まほ「はい」

みほ(えっ お姉ちゃん!?)

大河「大学選抜戦ではピカイチの活躍を見せた西住まほ選手」

大河「なんといっても最後の、空砲による奇襲! あれは見事なものでしたね」

まほ「ああ、私が直々に妹のケツをガン掘りしたところだな」

みほ「ングッ」

デデーン 西住 逸見 アウトー

みほ「そんな表現しないでっ!」スパーン
エリカ「戦車の話ですよねっ!?」スパーン

大河「やはり、姉妹の絆がなせるわざだったということですか?」

まほ「うん。年も近いし、昔はよく一緒に遊んだりしたものだ」

まほ「戦車に乗って遠出をしてアイスを食べたり、釣りに行ったり、毎日泥だらけになって帰ってきてはお母様に叱られていたな」

大河「ほほう。泥だらけとは意外ですねえ。現在のおふたりからはあまりイメージがつきませんが」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:32:42.64 ID:Hbo2WM6s0

まほ「皆は意外に思うかもしれないが、昔のみほはもっと明るくて、エリカはアウトで、なんというか、おてんばなところがあったんだ」

大河「へえ〜っ! 興味深いです!」

エリカ「えっ?」

デデーン 逸見 アウトー

エリカ「に゛ゃっ!」スパーン

ダージリン(息をするように罰を……)

まほ「その証拠がビデオに収められている。この画面を見てほしい」

みほ「!?!?」

ピッ ウイーン

──10年前 某所ショッピングモール

『みほ! 帰りますよ……みほっ!!』グイグイ

『やだやだやだーーーっ!』

『買って買ってかってようー!!」ジタバタ

『ボコのぬいぐるみ欲しいーーっ!!』ジタバタジタバタ

『だめです。もう何個もうちにあるでしょう! あんなにたくさん要りません!』
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:33:18.38 ID:Hbo2WM6s0

『お母さんのけちー!』

『けち住しほーっ!』

『けち住流の師範代ーーっ!!』

『ちょっ……! やめなさいそんな言い方!』

『けち住流は何も買ってくれないドケチ戦法だーっ!!』

『いい加減にしなさい! 置いて帰るわよ!』

『ふーんだ! うそだよそんなこと言ってー!』

『お母さんはわたしのことがすきだから ひとりで帰れないくせにー!!』

『なっ、なな……!!』カアア


ドッ ワハハハ! カワイイー!

デデーン 全員 アウトー

ケイ「じゃじゃ馬にもほどがあるでしょwww」スパーン
ダージリン「ウッフフwwwみほさんwww」スパーン
エリカ「なんなのよコレwww」スパーン
みほ(赤面)「……///」スパーン

大河「あっはは! みほさんの当時がわかる、貴重なシーンですね!」

まほ「フフフ……だろう?」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:33:53.21 ID:Hbo2WM6s0

大河「それではお時間がきましたのでトークショーを終了します! それでは!」

パチパチパチ

ダージリン「……小さい頃のみほさん、クレヨンしんちゃんみたいだったわね」

ケイ「それも初期のほうよね?」

エリカ「けち住って……その理屈だとアンタの苗字もけち住じゃない」

みほ「……もうその話はしないでください」

亜美「それじゃ、次のイベントがあるまでほかを見て回りましょうか」

ケイ「……ん、あのテントは?」

カルパッチョ「いらっしゃいませ〜♪ いかがですか〜っ♪」

ペパロニ「おいしいパスタだよ〜っ!」

ダージリン「あら、見覚えのある方々が」

みほ「アンツィオのみなさん、屋台を出してますね」

アンチョビ「おっ、いらっしゃ〜い。ナポリタンはどうだい?」

カルパッチョ「できたてホッカホカですよ♪」

ケイ「おいしそうね〜ひとつもらおうかしら! あ、このピザもいいわね! 追加でちょうだい」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:34:37.96 ID:Hbo2WM6s0

ペパロニ「まいどっ!」

ダージリン「あなた……よくお腹に入るわね。さっきあんこう汁のほかに串カツも食べたばっかりなのに」

ケイ「うん?」モグモグ

ケイ「別によかやろ? 旨かもんは別腹ばい」

ダージリン「ウフフン」

みほ「ンフッ」

エリカ「なんで方言なのよフフッ」

デデーン 西住 逸見 ダージリン アウトー

みほ「ああっ!」スパーン
エリカ「ぐっ!」スパーン
ダージリン「あんっ!」スパーン

ケイ「ソーリーソーリー。気が緩むとつい出ちゃうのよね」モグモグ

優花里(パンチパーマ)「あ、ケイ殿。奇遇ですね」

ケイ「グブフォ」(噴出)

デデーン ケイ アウトー

ケイ「ア゛オ゛!」スパーン
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:35:09.57 ID:Hbo2WM6s0

みほ「……ゆ、優花里さん、さっきはどうもありがとう」

優花里(パンチパーマ)「いえいえお安い御用ですよ! ところでみなさんもアンツィオの料理を?」

ケイ「ゲホ……ええまあそんなところね」

優花里(パンチパーマ)「ここのパスタ、いいですよね! あ、ナポリタン3つください」

ペパロニ「はいよっ!」

ダージリン「3つも? なぜ?」

優花里(パンチパーマ)「せっかくですから両親のぶんも買っておこうとおもいまして」

ケイ「いい子じゃないオッドボール。優しいわね」

ダージリン「ご両親もお祭りに来てるというの?」

優花里(パンチパーマ)「ええ。あとからやってくるそうなんですが……あ、もう着いてますね。こっちにくる姿が見えます」

好子(パンチパーマ)「あら優花里。お友達?」

みほ「ウフンッ」

ケイ「ンハフフッ」

デデーン 西住 ケイ アウトー
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:35:43.73 ID:Hbo2WM6s0

みほ「うぐう!」スパーン
ケイ「ナ゛ア!」スパーン

優花里(パンチパーマ)「あ、お母さん。はいこれナポリタン買っておいたよ」

好子(パンチパーマ)「まあまるでプロの料理みたい! おいしそうね〜!」

優花里(パンチパーマ)「ところでお父さんは?」

好子(パンチパーマ)「飲み物を買ってくるって言ってたけど……」

オーイ

好子(パンチパーマ)「あ、きたきた」

淳五郎「優花里、お疲れ様」

ダージリン「……全員パンチパーマね」

エリカ「どんな家庭なのよ」

ケイ「ンフッ! ちょっとウフフンやめてよもうwww」

デデーン ケイ アウトー

ケイ「無理! お尻が無理!!」スパーン

淳五郎「おっ、パンチパーマに興味がおありで?」

淳五郎「それならひとつパンチパーマの豆知識をお教えしましょう」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:36:17.80 ID:Hbo2WM6s0

みほ「?」

エリカ「はあ」

淳五郎「パンチパーマは一度かけると、修復ができない強力なパーマです」

淳五郎「だから元に戻すには、新しく髪の毛が生えてくるまで待つしかありません」

淳五郎「ま、この2人はあと3〜4か月はこのままでしょうな。ハッハッハ!」

デデーン 全員 アウトー

みほ「なんでううっ!」スパーン
ケイ「ひゃあアアン!」スパーン
エリカ「意味わかんなアア!」スパーン
ダージリン「イイッ!」スパーン
(※割とマジでそんな感じでした)

優花里(パンチパーマ)「それじゃ西住殿、私たちはここで」

好子(パンチパーマ)「お祭り、楽しんでいってね」

淳五郎「これからもうちの優花里をよろしく頼みます」

みほ「……は、はあ」

亜美「さすがアンツィオね〜。グルメに関しては他の追随を許さないってところかしら!」

ローズヒップ「そんなことはありませんわー!! うちだって負けていられませんですのよー!!」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:36:53.11 ID:Hbo2WM6s0

みほ「えっ!?」

ローズヒップ「いらっしゃいませでございますわー! おひとついかがでございますわー!」

ダージリン「ローズヒップ!?」

ローズヒップ「あっ、ダージリン様! ごきげんようですわー!」

ダージリン「このテントの校章って、うちの学校のよね……。どういうことなの?」

ローズヒップ「じつはわたくし、アッサム様と一緒にお店を出すことになりましたの!」

アッサム「ようこそ皆様」

ダージリン「まあアッサムまで!?」

アッサム「わたしたちはイギリス料理の応援大使として、伝統にのっとった食べ物を紹介しています」

アッサム「きょうは大洗の皆様に、イギリス料理はおいしくないというステレオタイプの認識を見直してもらうよう、こうして参上したのです」

みほ「伝統的って、たとえばどんなお料理があるんですか?」

アッサム「これなんかどうでしょうか。イギリス風ミートパイ『コーニッシュ・パスティ』です」

ケイ「へえ〜っ。意外と大きいわ! パイっていう名前のイメージとは違って、見た目もサイズもなんだかオムレツみたい!」

アッサム「皆様もおひとついかがでしょう。切り分けてあげますね」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:37:27.78 ID:Hbo2WM6s0

みほ「わあっ、ありがとうございます!」

ケイ「遠慮なくいただくわ!」

ダージリン「あら、これって……」

エリカ「モグ……中にはじゃがいもと、玉ねぎ、にんじん、それに牛のひき肉が入ってるわね」

ケイ「なんというか、ソース味の肉じゃがをパイ生地で包んだイメージかしら。うんうんイケるじゃない!」

アッサム「この味付け、ダージリンの好物なんですよ」

みほ「なるほどこのおいしさなら納得です! ダージリンさんは素敵な感性をお持ちなんですね!」

ダージリン「もう……みほさんったら」(※好きな食べ物:ミートパイ)

ローズヒップ「それから代表料理のフィッシュ&チップスもどうぞですわ。これもダージリン様は好んでよくお召し上がりになってますの!」

ケイ「おおっこれがあの有名な! さっそく……う〜んこれもおいしい!」モグモグ

ローズヒップ「ダージリン様は、ミートパイやこうしたフライの料理がお好きでいらっしゃいますのね!」

アッサム「はい。ダージリンは好きなんです。パイやフライが」

ローズヒップ「なるほど〜っ! パイやフライが!」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:38:07.96 ID:Hbo2WM6s0

アッサム「はい。パイやフライが」

ローズヒップ「ダージリン様はパイやフライが!」

アッサム「パイやフライが」

ローズヒップ「パイやフライが!」

アッサム「ダージリンは」

ローズヒップ「ファイヤフライが!!」















デデーン ダージリン ファイアフライ

ダージリン「えっ」

〜♪ジャンガジャンガジャンガジャンガ
〜♪ジャンガジャンガジャンガジャンガ
(ナオミがファイアフライを駆るときのゴキゲンなBGM)
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:38:41.17 ID:Hbo2WM6s0

ナオミ(ガムを噛んでる) スタスタ

ダージリン「え……嘘……」サーッ

ナオミ(無言で素振り) ビュワッ!

ダージリン「ま、待って、待ってまってまって!!」

ダージリン「ねえなんで……なんでわたくしがこんな目に……」

ナオミ「……」

ダージリン「お願いよ何とか言って! わたくしあなたに何かしたの!??」

ナオミ「……」

ダージリン「……?」ビクビク

ナオミ「……劇場版で私のこと『17ポンド砲さん』って呼んだから」

ダージリン「」

ナオミ「オーケー? じゃ、いくよ。届けてあげるわ」

ダージリン「ああっ……何で、なんでよお……」ガタガタ

ダージリン「ナオミさんやめてお願いお願い頼むからやさしくしア゛ア゛ア゛ア゛ーーーーーッ!!!」バシーーーーン!!!!

ナオミ「フーーッ」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:39:14.19 ID:Hbo2WM6s0

〜♪ジャンガジャンガジャンガジャンガ
〜♪ジャンガジャンガジャンガジャンガ
(ナオミがファイアフライを駆るときのゴキゲンなBGM)

ダージリン「……あっ ああっ……」ビクビクッ

ローズヒップ「おお……こんなダージリン様みたことありませんわ」

亜美「へえ〜っ。 イギリス料理を見直したわ。もう安易にメシマズの国だなんて呼べないわね」

ケイ「そこ!?」

ダージリン「も、もっと気にするところがおありでしょう……」ガクガクガク

アッサム「ダージリン」

ダージリン「なっ なに……? アッサム……」プルプルプル

アッサム「なんですかその恰好は……みっともないですよ」

ダージリン「えっ」

アッサム「聖グロリアーナの生徒たる者、いかなるときも?」

ダージリン「」

アッサム「いかなるときも?」

ローズヒップ「いかなるときも?」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:39:51.03 ID:Hbo2WM6s0

ダージリン「……」

ダージリン「…………」

ダージリン「ゆ、優雅ぁ……」

デデーン 西住 ケイ 逸見 アウトー

みほ「あああっ!」スパーン
ケイ「のおおっ!」スパーン
エリカ「ぐぎっ!」スパーン

亜美「それじゃお腹もふくれたことだし、ステージ会場に行きましょうか」

みほ(教官の心臓、強いなあ……)


──再びあんこう祭り ステージ会場


亜美「次のプログラムは……あ、これはみほさん喜ぶんじゃない?」

みほ「?」

亜美「毎年のあんこう祭りでは着ぐるみショーがあるんだけど」

亜美「きょうは特別にボコミュージアムからも出張してきて、限定コラボのスペシャル版ですって!」

みほ「うええっ!? ほんとうですかっ!?」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:40:23.49 ID:Hbo2WM6s0

ケイ「うおッ!? ミホあなたそんな大声でるの!?」ビクッ

エリカ「あのヘンな熊のショー? どこがいいのよあんなの」

みほ「そんなことないです! ボコは素敵です!」

亜美「あ、そろそろ始まるみたいね。ハイこれ」

みほ「?」

ダージリン「これは?」

亜美「お客さんに持たせるペンライトよ。ショーの合間にこれを振って応援してね」

エリカ「小さい……これって低年齢向けのやつなんじゃ……」

ケイ「あたしたちもう高校生なんだけど、いいの?」

みほ「あ、もうすぐ始まるみたい! 楽しみ〜っ!」

ダージリン「まあ、みほさんが喜んでいるから、いいとしましょうか……」


〜♪ やってやる やってやる やあってやるぜ〜

〜♪ イ〜ヤな ア〜イツを ボ〜コボコに〜〜


ボコ『おうっ! お前らよく来たな! おいらボコだぜ!』

みほ「生ボコだあ〜〜〜っっ!! かわいい〜〜っ!!」キラキラ
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:40:56.21 ID:Hbo2WM6s0

ボコ『学園艦なんかボコボコにして、廃校にしてやるぜ!』

みほ「えっ」

ケイ「ホワッツ!?」

エリカ「ええっ!?」

ダージリン「どういうこと……」

ボコ『全国の学園艦は、み〜んな廃校だあーーっ!!』

ボコ『まずは手始めに……この大洗女子学園を廃校にしてやるぜ!』

みほ「ボコ……なんでそんなこと言うの……」


 ──そんなこと、させないっ! 


みほ「!?」

梓「西住隊長が守った学園艦! 今度はわたしたちが守るんだっ!」」

あゆみ「お願いボコ、目を覚まして!」

優季「きっと、敵に操られてるんだよお〜」

あや「だったら、ボコボコにして正気に戻すしかないよ!」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:41:27.80 ID:Hbo2WM6s0

桂里奈「ショック療法だー! やったるぞーー!」

紗希「……!」

梓「みんな、いくよっ!」

桂里奈「おりゃあーーっ!」ゲシゲシ

あや「この、このっ!」ポカポカ

ボコ『ウグウッ! ギャアッ!』

ケイ「ラビットのチームのみんなが……どうして?」

亜美「大洗の生徒による一日限りの特別コラボショーよ」

亜美「悪の組織『ヤークニン』に操られて、廃校のことしか考えられない怪人『ハイコウダー』になってしまったボコを救い出すシナリオのようね」

エリカ「どこかで聞いた名前……」

ボコ『ウアア……何をするううっ……!』

みほ「ボコ、がんばれっ、がんばれーーっ!!」

ボコ『もっとオイラに力を!』

みほ「がんばれっ! がんばれーーーっ!! ボコーーーッッ!!」

ボコ『きたきたきたアアーーーーッ!! みんなの声援がオイラのパワーになったぜ!!』
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:41:55.60 ID:Hbo2WM6s0

ボコ『矢でも鉄砲でも持って来いってんだ! お前らまとめてやってやらアーーーっ!!』ガバッ!!

梓「キャッ!?」

あや「梓っ!?」

ボコ『オラオラオラーーーッ!!』ブンブン

桂利奈「あっ、あいいーーーっ!?」

あゆみ「うわわっ!? なんだかきょうのボコは強いよ!?」

あや「ど〜しよ〜〜っ!?」

優季「想定外〜〜っ!」

トントン

梓「?」

紗希「……っ」

梓「紗希が何か言おうとしている!」

あや「わああっ!」

紗希「……」

紗希「……」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:42:40.98 ID:Hbo2WM6s0

紗希「…………」















紗希「……ちょうの」

みほ「……えっ?」


蝶野正洋「ガアアッ!! デエエエエィム!!!」


〜♪デデデデーデケデケデー
〜♪デデデデーデケデケデー
(あのテーマ曲)

蝶野「アイ・アム・チョーノ!!」

蝶野「ガアルズエエェン、パンタアァ! 応援大使だ!!」

みほ「」
ケイ「」
エリカ「」
ダージリン「」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:43:17.23 ID:Hbo2WM6s0

みほ「……ど、どうしてあの人がボコのショーに……!?」ガタガタガタ

亜美「そりゃあ応援大使ですもの。呼ばれて当然でしょ」

亜美「それに、実はボコの隠れファンだったらしいし、夢が叶って良かったわ〜」(岩をも砕くような大ウソ)

エリカ「ええ〜っ……」

ボコ『オイラに挑むとは命知らずなやつめ! さっそくお前から廃校にして……』

蝶野「何が廃校だオラアア!!!」バチーーーーン!!!

ボコ『グワーーーーッ!!!』ドンガラガッシャーーン!!

みほ「うわあ〜〜〜〜っっ!!」キラキラ

ボコ『オ゛……オゴ……』ピクピク

ボコ『』ガクッ

ダージリン「い、一撃で……」

あや「やったーっ!」

桂里奈「やっつけたーーっ!」

あゆみ「わーーいっ!」

梓「これで廃校はなくなったんだね!」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:43:51.88 ID:Hbo2WM6s0

優季「蝶野のおじさん、ありがとう〜っ!」

紗希「……」ニッコリ

蝶野「ガッ!! デエエム!!!」デーン!

ダージリン「ああなるほど、こういう……」

みほ「すごいすごーいっ!」

蝶野「……それにしても、妙だ」

蝶野「いつもなら楽にやっつけられるはずのボコが今日は強かった」

蝶野「これはおそらく、どこかでボコとつながっている奴がいるからだ」

蝶野「廃校に手を貸すやつを絶対に許すわけにはいかねえ!」

蝶野「そこでだ! いまから敵のスパイを探し出す」

蝶野「もしもボコを応援する道具を持っていたら」

蝶野「……そいつに制裁を加える」ギリッ

ダージリン「えっ」

エリカ「えっ?」

ケイ「あっ……」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:44:21.56 ID:Hbo2WM6s0

みほ「」ガタガタガタ

蝶野「そこに座っているお前ら、手に持っているものを見せてみろ。……何だそれは」

ダージリン「……お、応援用のペンライトです」

蝶野「どっちを応援した?」

ダージリン「そっ それは当然……大洗女子の皆様を」

蝶野「……まあいいだろう。金髪の女の子に悪い奴はいないからな。次」

ケイ「イ、イエス……」

蝶野「どっちを応援した?」

ケイ「ラビットのチームを……」

蝶野「そうか。次」

エリカ「私も、そうです……」

蝶野「わかった。次はお前……」

みほ「」ガタガタガタ

蝶野「……どっちを、応援した?」

みほ「……」プルプルプル

みほ「……う、ウサギさんチームを」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:44:52.48 ID:Hbo2WM6s0

みほ「」ガタガタガタ

蝶野「そこに座っているお前ら、手に持っているものを見せてみろ。……何だそれは」

ダージリン「……お、応援用のペンライトです」

蝶野「どっちを応援した?」

ダージリン「そっ それは当然……大洗女子の皆様を」

蝶野「……まあいいだろう。金髪の女の子に悪い奴はいないからな。次」

ケイ「イ、イエス……」

蝶野「どっちを応援した?」

ケイ「ラビットのチームを……」

蝶野「そうか。次」

エリカ「私も、そうです……」

蝶野「わかった。次はお前……」

みほ「」ガタガタガタ

蝶野「……どっちを、応援した?」

みほ「……」プルプルプル

みほ「……う、ウサギさんチームを」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:45:34.55 ID:Hbo2WM6s0

蝶野「本当にそうか?」

みほ「は、はい……」ビクビク

蝶野「だったらお前……そのペンライトの手元を見ろ」

みほ「……?」

蝶野「手元の柄(つか)のとこに、ボタンがあるだろ。押してみろ」

みほ「は、はい……」ポチッ


>がんばれっ! がんばれーーーっ!! ボコーーーッッ!!


みほ「」

蝶野「……」

蝶野「…………」ズイッ(みほの顔ににじり寄る)

デデーン ケイ 逸見 ダージリン アウトー

ケイ「いっ!」スパーン
エリカ「があっ!」スパーン
ダージリン「ぴっ!」スパーン

蝶野「……お前」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:46:12.16 ID:Hbo2WM6s0

みほ「違います!! 違うんです!!」

蝶野「上がれ。壇上に」グイグイ

みほ「イヤアアアアッ!!」グイィ

蝶野「おまえは自分の学校を廃校にさせたいのか」

みほ「違います!! 違います!! 何かの間違いです!!!」

蝶野「だったら堂々としてればいいだろ。なんでウソをついた」

みほ「だって、だって……」

蝶野「こっちへ来い。俺がお前の目を覚ましてやる」グッ

みほ「ウソ……」サーッ

蝶野「いくぞ」

みほ「やっ や゛だ゛あ゛あ゛……」ガタガタガタ


『待ったーーーーーーっっ!!!!!』


みほ「!!?」

バン!!

お銀(あんこうスーツ)「竜巻のお銀!」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:46:59.53 ID:Hbo2WM6s0

フリント(あんこうスーツ)「大波のフリント!」

ラム(あんこうスーツ)「爆弾低気圧のラム」

ムラカミ(あんこうスーツ)「サルガッソーのムラカミ!」

カトラス(あんこうスーツ)「……生しらす丼のカトラス」

みほ「!?!?!」

ケイ「えっ 誰!? 誰!?」

お銀(あんこうスーツ)「西住さんを放してもらおうか。その人は、あたしたちに必要なんだ」

フリント(あんこうスーツ)「桃さんが無事に卒業できるまで、まだまだ活躍してもらわないとね」

お銀(あんこうスーツ)「ま、それが叶う最終話までどれくらい時間がかかるか、わからないけどね!」ドヤア

ラム(あんこうスーツ)「うほっ!」

ケイ「ウフフンッ」

ダージリン「ンフッ」

(すでに笑っていますが、引き続きお楽しみください)

カトラス(あんこうスーツ)「もちろん、タダでとは言わない」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:47:37.07 ID:Hbo2WM6s0

ムラカミ(あんこうスーツ)「あんこう祭りにふさわしい……こ、この……あんこうスーツで、踊るから……か、勘弁してやってくれねえか?」モジモジ

お銀(あんこうスーツ)「照れてるんじゃないよムラカミ。こういうのは、ヘンな見た目ほど逆に堂々としていた方がお客さんに受けるのさ」

お銀(あんこうスーツ)「ま、これ以外に変な服を着た経験は……ないけどね!」ドヤア

ケイ(ドヤ顔と格好のギャップが……)

ダージリン(なぜかしら……あの人の言い回し……どことなく同じにおいがします)


〜♪アアアンアン アアアンアン

〜♪アアアン アアアン アンアンアン


お銀(あんこうスーツ)「あ〜の子会いたや あっらなみ越えて〜♪」

お銀(あんこうスーツ)「頭のあかりは あ〜いの証〜♪」

ラム(あんこうスーツ)「燃やして♪ こがして♪」

ムラカミ(あんこうスーツ)「ゆ〜らゆらあ〜〜♪」バルルン バルルン

フリント(あんこうスーツ)「燃やして♪ こがして♪」

カトラス(あんこうスーツ)「ゆ〜らゆらあ〜〜♪」ペターン ペターン

お銀(あんこうスーツ)「こっち来て アンアン♪ 逃げないで アンアン♪」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/20(火) 22:48:29.59 ID:Hbo2WM6s0

サメさんチーム『波に揺られて アン♪アン♪アン♪』ババッ!

〜♪ デッデデー デッデデー デーデーデン!

サメさんチーム『……』

サメさんチーム『…………』ペコリ

ダージリン「意外と礼儀正しい……」

お銀(あんこうスーツ)「それじゃ野郎ども! 引き上げるよ!」

『 ヨーソローーッッ!! 』

ゾロゾロ スタスタ

デデーン 全員 アウトー

みほ「わああっ!」スパーン
ケイ「なんなのっ!」スパーン
エリカ「ああもうっ!」スパーン
ダージリン「ああううっ!」スパーン

ボコ『うっ ううう……』ムクリ

ボコ『オ、オイラは何を……?』

みほ「ボコ!?」
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